JPWO2023166709A5 - - Google Patents

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本発明は光計測、光通信に用いられる赤外光を受光する半導体受光素子に関し、特に光パルスを受光し終えた後の立下り応答特性を向上させた半導体受光素子に関する。
従来から、光通信に用いられる光ファイバケーブルの損失状態、欠陥位置を測定する光パルス試験器(Optical Time Domain Reflectometer:OTDR)が広く利用されている。この光パルス試験器は、敷設されている光ファイバケーブルの一端から例えばパルス幅が100ns程度のパルス光を入射し、このパルス光が光ファイバケーブル内を伝搬するときに生じるレイリー散乱光のうちの入射側に戻る後方散乱光を受光する。そして、後方散乱光の量(強度)に基づいて損失を測定し、パルス光を入射してから後方散乱光を受光するまでの時間に基づいて光パルス試験器からの距離を測定する。
光パルス試験器と測定対象の光ファイバケーブルの一端を接続した接続点では、光ファイバケーブルにパルス光が入射する際に、フレネル反射が生じることが避けられない。そのため、光パルス試験器からパルス光を出射したときに、この接続点でのフレネル反射光が最初に光パルス試験器に受光され、その後で後方散乱光が受光される。
この後方散乱光は、フレネル反射光と比べて光強度が極めて小さい。それ故、光パルス試験器の受光素子は、パルス光のパルス幅に相当するフレネル反射光の受光時間と、フレネル反射光の受光が終わってから後方散乱光を検知可能になるまでの応答時間(立下り時間)が経過するまでは、後方散乱光を検知することができない。従って、後方散乱光を検知することができない時間に相当する光パルス試験器からの光の往復距離内に欠陥が存在していても、この欠陥を検出することができないデッドゾーンが生じる。
デッドゾーンを小さくするために、受光素子の立下り時間を短縮することが要求されている。例えば特許文献1のように、受光素子の立下り時間を短縮するために、受光部の第1光吸収層を透過した光を第2光吸収層で吸収することにより、第1光吸収層に再入射する光を減少させる半導体受光素子が知られている。第1光吸収層を透過した光が反射されて第1光吸収層に再入射する光が減少するので、第1光吸収層を光が透過し終わると光電流が急激に減少し、立下り時間が短縮される。
特開平8-8456号公報
上記特許文献1の半導体受光素子は、入射した光を光電流(電気信号)に変換するための第1光吸収層と、第1光吸収層を透過した光を吸収することにより第1光吸収層に再入射しないようにするための第2光吸収層を有する。そのため、構造が複雑になると共に、結晶成長させるため形成することが容易ではない2つの光吸収層を別々に形成する必要があるので、製造コストが上昇してしまう課題がある。
本発明の目的は、受光部の光吸収層を透過した透過光が受光部に再入射しないように構成した半導体受光素子を提供することである。
請求項1の発明の半導体受光素子は、光通信用の赤外光領域の波長の光に対して透明な半導体基板の第1面側に、光吸収層を有する受光部を備えた半導体受光素子において、前記半導体基板の前記第1面に対向する第2面側には、前記受光部に前記半導体基板と反対側から入射した入射光のうち前記光吸収層を透過した透過光が到達する領域に、前記第1面に対して所定の角度で傾斜した傾斜部を備え、前記傾斜部に前記透過光の波長以上の高さの凹凸を有する粗面であって、凹凸の突起の平均ピッチをP、平均幅をBとしたときの密集度(B/P)が80%以上となる粗面が形成されたことを特徴としている。
上記構成によれば、半導体受光素子は、赤外光領域の波長の光を透過させる半導体基板の第1面側に光吸収層を有する受光部を備え、この受光部には半導体基板と反対側から光が入射する。そして、半導体基板の第1面と対向する第2面側には、受光部の光吸収層を透過した透過光が到達する領域に、半導体基板の第1面に対して所定の角度で傾斜した傾斜部を備えている。この傾斜部には、透過光の波長以上の高さの凹凸を有する粗面であって、凹凸の突起の平均ピッチをP、平均幅をBとしたときの密集度(B/P)が80%以上となる粗面が形成されているので、反射率を5%以下に低減することができ、傾斜部に到達した透過光の大部分が反射されずに半導体基板の外側に出て行く。また、傾斜部が半導体基板の第1面に対して所定の角度で傾斜しているので、透過光のうちの傾斜部で反射される光が受光部に向けて反射されないようにすることができる。従って、透過光の受光部への再入射を低減することができるので、半導体受光素子の立下り時間が短縮される。
請求項2の発明の半導体受光素子は、請求項1の発明において、前記傾斜部は、前記半導体基板を前記第2面から前記第1面に向かって凹入させたV字形の溝によって形成されたことを特徴としている。
上記構成によれば、傾斜部はV字形の溝によって形成され、このV字形の溝に形成された粗面は、外部の物体との衝突、擦れによる破損から保護される。従って、半導体受光素子の取り扱いが容易になる。
請求項3の発明の半導体受光素子は、請求項2の発明において、前記半導体基板の前記第1面が前記半導体基板の(100)面であり、且つ前記傾斜部が前記半導体基板の(111)面に形成されたことを特徴としている。
上記構成によれば、半導体基板の第1面に対する傾斜部の所定の角度は、透過光が傾斜部で半導体基板の第2面に向かって反射されるように定まる。従って、受光部の光吸収層を透過した透過光が受光部に戻るように傾斜部で反射されることを防止することができる。
請求項4の発明の半導体受光素子は、請求項1の発明において、前記半導体基板の前記第2面に、前記透過光の波長以上の高さの凹凸を有する粗面が形成されたことを特徴としている。
上記構成によれば、受光部の光吸収層を透過した透過光の一部が傾斜部で反射されて半導体基板の第2面に到達したときに、この半導体基板の第2面での光の反射を低減することができる。従って、受光部の光吸収層を透過した透過光の受光部への再入射を一層低減することができる。
本発明の半導体受光素子によれば、受光部の光吸収層を透過した光が受光部に再入射しないようにすることができる。
本発明の実施例に係る半導体受光素子の斜視図である。 図1の半導体受光素子を光入射側から見た平面図である。 図2のIII-III線断面図である。 サンドブラスト加工の説明図である。 半導体基板の傾斜面に形成されたマイクロテクスチャの断面モデル図である。 マイクロテクスチャによる反射率を示すグラフである。 受光部に入射した光線の例を示す図である。 半導体基板の第2面も粗面に形成された場合の光線の例を示す図である。 半導体素子の変形例を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について実施例に基づいて説明する。
半導体受光素子1は、光通信用の赤外光領域(波長が1100~1600nmの領域)の入射光を受光する例えばPINフォトダイオード又はアバランシェフォトダイオードを備えている。ここでは、PINフォトダイオードを備えた半導体受光素子1の例を説明する。
図1~図3に示すように、半導体受光素子1は、光通信用の赤外光領域の波長の入射光に対して透明な単結晶の半導体基板2として、例えばn-InP基板を有する。この半導体基板2の第1面2a(表面)は半導体基板2の(100)面である。この第1面2a側には、入射光を吸収する光吸収層4として例えばInGaAs層と、半導体層5としてn-InP層が形成されている。
半導体層5は、例えばZnが選択的にドープされたp型拡散領域5aを有する。p型拡散領域5aに接する光吸収層4の領域が光吸収領域4aであり、p型拡散領域5aと光吸収領域4aと半導体基板2によって受光部6であるPINフォトダイオードが形成されている。半導体層5、光吸収層4の厚さは夫々適宜設定され、例えば0.5~5μmの厚さに形成されている。
半導体層5の表面は、p型拡散領域5aに連通する開口部7aを有する保護膜7(例えばSiN膜、SiON膜等)に覆われている。保護膜7は、受光部6に入射する光の反射防止機能を備えていてもよい。そして、保護膜7の開口部7aを介してp型拡散領域5aに接続するアノード電極8が形成されている。p型拡散領域5aの大きさ、形状は夫々適宜設定され、例えば直径が10~200μmの円形に形成されている。
半導体基板2の第1面2aが露出した部分には、この第1面2aに接続するカソード電極9が形成されている。アノード電極8及びカソード電極9は、例えばクロム、金を含む金属膜を選択的に堆積することによって形成されている。受光部6で光電変換された光電流は、アノード電極8とカソード電極9を介して外部に出力される。
受光部6には、半導体基板2と反対側から光が入射する。半導体基板2の第1面2aに対向する第2面2b側には、受光部6に入射して光吸収層4(光吸収領域4a)を透過した透過光が到達する領域に、傾斜部11を備えている。
傾斜部11は、半導体基板2の第2面2b側から第1面2a側に向かって凹入させた断面形状がV字形の溝によって形成され、2つの傾斜面11a,11bを有する。これら傾斜面11a,11bは、傾斜面11a,11bの法線N1,N2が第1面2aの法線N0に対して45°よりも大きい所定の角度θで夫々交差するように形成されている。
V字形の溝は、エッチング速度が結晶面方位に依存する公知のエッチング液として、例えばブロム-メタノール溶液を用いて、公知の異方性エッチングによって形成される。具体的には、半導体基板2の第2面2bにエッチングマスク層を形成し、この第2面2bの露出部分から異方性エッチングをすることによって、半導体基板2のエッチング速度が遅い(111)面を露出させる。これにより、半導体基板2の(111)面である2つの傾斜面11a,11bが形成される。
半導体基板2の(100)面と(111)面は54.7°の角度で交差するので、傾斜面11a,11bの法線N1,N2は第1面2aの法線N0に対して角度θ=54.7°で夫々交差する。尚、V字形の溝は、角度θが45°よりも大きくなるように、例えばイオンビームによるエッチングによって形成することもできる。
傾斜部11(V字形の溝)を構成する2つの傾斜面11a,11bは、異方性エッチングによって形成されたときには平坦である。これらの傾斜面11a,11bは、微細な凹凸からなるマイクロテクスチャ12が形成されたことにより粗面化されている。マイクロテクスチャ12は、例えば図4のように、ノズルNzから微細な粒子状の研磨材Abを吹き付けるサンドブラスト加工によって形成される。
例えば、半導体基板2の第1面2a側の複数の受光部6に対応する第2面2b側の複数の傾斜部11が形成された半導体基板2に対して、その第2面2b側を傾斜部11に沿うようにサンドブラスト加工を行う。これにより、傾斜面11a,11bにマイクロテクスチャ12が夫々形成される。この傾斜部11のマイクロテクスチャ12の形成時に、半導体基板2の第2面2bにもマイクロテクスチャ12を形成することができる。
マイクロテクスチャ12は、半導体基板2とその外側(空気)との間の屈折率が連続的に変化するように作用し、傾斜面11a,11bにおける光の反射を低減する。サンドブラスト加工後には、ダイシングソーによって半導体基板2を切断して複数の半導体受光素子1を個片化する。切断された半導体基板2の端面は、ダイシングソーに固着された砥粒のサイズを含む切断条件にもよるが、マイクロテクスチャ12と同様の微細な凹凸が形成された粗面にすることができる。
図5は、マイクロテクスチャ12の断面モデル図である。マイクロテクスチャ12は、半導体基板2を加工して形成された複数の微細な突起12aを有する。この突起12aの断面を単純化して例えば三角形状とし、突起12aの高さをh、突起12aの基端の幅をb、突起12aの配設ピッチをpとし、これらの平均値を夫々平均高さH、平均幅B、平均ピッチPとする。
サンドブラスト加工で噴射する研磨材Abの粒径、噴射速度といった加工条件を適切に選択することによって、傾斜部11に形成される突起12aのサイズを調整することができる。複数の微細な突起12aは、半導体基板2を凹入させたV字形の溝に形成されるので、例えば外部の物体との衝突、擦れから複数の突起12aが保護されて破損し難くなり、半導体受光素子1の取り扱いが容易になる。
図6は、マイクロテクスチャ12を備えた傾斜面11aの反射率のシミュレーション結果である。半導体基板2を進行する光の波長λに対する複数の突起12aの平均高さHの比率(H/λ)と反射率の関係が、傾斜面11aの断面における複数の突起12aの密集度別に曲線L1~L3で示されている。複数の突起12aの密集度は、複数の突起12aの平均ピッチPに対する複数の突起12aの平均幅Bの比率(B/P)で表される。半導体基板2を進行する光の波長λは、受光部6の光吸収層4を透過して傾斜部11に到達する透過光の波長に相当する。
突起12aがない平坦な傾斜面11a(平均高さH=0、つまりH/λ=0)の場合には、反射率が27%程度であるが、波長λに対する複数の突起12aの平均高さHの比率(H/λ)が大きいほど反射率が低減される傾向がある。また、複数の突起12aの密集度(B/P)が大きいほど反射率が小さい。尚、図6は傾斜面11aに垂直に光が入射する場合について示しているが、入射角を変えても同様の傾向がある。
半導体基板2を進行する光の波長λに対する複数の突起12aの平均高さHの比率(H/λ)が1以上であって、且つ複数の突起12aの密集度(B/P)が0.8(80%)以上の場合には、反射率を5%以下に低減することができる。また、複数の突起12aの密集度(B/P)が1(100%)の場合には、半導体基板2を進行する光の波長λに対する複数の突起12aの平均高さHの比率(H/λ)が1以上で反射率を1%以下に低減することができる。
このように反射率を低減するために、傾斜面11a,11bには、半導体基板2を進行する光の波長λ以上の平均高さHを有し、且つ密集度(B/P)が80%以上となるように形成された複数の突起12aを備えたマイクロテクスチャ12が形成されている。尚、空気中での波長が例えば1600nmの赤外光に対して空気の屈折率を1としたときに、半導体基板2がn-InP基板の場合にその屈折率は3.2程度なので、突起12aの平均高さHを500nm程度にすることによってH/λを1以上とすることができる。
図7に示すように、半導体受光素子1は、半導体基板2の第2面2b側が、例えば端子を備えた基板のようなマウント部材14に接着剤15によって固定される。受光部6には、マウント部材14と反対側から、即ち半導体基板2と反対側から光が入射する。この入射光Iの一部は受光部6で光電流に変換されて出力され、残りの大部分は受光部6の光吸収層4(光吸収領域4a)を透過する。
受光部6の光吸収層4を透過した透過光Tが傾斜部11に到達し、マイクロテクスチャ12が形成された傾斜面11a,11bから透過光Tの大部分が反射されずに半導体基板2の外側に出て行く。傾斜部11がV字形の溝なので、半導体基板2の第2面2b側をマウント部材14に固定していても、受光部6の光吸収層4を透過した透過光Tを半導体基板2の外側へ導くことができる。尚、マウント部材14は、半導体基板2を透過した光が傾斜部11に戻らないように、例えば透過、吸収、又は反射防止の機能を備えていることが好ましい。
また、傾斜部11の傾斜面11a,11bが半導体基板2の(111)面なので、透過光Tの一部が傾斜部11で半導体基板2の第2面2bに向かって反射される。そして、この第2面2bでさらに反射されて、端面2c,2dから半導体基板2の外側に出て行く。従って、傾斜部11に到達した透過光Tの大部分が半導体基板2の外側に出て行くので、透過光Tの受光部6への再入射が低減される。半導体基板2の端面2c,2dが粗面になっている場合には、端面2c,2dでの反射が低減され、透過光Tの受光部6への再入射が一層低減される。
図8に示すように、半導体基板2の第2面2bにもマイクロテクスチャ12が形成されている場合には、第2面2bに到達した透過光Tの大部分が第2面2bで反射されずに半導体基板2の外側に出て行く。それ故、半導体基板2の第2面2bで反射された後、端面2c,2dで反射される透過光Tが低減されるので、受光部6への再入射を一層低減することができる。
図8の場合には、半導体基板2の例えば端面2c,2d以外の端面(図8の断面に平行な端面)を不図示のマウント部材に接着剤によって固定することが好ましい。これにより、半導体基板2の第2面2bに形成されたマイクロテクスチャ12の反射低減機能が例えば接着剤によって制限されることがない。尚、半導体基板2の第2面2bにマイクロテクスチャ12がない場合でも、半導体基板2の端面をマウント部材に固定することができる。
図9に示すように、傾斜部11を大きく形成して、透過光Tを例えばマイクロテクスチャ12が形成された傾斜面11aのみで受けるようにしてもよい。この場合も傾斜部11に到達した透過光Tの大部分が反射されずに半導体基板2の外側に出て行くので、透過光Tの受光部6への再入射が低減される。傾斜面11b側にも受光部6、アノード電極8,カソード電極9を形成して、1つのV字形の溝に対して対称に半導体受光素子1を形成し、線Lで分割することにより、粗面化された傾斜部11を有する半導体受光素子1の製造効率を向上させることが可能である。
上記半導体受光素子1の作用、効果について説明する。
半導体受光素子1は、光通信に使用される赤外光領域の光に対して透明な半導体基板2の第1面2a側に光吸収層4を有する受光部6を備えている。この受光部6には、半導体基板2と反対側から光が入射する。そして、半導体基板2の第2面2b側には、受光部6の光吸収層4を透過した透過光Tが到達する領域に、半導体基板2の第1面2aに対して所定の角度θで傾斜した傾斜部11を備えている。
傾斜部11には、透過光Tの波長λ以上の高さの凹凸を有する粗面が形成されているので、この傾斜部11に到達した透過光Tの大部分が反射されずに半導体基板2の外側に出て行く。また、傾斜部11が半導体基板2の第1面2aに対して所定の角度θで傾斜しているので、透過光Tのうちの傾斜部11で反射される光が受光部6に向けて反射されないようにすることができる。従って、受光部6の光吸収層4を透過した透過光Tの受光部6への再入射を低減することができるので、半導体受光素子1の立下り時間が短縮される。
傾斜部11は、半導体基板2の第2面2b側から第1面2a側に向かって凹入させたV字形の溝によって形成されている。このV字形の溝に形成された粗面は、外部の物体との衝突、擦れによる破損から保護される。これにより、半導体受光素子1の取り扱いが容易になる。また、半導体受光素子1の第2面2b側をマウント部材14に固定しても、受光部6の光吸収層4を透過した透過光Tを半導体基板2の外側へ導いて、受光部6への再入射を低減することができる。
半導体基板2の第1面2aが半導体基板2の(100)面であり、且つ傾斜部11が半導体基板2の(111)面に形成されている。それ故、半導体基板2の第1面2aに対する傾斜部11の所定の角度θは、傾斜部11で反射された透過光Tが半導体基板2の第2面2bに向かうように定まる。従って、受光部6の光吸収層4を透過した透過光Tが受光部6に戻るように傾斜部11で反射されることを防止することができる。
半導体基板2の第2面2bに、受光部6の光吸収層4を透過した透過光Tの波長λ以上の深さの凹凸を有する粗面が形成されている場合には、透過光Tの一部が傾斜部11で反射されて第2面2bに到達したときの第2面2bでの反射を低減することができる。従って、受光部6の光吸収層4を透過した透過光Tの受光部6への再入射を一層低減することができる。
受光部6は、例えば増倍層を備えたアバランシェフォトダイオードでもよく、上記と異なる材料、異なる形状で形成されたフォトダイオードであってもよい。その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、上記実施形態に種々の変更を付加した形態で実施可能であり、本発明はその種の変更形態も包含するものである。
1 :半導体受光素子
2 :半導体基板
2a :第1面
2b :第2面
2c,2d:端面
4 :光吸収層
4a :光吸収領域
5 :半導体層
5a :p型拡散領域
6 :受光部
7 :保護膜
7a :開口部
8 :アノード電極
9 :カソード電極
11 :傾斜部
11a,11b:傾斜面
12 :マイクロテクスチャ
12a:突起
14 :マウント部材
15 :接着剤

Claims (4)

  1. 光通信用の赤外光領域の波長の光に対して透明な半導体基板の第1面側に、光吸収層を有する受光部を備えた半導体受光素子において、
    前記半導体基板の前記第1面に対向する第2面側には、前記受光部に前記半導体基板と反対側から入射した入射光のうち前記光吸収層を透過した透過光が到達する領域に、前記第1面に対して所定の角度で傾斜した傾斜部を備え、
    前記傾斜部に前記透過光の波長以上の高さの凹凸を有する粗面であって、凹凸の突起の平均ピッチをP、平均幅をBとしたときの密集度(B/P)が80%以上となる粗面が形成されたことを特徴とする半導体受光素子。
  2. 前記傾斜部は、前記半導体基板を前記第2面から前記第1面に向かって凹入させたV字形の溝によって形成されたことを特徴とする請求項1に記載の半導体受光素子。
  3. 前記半導体基板の前記第1面が前記半導体基板の(100)面であり、且つ前記傾斜部が前記半導体基板の(111)面に形成されたことを特徴とする請求項1に記載の半導体受光素子。
  4. 前記半導体基板の前記第2面に、前記透過光の波長以上の高さの凹凸を有する粗面が形成されたことを特徴とする請求項1に記載の半導体受光素子。
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