JPWO2020203447A1 - 導電層付き基材およびタッチパネル - Google Patents

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Abstract

色目が良好で、マイグレーション耐性に優れた導電層付き基材と、それを用いたタッチパネルを提供する。基材(S−1)上に、第二の導電層(A−2)、第二の絶縁層(OC−2)、第一の導電層(A−1)および第一の絶縁層(OC−1)を少なくとも有する導電層付き基材であって、国際照明委員会1976に規定されるL*a*b*表色系による、前記基材(S−1)のb*値をb*(S−1)、前記第一の絶縁層(OC−1)のb*値をb*(OC−1)、導電層付き基材全体のb*値をb*(T)としたときに、下記式(1)〜(3)を全て満たす、導電層付き基材である。−4.3≦b*(T)≦2.0 (1)0.8≦b*(S−1)≦5.0 (2)1.5≦b*(T)−b*(OC−1)≦5.5 (3)

Description

本発明は、導電層付き基材およびタッチパネルに関する。
近年、モバイル機器やタブレット等のタッチパネルにおいて、デザイン性や利便性、耐久性の観点から、フレキシブル化と薄型化が嘱望されている。従来、タッチ配線の形成方法としては、視認性向上の観点から、ガラスやフィルム等の基材上にITO等の透明導電金属からなる薄膜を形成し、エッチングによりパターン加工する手法が広く用いられてきた。しかしながら、ITO配線は曲げ耐性が低いことから、フレキシブル化に向けてはクラックが発生する課題がある。そこで、曲げ耐性と非視認性、高導電性を兼ね備えるタッチ配線として、銀メッシュ配線、銀ナノワイヤー配線などが注目を集めている。
銀ナノワイヤーなどの金属ナノワイヤーを用いた配線は、ヘイズが高く、着色しやすい課題があった。これに対して、例えば、易接着層付の透明基材と、前記易接着層上に形成された、金属ナノワイヤーと透明バインダー部とを含む透明電極層と、この透明電極層の上に形成された、着色層とを有する透明電極付き基材(例えば、特許文献1参照)や、一方の面の上に第1検出電極が設けられ等光性を有する第1基材と、第1基材における第1検出電極が設けられている側の面の上に、第1検出電極と電気的に絶縁された状態で設けられた、色度b*が負の値となる材料から構成される導電性のシールド層と、シールド層における第1基材に対向する面とは反対側の面の上に設けられ等光性を有するカバーパネルとを備える入力装置(例えば、特許文献2参照)などが提案されている。
一方、フレキシブル対応可能なタッチパネルとして、例えば、透明層、第一の導電層、第一の絶縁層および第二の導電層がこの順に積層された部位を含むタッチパネルが提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2015−201023号公報 特開2017−156810号公報 国際公開第2018/084067号
タッチパネルは、第一電極と絶縁層を介して対峙する第二電極を有しており、例えば、特許文献1〜2に開示された透明電極付き基材を第一電極および第二電極として積層するタッチパネル構成は、薄膜化が困難である。このため、近年では、特許文献3に開示されるような、透明層の片面に複数の導電層を積層した多層タッチパネル構成が検討されている。しかしながら、特許文献3に開示された多層タッチパネルは、積層時の加熱により基材が黄変するため、色目に課題があった。一方、特許文献1〜2に開示された技術を特許文献3に開示された多層タッチパネルに適用した場合、積層時の加熱により着色剤が着色層や絶縁層のマイグレーション耐性を低下させ、電極間において銀のマイグレーションが発生しやすいという課題があった。
本発明は、係る従来技術の課題に鑑み、その目的は、色目が良好で、マイグレーション耐性に優れた導電層付き基材と、それを用いたタッチパネルを提供することにある。
本発明の導電層付き基板は、主として以下の構成を有する。
(1)基材(S−1)上に、第二の導電層(A−2)、第二の絶縁層(OC−2)、第一の導電層(A−1)および第一の絶縁層(OC−1)を少なくともこの順で有する導電層付き基材であって、国際照明委員会1976に規定されるL*a*b*表色系による、前記基材(S−1)のb*値をb*(S−1)、前記第一の絶縁層(OC−1)のb*値をb*(OC−1)、導電層付き基材全体のb*値をb*(T)としたときに、下記式(1)〜(3)を全て満たす、導電層付き基材。
−4.3≦b*(T)≦2.0 (1)
0.8≦b*(S−1)≦5.0 (2)
1.5≦b*(T)−b*(OC−1)≦5.5 (3)
(2)基材(S−1)上に、第二の導電層(A−2)、第二の絶縁層(OC−2)、第一の導電層(A−1)および第一の絶縁層(OC−1)、を少なくともこの順で有する導電層付き基材であって、国際照明委員会1976に規定されるL*a*b*表色系による、前記基材(S−1)のb*をb*(S−1)、前記第一の絶縁層(OC−1)のb*値をb*(OC−1)、前記第二の絶縁層(OC−2)のb*値をb*(OC−2)としたときに、下記式(4)および(5)を満たす、導電層付き基材。
0.8≦b*(S−1)−b*(OC−1)≦8.0 (4)
0.5≦b*(OC−2)−b*(OC−1)≦7.0 (5)
(3)基材(S−1)の膜厚に対する、前記第一の絶縁層(OC−1)の膜厚の比((OC−1)/(S−1))が0.05〜0.5である、(1)または(2)に記載の導電層付き基材。
(4)前記第一の絶縁層(OC−1)が着色剤を含有する、(1)〜(3)のいずれかに記載の導電層付き基材。
(5)前記着色剤が金属錯体を含有する、(4)に記載の導電層付き基材。
(6)前記金属錯体がフタロシアニン構造を含有する、(5)に記載の導電層付き基材。
(7)前記第一の絶縁層(OC−1)中の前記着色剤の含有量が0.01〜0.5質量%である、(4)〜(6)のいずれかに記載の導電層付き基材。
(8)前記基材(S−1)の波長400nmにおける全光線透過率が50〜85%である、(1)〜(7)のいずれかに記載の導電層付き基材。
(9)前記基材(S−1)が、ポリイミド、ポリイミドシロキサン、ポリエーテルスルホン、ポリベンゾオキサゾール、アラミドおよびエポキシからなる群から選ばれる少なくとも一種のポリマーを含有する(1)〜(8)のいずれかに記載の導電層付き基材。
(10)前記第一の導電層(A−1)および/または第二の導電層(A−2)が被覆層を有する導電性粒子を含有する、(1)〜(9)のいずれかに記載の導電層付き基材。
(11)(1)〜(10)に記載の導電層付き基材を備えるタッチパネル。
本発明の導電層付き基材およびタッチパネルは、色目およびマイグレーション耐性に優れる。
本発明の導電層付き基材の一態様を模式的に表した断面図である。 本発明の導電層付き基材の別の一態様を模式的に表した断面図である。
本発明の導電層付き基材は、基材(S−1)上に、第二の導電層(A−2)、第二の絶縁層(OC−2)、第一の導電層(A−1)、第一の絶縁層(OC−1)を少なくともこの順に有する。基材(S−1)は、支持体としての作用を有する。第一の導電層(A−1)および第二の導電層(A−2)は、例えば、それぞれ直交する2方向の電極としての作用を有する。第一の絶縁層(OC−1)および第二の絶縁層(OC−2)は、それぞれ第一の導電層(A−1)と周囲雰囲気との間、第一の導電層(A−1)と第二の導電層(A−2)との間を絶縁する作用を有する。かかる積層構造を有する部位をその一部に有していれば、さらに他の層を有してもよいし、他の構成の部位を有してもよい。本発明の導電層付き基材の一態様としては、図1に示す通り、基材(S−1)上に、第二の導電層(A−2)、第二の絶縁層(OC−2)、第一の導電層(A−1)、第一の絶縁層(OC−1)をこの順に有する。本発明の導電層付き基材の別の一態様としては、図2に示す通り、基材(S−1)上に、絶縁層(OC−0)、第二の導電層(A−2)、第二の絶縁層(OC−2)、第一の導電層(A−1)、第一の絶縁層(OC−1)をこの順に有する。これらの各層について説明する。
(基材(S−1))
基材(S−1)としては、柔軟性を有する樹脂フィルムなどが好ましい。下記一般式(1)で表される構造および下記一般式(2)で表される構造を含むポリマーを含有することがより好ましい。下記一般式(1)で表される構造および下記一般式(2)で表される構造を含むポリマーは、それ以外のポリマーと比較して、非晶性が高く、透明性に優れる。また、一般式(1)で表される構造および一般式(2)で表される構造の紫外光吸収能が高いことから、基材(S−1)が外光を吸収し、他の構成の部位に紫外光が到達して光劣化することを抑制する効果がある。さらに、上述の構造を含むポリマーは耐熱性が高いため、後工程における加熱による黄変を低減し、色目をより向上させることができる。さらに、基材(S−1)が、かかるポリマーを含むことにより、後工程の導電層(A−2)の加工において、残渣を抑制することができるため、微細パターンを形成することができ、また、導電層付き基材のマイグレーション耐性をより向上させることができる。
Figure 2020203447
上記一般式(1)〜(2)中、RおよびRは、それぞれ独立に1価の有機基を示し、mおよびnは、それぞれ独立に0〜4の整数を示す。m個のRおよびn個のRは、それぞれ同じでも異なってもよい。
およびRは、色目をより向上させる観点から、炭素数1〜10のアルキル基、カルボキシル基、フェニル基もしくは置換フェニル基、または、トリフルオロメチル基が好ましい。また、mおよびnは、色目をより向上させる観点から、0または1が好ましく、0がより好ましい。置換フェニル基の置換基としては、フッ素、トリフルオロメチル基、炭素数1〜10のアルキル基、アリル基、炭素数3〜13のアリール基が好ましい。
ポリマーは、さらにフッ素を含むことが好ましく、透明性をより向上させることができる。フッ素を含む構造としては、下記構造式(3)または下記一般式(4)で表される構造が好ましい。下記構造式(3)で表される構造を含むことにより、透明性をより向上させることができ、下記一般式(4)で表される構造を含むことにより、基材(S−1)の破断伸度を向上させることができる。
Figure 2020203447
上記一般式(4)中、RおよびRは、それぞれ独立にフッ素またはフッ素を含む基を示す。フッ素を含む基としては、例えば、トリフルオロメチル基が挙げられる。RおよびRは、フッ素またはトリフルオロメチル基が好ましい。xおよびyは、それぞれ独立に1〜4の整数を示す。x個のRおよびy個のRは、それぞれ同じでも異なってもよい。
一般式(4)で表される構造としては、例えば下記構造式(5)〜(8)のいずれかで表される構造などが挙げられる。
Figure 2020203447
ポリマーが一般式(4)で表される構造を含む場合、かかる構造を有する繰り返し単位の含有量は、全繰り返し単位中、破断伸度をより向上させる観点から、3モル%以上が好ましく、5モル%以上がより好ましく、8モル%以上がさらに好ましい。一方、色目をより向上させる観点から、含有量は、50モル%以下が好ましく、45モル%以下がより好ましく、40モル%以下がさらに好ましい。
ポリマーは、さらに下記構造式(9)で表される構造を含むことが好ましい。下記構造式(9)で表される構造を含むことにより、透明層の強靭性を向上させて、後工程の収率と、導電層付き基材の曲げ耐性を大幅に向上させることができる。
Figure 2020203447
ポリマーが一般式(9)で表される構造を含む場合、かかる構造を有する繰り返し単位の含有量は、ポリマー中の全繰り返し単位中、破断伸度をより向上させる観点から、0.01モル%以上が好ましく、0.1モル%以上がより好ましく、0.3モル%以上がさらに好ましい。一方、色目をより向上させる観点から、含有量は、10モル%以下が好ましく、3モル%以下がより好ましく、2モル%以下がさらに好ましい。
一般式(1)で表される構造および一般式(2)で表される構造を含むポリマーとしては、ポリイミド、ポリイミドシロキサン、ポリエーテルスルホン、ポリベンゾオキサゾール、アラミド、エポキシなどの樹脂が好ましい。これらを2種以上含有してもよい。かかるポリマーを含有することにより、耐熱性をより向上させ、後工程における加熱による着色をさらに抑制することができ、色目をより向上させることができる。耐熱性をより向上させる観点から、ポリイミド、ポリイミドシロキサン、ポリエーテルスルホン、ポリベンゾオキサゾールがより好ましい。さらに、耐溶剤性を向上させる観点から、ポリイミド、ポリイミドシロキサン、ポリベンゾオキサゾールがさらに好ましい。特に好ましくは、ポリイミドおよびポリイミドシロキサンである。ポリイミドおよびポリイミドシロキサンは紫外光を吸収するため、絶縁層や導電層への紫外線の到達を抑制し、紫外光による絶縁層や導電層の黄変やそれによる全光線透過率の低下を低減でき、耐光性が著しく向上する。
ポリイミドは、下記一般式(10)で表される構造単位を有することが好ましい。
Figure 2020203447
上記一般式(10)中、Rは4〜10価の有機基、Rは2〜8価の有機基、RおよびRは1価の有機基を表し、それぞれ同じでも異なってもよい。Rおよび/またはRの少なくとも一部に、一般式(1)で表される構造および一般式(2)で表される構造を含むことが好ましい。Rおよび/またはRの少なくとも一部に、さらに一般式(4)で表される構造および/または構造式(9)で表される構造を含むことが好ましい。pおよびqはそれぞれ独立に0〜6の整数を表し、Rをp個、Rをq個有することを示す。Rおよび/またはRの少なくとも一部に、一般式(1)で表される構造および一般式(2)で表される構造を含んでいてもよい。Rおよび/またはRの少なくとも一部に、一般式(4)で表される構造および/または構造式(9)で表される構造を含んでいてもよい。
ポリイミドの耐熱性をより向上させる観点から、一般式(10)において、RおよびRの50モル%以上が、芳香族炭化水素基またはその誘導体であることが好ましい。RおよびRの80モル%以上が芳香族炭化水素基またはその誘導体であることがより好ましく、RおよびRの全てが芳香族炭化水素基またはその誘導体であることがさらに好ましい。
ポリイミドは、ポリマー一分子中に一般式(10)で表される構造単位を5〜100,000有することが好ましい。一般式(10)で表される構造単位を5以上有することにより、基材(S−1)の強靭性を向上させることができる。一方、一般式(10)で表される構造単位を100,000以下有することにより、塗布性を維持することができる。
上記一般式(10)中、R−(Rは、酸二無水物の残基を表す。Rは4価〜10価の有機基であり、なかでも芳香族環または環状脂肪族基を含む炭素原子数5〜40の有機基が好ましい。Rはフェノール性水酸基、スルホン酸基またはチオール基が好ましい。
酸二無水物としては、例えば、一般式(1)で表される構造を含む酸二無水物、一般式(2)で表される構造を含む酸二無水物、一般式(3)で表される構造を含む酸二無水物などを挙げることができる。これらを2種以上用いてもよい。
一般式(1)で表される構造を含む酸二無水物としては、例えば、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン酸二無水物、4,4’−[p−スルホニルビス(フェニレンスルファニル)]ジフタル酸無水物(DPSDA)およびそれらの異性体等が挙げられる。
一般式(2)で表される構造を有する酸二無水物としては、例えば、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物(ODPA)およびその異性体等が挙げられる。
構造式(3)で表される構造を含む酸二無水物としては、例えば、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物(6FDA)、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物、3,3’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物等が挙げられる。
一般式(10)中、R−(Rは、ジアミンの残基を表す。Rは2〜8価の有機基であり、なかでも芳香族環または環状脂肪族基を含む炭素原子数5〜40の有機基が好ましい。Rはフェノール性水酸基、スルホン酸基またはチオール基が好適に挙げられ、単一のものであっても異なるものが混在していてもよい。
ジアミンとしては、例えば、一般式(1)で表される構造を含むジアミン、一般式(2)で表される構造を含むジアミン、一般式(3)で表される構造を含むジアミン、一般式(4)で表される構造を含むジアミン、一般式(9)で表される構造を含むジアミン等が挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。
これらのジアミンは、対応するジイソシアネート化合物またはトリメチルシリル化ジアミンとして使用してもよい。
一般式(1)で表される構造を含むジアミンとしては、例えば、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[3−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホンおよびそれらの異性体等が挙げられる。
一般式(2)で表される構造を含むジアミンとしては、例えば、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルおよびそれらの異性体等が挙げられる。
構造式(3)で表される構造を含むジアミンとしては、例えば、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン等が挙げられる。
一般式(4)で表される構造を含むジアミンとしては、例えば、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジフルオロ−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン、2,2’,6,6’−テトラフルオロ−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン、4,4’−ジアミノオクタフルオロビフェニル、4,4’−オキシビス(2,3,5,6−テトラフルオロアニリン)、3,3’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル等が挙げられる。これらの中でも、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニルが特に好ましく、透明層の破断伸度をより向上させることができる。
一般式(9)で表される構造を含むアミンとしては、例えば、1,3,5−トリス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン等が挙げられる。
ポリイミドの製造方法としては、ポリアミド酸またはポリアミド酸エステルを熱硬化する方法が挙げられる。ポリアミド酸またはポリアミド酸エステルの製造方法としては、例えば、低温中でテトラカルボン酸二無水物とジアミンを反応させる方法、テトラカルボン酸二無水物とアルコールとによりジエステルを得、その後アミンと縮合剤の存在下で反応させる方法、テトラカルボン酸二無水物とアルコールとによりジエステルを得、その後残りのジカルボン酸を酸クロリド化し、アミンと反応させる方法などが挙げられる。
基材(S−1)中における前述のポリマーの含有量は、50〜100質量%が好ましく、透明性と耐熱性をより向上させることができる。耐熱性ポリマーの含有量は、75〜100質量%がより好ましく、90〜100質量%がさらに好ましい。
基材(S−1)は、さらに、界面活性剤、レベリング剤、密着改良剤、粘度調整剤、酸化防止剤、無機顔料、有機顔料、染料等を含有してもよい。
基材(S−1)の厚みは、導電層付き基材の強靭性を向上させる観点から、1μm以上が好ましく、2μm以上がより好ましく、5μm以上がさらに好ましい。一方、透明性をより向上させる観点から、厚みは、50μm以下が好ましく、40μm以下がより好ましく、30μm以下がさらに好ましい。
基材(S−1)の波長400nmにおける全光線透過率は、黄色味を抑制して色目をより向上させる観点から、50%以上が好ましく、60%以上がより好ましい。一方、基材(S−1)の波長400nmにおける全光線透過率は、外光等を吸収して第一の絶縁層(OC−1)および第二の絶縁層(OC−2)の外光等による変色を抑制する観点から、85%以下が好ましく、80%以下がより好ましい。ポリイミド、ポリイミドシロキサン、ポリエーテルスルホン、ポリベンゾオキサゾール、アラミド、エポキシなどの樹脂を基材(S−1)に適用することにより吸収を制御でき、かかる特性を満たすことができる。
基材(S−1)は、例えば、ポリマーを含み、必要に応じて有機溶剤、界面活性剤、レベリング剤、密着改良剤、粘度調整剤、酸化防止剤、無機顔料、有機顔料、染料等を配合してなる樹脂組成物を成形することにより形成することができる。
(第一の導電層(A−1)、第二の導電層(A−2))
第一の導電層(A−1)(以下、「導電層(A−1)」と記載する場合がある)および第二の導電層(以下、「導電層(A−2)」と記載する場合がある)は、線幅0.1〜9μmの網目からなる網目構造を有することが好ましい。線幅0.1〜9μmの網目構造を有することにより、導電性および非視認性を両立させることができる。導電性の観点から、網目構造の線幅は、0.5μm以上がより好ましく、1μm以上がさらに好ましい。一方、非視認性の観点から、網目構造の線幅は、7μm以下がより好ましく、6μm以下がさらに好ましい。
導電層(A−1)および導電層(A−2)の膜厚は、導電性の観点から、0.1μm以上が好ましく、0.2μm以上がより好ましく、0.3μm以上がさらに好ましい。一方、導電層(A−1)および導電層(A−2)の膜厚は、非視認性の観点から、5μm以下が好ましく、3μm以下がより好ましく、1μm以下がさらに好ましい。
導電層(A−1)および/または導電層(A−2)は、導電性粒子を含有することが好ましい。
導電性粒子としては、例えば、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、錫(Sn)、ビスマス(Bi)、鉛(Pb)、亜鉛(Zn)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)等の金属からなる金属粒子が挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。中でも、金、銀、銅、ニッケル、錫、ビスマス、鉛、亜鉛、パラジウム、白金、アルミニウムがより好ましく、銀粒子がさらに好ましい。
導電性粒子は、その表面の少なくとも一部に被覆層を有することが好ましい。導電性粒子の表面の少なくとも一部に被覆層が存在することにより、表面活性を低下させて、導電性粒子同士または導電性粒子と有機成分との反応を抑制することができる。さらに、感光性ペースト法を用いた場合、導電性粒子による露光光の散乱を抑制し、配線をより高精度にパターン加工することができる。一方、150〜350℃程度の高温で加熱することにより、被覆層を容易に除去し、十分な導電性を発現することができる。導電性粒子の表面は、被覆層により完全に被覆されていることが好ましい。
被覆層は、炭素および/または炭素化合物を含むことがより好ましい。炭素および/または炭素化合物を含むことにより、導電性粒子の分散性をより向上させることができる。
導電性粒子表面に炭素および/または炭素化合物を含む被覆層を形成する方法としては、例えば、熱プラズマ法により導電性粒子を作製する際に、反応性ガスと接触させる方法(特開2007−138287号公報)などが挙げられる。
被覆層の平均厚みは、0.1〜10nmが好ましい。この範囲であれば、導電性粒子同士の融着を抑制し、より微細なパターンを形成することができる。また、350℃以下の温度で熱処理することにより、所望の導電性を発現することができる。
導電性粒子の平均1次粒子径は、所望の導電性を有する微細な導電パターンを形成するため、10〜60nmが好ましい。ここで、導電性粒子の平均1次粒子径とは、走査型電子顕微鏡を用いて無作為に選択した100個の1次粒子の粒子径の平均値により算出することができる。それぞれの1次粒子の粒子径は、1次粒子における長径と短径を測定し、その平均値から算出することができる。
導電層(A−1)および/または導電層(A−2)中における導電性粒子の含有量は、導電性を向上させる観点から、65質量%以上が好ましい。一方、導電性粒子の含有量は、パターン加工性を向上させる観点から、90質量%以下が好ましい。
導電層(A−1)および/または導電層(A−2)は、さらに有機化合物を含有することがより好ましい。有機化合物は5〜35質量%含有することが好ましい。有機化合物を5質量%以上含有することにより、導電層に柔軟性が付与され、導電層の曲げ耐性が向上する。一方、有機化合物を35質量%以下含有することにより、導電層の導電性を向上させることができる。
有機化合物としては、アルカリ可溶性樹脂が好ましい。アルカリ可溶性樹脂としては、カルボキシル基を有する(メタ)アクリル系共重合体がより好ましい。ここで、(メタ)アクリル系共重合体とは、(メタ)アクリル系モノマーと他のモノマーとの共重合体をいう。(メタ)アクリル系モノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、2−エチルへキシル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
他のモノマーとしては、炭素−炭素二重結合を有する化合物が挙げられ、例えば、スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物;(メタ)アクリルアミド等のアミド系不飽和化合物などが挙げられる。
アルカリ可溶性樹脂にアルカリ可溶性を付与するカルボキシル基を導入する方法としては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、これらの酸無水物などを共重合する方法が挙げられる。
アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量(Mw)は、1,000〜100,000が好ましい。重量平均分子量(Mw)を上記範囲とすることにより、良好な塗布特性が得られ、パターン形成する際の現像液への溶解性も良好となる。ここで、アルカリ可溶性樹脂のMwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定されるポリスチレン換算値を言う。
アルカリ可溶性樹脂の含有量は、導電層(A−1)および/または導電層(A−2)中、それぞれ5〜30質量%が好ましい。
導電層(A−1)および導電層(A−2)は、有機スズ化合物および/または金属キレート化合物を含有してもよい。導電層が有機スズ化合物および/または金属キレート化合物を含有することにより、基材(S−1)、絶縁層(OC−1)、(OC−2)との密着をより向上させることができる。金属キレート化合物は、有機スズ化合物と比較して、環境負荷をかけずに密着性向上効果が得られることからより好ましい。
有機スズ化合物とは、スズの有機酸塩またはスズ原子に少なくとも1つの炭素原子が結合している化合物をいう。例えば、ジラウリン酸スズ等の有機酸塩;二酢酸ジブチルスズ、ジラウリン酸ジブチルスズ、ジラウリン酸ジオクチルスズ、マレイン酸ジオクチルスズ、ジラウリン酸ジメチルスズ、マレイン酸ジメチルスズ、アリルトリブチルスズ、アリルトリフェニルスズ、ジエチルスズ等の化合物が挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。
金属キレート化合物とは、中心金属と、該中心金属に二以上の部位で配位した配位子とを有する化合物をいう。金属キレート化合物は、配位子が容易に脱離し、アルカリ可溶性樹脂のアルカリ可溶性官能基と錯形成することにより密着性を向上させることができる。金属キレート化合物の金属元素としては、例えば、Au(金)、Ag(銀)、Cu(銅)、Cr(クロム)、Fe(鉄)、Co(コバルト)、Ni(ニッケル)、Bi(ビスマス)、Sn(スズ)、Pb(鉛)、Zn(亜鉛)、Pd(パラジウム)、In(インジウム)、Pt(白金)、Mg(マグネシウム)、Al(アルミニウム)、Ti(チタン)、Zr(ジルコニウム)、W(タングステン)、Mo(モリブデン)などが挙げられる。これらの中でも、配位子の脱離容易性の観点から、Mg(マグネシウム)、Al(アルミニウム)、Ti(チタン)およびZr(ジルコニウム)から選ばれた金属が好ましく、アルカリ可溶性官能基との錯体安定性の観点から、Al(アルミニウム)およびZr(ジルコニウム)から選ばれた金属がより好ましい。
金属キレート化合物としては、例えば、ビス(アセチルアセトナート)マグネシウム、ビス(エチルアセトアセタート)マグネシウム、などのマグネシウムキレート化合物;エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムモノアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)などのアルミニウムキレート化合物;テトラキス(アセチルアセトナート)チタンなどのチタンキレート化合物;ジルコニウムテトラセチルアセトネート、ジルコニウムトリブトキシモノステアレートなどのジルコニウムキレート化合物などが挙げられる。
導電層(A−1)および導電層(A−2)中、有機スズ化合物および金属キレート化合物の合計含有量は、基板密着性をより向上させる観点から、0.1質量%以上が好ましい。一方、導電性を向上させ、より微細なパターンを形成する観点から、5質量%以下が好ましい。
導電層(A−1)および導電層(A−2)は、さらに、分散剤、光重合開始剤、モノマー、光酸発生剤、熱酸発生剤、溶剤、増感剤、可視光に吸収を有する顔料および/または染料、密着改良剤、界面活性剤、重合禁止剤等を含有することが好ましい。
導電層(A−1)および導電層(A−2)は、同じ材料で構成されていてよいし、異なる材料で構成されていてもよい。
導電層(A−1)および導電層(A−2)は、例えば、導電性組成物を用いて形成することができる。導電性組成物としては、前述の導電性粒子、アルカリ可溶性樹脂および溶剤を含む組成物を用いることができる。導電性組成物は、有機スズ化合物、金属キレート化合物、分散剤、光重合開始剤、モノマー、光酸発生剤、熱酸発生剤、増感剤、可視光に吸収を有する顔料および/または染料、密着改良剤、界面活性剤または重合禁止剤等を必要に応じて含有することができる。
(第一の絶縁層(OC−1)、第二の絶縁層(OC−2))
本発明の導電層付き基材は、導電層(A−1)と導電層(A−2)との間に、第二の絶縁層(OC−2)(以下、「絶縁層(OC−2)」と記載する場合がある)を有する。第二の絶縁層(OC−2)により、導電層(A−1)と導電層(A−2)の間の絶縁性を付与する。さらに、導電層(A−1)の上面、すなわち導電層(A−1)のうち絶縁層(OC−2)と接している面と反対側の面に、第一の絶縁層(OC−1)(以下、「絶縁層(OC−1)」と記載する場合がある)を有する。絶縁層(OC−1)により、大気中の水分が、導電層(A−1)に到達することを抑制し、導電層(A−1)のマイグレーション耐性を向上させることができる。
絶縁層(OC−1)および絶縁層(OC−2)の膜厚は、マイグレーション耐性をより向上させる観点から、0.1μm以上が好ましく、0.5μm以上がより好ましい。一方、絶縁層(OC−1)および絶縁層(OC−2)の膜厚は、透明性、および曲げ耐性をより向上させる観点から、10μm以下が好ましく、5μm以下がより好ましく、3μm以下が特に好ましい。
基材(S−1)の膜厚に対する絶縁層(OC−1)の膜厚の比((OC−1)/(S−1))は、0.05〜0.5が好ましい。膜厚の比を0.05以上とすることにより、後述するb*の値を調整しやすく、b*のばらつきを抑制することができる。一方、膜厚の比を0.5以下とすることにより、より薄膜化しながら、絶縁層(OC−1)による全光線透過率の低下を抑制することができる。さらに、導電性付き基材が剛直になりすぎることによる曲げ耐性の低下を抑制できる。膜厚の比は0.3以下がより好ましい。なお、膜厚は、例えば“サーフコム(登録商標)”1400((株)東京精密製)触針式段差計を用いて測定することができる。より具体的には、ランダムな3つの位置の膜厚を触針式段差計(測長:1mm、走査速度:0.3mm/sec)でそれぞれ測定し、その平均値を膜厚とすることができる。
見栄えの観点より、b*のばらつきは、1.5以内であることが好ましい。より好ましくは、1.0以内である。b*のばらつきは、サンプル中心および4隅の計5点を測定し、その最大値と最小値の差を算出することで評価することができる。
本発明において、絶縁層(OC−1)は、b*を後述する範囲に調整するために、着色剤を含有することが好ましい。着色剤を含有することにより、導電層付き基材の黄色味を低減し、色目をより向上させることができる。
着色剤としては、顔料、染料などが挙げられる。なかでも、耐熱性、耐光性の観点から、顔料が好ましい。b*を後述する範囲に調整する観点から、青色着色剤が好ましい。
着色剤は、金属錯体を含有することが好ましい。金属錯体を用いることにより、微量添加で導電層付き基材の黄色味をより低減することができる。金属錯体としては、例えば、フタロシアニン又は少なくとも一部に置換基を有するフタロシアニンに、金属が配位した化合物などが挙げられる。置換基としては、例えば、塩素などのハロゲン、スルホン酸基、アミノ基などが挙げられる。配位する金属としては、例えば、銅、亜鉛、ニッケル、コバルト、アルミニウムなどが挙げられる。これらの金属錯体を二種以上含有していてもよい。金属錯体としては、着色剤と他の有機成分との反応を抑制し、かつ、工程での高温処理時に退色せずに、色目をより向上させることができることから、フタロシアニンの銅錯体が好ましい。より好ましくは銅フタロシアニンスルホン酸アンモニウム塩、銅フタロシアニン3級アミン化合物、銅フタロシアニンスルホン酸アミド化合物である。着色剤は、絶縁層(OC−1)のMASSスペクトル分析等により検出できる。
フタロシアニンの銅錯体の例としては、Pigment Blue 15、Pigment Blue 15:1、Pigment Blue 15:2、Pigment Blue 15:3、Pigment Blue 15:4、Pigment Blue 15:6、Pigment Blue 16などが挙げられる。なかでも、耐光性を向上し、太陽光に当たっても変色が発生せず、良好な外観を維持できるという観点から、ε型、α型の構造を有する銅フタロシアニンブルー顔料であるPigment Blue 15:1、Pigment Blue 15:6が好ましい。
絶縁層(OC−1)は、色目をより精密に調整する目的で、赤色着色剤、黄色着色剤、緑色着色等、種々の色目を有する着色剤をさらに含有してもよい。
赤色着色剤としては、アントラキノン顔料、アゾ顔料、キナクリドン顔料、ペリレン顔料、ジケトピロロピロール顔料等が挙げられる。カラーインデックスは、Pigment Red 48、Pigment Red 57、Pigment Red 122、Pigment Red 168、Pigment Red 170、Pigment Red 177、Pigment Red 188、Pigment Red 202、Pigment Red 206、Pigment Red 207、Pigment Red 209、Pigment Red 221、Pigment Red 242、Pigment Violet 19、Pigment Violet 42等が挙げられる。
黄色着色剤としては、アゾ系顔料、ピラゾロン顔料、ベンツイミダゾロン顔料、キノキサリン顔料、アゾメチン顔料等が挙げられる。カラーインデックスは、Pigment Yellow 1、Pigment Yellow 3、Pigment Yellow 74、Pigment Yellow 65、Pigment Yellow 111、Pigment Yellow 81、Pigment Yellow 83、Pigment Yellow 151、Pigment Yellow 154、Pigment Yellow 175、Pigment Orange 13、Pigment Orange 34等が挙げられる。
緑色着色剤としては、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料等が挙げられる。カラーインデックスは、Pigment Green 7、Pigment Green 36、Pigment Green 58、Pigment Black 31等が挙げられる。
絶縁層(OC−1)中における着色剤の含有量は、絶縁層(OC−1)中の全固形分100質量%中、0.01〜0.5質量%が好ましい。着色剤の含有量を0.01質量%以上とすることにより着色剤の効果を十分なものとし、導電層付き基材の色目をより向上させることができる。着色剤の含有量はより好ましくは0.05質量%以上である。また、着色剤の含有量を0.5質量%以下とすることにより、着色剤の吸収を抑制して全光線透過率を向上できる。着色剤の含有量はより好ましくは0.4質量%以下である。着色剤の含有量は、TG−MASSにより定量できる。
絶縁層(OC−1)および絶縁層(OC−2)は、アルカリ可溶性樹脂を含有する絶縁性組成物の硬化物から形成されることが好ましい。
アルカリ可溶性樹脂としては、例えば、前述の(メタ)アクリル系共重合体や、カルド系樹脂などを挙げることができる。なかでも、(メタ)アクリル系共重合体は、架橋密度向上や耐光性向上の観点から好ましく、カルド系樹脂は、疎水性を向上させ、絶縁層のマイグレーション耐性をより向上させることができるので好ましい。
カルド系樹脂としては、下記化学式(11)で表される構造単位を2つ以上含有し、かつ、重合性基およびアルカリ可溶性基を含有するカルド系樹脂が好ましい。
Figure 2020203447
カルド系樹脂としては、市販品を好ましく用いることができ、例えば「V−259ME」(商品名、新日鉄住金化学(株)製)等を好適に用いることができる。
(メタ)アクリル系共重合体の重量平均分子量(Mw(A1))およびカルド系樹脂の重量平均分子量(Mw(A2))は、塗布特性を向上させる観点から、2,000以上が好ましく、パターン形成における現像液への溶解性を向上させる観点から、200,000以下が好ましい。ここで、重量平均分子量は、GPCで測定されるポリスチレン換算値を言う。また、(メタ)アクリル系共重合体およびカルド系樹脂を含有する場合、Mw(A1)とMw(A2)の比(Mw(A2)/Mw(A1))は、層分離を抑制して均一な絶縁層を形成する観点から、0.14以上が好ましい。一方、Mw(A2)/Mw(A1)は、層分離を抑制して均一な絶縁層を形成する観点から、1.5以下が好ましく、1.0以下がより好ましい。
絶縁性組成物において、(メタ)アクリル系共重合体およびカルド系樹脂の合計含有量は、所望の膜厚や用途により任意に選択することができるが、全固形分100質量%中、10質量%以上70質量%以下とすることが好ましい。
絶縁性組成物は、ヒンダードアミン系光安定剤を含有してもよい。ヒンダードアミン系光安定剤を含有することにより、絶縁層の着色をより低減し、色目および耐光性をより向上させることができる。
絶縁性組成物において、ヒンダードアミン系光安定剤の含有量は、全固形分100質量%中、0.01質量%以上が好ましく、0.05質量%以上がより好ましい。また、ヒンダードアミン系光安定剤の含有量は、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましい。
絶縁性組成物は、さらに必要に応じて、多官能モノマー、硬化剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、密着改良剤、溶剤、界面活性剤、溶解抑止剤、安定剤、消泡剤等の添加剤を含有することもできる。絶縁層(OC−1)を形成する絶縁性組成物の場合には、前述の着色剤を含有することが好ましい。着色剤は、絶縁性組成物中に分散または溶解していてもよい。
本発明の導電層付き基材は、図2に示す通り、基材(S−1)と第二の導電層(A−2)間に絶縁層(OC−0)を有していてもよい。絶縁層(OC−0)を形成することにより、第二の導電層(A−2)等のパターン加工性を向上させることができる。
絶縁層(OC−0)としては、上述した絶縁性組成物を用いることができ、無機膜を用いてもよい。無機膜を用いることにより、後の第二の導電層(A−2)等のパターン加工性をより向上させることができる。また、基材(S−1)から第二の導電層(A−2)への金属不純物や水分等の移動を抑制し、導電層の信頼性を向上できるため、好ましい。
無機膜の種類としては、Si系薄膜、C系薄膜、金属薄膜などが挙げられる。後の第二の導電層(A−2)等のパターン加工性向上の観点から、Si系薄膜がより好ましい。Si系薄膜としては、Si、SiO、SiC、SiN、SiOCy、SiO、SiOなどが挙げられる。無機膜の厚みは、5〜20nmが好ましい。5nm以上とすることにより、基材(S−1)から第二の導電層(A−2)への金属不純物や水分等の移動を十分抑制できる。20nm以下とすることにより、本発明の導電層付き基材の曲げ耐性を損なうことがない。
本発明の導電層付き基材は、第一の態様において、国際照明委員会1976に規定されるL*a*b*表色系による、基材(S−1)のb*値をb*(S−1)、第一の絶縁層(OC−1)のb*値をb*(OC−1)、導電層付き基材全体のb*値をb*(T)としたときに、下記式(1)〜(3)を全て満たす。
−4.3≦b*(T)≦2.0 (1)
0.8≦b*(S−1)≦5.0 (2)
1.5≦b*(T)−b*(OC−1)≦5.5 (3)
また、本発明の導電層付き基材は、第二の態様において、国際照明委員会1976に規定されるL*a*b*表色系による、第一の絶縁層(OC−1)のb*値をb*(OC−1)、第二の絶縁層(OC−2)のb*値をb*(OC−2)としたときに、下記式(4)および(5)を満たす。
0.8≦b*(S−1)−b*(OC−1)≦8.0 (4)
0.5≦b*(OC−2)−b*(OC−1)≦7.0 (5)
L*a*b*表色系におけるL*値、a*値、b*値は、広く知られているように、L*値が明度、a*値とb*値とが、色相と彩度を表している。具体的には、a*値が正の値であれば赤色の色相、負の値であれば緑色の色相を示す。また、b*値が正の値であれば黄色の色相、負の値であれば青色の色相を示す。また、a*値とb*値とも、絶対値が大きいほどその色の彩度が大きく鮮やかな色であることを示し、絶対値が小さいほど彩度が小さいことを示す。b*の測定値は、0の近傍がニュートラルであるため、観察したときの色調は、視覚上、無色と視認しやすくなり好ましい。
式(1)は、導電層付き基材全体の色目を表しており、−4.3≦b*(T)≦2.0である。b*(T)を−4.3以上とすることにより青色味を抑え、b*(T)を2.0以下とすることにより黄色味を抑え、全体として無色と視認されやすくなる。
式(2)は、基材(S−1)の色目を表しており、0.8≦b*(S−1)≦5.0である。b*(S−1)を0.8以上とすることにより基材(S−1)の青色味を抑え、b*(S−1)を5.0以下とすることにより基材(S−1)の黄色味を抑えることができる。結果として、導電層付き基材全体の色目調整が容易となる。
式(3)は、導電層付き基材全体の色目と絶縁層(OC−1)の色目の関係を表しており、1.5≦b*(T)−b*(OC−1)≦5.5である。基材(S−1)は、積層時の加熱により、黄色に着色しやすい傾向にある。本発明の第一の態様においては、黄色に着色しやすい基材(S−1)のb*を式(2)の範囲とする一方、絶縁層のb*値をより小さくする(負の値に近づける)ことにより、導電層付き基材全体の色目を無色に近づけることができる。ここで、絶縁層のb*値を小さくする方法としては、絶縁層(OC−1)のb*値を小さくする方法と、絶縁層(OC−2)のb*値を小さくする方法が挙げられる。しかしながら、本発明者らの検討により、絶縁層(OC−2)のb*値を小さくするために絶縁層(OC−2)に青色着色剤を含有すると、青色着色剤がAgイオンと相互作用することにより、導電層(A−1)と導電層(A−2)間に電圧を印加した際のAgイオンの移動を加速し、マイグレーション耐性が低下することが分かった。そこで、本発明の第一の態様においては、絶縁層(OC−2)ではなく、絶縁層(OC−1)のb*値を小さくすることに着目し、式(3)の関係を見出した。b*(T)−b*(OC−1)を1.5以上とすることにより、導電層付き基材全体中の絶縁層(OC−1)の色目のみを青色味に近づけて、全体として無色と視認される。一方、b*(T)−b*(OC−1)を5.5以下とすることにより、導電層付き基材全体の色目と絶縁層(OC−1)の色目を近づけて、絶縁層(OC−1)の色目が過剰に青色味になり吸収が増えることを抑制することができる。
導電層付き基材全体の色目を式(1)〜(3)の範囲とする方法としては、例えば、絶縁層(OC−1)に適量の着色剤を添加することにより絶縁層(OC−1)の色目を調整する方法などが挙げられる。
式(4)は、基材(S−1)の色目と絶縁層(OC−1)の色目の関係を表しており、0.8≦b*(S−1)−b*(OC−1)≦8.0である。b*(S−1)−b*(OC−1)を0.8以上とすることにより、導電層付き基材全体としての黄色味を抑えることができる。b*(S−1)−b*(OC−1)は1.0以上がより好ましい。b*(S−1)−b*(OC−1)を8.0以下とすることにより、導電層付き基材全体の全光線透過率を高くすることができる。b*(S−1)−b*(OC−1)は5.0以下がより好ましい。
式(5)は、絶縁層(OC−1)の色目と絶縁層(OC−2)の色目の関係を表しており、0.5≦b*(OC−2)−b*(OC−1)≦7.0である。前述のとおり、本発明者らの検討により、絶縁層(OC−2)のb*値を小さくするために絶縁層(OC−2)に青色着色剤を含有すると、後工程における導電層(A−1)形成時の加熱により、マイグレーション耐性が低下することが分かった。そこで、本発明の第二の態様においては、絶縁層(OC−1)のb*値のみを小さくすることに着目し、式(5)の関係を見出した。b*(OC−2)−b*(OC−1)を0.5以上とすることにより、導電層付き基材全体としての黄色味を抑え、マイグレーション耐性を向上させることができる。b*(OC−2)−b*(OC−1)はより好ましくは0.8以上である。一方、b*(OC−2)−b*(OC−1)を7.0以下とすることにより、導電層付き基材全体の全光線透過率を高くすることができる。b*(OC−2)−b*(OC−1)はより好ましくは5.0以下である。
なお、反射色度b*は、L*a*b*表色系で定義される特性値である。L*a*b*表色系は、国際照明委員会(CIE)において1976年に定められた表色の方法であり、本発明におけるL*値、a*値、b*値は、JIS−Z8729:1994に規定される方法のうち、反射による測定方法によって測定することができる。より具体的には、分光光度計(CM−2600d;コニカミノルタ(株)製)を用いて各層の全反射光の反射率を測定し、反射色度b*を測定することにより算出することができる。
次に、本発明の導電層付き基材の製造方法について説明する。本発明の導電層付き基材の製造方法は、剥離機能を有する仮支持体上に、少なくとも、前述の基材(S−1)、導電層(A−2)、絶縁層(OC−2)、導電層(A−1)および絶縁層(OC−1)をこの順に形成する工程を含むことが好ましい。仮支持体を除去することにより、導電層付き基材が得られる。基材(S−1)は、剥離機能を有することがさらに好ましい。剥離機能を有するとは、仮支持体と導電層付き基材とを、仮支持体と基材(S−1)との界面で剥離可能であることを意味する。
仮支持体としては、例えば、シリコンウエハー、セラミックス基板、有機系基板などが挙げられる。セラミックス基板としては、例えば、ソーダガラス、無アルカリガラス、ホウケイ酸ガラス、石英ガラス等のガラスからなるガラス基板;アルミナ基板、窒化アルミニウム基板、炭化ケイ素基板などが挙げられる。ソーダガラスは安価で入手しやすいため多用されるが、ソーダガラスからアルカリ成分が溶出して導電不良等の不具合を引き起こす場合があるため、アルカリ成分の溶出を抑制する目的でSiO等の無機膜を表面に形成することが好ましい。有機系基板としては、例えば、エポキシ基板、ポリエーテルイミド樹脂基板、ポリエーテルケトン樹脂基板、ポリサルフォン系樹脂基板、ポリイミドフィルム、ポリエステルフィルム等が好適に挙げられる。後述する後工程でレーザー照射により仮支持体と基材(S−1)の界面を剥離する方法を用いる場合、仮支持体のレーザー光の透過率が高いことが、レーザー光照射時間低減の観点から好ましい。
はじめに、仮支持体上に基材(S−1)を形成する。基材(S−1)の形成方法は、樹脂組成物を仮支持体上に塗布する塗布工程、塗布された樹脂組成物を乾燥するプリベーク工程、および、それをキュアするキュア工程を含むことが好ましい。
樹脂組成物を仮支持体上に塗布する方法としては、例えば、スピンコーター、バーコーター、ブレードコーター、ロールコーター、ダイコーター、カレンダーコーター、メニスカスコーターを用いた塗布、スクリーン印刷、スプレー塗布、ディップコートなどが挙げられる。
プリベーク工程およびキュア工程における乾燥方法としては、例えば、加熱乾燥、減圧乾燥、真空乾燥、赤外線照射などが挙げられる。加熱乾燥装置としては、例えば、ホットプレート、熱風乾燥機(オーブン)などが挙げられる。
プリベーク工程の温度および時間は、樹脂組成物の組成や、乾燥する塗布膜の膜厚によって適宜設定することができる。加熱温度は50〜150℃が好ましく、加熱時間は10秒間〜30分間が好ましい。
キュア工程の雰囲気、温度および時間は、樹脂組成物の組成や、乾燥する塗布膜の膜厚によって適宜設定することができるが、空気中でキュアすることが好ましい。加熱温度は、硬化を十分に進める観点から、150℃以上が好ましく、180℃以上がより好ましい。一方、加熱による黄変をより抑制し、色目をより向上させる観点から、加熱温度は、350℃以下が好ましく、300℃以下がより好ましく、245℃以下がさらに好ましい。また、加熱時間は、硬化を十分に進める観点から、5分間以上が好ましく、20分間以上がより好ましい。一方、加熱による黄変をより抑制して、色目をより向上させる観点から、加熱時間は、120分間以下が好ましく、80分間以下がより好ましい。
このようにして形成された基材(S−1)に、さらに表面処理を施してもよい。表面処理を施すことにより、基材(S−1)の表面状態を変化させ、後の第二の導電層(A−2)等の形成工程における現像残渣によるパターン加工性の低下を抑制することができる。表面処理方法としては、例えば、コロナ放電処理、プラズマ処理、UVオゾン処理等が好適に挙げられる。表面の劣化を抑制しながら表面状態を改質し、残渣をより低減する観点から、コロナ放電処理またはプラズマ処理が好ましく、プラズマ処理がより好ましい。一方、装置の簡便性の観点からは、コロナ放電処理またはUVオゾン処理が好ましく、UVオゾン処理がより好ましい。
また、形成された基材(S−1)上に、絶縁層(OC−0)をさらに形成してもよい。絶縁層(OC−0)を形成することにより、基材(S−1)に上述の表面処理を施さない場合であっても、後の第二の導電層(A−2)等のパターン加工性を向上させることができる。形成方法は、絶縁性組成物を基材(S−1)上に塗布する塗布工程、塗布された絶縁性組成物を乾燥するプリベーク工程、およびそれをキュアするキュア工程を有することが好ましい。
続いて、得られた基材(S−1)または絶縁層(OC−0)上に、第二の導電層(A−2)を形成する。第二の導電層(A−2)の形成方法は、導電性組成物を基板面上に塗布する塗布工程、塗布された導電性組成物を乾燥するプリベーク工程、それを露光および現像してメッシュパターンを形成する工程(露光工程および現像工程)、および得られたメッシュパターンをキュアするキュア工程を含むことが好ましい。
導電性組成物を基板面上に塗布する方法としては、樹脂組成物の塗布方法として例示した方法が挙げられる。
プリベーク工程およびキュア工程における乾燥方法としては、樹脂組成物の乾燥方法として例示した方法が挙げられる。
プリベークの温度および時間は、導電性組成物の組成や、乾燥する塗布膜の膜厚によって適宜設定することができる。加熱温度は50〜150℃が好ましく、加熱時間は10秒間〜30分間が好ましい。
露光工程で用いる光源としては、例えば、水銀灯のj線、i線、h線、g線などが好ましい。
現像工程で用いる現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類;
エチルアミン、n−プロピルアミン等の1級アミン類;
ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン等の2級アミン類;
トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の3級アミン類;
テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)等のテトラアルキルアンモニウムヒドロキシド類;
コリン等の4級アンモニウム塩;
トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、ジエチルアミノエタノール等のアルコールアミン類;
ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5−ノナン、モルホリン等の環状アミン類
等の有機アルカリ類
などのアルカリ性物質を水に溶解したアルカリ水溶液が挙げられる。これらにエタノール、γ−ブチロラクトン、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン等の水溶性有機溶剤を適宜加えても構わない。
また、より良好な導電性パターンを得るため、これらのアルカリ性現像液にさらに非イオン系界面活性剤等の界面活性剤をアルカリ性現像液100質量%に対して0.01〜1質量%添加することも好ましい。
キュア工程の雰囲気、温度および時間は、導電性組成物の組成や、乾燥する塗布膜の膜厚によって適宜設定することができるが、空気中でキュアすることが好ましい。加熱温度は100〜300℃が好ましく、200〜300℃がより好ましい。加熱時間は5分間〜120分間が好ましい。
さらに、形成した第二の導電層(A−2)上に、第二の絶縁層(OC−2)を形成する。第二の絶縁層(OC−2)の形成方法は、絶縁性組成物を導電層(A−2)上に塗布する塗布工程、塗布された絶縁性組成物を乾燥するプリベーク工程、それを露光および現像してパターンを形成する工程(露光工程、現像工程)、および得られたパターンをキュアするキュア工程を含むことが好ましい。それぞれの工程は、導電層(A−2)と同様に行うことができる。
続いて、第二の絶縁層(OC−2)の上に第一の導電層(A−1)を形成する。第一の導電層(A−1)は、第二の導電層(A−2)と同様の方法により形成することができる。
第一の導電層(A−1)の上に、第一の絶縁層(OC−1)をさらに形成する。第一の絶縁層(OC−1)を形成することにより、大気中の水分が導電層(A−1)に到達することを抑制し、耐湿熱性をより向上させることができる。
このとき、電極の引き出し部上部の第一の絶縁層(OC−1)を除去することが好ましい。この部分を予め精密に除去しておくことにより、後の外部電極との接続を容易にすることができる。
また、第一の絶縁層(OC−1)上に、さらに感光性粘着層を形成することも好ましい。かかる構成とすることにより、絶縁性と耐湿熱性をより向上させることができる。第一の絶縁層(OC−1)は、第二の絶縁層(OC−2)と同様の方法により形成することができる。
このようにして仮支持体上に導電層付き基材が形成された仮支持体付き導電層付き基材が得られる。
さらに、導電層付き基材の仮支持体とは反対側の面を、透明粘着層を介して対向部材に貼り合わせてもよい。基材(S−1)と仮支持体の間を剥離することで、仮支持体を除去した対向部材を有する導電層付き基材を得ることができる。ここで、対向部材としては、ガラス基板やフィルム基板であることが好ましく、ガラス基板やフィルム基板上に部材が形成されていてもよい。そのような対向部材として、具体的には、カバーガラスやカバーフィルム、偏光フィルム、カラーフィルター基板、ディスプレイ基板等が好ましく挙げられる。
基材(S−1)と仮支持体を剥離する方法としては、例えば、仮支持体裏面から基材(S−1)にレーザーを照射して剥離する方法、導電層付き基材を備えた仮支持体を0〜80℃に保った溶剤および/または精製水等に10秒〜10時間浸漬して剥離する方法、基材(S−1)を上面よりカットし、カット端面より機械剥離する方法等が挙げられるが、導電層付き基材の耐湿熱性を向上させる観点から、カット端面より機械剥離する方法が好ましい。
また、別の態様として、仮支持体付き導電層付き基材に対して上記の剥離工程を行って、導電層付き基材と仮支持体とを剥離した後、該仮支持体とは反対側の面を透明粘着層を介して対向部材に貼り合わせることにより、タッチパネルを完成させてもよい。さらに、仮支持体付き導電層付き基材の第一の絶縁層(OC−1)の上に保護フィルムや透明粘着層(以下、OCAという)を貼合した後、上記の貼合せ工程および剥離工程を行ってもよい。仮支持体付き導電層付き基材をガラス基板等の対向部材に貼合した後に剥離工程を行う方が、貼合精度の観点から好ましい。
本発明の導電層付き基材は、上記のとおり、寸法精度に優れた仮支持体上で形成された後、仮支持体を剥離、除去することにより製造することが好ましい。本製造方法により、寸法精度に優れる加工方法を適用することが可能である。本発明の導電層付き基材は、基材(S−1)が上述した特定の構造を含むポリマーを含有することにより、導電性組成物の残渣が抑制され、色目および耐湿熱性に優れる。本発明によれば、微細パターン形成およびフレキシブル化への対応が可能な導電層付き基材、およびタッチパネルを提供することができる。
本発明の導電層付き基材の用途としては、例えば、タッチパネル、マイクロLED等の曲面ディスプレイの配線、RFID等の各種フレキシブルセンサー等が挙げられる。なかでもタッチパネルに用いられることが好ましい。
本発明のタッチパネルは、前述の導電層付き基材を備える。
本発明のタッチパネルに、前述の導電層付き基材に異方性導電膜(ACF)を介してフレキシブルプリント回路基板(FPC)を装着し、光学粘着シート(OCA)を介して、例えばカバーガラス等に貼合することでタッチモジュールを作製できる。
以下、本発明の実施例について説明する。まず、実施例および比較例で用いた材料について説明する。
(酸二無水物)
ODPA:3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物(一般式(2)で表される構造を含む化合物)。
(ジアミン)
DDS:ビス(3−アミノフェニル)スルホン(一般式(1)で表される構造を含む化合物)
HFHA:2,2−ビス[3−(3−アミノベンズアミド)−4−ヒドロキシフェニル]ヘキサフルオロプロパン(構造式(3)で表される構造を含む化合物)
TFMB:2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン(一般式(4)で表される構造を含む化合物)。
(トリアミン)
TAPOB:1,3,5−トリス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(一般式(9)で表される構造を含む化合物)。
(溶剤)
GBL:γ−ブチロラクトン
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテル
DPM:ジプロピレングリコールモノメチルエーテル。
(アルカリ可溶性樹脂)
アルカリ可溶性樹脂(A):メタクリル酸/メタクリル酸メチル/スチレン=54/23/23(モル%)からなる(メタ)アクリル系共重合体のカルボキシル基に対して、0.4当量のグリシジルメタクリレートを付加反応させたもの(重量平均分子量(Mw):29,000)。
(その他)
PE−3A:ペンタエリスリトールトリアクリレート。
(導電性粒子)
A−1:表面炭素被覆層の平均厚みが1nmで、平均1次粒子径が40nmの銀粒子(日清エンジニアリング(株)製)
A−2:平均1次粒子径が0.7μmの銀粒子(三井金属(株)製)。
(着色剤)
color−1:フタロシアニン銅化合物“Pigment Blue 15:6”(大日精化工業株式会社製)
color−2:フタロシアニン銅化合物“Pigment Blue 15:1”(大日精化工業株式会社製)
color−3:スルホ珪酸アルミノナトリウム(Holiday社製)。
製造例1:(ポリイミド溶液−1、ポリイミド溶液−2の合成)
(ポリイミド溶液−1)
乾燥窒素気流下、ODPA100モル部をGBLに溶解させて濃度10質量%の溶液とした。これにジアミンとして、DDS50モル部、TFMB48モル部、トリアミンとして、TAPOB2モル部を加えて、20℃で1時間反応させ、次いで50℃で2時間反応させた。反応完了したポリイミド溶液−1の濃度は、20〜25質量%であった。
(ポリイミド溶液−2)
乾燥窒素気流下、ODPA100モル部をGBLに溶解させて濃度10質量%の溶液とした。これにジアミンとして、DDS45モル部、TFMB45モル部、HFHA8モル部、トリアミンとして、TAPOB2モル部を加えて、20℃で1時間反応させ、次いで50℃で2時間反応させた。反応完了したポリイミド溶液−2の濃度は、20〜25質量%であった。
製造例2:透明組成物(s−1、s−2)の調製
クリーンボトルに、製造例1で作製したポリイミド溶液−1を100g、および界面活性剤(F−477:DIC(株)製)0.03gを添加し、1時間撹拌して透明組成物s−1を得た。ポリイミド溶液−1をポリイミド溶液−2に置き換え、同様の操作にて透明組成物s−2を得た。
製造例3:導電性組成物(a−1)および(a−2)の調製
上記導電性粒子A−1 80g、界面活性剤(“DISPERBYK(登録商標)”21116:(商品名、(株)DIC製))4.06g、PGMEA98.07gおよびDPM98.07gを混合し、ホモジナイザーを用いて、1200rpm、30分間の混合処理を施した。その後、さらに、高圧湿式メディアレス微粒化装置ナノマイザー(ナノマイザー(株))を用いて分散処理して、銀含有量28.6質量%の銀分散液1を得た。
有機化合物として、アルカリ可溶性樹脂(A)を20g、金属キレート化合物としてエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート(ALCH:川研ファインケミカル(株)製)を0.6g、光重合開始剤(NCI−831:(株)ADEKA製)を2.4g、およびPE−3Aを12.0g混合したものに、PGMEA132.6gおよびDPM52.6gを添加し撹拌することにより、導電性組成物用有機I液を得た。
上記銀分散液1と上記有機I液を混合し、導電性組成物(a−1)を得た。また、導電性粒子A−1に代えて導電性粒子A−2を用い、導電性組成物(a−2)を得た。
製造例4:絶縁性組成物(oc−0〜oc−11)の調製
クリーンボトルに、カルド系樹脂(V−259ME:新日鉄住金化学(株)製)50.0g、モノマー(PE−3A:共栄社化学(株)製)28.0g、エポキシ化合物(PG−100:大阪ガスケミカル(株)製)20.0g、および開始剤(OXE−01:BASF株式会社製)0.2gを添加し、1時間撹拌して絶縁性組成物oc−0を得た。続いて、表1に記載の着色剤をoc−0に添加し、それぞれoc−1〜oc−10を得た。カルド系樹脂に代えてアルカリ可溶性樹脂(A)を用い、oc−11を得た。続いて、着色剤をoc−0に0.15%添加し、oc−12を得た。なお、「添加量(質量%)」は絶縁性組成物中の全固形分100質量%に対する着色剤の添加量の質量%を示す。それぞれの膜厚1.5μmでの色目b*を表1に示す。
Figure 2020203447
次に、実施例および比較例で行った評価方法について説明する。
(1)色目(b*)評価
各実施例および各比較例について、基材(S−1)、第一の絶縁層(OC−1)、第二の絶縁層(OC−2)、および、導電層付き基材のそれぞれについて、分光光度計(CM−2600d;コニカミノルタ(株)製)を用いて、ブランクとしてガラス基板の測定を行ったうえで、JIS−Z8729:1994、JIS−Z8781−4:2013に基づきガラス基板側から各サンプルの全反射光の反射率を測定し、CIE(L*,a*,b*)色空間における色特性b*を中心および4隅の計5点ずつ測定し、その平均値を色目として評価した。導電層付き基材の色目については、以下の基準に従って評価した。2以上を合格とした。
5:−1.0≦b*(T)≦1.0
4:−2.0≦b*(T)<−1.0、あるいは、1.0<b*(T)≦1.5
3:−3.0≦b*(T)<−2.0、あるいは、1.5<b*(T)≦1.8
2:−4.3≦b*(T)<−3.0、あるいは、1.8<b*(T)≦2.0
1:b*(T)<−4.3、あるいは、2.0<b*(T)。
さらに、色目のばらつきをb*の最大値と最小値の差(以下、b*(MAX)−b*(MIN)とする)で定義し、以下の基準に従って評価した。2以上を合格とした。なお、光源としてはD65光源を用いた。
5:b*(MAX)−b*(MIN)≦1.0
4:1.0<b*(MAX)−b*(MIN)≦1.5
3:1.5<b*(MAX)−b*(MIN)≦2.0
2:2.0<b*(MAX)−b*(MIN)≦2.5
1:2.5<b*(MAX)−b*(MIN)。
(2)全光線透過率評価
基材(S−1)、および、各実施例、各比較例において作製した導電層付き基材について、基材(S−1)は波長400nmでの全光線透過率を、導電層付き基材は波長450nmでの全光線透過率を、紫外可視分光光度計(「MultiSpec−1500(商品名、(株)島津製作所製)」)を用いて測定した。導電層付き基材については、以下の評価基準に従って全光線透過率を評価した。2以上を合格とした。
5:90%以上
4:80%以上90%未満
3:70%以上80%未満
2:50%以上70%未満
1:50%未満。
(3)曲げ耐性評価
各実施例、各比較例において作製した導電層付き基材を1cm幅に上面からカットし、カット端面よりガラス基板から剥離し、直径がそれぞれ2cm、1cm、0.5cm、および0.3cmの金属棒を用いて、180度折り曲げ試験を行った後、光学顕微鏡を用いてクラック発生の有無を観察した。試験回数は1回とした。以下の評価基準に従って曲げ耐性を評価した。2以上を合格とした。
5:直径0.3cmでクラック発生なし
4:直径0.5cmでクラック発生なし、直径0.3cmでクラック発生あり
3:直径1cmでクラック発生なし、直径0.5cmでクラック発生あり
2:直径2cmでクラック発生なし、直径1cmでクラック発生あり
1:直径2cmでクラック発生あり。
(4)マイグレーション耐性評価
各実施例、各比較例により作製した導電層付き基材について、以下の方法により耐湿熱性を評価した。測定には絶縁劣化特性評価システム“ETAC SIR13”(商品名、楠本化成(株)製)を用いた。導電層(A−1)および導電層(A−2)の端子部分にそれぞれ電極を取り付け、85℃85%RH条件に設定された高温高湿槽内に積層基板を入れた。槽内環境が安定してから5分間経過後、導電層(A−1)および導電層(A−2)の電極間に電圧を印加し、絶縁抵抗の経時変化を測定した。導電層(A−1)を正極、導電層(A−2)を負極として、10Vの電圧を印加し、500時間の抵抗値を5分間隔で測定した。測定した抵抗値が10の5乗以下に達したとき絶縁不良による短絡と判断して印圧を停止し、それまでの試験時間を短絡時間とした。以下の評価基準に従って耐湿熱性を評価した。2以上を合格とした。
5:短絡時間が1000時間以上
4:短絡時間が500時間以上1000時間未満
3:短絡時間が300時間以上500時間未満
2:短絡時間が100時間以上300時間未満
1:短絡時間が100時間未満。
(5)耐光性評価
各実施例および比較例により作製した積層基板について、以下の方法により耐光性を評価した。耐光性試験機(「Q−SUN Xenon Test Chamber Model Xe−1(商品名、Q−Lab Corporation製)」)を用い、45℃の環境下、340nmでの照射量が0.60W/mの光を24時間連続照射したときの、b*の変化量(以下、Δb*とする)を以下の基準に従い評価した。
5:Δb*≦2.0
4:2.0<Δb*≦4.0
3:4.0<Δb*≦6.0
2:6.0<Δb*≦8.0
1:8.0<Δb*。
(実施例1)
<基材(S−1)の形成>
前述の透明組成物(s−1)を、仮支持体である縦210mm×横297mmのガラス基板上にスピンコーター「1H−360S(商品名、ミカサ(株)製)」を用いて600rpmで10秒スピンコートした後、ホットプレート「SCW−636(商品名、大日本スクリーン製造(株)製)」を用いて100℃で2分間プリベークし、プリベーク膜を作製した。作製したプリベーク膜付き基板を、オーブン「IHPS−222(商品名、エスペック(株)製)」を用いて、空気中において240℃で50分間キュアし、基材(S−1)を形成した。触針式段差計を用いて測定した膜厚測定の結果は10μmであった。基材(S−1)の色目と全光線透過率を測定したところ、b*は1.0、400nmにおける全光線透過率は75%であった。
<第二の導電層(A−2)の形成>
導電性組成物(a−1)を、基材(S−1)が形成されたガラス基板上にスピンコーター(「1H−360S(商品名、ミカサ(株)製)」)を用いて300rpmで10秒、500rpmで2秒の条件でスピンコートした後、ホットプレート(「SCW−636(商品名、大日本スクリーン製造(株)製)」)を用いて100℃で2分間プリベークし、プリベーク膜を作製した。パラレルライトマスクアライナー(「PLA−501F(商品名、キヤノン(株)製)」)を用いて超高圧水銀灯を光源とし、所望のマスクを介してプリベーク膜を露光した。この後、自動現像装置(「AD−2000(商品名、滝沢産業(株)製)」)を用いて、0.045質量%水酸化カリウム水溶液で60秒間シャワー現像し、次いで水で30秒間リンスし、プリベーク膜のパターン加工を行った。
パターン加工された基板を、オーブンを用いて、空気中で220℃で30分間キュアし、第二の導電層(A−2)を形成した。形成した第二の導電層(A−2)の線幅を、デジタルマイクロスコープ(「VHX−5000(商品名、(株)キーエンス製)」)を用いて5点測定して平均した結果、線幅は3.8μmであった。触針式段差計を用いて測定した膜厚測定の結果は0.5μmであった。
<第二の絶縁層(OC−2)の形成>
表2に示す絶縁性組成物を、第二の導電層(A−2)を形成したガラス基板上にスピンコーターを用いて650rpmで5秒スピンコートした後、ホットプレートを用いて100℃で2分間プリベークし、プリベーク膜を作製した。パラレルライトマスクアライナーを用いて超高圧水銀灯を光源とし、所望のマスクを介してプリベーク膜を露光した。この後、自動現像装置を用いて、0.045質量%水酸化カリウム水溶液で60秒間シャワー現像し、次いで水で30秒間リンスし、パターン加工を行った。
パターン加工した基板を、オーブンを用いて、空気中で220℃で50分間キュアし、第二の絶縁層(OC−2)を形成した。
<第一の導電層(A−1)>
導電性組成物(a−1)を用いて、上記<第二の導電層(A−2)の形成>と同様にして、上記絶縁層上に第一の導電層(A−1)を形成した。また、第二の導電層(A−2)と同様に線幅を測定した結果、線幅は4.1μmであった。膜厚測定の結果は0.5μmであった。
<第一の絶縁層(OC−1)の形成>
表2に示す絶縁性組成物を用いて、上記<第二の絶縁層(OC−2)の形成>と同様にして、上記第一の導電層(A−1)上に、第一の絶縁層(OC−1)を形成し、導電層付き基材を作製した。前述の方法により評価した結果を表2に示す。黄色味が僅かに強くb*(T)の評価は「3」であったが、問題なく使用できる範囲であった。色目のばらつき、曲げ耐性、マイグレーション耐性および耐光性は「5」で良好であった。
(実施例2〜5)
第一の絶縁層(OC−1)に用いる絶縁性組成物を表2に記載のとおり変更した他は、実施例1と同様の操作を行った。着色添加量が増加したため、色目はニュートラルに近づいた。
(実施例6)
第一の絶縁層(OC−1)に用いる絶縁性組成物を表2に記載のとおり変更した他は、実施例1と同様の操作を行った。着色添加量がさらに増加したため、青みが強く色目評価は「2」となり、全光線透過率が低減して評価「3」となったが、問題なく使用できる範囲であった。
(実施例7)
第一の絶縁層(OC−1)に用いる絶縁性組成物を表2に記載のとおり変更した他は、実施例1と同様の操作を行った。
(実施例8)
第一の絶縁層(OC−1)に用いる絶縁性組成物を表3に記載のとおり変更した他は、実施例1と同様の操作を行った。着色剤の耐光性が低かったため、耐光性評価が「3」となったが、問題なく使用できる範囲であった。
(実施例9)
基材(S−1)の塗布条件を変更し、膜厚を表3に記載のとおり変更した他は、実施例6と同様の操作を行った。b*のばらつきが大きくなり、評価が「4」となった。また、基材(S−1)の膜厚が厚くなった分全光線透過率が低下し、評価が「2」となったが、問題なく使用できる範囲であった。
(実施例10)
基材(S−1)の塗布条件を変更し、膜厚を表3に記載のとおり変更した他は、実施例9と同様の操作を行った。b*のばらつきがさらに大きく、評価が「3」となったが、問題なく使用できる範囲であった。
(実施例11)
第一の絶縁層(OC−1)の膜厚を表3に記載のとおり変更した他は、実施例4と同様の操作を行った。第一の絶縁層(OC−1)が剛直になりすぎて曲げ耐性が低下し、評価が「4」となったが、問題なく使用できる範囲であった。
(実施例12)
第一の絶縁層(OC−1)の膜厚を表3に記載のとおり変更した他は、実施例11と同様の操作を行った。第一の絶縁層(OC−1)がさらに剛直になりすぎて曲げ耐性が低下し、評価が「3」となったが、問題なく使用できる範囲であった。
(実施例13)
透明組成物(s−1)に変えて透明組成物(s−2)を用いた他は、実施例7と同様の操作を行った。基材(S−1)の色目と全光線透過率を測定したところ、b*は0.8、400nmにおける全光線透過率は77%であった。透明組成物(s−2)を用いて形成された基材(S−1)の透明性が良好でb*が低く、導電層付き基材の全光線透過率評価は「5」であった。
(実施例14)
透明組成物(s−1)に変えてPET(耐熱性PETフィルム、東レ製“ルミラー”膜厚50μm)を用いた他は、実施例5と同様の操作を行った。PETの400nmでの全光線透過率は82%と高く、耐光性試験時の光を通してしまうため、絶縁層の着色が起こり、耐光性評価は「3」であった。また、透水性が高くマイグレーション耐性が「2」となったが、問題なく使用できる範囲であった。
(実施例15)
第一の絶縁層(OC−1)及び第二の絶縁層(OC−2)に用いる絶縁性組成物を表2に記載のとおり変更した他は、実施例8と同様の操作を行った。アルカリ可溶性樹脂(A)の(メタ)アクリル系共重合体の吸光度が低く耐光性が良好であったため、耐光性評価は「5」と良好であった。
(実施例16)
導電性組成物(a−1)に変えて導電性組成物(a−2)を用いた他は、実施例4と同様の操作を行った。形成した第二の導電層(A−2)の線幅は8.8μm、膜厚は1.2μmであり、第一の導電層(A−1)の線幅は8.4μm、膜厚は1.2μmであった。線幅が太かったため全光線透過率評価は「2」となり、膜厚が厚くなったため曲げ評価は「4」となったが、問題なく使用できる範囲であった。
(比較例1)
第一の絶縁層(OC−1)に用いる絶縁性組成物を表4に記載のとおり変更した他は、実施例1と同様の操作を行った。第一の絶縁層(OC−1)のb*が0.5と大幅に変化したため、色目の評価が「1」となり、使用不可のレベルであった。
(比較例2)
第一の絶縁層(OC−1)に用いる絶縁性組成物を表4に記載のとおり変更した他は、実施例1と同様の操作を行った。第一の絶縁層(OC−1)のb*が0.4と大幅に変化したため、色目の評価が「1」となり、使用不可のレベルであった。
(比較例3)
第一の絶縁層(OC−1)に用いる絶縁性組成物を表4に記載のとおり変更した他は、実施例1と同様の操作を行った。第一の絶縁層(OC−1)のb*が−7.2と大幅に変化したため、色目の評価が「1」となり、使用不可のレベルであった。また、着色剤添加量が多いため、b*のばらつきが大きくなり、全光線透過率は低減した。
(比較例4)
第一の絶縁層(OC−1)に用いる絶縁性組成物と膜厚および第二の絶縁層(OC−2)に用いる絶縁性組成物を表4に記載のとおり変更した他は、実施例5と同様の操作を行った。第二の絶縁層中の着色剤がマイグレーション耐性を低下させ、評価「1」となり、使用不可のレベルであった。
(比較例5)
基材(S−1)と絶縁層(OC−1)の膜厚を変更した他は、実施例10と同様の操作を行った。b*(T)−b*(OC−1)の値が大きくなり、それに伴い、導電層付き基材の全光線透過率が低減した。
各実施例および比較例の評価結果を表2〜4に示す。
Figure 2020203447
Figure 2020203447
Figure 2020203447
本発明の導電層付き基材は、従来のフラットディスプレイのみならず、フレキシブルディスプレイに好適に利用できる。
1 第一の絶縁層(OC−1)
2 第一の導電層(A−1)
3 第二の絶縁層(OC−2)
4 第二の導電層(A−2)
5 絶縁層(OC−0)
6 基材(S−1)

Claims (11)

  1. 基材(S−1)上に、第二の導電層(A−2)、第二の絶縁層(OC−2)、第一の導電層(A−1)および第一の絶縁層(OC−1)
    を少なくともこの順で有する導電層付き基材であって、国際照明委員会1976に規定されるL*a*b*表色系による、前記基材(S−1)のb*値をb*(S−1)、前記第一の絶縁層(OC−1)のb*値をb*(OC−1)、導電層付き基材全体のb*値をb*(T)としたときに、下記式(1)〜(3)を全て満たす、導電層付き基材。
    −4.3≦b*(T)≦2.0 (1)
    0.8≦b*(S−1)≦5.0 (2)
    1.5≦b*(T)−b*(OC−1)≦5.5 (3)
  2. 基材(S−1)上に、第二の導電層(A−2)、第二の絶縁層(OC−2)、第一の導電層(A−1)および第一の絶縁層(OC−1)、
    を少なくともこの順で有する導電層付き基材であって、国際照明委員会1976に規定されるL*a*b*表色系による、前記基材(S−1)のb*をb*(S−1)、前記第一の絶縁層(OC−1)のb*値をb*(OC−1)、前記第二の絶縁層(OC−2)のb*値をb*(OC−2)としたときに、下記式(4)および(5)を満たす、導電層付き基材。
    0.8≦b*(S−1)−b*(OC−1)≦8.0 (4)
    0.5≦b*(OC−2)−b*(OC−1)≦7.0 (5)
  3. 基材(S−1)の膜厚に対する、前記第一の絶縁層(OC−1)の膜厚の比((OC−1)/(S−1))が0.05〜0.5である、請求項1または2に記載の導電層付き基材。
  4. 前記第一の絶縁層(OC−1)が着色剤を含有する、請求項1〜3のいずれかに記載の導電層付き基材。
  5. 前記着色剤が金属錯体を含有する、請求項4に記載の導電層付き基材。
  6. 前記金属錯体がフタロシアニン構造を含有する、請求項5に記載の導電層付き基材。
  7. 前記第一の絶縁層(OC−1)中の前記着色剤の含有量が0.01〜0.5質量%である、請求項4〜6のいずれかに記載の導電層付き基材。
  8. 前記基材(S−1)の波長400nmにおける全光線透過率が50〜85%である、請求項1〜7のいずれかに記載の導電層付き基材。
  9. 前記基材(S−1)が、ポリイミド、ポリイミドシロキサン、ポリエーテルスルホン、ポリベンゾオキサゾール、アラミドおよびエポキシからなる群から選ばれる少なくとも一種のポリマーを含有する、請求項1〜8のいずれかに記載の導電層付き基材。
  10. 前記第一の導電層(A−1)および/または第二の導電層(A−2)が被覆層を有する導電性粒子を含有する、請求項1〜9のいずれかに記載の導電層付き基材。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の導電層付き基材を備えるタッチパネル。
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