WO1990010961A1 - Nc laser - Google Patents

Description

明 細 書

N C レーザ装置 技 術 分 野

本発明は数値制御装置とレーザ発振器が結合した N C レ一 ザ装置に関し、 特に運転停止期間中に生じた異常を加工開始 前に検知可能な N C レーザ装置に関する。 背 景 技 術

C 0 2 ガス レーザ等のガス レーザ発振器は高効率で高出力 が得られ、 ビーム特性も良いので、 数値制御装置 （C N C ) と結合した N C レーザ装置として金属加工等に広く使用され ている。 このような N C レーザ装置ではリ ア鏡、 折り返し鏡 及び出力鏡のァライ メ ン トは厳密に調整されており、 またァ ライ メ ン トが狂わないように、 運転時には外部からの振動や 光学部品の冷却水の温度管理に対して入念な配慮がなされて いる。

しかし、 輸送時等、 装置の停止期間中に予期しない機械的 な衝擊が加わってァライ メ ン トが狂う ことがある。 ァライメ ン トが多少でも狂うとレーザ出力は極端に減少し、 またビー ムモー ドが悪化する。 こ こで、 レーザ出力の低下は実際には パヮ一補正機能等によって補正することもできるが、 発振効 率が低下した状態なので、 そのまま使用しつづけることは賢 明ではない。 一方、 ビームモー ドの悪化は補正することはで きず、 直接に加工性能の低下となって現れる。

従来はこのような停止期間中に生じた異常は、 実際に加工 を行った後にオペレータが加工状態を見て初めて気付く こと であり、 このため異常があった場合にはワークが無駄になり 加工効率が低下した。 発 明 の 開 示

本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、 装置 の運転停止期間中に生じた異常を加工開始前に検知可能な N C レーザ装置を提供することを目的とする。

本発明では上記課題を解決するために、

数値制御装置とレーザ発振器が結合した N C レーザ装置に おいて、 起動時に特定のレーザ出力を指令する指令手段と、 レーザ出力をモニタするモニタ手段と、 前記指令手段の指令 する指令値と前記モニタ手段の出力するモニタ値との比率を 求める比率演算手段と、 前記比率を記憶する不揮発性メ モリ と、 前記比率と前回の起動時に求めた比率との差分を求め、 前記差分が所定の設定値以上の場合には表示画面にァラーム を表示する異常検知手段と、 を有することを特徴とする N C レーザ装置が提供される。

毎回の起動時に特定のレーザ出力を指令して指令値とモニ タ値との比率を求め、 記憶する。 今回の比率と前回の比率と の間に所定値以上の差があった場合には、 停止期間中に何ら かの異常が発生したとみなしてァラ一ムを表示する。 図 面 の 簡 単 な 説 明

第 1図は本発明の一実施例の N C レーザ装置の構成を示し たブロ ッ ク図、

第 2図は本発明の一実施例の N C レーザ装置の起動時の処 理のフ ロ ーチ ャ ー トである。 発明を実施するための最良の形態 以下、 本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。

第 1図は本発明の一実施例の N C レーザ装置の構成を示し たブロ ック図である。 図において、 プロセッサ 1 は図示され ていない加工プロ グラ ムの加工指令に基づいて N C レーザ装 置全体の動作を制御する。 なお、 後述するように起動時には 出力制御回路 2に指令値 P cを指令する。 出力制御回路 2 は 内部に D Z Aコ ンバ一タを内蔵しており、 プロセッサ 1から 出力された出力指令値を電流指令値に変換して出力する。 レ —ザ用電源 3は商用電源を整流した後、 スィ ッチング軌作を 行って高周波の電圧を発生し、 電流指令値に応じた高周波電 流を放電管 4に供給する。

放電管 4の内部にはレーザガス 1 9が循環しており、 レー ザ用電源 3から高周波電流が供給されると放電を生じてレー ザガス 1 9が励起される。 リ ア鏡 5は反射率 9 9 . 5 %のゲ ルマニウム （ G e ) 製の鏡、 出力鏡 6は反射率 6 5 %のジン クセ レン （ Z n S e ) 製の鏡であり、 これらはフアブリべ口 一型共振器を構成し、 励起されたレーザガス分子から放出さ れる 1 0 . 6 mの光を増幅させて一部を出力鏡 6からレー ザ光 7 として外部に出力する。 リア鏡 5 と出力鏡 6のァライ メ ン トは正確に調整されている。

出力されたレーザ光 Ίは、 後述するシャ ツタ 2 3 aが開い ている時には、 ベンダミ ラー 8で方向を変え、 集光レンズ 9 によって 0 . 2 m m以下のスポッ トに集光されてワーク 1 7 の表面に照射される。

メ モ リ 1 0 は加工プログラム、 各種のパラメ ータ及び後述 するパワー補正係数等を格納する不揮発性メ モ リ であり、 バ ッテ リ ノ ッ クアップされた C M〇 S等が使用される。 なお、 この他にシステムプログラムを格納する R〇M、 及び一時的 なデータ等を格納する R A Mがあるが、 本図ではこれらを省 略してある。 位置制御回路 1 1 はプロセッサ 1の指令によつ てサーボアンプ 1 2を介してサ一ボモータ 1 3を回転制御し、 ボールスク リ ュ ー 1 4及びナ ツ ト 1 5 によってテーブル 1 6 の移動を制御し、 ワーク 1 7の位置を制御する。 なお、 図で は 1軸のみを表示してあり、 他の軸は省略してある。 表示装 置 1 8には C R T或いは液晶表示装置等が使用される。

送風機 2 0にはルーツプロヮ等が使用され、 レーザガス 1 9を冷却器 2 1 a及び 2 1 bを通して循環する。 冷却器 2 1 aはレーザ発振を行って高温となったレーザガス 1 9を冷却 するための冷却器であり、 冷却器 2 1 bは送風器 2 0による 圧縮熱を除去するための冷却器である。

シャ ツタ制御回路 2 2はプロセッサ 1の指令に基づいてシ ャ ッタ 2 3 aを開閉する。 シャ ツタ 2 3 aは表面に金メ ッキ が施された銅板またはアルミ板で構成されており、 閉時には 出力鏡 6から出力されたレーザ光 7を反射してビームアブソ —バ 2 3 bに吸収させる。 シャ ツタ 2 3 aを開く とレーザ光 7がワーク 1 Ί に照射される。

パワーセンサ 2 4は熱電あるいは光電変換素子等で構成さ れ、 リア鏡 5の一部を透過させて出力されたレーザ光を入力 してレーザ光 7の出力パワーを測定する。 A Z D変換器 2 5 はパワーセンサ 2 4の出力をディ ジタル値に変換してモニタ 値 P aをプロセッサ 1 に入力する。

次に上記の N C レーザ装置の起動時における処理を第 2図 のフ ロ ーチ ャー トに基づき説明する。 図において、 Sに続く 数値はステップ審号を示す。

〔 S 1〕 起動後、 シャ ツタ 2 3 aを閉じた状態で出力制御回 路 2に指令値 P cを指令してレーザを発振する。

〔 S 2〕 パワーセンサ 2 4を通してモニタ値 P aを読み込む。 〔 S 3〕 指令値 P cをモニタ値 P aで徐してパワー補正係数 C pを求め、 メ モ リ 1 0に格納する。 なお、 パヮ一補正係数 C pは以後の運転時において指令値 P c とモニタ値 P a とを 一致させるように、 加工プログラムの指令値を補正する係数 である。 すなわち、 以後の指令値 P c は、

P c - (加工プログラムの指令値） x C p

となり、 これによつて経年的に進行する光学部品の汚染やレ 一ザガスの微妙な組成変化等に起因する出力低下が補正され、 常に指令値通りのパヮ一のレーザを出力することができる。 パワー補正係数の値は出力低下率が大きい程大きな値となる。 〔 S 4〕 パワー補正係数 C pと前回の起動時に求めたパヮ一 補正係数をメ モ リ 1 0から読みだして差分を求め、 これが限 界値 Aを越えているかどうかを判断する。 限界値 Aは予測さ れる通常の一回の運転によって生じるパワー補正係数の変化 量以上に設定されている。 差分が限界値 Aを越えている場合 は S 5へ、 越えていない場合は S 6へいく。

〔 S 5〕 停止期間中に何らかの異常が発生した旨のァラーム を表示装置 1 8に表示する。

〔 S 6〕 運転準備完了状態にして終了する。

以上説明したように本発明では、 起動時に特定のレーザ出 力を指令して指令値とモニタ値との比率を求め、 今回求めた 比率と前回求めた比率との間に所定値以上の差があつた場合 にはアラームを表示するので、 装置の輸送時等、 停止期間中 に異常が生じた場合でも、 この異常の有無を実際の加工前に 知ることができ、 保守が容易となる。 また、 ワークを無駄に することがなく、 経済性及び加工効率が向上する。

Claims

請 求 の 範 囲

1 . 数値制御装置とレーザ発振器が結合した N C レーザ装 置において、

起動時に特定のレーザ出力を指令する指令手段と、 レーザ出力をモニタするモニタ手段と、

前記指令手段の指令する指令値と前記モニタ手段の出力す るモニタ値との比率を求める比率演算手段と、

前記比率を記憶する不揮発性メ モ リ と、

前記比率と前回の起動時に求めた比率との差分を求め、 前 記差分が所定の設定値以上の場合には表示画面にァラームを 表示する異常検知手段と、

を有することを特徴とする N C レーザ装置。

2 . 前記比率は以後の運転時において指令値とモニタ値と を一致させるための補正係数であることを特徴とする特許請 求の範囲第 1項記載の N C レーザ装置。