JPWO2020070795A1 - ガバナシステムの特性制御装置、及びエレベータ装置 - Google Patents
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Abstract
ガバナシステムの特性制御装置は、ガバナ装置、特性変更装置、かごに接続されたガバナロープに関する物理量に基づき、かごの位置を検出する第1のかご位置検出部、及びかごに接続されたガバナロープを有するガバナシステムの状態を示す状態情報を、ガバナロープに関する物理量の検出値に基づいて生成する生成部と、生成部が生成した状態情報を基に、ガバナシステムの特性を変更する特性変更装置を制御し、第1のかご位置検出部の検出誤差を低減させるよう特性を変更させる制御部と、を備える。
Description
本発明は、ガバナシステムの特性制御装置、及び特性制御装置を備えたエレベータ装置に関する。
高層の建物に設置されるエレベータ装置のなかには、ガバナ装置に取り付けられたエンコーダを、かごの位置検出に用いているものがある。このようなエレベータ装置に用いられるロープの長さは、建物の高さに応じて長くなる。ロープは、長くなるほど、剛性が低下して変形し易くなる。そのため、建物が高くなるほど、ガバナロープは揺れやすくなる。
揺れにより、ガバナロープにかかる力は変化する。その力の変化により、ガバナロープは、伸び縮みし、状況によっては振動もする。ガバナロープの伸び縮み、及び振動は、何れも、ガバナ装置に取り付けられたエンコーダによるかごの位置検出精度を低下させる。このことから、従来、建物の揺れが検出された場合に、ガバナロープの張力を必要に応じて変動させることにより、ガバナロープの揺れを抑制することが行われている(例えば、特許文献1参照)。
ガバナロープには、かごの昇降時の加減速による力が加わる。その力は、ガバナロープの揺れを発生させるおそれがある。また、乗客によってかごが揺らされた場合には、そのかごの揺れがガバナロープに伝搬し、ガバナロープに揺れを発生させるおそれがある。このように、ガバナロープは、建物の揺れ以外の原因、つまりエレベータ装置の動作状態に伴う原因によっても揺れる。
ガバナロープに発生する揺れは、ガバナ装置に取り付けられたエンコーダによるかごの位置検出精度を低下させる原因となり得る。従って、エレベータかごの停止位置の制御に、ガバナシステムによる検出位置を用いる場合は、ガバナシステムによるかごの位置検出精度の低下を抑制するためには、建物の揺れが発生していない状況であっても、エレベータ装置の動作状態に起因するガバナロープの揺れを抑制することが重要である。
本発明は、かかる課題を解決するためになされたもので、その目的は、エレベータ装置の動作状態に起因する、ガバナシステムにおけるかごの位置検出誤差を抑制することのできる特性制御装置、及びエレベータ装置を提供することにある。
本発明に係るガバナシステムの特性制御装置は、ガバナ装置、特性変更装置、かごに接続されたガバナロープに関する物理量に基づき、かごの位置を検出する第1のかご位置検出部、及びかごに接続されたガバナロープを有するガバナシステムの状態を示す状態情報を、ガバナロープに関する物理量の検出値に基づいて生成する生成部と、生成部が生成した状態情報を基に、ガバナシステムの特性を変更する特性変更装置を制御し、第1のかご位置検出部の検出誤差を低減させるよう特性を変更させる制御部と、を備える。
本発明によれば、エレベータ装置の動作状態に起因する、ガバナシステムにおけるかごの位置検出誤差を抑制することができる。
以下、本発明に係る特性制御装置、及び特性制御装置を備えるエレベータ装置の各実施の形態を、図を参照して説明する。ここでは、同じ、或いは対応する構成要素には同一の符号を付している。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係るエレベータ装置の構成例を示す図である。エレベータ装置1は、例えば高層ビルディングに設置されたものである。図1に示すように、エレベータ装置1は、主ロープシステム2、ガバナシステム3、エレベータ制御装置4、及び特性制御装置5を備えている。
図1は、本発明の実施の形態1に係るエレベータ装置の構成例を示す図である。エレベータ装置1は、例えば高層ビルディングに設置されたものである。図1に示すように、エレベータ装置1は、主ロープシステム2、ガバナシステム3、エレベータ制御装置4、及び特性制御装置5を備えている。
主ロープシステム2は、利用者が乗車するかご21を昇降させるためのシステムである。図1に示すように、主ロープシステム2は、かご21、主ロープ22、釣合い重り23、巻上機24、そらせ車25、コンペンセーティングロープ26、及びコンペンセーティング張り車27を備えている。以降、コンペンセーティングロープ26は「コンペンロープ26」、コンペンセーティング張り車27は「コンペン張り車27」とそれぞれ略記する。
主ロープ22の一端はかご21に連結され、他端は釣合い重り23に連結されている。巻上機24は、動力を発生させ、発生させた動力を主ロープ22に伝達する装置である。巻上機24は、かご21と釣合い重り23との間に配置されている。かご21、及び釣合い重り23は、巻上機24によって吊り下げられた状態となっている。又は、主ロープ22の両端は建物に固定されており、巻上機24を介して片側に設置された動滑車によってかご21の荷重を支え、もう片側には釣り合いおもりが動滑車で吊り下げられている構成でも良い。
そらせ車25は、主ロープ22を釣合い重り23に吊り下げる位置、又は主ロープ22をかご21に吊り下げる位置を調整するための滑車である。コンペンロープ26は、巻上機24を境にした、主ロープ22のかご21側と釣合い重り23側との間の重量差を補償するためのロープである。コンペンロープ26は、一端がかご21に、他端が釣合い重り23にそれぞれ連結されている。コンペン張り車27は、コンペンロープ26を案内すると共に、コンペンロープ26に張力を与える。
なお、主ロープシステム2は、図1に示すような構成に限定されない。例えばそらせ車25が無い構成を採用することができる。また、コンペンロープ26、及びコンペン張り車27が無い構成を採用することもできる。
ガバナシステム3は、かご21の速度超過を検出するためのシステムである。図1に示すように、ガバナシステム3は、ガバナ装置31、ガバナロープ32、ガバナ張り車33、第1のかご位置検出部34、及び特性変更装置35を備えている。
ガバナロープ32は、その両端が、図示しない結合部で円環状に結合されており、結合部はかご21に把持されている。それにより、ガバナロープ32の両端は、かご21に連結されている。ガバナロープ32は、ガバナ装置31とガバナ張り車33との間に架け渡されている。ガバナ装置31は、かご21の昇降に伴うガバナロープ32の動きに連動して回転し、機械的或いは電気的にかご21の速度超過を検出する。更に、ガバナ装置31は、速度超過を検出した場合に、かご21に設けられた図示しない非常止め装置を動作させる。
ガバナ装置31に取り付けられた第1のかご位置検出部34は、かご21の位置を検出する。第1のかご位置検出部34は、例えばエンコーダを用いて構成される。
ガバナ装置31には、特性変更装置35が取り付けられている。この特性変更装置35は、ガバナシステム3の特性を変更するための装置である。ここで、ガバナシステム3の特性とは、ガバナシステム3の機構上の性質、または状態量のことである。例えばガバナロープ32の駆動に要する負荷の大きさ、言い換えればガバナロープ32の駆動に係わるガバナシステム3の慣性上の性質は、ガバナシステム3の特性の例に相当する。特性変更装置35自身、及び特性変更装置35によって変更可能な特性の具体例についての詳細は、後述する。この特性は、以降「機械的特性」と表記する。
なお、ガバナシステム3は、図1に示すような構成に限定されない。例えばガバナロープ32に張力を付与するためのガバナ張り車33が無い構成を採用することができる。
図1では、巻上機24のみがエレベータ制御装置4と接続されている。しかし、巻上機24の他に、ガバナ装置31、及び第1のかご位置検出部34がエレベータ制御装置4と接続されている。エレベータ制御装置4は、エレベータ装置1全体を制御する。
第1のかご位置検出部34は、ガバナ装置31の回転に基づいて、かご21の位置を検出し、検出結果をエレベータ制御装置4に出力する。ガバナ装置31は、かご21の速度が閾値として定められた速度を超過しているか否かを示す速度超過情報をエレベータ制御装置4に出力する。図1では、第1のかご位置検出部34は、ガバナ装置31に取り付けられているが、例えばガバナ張り車33のように、ガバナ装置31以外の回転体に取り付けても良い。
エレベータ制御装置4は、巻上機24を駆動させるための駆動指令、巻上機24を停止させるための停止指令、等を出力し、巻上機24を制御する。巻上機24には、ブレーキが搭載されている。エレベータ制御装置4は、巻上機24のブレーキも併せて制御する。第1のかご位置検出部34が出力する信号により検出されたかご21の位置は、巻上機24の制御に用いられる。ガバナ装置31が出力する速度超過情報は、かご21に設けられた図示しないブレーキの制御に用いられる。
かご21には、ブレーキの他に、かご21内に居る利用者、荷物等の総重量を量る秤装置が設けられている。エレベータ制御装置4は、必要に応じて、ブレーキを制御し、秤装置が量った総重量を示す重量情報を取得することができる。重量情報を取得できる場合、エレベータ制御装置4に、取得した重量情報に応じて、かご21を静止保持可能なトルクを発生させる指令を巻上機24に出力させるようにしても良い。
エレベータ制御装置4には、図1に示すように、特性制御装置5が更に接続されている。特性制御装置5は、特性変更装置35を制御して、ガバナシステム3の機械的特性を必要に応じて変更する。図1では、特性制御装置5は、特性変更装置35と直接、接続されているが、これらは間接的に接続させても良い。つまり、特性制御装置5は、他の装置を介して、特性変更装置35を制御しても良い。
特性変更装置35は、ガバナ装置31に取り付けることができる。ただし、特性変更装置35を取り付ける位置は、ガバナ装置31に限定されない。特性変更装置35は、ガバナシステム3の機械的特性を変更可能な場所に設置すれば良い。そのため、例えば図2に示すように、特性変更装置35は、ガバナ張り車33に取り付けても良い。或いは図3に示すように、特性変更装置35は、ガバナ装置31に直接的に、或いは間接的に摩擦力を働かせられる位置に設置しても良い。特性変更装置35は、ガバナ張り車33に直接的に、或いは間接的に摩擦力を働かせられる位置に設置しても良い。特性変更装置35は、ガバナロープ32に摩擦力、またはトルクを働かせられる位置に設置しても良い。また、特性変更装置35は、複数、設置しても良い。
図1に示すように、第1のかご位置検出部34は、ガバナシステム3に設けられている。そして、第1のかご位置検出部である第1のかご位置検出部34は、ガバナロープ32に関する物理量の検出値として、かご21の位置を検出する。第1のかご位置検出部34による位置検出結果は、ガバナロープ32に発生する揺れの状態によって変化する。すなわち、巻上機24の停止時では、ガバナロープ32に発生する揺れは、第1のかご位置検出部34が取り付けられたガバナ装置31を回転させる場合がある。巻上機24の駆動時では、ガバナロープ32に発生する揺れは、ガバナ装置31に回転速度の変化を発生させる場合がある。ガバナロープ32に発生する揺れは、かご21の位置の検出精度を低下させる。
ガバナロープ32の揺れは、かご21の昇降時の加減速により発生する。主ロープ22の揺れ、衝撃等によってかご21が揺れた場合、ガバナロープ32も揺れる。このように、ガバナロープ32の揺れは、建物が揺れていない状況であっても、エレベータ装置1の動作状態に起因して発生する。
特性変更装置35は、このような位置検出精度の低下を発生させるガバナロープ32の揺れを抑制、即ち低減するために設けられている。そのために、特性変更装置35によるガバナシステム3の機械的特性を変更する制御は、ガバナロープ32の揺れを抑制させるために行われる。ガバナロープ32の揺れを抑制することにより、位置検出精度が低下する状況を回避できる。また、位置検出精度が低下する状況となる期間を、より短くすることができる。
位置検出精度の低下は、基本的に、ガバナロープ32の伸縮を含む揺れによって発生する。例えばかご21の上下の振動は、ガバナロープ32の伸縮を含む揺れを発生させる。そのようなガバナロープ32の揺れにより、実際のかご21の位置に対する、第1のかご位置検出部34によって検出されるかご21の位置に、検出誤差が発生する。
より具体的には、ガバナロープ32の揺れは、第1のかご位置検出部34が取り付けられた回転体へのガバナロープ32による伝達遅れ、回転軸周りの張力差によって発生する回転体の回転位置ずれ、等の回転異常を発生させる。第1のかご位置検出部34が取り付けられた回転体に発生する回転異常は、位置検出誤差の原因となる。かご21の振動にガバナシステム3の共振周波数成分が含まれているような場合、ガバナロープ32は、より大きく揺れるおそれがある。ガバナロープ32の揺れが大きくなるほど、回転体に発生する回転異常の程度が大きくなって、位置検出誤差も大きくなる。特性制御装置5は、ガバナロープ32の揺れを抑制するために、特性変更装置35を制御する。
図4は、本発明の実施の形態1に係るエレベータ装置に用いられる特性制御装置の機能構成例を示す図である。次に図4を参照し、特性制御装置5の機能構成、その機能構成による特性変更装置35への制御、及びその制御によって変更されるガバナシステム3の機械的特性について、詳細に説明する。
上記のように、第1のかご位置検出部34は、エレベータ制御装置4と接続されている。特性制御装置5は、第1のかご位置検出部34による検出結果を用いて特性変更装置35の制御を行う。そのため、図4では、第1のかご位置検出部34を特性制御装置5と直接、接続させた状態として示している。実際には、第1のかご位置検出部34は、エレベータ制御装置4を介して特性制御装置5と接続されている。
特性制御装置5は、図4に示すように、生成部51、及び制御部52を備えている。生成部51は、第1のかご位置検出部34が出力するかご21の位置を、ガバナロープ32に関する物理量の検出値として取得する。そして、制御部52は、取得した位置から、ガバナシステム3の状態を示す状態情報として位置情報を生成する。図4では、その位置情報が示す位置を「p」と表記している。
生成部51は、図4に示すように、2つの微分部511、512を備えている。2つの微分部511、512は、共に、時間微分操作を行う。位置pを示す位置情報は、微分部511に入力される。微分部511は、位置pの時間微分操作を行い、かご21の速度vを算出する。すなわち、微分部511は、ガバナロープ32に関する物理量の検出値として取得した位置から、ガバナシステム3の状態を示す状態情報として速度情報を生成することができる。
微分部511で算出された速度vを示す速度情報は、微分部512に入力される。微分部512は、速度情報が示す速度vの時間微分操作を行い、かご21の加速度aを算出する。すなわち、微分部512は、ガバナロープ32に関する物理量の検出値として取得した位置から、ガバナシステム3の状態を示す状態情報として加速度情報を生成することができる。
このようにして生成部51により生成された位置pを示す位置情報、速度vを示す速度情報、及び加速度aを示す加速度情報は、制御部52に入力される。なお、速度vの算出、及び加速度aの算出は、時間微分操作とは異なる操作により行っても良い。
なお、生成部51は、ガバナシステム3の状態を示す状態情報として、位置情報、速度情報、及び加速度情報のうちの少なくとも何れか1つを生成し、制御部52に出力するようにしても良い。
制御部52は、特性変更装置35を直接、駆動するか、或いは駆動内容を示す指令を生成して特性変更装置35に出力する。ここでは、便宜的に、制御部52は、指令を出力するものとする。つまり、特性変更装置35は、制御部52から受信した指令に従って動作する。
制御部52は、位置p、速度v、及び加速度aの時間遷移に基づいて、位置脈動量、速度脈動量、及び加速度脈動量を求める。そして、制御部52は、位置脈動量、速度脈動量、及び加速度脈動量の少なくとも何れか1つが小さくなるように、特性変更装置35の制御内容を決定する。
ここで、ガバナシステム3の回転系の運動方程式を式(1)、式(2)として定義する。
τ=J・a+D・v+K・p (1)
τ+τc=J・a+D・v+K・p (2)
上式(1)、式(2)において、Jはガバナシステム3の回転慣性係数、Dはダンピング係数、Kはガバナロープ32の剛性係数、τはかご21の振動等の外的要因でガバナシステム3に加わるトルク、τcはガバナシステム3に付与するトルクである。
τ=J・a+D・v+K・p (1)
τ+τc=J・a+D・v+K・p (2)
上式(1)、式(2)において、Jはガバナシステム3の回転慣性係数、Dはダンピング係数、Kはガバナロープ32の剛性係数、τはかご21の振動等の外的要因でガバナシステム3に加わるトルク、τcはガバナシステム3に付与するトルクである。
式(1)は、ガバナシステム3が有する機械的特性の変更量を求めるために導出された式である。このことから、ガバナシステム3の機械的特性を変更するに当たっては、式(1)の右辺の値または式(1)の左辺の値を変更することが考えられる。
式(1)の右辺の値を変更する場合には、右辺に存在する3つの係数のうちの少なくとも1つを変化させることになる。また式(2)の左辺を変更する場合には、特性変更装置にてトルクτcを加えることになる。トルクτcを加えることは、結果的には、右辺に存在する3つの係数のうちの少なくとも1つを変化させることと等価となる。言い換えれば、決定したトルクτをガバナシステム3に加えることは、等価的に、式(2)の右辺に存在する3つの係数のうちの少なくとも1つを変化させることである。
速度v、及び加速度aには共に、向きが存在する。そのため、速度v、及び加速度aには正負があり、算出されるトルクτ、τcにも正負がある。トルクτ、τcの正負は、トルクτを加えるべき方向を表している。
特性変更装置35にて加えられるトルクτcは、位置p、速度v、及び加速度aのうちの少なくとも1つに比例した値であっても良い。また、トルクτcの決定に当たっては、位置p、速度v、及び加速度aのうちの少なくとも1つに対し、フィルターをかけた値を用いても良い。トルクτcの決定に当たっては、位置p、速度v、及び加速度aのうちの少なくとも1つの脈動量を求め、求めた脈動量に比例した値、またはその脈動量にフィルターをかけた値を用いても良い。また、トルクτcの決定に当たっては、位置p、速度v、及び加速度aのうちの少なくとも1つを用いて複数の値を算出し、算出された複数のトルクの総和を用いても良い。このように、特性変更装置35にて加えられるトルクτcの決定方法には、様々な変形例がある。何れの決定方法を採用したとしても、決定したトルクτをガバナシステム3に加えることにより、結果的に、式(2)の右辺に存在する3つの係数のうちの少なくとも1つが変化することになる。
位置p、速度v、及び加速度aは全て、状態情報である。状態情報の種類、及び組み合わせは、例えばガバナシステム3の操作対象とする機械的特性に応じて、決定することができる。
特性変更装置35が回転電機であった場合、特性制御装置5は、ガバナシステム3へのトルクの付与、ガバナロープ32の移動負荷の増減等を行うことができる。この場合、特性変更装置35は、図1〜図3の何れの位置に設置しても良い。
特性変更装置35がガバナ装置31、或いはガバナ張り車33に取り付けられた制動装置、つまりブレーキであった場合、特性制御装置5は、ガバナ装置31、ガバナ張り車33、或いはガバナロープ32に摩擦力を作用させることにより、ガバナシステム3に負荷トルクを与えることができる。この場合であっても、特性変更装置35は、図1〜図3の何れの位置に設置しても良い。
特性変更装置35は、可変イナーシャ機構を有するフライホイールであっても良い。このフライホイールを特性変更装置35として採用した場合、特性変更装置35は、図1、或いは図2に示すように、ガバナ装置31、及びガバナ張り車33の何れかの回転体に取り付ければ良い。
フライホイールに設けられる可変イナーシャ機構は、例えば径方向上、移動可能な複数の重り、並びにその複数の重りの支持及び移動を可能にする機構を備えている。可変イナーシャ機構は、重りの移動を可能にする回転電機等の動力源を更に備えていても良い。その動力源は、可変イナーシャ機構とは別に設置するものであっても良い。ここでは、便宜的に、可変イナーシャ機構には、動力源、及び動力源を駆動する駆動回路も含まれているとする。
可変イナーシャ機構を有するフライホイールは、重りの径方向上の位置に応じて回転慣性が変化する。この回転慣性は、重りが中心から離れるほど、大きくなる。フライホイールの重りを移動させ、ガバナ装置31、或いはガバナ張り車33の回転慣性を変化させることにより、ガバナシステム3全体の回転慣性、つまり機械的特性も変化する。以降、特に断らない限り、「フライホイール」は可変イナーシャ機構を有するフライホイールを指す意味で用いる。
制御部52は、ガバナ装置31、或いはガバナ張り車33の回転慣性の変更量を、例えば式(1)と同様の式を用いて決定することができる。或いは、制御部52は、式(1)により算出したトルクτから回転慣性の変更量を求めるための変換式、或いはテーブルを用いて、回転慣性の変更量を求めても良い。
ガバナロープ32が伸縮等によって揺れる場合、位置p、速度v、及び加速度aのうちの少なくとも1つが脈動する。特性制御装置5は、特性変更装置35を制御して、位置pの脈動量、速度vの脈動量、及び加速度aの脈動量のうちの少なくとも1つが小さくなるようにトルクを付与させるか、または回転慣性を増減させる。それにより、特性制御装置5は、例えば式(1)の回転慣性係数J及びダンピング係数Dのうちの少なくとも一方を変化させるように、特性変更装置35を制御することで、ガバナロープ32の揺れを抑制することができる。
例えば、特性変更装置35がフライホイールであり、そのフライホイールの回転慣性を増大させた場合、ガバナシステム3の回転慣性も増大する。式(1)の回転慣性係数Jは、ガバナシステム3の回転慣性の指標となる値であり、回転慣性に応じて変化する。そのため、ガバナシステム3の回転慣性の増大に伴い、回転慣性係数Jも増大する。なお、ガバナシステム3によってかご21に加わる力は、巻上機24によってかご21に加えられる力に対して、微小である。従って、ガバナシステム3の機械的特性の変更がかご21の動きに及ぼす影響は微少である。このため、その機械的特性の変更が主ロープシステム2に及ぼす影響は無視することができる。
回転慣性係数Jを増大させるように特性変更装置35を制御することにより、ガバナロープ32は、回転慣性係数Jを増大させる前と比較して揺れにくくなる。ガバナロープ32の揺れは、揺れが小さくなる方向にトルクを加えても抑えられる。そのため、ガバナロープ32の揺れを抑制するうえで、回転慣性係数Jを増大させることは、その揺れが小さくなる方向にトルクを加えることと同義となる。ガバナロープ32の揺れの抑制により、第1のかご位置検出部34が取り付けられた回転体に生じる回転異常の程度も抑えられる。その結果、かご21の位置検出精度の低下が抑制される。
かご21の位置が脈動していないにもかかわらず、ガバナロープ32のみが振動している場合にも、ガバナロープ32の揺れを抑制することにより、位置検出精度の低下を抑えることができる。これは、ガバナ装置31またはガバナ張り車33の回転位置ずれを発生させる回転軸周りの張力差等が抑えられるからである。この回転位置ずれは、回転異常の一種であり、第1のかご位置検出部34が出力する信号に誤差を発生させる。
ガバナシステム3へのトルクの付与は、一例として、上述したように、回転電機、またはブレーキを特性変更装置35として採用することで可能となる。回転電機は、ガバナシステム3の負荷が増大する方向及び減少する方向の両方向に第1の負荷トルクとしてのトルクを付与することができる。また、ブレーキは、ガバナシステム3の負荷が増大する方向に、第2の負荷トルクとしてのトルクを付与することができる。
また、別の例として、式(1)のダンピング係数Dを増大させる場合は、例えば特性変更装置35として回転電機を採用し、この回転電機を発電機、言い換えればブレーキとして利用すれば良い。或いは、特性変更装置35として渦電流ブレーキを採用しても良い。回転電機を発電機として利用した場合、速度vが速くなるほど、大きい負荷となることから、ダンピング係数Dを増大させることができる。渦電流ブレーキを特性変更装置35として利用した場合も、速度vに依存して、制動力が変化することから、ダンピング係数Dを増大させることができる。
ダンピング係数Dを増大させるように特性変更装置35を制御する場合は、例えば速度vの脈動成分をローパスフィルター、バンドパスフィルターなどによって抽出し、脈動成分のみに比例したトルクを、脈動成分が小さくなる方向に作用させるようにしても良い。この結果、速度vの脈動量は小さくなり、第1のかご位置検出部34による位置検出精度の低下を抑えることができる。
かご21の位置が脈動していないにもかかわらず、ガバナロープ32のみが振動している場合にも、ダンピング係数Dの増大により、回転体に発生する回転位置ずれの程度がより低くなる。そのため、第1のかご位置検出部34による位置検出精度の低下が抑制される。
式(1)の回転慣性係数J、ダンピング係数D及び剛性係数Kは、少なくとも何れか1つを独立して変更させても良く、複数を組み合わせて変更させても良い。
なお、特性変更装置35と第1のかご位置検出部34との位置関係によっては、特性制御装置5に位相補償を行わせることが好ましい。この位相補償は、例えば第1のかご位置検出部34と特性変更装置35との間の伝達特性を予め得ておくか、或いは学習によって得ておくことにより、その逆特性に基づいて行うことができる。この位相補償を行うことにより、特性変更装置35による機械的特性の変更に伴い、ガバナシステム3の第1のかご位置検出部34に影響を及ぼす回転軸周りの回転脈動が発生することを抑制することができる。そのため、かご21に対してガバナロープ32が大きく振動するような状況であっても、検出位置誤差を抑制することができる。
ガバナロープ32の揺れは、通常、かご21の動きつまりエレベータ装置1の動作状態に起因して発生する。本実施の形態1は、エレベータ装置1の動作状態に起因して発生するガバナロープ32の揺れに対応することができる。なお、エレベータ装置1が設置された建物の揺れによってガバナロープ32が揺れた場合であっても、本実施の形態1は、ガバナロープの揺れを抑制することに対応できる。これは、どのような原因であっても、機械的特性の変更により、ガバナロープ32の揺れを抑制できるからである。
機械的特性の変更は、例えば位置p、速度v、及び加速度aのうちの少なくとも1つの脈動量を求め、求めた脈動量が設定閾値以上であった場合に、行うようにしても良い。その場合、求めた脈動量が設定閾値未満となることを条件に、変更した機械的特性を元に戻すようにしても良い。機械的特性の変更は、かご21の停止時、及びかご21の昇降時の何れで行っても良い。
制御部52は、求めた脈動量が設定閾値未満となった以降において、変更した機械的特性を変更前に戻すように機械特性を再度変更しなくてもしても良いが、変更するようにしても良い。機械特性を再度変更しなくてもしても良い理由は、既に脈動を抑えるように機械特性が変更されており、ガバナロープ32の揺れが抑制されるからである。求めた脈動量が設定閾値未満となるまでの間では、状況に応じて、機械的特性の再度の変更を行うようにしても良い。機械的特性の再度の変更を行うようにした場合、ガバナロープ32の揺れをより抑制することが期待できる。ガバナロープ32が揺れている期間もより短くさせることが期待できる。
機械的特性の再度の変更を行う場合、制御部52は、前回の変更時と異なる条件、及び異なる制御内容で機械的特性の変更を行うようにしても良い。例えば、制御部52は、位置p、速度v、及び加速度aのうちの少なくとも1つの脈動量の変化を監視し、脈動量の変化に応じて、算出方法を変更するようにしても良い。
以上のように、実施の形態1に係るガバナシステムの特性制御装置5、以下のような機能を備えている。
・ガバナシステム3関する物理量の検出値であるかごの位置検出値に基づいて、かごの位置情報、速度情報、及び加速度情報の少なくとも何れか1つを、ガバナシステム3状態を示す状態情報として生成する機能。
・生成した状態情報から脈動量を求め、脈動量が小さくなる方向に、ガバナシステム3特性を変更するために設けられた特性変更装置35御し、特性を変更させる機能。
・ガバナシステム3関する物理量の検出値であるかごの位置検出値に基づいて、かごの位置情報、速度情報、及び加速度情報の少なくとも何れか1つを、ガバナシステム3状態を示す状態情報として生成する機能。
・生成した状態情報から脈動量を求め、脈動量が小さくなる方向に、ガバナシステム3特性を変更するために設けられた特性変更装置35御し、特性を変更させる機能。
この結果、エレベータ装置1の動作状態に起因するガバナロープ32の揺れを抑制することのできるガバナシステム3の特性制御装置5を実現できる。そのため、本実施の形態1に係るエレベータ装置1も実現される。
実施の形態2.
図5は、本発明の実施の形態2に係るエレベータ装置の構成例を示す図である。図5に示したエレベータ装置1は、上記実施の形態1と同様に、例えば高層ビルディングに設置されたものである。
図5は、本発明の実施の形態2に係るエレベータ装置の構成例を示す図である。図5に示したエレベータ装置1は、上記実施の形態1と同様に、例えば高層ビルディングに設置されたものである。
本実施の形態2では、図5に示すように、上記実施の形態1に示す構成に加え、主ロープシステム2に設けられた第2のかご位置検出部201を更に利用して、ガバナロープの揺れを抑制する手法について説明する。第2のかご位置検出部201は、巻上機24に取り付けられており、かご21の位置検出を行う。
第2のかご位置検出部201は、例えば、エンコーダを用いて構成される。第2のかご位置検出部201は、かご21に取り付けられた加速度センサ、位置センサ等であっても良い。つまり、第2のかご位置検出部201は、主ロープ22を介してかご21の位置を検出するためのものであるか、またはかご21に直接取り付けられ、かご21の位置、かご21の速度、かご21の加速度のうちの少なくとも何れか1つの変動から、かご21の位置を検出するためのものである。
実施の形態2では、図5に示すように、第2のかご位置検出部201は、主ロープシステム2に設けられている。
特性変更装置35は、図5に示すように、ガバナ装置31に取り付けることができる。特性変更装置35は、上記実施の形態1と同じく、ガバナシステム3の機械的特性を変更するための装置である。そのため、特性変更装置35を取り付ける位置は、ガバナ装置31に限定されない。特性変更装置35は、例えば図6に示すように、ガバナ張り車33に取り付けても良く、図7に示すように、ガバナ装置31に直接的に、或いは間接的に摩擦力、或いはトルクを働かせられる位置に設置しても良い。特性変更装置35は、ガバナ張り車33に直接的に、或いは間接的に摩擦力、或いはトルクを働かせられる位置に設置しても良い。特性変更装置35は、複数、設置しても良い。
図8は、本発明の実施の形態2に係るエレベータ装置に用いられる特性制御装置の機能構成例を示す図である。次に図8を参照し、本実施の形態2に係る特性制御装置5について、実施の形態1との相違点を中心に、詳細に説明する。
特性制御装置5は、第1のかご位置検出部34及び第2のかご位置検出部201によるそれぞれの検出結果を用いて特性変更装置35の制御を行う。そのため、図8では、第1のかご位置検出部34及び第2のかご位置検出部201を直接、特性制御装置5と接続させた状態として示している。実際には、上記のように、第1のかご位置検出部34及び第2のかご位置検出部201のそれぞれと特性制御装置5との間には、エレベータ制御装置4が存在する。
特性制御装置5は、図8に示すように、生成部51、及び制御部52を備えている。生成部51は、第1のかご位置検出部34が出力するかご21の第1の位置を、ガバナロープ32に関する物理量の検出値として取得する。また、生成部51は、第2のかご位置検出部201が出力するかご21の第2の位置を、ガバナロープ32に関する物理量の検出値として取得する。
そして、制御部52は、ガバナシステム3の状態を示す状態情報として、取得した第1の位置から第1の位置情報を生成するとともに、取得した第2の位置から第2の位置情報を生成する。図8では、第1の位置情報が示す第1の位置を「p1」と表記し、第2の位置情報が示す第2の位置を「p2」と表記している。
生成部51は、速度情報生成用に2つの微分部511a、511bを備え、加速度情報生成用に2つの微分部512a、512bを備え、更に、差分量生成用に3つの減算部521a〜521cを備えている。4つの微分部511a、511b、512a、及び512bは、全て時間微分操作を行う。
微分部511aは、第1の位置p1の時間微分操作を行い、かご21の第1の速度v1を算出する。同様に、微分部511bは、第2の位置p2の時間微分操作を行い、かご21の第2の速度v2を算出する。
すなわち、微分部511aは、ガバナロープ32に関する物理量の検出値として取得した第1の位置p1から、ガバナシステム3の状態を示す状態情報として第1の速度情報を生成することができる。同様に、微分部511bは、ガバナロープ32に関する物理量の検出値として取得した第2の位置p2から、ガバナシステム3の状態を示す状態情報として第2の速度情報を生成することができる。
微分部511aで算出された第1の速度v1を示す速度情報は、微分部512aに入力される。微分部512aは、第1の速度v1の時間微分操作を行い、かご21の第1の加速度a1を算出する。微分部511bで算出された第2の速度v2を示す速度情報は、微分部512bに入力される。微分部512bは、第2の速度v2の時間微分操作を行い、かご21の第2の加速度a2を算出する。
すなわち、微分部512aは、ガバナロープ32に関する物理量の検出値として取得した第1の位置p1から、ガバナシステム3の状態を示す状態情報として第1の加速度情報を生成することができる。同様に、微分部512bは、ガバナロープ32に関する物理量の検出値として取得した第2の位置p2から、ガバナシステム3の状態を示す状態情報として第2の加速度情報を生成することができる。
次に、減算部521aは、第2の位置p2から第1の位置p1を減算して得られる差分量を位置差として生成し、生成した位置差を位置差情報として制御部52に出力する。減算部521bは、第2の速度v2から第1の速度v1を減算して得られる差分量を速度差として生成し、生成した速度差を速度差情報として制御部52に出力する。更に、減算部521cは、第2の加速度a2から第1の加速度a1を減算して得られる差分量を加速度差として生成し、生成した加速度差を加速度差情報として制御部52に出力する。
なお、生成部51は、ガバナシステム3の状態を示す状態情報として、位置差情報、速度差情報、及び加速度差情報のうちの少なくとも何れか1つを生成し、制御部52に出力するようにしても良い。
先の実施の形態1では、位置情報、速度情報、及び加速度情報が、制御部52に入力されていた。そして、制御部52は、位置脈動量、速度脈動量、及び加速度脈動量のうちの少なくとも1つを脈動量として用い、脈動量がより小さくなるように、特性変更装置35を制御していた。
これに対して、本実施の形態2では、位置情報、速度情報、及び加速度情報の代わりに、位置差情報、速度差情報、及び加速度差情報が制御部52に入力される。制御部52は、入力した位置差情報、速度差情報、及び加速度差情報のうちの少なくとも1つを差分量として用い、差分量がより小さくなるように、特性変更装置35を制御する。
差分量をより小さくさせることにより、ガバナロープ32の揺れも小さくさせることができる。そのため、第1のかご位置検出部34が取り付けられた回転体に発生する回転異常の程度を、より低く抑えることができる。この結果、第1のかご位置検出部34による位置検出精度の低下を抑制することができる。
特性変更装置35の制御による機械的特性の変更は、位置差、速度差、及び加速度差のうちの少なくとも1つの差分量が設定閾値以上であった場合に、行うようにしても良い。その場合、設定閾値以上となった差分量が設定閾値未満となることを条件に、変更した機械的特性を元に戻すようにしても良い。機械的特性の変更は、かご21の停止時、及びかご21の昇降時の何れで行っても良い。
特性変更装置35により、トルクをガバナシステム3に付与させる場合、式(1)と同じ構成の式を用いて、付与すべきトルクτを決定しても良い。トルクτの決定に当たっては、位置差、速度差、及び加速度差のうちの少なくとも1つに比例した値を用いても良い。トルクτの決定に当たっては、位置差、速度差、及び加速度差のうちの少なくとも1つに対し、フィルターをかけた値を用いても良い。更に、トルクτの決定に当たっては、算出された複数のトルクの総和を用いても良い。このように、トルクτの決定方法には、様々な変形例がある。何れの決定方法を採用したとしても、決定したトルクτをガバナシステム3に加えることにより、結果的に、式(1)の右辺に存在する3つの係数のうちの少なくとも1つが変化することになる。
先の実施の形態1と同様に、特性変更装置35としてフライホイールを採用した場合、トルクを付与する代わりに、フライホイールを取り付けた回転体の回転慣性を増減させることで、ガバナシステム3の特性を変更させても良い。回転慣性を増減させることにより、式(1)の右辺に存在する3つの係数のうちの少なくとも1つ、特に回転慣性係数Jを変更することができる。
本実施の形態2では、主ロープシステム2に取り付けた第2のかご位置検出部201から検出されるかご21の第2の位置p2の方が、ガバナシステム3に取り付けた第1のかご位置検出部34から検出されるかご21の第1の位置p1よりも高精度であることを前提としている。従って、位置差、速度差、または加速度差がより小さくなるように制御することは、第1のかご位置検出部34による位置検出精度を、第2のかご位置検出部201による位置検出精度に近づけることになる。
かご21に対してガバナロープ32が大きく振動している場合においては、第1のかご位置検出部34に比べて、第2のかご位置検出部201の方が検出位置誤差は小さい。従って、位置差、速度差、または加速度差を小さくすることによって、結果的に、第1のかご位置検出部34が出力信号に含まれる誤差成分を抑制することができる。このため、第1のかご位置検出部34による位置検出精度の低下を抑制することができる。
以上のように、実施の形態2に係るガバナシステム3の特性制御装置5は、以下のような機能を備えている。
・ガバナシステム3に関する物理量の検出値であるかごの2つの位置検出値に基づいて、かごの位置差情報、速度差情報、及び加速度差情報の少なくとも何れか1つに相当する差分量を、ガバナシステム3の状態を示す状態情報として生成する機能。
・生成した状態情報から、差分量が小さくなる方向に、ガバナシステム3の特性を変更するために設けられた特性変更装置35を制御し、特性を変更させる機能。
・ガバナシステム3に関する物理量の検出値であるかごの2つの位置検出値に基づいて、かごの位置差情報、速度差情報、及び加速度差情報の少なくとも何れか1つに相当する差分量を、ガバナシステム3の状態を示す状態情報として生成する機能。
・生成した状態情報から、差分量が小さくなる方向に、ガバナシステム3の特性を変更するために設けられた特性変更装置35を制御し、特性を変更させる機能。
この結果、エレベータ装置1の動作状態に起因するガバナロープ32の揺れを抑制することのできるガバナシステム3の特性制御装置5を実現できる。特に、ガバナシステム3に取り付けたかご位置検出部34による位置検出結果を、主ロープシステム2に取り付けたかご位置検出部201によるより高精度な位置検出結果に近づけることができる。そのため、実施の形態2に係るエレベータ装置1も実現される。
実施の形態3.
本実施の形態3では、かご21が揺れる場合における位置検出誤差の抑制について説明する。何らかの原因によって、例えば利用者が衝撃を与えることによって、かご21が比較的に大きく揺れる場合がある。
本実施の形態3では、かご21が揺れる場合における位置検出誤差の抑制について説明する。何らかの原因によって、例えば利用者が衝撃を与えることによって、かご21が比較的に大きく揺れる場合がある。
この場合、巻上機24にブレーキが掛かっている状況では、主ロープシステム2に取り付けられている第2のかご位置検出部201により、かご21の位置、かご21の速度、またはかご21の加速度の変化を検出することができない。また、巻上機24にブレーキが掛かっていない状況であっても、かご21が主ロープ22の共振周波数である第1の共振周波数で揺れていた場合、第2のかご位置検出部201の検出結果から求められるかご21の振動に比べ、かご21の実際の振動が大きくなってしまうおそれがある。つまり、第2のかご位置検出部201により検出されるかご21の位置に、大きな誤差が発生するおそれがある。
このような場合、上記実施の形態2のように、位置差、速度差、または加速度差を演算して特性変更装置35を制御すると、第2のかご位置検出部201による誤差の大きい情報に基づいて制御を行うことになってしまう。この結果、特性変更装置35を適切に制御できなくなるおそれがある。本実施の形態3では、主ロープが共振周波数により揺れることで第2のかご位置検出部201によるかご21の位置検出精度が低下していると想定される状況であっても、特性変更装置35をより適切に制御できる構成について説明する。特性変更装置35をより適切に制御することにより、第1のかご位置検出部34によるかご21の位置検出誤差の増大を抑制することができる。
図9は、本発明の実施の形態3に係るエレベータ装置に用いられる特性制御装置の機能構成例を示す図である。始めに図9を参照し、本実施の形態3に係る特性制御装置5について詳細に説明する。
図9に示すように、本実施の形態3に係る特性制御装置5は、生成部51、制御部52、周波数解析部531、及び共振周波数算出部532を備えている。すなわち、本実施の形態3に係る特性制御装置5には、機能構成として、周波数解析部531、及び共振周波数算出部532が上記実施の形態2から追加されている。第1の位置p1、第2の位置p2を示す2つの位置情報は、上述したように、実際にはエレベータ制御装置4から入力される。図9に示す特性制御装置5は、主ロープ22の共振周波数を算出するために、2つの位置情報以外の情報もエレベータ制御装置4から入力している。
周波数解析部531は、第1の位置p1を示す位置情報を用いて、第1の位置p1、かご21の第1の速度v1、またはかご21の第1の加速度a1について周波数解析を行う。周波数解析部531は、周波数解析の結果として、周波数毎に振幅値を示す周波数振幅情報を生成し、生成した周波数振幅情報を制御部52に出力する。
共振周波数算出部532は、第1の位置p1、或いは第2の位置p2を示す位置情報、及びエレベータ制御装置4が出力するかご負荷情報を入力し、主ロープ22の第1の共振周波数を算出する。算出した共振周波数は、共振周波数情報として制御部52に入力される。
ここで、かご負荷情報とは、かご21の状態によって変化する負荷を示す情報のことである。かご21に秤装置が設けられている場合、その秤装置が計量した重量は、かご負荷情報の1つとしてエレベータ制御装置4から特性制御装置5に出力される。
主ロープ22の共振周波数である第1の共振周波数の算出には、位置情報、かご負荷情報の他に、主ロープシステム2の各種物理的情報が用いられる。各種物理的情報とは、かご21の質量、釣合い重り23の質量、コンペン張り車27の質量、主ロープ22のヤング率、コンペンロープ26のヤング率、等である。これら各種物理的情報は、特性制御装置5に予め保存されている。
なお、複数のかご負荷情報、及びかご21の複数の位置を想定し、かご負荷情報とかご21の位置との組み合わせ毎に、第1の共振周波数をテーブルとして事前に用意しておくこともできる、この場合には、用意したテーブルを用いて第1の共振周波数を求めるようにしても良い。すなわち、第1の共振周波数を求める方法は、特に限定されない。
制御部52は、周波数振幅情報が示す各周波数成分、つまり周波数毎の振幅値と、共振周波数情報が示す第1の共振周波数とを読み込む。そして、制御部52は、第1のかご位置検出部34により検出されたかご21の位置が、主ロープ22の第1の共振周波数の影響で変動しているか否かを判断する。
第1の共振周波数の影響で、第1のかご位置検出部34により検出されたかご21の位置が、主ロープ22の第1の共振周波数の影響で変動しているか否かの判断において、制御部52は、周波数振幅情報のうちの第1の共振周波数に対応する振幅値が、周波数振幅情報の主成分となっているか否かにより行うことができる。また、第1の共振周波数の影響で、第1のかご位置検出部34により検出されたかご21の位置が、主ロープ22の第1の共振周波数の影響で変動しているか否かの判断において、制御部52は、第1の共振周波数に対応する振幅値が、設定閾値よりも大きいか否かにより行うこともできる。なお、ここでの主成分とは、周波数毎に求められた振幅値のうちで最大の振幅値を意味する。
制御部52は、第1のかご位置検出部34により検出されたかご21の位置が主ロープ22の第1の共振周波数の影響で変動していないと判断した場合、上記実施の形態1または実施の形態2と同様に、特性変更装置35を制御する。
一方、第1のかご位置検出部34により検出されたかご21の位置が主ロープ22の第1の共振周波数の影響で変動していると判断した場合、制御部52は、周波数解析部531による周波数解析結果に基づいて、第1の共振周波数成分以外の周波数成分を用いて、特性変更装置35を制御する。
制御部52は、第1の共振周波数成分以外の周波数成分を用いる際に、第1の共振周波数以外の周波数振幅情報が示す周波数の振幅値を用いることができる。この場合、第1の共振周波数以外の周波数は、例えば第1の共振周波数以外の全てであっても良いが、1つ以上の選択した周波数であっても良い。また、1つ以上の選択した周波数としては、例えば振幅値が設定閾値よりも大きいとして選択された全ての周波数採用することができ、また、振幅値が最大であるとして選択した周波数のみを採用することもできる。
例えば、振幅値が最大となっている周波数のみを選択する場合、振幅値をかご21の位置の脈動量として扱い、脈動量に比例した値、またはその脈動量にフィルターをかけた値を用いてトルクτを決定しても良い。また、速度の脈動量を求め、その速度の脈動量に比例した値、またはその速度の脈動量にフィルターをかけた値を用いてトルクτを決定しても良い。また、加速度の脈動量を求め、その加速度の脈動量に比例した値、またはその加速度の脈動量にフィルターをかけた値を用いてトルクτを決定しても良い。トルクτは、位置の脈動量、速度の脈動量、及び加速度の脈動量を用いて、それぞれ求めたトルクのうちの2つ以上の総和値として決定しても良い。
複数の周波数の振幅値を制御に用いる場合、例えば振幅値の総和値をかご21の位置の誤差分と見なし、誤差分に比例した値を用いてトルクτを決定しても良い。または、周波数毎に、位置、速度、及び加速度のうちの少なくとも1つの脈動量を求め、求めた脈動量から更に付与すべきトルクを算出し、算出したトルクの総和値を用いてトルクτを決定しても良い。
制御部52は、かご21の位置が主ロープ22の第1の共振周波数の影響で変動している状況では、上述したような手法により決定したトルクτを特性変更装置35に付与する。この結果、ガバナロープ32の揺れに存在する第1の共振周波数成分以外の周波数成分による揺れを抑制することができる。従って、第1のかご位置検出部34によるかご21の位置検出精度の低下が抑制される。
なお、トルクの付与の代わりに、回転体の回転慣性を変更する手法により、ガバナロープ32の揺れに存在する第1の共振周波数成分以外の周波数成分による揺れを抑制することもできる。
制御部52は、第1の共振周波数成分以外の周波数成分を用いる際に、例えば、位置p1から第1の共振周波数成分を除去した後の値を用いることができる。位置p1から第1の共振周波数成分を除去するには、例えば、フィルターを用いて行うことができる。より具体的には、制御部52の設定に従い、設定された周波数成分を除去するデジタルフィルターを用いることが考えられる。
位置p1から第1の共振周波数成分を除去した値を生成できるデジタルフィルターを採用した場合には、上記実施の形態1における生成部51を用いることができる。更に、位置p2から第1の共振周波数成分を除去した値を生成できるデジタルフィルターを、位置p1から第1の共振周波数成分を除去した値を生成できるデジタルフィルターと併用した場合には、上記実施の形態2における生成部51を用いることができる。
本実施の形態3では、制御部52は、第1のかご位置検出部34により検出されたかご21の位置が主ロープ22の第1の共振周波数の影響で変動していると判断した場合、第1の共振周波数以外の周波数成分を用いて、特性変更装置35を制御している。そのような判断をした場合、制御部52は、特性変更装置35の制御を行わないようにしても良い。この理由は、第1の共振周波数成分が支配的になっているケースも少なくなく、第1の共振周波数成分が支配的であれば、他の周波数成分を抑制したとしても、位置検出精度の向上があまり期待できないからである。従って、制御部52は、第1のかご位置検出部34により検出されたかご21の位置が主ロープ22の第1の共振周波数の影響で変動していると判断した場合に、第1の共振周波数成分が支配的か否かの判断を更に行い、特性変更装置35を制御するか否かを判断することもできる。
次に、主ロープ22の共振周波数である第1の共振周波数と、ガバナロープ32の共振周波数である第2の共振周波数とが一致した場合の制御について説明する。図10に示した共振周波数算出部532は、第1の共振周波数を算出するとともに、第2の共振周波数の算出も併せて行うようになっている。
第2の共振周波数の算出のために、特性制御装置5は、例えばガバナシステム3の各種物理的情報を予め保存している。ここでの各種物理的情報とは、ガバナロープ32の本数、線密度、ヤング率、ガバナ装置31の回転慣性、ガバナ張り車33の質量、ガバナ張り車33の回転慣性、等である。第2の共振周波数を算出する代わりに、かご21の複数の位置を想定し、かご21の位置毎に、第2の共振周波数をテーブルとして事前に用意しておくこともできる。この場合には、用意したテーブルを用いて第2の共振周波数を求めるようにしても良い。すなわち、第2の共振周波数を求める方法は、特に限定されない。
制御部52は、共振周波数算出部532から、第1の共振周波数及び第2の共振周波数を示す共振周波数情報を入力する。そして、制御部52は、第1の共振周波数と第2の共振周波数とが一致しているか否か判断する。第1の共振周波数と第2の共振周波数とが一致していると判断した場合、制御部52は、第2の共振周波数を変化させるように、特性変更装置35を制御する。このときの特性変更装置35の制御は、例えば式(1)内の回転慣性係数Jを増大させるために行われる。この場合、制御対象となる特性変更装置35は、例えばフライホイールである。
回転慣性係数Jの変更は、例えばかご21の加速度に比例したトルクを付与することにより実現させることもできる。かご21の位置の脈動量を抑える方向にトルクを付与した場合、トルクを付与する前と比較し、見かけ上、回転慣性係数Jを大きくすることができる。逆に、かご21の位置の脈動量を大きくする方向にトルクを付与した場合、トルクを付与する前と比較し、見かけ上、回転慣性係数Jを小さくすることができる。
制御部52は、第2の共振周波数を変化させて、第2の共振周波数を第1の共振周波数と異ならせるように特性変更装置35を制御することにより、主ロープ22の揺れに伴うガバナロープ32の揺れを、第2の共振周波数を変化させる前と比較して、抑制することができる。この結果、第1のかご位置検出部34によるかご21の位置検出誤差が抑制される。従って、第2の共振周波数を第1の共振周波数と異なるように制御することで、特性変更装置35のより適切な制御が可能となる。
図11は、本発明の実施の形態3において、制御部が実行する処理の全体的な流れを示すフローチャートである。ここで図11を参照し、本実施の形態3における制御部52の動作について、更に詳細に説明する。
エレベータ制御装置4は、随時、第1のかご位置検出部34、及び第2のかご位置検出部201により検出されたかご21の位置を示すそれぞれの位置情報を特性制御装置5に出力する。周波数解析部531は、位置情報に基づいて周波数解析を行い、周波数振幅情報を生成する。共振周波数算出部532は、位置情報に基づいて第1の共振周波数及び第2の共振周波数を算出し、算出結果を共振周波数情報として出力する。このような事前処理が行われた後、図11に示すフローチャートの制御が開始される。
先ず、ステップS11では、制御部52は、新たな周波数解析結果を示す周波数振幅情報、及び新たな2つの共振周波数情報を入力する。更に、制御部52は、周波数振幅情報と共振周波数情報との比較に基づいて、主ロープ22が第1の共振周波数で揺れているか否かを判断する。この判断は、上記のように、例えば周波数振幅情報が示す主成分の周波数が、第1の共振周波数と一致するか否かにより行われる。
主成分の周波数が、第1の共振周波数と一致した場合、ステップS11の判断はYESとなって、ステップS13に移行する。すなわち、制御部52は、主成分の周波数と第1の共振周波数とが許容範囲内で一致した場合には、一致したと判断することができる。両者が許容範囲内で一致しなかった場合、ステップS11の判断はNOとなって、ステップS12に移行する。
ステップS12に進んだ場合には、制御部52は、例えば上記実施の形態2、または上記実施の形態1と同様の方法により、全周波数成分を用いて、特性変更装置35の制御を必要に応じて行う。その後、上記ステップS11に戻る。
ステップS13に進んだ場合には、制御部52は、第1の共振周波数と、第2の共振周波数とが一致するか否かを判断する。2つの共振周波数が許容範囲内で一致した場合、ステップS13の判断はYESとなって、ステップS14に移行する。2つの共振周波数が許容範囲内で一致しなかった場合、ステップS13の判断はNOとなって、ステップS15に移行する。
ステップS14に進んだ場合には、制御部52は、ガバナシステム3の共振周波数である第2の共振周波数を、第1の共振周波数と一致しないように変更させるために、特性変更装置35を制御し、例えば、式(1)中の回転慣性係数Jを変化させる。その後、上記ステップS11に戻る。
ステップS15に進んだ場合には、制御部52は、第1の共振周波数を除く周波数を対象にして、特性変更装置35を制御する。具体的には、制御部52は、デジタルフィルターにより第1の共振周波数成分を取り除いた後の第1のかご位置検出部34による検出値に基づいて、位置の脈動量、速度の脈動量、及び加速度の脈動量のうちの少なくとも1つを求め、特性変更装置35を制御する。このような制御を行った後は、上記ステップS11に戻る。
以上のように、実施の形態3に係るガバナシステム3の特性制御装置5は、先の実施の形態1または2の機能に加え、以下のような機能を備えている。
・周波数解析及び共振周波数の算出を行うことで、ガバナシステム3に取り付けたかご位置検出部34の検出誤差要因となる周波数成分を特定する機能。
・検出誤差要因となる周波数成分を除外した上で、ガバナシステム3の特性を変更するために設けられた特性変更装置35を制御し、特性を変更させる機能。
・周波数解析及び共振周波数の算出を行うことで、ガバナシステム3に取り付けたかご位置検出部34の検出誤差要因となる周波数成分を特定する機能。
・検出誤差要因となる周波数成分を除外した上で、ガバナシステム3の特性を変更するために設けられた特性変更装置35を制御し、特性を変更させる機能。
この結果、主ロープシステム2の共振周波数に起因するガバナロープ32の揺れを抑制することのできるガバナシステム3の特性制御装置5を実現できる。そのため、実施の形態3に係るエレベータ装置1も実現される。
実施の形態4.
本実施の形態4では、ガバナロープ32の張力に基づいて、位置検出誤差の抑制を図る制御手法について説明する。具体的には、本実施の形態4では、ガバナロープ32に関する物理量の検出値として、ガバナロープ32の張力を検出する、或いは、ガバナロープ32に関する物理量の検出値として、かご21の位置を検出した上で、ガバナロープ32の張力を推定することで、位置検出誤差の抑制を図っている。
本実施の形態4では、ガバナロープ32の張力に基づいて、位置検出誤差の抑制を図る制御手法について説明する。具体的には、本実施の形態4では、ガバナロープ32に関する物理量の検出値として、ガバナロープ32の張力を検出する、或いは、ガバナロープ32に関する物理量の検出値として、かご21の位置を検出した上で、ガバナロープ32の張力を推定することで、位置検出誤差の抑制を図っている。
図12は、本発明の実施の形態4に係るエレベータ装置の構成例を示す図である。ガバナシステム3では、ガバナ装置31とガバナ張り車33との間にガバナロープ32が張られている。ガバナロープ32は、回転体であるガバナ装置31及びガバナ張り車33を境に、かご21に連結されたかご側と、このかご側の反対側とに分けることができる。ガバナロープ32のかご側は、ガバナ装置31とかご21の上部との間の部分、及びかご21の下部とガバナ張り車33との間の部分に大別される。なお、ガバナロープ32の「反対側」は、以降「反かご側」と表記する。
本実施の形態4では、図12に示すように、ガバナロープ32のかご側には張力検出部301aが配置され、ガバナロープ32の反かご側には張力検出部301bが配置されている。張力検出部301a及び張力検出部301bは、ガバナロープ32の張力を検出するためのセンサである。
かご側と反かご側との間の張力差は、回転体であるガバナ装置31及びガバナ張り車33の回転位置ずれを発生させる。従って、張力差が許容範囲を超えて大きくなると、第1のかご位置検出部34によるかご21の位置検出精度に悪影響を及ぼす。第1のかご位置検出部34が取り付けられた回転体に回転位置ずれが発生した場合、第1のかご位置検出部34の検出結果にも誤差を発生させる。
このことから、本実施の形態4における制御部52は、かご側と反かご側との間の張力差の絶対値が設定閾値より大きい場合、張力差の絶対値が設定閾値以下となるように特性変更装置35を制御する。例えば、制御部52は、特性変更装置35に、張力差を小さくさせる方向のトルクを付与する。このような制御の結果、張力差の変動は、設定閾値以下の許容範囲内に抑えられ、第1のかご位置検出部34が取り付けられた回転体における回転位置ずれの発生が抑制される。従って、かご21の位置の移動は、かご側から反かご側に正確に伝達されるようになる。そのため、第1のかご位置検出部34によるかご21の位置検出精度の低下を抑制することができる。
設定閾値としては、エレベータ装置1の運転状況に応じた値を用いることができる。かご21が一定速度で昇降している運転時には、許容範囲内の走行ロスに相当する値を設定閾値として用いることができる。また、一定加速度運転時には、第1のかご位置検出部34が取り付けられた回転体の回転慣性とその加速度との積を、その回転体の回転半径で除した除算値であるトルクに相当する値を、設定閾値として用いることができる。更に、巻上機24がブレーキによって停止している停止時には、設定閾値として0を用いることができる。
図13は、本発明の実施の形態4に係るエレベータ装置に用いられる特性制御装置の機能構成例を示す図である。次に図13を参照し、本実施の形態4に係る特性制御装置5について、より詳細に説明する。
本実施の形態4における特性制御装置5は、図13に示すように、生成部51、及び制御部52を備えている。生成部51は、張力差演算部541を備えている。
本実施の形態4では、図13に示すように、張力検出部301a及び張力検出部301bは直接、特性制御装置5と接続されている。張力検出部301a及び張力検出部301bは共に、検出された張力を示すデジタルの張力検出情報を特性制御装置5に出力する。張力検出情報は、生成部51内の張力差演算部541に入力される。張力差演算部541は、張力検出情報からガバナロープ32のかご側と反かご側との間の張力差を演算し、演算した張力差を張力差情報として制御部52に出力する。張力差は、例えば、かご側の張力から反かご側の張力を減算して得られる値である。
制御部52は、張力差の絶対値が設定閾値より大きいか否か判断する。その結果、制御部52は、張力差の絶対値が設定閾値より大きいと判断した場合に、張力差の絶対値の大きさ、及び張力差の正負に応じて、特性変更装置35を制御するための制御量を決定する。この制御量には、付与するトルクと、トルクを付与する方向とが含まれる。この制御量に従って、特性変更装置35が制御される結果、式(1)の右辺に存在する3つの係数のうちの少なくとも1つが、張力差が小さくなるように変化する。
制御量は、エレベータ装置1の運転状況に応じて異ならせても良い。例えば、上記のように、運転状況を、かご21が一定速度で昇降している運転時、一定加速度運転時、及び停止時に分けることが考えられる。この場合、制御部52は、運転状況別に、制御量を決定することができる。一定速度が複数、存在している場合には、制御部52は、巻上機24にエレベータ制御装置4が出力する速度指令に基づいて、速度別に制御量を決定することができる。
なお、図13に示した構成では、かご側に張力検出部301aを配置し、反かご側に張力検出部301bを配置し、張力を検出している。しかしながら、張力検出部301a及び張力検出部301bを用いることなく、張力を推定する構成を採用することも可能である。
具体的には、かご側と反かご側の各張力は、特性変更装置35が取り付けられた回転体への外乱トルクを推定する外乱オブザーバを用いて推定することができる。このことから、図14に示すように、外乱オブザーバを張力差推定部551として特性制御装置5に搭載させても良い。張力差推定部551も、生成部51の一部である。
張力差推定部551は、制御部52から、特性変更装置35の制御に係わる各種情報、例えば指令の内容、制御に用いるフィードバック情報、等を入力する。また、張力差推定部551は、第1のかご位置検出部34によって検出されたかご21の位置に基づいて、位置情報及び速度情報を生成する。そして、張力差推定部551は、これらの情報を用いて、かご側、反かご側の張力をそれぞれ推定し、更に張力差を推定する。推定した張力差を示す張力差情報は、制御部52に出力される。
例えば、かごが一定速度で走行しているときには、制御部52は、かご側と反かご側の張力外乱が等しくなるように制御する。このとき、制御部52は、かご21の位置変動による張力外乱が、シーブを挟んで、同じ大きさで反対方向となるように制御を行うこととなる。この結果、かご21の位置変動がかご側から反かご側に正確に伝達されることになる。そのため、第1のかご位置検出部34によるかご21の位置検出精度の低下を抑制することができる。
なお、図13、図14に示す機能構成例は、上記実施の形態1〜3の何れにも追加可能である。この場合、上記実施の形態1〜3における制御部52は、かご側と反かご側との間の張力差が設定閾値以下となるように制御量を決定し、特性変更装置35の制御を行うことができる。このように、張力差に応じた特性変更装置35の制御を併せて行うことにより、第1のかご位置検出部34によるかご21の位置検出精度を、より高く維持できるようになる。
以上のように、実施の形態4に係るガバナシステム3の特性制御装置5は、以下のような機能を備えている。
・実張力検出の検出結果或いは張力の推定結果から、ガバナロープ32の張力差を求める機能
・張力差が許容範囲内となるように、ガバナシステム3の特性を変更するために設けられた特性変更装置35を制御し、特性を変更させる機能。
・実張力検出の検出結果或いは張力の推定結果から、ガバナロープ32の張力差を求める機能
・張力差が許容範囲内となるように、ガバナシステム3の特性を変更するために設けられた特性変更装置35を制御し、特性を変更させる機能。
この結果、張力差に起因するかご位置検出誤差を抑制することができる。このガバナシステム3の特性制御装置5により、実施の形態4に係るエレベータ装置1も実現される。
上述した実施の形態1〜4に係るエレベータ装置1に用いられる特性制御装置5における各機能は、処理回路によって実現される。各機能を実現する処理回路は、専用のハードウェアであってもよく、メモリに格納されるプログラムを実行するプロセッサであっても良い。図15は、本発明の実施の形態1〜4に係るエレベータ装置に用いられる特性制御装置の各機能を専用のハードウェアである処理回路で実現する場合を示した構成図である。また、図16は、本発明の実施の形態1〜4に係るエレベータ装置に用いられる特性制御装置の各機能をプロセッサ及びメモリを備えた処理回路により実現する場合を示した構成図である。
処理回路1000が専用のハードウェアである場合、処理回路1000は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、またはこれらを組み合わせたものが該当する。生成部51、制御部52、周波数解析部531、共振周波数算出部532、張力差演算部541、及び張力差推定部551の各部の機能それぞれを個別の処理回路1000で実現しても良いし、各部の機能をまとめて処理回路1000で実現しても良い。
一方、処理回路2000がプロセッサ2001及びメモリ2002を含む構成の場合、生成部51、制御部52、周波数解析部531、共振周波数算出部532、張力差演算部541、及び張力差推定部551の各部の機能は、アプリケーション・ソフトウェア、OS(Operating System)、及びファームウェアの組み合わせ、またはアプリケーション・ソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。アプリケーション・ソフトウェア、OS及びファームウェアは、メモリ2002に格納させることができる。プロセッサ2001は、メモリ2002に記憶された各種プログラムを読み出して実行することにより、各部の機能を実現する。すなわち、特性制御装置5は、処理回路2000により実行されるときに、各部を実現させるための各種プログラムを格納可能なメモリ2002を備える。
各種プログラムは、上述した各部をコンピュータに実現させるものであるともいえる。ここで、メモリ2002とは、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)等の、不揮発性または揮発性の半導体メモリが該当する。また、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD等も、メモリ2002に該当する。
なお、上述した各部の機能について、一部を専用のハードウェアで実現し、一部をアプリケーション・ソフトウェア、ファームウェア等で実現するようにしても良い。
このように、処理回路は、ハードウェア、アプリケーション・ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせによって、上述した各部の機能を実現することができる。
1 エレベータ装置、2 主ロープシステム、3 ガバナシステム、4 エレベータ制御装置、5 特性制御装置、21 かご、22 主ロープ、24 巻上機、31 ガバナ装置(回転体)、32 ガバナロープ、33 ガバナ張り車(回転体)、34 第1のかご位置検出部、35 特性変更装置、51 生成部、52 制御部、201 第2のかご位置検出部、301a、301b 張力検出部、531 周波数解析部、532 共振周波数算出部、541 張力差演算部、551 張力差推定部。
Claims (16)
- ガバナ装置、特性変更装置、かごに接続されたガバナロープに関する物理量に基づき、かごの位置を検出する第1のかご位置検出部、及びかごに接続されたガバナロープを有するガバナシステムの状態を示す状態情報を、前記ガバナロープに関する物理量の検出値に基づいて生成する生成部と、
前記生成部が生成した前記状態情報を基に、前記ガバナシステムの特性を変更する前記特性変更装置を制御し、前記第1のかご位置検出部の検出誤差を低減させるよう前記特性を変更させる制御部と、
を備えるガバナシステムの特性制御装置。 - 前記制御部は、前記ガバナシステムへのトルクの付与、或いは前記ガバナシステムを構成する1つ以上の回転体の回転慣性係数、ダンピング係数、及び剛性係数のうちの少なくとも1つの変更を行うことで前記特性変更装置を制御し、前記特性を変更させる、
請求項1に記載のガバナシステムの特性制御装置。 - 前記制御部は、前記ガバナシステムの前記回転慣性係数、前記ダンピング係数、及び前記剛性係数のうちの少なくとも1つを変更させることで、前記生成部が生成する前記状態情報が小さくなるように前記特性変更装置を制御させる、
請求項2に記載のガバナシステムの特性制御装置。 - 前記ガバナシステムの回転系の運動方程式を下式
τ=J・a+D・v+K・p
ただし、τ :外的要因(かご振動等)でガバナシステムに加わるトルク
p :かごの位置
v :かごの速度
a :かごの加速度
J :ガバナシステムの回転慣性係数
D :ガバナシステムのダンピング係数
K :ガバナシステムの剛性係数
と定義したときに、
前記制御部は、前記回転慣性係数J、前記ダンピング係数D、及び前記剛性係数Kの少なくとも1つを変更することで前記特性変更装置を制御し、前記生成部が生成した前記状態情報が小さくなるように前記特性変更装置を制御させる、
請求項2または3に記載のガバナシステムの特性制御装置。 - 前記制御部は、前記ガバナシステムへのトルクの付与によって、前記特性を前記生成部が生成する前記状態情報が小さくなるように前記特性変更装置を制御させる、
請求項2に記載のガバナシステムの特性制御装置。 - 前記ガバナシステムの回転系の運動方程式を下式
τ+τc=J・a+D・v+K・p
ただし、τ:外的要因(かご振動等)でガバナシステムに加わるトルク
τc:特性変更装置で付与されるトルク
p:かごの位置
v:かごの速度
a:かごの加速度
J:ガバナシステムの回転慣性係数
D:ガバナシステムのダンピング係数
K:ガバナシステムの剛性係数
と定義したときに、
前記制御部は、前記ガバナシステムへのトルクの付与によって、等価的に前記回転慣性係数J、前記ダンピング係数D、及び前記剛性係数Kの少なくとも1つを変更することで前記特性を前記生成部が生成する前記状態情報が小さくなるように前記特性変更装置を制御させる、
請求項2または3に記載のガバナシステムの特性制御装置。 - 前記生成部は、
前記ガバナシステムに設けられた第1のかご位置検出部により検出された前記かごの位置を前記検出値として取得し、
前記検出値を用いて、前記かごの位置を示す位置情報、前記かごの速度を示す速度情報、及び前記かごの加速度を示す加速度情報のうちの少なくとも1つを前記状態情報として生成し、
前記制御部は、
前記状態情報の脈動量を求め、前記脈動量が小さくなるように前記特性変更装置を制御し、前記特性を変更させる、
請求項1から6の何れか1項に記載のガバナシステムの特性制御装置。 - 前記生成部は、
前記ガバナシステムに設けられた第1のかご位置検出部により検出された前記かごの第1の位置、及び前記かごに結合された主ロープを含む主ロープシステムに設けられた第2のかご位置検出部により検出された前記かごの第2の位置を前記検出値として取得し、
前記検出値を用いて、前記かごの第1の位置を示す第1の位置情報、前記かごの第1の速度を示す第1の速度情報、前記かごの第1の加速度を示す第1の加速度情報、前記かごの第2の位置を示す第2の位置情報、前記かごの第2の速度を示す第2の速度情報、及び前記かごの第2の加速度を示す第2の加速度情報を生成し、
前記第1の位置情報と前記第2の位置情報との差分量を示す位置差情報、前記第1の速度情報と前記第2の速度情報との差分量を示す速度差情報、及び前記第1の加速度情報と前記第2の加速度情報との差分量を示す加速度差情報のうちの少なくとも1つを前記状態情報として生成し、
前記制御部は、
前記生成部が生成した前記状態情報が小さくなるように前記特性変更装置を制御し、前記特性を変更させる、
請求項1から6の何れか1項に記載のガバナシステムの特性制御装置。 - 前記生成部は、
両端が結合部で円環状に結合されており、前記結合部はかごに把持され、前記ガバナ装置とガバナ張り車との間に張られている前記ガバナロープの張力を検出する張力検出部により、前記かごに結合された前記ガバナロープのかご側の張力、及び前記かご側の反対側における前記ガバナロープの反かご側の張力のそれぞれを前記検出値として取得し、
前記検出値を用いて、前記かご側の張力と前記反かご側の張力との間の張力差を前記状態情報として生成し、
前記制御部は、
前記張力差の絶対値が設定閾値以下となるように前記特性変更装置を制御し、前記特性を変更させる、
請求項1から6の何れか1項に記載のガバナシステムの特性制御装置。 - 前記生成部は、
両端が結合部で円環状に結合されており、前記結合部はかごに把持されている前記ガバナロープに関して、前記かごに結合された前記ガバナロープのかご側の張力、及び前記かご側の反対側における前記ガバナロープの反かご側の張力を推定し、推定した前記かご側の張力と前記反かご側の張力との間の張力差を前記状態情報として生成し、
前記制御部は、
前記張力差の絶対値が設定閾値以下となるように前記特性変更装置を制御し、前記特性を変更させる、
請求項1から6の何れか1項に記載のガバナシステムの特性制御装置。 - 前記生成部は、
前記第1のかご位置検出部により検出された前記かごの位置の周波数解析を行い、周波数毎に振幅値を算出する周波数解析部と、
前記第1のかご位置検出部により検出された前記かごの第1の位置、及び前記かごに結合された主ロープを含む主ロープシステムに設けられた第2のかご位置検出部により検出された前記かごの第2の位置のうちの一方に基づいて、前記主ロープの共振周波数を算出する共振周波数算出部と、を備え、
前記制御部は、前記周波数解析部が算出した前記周波数毎の前記振幅値、及び前記共振周波数算出部が算出した前記共振周波数に基づいて、前記かごの位置が前記共振周波数の影響で揺れていると判断した場合に、
前記共振周波数とは異なる周波数の前記振幅値を前記状態情報として用いて前記特性変更装置を制御し、前記特性を変更させる、
請求項1から10の何れか1項に記載のガバナシステムの特性制御装置。 - 前記生成部は、
前記第1のかご位置検出部、及び前記かごに結合された主ロープを含む主ロープシステムに設けられた第2のかご位置検出部によりそれぞれ検出された前記かごの位置に基づいて、前記主ロープの共振周波数である第1の共振周波数、及び前記ガバナロープの共振周波数である第2の共振周波数を算出する共振周波数算出部、を備え、
前記制御部は、前記第1の共振周波数と前記第2の共振周波数とが一致した場合に、前記第2の共振周波数を変更させるように前記特性変更装置を制御し、前記特性を変更させる、
請求項1から10の何れか1項に記載のガバナシステムの特性制御装置。 - 前記特性変更装置は、前記ガバナシステムへ第1の負荷トルクを付与する回転電機を含み、
前記制御部は、前記回転電機により前記ガバナシステムへ前記第1の負荷トルクを付与させることで前記特性変更装置を制御し、前記特性を変更させる、
請求項1から12の何れか1項に記載のガバナシステムの特性制御装置。 - 前記特性変更装置は、回転慣性を変化させることのできる可変イナーシャ機構を有するフライホイールを含み、
前記制御部は、前記回転慣性を変化させるように前記フライホイールを制御することで前記特性変更装置を制御し、前記特性を変更させる、
請求項1から13の何れか1項に記載のガバナシステムの特性制御装置。 - 特性変更装置は、前記ガバナシステムへ第2の負荷トルクを付与する制動装置を含み、
前記制御部は、前記制動装置により前記ガバナシステムへ前記第2の負荷トルクを付与させることで前記特性変更装置を制御し、前記特性を変更させる、
請求項1から14の何れか1項に記載のガバナシステムの特性制御装置。 - 請求項1から15の何れか1項に記載のガバナシステムの特性制御装置
を備えるエレベータ装置。
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