JPWO2020095420A1

JPWO2020095420A1 - 情報処理装置及び異常可視化システム

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Publication number: JPWO2020095420A1
Application number: JP2019500901A
Authority: JP
Inventors: 岡田　武; 武岡田; 延弘石井
Original assignee: Chugoku Electric Power Co Inc
Current assignee: Chugoku Electric Power Co Inc
Priority date: 2018-11-08
Filing date: 2018-11-08
Publication date: 2021-02-15
Anticipated expiration: 2038-11-08
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Abstract

情報処理装置は、複数のスマートメータに関する情報を受信する受信部と、複数のスマートメータの各々からの情報の受信状況に基づいて、複数のスマートメータの各々の異常の有無を判定する制御部と、複数のスマートメータの各々の異常の有無を示す情報を出力する出力部と、を備え、制御部は、第２所定時間以上情報が得られていないスマートメータに異常が生じていると判定する。

Description

本発明は、情報処理装置及び異常可視化システムに関する。

配電系統における停電の発生の検知にスマートメータを利用することが知られている（例えば、特許文献１）。

特開２０１５−２３３２７８号公報

スマートメータの機能が損なわれた場合、当該スマートメータで使用電力量が計量される系統における給電が停止することによる停電が発生することがある。しかしながら、特許文献１に記載の方法では、停電がスマートメータの機能が損なわれたことによる停電であるかどうかを判定することが困難であった。

本発明では、スマートメータの機能が損なわれたことによる停電を判別可能な情報処理装置及び異常可視化システムを提供することを目的とする。

上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の情報処理装置は、複数のスマートメータに関する情報を受信する受信部と、前記複数のスマートメータの各々からの情報の受信状況に基づいて、前記複数のスマートメータの各々の異常の有無を判定する制御部と、前記複数のスマートメータの各々の異常の有無を示す情報を出力する出力部と、を備え、前記受信部は、第１所定時間周期で前記複数のスマートメータからの情報を受信し、前記制御部は、前記第１所定時間よりも長い第２所定時間以上情報が得られていないスマートメータに異常が生じていると判定し、前記第２所定時間は、前記第１所定時間のｎ倍であり、ｎは、２以上である。

本発明の望ましい態様として、前記複数のスマートメータの所在を示す情報を記憶する記憶部を備え、前記出力部は、異常が生じているスマートメータの所在を示す地図画像を出力する。

本発明の望ましい態様として、前記複数のスマートメータが使用電力量を検出する施設に接続されている配電系統の異常の有無を示す情報を取得する取得部を備え、前記記憶部は、前記複数のスマートメータの各々と前記配電系統との対応関係を示す情報をさらに記憶し、前記出力部は、配電系統の異常の有無と前記複数のスマートメータの各々の異常の有無との関連を示す情報を出力する。

本発明の望ましい態様として、前記制御部は、接続されている配電系統に異常がない施設の使用電力量を検出するスマートメータから前記第２所定時間以上情報が得られていない場合に当該スマートメータに異常が生じていると判定する。

本発明の望ましい態様として、前記複数のスマートメータに関する情報の送受信経路には、前記複数のスマートメータのうち前記第２所定時間以上情報が得られていないスマートメータを抽出する抽出装置が介在する。

本発明の望ましい態様として、前記複数のスマートメータに関する情報の送受信経路には、前記複数のスマートメータの一部又は全部から送信される情報を中継する集約装置が介在する。

本発明の望ましい態様として、前記複数のスマートメータに関する情報の送受信経路には、前記集約装置の異常の有無を示す情報を記憶する中継装置が介在する。

本発明の望ましい態様として、前記制御部は、異常がない集約装置が送受信経路に介在するスマートメータであって、第２所定時間以上情報が得られていないスマートメータに異常が生じていると判定する。

上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の異常可視化システムは、第１所定時間周期で使用電力量を示す情報を送信する複数のスマートメータと、前記複数のスマートメータの一部又は全部から送信される情報を中継する集約装置と、前記集約装置の異常の有無を示す情報を記憶する中継装置と、前記複数のスマートメータ及び前記集約装置の少なくとも一方からの情報に基づいて、第１所定時間周期よりも長い第２所定時間以上情報が得られていないスマートメータを抽出する抽出装置と、前記複数のスマートメータが使用電力量を検出する施設に接続されている配電系統の異常の有無を示す情報を記憶する配電情報提供装置と、前記抽出装置及び前記配電情報提供装置と通信可能に設けられ、前記抽出装置及び前記配電情報提供装置からの情報に基づいて異常が生じているスマートメータの所在を示す地図画像を出力する異常可視化装置と、を備える異常可視化システムであって、前記複数のスマートメータの各々からの情報の受信状況に基づいて、前記複数のスマートメータの各々の異常の有無を判定する制御部と、前記複数のスマートメータの各々の異常の有無を示す情報を出力する出力部と、を備え、前記異常可視化装置は、前記複数のスマートメータの所在を示す情報及び前記複数のスマートメータの各々と前記配電系統との対応関係を示す情報を記憶する記憶部と、接続されている配電系統に異常がない施設の使用電力量を検出するスマートメータから前記第２所定時間以上情報が得られていない場合に当該スマートメータに異常が生じていると判定する制御部とを備え、前記第２所定時間は、前記第１所定時間のｎ倍であり、ｎは、２以上であり、前記制御部は、異常がない集約装置が送受信経路に介在するスマートメータであって、第２所定時間以上情報が得られていないスマートメータに異常が生じていると判定する。

本発明によれば、スマートメータの機能が損なわれたことによる停電を判別可能になる。

図１は、実施形態の災害情報可視化システムの主要構成例を示すブロック図である。図２は、集約装置情報ＤＢの構成例を示す図である。図３は、計測情報ＤＢの構成例を示す図である。図４は、複数のスマートメータの各々からの情報の受信状況を示すデータの例を示す図である。図５は、系統情報ＤＢの構成例を示す図である。図６は、計器所在情報ＤＢの構成例を示す図である。図７は、図４及び図６のデータに基づいて異常が生じていると判定されたスマートメータの一例を示す表図である。図８は、図４及び図６のデータに基づいて異常が生じていると判定されたスマートメータの別の一例を示す表図である。図９は、複数のスマートメータの各々の異常の有無を示す情報の出力例を示す図である。図１０は、複数のスマートメータの各々の異常の有無と配電系統の状態との関係を示す情報の出力例を示す図である。図１１は、災害情報可視化システムによるデータ処理の流れの一例を示すフローチャートである。図１２は、図１とは異なる構成による災害情報可視化システムの主要構成例を示すブロック図である。

次に、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。図１は、実施形態の災害情報可視化システム１の主要構成例を示すブロック図である。災害情報可視化システム１は、複数のスマートメータ１０と、複数の集約装置２０と、ヘッドエンドシステム（ＨＥＳ：Head End System））３０と、メータデータ管理システム（ＭＤＭＳ：Meter Data Management System）４０と、配電情報提供装置５０と、災害情報可視化装置６０とを含む。災害情報可視化システム１は、複数のスマートメータ１０の各々の異常の有無を判定して複数のスマートメータ１０の各々の異常の有無を示す情報を出力する異常可視化システムの一実施形態である。

スマートメータ１０は、配電系統を介して電力が供給される施設の使用電力量を計量し、通信を介して当該使用電力量を示す情報を送信する機能を備えた電力量計である。複数のスマートメータ１０の各々は、例えば、電力の利用に関する契約毎に個別に設けられ、契約が定める電力供給先における使用電力量を個別に計量する。施設として、例えば家屋、工場等が挙げられるがこれに限られるものでなく、電力の利用について契約可能な対象であればよい。スマートメータ１０は、使用電力量取得部１１と、制御部１２と、第１通信部１３と、第２通信部１４とを備える。

使用電力量取得部１１は、スマートメータ１０が設けられた電力供給経路を流れる電流及び電圧に応じたレベルの信号を生じさせる入力変換部、当該信号のレベルに基づいて使用電力量を乗算で算出する乗算回路、乗算回路が算出した使用電力量を積算する積算回路、計量された使用電力量を表示する表示部等を含む。実施形態の使用電力量取得部１１は、積算回路が積算した使用電力量を示す情報を出力する。実施形態において、使用電力量を示す情報は、スマートメータ１０に関する情報として機能する。ここで例示した使用電力量取得部１１の具体的構成はあくまで一例であってこれに限られるものでない。

制御部１２は、ＣＰＵ（Central Processing Unit）又はＣＰＵと同様の演算を行うための演算回路及び演算回路により読み出されるソフトウェア・プログラム及びデータ（以下、プログラム等と記載）を記憶及び展開する記憶回路等を備える。制御部１２は、スマートメータ１０の動作を制御するための各種の処理を行う。

第１通信部１３は、使用電力量取得部１１が出力する使用電力量を示す情報を集約装置２０に送信する。第１通信部１３は、無線で集約装置２０と通信するためのＷＮＩＣ（Wireless network interface card）を備える。第１通信部１３は、ワイヤレスローカルネットワーク（ＷＬＡＮ：Wireless Local Area Network）を利用した無線通信で集約装置２０に情報を送信する。図１及び後述する図１２では、第１通信部１３による集約装置２０へのデータフローＤＦ１を図示している。

実施形態では、第１通信部１３から集約装置２０への無線通信経路においてマルチホップ通信を利用可能に設けられる。すなわち、スマートメータ１０は、第１通信部１３と同様の構成を備える他の構成を介して情報を送信可能に設けられる。当該他の構成の例として、情報を送信するスマートメータ１０とは異なる他のスマートメータ１０又は送信対象となる集約装置２０とは異なる他の集約装置２０等が挙げられる。なお、第１通信部１３と集約装置２０との通信経路として、有線通信経路を採用することは排除されない。第１通信部１３と集約装置２０との通信経路の一部又は全部に有線通信経路を敷設可能な場合、有線通信経路を設けてもよい。

第２通信部１４は、使用電力量取得部１１が出力する使用電力量を示す情報をＨＥＳ３０に送信する。第２通信部１４による情報の送信経路は、第１通信部１３による情報の送信が成立しない場合の予備的な送信経路である。第２通信部１４は、携帯電話の通信規格として利用されている無線通信を行うための通信回路を備える。第２通信部１４は、携帯電話の通信網を利用した無線通信でＨＥＳ３０に情報を送信する。

図１及び図１２では、第２通信部１４による集約装置２０へのデータフローＤＦ２を図示している。実施形態では、データフローＤＦ１及びデータフローＤＦ２で送受信されるデータに、後述するスマートメータＩＤ（IDentification）が付加されている。スマートメータＩＤは、複数のスマートメータ１０の各々に個別に割り当てられた固有の識別情報である。付加されるスマートメータＩＤは、送信元のスマートメータ１０に割り当てられているスマートメータＩＤである。スマートメータＩＤは、例えば制御部１２が含む記憶回路によって保持されている。

使用電力量取得部１１による使用電力量の計測タイミングの制御及び第１通信部１３、第２通信部１４を利用した使用電力量を示す情報の送信に関する制御は、制御部１２が行う。実施形態では、制御部１２は、予め定められた周期（例えば、３０分周期）で使用電力量取得部１１に使用電力量の計測を行わせ、第１通信部１３による情報の送信を行う。第１通信部１３による情報の送信が成立しなかった場合、制御部１２は、第２通信部１４による情報の送信を行う。

集約装置２０は、スマートメータ１０から送信されるスマートメータ１０に関する情報を受信し、ＨＥＳ３０に送信する。１つの集約装置２０には、複数のスマートメータ１０から情報が送信される。すなわち、集約装置２０は、複数のスマートメータ１０からの情報を集約してＨＥＳ３０に一括送信する。図１及び図１２では、スマートメータ１０と集約装置２０の見かけ上の数が同一であるが、一般的には集約装置２０の数は、スマートメータ１０の数よりも少ない。集約装置２０は、１つでもよい。このように、集約装置２０は、複数のスマートメータ１０の一部又は全部から送信される情報を中継する。

集約装置２０は、第１通信部２１と、制御部２２と、第３通信部２３とを備える。第１通信部２１は、第１通信部１３と機能的に同様の構成を備え、複数のスマートメータ１０から送信された情報を受信する。制御部２２は、制御部１２と機能的に同様の構成を備え、集約装置２０の動作を制御するための各種の処理を行う。第３通信部２３は、第１通信部１３と機能的に同様の構成を備える。第３通信部２３は、制御部２２の制御下で、第１通信部２１が受信した情報をＨＥＳ３０に送信する。第１通信部２１が受信した複数のスマートメータ１０からの情報は、複数のスマートメータ１０が個別に計測した使用電力量を示す。制御部２２は、複数のスマートメータ１０が個別に計測した使用電力量を集約して第３通信部２３に送信させる処理を行う。

集約されたデータには、スマートメータ１０からの情報の送信時刻及び受信時刻の少なくとも一方を示す情報が個別に付加されている。第１通信部１３によって情報が送信される時点で当該情報にスマートメータ１０からの情報の送信時刻が付加されていてもよいし、スマートメータ１０からの情報の受信時刻を制御部２２が付加してもよいし、その両方が実施されてもよい。なお、制御部２２によって情報が集約されても、個々のスマートメータＩＤと使用電力量と情報の送信時刻及び受信時刻の少なくとも一方との対応付けは維持されている。

図１及び図１２では、第３通信部２３によるＨＥＳ３０へのデータフローＤＦ３を図示している。実施形態では、データフローＤＦ３で送受信されるデータに、集約装置ＩＤが付加されている。集約装置ＩＤは、複数の集約装置２０の各々に個別に割り当てられた固有の識別情報である。付加される集約装置ＩＤは、送信元の集約装置２０に割り当てられている集約装置ＩＤである。集約装置ＩＤは、例えば制御部２２が含む記憶回路によって保持されている。

なお、機能的に同様の構成とは、同じ機能を奏することが可能であることをさし、処理能力及び具体的な回路構成等に関して同一である必要はない。ここでいう処理能力とは、処理速度、通信速度、通信可能範囲等である。制御部１２、制御部２２等の制御部の場合、通信速度、通信可能範囲については無関係である。

ＨＥＳ３０は、複数の集約装置２０から送信された情報を集約してＭＤＭＳ４０に送信する。また、ＨＥＳ３０は、複数の集約装置２０に関する情報を記憶、保持する。ＨＥＳ３０は、第２通信部３１と、第３通信部３２と、制御部３３と、記憶部３４と、第４通信部３５と、第５通信部３６とを備える。

第２通信部３１は、第２通信部１４と機能的に同様の構成を備え、第２通信部１４によってスマートメータ１０から送信された情報を受信する。第２通信部３１が受信する情報は、スマートメータ１０が計測した使用電力量を示す。第３通信部３２は、第１通信部１３及び第３通信部２３と機能的に同様の構成を備え、第３通信部２３によって集約装置２０から送信された情報を受信する。第３通信部３２が受信する情報は、制御部２２によって集約された、複数のスマートメータ１０が個別に計測した使用電力量を示す。

制御部３３は、制御部１２及び制御部２２と機能的に同様の構成を備え、ＨＥＳ３０の動作を制御するための各種の処理を行う。記憶部３４は、ＨＥＳ３０が集約装置情報データベース（ＤＢ：Data Base）３４ａとして機能するための情報を記憶する記憶装置を備える。

図２は、集約装置情報ＤＢ３４ａの構成例を示す図である。集約装置情報ＤＢ３４ａのレコードは、集約装置ＩＤ、情報取得時刻、履歴情報等、複数の項目（カラム）に応じた情報を含む。図２では、集約装置ＩＤ、情報取得時刻及び履歴情報の項目を例示しているが、集約装置情報ＤＢ３４ａは、さらなる項目を含んでいてもよい。

集約装置ＩＤの項目に登録されている情報は、複数の集約装置２０の各々に個別に割り当てられた集約装置ＩＤである。図２に例示する「ＳＳ０００００１」、「ＳＳ０００００２」、「ＳＳ０００００３」はそれぞれ異なる集約装置２０に割り当てられる識別情報である。

情報取得時刻の項目に登録されている情報は、第２通信部３１によって集約装置２０からの情報を受信した時刻を示す。図２では、情報取得時刻のフォーマットとして、西暦年（ｙｙｙｙ）／月（ｍｍ）／日（ｄｄ）／時（ｔｔ）／分（ｍｍ）が採用されているが、これに限られるものでない。秒及び小数点以下の秒がさらに含まれていてもよい。

履歴情報の項目に登録されている情報は、第２通信部３１によって集約装置２０からの情報が正常に受信されたかを示す。図２では、ＨＥＳ３０が、集約装置ＩＤの項目に登録されている識別情報を割り当てられた集約装置２０からの情報を、情報取得時刻の項目に登録されている時刻に正常に受信した場合、履歴情報の項目に「正常」が登録され、そうでない場合に「エラー」が登録される。実施形態では、スマートメータ１０からの情報の送信が３０分周期で行われるため、情報取得時刻も３０分周期で刻まれる。

図２に示す集約装置情報ＤＢ３４ａにおける１つの集約装置ＩＤ、１つの情報取得時刻及び１つの履歴情報を含む１行のレコードは、当該集約装置ＩＤを割り当てられた集約装置２０からの当該情報取得時刻における情報の受信状況を示す。集約装置情報ＤＢ３４ａは、複数のレコードを示す。集約装置情報ＤＢ３４ａにおいて同一の集約装置ＩＤを含む複数のレコードは、それぞれ異なる情報取得時刻における情報の受信状況を示す。

制御部３３は、第３通信部３２により情報を受信した時刻を情報取得時刻として、当該情報に付加されている集約装置と当該情報の受信状況を対応付けて集約装置情報ＤＢ３４ａにレコードを登録する処理を行う。また、制御部３３は、第２通信部３１、第３通信部３２によって受信された複数のスマートメータ１０が個別に計測した使用電力量を集約して第４通信部３５に送信させる処理を行う。制御部２２による集約と同様、制御部３３によって集約されたデータには、スマートメータ１０からの情報の送信時刻及び受信時刻の少なくとも一方を示す情報が個別に付加されている。また、制御部３３によって情報が集約されても、個々のスマートメータＩＤと使用電力量と情報の送信時刻及び受信時刻の少なくとも一方との対応付けは維持されている。

第４通信部３５は、第２通信部３１、第３通信部３２によって受信された複数のスマートメータ１０が個別に計測した使用電力量を示す情報をＭＤＭＳ４０に送信する。第４通信部３５は、例えばＮＩＣ（Network Interface Card）等、ＭＤＭＳ４０と通信を行うための通信回路を含む構成を備え、ＭＤＭＳ４０との間に設けられた通信回線を経由してＭＤＭＳ４０に情報を送信する。図１では、第４通信部３５によるＭＤＭＳ４０へのデータフローＤＦ４を図示している。このように、実施形態では、複数のスマートメータ１０に関する情報の送受信経路に、集約装置２０の異常の有無を示す情報を記憶する中継装置として機能するＨＥＳ３０が介在する。

第５通信部３６は、集約装置情報ＤＢ３４ａに登録されている情報の一部又は全部を災害情報可視化装置６０に送信する。第５通信部３６は、例えばＮＩＣ等、災害情報可視化装置６０と通信を行うための通信回路を含む構成を備え、災害情報可視化装置６０との間に設けられた通信回線を経由して災害情報可視化装置６０に情報を送信する。制御部３３は、集約装置情報ＤＢ３４ａに登録されている情報の一部又は全部を第５通信部３６に送信させる処理を行う。集約装置情報ＤＢ３４ａに登録されている情報の一部を送信する場合、制御部３３は、履歴情報が「エラー」であるレコードの情報を抽出して第５通信部３６に送信させる。図１では、第５通信部３６による災害情報可視化装置６０へのデータフローＤＦ５を図示している。

なお、制御部３３は、第３通信部３２によって受信した情報で全てのスマートメータ１０からの情報が得られたかチェックするようにしてもよい。この場合、ＨＥＳ３０は、全てのスマートメータ１０のスマートメータＩＤと、これらのスマートＩＤが割り当てられたスマートメータ１０の第２通信部１４に対する発信情報を含む設定情報を保持している。当該設定情報は、制御部３３の記憶回路に記憶されていてもよいし、記憶部３４に記憶されていてもよいし、ＨＥＳ３０が備える図示しない他の記憶装置又は記憶回路に記憶されていてもよい。制御部３３は、集約装置２０からの情報の送信の有無及び集約装置２０からの情報の送信があった場合に全てのスマートメータ１０のスマートメータＩＤの各々と対応付けられた使用電力量を示す情報が含まれているか確認する。情報が得られていないスマートメータ１０のスマートメータＩＤ、集約装置２０からの情報において使用電力量を示す情報が破損等により読み取り不可能であるスマートメータＩＤがあった場合、これらのスマートメータＩＤが割り当てられたスマートメータ１０の第２通信部１４に対して第２通信部３１から情報を要求するための発信を行う。スマートメータ１０は、当該発信に応じて、第２通信部１４を介して使用電力量を示す情報を送信する。

ＭＤＭＳ４０は、ＨＥＳ３０から送信された、複数のスマートメータ１０に関する情報を記憶、保持する。また、ＭＤＭＳ４０は、複数のスマートメータ１０に関する情報の一部又は全部を災害情報可視化装置６０に送信する。ＭＤＭＳ４０は、第４通信部４１と、制御部４２と、記憶部４３と、第６通信部４４とを備える。

第４通信部４１は、第４通信部３５と機能的に同様の構成を備え、ＨＥＳ３０から送信された情報を受信する。制御部４２は、制御部１２、制御部２２及び制御部３３と機能的に同様の構成を備え、ＭＤＭＳ４０の動作を制御するための各種の処理を行う。記憶部４３は、ＭＤＭＳ４０が計測情報ＤＢ４３ａとして機能するための情報を記憶する記憶装置を備える。

図３は、計測情報ＤＢ４３ａの構成例を示す図である。計測情報ＤＢ４３ａのレコードは、スマートメータＩＤ、情報取得時刻、指示数等、複数の項目（カラム）に応じた情報を含む。図３では、スマートメータＩＤ、情報取得時刻及び指示数の項目を例示しているが、計測情報ＤＢ４３ａは、さらなる項目を含んでいてもよい。

スマートメータＩＤの項目に登録されている情報は、複数のスマートメータ１０の各々に個別に割り当てられたスマートメータＩＤである。図２に例示する「ＳＭ０００００１」、「ＳＭ０００００２」、「ＳＭ０００００３」はそれぞれ異なるスマートメータ１０に割り当てられる識別情報である。

情報取得時刻の項目に登録されている情報は、例えば、第４通信部４１によってＨＥＳ３０からの情報を受信した時刻を示す。図２では、情報取得時刻のフォーマットとして、西暦年（ｙｙｙｙ）／月（ｍｍ）／日（ｄｄ）／時（ｔｔ）／分（ｍｍ）が採用されているが、これに限られるものでない。秒及び小数点以下の秒がさらに含まれていてもよい。また、情報取得時刻の項目に登録される情報は、制御部２２、制御部３３に集約された情報に付加されている、スマートメータ１０からの情報の送信時刻及び受信時刻の少なくとも一方であってもよい。

指示数の項目に登録されている情報は、使用電力量を示す数値である。実施形態では、使用電力量は、指示数の数値で表される。図３では、ＭＤＭＳ４０が、スマートメータＩＤの項目に登録されている識別情報を割り当てられたスマートメータ１０からの情報に含まれる指示数を、集約装置２０及びＨＥＳ３０（又はＨＥＳ３０のみ）を経由して、正常に受信した場合、指示数の項目に「正常」が登録され、そうでない場合に「エラー」が登録される。実施形態では、スマートメータ１０からの情報の送信が３０分周期で行われるため、情報取得時刻も３０分周期で刻まれる。

指示数の項目に「エラー」が登録される場合の一例として、ＭＤＭＳ４０がＨＥＳ３０から受信した情報に含まれるスマートメータ１０からの情報が、データ破損等によって予め定められた指示数のフォーマット（数値情報）に対して不適切な状態になっていた場合が挙げられる。この場合、当該スマートメータ１０からの情報に付加されたスマートメータＩＤが適切に読み取れる状態であれば、制御部４２は、当該スマートメータＩＤと、当該スマートメータ１０からの情報の情報取得時刻と、「エラー」とを対応付けて計測情報ＤＢ４３ａのレコードとして登録する。

指示数の項目に「エラー」が登録される場合の他の一例として、ＭＤＭＳ４０がＨＥＳ３０から受信した情報に含まれないスマートメータＩＤのレコードとして登録される場合が挙げられる。すなわち、予め定められた周期でスマートメータ１０から送信されるべき使用電力量を示す情報がスマートメータ１０から送信されていないか、送信されていても送受信に失敗した場合、ＨＥＳ３０から受信した情報には、当該スマートメータ１０のスマートメータＩＤと対応付けられた情報が含まれない。この場合、制御部４２は、当該スマートメータＩＤと、当該周期の情報取得時刻と、「エラー」とを対応付けて計測情報ＤＢ４３ａのレコードとして登録する。この場合に対応するため、ＭＤＭＳ４０は、情報を送信してくる全てのスマートメータ１０のスマートメータＩＤ及びスマートメータ１０から情報が送信される周期に対応する時刻（情報取得時刻に登録される時刻）を示す設定情報を保持している。当該設定情報は、制御部４２の記憶回路に記憶されていてもよいし、記憶部４３に記憶されていてもよいし、ＭＤＭＳ４０が備える図示しない他の記憶装置又は記憶回路に記憶されていてもよい。制御部４２は、第４通信部４１によってＨＥＳ３０からの情報を受信すると、情報を送信してくる全てのスマートメータ１０のスマートメータＩＤからの情報が当該ＨＥＳ３０からの情報に含まれているかをチェックする。当該ＨＥＳ３０からの情報に含まれていないスマートメータＩＤが発見された場合、発見されたスマートメータＩＤと、発見された周期に対応する情報取得時刻と、「エラー」とを対応付けて計測情報ＤＢ４３ａのレコードとして登録する。

図４は、複数のスマートメータ１０の各々からの情報の受信状況を示すデータの例を示す図である。なお、図４のデータの内容は、図３に示す計測情報ＤＢ４３ａに対応している。実際には、７：３０よりも前の時刻及び９：００よりも後の時刻についても同様にスマートメータ１０からの情報の送受信処理及び計測情報ＤＢ４３ａへの登録が行われる。

図４に示す例の場合、「ＳＭ０００００１」のスマートメータＩＤが割り当てられたスマートメータ１０からは、２０１８年４月１日の７：３０、８：００、８：３０、９：００の各々のタイミングで「０３０４６７」、「０３０４６８」、「０３０４６９」、「０３０４７０」の指示数が正常に得られている。すなわち、「ＳＭ０００００１」のスマートメータＩＤが割り当てられたスマートメータ１０からは、２０１８年４月１日の７：３０から９：００までの間、使用電力量を示す情報の送受信が３０分周期で正常に行われている。

また、「ＳＭ０００００２」のスマートメータＩＤが割り当てられたスマートメータ１０からは、２０１８年４月１日の７：３０のタイミングで「０２２１６０」の指示数が正常に得られている。すなわち、「ＳＭ０００００２」のスマートメータＩＤが割り当てられたスマートメータ１０からは、２０１８年４月１日の７：３０の時点では使用電力量を示す情報の送受信が正常に行われている。一方、８：００、８：３０、９：００の各々タイミングでは、指示数が「エラー」になっている。すなわち、２０１８年４月１日の８：００から９：００までの間、「ＳＭ０００００１」のスマートメータＩＤが割り当てられたスマートメータ１０から使用電力量を示す情報の送信が行われていないか、行われていても送受信に失敗している。

また、「ＳＭ０００００３」のスマートメータＩＤが割り当てられたスマートメータ１０からは、２０１８年４月１日の７：３０、８：００、８：３０、９：００の各々のタイミングで指示数が「エラー」になっている。すなわち、２０１８年４月１日の７：３０から９：００までの間、「ＳＭ０００００１」のスマートメータＩＤが割り当てられたスマートメータ１０から使用電力量を示す情報の送信が行われていないか、行われていても送受信に失敗している。

第６通信部４４は、計測情報ＤＢ４３ａに登録されている情報の一部又は全部を災害情報可視化装置６０に送信する。第６通信部４４は、例えばＮＩＣ等、災害情報可視化装置６０と通信を行うための通信回路を含む構成を備え、災害情報可視化装置６０との間に設けられた通信回線を経由して災害情報可視化装置６０に情報を送信する。制御部４２は、計測情報ＤＢ４３ａに登録されている情報の一部又は全部を第６通信部４４に送信させる処理を行う。計測情報ＤＢ４３ａに登録されている情報の一部を送信する場合、制御部４２は、指示数が「エラー」であるレコードの情報を抽出して第６通信部４４に送信させる。図１では、第６通信部４４による災害情報可視化装置６０へのデータフローＤＦ６を図示している。

配電情報提供装置５０は、複数のスマートメータ１０が使用電力量を検出する施設に接続されている配電系統の異常の有無を示す情報を記憶する。配電情報提供装置５０は、制御部５１と、記憶部５２と、第７通信部５３とを備える。

制御部５１は、制御部１２、制御部２２、制御部３３及び制御部４２と機能的に同様の構成を備え、配電情報提供装置５０の動作を制御するための各種の処理を行う。記憶部５２は、配電情報提供装置５０が系統情報ＤＢ５２ａとして機能するための情報を記憶する記憶装置を備える。

図５は、系統情報ＤＢ５２ａの構成例を示す図である。系統情報ＤＢ５２ａのレコードは、引込柱ＩＤ、通電状態等、複数の項目（カラム）に応じた情報を含む。図５では、引込柱ＩＤ及び通電状態の項目を例示しているが、系統情報ＤＢ５２ａは、さらなる項目を含んでいてもよい。

引込柱ＩＤの項目に登録されている情報は、複数の引込柱の各々に個別に割り当てられた識別情報である。ここでいう引込柱は、配電系統に設けられて電力を供給するための一構成として機能する所謂電線引込柱である。図２に例示する「ＨＨ０００００１」、「ＨＨ０００００２」、「ＨＨ０００００３」はそれぞれ異なる引込柱に割り当てられる識別情報である。

通電状態の項目に登録されている情報は、引込柱を介した通電が正常に行われているかを示す。例えば、図５に示す例では、「ＨＨ０００００１」及び「ＨＨ０００００２」の引込柱ＩＤが割り当てられた引込柱では通電が正常に行われているため、これらの引込柱ＩＤと対応付けられたレコードの通電状態が「正常」になっている。一方、「ＨＨ０００００３」の引込柱ＩＤが割り当てられた引込柱では通電が正常に行われていないため、当該引込柱ＩＤと対応付けられたレコードの通電状態が「エラー」になっている。このように、系統情報ＤＢ５２ａは、複数のスマートメータ１０が使用電力量を検出する施設に接続されている配電系統の異常の有無を示す情報として利用可能である。

第７通信部５３は、系統情報ＤＢ５２ａに登録されている情報の一部又は全部を災害情報可視化装置６０に送信する。第７通信部５３は、例えばＮＩＣ等、災害情報可視化装置６０と通信を行うための通信回路を含む構成を備え、災害情報可視化装置６０との間に設けられた通信回線を経由して災害情報可視化装置６０に情報を送信する。制御部５１は、系統情報ＤＢ５２ａに登録されている情報の一部又は全部を第７通信部５３に送信させる処理を行う。系統情報ＤＢ５２ａに登録されている情報の一部を送信する場合、制御部５１は、通電状態が「エラー」であるレコードの情報を抽出して第７通信部５３に送信させる。図１では、第７通信部５３による災害情報可視化装置６０へのデータフローＤＦ７を図示している。

データフローＤＦ４、データフローＤＦ５、データフローＤＦ６及びデータフローＤＦ７で利用される通信回線は、ローカルエリアネットワーク（ＬＡＮ：Local Area Network）であってもよいし、インターネット等の公衆通信回線網を利用したものであってもよい。また、当該通信回線の形態は、有線、無線のいずれであるかを問わない。有線であってもよいし、無線であってもよいし、有線と無線の組み合わせであってもよい。データフローＤＦ４、データフローＤＦ５、データフローＤＦ６及びデータフローＤＦ７で利用される通信回線の形態は、それぞれ個別の形態であってもよいし、一部又は全部が共通の形態であってもよい。

災害情報可視化装置６０は、複数のスマートメータ１０の各々の異常の有無を示す情報を出力する情報処理装置である。災害情報可視化装置６０は、第５通信部６１と、第６通信部６２と、第７通信部６３と、制御部６４と、記憶部６５と、停電・災害情報出力部６６と、を備える。

第５通信部６１は、第５通信部３６と機能的に同様の構成を備え、ＨＥＳ３０から送信された情報を受信する。第６通信部６２は、第６通信部４４と機能的に同様の構成を備え、ＭＤＭＳ４０から送信された情報を受信する。第７通信部６３は、第７通信部５３と機能的に同様の構成を備え、配電情報提供装置５０から送信された情報を受信する。

制御部６４は、制御部１２、制御部２２、制御部３３、制御部４２及び制御部５１と機能的に同様の構成を備え、災害情報可視化装置６０の動作を制御するための各種の処理を行う。記憶部６５は、災害情報可視化装置６０が計器所在情報ＤＢ６５ａとして機能するための情報を記憶する記憶装置を備える。

図６は、計器所在情報ＤＢ６５ａの構成例を示す図である。計器所在情報ＤＢ６５ａのレコードは、スマートメータＩＤ、引込柱ＩＤ、取付位置等、複数の項目（カラム）に応じた情報を含む。図６では、スマートメータＩＤ、引込柱ＩＤ及び取付位置の項目を例示しているが、集約装置情報ＤＢ３４ａは、さらなる項目を含んでいてもよい。

計器所在情報ＤＢ６５ａのスマートメータＩＤの項目に登録されている情報は、計測情報ＤＢ４３ａの同一項目と同様、複数のスマートメータ１０の各々に個別に割り当てられたスマートメータＩＤである。計器所在情報ＤＢ６５ａの引込柱ＩＤの項目に登録されている情報は、系統情報ＤＢ５２ａの同一項目と同様、複数の引込柱の各々に個別に割り当てられた識別情報である。

取付位置の項目に登録されている情報は、スマートメータ１０が取り付けられている位置を示す。図６では、スマートメータ１０が取り付けられている位置が緯度及び経度で表されている場合を例示しているがこれに限られるものでなく、スマートメータ１０が取り付けられている位置を特定可能な情報であれば具体的な情報の形式は問われない。

計器所在情報ＤＢ６５ａに含まれる１つのレコードは、スマートメータ１０のスマートメータＩＤと、当該スマートメータＩＤが割り当てられたスマートメータ１０が使用電力量を計測する配電系統で使用される引込柱の引込柱ＩＤと、当該スマートメータＩＤが割り当てられたスマートメータ１０の取付位置とを対応付けている。例えば、「ＳＭ０００００１」のスマートメータＩＤが割り当てられたスマートメータ１０が使用電力量を計測する配電系統は、「ＨＨ０００００１」の引込柱ＩＤが割り当てられた引込柱を含み、「緯度ｘ１．ｘｘｘｘｘ、経度ｙｙ１．ｙｙｙｙｙ」に取り付けられている。このように、取付位置を含む計器所在情報ＤＢ６５ａは、複数のスマートメータ１０の所在を示す情報として利用可能である。すなわち、記憶部６５は、複数のスマートメータ１０の所在を示す情報を記憶する。

制御部６４は、複数のスマートメータ１０の各々からの情報の受信状況に基づいて、複数のスマートメータ１０の各々の異常の有無を判定する。具体的には、制御部６４は、第６通信部４４から送信された情報を第６通信部６２によって受信することで、複数のスマートメータ１０の各々から送信された使用電力量を示す情報の一部又は全部を取得する。制御部６４は、取得された情報のうち、指示数が「エラー」であるレコードの情報に基づいて、複数のスマートメータ１０の各々の異常の有無を判定する。

実施形態では、第２所定時間以上情報が得られていないスマートメータ１０に異常が生じていると判定する。ここで、第２所定時間は、予め定められた周期（例えば、３０分周期）に対応する時間（例えば、３０分）のｎ倍である。ｎは、２以上である。ｎは、整数値であってもよいし、小数点以下の値を含んでもよい。このように、実施形態における「第１所定時間」は、予め定められた周期に対応する時間である。以下、制御部６４による複数のスマートメータ１０の各々の異常の有無の判定について、図４、図７及び図８を参照して例示的に説明する。

図７は、図４及び図６のデータに基づいて異常が生じていると判定されたスマートメータ１０の一例を示す表図である。ｎ＝３の場合、制御部６４は、３０分×３＝９０分（１時間半）以上情報が得られていないスマートメータ１０に異常が生じていると判定する。図４では、２０１８年４月１日９：００時点で、９０分前に該当する７：３０から指示数が「エラー」であるスマートメータＩＤは、「ＳＭ０００００３」である。このため、ｎ＝３の場合、２０１８年４月１日９：００時点で、制御部６４は、「ＳＭ０００００３」のスマートメータＩＤが割り当てられたスマートメータ１０に異常が生じていると判定する。

制御部６４は、配電情報提供装置５０から送信されて第７通信部６３によって受信された情報から、異常が生じていると判定されたスマートメータ１０のスマートメータＩＤと対応付けられている取付位置を読み出す。制御部６４は、異常が生じているスマートメータ１０の情報として、異常が生じていると判定されたスマートメータ１０のスマートメータＩＤ及び当該スマートメータＩＤと対応付けられている取付位置を抽出する。

一方、２０１８年４月１日７：３０時点で指示数が正常に登録されている「ＳＭ０００００１」及び「ＳＭ０００００２」のスマートメータＩＤが割り当てられたスマートメータ１０については、制御部６４は、正常であると判定する。

図８は、図４及び図６のデータに基づいて異常が生じていると判定されたスマートメータ１０の別の一例を示す表図である。ｎ＝２の場合、制御部６４は、３０分×２＝６０分（１時間）以上情報が得られていないスマートメータ１０に異常が生じていると判定する。図４では、２０１８年４月１日９：００時点で、６０分前に該当する８：００から指示数が「エラー」であるスマートメータＩＤは、「ＳＭ０００００２」及び「ＳＭ０００００３」である。このため、ｎ＝２の場合、２０１８年４月１日９：００時点で、制御部６４は、「ＳＭ０００００２」及び「ＳＭ０００００３」のスマートメータＩＤが割り当てられたスマートメータ１０に異常が生じていると判定する。上述した通り、制御部６４は、異常が生じていると判定されたスマートメータ１０のスマートメータＩＤ及び当該スマートメータＩＤと対応付けられている取付位置を抽出する。

一方、２０１８年４月１日８：００時点で指示数が正常に登録されている「ＳＭ０００００１」のスマートメータＩＤが割り当てられたスマートメータ１０については、制御部６４は、正常であると判定する。

なお、図示しないが、２０１８年４月１日９：３０時点で「ＳＭ０００００２」及び「ＳＭ０００００３」のスマートメータＩＤと対応付けられた指示数が引き続き「エラー」であれば、ｎ＝３の場合であっても、制御部６４による判定結果は、図８のようになる。ｎをより大きく設定することで、継続的に異常が生じている可能性がより高いスマートメータ１０をより高精度に抽出できる。

図９は、複数のスマートメータ１０の各々の異常の有無を示す情報の出力例を示す図である。停電・災害情報出力部６６は、複数のスマートメータ１０の各々の異常の有無を示す情報を出力する出力部として機能する。実施形態の停電・災害情報出力部６６は、例えば図９に示すように、異常が生じているスマートメータ１０の所在を示す地図画像を出力する。出力に用いられる地図画像データは、インターネット等の通信網を利用して外部から取得可能な地図画像データであってもよいし、制御部６４が備える記憶回路、記憶部６５又は他の図示しない記憶装置に記憶されている地図画像データであってもよい。

図９では、異常が生じていると判定されたスマートメータ１０の位置が「データ収集不可」のスマートメータ１０を示す黒点ＳＭＥとして地図画像内に示されている。また、図９では、異常が生じていると判定されなかった正常なスマートメータ１０の位置が「データ収集可」のスマートメータ１０を示すマスクドットＳＭＵとして地図画像内に示されている。これらのスマートメータ１０の各々の位置は、計器所在情報ＤＢ６５ａの取付位置を参照して地図画像内に示される。このように、実施形態の災害情報可視化装置６０は、異常が生じているスマートメータ１０の所在を示す地図画像を出力する異常可視化装置として機能する。

実施形態では、制御部６４は、計器所在情報ＤＢ６５ａから複数のスマートメータ１０の各々の取付位置を読み出して地図画像内における複数のスマートメータ１０の各々の位置に対応する点を特定する。制御部６４は、特定された点のうち、異常が生じていると判定されたスマートメータ１０の位置に対応する点を黒点ＳＭＥとし、そうでないスマートメータ１０の位置に対応する点をマスクドットＳＭＵとした地図画像を生成する。

実施形態では、停電・災害情報出力部６６は、例えば、制御部６４が生成した地図画像を出力する表示装置を備える。停電・災害情報出力部６６は、当該地図画像を表示する。なお、停電・災害情報出力部６６は、外部の表示装置に表示させる地図画像を配信する通信装置を備えていてもよい。

実施形態では、異常が生じていると判定されたスマートメータ１０は、地震、火災その他の災害による家屋倒壊範囲に設けられていたものとして取り扱われる。このため、図９に示す例では、家屋倒壊範囲Ａ１の境界線が、黒点ＳＭＥとマスクドットＳＭＵとの境界線に沿っている。家屋倒壊範囲Ａ１内に黒点ＳＭＥがあり、家屋倒壊範囲Ａ１外にマスクドットＳＭＵがある。これは、第２所定時間以上情報が得られていないスマートメータ１０は、災害によって生じた家屋の倒壊に巻き込まれて損壊、流失等を生じ、機能を喪失した可能性が高いことによる。なお、制御部６４は、災害の発生を検知した場合に、第２所定時間以上情報が得られていないスマートメータ１０を災害により機能を喪失したスマートメータ１０として扱い、図９又は後述する図１０のような出力を行ってもよい。この場合、災害情報可視化装置６０は、図示しない地震検知警報システム、火災検知警報システム等の災害検知警報システムからの情報を取得可能な通信部を備える。そして、当該通信部を介して災害の発生を示す情報が取得された場合に、複数のスマートメータ１０の各々からの情報の受信状況に基づいて、複数のスマートメータ１０の各々の異常の有無を判定する。

なお、スマートメータ１０に異常が生じていると判定される場合の条件は、さらに追加されてもよい。例えば、配電系統の異常の有無に関する情報をさらに用いて異常が生じているスマートメータ１０を判定するようにしてもよい。この場合、停電・災害情報出力部６６は、配電系統の異常の有無と複数のスマートメータ１０の各々の異常の有無との関連を示す情報を出力するようにしてもよい。この場合、第７通信部６３は、複数のスマートメータ１０が使用電力量を検出する施設に接続されている配電系統の異常の有無を示す情報を取得する取得部として機能する。また、計器所在情報ＤＢ６５ａは、複数のスマートメータ１０の各々と配電系統との対応関係を示す情報として機能する。

図１０は、複数のスマートメータ１０の各々の異常の有無と配電系統の状態との関係を示す情報の出力例を示す図である。図１０に示す例では、配電情報提供装置５０から送信されて第７通信部６３によって受信された情報において、通電状態が「エラー」である引込柱ＩＤが抽出される。制御部６４は、抽出された引込柱ＩＤと計器所在情報ＤＢ６５ａにおいて対応付けられているスマートメータＩＤが割り当てられているスマートメータ１０を送電系統停止範囲Ａ２内に含める表示態様の地図画像を生成する。これによって、送電系統停止範囲Ａ内に含まれる黒点ＳＭＥは、スマートメータ１０の異常に限られず、配電系統の異常によって使用電力量を示す情報の送受信が不可能になっている可能性があることが示唆される。

スマートメータ１０に異常が生じていると判定される場合の条件として配電系統の異常の有無に関する情報が用いられる例は、図１０に示す例に限られない。例えば、制御部６４は、制御部６４は、通電状態が「エラー」である引込柱ＩＤと計器所在情報ＤＢ６５ａにおいて対応付けられているスマートメータＩＤが割り当てられているスマートメータ１０を、黒点ＳＭＥとは異なる態様の点で地図画像に表示させるようにしてもよい。すなわち、通電状態が「エラー」である引込柱ＩＤと計器所在情報ＤＢ６５ａにおいて対応付けられているスマートメータＩＤが割り当てられているスマートメータ１０を、異常が生じていると判定されるスマートメータ１０と区別するようにしてもよい。言い換えれば、制御部６４は、接続されている配電系統（例えば、引込柱）に異常がない施設の使用電力量を検出するスマートメータ１０から第２所定時間以上情報が得られていない場合に当該スマートメータ１０に異常が生じていると判定するようにしてもよい。

また、制御部６４は、異常がない集約装置２０が送受信経路に介在するスマートメータ１０であって、第２所定時間以上情報が得られていないスマートメータ１０に異常が生じていると判定するようにしてもよい。この場合、例えば、計器所在情報ＤＢ６５ａの項目として「集約装置ＩＤ」がさらに追加される。計器所在情報ＤＢ６５ａにおける「集約装置ＩＤ」の項目に登録される情報は、スマートメータ１０が情報を送信するために経由する集約装置２０に割り当てられた集約装置ＩＤである。すなわち、スマートメータ１０が情報を送信するために経由する集約装置２０は予め正常ルートが定められており、当該正常ルートに従った集約装置２０を経由してスマートメータ１０からの情報がＨＥＳ３０に送信された場合に正常であると判定される。制御部６４は、ＨＥＳ３０から送信されて第５通信部６１によって受信された情報のうち、履歴情報が所定時間以上「エラー」である集約装置ＩＤを抽出する。当該所定時間は、第２所定時間であってもよいし、第２所定時間とは異なる時間であってもよい。制御部６４は、抽出された集約装置ＩＤと計器所在情報ＤＢ６５ａにおいて対応付けられていないスマートメータＩＤを割り当てられたスマートメータ１０であって、かつ、第２所定時間以上情報が得られていないスマートメータ１０に異常が生じていると判定する。

図１１は、災害情報可視化システム１によるデータ処理の流れの一例を示すフローチャートである。制御部３３は、集約装置２０からの情報の受信を確認する（ステップＳ１）。制御部３３は、使用電力量を示す情報の受信に成功したか確認する（ステップＳ２）。具体的には、制御部３３は、集約装置２０からの情報の送信の有無及び集約装置２０からの情報の送信があった場合に全てのスマートメータ１０のスマートメータＩＤの各々と対応付けられた使用電力量を示す情報が含まれているか確認する。情報が得られていないスマートメータ１０のスマートメータＩＤ、集約装置２０からの情報において使用電力量を示す情報が破損等により読み取り不可能であるスマートメータＩＤがあった場合、これらのスマートメータＩＤが割り当てられたスマートメータ１０の第２通信部１４に対して第２通信部３１から情報を要求するための発信を行う。スマートメータ１０は、当該発信に応じて、第２通信部１４を介して使用電力量を示す情報を送信する。制御部３３は、スマートメータ１０からの情報の受信を確認する（ステップＳ３）。

なお、ステップＳ１、ステップＳ３の情報の受信の確認とは、使用電力量を示す情報が正常に得られたかどうかの確認処理であって、「正常な情報が得られた状態が確定したことの確認」ではない。

制御部３３は、第３通信部３２によって受信された情報に基づいて、集約装置情報ＤＢ３４ａにレコードを登録する（ステップＳ４）。また、制御部３３は、第２通信部３１、第３通信部３２によって受信された複数のスマートメータ１０が個別に計測した使用電力量を集約して第４通信部３５に送信させる処理を行う。

制御部４２は、第４通信部４１によって受信された情報に基づいて、計測情報ＤＢ４３ａにレコードを登録する（ステップＳ５）。制御部４２又は制御部６４は、計測情報ＤＢ４３ａに基づいて、第２所定時間以上情報が得られていないスマートメータ１０の情報（欠測情報）を抽出する（ステップＳ６）。また、制御部６４は、配電情報提供装置５０から送信されて第７通信部６３によって受信された情報によって、系統情報を取得する（ステップＳ７）。制御部６４は、欠測情報及び系統情報に基づいて、第２所定時間以上情報が得られていないスマートメータ１０を停電中のスマートメータ１０として抽出する（ステップＳ８）。停電・災害情報出力部６６は、例えば図１０に示すように、停電中のスマートメータ１０に関する情報を表示するための出力を行う（ステップＳ９）。

以上、実施形態によれば、複数のスマートメータ１０に関する情報を受信する受信部（第６通信部６２）と、複数のスマートメータ１０の各々からの情報の受信状況に基づいて、複数のスマートメータ１０の各々の異常の有無を判定する制御部６４と、複数のスマートメータ１０の各々の異常の有無を示す情報を出力する出力部（停電・災害情報出力部６６）と、を備える。受信部（第６通信部６２）は、第１所定時間周期で複数のスマートメータ１０からの情報を受信する。制御部６４は、第２所定時間よりも長い第２所定時間以上情報が得られていないスマートメータ１０に異常が生じていると判定する。第２所定時間は、第１所定時間のｎ倍である。従って、複数回連続で情報が得られていないスマートメータ１０が異常を生じていると判定されることになる。このため、継続的に異常が生じている可能性がより高いスマートメータ１０をより高精度に抽出できる。従って、スマートメータ１０の機能が損なわれたことによる停電を判別可能になる。

また、複数のスマートメータ１０の所在を示す情報を記憶する記憶部６５を備える。出力部（停電・災害情報出力部６６）は、異常が生じているスマートメータ１０の所在を示す地図画像を出力する。従って、異常が生じているスマートメータ１０の所在を地図画像上の位置として視覚的に把握可能になる。

また、複数のスマートメータ１０が使用電力量を検出する施設に接続されている配電系統の異常の有無を示す情報を取得する取得部（第７通信部６３）を備える。記憶部６５は、複数のスマートメータ１０の各々と配電系統との対応関係を示す情報をさらに記憶する。出力部（停電・災害情報出力部６６）は、配電系統の異常の有無と複数のスマートメータ１０の各々の異常の有無との関連を示す情報を出力する。従って、スマートメータ１０に関する情報が得られない異常の原因と配電系統の異常の有無との関係を把握可能になる。

また、制御部６４は、接続されている配電系統に異常がない施設の使用電力量を検出するスマートメータ１０から第２所定時間以上情報が得られていない場合に当該スマートメータ１０に異常が生じていると判定することで、異常の原因がスマートメータ１０にあることをより確実に判定可能になる。

また、複数のスマートメータ１０に関する情報の送受信経路には、複数のスマートメータ１０の一部又は全部から送信される情報を中継する集約装置２０が介在することで、複数のスマートメータ１０からの情報の送信経路をより多岐な経路にすることができる。

また、複数のスマートメータ１０に関する情報の送受信経路には、集約装置２０の異常の有無を示す情報を記憶する中継装置（ＨＥＳ３０）が介在することで、集約装置２０の異常の有無を示す情報を加味して異常が生じているスマートメータ１０の判定が可能になる。

また、制御部６４は、異常がない集約装置２０が送受信経路に介在するスマートメータ１０であって、第２所定時間以上情報が得られていないスマートメータ１０に異常が生じていると判定することで、異常の原因がスマートメータ１０にあることをより確実に判定可能になる。

なお、上記の実施形態はあくまで一例であり、本発明の技術的特徴を逸脱しない範囲内において適宜変更可能である。

例えば、計測情報ＤＢ４３ａに登録されている情報の一部を送信する場合、制御部４２は、指示数が「エラー」であるレコードが第２所定時間以上継続しているスマートメータＩＤの情報を抽出して第６通信部４４に送信させるようにしてもよい。この場合、ＭＤＭＳ４０は、複数のスマートメータ１０のうち第２所定時間以上情報が得られていないスマートメータ１０を抽出する抽出装置として機能する。また、この場合、制御部６４は、ＭＤＭＳ４０から受信した情報に含まれるスマートメータＩＤが割り当てられたスマートメータ１０に異常が生じていると判定する。この場合、制御部６４の処理負荷をより低減することができる。

また、停電・災害情報出力部６６が出力する「複数のスマートメータ１０の各々の異常の有無を示す情報」は、地図画像に限られない。例えば、停電・災害情報出力部６６は、図７、図８に示すようなスマートメータＩＤと取付位置とを含む情報を外部に配信する通信装置を備えていてもよい。この場合、外部の装置又はシステムは、当該情報に基づいて任意の形態で情報を出力する。例えば、外部の装置が図９に示すような地図画像を生成してもよい。また、停電・災害情報出力部６６及び停電・災害情報出力部６６と通信可能に設けられた外部の装置又はシステムは、音声、メールその他の形式で異常が生じているスマートメータ１０に関する情報を出力してもよい。

また、第２通信部１４及び第２通信部３１の組又は第１通信部１３、集約装置２０及び第３通信部３２の組の一方は省略可能である。

また、図１に示すＨＥＳ３０、ＭＤＭＳ４０、配電情報提供装置５０及び災害情報可視化装置６０は、それぞれ１つの装置であるが、これらの一部又は全部は、それぞれが複数の装置の組み合わせによるシステムであってもよい。また、ＨＥＳ３０、ＭＤＭＳ４０及び配電情報提供装置５０の一部又は全部が災害情報可視化装置６０と同一の装置に統合されていてもよい。

図１２は、図１とは異なる構成による災害情報可視化システムの主要構成例を示すブロック図である。図１２に示す災害情報可視化装置７０は、図１を参照して説明したＨＥＳ３０、ＭＤＭＳ４０、配電情報提供装置５０及び災害情報可視化装置６０の機能を具備する情報処理装置である。すなわち、制御部７１は、制御部３３、制御部４２、制御部５１及び第６通信部６２の機能を具備する。

図１２に示す例では、データフローＤＦ４、データフローＤＦ５及びデータフローＤＦ６は省略され、災害情報可視化装置７０が備える第２通信部３１及び第３通信部３２に対するデータフローＤＦ２及びデータフローＤＦ３によってスマートメータ１０及び集約装置２０からの情報が送信される。これに伴い、第４通信部３５、第５通信部３６、第４通信部４１、第６通信部４４に対応する構成は省略される。

また、図２等を参照して説明した各種のＤＢに登録されている各種の情報の具体的な文字列はあくまで模式的な例示であって、これに限定されるものでなく、同様の意味を示す他の文字列、記号等に置換可能である。

１災害情報可視化システム
１０スマートメータ
２０集約装置
３０ＨＥＳ
３４ａ集約装置情報ＤＢ
４０ＭＤＭＳ
４３ａ計測情報ＤＢ
５０配電情報提供装置
５２ａ系統情報ＤＢ
６０，７０災害情報可視化装置
６１第５通信部
６２第６通信部
６３第７通信部
６４，７１制御部
６５記憶部
６５ａ計器所在情報ＤＢ
６６停電・災害情報出力部

Claims

複数のスマートメータに関する情報を受信する受信部と、
前記複数のスマートメータの各々からの情報の受信状況に基づいて、前記複数のスマートメータの各々の異常の有無を判定する制御部と、
前記複数のスマートメータの各々の異常の有無を示す情報を出力する出力部と、を備え、
前記受信部は、第１所定時間周期で前記複数のスマートメータからの情報を受信し、
前記制御部は、前記第１所定時間よりも長い第２所定時間以上情報が得られていないスマートメータに異常が生じていると判定し、
前記第２所定時間は、前記第１所定時間のｎ倍であり、
ｎは、２以上である
情報処理装置。
前記複数のスマートメータの所在を示す情報を記憶する記憶部を備え、
前記出力部は、異常が生じているスマートメータの所在を示す地図画像を出力する
請求項１に記載の情報処理装置。
前記複数のスマートメータが使用電力量を検出する施設に接続されている配電系統の異常の有無を示す情報を取得する取得部を備え、
前記記憶部は、前記複数のスマートメータの各々と前記配電系統との対応関係を示す情報をさらに記憶し、
前記出力部は、配電系統の異常の有無と前記複数のスマートメータの各々の異常の有無との関連を示す情報を出力する
請求項２に記載の情報処理装置。
前記制御部は、接続されている配電系統に異常がない施設の使用電力量を検出するスマートメータから前記第２所定時間以上情報が得られていない場合に当該スマートメータに異常が生じていると判定する
請求項３に記載の情報処理装置。
前記複数のスマートメータに関する情報の送受信経路には、前記複数のスマートメータのうち前記第２所定時間以上情報が得られていないスマートメータを抽出する抽出装置が介在する
請求項１から４のいずれか一項に記載の情報処理装置。
前記複数のスマートメータに関する情報の送受信経路には、前記複数のスマートメータの一部又は全部から送信される情報を中継する集約装置が介在する
請求項１から５のいずれか一項に記載の情報処理装置。
前記複数のスマートメータに関する情報の送受信経路には、前記集約装置の異常の有無を示す情報を記憶する中継装置が介在する
請求項６に記載の情報処理装置。
前記制御部は、異常がない集約装置が送受信経路に介在するスマートメータであって、第２所定時間以上情報が得られていないスマートメータに異常が生じていると判定する
請求項７に記載の情報処理装置。
第１所定時間周期で使用電力量を示す情報を送信する複数のスマートメータと、
前記複数のスマートメータの一部又は全部から送信される情報を中継する集約装置と、
前記集約装置の異常の有無を示す情報を記憶する中継装置と、
前記複数のスマートメータ及び前記集約装置の少なくとも一方からの情報に基づいて、第１所定時間周期よりも長い第２所定時間以上情報が得られていないスマートメータを抽出する抽出装置と、
前記複数のスマートメータが使用電力量を検出する施設に接続されている配電系統の異常の有無を示す情報を記憶する配電情報提供装置と、
前記抽出装置及び前記配電情報提供装置と通信可能に設けられ、前記抽出装置及び前記配電情報提供装置からの情報に基づいて異常が生じているスマートメータの所在を示す地図画像を出力する異常可視化装置と、を備える異常可視化システムであって、
前記複数のスマートメータの各々からの情報の受信状況に基づいて、前記複数のスマートメータの各々の異常の有無を判定する制御部と、
前記複数のスマートメータの各々の異常の有無を示す情報を出力する出力部と、を備え、
前記異常可視化装置は、
前記複数のスマートメータの所在を示す情報及び前記複数のスマートメータの各々と前記配電系統との対応関係を示す情報を記憶する記憶部と、
接続されている配電系統に異常がない施設の使用電力量を検出するスマートメータから前記第２所定時間以上情報が得られていない場合に当該スマートメータに異常が生じていると判定する制御部とを備え、
前記第２所定時間は、前記第１所定時間のｎ倍であり、
ｎは、２以上であり、
前記制御部は、異常がない集約装置が送受信経路に介在するスマートメータであって、第２所定時間以上情報が得られていないスマートメータに異常が生じていると判定する
異常可視化システム。