JPWO2020183634A1 - 接点部異常監視装置および接点部異常監視装置を用いる回路遮断器 - Google Patents
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Abstract
非接触で開閉接点部の電圧降下異常を監視する接点部異常監視装置を提供する。
接点部異常監視装置は、電路1を開閉する開閉接点2が閉路状態の場合に電路1に流れる負荷電流を検出する変流器3と、負荷電流の信号を出力する負荷電流検出部4と、開閉接点の電源側の電路に接続された電源側電圧検出抵抗5と、開閉接点の負荷側の電路に接続された負荷側電圧検出抵抗6と、電源側電圧検出抵抗および負荷側電圧検出抵抗に流れる電流によって発生する差分電流を検出する異常検出用変流器7と、差分電流に基づき開閉接点における電圧降下の実測値となる出力信号を出力する電圧降下検出部8と、負荷電流の値および開閉接点の接触抵抗の初期値に基づき、電圧降下の正常値を算出し、電圧降下の正常値および電圧降下の実測値に基づき電圧降下差分値を算出して予め設定された警報レベル値と比較して、電圧降下差分値が警報レベル値を超えた場合、開閉接点の接触抵抗に異常があると判定し、警報信号を出力する波形比較部10とを備える。
接点部異常監視装置は、電路1を開閉する開閉接点2が閉路状態の場合に電路1に流れる負荷電流を検出する変流器3と、負荷電流の信号を出力する負荷電流検出部4と、開閉接点の電源側の電路に接続された電源側電圧検出抵抗5と、開閉接点の負荷側の電路に接続された負荷側電圧検出抵抗6と、電源側電圧検出抵抗および負荷側電圧検出抵抗に流れる電流によって発生する差分電流を検出する異常検出用変流器7と、差分電流に基づき開閉接点における電圧降下の実測値となる出力信号を出力する電圧降下検出部8と、負荷電流の値および開閉接点の接触抵抗の初期値に基づき、電圧降下の正常値を算出し、電圧降下の正常値および電圧降下の実測値に基づき電圧降下差分値を算出して予め設定された警報レベル値と比較して、電圧降下差分値が警報レベル値を超えた場合、開閉接点の接触抵抗に異常があると判定し、警報信号を出力する波形比較部10とを備える。
Description
本発明は、開閉接点部の異常を監視する接点部異常監視装置および接点部異常監視装置を用いる回路遮断器に関する。
回路遮断器の開閉接点部の異常監視としては、電路における被監視開閉接点部の両端に接続する絶縁形増幅器を介して検出された接点部の電圧と、変流器を介して検出された電路に流れる電流により接点部の抵抗値を算出し、抵抗の基準値と比較して異常有無を判定する開閉接点部の接触抵抗を電圧降下法により測定する方法が採られている。(例えば、特許文献1)
しかし、従来方法では、回路遮断器のような接点を開閉する装置においては、開閉接点部の電圧降下を直接測定するため、開閉接点開放後も接点両端に接続された電圧計測器を介して接点間が導通するため、実質的に接点開放時の接点間の絶縁を確保できない。
本発明は、かかる問題点を解決するためになされたもので、開閉接点部の電圧降下を非接触で測定するため、開閉接点部の異常を安全に監視することが可能な接点部異常監視装置および接点部異常監視装置を用いる回路遮断器の提供を目的とするものである。
本発明に係る接点部異常監視装置は、電源と負荷とを接続する電路を開閉する開閉接点が閉路状態の場合に電路に流れる負荷電流を検出する変流器と、負荷電流の信号を出力する負荷電流検出部と、開閉接点の電源側の電路に接続された電源側電圧検出抵抗と、開閉接点の負荷側の電路に接続された負荷側電圧検出抵抗と、電源側電圧検出抵抗および負荷側電圧検出抵抗に流れる電流によって発生する差分電流を検出する異常検出用変流器と、差分電流に基づき開閉接点における電圧降下の実測値となる出力信号を出力する電圧降下検出部と、負荷電流の値および開閉接点の接触抵抗の初期値に基づき、電圧降下の正常値を算出し、電圧降下の正常値および電圧降下の実測値に基づき電圧降下差分値を算出し、電圧降下差分値と予め設定された警報レベル値とを比較して、電圧降下差分値が警報レベル値を超えた場合、開閉接点の接触抵抗に異常があると判定し、警報信号を出力する波形比較部とを備える。
本発明に係る回路遮断器は、電源と負荷とを接続する電路に設けられ、電源および負荷の間を開閉する開閉接点と、開閉接点が閉路状態の場合に電路に流れる負荷電流を検出する変流器と、負荷電流の信号を出力する負荷電流検出部と、開閉接点の電源側の電路に接続された電源側電圧検出抵抗と、開閉接点の負荷側の電路に接続された負荷側電圧検出抵抗と、電源側電圧検出抵抗および負荷側電圧検出抵抗に流れる電流によって発生する差分電流を検出する異常検出用変流器と、差分電流に基づき開閉接点における電圧降下の実測値となる出力信号を出力する電圧降下検出部と、負荷電流の値および開閉接点の接触抵抗の初期値に基づき、電圧降下の正常値を算出し、電圧降下の正常値および電圧降下の実測値に基づき電圧降下差分値を算出し、電圧降下差分値と予め設定された警報レベル値とを比較して、電圧降下差分値が警報レベル値を超えた場合、開閉接点の接触抵抗に異常があると判定し、警報信号を出力する波形比較部と、開閉接点を開放可能な引外し装置とを備える。
本発明に係る回路遮断器は、電源と負荷とを接続する電路に設けられ、電源および負荷の間を開閉する開閉接点と、開閉接点が閉路状態の場合に電路に流れる負荷電流を検出する変流器と、負荷電流の信号を出力する負荷電流検出部と、開閉接点の電源側の電路に接続された電源側電圧検出抵抗と、開閉接点の負荷側の電路に接続された負荷側電圧検出抵抗と、電源側電圧検出抵抗および負荷側電圧検出抵抗に流れる電流によって発生する差分電流を検出する異常検出用変流器と、差分電流に基づき開閉接点における電圧降下の実測値となる出力信号を出力する電圧降下検出部と、負荷電流の値および開閉接点の接触抵抗の初期値に基づき、電圧降下の正常値を算出し、電圧降下の正常値および電圧降下の実測値に基づき電圧降下差分値を算出し、電圧降下差分値と予め設定された警報レベル値とを比較して、電圧降下差分値が警報レベル値を超えた場合、開閉接点の接触抵抗に異常があると判定し、警報信号を出力する波形比較部と、開閉接点を開放可能な引外し装置とを備える。
本発明に係る接点部異常監視装置および接点部異常監視装置を用いる回路遮断器によれば、開閉接点の電源側および負荷側の線間にそれぞれ接続された電圧検出抵抗を流れる電流の差分から算出した開閉接点の電圧降下の実測値と、負荷電流および開閉接点の接触抵抗の初期値から算出した開閉接点の電圧降下の正常値とを比較することにより、接点部の異常の有無を監視することができる。開閉接点部の電圧降下を非接触で測定できるため、開閉接点間の絶縁に影響せず、回路遮断器の安全性を高めることができる。
以下、本発明に係る回路遮断器の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、各図において同一符号は同一、若しくは相当部分を示している。
実施の形態1.
図1は実施の形態1に係る回路遮断器のブロック図であり、三相4線式電路において接点部の異常を検出する構成を示している。
図1は実施の形態1に係る回路遮断器のブロック図であり、三相4線式電路において接点部の異常を検出する構成を示している。
図1に示すように、実施の形態1に係る回路遮断器は、電路1に設けられた開閉接点2、変流器3、負荷電流検出部4、電源側電圧検出抵抗5、負荷側電圧検出抵抗6、異常検出用変流器7、電圧降下検出部8、警報レベル設定部9と波形比較部10を有する接点部異常監視装置、および、警報部11と、引外し装置12とから構成されている。
電路1は、電源および負荷を接続し、電路1a、1b、1c、1dを有する。開閉接点2は、電源および負荷の間を開閉する電路1に設けられ、開閉接点2a、2b、2c、2dを有する。
変流器3は変流器3a、3b、3c、3dを有し、開閉接点2が閉路状態の場合に電源から負荷に流れる負荷電流に比例した出力信号(電流信号)を出力する。
負荷電流検出部4は、変流器3からの出力信号を負荷電流信号(アナログ信号またはデジタル信号)に変換して出力する。
電源側電圧検出抵抗5は、開閉接点2に対して電源側に接続され、電源側電圧(電源側電位V1、V2、V3、V4からなる電位差)を電源側電圧検出電流(電源側電圧検出電流i1、i2、i3、i4)に変換する。電源側電圧検出電流i1、i2、i3にそれぞれ対応する電源側電圧検出抵抗5a、5b、5cを有する。
負荷側電圧検出抵抗6は、開閉接点2に対して負荷側に接続され、負荷側電圧(負荷側電位V5、V6、V7、V8からなる電位差)を負荷側電圧検出電流(負荷側電圧検出電流i5、i6、i7、i8)に変換する。負荷側電圧検出電流i5、i6、i7にそれぞれ対応する負荷側電圧検出抵抗6a、6b、6cを有する。
異常検出用変流器7は、電源側電圧検出抵抗5に流れる電源側電圧検出電流および負荷側電圧検出抵抗6に流れる負荷側電圧検出電流によって発生する差分電流に比例した出力信号(電圧信号)を出力する。異常検出用変流器7は、例えば零相変流器を用いることができる。
電圧降下検出部8は、異常検出用変流器7からの差分電流に比例した出力信号を差分電圧信号(アナログ電圧信号またはデジタル電圧信号)に変換し、電圧降下の実測値となる出力信号を出力する。
警報レベル設定部9は、不揮発性メモリなどの記憶素子からなり、出荷調整時に予め設定された開閉接点における正常な閉路状態の抵抗値である接触抵抗の初期値、および警報レベル値を記憶する。ここで、警報レベル値とは、開閉接点における電圧降下の正常値と異常が発生した場合における電圧降下の実測値とに基づく電圧差の許容範囲である。警報レベル値は必要に応じて変更可能であり、警報レベル設定部9に入力することができる。
波形比較部10は、負荷電流検出部4から出力された負荷電流信号に基づいた負荷電流の値および警報レベル設定部9に記録された接触抵抗の初期値により閉路状態の場合における電圧降下の正常値を算出し、電圧降下検出部8から出力された差分電圧信号に基づき開閉接点2における電圧降下の実測値を取得し、電圧降下の正常値および電圧降下の実測値より電圧降下差分値を算出し、予め設定された警報レベル値と比較して、電圧降下差分値が、警報レベル値を超えた場合には、開閉接点2の接触抵抗が初期値から逸脱していると判定し、警報信号を出力する。
警報部11は、波形比較部10から出力された警報信号を受信した場合に警報を発する。
引外し装置12は、電路1を流れる電流に応じて開閉接点を開放することができる。
電路1は、電源および負荷を接続し、電路1a、1b、1c、1dを有する。開閉接点2は、電源および負荷の間を開閉する電路1に設けられ、開閉接点2a、2b、2c、2dを有する。
変流器3は変流器3a、3b、3c、3dを有し、開閉接点2が閉路状態の場合に電源から負荷に流れる負荷電流に比例した出力信号(電流信号)を出力する。
負荷電流検出部4は、変流器3からの出力信号を負荷電流信号(アナログ信号またはデジタル信号)に変換して出力する。
電源側電圧検出抵抗5は、開閉接点2に対して電源側に接続され、電源側電圧(電源側電位V1、V2、V3、V4からなる電位差)を電源側電圧検出電流(電源側電圧検出電流i1、i2、i3、i4)に変換する。電源側電圧検出電流i1、i2、i3にそれぞれ対応する電源側電圧検出抵抗5a、5b、5cを有する。
負荷側電圧検出抵抗6は、開閉接点2に対して負荷側に接続され、負荷側電圧(負荷側電位V5、V6、V7、V8からなる電位差)を負荷側電圧検出電流(負荷側電圧検出電流i5、i6、i7、i8)に変換する。負荷側電圧検出電流i5、i6、i7にそれぞれ対応する負荷側電圧検出抵抗6a、6b、6cを有する。
異常検出用変流器7は、電源側電圧検出抵抗5に流れる電源側電圧検出電流および負荷側電圧検出抵抗6に流れる負荷側電圧検出電流によって発生する差分電流に比例した出力信号(電圧信号)を出力する。異常検出用変流器7は、例えば零相変流器を用いることができる。
電圧降下検出部8は、異常検出用変流器7からの差分電流に比例した出力信号を差分電圧信号(アナログ電圧信号またはデジタル電圧信号)に変換し、電圧降下の実測値となる出力信号を出力する。
警報レベル設定部9は、不揮発性メモリなどの記憶素子からなり、出荷調整時に予め設定された開閉接点における正常な閉路状態の抵抗値である接触抵抗の初期値、および警報レベル値を記憶する。ここで、警報レベル値とは、開閉接点における電圧降下の正常値と異常が発生した場合における電圧降下の実測値とに基づく電圧差の許容範囲である。警報レベル値は必要に応じて変更可能であり、警報レベル設定部9に入力することができる。
波形比較部10は、負荷電流検出部4から出力された負荷電流信号に基づいた負荷電流の値および警報レベル設定部9に記録された接触抵抗の初期値により閉路状態の場合における電圧降下の正常値を算出し、電圧降下検出部8から出力された差分電圧信号に基づき開閉接点2における電圧降下の実測値を取得し、電圧降下の正常値および電圧降下の実測値より電圧降下差分値を算出し、予め設定された警報レベル値と比較して、電圧降下差分値が、警報レベル値を超えた場合には、開閉接点2の接触抵抗が初期値から逸脱していると判定し、警報信号を出力する。
警報部11は、波形比較部10から出力された警報信号を受信した場合に警報を発する。
引外し装置12は、電路1を流れる電流に応じて開閉接点を開放することができる。
次に、以上のように構成された本発明の実施の形態1に係る回路遮断器について、図1を用いて動作を説明する。
正常な閉路状態において、電路1a、1b、1c、1dをそれぞれ流れる負荷電流Ia、Ib、Ic、Idは、それぞれ変流器3a、3b、3c、3dにより検出され、負荷電流Ia、Ib、Ic、Idに比例した電流信号が出力信号として負荷電流検出部4に出力される。
負荷電流検出部4は取得した負荷電流Ia、Ib、Ic、Idに比例した出力信号を負荷電流信号に変換し、波形比較部10へ出力する。
正常な閉路状態において、電路1a、1b、1c、1dをそれぞれ流れる負荷電流Ia、Ib、Ic、Idは、それぞれ変流器3a、3b、3c、3dにより検出され、負荷電流Ia、Ib、Ic、Idに比例した電流信号が出力信号として負荷電流検出部4に出力される。
負荷電流検出部4は取得した負荷電流Ia、Ib、Ic、Idに比例した出力信号を負荷電流信号に変換し、波形比較部10へ出力する。
警報レベル設定部9には、予め入力された開閉接点2a、2b、2c、2dの接触抵抗の初期値Xa、Xb、Xc、Xdが記録されており、接触抵抗の初期値Xa、Xb、Xc、Xdは波形比較部10へと出力される。ここで、接触抵抗の初期値とは、回路遮断器の出荷調整時に測定された接触抵抗値である。なお、電圧降下の正常値と電圧降下の実測値に基づき異常が発生した場合における電圧降下差分値を算出する方法については、後述する。
波形比較部10は、取得した接触抵抗の初期値Xa、Xb、Xc、Xdと前述の負荷電流Ia、Ib、Ic、Idから、正常な閉路状態における開閉接点2a、2b、2c、2dの電圧降下の正常値ΔUa、ΔUb、ΔUc、ΔUdをそれぞれ式(1−1)、式(1−2)、式(1−3)、式(1―4)にて導出する。
波形比較部10は、取得した接触抵抗の初期値Xa、Xb、Xc、Xdと前述の負荷電流Ia、Ib、Ic、Idから、正常な閉路状態における開閉接点2a、2b、2c、2dの電圧降下の正常値ΔUa、ΔUb、ΔUc、ΔUdをそれぞれ式(1−1)、式(1−2)、式(1−3)、式(1―4)にて導出する。
また、電路1a、1b、1c、と電路1dの電源側の線間には、電源側電圧検出抵抗5a、5b、5cが接続される。電路1a、1b、1cおよび1dの電源側電位をそれぞれV1、V2、V3およびV4と定義し、電源側電圧検出抵抗5a、5bおよび5cに流れる電流をそれぞれ電源側電圧検出電流i1、i2およびi3と定義し、電源側電圧検出抵抗を介して電路1dへと流れる電流を電源側電圧検出電流i4と定義する。
ここで、図1に示すとおり、電源側電圧検出抵抗5aおよび電源側電圧検出抵抗5bに接続された配線を異常検出用変流器7に巻線された電路1dの電源側に接続し、さらに電路1dの電源側に接続された配線を異常検出用変流器7に巻線された電源側電圧検出抵抗5cの配線に接続するように結線すれば、異常検出用変流器7から出力された電源側電圧検出電流の合計電流iは、式(2)にて表される。
ここで、図1に示すとおり、電源側電圧検出抵抗5aおよび電源側電圧検出抵抗5bに接続された配線を異常検出用変流器7に巻線された電路1dの電源側に接続し、さらに電路1dの電源側に接続された配線を異常検出用変流器7に巻線された電源側電圧検出抵抗5cの配線に接続するように結線すれば、異常検出用変流器7から出力された電源側電圧検出電流の合計電流iは、式(2)にて表される。
ここで、Nは異常検出用変流器7に巻線された電源側の配線の巻数を表す。
電源側電圧検出電流i1、i2、i3、を電源側電位V1、V2、V3、V4と電源側電圧検出抵抗5a、5b、5cの抵抗値R1、R2、R3で表せば、それぞれ式(3−1)、式(3−2)および式(3−3)となり、電源側電圧検出電流i4は式(3−4)となる。異常検出用変流器7から出力された電源側電圧検出電流の合計電流iは式(4)となる。
電源側電圧検出電流i1、i2、i3、を電源側電位V1、V2、V3、V4と電源側電圧検出抵抗5a、5b、5cの抵抗値R1、R2、R3で表せば、それぞれ式(3−1)、式(3−2)および式(3−3)となり、電源側電圧検出電流i4は式(3−4)となる。異常検出用変流器7から出力された電源側電圧検出電流の合計電流iは式(4)となる。
一方、電路1a、1b、1cと電路1dの負荷側の線間には、負荷側電圧検出抵抗6a、6b、6cが接続される。電路1a、1b、1cおよび1dの負荷側電位をそれぞれV5、V6、V7およびV8と定義し、負荷側電圧検出抵抗6a、6bおよび6cに流れる電流をそれぞれ負荷側電圧検出電流i5、i6およびi7と定義し、負荷側電圧検出抵抗を介して電路1dへと流れる電流を負荷側電圧検出電流i8と定義する。
ここで、図1に示すとおり、負荷側電圧検出抵抗6aおよび負荷側電圧検出抵抗6bに接続された配線を異常検出用変流器7に巻線された電路1dの負荷側に接続し、さらに電路1dの負荷側に接続された配線を異常検出用変流器7に巻線された負荷側電圧検出抵抗6cの配線に接続するように結線すれば、異常検出用変流器7から出力された負荷側電圧検出電流の合計電流i10は、式(5)にて表される。
ここで、図1に示すとおり、負荷側電圧検出抵抗6aおよび負荷側電圧検出抵抗6bに接続された配線を異常検出用変流器7に巻線された電路1dの負荷側に接続し、さらに電路1dの負荷側に接続された配線を異常検出用変流器7に巻線された負荷側電圧検出抵抗6cの配線に接続するように結線すれば、異常検出用変流器7から出力された負荷側電圧検出電流の合計電流i10は、式(5)にて表される。
ここで、N10は異常検出用変流器7に巻線された負荷側の配線の巻数を表す。
負荷側電圧検出電流i5、i6、i7、i8を負荷側電位V5、V6、V7、V8と負荷側電圧検出抵抗6a、6b、6cの抵抗値R5、R6、R7で表せば、それぞれ式(6−1)、式(6−2)、式(6−3)および式(6−4)となる。異常検出用変流器7から出力された負荷側電圧検出電流の合計電流i10は式(7)となる。
負荷側電圧検出電流i5、i6、i7、i8を負荷側電位V5、V6、V7、V8と負荷側電圧検出抵抗6a、6b、6cの抵抗値R5、R6、R7で表せば、それぞれ式(6−1)、式(6−2)、式(6−3)および式(6−4)となる。異常検出用変流器7から出力された負荷側電圧検出電流の合計電流i10は式(7)となる。
ここで、R1=R2=R3=R5=R6=R7=R[Ω]、N=N1=M[ターン]とすれば、異常検出用変流器7から出力された電流によって発生する差分電流信号Δi=i−i10は、式(8)となる。
なお、ΔVa、ΔVb、ΔVc、ΔVdはそれぞれ開閉接点2a、2b、2c、2dの電圧降下を表し、式(9−1)、式(9−2)、式(9−3)および式(9−4)となる。
異常検出用変流器7に検出した差分電流信号Δiに比例した出力信号が電圧降下検出部8へと出力される。電圧降下検出部8は、取得した差分電流信号Δiに比例した出力信号を波形比較部10へ出力する。
波形比較部10は、取得した差分電流信号Δiの値から開閉接点2a〜2dにおける電圧降下の実測値ΔVを式(10)にて算出する。
波形比較部10は、取得した差分電流信号Δiの値から開閉接点2a〜2dにおける電圧降下の実測値ΔVを式(10)にて算出する。
開閉接点2a、2b、2c、2dにおける接触抵抗の実測値をRa、Rb、Rc、Rdとすれば、式(10)は前述の負荷電流Ia、Ib、Ic、Idを用いて、式(11)となる。
一方、波形比較部10は、式(1−1)、式(1−2)、式(1−3)および式(1−4)にて導出した正常な閉路状態における電圧降下の正常値ΔUa、ΔUb、ΔUc、ΔUdを用いて、開閉接点2a、2b、2c、2dにおける接点部電圧降下の正常値ΔUを式(12)にて推定する。
ここで、図2は、実施の形態1に係る回路遮断器の動作を示すシミュレーション結果の一例である。図2において、横軸は時間、縦軸は電圧レベルを示す。
図2(A)に示すように、開閉接点2a、2b、2c、2dが正常な閉路状態である場合、接触抵抗の実測値Ra、Rb、Rc、Rdと接触抵抗の初期値Xa、Xb、Xc、Xdはおおよそ一致するため、電圧降下差分値ΔV−ΔUは式(13)となる。
図2(A)に示すように、開閉接点2a、2b、2c、2dが正常な閉路状態である場合、接触抵抗の実測値Ra、Rb、Rc、Rdと接触抵抗の初期値Xa、Xb、Xc、Xdはおおよそ一致するため、電圧降下差分値ΔV−ΔUは式(13)となる。
開閉接点2a、2b、2c、2dに異常が生じて接触抵抗の実測値Ra、Rb、Rc、Rdが増大した場合、接触抵抗の実測値Ra、Rb、Rc、Rdと接触抵抗の初期値Xa、Xb、Xc、Xdとの乖離は大きくなるため、図2(B)に示すように、電圧降下差分値ΔV−ΔUの振幅は接触抵抗の実測値に伴い大きくなり、正方向警報レベル値および負方向警報レベル値以上になる。
したがって、電圧降下差分値ΔV−ΔUの大きさを監視し、警報レベル設定部9に設定された警報レベル値と比較することで、開閉接点の異常を検出することができる。
したがって、電圧降下差分値ΔV−ΔUの大きさを監視し、警報レベル設定部9に設定された警報レベル値と比較することで、開閉接点の異常を検出することができる。
電圧降下差分値ΔV−ΔUの大きさが警報レベル値を超えた場合、波形比較部10は警報信号を警報部11へと出力する。警報部11は、波形比較部10から出力された警報信号を受信した場合、警報を外部機器に出力することで、開閉接点2a、2b、2c、2dの異常を通知することができる。
なお、実施の形態1では、電源側電圧検出抵抗5a、5b、5cおよび負荷側電圧検出抵抗6a、6b、6cの抵抗値にばらつきがあった場合、抵抗値のばらつきにより開閉接点2a、2b、2c、2dの電圧降下の実測値ΔVに測定誤差が生じるため、波形比較部10に電源側電圧検出抵抗5a、5b、5cおよび負荷側電圧検出抵抗6a、6b、6cの抵抗値ばらつきを補正する機能を持たせることで、より測定精度を高めることができる。
抵抗値のばらつきは温度、湿度環境および経年劣化によっても生じるが、電源側電圧検出抵抗5a、5b、5cおよび負荷側電圧検出抵抗6a、6b、6cの定数を統一し、同一仕様の抵抗部品により回路を構成することにより、すべての部品が温度、湿度環境および経年劣化に対して均一な抵抗値変化を取るため、より測定の信頼性を高めることができる。
また、電源側電圧検出抵抗5a、5b、5cおよび負荷側電圧検出抵抗6a、6b、6cを同一基板上に配置することによって、位置による温度と湿度環境の影響を受けにくくすることが可能となり、より測定の信頼性を高めることができる。
また、電源側電圧検出抵抗5a、5b、5cおよび負荷側電圧検出抵抗6a、6b、6cを同一基板上に配置することによって、位置による温度と湿度環境の影響を受けにくくすることが可能となり、より測定の信頼性を高めることができる。
実施の形態1に係る接点部異常監視装置およびこれを用いる回路遮断器によれば、開閉接点の電源側および負荷側の線間にそれぞれ接続された電圧検出抵抗を流れる電流の差分から算出した開閉接点の電圧降下の実測値と、負荷電流および開閉接点の接触抵抗の初期値から算出した開閉接点の電圧降下の正常値とを比較することにより、接点部の異常の有無を監視することができる。開閉接点部の電圧降下を非接触で測定できるため、開閉接点間の絶縁に影響せず、回路遮断器の安全性を高めることができる。
実施の形態2.
図3は実施の形態2に係る回路遮断器のブロック図であり、単相3線式電路および三相3線式電路において接点部の異常を検出する構成を示している。
図3は実施の形態2に係る回路遮断器のブロック図であり、単相3線式電路および三相3線式電路において接点部の異常を検出する構成を示している。
図3に示すように、実施の形態2に係る回路遮断器は、実施の形態1と同様に、電路1に設けられた開閉接点2、変流器3、負荷電流検出部4、電源側電圧検出抵抗5、負荷側電圧検出抵抗6、異常検出用変流器7、電圧降下検出部8、警報レベル設定部9と波形比較部10を有する接点部異常監視装置、および、警報部11と、引外し装置12とから構成されている。
電路1は、電源および負荷を接続し、電路1a、1b、1cを有する。開閉接点2は、電源および負荷の間を開閉する電路1に設けられ、開閉接点2a、2b、2cを有する。
変流器3は変流器3a、3b、3cを有し、開閉接点2が閉路状態の場合に電源から負荷に流れる負荷電流に比例した出力信号(電流信号)を出力する。
負荷電流検出部4は、変流器3からの出力信号を負荷電流信号(アナログ信号またはデジタル信号)に変換して出力する。
電源側電圧検出抵抗5は、開閉接点2に対して電源側に接続され、電源側電圧(電源側電位V1、V2、V3からなる電位差)を電源側電圧検出電流(電源側電圧検出電流i1、i2、i3)に変換する。電源側電圧検出電流i1、i2、i3にそれぞれ対応する電源側電圧検出抵抗5a、5b、5cを有する。
負荷側電圧検出抵抗6は、開閉接点2に対して負荷側に接続され、負荷側電圧(負荷側電位V4、V5、V6からなる電位差)を負荷側電圧検出電流(負荷側電圧検出電流i4、i5、i6)に変換する。負荷側電圧検出電流i4、i5、i6にそれぞれ対応する負荷側電圧検出抵抗6a、6b、6cを有する。
異常検出用変流器7は、電源側電圧検出抵抗5に流れる電源側電圧検出電流および負荷側電圧検出抵抗6に流れる負荷側電圧検出電流によって発生する差分電流に比例した出力信号(電圧信号)を出力する。異常検出用変流器7は、例えば零相変流器を用いることができる。
電圧降下検出部8は、異常検出用変流器7からの差分電流に比例した出力信号を差分電圧信号(アナログ電圧信号またはデジタル電圧信号)に変換し、電圧降下の実測値となる出力信号を出力する。
警報レベル設定部9は、不揮発性メモリなどの記憶素子からなり、出荷調整時に予め設定された開閉接点における正常な閉路状態の抵抗値である接触抵抗の初期値、および警報レベル値を記憶する。ここで、警報レベル値とは、開閉接点における電圧降下の正常値と異常が発生した場合における電圧降下の実測値とに基づく電圧差の許容範囲である。警報レベル値は必要に応じて変更可能であり、警報レベル設定部9に入力することができる。
波形比較部10は、負荷電流検出部4から出力された負荷電流信号に基づいた負荷電流の値および警報レベル設定部9に記録された接触抵抗の初期値により閉路状態の場合における電圧降下の正常値を算出し、電圧降下検出部8から出力された差分電圧信号に基づき開閉接点2における電圧降下の実測値を取得し、電圧降下の正常値および電圧降下の実測値より電圧降下差分値を算出し、予め設定された警報レベル値と比較して、電圧降下差分値が、警報レベル値を超えた場合には、開閉接点2の接触抵抗が初期値から逸脱していると判定し、警報信号を出力する。
警報部11は、波形比較部10から出力された警報信号を受信した場合に警報を発する。
引外し装置12は、電路1を流れる電流に応じて開閉接点を開放することができる。
電路1は、電源および負荷を接続し、電路1a、1b、1cを有する。開閉接点2は、電源および負荷の間を開閉する電路1に設けられ、開閉接点2a、2b、2cを有する。
変流器3は変流器3a、3b、3cを有し、開閉接点2が閉路状態の場合に電源から負荷に流れる負荷電流に比例した出力信号(電流信号)を出力する。
負荷電流検出部4は、変流器3からの出力信号を負荷電流信号(アナログ信号またはデジタル信号)に変換して出力する。
電源側電圧検出抵抗5は、開閉接点2に対して電源側に接続され、電源側電圧(電源側電位V1、V2、V3からなる電位差)を電源側電圧検出電流(電源側電圧検出電流i1、i2、i3)に変換する。電源側電圧検出電流i1、i2、i3にそれぞれ対応する電源側電圧検出抵抗5a、5b、5cを有する。
負荷側電圧検出抵抗6は、開閉接点2に対して負荷側に接続され、負荷側電圧(負荷側電位V4、V5、V6からなる電位差)を負荷側電圧検出電流(負荷側電圧検出電流i4、i5、i6)に変換する。負荷側電圧検出電流i4、i5、i6にそれぞれ対応する負荷側電圧検出抵抗6a、6b、6cを有する。
異常検出用変流器7は、電源側電圧検出抵抗5に流れる電源側電圧検出電流および負荷側電圧検出抵抗6に流れる負荷側電圧検出電流によって発生する差分電流に比例した出力信号(電圧信号)を出力する。異常検出用変流器7は、例えば零相変流器を用いることができる。
電圧降下検出部8は、異常検出用変流器7からの差分電流に比例した出力信号を差分電圧信号(アナログ電圧信号またはデジタル電圧信号)に変換し、電圧降下の実測値となる出力信号を出力する。
警報レベル設定部9は、不揮発性メモリなどの記憶素子からなり、出荷調整時に予め設定された開閉接点における正常な閉路状態の抵抗値である接触抵抗の初期値、および警報レベル値を記憶する。ここで、警報レベル値とは、開閉接点における電圧降下の正常値と異常が発生した場合における電圧降下の実測値とに基づく電圧差の許容範囲である。警報レベル値は必要に応じて変更可能であり、警報レベル設定部9に入力することができる。
波形比較部10は、負荷電流検出部4から出力された負荷電流信号に基づいた負荷電流の値および警報レベル設定部9に記録された接触抵抗の初期値により閉路状態の場合における電圧降下の正常値を算出し、電圧降下検出部8から出力された差分電圧信号に基づき開閉接点2における電圧降下の実測値を取得し、電圧降下の正常値および電圧降下の実測値より電圧降下差分値を算出し、予め設定された警報レベル値と比較して、電圧降下差分値が、警報レベル値を超えた場合には、開閉接点2の接触抵抗が初期値から逸脱していると判定し、警報信号を出力する。
警報部11は、波形比較部10から出力された警報信号を受信した場合に警報を発する。
引外し装置12は、電路1を流れる電流に応じて開閉接点を開放することができる。
次に、以上のように構成された本発明の実施の形態2に係る回路遮断器について、図3を用いて動作を説明する。
正常な閉路状態において、電路1a、1b、1cをそれぞれ流れる負荷電流Ia、Ib、Icは、それぞれ変流器3a、3b、3cにより検出され、負荷電流Ia、Ib、Icに比例した電流信号が出力信号として負荷電流検出部4に出力される。
負荷電流検出部4は取得した負荷電流Ia、Ib、Icに比例した出力信号を負荷電流信号に変換し、波形比較部10へ出力する。
正常な閉路状態において、電路1a、1b、1cをそれぞれ流れる負荷電流Ia、Ib、Icは、それぞれ変流器3a、3b、3cにより検出され、負荷電流Ia、Ib、Icに比例した電流信号が出力信号として負荷電流検出部4に出力される。
負荷電流検出部4は取得した負荷電流Ia、Ib、Icに比例した出力信号を負荷電流信号に変換し、波形比較部10へ出力する。
警報レベル設定部9には、予め入力された開閉接点2a、2b、2cの接触抵抗の初期値Xa、Xb、Xcが記録されており、接触抵抗の初期値Xa、Xb、Xcは波形比較部10へと出力される。ここで、接触抵抗の初期値とは、回路遮断器の出荷調整時に測定された接触抵抗値である。なお、電圧降下の正常値と電圧降下の実測値に基づき異常が発生した場合における電圧降下差分値を算出する方法については、後述する。
波形比較部10は、取得した接触抵抗の初期値Xa、Xb、Xcと前述の負荷電流Ia、Ib、Icから、正常な閉路状態における開閉接点2a、2b、2cの電圧降下の正常値ΔUa、ΔUb、ΔUcをそれぞれ式(14−1)、式(14−2)および式(14−3)にて導出する。
波形比較部10は、取得した接触抵抗の初期値Xa、Xb、Xcと前述の負荷電流Ia、Ib、Icから、正常な閉路状態における開閉接点2a、2b、2cの電圧降下の正常値ΔUa、ΔUb、ΔUcをそれぞれ式(14−1)、式(14−2)および式(14−3)にて導出する。
また、電路1a、1b、1cの電源側の線間には、電源側電圧検出抵抗5a、5b、5cが接続される。電路1a、1bおよび1cの電源側電位をそれぞれV1、V2およびV3と定義し、電源側電圧検出抵抗5a、5bと5cに流れる電流をそれぞれ電源側電圧検出電流i1、i2およびi3と定義する。
ここで、図3に示すとおり、電源側電圧検出抵抗5aおよび電源側電圧検出抵抗5bに接続された配線を異常検出用変流器7に巻線され、さらに異常検出用変流器7に巻線された電路1cの電源側に接続された電源側電圧検出抵抗5cの配線に結線すれば、異常検出用変流器7から出力された電源側電圧検出電流の合計電流iは、式(15)にて表される。
ここで、図3に示すとおり、電源側電圧検出抵抗5aおよび電源側電圧検出抵抗5bに接続された配線を異常検出用変流器7に巻線され、さらに異常検出用変流器7に巻線された電路1cの電源側に接続された電源側電圧検出抵抗5cの配線に結線すれば、異常検出用変流器7から出力された電源側電圧検出電流の合計電流iは、式(15)にて表される。
ここで、Nは異常検出用変流器7に巻線された電源側の配線の巻数を表す。
電源側電圧検出電流i1、i2、i3を電源側電位V1、V2、V3と電源側電圧検出抵抗5a、5b、5cの抵抗値R1、R2、R3で表せば、それぞれ式(16−1)、式(16−2)および(16−3)となる。異常検出用変流器7から出力された電源側電圧検出電流の合計電流iは式(17)となる。
電源側電圧検出電流i1、i2、i3を電源側電位V1、V2、V3と電源側電圧検出抵抗5a、5b、5cの抵抗値R1、R2、R3で表せば、それぞれ式(16−1)、式(16−2)および(16−3)となる。異常検出用変流器7から出力された電源側電圧検出電流の合計電流iは式(17)となる。
一方、電路1a、1b、1cの負荷側の線間には、負荷側電圧検出抵抗6a、6b、6cが接続される。電路1a、1bおよび1cの負荷側電位をそれぞれV4、V5およびV6と定義し、負荷側電圧検出抵抗6a、6bおよび6cに流れる電流をそれぞれ負荷側電圧検出電流i4、i5およびi6と定義する。
ここで、図3に示すとおり、負荷側電圧検出抵抗6aおよび負荷側電圧検出抵抗6bに接続された配線を異常検出用変流器7に巻線され、さらに異常検出用変流器7に巻線された電路1cの負荷側に接続された負荷側電圧検出抵抗6cの配線に結線すれば、異常検出用変流器7から出力された負荷側電圧検出電流の合計電流i10は、式(18)にて表される。
ここで、図3に示すとおり、負荷側電圧検出抵抗6aおよび負荷側電圧検出抵抗6bに接続された配線を異常検出用変流器7に巻線され、さらに異常検出用変流器7に巻線された電路1cの負荷側に接続された負荷側電圧検出抵抗6cの配線に結線すれば、異常検出用変流器7から出力された負荷側電圧検出電流の合計電流i10は、式(18)にて表される。
ここで、N10は異常検出用変流器7に巻線された電源側の配線の巻数を表す。
負荷側電圧検出電流i4、i5、i6を負荷側電位V4、V5、V6と負荷側電圧検出抵抗6a、6b、6cの抵抗値R4、R5、R6で表せば、それぞれ式(19−1)、式(19−2)および式(19−3)となる。異常検出用変流器7から出力された負荷側電圧検出電流の合計電流i10は式(20)となる。
負荷側電圧検出電流i4、i5、i6を負荷側電位V4、V5、V6と負荷側電圧検出抵抗6a、6b、6cの抵抗値R4、R5、R6で表せば、それぞれ式(19−1)、式(19−2)および式(19−3)となる。異常検出用変流器7から出力された負荷側電圧検出電流の合計電流i10は式(20)となる。
ここで、R1=R2=R3=R4=R5=R6=R[Ω]、N=N10=M[ターン]とすれば、異常検出用変流器7から出力された電流によって発生する差分電流信号Δi=i−i10は、式(21)となる。
なお、ΔVa、ΔVb、ΔVcはそれぞれ開閉接点2a、2b、2cの電圧降下を表し、式(22−1)、式(22−2)および式(22−3)となる。
異常検出用変流器7に検出した差分電流信号Δiに比例した出力信号が電圧降下検出部8へと出力される。電圧降下検出部8は、取得した差分電流信号Δiに比例した出力信号を波形比較部10へ出力する。
波形比較部10は、取得した差分電流信号Δiの値から開閉接点2a〜2cにおける接点部電圧降下の実測値ΔVを式(23)にて算出する。
波形比較部10は、取得した差分電流信号Δiの値から開閉接点2a〜2cにおける接点部電圧降下の実測値ΔVを式(23)にて算出する。
開閉接点2a、2b、2cにおける接触抵抗の実測値をRa、Rb、Rcとすれば、式(23)は前述の負荷電流Ia、Ib、Icを用いて、式(24)となる。
一方、波形比較部10は、式(14−1)、式(14−2)および式(14−3)にて導出した正常な閉路状態における電圧降下の正常値ΔUa、ΔUb、ΔUcを用いて、開閉接点2a〜2cにおける接点部電圧降下の正常値ΔUを式(25)にて推定する。
開閉接点2a、2b、2cが正常な閉路状態である場合、接触抵抗の実測値Ra、Rb、Rcと接触抵抗の初期値Xa、Xb、Xcはおおよそ一致するため、電圧降下差分値ΔV−ΔUは式(26)となる。
開閉接点2a、2b、2cに異常が生じて接触抵抗の実測値Ra、Rb、Rcが増大した場合、接触抵抗の実測値Ra、Rb、Rcと接触抵抗の初期値Xa、Xb、Xcとの乖離は大きくなるため、電圧降下差分値ΔV−ΔUの振幅は接触抵抗の実測値に伴い大きくなり、正方向警報レベル値および負方向警報レベル値以上になる。
したがって、電圧降下差分値ΔV−ΔUの大きさを監視し、警報レベル設定部9に設定された警報レベル値と比較することで、開閉接点の異常を検出することができる。
電圧降下差分値ΔV−ΔUの大きさが警報レベル値を超えた場合、波形比較部10は警報信号を警報部11へと出力する。警報部11は、波形比較部10から出力された警報信号を受信した場合、警報を外部機器に出力することで、開閉接点2a、2b、2cの異常を通知することができる。
したがって、電圧降下差分値ΔV−ΔUの大きさを監視し、警報レベル設定部9に設定された警報レベル値と比較することで、開閉接点の異常を検出することができる。
電圧降下差分値ΔV−ΔUの大きさが警報レベル値を超えた場合、波形比較部10は警報信号を警報部11へと出力する。警報部11は、波形比較部10から出力された警報信号を受信した場合、警報を外部機器に出力することで、開閉接点2a、2b、2cの異常を通知することができる。
なお、実施の形態2では、実施の形態1と同様に、電源側電圧検出抵抗5a、5b、5cおよび負荷側電圧検出抵抗6a、6b、6cの抵抗値にばらつきがあった場合、抵抗値のばらつきにより開閉接点2a、2b、2cの電圧降下の実測値ΔVに測定誤差が生じるため、波形比較部10に電源側電圧検出抵抗5a、5b、5cおよび負荷側電圧検出抵抗6a、6b、6cの抵抗値ばらつきを補正する機能を持たせることで、より測定精度を高めることができる。
電源側電圧検出抵抗5a、5b、5cおよび負荷側電圧検出抵抗6a、6b、6cについては、実施の形態1と同様に、同一仕様の抵抗部品を使用することが望ましい。また、同一基板上に配置されることによって、位置による温度と湿度環境の影響を受けにくくすることが可能となり、より測定の信頼性を高めることができる。
電源側電圧検出抵抗5a、5b、5cおよび負荷側電圧検出抵抗6a、6b、6cについては、実施の形態1と同様に、同一仕様の抵抗部品を使用することが望ましい。また、同一基板上に配置されることによって、位置による温度と湿度環境の影響を受けにくくすることが可能となり、より測定の信頼性を高めることができる。
実施の形態2に係る接点部異常監視装置およびこれを用いる回路遮断器によれば、開閉接点の電源側および負荷側の線間にそれぞれ接続された電圧検出抵抗を流れる電流の差分から算出した開閉接点の電圧降下の実測値と、負荷電流および開閉接点の接触抵抗の初期値から算出した開閉接点の電圧降下の正常値とを比較することにより、接点部の異常の有無を監視することができる。開閉接点部の電圧降下を非接触で測定できるため、開閉接点間の絶縁に影響せず、回路遮断器の安全性を高めることができる。
実施の形態3.
図4は実施の形態3に係る回路遮断器のブロック図であり、単相2線式電路において接点部の異常を検出する構成を示している。
図4は実施の形態3に係る回路遮断器のブロック図であり、単相2線式電路において接点部の異常を検出する構成を示している。
図4に示すように、実施の形態3に係る回路遮断器は、実施の形態1と実施の形態2と同様に、電路1に設けられた開閉接点2、変流器3、負荷電流検出部4、電源側電圧検出抵抗5、負荷側電圧検出抵抗6、異常検出用変流器7、電圧降下検出部8、警報レベル設定部9と波形比較部10を有する接点部異常監視装置、および、警報部11と、引外し装置12とから構成されている。
電路1は、電源および負荷を接続し、電路1a、1bを有する。開閉接点2は、電源および負荷の間を開閉する電路1に設けられ、開閉接点2a、2bを有する。
変流器3は変流器3a、3bを有し、開閉接点2が閉路状態の場合に電源から負荷に流れる負荷電流に比例した出力信号(電流信号)を出力する。
負荷電流検出部4は、変流器3からの出力信号を負荷電流信号(アナログ信号またはデジタル信号)に変換して出力する。
電源側電圧検出抵抗5は、開閉接点2に対して電源側に接続され、電源側電圧(電源側電位V1、V2からなる電位差)を電源側電圧検出電流(電源側電圧検出電流i1、i2)に変換する。電源側電圧検出電流i1、i2にそれぞれ対応する電源側電圧検出抵抗5a、5bを有する。
負荷側電圧検出抵抗6は、開閉接点2に対して負荷側に接続され、負荷側電圧(負荷側電位V3、V4からなる電位差)を負荷側電圧検出電流(負荷側電圧検出電流i3、i4)に変換する。負荷側電圧検出電流i3、i4にそれぞれ対応する負荷側電圧検出抵抗6a、6bを有する。
異常検出用変流器7は、電源側電圧検出抵抗5に流れる電源側電圧検出電流および負荷側電圧検出抵抗6に流れる負荷側電圧検出電流によって発生する差分電流に比例した出力信号(電流信号または電圧信号)を出力する。異常検出用変流器7は、例えば零相変流器を用いることができる。
電圧降下検出部8は、異常検出用変流器7からの差分電流に比例した出力信号を差分電圧信号(アナログ電圧信号またはデジタル電圧信号)に変換し、電圧降下の実測値となる出力信号を出力する。
警報レベル設定部9は、不揮発性メモリなどの記憶素子からなり、出荷調整時に予め設定された開閉接点における正常な閉路状態の抵抗値である接触抵抗の初期値、および警報レベル値を記憶する。ここで、警報レベル値とは、開閉接点における電圧降下の正常値と異常が発生した場合における電圧降下の実測値とに基づく電圧差の許容範囲である。警報レベル値は必要に応じて変更可能であり、警報レベル設定部9に入力することができる。
波形比較部10は、負荷電流検出部4から出力された負荷電流信号に基づいた負荷電流の値および警報レベル設定部9に記録された接触抵抗の初期値により閉路状態の場合における電圧降下の正常値を算出し、電圧降下検出部8から出力された差分電圧信号に基づき開閉接点2における電圧降下の実測値を取得し、電圧降下の正常値および電圧降下の実測値より電圧降下差分値を算出し、予め設定された警報レベル値と比較して、電圧降下差分値が、警報レベル値を超えた場合には、開閉接点2の接触抵抗が初期値から逸脱していると判定し、警報信号を出力する。
警報部11は、波形比較部10から出力された警報信号を受信した場合に警報を発する。
引外し装置12は、電路1を流れる電流に応じて開閉接点を開放することができる。
電路1は、電源および負荷を接続し、電路1a、1bを有する。開閉接点2は、電源および負荷の間を開閉する電路1に設けられ、開閉接点2a、2bを有する。
変流器3は変流器3a、3bを有し、開閉接点2が閉路状態の場合に電源から負荷に流れる負荷電流に比例した出力信号(電流信号)を出力する。
負荷電流検出部4は、変流器3からの出力信号を負荷電流信号(アナログ信号またはデジタル信号)に変換して出力する。
電源側電圧検出抵抗5は、開閉接点2に対して電源側に接続され、電源側電圧(電源側電位V1、V2からなる電位差)を電源側電圧検出電流(電源側電圧検出電流i1、i2)に変換する。電源側電圧検出電流i1、i2にそれぞれ対応する電源側電圧検出抵抗5a、5bを有する。
負荷側電圧検出抵抗6は、開閉接点2に対して負荷側に接続され、負荷側電圧(負荷側電位V3、V4からなる電位差)を負荷側電圧検出電流(負荷側電圧検出電流i3、i4)に変換する。負荷側電圧検出電流i3、i4にそれぞれ対応する負荷側電圧検出抵抗6a、6bを有する。
異常検出用変流器7は、電源側電圧検出抵抗5に流れる電源側電圧検出電流および負荷側電圧検出抵抗6に流れる負荷側電圧検出電流によって発生する差分電流に比例した出力信号(電流信号または電圧信号)を出力する。異常検出用変流器7は、例えば零相変流器を用いることができる。
電圧降下検出部8は、異常検出用変流器7からの差分電流に比例した出力信号を差分電圧信号(アナログ電圧信号またはデジタル電圧信号)に変換し、電圧降下の実測値となる出力信号を出力する。
警報レベル設定部9は、不揮発性メモリなどの記憶素子からなり、出荷調整時に予め設定された開閉接点における正常な閉路状態の抵抗値である接触抵抗の初期値、および警報レベル値を記憶する。ここで、警報レベル値とは、開閉接点における電圧降下の正常値と異常が発生した場合における電圧降下の実測値とに基づく電圧差の許容範囲である。警報レベル値は必要に応じて変更可能であり、警報レベル設定部9に入力することができる。
波形比較部10は、負荷電流検出部4から出力された負荷電流信号に基づいた負荷電流の値および警報レベル設定部9に記録された接触抵抗の初期値により閉路状態の場合における電圧降下の正常値を算出し、電圧降下検出部8から出力された差分電圧信号に基づき開閉接点2における電圧降下の実測値を取得し、電圧降下の正常値および電圧降下の実測値より電圧降下差分値を算出し、予め設定された警報レベル値と比較して、電圧降下差分値が、警報レベル値を超えた場合には、開閉接点2の接触抵抗が初期値から逸脱していると判定し、警報信号を出力する。
警報部11は、波形比較部10から出力された警報信号を受信した場合に警報を発する。
引外し装置12は、電路1を流れる電流に応じて開閉接点を開放することができる。
次に、以上のように構成された本発明の実施の形態3に係る回路遮断器について、図4を用いて動作を説明する。
正常な閉路状態において、電路1a、1bをそれぞれ流れる負荷電流Ia、Ibは、それぞれ変流器3a、3bにより検出され、負荷電流Ia、Ibに比例した電流信号が出力信号として負荷電流検出部4に出力される。
負荷電流検出部4は取得した負荷電流Ia、Ibに比例した出力信号を負荷電流信号に変換し、波形比較部10へ出力する。
正常な閉路状態において、電路1a、1bをそれぞれ流れる負荷電流Ia、Ibは、それぞれ変流器3a、3bにより検出され、負荷電流Ia、Ibに比例した電流信号が出力信号として負荷電流検出部4に出力される。
負荷電流検出部4は取得した負荷電流Ia、Ibに比例した出力信号を負荷電流信号に変換し、波形比較部10へ出力する。
警報レベル設定部9には、予め入力された開閉接点2a、2bの接触抵抗の初期値Xa、Xbが記録されており、接触抵抗の初期値Xa、Xbは波形比較部10へと出力される。ここで、接触抵抗の初期値とは、回路遮断器の出荷調整時に測定された接触抵抗値である。なお、電圧降下の正常値と電圧降下の実測値に基づき異常が発生した場合における電圧降下差分値を算出する方法については、後述する。
波形比較部10は、取得した接触抵抗の初期値Xa、Xbと前述の負荷電流Ia、Ibから、正常な閉路状態における開閉接点2a、2bの電圧降下の正常値ΔUa、ΔUbをそれぞれ式(27−1)、式(27−2)にて導出する。
波形比較部10は、取得した接触抵抗の初期値Xa、Xbと前述の負荷電流Ia、Ibから、正常な閉路状態における開閉接点2a、2bの電圧降下の正常値ΔUa、ΔUbをそれぞれ式(27−1)、式(27−2)にて導出する。
また、電路1a、1bの電源側の線間には、電源側電圧検出抵抗5a、5bが接続される。電路1aおよび1bの電源側電位をそれぞれV1およびV2と定義し、電源側電圧検出抵抗5aおよび5bに流れる電流をそれぞれ電源側電圧検出電流i1およびi2と定義する。
ここで、図4に示すとおり、電源側電圧検出抵抗5aおよび電源側電圧検出抵抗5bに接続された配線を異常検出用変流器7に巻線され、異常検出用変流器7から出力された電源側電圧検出電流の合計電流iは、式(28)にて表される。
ここで、図4に示すとおり、電源側電圧検出抵抗5aおよび電源側電圧検出抵抗5bに接続された配線を異常検出用変流器7に巻線され、異常検出用変流器7から出力された電源側電圧検出電流の合計電流iは、式(28)にて表される。
ここで、Nは異常検出用変流器7に巻線された電源側の配線の巻数を表す。
電源側電圧検出電流i1、i2を電源側電位V1、V2と電源側電圧検出抵抗5a、5bの抵抗値R1、R2で表せば、それぞれ式(29−1)および式(29−2)となる。異常検出用変流器7から出力された電源側電圧検出電流の合計電流iは式(30)となる。
電源側電圧検出電流i1、i2を電源側電位V1、V2と電源側電圧検出抵抗5a、5bの抵抗値R1、R2で表せば、それぞれ式(29−1)および式(29−2)となる。異常検出用変流器7から出力された電源側電圧検出電流の合計電流iは式(30)となる。
一方、電路1a、1bの負荷側の線間には、負荷側電圧検出抵抗6a、6bが接続される。電路1aおよび1bの負荷側電位をそれぞれV3およびV4と定義し、負荷側電圧検出抵抗6aおよび6bに流れる電流をそれぞれ負荷側電圧検出電流i3およびi4と定義する。
ここで、図4に示すとおり、負荷側電圧検出抵抗6aおよび負荷側電圧検出抵抗6bに接続された配線を異常検出用変流器7に巻線され、異常検出用変流器7から出力された負荷側電圧検出電流の合計電流i10は、式(31)にて表される。
ここで、図4に示すとおり、負荷側電圧検出抵抗6aおよび負荷側電圧検出抵抗6bに接続された配線を異常検出用変流器7に巻線され、異常検出用変流器7から出力された負荷側電圧検出電流の合計電流i10は、式(31)にて表される。
ここで、N10は異常検出用変流器7に巻線された電源側の配線の巻数を表す。
負荷側電圧検出電流i3、i4を負荷側電位V3、V4と負荷側電圧検出抵抗6a、6bの抵抗値R3、R4で表せば、式(32−1)と式(32−2)となる。異常検出用変流器7から出力された負荷側電圧検出電流の合計電流i10は式(33)となる。
負荷側電圧検出電流i3、i4を負荷側電位V3、V4と負荷側電圧検出抵抗6a、6bの抵抗値R3、R4で表せば、式(32−1)と式(32−2)となる。異常検出用変流器7から出力された負荷側電圧検出電流の合計電流i10は式(33)となる。
ここで、R1=R2=R3=R4=R[Ω]、N=N10=M[ターン]とすれば、異常検出用変流器7から出力された電流によって発生する差分電流信号Δi=i−i10は、式(34)となる。
なお、ΔVa、ΔVbは開閉接点2a、2bの電圧降下を表し、式(35−1)および式(35−2)となる。
異常検出用変流器7に検出した差分電流信号Δiに比例した出力信号が電圧降下検出部8へと出力される。電圧降下検出部8は、取得した差分電流信号Δiに比例した出力信号を波形比較部10へ出力する。
波形比較部10は、取得した差分電流信号Δiの値から開閉接点2a〜2bの電圧降下の実測値ΔVを式(36)にて算出する。
波形比較部10は、取得した差分電流信号Δiの値から開閉接点2a〜2bの電圧降下の実測値ΔVを式(36)にて算出する。
開閉接点2a、2bにおける接触抵抗の実測値をRa、Rbとすれば、式(36)は前述の負荷電流Ia、Ibを用いて、式(37)となる。
一方、波形比較部10は、式(27−1)と式(27−2)にて導出した正常な閉路状態における電圧降下の正常値ΔUa、ΔUbを用いて、開閉接点2a、2bにおける電圧降下の正常値ΔUを式(38)にて推定する。
開閉接点2a、2bが正常な閉路状態である場合、接触抵抗の実測値Ra、Rbと接触抵抗の初期値Xa、Xbはおおよそ一致するため、電圧降下差分値ΔV−ΔUは式(39)となる。
開閉接点2a、2bに異常が生じて接触抵抗の実測値Ra、Rbが増大した場合、接触抵抗の実測値Ra、Rbと接触抵抗の初期値Xa、Xbとの乖離は大きくなるため、電圧降下差分値ΔV−ΔUの振幅は接触抵抗の実測値に伴い大きくなり、正方向警報レベル値および負方向警報レベル値以上になる。
したがって、電圧降下差分値ΔV−ΔUの大きさを監視し、警報レベル設定部9に設定された警報レベル値と比較することで、開閉接点の異常を検出することができる。
電圧降下差分値ΔV−ΔUの大きさが警報レベル値を超えた場合、波形比較部10は警報信号を警報部11へと出力する。警報部11は、波形比較部10から出力された警報信号を受信した場合、警報を外部機器に出力することで、開閉接点2a、2bの異常を通知することができる。
したがって、電圧降下差分値ΔV−ΔUの大きさを監視し、警報レベル設定部9に設定された警報レベル値と比較することで、開閉接点の異常を検出することができる。
電圧降下差分値ΔV−ΔUの大きさが警報レベル値を超えた場合、波形比較部10は警報信号を警報部11へと出力する。警報部11は、波形比較部10から出力された警報信号を受信した場合、警報を外部機器に出力することで、開閉接点2a、2bの異常を通知することができる。
なお、実施の形態3では、実施の形態1と同様に、電源側電圧検出抵抗5a、5bおよび負荷側電圧検出抵抗6a、6bの抵抗値にばらつきがあった場合、抵抗値のばらつきにより開閉接点2a、2bの電圧降下の実測値ΔVに測定誤差が生じるため、波形比較部10に電源側電圧検出抵抗5a、5bおよび負荷側電圧検出抵抗6a、6bの抵抗値ばらつきを補正する機能を持たせることで、より測定精度を高めることができる。
電源側電圧検出抵抗5a、5bおよび負荷側電圧検出抵抗6a、6bについては、実施の形態1と同様に、同一仕様の抵抗部品を使用することが望ましい。また、同一基板上に配置されることによって、位置による温度と湿度環境の影響を受けにくくすることが可能となり、より測定の信頼性を高めることができる。
電源側電圧検出抵抗5a、5bおよび負荷側電圧検出抵抗6a、6bについては、実施の形態1と同様に、同一仕様の抵抗部品を使用することが望ましい。また、同一基板上に配置されることによって、位置による温度と湿度環境の影響を受けにくくすることが可能となり、より測定の信頼性を高めることができる。
実施の形態3に係る接点部異常監視装置およびこれを用いる回路遮断器によれば、開閉接点の電源側および負荷側の線間にそれぞれ接続された電圧検出抵抗を流れる電流の差分から算出した開閉接点の電圧降下の実測値と、負荷電流および開閉接点の接触抵抗の初期値から算出した開閉接点の電圧降下の正常値とを比較することにより、接点部の異常の有無を監視することができる。開閉接点部の電圧降下を非接触で測定できるため、開閉接点間の絶縁に影響せず、回路遮断器の安全性を高めることができる。
1 電路、2 開閉接点、3 変流器、4 負荷電流検出部、5 電源側電圧検出抵抗、6 負荷側電圧検出抵抗、7 異常検出用変流器、8 電圧降下検出部、9 警報レベル設定部、10 波形比較部、11 警報部、12 引外し装置
Claims (8)
- 電源と負荷とを接続する電路を開閉する開閉接点が閉路状態の場合に前記電路に流れる負荷電流を検出する変流器と、
前記負荷電流の信号を出力する負荷電流検出部と、
前記開閉接点の前記電源側の電路に接続された電源側電圧検出抵抗と、
前記開閉接点の前記負荷側の電路に接続された負荷側電圧検出抵抗と、
前記電源側電圧検出抵抗および前記負荷側電圧検出抵抗に流れる電流によって発生する差分電流を検出する異常検出用変流器と、
前記差分電流に基づき前記開閉接点における電圧降下の実測値となる出力信号を出力する電圧降下検出部と、
前記負荷電流の値および前記開閉接点の接触抵抗の初期値に基づき、電圧降下の正常値を算出し、前記電圧降下の正常値および前記電圧降下の実測値に基づき電圧降下差分値を算出し、前記電圧降下差分値と予め設定された警報レベル値とを比較して、前記電圧降下差分値が前記警報レベル値を超えた場合、前記開閉接点の接触抵抗に異常があると判定し、警報信号を出力する波形比較部と、
を備える接点部異常監視装置。 - 前記警報信号が出力された場合に、警報を発する警報部を備える請求項1に記載の接点部異常監視装置。
- 前記接触抵抗の初期値は、予め設定された前記開閉接点における正常な閉路状態の抵抗値であり、
前記警報レベル値は、前記開閉接点における前記電圧降下の正常値と異常が発生した場合における前記電圧降下の実測値とに基づいた電圧差の許容範囲であり、
前記接触抵抗の初期値を記憶し、および前記警報レベル値を設定する警報レベル設定部を備える請求項1または請求項2に記載の接点部異常監視装置。 - 前記電源側電圧検出抵抗および前記負荷側電圧検出抵抗は、同一仕様の抵抗部品を使用するとともに、同一基板上に配置されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の接点部異常監視装置。
- 電源と負荷とを接続する電路に設けられ、前記電源および前記負荷の間を開閉する開閉接点と、
前記開閉接点が閉路状態の場合に前記電路に流れる負荷電流を検出する変流器と、
前記負荷電流の信号を出力する負荷電流検出部と、
前記開閉接点の前記電源側の電路に接続された電源側電圧検出抵抗と、
前記開閉接点の前記負荷側の電路に接続された負荷側電圧検出抵抗と、
前記電源側電圧検出抵抗および前記負荷側電圧検出抵抗に流れる電流によって発生する差分電流を検出する異常検出用変流器と、
前記差分電流に基づき前記開閉接点における電圧降下の実測値となる出力信号を出力する電圧降下検出部と、
前記負荷電流の値および前記開閉接点の接触抵抗の初期値に基づき、電圧降下の正常値を算出し、前記電圧降下の正常値および前記電圧降下の実測値に基づき電圧降下差分値を算出し、前記電圧降下差分値と予め設定された警報レベル値とを比較して、前記電圧降下差分値が前記警報レベル値を超えた場合、前記開閉接点の接触抵抗に異常があると判定し、警報信号を出力する波形比較部と、
前記開閉接点を開放可能な引外し装置と、
を備える回路遮断器。 - 前記警報信号が出力された場合に、警報を発する警報部を備える請求項5に記載の回路遮断器。
- 前記接触抵抗の初期値は、予め設定された前記開閉接点における正常な閉路状態の抵抗値であり、
前記警報レベル値は、前記開閉接点における前記電圧降下の正常値と異常が発生した場合における前記電圧降下の実測値とに基づいた電圧差の許容範囲であり、
前記接触抵抗の初期値を記憶し、および前記警報レベル値を設定する警報レベル設定部を備える請求項5または請求項6に記載の回路遮断器。 - 前記電源側電圧検出抵抗および前記負荷側電圧検出抵抗は、同一仕様の抵抗部品を使用するとともに、同一基板上に配置されることを特徴とする請求項5から請求項7のいずれか1項に記載の回路遮断器。
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