JPWO2020149113A1 - 透明導電性フィルム - Google Patents

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Abstract

透明性が高く、低抵抗であるとともに、導電部の透明フィルムに対する密着性が高い透明導電性フィルムを提供する。透明導電性フィルム10は、表面に所定のパターンで線状の凹部11cが形成された透明フィルム11と、凹部11cに充填されている導電部13を備え、凹部11cから露出している導電部13の幅Wが凹部の幅と同一で且つ200〜2000nmの範囲内であり、導電部13の幅Wに対する高さHの比H/Wが1〜5である。導電部13はフィルム表面11sの面内方向にはみ出していない。

Description

本発明は、透明導電性フィルムに関する。
薄型テレビ、携帯電話、スマートフォン、タブレット等の表示装置やタッチパネル、太陽電池、エレクトロルミネッセンス素子、電磁シールド、機能性ガラス等には、透明導電性フィルムが用いられている。透明導電性フィルムの導電性材料として、酸化インジウムスズ(以下、ITOと略す)が主流となっている。
しかしながらITOの原料であるインジウムは希少金属であることから、今後の需要に対して不足してくると考えられる。また、ITOを製膜するためのスパッタリング等のプロセスは生産性が低く、生産コスト化が高くなるため、ITOを用いない透明導電性フィルムが求められている。
ITOを用いない透明導電性フィルムとして、例えば、特許文献1は導電性ナノワイヤーネットワークを用いた導電性フィルムを開示している。この導電性ナノワイヤーネットワークを構成するナノワイヤーは平均幅が1.5μm以下であるため、ナノワイヤーネットワークが視認されにくいが、銀を用いているためマイグレーションが生じやすいという課題がある。
本出願人による特許文献2は、ナノファイバーを用いてランダムネットワーク構造の金属モールドを製造し、この金属モールドを使用してランダムネットワーク構造の導電部を有する透明導電性フィルムを製造する方法を開示している。
国際公開第2014/129504号 国際公開第2017/008663号
上記の課題に加えて、透明導電性フィルムは、ディスプレイの大型化や高精細化などの表示性能向上のため抵抗を小さくすることが望まれる。また、より視認性を向上するため、高い透明性が求められている。また、タッチパネル等においてはユーザーの入力操作などによって透明導電性フィルムに応力が加わることがあり、それにより、透明フィルムから導電部がはがれ易くなったり、透明導電性フィルムの抵抗値が高くなるという問題もある。すなわち、本発明の目的は、透明性に優れ、低抵抗であるとともに、透明フィルムに対して高い密着性を有する導電部を備えた、ITOを使用しない透明導電性フィルムを提供することにある。
本発明の第1の態様に従えば、表面に所定のパターンで線状の溝が形成された透明フィルムと、
前記溝に充填されている導電部を備え、
前記溝から露出している導電部の線幅Wが溝の線幅と同一で且つ200〜2000nm(0.2〜2μm)の範囲内であり、
前記導電部の線幅Wに対する前記導電部の高さHの比H/Wが1〜5であることを特徴とする透明導電性フィルムが提供される。
前記透明導電性フィルムの前記所定のパターンは、直線または曲線が直交する交点をもつ規則的なパターンであり、前記格子の交点に空隙が存在していてもよい。
前記透明導電性フィルムの前記所定のパターンは、格子状のパターンであってもよい。
前記透明導電性フィルムの前記空隙Pの幅は、前記導電部の溝の線幅Wに対して0.6倍以上であってもよい。
前記透明導電性フィルムの前記導電部の高さHが溝の深さDより0〜500nm(0〜0.5μm)高くてよい。
前記透明導電性フィルムの前記導電部が前記溝内に部分的に充填されていてもよい。この場合、前記溝の深さDに対する前記導電部の高さHの比H/Dが、0.1より高く1未満であってもよい。
前記透明導電性フィルムの前記溝の断面形状が矩形であり得る。
前記透明導電性フィルムは、さらに前記透明フィルム上に形成された引き出し配線を備え、前記引き出し配線は、前記複数の所定領域に形成された前記導電部と電気的に接続されていてよい。前記透明導電性フィルムにおいて、波長550nmの光の透過率が70%以上であってもよく、面抵抗が0.1〜10Ω/sqであってもよい。
本発明の透明導電性フィルムは、ITOフィルムの代替材料でありながら、導電部の幅に対する高さの比(アスペクト比)が大きく、導電部が溝幅より広がっていない(はみ出ていない)ので、透明性と低抵抗化を両立できる。透明フィルムに対する導電部の密着性が高く、また、透明導電性フィルムは曲げ耐性も高いので、タッチパネルなどの操作時にフィルム面に応力が発生する用途でも耐久性に優れる。それゆえ、本発明の透明導電性フィルムは、タッチパネル、電子ペーパー、薄膜太陽電池などの各種デバイスに好適に使用することができる。
図1(a)は実施形態の透明導電性フィルムの断面構造を概念的に示す図であり、図1(b)は図1(a)に示した導電部13の近傍の拡大断面構造を示す図である。 実施形態の透明導電性フィルムの平面構造を概念的に示す図である。 図3(a)は導電部13がフィルム表面11sから突出した別の実施形態を示す図であり、図3(b)は導電部13が凸部11cに部分的に充填されている別の実施形態を示す図である。 図4(a)〜(d)は、透明導電性フィルムの製造方法において格子状の凹部11cが表面に形成された樹脂層22を備える透明基板を製造する工程を概念的に示す図である。 図5(a)〜(c)は、透明導電性フィルムの製造方法において無電解メッキに必要な工程を概念的に示す図である。 実施例1で得られた透明導電性フィルムの凹部に銅導電層が形成されている表面をレーザー顕微鏡で観察した写真である。 実施例1で得られた透明導電性フィルムの凹部の断面を走査型電子顕微鏡で観察した写真である。 図8(a)は実施例1で得られた透明導電性フィルムの格子状パターンの交点部における切断箇所を示す図であり、図8(b)は図8(a)の切断箇所で切断された断面を走査型電子顕微鏡で観察した写真である。 図9は、実施例2で得られた透明導電性フィルムを45°に傾けて凹部を走査型電子顕微鏡で観察した写真である。 図10は、実施例3で得られた透明導電性フィルムを45°に傾けて凹部を走査型電子顕微鏡で観察した写真である。 図11は、比較例1で得られた透明導電性フィルムの凹部の断面を走査型電子顕微鏡で観察した写真である。 図12は、透明導電性フィルムの平面構造の変形例を概念的に示す図であり、導電部はサインカーブが互いに交差部で直交しているシミュレーションパターンを有する。
以下、本発明の透明導電性フィルム及びその製造方法の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
[透明導電性フィルム]
本実施形態の透明導電性フィルム10は、図1(a)に示すように、透明支持基材33及びその上に形成された透明樹脂層12から構成される透明フィルム11と、透明フィルム11上に形成された導電部13とを備える。透明樹脂層12には断面が矩形の凹部11cが形成され、導電部13は凹部11c内に導電性材料が充填されてなる。凹部11cは、図2に示すように、透明導電性フィルム10の平面視で格子状のパターンを有しており、導電部13は、複数の線部13eが規則的に直交する格子状パターンを有している。
<透明フィルム>
透明フィルム11は、前述のように、透明支持基材33とその上に積層された透明樹脂層12を有する。
透明樹脂層12としては、光硬化および熱硬化、湿気硬化型、化学硬化型(二液混合)等の樹脂を用いることができる。具体的には、例えば、エポキシ系、アクリル系、メタクリル系、ビニルエーテル系、オキセタン系、ウレタン系、メラミン系、ウレア系、ポリエステル系、ポリオレフィン系、フェノール系、架橋型液晶系、フッ素系、シリコーン系、ポリアミド系等のモノマー、オリゴマー、ポリマー等の各種樹脂が挙げられる。透明樹脂層12の厚みは0.5〜500μmの範囲内であってよい。厚みが前記下限未満では、透明樹脂層12に形成される凹部11cの深さが不十分となり易く、前記上限を超えると、硬化時に生じる樹脂の体積変化の影響が大きくなる懸念がある。
透明支持基材33としては、可視光を透過する公知のフィルム基材を利用することができる。例えば、ガラス等の透明無機材料からなる基材;ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート等)、(メタ)アクリル系樹脂(ポリメチルメタクリレート等)、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、スチレン系樹脂(ABS樹脂等)、セルロース系樹脂(トリアセチルセルロース等)、ポリイミド系樹脂(ポリイミド樹脂、ポリイミドアミド樹脂等)、シクロオレフィンポリマー等の樹脂からなる基材などを利用することができる。可撓性の観点から、透明支持基材33は樹脂フィルムであってよい。透明支持基材33の厚みは、光学特性の観点から1〜500μmであることが好ましい。
<導電部>
図1(b)に示すように、導電部13(線部13e)は、透明フィルム11の凹部(溝)11cを充填するように形成されており、凹部11cのフィルムの面内方向の外側にはみ出てはいない。この実施形態では導電部13の上面13s(溝から露出している部分)と透明フィルム11の表面11sの間には段差がなく、両者は同一平面内に位置している。すなわち、凹部11cの深さと導電部13の高さHは等しい。なお、透明フィルム11の表面11sとは、透明フィルム11の凹部11cを除く表面部分を意味する。
凹部11cの深さDと導電部13の高さHは、等しくなくてもよい。例えば、図3(a)に示すように凹部11cの深さDより導電部13の高さHが高くてもよい。すなわち、導電部13の盛り上がり部13x(透明フィルム11の表面よりも高い部分)が、存在していてもよい。それでも、盛り上がり部13xは、凹部11cの基板面内方向の外側にはみ出ることはない。こうすることにより、金属配線を構成する導電部13の断面積を大きくすることができ、この結果、金属配線のフィルム面の被覆率を上げることなく金属配線の抵抗値を下げることができる。盛り上がり部13xの高さ(表面11sからの高さ)は、0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下にすることが望ましい。0.5μmを超えると導電部の耐摩耗性が低下する。凹部11cの深さDに対して導電部13の高さHの比で表わした場合に、H/Dが、耐摩耗性の観点から1.0<H/D≦1.2、特に1.0<H/D≦1.1(但し、盛り上がり部13xの高さは0.5μm以下)であることが好ましい。
あるいは、図3(b)に示すように、導電部13が凹部11cの深さより低く、導電部13が凹部11cの内部に部分的に充填されていてもよい。こうすることにより、導電部13が凹部内に完全に収容されるために透明フィルム11の表面の耐摩耗性に優れ、導電部13が劣化しにくくなる。この場合、導電部13の高さHは、導電性を確保するために、最低でも0.02μm以上にすることが望ましい。0.02μmに満たない場合は導電性が不十分となる可能性がある。凹部11cの深さDに対して0.01<H/Dであることが必要であり(但し、導電部13の高さHは0.02μm以上)、好ましくは、導電性を確保するという観点から0.1≦H/D、さらに好ましくは0.3≦H/Dである。
導電部13は、図2に示すように、同一の線幅Wを有する複数の線部13eが規則的に格子状に交差しており、直線同士が直交している交差部R、すなわち、直交部が複数存在する。線幅Wは、線部13eが延在する方向と垂直な断面における線部13eの幅である(単に、「導電部の線幅」ともいう)。但し、線部13eは必ずしも直線からなる必要はなく、サインカーブのような曲線同士が直交して交差部Rを形成していてもよい(図12参照)。線部13eが互いに直交することにより、線部が平面視で均等に分散することにより、透明性が向上する。導電部13の線部13eの幅Wは200〜3000nmの範囲内であってよく、好ましくは200〜2000nm、さらに好ましくは200〜1500nm、特に好ましくは200〜1200nmの範囲内であってよい。線幅Wが3000nmを超えると、導電部13が視認可能になることがある。線幅Wが200nm未満の場合、導電部13の導電性が不十分になることがある。
導電部13による透明フィルム11の被覆率は0.3%〜15%の範囲内であってよく、より好ましくは0.6%〜8%、特に好ましくは0.8%〜7.8%が望ましい。被覆率が0.3%未満の場合、透明導電性フィルム10の導電性が不十分になることがある。被覆率が15%を超える場合、透明導電性フィルム10の透明性(透過率)が不十分になることがある。透明導電性フィルム10の透明性を透過率で表した場合、例えば、波長550nmの光に対して70%以上が好ましく、75%以上がより好ましく、78%以上が特に好ましい。
また、図1(b)に示すように導電部13の線部13eの高さH(以下、単に、「導電部13の高さH」という)は、導電部13の線幅Wの1倍以上であり、好ましくは1〜5倍である。導電部13の線幅Wに対する導電部13の高さHの比を、本書では、適宜、「アスペクト比」と呼ぶ。すなわち、導電部13の延在方向に垂直な面における断面形状のアスペクト比は好ましくは1:1〜5:1、より好ましくは1:1〜3:1の範囲内である。本実施形態の導電部13の高さHが線幅Wの1倍以上であることにより、透明性向上の目的で導電部13の線幅Wが3000nm以下である場合であっても、導電部13は十分な導電性を有することができる。それにより、透明導電性フィルム10は良好な外観(視認性)と高導電性を両立することができる。このような構成により、透明導電性フィルム10は、0.1〜80Ω/sq、好ましくは0.1〜50Ω/sq、より好ましくは0.1〜10Ω/sqの範囲内の低い面抵抗(シート抵抗)を有することができる。また、導電部13の高さHが線幅Wの5倍より大きい場合、透明導電性フィルム10を斜めから見た場合に視認性が低下する恐れがある。
線部13eが交差する交差部Rの高さ比は、線部13eの高さHと同じかそれより小さい。但し、各交差部Rに充填された導電材料には空隙Pが存在する(図8参照)。空隙Pは、凹部11cの底部近傍に発生しており、交差部Rの容積の0.05〜50%または、交差部Rを線部13eに対して45°の角度で切断した断面において5%以上の断面積を占める。後述の実施例のように傾斜切断面の断面積で観察した時に空隙Pの断面積が凹部11の断面積の60%以上の場合もある。このような空隙Pが交差部Rに存在することにより、透明導電性フィルムが湾曲または屈曲した時にかかる導電部13が透明樹脂層12から剥がれにくくなる(密着性向上)という効果がある。このような効果を奏するために、空隙Pの幅は、線幅Wに対して0.3倍以上、特に、0.5〜1.0が好ましい。なお、空隙の幅は、線幅方向の平均的な幅であり、ここで平均的な幅とは、溝の底(下面)と開口面(上面)と半分の高さの三点における幅の平均値とする。空隙が発生する理由については、発明者は次のように考えている。めっき時に溝側面部から金属が析出する。ここで、線部13eの幅よりも、交差部Rの斜め方向は距離が長いため、金属の析出を配線部が埋まった時点で停止させると、交差部Rでは金属析出が中断されるために空隙が発生し易くなるであろう。
導電部13の材料としては、ニッケル、銅、亜鉛、クロム、パラジウム、銀、スズ、鉛、金、アルミニウムなどの金属、並びにこれらの金属の合金や化合物等が挙げられる。導電性の観点からは、ニッケル、銅、銀、金等の金属並びにこれらの金属の合金や化合物等が好ましく、フレキシブル性の観点からは、銀、銅等の金属又は合金が好ましい。
透明導電性フィルム10は、タッチパネルのような種々の用途に使用するために、導電部13の末端に連結する引き出し配線を備えていてもよい。引き出し配線は、導電部13の上面13sと同じ高さにしてよく、特に、導電部13の上面13s及び透明フィルム11aの表面11sとの間には段差がなく、いずれも同一平面内に位置してよい。引き出し配線の材料としては、導電部13の材料として例示したものと同様のものを用いることができる。
透明導電性フィルム10は、例えば、導電部13に対応する凹凸パターンを有するモールドを使用し、インプリントにより凹凸付き透明フィルム基材を形成し、次いで、無電解メッキにより凹部に導電部材を充填することにより作製することができる。以下に、透明導電性フィルム10aの製造方法の具体例を図4及び5を参照しながら説明する。
<モールドの準備工程>
図4(a)の左側に示すように、表面に、断面形状として矩形の凸部20aが所定間隔で形成された凹凸パターン付きモールド20を準備する。モールドの凹凸パターンは平面視で複数の直線部が所定間隔で交差する格子状のパターンである(図2のパターン参照)。凸部20aの高さ及び幅並びに凸部20a間の間隔は、前述の導電部13の設計寸法と同一となるようにする。モールド20は、例えば、シリコン基板上に塗布したフォトレジストに所定パターンのマスクを介して感光及びエッチングするフォトリソグラフィ法を用いて作製することができる。モールド20の表面には次の工程のために離型剤を塗布するのが好ましい。
<インプリントによる透明基板の調製工程>
次いで、モールド20の凸部20aが形成された表面に、紫外線硬化樹脂のような光硬化性の樹脂を塗布して樹脂層22を形成する。樹脂層22の厚みは、例えば、10〜50μmにし得る。次いで、樹脂層22上に、例えば、PETフィルムのような合成樹脂から成るフィルム(透明支持基体)24を配置して図4(b)に示すような積層体を形成する。フィルム24の厚さは、50〜200μm程度にし得る。次いで、この積層体に、フィルム24側から紫外線の光を照射して樹脂層22を形成する光硬化性樹脂を硬化させる。次いで、図4(c)に示すように、モールド20を積層体の樹脂層12から剥離して、モールドの凸部20aのパターンに対応する格子状の凹部11cが表面に形成された樹脂層22を備える透明基板(透明フィルム)30を得た。次に、図4(d)に示すように、フィルム24の下面(樹脂層22とは反対側の面)に、保護フィルム26を貼り合せる。保護フィルム26は、無電解メッキまでの工程で樹脂層22の表面を保護するためのものであり、後に剥離される。
<無電解メッキによる導電部の形成>
上記のようにして得られた保護フィルム26付きの透明基板30の樹脂層22の凹部11cに以下のようにして無電解メッキにより導電部13を形成した。
(A)メッキ触媒下地層の形成(シランカップリング処理)
無電解メッキを施す際に、メッキ膜の強固な密着性を確保するためにメッキ膜を施す部位にシランカップリング処理を施すことが好ましい。このような処理に用いるシランカップリング剤としては、例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシランや、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−(N−フェニル)アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン化合物やその他の反応性官能基を有するシラン化合物を用いることができる。このようなシランカップリング剤の溶液に保護フィルム26の付いた透明基板32を浸漬することで、図5(a)に示すように、樹脂層22の凹部11c含む表面に下地層28を形成する。下地層28の樹脂層22の表面への密着性を向上させるために透明基板30を溶液から取り出した後に加熱してもよい。また、下地層形成材料の溶液に透明基板30を浸漬する前に、樹脂層22の表面にUV光を照射して樹脂層22の表面の表面改質を行ってもよい。
次いで、下地層22が凹部11cの内表面にだけ存在するような処理を施す。この処理は、例えば、凹部11cの開口部を除く樹脂層22の表面上の下地層28にだけUV光を照射することができる。必要に応じて、光を遮断するマスク等を用いてもよい。この結果、図5(b)に示すように凹部11cの内表面にだけ下地層28が存在する透明基板30を得ることができる。
(B)メッキ触媒の担持
次に、公知のメッキ触媒液に、上記のようにして得られた凹部11cの内表面にだけ下地層28が存在する透明基板30を浸漬することで、凹部11cの内部にのみパラジウムイオンが担持された基板(メッキ用基板の前駆体)を得る。メッキ触媒液として、塩化パラジウム(II)溶液やテトラクロリド金(III)酸溶液を使用することができる。さらに、この基板を還元処理することで、凹部11cの内表面にだけパラジウムのようなメッキ触媒が付着した透明基板(メッキ前駆体)を得ることができる。
(C)無電解メッキ
最後に、透明基板30から保護フィルム26を剥がし、無電解メッキ液に浸漬して無電解メッキを施す。無電解メッキにより、凹部11cの内部にのみ導電性材料が形成される。こうして、図5(c)に示すような凹部11cの内部に導電部13が形成された透明導電性フィルム100を得ることができる。
以下に、透明導電性フィルム及びその製造方法の実施例を説明するが、本発明はそれらに限定されない。
<実施例1>
(透明基板の調製工程)
モールドとして、一方の表面に断面形状が矩形(高さ1.4μm、幅1.0μm)の線状の凸部が25μm間隔(一つの凸部の中央から隣接する凸部の中央までの間隔)で縦方向及び横方向に延在して交差する格子状のパターンを有するSiウエハ(300mm×300mm)を準備した(図4(a)参照)。凸部を有する表面に、フッ素系精密離型剤の膜(膜厚約30nmの超薄膜)を形成することにより離型処理を施した。
離型処理を施したモールド表面に、アクリル系UV硬化樹脂(以下、場合により単に「UV硬化樹脂」と称する)をドロップキャストして、UV硬化樹脂からなる樹脂層を厚み13μmで形成した。次いで、この樹脂層上に厚さ100μmのPETフィルムを配置して、UV硬化樹脂からなる樹脂層をモールドとPETフィルムとで挟み込んだ積層体とした(図4(b)参照)。次いで、この積層体に、PETフィルム側から高圧水銀ランプを用いて中心波長365nmのUV光を2000mJ/cmにて照射し、樹脂層を形成するUV硬化樹脂を硬化させた。次いで、モールドを積層体の樹脂層から剥離して、モールドの凸部のパターン形状に由来した格子状の凹部が表面に形成された樹脂層を備える透明基板を得た(図4(c)参照)。
このようにして得られた透明基板のPETフィルムの表面に、保護フィルムを貼り合せた(図4(d)参照)。透明基板の凹部間の間隔(ピッチ)Pがいずれも25μmであり、凹部の断面形状が矩形であり、凹部の幅が1.0μmであり、かつ、凹部の深さが1.4μmであった。
(メッキ触媒下地層を形成する工程)
シランカップリン処理に用いる下地層原料溶液を次のようにして調製した。エタノール930mL中に3−アミノプロピルトリエトキシシラン70mLを添加し、5時間撹拌した。その後、オイルバスを用いて、液温を55℃まで昇温させて、3−アミノプロピルトリエトキシシランの溶液(下地層原料溶液)とした。
上述のようにして得られた保護フィルム付透明基板の樹脂層側表面の全面に3000mJ/cmにてUV光を照射して、予め樹脂層の表面の表面改質を行った。次いで、オイルバスを用いて、下地層原料溶液の液温を55℃に維持しながら、この溶液中に表面改質後の保護フィルム付透明基板を浸漬し、超音波洗浄機を用いて40kHzで20分間超音波を印加する洗浄処理を施した。保護フィルム付透明基板を乾燥後、前記樹脂層側の表面の全面(凹部の内表面を含む全面)に、3−アミノプロピルトリエトキシシランからなる下地層(下地層の材料である3−アミノプロピルトリエトキシシランと基板上の水酸基との反応物からなる層)を形成した。その後、下地層が形成された透明基板を3−アミノプロピルトリエトキシシランの溶液中から取り出した後、透明基板の樹脂層側の基板表面及び凹部の内表面の全面に3−アミノプロピルトリエトキシシランからなる層がより十分に密着するように、透明基板を70℃に加熱されたオーブン内で10分間加熱処理を施した。次いで、加熱処理後の透明基板を、室温(25℃)の条件下において1Lのエタノール中に浸漬させて、超音波洗浄機を用いて40kHzで10分間超音波を印加することにより、余剰の3−アミノプロピルトリエトキシシランを除去した。このようにして、透明基板の樹脂層側の基板表面及び凹部の内表面の全面に亘って、3−アミノプロピルトリエトキシシランからなる下地層が形成された透明基板を得た(図5(a)参照)。
次いで、下地層が形成された透明基板の下地層側表面の全面にUV光を照射し、基板表面および凹部の内表面のうち、基板表面近傍に存在する下地層を除去した。この際、凹部の内表面のうち、基板表面近傍を除く内表面には下地層が存在している。すなわち、基板の凹部の内表面にのみ選択的に下地層が形成された透明基板を得た。
(凹部の内部への触媒選択担持工程)
メッキ触媒溶液として、0.2gの塩化パラジウムIIに塩酸2.5mLを加え、加熱して溶解させた後、イオン交換水1Lを加えることにより、塩化パラジウムIIの溶液を得た。次いで、得られたメッキ触媒液に、上述のようにして得られた基板凹部の内表面にのみ下地層が形成された基板を浸漬させた後、超音波洗浄機を用いて170kHzで20分間の条件で超音波を印加する処理を施した。このようにして、凹部の内表面上に形成された下地層上にのみパラジウムイオンが担持されたメッキ用透明基板の前駆体が得られた。
このメッキ用透明基板の前駆体を、イオン交換水で水洗した後、イオン交換水1Lに対して、ジメチルアミンボランを3.0g溶解した還元用の溶液(還元剤を含む処理液)に浸漬させて、超音波洗浄機を用いて170kHzで20分間の条件で超音波を印加する処理を施した。このようにして、メッキ用基板の前駆体中の凹部内に選択的に担持されたパラジウムイオンを還元して金属パラジウムとすることにより、凹部の内部に金属パラジウムからなる触媒層が選択的に担持されたメッキ用透明基板を得た。
(無電解メッキ工程)
下記のような組成の無電解メッキ液(無電解銅メッキ液)を調製した。
硫酸銅五水和物(Cu2+として):0.03mol/L
ホルムアルデヒド:0.2mol/L
EDTA:0.24mol/L
ポリエチレングリコール:100ppm
2,2’−ビピリジル:10ppm
水酸化ナトリウム:pHが12.5〜13.2となる添加量
残余:イオン交換水
メッキ用透明基板から保護フィルムを剥がした後に、メッキ浴中の無電解メッキ液に、浸漬して、温度:60℃、時間:20分の条件で無電解メッキを施した。その後、純水で洗浄し、乾燥した。メッキ用透明基板の凹部の内部にのみ銅のメッキ皮膜が形成されていた。こうして、凹部の内部に銅からなる金属導電層が形成された透明導電性フィルムを得た。金属導電層(導電部)によるメッキ用透明基板(透明フィルム)の被覆率は、7.8%であった。
<実施例2>
凸部の高さが2.0μmであること以外は、実施例1と同様なSiウエハを準備し、実施例1と同様に下地層及び触媒層が選択的に形成されたメッキ用透明基板を得た。このメッキ用基板を用いて、無電解銅メッキの時間を30分に変更し、実施例1と同様に透明導電性フィルムを作製した。得られた透明導電性フィルムにおいて、金属導電層(銅メッキ皮膜)は凹部内部を充填し、さらに図3(a)に示すようにわずかに盛り上がった層となった。
<実施例3>
凸部の高さが2.0μmであること以外は、実施例1と同様なSiウエハを準備し、実施例1と同様に下地層及び触媒層が選択的に形成されたメッキ用透明基板を得た。このメッキ用基板を用いて、無電解銅メッキ時間を10分に変更し、実施例1と同様に透明導電性フィルムを作製した。得られた透明導電性フィルムにおいて、金属導電層(銅メッキ皮膜)は、図3(b)に示すように凹部内部の8割程度を充填するようにして形成された層となった。
<比較例1>
凸部の高さが2.0μmであること以外は、実施例1と同様なSiウエハを準備し、実施例1と同様に下地層が形成された透明基板を作製した。この基板の下地層側表面にのみUV光を照射する代わりに、この基板を80℃のアルカリ性の水溶液(pH12)に浸漬処理した後、実施例1と同様に触媒担持および無電解銅メッキを行い、透明導電性フィルムを作製した。得られた透明導電性フィルムにおいて、金属導電層(銅メッキ皮膜)は凹部内部を完全には充填せず、さらに凹部(溝)枠からはみ出し、凹部(溝)近傍の基板表面を覆うように形成されていた。
<透明導電性フィルムの特性の評価>
1.顕微鏡による観察
実施例1で得られた透明導電性フィルムの凹部(内部に銅導電層が形成されている凹部)を有する面側の表面をレーザー顕微鏡(オリンパス社製の商品名「SFT−4500」)で観察した写真を図6に示す。図6に示す顕微鏡写真からも明らかなように、上述のようにして得られた透明導電性フィルムにおいては、格子状の溝(凹部)の幅(枠)内に銅からなる皮膜(金属導電層)が形成されていることが確認された。
また、透明導電性フィルムの金属導電層の積層状態を確認するため、透明導電性フィルムの凹部(内部に金属導電層が形成されている凹部)の断面を走査型電子顕微鏡で観察した写真を図7に示す。図7からも明らかなように、格子状の溝(凹部)の内部に金属導電層が充填されるように形成されており、その断面形状は略矩形の形状となっていることが分かった。このような図7に示す金属導電層(銅のメッキ皮膜)の形状は凹部の内部の形状に沿った形状となっており、その幅が1.0μmであり、かつ、高さ(厚み)は1.1μm(最も低い部分)〜1.4μm(最も高い部分)の範囲にあること(アスペクト比が1.1〜1.4の範囲となっていること)が分かった。
また、また、格子状パターンの交差部の断面を観察した写真を図8(b)に示す。交差部の断面は、図8(a)の「断面観測箇所」に示すように格子の直線部に対して斜めに(角度は約21度)切断した。図8(b)の断面図から明らかなように格子状パターンの交点部分の金属導電層の中央部には金属導電層のない空隙Pが存在することが分かった。特に空隙Pは、凹部の中央部の底側と表面側に存在している。空隙Pの幅は、約0.7μmであった。
同様に実施例2、3および比較例1の透明導電性フィルムについて、金属導電層の積層状態を確認するため、透明導電性フィルムの凹部を走査型電子顕微鏡で観察した。なお、実施例2及び3に関しては、透明導電性フィルムを45°に傾けて凹部を観察し、比較例1に関しては、実施例1と同様に透明導電性フィルムの凹部の断面を観察した。それらの観察結果の写真をそれぞれ図9〜11に示す。
実施例2の透明導電性フィルムの金属導電層は、図9の写真より凹部(溝)を充填し、さらに基板表面より盛り上がっていることが分かった(写真中、長丸印の部分)。すなわち、金属導電層(銅のメッキ皮膜)は凹部の内部の形状に沿った形状となっており、そのW幅が1.0μmであり、かつ、基板表面よりも0.1μm(最も低い部分)〜0.4μm(最も高い部分)の範囲の高さの凸部を有することが分かった(図3(a)の盛り上がり部13x参照)。また、格子状パターンの交点部分の金属導電層の中央部には、実施例1の透明導電性フィルムと同様に金属導電層の中央部に導電材料のない空隙Pが存在していることが分かった。
一方、実施例3の透明導電性フィルムの金属導電層は、図10の写真より、凹部(溝)の一部分だけを充填していることが分かった(図10の写真中、長丸印の部分に示す溝内に導電部が存在している様子を参照。なお、図10の長丸印の右上付近(基板表面)に存在する物体はフィルム表面に付着した異物である)。すなわち、金属導電層(銅のメッキ皮膜)は凹部の内部の形状に沿った形状となっており、その幅が1.0μmであり、且つ、その高さが基板表面よりも0.2〜0.3μmの範囲で低いことが分かった。また、格子状パターンの交点部分の金属導電層の中央部には、実施例1の透明導電性フィルムと同様に金属導電層の中央部に導電材料のない空隙Pが存在していることが分かった。
比較例1の透明導電性フィルムの金属導電層は、図11に示すように、凹部(溝)に沿うように形成されているが、中央部は完全に充填はされていないことが分かる。一方、金属導電層は凹部からはみ出して、基板表面上にも拡がって形成されていることが図11より分かる。また、格子状パターンの交点部分の金属導電層の中央部にも金属導電層が凹部底面にわずかに存在し、金属導電層のない空隙Pは存在していなかった。なお、図11では、凹部の開口部が広がって変形しているが、これは走査型電子顕微鏡で観察するために試料の断面加工の際に生じた変形である。
<電気特性評価試験>
実施例1〜3および比較例1で得られた透明導電性フィルムを用い、金属導電層が形成されている表面側の電気特性を抵抗評価装置(三菱ケミカルアナリテック社製の商品名「ロレスタ‐GX」)を用いて四探針法で計測し、面抵抗値を求めた。このようにして求めた面抵抗値を表1に示す。
Figure 2020149113
表1の結果からすれば、実施例1〜3、比較例1の透明導電性フィルムはいずれも抵抗値が十分小さく、低負荷で良好に電流を流すことができることが確認された。このうち、実施例2の透明導電性フィルムの面抵抗値が特に低いのは、基板表面の面内方向に広がることなく、凹部の上方にまで銅メッキが盛り上がって成長した結果、導電部の容積が増したことによるものと考えられる。これに対して実施例3の透明導電性フィルムでは、凹部に導電材料が部分的にしか充填されていないために導電部の容積が減少したことによるものと考えられる。
<曲げ耐性評価試験>
実施例1〜3および比較例1で得られた透明導電性フィルムについて、次のような方法で曲げ耐性の評価試験を行った。前記透明導電性フィルムの金属導電層のないPETフィルム側の表面に直径6mmの金属棒に押し付け、PETフィルム側の表面が金属棒の円弧に沿って密着するように透明導電性フィルムを両端から支持することで曲げ試験を行った。このようにして透明導電性フィルムを曲げた後、それぞれ、前述の電気特性評価試験と同様の方法にて面抵抗値を測定した。曲げ試験前における面抵抗値に対する曲げ試験後における面抵抗値の増加率(変化率)を表2に示す。変化がない場合は100%になるように算出される。
Figure 2020149113
表2に示す結果から、実施例1〜3の透明導電性フィルムは繰り返しの曲げ耐性が非常に高いものであることが確認された。比較例1の透明導電性フィルムは、基板の曲がりにより導電部が基板表面から剥離したために面抵抗値が高くなったものと考えられる。
<透明性評価試験>
実施例1〜3及び比較例1で得られた透明導電性フィルムについて、次のようにして透明性を評価した。分光光度計(日立ハイテクノロジーズ社製の商品名「日立分光光度計U−4100」)を用い、各透明導電性フィルムに波長550nmの光を照射して透過率を測定した。測定結果を表3に示す。
Figure 2020149113
実施例1〜3の透明導電性フィルムにおいて、波長550nmの単色光の透過率は78%以上であり、比較例1の透明導電性フィルムよりも透過率が高いことが分かった。実施例1〜3の透明導電性フィルムは、平面視で基板の凹部内に導電部材が存在しているのに対して、比較例1の透明導電性フィルムでは平面視で基板の凹部の外、即ち基板の面内方向に凹部から導電部材がはみ出しているためであると考えられる。この試験結果より、実施例1〜3の透明導電性フィルムは透明性が十分に高いと言える。
<密着性評価試験>
実施例1〜3及び比較例1で得られた透明導電性フィルムの凹部に金属導電層が形成されている表面側の金属導電層の密着性を、以下のようにして評価した。先ず、透明導電性フィルムの凹部に金属導電層が形成されている表面に、セロハン粘着テープ(ニチバン社製セロテープ(登録商標))を貼合させた後、セロハン粘着テープの表面を消しゴムでこすって、セロハン粘着テープを付着させた。その2分経過後に、セロハン粘着テープの端面を持って透明導電性フィルム表面に対して垂直方向に向かって、瞬時にセロハン粘着テープを引き剥がした。そして、このようなセロハン粘着テープの付着及び引き剥がし作業を行った後、得られた透明導電性フィルムを用いて、前述の電気特性評価試験と同様にして面抵抗値を測定することで、金属導電層の密着性を確認した。前記セロハン粘着テープの付着及び引き剥がし作業を行う前の面抵抗値に対して、同作業を行った後の面抵抗値の増加率(変化率)を算出した。結果を表4に示す。面抵抗値の変化がない場合は100%と算出される。
Figure 2020149113
表4の結果より、実施例1〜3においては、比較例1に比べ面抵抗値の増加率が低く、得られた透明導電性フィルムの凹部に形成された金属導電層は密着性に優れる結果となった。特に実施例1及び3の透明導電性フィルムに関しては、前記作業前後での面抵抗値の増加がほとんどなく、金属導電層は凹部内で高い密着性を有していることが分かる。一方、比較例1の透明導電性フィルムでは基板の面内方向に凹部から導電部材がはみ出しているため、他の部材との接触した際に接触面積がより大きくなり、他の部材との間で生じる相対移動により導電部材が剥がれ易くなると考えられる。
以上のような試験結果から、本発明の透明導電性フィルム(実施例1〜3)は、曲げに対して十分に耐えることができ、良好な電気特性かつ透明性を有することが確認できた。
<変形例>
上記実施例では、平面視で周期的に縦横に交差する格子状のパターンの導電部を有する透明導電性フィルムを作製したが、これに限らず、導電部が交差点で直交する様々なパターンの導電部を有する透明導電性フィルムであってもよい。例えば、図12のシミュレーション図に示すように、平面視でサインカーブのような曲線が縦横に互いに直交するように交差するような周期的なパターンであってもよい。このようなサインカーブとすることにより、基板を曲げたり、伸ばしたり(デバイスを製造する工程において加工の都合で伸びる場合もある)した際に湾曲部が伸びて(線状となるため)、応力を緩和し断線し難くなるため、抵抗率の増大を抑制することができると考えられる。図12には、導電部のピッチ(直線間隔):100μm、サインカーブ周期:200μm、振幅(片側):20μm、線幅1μmであるパターンを一例として示したが、10−1000μmの範囲で任意のピッチにすることができる(サインカーブ周期はピッチの2倍、振幅(片側)はピッチの半分以下)。図12に示すような導電部のパターンは、同様のパターンの凸部が形成されたモールドを作製して、上述のインプリント法を用いて形成することができる。サインカーブ以外に、交差部が直交していれば、任意の線状パターン、例えば複数の円が重なり合うパターンにすることができる。
以上、本発明を実施形態により説明してきたが、本発明の透明導電性フィルム及び金属モールド並びにこれらの製造方法は上記実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内で適宜改変することができる。
本発明の透明導電性フィルムは、透明性が高く、また、曲げや擦り等に対して十分に耐えることができ、面抵抗値が低い。それゆえ、本発明の透明導電性フィルムは、タッチパネル、電子ペーパー、薄膜太陽電池などの各種デバイスに好適に用いることができる。
10、100 透明導電性フィルム
11 透明フィルム
11s 透明フィルム表面
11c 凹部(溝)
12 透明樹脂層
13 導電部
13e 導電部の線部
13s 導電部表面
13x 導電部盛り上がり部
R 交差部
20 モールド
20a モールド凸部
22 樹脂層
24 フィルム
26 保護フィルム
28 下地層
30 透明基板
33 透明支持基材

Claims (11)

  1. 表面に所定のパターンで線状の溝が形成された透明フィルムと、
    前記溝に充填されている導電部を備え、
    前記溝から露出している導電部の線幅Wが溝の線幅と同一で且つ200〜2000nmの範囲内であり、
    前記導電部の線幅Wに対する前記導電部の高さHの比H/Wが1〜5であることを特徴とする透明導電性フィルム。
  2. 前記所定のパターンは、直線または曲線が直交する交点をもつ規則的なパターンであり、前記格子の交点に空隙Pが存在する請求項1に記載の透明導電性フィルム。
  3. 前記空隙Pの幅は、前記導電部の溝の線幅Wに対して0.6倍以上である請求項2に記載の透明導電性フィルム。
  4. 前記所定のパターンは、格子状のパターンである請求項1〜3のいずれか一項に記載の透明導電性フィルム。
  5. 前記導電部の高さHが溝の深さDより0〜500nm高い請求項1〜4のいずれか一項に記載の透明導電性フィルム。
  6. 前記導電部が前記溝内に部分的に充填されている請求項1〜4のいずれか一項に記載の透明導電性フィルム。
  7. 前記溝の深さDに対する前記導電部の高さHの比H/Dが、0.1より高く且つ1未満である請求項6に記載の透明導電性フィルム。
  8. 前記溝の断面形状が矩形である請求項1〜7のいずれか一項に記載の透明導電性フィルム。
  9. さらに前記透明導電性フィルム上に形成された引き出し配線を備え、
    前記引き出し配線は、前記複数の所定領域に形成された前記導電部と電気的に接続されている請求項1〜8のいずれか一項に記載の透明導電性フィルム。
  10. 波長550nmの光の透過率が70%以上である請求項1〜9のいずれか一項に記載の透明導電性フィルム。
  11. 面抵抗が0.1〜10Ω/sqである請求項1〜10のいずれか一項に記載の透明導電性フィルム。
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