明 細 害
シクロスボリ ン類のリ ン酸エステル誘導体及び医薬組成物
技 術 分 野
本発明は、 シクロスボリ ン類のリ ン酸エステル誘導体に Mするも のである。 詳しく は、 医薬、 特に免疫抑制剤として有用なシクロス ポリ ン類のリ ン酸エステル誘導体に Mするものである。
背 景 技 術
シクロスボリ ン類は、 ト リ ポクラジウム · イ ンフラ一タム (
Tolypocladium in latum) などの糸伏菌によって逢生される 11個の ァミ ノ酸から構成される環状べプチ ドである。 シクロスボリ ン類は、 リ ンパ球に対し、 特異的かつ可逆的に作用し、 強力な免疫抑制作用、 抗炎症作用を有するものが多い。 これらの薬理活性については、 こ れまでに多数の幸 R告がある (例えば、 R.Y.Calne, Trend in
Pharmaceutical Sciences: 【mmunosupressi vein Clinical Organ Grafting. 1巻 ( 1979年) 21-22 頁、 R. Y. Calne. Nephron. 26卷
( 1980年〉 57-63頁など) 。
シクロスボリ ン類は、 メルク , インデックスにも収載されている 化合物であり、 これまで多くの化合物が知られている。 例えば、
「R. M. Wengerら著、 Progress in the Chemistry of Organic
Natural Products, 50巻、 157 頁、 Springer-Verlag 社発刊、 W. Herzら編集 j には、 真菌類が生逢するシクロスボリ ン類の一 K表が 記載されている。 これを次に示す。
表中、 最上 fflの 1 から 1 1の番号は、 上記シク ロスポリ ン Aの構造 式に付されている番号に対応するア ミ ノ酸の位 S番号を意味し、 縱 に並んでいる Aから Zまでの記号はシクロスボリ ン類の種類を意味
する。 また、 MeBmt は構造式 ( Π〕 で示される Ν-メチル _(4R)-4-ブ 夕- 2B-ェン -1- ィル -4- メチル -α)ト レオニン又は構造式 (m〕 で 示される 〔E〕 のジヒ ドロ体を、 DeoxyBmtは N-メチル -(4R)-4-ブ夕 -2E-ェン -1- ィル -4- メチル -(L)- な- ア ミ ノ »黢を、 Brot は(4R) -4- ブタ -2B-ェン-卜 ィル -4- メチル-(ぃト レオニンを、 *は N-メ チル -2- ア ミ ノォクタノ ン酸を、 Sar はザルコシン (sarcosine 、 N-メチル-い グリ シン) を、 Abu は a - ァ ミ ノ »酸 (L-a- aminobutylic acid ) を、 Ala はァラニンを、 Leu はロイシンを、 MeLeu は N-メチル-し- ロイシン (N-methy卜い leucine) を、 MeVal は N-メチル-し- バリ ン (N-methy卜 L-leucine) を、 Nva はノ ルバリ ンを、 Thr は ト レオニンを、 Val はバリ ンを、 接頭 きの D はり 型を、 接頭箱の L はし 型を、 それぞれ表す。
〔I〕 CI)
8位に D-セ リ ンを S换したシクロスボリ ン類も知られている ( R. Traber ら、 J. Antibiot.. 42巻、 591-597 頁、 1989年) 。 2位 が 3-ヒ ドロキシノルバリ ン、 4-ヒ ドロキシノ ルバリ ンなどに置換さ
れたシクロスポリ ンも報告されている (C. Papageogiou et al 、
Bioorganic & Medical Chemistry Letters^ 13巻、 2529-2564 頁、 1993年) o
更に、 特開昭 52-59180号公報、 特開昭 56-128725 号公報、 特開昭 57-140753 号公報、 特開昭 60-215700 号公報、 特開昭 61-212599 号 公報、 特開昭 62-77399号公報、 特開平 2-137 号公報などにもシクロ スボリ ン類が開示されている。
シクロスボリ ン類は免疫抑制作用等を有するこ とから、 種々のシ ク ロスボリ ン類を含有する医薬組成物が提案されている (特表平 5- 500964号公報、 特表平 5-503306号公報、 特開平 5-208996号公報、 特 開平 5-310591号公報、 特表平 5-507903号公 «など) 。 実際にシクロ スポリ ン Aについては、 カブセル、 内用液、 注射液の剤型で市阪さ れている。
しかしながら、 これまで知られているシク ロスボリ ン類は、 難水 溶性であり、 賢毒性があり、 綞ロ投与した場合には吸収率が良くな いという 题点などが報告されている (シクロスボリ ン Aの副作用 Iこつ ヽて、 M. J.Mihatsch et al, Toxicology Letters. 6^. 125- 139 頁. 1989年、 B. Ryffel. Arch Toxicology. 53巻. 107-141 頁, 1983年など) o
ところで、 シクロスボリ ン類がリ ン酸エステル化された化合物及 びそれを含有する医薬組成物は知られていない。 そればかりかボリ ペプチ ドをリ ン酸エステル化することによって、 水溶性を高め、 吸 収性を向上させると共に、 g毒性の柽減をもたらした例も見当たら ない。
発 明 の 開 示
本発明の目的は、 水溶性及び経口投与した場合の吸収性が高く、 かつ胥毒性が低い新規なシクロスボリ ン類及びそれを含有する医薬 組成物を提供することにある。
本発明は、 水酸基を有するアミ ノ酸を構成要素とするシクロスポ リ ン類において、 該水酸基の全部又は一部がリ ン酸エステル ( -P(0) (0H) ,) 化されているシクロスボリ ン類のリ ン ¾エステル誘導 体若しく はその塩、 又はそれらの溶媒和物 (水和物を含む) である。 本発明は、 水酸基を有するァミ ノ酸を構成要素とするシクロスボ リ ン類の水酸基の全部又は一部がリ ン酸エステル化されているとこ ろに特 aを有する。
水酸基を有するァ ミ ノ酸を構成要素とするシクロスボリ ン類とし ては、 例えば、 次の構造式 〔 I〕 で表される化合物若しく はその 、 又はそれらの溶媒和物 (水和物を含む。 以下これらを 「本発明化合 物 J という) を挙げることができる。 厂 MeBmt
_Α · -Α,'
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11
( I )
ここで、 A ,は D-若しくはい a —アミ ノ酸酸、 D-若しく はいァラニ ン、 D-若しくはいト レォニン、 D-若しく はいバリ ン、 D-若しくはい 3-ヒ ドロキシノルバリ ン又は D-若しく はい 4-ヒ ドロキシノルバリ ン を表し、 は D-若しく はい N-メチルロイシン、 D-若しく はい口イシ
ン又は D-若しく はいバリ ンを表し、 A,は D-若しく はいバリ ン又は D- 若しくはいノルバリ ンを表し、 A«は D-若しく はし-口イシン又は D-若 しく は L-メチルロイシ ンを表し、 A ,は D-若しく は L-ァラニン又は D- 若しくはい α —ァ ミ ノ酪酸を表し、 Α·は D-若しく はいァラニン又は D-若しく はいセリ ンを表し、 Α7は D-若しく はいメチルロイシン又は D-若しくはいロイシンを表し、 Α,は D-若しく は L-メチルロイシン又 は D-若しく はいロイシンを表し、 Α,は D-若しく はレバリ ン又は D-若 しく はいメチルバリ ンを表す。 MeBmt 、 Sar は、 前記と同じである。
1-Πの番号は、 ア ミ ノ酸の位匱略称のための番号を表す。
この中、 A ,がいト レォニンであるもの、 又は A,が D-セリ ンである ものが好ま しい。 また、 〔ト レオニン, 〕 シクロスポリ ン八、 ( 4- ヒ ドロキシノルバリ ン * 〕 シクロスボリ ン A、 〔D-セリ ン * 〕 シク ロスボリ ン A又は 〔ト レオニン1 、 D-セリ ン * 〕 シクロスポリ ン A であるものが好ましい。
ここで、 本発明に係るシクロスボリ ン類の命名方法について説明 する。
Φ特に D-の記载のないァミ ノ酸は、 全ていァミ ノ酸を意味するもの とする。
②シクロスボリ ン Aを基準にとり、 シクロスボリ ン Aと異なるア ミ ノ酸を有するシクロスボリ ンに対し、 異なるアミ ノ酸の種類と S換 した位置を次のように示す。 例えば、 〔トレオニン》 〕 シクロスボ リ ン A、 〔ト レオニン 2 、 D-セリ ン 1 〕 シクロスボリ ン Aにおいて、 前者はシクロスボリ ン Aの 2位のア ミ ノ酸がト レォニンに a換した シクロスボリ ン Aを、 後者はシクロスポリ ン Aの 2位のア ミ ノ酸が
ト レォニンに且つ 8位のアミ ノ酸が D-セリ ンに 換したシクロスボ リ ン Aを意味する ものとする。 また、 〔フ ォスフ オ ノ ト レオニン: 〕 シク ロスボリ ン A、 〔フ ォスフ オ ノ - D- セ リ ン, 〕 シク ロスポリ ン Aにおいては、 前者はシクロスポリ ン Aの 2位のア ミ ノ酸がいト レオニンに S換し且つそのい ト レオニンの水酸基がリ ン酸エステル 化された化合物を、 後者はシクロスボリ ン Aの 8位のア ミ ノ酸が D- セリ ンに ϋ換し且つその D-セリ ンの水酸基がリ ン酸エステル化され た化合物を意味するものとする (アミ ノ酸の位 Sについては、 構造 式 〔 I 〕 を参照) 。 また、 〔フ ォスフ オ ノ - D- セ リ ン ' 〕 シク ロス ボリ ン Α ニナ ト リ ウム塩は、 〔フ ォスフ オ ノ - D- セ リ ン · 〕 シク ロスボリ ン Aのリ ン酸基がニナ ト リゥム坦となった化合物を意味す るものとする。
本発明化合物のいくつかを以下に挙げる。 本発明化合物はこれら に限定されるものではない
フ ォスフ オ ノ ト レオニン シク ロスボリ ン A、
フ ォスフ オ ノ ト レオニン シク ロスボリ ン A —ナ ト リ ゥム ¾、 フ ォスフ オ ノ ト レオニン シクロスボリ ン A ニナ ト リウム t &、 フ ォスフ オ ノ トレオニン シクロスボリ ン A 二カ リ ゥム堪、 フ ォスフ オ ノ - D- セ リ ン シクロスボリ ン A、
フ ォスフ オ ノ - D- セ リ ン シク ロスボリ ン A —ナ ト リ ウム塩、 フ ォスフ オ ノ - D- セ リ ン シク ロスボリ ン A ニナ ト リ ゥム塩、 フ ォスフ オ ノ - D- セ リ ン シク ロスボリ ン A 二カ リ ウム塩、 フ ォスフ オ ノ - D- セリ ン シクロスボリ ン A 二べンジルアミ ン塩、
(:フ ォスフ オ ノ ト レオニン》 、 フ ォスフ オ ノ - D- セ リ ン, 〕 シク ロ スボリ ン A、
(フ ォスフ オ ノ ト レオニン 2 、 フ ォスフ オ ノ - D- セ リ ン ' 〕 シク ロ スポリ ン A ニナ ト リ ウム埴、
〔フ ォスフ オ ノ ト レオニン i 、 フ ォスフ オ ノ - D- セ リ ン ' 〕 シク ロ スボリ ン A 四ナ ト リ ウム埴、
(フ ォスフ オ ノ ト レオニン a 、 フ ォスフ オ ノ - D- セ リ ン ' 〕 シク ロ スボリ ン A 四カ リ ウム塩、
〔フ ォスフ オ ノ - D- ト レオニン 1 シク ロスボリ ン A、
(フ ォスフ オ ノ - D- ト レオニン 1 シク ロスポリ ン A ニナ ト リ ゥ ム埴、
(フ ォスフ オ ノ - D- ト レオニン 1 シク ロスポリ ン A 二カ リ ウム 堪、
(フ ォスフ オ ノ - D- ト レオニン 1 シク ロスボリ ン B、
(フ ォスフ オ ノ - D- ト レオニン 1 シク ロスボリ ン B ニナ ト リ ゥ ム埴、
〔フ ォスフ オ ノ - D- ト レオニン シク ロスボリ ン B 二カ リ ウム 坩、
〔フ ォスフ オ ノ - D- ト レオニン シク ロスボリ ン :、
(フ ォスフ オ ノ - D- ト レオニン シク ロスボリ ン C ニナ ト リ ゥ ム塩、
〔フ ォスフ オ ノ - D- ト レオニン シク ロスポリ ン C 二カ リ ウム 堪、
〔フ ォスフ オ ノ - D- ト レオニン シク ロスボリ ン D、
〔フ ォスフ オ ノ - D- ト レオニン シク ロスボリ ン D ニナ ト リ ゥ ム 、
〔フ ォスフ オ ノ - D- ト レオニン シクロスボリ ン D 二カ リ ウム i]Si、
〔フ ォスフ オ ノ - D- ト レオニン シクロスボリ ン Ε、
〔フ ォスフ オ ノ - D- ト レオニン シクロスボリ ン Ε ニナ ト リ ゥ ム塩、
〔フ ォスフ オ ノ - D- ト レォニン シクロスボ リ ン Ε 二カ リ ウム 塩、
〔フ ォスフ オ ノ - D- ト レオニン シクロスボリ ン F、
〔フ ォスフ オ ノ - D- ト レオニン シクロスボリ ン F ニナ ト リ ゥ ム¾、
〔フ ォスフ オ ノ - D- ト レオニン シクロスボリ ン F 二カ リ ウム 塩、
〔フ ォスフ オ ノ - D- ト レオニン シク αスボ リ ン G、
(フ ォスフ オ ノ - D- ト レオニン シクロスボ |J ン G ニナ ト リ ゥ ム堪、
(フ ォスフ オ ノ - D- ト レオニン シクロスボ |J ン G 二カ リ ウム 坦、
(フ ォスフ オ ノ - D- ト レオニン シクロスボリ ン
〔フ ォスフ オ ノ - D- ト レオニン シクロスボリ ン H ニナ ト リ ゥ ム埴、
〔フ ォスフ オ ノ - D- ト レオニン, 〕 シク ロスボリ ン H 二カ リ ウム 塩、
(フ ォスフ オ ノ - D- ト レォニン 1 シク ロスボ ン I、 〔フ ォスフ オ ノ - D- ト レオニン 1 シク ロスボ ン I ニナ ト リ ゥ ム ½、
〔フ ォスフ オ ノ - D- ト レオニン 1 シクロスボ ン I 二カ リ ウム 塩、
〔フ ォスフ オ ノ - D- ト レオニン 1 シクロスボ ン
〔フ ォスフ オ ノ - D- ト レオニン 1 シクロスボ リ ン Κ ニナ ト リ ゥ ム塩、
〔フ ォスフ オ ノ - D- ト レオニン1 シクロスボ リ ン Κ 二カ リ ウム 埴、
〔フ ォスフ オ ノ - D- ト レォニン1 シクロスボ J ンし、
〔フ ォスフ オ ノ - D- ト レオニン1 シクロスボ リ ン L ニナ ト リ ゥ ム¾、
〔フ ォスフ オ ノ - D- ト レオニン シク αスボリ ン L 二カ リウム 埴、
(フ ォスフ オ ノ - D- ト レオニン シクロスボリ ン
(フ ォスフ オ ノ - D- ト レオニン シクロスボリ ン M ニナ ト リ ゥ ム埴、
〔フ ォスフ オ ノ - D- ト レォニン シクロスボリ ン M 二カ リ ウム 塩、
(フ ォスフ オ ノ - D- ト レォニン シクロスボリ ン 0、
(フ ォスフ オ ノ - D- ト レオニン シクロスボ リ ン 0 ニナ ト リ ゥ ム塩、
〔フ ォスフ オ ノ - D- ト レオニン ' 〕 シクロスボリ ン 0 二カ リ ウム
坩、
〔フ ォスフ オノ - D- ト レオニン シクロスボ リ ン P、
〔フ ォスフ オノ - D- ト レオニン シクロスボリ ン P ニナ ト リ ゥ ム也、
〔フ ォスフ オノ - D- ト レオニン シクロスボ リ ン P 二カ リ ウム 埴、
(フ ォスフオノ - D- ト レオニン シクロスボリ ン Q、
〔フ ォスフ オノ - D- ト レオニン シクロスボリ ン Q ニナ ト リ ゥ ム堪、
〔フ ォスフ オノ - D- ト レオニン シクロスボリ ン Q 二カ リ ウム 埴、
(フ ォスフ オノ - D- ト レォニン シクロスボリ ン
〔フォスフ オノ - D- ト レオニン シクロスポリ ン R ニナ ト リ ゥ ム坦、
(フ ォスフ オノ - D- ト レオニン シクロスボリ ン R 二カ リ ウム 坦、
(フォスフォノ -D- ト レオニン シクロスボリ ン S、
(フォスフォノ ト レオニン シクロスボリ ン S ニナ ト リ ゥ ム埴、
〔フ ォスフ オノ - D- ト レオニン シクロスポリ ン S 二カ リ ウム 堪、
(フ ォスフ ォノ -D- ト レォニン シクロスボ Iン1\
(フォスフ ォノ -D- ト レォニン シクロスボ リ ン T ニナ ト リ ゥ ム 、
〔フ ォスフ オ ノ - D- ト レオニン * 〕 シクロスボリ ン丁 二カ リ ウム 坦、
〔フ ォスフ オ ノ - D- ト レオニン 1 シクロスボ ン U、
〔フ ォスフ オ ノ - D- ト レオニン 1 シクロスボ リ ン U ニナ ト リ ゥ ム塩、
〔フ ォスフ オ ノ - D- ト レオニン 1 シクロスボ ン U 二カ リ ウム 也、
〔フ ォスフ オ ノ - D- ト レオニン 1 シクロスボ ン V、
〔フ ォスフ オ ノ - D- ト レオニン' シクロスボ ン V ニナ ト リ ゥ ム埴、
〔フ ォスフ オノ - D- ト レオニン 1 シクロスボ リ ン V 二カ リ ウム 塩、
〔フ ォスフ オ ノ - D- ト レオニン シクロスボ
(フォスフオノ - D- ト レオニン シクロスボリ ン W ニナ ト リゥ ム埴、
(フ ォスフ オ ノ - D- ト レオニン シクロスボリ ン W 二カ リ ウム 埴、
(フ ォスフ オノ - D- ト レオニン シクロスポ リ ン X、
〔フ ォスフ オ ノ - D- ト レォニン シクロスボリ ン X ニナ ト リ ゥ ム坦、
〔フ ォスフ オ ノ - D- ト レォニン シクロスボ リ ン X 二カ リ ウム 塩、
〔フ ォスフ オ ノ - D- ト レオニン シクロスボリ ン Y、
〔フ ォスフ オ ノ - D- ト レオニン シクロスボ J ン Υ ニナ ト リ ゥ
ム坦、
〔フ ォスフ オ ノ D- ト レォニン i 〕 シク ロスボリ ン Y 二カ リ ウム 埴、
(フ ォスフ オ ノ - D- ト レオニン · 〕 シク ロスボリ ン 、
〔フ ォスフ オ ノ - D- ト レォニン, 〕 シク ロスボ リ ン Z ニナ ト リ ゥ ム埴、
〔フ ォスフ オ ノ - D- ト レオニン 1 〕 シク ロスボリ ン Z 二カ リ ウム 塩、
〔フ ォスフ オ ノ - D- ト レオニン, 、 フ ォスフ オ ノ ト レオニン》 〕 シ ク ロスボリ ン A、
〔フ ォスフ オ ノ - D- ト レォニン, 、 フ ォ スフ オ ノ ト レオニン, 〕 シ ク ロスボリ ン A ニナ ト リ ゥム塩、
〔フ ォスフ オ ノ - D- ト レオニン, 、 フ ォスフ オ ノ ト レオニン, 〕 シ クロスポリ ン A 二カ リ ウム坩、
〔フ ォスフ オ ノ ヒ ドロキシノ ルバ リ ン, 〕 シク ロスボリ ン A、
〔フ ォスフ オ ノ ヒ ドロキシノ ルバリ ン》 〕 シク ロスボリ ン A ニナ ト リ ゥム塩、
〔フ ォスフ オ ノ ヒ ドロキシノ ルバリ ン, 〕 シク ロスポリ ン A 二力 リ ゥ厶坦、
〔フ ォスフ オ ノ ヒ ドロキシノ ルバリ ン 、 フ ォスフ オ ノ - D- セ リ ン 1 〕 シク ロスボリ ン A、
〔フ ォスフ オ ノ ヒ ドロキシノ ルバリ ン 1 、 フ ォスフ オ ノ - D- セ リ ン 1 〕 シク ロスボリ ン A ニナ ト リ ウム塩、
〔フ ォスフ オ ノ ヒ ドロキシノ ルバ リ ン 2 、 フ ォスフ オ ノ - D- セ リ ン 1
〕 シク ロスボリ ン A 二カ リ ウム塩。
この中、 〔フ ォスフ オ ノ - D- セ リ ン ' 〕 シク ロスボ リ ン A ニナ ト リ ゥム塩が好ましい。
発明を実施するための最良の形
次に本発明化合物の製造方法について説明する。
本発明化合物の合成原料となる各種のシクロスボリ ン類は、 これ までに知られている公知の方法を用いて合成することができる。 そ の方法が記載されている文献としては、 例えば、 特開昭 52-591 80号 公報、 特開昭 56- 128725 号公報、 特開昭 57- 140753 号公報、 特開昭 60-215700 号公報、 特開昭 61 -212599 号公報、 特開昭 62-77399号公 報、 特開平 2- 1 37 号公報及びその他前記した文献などを举げること ができる。
リ ン酸エステル化の反応も公知の方法で行なうことができる。 例 えば、 リ ン酸化剤としては、 酸クロ リ ド型リ ン醵化剤 (ォキシ埴化 リ ン、 フ エニル リ ン酸ジク ロ リ ド、 ジフ tニル リ ン酸ク ロ リ ド、 ジ ベンジルリ ン酸クロ リ ド、 二トロフエニルリ ン酸ジクロリ ド、 ジ モルフォ リ ノ リ ン酸クロリ ド、 ビス ( 9 . β , 9一ト リ クロロェチ ル) リ ン黢、 Ρ -ジフ ニル - ρ' -モルホリ ノ ビ口 リ ン酸クロリ ドなど ) を用いる方法、 酸無水物型リ ン酸化剤 (0-ベンジル亜リ ン酸 0- ジフ ニル リ ン酸無水物、 テ ト ラ (パラニ ト ロ フ ニル) ピロ リ ン 酸、 テトラクロ口ピロ リ ン酸、 ジフ ニルリ ン酸無水物、 など) を 用いる方法、 イ ミ ドイルリ ン酸を中間体とする方法 ( )9ーシァノエ チルリ ン酸とジシクロへキシルカルポジイ ミ ド、 モノべンジルリ ン 酸とジシクロへキシルカルポジイ ミ ドなど) 、 三塩化リ ン、 ト リス
( 8-キノ リル) リ ン酸、 2- ( N. N-ジメチルァ ミ ノ) -4- ニトロフエ ニルリ ン酸などのその他のリ ン酸化剂を用いる方法などである。 溶 媒としては、 ピリ ジン、 ジメチルホルムアミ ド、 ジメチルスルホキ シ ド、 クロ口ホルム、 メチレンクロリ ド、 メタノール、 エタノール などである。 ピリ ジン以外の溶媒を用いた時は、 ピリ ジン、 2. 6-ジ メチルビリ ジンなどの適当な塩基を加えても良い。 反応温度は、 通 常、 0-100 でであるが、 必要に応じて更に冷却または加温して行な うこともできる。 反応時間は、 通常、 数時間- 数日である。 以上の 方法でリ ン酸エステル化した後、 本発明の化合物を得るためには、 使用したリ ン酸化剤に応じて、 保 »基を脱 «すれば良い。 これも公 知の方法、 例えば、 酸またはアルカ リによる加水分解、 接触 ¾元な どで行なうことができる。
反応液からの回収、 精製、 単 «には、 シクロスポリ ンにおいて、 これまでに用いられて来た公知の方法が応用できる (特開昭 55- 55150 号公報、 特開昭 57-140753 号公報、 特開昭 62-77399号公報な ど) 。 更に、 本発明の化合物においては、 リ ン酸基に着目した情製 方法も非常に有利に適用できる。 例えば、 低 pHにおける酢酸ェチル、 tt¾プチル、 クロ口ホルム、 堪化メチレン、 n-ブ夕ノールなどでの 溶媒抽出およびその溶媒層から高 pHでの水層への転溶 : 活性炭、 ァ ンバーライ ト XAD (ローム ' アン ド ·ハース社製) 、 ダイアイオン HP- 20 (三菱化成社製) などによる吸着とメタノール 水、 ァセ ト ン 水などによる溶出 : ダウエッ クス 1 X 2 (ダウケ ミ カル社製) 、 QAB-セフ アデッ クス A-25 (フ アルマシア社製) 、 DEAE -セルローズ ヮッ トマン DE-32 (ヮッ トマン社製) 、 DEAE- セフア ツデッ クス A-
25 (フアルマシア社 K ) などのイオン交換樹脂による吸着及び溶出 : セフアデッ クス G- 10 (フアルマシア社製) 、 バイオ · ゲル Ρ-20 (バ ィオラッ ド社製) などによるゲルろ a : セルロース、 アビセル SP ( アメ リカン · ピスコース社製) などのカラムクロマ トグラフィー ; ァセ トンなどの溶剤添加による強制沈》法 ; 凍結乾燥法などをそれ ぞれ単独で或いは適宜組み合わせて、 更に場合によっては、 反復し て使用される。
本発明化合物はリ ン酸基の塩の形 »をとることができ、 かかる埴 は、 公知の方法により得ることができ、 例えば、 遊離の本発明化合 物に水酸化ナト リ ウム等の水酸化物を加え、 擾拌処理することによ り得ることができる。 当眩埴の例としては、 例えば、 ナ ト リウム埴、 カリウム ¾、 リチウム坩のようなアルカ リ金属坦 : カルシウム堪、 マグネシウム坦のようなアルカ リ土親金 堪 ; アルミニウム埴のよ うなその他の金厲塩 ; アンモニゥム坦、 モノェチルァ ミ ン、 ジメチ ルァミ ン、 ト リ メチルァミ ン、 モノエタノールァミ ン、 ジェ夕ノー ルァミ ンのような第一极、 第二极又は第三极ァミ ンによる堪; ベン ザチン、 ブロカイン、 ベンジルァミ ン、 ジベンジルァ ミ ン、 N-ベン ジル- β - フ Xネチルァミ ン、 レエフ: tナミ ン、 Ν. Ν' - ジベンジル エチレンジァ ミ ン、 デヒ ドロアビエチルァミ ン、 Ν-ェチルビベリ ジ ン、 ジシクロへキシルアミ ンなどの有機塩基による塩等が含まれ、 中でも生理学的に許容しうる ¾が好ま しく、 特に、 ナ ト リ ウム ¾、 力リゥム塩などが好適である。
本発明化合物は、 一般に遊離型の化合物よりも塩の形の方が、 水 溶性が高い。 従って、 医薬用途に使用する場合、 その用途に じて
¾の形の化合物を選択することが好ま しい。
また、 本発明化合物は、 水和物を含む溶媒和物の形 S8をとること もできる。 当該水和物等は、 主に本発明化合物の合成 , 精製過程に おいて生じ、 そのまま単雜することができる。 当該溶媒和物は、 遊 tt型本発明化合物の溶媒和物であっても、 塩型の本発明化合物の溶 媒和物であってもよい。
本発明化合物は、 結晶多形をとる場合がある。 この場合も本発明 化合物に含まれる。
本発明化合物は、 基本的に既存のシクロスボリ ン類のリ ン酸エス テル体であるから、 既存のシクロスボリ ン が持つ効能を有する。 特に、 本発明化合物は免疫不全に起因する各種疾患及びそれらの疾 患の治麽薬として有用である。
具体的には、 本発明化合物は胥移植における拒否反応の抑制、 骨 a移植における拒否反応及び移植片対宿主病の抑制、 ペーチ: ト病 (眼症状のある場合) 、 肝移 ttにおける拒否反応の抑制、 專常性乾 せん、 讓泡性乾せん、 乾せん性杠皮症、 閟節症性乾せんなどの治療 ¾として、 また内因性プドウ «炎、 角 «移植、 春季角結腠炎、 木質 角結胰炎、 乾燥眼症候群、 前部プドウ膜炎、 オンコセルカ症などの 眼疾患などの治療薬、 心班、 肺 «、 n 、 皮膚および角膜における 移植された臓器の排除防止、 リ ューマチ性 M節炎、 真性糖尿病 I、 全身性紅班性郎¾そう、 かん皮症、 ゥェグナ一氏肉芽臛症、 好酸球 性筋胰炎、 原発性シローシス、 グレーブス病、 およびクローン病の ような各種自己免疫疾患及び重症筋無力症、 多発性硬化症などの治 麽薬として有用である。 エイズ又はエイズ M連疾患の処8、 ア ト ピ
一性皮 If炎、 ァレルギ一性接触皮膚炎などの疾患に対しても有用で ある。 更に、 ネフローゼ症候群 (頻回再発型、 ステロイ ド抵抗性) 、 再生不良性貧血、 赤芽球ろうなど基本的に免疫不全に起因する各種 疾患の治療薬としても有用である。
本発明化合物を医薬として投与する場合、 本発明化合物はそのま ま又は医薬的に許容される無毒性かつ不活性の担体中に、 例えば
0. 01 ¾〜99. 59ί、 好ま しく は 0. 5¾〜90 ¾含有する医薬組成物として、 人を含む動物に投与することができる。
以下、 本発明化合物に係る医薬組成物 (以下 「本発明組成物 j と いう) について説明する。
担体としては、 固形、 半固形、 又は液状の希釈剤、 充填剤、 及び その他の処方用の助剤一種以上が用いられる。 本発明組成物は、 投 与単位形 «で投与することが望ましい。 本発明組成物は、 経口投与、 組織内投与、 局所投与 (経皮投与、 点眼、 綞鼻等) 又は柽直 AS的に 投与することができる。 これらの投与方法に適した剤型で投与され るのはもちろんである。 例えば、 経口投与及び組織内投与、 特に経 口投与が好ましい。 経口投与が好ましいのは、 本発明化合物の特徴 の一つである。
免疫抑制剤としての本発明化合物の用量は、 年齢、 体重、 等の患 者の状 »、 投与経路、 病気の性 Kと程度等を考慮した上で調整する ことか望ましいが、 通常は、 成人に対して本発明の有効成分量とし て、 1 日あたり、 5 rog〜 I 日/ヒ トの ¾囲が、 好ましくは、 10 mg〜100mg ノ日ノヒ トの範囲が ¾当である。 場合によっては、 これ 以下でも足りるし、 また逆にこれ以上の用量を必要とすることもあ
る。 また 1 日 2〜 3回に分割して投与することもできる。 経口投与は固形又は液状の用量単位、 例えば、 末剤、 カブセル剂、 锭剤、 糖衣剤、 顆拉剤、 散剤、 懸菊剤、 液剤、 シロ ップ剤、 ドロッ ブ剤、 舌下锭その他の剤型によって行うことができる。
末剤は本発明化合物を適当な細かさにすることにより製造される。 敢剤は本発明化合物を適当な細かさと成し、 ついで同様に細かく し た医薬用担体、 例えば »粉、 マンニトールのような可食性炭水化物 その他と混合することにより製造される。 必要に応じ風味剤、 保存 剤、 分散剤、 着色剤、 香料その他のものを混じてもよい。
カブセル剤は、 まず上述のようにして粉末状となつた末剤ゃ敢剤 あるいはお剤の項で述べるように顆粒化したものを、 例えばゼラチ ンカプセルのようなカプセル外皮の中へ充«することにより製造さ れる。 滑沢剤や流動化剂、 例えばコロイ ド状のシリカ、 タルク、 ス テアリ ン酸マグネシウム、 ステアリ ン酸カルシウム、 固形のボリエ チレングリ コールのようなものを粉末状 |»のものに混合し、 然るの ちに充«操作を行うこともできる。 崩壞剤ゃ可溶化剤、 例えばカル ボキシメチルセルロース、 カルボキシメチルセルロースカルシウム、 低置换度ヒ ドロキシブ口ビルセルロース、 クロスカルメロースナト リウム、 カルボキシメチルスターチナト リウム、 垅酸カルシウム、 拔酸ナト リ ウム、 を添加すれば、 カブセル剤が摂取されたときの医 薬の有効性を改善することができる。
また、 本発明化合物の微粉末を植物油、 ボリエチレングリ コール、 グリセリ ン、 界面活性剤中に « ¾分敗し、 これをゼラチンシー トで 包んで軟カブセル剤とすることができる。 锭剤は陚形剤を加えて粉
末混合物を作り、 顆粒化もしくはスラグ化し、 ついで崩壊剤又は滑 沢剤を加えたのち打锭することにより製造される。 粉末混合物は、 適当に粉末化された物質を上述の希釈剤やベースと混合し、 必要に 応じ結合剤 (例えば、 カルボキシメチルセルロースナ ト リウム、 メ チルセルロース、 ヒ ドロキシブ口ビルメチルセルロース、 ゼラチン、 ボリ ビュルピロ リ ドン、 ボリ ビュルアルコールなど) 、 溶解運延化 剤 (例えば、 パラフィ ンなど〉 、 再吸収剤 (例えば、 四极塩) や吸 着剤 (例えばベン トナイ ト、 カオリ ン、 リ ン酸ジカルシウムなど) をも併用してもよい。 扮末混合物は、 まず結合剤、 例えばシロップ、 «粉糊、 アラ ビアゴム、 セルロース ¾液又は高分子物質溶液で湿ら せ、 «拌混合し、 これを乾燥、 粉砕して顆拉とすることができる。 このように扮末を顆拉化するかわりに、 まず打錠機にかけたのち、 得られる不完全な形 1»のスラグを破砕して頼泣にすることも可能で ある。
このようにして作られる顆拉は、 滑沢剤としてステアリ ン酸、 ス テアリ ン酸埴、 タルク、 ミ ネラルオイルその他を添加することによ り、 互いに付着することを防ぐことができる。 このように滑沢化さ れた混合物をついで打 a [する。 こう して製造した素绽にフイルムコ 一ティ ングゃ糖衣を施すことができる。
また本発明化合物は、 上述のように顆拉化ゃスラグ化の工程を経 ることなく、 流動性の不活性担体と混合したのちに直接打锭しても よい。 シ Xラッ クの密閉被 κからなる透明又は半透明の保護被覆、 糖や高分子材料の被覆、 及び、 ワッ クスよりなる e上被覆の如きも 用いうる。
他の経口投与剤型、 例えば溶液、 シロップ、 トローチ、 エリキシ ルなどもまたその一定量が本発明化合物の一定 iを含有するように 用量単位形想にすることができる。 シロ ップは、 本発明化合物を適 当な香味水溶液に溶解して製造され、 またェリキシルは非毒性のァ ルコール性担体を用いることにより製造される。 懸溷剤は、 本発明 化合物を非毒性担体中に分敗させることにより処方される。 可溶化 剤や乳化剤 (例えば、 エトキシ化されたイソステアリルアルコール 類、 ポリオキシエチレンソルビトールエステル類) 、 保存剤、 風味
K与剤 (例えば、 ぺパミ ン ト油、 サヅカ リ ン) その他もまた必要に 応じ添加することができる。
必要とあらば、 経口投与のための用 ft単位処方はマイクロカブセ ル化してもよい。 該処方はまた被覆をしたり、 高分子 · ワックス等 中にうめこんだりすることにより作用時間の延長ゃ持挠放出をもた らすこともできる。
組織内投与は、 皮下 ·筋肉又は静脈内注射用としたところの液伏 用量単位形 «8、 例えば溶液ゃ懸 «剤の形餓を用いることによって行 うことができる。 これらのものは、 本発明化合物の一定量を、 注射 の目的に適合する非毒性の液状担体、 例えば水性や油性の媒体に翻 濁し又は溶解し、 ついで該懸 ¾液又は溶液を滅菌することにより製 造される。 注射液を等張にするために非毒性の塩や塩溶液を添加し てもよい。 更に安定剤、 保存剤、 乳化剤等を併用することもできる < 直腸投与は、 化合物を低融点の水に可溶又は不溶め固体、 例えば ボリエチレングリ コール、 カカオ胞、 半合成の油脂 (例えば、 ウイ テブゾール、 登録商摞) 、 高极エステル類 (例えばバルミ チン酸ミ
リスチルエステル) 及びそれらの混合物に溶解又は ® ®させて製造 した坐剤等を用いることによって行うことができる。
その他、 局所投与は、 軟膏剤、 パップ剤、 ブラスタ一剤、 パッチ 剤、 リニメ ン ト剤、 点眼剤、 柽森剤などの剤型で行う ことができる。 軟膏剤は、 脂肪、 脂肪油、 ラノ リ ン、 ヮセリ ン、 バラフイ ン、 ろう、 榭脂、 ブラスチッ ク、 グリ コール類、 高极アルコール、 グリセリ ン、 水、 乳化剤、 化剂若しく はそのほかの適当な添加剤を原料とす るか、 又はこれらを基剤とし、 本発明化合物を加え、 混和して製す ることができる。 パッブ剤は、 本発明化合物の粉末をグリセリ ン、 水又はそのほかの適当な液状の物質と混和し、 精油成分を加えて製 することができる。 ブラスタ一剂は、 脂肪、 脂肪油、 脂肪酸塩、 ろ う、 榭脂、 ブラスチック、 精製ラノ リ ン、 ゴム若しく はこれらの混 合物を原料とするか、 又はこれらを基剤とし、 本発明化合物を均等 に混和して製することができる。 点眼剤は、 本発明化合物の一定量 を «菌精製水、 生理食 ¾水、 注射用蒸留水等に溶解又は し、 一 定容 *とすることにより製することができる。
実 施 例
実施例、 試験例により、 本発明を以下に更に詳しく説明する。 実 施例に係る化合物は、 本発明化合物の一例である。
実施例 1 〔フ ォスフ オ ノ ト レオニン》 〕 シク ロスボリ Aの合成
ノ<リ ウム 2-シァノ エチルフ ォスフ エ一 ト ジハイ ドレー ト 484mg を 5ml の強酸性 イオン交换榭脂 (AG50W-X2、 B I 0-RAD 社製) の人つ た 6ml の水に « 33し、 不溶の坦が消えるまで擾はんした。 これを 2ml の同榭脂を充¾したカラムに流し、 さらに 20ralの水で溶出した 後、 滅圧下 ¾8槠乾固し、 シァノ エチルフ ォスフ ュー トを ¾製した。 以下の実施例で使用したシァノエチルフォスフ X— トは同様の方法 で 製した。 これにシクロスボリ ン C 187mg. ジシクロへキシルカ ルボジイ ミ ド 640mg 、 ピリ ジン l Onlを加え、 室温下 63. 5時間浸はん した。 反応終了後、 水 3ral を加え、 30分間麼はん後、 不溶物をろ紙 Λ ¾で除去し、 ろ液を減圧下 »椅した。 これをメタノール 5ml に S ®し、 セフアデックス LH20 (フアルマシア社製) を充填したカラム クロマ ト(27X850mm)、 メタノールで精製し、 反応物の粗画分 235mg を得、 そのうち 91ragに 25¾ アンモニア水 8ml を加え、 室温下で 24時 間擾はんした。 これを 5N坦酸で pH 1〜2 に調整し、 逆相 C M の榭脂 ( MEGA BOND ELUT C , ,カー ト リ ッジ、 Anal y t i chem 社製) に吸着さ せ、 水洗後 60から 70% メタノールにて溶出し、 滅圧下溶媒を留去す ることにより、 29mgの白色粉末を得た。 さらにこれを下記の条件で 高速液体クロマ トグラフィ による分取精製を行って目的物を分画し, 減圧下溶媒を留去した。
分取条件
カラム : イナ一ト シル PREP-0DS 、 20X250miD (ジーエルサイェン ス製)
力ラム温度 : 60で
溶雜液 : 70¾ ァセ トニ ト リ ル リ ン酸水溶液
流 is : 7ml/min
反応物のリテンシ ョ ンタイム : 17.2roin
この分画を少量の水で懸面し、 逆相 の榭脂 (Sep-Pak C. 力 ー ト リ ッジ、 WATERS社製〉 に吸着させ、 水洗後メタノールで溶出す ることにより、 白色扮末状の 〔フ ォスフオノ トレオニン ' 〕 シクロ スボリ ン Aを 16mg得た。
/ (フ ォスフオノ 卜 レオニン, 〕 シクロスポリ ン Aの物性値
1.物質の色及び伏懇 白色粉末
2.融点 171-175 で
3.旋光度 〔な〕 >0=-138 · (c-0.69, ノ-ル 中)
4.元素分析 C<2H.1 2N O..P · 5/2H,0として
計算傢( ) : C 55.42 : H 8.78 ; 11.47
実測値(¾) : C 55.14 : H 8.45 : N 11.37
5.分子量 1297 (FABMS)
6.質 i分析 險イオン FABMS 法 : (M-H) - 、 ra/z 1296
イオン PABMS 法 : (M+H) ♦ 、 m/z 1298 実施例 2 (フ ォ フ オノ ト レオニン1 〕 シクロスボリ ン A ニナ トリゥ 堪の合成
シクロスポリ ン C250mgにシァノエチルフ ォスフ ェー ト 154mg 、 ジ シク口へキシルカルボジィ ミ ド 422rag 、 ピリ ジン 8ml を加え、 室温
下 16時間 «はんした。 反応終了後、 水 2ml を加え、 60分間擾はん後, 不溶物を Λ¾除去し、 弒圧下濃槠した。 これに 25 ア ンモニア水 40 mlを加え、 室温下で 19時間 «はんした。 これを鉞圧下、 約 15mlまで ¾槠し、 2N塩酸で pH 1〜2 に I»整し、 15π»1の齚酸ェチルで 3回抽出 した。 得られた^酸ェチル閽は水洗浄後、 硫酸ナ ト リウムで乾煉し 弒圧下 »槠した。 次にこれをメタノール 10mlに溶かし、 0.5N水酸化 ナ ト リウムを 0.9ml ¾下し、 窒温下 16時間 «はん後、 滅圧下溶媒を 留去した。 これに水 3ral を加え、 逆相 d, の榭脂 (MEGA BOND
ELUT d,カー ト リ ッ ジ、 Analytichem 社製) に吸着させ、 水洗後 40 から 60¾ メタノールにて溶出し、 減圧下溶媒を留去することにより, 目的とするニナ ト リゥム堪を 204mg 得た。
(フ ォスフ オ ノ ト レオニン, 〕 シクロスボリ ン A ニナ ト リ ウム 坦の物性值
1.物質の色及び伏 SS 無色結晶性 粉末
2.融点 209-210 で
3.旋光度 〔a ) ,β»-158 · (c=0.48 、 ル 中)
4.元素分析 ,Η,,οΝ,,Ο,,ΡΝΒ, · 3Η,0として
計算値(¾) : C 53.32 ; Η 8.37 : Ν 11.03
実測値 C : C 53.03 : H 8.44 ; 11.02
5.分子 ft 1341 (FABMS)
6. K量分析 イオン FABMS 法 : (M+H) ♦ 、 m/z 1342 またシク ロスボリ ン C200mgを用いて同様にリ ン酸化し、 0.2N水酸 化ナ ト リ ウムにてシァノエチル基を脱 «後、 マイクロァシライザ一
GK ァシブレッ クスカー ト リ ッジ AC-210-10 (いずれも旭化成社製 ) にて脱坦後、 弒圧下 S縮し、 セフアデッ クス LH20 (フ τルマシア 社製) を充填したカラムクロマ ト、 メタノールで精製すると白色粉 末の反応物が 16mg得られた。 本化合物は FAB MSによる分子量測定に より (フ ォスフ オノ ト レオニン, 〕 シクロスポリ ン Aのーナ ト リ ウ ム埴であることが同定された (質量分析 : »イオン FABMS 法 :
(M+H) ♦ 、 m/z 1320) 。
実施例 3 〔フ ォ フ オノ - D- セリ _ン 1 〕 シクロスポリ ン Aの合成 〔D-セ リ ン 1 〕 シクロスボリ ン A 0.7g 、 シァノエチルフ ォスフ エー ト 0.5g、 ジシクロへキシルカルボジイ ミ ド 1.5g、 ビリ ジン 20ml を添加し、 20時閒«はんした。 水 5ml を加え、 1時間浸はん後、 ろ 紙»過して不溶物を除去した。 ろ液を減圧下濃槠乾固し、 アンモニ ァ水 100ml を添加し、 室温下、 一夜擾はんした。 これを 酸で pH 1 〜2 に W整し、 K酸ェチル 0ml で 3回油出し、 銥水硫酸ナトリウ ムで脱水し、 滅圧下溶媒を留去した。 これをセフアデックス LH-20 (フアルマシア社製) を充填したカラムクロマ ト (27X 270mm), メ 夕ノールにて精製し、 (フ ォスフオノ - D- セリ ン * 〕 シクロスポリ ン Aを 0.34g 得た。
/ 〔フォスフ オノ - D- セリ ン * 〕 シクロスボリ ン Aの物性镓
1.物質の色及び状 白色扮末
2.融点 170-174 で
3.旋光度 (a〕 20=-167 * (c-0.51 、 /-ル 中)
4.元素分析 C.,H, ,2N,,0,«P * 3/2H,0として
計算値( ) : C 56.18 ; H 8.74 ; 11.62
実測値(¾) : C 56.12 ; H 8.55 : N 11.45
5.分子量 1297 (FAB S)
6.質量分折 陰ィォン PABMS 法 : (M-H) - 、 m/z 1296
暘イオン PABMS 法 : (M+H) ♦ 、 m/z 1298 実施例 4 〔フ ォスフ オノ- D- セリ ン * 〕 シクロスボリ ン A ニナ ト リ ゥム塩の合成
実施例 3と同様にして、 〔D-セリ ン * 〕 シクロスボリ ン Aのリ ン 酸化を行った。 〔D-セ リ ン, 〕 シクロスポリ ン A 120mgにシァノェ チルフ ォスフエ一ト 74mg、 ジシクロへキシルカルボジィ ミ ド 204mg 、 ピリ ジン 4ml を加え、 64時間 «はんした。 次に水 0.5ml を加え、 30 分間機はんした後、 ろ紙 «!¾により不溶物を除去した。 これを滅圧 下讓槠½固し、 25 アンモニア水 20mlを加え 21時間 «はん後、 ろ紙 »¾により再び不溶物を除去した。 ¾圧下これを »槠乾固した後、 0.5Nの水酸化ナ ト リ ゥム水溶液を 0.7ml 加え、 20時間浸はんした。 滅圧下溶媒を留去し、 逆相 C,, の榭脂 (MEGA BOND ELUT カー ト リ ッジ、 Ana tichera 社製) に吸着させ、 水洗後 40¾ メタノールに て溶出し、 減圧下溶媒を留去することにより、 目的とするニナト リ ゥム塩を 70mg得た。
/ (フ ォスフ オノ- D- セリ ン · 〕 シクロスボリ ン A ニナ ト リ ウム 堪の物性値
1.物質の色及び伏》 無色繪 β性 ¾粉末
2.融点 199-203 'C
3.旋光度 〔な〕 |0 =-159 · (c=0.27 、 メタノ-ル 中)
4.元素分析 Ο.^Η. ,ΟΝ, ,Ο,.Ρ Β^ · 5Η,0として
計算値(¾) C 51.98 : H 8.44 : N 10.75
実測値(¾) C 51.72 : H 8.15 ; N 10.74
5.分子量 1341 (FABMS)
6.質量分析 »イオン PABMS 法 : (M+H) * 、 m/z 1342
実施例 5 〔フ ォスフ オ ノ - D- セ リ ン ' 〕 シク ロスボリ ン A 二べ ンジルァ ミ ン填の合成
実施例 4 で得られた 〔フ ォスフ オ ノ - D- セ リ ン · 〕 シク ロスポリ ン Aのニナ ト リ ゥ厶塩 20mgを水 Iml に溶かし、 2Nの塩酸で pH 1〜2 に ¾整し、 酢酸ェチル lral で 3回抽出し、 硫酸ナ ト リ ウムで乾燥後、 弒圧下濃槠乾固し、 17ragの白色物 を得た。 これにメタノール 0.5 ralを加え、 ベンジルァミ ン 4 1 を加え、 一夜 «はんした。 滅圧下 溶媒を留去し、 水 1ml を加え、 逆相 C,, の榭脂 (SEP-PAK C. カー ト リ ッジ、 WATERS社製) に吸着させ、 水洗後 40¾ メタノルにて溶出 し、 減圧下溶媒を留去することにより、 目的とする二べンジルアミ ン塩を 13mg得た。
/ (フ ォスフ オ ノ - D- セリ ン, 〕 シク αスポリ ン A 二ベンジルァ ミ ン埴の物性値
1.物 κの色及び状》 白色粉末
2.融点 164-166 で
3.旋光度 (α〕 *°»-199 · (C-0.28 、 メタ/ -ル 中)
4.元素分折 ,Η,,ΟΝΜΟΜΡ · 7Η,0として
計算値( ) : C 55.69 ; Η 8.86 : Ν 11.11
実蒯値 C : C 55.98 ; H 8.55 : N 11.17
実施例 6 〔フ ォスフ オ ノ ト レオニン * 、 フ ォスフ オ ノ - D- セ リ ン "
〕 シクロスボリ ン A 四ナ ト リウム塩の合成
実施例 3 と同様にして、 〔D-セリ ン · 〕 シクロスボリ ン Cのリ ン 酸化を行った。 CD-セリ ン, 〕 シクロスボリ ン C 30m にシァノエ チルフ ォスフヱー ト 39mg、 ジシクロへキシルカルボジィ ミ ド 102mg 、 ビリ ジン 2ml を加え、 65時間擾はんした。 次に水 0.5ml を加え、 30 分間 «はんした後、 ろ紙 ¾¾により不溶物を除去した。 これを弒圧 下濃槠乾固し、 アンモニア水 6ml を加え 21時間 «はん後、 ろ紙滤過 により再び不溶物を除去した。 絨圧下これを S槠乾固した後、 0.5N の水酸化ナト リ ウム水溶液を 0.2ml 加え、 20時間 «はんした。 減圧 下溶媒を留去し、 逆相 Ci, の榭脂 (SEP-PAK カー ト リ ッジ、 WATERS社製) に吸着させ、 水洗後 メタノールにて溶出し、 滅圧 下溶媒を留去することにより、 目的とする四ナト リ ウム塩を白色扮 末として 8mg 得た。 本化合物は PAB MSによる分子量測定により (フ ォスフオノ ト レオニン * 、 フォスフオノ - D- セリ ン · 〕 シクロスボ リ ン Aの四ナ ト リゥ厶堪であることが同定された (質量分析 ; »ィ オン PABMS法 : (M+H) + 、 m/z 1482) 。
轼驗例 1 IL-2産生阻寄活性
シクロスボリ ン類の免疫抑制活性は、 T-钿胞の IL-2産生遗伝子発 現抑制に基づいていることが知られている。 従って、 シクロスボリ ン類の生物活性は、 T-細胞の IL-2産生阻害の検肘をすれば良い。 そ こで、 T-細胞の一種であるジャーカツ ト細胞 (Jurkat cell 、 ヒ ト T-細胞の腫瘙細胞) を用いて、 本発明化合物の生物活性を検討した。
RPMI-1640 培地 (フローラボラ ト リーズ社製、 10¾ heat- inactivated FBS 、 300 mg/1 L-glutaraine^ 50 U/ml
streptomycin^ 50 U/ral penicilin、 25 m hepes、 50 M 2- mercaptoethanol)にて対数增¾期としたジャーカツ ト (Jurkat) 钿 胞の钿胞 »度を 8x10s /ml とし 0.1ml を 96ウェルマルチブレー トに 分注した。 次に、 IL-2産生の刺 »割としてコンカナバリ ン A を 10 β 1 加え更に各種膿度の試料を 20 1 添加した。 培地の添加により 最終容量を 0.2ml/ゥエルとし 37"Cp炭酸ガスィンキュベータ一にて 24時間培養した。 培養終了後直ちに各ゥ Xルについて遠心処理 ( 1000 rpm x 5 min) を行い上淸を得た。
【レ 2の測定は IL-2依存性細胞として知られている CTLL-2钿胞を用 いるバイオアツセィ法により行なった。
対数增¾期とした 0. lml の CTLL-2細胞 ( 40.000/ral)に前記した上 淸を適宜希釈した後、 O.lral 分注し 37でにて 酸ガスインキュベー ターで 48時間培養した。 培養終了後舳胞«¾を MTT アツセィにて測 定した。 CTLL-2細胞増 ¾率と 1レ2»度の M係は、 予めリ コンビナン ト について求めておき、 これをスタンダー ドカーブとして測定 した CTLL-2<ffl胞增殖率より 1レ2濃度を决定した。
1L-2産生阻害率は、 下纪式 (1)により求め、 各 »度における阻害率 より各試料の【 β値を算出した。 その結果を表 2に示す。
,, n 試料添加細胞での Iし- 2産生量 、
IL-2産生阻害率(¾)=(1- ) X 100
試料無添加細胞での Iし- 2産生量
•••(1)
表 2
試料名 I
シク 0スボリン A 3
シク πスボリン C 12
D-セリン, シクロスボリン A 6
スフ ίバレ才ニン ンク πス リン A 49
フォスフ才 /-D- セリン, ]シク 0ス ϋリン A 19 表 2より明らかなように本発明化合物は、 非リ ン酸エステル体に 比して活性は低下するが、 それ自体で強い I L-2産生阻害活性を有し ていた。
試験例 2 水に対する溶解性 シク ロスボ リ ン A、 シク ロスボ リ ン(:、 ( D-セ リ ン, 〕 シク ロス ボリ ン A、 〔フ ォスフ オ ノ - D- セ リ ン · 〕 シク ロスボリ ン A ニナ ト リ ウム塩、 〔フ ォ スフ オ ノ ト レオニン, 〕 シク ロスボ リ ン A 二 ナト リゥム塩をそれぞれ乳鉢で粉砕して試験管に一定量ずつ加えた, 次いで、 各々の試験管に蒸留水を試料 β度が 250mg/inlとなる様に加 え 30'Cにて 30分間振通慢拌した。 それぞれの試験管から 250 tx 1 ず つエツペンチューブに採り、 遠心処理(l O. OOOrpra l Omi n) した。 その上淸を採って、 蒸留水にて希釈後 HPLCにて定量した。
(フ ォスフ オ ノ - D- セ リ ン, 〕 シ ク ロスボ リ ン A ニナ ト リ ウム 及び (フ ォ スフ オ ノ ト レオニン》 〕 シ ク ロスボ リ ン A ニナ ト リ ゥム塩については、 500mg/nilとなるように蒸留水を加え上記と同様 の処理にて再度溶解度を求めた。
HPLC条件 ; カ ラ ム イ ナ一ト シル C8 ( 4. 6x250mm) ,
移動相 ァセ ト ニ ト リ ルー メ タ ノ一ルー蒸留水一
リ ン酸 ( 50: 35: 15 : 0. 005)、
カラム温度 75で、 UV 210nmで検出
表 3
試料名 溶解度 ( rag/ml ) シク Dスボリン A 0. 0267
シタ πス^ン C 0. 0297
D-セリン Ίシク πスボリン A 0. 0351
フ"フ セリン,】シク πスボリン A ニナトリウム ¾ 500く
フ ίスフ トレ才ニンつシク 0スボリン A ニナトリウム坦 250く 表 3に既知のシクロスポリ ン八、 Cと対比して示した。 表 3より 明らかなように本発明化合物は既存のシクロスボリ ン八、 C等と比 ベ約 7000倍以上も水溶性が高かつた。 試験例 3 骨毒性の検时 リチウムク リアランス法により、 ¾F «性を抨価した。 ここで検时 したリ チウムク リアランス法が脊障害の指 «としての価值を有する ことは既に報告されている (武井孝、 日本 ©尿器学会珐、 83巻、 40 -47 頁、 1992年) o
7通齢の雄 S Dラッ トを用い、 1群 10匹で対照群、 シクロスボリ ン A 10mg/kg投与群、 シクロスボリ ン C投与群、 〔フ ォスフオ ノ ト レオニン 2 〕 シク ロスポリ ン A投与群、 〔フ ォスフ オ ノ - D- セ リ ン 1 〕 シクロスボリ ン A投与群の 5群を設け、 各試料を 5mg/mlの »度に »整した後、 腹腔内に 2ml /kgの容量で 7 日間連統注射した。 対照群 には試料の調整に用いた溶媒を同様に投与した。 投与 *終日に^酸 リ チウム水溶液 (23, 6mg/ 10ml /kg) を強制経口投与した後 P-2 飼料 (船檎農場製) に炭酸リチウムを加えたリチウム含有食 (し i CO , 738. 9mg/kg/f ood)を与えた。 翌日ラ ッ ト頓静脈より採血した後代謝 ケージに入れリチウム含有食下で 24時間採尿し、 その尿 iをメスシ
リ ンダ一で測定した。 代謝ケージからラッ トを出したのち直ちに採 血し、 採尿前後 2点のリチウム值の平均値をラッ トの血中リチウム 値とした。 ラッ トの体重は代謝ケージから出した直後に測定した。 血中リチウムは採血後、 3000rpm で 10分間遠心分 «し得られた血漿 を用いて、 尿中リチウムは採尿後 OOrpm で 10分間遠心分離し得ら れた上淸を用いて、 ともに炎光光度計 ( 775型、 日立製作所製) に より測定した。 上記の測定慷から次式 (2)により、 ラッ ト体重 100g当 りの 24時間リチウムク リアランス(CL I) を算出した。
24時閲 CL,/100g=尿 ix 100/ラッ ト体重 · 尿 Li值 血中し itt
… ) 表 4
試料名
対照群 100
シク Dス ί·;リン A 53
シク D :リン C 39
7*ス 7ί/トレ才ニン *]シク 0スボリン A ニナトリウム埴 125
フォス /-D- セリン,】シク πスポリ'/ A ニナトリウム 98
• 対照群に対する試料投与群の血中リチウム量の割合
桔果を表 4に既知のシクロスボリ ン八、 Cと対比して示した。 表 中で数値がコ ン トロールの 100より小さいことは臂毒性の所見を意 味している。 表 4 より明らかなように既知のシクロスポリ ン A、 C が臂毒性を示しているのに対し、 本発明化合物の肾毒性は極めて低 力、づた 0
試驗例 4 接口投与時の吸収とリ ン¾基の遊雌
体重 250gの SD系ラッ トに 30mg/kg となるように 0.5¾メチルセル口 ース水溶液に S¾させた 〔D-セリ ン, 〕 シクロスボリ ン A及び 〔フ
ォスフ オ ノ - D- セリ ン, 〕 シクロスボリ ン Aを経口投与し柽時毎に 頭部静脈より採血した。 採血後遠心処理 ( 10.000 rpm X 5 min) に より上清を分取し、 前処理カラム (Sep-pack C. Vac、 waters) に 通液して蒸留水、 40¾ メタノールにて洗浄した。 50 メタノールか ら 100¾メタノールの 10¾ ステップによりカラムからの溶出画分を採 り、 その 50 1 を HPLCにインジェク トしてそれぞれの濃度を求めた。 それらの濃度より血中濃度を計算した。 桔果を表 5に示す。 表 5
投 後(hr) 0.5 1 2 4 8 24 24hrまで の時間 の血中 Λ
度の総筘
① 895 4321 1915 1021 533 69 8754
② 1413 3115 2516 2391 910 103 10448
③ 391 813 971 536 311 31 3053
④ 1804 3928 3437 2927 1221 134 13501 表中の血中 S度は、 ng/ml である
[D-セリン,】シク πスボリン A
[フ tスフ セリン ·】'ンクロス ίリン Aを投与した場合に、 リ ン酸 を遊雌した [D-セリン ·】'ンク πスポリン Aの血中 »度
③: [フォスフ セリンリシク mi:リン Aを投与した場合の
[7*スフ */+ セリン,】シク リン Aの血中 as度
④: ②と③の合計
表 5 より明らかなように本発明化合物は既知のシクロスボリ ン類 (非リ ン酸エステル体) に比べて吸収速度が早く、 また約 1.5倍程 度総吸収量が増加した。 また、 表 5から明らかなように本発明化合 物は、 イ ンビボにおいて遊 «し、 より生物活性の強い非リ ン酸エス テル体へと変換した。 製 剤 例 製剤例 1 固形剤
1錠 180mg 中、 以下の処方に従って常法により锭剤を調製した。 処方 実施例 4の化合物 l OOmg
乳糖 61mg ΐβ粉 14mg
ボリ ビュルアルコール 2mg
タルク 2rag
ステアリ ン酸マグネシウム lmg
製剤例 2 注射剤
1 管 1 ml中、 以下の処方に従って常法により注射剤を調製した。 処方 実施例 4の化合物 l Oing
塩化ナト リウム 90mg
¾酸水素ナト リウム 10ID8
注射用蒸留水 速量
製剤例 3 カブセル剤
1 カブセル 285mg 中、 以下の処方に従って常法により硬カブセル 剂を調 Sした。
処方 実施例 4の化合物 l OOrag
乳糖 107πβ
微結晶セルロース l Ong
ステアリ ン酸マグネシウム 3ng 発 明 の 効 果
本発明化合物は、 それ自体で強い生物活性を有しており且つ生体 內でより活性の強い非リ ン酸エステル体へと一部変換される。 また.
水に対する溶解度が高く、 更に生体内における吸収速度が早く吸収 量が多い。 従って、 特殊な製剤形 SSをとらなくても投与することが でき、 生体内において薬効を発揮することができる。
更に、 本発明化合物は 毒性か極めて低い。 生体内で非リ ン酸ェ ステル体に多少加水分解されるにもかかわらず、 B毒性が Sめて低 い理由については今のところ不明である。