JP3210197U - 装飾具 - Google Patents
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Abstract
【課題】新しい製造方法により製造され、デザイン性に優れた宝石部を備えた装飾具を提供する。【解決手段】所定の宝石カット法でカットされた表面6と、金属が真空蒸着された裏面とを備える宝石部を有する装飾具10であって、宝石部は、裏面に蒸着された薄膜金属の一部を剥離して、剥離された領域が薄膜金属の色とは異なる色に着色されている。剥離された領域は、複数の領域12a,12b,12cに分かれており、各領域は、ランダムな方向に延伸し、かつ、ランダムな幅と長さを有するように剥離形成されており、複数の色で着色されている。【選択図】図1
Description
本考案は、装飾具に関する。
従来、指輪・イヤリング・ネックレス等の装飾具にはダイヤモンド及びダイヤモンド類似石などの宝石類が用いられている。ダイヤモンド類似石は、水晶・ガラス・アクリル樹脂などで構成されており、その表面が所定の宝石カット法を用いて加工され、裏面には金属膜が形成されている。
本考案に関連する技術として、例えば、特許文献1には、原材料から直方体からなる基材を削成する工程、削成して得られた基材の表面に姓名および紋章を刻設する工程、刻設した前記姓名および紋章について該姓名の文字縁および該紋章の図柄部分を残して塗料で着色する工程、前記姓名の文字縁および前記紋章の図柄を装飾するように金箔を熱を用いて熱圧着する工程、とからなる表札の製造方法が開示されている。
ダイヤモンドに比べてダイヤモンド類似石を用いた装飾具は比較的安価に製造できるため、ユーザーが手軽に購入してお洒落を楽しむことができる。しかし、従来のダイヤモンド類似石は長年にわたって製造されており、ユーザーにとっても目新しいものが少なくなっているという課題がある。
本考案の目的は、新しい製造方法により製造され、デザイン性に優れた宝石部を備えた装飾具を提供することである。
本考案に係る装飾具は、所定の宝石カット法でカットされた表面と、金属が真空蒸着された裏面とを備える宝石部を備える装飾具であって、前記宝石部は、前記裏面に蒸着された薄膜金属の一部を剥離して、前記剥離された領域に前記薄膜金属の色とは異なる色に着色されていることを特徴とする。
また、本考案に係る装飾具において、前記剥離された領域は、複数の領域に分かれており、前記各領域は、ランダムな方向に延伸し、かつ、ランダムな幅と長さを有するように剥離形成されており、複数の色で着色されていることが好ましい。
また、本考案に係る装飾具において、前記宝石カット法は、前記宝石部の表面に角度の違う多数の切子面を持たせることによって、光を屈折させ、前記宝石部の内部から輝いているように見せるためのファセットカット法であることが好ましい。
本考案によれば、薄膜金属の一部が剥離されて、この金属とは異なる色に着色されている。これにより、宝飾部の表面から見たときに、宝石カット法と金属薄膜により生じる遊色効果に加えて、金属とは異なる色が混ざって輝きを放つため、デザイン性を飛躍的に向上させることができる。
以下に、本考案に係る実施の形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。以下では、全ての図面において同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、本文中の説明においては、必要に応じそれ以前に述べた符号を用いるものとする。
図1は、装飾具10の斜視図である。図2は、装飾具10の宝石部8の裏面に金属薄膜を形成している工程を示す図である。図3は、装飾具10の宝石部8の拡大図であり、図3(a)は装飾具10の宝石部8の表面6を示しており、図3(b)は装飾具10の宝石部8の裏面7を示している。
装飾具10は、宝石部8と、宝石部8を設置する設置部15と、柱部14と、土台部16とを備えている。装飾具10は、従来とは異なる製造方法により製造され、デザイン性に優れた宝石部8を備えたイヤリングである。
ここでは、装飾具10は、イヤリングであるものとして説明するが、もちろん、その他の装飾具であってもよく、例えば、宝石部8を用いたネックレスや指輪などであってもよい。
土台部16は、装飾具10をテーブルなどに起立状態とすることを可能とするために平らに形成された裏面と、設置部15との間で利用者の耳朶を挟持するために滑り止め加工が施された表面とを有する。土台部16は、適度な強度を有する材質、例えば、金や銀で構成されても良く、もしくは、真鍮に金メッキ加工が施されて構成されてもよい。
柱部14は、土台部16と設置部15との間に跨って設けられ、装飾具10をテーブルなどに起立状態とする際に柱として機能する部分である。柱部14の一方側には設置部15が連結固定されており、他方側にはヒンジ機構を介して土台部16が回動可能に連結されている。柱部14は、土台部16と同様に適度な強度を有する材質で構成されている。
設置部15は、宝石部8を載置するための容量を有する器形状を有しており、宝石部8が載置された後に外れないように宝石部8を抑えるための複数の爪部13が設けられている。設置部15は、土台部16と同様に適度な強度を有する材質で構成されている。
宝石部8は、所定の宝石カット法でカットされた表面6と、金属が真空蒸着された裏面7とを備えている。宝石部8は、ダイヤモンド類似石と呼ばれることが多く、例えば、ラインストーンを用いて構成することができる。ラインストーンは、透明性の高い水晶やガラス、アクリル樹脂を用いて構成されている。
宝石カット法として、ファセットカットやカボションカットなどのカット方法が存在するが、ここでは、宝石部8の表面6に角度の違う多数の切子面を持たせることによって、外部から入射する光を屈折させることで、宝石部8の内部から輝いているように見せるためのファセットカット法を用いるものとして説明する。
ファセットカット法は、例えば、ブリリアント・カットやステップカット、ミックス・カットといったカット法が存在する。ブリリアント・カットをさらに分類すると、ラウンド・ブリリアントカット、オーバル・ブリリアントカット、オールドマイン・ブリリアントカット、マルキーズ・ブリリアントカット、ハート・ブリリアントカット、ペアシェイプ・ブリリアントカットに分けられる。
ステップカットをさらに分類すると、エメラルドカット、バゲットカット、スクウェアステップカットに分けられる。ミックス・カットを細かく分類すると、バリオンカット、レイディエントカット、プリンセスカット、フランダースカットに分けられる。
宝石部8は、裏面に蒸着した薄膜金属の一部を剥離して、剥離された領域に薄膜金属の色とは異なる色に着色されている。剥離された領域は、複数の領域12a,12b,12cに分かれている。各領域12a,12b,12cは、ランダムな方向に延伸し、かつ、ランダムな幅と長さを有するように剥離形成されており、複数の色で着色されている。
宝石部8は、上述したファセットカットにより表面が加工されたガラス等を真空蒸着装置内に入れて真空蒸着を行う。最初に、図2(a)に示されるように、ファセットカット加工されたガラス等の試料を試験台に設置し、OFF状態のヒーターの上に金属材料を原料として設置する。
その後、図2(b)に示されるように、装置内部を真空状態にして、ヒーターをON状態として加熱する。これにより、原料が融解しはじめる。さらに、加熱を続けると、図2(c)に示されるように、原料が蒸発する。
そして、図2(d)に示されるように、原料が気体分子となり、試料に衝突、付着し、膜が形成される。これにより、ファセットカット加工されたガラス等に金属薄膜が形成される。
宝石部8は、上記のように薄膜が形成された裏面において、図3(b)に示されるように、デザイナ等がデザイン性を考慮しつつ、研磨装置や切削装置を用いて削ることで金属薄膜を剥離する。このとき、各領域12a,12b,12cは、デザイン性を考慮した形状に削られて形成される。
各領域12a,12b,12cは、領域ごとに異なる色を着色することができる。例えば、領域12aに赤色、領域12bにピンク色、領域12cに黄色を着色することが考えられる。また、各領域には、単一色だけでなく、複数の色を混ぜてもよい。
続いて、上記構成の装飾具10の作用について説明する。図3(a)に示されるように、装飾具10の宝石部8の表面を見た場合、宝石部8の表面6に角度の違う多数の切子面を持たせることによって、外部から入射する光を屈折させることで、宝石部8の内部から輝いているように見せるだけでなく、宝石部8の領域12a,12b,12cに金属薄膜とは異なる色が着色されているため、従来のように単一色の輝きでなく、複数の色で構成される輝きにより美感を高めることができるという利点がある。
これにより、従来のダイヤモンド類似石とは異なった美感を生じる宝石部8を備えているため、需要者の注目を集めるとともに購買力を高めるというメリットがある。また、領域12a,12b,12cは、上述したように、ランダムに削られて形成されているため、デザインのバリエーションが極めて豊富であり、色の組み合わせも多数あるため、需要者が飽きることなく長期間使用することができるという効果が期待される。
6 表面、7 裏面、8 宝石部、10 装飾具、12a,12b,12c 領域、13 爪部、14 柱部、15 設置部、16 土台部。
Claims (3)
- 所定の宝石カット法でカットされた表面と、金属が真空蒸着された裏面とを備える宝石部を備える装飾具であって、
前記宝石部は、前記裏面に蒸着された薄膜金属の一部を剥離して、前記剥離された領域に前記薄膜金属の色とは異なる色に着色されていることを特徴とする装飾具。 - 請求項1に記載の装飾具において、
前記剥離された領域は、複数の領域に分かれており、
前記各領域は、ランダムな方向に延伸し、かつ、ランダムな幅と長さを有するように剥離形成されており、複数の色で着色されていることを特徴とする装飾具。 - 請求項1または請求項2に記載の装飾具において、
前記宝石カット法は、前記宝石部の表面に角度の違う多数の切子面を持たせることによって、光を屈折させ、前記宝石部の内部から輝いているように見せるためのファセットカット法であることを特徴とする装飾具。
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