JPWO2020158769A1 - エキスパンド方法、半導体装置の製造方法及び積層型粘着シート - Google Patents

エキスパンド方法、半導体装置の製造方法及び積層型粘着シート Download PDF

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Abstract

第1ウエハ面と第2ウエハ面とを有するウエハの第2ウエハ面と、第1粘着剤層(12)と第1基材(11)とを有する第1粘着シート(10)との間に、第2ウエハ面と略同形状の第2シート(20)が挟持され、第1ウエハ面側から切込みを入れて、ウエハを複数のチップ(CP)に個片化し、さらに第2シート(20)を切断し、前記切込みを、第1粘着剤層(12)まで到達させ、第1粘着シート(10)を伸張させて、複数のチップ(CP)の間隔を拡げる、エキスパンド方法。

Description

本発明は、エキスパンド方法、半導体装置の製造方法及び積層型粘着シートに関する。
近年、電子機器の小型化、軽量化、及び高機能化が進んでいる。電子機器に搭載される半導体装置にも、小型化、薄型化、及び高密度化が求められている。半導体チップは、そのサイズに近いパッケージに実装されることがある。このようなパッケージは、チップスケールパッケージ(Chip Scale Package;CSP)と称されることもある。CSPの一つとして、ウエハレベルパッケージ(Wafer Level Package;WLP)が挙げられる。WLPにおいては、ダイシングにより個片化する前に、ウエハに外部電極等を形成し、最終的にはウエハをダイシングして、個片化する。WLPとしては、ファンイン(Fan−In)型とファンアウト(Fan−Out)型が挙げられる。ファンアウト型のWLP(以下、「FO−WLP」と略記する場合がある。)においては、半導体チップを、チップサイズよりも大きな領域となるように封止部材で覆って半導体チップ封止体を形成し、再配線層や外部電極を、半導体チップの回路面だけでなく封止部材の表面領域においても形成する。
例えば、特許文献1には、半導体ウエハから個片化された複数の半導体チップについて、その回路形成面を残し、モールド部材を用いて周りを囲んで拡張ウエハを形成し、半導体チップ外の領域に再配線パターンを延在させて形成する半導体パッケージの製造方法が記載されている。特許文献1に記載の製造方法において、個片化された複数の半導体チップをモールド部材で囲う前に、エキスパンド用のウエハマウントテープに貼り替え、ウエハマウントテープを展延して複数の半導体チップの間の距離を拡大させている。
また、特許文献2には、第二基材層と、第一基材層と、第一粘着剤層と、をこの順に備え、第二基材層の破断伸度が400%以上である粘着シートが記載されている。特許文献2に記載の半導体装置の製造方法は、この粘着シートの第一粘着剤層に半導体ウエハを貼着する工程と、半導体ウエハをダイシングにより個片化し、複数の半導体チップを形成する工程と、粘着シートを引き延ばして、半導体チップ同士の間隔を拡げる工程と、を備える。
国際公開第2010/058646号 特開2017−076748号公報
エキスパンド工程に用いられるテープは、通常、テープ上の半導体チップを固定するために粘着剤層と、粘着剤層を支持するための基材と、を有する。特許文献1に記載のようにエキスパンド用のウエハマウントテープを引き延ばすと、テープの基材だけでなく、粘着剤層も引き延ばされる。エキスパンド工程後、半導体チップを粘着剤層から剥離すると、粘着剤層と接していた半導体チップの表面に粘着剤層が残る不具合が生じる場合がある。このような不具合を、本明細書においては、糊残りと称する場合がある。
なお、特許文献2に記載の粘着シートを用いてエキスパンド工程を実施すると、半導体チップと接している粘着剤層は引き延ばされないため、糊残りが生じ難いと考えられる。しかしながら、特許文献2に記載の粘着シートを用いてエキスパンドする場合、ダイシング前のウエハの端部側に由来する半導体チップについては、チップ同士の間隔を十分に拡張できない場合がある。
なお、エキスパンド方法において粘着シートの上に支持する被着体としては、半導体チップだけでなく、例えば、ウエハ、半導体装置パッケージ、及びマイクロLED等の半導体装置が挙げられる。これら半導体装置についても、半導体チップと同様、半導体装置同士の間隔を拡張させることがある。
本発明の目的は、従来に比べてプロセスを簡略化し、かつ、チップ同士の間隔を充分に拡張しつつ、糊残りを抑制できるエキスパンド方法を提供すること、並びに当該エキスパンド方法を含む半導体装置の製造方法を提供することである。また、本発明の別の目的は、当該半導体装置の製造方法に用いる積層型粘着シートを提供することである。
本発明の一態様によれば、第1ウエハ面と前記第1ウエハ面の反対側の第2ウエハ面とを有するウエハの前記第2ウエハ面と、第1粘着剤層と第1基材とを有する第1粘着シートとの間に、前記第2ウエハ面と略同形状の第2シートが挟持され、前記第1ウエハ面側から切込みを入れて、前記ウエハを複数のチップに個片化し、さらに前記第2シートを切断し、前記切込みを、前記第1粘着剤層まで到達させ、前記第1粘着シートを伸張させて、前記複数のチップの間隔を拡げるエキスパンド方法が提供される。
本発明の一態様に係るエキスパンド方法において、前記第2シートは、予め前記第1粘着シートの前記第1粘着剤層に積層されており、前記第1粘着シートに積層された状態の前記第2シートにて前記ウエハを支持することが好ましい。
本発明の一態様に係るエキスパンド方法において、前記第2シートは、第2粘着剤層と第2基材とを有する粘着シートであることが好ましい。
本発明の一態様に係るエキスパンド方法において、前記第2シートは、粘着剤から形成された層からなるシートであることが好ましい。
本発明の一態様に係るエキスパンド方法において、前記第1粘着シートは、エキスパンドシートであることが好ましい。
本発明の一態様に係るエキスパンド方法において、前記ウエハは、半導体ウエハであることが好ましい。
本発明の一態様に係るエキスパンド方法において、前記第1ウエハ面は、回路を有することが好ましい。
本発明の一態様によれば、前述の本発明の一態様に係るエキスパンド方法を含む半導体装置の製造方法が提供される。
本発明の一態様によれば、第1粘着剤層と第1基材とを有する第1粘着シートと、前記第1粘着剤層に積層された第2シートと、を有し、第1ウエハ面と前記第1ウエハ面の反対側の第2ウエハ面とを有するウエハに貼付して使用される積層型粘着シートであって、前記第2シートは、前記ウエハの前記第1ウエハ面と略同形状であり、前記積層型粘着シートは、前記第2シートにて前記ウエハの前記第1ウエハ面側を支持し、前記第2ウエハ面側から切込みを入れて、前記ウエハを複数のチップに個片化し、さらに前記第2シートを切断し、前記切込みを、前記第1粘着剤層まで到達させ、前記第1粘着シートを伸張させて、前記複数のチップの間隔を拡げるエキスパンド方法に用いられる積層型粘着シートが提供される。
本発明の一態様によれば、従来に比べてプロセスを簡略化し、かつ、チップ同士の間隔を充分に拡張しつつ、糊残りを抑制できるエキスパンド方法を提供できる。本発明の別の一態様によれば、当該エキスパンド方法を含む半導体装置の製造方法を提供できる。また、本発明の別の一態様によれば、当該半導体装置の製造方法に用いる積層型粘着シートを提供できる。
第1実施形態に係る製造方法を説明する断面図。 第1実施形態に係る製造方法を説明する断面図。 第1実施形態に係る製造方法を説明する断面図。 第1実施形態に係る製造方法を説明する断面図。 第1実施形態に係る製造方法を説明する断面図。 第2実施形態に係る積層型粘着シートの概略断面図。 実施例で使用した2軸延伸エキスパンド装置を説明する平面図である。 チップ整列性の測定方法を説明するための概略図である。
〔第1実施形態〕
以下、本実施形態に係るエキスパンド方法及び当該エキスパンド方法を含む半導体装置の製造方法について説明する。
図1(図1A及び図1B)、図2、及び図3(図3A及び図3B)は、本実施形態に係るエキスパンド方法を含む半導体装置の製造方法を説明する断面概略図である。
本実施形態に係るエキスパンド方法は、次の工程(P1)〜(P3)の工程を備える。(P1)第1ウエハ面及び第2ウエハ面を有するウエハの第2ウエハ面と第1粘着シートとの間に、前記第2ウエハ面と略同形状の第2シートを挟持する工程。第1粘着シートは、第1粘着剤層と第1基材とを有する。
(P2)第1ウエハ面側から切込みを入れて、ウエハ及び第2シートを切断し、複数のチップに個片化する工程。第1ウエハ面がチップの回路面になり、第2ウエハ面がチップ裏面となる。切込みを第1粘着剤層まで入れる。
(P3)第1粘着シートを伸張させて、複数のチップの間隔を拡げる工程。
図1Aは、工程(P1)を説明するための図である。図1Aには、第1粘着シート10及び第2シート20が貼着された半導体ウエハWが記載されている。
半導体ウエハWは、第1ウエハ面としての回路面W1と、第2ウエハ面としての裏面W3と、を有する。回路面W1には、回路W2が形成されている。
半導体ウエハWは、第1粘着シート10の上に保持されている。本実施形態では、半導体ウエハWと第1粘着シート10との間に第2シート20が挟持されている。本実施形態では、回路面W1が露出した状態でプロセスを進める態様を例に挙げて説明するが、その他の態様の例としては、例えば、回路面W1に保護シート又は保護膜等の保護部材が貼着された状態でプロセスを進める態様が挙げられる。
第1粘着シート10は、第1粘着剤層12と第1基材11とを有する。第1粘着シート10の詳細は、後述する。
第2シート20は、半導体ウエハWの裏面W3と略同形状である。第2シート20の形状は、半導体ウエハWの裏面W3を覆うことができる形状であることが好ましい。そのため、第2シート20は、半導体ウエハWの裏面W3とほぼ同じか、裏面W3よりも少し大きく形成されていることが好ましい。
また、第2シート20は、シートの面方向において、第1粘着シート10よりも小さく形成されていることが好ましい。第1粘着シート10の第1粘着剤層12のうち第2シート20が積層されていない部分には、リングフレーム等の治具を貼付できる。
本実施形態に係る第2シート20は、単層からなる。なお、第2シート20は、複数の層が積層されてなるシートでもよい。光線透過率の制御の容易性および製造コストの観点においては、第2シート20は、単層からなることが好ましい。
半導体ウエハWは、例えば、シリコンウエハであってもよいし、ガリウム・砒素等の化合物半導体ウエハであってもよい。半導体ウエハWの回路面W1に回路W2を形成する方法としては、汎用されている方法が挙げられ、例えば、エッチング法及びリフトオフ法等が挙げられる。
[バックグラインド工程]
工程(P1)で準備する半導体ウエハWは、バックグラインド工程を経ることにより得られたウエハであることが好ましい。
バックグラインド工程においては、半導体ウエハWの回路面W1とは反対側の面を、ウエハが所定の厚さになるまで、研削する。裏面W3は、半導体ウエハWを裏面研削して形成した面であることが好ましい。半導体ウエハWを研削した後に露出する面を裏面W3とする。
半導体ウエハWを研削する方法としては、特に限定されず、例えば、グラインダー等を用いた公知の方法が挙げられる。半導体ウエハWを研削する際には、回路W2を保護するために、バックグラインドシートと呼ばれる粘着シートを回路面W1に貼着することが好ましい。ウエハの裏面研削は、半導体ウエハWの回路面W1側、すなわちバックグラインドシート側をチャックテーブル等により固定し、回路が形成されていない裏面側をグラインダーにより研削する。
研削前の半導体ウエハWの厚さは、特に限定されず、通常、500μm以上、1000μm以下である。
研削後の半導体ウエハWの厚さは、特に限定されず、通常、20μm以上、500μm以下である。
[第1粘着シート及び第2シートの貼着工程]
工程(P1)で準備する半導体ウエハWは、バックグラインド工程を経て、さらに、裏面W3に第1粘着シート10及び第2シート20を貼着する貼着工程を経て得られたウエハであることが好ましい。この貼着工程を第1粘着シート及び第2シートの貼着工程と称する場合がある。
後述するように、工程(P2)において、半導体ウエハWは、ダイシングにより複数の半導体チップCPに個片化され、工程(P3)において、エキスパンドにより、複数の半導体チップCP同士の間隔が拡張される。本実施形態では、半導体ウエハWをダイシングする際に半導体ウエハWを保持するために、及び粘着シートをエキスパンドする際に半導体チップCPを保持するために、裏面W3に第1粘着シート10及び第2シート20を貼着する。
裏面W3に貼着する第1粘着シート10及び第2シート20は、予め、積層された積層型粘着シート1であることが好ましい(図1A参照)。この積層型粘着シート1は、第1粘着シート10及び第2シート20を有する。この積層型粘着シート1においては、第2シート20が、第1粘着剤層12に積層されている。積層型粘着シート1を用いる場合、半導体ウエハWは、裏面W3を第2シート20に向けて貼着される。第2シート20は、裏面W3と略同形状に形成されているため、裏面W3を覆うことができる。
なお、裏面W3に第1粘着シート10及び第2シート20を貼着する工程は、積層型粘着シート1を用いる態様に限定されず、例えば、半導体ウエハWの裏面W3に第2シート20を貼着した後に、第1粘着シート10を第2シート20に貼り合わせる態様でもよい。
[ダイシング工程]
図1Bは、工程(P2)を説明するための図である。工程(P2)をダイシング工程と称する場合がある。図1Bには、第1粘着シート10に保持された複数の半導体チップCPが示されている。
裏面W3に第1粘着シート10及び第2シート20が貼着された状態の半導体ウエハWは、ダイシングにより個片化され、複数の半導体チップCPが形成される。第1ウエハ面としての回路面W1は、チップの回路面に相当する。第2ウエハ面としての裏面W3がチップ裏面に相当する。
本実施形態では、回路面W1側から切込みを入れて、半導体ウエハWを切断し、さらに第2シート20を切断し、さらに第1粘着剤層12まで切込みを到達させる。このダイシングによって、第2シート20も半導体チップCPと同じサイズに切断される。
ダイシングには、ダイシングソー等の切断手段が用いられる。
ダイシングの際の切断深さは、半導体ウエハW及び第2シート20を個片化できる深さであれば特に限定されない。本実施形態では、第1基材11まで切込みを入れない態様を例に挙げて説明する。
本実施形態では、ダイシング工程によって、半導体チップCPの裏面W3側において、複数の半導体チップCPと第1粘着シート10の第1粘着剤層12との間に個片化された第2シート20が介在した積層構造が得られる。
[エキスパンド工程]
図2は、工程(P3)を説明するための図である。工程(P3)をエキスパンド工程と称する場合がある。図3には、ダイシング工程の後に、第1粘着シート10を伸張させて、複数の半導体チップCPの間隔を拡げた状態が示されている。
複数の半導体チップCPの間隔を拡げる際には、エキスパンドシートと呼ばれる粘着シートにより複数の半導体チップCPを保持した状態で、エキスパンドシートを伸張することが好ましい。本実施形態においては、第1粘着シート10がエキスパンドシートであることが好ましい。
エキスパンド工程において第1粘着シート10を引き延ばす方法は、特に限定されない。第1粘着シート10を引き延ばす方法としては、例えば、環状もしくは円状のエキスパンダを押し当てて第1粘着シート10を引き延ばす方法、及び把持部材等を用いて第1粘着シート10の外周部を掴んで引き延ばす方法等が挙げられる。本実施形態では、複数の半導体チップCPの間隔D1は、半導体チップCPのサイズに依存するため、特に制限されない。特に、粘着シートの片面に貼着された複数の半導体チップCPにおける、隣り合う半導体チップCPの相互の間隔D1は、200μm以上であることが好ましい。なお、当該半導体チップCPの相互の間隔の上限は、特に制限されない。当該半導体チップCPの相互の間隔の上限は、例えば、6000μmであってもよい。
[第1転写工程]
本実施形態においては、エキスパンド工程の後、第1粘着シート10に貼着されていた複数の半導体チップCPを、別の粘着シート(例えば、第3粘着シート)に転写する工程(以下「第1転写工程」という場合がある。)を実施してもよい。
図3Aには、第1粘着シート10に貼着されていた複数の半導体チップCPを、第3粘着シート30に転写する工程(「第1転写工程」)を説明する図が示されている。
第3粘着シート30は、複数の半導体チップCPを保持できれば特に限定されない。第3粘着シート30は、第3基材31と、第3粘着剤層32とを有する。第3粘着シート30上の複数の半導体チップCPを封止したい場合には、第3粘着シート30として、封止工程用の粘着シートを用いることが好ましく、耐熱性を有する粘着シートを用いることがより好ましい。また、第3粘着シート30として耐熱性を有する粘着シートを用いる場合は、第3基材31及び第3粘着剤層32は、それぞれ、封止工程で課される温度に耐え得る耐熱性を有する材料で形成されていることが好ましい。
本実施形態において転写工程を実施する場合は、例えば、エキスパンド工程の後、複数の半導体チップCPの回路面W1に第3粘着シート30を貼着し、その後、第1粘着シート10及び第2シート20を裏面W3から剥離することが好ましい。第1粘着シート10及び第2シート20をまとめて裏面W3から剥離してもよいし、第1粘着シート10を先に剥離して後に第2シート20を裏面W3から剥離してもよい。第2シート20を裏面W3から剥離する工程を、第2シートの剥離工程と称する場合がある。
第2シートの剥離工程の後も、エキスパンド工程において拡張させた複数の半導体チップCP間の間隔D1が維持されていることが好ましい。
第2シート20を裏面W3から剥離する際に、裏面W3への糊残りを抑制するという一つの観点から、第2シート20は、第2エネルギー線硬化性樹脂を含有することが好ましい。第2シート20が第2エネルギー線硬化性樹脂を含有している場合には、第2シート20にエネルギー線を照射し、第2エネルギー線硬化性樹脂を硬化させる。第2エネルギー線硬化性樹脂を硬化させると、第2シート20中の粘着成分の凝集力が高まり、第2シート20と半導体チップCPの裏面W3との間の粘着力を低下又は消失させることができる。エネルギー線としては、例えば、紫外線(UV)や電子線(EB)等が挙げられ、紫外線が好ましい。したがって、第2エネルギー線硬化性樹脂は、紫外線硬化型の樹脂であることが好ましい。
第2シート20を第1粘着シート10とまとめて裏面W3から剥離するという一つの観点から、第1粘着剤層12は、第1エネルギー線硬化性樹脂を含有することが好ましい。第1粘着剤層12が第1エネルギー線硬化性樹脂を含有し、かつ、第2シート20が第2エネルギー線硬化性樹脂を含有している場合には、第1基材11側から第1粘着剤層12及び第2シート20にエネルギー線を照射し、第1エネルギー線硬化性樹脂及び第2エネルギー線硬化性樹脂を硬化させる。第1エネルギー線硬化性樹脂を硬化させるためのエネルギー線としては、例えば、紫外線(UV)や電子線(EB)等が挙げられ、紫外線が好ましい。したがって、第1エネルギー線硬化性樹脂は、紫外線硬化型の樹脂であることが好ましい。第1基材11は、エネルギー線の透過性を有することが好ましい。
なお、本実施形態とは異なる態様としては、第2シート20を半導体チップCPの裏面W3から剥離せずに、半導体チップCPの裏面W3を保護するための保護膜として用いてもよい。第2シート20を裏面W3の保護膜として用いる場合は、第2シート20は、未硬化の硬化性接着剤から形成されることが好ましい。第2シート20を保護膜として機能させる場合は、第2シート20に含まれる硬化性接着剤を硬化させる。
第3粘着シート30は、複数の半導体チップCPとともに、リングフレームに貼着されていてもよい。この場合、第3粘着シート30の第3粘着剤層32の上に、リングフレームを載置し、これを軽く押圧し、固定する。その後、リングフレームの環形状の内側にて露出する第3粘着剤層32を半導体チップCPの回路面W1に押し当てて、複数の半導体チップCPを第3粘着シート30に固定する。または、リングフレームの環形状の内側にて露出する第3粘着剤層32を半導体チップCPの裏面W3又は裏面W3に貼着する第2シート20に押し当てて、複数の半導体チップCPを第3粘着シート30に固定する。
[封止工程]
図3Bには、封止部材300を用いて複数の半導体チップCPを封止する工程(以下「封止工程」という場合がある。)を説明する図が示されている。
本実施形態において、封止工程は、複数の半導体チップCPが第3粘着シート30に転写された後に実施される。
封止工程において、回路面W1が第3粘着シート30に保護された状態で、複数の半導体チップCPを封止部材300によって覆うことにより封止体3が形成される。複数の半導体チップCPの間にも封止部材300が充填されている。第3粘着シート30により回路面W1及び回路W2が覆われているので、封止部材300で回路面W1が覆われることを防止できる。
封止工程により、所定距離ずつ離間した複数の半導体チップCPが封止部材300に埋め込まれた封止体3が得られる。封止工程においては、複数の半導体チップCPは、エキスパンド工程を実施後の間隔D1が維持された状態で、封止部材300により覆われることが好ましい。
封止工程の後、第3粘着シート30を剥離する。第3粘着シート30を剥離すると、半導体チップCPの回路面W1及び封止体3の第3粘着シート30と接触していた面3Aが露出する。
前述のエキスパンド工程の後、転写工程及びエキスパンド工程を任意の回数繰り返すことで、半導体チップCP間の距離を所望の距離とし、半導体チップCPを封止する際の回路面の向きを所望の向きとすることができる。
[その他の工程]
封止体3から粘着シートを剥離した後、この封止体3に対して、半導体チップCPと電気的に接続する再配線層を形成する再配線層形成工程と、再配線層と外部端子電極とを電気的に接続する接続工程とが順に行われる。再配線層形成工程及び外部端子電極との接続工程によって、半導体チップCPの回路と外部端子電極とが電気的に接続される。
外部端子電極が接続された封止体3を半導体チップCP単位で個片化する。封止体3を個片化させる方法は、特に限定されない。封止体3を個片化することで、半導体チップCP単位の半導体パッケージが製造される。半導体チップCPの領域外にファンアウトさせた外部電極を接続させた半導体パッケージは、ファンアウト型のウエハレベルパッケージ(FO−WLP)として製造される。
(第1粘着シート)
第1粘着シート10は、第1基材11と、第1粘着剤層12とを有する。第1粘着剤層12は、第1基材11に積層されている。
・第1基材
第1基材11は、エキスパンド工程等の所望の工程(例えば、工程(P1)〜(P3))において適切に機能できる限り、その構成材料は特に限定されない。
前記第1基材11は、第一の基材面と、第一の基材面とは反対側の第二の基材面とを有することが好ましい。
第1粘着シート10において、第一の基材面及び第二の基材面の一方の面に第1粘着剤層12が設けられていることが好ましく、他方の面には粘着剤層が設けられていないことが好ましい。
第1基材11の材料は、大きく延伸させ易いという観点から、熱可塑性エラストマー、またはゴム系材料であることが好ましく、熱可塑性エラストマーであることがより好ましい。
また、第1基材11の材料としては、大きく延伸させ易いという観点から、ガラス転移温度(Tg)が比較的低い樹脂を使用することが好ましい。このような樹脂のガラス転移温度(Tg)は、90℃以下であることが好ましく、80℃以下であることがより好ましく、70℃以下であることがさらに好ましい。
熱可塑性エラストマーとしては、ウレタン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、塩化ビニル系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、スチレン系エラストマー、アクリル系エラストマー、及びアミド系エラストマー等が挙げられる。熱可塑性エラストマーは、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。熱可塑性エラストマーとしては、大きく延伸させ易いという観点から、ウレタン系エラストマーを使用することが好ましい。
ウレタン系エラストマーは、一般に、長鎖ポリオール、鎖延長剤、及びジイソシアネートを反応させて得られる。ウレタン系エラストマーは、長鎖ポリオールから誘導される構成単位を有するソフトセグメントと、鎖延長剤とジイソシアネートとの反応から得られるポリウレタン構造を有するハードセグメントとからなる。
ウレタン系エラストマーを、長鎖ポリオールの種類によって分類すると、ポリエステル系ポリウレタンエラストマー、ポリエーテル系ポリウレタンエラストマー、及びポリカーボネート系ポリウレタンエラストマー等に分けられる。ウレタン系エラストマーは、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。本実施形態では、ウレタン系エラストマーは、大きく延伸させ易いという観点から、ポリエーテル系ポリウレタンエラストマーであることが好ましい。
長鎖ポリオールの例としては、ラクトン系ポリエステルポリオール、及びアジペート系ポリエステルポリオール等のポリエステルポリオール;ポリプロピレン(エチレン)ポリオール、及びポリテトラメチレンエーテルグリコール等のポリエーテルポリオール;ポリカーボネートポリオール等が挙げられる。本実施形態では、長鎖ポリオールは、大きく延伸させ易いという観点から、アジペート系ポリエステルポリオールであることが好ましい。
ジイソシアネートの例としては、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、及びヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。本実施形態では、ジイソシアネートは、大きく延伸させ易いという観点から、ヘキサメチレンジイソシアネートであることが好ましい。
鎖延長剤としては、低分子多価アルコール(例えば、1,4−ブタンジオール、及び1,6−ヘキサンジオール等)、及び芳香族ジアミン等が挙げられる。これらのうち、大きく延伸させ易いという観点から、1,6−ヘキサンジオールを使用することが好ましい。
オレフィン系エラストマーとしては、エチレン・α−オレフィン共重合体、プロピレン・α−オレフィン共重合体、ブテン・α−オレフィン共重合体、エチレン・プロピレン・α−オレフィン共重合体、エチレン・ブテン・α−オレフィン共重合体、プロピレン・ブテン−αオレフィン共重合体、エチレン・プロピレン・ブテン−α・オレフィン共重合体、スチレン・イソプレン共重合体、及びスチレン・エチレン・ブチレン共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂を含むエラストマーが挙げられる。オレフィン系エラストマーは、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
オレフィン系エラストマーの密度は、特に限定されない。例えば、オレフィン系エラストマーの密度は、0.860g/cm以上、0.905g/cm未満であることが好ましく、0.862g/cm以上、0.900g/cm未満であることがより好ましく、0.864g/cm以上、0.895g/cm未満であることが特に好ましい。オレフィン系エラストマーの密度が上記範囲を満たすことで、基材は、被着体としての半導体ウエハ等の半導体装置を粘着シートに貼付する時の凹凸追従性等に優れる。
オレフィン系エラストマーは、このエラストマーを形成するために用いた全単量体のうち、オレフィン系化合物からなる単量体の質量比率(本明細書において「オレフィン含有率」ともいう。)が50質量%以上、100質量%以下であることが好ましい。
オレフィン含有率が過度に低い場合には、オレフィンに由来する構造単位を含むエラストマーとしての性質が現れにくくなり、基材は、柔軟性及びゴム弾性を示し難くなる。
柔軟性及びゴム弾性を安定的に得る観点から、オレフィン含有率は50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましい。
スチレン系エラストマーとしては、スチレン−共役ジエン共重合体、及びスチレン−オレフィン共重合体等が挙げられる。スチレン−共役ジエン共重合体の具体例としては、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SBS)、スチレン−ブタジエン−ブチレン−スチレン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体(SIS)、スチレン−エチレン−イソプレン−スチレン共重合体等の未水添スチレン−共役ジエン共重合体、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレン共重合体(SEPS、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体の水添加物)、及びスチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体(SEBS、スチレン−ブタジエン共重合体の水素添加物)等の水添スチレン−共役ジエン共重合体等を挙げることができる。また、工業的には、スチレン系エラストマーとしては、タフプレン(旭化成株式会社製)、クレイトン(クレイトンポリマージャパン株式会社製)、住友TPE−SB(住友化学株式会社製)、エポフレンド(株式会社ダイセル製)、ラバロン(三菱ケミカル株式会社製)、セプトン(株式会社クラレ製)、及びタフテック(旭化成株式会社製)等の商品名が挙げられる。スチレン系エラストマーは、水素添加物でも未水添物であってもよい。
ゴム系材料としては、例えば、天然ゴム、合成イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、及び多硫化ゴム等が挙げられる。ゴム系材料は、これらの1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
第1基材11は、上記のような材料(例えば、熱可塑性エラストマー、またはゴム系材料)からなるフィルムが、複数、積層された積層フィルムでもよい。また、第1基材11は、上記のような材料(例えば、熱可塑性エラストマー、またはゴム系材料)からなるフィルムと、その他のフィルムとが積層された積層フィルムでもよい。
第1基材11は、上記の樹脂系材料を主材料とするフィルム内に、添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、例えば、顔料、染料、難燃剤、可塑剤、帯電防止剤、滑剤、及びフィラー等が挙げられる。顔料としては、例えば、二酸化チタン、及びカーボンブラック等が挙げられる。また、フィラーとしては、メラミン樹脂のような有機系材料、ヒュームドシリカのような無機系材料、及びニッケル粒子のような金属系材料が例示される。フィルム内に含有させてもよい添加剤の含有量は、特に限定されないが、第1基材11が所望の機能を発揮し得る範囲に留めることが好ましい。
第1基材11は、第1基材11の片面または両面に、第1基材11の表面に積層される第1粘着剤層12との密着性を向上させるための処理が施されていてもよい。
第1粘着剤層12がエネルギー線硬化性粘着剤を含有する場合、第1基材11は、エネルギー線に対する透過性を有することが好ましい。エネルギー線として紫外線を用いる場合には、第1基材11は、紫外線に対して透過性を有することが好ましい。エネルギー線として電子線を用いる場合には、第1基材11は、電子線の透過性を有することが好ましい。
第1基材11の厚さは、第1粘着シート10が所望の工程において適切に機能できる限り、限定されない。第1基材11の厚さは、20μm以上であることが好ましく、40μm以上であることがより好ましい。また、第1基材11の厚さは、250μm以下であることが好ましく、200μm以下であることがより好ましい。
また、第1基材11の第一の基材面及び第二の基材面の面内方向において2cm間隔で複数箇所の厚さを測定した際の、第1基材11の厚さの標準偏差は、2μm以下であることが好ましく、1.5μm以下であることがより好ましく、1μm以下であることがさらに好ましい。当該標準偏差が2μm以下であることで、第1粘着シート10は、精度の高い厚さを有しており、第1粘着シート10を均一に延伸することが可能となる。
23℃において第1基材11のMD方向及びCD方向の引張弾性率が、それぞれ10MPa以上、350MPa以下であり、23℃において第1基材11のMD方向及びCD方向の100%応力が、それぞれ3MPa以上、20MPa以下であることが好ましい。
引張弾性率及び100%応力が上記範囲であることで、第1粘着シート10を大きく延伸することが可能となる。
第1基材11の100%応力は、次のようにして得られる値である。150mm(長さ方向)×15mm(幅方向)の大きさの試験片を第1基材11から切り出す。切り出した試験片の長さ方向の両端を、つかみ具間の長さが100mmとなるようにつかみ具でつかむ。つかみ具で試験片をつかんだ後、速度200mm/minで長さ方向に引張り、つかみ具間の長さが200mmとなったときの引張力の測定値を読み取る。第1基材11の100%応力は、読み取った引張力の測定値を、基材の断面積で除算することで得られる値である。第1基材11の断面積は、幅方向長さ15mm×第1基材11(試験片)の厚みで算出される。当該切り出しは、基材の製造時における流れ方向(MD方向)またはMD方向に直交する方向(CD方向)と、試験片の長さ方向とが一致するように行う。なお、この引張試験において、試験片の厚さは特別に制限されず、試験の対象とする基材の厚さと同じであってよい。
23℃において第1基材11のMD方向及びCD方向の破断伸度が、それぞれ100%以上であることが好ましい。
第1基材11のMD方向及びCD方向の破断伸度が、それぞれ100%以上であることで、破断が生じることなく、第1粘着シート10を大きく延伸することが可能となる。
基材の引張弾性率(MPa)及び基材の破断伸度(%)は、次のようにして測定できる。基材を15mm×140mmに裁断して試験片を得る。当該試験片について、JIS K7161:2014およびJIS K7127:1999に準拠して、23℃における破断伸度および引張弾性率を測定する。具体的には、上記試験片を、引張試験機(株式会社島津製作所製,製品名「オートグラフAG−IS 500N」)にて、チャック間距離100mmに設定した後、200mm/minの速度で引張試験を行い、破断伸度(%)および引張弾性率(MPa)を測定する。なお、測定は、基材の製造時の流れ方向(MD)およびこれに直角の方向(CD)の双方で行う。
・第1粘着剤層
第1粘着剤層12は、エキスパンド工程等の所望の工程において適切に機能できる限り、その構成材料は特に限定されない。第1粘着剤層12に含まれる粘着剤としては、例えば、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤及びウレタン系粘着剤が挙げられる。
・エネルギー線硬化性樹脂(ax1)
第1粘着剤層12は、エネルギー線硬化性樹脂(ax1)を含有することが好ましい。エネルギー線硬化性樹脂(ax1)は、分子内に、エネルギー線硬化性の二重結合を有する。
エネルギー線硬化性樹脂を含有する粘着剤層は、エネルギー線照射により硬化して粘着力が低下する。被着体と粘着シートとを分離したい場合、エネルギー線を粘着剤層に照射することにより、容易に分離できる。
エネルギー線硬化性樹脂(ax1)は、(メタ)アクリル系樹脂であることが好ましい。
エネルギー線硬化性樹脂(ax1)は、紫外線硬化性樹脂であることが好ましく、紫外線硬化性の(メタ)アクリル系樹脂であることがより好ましい。
エネルギー線硬化性樹脂(ax1)は、エネルギー線の照射を受けると重合硬化する樹脂である。エネルギー線としては、例えば、紫外線、及び電子線等が挙げられる。
エネルギー線硬化性樹脂(ax1)の例としては、エネルギー線重合性基を有する低分子量化合物(単官能のモノマー、多官能のモノマー、単官能のオリゴマー、及び多官能のオリゴマー)が挙げられる。エネルギー線硬化性樹脂(ax1)は、具体的には、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、1,4−ブチレングリコールジアクリレート、及び1,6−ヘキサンジオールジアクリレート等のアクリレート、ジシクロペンタジエンジメトキシジアクリレート、及びイソボルニルアクリレート等の環状脂肪族骨格含有アクリレート、並びにポリエチレングリコールジアクリレート、オリゴエステルアクリレート、ウレタンアクリレートオリゴマー、エポキシ変性アクリレート、ポリエーテルアクリレート、及びイタコン酸オリゴマー等のアクリレート系化合物が用いられる。エネルギー線硬化性樹脂(a1)は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いられる。
エネルギー線硬化性樹脂(ax1)の分子量は、通常、100以上、30000以下であり、300以上、10000以下程度であることが好ましい。
・(メタ)アクリル系共重合体(b1)
第1粘着剤層12は、(メタ)アクリル系共重合体(b1)をさらに含んでいることが好ましい。(メタ)アクリル系共重合体は、前述したエネルギー線硬化性樹脂(ax1)とは異なる。
(メタ)アクリル系共重合体(b1)は、エネルギー線硬化性の炭素−炭素二重結合を有することが好ましい。すなわち、本実施形態において、第1粘着剤層12は、エネルギー線硬化性樹脂(ax1)と、エネルギー線硬化性の(メタ)アクリル系共重合体(b1)とを含有することが好ましい。
第1粘着剤層12は、(メタ)アクリル系共重合体(b1)100質量部に対し、エネルギー線硬化性樹脂(ax1)を10質量部以上の割合で含有することが好ましく、20質量部以上の割合で含有することがより好ましく、25質量部以上の割合で含有することがさらに好ましい。
第1粘着剤層12は、(メタ)アクリル系共重合体(b1)100質量部に対し、エネルギー線硬化性樹脂(ax1)を80質量部以下の割合で含有することが好ましく、70質量部以下の割合で含有することがより好ましく、60質量部以下の割合で含有することがさらに好ましい。
(メタ)アクリル系共重合体(b1)の重量平均分子量(Mw)は、1万以上であることが好ましく、15万以上であることがより好ましく、20万以上であることがさらに好ましい。
また、(メタ)アクリル系共重合体(b1)の重量平均分子量(Mw)は、150万以下であることが好ましく、100万以下であることがより好ましい。
なお、本明細書における重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC法)により測定した標準ポリスチレン換算の値である。
(メタ)アクリル系共重合体(b1)は、側鎖にエネルギー線硬化性を有する官能基(エネルギー線硬化性基)が導入された(メタ)アクリル酸エステル重合体(b2)(以下「エネルギー線硬化性重合体(b2)」という場合がある。)であることが好ましい。
・エネルギー線硬化性重合体(b2)
エネルギー線硬化性重合体(b2)は、官能基含有モノマー単位を有するアクリル系共重合体(b21)と、その官能基に結合する官能基を有する不飽和基含有化合物(b22)とを反応させて得られる共重合体であることが好ましい。
本明細書において、(メタ)アクリル酸エステルとは、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの両方を意味する。他の類似用語も同様である。
アクリル系共重合体(b21)は、官能基含有モノマーから導かれる構成単位と、(メタ)アクリル酸エステルモノマー、または(メタ)アクリル酸エステルモノマーの誘導体から導かれる構成単位とを含むことが好ましい。
アクリル系共重合体(b21)の構成単位としての官能基含有モノマーは、重合性の二重結合と、官能基と、を分子内に有するモノマーであることが好ましい。官能基は、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、置換アミノ基、及びエポキシ基等からなる群から選択される少なくともいずれかの官能基であることが好ましい。
ヒドロキシ基含有モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、及び4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。ヒドロキシ基含有モノマーは、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いられる。
カルボキシ基含有モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、及びシトラコン酸等のエチレン性不飽和カルボン酸が挙げられる。カルボキシ基含有モノマーは、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いられる。
アミノ基含有モノマーまたは置換アミノ基含有モノマーとしては、例えば、アミノエチル(メタ)アクリレート、及びn−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。アミノ基含有モノマーまたは置換アミノ基含有モノマーは、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いられる。
アクリル系共重合体(b21)を構成する(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、アルキル基の炭素数が1以上20以下であるアルキル(メタ)アクリレートの他、例えば、分子内に脂環式構造を有するモノマー(脂環式構造含有モノマー)が好ましく用いられる。
アルキル(メタ)アクリレートとしては、アルキル基の炭素数が1以上18以下であるアルキル(メタ)アクリレートが好ましい。アルキル(メタ)アクリレートは、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、及び2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等がより好ましい。アルキル(メタ)アクリレートは、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いられる。
脂環式構造含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、及び(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル等が好ましく用いられる。脂環式構造含有モノマーは、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いられる。
アクリル系共重合体(b21)は、上記官能基含有モノマーから導かれる構成単位を、1質量%以上の割合で含有することが好ましく、5質量%以上の割合で含有することがより好ましく、10質量%以上の割合で含有することがさらに好ましい。
また、アクリル系共重合体(b21)は、上記官能基含有モノマーから導かれる構成単位を、35質量%以下の割合で含有することが好ましく、30質量%以下の割合で含有することがより好ましく、25質量%以下の割合で含有することがさらに好ましい。
さらに、アクリル系共重合体(b21)は、(メタ)アクリル酸エステルモノマーまたはその誘導体から導かれる構成単位を、50質量%以上の割合で含有することが好ましく、60質量%以上の割合で含有することがより好ましく、70質量%以上の割合で含有することがさらに好ましい。
また、アクリル系共重合体(b21)は、(メタ)アクリル酸エステルモノマーまたはその誘導体から導かれる構成単位を、99質量%以下の割合で含有することが好ましく、95質量%以下の割合で含有することがより好ましく、90質量%以下の割合で含有することがさらに好ましい。
アクリル系共重合体(b21)は、上記のような官能基含有モノマーと、(メタ)アクリル酸エステルモノマーまたはその誘導体とを常法で共重合することにより得られる。
アクリル系共重合体(b21)は、上述のモノマーの他にも、ジメチルアクリルアミド、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、及びスチレン等からなる群から選択される少なくともいずれかの構成単位を含有していてもよい。
上記官能基含有モノマー単位を有するアクリル系共重合体(b21)を、その官能基に結合する官能基を有する不飽和基含有化合物(b22)と反応させることにより、エネルギー線硬化性重合体(b2)が得られる。
不飽和基含有化合物(b22)が有する官能基は、アクリル系共重合体(b21)が有する官能基含有モノマー単位の官能基の種類に応じて、適宜選択することができる。例えば、アクリル系共重合体(b21)が有する官能基がヒドロキシ基、アミノ基又は置換アミノ基の場合、不飽和基含有化合物(b22)が有する官能基としてはイソシアネート基又はエポキシ基が好ましく、アクリル系共重合体(b21)が有する官能基がエポキシ基の場合、不飽和基含有化合物(b22)が有する官能基としてはアミノ基、カルボキシ基またはアジリジニル基が好ましい。
不飽和基含有化合物(b22)は、エネルギー線重合性の炭素−炭素二重結合を、1分子中に少なくとも1個含み、1個以上、6個以下含むことが好ましく、1個以上、4個以下含むことがより好ましい。
不飽和基含有化合物(b22)としては、例えば、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(2−イソシアナトエチルメタクリレート)、メタ−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート、メタクリロイルイソシアネート、アリルイソシアネート、1,1−(ビスアクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート;ジイソシアネート化合物またはポリイソシアネート化合物と、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとの反応により得られるアクリロイルモノイソシアネート化合物;ジイソシアネート化合物またはポリイソシアネート化合物と、ポリオール化合物と、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとの反応により得られるアクリロイルモノイソシアネート化合物;グリシジル(メタ)アクリレート;(メタ)アクリル酸、2−(1−アジリジニル)エチル(メタ)アクリレート、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン等が挙げられる。
不飽和基含有化合物(b22)は、アクリル系共重合体(b21)の官能基含有モノマーのモル数に対して、50モル%以上の割合(付加率)で用いられることが好ましく、60モル%以上の割合で用いられることがより好ましく、70モル%以上の割合で用いられることが更に好ましい。
また、不飽和基含有化合物(b22)は、アクリル系共重合体(b21)の官能基含有モノマーモル数に対して、95モル%以下の割合で用いられることが好ましく、93モル%以下の割合で用いられることがより好ましく、90モル%以下の割合で用いられることがさらに好ましい。
アクリル系共重合体(b21)と不飽和基含有化合物(b22)との反応においては、アクリル系共重合体(b21)が有する官能基と不飽和基含有化合物(b22)が有する官能基との組合せに応じて、反応の温度、圧力、溶媒、時間、触媒の有無、及び触媒の種類を適宜選択することができる。これにより、アクリル系共重合体(b21)が有する官能基と、不飽和基含有化合物(b22)が有する官能基とが反応し、不飽和基がアクリル系共重合体(b21)の側鎖に導入され、エネルギー線硬化性重合体(b2)が得られる。
エネルギー線硬化性重合体(b2)の重量平均分子量(Mw)は、1万以上であることが好ましく、15万以上であることがより好ましく、20万以上であることがさらに好ましい。
また、エネルギー線硬化性重合体(b2)の重量平均分子量(Mw)は、150万以下であることが好ましく、100万以下であることがより好ましい。
・光重合開始剤(C)
第1粘着剤層12が紫外線硬化性の化合物(例えば、紫外線硬化性樹脂)を含有する場合、第1粘着剤層12は、光重合開始剤(C)を含有することが好ましい。
第1粘着剤層12が光重合開始剤(C)を含有することにより、重合硬化時間及び光線照射量を少なくすることができる。
光重合開始剤(C)の具体例は、例えば、ベンゾイン化合物、アセトフェノン化合物、アシルフォスフィノキサイド化合物、チタノセン化合物、チオキサントン化合物及びパーオキサイド化合物が挙げられる。さらには、光重合開始剤(C)としては、例えば、アミン又はキノン等の光増感剤等が挙げられる。
より具体的な光重合開始剤(C)としては、例えば、1−ヒドロキシシクロへキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルフェニルサルファイド、テトラメチルチウラムモノサルファイド、アゾビスイソブチロルニトリル、ジベンジル、ジアセチル、8−クロールアンスラキノン及びビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキシドが挙げられる。光重合開始剤(C)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
光重合開始剤(C)の配合量は、粘着性樹脂100質量部に対して、0.01質量部以上、10質量部以下であることが好ましく、0.03質量部以上、5質量部以下であることがより好ましく、0.05質量部以上、5質量部以下であることがさらに好ましい。
光重合開始剤(C)は、粘着剤層にエネルギー線硬化性樹脂(ax1)、及び(メタ)アクリル系共重合体(b1)を配合する場合には、エネルギー線硬化性樹脂(ax1)、及び(メタ)アクリル系共重合体(b1)の合計量100質量部に対して0.1質量部以上の量で用いられることが好ましく、0.5質量部以上の量で用いられることがより好ましい。
また、光重合開始剤(C)は、粘着剤層にエネルギー線硬化性樹脂(ax1)、及び(メタ)アクリル系共重合体(b1)を配合する場合には、エネルギー線硬化性樹脂(ax1)、及び(メタ)アクリル系共重合体(b1)の合計量100質量部に対して10質量部以下の量で用いられることが好ましく、6質量部以下の量で用いられることがより好ましい。
第1粘着剤層12は、上記成分以外にも、適宜他の成分を配合してもよい。他の成分としては、例えば、架橋剤(E)等が挙げられる。
・架橋剤(E)
架橋剤(E)としては、(メタ)アクリル系共重合体(b1)等が有する官能基との反応性を有する多官能性化合物を用いることができる。第1粘着シート10における多官能性化合物の例としては、イソシアナート化合物、エポキシ化合物、アミン化合物、メラミン化合物、アジリジン化合物、ヒドラジン化合物、アルデヒド化合物、オキサゾリン化合物、金属アルコキシド化合物、金属キレート化合物、金属塩、アンモニウム塩及び反応性フェノール樹脂等を挙げることができる。
架橋剤(E)の配合量は、(メタ)アクリル系共重合体(b1)100質量部に対して、0.01質量部以上であることが好ましく、0.03質量部以上であることがより好ましく、0.04質量部以上であることがさらに好ましい。
また、架橋剤(E)の配合量は、(メタ)アクリル系共重合体(b1)100質量部に対して、8質量部以下であることが好ましく、5質量部以下であることがより好ましく、3.5質量部以下であることがさらに好ましい。
第1粘着剤層12の厚さは、特に限定されない。第1粘着剤層12の厚さは、例えば、10μm以上であることが好ましく、20μm以上であることがより好ましい。また、第1粘着剤層12の厚さは、150μm以下であることが好ましく、100μm以下であることがより好ましい。
第1粘着シート10の復元率が、70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、85%以上であることがさらに好ましい。第1粘着シート10の復元率は、100%以下であることが好ましい。復元率が上記範囲であることで、粘着シートを大きく延伸することができる。
復元率は、粘着シートを150mm(長さ方向)×15mm(幅方向)に切り出した試験片において、長さ方向の両端を、つかみ具間の長さが100mmとなるようにつかみ具でつかみ、その後、つかみ具間の長さが200mmとなるまで200mm/minの速度で引張り、つかみ具間の長さが200mmに拡張された状態で1分間保持し、その後、つかみ具間の長さが100mmとなるまで200mm/minの速度で長さ方向に戻し、つかみ具間の長さが100mmに戻された状態で1分間保持し、その後、60mm/minの速度で長さ方向に引張り、引張力の測定値が0.1N/15mmを示した時のつかみ具間の長さを測定し、当該長さから初期のつかみ具間の長さ100mmを引いた長さをL2(mm)とし、前記拡張された状態におけるつかみ具間の長さ200mmから初期のつかみ具間の長さ100mmを引いた長さをL1(mm)としたとき、下記数式(数2)で算出される。
復元率(%)={1−(L2÷L1)}×100 ・・・ (数2)
復元率が上記範囲である場合、粘着シートは大きく延伸された後においても復元し易いことを意味する。一般に、降伏点を有するシートを降伏点以上に延伸すると、シートは塑性変形を起こし、塑性変形を起こした部分、即ち極端に延伸された部分が偏在した状態となる。そのような状態のシートをさらに延伸すると、上記の極端に延伸された部分から破断が生じたり、破断が生じなくても、エキスパンドが不均一になる。また、ひずみをx軸、伸びをy軸にそれぞれプロットした応力−ひずみ線図において、傾きdx/dyが、正の値から0または負の値に変化する応力値をとらず、明確な降伏点を示さないシートであっても、引張量が大きくなるにつれてシートは塑性変形を起こし、同様に破断が生じたり、エキスパンドが不均一になる。一方、塑性変形ではなく弾性変形が生じる場合には、応力を取り除くことでシートが元の形状に復元し易い。そこで、十分大きい引張量である100%伸長後にどの程度復元するかを表す指標である復元率が、上記範囲であることにより、粘着シートを大きく延伸する際に、フィルムの塑性変形が最小限に抑えられ、破断が生じ難く、且つ均一なエキスパンドが可能となる。
・剥離シート
第1粘着シート10の表面には、剥離シートが貼付されていてもよい。剥離シートは、具体的には、第1粘着シート10の第1粘着剤層12の表面に貼付される。剥離シートは、第1粘着剤層12の表面に貼付されることで輸送時及び保管時に第1粘着剤層12を保護する。剥離シートは、剥離可能に第1粘着シート10に貼付されており、第1粘着シート10が使用される前には、第1粘着シート10から剥離されて取り除かれる。
剥離シートは、少なくとも一方の面が剥離処理をされた剥離シートが用いられる。具体的には、例えば、剥離シート用基材と、この基材の表面上に剥離剤を塗布して形成した剥離剤層とを備える剥離シートが挙げられる。
剥離シート用基材としては、樹脂フィルムが好ましい。剥離シート用基材としての樹脂フィルムを構成する樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂及びポリエチレンナフタレート樹脂等のポリエステル樹脂フィルム、並びにポリプロピレン樹脂及びポリエチレン樹脂等のポリオレフィン樹脂等が挙げられる。
剥離剤としては、例えば、シリコーン系樹脂、オレフィン系樹脂、イソプレン系樹脂、ブタジエン系樹脂等のゴム系エラストマー、長鎖アルキル系樹脂、アルキド系樹脂及びフッ素系樹脂が挙げられる。
剥離シートの厚さは、特に制限はないが、10μm以上、200μm以下であることが好ましく、20μm以上、150μm以下であることがより好ましい。
・粘着シートの製造方法
第1粘着シート10及びその他の本明細書に記載の粘着シートの製造方法としては、特に制限はなく、公知の方法により製造できる。
例えば、剥離シート上に設けた粘着剤層を、基材の片面に貼り合わせ、粘着剤層の表面に剥離シートが貼付された粘着シートを製造できる。また、剥離シート上に設けた緩衝層と、基材とを貼り合わせ、剥離シートを除去することで、緩衝層と基材との積層体が得られる。そして、剥離シート上に設けた粘着剤層を、積層体の基材側に貼り合わせ、粘着剤層の表面に剥離シートが貼付された粘着シートを製造できる。なお、緩衝層を基材の両面に設けた場合には、粘着剤層は緩衝層の上に形成される。粘着剤層の表面に貼付される剥離シートは、粘着シートの使用前に適宜剥離して除去すればよい。
粘着シートの製造方法のより具体的な一例としては、次のような方法が挙げられる。まず、粘着剤層を構成する粘着性組成物、及び所望によりさらに溶媒または分散媒を含有する塗工液を調製する。次に、塗工液を、基材の一の面上に、塗布手段により塗布して塗膜を形成する。塗布手段としては、例えば、ダイコーター、カーテンコーター、スプレーコーター、スリットコーター、及びナイフコーター等が挙げられる。次に、当該塗膜を乾燥させることにより、粘着剤層を形成できる。塗工液は、塗布を行うことが可能であれば、その性状は特に限定されない。塗工液は、粘着剤層を形成するための成分を溶質として含有する場合もあれば、粘着剤層を形成するための成分を分散質として含有する場合もある。同様に、基材の片面または緩衝層の上に、粘着剤組成物を直接塗布して、粘着剤層を形成してもよい。
また、粘着シートの製造方法のより具体的な別の一例としては、次のような方法が挙げられる。まず、前述の剥離シートの剥離面上に塗工液を塗布して塗膜を形成する。次に、塗膜を乾燥させて粘着剤層と剥離シートとからなる積層体を形成する。次に、この積層体の粘着剤層における剥離シート側の面と反対側の面に、基材を貼付して、粘着シートと剥離シートとの積層体を得てもよい。この積層体における剥離シートは、工程材料として剥離してもよいし、粘着剤層に被着体(例えば、半導体チップ、及び半導体ウエハ等)が貼付されるまで、粘着剤層を保護していてもよい。
塗工液が架橋剤を含有する場合には、塗膜の乾燥の条件(例えば、温度、及び時間等)を変えることにより、または加熱処理を、別途、行うことにより、例えば、塗膜内の(メタ)アクリル系共重合体と架橋剤との架橋反応を進行させ、粘着剤層内に所望の存在密度で架橋構造を形成させればよい。この架橋反応を十分に進行させるために、上述の方法等によって基材に粘着剤層を積層させた後、得られた粘着シートを、例えば、23℃、相対湿度50%の環境に数日間静置するといった養生を行ってもよい。
第1粘着シート10の厚さは、30μm以上であることが好ましく、50μm以上であることがより好ましい。第1粘着シート10の厚さは、400μm以下であることが好ましく、300μm以下であることがより好ましい。
(第2シート)
第2シート20は、所望の工程(例えば、工程(P1)〜(P3))において適切に機能できる限り、その構成材料は特に限定されない。
第2シート20の一態様においては、例えば、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ゴム系粘着剤及びシリコーン系粘着剤からなる群から選択される少なくとも一種の粘着剤で構成されるシートであることが好ましく、アクリル系粘着剤で構成されるシートであることがより好ましい。
第2シート20の一態様においては、未硬化の硬化性接着剤から形成されることが好ましい。この場合、第2シート20に半導体ウエハW等の加工対象物(ワーク)を重ね合わせた後、第2シート20を硬化させることにより、第2シート20の硬化物(保護膜)を加工対象物(ワーク)に強固に接着することができ、半導体チップCP等に対して、耐久性を有する保護膜を形成できる。
第2シート20は、常温で粘着性を有するか、加熱により粘着性を発揮することが好ましい。これにより、上記のように第2シート20に半導体ウエハW等のワークを重ね合わせるときに、両者を貼合させることができる。したがって、第2シート20を硬化させる前に位置決めを確実に行うことができる。
上記のような特性を有する第2シート20を構成する硬化性接着剤は、硬化性成分とバインダーポリマー成分とを含有することが好ましい。硬化性成分としては、熱硬化性成分、エネルギー線硬化性成分、または、これらの混合物を用いることができるが、熱硬化性成分を用いることが特に好ましい。すなわち、第2シート20は、熱硬化性接着剤から構成されることが好ましい。
熱硬化性成分としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ベンゾオキサジン樹脂等、および、これらの混合物が挙げられる。これらの中でも、熱硬化性成分として、エポキシ樹脂、フェノール樹脂およびこれらの混合物が好ましく用いられる。
エポキシ樹脂は、加熱を受けると三次元網状化し、強固な被膜を形成する性質を有する。このようなエポキシ樹脂としては、従来より公知の種々のエポキシ樹脂が用いられる。通常は、数平均分子量300〜2000程度のエポキシ樹脂が好ましく、数平均分子量300〜500のエポキシ樹脂がより好ましい。さらには、数平均分子量330〜400の常態で液状のエポキシ樹脂と、数平均分子量400〜2500(好ましくは、数平均分子量500〜2000)の常温で固体のエポキシ樹脂とをブレンドしたブレンド型のエポキシ樹脂を用いることが好ましい。また、エポキシ樹脂のエポキシ当量は、50g/eq〜5000g/eqであることが好ましい。また、エポキシ樹脂の数平均分子量は、GPC法を用いた方法で求めることができる。
このようなエポキシ樹脂としては、具体的には、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、レゾルシノール、フェニルノボラック、クレゾールノボラック等のフェノール類のグリシジルエーテル;ブタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のアルコール類のグリシジルエーテル;フタル酸、イソフタル酸、テトラヒドロフタル酸等のカルボン酸のグリシジルエーテル;アニリンイソシアヌレート等の窒素原子に結合した活性水素をグリシジル基で置換したグリシジル型もしくはアルキルグリシジル型のエポキシ樹脂;ビニルシクロヘキサンジエポキシド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−ジシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシ)シクロヘキシル−5,5−スピロ(3,4−エポキシ)シクロヘキサン−m−ジオキサン等のように、分子内の炭素−炭素二重結合を、例えば酸化することによりエポキシが導入された、いわゆる脂環型エポキシドを挙げることができる。その他、例えば、ビフェニル骨格、ジシクロヘキサジエン骨格、及びナフタレン骨格からなる群から選択される少なくとも1種の骨格を有するエポキシ樹脂を用いることもできる。
これらエポキシ樹脂の具体例の中でも、エポキシ樹脂として、ビスフェノール系グリシジル型エポキシ樹脂、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、および、フェノールノボラック型エポキシ樹脂が好ましく用いられる。これらエポキシ樹脂は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
エポキシ樹脂を用いる場合には、助剤として、熱活性型潜在性エポキシ樹脂硬化剤を併用することが好ましい。熱活性型潜在性エポキシ樹脂硬化剤とは、室温ではエポキシ樹脂と反応せず、ある温度以上の加熱により活性化し、エポキシ樹脂と反応するタイプの硬化剤である。熱活性型潜在性エポキシ樹脂硬化剤の活性化方法には、加熱による化学反応で活性種(アニオン、カチオン)を生成する方法;室温付近ではエポキシ樹脂中に安定に分散しており高温でエポキシ樹脂と相溶・溶解し、硬化反応を開始する方法;モレキュラーシーブ封入タイプの硬化剤で、高温で溶出して硬化反応を開始する方法;マイクロカプセルによる方法等が存在する。
熱活性型潜在性エポキシ樹脂硬化剤の具体例としては、各種オニウム塩や、二塩基酸ジヒドラジド化合物、ジシアンジアミド、アミンアダクト硬化剤、イミダゾール化合物等の高融点活性水素化合物等を挙げることができる。これら熱活性型潜在性エポキシ樹脂硬化剤は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。上記のような熱活性型潜在性エポキシ樹脂硬化剤は、エポキシ樹脂100重量部に対して、好ましくは0.1重量部以上20重量部以下、より好ましくは0.2重量部以上10重量部以下、さらに好ましくは0.3重量部以上5重量部以下の割合で用いられる。
フェノール系樹脂としては、アルキルフェノール、多価フェノール、ナフトール等のフェノール類とアルデヒド類との縮合物などが特に制限されることなく用いられる。具体的には、例えば、フェノールノボラック樹脂、o−クレゾールノボラック樹脂、p−クレゾールノボラック樹脂、t−ブチルフェノールノボラック樹脂、ジシクロペンタジエンクレゾール樹脂、ポリパラビニルフェノール樹脂、ビスフェノールA型ノボラック樹脂、あるいはこれらの変性物等が用いられる。
これらのフェノール系樹脂に含まれるフェノール性水酸基は、上記エポキシ樹脂のエポキシ基と、加熱により容易に付加反応して、耐衝撃性の高い硬化物を形成することができる。このため、熱硬化性成分として、エポキシ樹脂とフェノール系樹脂とを併用してもよい。
バインダーポリマー成分は、第2シート20に適度なタックを与えることができる。バインダーポリマーの重量平均分子量(Mw)は、通常は、5万以上、200万以下であり、好ましくは10万以上、150万以下であり、より好ましくは20万以上、100万以下の範囲にある。分子量が低過ぎると、第2シート20のフィルム形成が不十分となり、高過ぎると他の成分との相溶性が悪くなることから、結果として均一なフィルム形成が妨げられる。このようなバインダーポリマー成分としては、例えば、アクリル系ポリマー、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、及びゴム系ポリマーからなる群から選択される少なくとも1種の樹脂が用いられ、特にアクリル系ポリマーが好ましく用いられる。
アクリル系ポリマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸エステルモノマーと(メタ)アクリル酸誘導体から導かれる構成単位とからなる(メタ)アクリル酸エステル共重合体が挙げられる。ここで、(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、好ましくはアルキル基の炭素数が1〜18である(メタ)アクリル酸アルキルエステル、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル等が用いられる。また、(メタ)アクリル酸誘導体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル等を挙げることができる。
上記の中でも、メタクリル酸グリシジル等を構成単位として用いてアクリル系ポリマーにグリシジル基を導入すると、前述した熱硬化性成分としてのエポキシ樹脂との相溶性が向上し、第2シート20の硬化後のガラス転移温度(Tg)が高くなり、耐熱性が向上する。また、上記の中でも、アクリル酸ヒドロキシエチル等を構成単位として用いてアクリル系ポリマーに水酸基を導入すると、ワークへの密着性及び粘着物性をコントロールすることができる。
バインダーポリマーとしてアクリル系ポリマーを使用した場合における前記ポリマーの重量平均分子量(Mw)は、好ましくは10万以上であり、より好ましくは15万以上100万以下である。アクリル系ポリマーのガラス転移温度は、通常は20℃以下、好ましくは−70℃〜0℃程度であり、アクリル系ポリマーは、常温(23℃)においては粘着性を有する。
熱硬化性成分とバインダーポリマー成分との配合比率は、バインダーポリマー成分100重量部に対して、熱硬化性成分を、好ましくは50重量部以上1500重量部以下、より好ましくは70重量部以上1000重量部以下、さらに好ましくは80重量部以上800重量部以下配合することが好ましい。このような割合で熱硬化性成分とバインダーポリマー成分とを配合すると、硬化前には適度なタックを示し、貼付作業を安定して行うことができ、また硬化後には、被膜強度に優れた保護膜が得られる。
第2シート20は、着色剤およびフィラーの少なくともいずれかを含有することが好ましく、特に着色剤およびフィラーの両者を含有することが好ましい。
着色剤としては、例えば、無機系顔料、有機系顔料、有機系染料など公知の着色剤を使用できるが、光線透過率の制御性を高める観点から、着色剤は有機系の着色剤を含有することが好ましい。着色剤の化学的安定性(具体的には、溶出しにくさ、色移りの生じにくさ、経時変化の少なさが例示される。)を高める観点から、着色剤は顔料からなることが好ましい。
フィラーとしては、例えば、結晶シリカ、溶融シリカ、合成シリカ等のシリカや、アルミナ、ガラスバルーン等の無機フィラーが挙げられる。これら無機フィラーの中でも、フィラーとしては、シリカが好ましく、合成シリカがより好ましく、半導体装置の誤作動の要因となるα線の線源を極力除去したタイプの合成シリカが好ましい。フィラーの形状としては、球形、針状、不定形等が挙げられるが、球形であることが好ましく、真球形であることがより好ましい。
また、第2シート20は、カップリング剤を含有してもよい。カップリング剤を含有することにより、第2シート20の硬化後において、保護膜の耐熱性を損なわずに、保護膜とワークとの接着性・密着性を向上させることができるとともに、耐水性(耐湿熱性)を向上させることができる。カップリング剤としては、その汎用性とコストメリットなどからシランカップリング剤が好ましい。
シランカップリング剤としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−6−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−6−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルファン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、イミダゾールシランなどが挙げられる。シランカップリング剤としては、これらシランカップリング剤のうちの1種を単独で、または2種以上混合して使用できる。
第2シート20は、硬化前の凝集力を調節するために、有機多価イソシアナート化合物、有機多価イミン化合物、有機金属キレート化合物等の架橋剤を含有してもよい。また、第2シート20は、静電気を抑制し、チップの信頼性を向上させるために、帯電防止剤を含有してもよい。さらに、第2シート20は、保護膜の難燃性能を高め、パッケージとしての信頼性を向上させるために、リン酸化合物、ブロム化合物、リン系化合物等の難燃剤を含有してもよい。
第2シート20の厚さは、特に限定されない。第2シート20を硬化させて保護膜として用いる場合、保護膜としての機能を効果的に発揮させるために、第2シート20の厚さは、3μm以上、300μm以下であることが好ましく、5μm以上、200μm以下であることがより好ましく、7μm以上、100μm以下であることがさらに好ましい。
・剥離シート
第2シート20の表面には、剥離シートが貼付されていてもよい。第2シート20に用いる剥離シートとしては、第1粘着シート10の剥離シートと同様の剥離シートを用いることができる。
(積層型粘着シートの製造方法)
積層型粘着シート1の製造方法は、特に限定されない。積層型粘着シート1の製造方法は、第2シート20を含む第1の積層体と、第1粘着シート10を含む第2の積層体とを別々に作製した後、第1の積層体および第2の積層体を使用して、第2シート20と第1粘着シート10とを積層することにより製造することが好ましい。
第1の積層体を製造するには、第1の剥離シートの剥離面に、第2シート20を形成する。具体的には、第2シート20を構成する材料(例えば、硬化性接着剤)と、所望により、さらに溶媒とを含有する第2シート形成用の塗布剤を調製する。
次に、第2シート形成用の塗布剤を塗工機によって第1の剥離シートの剥離面に塗布して乾燥させて、第2シート20を形成する。塗工機としては、例えば、ロールコーター、ナイフコーター、ロールナイフコーター、エアナイフコーター、ダイコーター、バーコーター、グラビアコーター、カーテンコーター等が挙げられる。
次に、第2シート20の露出面に第2の剥離シートの剥離面を重ねて圧着し、2枚の剥離シートに第2シート20が挟持されてなる積層体(第1の積層体)を得る。
この第1の積層体においては、所望により、第1の剥離シートまたは第2の剥離シート側から、切断刃を入れるか、あるいはレーザ照射によるハーフカットを施し、第2シート20(および第2の剥離シート)を所望の形状、例えば円形等に形成してもよい。この場合、ハーフカットにより生じた第2シート20および第2の剥離シートの余分な部分は、適宜除去すればよい。
一方、第2の積層体を製造するには、第3の剥離シートの剥離面に、第1粘着剤層12を構成する粘着剤と、所望により、さらに溶媒とを含有する粘着剤層用の塗布剤を塗布し、乾燥させて第1粘着剤層12を形成する。その後、第1粘着剤層12の露出面に第1基材11を圧着し、第1基材11および第1粘着剤層12からなる第1粘着シート10と、第3の剥離シートとからなる積層体(第2の積層体)を得る。
ここで、第1粘着剤層12がエネルギー線硬化性粘着剤から形成される場合には、この段階で第1粘着剤層12に対してエネルギー線を照射して、第1粘着剤層12を硬化させてもよいし、第2シート20と積層した後に第1粘着剤層12を硬化させてもよい。また、第2シート20と積層した後に第1粘着剤層12を硬化させる場合、ダイシング工程前に第1粘着剤層12を硬化させてもよいし、ダイシング工程後に第1粘着剤層12を硬化させてもよい。
エネルギー線としては、通常、紫外線、又は電子線等が用いられる。エネルギー線の照射量は、エネルギー線の種類によって異なるが、例えば紫外線の場合には、光量で50mJ/cm以上、1000mJ/cm以下が好ましく、100mJ/cm以上、500mJ/cm以下がより好ましい。また、電子線の場合には、10krad〜1000krad程度が好ましい。
以上のようにして第1の積層体および第2の積層体が得られたら、第1の積層体における第2の剥離シートを剥離するとともに、第2の積層体における第3の剥離シートを剥離し、第1の積層体にて露出した第2シート20と、第2の積層体にて露出した第1粘着シート10の第1粘着剤層12とを重ね合わせて圧着する。第1粘着シート10は、所望によりハーフカットし、所望の形状、例えば第2シート20よりも大きい径を有する円形等に形成してもよい。この場合、ハーフカットにより生じた第1粘着シート10の余分な部分は、適宜除去すればよい。
このようにして、第1基材11の上に第1粘着剤層12が積層されてなる第1粘着シート10と、第1粘着シート10の第1粘着剤層12側に積層された第2シート20と、第2シート20における第1粘着シート10とは反対側に積層された第1の剥離シートとからなる、剥離シート付きの積層型粘着シートが得られる。
[本実施形態に係る効果]
本実施形態に係るエキスパンド方法によれば、第1粘着シート10を伸張させる際に、半導体チップCPの裏面W3は、第1粘着シート10の第1粘着剤層12と接していない。半導体チップCPのそれぞれにおいては、裏面W3と第1粘着剤層12との間にダイシング工程で個片化された第2シート20が介在しているため、第1粘着シート10を伸張させても裏面W3に接している第2シート20は、引き延ばされない。その結果、本実施形態に係るエキスパンド方法によれば、糊残りを抑制できる。
また、本実施形態においては、第2シート20が、半導体ウエハWの裏面W3と略同形状であり、ダイシングによって半導体ウエハWの端部側に由来して形成された半導体チップCP(外周側の半導体チップ)の裏面W3についても第2シート20が個片化されるため、半導体チップCP同士の間隔を十分に拡張できる。
また、本実施形態においては、ダイシング工程の際に、半導体ウエハWをダイシングシートで支持するのではなく、第1粘着シート10及び第2シート20で支持する。そのため、ダイシング後の半導体チップCPの裏面W3を保護するための層(本実施形態では第2シート20)を形成するために、ダイシング工程で用いる粘着シートから、別の粘着シートへと貼り変える工程を実施しなくてもよく、プロセスを簡略化できる。
さらに、エキスパンド工程を実施する前に、ダイシング工程を実施した際に用いた粘着シートから、エキスパンド工程用の粘着シートへと貼り替える必要がない。
したがって、本実施形態に係るエキスパンド方法によれば、従来に比べてプロセスを簡略化し、かつ、チップ同士の間隔を充分に拡張しつつ、糊残りを抑制できる。
さらには、本実施形態に係るエキスパンド方法を含む半導体装置の製造方法を提供できる。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
第1実施形態と第2実施形態とは主に次の点で相違する。第1実施形態においては第2シート20が単層構造であるのに対し、第2実施形態における第2シート20Aは、第2基材21及び第2粘着剤層22を有する積層構造である。
以下の説明では、第1実施形態との相違に係る部分を主に説明し、重複する説明については省略又は簡略化する。第1実施形態と同様の構成には同一の符号を付して説明を省略又は簡略化する。
図4には、本実施形態で用いる積層型粘着シート1Aの断面概略図が示されている。
積層型粘着シート1Aは、第1粘着シート10と第2シート20Aとを有する。第1粘着シート10は、第1実施形態と同様の第1粘着シート10を用いることができる。
第2シート20Aは、第2基材21及び第2粘着剤層22を有し、積層構造である。第2シート20Aの詳細は後述する。
第2シート20Aは、半導体ウエハWの裏面W3と略同形状である。第2シート20Aの形状は、半導体ウエハWの裏面W3を覆うことができる形状であることが好ましい。そのため、第2シート20Aは、半導体ウエハWの裏面W3とほぼ同じか、裏面W3よりも少し大きく形成されていることが好ましい。
また、第2シート20Aは、シートの面方向において、第1粘着シート10よりも小さく形成されていることが好ましい。第1粘着シート10の第1粘着剤層12のうち第2シート20Aが積層されていない部分には、リングフレーム等の治具を貼付できる。
第2実施形態に係るエキスパンド方法及び当該エキスパンド方法を含む半導体装置の製造方法は、第1実施形態における第1粘着シート10及び第2シート20に代えて、第1粘着シート10と第2シート20Aとを有する積層型粘着シート1Aを用いること以外、第1実施形態と同様にして実施できる。
(第2シート(積層型))
本実施形態における第2シート20Aは、第2基材21と、第2粘着剤層22とを有する。第2粘着剤層22は、第2基材21に積層されている。
・第2基材
第2基材21は、第2粘着剤層22を支持する部材である。第2基材21は、所望の工程(例えば、工程(P1)〜(P3))において適切に機能できる限り、その構成材料は特に限定されない。
第2基材21の厚みは、10μm以上、500μm以下であることが好ましく、15μm以上、300μm以下であることがより好ましく、20μm以上、250μm以下であることがさらに好ましい。
第2基材21としては、例えば、合成樹脂フィルム等のシート材料等を用いることができる。合成樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリウレタンフィルム、エチレン酢酸ビニル共重合体フィルム、アイオノマー樹脂フィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体フィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、及びポリイミドフィルム等が挙げられる。その他、第2基材21としては、これらの架橋フィルム及び積層フィルム等が挙げられる。
第2基材21は、ポリエステル系樹脂を含むことが好ましく、ポリエステル系樹脂を主成分とする材料からなることがより好ましい。本明細書において、ポリエステル系樹脂を主成分とする材料とは、基材を構成する材料全体の質量に占めるポリエステル系樹脂の質量の割合が50質量%以上であることを意味する。
ポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリブチレンナフタレート樹脂、及びこれらの樹脂の共重合樹脂からなる群から選択されるいずれかの樹脂であることが好ましく、ポリエチレンテレフタレート樹脂がより好ましい。
第2基材21としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、及びポリエチレンナフタレートフィルムが好ましく、ポリエチレンテレフタレートフィルムがより好ましい。ポリエステルフィルムに含有するオリゴマーとしては、ポリエステル形成性モノマー、ダイマー、及びトリマー等に由来する。
・第2粘着剤層
第2粘着剤層22は、所望の工程(例えば、工程(P1)〜(P3))において適切に機能できる限り、その構成材料は特に限定されない。
本実施形態では、第2粘着剤層22は、例えば、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ゴム系粘着剤及びシリコーン系粘着剤からなる群から選択される少なくとも一種の粘着剤で構成されることが好ましく、アクリル系粘着剤で構成されることがより好ましい。
本実施形態における第2粘着剤層22は、粘着剤組成物を含んでいることが好ましい。この粘着剤組成物は、アクリル酸2−エチルヘキシルを主たるモノマーとするアクリル系共重合体を含んでいることが好ましい。本明細書において、アクリル酸2−エチルヘキシルを主たるモノマーとするとは、アクリル系共重合体全体の質量に占めるアクリル酸2−エチルヘキシル由来の共重合体成分の質量の割合が50質量%以上であることを意味する。本実施形態においては、アクリル系共重合体におけるアクリル酸2−エチルヘキシルに由来する共重合体成分の割合は、50質量%以上、95質量%以下であることが好ましく、60質量%以上、95質量%以下であることがより好ましく、80質量%以上、95質量%以下であることがさらに好ましく、85質量%以上、93質量%以下であることがよりさらに好ましい。
アクリル系共重合体におけるアクリル酸2−エチルヘキシル以外の共重合体成分の種類及び数は、特に限定されない。例えば、第二の共重合体成分としては、反応性の官能基を有する官能基含有モノマーが好ましい。第二の共重合体成分の反応性官能基としては、後述する架橋剤を使用する場合には、当該架橋剤と反応し得る官能基であることが好ましい。この反応性官能基は、例えば、カルボキシ基、水酸基、アミノ基、置換アミノ基、及びエポキシ基からなる群から選択される少なくともいずれかの置換基であることが好ましく、カルボキシ基及び水酸基の少なくともいずれかの置換基であることがより好ましく、カルボキシ基であることが更に好ましい。
カルボキシ基を有するモノマー(カルボキシ基含有モノマー)としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、及びシトラコン酸等のエチレン性不飽和カルボン酸が挙げられる。カルボキシ基含有モノマーの中でも、反応性及び共重合性の点から、アクリル酸が好ましい。カルボキシ基含有モノマーは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
水酸基を有するモノマー(水酸基含有モノマー)としては、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、及び(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル等が挙げられる。水酸基含有モノマーの中でも、水酸基の反応性及び共重合性の点から、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルが好ましい。水酸基含有モノマーは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
エポキシ基を有するアクリル酸エステルとしては、例えば、グリシジルアクリレート、及びグリシジルメタクリレート等が挙げられる。
アクリル系共重合体におけるその他の共重合体成分としては、アルキル基の炭素数が2〜20の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ペンチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸n−デシル、(メタ)アクリル酸n−ドデシル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸パルミチル、及び(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられる。これらの(メタ)アクリル酸アルキルエステルの中でも、粘着性をより向上させる観点から、アルキル基の炭素数が2〜4の(メタ)アクリル酸エステルが好ましく、(メタ)アクリル酸n−ブチルがより好ましい。(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
アクリル系共重合体におけるその他の共重合体成分としては、例えば、アルコキシアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステル、脂肪族環を有する(メタ)アクリル酸エステル、芳香族環を有する(メタ)アクリル酸エステル、非架橋性のアクリルアミド、非架橋性の3級アミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステル、酢酸ビニル、及びスチレンからなる群から選択される少なくともいずれかのモノマーに由来する共重合体成分が挙げられる。
アルコキシアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メトキシメチル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシメチル、及び(メタ)アクリル酸エトキシエチルが挙げられる。
脂肪族環を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルが挙げられる。
芳香族環を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸フェニルが挙げられる。
非架橋性のアクリルアミドとしては、例えば、アクリルアミド、及びメタクリルアミドが挙げられる。
非架橋性の3級アミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸(N,N−ジメチルアミノ)エチル、及び(メタ)アクリル酸(N,N−ジメチルアミノ)プロピルが挙げられる。
これらのモノマーは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態においては、第二の共重合体成分として、カルボキシ基含有モノマーまたは水酸基含有モノマーが好ましく、アクリル酸がより好ましい。アクリル系共重合体が、アクリル酸2−エチルヘキシル由来の共重合体成分、及びアクリル酸由来の共重合体成分を含む場合、アクリル系共重合体全体の質量に占めるアクリル酸由来の共重合体成分の質量の割合が1質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上、0.5質量%以下であることがより好ましい。アクリル酸の割合が1質量%以下であれば、粘着剤組成物に架橋剤が含まれる場合にアクリル系共重合体の架橋が早く進行し過ぎることを防止できる。
アクリル系共重合体は、2種類以上の官能基含有モノマー由来の共重合体成分を含んでいてもよい。例えば、アクリル系共重合体は、3元系共重合体であってもよく、アクリル酸2−エチルヘキシル、カルボキシ基含有モノマー及び水酸基含有モノマーを共重合して得られるアクリル系共重合体が好ましく、このカルボキシ基含有モノマーは、アクリル酸であることが好ましく、水酸基含有モノマーは、アクリル酸2−ヒドロキシエチルであることが好ましい。アクリル系共重合体におけるアクリル酸2−エチルヘキシルに由来する共重合体成分の割合が80質量%以上、95質量%以下であり、アクリル酸由来の共重合体成分の質量の割合が1質量%以下であり、残部がアクリル酸2−ヒドロキシエチル由来の共重合体成分であることが好ましい。
アクリル系共重合体の重量平均分子量(Mw)は、30万以上、200万以下であることが好ましく、60万以上、150万以下であることがより好ましく、80万以上、120万以下であることがさらに好ましい。アクリル系共重合体の重量平均分子量Mwが30万以上であれば、被着体への粘着剤の残渣なく剥離することができる。アクリル系共重合体の重量平均分子量Mwが200万以下であれば、被着体へ確実に貼り付けることができる。
アクリル系共重合体の重量平均分子量Mwは、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(Gel Permeation Chromatography;GPC)法により測定される標準ポリスチレン換算値である。
アクリル系共重合体は、前述の各種原料モノマーを用いて、従来公知の方法に従って製造することができる。
アクリル系共重合体の共重合の形態は、特に限定されず、ブロック共重合体、ランダム共重合体、またはグラフト共重合体のいずれでもよい。
本実施形態において、粘着剤組成物中のアクリル系共重合体の含有率は、40質量%以上、90質量%以下であることが好ましく、50質量%以上、90質量%以下であることがより好ましい。
第2粘着剤層22を構成する粘着剤組成物は、前述のアクリル系共重合体の他に、さらに架橋剤を配合した組成物を架橋させて得られる粘着剤を少なくとも含むことが好ましい。また、粘着剤組成物は、実質的に、前述のように前述のアクリル系共重合体と、架橋剤とを架橋させて得られる粘着剤からなることも好ましい。ここで、実質的にとは、不可避的に粘着剤に混入してしまうような微量な不純物を除いて、当該粘着剤だけからなることを意味する。
架橋剤としては、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、アジリジン系架橋剤、金属キレート系架橋剤、アミン系架橋剤、及びアミノ樹脂系架橋剤が挙げられる。これらの架橋剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
第2粘着剤層22の耐熱性及び粘着力を向上させる観点から、これら架橋剤の中でも、イソシアネート基を有する化合物を主成分として含有する架橋剤(イソシアネート系架橋剤)が好ましい。イソシアネート系架橋剤としては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート、3−メチルジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−2,4’−ジイソシアネート、及びリジンイソシアネート等の多価イソシアネート化合物が挙げられる。
また、多価イソシアネート化合物は、上記化合物のトリメチロールプロパンアダクト型変性体、水と反応させたビュウレット型変性体、またはイソシアヌレート環を有するイソシアヌレート型変性体であってもよい。
本明細書において、イソシアネート基を有する化合物を主成分として含有する架橋剤とは、架橋剤を構成する成分全体の質量に占めるイソシアネート基を有する化合物の質量の割合が50質量%以上であることを意味する。
本実施形態において、粘着剤組成物中の架橋剤の含有量は、アクリル系共重合体100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、20質量部以下、より好ましくは1質量部以上、15質量部以下、さらに好ましくは5質量部以上、10質量部以下である。粘着剤組成物中の架橋剤の含有量がこのような範囲内であれば、第2粘着剤層22と第2基材21との接着性を向上させることができ、粘着シートの製造後に粘着特性を安定化させるための養生期間を短縮できる。
本実施形態における第2粘着剤層22を構成する粘着剤組成物が架橋剤を含む場合、粘着剤組成物は、架橋促進剤をさらに含むことが好ましい。架橋促進剤は、架橋剤の種類等に応じて、適宜選択して用いることが好ましい。例えば、粘着剤組成物が、架橋剤としてポリイソシアネート化合物を含む場合には、有機スズ化合物等の有機金属化合物系の架橋促進剤をさらに含むことが好ましい。
また、第2粘着剤層22を構成する粘着剤組成物は、反応性粘着助剤を含むことも好ましい。反応性粘着助剤としては、反応性の官能基を有するポリブタジエン系樹脂、及び反応性の官能基を有するポリブタジエン系樹脂の水素添加物等が挙げられる。反応性粘着助剤が有する反応性の官能基としては、水酸基、イソシアネート基、アミノ基、オキシラン基、酸無水物基、アルコキシ基、アクリロイル基及びメタクリロイル基からなる群より選択される一種以上の官能基であることが好ましい。粘着剤組成物が反応性粘着助剤を含んでいると、第2シート20Aを被着体から剥がした際の糊残りを減少させることができる。
本実施形態において、第2粘着剤層22を構成する粘着剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の成分が含まれていてもよい。粘着剤組成物に含まれ得るその他の成分としては、例えば、有機溶媒、難燃剤、粘着付与剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防黴剤、可塑剤、消泡剤、及び濡れ性調整剤等が挙げられる。
第2粘着剤層22の厚さは、第2シート20Aの用途に応じて適宜決定される。本実施形態において、第2粘着剤層22の厚さは、5μm以上、60μm以下であることが好ましく、5μm以上、50μm以下であることがより好ましい。
以上が、第2粘着剤層22に関する説明である。
・剥離シート
第2シート20Aは、その粘着面を被着体(例えば、半導体ウエハW又は半導体チップCP)に貼付するまでの間、粘着面を保護する目的で、粘着面に剥離シートが積層されていてもよい。剥離シートの構成は任意であり、プラスチックフィルムを剥離剤等により剥離処理したものが例示される。剥離シートとしては、第1粘着シート10に用い得る剥離シートでもよい。
[本実施形態に係る効果]
本実施形態に係るエキスパンド方法によっても、第1実施形態と同様、従来に比べてプロセスを簡略化し、かつ、チップ同士の間隔を充分に拡張しつつ、糊残りを抑制できる。さらに、本実施形態に係るエキスパンド方法を含む半導体装置の製造方法を提供できる。
[実施形態の変形]
本発明は、上述の実施形態に何ら限定されない。本発明は、本発明の目的を達成できる範囲で、上述の実施形態を変形した態様等を含む。
例えば、半導体ウエハや半導体チップにおける回路等は、図示した配列や形状等に限定されない。半導体パッケージにおける外部端子電極との接続構造等も、前述の実施形態で説明した態様に限定されない。前述の実施形態では、FO−WLPタイプの半導体パッケージを製造する態様を例に挙げて説明したが、本発明は、ファンイン型のWLP等のその他の半導体パッケージを製造する態様にも適用できる。
上述したFO−WLPの製造方法は、一部の工程を変更したり、一部の工程を省略したりしてもよい。
ダイシング工程におけるダイシングは、上述の切断手段を用いる代わりに、半導体ウエハに対してレーザ光を照射して行ってもよい。例えば、レーザ光の照射により、半導体ウエハを完全に分断し、複数の半導体チップに個片化してもよい。これらの方法においては、レーザ光の照射は、半導体ウエハのいずれの側から行ってもよい。
前記実施形態では、ダイシング工程において、第1粘着シートの第1基材まで切込みを到達させない態様を例に挙げて説明したが、本発明はこのような態様に限定されない。
例えば、別の実施形態においては、半導体ウエハ及び第2シートをより確実に切断するという観点から、ダイシングによって、第1基材に到達する深さの切込みを形成してもよい。
また、さらに別の実施形態においては、第1粘着剤層まで切込みを到達させずに、第2シートを切断してもよい。
第1基材に到達する深さの切込みを形成するダイシング工程を採用する場合、第1基材は、所定深さの切込みを入れて引張伸度を測定したときに、300%以上であることが好ましい。具体的には、深さ50μmの切込みを入れた第1基材の引張伸度が300%以上であることが好ましい。当該引張伸度が300%以上であれば、ダイシング工程で第1基材に深さ50μmの切込みが入っても、そのまま別の粘着シートに貼り換えることなく第1粘着シートをエキスパンドしても、第1粘着シートが破断せず、半導体チップCP同士の間隔を拡張できる。
(引張伸度の測定方法)
基材を15mm×140mmのサイズに裁断して試験片を得る。この試験片について、JIS K6732:2006に準拠して、23℃における引張伸度を測定する。具体的には、上記試験片を、引張試験機(島津製作所製,製品名「オートグラフAG−IS 500N」)にて、チャック間距離100mmに設定した後、200mm/minの速度で引張試験を行い、伸度(%)を測定する。
ダイシング工程において入れた切込みの深さのうち、第1基材11における切込みの深さT2とし、第1基材11の厚さをT1とした場合、厚さT1と切込み深さT2とは、以下の(数1)の関係を満たすことが好ましい。T1及びT2の単位は、μm(マイクロメートル)である。
T2≦0.2×T1・・・(数1)
第1基材に到達する深さの切込みを形成するダイシング工程を採用する場合、第1基材11の厚さは、60μm以上であることが好ましく、80μm以上であることがより好ましい。また、第1基材の厚さは、250μm以下であることが好ましく、200μm以下であることがより好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。本発明はこれら実施例に何ら限定されない。
(粘着シートの作製)
[実施例1]
ブチルアクリレート(BA)62質量部、メタクリル酸メチル(MMA)10質量部、及び2−ヒドロキシエチルアクリレート(2HEA)28質量部を共重合してアクリル系共重合体を得た。このアクリル系共重合体に対して、2−イソシアナートエチルメタクリレート(昭和電工株式会社製、製品名「カレンズMOI」(登録商標))を付加した樹脂(アクリルA)の溶液(粘着剤主剤、固形分35.0質量%)を調製した。付加率は、アクリル系共重合体の2HEA100モル%に対して、2−イソシアナートエチルメタクリレートを90モル%とした。
得られた樹脂(アクリルA)の重量平均分子量(Mw)は、60万、Mw/Mnは4.5であった。ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により、標準ポリスチレン換算の重量平均分子量Mw、及び数平均分子量Mnを測定し、それぞれの測定値から分子量分布(Mw/Mn)を求めた。
この粘着剤主剤に、UV樹脂A(10官能ウレタンアクリレート、三菱ケミカル株式会社製、製品名「UV−5806」、Mw=1740、光重合開始剤を含む。)、及び架橋剤としてのトリレンジイソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン工業株式会社製、製品名「コロネートL」)を添加した。粘着剤主剤中の固形分100質量部に対して、UV樹脂Aを50質量部添加し、架橋剤を0.2質量部添加した。添加後、30分間攪拌して、粘着剤組成物A1を調製した。
次いで、調製した粘着剤組成物A1の溶液をポリエチレンテレフタレート(PET)系剥離フィルム(リンテック株式会社製、製品名「SP−PET381031」、厚さ38μm)に塗布して乾燥させ、厚さ40μmの粘着剤層を剥離フィルム上に形成した。この粘着剤層について、本実施例では、前記実施形態中での説明と対応させて、第1粘着剤層と称する場合がある。
当該第1粘着剤層に、基材としてのポリエステル系ポリウレタンエラストマーシート(シーダム株式会社製,製品名「ハイグレスDUS202」,厚さ100μm)を貼り合わせた後、幅方向における端部の不要部分を裁断除去して粘着シートSA1を作製した。この基材については、本実施例では、前記実施形態中での説明と対応させて、第1基材と称する場合がある。
(チップ間隔の測定方法)
実施例1で得られた粘着シートSA1を210mm×210mmに切断し試験用シートを得た。このとき、裁断後のシートの各辺が、粘着シートにおける第1基材のMD方向と平行または垂直となるように裁断した。
粘着シートSA1に貼着する半導体チップを次に示す手順により準備した。第2シート(リンテック株式会社製、製品名:Adwill E−3125KL)を6インチシリコンウエハに貼着した。この第2シートは、6インチシリコンウエハと同サイズ(略同形状)とした。試験用シートの剥離フィルムを剥離し、露出した第1粘着剤層の中心部に、6インチシリコンウエハに貼着された第2シートを貼着し、6インチシリコンウエハ、第2シート及び試験用シートがこの順に積層された積層体を得た。次に、この積層体の6インチシリコンウエハ側から、当該シリコンウエハ及び第2シートをダイシングし、ダイシングの切込みは、試験用シートの第1粘着剤層まで到達させた。ダイシング工程では、3mm×3mmのサイズのチップがX軸方向に5列、及びY軸方向に5列となるように、計25個のチップを切り出した。試験用シートの上に支持された各チップの裏面には、ダイシングされた第2シートが貼着していた。
次に、チップが貼付された試験用シートを、2軸延伸可能なエキスパンド装置(離間装置)に設置した。図5には、当該エキスパンド装置100を説明する平面図が示される。図5中、X軸及びY軸は、互いに直交する関係にあり、当該X軸の正の方向を+X軸方向、当該X軸の負の方向を−X軸方向、当該Y軸の正の方向を+Y軸方向、当該Y軸の負の方向を−Y軸方向とする。試験用シート200は、各辺がX軸またはY軸と平行となるように、エキスパンド装置100に設置した。その結果、試験用シート200における基材のMD方向は、X軸またはY軸と平行となる。なお、図5中、チップは省略されている。
図5に示されるように、エキスパンド装置100は、+X軸方向、−X軸方向、+Y軸方向及び−Y軸方向のそれぞれに5つの保持手段101(計20個の保持手段101)を備える。各方向における5つの保持手段101のうち、保持手段101Aは、両端に位置し、保持手段101Cは、中央に位置し、保持手段101Bは、保持手段101Aと保持手段101Cとの間に位置する。試験用シート200の各辺を、これらの保持手段101によって把持させた。
ここで、図5に示されるように、試験用シート200の一辺は210mmである。また、各辺における保持手段101同士の間隔は40mmである。また、試験用シート200の一辺における端部(シートの頂点)と、当該辺に存在し、当該端部に最も近い保持手段101Aとの間隔は25mmである。
続いて、保持手段101のそれぞれに対応する、図示されていない複数の張力付与手段を駆動させて、保持手段101をそれぞれ独立に移動させた。試験用シートの四辺をつかみ治具で固定し、X軸方向、及びY軸方向にそれぞれ5mm/sの速度で、200mmの拡張量で試験用シートをエキスパンドした。その後、リングフレームにより試験用シート200の拡張状態を保持した。
拡張状態を保持した状態で、各チップ間の距離をデジタル顕微鏡で測定し、各チップ間の距離の平均値をチップ間隔とした。
チップ間隔が1800μm以上であれば合格「A」と判定し、チップ間隔が1800μm未満であれば不合格「B」と判定した。
(チップ整列性の測定方法)
上記チップ間隔を測定したワークのX軸及びY軸方向の隣り合うチップの中心線からのズレ率を測定した。
図6に具体的な測定方法の概略図を示す。
X軸方向に5個のチップが並んだ一つの列を選び、当該列の中で、チップの最上端と、チップの最下端との距離Dyをデジタル顕微鏡で測定した。Y軸方向のズレ率は、下記数式(数3)に基づいて算出した。Syは、Y軸方向のチップサイズであり、本実施例では、3mmとした。
Y軸方向のズレ率[%]=[(Dy−Sy)/2]/Sy×100…(数3)
X軸方向に5個のチップが並んだその他の4列についても、同様にしてY軸方向のズレ率を算出した。
Y軸方向に5個のチップが並んだ一つの列を選び、当該列の中で、チップの最左端と、チップの最右端との距離Dxをデジタル顕微鏡で測定した。X軸方向のズレ率は、下記数式(数4)に基づいて算出した。Sxは、X軸方向のチップサイズであり、本実施例では、3mmとした。
X軸方向のズレ率[%]=[(Dx−Sx)/2]/Sx×100…(数4)
Y軸方向に5個のチップが並んだその他の4列についても、同様にしてX軸方向のズレ率を算出した。
数式(数3)及び(数4)において、2で除するのは、拡張後におけるチップの所定位置からずれた最大距離を絶対値にて表現するためである。
X軸方向及びY軸方向のすべての列(計10列)において、ズレ率が±10%未満の場合を合格「A」と判定し、1つ以上の列において±10%以上であれば不合格「B」と判定した。
(糊残りの評価方法)
前述のチップ間隔の測定方法に記載の条件でエキスパンド後、紫外線照射装置(リンテック株式会社製「RAD−2000 m/12」)を用いて、実施例1に係る粘着シートのチップが搭載されている面とは反対側の面から照度220mW/cm、光量460mJ/cmの条件で紫外線照射した。紫外線照射の後、チップを吸着テーブルに保持し、粘着シートを剥離した。実施例1に係る粘着シート及び第2シートを剥離した後、第2シートが貼着されていたチップ表面を光学顕微鏡で観察した。チップ表面に糊残りが観察されなかった場合を合格「A」と判定し、糊残りが観察された場合を不合格「B」と判定した。
実施例1に係る粘着シートを用いてエキスパンドしたところ、チップ間隔の評価結果が合格「A」判定であり、チップ整列性の評価結果が合格「A」判定であった。
チップと実施例に係る粘着シートとの間に第2シートを介在させて粘着シートをエキスパンドしたところ、チップ表面の糊残り評価結果が合格「A」判定であった。
1,1A…積層型粘着シート、10…第1粘着シート、11…第1基材、12…第1粘着剤層、20…第2シート、20A…第2シート、21…第2基材、22…第2粘着剤層、CP…半導体チップ、W…半導体ウエハ、W1…回路面、W2…回路、W3…裏面。

Claims (9)

  1. 第1ウエハ面と前記第1ウエハ面の反対側の第2ウエハ面とを有するウエハの前記第2ウエハ面と、第1粘着剤層と第1基材とを有する第1粘着シートとの間に、前記第2ウエハ面と略同形状の第2シートが挟持され、
    前記第1ウエハ面側から切込みを入れて、前記ウエハを複数のチップに個片化し、さらに前記第2シートを切断し、
    前記切込みを、前記第1粘着剤層まで到達させ、
    前記第1粘着シートを伸張させて、前記複数のチップの間隔を拡げる、
    エキスパンド方法。
  2. 請求項1に記載のエキスパンド方法において、
    前記第2シートは、予め前記第1粘着シートの前記第1粘着剤層に積層されており、
    前記第1粘着シートに積層された状態の前記第2シートにて前記ウエハを支持する、
    エキスパンド方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載のエキスパンド方法において、
    前記第2シートは、第2粘着剤層と第2基材とを有する粘着シートである、
    エキスパンド方法。
  4. 請求項1または請求項2に記載のエキスパンド方法において、
    前記第2シートは、粘着剤から形成された層からなるシートである、
    エキスパンド方法。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のエキスパンド方法において、
    前記第1粘着シートは、エキスパンドシートである、
    エキスパンド方法。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のエキスパンド方法において、
    前記ウエハは、半導体ウエハである、
    エキスパンド方法。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のエキスパンド方法において、
    前記第1ウエハ面は、回路を有する、
    エキスパンド方法。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のエキスパンド方法を含む半導体装置の製造方法。
  9. 第1粘着剤層と第1基材とを有する第1粘着シートと、前記第1粘着剤層に積層された第2シートと、を有し、第1ウエハ面と前記第1ウエハ面の反対側の第2ウエハ面とを有するウエハに貼付して使用される積層型粘着シートであって、
    前記第2シートは、前記ウエハの前記第1ウエハ面と略同形状であり、
    前記積層型粘着シートは、前記第2シートにて前記ウエハの前記第1ウエハ面側を支持し、前記第2ウエハ面側から切込みを入れて、前記ウエハを複数のチップに個片化し、さらに前記第2シートを切断し、前記切込みを、前記第1粘着剤層まで到達させ、前記第1粘着シートを伸張させて、前記複数のチップの間隔を拡げるエキスパンド方法に用いられる、
    積層型粘着シート。
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