JPWO2020090547A1 - 共振器、フィルタおよび通信装置 - Google Patents

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Abstract

小型で電気特性が優れた共振器、それを用いたフィルタおよび通信装置が提供される。共振器は、内部に空洞19を有するシールド筐体10、筒状の共振素子12、共振素子12に内壁面に設けられる内壁面被覆層3および共振素子12の外壁面に設けられる外壁面被覆層6を含む。シールド筐体10は、−Z方向の側に位置する第1導体部13と、+Z方向の側に位置する第2導体部14とを有する。内壁面被覆層3は、共振素子12の内壁面に、第2導体部14から−Z方向の側に間隔をあけて位置する。外壁面被覆層6は、共振素子12の外壁面に、第1導体部13から+Z方向の側に間隔をあけて位置する。

Description

本発明は、共振器、それを用いたフィルタおよび通信装置に関する。
一方端を接地した柱状導体をシールドケース内に収容した共振器が知られている(たとえば、特許文献1を参照。)。また、柱状誘電体をシールドケース内に収容した共振器が知られている(たとえば、特許文献2を参照。)。
特開2011−35792号公報 実開昭63−159904号公報
本開示の共振器は、第1導体部と、前記第1導体部の反対側に位置する第2導体部とを含み、内部に空洞を有するシールド筐体と、
前記空洞内の前記第1導体部と前記第2導体部との間に延在し、筒状の誘電体から成る共振素子と、
前記共振素子の内壁面に、前記第2導体部から間隔をあけて位置する、導体から成る内壁面被覆層と、
前記共振素子の外壁面に、前記第1導体部から間隔をあけて位置する、導体から成る外壁面被覆層と、を備えたことを特徴とする。
本開示のフィルタは、前記共振器と同じ構造を有しているとともに、相互に電磁気的に結合するように列を成して配置され、前記列の一方端に位置する第1共振器および前記列の他方端に位置する第2共振器を含む、複数の共振器と、
前記第1共振器に、電気的または電磁気的に接続される第1端子部と、
前記第2共振器に、電気的または電磁気的に接続される第2端子部と、を有することを特徴とする。
本開示の通信装置は、アンテナと、通信回路と、前記アンテナおよび前記通信回路に接続された前記フィルタと、を含むことを特徴とする。
本発明の目的、特色、および利点は、下記の詳細な説明と図面とからより明確になるであろう。
本発明の第1実施形態の共振器を模式的に示す断面図である。 図1の切断面線II−IIから見た断面図である。 本発明の第2実施形態の共振器を模式的に示す断面図である。 第2実施形態の共振器を模擬した数値解析モデルを示す斜視図である。 第2実施形態の共振器を模擬した数値解析モデルの解析結果である電界強度分布を示す図である。 第2実施形態の共振器の数値解析モデルの解析結果である磁界強度分布を示す図である。 本発明の第3実施形態の共振器を模式的に示す断面図である。 周波数調整具9が第2導体部14から空洞19内へ突出していない共振器の模式化した断面図である。 周波数調整具9を第2導体部14から空洞19内への突出量ΔL11を2mmにした状態を示す断面図である。 周波数調整具9を第2導体部14から空洞19内への突出量ΔL11を4mmにした状態を示す断面図である。 本発明の第4実施形態の共振器を模式的に示す断面図である。 本発明の第5実施形態の共振器を模式的に示す断面図である。 本発明に係るフィルタの一実施形態を模式的に示す斜視図である。 図11に示されるフィルタの断面図である。 フィルタの周波数特性を示すグラフである。 本発明に係る通信装置の一実施形態を模式的に示すブロック図である。
以下、本発明に係る共振器、フィルタおよび通信装置について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態の共振器を模式的に示す断面図であり、図2は図1の切断面線II−IIから見た断面図である。以下の実施形態について、互いに直交するX軸、Y軸、Z軸の3軸座標系を想定して説明する。
本実施形態の共振器は、第1導体部13と、第1導体部13の反対側に位置する第2導体部14とを含み、内部に空洞19を有するシールド筐体10と、空洞19内の第1導体部13と第2導体部14との間に延在し、筒状の誘電体から成る共振素子12と、共振素子12の内壁面に、第2導体部14から間隔をあけて位置する、導体から成る内壁面被覆層3と、共振素子12の外壁面に、第1導体部13から間隔をあけて位置する、導体から成る外壁面被覆層6と、共振素子12の第1導体部13側の端壁面と第1導体部13との間に位置し、内壁面被覆層3に接続された、導体から成る第1接合端被覆層4と、共振素子12の第2導体部14側の端壁面と第2導体部14との間に位置し、外壁面被覆層6に接続された、導体から成る第2接合端被覆層5を有する。すなわち、シールド筐体10は、第1方向である−Z方向(図1の下方)側に位置する第1導体部13と、第1方向と反対方向である第2方向である+Z方向(図1の上方)側に位置する第2導体部14とを含み、内部に共振空間である空洞19を有する。共振素子12は、空洞19内の第1導体部13と第2導体部14との間に延在し、筒状の誘電体から成る。共振器は、共振素子12の内壁面に位置する、導体から成る内壁面被覆層3と、共振素子12の外壁面に位置する、導体から成る外壁面被覆層6とを備える。
シールド筐体10は、内部に空洞19を有する直方体の箱状の形状を成し、基準電位に接続される。基準電位は、グランド電位、アース電位または接地電位とも呼ばれる電位をいう。シールド筐体10は、第1導体部13と第2導体部14とが、導電性接合材によって接合されて構成される。第1導体部13は、4つの側壁部と底部とによって構成され、+Z方向の側が開口した直方体の箱状の形状を成す。第2導体部14は、矩形の平板状の形状を成す。また、第1導体部13の対向する2つ側壁部には、外部回路との接続に利用される貫通孔16および貫通孔17が形成される。本実施形態において、空洞19は、導体壁を構成するシールド筐体10によって囲まれた電磁波の共振空間またはキャビティ空間をいう。
第1導体部13および第2導体部14は、金属および非金属導電性物質のような既知の種々の導電性材料を用いて形成することができる。導電性材料としては、共振器の特性を向上させるために、たとえば、Ag、Ag−Pd、Ag−PtなどのAg合金を主成分とする導電性材料、またはCu系、W系、Mo系もしくはPd系の導電性材料を用いることができる。
第1導体部13と第2導体部14とを接合する導電性接合材としては、半田や導電性接着剤など、種々の既知の導電性接合材を用いることができる。導電性接着剤以外の他の例としては、ねじまたはボルトによって第1導体部13と第2導体部14とを締結して接合してもよい。また、空洞19内は、空気で満たされているが、真空であってもよく、空気以外の気体、たとえば不活性ガスで満たされていてもよい。
共振素子12は、空洞19の中央に配置されており、±Z方向に延びる円筒状の形状を有している。共振素子12は、−Z方向の端壁面に、導体から成る第1接合端被覆層4が設けられ、+Z方向の端壁面に、導体から成る第2接合端被覆層5が設けられる。第1接合端被覆層4は、第1導体部13に導電性接合材によって接合され、第2接合端被覆層5は、第2導体部14に導電性接合材によって接合される。したがって共振素子12の−Z方向の端は、第1接合端被覆層4を介して第1導体部13に接合され、共振素子12の+Z方向の端は、第2接合端被覆層5を介して第2導体部14に接合され、このような状態で第1導体部13と第2導体部14との間に延在している。
共振素子12の誘電体を調整して、磁界の集中を緩和し、共振素子12を透過する磁力線を増加させることによって、尖鋭度(Quelity Factor;以下「Q値」と記す)を向上させることができる。共振素子12の±Z方向の長さ、空洞19の大きさ、共振素子12の内径、共振素子12の厚さは、所望するサイズ、基本モード共振の共振周波数および高次モード共振の共振周波数に応じて適宜設定される。
一例として、共振素子12に内壁面被覆層3、外壁面被覆層6、第1接合端被覆層4および第2接合端被覆層5が形成された共振素子構造体の寸法を参考までに述べると、外径D1が20mm、内径D2が11mm、Z軸に平行な寸法L0が19mmである。内壁面被覆層3の第1導体部13の底面からのZ方向の寸法L1は、共振素子12の寸法L0の60〜90%の範囲に選ばれる。したがって内壁面被覆層3が形成されていない領域のZ方向の寸法ΔL1は、共振素子12の寸法L0の40〜10%の範囲であり、ΔL1の領域から共振素子12が部分的に露出している。また、外壁面被覆層6の第2導体部14の下面からZ方向の寸法L2は、共振素子12の寸法L0の60〜90%の範囲に選ばれる。したがって外壁面被覆層6が形成されていない領域の寸法ΔL2は、共振素子12の寸法L0の40〜10%の範囲であり、ΔL2の領域から共振素子12が部分的に露出している。
共振素子12の材料は、誘電体セラミックスなどの既知の誘電体材料を用いることができる。誘電体材料としては、たとえば、BaTiO、PbFeNb12、TiOなどを含有する誘電体セラミック材料を好適に用いることができる。共振素子12を構成する他の材料としては、エポキシ樹脂などの樹脂を用いることもできる。共振素子12とシールド筐体10とを接合する導電性接合材としては、たとえば導電性接着剤のような種々の既知の導電性接合材を用いることができる。
内壁面被覆層3、第1接合端被覆層4、第2接合端被覆層5および外壁面被覆層6の材料は、Ag、Ag−Pd、Ag−PtなどのAg合金を主成分とする導電性材料、またはCu系、W系、Mo系、Pd系の導電性材料などを適宜選択して用いることができ、メタライズ処理によって、たとえば厚さ5〜20μmの導電膜として形成される。最低限度の膜厚としては、使用する周波数における表皮効果の厚みよりも厚い必要がある。第2接合端被覆層5とシールド筐体10とは、半田などを用いて接合してもよい。この場合には、第2接合端被覆層5および半田が、導電性接合材として機能する。
第2接合端被覆層5の内側の角部C1、内壁面被覆層3の−Z方向の角部C2、外壁面被覆層6の+Z方向の角部C3および第1接合端被覆層4の外側の角部C4は、R面に形成されている。各角部C1〜C4をR面とすることによって、各角部C1〜C4に電流が集中することが抑制される。各角部C1〜C4は、内壁面被覆層3および外壁面被覆層6などの導体層のうちの一部だけにR面が形成されてもよく、内壁面被覆層3および外壁面被覆層6などの導体層のうちの一部と、その背後の誘電体層とを含む範囲に、R面が形成されてもよい。このような構成を有する本実施形態の共振器は、空洞19が容量となるL、R、Cの並列共振回路によって近似される、TEMモードに類似した共振モードを有する共振器として機能する。
前述の特許文献1などに記載される従来技術の共振器は、小型化が困難であるという問題がある。そして、シールドケースの内側の全体に誘電体を充填することによって小型化すると、高次モード共振の共振周波数が大きく低下して基本モード共振の共振周波数に近接し、電気特性が悪化するという問題がある。また、第2の共振素子としての柱状導体の開放端とシールドケースとの間に誘電体を配置して小型化すると、Q値が大きく低下して電気特性が悪化するという問題がある。
このような従来技術の共振器に対し、前述の本実施形態の共振器は、特許文献1などの従来技術の共振器よりも小型化することができる。また、特許文献1などの従来技術の共振器のシールドケースの内側全体に誘電体を充填したものよりも、高次モード共振の共振周波数の低下を抑制することができ、さらに特許文献1などの従来技術の共振器の柱状導体の開放端とシールドケースとの間に誘電体を配置したものよりも、Q値の低下を抑制することができる。すなわち、本実施形態の共振器は、基本モード共振の共振周波数と高次モード共振の共振周波数との差が大きく、Q値が高い、優れた電気特性を有しているとともに小型である。すなわち、本実施形態の共振器は、小型で電気特性が優れている。
本実施形態の共振器は、たとえば、次のようにして作製することができる。まず、共振素子12に内壁面被覆層3および外壁面被覆層6が形成された共振素子構造体の−Z方向の端を第1導体部13の中央に接合する。また、共振素子構造体の+Z方向の端に導電性接合材を塗布し、その上から第2導体部14を被せ、第2導体部14を第1導体部13の側壁部に導電性接合材によって接着またはねじ止めすることによって、共振器を作製することができる。
共振素子12の−Z方向の端および+Z方向の端のそれぞれが、シールド筐体10に接合されるので、共振素子12の−Z方向の端と+Z方向の端とを、シールド筐体10に異なる接合手法によって接合して、電気的に接続することができる。これによって、共振素子12の−Z方向の端と+Z方向の端とに信頼性が高い接合方法を個別に採用することができ、接合方法の選択上の自由度を向上することができる。
また本実施形態の共振器は、共振素子12に内壁面被覆層3、外壁面被覆層6、第1接合端被覆層4および第2接合端被覆層5が形成された筒状の共振素子構造体を採用している。このような1つの共振素子構造体によって、高い共振周波数および高いQ値を達成することができるので、小型化を図り、生産性に優れた共振器を実現することができる。
(第2実施形態)
図3は本発明の第2実施形態の共振器を模式的に示す断面図である。なお、本実施形態の共振器は、前述の第1実施形態と類似し、対応する部分には同一の参照符を付す。本実施形態の共振器は、第1方向である−Z方向の側に位置する第1導体部13と、−Z方向と反対方向である第2方向である+Z方向の側に位置する第2導体部14とを含み、内部に空洞19を有するシールド筐体10と、空洞19内の第1導体部13と第2導体部14との間に延在し、有底筒状の誘電体から成る共振素子12と、共振素子12の内壁面に、第2導体部14から−Z方向の側に寸法ΔL1の間隔をあけて位置する、導体から成る内壁面被覆層3と、共振素子12の外壁面に、第1導体部13から+Z方向の側に寸法ΔL2の間隔をあけて位置する、導体から成る外壁面被覆層6と、共振素子12の−Z方向の端壁面と第1導体部13との間に位置し、内壁面被覆層3に接続された、導体から成る第1接合端被覆層4と、共振素子12の+Z方向の端壁面と第2導体部14との間に位置し、外壁面被覆層6に接続された、導体から成る第2接合端被覆層5と、を有する。
内壁面被覆層3は、有底筒状の共振素子12の円筒状の内壁面を被覆する筒状の内周部分3aと、内周部分3aの+Z方向の端に連なり、共振素子12の底面を被覆する底面部分3bとを有する。第2接合端被覆層5は、有底筒状の共振素子12の円筒状の外壁面を被覆する円板状に形成される。
本実施形態においては、内壁面被覆層3の内周部分3aと天面部分3bとが交差する角部C1、内壁面被覆層3の内周部分3aと第1接合端被覆層4とが交差する角部C2、外壁面被覆層6と第2接合端被覆層5とが交差する角部C3、および第1接合端被覆層4の外周端側の角部C4は、R面に形成され、各角部C1〜C4に電流が集中することが抑制されている。このようなR面は、各角部C1〜C4の一部だけに形成されてもよく、各角部C1〜C4のうちのR面とされる一部と、その背後の誘電体層とを含む範囲に形成されてもよい。
図4は第2実施形態の共振器を模擬した数値解析モデルを示す斜視図であり、図5は第2実施形態の共振器を模擬した数値解析モデルの解析結果である電界強度分布を示す図であり、図6は第2実施形態の共振器の数値解析モデルの解析結果である磁界強度分布を示す図である。なお、本件発明者は、図3および図4に示される第2実施形態の共振器の電気的特性および磁気的特性を、コンピュータを用いた数値解析によってシミュレーションするに際して、共振器の貫通孔16,17は省略して解析処理を行った。
図4に示す数値解析モデルにおいて、共振素子12を構成する誘電体は、比誘電率を43とし、誘電正接を3×10−5とした。第1導体部13および第2導体部14の導電率は、4.2×10S/mとした。空洞19の+X方向の寸法および+Y方向の寸法は38mmとし、空洞19の+Z方向の寸法は20mmとした。共振素子12の内径は9mmとし、共振素子12の外径は13mmとし、共振素子12の長さ(+Z方向の寸法)は20mmとした。この数値解析モデルでは、内壁面被覆層3、外壁面被覆層6、第1接合端被覆層4および第2接合端被覆層5を備える構成とした。内壁面被覆層3、外壁面被覆層6第1接合端被覆層4および第2接合端被覆層5の厚さは、それぞれ10μmとした。ΔL1およびΔL2は、2mmである。
シミュレーションの結果、基本モード共振の共振周波数は203MHzであり、基本モード共振のQ値は1020であった。最も周波数が低い高次モード共振の共振周波数は1.29GHzであった。この結果、図1の共振器よりも共振周波数が低いことがわかる。この構造とすることによって、より低周波数で共振させることができることが確認された。
(第3実施形態)
図7は本発明の第3実施形態の共振器を模式的に示す断面図である。なお、前述の実施形態と対応する部分には、同一の参照符を付す。本実施形態の共振器は、シールド筐体10、共振素子12、内壁面被覆層3、外壁面被覆層6、第1接合端被覆層4および第2接合端被覆層5を備え、さらに第2導体部14に設けられ、導体から成り、共振素子12に対する−Z方向または+Z方向の重なり量ΔL3を変化させて、周波数を調整するための周波数調整具9が設けられる。
このような周波数調整具9は、たとえば金属製のボルトによって実現される。周波数調整具9を第2導体部14に対して螺進/螺退させることによって、共振モードの共振周波数を決定する容量成分を小さくし、共振周波数を調整することができる。これによって導体棒である周波数調整具9に電流が流れることによる導体損が抑えられ、共振器のQ値を高くすることができる。
図8A〜図8Cは周波数調整具による周波数の変化量を説明するための図であり、図8Aは周波数調整具9が第2導体部14から空洞19内へ突出していない共振器の模式化した断面図であり、図8Bは周波数調整具9を第2導体部14から空洞19内への突出量ΔL11を2mmにした状態を示し、図8Cは周波数調整具9を第2導体部14から空洞19内への突出量ΔL11を4mmにした状態を示す。なお、周波数調整具9の半径は3.5mmである。
周波数調整具9の空洞19内への突出量ΔL11が図8Aに示すように、ΔL11=0mmの場合の共振周波数に対して、図8Bに示す突出量ΔL11が2mmの場合、共振周波数の変化量は0.0004GHzであり、図8Cに示す突出量ΔL11が4mmの場合、共振周波数の変化量は−0.0004GHzであった。これによって、周波数調整具9の空洞19内における露出量に応じて共振周波数を調整できることが確認された。
このような周波数調整具9を設けることによって、第2導体部14から空洞19内への突出量ΔL11を増加させると、共振周波数は上昇し、突出量ΔL11を減少させると、共振周波数は低下し、目的とする共振周波数に調整可能であることが確認された。
(第4実施形態)
図9は本発明の第4実施形態の共振器を模式的に示す断面図である。なお、前述の実施形態と対応する部分には、同一の参照符を付す。本実施形態の共振器は、共振素子12の−Z方向の端の第1接合端被覆層4と第1導体部13との間に、導体である金属から成る第1台座部25aが設けられ、共振素子12の+Z方向の端と第2導体部14との間に、導体である金属から成る第2台座部25bが設けられる。
このような構成によって、シールド筐体10に収容する先だって、事前に共振素子12に設けられた内壁面被覆層3および第1接合端被覆層4を第1台座部25aと接続し、外壁面被覆層6および第2接合端被覆層5を第2台座部25bと接続した組立て体を作製しておき、その組立て体を第1導体部13内に収容した後、第2導体部14を第1導体部13に接合することが可能である。この場合、シールド筐体10の大きさに対して十分小さい第1および第2台座部25a,25bを用いることによって、半田またはろう材による第1導体部13への第1台座部25aの接合、第2導体部14への第2台座部25bの接合を、リフローなどによって短時間で容易に行うことができ、組立て作業を簡素化し、生産性を向上することができる。また、各台座25a,25bの間に共振素子12、内壁面被覆層3、第1接合端被覆層4、第2接合端被覆層5および外壁面被覆層6が設置されるので、第1接合端被覆層4およびその付近ならびに第2接合端被覆層5およびその付近の各設置部において表皮電流が集中することがなくなり、Q値の低下が抑制される。
(第5実施形態)
図10は本発明の第5実施形態の共振器を模式的に示す断面図である。なお、前述の実施形態と対応する部分には、同一の参照符を付す。本実施形態の共振器は、図9に示す第4実施形態の共振器に、図7および図8に示す周波数調整具9と同様な周波数調整具9aが設けられる。周波数調整具9aは、第2導体部14および第2台座部25bをそれらの厚み方向、すなわち±Z方向に螺進/螺退して変位可能に装着される。
このような周波数調整具9aによってもまた、前述の第4実施形態の周波数調整具9と同様に、第2台座部25bから空洞19内への突出量ΔL12を変化させることによって、共振周波数を調整することができる。また、前述の第4実施形態と同様に、シールド筐体10の大きさに対して十分小さい第1および第2台座部25a,25bを用いることによって、半田またはろう材による第1導体部13への第1台座部25aの接合、第2導体部14への第2台座部25bの接合を、リフローなどによって短時間で容易に行うことができ、その後に第2導体部14および第2台座部25bに組立て作業を簡素化し、生産性を向上することができる。また、前述の第4実施形態と同様に、各台座25a,25bの間に共振素子12、内壁面被覆層3、第1接合端被覆層4、第2接合端被覆層5および外壁面被覆層6が設置されるので、第1接合端被覆層4およびその付近ならびに第2接合端被覆層5およびその付近の各設置部において表皮電流が集中することがなくなり、Q値の低下が抑制される。
(フィルタ)
図11は本発明に係るフィルタの一実施形態を模式的に示す斜視図であり、図12は図11に示されるフィルタの断面図である。本実施形態のフィルタは、複数の共振器としての第1および第2共振器20a,20bと、第1端子部18aと、第2端子部18bとを含んで構成される。第1共振器20aおよび第2共振器20bは、前述した図1〜図9に示される各実施形態の共振器のいずれか1つと同じ構造を有し、多段型帯域通過フィルタが構成される。
第1共振器20aおよび第2共振器20bは、各空洞19が結合孔21を介して電磁気的に結合するように、列を成して配置されている。第1共振器20aは、列の一方端に位置しており、第2共振器20bは、列の他方端に位置している。第1端子部18aは、電磁気的に第1共振器20aに接続され、第2端子部18bは、電磁気的に第2共振器20bに接続される。
このような構成を有しているため、本実施形態のフィルタは、小型化が可能であるとともに、通過帯域の挿入損失が小さく、通過帯域近傍の減衰量が大きい優れた電気特性を実現できる。
図13は第1および第2共振器20a,20bとして、上記第2実施形態の共振器を用いた場合のフィルタの周波数特性を示すグラフである。グラフより、透過特性S21は、190MHzにおいて、通過しており、また、反射特性S11も−20dB程度と良好なフィルタ特性が得られており、本開示の共振器を用いてフィルタが構成できることが確認された。
このようなフィルタにおいて、第1共振器20aの第1端子部18aから高周波信号が入力されると、この高周波信号は第1および第2共振器20a,20bの各空洞19内で励振され、第2端子部18bから共振周波数の高周波信号として出力される。
(通信装置)
図14は本発明に係る通信装置の一実施形態を模式的に示すブロック図である。本実施形態の通信装置は、アンテナ82と、通信回路81と、アンテナ82および通信回路81に接続されたフィルタ80とを有している。フィルタ80は、前述した一実施形態のフィルタである。アンテナ82および通信回路81は、既知の従来のものである。
このような構成を有する本実施形態の通信装置は、小型で電気特性が優れた前述のフィルタを用いて不要な電気信号を除去することから、小型化が可能であり、通信品質を良くすることができる。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想に則して種々の変更および改良が可能である。
たとえば、前述した実施形態においては、共振素子12が円筒状の形状を有している例を示したが、これに限定されるものではない。共振素子12は、たとえば、4角筒状、6角筒状、楕円筒状など、他の形状を有していてもよい。また、特許文献1に記載された共振器のように、共振素子12は、±Z軸方向に断面積が一定ではない形状、たとえば+Z方向に断面積が減少する構成であってもよく、+Z方向に断面積が増加する構成であってもよい。
また、前述した実施形態においては、1つの筒状の共振素子12がシールド筐体10の重心を通る±Z軸線を中心軸線として配設された例を示したが、これに限定されるものではない。たとえば、スリットが+Z方向に共振素子12を貫通し、共振素子12が4つに分割されていてもよい。すなわち、共振素子12を複数の分割片によって構成されてもよい。
また、前述した一実施形態のフィルタにおいては、第1共振器20aおよび第2共振器20bが、第2実施形態の共振器と同じ構造を有する場合を示したが、これに限定されるものではない。たとえば、第1〜第3実施形態の共振器のいずれかと同じ構造を有していてもよく、他の構造であってもよい。
また、前述の実施形態においては、フィルタが2つの共振器20a,20bを有する例を示したが、これに限定されるものではない。フィルタは、3つ以上の共振器を有していてもよい。その場合には、第1共振器20aと第2共振器20bとの間に、その他の共振器を配置して、全ての共振器が電磁結合するように構成されてもよい。また、通常のフィルタ設計のように共振器間以外の飛び越し結合を作ることで、減衰極を構成してもよい。
以上のように、本開示の共振器によれば、小型で電気特性が優れた共振器を得ることができる。また本開示のフィルタによれば、小型で電気特性が優れたフィルタを得ることができる。また本開示の通信装置によれば、小型で通信品質に優れた通信装置を得ることができる。
本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形態で実施できる。したがって、前述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、本発明の範囲は請求の範囲に示すものであって、明細書本文には何ら拘束されない。さらに、請求の範囲に属する変形や変更は全て本発明の範囲内のものである。
3 内壁面被覆層
4 接合端被覆層
5 接合端被覆層
6 外壁面被覆層
7 支持部
8 押さえ部
9 周波数調整具
10 シールド筐体
12 共振素子
13 第1導体部
14 第2導体部
16,17 貫通孔
18a 第1端子部
18b 第2端子部
19 空洞
20a 第1共振器
20b 第2共振器
25;25a,25b 台座部
80 フィルタ
81 通信回路
82 アンテナ

Claims (8)

  1. 第1導体部と、前記第1導体部の反対側に位置する第2導体部とを含み、内部に空洞を有するシールド筐体と、
    前記空洞内の前記第1導体部と前記第2導体部との間に延在し、筒状の誘電体から成る共振素子と、
    前記共振素子の内壁面に、前記第2導体部から間隔をあけて位置する、導体から成る内壁面被覆層と、
    前記共振素子の外壁面に、前記第1導体部から間隔をあけて位置する、導体から成る外壁面被覆層と、を備えた共振器。
  2. 前記共振素子の前記第1導体部側の端壁面と前記第1導体部との間に位置し、前記内壁面被覆層に接続された、導体から成る第1接合端被覆層を有する請求項1に記載の共振器。
  3. 前記共振素子の前記第2導体部側の端壁面と前記第2導体部との間に位置し、前記外壁面被覆層に接続された、導体から成る第2接合端被覆層を有する請求項1または2に記載の共振器。
  4. 前記第1導体部と前記共振素子の前記第1導体部側の端壁面との間に位置し、前記第1接合端被覆層に接続された、導体から成る第1台座部を有する、請求項1〜3のいずれか1つに記載の共振器。
  5. 前記第2導体部と前記共振素子の前記第2導体部側の端壁面との間に位置し、前記第2接合端被覆層に接続された、導体から成る第2台座部を有する、請求項1〜4のいずれか1つに記載の共振器。
  6. 前記第2導体部に設けられ、導体から成り、前記共振素子内への挿入量を変化させて周波数を調整するための周波数調整具を有する、請求項1〜5のいずれか1つに記載の共振器。
  7. 請求項1〜6のいずれか1つに記載の共振器と同じ構造を有しているとともに、相互に電磁気的に結合するように列を成して配置され、前記列の一方端に位置する第1共振器および前記列の他方端に位置する第2共振器を含む、複数の共振器と、
    前記第1共振器に、電気的または電磁気的に接続される第1端子部と、
    前記第2共振器に、電気的または電磁気的に接続される第2端子部と、を有するフィルタ。
  8. アンテナと、通信回路と、前記アンテナおよび前記通信回路に接続された請求項7に記載のフィルタと、を含む通信装置。
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