JPWO2020137047A1 - X線導管の製造方法、x線導管、分析装置 - Google Patents

X線導管の製造方法、x線導管、分析装置 Download PDF

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Abstract

X線導管において、X線の通過効率を高める。X線導管の製造方法は、X線源から入射されたX線を出射するためのX線導管29を製造する方法であって、下記のステップを備えている。X線が入射されるキャピラリ内空間32を有するキャピラリ本体29aを準備するステップ。内周面32aに原子層堆積法によって金属薄膜33を成膜するステップ。

Description

本発明は、X線導管の製造方法、X線導管、分析装置に関する。
従来、X線源から射出されるX線を、X線導管によって絞り、微小スポット径にしてサンプルに照射するようにしたX線分析顕微鏡と称される分析装置が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
X線導管は、X線源から入射されたX線をガラス管内面でX線を反射することにより、ガラス管の他端部からX線を集光して導き出す光学部品である。X線導管は、例えば、ガラス管内面の形状が円筒状、円錐状、回転楕円面や回転放物線面である。
特許第5005461号
従来のX線導管では、通過効率が低下するという問題がある。その理由は、X線導管がガラス製の細管であるので、全反射臨界角θcが小さく、そのため入射側端でX線を取り込むための立体角が小さくなっており、したがって多くのX線を集めて出射側端まで送ることができないからである。なお、上記の通過効率低減は、X線のエネルギーが高くなると、全反射臨界角θcがさらに小さくなるので、顕著になる。
本発明の目的は、X線導管において、X線の通過効率を高めることにある。
以下に、課題を解決するための手段として複数の態様を説明する。これら態様は、必要に応じて任意に組み合せることができる。
本発明の一見地に係る方法は、X線源から入射されたX線を出射するためのX線導管を製造する方法であって、下記のステップを備えている。
◎X線が入射されるキャピラリ内空間を有するキャピラリ本体を準備するステップ
◎キャピラリ内壁面に原子層堆積法によって金属薄膜を成膜するステップ
この方法では、金属薄膜がX線導管のキャピラリ内壁面に形成されるので、X線の通過効率を高めることができる。
さらに、金属薄膜は、原子層堆積法によって形成されているので、細長いキャピラリ内空間内でも膜厚が均一になっている。
例えば、X線を導くためのガラス製のキャピラリは、金型に液状ガラスを流し込んでキャピラリ状に成形した後に加熱処理を施したり、液状ガラスを引き延ばしてキャピラリ状に成形したりする手法で製造される。このような製造方法によって製造されたキャピラリは表面粗さが非常に小さいので、X線導管として用いた場合、X線の散乱損失を小さくすることができる。一方、原子層堆積法は、一層ずつ成膜ができるという特徴から、基板の表面粗さとほぼ同程度の表面粗さを持つ膜を成膜することができる。そのため、本発明を適用することで、ガラス製キャピラリの小さな表面粗さとほぼ同程度の表面粗さを有する金属膜を成膜することができる。
キャピラリ本体のアスペクト比は、500〜10000の範囲であってもよい。
この方法では、金属薄膜は、原子層堆積法によって形成されているので、細長いキャピラリ内空間内でも膜厚が均一になっている。
本発明の他の見地に係るX線導管は、X線源から入射されたX線を集光して出射するためのものであって、キャピラリ本体と、金属薄膜とを備えている。
キャピラリ本体は、X線が入射されるキャピラリ内空間を有する。
金属薄膜は、キャピラリ内壁面に原子層堆積法によって成膜されている。
例えば、X線を導くためのガラス製のキャピラリは、金型に液状ガラスを流し込んでキャピラリ状に成形した後に加熱処理を施したり、液状ガラスを引き延ばしてキャピラリ状に成形したりする手法で製造される。このような製造方法によって製造されたキャピラリは表面粗さが非常に小さいので、X線導管として用いた場合、X線の散乱損失を小さくすることができる。一方、原子層堆積法は、一層ずつ成膜ができるという特徴から、基板の表面粗さとほぼ同程度の表面粗さを持つ膜を成膜することができる。そのため、本発明を適用することで、ガラス製キャピラリの小さな表面粗さとほぼ同程度の表面粗さを有する金属膜を成膜することができる。
このX線導管では、金属薄膜がX線導管のキャピラリ内壁面に形成されるので、X線の通過効率を高めることができる。
さらに、金属薄膜は、原子層堆積法によって形成されているので、細長いキャピラリ内空間でも膜厚が均一になっている。
キャピラリ本体のアスペクト比は、500〜10000の範囲であってもよい。
このX線導管では、金属薄膜は、原子層堆積法によって形成されているので、細長いキャピラリ内空間内でも膜厚が均一になっている。
本発明の他の見地に係る分析装置は、X線導管と、X線導管に対してX線を照射するX線源と、を備えている。
この分析装置では、上記効果が得られる。
分析装置は、種類の異なるX線導管を複数有していてもよい。
分析装置は、使用目的に従って複数のX線導管を切り替える切替装置をさらに備えていてもよい。
この分析装置では、X線導管を使用目的に従って切り替えることができる。
本発明に係るX線導管の製造方法、X線導管、分析装置では、X線の通過効率を高めることができる。
分析装置の概略構成を示すブロック図。 X線導管の部分的断面図。 成膜装置の模式図。 成膜方法のフローチャート。
1.第1実施形態
(1)分析装置の概略説明
図1を用いて、分析装置1を説明する。図1は、分析装置の概略構成を示すブロック図である。
分析装置1は、試料Sに一次X線を照射し、その際に発生する蛍光X線を測定することにより、試料Sに係る物性等の定性・定量分析を行うX線分析顕微鏡である。
分析装置1は、分析対象の試料Sが収納される試料箱3と、試料Sに照射するX線を発生させるX線管5と、X線管5及び試料箱3の間に配置される真空箱7とを備えている。
X線管5は真空箱7の上面に連通部9を介して取り付けられている。真空箱7は試料箱3の上面に、X線を良好に透過させるX線透過窓11が設けられた連通部を介して取り付けられている。
試料箱3内には所定位置に試料ステージ13が設置されており、その上に試料Sが載置される。真空箱7内には所定位置に、光学素子ユニット21(後述)が配置されている。このような構成により、X線管5で発生されたX線は、連通部9を通って真空箱7内に入射し、真空箱7内の光学素子ユニット21を通り、更にX線透過窓11を通って試料箱3内に入射し、試料ステージ13上の試料Sに照射される。
試料ステージ13は、試料ステージ駆動部56によって、X線の照射方向(図1では上下方向)と、照射方向に直交する面内で、互いに直交する二方向(例えば、図1では左右方向及び奥行き方向)とに移動できるように構成されている。試料ステージ駆動部56は試料箱3の内部又は外部に設けられている。
真空箱7には、前述のようにX線が試料Sに照射されることによって試料Sから発生する蛍光X線を検出するX線検出器35が取り付けられている。図1に示す例では、X線検出器35は、蛍光X線を検出するための検出面をX線透過窓11に向けた状態で、真空箱7に取り付けられている。
また真空箱7には、CCD(Charge Coupled Device)カメラ又は光学顕微鏡等の観察部57が取り付けられている。後述するように、真空箱7内の光学素子ユニット21はミラー28を有しており、観察部57はミラー28に対向して配置されている。
光学素子ユニット21は、X線管5にて発生されたX線を、ビーム径を絞って試料Sに対して照射するものである。光学素子ユニット21は、光学素子切替ステージ27に、光学素子として複数のX線導管29、31が装着されて構成されている。光学素子切替ステージ27は、使用目的に従って複数のX線導管29、31を切り替えるための部材である。
X線導管29、31は、X線管5にて発生されて真空箱7内に入射されたX線を出射する。X線導管29、31は、例えばガラスによって筒状(管状)に形成されたキャピラリであり、一端から入射されたX線を内面で反射させながら導光し、他端から出射する。
X線導管29、31を用いることで細くて強度の高いX線ビーム方式を実現でき、したがって微小領域を高速測定・分析できる。
光学素子切替ステージ27には、X線導管29、31のほかにミラー28が取り付けられている。
光学素子切替ステージ27は、切替ステージ駆動部55によって、X線の照射方向(図1における上下方向)に直交する面内で、互いに直交する二方向に移動できるように構成されている。切替ステージ駆動部55は、例えばステッピングモータを用いて構成されている。
切替ステージ駆動部55によって光学素子切替ステージ27を移動させることにより、各X線導管29、31とミラー28との位置が切り替えられ、所定位置に配置されたX線導管29、31を介して、X線管5で発生したX線が試料Sに届けられる。
所定位置に配置されたX線導管29、31から出射されたX線は、X線透過窓11を通過して試料Sの上面に照射され、X線の照射によって試料Sから蛍光X線が発生する。試料Sから発生した蛍光X線はX線透過窓11を通してX線検出器35へ到達し、X線検出器35にて検出される。
X線検出器35は、X線を試料Sに照射することにより発生する蛍光X線を検出する装置であり、検出した蛍光X線のエネルギーに比例した信号を出力する。X線検出器35には、X線検出器35が出力した信号を処理する信号処理部52が接続されている。信号処理部52は、X線検出器35が出力した各値の信号をカウントし、蛍光X線のエネルギーとカウント数との関係、即ち蛍光X線のスペクトルを生成する処理を行う。信号処理部52には分析部53が接続されている。信号処理部52は、生成したスペクトルを示すデータを分析部53へ出力する。分析部53は、演算を行う演算部及びデータを記憶するメモリを含んで構成されている。分析部53は、信号処理部52から入力されたデータが示すスペクトルに基づいて、試料Sに含まれる元素の定性分析又は定量分析を行う。
X線管5、信号処理部52、分析部53、表示部54、切替ステージ駆動部55及び試料ステージ駆動部56は、制御部51に接続されている。制御部51は、演算部及びメモリを含んだコンピュータで構成されている。制御部51は、X線管5、信号処理部52、分析部53、表示部54、切替ステージ駆動部55及び試料ステージ駆動部56の動作を制御する。制御部51は、使用者からの指示を受け付け、受け付けた指示に応じて分析装置1の各部の動作を制御する構成であってもよい。表示部54は、信号処理部52が生成したスペクトル又は分析部53による分析結果を表示してもよい。また、制御部51及び分析部53は同一のコンピュータで構成されていてもよい。
(2)X線導管の詳細説明
X線導管29、31は、中空内面を回転放物面状、または円筒状の反射面とした細い管状のものであり、基端から導入した一次X線を、先端から射出して試料S上で異なるスポット径で照射させ、又は絞る。
X線導管29、31は、キャピラリ本体29a、31aを有している。キャピラリ本体29a、31aは、ガラス製の円筒管である。つまり、キャピラリ本体29a、31aは、X線が入射される中空孔であるキャピラリ内空間32(図2)を有する。キャピラリ本体29a、31aは、互いに長さが異なり、この例では、キャピラリ本体29aが長く、キャピラリ本体31aが短い。
キャピラリ本体29a、31aの長さは、例えば、50〜100mmの範囲にある。
キャピラリの直径は、例えば、10〜400μmの範囲にある。
キャピラリ本体29a、31aのアスペクト比は、例えば、500〜10000の範囲にある。ここで、アスペクト比とは、キャピラリ内空間32の内面形状の高さ(h)と、水平方向断面形状の円形又は円形に近い形状の直径(w)の比(h/w)である。
X線導管29、31のそれぞれは、例えば同じ外径及び異なる内径を有しており、この構成により、X線導管29、31のそれぞれから出射するX線のサンプル表面上での径(スポット径)を異ならせることができる。キャピラリ本体29aは、キャピラリ内空間32の内径が小さく(例えば、10μm)、そのためX線導管29は集光スポット径が小さい。キャピラリ本体31aは、キャピラリ内空間32の内径が大きく(例えば、100μm)、そのためX線導管31は集光スポット径が大きい。すなわち、X線導管29によって、より細い領域にX線を集光して照射することにより、より高い分解能で分析を行うことができる。一方、X線導管31によって、より強力なX線を照射することができ、より早く測定を行うことができる。
図2に示すように、キャピラリ本体29aのキャピラリ内空間32の内周面32a(キャピラリ内壁面の一例)には、金属薄膜33が形成されている。図2は、X線導管の部分的断面図である。なお、ガラスと金属薄膜との間には、下地材(例えば、Cr)が形成されていてもよい。
金属薄膜33は、例えば銀、金、白金からなる。また、金属薄膜33は、均一の厚さで形成されている。金属薄膜33の厚みは、例えば、数十nm〜数μmであり、好ましくは0.1〜3μmである。
金属薄膜33を設けることで、内周面が例えばガラスのままである場合に比べて、臨界角θcを大きくできる。それによって、入射側端面でのX線を取り込むための立体角が広くなり、より多くのX線を集めて出射側端面まで送ることができる。その結果、特に高エネルギーのX線であっても通過効率が大幅に改善され、出射側端面において十分に大きなX線強度を得ることができる。
本実施形態の効果の意義をさらに詳細に説明する。
臨界角θcを求める式は、下記の通りである。
θc=1.64×10−3λ√ρ(θc:臨界角、ρ:キャピラリ内壁面材料の密度、λ:入射X線の波長)
従来、X線源から放射されるX線をより多くキャピラリ内に取り込むべく、X線源にキャピラリを近づけた場合、キャピラリ内部への入射角が大きなX線は、キャピラリ内部の臨界角よりも入射角が大きくなるので、キャピラリ内部を突き抜けることがある。この現象は、特に高エネルギーのX線で特に顕著になる。この理由は、エネルギーが上述の式の波長λに反比例するため、高エネルギーになるほど、臨界角が小さくなり、キャピラリ内部を突き抜けるX線量が増えるためである。なお、モノキャピラリ、ポリキャピラリのいずれの種類においてもこの現象が起こるが、一般的にモノキャピラリよりもポリキャピラリの方がキャピラリ内壁が薄いので、この現象が顕著になる。
本実施形態におけるX線導管29、31であれば、キャピラリ本体29aの内周面32a(キャピラリ内壁面)に金属薄膜33を成膜しているので、従来のガラス細管製のキャピラリに比べて臨界角θcを大きく設定できる。
下記の表に示すように、本実施形態の一実施例としてキャピラリ内壁面に金属薄膜としてPtを用いた場合は、従来のキャピラリ内壁面がSiOの場合に比べて、同一のエネルギーに対して臨界角及び立体角が大きくなっていることが分かる。
Figure 2020137047

金属薄膜33は、後述するように原子層堆積法によって形成されているので、細長いキャピラリ内空間32内でも膜厚が他の製造方法(例えば、メッキ)によって形成された場合よりもさらに均一になっている。
X線導管29とX線導管31は、分析対象によって金属薄膜の材料が異なるものとしてもよい。例えば、X線導管の選択において、蛍光X線エネルギースペクトルにおいて、対象測定物の蛍光X線のピークと重ならない蛍光X線のピークを有する金属薄膜が形成されたX線導管を選ぶことができる。
(3)成膜装置
図3を用いて、X線導管29の製造する成膜装置71を説明する。図3は、成膜装置の模式図である。なお、以下の説明は、X線導管31の場合も同じである。
成膜装置71は、ALD法を用いる。ALD(Atomic Layer Deposition:原子層堆積)法は、各反応物の周期的な供給を通じた化学的置換により薄膜を形成する成膜方法である。
成膜装置71は、成膜室72を有している。成膜室72内では、キャピラリ本体29aが、載置台73上に載置されている。載置台73は、支持部75によって支持されている。成膜室72には、反応性ガス(HO)導入口77、金属化合物の原料となる原料ガス導入口79,パージガス導入口81が設けられている。成膜室72の右側面には成膜室72内のガスを排気する排気口83が設けられている。
(4)成膜方法
図4を用いて、キャピラリ内空間32の壁面に原子層堆積法によって金属薄膜33を成膜する成膜方法を説明する。図4は、成膜方法のフローチャートである。
ステップS1では、成膜室72にキャピラリ本体29aを設置した後、金属薄膜33の原料となる原料ガスをキャピラリ本体29aへ供給する。
ステップS2では、不活性ガスをパージすることにより、反応チャンバ内の原料Aを排気する。
ステップS3では、反応性ガスを成膜室72に供給する。反応性ガスとしては、酸素や水蒸気等を用いることができる。これにより、原料からなる原子層の上に酸素の原子層が形成される。
ステップS4では、気相中に生成した副生成物や反応性ガスを除去するため、不活性ガスのパージにより排気する。
以上のS1〜S4を繰り返し行い、金属薄膜33を形成していく。
その後、ステップS5では、成膜装置71に備え付けられた膜厚測定装置(図示せず)により、金属薄膜33が所定の膜厚に到達したかどうかを確認する。
上記の成膜方法においては、成膜原料が気体であるため細いキャピラリであってもキャピラリ内空間に確実に原料を送ることができるという利点をさらに有する。それに対して、蒸着法やめっき法では、細いキャピラリの場合、キャピラリの入口が細いため成膜原料が入りにくく、そのため成膜を行うことが難しい。
2.他の実施形態
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態及び変形例は必要に応じて任意に組み合せ可能である。
前記実施形態ではX線導管としてモノキャピラリを説明したが、ポリキャピラリでもよい。ただし、より高いX線出射強度が必要とされる観点からは、モノキャピラリの場合の方が本発明の利点が大きい。
分析装置に設けられたX線導管の数は、1でもよく、3以上でもよい。
本発明は、X線を利用して分析を行うX線分析装置等においてX線を集束するため又は平行化するために利用されるX線導管に広く適用できる。
1 :分析装置
21 :光学素子ユニット
29 :X線導管
29a :キャピラリ本体
31 :X線導管
31a :キャピラリ本体
33 :金属薄膜
35 :X線検出器
71 :成膜装置
S :試料

Claims (6)

  1. X線源から入射されたX線を出射するためのX線導管を製造する方法であって、
    X線が入射されるキャピラリ内空間を有するキャピラリ本体を準備するステップと、
    キャピラリ内壁面に原子層堆積法によって金属薄膜を成膜するステップと、
    を備えたX線導管の製造方法。
  2. 前記キャピラリ本体のアスペクト比は、500〜10000の範囲である、請求項1に記載のX線導管の製造方法。
  3. X線源から入射されたX線を出射するためのX線導管であって、
    X線が入射されるキャピラリ内空間を有するキャピラリ本体と、
    キャピラリ内壁面に原子層堆積法によって成膜された金属薄膜と、
    を備えたX線導管。
  4. 前記キャピラリ本体のアスペクト比は、500〜10000の範囲である、請求項3に記載のX線導管。
  5. 請求項3又は4に記載されたX線導管と、
    前記X線導管に対してX線を照射するX線源と、
    を備えた分析装置。
  6. 種類の異なる前記X線導管を複数有しており、
    使用目的に従って前記複数のX線導管を切り替える切替装置をさらに備えた、請求項5に記載の分析装置。
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