WO1996004412A1 - Procede de production de silicone decorative - Google Patents

Description

明 細 書

装飾品用 シ リ コ ン の製造方法

技 術 分 野

鏡面仕上げ した又は鏡面仕上げを して いな い シ リ コ ン 単結晶又は多結晶体を本発明方法に よ り 処理 して酸化膜 付けを行な う こ と に よ り 色彩のあ る カ ラ フ ル性、 耐久性 新規性かつ応用性のあ る シ リ コ ン装飾品を提供す る も の であ る。

背 景 技 術

従来か ら、 金属類、 宝石の代用 品 と して、 た と えば、 卑金属類の表面に着色 した り 、 メ ツ キ層 を設けた り 、 あ る いは、 合成樹脂に着色 した り した も のがあ る。 ま た、 最近では と く に、 先端技術分野で製造さ れる材料、 た と えば鏡面 シ リ コ ン板を装飾用 と して、 ネ ク タ イ ピ ン の装 飾部分に使 っ た り した も のがあ る。

しか し、 金属や シ リ コ ン の場合は、 材料の生地その も のを利用する と き は問題はな いが、 着色 した も のがあ る と 、 着色剤が剝離 しゃす く 、 耐久性に問題があ つ た。 さ ら に、 新 しい貴石 と して色彩、 色の深み、 耐久性、 輝き 等の装飾性に優れる も のを得る こ と は、 難 しか っ た。 シ リ コ ン を装飾品 と して加工す る に当 た り 、 表面に酸化層 を設けた り （特開平 3 — 3 9 1 0 2号） 、 可視光線に対 し透 過性で不活性な シ リ コ ン化合物層を表層 に設けた シ リ コ ン基装飾品が し られて い る （特開昭 6 0— 1 3 5 9 9号） 。 発 明 の 開 示

本発明は、 着色剤を用 いずに、 シ リ コ ン表面を発色 さ せ、 装飾性に優れた装飾品用 シ リ コ ン の製造方法を提供 す る も ので、 鏡面仕上げ した シ リ コ ン表面に フ ッ 酸溶液 を接触さ せて前処理 し、 さ ら に N H洗浄を行な っ たのち 酸化膜付けを行な う か、 ま たは鏡面仕上げの施さ れてい ない シ リ コ ン を フ ッ 酸溶液を接触さ せて前処理 し、 さ ら に ア ル カ リ エ ッ チ ン グ { K0H ： H₂0系， NaOH ： H₂0系， NH₄0H ： H₂0系， [NH₂(CH₂) ₂NH₂] ： H ₂0 ： [ C ₆ H ₄ (OH) ₂ ] 系溶液な ど } を行な っ たのち、 N H洗浄（NH₄0H ： H ₂0₂系 又は NH₄0H ： H ₂0₂ ： H₂0系溶液な ど） を行ない、 しかる 後、 酸化膜付けする こ と を特徴 とする装飾品用 シ リ コ ン の製造方法であ り 、 こ れ ら製造方法において装飾品用 シ リ コ ン を最終形状 ま で加工 し た の ち 、 酸化膜付 け を行 な っ て も よ い。

図面の簡単な説明

第 1 図（a) は本発明方法に よ っ て製造 さ れた球状 シ リ コ ン ピー ス の断面図、 （b)は楕円体状 シ リ コ ン ピー ス の 断面図、 第 2 図（a) は本発明方法に よ っ て製造 さ れた板 状 シ リ コ ン ピ ー ス の斜視図、 （ は板状 シ リ コ ン ピー ス 両端の一方角部に " R " をつけた形状の斜視図。

第 3 図は ダイ ヤ型のプ リ リ ア ン カ ツ ト に本発明方法を 適用 した シ リ コ ン装飾品の側面図。

第 4 図 （a)〜（ f ) は本発明方法の シ リ コ ン装飾品の加 ェ例を示す図。 第 5 図 （a)〜（c) は本発明方法の更に異な る 実施例の 工程毎の断面図。

第 6 図 （a)〜 （c) は本発明方法の シ リ コ ン装飾品の さ ら に異な る 実施例の工程毎の断面図。

第 7 図 （a)〜 （c) は本発明方法に よ る シ リ コ ン装飾品 の応用例を示す図。

第 8 図（a). (b)本発明方法に よ る シ リ コ ン装飾品の一 実施例の発色原理を示す図。

第 9 図 （a)及び（b) は曲面 と カ ッ ト 部を有する シ リ コ ン装飾品の例を示す上面図及び側面図。

第 10図は第 1 図に示す球状 シ リ コ ン ピー ス に種 々 の加 ェを施 した例を示す図。

発明を実施する ための最良の形態 従来 よ り 、 シ リ コ ン 表面 に酸化膜が存在す る こ と に よ っ て、 そ の呈す る 色が、 膜厚で変わ る こ と は、 知 られ てい る （ 「 シ リ コ ン集積素子技術の基礎」 R. M.パー カ ー R. P. ド ノ フ ァ ン ， P. 67 表 2 . 8 ) 。 こ の文献に掲げ ら れた も のは、 半導体ウ ェハの酸化膜に よ る デバイ スの電 気的な保護膜で、 厚みの 目 視検査用 に研究 さ れた も ので あ る。 本発明者 ら は長年の研究に よ り 、 球面お よ び曲面 を'有する シ リ コ ン装飾品を開発 し、 特開平 4 - 122203号 公報にそ の技術を述べている。 しか し、 本発明者 ら は、 平面を有す る も のであ っ て も、 こ れを装飾品 と して用 い る と、 高貴な風合いの も のが得 られる こ と を見出 した。

シ リ コ ン平面上に形成さ れた均一な酸化膜は、 見る方 向 に よ り 第 8 図 の よ う に、 実効膜厚が変 化す る 。 し た が っ て、 前記文献に記載さ れた膜厚の差に よ る色彩が、 見る方向で様 々 に変化 し、 平面であ っ て も 美麗で装飾性 の高 い外観を呈す る よ う に な る と 思わ れ る 。 と く に、 カ ツ ト 面を形成 した も のは、 各面か らの色調がそれぞれ 異な っ て、 かつ見る方向に よ っ て逐次変化 してい く ため 極めて美麗にな る も の と思われる。

第 4 図は、 本発明の シ リ コ ン装飾品の一加工例を示 し た も のであ る。 第 4 図（a) は、 板状の も のであ る。 一方 の面に接着剤等に よ り 、 他の装飾物を取 り 付け る こ とが で き る。 第 4 図（b) は、 第 4 図（a) の板面に適当な深 さ の穴 5 を設けた も ので、 台座な どに ビ ス止めが可能 と な る。 第 4 図（c) 乃至第 4 図（f ) に示 した も のは、 通 し穴 5 を有 してお り 、 た とえば、 多数個を連ねる こ と に よ り ネ ッ ク レ スやブロ ー チ等に も 応用でき る 。

以下、 本発明の実施例を説明する。

(第 1 の実施例）

第 1 の発明の一実施例について説明す る。 本実施例の 特徴は、 単結晶鏡面に フ ッ 酸処理工程を導入 した こ とで あ る。 すなわち、 半導体製造に用 い られる シ リ コ ン単結 晶イ ン ゴ ッ ト か ら、 まずス ラ イ サ一 に よ り 15mm厚みの板 を多数枚切 り 出 し、 更に切断機で縦 ' 横 15mmに切断 して さ い こ ろ状素材を 600〜 700ケ を製作 し、 こ れを研磨機 で研磨 し直径 10mmの球状 ピー ス に加工 した。 球状 ピー ス をエ ッ チ ン グ液 [ H F ： HN0₃ = 1 ： 5 ( W t % ) ] に浸漬 して鏡面エ ッ チ ン グ処理を行 っ た。 そ して球状 ピー ス を フ ッ 酸濃度 50Wt % の溶液 （ 25°C ) に 20分間浸漬処理 を 行っ た。 以上の処理が施 さ れた各 ピー ス を出発材料 と し て以下の工程で装飾品用 シ リ コ ン を製作す る。 100個を 1 グルー プ と して 6 グルー プに分け、 石英ボー ト に搭載 した。 希望の酸化膜色を得 る ため、 A表に示 した酸化処 理時間にそれぞれ対応さ せ酸化炉で酸化膜付けを行 っ た 処理条件は時間を除けば No. 1〜 No.6と も に同一であ る。 こ の結果表 1 のサ ン プル No. 1〜 No.6の各色に示す色合い の も のが得 られ、 外観は表面にややかすみがか っ た鏡面 の風合いを呈す る装飾品用 シ リ コ ン を作 っ た。 こ のサ ン プルを第 1 図（a) に示す。 符号 1 は シ リ コ ン酸化膜、 符 号 2 は シ リ コ ンであ る。 ま た第 1 図 と第 10図（a) は同 じ も のであ り 、 （b)は （a)の一部を平坦に けず っ た もの、 (c)は （a)に ピ ン 穴 加工 し た も の で あ る 。 ま た （d)、

(e)、 （f)、 （q)は （a：)、 （b)それぞれに貫通穴をあ け た も のでネ ッ ク レ ス用 な どに加工 した も のであ る。

A 項 目 条 件

酸 化 温 度 1085°C 酸 素 流 量 50ccZ分 (Wet) 置換用ガス N₂ 20 /分

酸 化 時 間 Να ΐ , 7, 13, 19, 25, 31 ···· - 8分 30秒

Να2, 8， 14, 20, 26, 32 …- - 9分

Να3, 9, 15, 21, 27, 33 -" ·· 9分 30秒

Να4 , 10, 16, 22, 28, 3 …- ·· 16分 15秒

Να5, 11, 17, 23, 29, 35 ···· '· 24分

Να6, 12, 18, 24, 30, 36 …- ,· 35分

サンプル Να 色 外 観

Να 1 金

Να2 金

黒真珠色状

Να3 赤 金

ややかすみかかつた鏡面

Να 青 金

球状単結晶

Να5 黄 綠 第 2 図（b) は、 板状 シ リ コ ン ピー ス両端の一方側面角 部に R を設けた も の に、 前記第 2 図（a) の も の と 同様の 処理を行 っ た例の斜視図であ り 、 その結果は第 2 図（a) の場合 と ほ と ん ど同様であ っ た。

(第 2 の実施例）

第 2 の発明の一実施例について説明す る。 本実施例の 特徴は、 フ ッ 酸処理工程後に N H洗浄工程を導入 した こ とであ る。 すなわち、 半導体製造に用 い られる シ リ コ ン 多結晶イ ン ゴ ッ ト カ、 ら ス ラ イ サー に よ り 5 mm厚のゥ エ ー ハ を多数枚切 り 出 し 、 鏡面研磨 し た。 さ ら に こ れ ら の ゥ エ ー ハか ら切断機 を 用 い て縦 50mm X 横 7 mmの板状 に カ ツ 卜 した シ リ コ ン板 600〜 700枚を得た。 洗浄後、 こ れ ら の カ ツ ト さ れた シ リ コ ン板を常温で フ ッ 酸濃度 10Wt % の溶液 （ 70て ) に 5 分間浸漬 したのち、 純水で洗浄 し て乾燥 した。 つづいて NH₄0H ： H ₂0₂ ： H₂0= 10 ： 7 ： 83 ( Wt % ) 溶液 （ 85^eC ) で 30分間 N H洗浄を行な い、 シ リ コ ン板表面に異方性の細かいス リ ッ ト エ ッ チ ン グ処理を 施 した。 以上の処理が施さ れた各 シ リ コ ン板を出発材料 と して以下の工程で装飾品用 シ リ コ ン を製作す る。 こ れ を実施例 1 の酸化膜付け条件同様各 100個づっを 1 グル ー プ と して 6 グルー プに分け、 石英ボー ト に搭載 した。 前記 A表に示 した酸化処理時間にそれぞれ対応 さ せ酸化 炉で酸化膜付けを行 っ た。 処理条件は時間を除けば N 0. 7 ~ No. 12 と も に 同一で あ る 。 こ の結果表 2 のサ ン プ ル No.7〜 No. 12 の各色に示す色合いの も のが得 られ、 外観 は実施例 1 よ り やや濃 いかすみがか っ た鏡面の風合 い を 呈す る 装飾品用 シ リ コ ン を作 っ た。 こ のサ ン プルを第 2 図 （a) に示す。 符号 1 は シ リ コ ン酸化膜、 符号 2 は シ リ コ ン で あ る 。

(第 3 の実施例）

第 3 の発明の一実施例 について説明す る 。 本実施例の 特徴 は フ ッ 酸処理工程 と 、 ア ル カ リ エ ッ チ ン グ工程を導 入 した こ と であ る 。 すな わ ち 、 半導体製造 に用 い られ る シ リ コ ン 多結晶 ィ ン ゴ ッ ト カ、 ら ス ラ イ サ ー に よ り 厚 さ 8 mmの ゥ ヱ ー ハを多数枚切 り 出 し、 研磨 し た。 更に こ れ ら の ゥ ェ か ら超音波振動 ホ ー ン装置を用 いて 10mm径の 円柱状 ピー ス を 600か ら 700個型抜 き し、 宝石様に ダイ ャ型の鏡面カ ツ ト ピ ー ス を得た。 洗浄後、 こ れ ら の カ ツ ト ピー ス を常温で 10Wt% フ ッ 酸溶液 に 15分浸漬 したの ち 純水で洗浄 して乾燥 し た。 つづいて K0H ： H₂0= 15 ： 85 ( W t % ) 溶液 （ 90°C ) で 7 分間ア ル カ リ エ ツ チ ン グ した のち、 純水で洗浄 して乾燥 した。 以上の処理が施 さ れた 各 ピー スを出発材料 と して以下の工程で装飾品用 シ リ コ ン を製作す る。 100個を 1 グルー プ と して 6 グルー プに 分け、 石英ボー ト に搭載 した。 希望の酸化膜色を得る た め、 前記 A表に示 した酸化膜処理時間にそれぞれ対応 さ せ酸化炉で酸化膜付けを行 っ た。 処理条件は時間を除け ば No. 13 〜Νο. 18 と も に同一であ る。 こ の結果表 3 のサ ン プル No. 13 〜Νο. 18 の各色に示す色合いの ものが得 ら れ、 外観は細かいス リ ッ ト 状の く も り を有 し、 実施例 1 に比べ起伏のあ る半光沢面の風合いを呈 した多結晶モザ イ ク 模様の装飾品用 シ リ コ ン と な っ た。 尚、 多結晶をァ ル カ リ エ ッ チ ン グ液で処理す る と 異方性のエ ッ チ ン グ

{垂直方向 と水平方向へのエ ッ チ ン グ速度の差があ り 、 結晶方位に よ っ て粗密の結晶が有 り 、 エ ッ チ ン グの と る 量が見かけ上違 う た め粗面（100) 面で早 く 、 密面（111 ) 面で遅 く な る。 ま た多結晶の一つ一つの結晶面がそれぞ れ面方位及び面角度が違 う ため、 エ ッ チ ン グス ピ一 ドに 差がでて段差がで き 、 モ ザ イ ク 模様がは っ き り でて く る。 } を行な っ た。 こ の操作に よ り 最終工程の酸化膜付 け後の シ リ コ ン 表面が、 輝 き を呈す る 様な サ ン プル を 作 っ た。 こ のサ ン プルを第 3 図に示 し符号 1 は シ リ コ ン 酸化膜、 符号 2 は シ リ コ ンであ る。 サンプル NCL 色 外 観

Να13 金

黒具珠&状

Να14 金

細かいスリッ ト状のくもり

Να15 赤 金

起伏のある半光沢面

Να16 青 金

多結晶モザィク

Να17 Λ 綠

ダイヤ型力ッ ト

Να18 青 紫

(第 4 の実施例）

第 4 の発明の一実施例について説明す る。 本実施例の 特徴は、 フ ッ 酸処理工程 と、 ア ルカ リ エ ッ チ ン グ工程 と Ν Η洗浄工程 と を導入 した こ と である。 すなわち、 シ リ コ ン単結晶素材を用 いて得た円柱状 ピー ス 600〜 700個 に鏡面仕上げの施さ れていない宝石様の ダイ ヤ型カ ツ ト を行 っ た物を常温で 55ft't% フ ッ 酸溶液 （ 10 ） に 120分 浸潰 したのち、 純水で洗浄 して乾燥 した。 つづいて NaOH

： H₂0= 15 ： 85 ( Wt% ) 溶液 （ 90。C ) で 15分間ア ル力 リ エ ッ チ ン グ し、 次に NH₄0H : H₂0₂ : H₂0= 10 ： 7 : 83

( Wt % ) 溶液 （ 85'C ) で 30分間 N H洗浄 し、 乾燥を行 つ た。 以上の処理が施さ れた各 ピー スを出発材料 と して以 下の工程で装飾品用 シ リ コ ン を製作する。 100個を 1 グ ルー プ と して 6 グルー プに分け、 石英ボー ト に搭載 した 希望の酸化膜色を得る ため、 前記 A表に示 した酸化処理 時間にそれぞれ対応 さ せ酸化炉で酸化膜付けを行 っ た。 処理条件は時間 を除 けば No. 19 - No. 2 と も に同一であ る。 こ の結果表 4 のサ ン プル No. 19 〜 No. 24 の各色に示 す色合いの も のが得 られ、 外観は表面が細かいス リ ツ 卜 状をな し、 く も り を有 し、 実施例 3 よ り 表面に起伏があ り 、 半光沢の風合いを呈 した装飾品用 シ リ コ ン のサ ン プ ルを作 っ た。 こ のサ ン プルを第 3 図に示す。 符号 1 は シ リ コ ン酸化膜、 符号 2 は シ リ コ ンであ る。

表 4

(第 5 の実施例）

第 5 の発明の一実施例について説明す る。 本実施例の 特徴は、 加工層の残 っ た多結晶素材を用 いて フ ッ 酸処理 工程 と ア ルカ リ エ ッ チ ン グ工程を導入 した こ と であ る 。 すなわち、 半導体製造に用 い られる シ リ コ ン多結晶イ ン ゴ ッ ト カ、 ら ス ラ イ サー に よ り 10mm厚のゥ ェ 一ノヽを 100枚 ス ラ イ ス し、 こ れ らの ゥ ヱ 一ハか ら切断機を用 いて縦 40 mm x 横 20mmの長方体状 に シ リ コ ン を カ ッ ト し て 600〜 700個を得た。 こ の素材を研磨 し、 鏡面の楕円体状 シ リ コ ン ピー スを出発材料 と して以下の工程で装飾品用 シ リ コ ン を得た。 楕円体状 シ リ コ ン の各 ピー スを常温で 30Wt % フ ッ 酸溶液 （ 30°C ) に 30分浸潰 したのち、 純水で洗浄 して乾燥 した。 つづいて KOH : H ₂0 = 25 ： 75 ( Wt % ) の 溶液 （ 90^eC ) で 3 分間ア ルカ リ エ ッ チ ン グを行な っ たの ち純水で洗浄 して乾燥 した。 以上の処理が施さ れた各 ピ — スを出発材料 と して以下の工程で装飾品用 シ リ コ ン を 製作する。 100個を 1 グルー プ と して 6 グルー プに分け 石英ボー ト に搭載 した。 希望の酸化膜色を得る ため、 前 記 A表に示 した酸化処理時間にそれぞれ対応さ せ酸化炉 で酸化膜付けを行っ た。 処理条件は時間を除けば No. 25 〜 No. 30 と も に同一であ る 。 こ の結果表 5 のサ ン プル No. 25 〜 No. 30 の各色に示す色合いの も のが得 られ、 外 観は表面に多少光沢があ る多結晶模様を有 した、 装飾品 用 シ リ コ ン を作 っ た。 こ のサ ン プルを第 1 図（b) に示す 符号 1 は シ リ コ ン酸化膜、 符号 2 は シ リ コ ン であ る。

サンプル Να 色 外 観

Να25 金

ΒΒ ¾" 1+ Λ 4-ls.

黒具珠" £

Να26 金

少しく もりで

Να27 赤 金

多少光沢がある

Να28 青 金

楕円状多結晶模様

Να29 黄 綠

滑らかで結晶粒界が見える

Να30 青 紫

(第 6 の実施例）

第 6 の発明の一実施例を説明す る。 本実施例の特徴は 加工層の残 っ た単結晶素材を用 いて フ ッ 酸処理工程 と ァ ルカ リ エ ッ チ ン グ工程 と N H工程洗浄工程を導入 した こ とであ る。 すなわち、 実施例 5 と 同様に宝石様の ダイ ヤ 型 カ ッ ト と 洗浄 を行い、 ： れ ら の カ ツ 卜 さ れた ピ ー ス

600〜 700個を乾燥 した。 こ れ らのカ ツ ト さ れた各 ピー スを常温で 55Wt % フ ッ 酸溶液 （ 20。C ) に 30分浸潰 し た の ち純水で洗浄 して乾燥 した o 次いて K0H ： H ₂0 = 25 ： 75

( Wt % ) の溶液 （ 90。C ) で 15分間ア ルカ リ エ ッ チ ン グを したのち、 純水で洗浄 して乾燥 した。 以上の処理が施 さ れた各 ピー スを出発材料 と して以下の工程で装飾品用 シ リ コ ン を製作す る。 100個を 1 グルー プ と して 6 グルー プに分 け、 石英ボー ト に搭載 した。 希望の酸化膜色を得 る ため、 前記 A表に示 した酸化処理時間にそれぞれ対応 さ せ酸化炉で酸化膜付けを行 っ た。 処理条件は時間を除 けば No. 31 - No. 36 と も に同一であ る。

こ の結果表 6 サ ン プル No. 31 〜 No. 36 の各色に示す色 合いの ものが得 られ、 外観は実施例 1 よ り も く も り が濃 く 、 鈍い光沢があ る 単結晶を呈す る装飾品用 シ リ コ ン の サ ン プルを作っ た。 こ のサ ン プルを第 3 図に示す。 符号 1 は シ リ コ ン酸化膜、 符号 2 は シ リ コ ンであ る。

表 6

ま た上記実施例 1 か ら 6 の処理において フ ッ 酸処理条 件が異な る こ と を想定 した場合は、 特に温度が 10^eCの場 合反応が遅いのでフ ッ 酸濃度の濃い液を使用 し、 シ リ コ ン表面を見なが ら時間をかけて表面を粗面化 した。 ま た フ ッ 酸濃度が薄い場合では、 フ ッ 酸溶液の温度を温めて 反応を良 く し、 シ リ コ ン表面を見なが ら時間調整を行い 表面を粗面化 した。

通常市販 さ れてい る フ ッ 酸の濃度は 50〜 55Wt %であ つ て、 最 も入手 しやす く 扱いやすい。 ま た特別注文で フ ッ 酸の濃度は 200Wt % も可能であ る が実際問題 と して 56Wt %以上の濃度では発煙性が強 く な り 開 口 容器に移 した場 合ガス化 しやすいので濃度が安定せず、 しか も 開 口 容器 にあ けてか らの経過時間で濃度バ ラ ツキが大 き く 変化 し 量産性には向かな い。

ま た希釈 した場合には フ ッ 酸濃度が : 1 OWt %未満では反 応が鈍 く な り 、 バラ ツキが生 じて く る。 ま た シ リ コ ン表 面を均一に粗面化す る に は時間がかか っ た り 、 さ ら に濃 度を薄 く す る と 溶液の温度を上げて も反応 しな く な り 、 シ リ コ ン表面を粗面化す る こ とができ ないので量産性に は向かない。

しか し、 フ ッ 酸の濃度が低い場合には溶液の温度を高 めに して粗面化 した り 、 フ ッ 酸の濃度が高い場合は溶液 の温度を低めにす る こ と で粗面化でき る。 そ の他ア ル 力 リ エ ッ チ ン グ後に、 酸 （塩酸な ど） で中和す る と洗浄時 間が短縮で き る。 膜厚は、 最低の も ので 0. 2〃 m ( No. 1 ) 最高の物で 0. 47 m ( No. 6) であ る。 ま た酸化膜の厚み が 3 z m前後 ま で得 られる も のは装飾性のあ る 色あ いを 呈す る。 酸化膜は厚みが ま す と酸化膜色が変化す る が、 均一に酸化膜をつけ る こ と で同一色を得る こ とがで き る。 但 し第 8 図を参照 して説明す る と 、 前記各実施例に よ る シ リ コ ン の酸化膜厚みは、 均一であ るが、 板面であ る た め、 見る 角度で実効膜厚が異な り 、 反射 して来る 光の色 が違 っ て く る。 こ れは酸化膜中を光が反射 して戻 っ て く る と き 、 斜めに見え る ほ ど、 酸化膜の厚みが増 したの と 同 じ状態にな る ためであ る 。

基材を多面体に形成す る と 、 均一厚みの酸化膜で も 、 それぞれの面で実効膜厚が こ と な る こ と か ら、 いろんな 色に輝 く 。 も ち ろん、 どの面 も直角 に見た場合は、 本来 の色合いに見え る。

尚、 酸化膜付けは 80 0〜 1 30 0 °C の温度範囲が実用的 であ る。

(第 7 の実施例）

実施例 2 に用 いた も の と 同様に酸化膜付け加工 した シ リ コ ン板に、 通常半導体素子製造の際採用 さ れる 「 レ ジ ス ト 塗布 — 窓開け」 方法に よ り 、 酸化膜を部分的に一定 深 さ だけエ ッ チ ン グ して規定量の酸化膜を残 した。 レ ジ ス ト を除去 して、 酸化膜厚の異な る部分が混在する シ リ コ ン装飾品を得た。 こ の様子を第 5 図（c ) に示す。 膜厚 が部分的に異な る こ とか ら、 同一面において も様々 な色 合いを呈する装飾品 と な つ 7"こ o ⁷よ お、 第 5 図 ( a ) 乃至（c ) は本実施例での シ リ コ ン装飾品を製造す る一工程を順を 追 っ て示 した ものでめ る 。 符号 1 0はフ オ ト レ ジ ス ト を示 す。

なお、 本実施例では、 窓開 け部分の酸化膜を任意の厚 みを残 した状態に と どめたが、 第 6 図 （c )に示すよ う に、 エ ッ チ ン グで完全に取 り 除 けば、 シ リ コ ン 自身の表面を 露出 さ せる こ とが出来る か ら、 金属光沢が混在 した よ う な シ リ コ ン装飾品 と する こ とが出来る。 第 6 図（a ) 乃至 ( c ) も 第 5 図（a ) 乃至（c ) 同様、 製造工程を順を追 っ て 示 している。

ま た酸化膜の部分的除去は、 「 レ ジス ト 塗布 - 窓開 け」 方法に よ らな く て も 、 面上に適当 に H F 等のエ ッ チ ン グ 剤を滴下 した り 、 噴霧 した り 、 刷毛塗 した り する こ と 力 でき る。 その他研磨パ ッ ト 等で、 研磨 した り する こ と で も可能であ る。

さ らに、 窓開 けは、 マ ス ク を用 い る こ と に よ り 、 文字、 数字、 記号、 絵記号、 ブロ ッ ク パ タ ー ン 、 幾何図形等が でき る ので、 フ ァ ッ シ ョ ン性、 カ ラ フ ル性の趣向を凝 ら した シ リ コ ン装飾品を得る こ と も でき る。 その一例を第 7 図（a ) 〜（c ) の上面図で示す。

ま た、 本発明の応用例 と して第 9 図（a ) , ( b )で示す如 く 、 曲面 と カ ッ ト 部を有す る シ リ コ ン装飾品 も得 られ る。 第 9 図においては （a )は上面図、 （b )は側面図であ る。 こ の よ う に、 多結晶 シ リ コ ン基板を用 いてモザイ ク 模様 を呈す る 、 例えば、 壁材ゃ表札、 変わ っ た も の と して は 位牌等があ る 。

尚、 本発明の前記各実施例に よ り 得 られ る も のは、 専 ら ネ ク タ イ ピ ン やネ ッ ク レ スの よ う に組込 ま れる こ と を 想定 してな さ れた も のであ るが、 た と えば、 動物の置物 のよ う に、 最終形状に ま で シ リ コ ン を加工 した後に、 酸 化膜付けを行なえば、 それ 自 体が装飾品 と して完成 さ れ た も のに な る 。

本発明の シ リ コ ン装飾品は、 その表面の薄い酸化膜の ため、 極めて美麗な外観を呈 し、 特に、 表面が鏡面処理 さ れた平面を有す る も のは、 南洋にわずかに天然に採れ る 、 黒真珠 と 同様 も し く はそれ以上の外観を呈する。 こ う した装飾品が、 い ろんな形状で安価で提供さ れれば、 世の女性の美への願望 も、 ま た叶え られる こ と にな る。 ま た男性用 には、 ネ ク タ イ ピ ンやカ フ スな どに、 色彩の あ る カ ラ フ ル性、 耐久性、 新規性、 応用性を秘めた、 シ リ コ ン装飾品を提供する。

酸化膜厚は、 その酸化条件を適宜選べば自 由 に制御で き る ため、 所望の輝き を持つ シ リ コ ン装飾品を再現性良 く 製造でき る。 た と えばカ ツ ト 面を有す る ものであ っ て も、 シ リ コ ン に関 しては加工上の問題はないか ら、 タ イ ピ ン な どの同一形状品の均質な も のを得る こ とができ 、 装飾品 と して充分価値のあ る も の と な る。 真珠等の よ う に天然の も のでは、 自 由 な形状に加工す る こ と は困難で あ る が、 本発明の シ リ コ ン装飾品では、 大き さ 、 形状が 自 由 に選べる上、 加工 も 自 由 であ るか ら、 様々 な分野の 装飾に応用でき る。

さ ら に、 シ リ コ ン の酸化膜は、 いわゆ る石英 と同一の も のであ る か ら、 硬度が高 く 、 耐薬品性、 耐熱性 も優れ てお り 、 天然の真珠や、 その他 どのよ う な イ ミ テー シ ョ ン よ り 耐久性があ る。 長期間に及ぶ使用 では、 真珠は汗 を吸 っ て変質劣化す るが、 本発明に よ る シ リ コ ン装飾品 は安定であ る 。 ま た 、 比重 を み る と 、 真珠の場合、 約 2 . 9 、 シ リ コ ン は約 2 . 3であ る か ら、 身に付けて も重 く 感 じ る こ と はな い。 さ ら に、 シ リ コ ン酸化膜は、 不活性 であ る ため、 最近頓に問題にな っ て き て いる金属ア レ ル ギ一の よ う な、 人体への悪影響 も全 く な い。 ま た本発明 は シ リ コ ン の酸化膜に よ る光の干渉作用 を利用 してい る も のであ るが、 窒化膜に よ っ て も 同等の作用効果を期待 でき る。 窒化腠は酸化膜よ り さ ら に硬度が高 く 安定であ る ので、 特に保護膜をかねての利用が可能であ る。

産業上の利用分野

本発明は、 鏡面仕上げ した又は鏡面仕上げを していな ぃ シ リ コ ン単結晶又は多結晶体を本発明方法に よ り 処理 して酸化膜付けを行な う こ と に よ り 色彩のあ る カ ラ フ ル 性、 耐久性、 新規性かつ応用性のあ る シ リ コ ン装飾品を 得る こ とができ る。

Claims

請 求 の 範 囲

1 . 鏡面 仕上 げ し た シ リ コ ン 表 面 に 1 0〜 5 5 W t % 濃度 フ ッ 酸溶液を接触 さ せて前処理 し、 酸化膜付 けを行 う こ と を特徴 と す る 装飾品用 シ リ コ ン の製造方法。

2 . 鏡面仕上 げ し た シ リ コ ン 表面 に 1 0〜 5 5 W t % 濃 度 フ ッ 酸溶 液 を接触 さ せて前処理 し 、 さ ら に N H 洗浄 を 行 っ た の ち 、 酸化膜付 け を行 う こ と を特徴 と す る 装飾品 用 シ リ コ ン の製造方法。

3 . 鏡面 仕上 げ し た シ リ コ ン 表面 に 1 0〜 5 5 W t % 濃度 フ ッ 酸溶液を接触 さ せて前処理 し、 さ ら に ア ル カ リ エ ツ チ ン グを行 っ たの ち 、 酸化膜付 け を行 う こ と を特徴 と す る 装飾品用 シ リ コ ン の製造方法。

4 . 鏡面 仕上 げ し た シ リ コ ン 表面 に 1 0〜 5 5 W t % 濃度 フ ッ 酸溶液を接触 さ せて前処理 し、 さ ら に ア ル カ リ エ ツ チ ン グを し、 N H 洗浄 して酸化膜付 けを行 う こ と を特徴 と す る 装飾品用 シ リ コ ン の製造方法。

5 . 鏡面仕上 げの施 さ れて いな い シ リ コ ン 表面に 1 0〜 5 5 W t % 濃度 フ ッ 酸溶液 を接触 さ せて前処理 し、 さ ら に ァ ル カ リ エ ッ チ ン グを行 っ たの ち、 酸化膜付 け を行な う こ と を特徴 と す る 装飾品用 シ リ コ ン の製造方法。

6 . 鏡面仕上 げの施 さ れて いな い シ リ コ ン表面に 1 0〜 5 5 W t % 濃度 フ ッ 酸溶液を接触 さ せて前処理 し、 さ ら に ァ ル カ リ エ ッ チ ン グを し、 N H 洗浄を行 っ た の ち 、 酸化膜 付 け を行 う こ と を特徴 とす る 装飾品用 シ リ コ ン の製造方 J 法 o

7 . 前記フ ッ 酸溶液に よ る 処理が 1 0 ° (：〜 7 0 °Cの温度範 囲で行われる こ と を特徴 とす る請求項 1 乃至 6 の いずれ か一項に記載の装飾品用 シ リ コ ン の製造方法。

8 . 前記酸化膜付け後の酸化膜を部分的に除去する こ と を特徴 とす る請求項 1 乃至 7 のいずれか一項に記載の 装飾品用 シ リ コ ン の製造方法。

9 . 上記シ リ コ ンが多結晶又は単結晶素材であ る こ と を特徴 とする請求項 1 ない し 8 のいずれか一項に記載の 装飾品用 シ リ コ ン の製造方法。