JPWO2020110585A1 - インクジェットインク組成物及び画像記録方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本開示は、インクジェットインク組成物及び画像記録方法に関する。
従来から、画像の記録に用いられるインクに関し、様々な検討がなされている。
例えば、特許文献1には、ヘッド内における目詰まり耐性に優れ、かつ、耐擦性に優れる画像を形成できる水系インクジェットインク組成物として、樹脂と、樹脂に対するSP値の差が3以内の含窒素溶剤と、水と、を含み、上記含窒素溶剤の含有量は樹脂1質量部に対して2〜9質量部であり、標準沸点が280℃以上の有機溶剤の含有量が3質量%以下である、水系インクジェットインク組成物が開示されている。
しかし、インクジェットインクによって記録される画像に対し、耐擦性をより向上させることが求められる場合がある。
本発明者等の検討により、インクジェットインクの組成を、非浸透性基材上に記録される画像の耐擦性を向上させるための組成とした場合、インクジェットヘッドのノズル面(即ち、インクジェットインクが吐出される側の面)に付着したインクジェットインクを除去する際の除去性が低下する場合があることが判明した。この理由は、非浸透性基材上に記録される画像の強度が増して耐擦性が向上する反面、インクジェットヘッドのノズル面にインクジェットインクが強固に固着して除去しにくくなるためと考えられる。
その一方で、インクジェットインクの組成を、ノズル面からの除去性を向上させるための組成とした場合には、ノズル面からインクジェットインクを除去しやすくなる反面、非浸透性基材上に記録される画像の強度が不足して耐擦性が不足する場合があることも判明した。
従って、非浸透性基材上に形成される画像の耐擦性と、インクジェットヘッドのノズル面からのインクジェットインクの除去性と、の両立が求められる場合がある。
本開示は、上記事情に鑑みてなされた。
本開示の一態様の課題は、非浸透性基材上に記録される画像の耐擦性と、インクジェットヘッドのノズル面からのインクジェットインク組成物の除去性と、が両立される、インクジェットインク組成物及び画像記録方法を提供することである。
課題を解決するための具体的手段には、以下の態様が含まれる。
<1> 非浸透性基材上への画像の記録に用いられ、
水(A)と、
樹脂(B)と、
沸点が250℃以下であり、窒素原子を含み、下記式(C1)を満足する有機溶剤(C)と、を含有し、
樹脂(B)中の主たる樹脂に対する有機溶剤(C)の含有質量比が、0.01以上2.0未満であるインクジェットインク組成物。
|SPC−SPB|≦10.0 … 式(C1)
式(C1)中、SPBは、樹脂(B)中の主たる樹脂のMPa1/2単位でのSP値を表し、SPCは、有機溶剤(C)のMPa1/2単位でのSP値を表し、|SPC−SPB|は、SPCとSPBとの差の絶対値を表す。
<2> 有機溶剤(C)の沸点が、200℃以下である<1>に記載のインクジェットインク組成物。
<3> 樹脂(B)中の主たる樹脂に対する有機溶剤(C)の含有質量比が、0.01以上1.0以下である<1>又は<2>に記載のインクジェットインク組成物。
<4> |SPC−SPB|が、5.0以下である<1>〜<3>のいずれか1つに記載のインクジェットインク組成物。
<5> 有機溶剤(C)が、更に、水酸基を含む<1>〜<4>のいずれか1つに記載のインクジェットインク組成物。
<6> 樹脂(B)が、樹脂粒子を含む<1>〜<5>のいずれか1つに記載のインクジェットインク組成物。
<7> 更に、窒素原子を含まず、下記式(D1)を満足する有機溶剤(D)を含有する
<1>〜<6>のいずれか1つに記載のインクジェットインク組成物。
|SPD−SPCM|≦5.0 … 式(D1)
式(D1)中、SPCMは、有機溶剤(C)中の主たる有機溶剤のMPa1/2単位でのSP値を表し、SPDは、有機溶剤(D)のMPa1/2単位でのSP値を表し、|SPD−SPCM|は、SPDとSPCMとの差の絶対値を表す。
<8> 更に、着色剤を含有する<1>〜<7>のいずれか1つに記載のインクジェットインク組成物。
<9> <1>〜<8>のいずれか1つに記載のインクジェットインク組成物をインクジェットヘッドから吐出することにより、非浸透性基材上にインクジェットインク組成物を付与して画像を記録する工程と、
インクジェットヘッドにおけるインクジェットインク組成物の吐出面に付着したインクジェットインク組成物を除去する工程と、を含む画像記録方法。
本開示の一態様によれば、非浸透性基材上に記録される画像の耐擦性と、インクジェットヘッドのノズル面からのインクジェットインク組成物の除去性と、が両立される、インクジェットインク組成物及び画像記録方法が提供される。
本開示において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本開示において、組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する上記複数の物質の合計量を意味する。
本開示中に段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよく、また、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において、「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
本開示において、好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
本開示において、「画像」とは、インクジェットインク組成物を用いて形成される膜全般を意味し、「画像の記録」及び「画像記録」とは、それぞれ、膜の形成及び膜形成を意味する。従って、本開示における「画像」は、色彩を有する膜には限定されず、例えば、透明の膜であってもよい。ここで、膜について、透明とは、波長400nm〜700nmの可視光の透過率が、80%以上(好ましくは90%以上)であることを意味する。
また、本開示における「画像」の概念には、ベタ画像(solid image)も包含される。
〔インクジェットインク組成物〕
本開示のインクジェットインク組成物(以下、単に「インク」ともいう)は、非浸透性基材上への画像の記録に用いられ、水(A)と、樹脂(B)と、沸点が250℃以下であり、窒素原子を含み、下記式(C1)を満足する有機溶剤(C)と、を含有し、樹脂(B)中の主たる樹脂に対する有機溶剤(C)の含有質量比が、0.01以上2.0未満である。
|SPC−SPB|≦10.0 … 式(C1)
式(C1)中、SPBは、樹脂(B)中の主たる樹脂のMPa1/2単位でのSP値を表し、SPCは、有機溶剤(C)のMPa1/2単位でのSP値を表し、|SPC−SPB|は、SPCとSPBとの差の絶対値を表す。
本開示において、単に「SP値」との用語は、MPa1/2単位でのSP値を意味する。
本開示におけるSP(Solubility Parameter)値は、沖津法(沖津俊直著「日本接着学会誌」29(5)(1993))によって算出するものとする。
具体的には、SP値は以下の式で計算されるものである。なお、ΔFは文献記載の値である。
SP値(δ)=ΣΔF(Molar Attraction Constants)/V(モル容積)
また、本開示において、「樹脂(B)中の主たる樹脂」とは、インク中に含有される全ての樹脂のうち、インク全体に対する含有質量が最大である樹脂を意味する。
樹脂(B)中の主たる樹脂は、1種には限られず、2種以上であってもよい。例えば、樹脂(B)が、樹脂X、樹脂Y、及び樹脂Zからなり、かつ、樹脂X及び樹脂Yの含有質量が等しく、これら樹脂X及び樹脂Yの各々の含有質量が、樹脂Zの含有質量よりも大きい場合には、樹脂(B)中の主たる樹脂は、樹脂X及び樹脂Yの2種となる。樹脂(B)中の主たる樹脂が2種以上である場合、有機溶剤(C)は、全ての主たる樹脂に対して式(C1)を満足し、沸点が250℃以下であり、窒素原子を含む有機溶剤である。
主たる樹脂のSPBは、主たる樹脂を構成する各構成単位のSP値を、主たる樹脂中における含有質量に応じて加重平均することによって求める。
より詳細には、主たる樹脂のSP値(即ち、SPB)は、下記数式1において、Siに、主たる樹脂中のi種目(iは1以上の整数を表す)の構成単位のSP値を代入し、Wiに、上記i種目の構成単位の主たる樹脂中における含有質量を代入することにより、Xとして求められる値である。
構成単位のSP値としては、その構成単位を形成するための化合物のSP値を採用する。
例えば、SP値15MPa1/2の化合物A(10質量%)と、SP値18MPa1/2の化合物B(20質量%)と、SP値20MPa1/2の化合物C(70質量%)と、を原料として形成される樹脂aのSP値は、下記式により求められる。
樹脂aのSP値(MPa1/2)
=(15MPa1/2×10+18MPa1/2×20+20MPa1/2×70)/(10+20+70)
=19.1MPa1/2
主たる樹脂中の構成単位の同定は、熱分析ガスクロマトグラフィーによって行う。
主たる樹脂中における構成単位の含有質量の解析は、核磁気共鳴(NMR;nuclear magnetic resonance)によって行う。
また、本開示において、樹脂(B)中の主たる樹脂に対する有機溶剤(C)の含有質量比とは、インク中における有機溶剤(C)の含有質量を、インク中における樹脂(B)中の主たる樹脂の含有質量で除した値(即ち、比率〔インク中における有機溶剤(C)の含有質量/インク中における樹脂(B)中の主たる樹脂の含有質量〕)を意味する。
以下、樹脂(B)中の主たる樹脂に対する有機溶剤(C)の含有質量比を、「含有質量比〔有機溶剤(C)/樹脂(B)中の主たる樹脂〕」と称することがある。
本開示のインクによれば、非浸透性基材上に記録される画像の耐擦性と、インクジェットヘッドのノズル面(即ち、インクが吐出される面)に付着したインクの除去性と、が両立される。
かかる効果が奏される理由は、以下のように推測される。但し、本開示のインクは、以下の理由によって限定されることはない。
画像の耐擦性の効果には、
インクが樹脂(B)を含有すること、
樹脂(B)中の主たる樹脂のSP値(即ち、SPB)と、有機溶剤(C)のSP値(即ち、SPC)と、の差の絶対値(即ち、|SPC−SPB|)が10.0以下であること、及び、含有質量比〔有機溶剤(C)/樹脂(B)中の主たる樹脂〕が0.01以上2.0未満であることが寄与していると考えられる。
詳細には、インクが樹脂(B)を含有することにより、非浸透性基材上に付与されたインクが造膜し易くなると考えられる。かかる前提の下で、|SPC−SPB|が10.0以下であること、及び、含有質量比〔有機溶剤(C)/樹脂(B)中の主たる樹脂〕が0.01以上であることにより、非浸透性基材上におけるインクの造膜性がより高められ、これにより、非浸透性基材上に強固な膜(即ち、耐擦性に優れた画像)が形成されると考えられる。
更に、含有質量比〔有機溶剤(C)/樹脂(B)中の主たる樹脂〕が、2.0未満であることにより、非浸透性基材上のインクにおける有機溶剤(C)の残存が抑制され、これにより、有機溶剤(C)の残存に起因する画像の耐擦性の低下が抑制されると考えられる。補足すると、窒素原子を含む有機溶剤(C)は、保湿作用を有する。保湿作用を有する有機溶剤(C)の量をある程度制限すること(具体的には、含有質量比〔有機溶剤(C)/樹脂(B)中の主たる樹脂〕を2.0未満とすること)により、非浸透性基材上のインクにおける有機溶剤(C)の残存が抑制されると考えられる。
また、画像の耐擦性の効果には、有機溶剤(C)の沸点が250℃以下であることも寄与していると考えられる。
即ち、有機溶剤(C)の沸点が250℃以下であることにより、非浸透性基材上に記録された画像の乾燥性が向上し、ひいては、画像の乾燥不足(具体的には、画像中における有機溶剤(C)の残存)に起因する画像の耐擦性の低下が抑制されると考えられる。
また、インクジェットヘッドのノズル面からのインクジェットインクの除去性の効果には、
有機溶剤(C)が窒素原子を含むこと、及び、
含有質量比〔有機溶剤(C)/樹脂(B)中の主たる樹脂〕が0.01以上2.0未満であること、が寄与していると考えられる。
詳細には、有機溶剤(C)は、分子中に窒素原子を含むため、保湿作用を持つ。かかる前提の下で、含有質量比〔有機溶剤(C)/樹脂(B)中の主たる樹脂〕が0.01以上であることにより、ノズル面からのインクジェットインクの除去性が向上すると考えられる。
更に、含有質量比〔有機溶剤(C)/樹脂(B)中の主たる樹脂〕が、2.0未満であることにより、インクの造膜性が過度となることが抑制されると考えられる。これにより、ノズル面におけるインクの固着が抑制され、かかるインクの固着に起因する除去性の低下が抑制されると考えられる。
要するに、本開示のインクでは、画像の耐擦性向上のために、インクの造膜性がある程度高められている一方で、ノズル面からのインクの除去性を向上させるために、インクの造膜性が過度となることが抑制されていると考えられる。即ち、本開示のインクは、高すぎず且つ低すぎない、程良い造膜性を有していると考えられる。これにより、非浸透性基材上に記録される画像の耐擦性と、インクジェットヘッドのノズル面(即ち、インクが吐出される面)に付着したインクの除去性と、が両立されると考えられる。
本開示において、インクジェットヘッドのノズル面からインクを除去する方法としては、液体を用いて除去する方法、布、紙、ワイパーブレード等によって除去する方法、これらを組み合わせた方法、等が挙げられる。
いずれの方法でインクを除去する場合においても、上述したインクの除去性向上の効果が発揮される。
インクジェットヘッドのノズル面からインクを除去する方法の好ましい態様については後述する。
以下、本開示のインクに含有され得る各成分について説明する。
<水(A)>
本開示のインクは、水(A)を含有する。
即ち、本開示のインクは、いわゆる水系のインクである。
水(A)の含有量は、インクの全量に対し、好ましくは50質量%以上であり、より好ましくは60質量%以上である。
水(A)の含有量の上限は、他の成分の含有量に応じて適宜定まる。水(A)の含有量の上限としては、例えば、90質量%、80質量%等が挙げられる。
<樹脂(B)>
本開示のインクは、樹脂(B)を含有する。
ここで、樹脂(B)は、インクに含有される樹脂成分全体を意味する。
樹脂(B)の種類には特に制限はない。
樹脂(B)としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、オレフィン樹脂等が挙げられる。
本開示において、アクリル樹脂とは、アクリル酸、アクリル酸の誘導体(例えば、アクリル酸エステル等)、メタクリル酸、及びメタクリル酸の誘導体(例えば、メタクリル酸エステル等)からなる群から選択される少なくとも1種を含む原料モノマーの重合体(単独重合体又は共重合体)を意味する。
また、本開示において、ポリエステル樹脂とは、主鎖にエステル結合を含む高分子化合物を意味する。ポリエステル樹脂としては、多価カルボン酸(例えばジカルボン酸)とポリアルコール(例えばジオール)との重縮合物が挙げられる。
また、本開示において、ウレタン樹脂とは、主鎖にウレタン結合を含む高分子化合物を意味する。
また、本開示において、オレフィン樹脂とは、オレフィンを含む原料モノマーの重合体(単独重合体又は共重合体)を意味する。オレフィン樹脂としては、1種のオレフィンの重合体、2種以上のオレフィンの共重合体、1種以上のオレフィンと1種以上のその他のモノマーとの共重合体、等が挙げられる。オレフィンとしては、炭素数2〜30のα−オレフィンが挙げられる。
樹脂(B)の重量平均分子量(Mw)としては、3000〜500000が好ましく、3000〜200000がより好ましく、3000〜100000が更に好ましく、5000〜80000が更に好ましく、8000〜60000が更に好ましい。
アクリル樹脂の重量平均分子量(Mw)としては、3000〜100000が好ましく、5000〜80000がより好ましく、8000〜60000が更に好ましい。
ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)としては、3000〜200000が好ましく、4000〜150000がより好ましく、5000〜100000が更に好ましい。
ウレタン樹脂の重量平均分子量(Mw)としては、3000〜500000が好ましく、4000〜300000がより好ましく、5000〜200000が更に好ましい。
オレフィン樹脂の重量平均分子量(Mw)としては、3000〜100000が好ましく、3000〜50000がより好ましく、7000〜20000が更に好ましい。
本開示において、重量平均分子量(Mw)は、特別な記載がない限り、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定された値を意味する。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による測定は、測定装置として、HLC(登録商標)−8020GPC(東ソー(株))を用い、カラムとして、TSKgel(登録商標)Super Multipore HZ−H(4.6mmID×15cm、東ソー(株))を3本用い、溶離液として、THF(テトラヒドロフラン)を用いる。また、測定条件としては、試料濃度を0.45質量%、流速を0.35ml/min、サンプル注入量を10μl、及び測定温度を40℃とし、RI検出器を用いて行う。
検量線は、東ソー(株)の「標準試料TSK standard,polystyrene」:「F−40」、「F−20」、「F−4」、「F−1」、「A−5000」、「A−2500」、「A−1000」、及び「n−プロピルベンゼン」の8サンプルから作製する。
樹脂(B)の具体的な形態としては、樹脂からなる粒子である樹脂粒子;顔料の少なくとも一部を被覆して顔料を分散させるための顔料分散樹脂;等が挙げられる。
樹脂(B)は、樹脂粒子を少なくとも1種含むことが好ましい。
樹脂(B)が樹脂粒子を含む場合には、ノズル面からのインクの除去性がより向上する。この理由は、樹脂(B)が樹脂粒子を含む場合には、ノズル面におけるインクの造膜性が過度となることによるインクの固着が抑制されるためと考えられる。
樹脂(B)が樹脂粒子を含む場合、樹脂(B)は、更に、顔料分散樹脂を少なくとも1種含んでもよい。
樹脂(B)が樹脂粒子を含む場合、樹脂(B)中に占める樹脂粒子の割合は、50質量%超が好ましく、60質量%以上がより好ましく、80質量%以上が更に好ましい。
樹脂粒子に含まれる樹脂は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
樹脂(B)に含まれ得る樹脂粒子は、樹脂(B)中の主たる樹脂(即ち、樹脂(B)中、含有質量が最大である樹脂)を含むことが好ましい。
樹脂粒子に含まれる樹脂は、水不溶性の樹脂であることが好ましい。
本開示において、水不溶性の樹脂における「水不溶性」とは、25℃の水100gに対する溶解量が1.0g未満(より好ましくは0.5g未満)である性質を指す。
樹脂粒子の体積平均粒径は、1nm〜300nmであることが好ましく、3nm〜200nmであることがより好ましく、5nm〜150nmであることが更に好ましい。
本開示において、体積平均粒径は、レーザー回折・散乱式粒度分布計により測定された値を意味する。
測定装置としては、例えば、粒度分布測定装置「マイクロトラックMT−3300II」(日機装(株)製)が挙げられる。
樹脂粒子については、例えば、アクリル樹脂からなる粒子の例として、国際公開第2017/163738号の段落0137〜0171、及び特開2010−077218号公報の段落0036〜0081の記載を参照してもよい。
樹脂粒子に含まれる樹脂のガラス転移温度(Tg)は、得られる画像の密着性を向上する観点から、100℃以下が好ましく、75℃以下がより好ましい。
本開示において、樹脂のガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)を用いて測定された値を意味する。
ガラス転移温度の具体的な測定は、JIS K 7121(1987年)又はJIS K 6240(2011年)に記載の方法に順じて行う。
本開示におけるガラス転移温度は、補外ガラス転移開始温度(以下、Tigと称することがある)である。
ガラス転移温度の測定方法をより具体的に説明する。
ガラス転移温度を求める場合、予想される樹脂のガラス転移温度より約50℃低い温度にて装置が安定するまで保持した後、加熱速度:20℃/分で、ガラス転移が終了した温度よりも約30℃高い温度まで加熱し、示差熱分析(DTA)曲線又はDSC曲線を作成する。
補外ガラス転移開始温度(Tig)、すなわち、本開示におけるガラス転移温度は、DTA曲線又はDSC曲線における低温側のベースラインを高温側に延長した直線と、ガラス転移の階段状変化部分の曲線の勾配が最大になる点で引いた接線との交点の温度として求める。
また、樹脂粒子が樹脂を2種以上含む場合には、樹脂粒子のガラス転移温度(Tg)は、個々の樹脂のガラス転移温度の加重平均値を意味する。
樹脂粒子に含まれる樹脂は、脂環式構造又は芳香環式構造を有することが好ましく、芳香環式構造を有することがより好ましい。
脂環式構造としては、炭素数5〜10の脂環式炭化水素構造が好ましく、シクロヘキサン環構造、ジシクロペンタニル環構造、ジシクロペンテニル環構造、又は、アダマンタン環構造が好ましい。
芳香環式構造としては、ナフタレン環又はベンゼン環が好ましく、ベンゼン環がより好ましい。
脂環式構造又は芳香環式構造の量としては、例えば、樹脂粒子に含まれる樹脂100gあたり0.01mol〜1.5molであることが好ましく、0.1mol〜1molであることがより好ましい。
樹脂粒子に含まれる樹脂は、樹脂粒子の水分散性をより向上させる観点から、構造中にイオン性基を有することが好ましい。
イオン性基としては、アニオン性基であってもカチオン性基であってもよいが、導入の容易性の観点から、アニオン性基が好ましい。
アニオン性基としては、特に限定されないが、カルボキシ基、又は、スルホ基であることが好ましく、スルホ基であることがより好ましい。
イオン性基の量としては、例えば樹脂粒子に含まれる樹脂100gあたり0.001mol〜1.0molであることが好ましく、0.01mol〜0.5molであることがより好ましい。
インク全体に対する樹脂(B)の合計含有量は、好ましくは0.5質量%〜10.0質量%であり、より好ましくは1.0質量%〜8.0質量%であり、更に好ましくは2.5質量%〜7.0質量%である。
樹脂(B)中の主たる樹脂のSP値(即ち、SPB)は、式(C1)を満足すればよく、その他には特に制限はない。
SPBは、好ましくは10.0〜30.0である。
SPBは、より好ましくは26.0以下であり、更に好ましくは22.0以下である。
SPBは、より好ましくは15.0以上であり、更に好ましくは18.0以上である。
<有機溶剤(C)>
本開示のインクは、有機溶剤(C)を含有する。
有機溶剤(C)は、沸点が250℃以下であり、窒素原子を含み、前述した式(C1)(即ち、|SPC−SPB|≦10.0)を満足する有機溶剤である。
本開示のインクは、有機溶剤(C)を、1種のみ含有してもよいし、2種以上含有してもよい。
本開示において、「沸点」は、1気圧(101325Pa)下での沸点を意味する。
有機溶剤(C)の沸点が250℃以下であることは、画像の乾燥性向上に寄与し、ひいては画像の耐擦性向上(即ち、画像の乾燥不足に起因する耐擦性低下の抑制)に寄与する。
有機溶剤(C)の沸点は、画像の乾燥性及び耐擦性をより向上させる観点から、好ましくは200℃以下であり、より好ましくは170℃以下であり、更に好ましくは160℃以下であり、更に好ましくは150℃以下である。
有機溶剤(C)の沸点の下限には特に限定はない。
有機溶剤(C)の沸点の好ましい下限として、例えば、100℃、110℃、120℃、130℃等が挙げられる。
SPCは、式(C1)(即ち、|SPC−SPB|≦10.0)を満足すればよく、その他には特に制限はない。即ち、有機溶剤(C)は、樹脂(B)中の主たる樹脂のSP値(即ち、SPB)を考慮して適宜選択できる。
SPCは、好ましくは10.0〜30.0である。
SPCが30.0以下である場合には、画像の耐擦性がより向上する。SPCは、より好ましくは28.0以下であり、更に好ましくは26.0以下であり、更に好ましくは25.0以下である。
SPCが10.0以上である場合には、有機溶剤(C)の選択の幅がより広い。SPCは、より好ましくは15.0以上であり、更に好ましくは17.5以上であり、更に好ましくは20.0以上であり、更に好ましくは23.0以上である。
前述のとおり、|SPC−SPB|は、|SPC−SPB|≦10.0(即ち、式(C1))を満足する。言い換えれば、|SPC−SPB|は、10.0以下である。これにより、画像の耐擦性が向上する。
画像の耐擦性をより向上させる観点から、|SPC−SPB|は、7.0以下であることが好ましく、6.0以下であることがより好ましく、5.0以下であることが更に好ましい。
|SPC−SPB|の下限には特に制限はない。即ち、|SPC−SPB|は、0であってもよい。
有機溶剤(C)としては、沸点が250℃以下であり、窒素原子を含み、式(C1)を満足すること以外には特に制限はない。
有機溶剤(C)の具体例は、樹脂(B)中の主たる樹脂のSP値(SPB)にもよるが、例えば、ジメチルアミノエタノール(DMAE)(沸点及びSP値は後述の実施例参照)、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール(AMP)(沸点及びSP値は後述の実施例参照)、2−ピロリドン(2P)(沸点及びSP値は後述の実施例参照)、N−メチル−2−ピロリドン(沸点:202℃、SP値:23.6MPa1/2)、N−エチル−2−ピロリドン(沸点:218℃、SP値:22.4MPa1/2)、等が挙げられる。
有機溶剤(C)は、更に、水酸基を含むことが好ましい。
有機溶剤(C)が水酸基を含む場合には、ノズル面からのインクの除去性がより向上する。かかる効果が奏される理由は、有機溶剤(C)の保湿作用がより高められるためと考えられる。
水酸基を含む有機溶剤(C)としては、例えば、ジメチルアミノエタノール(DMAE)、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール(AMP)、等が挙げられる。
前述のとおり、本開示のインクにおいて、含有質量比〔有機溶剤(C)/樹脂(B)中の主たる樹脂〕は、0.01以上2.0未満である。
これにより、画像の耐擦性が向上し、かつ、ノズル面からのインクの除去性が向上する。
詳細には、本開示のインクでは、含有質量比〔有機溶剤(C)/樹脂(B)中の主たる樹脂〕が0.01以上であることにより、有機溶剤(C)による以下の作用が効果的に発揮され、これにより、画像の耐擦性が向上し、かつ、ノズル面からのインクの除去性が向上する。
有機溶剤(C)による1つ目の作用は、式(C1)を満足することに起因するインクの造膜性向上の作用である。かかる作用は、画像の耐擦性向上に寄与する。
有機溶剤(C)による2つ目の作用は、窒素原子を含むことに起因する保湿作用である。かかる作用は、ノズル面からのインクの除去性向上に寄与する。
有機溶剤(C)による3つ目の効果は、沸点が250℃以下であることに起因する、インクの乾燥性向上の作用である。かかる作用は、画像の耐擦性向上に寄与する。即ち、インクの乾燥性が向上することにより、画像中での有機溶剤(C)の残存に起因する画像の耐擦性の低下が抑制される。
画像の耐擦性及びノズル面からのインクの除去性をより向上させる観点から、含有質量比〔有機溶剤(C)/樹脂(B)中の主たる樹脂〕は、好ましくは0.02以上であり、より好ましくは0.10以上である。
本開示のインクでは、含有質量比〔有機溶剤(C)/樹脂(B)中の主たる樹脂〕が2.0未満であることにより、画像の耐擦性が向上し、かつ、ノズル面からのインクの除去性が向上する。
詳細には、含有質量比〔有機溶剤(C)/樹脂(B)中の主たる樹脂〕が2.0未満であることにより、画像中での有機溶剤(C)の残存に起因する画像の耐擦性の低下が抑制され、かつ、インクの造膜性が過度となることによる、ノズル面からのインクの除去性の低下も抑制される。
画像の耐擦性、及び、ノズル面からのインクの除去性をより向上させる観点から、含有質量比〔有機溶剤(C)/樹脂(B)中の主たる樹脂〕は、好ましくは1.9以下(即ち、0.01以上1.9以下)であり、より好ましくは1.5以上(即ち、0.01以上1.5以下)であり、更に好ましくは1.0以下(即ち、0.01以上1.0以下)である。
有機溶剤(C)の含有量は、インクの全量に対し、好ましくは0.01質量%〜10質量%である。
インクの全量に対する有機溶剤(C)の含有量が上記範囲であると、画像の耐擦性及びノズル面からのインクの除去性がより向上する。
インクの全量に対する有機溶剤(C)の含有量は、より好ましくは0.05質量%〜7.0質量%であり、更に好ましくは0.1質量%〜5.0質量%である。
<有機溶剤(D)>
本開示のインクは、更に、窒素原子を含まず、下記式(D1)を満足する有機溶剤(D)を含有することが好ましい。
|SPD−SPCM|≦5.0 … 式(D1)
式(D1)中、SPCMは、有機溶剤(C)中の主たる有機溶剤のMPa1/2単位でのSP値を表し、SPDは、有機溶剤(D)のMPa1/2単位でのSP値を表し、|SPD−SPCM|は、SPDとSPCMとの差の絶対値を表す。
ここで、「有機溶剤(C)中の主たる有機溶剤」とは、インク中に含有される全ての有機溶剤(C)のうち、インク全体に対する含有質量が最大である有機溶剤を意味する。
有機溶剤(C)中の主たる有機溶剤は、1種には限られず、2種以上であってもよい。
例えば、有機溶剤(C)が、有機溶剤X、有機溶剤Y、及び有機溶剤Zからなり、かつ、有機溶剤X及び有機溶剤Yの含有質量が等しく、これら有機溶剤X及び有機溶剤Yの各々の含有質量が、有機溶剤Zの含有質量よりも大きい場合には、有機溶剤(C)中の主たる有機溶剤は、有機溶剤X及び有機溶剤Yの2種となる。有機溶剤(C)中の主たる有機溶剤が2種以上である場合、有機溶剤(D)は、全ての主たる有機溶剤に対して式(D1)を満足し、かつ、窒素原子を含まない有機溶剤である。
式(D1)は、有機溶剤(C)の主たる有機溶剤と有機溶剤(D)との相溶性が高いことを意味している。
本開示のインクが有機溶剤(D)を含有する場合には、ノズル面からのインクの除去性がより向上する。
この理由は、相溶性が高い、有機溶剤(C)の主たる有機溶剤及び有機溶剤(D)により、ノズル面でのインクの急激な乾燥が抑制され、かかる急激な乾燥に起因する上記除去性の低下が抑制されるためと考えられる。
本開示のインクが有機溶剤(D)を含有する場合、含有される有機溶剤(D)は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
有機溶剤(D)の沸点は、画像の乾燥性及び耐擦性をより向上させる観点から、この膜しく250℃以下であり、より好ましくは200℃以下である。
有機溶剤(D)の沸点の下限には特に限定はない。
有機溶剤(D)の沸点の好ましい下限として、例えば、100℃、110℃、120℃、130℃等が挙げられる。
ノズル面からのインクの除去性をより向上させる観点から、有機溶剤(D)は、グリコール化合物、グリコールモノエーテル化合物、及び炭素数5以上のモノアルコール化合物からなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
この場合、有機溶剤(D)中に占めるグリコール化合物、グリコールモノエーテル化合物、及び炭素数5以上のモノアルコール化合物の合計の割合は、50質量%〜100質量%が好ましく、60質量%〜100質量%がより好ましく、80質量%〜100質量%が更に好ましい。
有機溶剤(D)としてのグリコール化合物としては、有機溶剤(C)の種類にもよるが、ジプロピレングリコール(沸点232℃、28.1MPa1/2)、1,2−ヘキサンジオール(沸点223℃、27.1MPa1/2)、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール(沸点244℃、25.9MPa1/2)、トリエチレングリコール(沸点285℃、28.9MPa1/2)、等が挙げられる。
有機溶剤(D)としてのグリコールモノエーテル化合物としては、有機溶剤(C)の種類にもよるが、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(沸点230℃、21.5MPa1/2)、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(沸点202℃、22.8MPa1/2)、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点188℃、22.1MPa1/2)、エチレングリコールモノブチルエーテル(沸点171℃、SP値21.8MPa1/2)プロピレングリコールモノブチルエーテル(沸点170℃、21.1MPa1/2)、エチレングリコールモノプロピルエーテル(沸点151℃、SP値22.6MPa1/2)、プロピレングリコールモノプロピルエーテル(沸点149℃、21.7MPa1/2)、プロピレングリコールモノエチルエーテル(沸点132℃、SP値22.5MPa1/2)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点120℃、23.6MPa1/2)、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点243℃、20.4MPa1/2)
、等が挙げられる。
有機溶剤(D)としての炭素数5以上のモノアルコール化合物としては、有機溶剤(C)の種類にもよるが、2−エチル−1−ヘキサノール(沸点187℃、19.7MPa1/2)、1−オクタノール(沸点196℃、SP値19.8MPa1/2)、2−オクタノール(沸点179℃、SP値20.1MPa1/2)、2−プロピル−1−ヘキサノール(沸点193℃、SP値19.4MPa1/2)、1−ペンタノール(沸点137℃、SP値21.4MPa1/2)、1−ヘキサノール(沸点157℃、SP値20.7MPa1/2)、1−デカノール(沸点230℃、SP値19.2MPa1/2)、等が挙げられる。
有機溶剤(D)としての炭素数5以上のモノアルコール化合物の炭素数は、好ましくは5〜10であり、より好ましくは6〜10であり、更に好ましくは7〜10であり、更に好ましくは8又は9である。
ノズル面からのインクの除去性を更に向上させる観点から、有機溶剤(D)は、グリコールモノエーテル化合物及び炭素数5以上のモノアルコール化合物からなる群から選択される少なくとも1種を含むことが更に好ましい。
この場合、有機溶剤(D)中に占めるグリコールモノエーテル化合物及び炭素数5以上のモノアルコール化合物の合計の割合は、50質量%〜100質量%が好ましく、60質量%〜100質量%がより好ましく、80質量%〜100質量%が更に好ましい。
有機溶剤(D)の合計含有量は、インクの全量に対し、好ましくは0.01質量%〜5.0質量%である。
有機溶剤(D)の合計含有量が0.01質量%以上であることにより、ノズル面からのインクの除去性がより向上する。有機溶剤(D)の合計含有量は、好ましくは0.05質量%以上であり、より好ましくは0.1質量%以上であり、更に好ましくは0.5質量%以上である。
有機溶剤(D)の合計含有量が5.0質量%以下であることにより、画像の乾燥性及び画像の耐擦性が向上する。有機溶剤(D)の合計含有量は、好ましくは4.0質量%以下であり、更に好ましくは3.0質量%以下であり、更に好ましくは2.0質量%以下である。
<その他の有機溶剤>
本開示のインクは、有機溶剤(C)及び有機溶剤(D)以外のその他の有機溶剤(以下、有機溶剤(E)ともいう)を少なくとも1種含有していてもよい。
有機溶剤(E)としては、水溶性有機溶剤が好ましい。
インクが、有機溶剤(E)として水溶性有機溶剤を含有する場合には、インクジェットヘッドからの吐出性がより向上する。
本開示において、「水溶性」とは、25℃の水100gに対して1g以上(好ましくは3g以上、より好ましくは10g以上)溶解する性質を意味する。
インクの乾燥性をより向上させる観点から、有機溶剤(E)の沸点は、250℃以下であることが好ましい。
有機溶剤(E)の沸点は、好ましくは200℃以下である。
有機溶剤(E)の沸点の下限には特に限定はない。
有機溶剤(E)の沸点の好ましい下限として、例えば、100℃、110℃、120℃、130℃等が挙げられる。
有機溶剤(E)は、インクの吐出性をより向上させる観点から、下記式(E1)を満足することが好ましい。
|SPE−SPB|>10.0 … 式(E1)
式(E1)中、SPBは、樹脂(B)中の主たる樹脂のMPa1/2単位でのSP値を表し、SPEは、有機溶剤(E)のMPa1/2単位でのSP値を表し、|SPE−SPB|は、SPEとSPBとの差の絶対値を表す。
前述のとおり、|SPE−SPB|は、|SPE−SPB|>10.0(即ち、式(E1))を満足する。言い換えれば、|SPE−SPB|は、10.0超である。これにより、インクの吐出性がより向上する。
SPE及びSPBは、SPEからSPBを差し引いた値(即ち、SPE−SPB)が、10.0超であることが好ましい。
SPEは、好ましくは30.0以上である。
SPEが30.0以上である場合には、式(E1)を満足させ易い。
SPEは、好ましくは50.0以下であり、より好ましくは40.0以下である。
また、インクの吐出性をより向上させる観点から、有機溶剤(E)は、グリコール化合物からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
有機溶剤(E)としてのグリコール化合物としては、プロピレングリコール(沸点188℃、35.1MPa1/2)、ジエチレングリコール(沸点245℃、32.3MPa1/2)、等が挙げられる。
なお、前述した有機溶剤(D)としてのグリコール化合物として例示した化合物であっても、式(E1)を満足する場合には、有機溶剤(E)としてのグリコール化合物として用いることができる場合がある。
また、インクが有機溶剤(E)を含有する場合において、有機溶剤(E)の合計含有量は、インクの全量に対し、好ましくは5質量%〜40質量%である。
有機溶剤(E)の合計含有量が5質量%以上である場合には、インクの吐出性がより向上する。インクの吐出性をより向上させる観点から、有機溶剤(E)の合計含有量は、より好ましくは10質量%以上であり、更に好ましくは15質量%以上であり、更に好ましくは20質量%以上である。
有機溶剤(E)の合計含有量が40質量%以下である場合には、画像の乾燥性がより向上する。画像の乾燥性をより向上させる観点から、有機溶剤(E)の合計含有量は、より好ましくは35質量%以下であり、更に好ましくは30質量%以下である。
<着色剤>
本開示のインクは、更に、着色剤を含有してもよい。
着色剤としては、有機顔料、無機顔料、染料等が挙げられる。
有機顔料としては、例えば、アゾ顔料、多環式顔料、染料キレート、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、等が挙げられる。
無機顔料としては、例えば、白色無機顔料、酸化鉄、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエロー、カーボンブラック、等が挙げられる。
着色剤としては、特開2009−241586号公報の段落0096〜0100に記載の着色剤が好ましく挙げられる。
着色剤は、白色無機顔料を含むことが好ましい。この場合のインクは、例えば、白色インクとして好適に用いることができる。また、インクが、着色剤として、白色無機顔料と、白色以外の色の顔料と、を含むことにより、白色に対し有彩色の色味が加わったインクとして用いることもできる。
白色無機顔料としては、例えば、二酸化チタン(TiO2)、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、シリカ、酸化亜鉛、硫化亜鉛、マイカ、タルク、パール等が挙げられる。白色無機顔料の中でも、二酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、又は酸化亜鉛が好ましく、二酸化チタンがより好ましい。
白色無機顔料を含有する態様のインクには、このインクによる画像(例えば白色画像)によって、下地(例えば、非浸透性基材、非浸透性基材上に記録された有彩色の画像、等)を覆い隠す性質(以下、「隠蔽性」ともいう)が要求される場合がある。
上記隠蔽性を高めるために、白色無機顔料として、粒子径が大きい(例えば、平均一次粒子径として150nm以上)白色無機顔料を選択する場合があり、また、インク中における白色無機顔料の含有量を多くする(例えば3質量%以上とする)場合がある。
このような場合には、インクを顔料ごと造膜させるために、インク中の樹脂(B)に対し、より高い造膜性が要求される場合がある。
本開示のインクは、かかる要求も満足する。
白色無機顔料の平均一次粒子径は、例えば150nm〜400nmである。
平均一次粒子径が150nm以上であると、隠蔽性がより向上する。また、平均一次粒子径が400nm以下であると、インクの吐出性がより向上する。
白色無機顔料の平均一次粒子径としては、250nm〜350nmが好ましく、250nm〜300nmがより好ましい。
白色無機顔料の平均一次粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて測定される値である。測定には、日本電子株式会社製の透過型電子顕微鏡1200EXを用いることができる。
具体的には、カーボン膜を貼り付けたCu200メッシュ(日本電子株式会社製)に、1,000倍に希釈したインクを滴下し乾燥させた後、TEMで10万倍に拡大した画像から、重なっていない独立した粒子300個の円相当径を測定し、得られた測定値を単純平均した値を、平均一次粒子径とする。
白色無機顔料の含有量は、インク全量に対し、1質量%〜20質量%が好ましく、3質量%〜17質量%がより好ましく、5質量%〜15質量%が更に好ましい。
白色無機顔料の含有量が1質量%以上であると、隠蔽性がより向上する。
また、白色無機顔料の含有量が20質量%以下であると、画像の耐擦性がより向上する。
<その他の成分>
本開示のインクは、上記以外のその他の成分を含有してもよい。
その他の成分としては、界面活性剤、ワックス、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤(有機塩基、無機アルカリ等の中和剤)、消泡剤、粘度調整剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等が挙げられる。
<インクの好ましい物性>
本開示のインクの粘度は、1.2mPa・s以上15.0mPa・s以下であることが好ましく、2mPa・s以上13mPa・s未満であることがより好ましく、2.5mPa・s以上10mPa・s未満であることが好ましい。
粘度は、粘度計を用い、25℃で測定される値である。
粘度計としては、例えば、VISCOMETER TV−22型粘度計(東機産業(株)製)を用いることができる。
本開示のインクの表面張力は、25mN/m以上40mN/m以下が好ましく、27mN/m以上37mN/m以下がより好ましい。
表面張力は、25℃の温度下で測定される値である。
表面張力の測定は、例えば、Automatic Surface Tentiometer CBVP−Z(共和界面科学(株)製)を用いて行うことができる。
本開示のインクの25℃におけるpHは、分散安定性の観点から、pH6〜11が好ましく、pH7〜10がより好ましく、pH7〜9が更に好ましい。
インクの25℃におけるpHは、市販のpHメーターを用いて測定する。
〔画像記録方法〕
本開示の画像記録方法は、
上述した本開示のインクをインクジェットヘッドから吐出することにより、非浸透性基材上に上記インクを付与して画像を記録する工程(以下、「画像記録工程」ともいう)と、
インクジェットヘッドにおけるインクの吐出面(即ち、ノズル面)に付着したインクを除去する工程(以下、「インク除去工程」ともいう)と、を含む。
本開示の画像記録方法は、必要に応じ、その他の工程を含んでいてもよい。
また、画像記録工程において、本開示のインクは、非浸透性基材の表面に直接付与されることには限定されない。本開示のインクは、例えば、非浸透性基材上に記録された他の画像上、非浸透性基材上に付与された他の液体(例えば、処理液)上に付与されてもよい。
本開示の画像記録方法は、本開示のインクを用いた画像記録方法である。
従って、本開示の画像記録方法によれば、非浸透性基材上に記録される画像の耐擦性と、インクジェットヘッドのノズル面に付着したインクの除去性と、が両立される。
<非浸透性基材>
本開示の画像記録方法では、非浸透性基材が用いられる。
非浸透性基材とは、ASTM試験法のASTM D570で吸水率(質量%、24hr.)が0.2未満である基材を指す。
非浸透性基材としては特に制限はないが、樹脂基材が好ましい。
樹脂基材としては、特に制限はなく、例えば熱可塑性樹脂の基材が挙げられる。
樹脂基材としては、例えば、熱可塑性樹脂を、シート状又はフィルム状に成形した基材が挙げられる。
樹脂基材としては、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリエチレン、又はポリイミドを含む基材が好ましい。
樹脂基材は、透明な樹脂基材であっても、着色された樹脂基材であってもよい。
ここで、透明とは、波長400nm〜700nmの可視光の透過率が、80%以上(好ましくは90%以上)であることを意味する。
樹脂基材の形状は、特に限定されないが、シート状の樹脂基材であることが好ましく、被記録媒体の生産性の観点から、巻き取りによってロールを形成可能なシート状の樹脂基材であることがより好ましい。
樹脂基材の厚さとしては、10μm〜200μmが好ましく、10μm〜100μmがより好ましい。
樹脂基材は、表面エネルギーを向上させる観点から、表面処理がなされていてもよい。
表面処理としては、コロナ処理、プラズマ処理、フレーム処理、熱処理、摩耗処理、光照射処理(UV処理)、火炎処理等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
<画像記録工程>
画像記録工程は、上述した本開示のインクをインクジェットヘッドから吐出することにより、非浸透性基材上に上記インクを付与して画像を記録する工程である。
インクジェットヘッドからのインクの吐出方式としては、例えば、静電誘引力を利用してインクを吐出させる電荷制御方式、ピエゾ素子の振動圧力を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式)、電気信号を音響ビームに変えインクに照射して放射圧を利用してインクを吐出させる音響インクジェット方式、インクを加熱して気泡を形成し、生じた圧力を利用するサーマルインクジェット(バブルジェット(登録商標))方式等を適用できる。
また、インクジェットヘッドからのインクの吐出方式として、例えば、特開昭54−59936号公報に記載の方法で、熱エネルギーの作用を受けたインクが急激な体積変化を生じ、この状態変化による作用力によって、インクをノズルから吐出させる方式も適用できる。
また、インクジェットヘッドからのインクの吐出方式として、特開2003−306623号公報の段落番号0093〜0105に記載の方式も適用できる。
インクジェットヘッドの方式としては、短尺のシリアルヘッドを、被記録媒体としての非浸透性基材の幅方向に走査させながら記録を行なうシャトル方式と、非浸透性基材の1辺の全域に対応して記録素子が配列されているラインヘッドを用いたライン方式と、がある。
ライン方式では、記録素子の配列方向と交差する方向に非浸透性基材を走査させることで非浸透性基材の全面に画像記録を行なうことができる。ライン方式では、シャトル方式における、短尺ヘッドを走査するキャリッジ等の搬送系が不要となる。また、ライン方式では、シャトル方式と比較して、キャリッジの移動と非浸透性基材との複雑な走査制御が不要になり、非浸透性基材だけが移動する。このため、ライン方式によれば、シャトル方式と比較して、画像記録の高速化が実現される。
インクの付与は、300dpi以上(より好ましくは600dpi、更に好ましくは800dpi)の解像度を有するインクジェットヘッドを用いて行うことが好ましい。ここで、dpiは、dot per inchの略であり、1inch(1インチ)は2.54cmである。
インクジェットヘッドのノズルから吐出されるインクの液滴量としては、高精細な画像を得る観点から、1pL(ピコリットル)〜10pLが好ましく、1.5pL〜6pLがより好ましい。
また、画像のムラ、連続階調のつながりを改良する観点から、異なる液適量を組み合わせて吐出することも有効である。
画像記録工程では、非浸透性基材上に付与されたインクを加熱乾燥させて画像を得てもよい。
加熱乾燥を行うための手段としては、ヒータ等の公知の加熱手段、ドライヤ等の公知の送風手段、及び、これらを組み合わせた手段が挙げられる。
インクの加熱乾燥を行うための方法としては、例えば、非浸透性基材のインクが付与された面とは反対側からヒータ等で熱を与える方法、非浸透性基材のインクが付与された面に温風又は熱風をあてる方法、非浸透性基材のインクが付与された面又はインクが付与された面とは反対側から、赤外線ヒータで熱を与える方法、これらの複数を組み合わせた方法、等が挙げられる。
加熱乾燥時の加熱温度は、55℃以上が好ましく、60℃以上がより好ましく、65℃以上が特に好ましい。加熱温度の上限には特に制限はないが、上限としては、例えば100℃が挙げられ、90℃が好ましい。
インクの加熱乾燥の時間には特に制限はないが、3秒〜60秒が好ましく、5秒〜60秒がより好ましく、10秒〜45秒が特に好ましい。
また、インクの付与前に、あらかじめ非浸透性基材を加熱してもよい。
加熱温度としては、適宜設定すればよいが、非浸透性基材の温度を20℃〜50℃とすることが好ましく、25℃〜40℃とすることがより好ましい。
画像記録工程では、本開示のインクに該当する2種以上のインクを付与して画像を形成してもよい。この場合の2種以上のインクとしては、例えば、白色無機顔料を含有する第1インクと、白色無機顔料を含有せずに白色以外の色の着色剤を含有する第2インクと、を用いることができる。この場合のより具体的な態様として、まず、非浸透性基材としての透明な樹脂基材上に、第2インクによって文字、図形等の画像を記録し、次いで、第1インクによる画像(例えばベタ画像(solid image))を、第2インクによる画像及び非浸透性基材の画像非形成領域を覆うようにして記録する態様が挙げられる。この場合、第2インクによる、文字、図形等の画像は、非浸透性基材のウラ面(即ち、画像が形成される面とは反対側の面)側から、非浸透性基材と通して視認する。
また、本開示の画像記録方法は、本開示のインクを用いた上記画像記録工程(以下、「第1画像記録工程」ともいう)と、本開示のインクに該当しないインクを用いた第2画像記録工程と、を含んでいてもよい。
この場合の具体的な態様としては、本開示のインクとして、白色無機顔料を含有するインクAを用い、かつ、本開示のインクに該当しないインクとして、白色無機顔料を含有せずに白色以外の色の着色剤を含有するインクBを用いる態様が挙げられる。この場合のより具体的な態様として、まず、第2画像記録工程を実施することにより、非浸透性基材としての透明な樹脂基材上に、インクBによって文字、図形等の画像を記録し、次いで、第1画像記録工程を実施することにより、インクAによる画像(例えばベタ画像)を、第2インクによる画像及び非浸透性基材の画像非形成領域を覆うようにして記録する態様が挙げられる。この場合、インクBによる、文字、図形等の画像は、非浸透性基材のウラ面(即ち、画像が形成される面とは反対側の面)側から、非浸透性基材越しに視認する。
インクBとしては、インクAと同様に、水系のインクを用いることが好ましい。インクBの具体的態様として、白色無機顔料及び有機溶剤(C)を含有しないこと以外は本開示のインクと同様のインクが挙げられる。
<インク除去工程>
インク除去工程は、インクジェットヘッドにおけるインクの吐出面(即ち、インクジェットヘッドのノズル面)に付着したインクを除去する工程である。
インク除去工程において、インクジェットヘッドのノズル面からインクを除去する方法としては、液体を用いて除去する方法、布、紙、ワイパーブレード等によって除去する方法、これらを組み合わせた方法、等が挙げられる。
ノズル面からインクを除去するための液体としては、水を含有する液体が挙げられ、より具体的には、水、水溶性有機溶剤、水と水溶性有機溶剤とを含む混合液、等が挙げられる。
水と水溶性有機溶剤とを含む混合液としては、水と水溶性有機溶剤と界面活性剤とを含むインクジェットヘッド用メンテナンス液(例えば、特許第5819206号公報に記載のインクジェット記録用メンテナンス液)が挙げられる。
ノズル面からインクを、液体を用いて除去する場合、好ましくは、ノズル面に液体を付与する。
ノズル面への液体の付与量は、例えば1g/m2〜100g/m2である。
ノズル面への液体の付与は、例えば、インクジェット法による吐出、ローラを用いた塗布、噴霧等によって行うことができる。
また、ノズル面への液体の付与の方法としては、例えば特開2011−73295号及び特開2011−73339号等の公報に記載の水頭差を利用した方法を適用してもよい。
ノズル面からインクを除去するための好ましい除去方法としては、ワイパーブレードを用いてノズル面を擦って(ワイピングして)インクを掻き落とす方法;風圧又は液圧等によってインクを取り除く方法;布又は紙によってインクを払拭する方法;等が挙げられる。これらの方法は、ノズル面に液体を付与して行ってもよい。
中でも、布又は紙によってインクを払拭する方法が好ましい。
布又は紙によってインクを払拭する方法としては、例えば、特開2010−241127号公報により、払拭部材の交換頻度を低減し装置をコンパクトにする方法を適用してもよい。
ワイパーブレードの材質としては、弾性を有するゴムが好ましい。
具体的な材質としては、ブチルゴム、クロプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、ニトリルゴム等が挙げられる。ワイパーブレードの撥インク性の観点から、フッ素樹脂等によりコーティングを施したワイパーブレードを用いてもよい。
<処理液を付与する工程>
本開示の画像記録方法は、上述した画像記録工程の前に、非浸透性基材上に、インク中の成分を凝集させる凝集剤を含有する処理液を付与する工程(以下、「処理液付与工程」ともいう)を含んでいてもよい。
この場合、画像記録工程では、非浸透性基材の処理液が付与された面の少なくとも一部の上に、上述した本開示のインクを付与して画像を記録する。
本開示の画像記録方法が、上述した第1画像記録工程及び第2画像記録工程を含み、かつ、処理液付与工程を含む場合には、処理液付与工程、第2画像記録工程、及び第1画像記録工程の順に実施されることが好ましい。
本開示の画像記録方法が処理液付与工程を含む場合、凝集剤が、非浸透性基材上でインク中の成分(例えば、樹脂(B)等)を凝集させる。これにより、画像記録の高速化が実現される。更に、画像の耐擦性がより向上する。
非浸透性基材への処理液の付与は、塗布法、インクジェット法、浸漬法などの公知の方法を適用して行うことができる。
塗布法としては、バーコーター(例えばワイヤーバーコーター)、エクストルージョンダイコーター、エアードクターコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、ナイフコーター、スクイズコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、フレキソコーター等を用いた公知の塗布法が挙げられる。
インクジェット法の詳細については、上述した画像記録工程に適用され得るインクジェット法と同様である。
また、処理液付与工程において、処理液の付与前に非浸透性基材を加熱してもよい。
加熱温度としては、非浸透性基材の温度を20℃〜50℃とすることが好ましく、25℃〜40℃とすることがより好ましい。
処理液付与工程では、処理液の付与後であって、上述の画像記録工程の前に、処理液を加熱乾燥させてもよい。
処理液の加熱乾燥を行うための手段としては、ヒータ等の公知の加熱手段、ドライヤ等の公知の送風手段、及び、これらを組み合わせた手段が挙げられる。
処理液の加熱乾燥を行うための方法としては、例えば、非浸透性基材の処理液が付与された面とは反対側からヒータ等で熱を与える方法、非浸透性基材の処理液が付与された面に温風又は熱風をあてる方法、非浸透性基材の処理液が付与された面又は処理液が付与された面とは反対側から、赤外線ヒータで熱を与える方法、これらの複数を組み合わせた方法、等が挙げられる。
処理液の加熱乾燥時の加熱温度は、35℃以上が好ましく、40℃以上がより好ましい。
加熱温度の上限には特に制限はないが、上限としては、100℃が好ましく、90℃がより好ましく、70℃が更に好ましい。
加熱乾燥の時間には特に制限はないが、0.5秒〜60秒が好ましく、0.5秒〜20秒がより好ましく、0.5秒〜10秒が特に好ましい。
以下、本開示の画像記録方法において用いられる処理液の詳細について説明する。
(処理液)
処理液は、インク中の成分を凝集させる凝集剤を含有する。
凝集剤としては、多価金属化合物、有機酸、金属錯体、及び水溶性カチオン性ポリマーからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
凝集剤は、有機酸を含むことが好ましい。
−多価金属化合物−
多価金属化合物としては、周期表の第2族のアルカリ土類金属(例えば、マグネシウム、カルシウム)、周期表の第3族の遷移金属(例えば、ランタン)、周期表の第13族からのカチオン(例えば、アルミニウム)、ランタニド類(例えば、ネオジム)の塩を挙げることができる。
これらの金属の塩としては、後述する有機酸の塩、硝酸塩、塩化物、又はチオシアン酸塩が好適である。
中でも、好ましくは、有機酸(ギ酸、酢酸、安息香酸塩など)のカルシウム塩若しくはマグネシウム塩、硝酸のカルシウム塩若しくはマグネシウム塩、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、又は、チオシアン酸のカルシウム塩若しくはマグネシウム塩である。
多価金属化合物は、処理液中において、少なくとも一部が多価金属イオンと対イオンとに解離していることが好ましい。
−有機酸−
有機酸としては、酸性基を有する有機化合物が挙げられる。
酸性基としては、リン酸基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基、硫酸基、スルホン酸基、スルフィン酸基、カルボキシ基等を挙げることができる。
上記酸性基は、インクの凝集速度の観点から、リン酸基又はカルボキシ基であることが好ましく、カルボキシ基であることがより好ましい。
なお、上記酸性基は、処理液中において、少なくとも一部が解離していることが好ましい。
カルボキシ基を有する有機化合物としては、ポリアクリル酸、酢酸、蟻酸、安息香酸、グリコール酸、マロン酸、リンゴ酸(好ましくは、DL−リンゴ酸)、マレイン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、フタル酸、4−メチルフタル酸、乳酸、ピロリドンカルボン酸、ピロンカルボン酸、ピロールカルボン酸、フランカルボン酸、ピリジンカルボン酸、クマリン酸、チオフェンカルボン酸、ニコチン酸、等が好ましい。これらの化合物は、1種類で使用されてもよく、2種類以上併用されてもよい。
カルボキシ基を有する有機化合物としては、インクの凝集速度の観点から、2価以上のカルボン酸(以下、多価カルボン酸ともいう。)が好ましく、ジカルボン酸がより好ましい。
ジカルボン酸としては、マロン酸、リンゴ酸、マレイン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、酒石酸、4−メチルフタル酸、又はクエン酸が好ましく、マロン酸、リンゴ酸、酒石酸、グルタル酸、又はクエン酸がより好ましい。
有機酸は、pKaが低い(例えば、1.0〜5.0)ことが好ましい。
これにより、カルボキシ基等の弱酸性の官能基で分散安定化しているインク中の顔料、ポリマー粒子などの粒子の表面電荷を、よりpKaの低い有機酸性化合物と接触させることにより減じ、分散安定性を低下させることができる。
有機酸は、pKaが低く、水に対する溶解度が高く、価数が2価以上であることが好ましく、インク中の粒子を分散安定化させている官能基(例えば、カルボキシ基等)のpKaよりも低いpH領域に高い緩衝能を有する2価又は3価の酸性物質であることがより好ましい。
−金属錯体−
金属錯体としては、金属元素として、ジルコニウム、アルミニウム、及びチタンからなる群から選択される少なくとも1種を含む金属錯体が好ましい。
金属錯体としては、配位子として、アセテート、アセチルアセトネート、メチルアセトアセテート、エチルアセトアセテート、オクチレングリコレート、ブトキシアセチルアセトネート、ラクテート、ラクテートアンモニウム塩、及びトリエタノールアミネートからなる群から選択される少なくとも1種を含む金属錯体が好ましい。
金属錯体としては、様々な金属錯体が市販されており、本開示においては、市販の金属錯体を使用してもよい。また、様々な有機配位子、特に金属キレート触媒を形成し得る様々な多座配位子が市販されている。そのため、市販の有機配位子と金属とを組み合わせて調製した金属錯体を使用してもよい。
−水溶性カチオン性ポリマー−
水溶性カチオン性ポリマーとしては、ポリアリルアミン、ポリアリルアミン誘導体、ポリ−2−ヒドロキシプロピルジメチルアンモニウムクロリド、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)、等が挙げられる。
水溶性カチオン性ポリマーについては、特開2011−042150号公報(特に、段落0156)、特開2007−98610号公報(特に、段落0096〜0108)等の公知文献の記載を適宜参照できる。
水溶性カチオン性ポリマーの市販品としては、シャロール(登録商標)DC−303P、シャロールDC−902P(以上、第一工業製薬(株)製)、カチオマスター(登録商標)PD−7、カチオマスターPD−30(以上、四日市合成(株)製)、ユニセンスFPA100L(センカ(株)製)が挙げられる。
凝集剤の含有量には特に制限はない。
インクの凝集速度の観点から、処理液の全量に対する凝集剤の含有量は、0.1質量%〜40質量%であることが好ましく、0.1質量%〜30質量%であることがより好ましく、1質量%〜20質量%であることが更に好ましく、1質量%〜10質量%であることが特に好ましい。
−水−
処理液は、水を含有することが好ましい。
水の含有量は、処理液の全量に対して、好ましくは50質量%〜90質量%であり、より好ましくは60質量%〜80質量%である。
−樹脂粒子−
処理液は樹脂粒子を含んでもよい。処理液が樹脂粒子を含むことにより、密着性に優れた画像が得られる。
樹脂粒子としては、前述したインクに含有され得る樹脂粒子と同様のものを用いることができる。
樹脂粒子の含有量には特に制限はない。
処理液の全量に対する樹脂粒子の含有量は、0.5質量%〜30質量%であることが好ましく、1質量%〜20質量%であることがより好ましく、1質量%〜15質量%であることが特に好ましい。
−水溶性溶剤−
処理液は、水溶性溶剤の少なくとも1種を含むことが好ましい。
水溶性溶剤としては、公知のものを特に制限なく用いることができる。
水溶性溶剤としては、例えば、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、アルカンジオール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール(1,2−プロパンジオール)、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ペンタンジオール、4−メチル−1,2−ペンタンジオール等)、ポリアルキレングリコール(例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール等)などの多価アルコール;
ポリアルキレングリコールエーテル(例えば、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル、トリエチレングリコールモノアルキルエーテル、トリプロピレングリコールモノアルキルエーテル、ポリオキシプロピレングリセリルエーテル等)などの多価アルコールエーテル;
特開2011−42150号公報の段落0116に記載の、糖類、糖アルコール類、ヒアルロン酸類、炭素原子数1〜4のアルキルアルコール類、グリコールエーテル類、2−ピロリドン、及びN−メチル−2−ピロリドン;
等が挙げられる。
中でも、成分の転写の抑制の観点から、多価アルコール、又は、多価アルコールエーテルが好ましく、アルカンジオール、ポリアルキレングリコール、又は、ポリアルキレングリコールエーテルがより好ましい。
−界面活性剤−
処理液は、界面活性剤の少なくとも1種を含んでもよい。
界面活性剤は、表面張力調整剤又は消泡剤として用いることができる。表面張力調整剤又は消泡剤としては、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、ベタイン界面活性剤等が挙げられる。中でも、インクの凝集速度の観点から、ノニオン性界面活性剤又はアニオン性界面活性剤が好ましい。
界面活性剤としては、特開昭59−157636号公報の第37〜38頁及びリサーチディスクロージャーNo.308119(1989年)に界面活性剤として挙げた化合物も挙げられる。また、特開2003−322926号、特開2004−325707号、特開2004−309806号の各公報に記載のフッ素(フッ化アルキル系)系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤等も挙げられる。
例えば、処理液が消泡剤としての界面活性剤を含む場合、消泡剤としての界面活性剤の含有量は、処理液の全量に対し、0.0001質量%〜1質量%が好ましく、0.001質量%〜0.1質量%がより好ましい。
−その他の成分−
処理液は、必要に応じ、上記以外のその他の成分を含んでいてもよい。
処理液に含有され得るその他の成分としては、固体湿潤剤、コロイダルシリカ、無機塩、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、粘度調整剤、防錆剤、キレート剤、水溶性カチオン性ポリマー以外の水溶性高分子化合物(例えば、特開2013−001854号公報の段落0026〜0080に記載された水溶性高分子化合物)、等の公知の添加剤が挙げられる。
−処理液の物性−
インクの凝集速度の観点から、処理液の25℃におけるpHは0.1〜3.5であることが好ましい。
処理液のpHが0.1以上であると、非浸透性基材のザラツキがより低減され、画像部の密着性がより向上する。
処理液のpHが3.5以下であると、凝集速度がより向上し、非浸透性基材の表面上におけるインクによるドット(インクドット)の合一がより抑制され、画像のザラツキがより低減される。
処理液の25℃におけるpHは、0.2〜2.0がより好ましい。ここでいう処理液の25℃におけるpHの測定条件は、前述したインクの25℃におけるpHの測定条件と同様である。
処理液が凝集剤を含む場合、処理液の粘度としては、インクの凝集速度の観点から、0.5mPa・s〜10mPa・sの範囲が好ましく、1mPa・s〜5mPa・sの範囲がより好ましい。ここでいう処理液の粘度の測定条件は、前述したインクの粘度の測定条件と同様である。
処理液の25℃における表面張力としては、60mN/m以下であることが好ましく、20mN/m〜50mN/mであることがより好ましく、30mN/m〜45mN/mであることが更に好ましい。ここでいう処理液の表面張力の測定条件は、前述したインクの表面張力の測定条件と同様である。
以下、本開示の実施例を示すが、本開示は以下の実施例には限定されない。
以下において、「水」は、特に断りがない限り、イオン交換水を意味する。
<樹脂粒子の水分散液又は樹脂の水溶液の準備>
以下のようにして、樹脂粒子の水分散液として、アクリル1の水分散液、アクリル2の水溶液、オレフィン1の水分散液、アクリルAの水分散液、ウレタン1の水分散液、及びポリエステル1の水分散液を、それぞれ準備した。
ここで、各分散液中の樹脂は樹脂粒子であり、樹脂粒子(即ち、アクリル1、オレフィン1、アクリルA、ウレタン1、及びポリエステル1)は、樹脂(B)中の主たる樹脂からなる樹脂粒子である。水溶液中のアクリル2は、樹脂(B)中の主たる樹脂である。
これらの樹脂(B)中の主たる樹脂のSP値(SPB)は表1及び表2に示すとおりである。
(アクリル1の水分散液の準備)
アクリル1の水分散液は、以下のようにして準備した。
撹拌機、温度計、還流冷却管、及び窒素ガス導入管を備えた2リットル三口フラスコ(反応容器)に、メチルエチルケトン560.0gを仕込んで87℃まで昇温した。次いで反応容器内の還流状態を保ちながら(以下、反応終了まで還流状態を保った)、反応容器内のメチルエチルケトンに対し、メチルメタクリレート220.4g、イソボルニルメタクリレート301.6g、メタクリル酸58.0g、メチルエチルケトン108g、及び「V−601」(富士フイルム和光純薬(株)製の重合開始剤;ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート))2.32gからなる混合溶液を、2時間で滴下が完了するように等速で滴下した。滴下完了後、1時間撹拌した後に、この1時間撹拌後の溶液に対し、下記工程(1)の操作を行った。
工程(1) … 「V−601」1.16g及びメチルエチルケトン6.4gからなる溶液を加え、2時間撹拌を行った。
続いて、上記工程(1)の操作を4回繰り返し、次いで、さらに「V−601」1.16g及びメチルエチルケトン6.4gからなる溶液を加えて3時間撹拌を続けた(ここまでの操作を、「反応」とする)。
反応終了後、溶液の温度を65℃に降温し、イソプロパノール163.0gを加えて放冷することにより、共重合体を含む重合溶液(固形分濃度41.0質量%)を得た。
次に、得られた重合溶液317.3gを秤量し、ここに、イソプロパノール46.4g、20質量%無水マレイン酸水溶液1.65g(水溶性酸性化合物、共重合体に対してマレイン酸として0.3質量%相当)、及び2モル/Lの水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液40.77gを加え、反応容器内の液体の温度を70℃に昇温した。
次に、70℃に昇温された液体に対し、蒸留水380gを10mL/分の速度で滴下し、水分散化を行った(分散工程)。
その後、減圧下、反応容器内の液体の温度を70℃で1.5時間保つことにより、イソプロパノール、メチルエチルケトン、及び蒸留水を合計で287.0g留去した(溶剤除去工程)。得られた液体に対し、プロキセルGXL(S)(アーチ・ケミカルズ・ジャパン(株)製)を0.278g(ポリマー固形分に対してベンゾイソチアゾリン−3−オンとして440質量ppm)添加した。
得られた液体を、1μmのフィルターでろ過し、ろ液を回収することにより、メチルメタクリレート/イソボルニルメタクリレート/メタクリル酸/メタクリル酸ナトリウム(=70/20/5/5[質量比])共重合体からなる樹脂粒子である、アクリル1の水分散液(不揮発分濃度23.2質量%)を得た。アクリル1の体積平均粒径は5.0nmであり、アクリル1の重量平均分子量(Mw)は60000であった。
(アクリル2の水溶液の準備)
アクリル樹脂であるアクリル2の水溶液として、東亞合成株式会社製の「アロンA−20L」(Mw=500000)を準備した。
(オレフィン1の水分散液の準備)
オレフィン1の水分散液は、以下のようにして準備した。
プロピレン−ブテン−エチレン三元共重合体(プロピレン/ブテン/エチレン=64.8/23.9/11.3質量%)100kg及びトルエン500kgを、2000Lの密閉できる反応容器に投入し、窒素雰囲気下で加熱溶融させた。その後、系内温度を110℃に保って、撹拌下、ラジカル発生剤としてジクミルパーオキサイド1kgのヘプタン20kg溶液を1時間かけて加えた。その後、不飽和カルボン酸として無水マレイン酸7kgのヘプタン10kg溶液を1時間かけて滴下し、その後30分間反応させた。
反応終了後、室温まで冷却し、その後、得られた反応物を多量のアセトン中に投入し、樹脂を析出させた。この樹脂をさらにアセトンで数回洗浄し、未反応物を除去した後、減圧乾燥機中で減圧乾燥して酸変性ポリオレフィン樹脂を得た。
加熱可能な密閉できる耐圧1000L反応容器を備えた撹拌機を用いて、60kgの酸変性ポリオレフィン樹脂、70kgのテトラヒドロフラン(沸点66℃)、7kgのN,N−ジメチルエタノールアミン(沸点134℃)および103kgの蒸留水を上記の反応容器内に仕込んだ。撹拌しながらヒーターの電源を入れ加熱した。そして系内温度を140℃に保ってさらに2時間撹拌した。その後、撹拌しながら水冷にて40℃まで冷却した。
得られた水性分散体に100kgの蒸留水、およびエマルション型消泡剤1(サンノプコ社製ノプコKF−99)を樹脂100質量部に対して0.05質量部(30g)添加した。加熱しながら泡立ちを見つつ減圧下(絶対圧力100kPa)でテトラヒドロフランを含む水性媒体を100kg留去した。100kgの水性媒体を留去するのに1時間を要した。
その後、水冷して内温が約25℃になるまで冷却し、25μm孔径のポリプロピレンワインドカートリッジフィルター(アドバンテック社製)を用いてろ過し、ポリオレフィン樹脂であるオレフィン1の水分散液を得た。
(アクリルAの水分散液の準備)
アクリルAの水分散液は、以下のようにして作製した。
撹拌機、温度計、還流冷却管、及び窒素ガス導入管を備えた2リットル三口フラスコ(反応容器)に、メチルエチルケトン580.2gを仕込んで90℃まで昇温した。次いで反応容器内の還流状態を保ちながら(以下、反応終了まで還流状態を保った)、反応容器内のメチルエチルケトンに対し、メチルメタクリレート312.5g、2−エチルヘキシルメタクリレート220.3g、メチルエチルケトン135g、及び「V−601」(富士フイルム和光純薬(株)製の重合開始剤;ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート))2.32gからなる混合溶液を、2時間で滴下が完了するように等速で滴下した。滴下完了後、1時間撹拌した後に、この1時間撹拌後の溶液に対し、下記工程(1)の操作を行った。
工程(1) … 「V−601」1.23g及びメチルエチルケトン7.1gからなる溶液を加え、2時間撹拌を行った。
続いて、上記工程(1)の操作を4回繰り返し、次いで、さらに「V−601」1.23g及びメチルエチルケトン7.1gからなる溶液を加えて3時間撹拌を続けた(ここまでの操作を、「反応」とする)。
反応終了後、溶液の温度を65℃に降温し、イソプロパノール173.4gを加えて放冷することにより、共重合体を含む重合溶液を得た。
次に、重合溶液を70℃に昇温し、70℃に昇温された重合溶液に対し、蒸留水349gを10mL/分の速度で滴下し、水分散化を行った(分散工程)。
その後、減圧下、反応容器内の液体の温度を70℃で1.2時間保つことにより、イソプロパノール、メチルエチルケトン、及び蒸留水を合計で259.2g留去した(溶剤除去工程)。得られた液体に対し、プロキセルGXL(S)(アーチ・ケミカルズ・ジャパン(株)製)を0.259g(ポリマー固形分に対してベンゾイソチアゾリン−3−オンとして440ppm)添加した。
得られた液体を、1μmのフィルターでろ過し、ろ液を回収することにより、メチルメタクリレート/2−エチルメタクリレート(=80/20[質量比])共重合体であるアクリルAの水分散液(不揮発分濃度27.9質量%)を得た。アクリルAの体積平均粒径は110nmであり、アクリルAの重量平均分子量(Mw)は199900であった。
(ウレタン1の水分散液の準備)
ウレタン1の水分散液として、大成ファインケミカル社製のウレタンエマルション「WBR−2101」(不揮発分濃度27質量%)を準備した。
(ポリエステル1の水分散液の準備)
ポリエステル1の水分散液として、日本合成化学社製のポリエステルエマルション「WR−961」(不揮発分濃度30質量%)を準備した。
<二酸化チタン(TiO2)水分散液の調製>
(顔料分散樹脂P−1の合成)
以下のようにして、二酸化チタン(TiO2)を水分散させるための顔料分散樹脂P−1を合成した。
ここで、顔料分散樹脂P−1は、樹脂(B)中の主たる樹脂以外の樹脂である。
撹拌機、冷却管を備えた三口フラスコにジプロピレングリコールを後述するモノマーの全量と同質量を加え、窒素雰囲気下で85℃に加熱した。
ステアリルメタクリレート9.1モル当量、ベンジルメタクリレート34.0モル当量、ヒドロキシエチルメタクリレート31.9モル当量、メタクリル酸25.0モル当量、及び、2−メルカプトプロピオン酸0.8モル当量を混合した溶液Iと、モノマーの全量に対し1質量%のt−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート(日油(株)製パーブチルO)を、モノマーの全量に対し20質量%のジプロピレングリコールに溶解させて得られた溶液IIと、をそれぞれ調製した。上記三口フラスコに溶液Iを4時間、溶液IIを5時間かけて滴下した。
滴下終了後、更に2時間反応させた後、95℃に昇温し、3時間加熱撹拌して未反応モノマーをすべて反応させた。モノマーの消失は核磁気共鳴(1H−NMR)法で確認した。
得られた反応溶液を70℃に加熱し、アミン化合物としてジメチルエタノールアミンを20.0モル当量添加した後、プロピレングリコールを加えて撹拌し、顔料分散樹脂P−1の30質量%溶液を得た。
得られたポリマーの構成成分は、1H−NMRにより確認した。また、GPCにより求めた重量平均分子量(Mw)は22,000であった。
なお、顔料分散樹脂P−1における各構成単位の質量比は、ステアリルメタクリレート由来の構成単位/ベンジルメタクリレート由来の構成単位/ヒドロキシエチルメタクリレート由来の構成単位/メタクリル酸由来の構成単位=20/39/27/14であった。ただし、上記質量比は、ジメチルアミノエタノールは含まない値である。
なお、下記各構成単位の括弧の右下の数値は、モル比である。
(二酸化チタン(TiO2)水分散液の調製)
レディーミル モデルLSG−4U−08(アイメックス社製)を使用し、下記のようにして、TiO2分散液を調製した。
即ち、ジルコニア製の容器に、二酸化チタン(TiO2;平均一次粒子径:210nm、商品名:PF−690、石原産業株式会社製;白色無機顔料)45質量部、上記顔料分散樹脂P−1の30質量%溶液15質量部、及び超純水40質量部を加えた。更に、0.5mmφジルコニアビーズ(TORAY製、トレセラムビーズ)40質量部を加えて、スパチュラで軽く混合した。得られた混合物を含むジルコニア製の容器をボールミルに入れ、回転数1000rpm(revolutions per minute)で5時間分散した。分散終了後、ろ布でろ過してビーズを取り除き、TiO2濃度が45質量%のTiO2分散液を調製した。
〔実施例1〕
<インクの調製>
上記アクリル1の水分散物、上記二酸化チタン(TiO2)水分散液、有機溶剤(C)としてのジメチルアミノエタノール(DMAE)、有機溶剤(D)としてのジプロピレングリコールモノメチルエーテル(DPGmME)、有機溶剤(E)としてのプロピレングリコール(沸点188℃、35.1MPa1/2)、及び水を用い、下記組成を有するインクを調製した。
調製したインクは、着色剤として、白色無機顔料である二酸化チタン(TiO2)を含む、白色のインクである。
−インクの組成−
・アクリル1〔樹脂(B)中の主たる樹脂からなる樹脂粒子〕 … 6.0質量%
・ジメチルアミノエタノール(DMAE)〔有機溶剤(C)〕 … 1.0質量%
・DPGmME〔有機溶剤(D)〕 … 1.0質量%
・プロピレングリコール(PG)〔有機溶剤(E)〕 … 27質量%
・二酸化チタン(TiO2)〔着色剤〕 … 7.0質量%
・顔料分散樹脂P−1〔樹脂(B)中の主たる樹脂以外の樹脂〕 … 0.5質量%
・水 … 合計で100質量%となる残量
<画像記録>
上記インクを用い、非浸透性基材としての二軸延伸ポリプロピレン(OPP)フィルム
(厚さ40μm、表面処理:コロナ放電処理、フタムラ化学株式会社製)を用い、以下のようにして画像記録を行った。
(1)記録方法
基材を搬送するための搬送系及びインクジェットヘッドを備えたインクジェット記録装置を用い、非浸透性基材のコロナ放電処理面上にインクをベタ画像状に付与し、付与されたインクを、80℃で30秒間乾燥させることにより、白色画像であるベタ画像を記録した。上記インクの乾燥は、インクが付与された非浸透性基材をホットプレート上に載置することにより行った。
(2)記録条件
インクジェットヘッド:1200dpi/20inch幅ピエゾフルラインヘッド
インク吐出量:4.0pL
駆動周波数:30kHz(基材の搬送速度:635mm/秒)
<評価>
上記インク又は画像について、以下の評価を行った。
結果を表1に示す。
(画像の耐擦性)
上記ベタ画像の記録(即ち、80℃での30秒間の乾燥)から5分経過後の上記ベタ画像を、擦り紙を巻きつけた文鎮によって繰り返し擦った。擦り紙としてはOKトップコート104(王子製紙社製)を用いた。また、上記の擦り操作は、4.0Nの加重を加えた状態で行った。
ベタ画像から擦り紙への色移りを目視で観察し、下記評価基準に従い、画像の耐擦性を評価した。
下記評価基準において、画像の耐擦性に最も優れるランクは「A」である。
−画像の耐擦性の評価基準−
A: 200回の擦り操作を完了した時点において、ベタ画像から擦り紙への色移りが視認されなかった。
B: 200回の擦り操作を完了した時点において、ベタ画像から擦り紙への色移りが視認されたが、100回の擦り操作を完了した時点では、ベタ画像から擦り紙への色移りは視認されなかった。
C: 100回の擦り操作を完了した時点において、ベタ画像から擦り紙への色移りが視認されたが、20回の擦り操作を完了した時点では、ベタ画像から擦り紙への色移りは視認されなかった。
D: 20回の擦り操作を完了した時点において、ベタ画像から擦り紙への色移りが視認されたが、5回の擦り操作を完了した時点では、ベタ画像から擦り紙への色移りは視認されなかった。
E: 5回の擦り操作を完了した時点において、ベタ画像から擦り紙への色移りが視認された。
(インクジェットヘッドのノズル面からのインクの除去性)
以下のようにして、インクジェットヘッドのノズル面からのインクの除去性(以下、単に「インク除去性」ともいう)を評価した。
まず、インクジェットヘッドのノズル面を模したシリコンプレートとして、シリコンウエハー(アズワン社製のシリコンウエハー「4−P−1」)を5cm角にカットしたシリコンプレートを準備した。
次に、このシリコンプレート上に、上記インクを10μL滴下し、インクが滴下されたシリコンプレートを、恒温チャンバー内において温度40℃の条件で1時間保管し、保管後、恒温チャンバーから取り出した。
次に、下記組成のメンテナンス液1mLをしみ込ませたコットン織布(テックスワイプ社製のテックスワイプTX304)を用い、4Nの荷重を加えた状態で、シリコンプレート上のインクを拭き取る操作(以下、「拭き取り操作」とする)を繰り返し施した。
拭き取り操作を繰り返し施す間に、シリコンプレート上のインクの除去状態を目視で観察し、下記評価基準に従い、インク除去性を評価した。
下記評価基準において、インク除去性に最も優れるランクは「A」である。
−メンテナンス液の組成−
・DEGmBE(水溶性有機溶剤) … 20.0質量%
・DEG(保湿剤) … 10.0質量%
・イミダゾール(pKa=7.0、塩基性化合物) … 0.5質量%
・ベンゾトリアゾール … 0.2質量%
・界面活性剤(C8H17O−(CH2CH2O)2−H) … 3.0質量%
・水 … 全体で100質量%としたときの残量
−インク除去性の評価基準−
A: 拭き取り操作3回以内に、プレート上のインクが全て除去された。
B: 拭き取り操作4回以上6回以内に、プレート上のインクが全て除去された。
C: 拭き取り操作7回以上9回以内に、プレート上のインクが全て除去された。
D: 拭き取り操作10回以上12回以内に、プレート上のインクが全て除去された。
E: 拭き取り操作13回以上でも、プレート上のインクの一部が残存していた。
(画像の乾燥性)
上記ベタ画像の記録(即ち、80℃での30秒間の乾燥)から5分経過後の上記ベタ画像について、振り子粘弾性試験機(エー・アンド・ディー社製の剛体振り子型物性試験器「RPT−3000W」)を用い、ベタ画像の温度(以下、「サンプル温度」ともいう)を室温から150℃まで昇温速度6.0℃/分で上昇させた時の対数減衰率(%)を測定した。得られた結果に基づき、下記評価基準に従い、画像の乾燥性を評価した。
下記評価基準において、画像の乾燥性に最も優れるランクは「A」である。
−画像の乾燥性の評価基準−
A:サンプル温度80℃での対数減衰率が4%未満である。
B:サンプル温度80℃での対数減衰率が4%以上6%未満である。
C:サンプル温度80℃での対数減衰率が6%以上10%未満である。
D:サンプル温度80℃での対数減衰率が10%以上15%未満である。
E:サンプル温度80℃での対数減衰率が15%以上である。
〔実施例2〜11〕
インク中における、樹脂(B)中の主たる樹脂の種類、樹脂(B)中の主たる樹脂の量、有機溶剤(C)の種類、及び有機溶剤(C)の量の組み合わせを、表1に示すように変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行った。
結果を表1に示す。
〔実施例12及び13〕
インク中における有機溶剤(D)の種類を、表1に示すように変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行った。
結果を表1に示す。
〔実施例14〕
インク中に有機溶剤(D)を含有させなかったこと以外は実施例1と同様の操作を行った。
結果を表1に示す。
〔実施例15〜17〕
インク中における樹脂(B)の種類を、表1に示すように変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行った。
結果を表1に示す。
〔比較例1〜5〕
インク中における、樹脂(B)中の主たる樹脂の種類、樹脂(B)中の主たる樹脂の量、有機溶剤(C)の種類、有機溶剤(C)の量、有機溶剤(D)の種類、及び有機溶剤(D)の量の組み合わせを、表2に示すように変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行った。
結果を表2に示す。
−表1及び表2の説明−
・各成分における「量」は、インクの全量に対する含有量(質量%)を意味する。
特に、樹脂における「量」は、インクの全量に対する樹脂の固形分含有量(即ち、樹脂自体の含有量)(質量%)を意味する。
・含有質量比〔(C)/(B)中の主たる樹脂〕は、含有質量比〔有機溶剤(C)/樹脂(B)中の主たる樹脂〕を意味する。
・SP値の単位は、MPa1/2である。
・含窒素溶剤とは、窒素原子を含む有機溶剤を意味し、非含窒素溶剤とは、窒素原子を含まない有機溶剤を意味する。
・インク中における、水、着色剤、及び有機溶剤(E)については、全例に共通する成分であるため、表1及び表2中では表記を省略した。
−表1及び表2中の有機溶剤の略称−
・DMAE:ジメチルアミノエタノール
・AMP:2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール
・2P:2−ピロリドン
・DEGmBE:ジエチレングリコールモノブチルエーテル
・DPGmME:ジプロピレングリコールモノメチルエーテル
・EGmBE:エチレングリコールモノブチルエーテル
・TEA:トリエタノールアミン
・TEG:トリエチレングリコール
表1に示すように、水(A)と、樹脂(B)と、沸点が250℃以下であり、窒素原子を含み、式(C1)(即ち、「|SPC−SPB|≦10.0」)を満足する有機溶剤(C)と、を含有し、含有質量比〔有機溶剤(C)/樹脂(B)中の主たる樹脂〕が、0.01以上2.0未満であるインクを用いた各実施例では、画像の耐擦性とインク除去性とが両立されていた。
各実施例に対し、比較例の結果は以下のとおりであった(表2参照)。
インクにおける含有質量比〔有機溶剤(C)/樹脂(B)中の主たる樹脂〕が2.0以上である比較例1では、画像の耐擦性及びインク除去性が低下した。画像の耐擦性が低下した理由は、有機溶剤(C)の量が多すぎたことにより、画像中に有機溶剤(C)が残存し、画像のベタつきが生じたためと考えられる。インク除去性が低下した理由は、有機溶剤(C)の量が過剰量であったことにより、シリコンプレート表面(ノズル面)におけるインクの造膜性が過度となり、シリコンプレート表面にインクが固着し(即ち、インク由来の強固な膜が形成され)、その結果、インクを除去し難くなったためと考えられる。
インクにおける|SPC−SPB|が10.0超である比較例2では、インク除去性は良好であったものの、画像の耐擦性が低下した。この理由は、|SPC−SPB|が10.0超であることにより、非浸透性基材上におけるインクの造膜性が不足し、その結果、画像の強度が不足したためと考えられる。
窒素原子を含む有機溶剤(C)に代えて、窒素原子を含まない比較用の有機溶剤(DEGmBE)を含有するインクを用いた比較例3では、画像の耐擦性は良好であったものの、インク除去性が低下した。この理由は、有機溶剤(C)の保湿作用によるインク除去性向上の効果が得られなかったためと考えられる。
インクにおける含有質量比〔有機溶剤(C)/樹脂(B)中の主たる樹脂〕が0.01未満である比較例4では、画像の耐擦性及びインク除去性が低下した。画像の耐擦性が低下した理由は、有機溶剤(C)の量が少なすぎたことにより、有機溶剤(C)による造膜性向上の効果が不足したためと考えられる。また、インク除去性が低下した理由は、有機溶剤(C)の保湿作用によるインク除去性向上の効果が不足したためと考えられる。
有機溶剤(C)に代えて沸点が250℃超であるTEAを用いた比較例5では、画像の乾燥性が低下し、画像の耐擦性が低下した。
実施例1、9及び11の結果より、有機溶剤(C)の沸点が200℃以下である場合(実施例1及び9)、画像の耐擦性がより向上することがわかる。
実施例1〜6の結果より、含有質量比〔有機溶剤(C)/樹脂(B)中の主たる樹脂〕が0.01以上1.0以下である場合(実施例1及び2)、画像の耐擦性及びインク除去性がより向上することがわかる。
実施例1及び9の結果より、|SPC−SPB|が5.0以下である場合(実施例1)
、画像の耐擦性がより向上することがわかる。
実施例1及び11の結果より、有機溶剤(C)が水酸基を含む場合(実施例1)、インク除去性がより向上することがわかる。
実施例1及び10の結果より、樹脂(B)が樹脂粒子を含む場合(実施例1)、インク除去性がより向上することがわかる。
実施例1、12、及び14の結果より、インクが、式(D1)(即ち、「|SPD−SPCM|≦5.0」)を満足する有機溶剤(D)を含有する場合(実施例1)、インク除去性がより向上することがわかる。
〔実施例101〕
<インクの調製及び評価>
上記アクリル1の水分散物、シアン顔料水分散物、有機溶剤(C)としてのDMAE、有機溶剤(D)としてのDPGmME、有機溶剤(E)としてのPG、及び水を用い、下記組成を有するインクを調製した。
ここで、シアン顔料水分散液としては、Pro-Jet Cyan APD3000 (FUJIFILM Imaging Colorants Limited 製)を使用した。
調製したインクは、着色剤として、シアン有機顔料であるピグメントブルー15:3を含む、シアン色のインクである。
このインクを用い、実施例1における評価と同様の評価を行ったところ、評価結果は、全項目(即ち、画像の密着性、インク除去性、及び画像の乾燥性)において「A」であった。
−インクの組成−
・アクリル1〔樹脂(B)中の主たる樹脂からなる樹脂粒子〕 … 6.0質量%
・DMAE〔有機溶剤(C)〕 … 1.0質量%
・DPGmME〔有機溶剤(D)〕 … 1.0質量%
・プロピレングリコール(PG)〔有機溶剤(E)〕 … 27質量%
・ピグメントブルー15:3〔着色剤〕 … 3.0質量%
・顔料分散樹脂〔樹脂(B)中の主たる樹脂以外の樹脂〕 … 1.4質量%
・水 … 合計で100質量%となる残量
〔実施例102〕
<インクの調製及び評価>
上記アクリル1の水分散物、マゼンタ顔料水分散物、有機溶剤(C)としてのDMAE、有機溶剤(D)としてのDPGmME、有機溶剤(E)としてのPG、及び水を用い、下記組成を有するインクを調製した。
ここで、マゼンタ顔料水分散液としては、Pro-Jet Magenta APD3000 (FUJIFILM Imaging Colorants Limited 製)を使用した。
調製したインクは、着色剤として、マゼンタ有機顔料であるピグメントレッド122を含む、マゼンタ色のインクである。
このインクを用い、実施例1における評価と同様の評価を行ったところ、評価結果は、全項目(即ち、画像の密着性、インク除去性、及び画像の乾燥性)において「A」であった。
−インクの組成−
・アクリル1〔樹脂(B)中の主たる樹脂からなる樹脂粒子〕 … 6.0質量%
・DMAE〔有機溶剤(C)〕 … 1.0質量%
・DPGmME〔有機溶剤(D)〕 … 1.0質量%
・プロピレングリコール(PG)〔有機溶剤(E)〕 … 27質量%
・ピグメントレッド 122〔着色剤〕 … 5.0質量%
・顔料分散樹脂〔樹脂(B)中の主たる樹脂以外の樹脂〕 … 1.5質量%
・水 … 合計で100質量%となる残量
〔実施例103〕
<インクの調製及び評価>
上記アクリル1の水分散物、イエロー顔料水分散物、有機溶剤(C)としてのDMAE、有機溶剤(D)としてのDPGmME、有機溶剤(E)としてのPG、及び水を用い、下記組成を有するインクを調製した。
ここで、イエロー顔料水分散液としては、Pro-Jet Yellow APD3000 (FUJIFILM Imaging
Colorants Limited 製)を使用した。
調製したインクは、着色剤として、イエロー有機顔料であるピグメントイエロー74を含む、イエロー色のインクである。
このインクを用い、実施例1における評価と同様の評価を行ったところ、評価結果は、全項目(即ち、画像の密着性、インク除去性、及び画像の乾燥性)において「A」であった。
−インクの組成−
・アクリル1〔樹脂(B)中の主たる樹脂からなる樹脂粒子〕 … 6.0質量%
・DMAE〔有機溶剤(C)〕 … 1.0質量%
・DPGmME〔有機溶剤(D)〕 … 1.0質量%
・プロピレングリコール(PG)〔有機溶剤(E)〕 … 27質量%
・ピグメントイエロー74〔着色剤〕 … 4.0質量%
・顔料分散樹脂〔樹脂(B)中の主たる樹脂以外の樹脂〕 … 1.6質量%
・水 … 合計で100質量%となる残量
〔実施例104〕
<インクの調製及び評価>
上記アクリル1の水分散物、ブラック顔料水分散物、有機溶剤(C)としてのDMAE、有機溶剤(D)としてのDPGmME、有機溶剤(E)としてのPG、及び水を用い、下記組成を有するインクを調製した。
ここで、ブラック顔料水分散液は、Pro-Jet Black APD3000 (FUJIFILM Imaging Colorants Limited 製)を使用した。
調製したインクは、着色剤として、ブラック無機顔料であるカーボンブラックを含む、ブラック色のインクである。
このインクを用い、実施例1における評価と同様の評価を行ったところ、評価結果は、全項目(即ち、画像の密着性、インク除去性、及び画像の乾燥性)において「A」であった。
−インクの組成−
・アクリル1〔樹脂(B)中の主たる樹脂からなる樹脂粒子〕 … 6.0質量%
・DMAE〔有機溶剤(C)〕 … 1.0質量%
・DPGmME〔有機溶剤(D)〕 … 1.0質量%
・プロピレングリコール(PG)〔有機溶剤(E)〕 … 27質量%
・カーボンブラック〔着色剤〕 … 4.5質量%
・顔料分散樹脂〔樹脂(B)中の主たる樹脂以外の樹脂〕 … 2.0質量%
・水 … 合計で100質量%となる残量
Claims (9)
-
非浸透性基材上への画像の記録に用いられ、
水(A)と、
樹脂(B)と、
沸点が250℃以下であり、下記式(C1)を満足する、窒素原子を含む有機溶剤(C)と、を含有し、
前記樹脂(B)中の主たる樹脂に対する前記有機溶剤(C)の含有質量比が、0.01以上2.0未満であるインクジェットインク組成物。
|SPC−SPB|≦10.0 … 式(C1)
式(C1)中、SPBは、樹脂(B)中の主たる樹脂のMPa1/2単位でのSP値を表し、SPCは、前記有機溶剤(C)のMPa1/2単位でのSP値を表し、|SPC−SPB|は、SPCとSPBとの差の絶対値を表す。
-
前記有機溶剤(C)の沸点が、200℃以下である請求項1に記載のインクジェットインク組成物。
-
前記樹脂(B)中の主たる樹脂に対する前記有機溶剤(C)の含有質量比が、0.01以上1.0以下である請求項1又は請求項2に記載のインクジェットインク組成物。
-
前記|SPC−SPB|が、5.0以下である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のインクジェットインク組成物。
-
前記有機溶剤(C)が、更に、水酸基を含む請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のインクジェットインク組成物。
-
前記樹脂(B)が、樹脂粒子を含む請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のインクジェットインク組成物。
-
更に、下記式(D1)を満足する、窒素原子を含まない有機溶剤(D)を含有する請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のインクジェットインク組成物。
|SPD−SPCM|≦5.0 … 式(D1)
式(D1)中、SPCMは、前記有機溶剤(C)中の主たる有機溶剤のMPa1/2単位でのSP値を表し、SPDは、前記有機溶剤(D)のMPa1/2単位でのSP値を表し、|SPD−SPCM|は、SPDとSPCMとの差の絶対値を表す。
-
更に、着色剤を含有する請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のインクジェットインク組成物。
-
請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載のインクジェットインク組成物をインクジェットヘッドから吐出することにより、非浸透性基材上に前記インクジェットインク組成物を付与して画像を記録する工程と、
前記インクジェットヘッドにおける前記インクジェットインク組成物の吐出面に付着した前記インクジェットインク組成物を除去する工程と、を含む画像記録方法。
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