JP7205645B2 - エレベーターの索条体の制振装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エレベーターの索体の制振装置に関する。
特許文献1は、制振装置の例を開示する。制振装置は、かごの上の主ロープの端部の近くに設けられる。制振装置は、エレベーターの主ロープに負の復元力を及ぼすことによって、主ロープの変位を増幅する。制振装置は、振動に伴う摩擦抵抗によって主ロープの振動を抑制する。
日本特開平3-26682号公報
しかしながら、特許文献1の制振装置は、倒立レバーおよびバネを組み合わせた不安定機構によって負の復元力を生じさせる。不安定機構が生じさせる負の復元力は、主ロープの変位の増加に対し非線形に増加する。このため、主ロープの変位が大きくなると、負の復元力が過大になることで主ロープの変位が不安定になる場合がある。この場合に、制振装置は、負の復元力による主ロープの制振を行うことができない。
本発明は、このような課題を解決するためになされた。本発明の目的は、変位を増幅させる負の復元力によって主ロープなどのエレベーターの索体の変位が不安定になることを抑制できる索体の制振装置を提供することである。
本発明に係るエレベーターの索体の制振装置は、エレベーターの索体の長手方向の第1位置において、索体の平衡位置を中心とした振動の横方向の変位を計測する第1変位計測部と、索体の変位を増幅する負の復元力を索体に加える第1変位増幅器と、第1変位計測部が計測した変位に基づいて、索体を平衡位置に戻す正の復元力より小さい負の復元力を第1変位増幅器に加えさせる制御部と、を備え、制御部は、建物揺れとの共振条件を索条体が満たすときに負の復元力を第1変位増幅器に加えさせ、共振条件を索条体が満たしていないときに負の復元力を第1変位増幅器に加えさせない
本発明に係る制振装置であれば、変位を増幅させる負の復元力によってエレベーターの索体の変位が不安定になることを抑制できる。
実施の形態1に係るエレベーターの構成図である。 実施の形態1に係るエレベーターの構成図である。 実施の形態1に係る制振装置の構成図である。 実施の形態1に係る制振装置の構成図である。 実施の形態1に係る制振装置による制振性能の例を示す図である。 実施の形態1に係る制振装置による負の復元力の例を示す図である。 実施の形態1に係る制振装置による負の復元力の例を示す図である。 実施の形態1の変形例に係る制振装置の構成図である。 実施の形態1の変形例に係る制振装置の構成図である。 実施の形態1の変形例に係る制振装置の構成図である。 実施の形態1に係る制振装置の主要部のハードウェア構成図である。 体の変位を増幅する制振装置による負の復元力の例を示す図である。 実施の形態2に係る制振装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態2に係る制御入力演算部の構成を示すブロック図である。 実施の形態2に係る制振装置による負の復元力の例を示す図である。 実施の形態2に係る制振装置の変形例を示すブロック図である。 実施の形態2に係る制振装置の変形例を示すブロック図である。 実施の形態3に係る制振装置の構成図である。 実施の形態3に係る制振装置の変形例の構成図である。 実施の形態4に係る制振装置において張力が検出されているときの主ロープの状態を示す模式図である。 実施の形態4に係る制振装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態4に係る制振装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態4に係る制振装置の動作の例を示すフローチャートである。
本発明を実施するための形態について添付の図面を参照しながら説明する。各図において、同一または相当する部分には同一の符号を付して、重複する説明は適宜に簡略化または省略する。
実施の形態1.
図1および図2は、実施の形態1に係るエレベーターの構成図である。
図1に示す例において、エレベーター1は、複数の階床を有する建物2に適用される。エレベーター1において、昇降路3が、建物2の複数の階床にわたって設けられる。エレベーター1において、機械室4が、昇降路3の上方に設けられる。機械室4において、ロープダクト5が、床面に設けられる。ロープダクト5は、機械室4から昇降路3に通じる開口である。エレベーター1において、例えばピット6が、昇降路3の下端部に設けられる。
エレベーター1は、巻上機7と、主ロープ8と、かご9と、釣合い錘10と、釣合いロープ11と、張り車12と、を備える。巻上機7は、例えば機械室4に設けられる。巻上機7は、シーブおよびモーターを有する。巻上機7のシーブは、巻上機7のモーターの回転軸に接続される。巻上機7のモーターは、巻上機7のシーブを回転させる駆動力を発生させる機器である。主ロープ8は、巻上機7のシーブに巻き掛けられる。主ロープ8は、ロープダクト5を通じて機械室4から昇降路3に延びる。かご9および釣合い錘10は、昇降路3において主ロープ8によって吊られている。かご9は、昇降路3の内部を鉛直方向に走行することで乗客などを複数の階床の間で輸送する機器である。釣合い錘10は、主ロープ8を通じて巻上機7のシーブにかかる荷重の釣合いをかご9との間でとる機器である。かご9および釣合い錘10は、巻上機7のシーブの回転によって主ロープ8が移動することで、昇降路3において互いに反対方向に走行する。釣合いロープ11は、主ロープ8の移動によって生じる主ロープ8のかご9の側の自重および主ロープ8の釣合い錘10の側の自重の不均衡を補償する機器である。釣合いロープ11の一端は、かご9に取り付けられる。釣合いロープ11の他端は、釣合い錘10に取り付けられる。釣合いロープ11は、張り車12に巻き掛けられる。張り車12は、釣合いロープ11に張力をかけるシーブである。張り車12は、例えばピット6に設けられる。主ロープ8は、エレベーター1の索体の例である。釣合いロープ11は、エレベーター1の索体の例である。エレベーター1の索体は、例えばワイヤロープ、ベルトロープ、またはチェーンなどを含んでもよい。
エレベーター1は、調速機13と、調速機ロープ14と、調速機ロープ張り車15と、を備える。調速機13は、例えば機械室4に設けられる。調速機13は、かご9の過剰な走行速度を抑える機器である。調速機13は、シーブを有する。調速機ロープ14は、調速機13のシーブに巻き掛けられる。調速機ロープ14の両端は、かご9に取り付けられる。調速機ロープ14は、調速機ロープ張り車15に巻き掛けられる。調速機ロープ張り車15は、調速機ロープ14に張力をかけるシーブである。調速機ロープ張り車15は、例えばピット6に設けられる。調速機ロープ14は、エレベーター1の索体の例である。
エレベーター1は、制御ケーブル16と、制御盤17と、を備える。制御ケーブル16は、制御信号などを通信するケーブルである。制御ケーブル16の一端は、かご9に接続される。制御ケーブル16の他端は、例えば昇降路3の壁面に取付けられる。制御盤17は、エレベーター1の動作を制御する装置である。制御盤17は、例えば機械室4に設けられる。制御盤17は、例えば制御ケーブル16を通じてかご9との間で制御信号を通信する。制御ケーブル16は、エレベーター1の索体の例である。
エレベーター1は、建物揺れ検知器18を備える。建物揺れ検知器18は、建物揺れを検知する機器である。建物揺れ検知器18は、例えば機械室4に設けられる。建物揺れ検知器18は、ピット6に設けられていてもよい。建物揺れは、例えば地震、または風などの外乱によって発生する建物2の揺れである。建物揺れ検知器18は、例えば予め設定された閾値より大きい建物揺れを検知するときに、検知信号を出力する。建物揺れの大きさは、例えば揺れの振幅、または加速度などによって判定される。
以下において、次のように設定されるxyz直交座標系を用いて説明する。x軸の正の方向は、鉛直下方向である。yz平面は、水平面である。z軸の方向は、例えば巻上機7のシーブの回転軸の方向である。
図2は、エレベーター1において、建物揺れ19が発生している状態を示す図である。建物揺れ19の発生によって、建物2に固定されている巻上機7および調速機13などは、建物2とともに揺れる。これにより、エレベーター1の索体の例である主ロープ8、釣合いロープ11、調速機ロープ14、および制御ケーブル16は、振動を加えられる。ここで、建物揺れ19の周波数および索体の固有振動数が一致するときに、索体の揺れは、共振現象によって大きくなる。エレベーターにおいて共振現象が発生する場合に、索体は、基本振動によって共振することが多い。基本振動は、最も低い固有振動数に対応する振動である。図2に示す例において、主ロープ8のかご9の側の部分の基本振動による共振現象が発生している。
この例において、主ロープ8のかご9の側の部分は、巻上機7のシーブから昇降路3に引き出されてかご9に取り付けられる。このため、主ロープ8のかご9の側の部分の基本振動の節は、巻上機7のシーブから引き出される点N1、およびかご9に取り付けられる点N2である。主ロープ8のかご9の側の部分の基本振動の腹は、2つの節の中間の点Mである。主ロープ8のかご9の側の部分は、平衡位置20を中心として正の復元力によって横方向に振動する。平衡位置20は、振動していない状態の索体の位置である。正の復元力は、平衡位置20から変位した索体に働く、索体を平衡位置20に戻す方向の力である。正の復元力は、例えば索体の張力による力である。横方向は、例えば索体の長手方向に垂直な方向である。以下において、主ロープ8のかご9の側の部分を、索体の振動部分の例とする。
体が大きく振動すると、エレベーター1の運転に支障をきたすことがある。このため、制振装置21が、エレベーター1に設けられる。制振装置21は、索体の振動部分の振動を抑制する装置である。制振装置21は、例えば索体の振動部分の腹より節に近い部分に設けられる。この例において、制振装置21は、機械室4のロープダクト5に設けられる。
続いて、図3を用いて制振装置21の構成を説明する。
図3は、実施の形態1に係る制振装置の構成図である。
図3は、上方から見た制振装置21を示す図である。
制振装置21は、変位増幅器22と、変位計測部23と、制御部24と、を備える。
変位増幅器22は、接触部25と、アクチュエーター26と、を備える。接触部25は、索体である主ロープ8と一体に横方向に変位しうるように、横方向から主ロープ8に接触する部分である。接触部25は、例えば互いに平行な一対のローラー27を備える。一対のローラー27は、主ロープ8を間に挟み込むように配置される。接触部25は、一対のローラー27を通じて主ロープ8と一体に横方向に変位する。この例において、接触部25は、主ロープ8と一体にy方向に変位する。また、接触部25は、主ロープ8の長手方向の移動を拘束しない。アクチュエーター26は、例えばリニアモーターである。アクチュエーター26は、固定子28と、可動子29と、を備える。固定子28は、制振装置21が設けられる機械室4において固定されている。可動子29は、固定子28に対して直線的に運動する。可動子29は、接触部25に連結される。アクチュエーター26は、可動子29を運動させることで、接触部25を通じて主ロープ8に制振力を加える。制振力は、制振装置21の変位増幅器22が索体に加える横方向の力である。変位増幅器22は、第1変位増幅器の例である。
この例において、エレベーター1は、複数の主ロープ8を備えている。接触部25は、複数の主ロープ8をまとめて挟み込むように配置される。なお、エレベーター1は、1本の主ロープ8を備えていてもよい。また、接触部25は、1本の主ロープ8について、シーブなどによって巻き返された複数の部分をまとめて挟み込むように配置されてもよい。
変位計測部23は、索体の振動の横方向の変位を計測する部分である。変位計測部23は、例えば主ロープ8と一体に変位する可動子29の動きを検出することによって、主ロープ8の変位を計測する。変位計測部23は、例えばリニアエンコーダー、加速度センサー、またはカメラなどである。変位計測部23は、第1変位計測部の例である。
制御部24は、変位計測部23が計測する変位に基づいて、変位増幅器22が索体に加える制振力を制御する部分である。制御部24は、索体の変位を増幅する負の復元力を索体への制振力の成分として変位計測部23に加えさせる。負の復元力は、索体の平衡位置20から遠ざかる方向の力である。この例において、負の復元力の大きさは、変位が大きくなるほど大きくなる。負の復元力は、例えば負剛性力である。ここで、負剛性力は、変位の大きさに比例する変位と同じ方向の力である。正の線形な剛性力または弾性力は、変位の大きさに比例する変位と反対方向の力である。このため、負剛性力は、剛性力における変位の比例係数を負の値とした力として考えることができる。
続いて、図4および図5を用いて、制振装置21による制振の原理を説明する。
図4は、実施の形態1に係る制振装置の構成図である。図5は、実施の形態1に係る制振装置による制振性能の例を示す図である。
図4は、z軸に平行な方向から見た制振装置21を示す図である。主ロープ8の振動部分の長さは、振動部分の両端の点N1および点N2の間の長さである。主ロープ8の振動部分の長さをLとする。振動部分の端の節である点N1を原点としたx方向の位置をxとする。変位増幅器22は、位置xに配置される。位置xは、主ロープ8の長手方向の第1位置P1の例である。変位計測部23は、位置xにおいて主ロープ8の変位を計測する。
主ロープ8が静止している状態を原点とした時刻をtとする。すなわち、初期条件として、主ロープ8は、時刻0において静止している。時刻t、および位置xにおける主ロープ8の横方向の振動の変位を関数v(x,t)によって表す。主ロープ8にかかる張力をTとする。主ロープ8の線密度をρとする。複数の主ロープ8が設けられる場合に、張力Tおよび線密度ρの値は、例えば複数の主ロープ8についての合計または平均の値であってもよい。変位増幅器22による制振力をFcmpとする。このとき、主ロープ8の振動の運動方程式は、次の式(1)によって表される。なお、δ(・)は、ディラックのデルタ関数である。
Figure 0007205645000001
・・・・・・(1)
式(1)は、主ロープ8における波動の伝播を表す方程式である。波動の伝播速度cは、次の式(2)によって表される。
Figure 0007205645000002
・・・・・・(2)
建物揺れの変位をvextとする。振動部分の端点N1は、主ロープ8が巻上機7のシーブから引き出される点である。巻上機7のシーブは、建物2に固定されて設けられている。このため、端点N1は、建物揺れ19によって建物2とともに変位する。このとき、端点N1における境界条件は、次の式(3)によって表される。
Figure 0007205645000003
・・・・・・(3)
また、振動部分の端点N2は、かご9に固定される点である。かご9は、建物2に対して固定されていない。このため、端点N2は、建物揺れによっては変位しないと考えることができる。このとき、端点N2における境界条件は、次の式(4)によって表される。
Figure 0007205645000004
・・・・・・(4)
これらの境界条件および初期条件のもとで、式(1)をラプラス変換することによって、次の式(5)が得られる。なお、sは、ラプラス変換における周波数領域の変数である。sinh(・)は、双曲線正弦関数である。
Figure 0007205645000005
・・・・・・(5)
ここで、変位増幅器22は、主ロープ8の振動部分の端点N1の近傍に設けられる。このとき、変位増幅器22が設けられる位置xの値は、主ロープ8の振動部分の長さLの値に比べて十分小さいと考えることができる。この場合に、変位増幅器22が設けられる位置における主ロープ8の横方向の変位V(x,s)は、次の式(6)によって表される。ただし、簡単化のため、α=(L-x/Lとおいた。
Figure 0007205645000006
・・・・・・(6)
なお、ωは、主ロープ8の長さをLとしたときの、主ロープ8の基本振動の固有振動数である。ωは、次の式(7)によって表される。ωx0は、主ロープ8の長さをL-xとしたときの、主ロープ8の基本振動の固有振動数である。ωx0は、次の式(8)によって表される。
Figure 0007205645000007
・・・・・・(7)
Figure 0007205645000008
・・・・・・(8)
ここで、変位増幅器22による制振力Fcmpを、剛性力の成分と粘性力の成分との合力であるとする。剛性力は、物質の剛性に由来する力のみではない擬似的な剛性力であってもよい。粘性力は、物質の粘性に由来する力のみではない擬似的な粘性力であってもよい。
剛性力の成分の剛性値をKとする。粘性力の成分の粘性値をDとする。ここで、変位増幅器22は、制御部24の制御によって負剛性力を主ロープ8に加える。変位増幅器22が負剛性力を主ロープ8に加える場合に、剛性値Kは、負の値である。すなわち、変位増幅器22は、剛性値Kを負の変位制御ゲインとして、変位に比例する負剛性力を主ロープ8に加える。また、変位増幅器22は、粘性値Dを速度制御ゲインとして、変位の速度に比例する粘性力をさらに主ロープ8に加える。このとき、制振力Fcmpは、次の式(9)によって表される。ここで、K バー(記号K の上方に水平線を有する表記)は、係数Gによって正規化された剛性値である。D バーは、係数Gによって正規化された粘性値である。係数Gは、G=T/xによって定義される。
Figure 0007205645000009
・・・・・・(9)
式(6)および式(9)から、次の式(10)によって表される特性多項式D(s)が得られる。
Figure 0007205645000010
・・・・・・(10)
ここで、負剛性力によって制振を行う制振装置21の最大減衰比ζは、粘性値の調整によって変化する。最大減衰比ζは、正規化された負の剛性値であるK バーの関数として、次の式(11)によって表される。
Figure 0007205645000011
・・・・・・(11)
図5は、式(11)の関係を表すグラフである。
図5のグラフは、変位増幅器22が設けられる位置x0の値と主ロープ8の振動部分の長さLの値の比x0/Lが0.01の場合の最大減衰比ζを示す。図5において、横軸は、正規化変位制御ゲインの値を表す。正規化変位制御ゲインは、係数Gによって正規化された剛性値K バーである。図5において、縦軸は、最大減衰比ζの値を表す。図5において、境界G1は、正規化変位制御ゲインK バーの値によって2つに分けられる左右の領域の境界である。領域G2は、境界G1より左側の領域である。
正規化変位制御ゲインK バーが0から境界G1に近づくにつれて、負の値であるK バーの絶対値は大きくなる。このとき、最大減衰比ζの値は、双曲線的に増加する。このため、最大減衰比ζの値は、正規化変位制御ゲインK バーの値が境界G1の値に0の側から近づくほど大きくなる。一方、最大減衰比ζの値は、正規化変位制御ゲインK バーが境界G1より左側の値であるときに、最大減衰比ζの値が負になる。このとき、制振装置21によって主ロープ8の変位は不安定になる。主ロープ8の変位は、例えば変位増幅器22による負の復元力が正の復元力より大きい場合に不安定になる。
境界G1の値は、式(11)において最大減衰比ζが無限大となるK バーの値である。このときのK バーの値をK asyバーとする。K asyバーは、次の式(12)によって表される。
Figure 0007205645000012
・・・・・・(12)
したがって、正規化変位制御ゲインK バーの値は、次の式(13)によって表される範囲に設定される。このとき、変位増幅器22が主ロープ8に加える負の復元力は、主ロープ8の正の復元力より小さい。
Figure 0007205645000013
・・・・・・(13)
また、式(13)に係数Gを乗じることによって、次の式(14)によって表される変位制御ゲインKについての範囲が得られる。
Figure 0007205645000014
・・・・・・(14)
式(14)に示されるように、主ロープ8の変位が不安定になる変位制御ゲインK の境界の値は、張力Tおよび変位増幅器22の位置xによって変化しうる。ここで、主ロープ8の張力Tは、かご9の走行、およびかご9への利用者の乗降などによって変化する。
続いて、図6および図7を用いて、制振装置21の動作を説明する。
図6および図7は、実施の形態1に係る制振装置による負の復元力の例を示す図である。
図6および図7のグラフは、制御部24が変位増幅器22に制振力として加えさせる負の復元力の大きさを示す。当該グラフの横軸は、変位増幅器22が設けられる位置の主ロープ8の横方向の変位の大きさを表す。当該グラフの縦軸は、変位増幅器22が主ロープ8に加える負の復元力の大きさを示す。
図6において、張力Tが主ロープ8にかかっている場合の負の復元力が示される。図6の境界aは、主ロープ8の変位が不安定になる境界を表す。図6のグラフにおいて、境界aより上の領域は、不安定領域を表す。不安定領域は、例えば負の復元力の大きさが正の復元力の大きさより大きい領域である。境界aは、次の式(15)によって表される変位に対して単調増加な直線となる。ここで、負の復元力の大きさをFとする。また、変位増幅器22が設けられる位置xの主ロープ8の横方向の変位の大きさをYとする。
Figure 0007205645000015
・・・・・・(15)
図6の直線bおよび直線cの各々は、変位制御ゲインKの値を一定としたときの制振装置21が加える負の復元力である負剛性力を表す。直線bおよび直線cにおいて、互いに異なる変位制御ゲインKの値が設定される。直線bの場合の変位制御ゲインKの絶対値は、直線cの場合の変位制御ゲインKの絶対値より大きい。直線bの場合の変位制御ゲインKの値は、直線cの場合の変位制御ゲインKの値より、式(13)の下限に近い。このため、直線bの場合の制振の性能は、直線cの場合の制振の性能より高い。一方、直線bおよび直線cは、いずれも不安定領域の外にある。このため、制振装置21によって主ロープ8の変位は不安定にならない。
一方、図7において、図6の場合の張力Tと異なる張力T´が主ロープ8にかかっている場合の負剛性力が示される。この例において、図7の張力T´は、図6の張力Tより低い。図7の境界a2は、張力T´のもとで制振装置21によって主ロープ8の変位が不安定になる境界を表す。主ロープ8の張力が低くなると、正の復元力は小さくなる。このため、境界a2は、境界aより下側にある。このとき、直線bで表される負剛性力は、不安定領域の境界に入っている。すなわち、主ロープ8の張力の変化を考慮しなければ、主ロープ8の変位が不安定になることがある。
このため、制御部24は、主ロープ8の張力が変動する範囲に基づいて、変位増幅器22による負の復元力の大きさの範囲を定める。変位制御ゲインKの値は、例えば張力Tが下限値を取るときの式(14)の範囲の値に設定される。このとき、制振装置21は、例えば次のように主ロープ8の制振を行う。
主ロープ8が振動するときに、変位計測部23は主ロープ8の横方向の変位を計測する。変位計測部23は、計測した変位を制御部24に出力する。制御部24は、設定された変位制御ゲインKの値および変位計測部23から入力された変位に基づいて、制振力として加えさせる負剛性力の値を算出する。このときの負剛性力の大きさは、当該変位に対する正の復元力の下限より小さい。ここで、正の復元力の下限は、主ロープ8の張力の変動する範囲に応じて予め定まる。制御部24は、算出した負剛性力の指令値を変位増幅器22に出力する。変位増幅器22は、制御部24から入力された指令値に基づいて、制振力を主ロープ8に加える。変位増幅器22から加えられた制振力によって、主ロープ8の振動が抑制される。
以上に説明したように、実施の形態1に係る制振装置21は、第1変位計測部と、第1変位増幅器と、制御部24と、を備える。第1変位計測部は、エレベーター1の索体の長手方向の第1位置P1において、索体の平衡位置20を中心とした振動の横方向の変位を計測する。第1変位増幅器は、索体の変位を増幅する負の復元力を索体に加える。制御部24は、第1変位計測部が計測した変位に基づいて、正の復元力より小さい負の復元力を、第1変位増幅器に加えさせる。正の復元力は、索体を平衡位置20に戻す力である。
制振装置21は、第1変位増幅器が加える負の復元力によって索体の変位を増幅することで、索体の振動を抑制する。制御部24は、第1変位計測部が計測する変位に基づいて、第1変位増幅器が加える負の復元力の大きさを、正の復元力より小さい範囲に制御する。これにより、変位を増幅させる負の復元力によってエレベーター1の索体の変位が不安定になることが抑制される。
また、制御部24は、正の復元力の下限より小さい負の復元力を第1変位増幅器に加えさせる。正の復元力の下限は、索体の張力の変動する範囲に応じて予め定まる。
これにより、索体の張力が変動する場合においても、変位を増幅させる負の復元力によってエレベーター1の索体の変位の不安定化が抑制される。制御部24は、変位について非線形な負の復元力を変位増幅器22に加えさせてもよい。
なお、変位増幅器22は、索体に接触せずに制振力を主ロープ8に加えてもよい。制振力は、制御部24の制御に基づいて可変な力であればよい。例えば主ロープ8が強磁性を有する場合に、変位増幅器22は、例えば磁界の強さが可変な電磁石、または主ロープ8に対して可動な永久磁石などの磁力によって制振力を主ロープ8に加えてもよい。
また、制振装置21は、かご9の上部に設けられていてもよい。制振装置21は、例えばかご枠に設けられる。索体が例えばピット6に設けられるシーブに巻きかけられている場合に、制振装置21は、ピット6に配置されていてもよい。また、エレベーター1が機械室4を有していない場合に、巻上機7は例えば昇降路3の上部または下部に設けられる。このとき、制振装置21は、昇降路3において、腹よりも巻上機7に近い位置に設けられていてもよい。
続いて、図8および図9を用いて実施の形態1の変形例を説明する。
図8および図9は、実施の形態1の変形例に係る制振装置の構成図である。
図8は、上方から見た制振装置21を示す図である。変位増幅器22のアクチュエーター26は、ボールネジ30と、ナット31と、モーター32と、を備える。ボールネジ30は、主ロープ8に長軸を向けて配置される。ナット31は、ボールネジ30の長軸の周りの回転によってボールネジ30の長軸の方向に移動しうるように、ボールネジ30に通される。ナット31は、接触部25に連結される。モーター32は、ボールネジ30を回転駆動する機器である。アクチュエーター26は、モーター32でボールネジ30を回転させることによって、ナット31とともに接触部25を移動させる。これにより、アクチュエーター26は、接触部25を通じて主ロープ8に制振力を加える。変位計測部23は、例えばモーター32に設けられるロータリーエンコーダーであってもよい。
図9は、z軸に平行な方向から見た制振装置21を示す図である。制振装置21は、力センサー33を備える。力センサー33は、ナット31と接触部25との連結部に設けられる。力センサー33は、主ロープ8などの索体からの反力を計測する機器である。力センサー33は、計測した反力を制御部24に出力する。これにより、ボールネジ30およびナット31の摩擦などによって主ロープ8の反力がモーター32に伝達しない場合においても、制御部24は、主ロープ8の振動をより正確に把握できる。
続いて、図10を用いて実施の形態1の他の変形例を説明する。
図10は、実施の形態1の変形例に係る制振装置の構成図である。
図10は、上方から見た制振装置21を示す図である。例えばエレベーター1が複数の主ロープ8を備えている場合などに、制振装置21は、複数の主ロープ8の各々に対して独立に複数設けられていてもよい。このとき、複数の制振装置21の各々は、複数の主ロープ8のうちのいずれか一本に制振力を加えることで振動を抑制する。複数の主ロープ8の張力にばらつきがある場合に、主ロープ8の正の復元力にばらつきが生じうる。この場合においても、複数の主ロープ8の各々の正の復元力に基づいて、制振装置21は、より効果的に制振を行うことができる。
続いて、図11を用いて、制御部24のハードウェア構成の例について説明する。
図11は、実施の形態1に係る制御部の主要部のハードウェア構成図である。
制御部24の各機能は、処理回路により実現し得る。処理回路は、少なくとも1つのプロセッサ24bと少なくとも1つのメモリ24cとを備える。処理回路は、プロセッサ24bおよびメモリ24cと共に、あるいはそれらの代用として、少なくとも1つの専用のハードウェア24aを備えてもよい。
処理回路がプロセッサ24bとメモリ24cとを備える場合、制御部24の各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせで実現される。ソフトウェアおよびファームウェアの少なくとも一方は、プログラムとして記述される。そのプログラムはメモリ24cに格納される。プロセッサ24bは、メモリ24cに記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、制御部24の各機能を実現する。
プロセッサ24bは、CPU(Central Processing Unit)、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、DSPともいう。メモリ24cは、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EPROM、EEPROMなどの、不揮発性または揮発性の半導体メモリなどにより構成される。
処理回路が専用のハードウェア24aを備える場合、処理回路は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、またはこれらの組み合わせで実現される。
制御部24の各機能は、それぞれ処理回路で実現することができる。あるいは、制御部24の各機能は、まとめて処理回路で実現することもできる。制御部24の各機能について、一部を専用のハードウェア24aで実現し、他部をソフトウェアまたはファームウェアで実現してもよい。このように、処理回路は、ハードウェア24a、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせで制御部24の各機能を実現する。
実施の形態2.
実施の形態2において、実施の形態1で開示される例と相違する点について特に詳しく説明する。実施の形態2で説明しない特徴については、実施の形態1で開示される例のいずれの特徴が採用されてもよい。
図12を用いて、索体の張力の変動による制振装置の制振性能の低下の可能性を説明する。
図12は、索体の変位を増幅する制振装置による負の復元力の例を示す図である。
図12のグラフは、図6および図7のグラフと同様に、制御部が変位増幅器に制振力として主ロープ8に加えさせる負の復元力である負剛性力の大きさを示す。図12において、図6の場合の張力Tと異なる張力T´が主ロープ8にかかっている場合の負剛性力が示される。この例において、図12の張力T´は、図6の張力Tより高い。図12の境界a3は、張力T´のもとで主ロープ8の変位が不安定になる境界を表す。主ロープ8の張力が高くなると、主ロープ8の正の復元力は大きくなる。このため、境界a3は、境界aより上側にある。このとき、直線bで表される負剛性力は、不安定領域の境界から遠くなる。すなわち、主ロープ8の張力によらずに制御部が応答する制振装置において、主ロープ8の張力の変化によって制振装置の制振性能が低下することがある。
このため、実施の形態2に係る制振装置21の制御部24は、主ロープ8の張力の変化に応じて変位への応答を変化させる。制御部24は、例えば制御ゲインの更新によって負の復元力である負剛性力を変化させる。ここで、制御ゲインは、変位制御ゲイン、および速度制御ゲインを含む。
続いて、制振装置21の構成を説明する。
図13は、実施の形態2に係る制振装置の構成を示すブロック図である。
制振装置21は、張力検出部34を備える。張力検出部34は、主ロープ8などの索体の張力を検出する装置である。張力検出部34は、検出した張力を制御部24に出力する。
制御部24は、張力検出部34から入力された張力に基づいて、張力に応じて定まる正の復元力より小さい範囲で主ロープ8への負の復元力を変位増幅器22に加えさせる。この例において、制御部24は、例えば負剛性力を負の復元力として変位増幅器22に加えさせる。制御部24は、制御ゲイン更新部35と、制御入力演算部36と、駆動部37と、を備える。
制御ゲイン更新部35は、制振力の大きさを定める制御ゲインを索体の張力に応じて更新する部分である。制御ゲイン更新部35は、張力検出部34からの張力の入力を受け付ける。制御ゲイン更新部35は、例えば次のように制御ゲインを更新する。
式(12)および式(13)などに示されるように、索体の変位が不安定にならない範囲で、正規化変位制御ゲインがK asyバーに近いほど、制振の性能が高くなる。このため、制御ゲイン更新部35は、正規化変位制御ゲインを一定に保つように制御ゲインを更新する。正規化変位制御ゲインは、例えば目標とする制振性能に基づいて定められる。目標とする制振性能の指標は、例えば減衰比である。このため、例えば式(11)などに基づいて、目標とする減衰比に対応する正規化変位制御ゲインK バーは定められる。一方、制御ゲインを正規化する係数Gは、張力Tを含む。このため、張力Tが主ロープ8にかかっているときの変位制御ゲインKは、次の式(16)によって表される。
Figure 0007205645000016
・・・・・・(16)
また、正規化速度制御ゲインD バーは、設定された正規化変位制御ゲインK バーに対して制振性能が高くなるように、次の式(17)によって与えられる。
Figure 0007205645000017
・・・・・・(17)
なお、簡単化のため、式(17)において次の式(18)によって表されるXを用いた。
Figure 0007205645000018
・・・・・・(18)
正規化速度制御ゲインD バーは、張力Tに依存しない。このため、D バーの値は、K バーの値に応じて定まる。このため、正規化された制御ゲインを一定に保つ場合に、張力がT´に変化したときの変位制御ゲインK´および速度制御ゲインD´は、次の式(19)によって表される。
Figure 0007205645000019
・・・・・・(19)
制御入力演算部36は、変位増幅器22に加えさせる索体への制振力の指令値を算出する部分である。制御入力演算部36は、更新された制御ゲインの制御ゲイン更新部35からの入力を受け付ける。制御入力演算部36は、変位計測部23からの変位の入力を受け付ける。制御入力演算部36は、受け付けた制御ゲインおよび変位の入力に基づいて、制振力の指令値を算出する。制御入力演算部36は、算出した指令値を駆動部37に出力する。
駆動部37は、変位増幅器22に出力する制振力の指令信号を生成する部分である。駆動部37は、制御入力演算部36からの指令値の入力を受け付ける。駆動部37は、入力された指令値に基づいて、変位増幅器22に出力する指令信号を生成する。駆動部37は、生成した指令信号を変位増幅器22に出力する。変位増幅器22は、駆動部37から入力される指令信号に基づいて、制振力を主ロープ8に加える。
図14は、実施の形態2に係る制御入力演算部の構成を示すブロック図である。
制御入力演算部36は、変位フィードバック演算器38、速度フィードバック演算器39、および微分器40を有する。変位フィードバック演算器38は、制御ゲイン更新部35から入力された制御ゲインによって変位制御ゲインの値を更新する。速度フィードバック演算器39は、制御ゲイン更新部35から入力された制御ゲインによって速度制御ゲインの値を更新する。変位計測部23から入力された変位の定常状態からの偏差は、変位フィードバック演算器38に入力される。ここで、定常状態における変位は、たとえば0である。変位フィードバック演算器38は、入力された変位の偏差および更新された変位制御ゲインに基づいて、負剛性力の指令値を算出する。変位計測部23から入力された変位の定常状態からの偏差は、微分器40に入力される。微分器40は、変位の微分によって変位の速度を算出する。微分器40は、算出した変位の速度を速度フィードバック演算器39に入力する。速度フィードバック演算器39は、入力された変位の速度および更新された速度制御ゲインに基づいて、粘性力の指令値を算出する。算出された負剛性力および粘性力の指令値は、制振力の指令値として加算される。このように算出された制振力の指令値は、駆動部37に出力される。
続いて、図15を用いて、制振装置21の動作を説明する。
図15は、実施の形態2に係る制振装置による負の復元力の例を示す図である。
図15のグラフは、図12のグラフと同様に、制御部24が変位増幅器22に加えさせる負の復元力である負剛性力の大きさを示す。図15において、主ロープ8の張力がTからT´に高くなるときに、不安定境界はaからa3に変化する。このとき、制御ゲイン更新部35は、正規化変位制御ゲインを一定に保つように、制御ゲインを張力に応じて更新する。ここで、制御ゲインが更新されない場合において、負剛性力は変位に応じてグラフの直線bのように応答する。一方、実施の形態2の制振装置21において、制御ゲインは更新される。このため、負剛性力は、変位に応じて直線b3のように応答する。このように、主ロープ8の張力に応じて制御ゲインが動的に更新されるので、主ロープ8の張力の変化によって制振装置21の制振性能が低下しない。
また、図15において、主ロープ8の張力がTより低くなるときに、不安定境界はaからa2に変化する。このとき、主ロープ8の張力が高くなるときと同様に、制御ゲイン更新部35は、正規化変位制御ゲインを一定に保つように制御ゲインを張力に応じて更新する。安定領域の範囲内に設定されている正規化変位制御ゲインが一定であれば、変位増幅器22による負の復元力は正の復元力を超えない。このように、主ロープ8の張力に応じて制御ゲインが動的に更新されるので、主ロープ8の張力の変化によって制振装置21による制振が不安定にならない。
続いて、図16を用いて実施の形態2の変形例を示す。
図16は、実施の形態2に係る制振装置の変形例を示すブロック図である。
この例において、エレベーター1は、秤装置41を備える。秤装置41は、かご9の重量を測定する装置である。秤装置41は、かご9に設けられる。かご9の重量は、例えば乗客の乗降などによって変動する。秤装置41は、測定した重量を表す信号を外部に出力する。
ここで、主ロープ8の張力は、かご9の重量に依存する。このため、この例において、張力検出部34は、秤装置41から入力された信号に基づいて主ロープ8の張力を検出する。
続いて、図17を用いて実施の形態2の他の変形例を示す。
図17は、実施の形態2に係る制振装置の変形例を示すブロック図である。
この例において、張力検出部34は、変位計測部23が計測する変位の入力を受け付ける。張力検出部34は、入力された変位に基づいて主ロープ8の張力を検出する。張力検出部34は、例えば主ロープ8の振動の物理モデルに基づいて張力を検出する。張力検出部34は、例えば物理モデルのパラメータを同定する同定理論などに基づく手法によって張力を検出してもよい。
以上に説明したように、実施の形態2に係る制振装置21は、張力検出部34を備える。張力検出部34は、索体の張力を検出する。制御部24は、張力検出部34が検出する張力に基づいて、正の復元力より小さい負の復元力を第1変位増幅器に加えさせる。正の復元力は、張力に応じて定まる。
制御部24は、張力に応じて負の復元力の大きさを制御する。これにより、索体の張力が変動する場合においても、変位を増幅させる負の復元力によってエレベーター1の索体の変位が不安定になることが抑制される。なお、制御部24は、変位について非線形な負の復元力を変位増幅器22に加えさせてもよい。
また、張力検出部34は、エレベーター1の秤装置41が計測する重量に基づいて索体の張力を検出する。
体の例である主ロープ8の張力は、かご9の重量によって変動する。このため、張力検出部34は、直接的な測定値に基づいて主ロープ8の張力を検出できる。例えば索体がシーブなどによって張力を与えられる場合に、エレベーター1は、当該シーブによる重量を計測する秤装置を備えていてもよい。この場合に、張力検出部34は、当該秤装置が計測する重量に基づいて索体の張力を検出してもよい。
また、張力検出部34は、第1変位計測部が計測する変位に基づいて索状体の張力を検出する。
これにより、制振装置21は、張力を検出するための新たなハードウェアの追加を必要としない。
また、制御部24は、張力検出部34が検出する張力に基づいて負の変位制御ゲインの大きさを更新する。制御部24は、負の変位制御ゲインおよび変位に基づく負剛性力を負の復元力として第1変位増幅器に加えさせる。
これにより、制御部24は、複雑な計算を必要とすることなく、張力に応じて負の復元力の大きさを制御できる。
また、制御部24は、不等式(13)を満たす正規化変位制御ゲインK バーによって等式(16)から得られる変位制御ゲインKに基づいて、負剛性力を第1変位増幅器に加えさせる。なお、式(13)および式(16)において、振動の節から第1変位増幅器が配置される位置までの距離をxとする。前記索体の振動部分の長さをLとする。索体の張力をTとする。
これにより、制振装置21は、張力が変動する場合においても、索体の変位の不安定化を抑えられる。また、制振装置21は、張力が変動する場合においても、設定した制振性能を維持できる。
また、制御部24は、第1変位計測部が計測した変位に基づいて変位の速度を検出する。制御部24は、張力検出部34が検出する張力に基づいて速度制御ゲインの大きさを更新する。制御部24は、速度制御ゲインおよび速度に基づく索体への横方向の粘性力を第1変位増幅器に加えさせる。
粘性力は、張力が変動する場合においても、変化する張力に応じて更新される。これにより、制振装置21による制振がより効果的に行われる。
なお、速度制御ゲインは固定の値であってもよい。また、制振力は、粘性力の成分を含まなくてもよい。
実施の形態3.
実施の形態3において、実施の形態1または実施の形態2で開示される例と相違する点について特に詳しく説明する。実施の形態3で説明しない特徴については、実施の形態1または実施の形態2で開示される例のいずれの特徴が採用されてもよい。
図18は、実施の形態3に係る制振装置の構成図である。
制振装置21は、索体の張力に応じて変位計測部23および変位増幅器22を索体の長手方向に移動させることによって、索体の変位への応答を変更する。このとき、制御部24は、制御ゲインを更新しなくてもよい。
図18は、z軸に平行な方向から見た制振装置21を示す図である。制振装置21は、可動機構42を備える。可動機構42は、主ロープ8などの索体の長手方向に沿って変位計測部23および変位増幅器22の位置を移動させる機構である。可動機構42は、例えば変位計測部23および変位増幅器22を載せる可動ステージなどである。可動機構42は、例えば変位計測部23、変位増幅器22および主ロープ8の横方向の相対的な位置を保ちながら変位計測部23および変位増幅器22を移動させる。
制御部24は、張力検出部34が検出する張力に基づいて、変位計測部23および変位増幅器22の位置を可動機構42によって移動させる。例えば、主ロープ8の張力がTからT´に変化するときに、制御部24は、次の式(20)によって変位計測部23および変位増幅器22の位置をxからx´に移動させる。
Figure 0007205645000020
・・・・・・(20)
これにより、変位制御ゲインKの更新によらずに、正規化変位制御ゲインK バーは、索体の張力が変化しても一定に保たれる。制振装置21は、張力が変動する場合においても、索体の変位の不安定化を抑えられる。また、制振装置21は、張力が変動する場合においても、設定した制振性能を維持できる。
なお、可動機構42は、変位計測部23および変位増幅器22の長手方向の位置を、離散的な複数の段階の位置の間で移動させてもよい。このとき、制御部24は、変位計測部23および変位増幅器22の位置の段階に応じて、例えば正規化変位制御ゲインK バーが一定に保たれるように制御ゲインを更新してもよい。
続いて、図19を用いて実施の形態3の変形例を説明する。
図19は、実施の形態3の変形例に係る制振装置の構成図である。
制振装置21は、変位計測部23および変位増幅器22の組を2組備える。2組の変位計測部23および変位増幅器22は、例えば互いに同様の構成である。変位計測部23および変位増幅器22の組の一方は、主ロープ8の長手方向の第1位置P1において配置される。変位計測部23および変位増幅器22の組の他方は、主ロープ8の長手方向の第2位置P2において配置される。第2位置P2は、第1位置P1と主ロープ8などの索体の長手方向において異なる位置である。この例において、第2位置P2は、第1位置P1より節に近い位置である。第1位置P1に配置される変位計測部23aおよび変位増幅器22aは、第1変位計測部および第1変位増幅器の例である。第2位置P2に配置される変位計測部23bおよび変位増幅器22bは、第2変位計測部および第2変位増幅器の例である。
制御部24は、張力検出部34が検出する張力に基づいて、第1変位増幅器または第2変位増幅器の一方を選択する。制御部24は、例えば式(20)などによって算出されるx0´に近い位置に配置された変位増幅器22を選択する。制御部24は、選択した変位増幅器22に主ロープ8などの索体への負の復元力を加えさせる。これにより、制御部24は、変位計測部23および変位増幅器22の長手方向の位置を、離散的な多段階の位置の間で実効的に移動させる。
なお、第2位置P2は、第1位置P1より腹に近い位置であってもよい。
また、制振装置21は、変位計測部23および変位増幅器22の組を3組以上備えてもよい。このとき、制御部24は、変位計測部23および変位増幅器22の複数の組のうちから1つまたは複数の組を選択してもよい。
実施の形態4.
実施の形態4において、実施の形態1から実施の形態3の各々で開示される例と相違する点について特に詳しく説明する。実施の形態4で説明しない特徴については、実施の形態1から実施の形態3の各々で開示される例のいずれの特徴が採用されてもよい。
図20を用いて、制振装置21の張力検出部34による張力の検出方法の原理を説明する。
図20は、実施の形態4に係る制振装置において張力が検出されているときの主ロープの状態を示す模式図である。
図20において、建物揺れが発生していないときに横方向から一定のオフセット力Faddが加えられた状態の主ロープ8が示される。
建物揺れが発生していないので、横方向の力の釣合いは、次の式(21)によって表わされる。ここで、主ロープ8の張力は、建物揺れが発生していない定常状態において検出される。このため、主ロープ8の変位は、主ロープ8の長手方向の位置の関数v(・)として表される。
Figure 0007205645000021
・・・・・・(21)
式(21)を変形することによって、張力Tは次の式(22)によって求められる。すなわち、張力検出装置は、一定のオフセット力Faddが加えられたときの位置x0における主ロープ8の変位v(x)に基づいて、主ロープ8の張力Tを検出する。
Figure 0007205645000022
・・・・・・(22)
続いて、図21を用いて制振装置21の構成を説明する。
図21は、実施の形態4に係る制振装置の構成を示すブロック図である。
制御部24は、オフセット信号出力部43を備える。オフセット信号出力部43は、制振力の指令値にオフセット値Faddを加算する。オフセット信号出力部43は、制振力の指令値に加えたオフセット値Faddを、張力検出部34にも出力する。
張力検出部34は、オフセット信号出力部43からのオフセット値の入力を受け付ける。張力検出部34は、変位計測部23が計測した変位の入力を受け付ける。
続いて、図22を用いて張力検出部34による張力の検出の例を説明する。
図22は、実施の形態4に係る張力検出部の構成を示すブロック図である。
張力検出部34は、ローパスフィルタ44と、乗算器45と、張力演算器46と、を備える。ローパスフィルタ44は、時間的な変動が遅い周波数成分の信号を抽出するフィルタである。ローパスフィルタ44が抽出する周波数の範囲は、入力された信号の直流成分を抽出可能な範囲に設定される。張力演算器46は、変位計測部23が設けられる位置xおよび主ロープ8の振動部分の長さLに応じた係数x(L-x)/Lを記憶している。
主ロープ8の張力を検出するときに、オフセット信号出力部43は、オフセット値を出力する。変位増幅器22は、入力されたオフセット値に基づいて、オフセット力Faddを横方向から主ロープ8に加える。変位計測部23は、オフセット力Faddによる主ロープ8の変位を計測する。オフセット力Faddによる主ロープ8の変位は、例えば主ロープ8の変位の直流成分に相当する。
張力検出部34は、変位計測部23が計測した変位の入力を受け付ける。この例において、張力検出部34は、ローパスフィルタ44の前処理として変位v(x,t)の逆数をとる。ローパスフィルタ44は、変位の逆数の信号の入力を受け付ける。ローパスフィルタ44は、入力された信号の直流成分を抽出する。ローパスフィルタ44は、抽出した直流成分を乗算器45に出力する。乗算器45は、ローパスフィルタ44から入力された直流成分の信号と、オフセット値Faddと、を乗算する。乗算器45は、乗算した値を張力演算器46に出力する。張力演算器46は、記憶している係数x(L-x)/Lを乗算器45から入力された値に乗じることで、式(22)に基づいて張力Tの値を得る。張力演算器46は、得られた張力Tの値を制御部24に出力する。
続いて、図23を用いて制振装置21の動作の例を説明する。
図23は、実施の形態4に係る制振装置の動作の例を示すフローチャートである。
ステップS1において、制御部24は、例えば制御盤17から取得する制御信号などに基づいて、かご9が停止しているかを判定する。判定結果がYesの場合に、制振装置21の動作は、ステップS2に進む。判定結果がNoの場合に、制振装置21の動作は、ステップS4に進む。
ステップS2において、張力検出部34は、索体の張力を検出する。その後、制振装置21の動作は、ステップS3に進む。
ステップS3において、制御部24の制御ゲイン更新部35は、検出された張力に基づいて制御ゲインを更新する。その後、制振装置21の動作は、ステップS6に進む。
ステップS4において、制御部24は、例えば建物揺れ検知器18から取得する検知信号などに基づいて、予め設定された閾値より大きい建物揺れが発生したかを判定する。判定結果がNoの場合に、制振装置21の動作は、ステップS5に進む。判定結果がYesの場合に、制振装置21の動作は、ステップS6に進む。
ステップS5において、制御部24は、索体が建物揺れとの共振条件を満たすかを判定する。共振条件は、例えば建物揺れの周波数および索体の固有振動数が一致する条件である。あるいは、共振条件は、例えば建物揺れの周波数および索体の固有振動数の差異が、例えば測定誤差または安全率などに基づいて予め定められた周波数の範囲内にある条件であってもよい。判定結果がYesの場合に、制振装置21の動作は、ステップS6に進む。判定結果がNoの場合に、制振装置21の動作は、ステップS7に進む。
ステップS6において、制御部24は、変位増幅器22を作動させる。すなわち、制御部24は、索体への制振力を変位増幅器22に加えさせる。なお、制御ゲイン更新部35によって制御ゲインが更新されていない場合に、制御部24は、前回更新された制御ゲインに基づく制振力を変位増幅器22に加えさせてもよい。あるいは、制御部24は、予め設定された制御ゲインに基づく制振力を変位増幅器22に加えさせてもよい。その後、制振装置21の動作は、ステップS1に進む。
ステップS7において、制御部24は、変位増幅器22を停止させる。このとき、索体は、変位増幅器22によって横方向の変位が増幅されない。その後、制振装置21の動作は、ステップS1に進む。
以上に説明したように、実施の形態4に係る制振装置21の制御部24は、索体への一定の横方向のオフセット力を第1変位増幅器に加えさせる。張力検出部34は、オフセット力による索体の変位に基づいて索体の張力を検出する。
これにより、制振装置21は、張力を検出するための新たなハードウェアの追加を必要とすることなく、測定値に基づいて主ロープ8の張力を検出できる。
また、張力検出部34は、エレベーター1のかご9が停止しているときに索体の張力を検出する。張力検出部34は、エレベーター1のかご9が走行しているときに索体の張力を検出しない。
主ロープ8などの索体の張力は、かご9の重量などのエレベーター1の運転状態によって変動する。運転状態の例であるかご9の重量は、乗客の乗降などによって変動する。乗客は、かご9が停止しているときに乗降する。このため、張力検出部34は、索体の張力の状態が変動しやすいタイミングで張力を検出する。張力検出部34は、必要性の低いときに動作しない。これにより、エレベーター1における演算リソースなどが節約される。
また、制御部24は、エレベーター1のかご9が停止しているときに変位制御ゲインの大きさを更新する。制御部24は、エレベーター1のかご9が走行しているときに変位制御ゲインの大きさを更新しない。
これにより、制御ゲインの変動によってかご9の走行の動作が不安定にならない。また、制御ゲインの値が切り替わることによるチャタリングの発生が抑制される。
また、制御部24は、エレベーター1のかご9が停止しているときに負の復元力を第1変位増幅器に加えさせる。制御部24は、エレベーター1のかご9が走行しているときに負の復元力を第1変位増幅器に加えさせない。
主ロープ8などの索体は、かご9が停止しているときに建物揺れによる加振の影響を受けやすい。このため、制御部24は、索体が大きく振動しやすいタイミングで変位増幅器22を作動させる。変位増幅器22は、必要性の低いときに作動しない。これにより、変位増幅器22の待機電力などによるエネルギーの消費が抑えられる。
また、制御部24は、予め設定される閾値より大きい建物揺れが発生しているときに負の復元力を第1変位増幅器に加えさせる。制御部24は、閾値より大きい建物揺れが発生していないときに負の復元力を第1変位増幅器に加えさせない。
制御部24は、建物揺れによる加振の影響を受けうるタイミングで変位増幅器22を作動させる。変位増幅器22は、必要性の低いときに作動しない。これにより、変位増幅器22の待機電力などによるエネルギーの消費が抑えられる。
また、制御部24は、建物揺れとの共振条件を索体が満たすときに負の復元力を第1変位増幅器に加えさせる。制御部24は、共振条件を索体が満たしていないときに負の復元力を第1変位増幅器に加えさせない。
制御部24は、建物揺れによって共振現象が発生しうるタイミングで変位増幅器22を作動させる。変位増幅器22は、必要性の低いときに作動しない。これにより、変位増幅器22の待機電力などによるエネルギーの消費が抑えられる。
なお、制御部24は、かご9の停止の判定、建物揺れの発生の判定、および共振条件の判定の一部および全部の判定を省いてもよい。例えば、制御部24は、これらの全部の判定を省く場合に、変位増幅器22を常時作動させてもよい。変位増幅器22が常時作動する場合に、制振装置21は、突発的に生じる大きな建物揺れにも対応できる。また、制振装置21が常時作動しているため、制振の遅延によって制振の初期に必要な力が大きくなりにくい。また、制振装置21は、建物揺れの情報およびかご9の走行状態の情報などを必要としない。このため、制振装置21と制御盤17などとの間の配線または通信路が増えない。
また、かご9の停止の判定、建物揺れの発生の判定、および共振条件の判定の一部および全部によって変位増幅器22の作動を切り替える動作は、実施の形態1から実施の形態3の各々に係る制振装置21のいずれにおいても適用できる。また、かご9の停止の判定によって張力の検出または制御ゲインの更新を行う動作は、実施の形態2または実施の形態3に係る制振装置21のいずれにおいても適用できる。
本発明に係る制振装置は、エレベーターに適用できる。
1 エレベーター、 2 建物、 3 昇降路、 4 機械室、 5 ロープダクト、 6 ピット、 7 巻上機、 8 主ロープ、 9 かご、 10 釣合い錘、 11 釣合いロープ、 12 張り車、 13 調速機、 14 調速機ロープ、 15 調速機ロープ張り車、 16 制御ケーブル、 17 制御盤、 18 建物揺れ検知器、 19 建物揺れ、 20 平衡位置、 21 制振装置、 22、22a、22b 変位増幅器、 23、23a、23b 変位計測部、 24 制御部、 25 接触部、 26 アクチュエーター、 27 ローラー、 28 固定子、 29 可動子、 30 ボールネジ、 31 ナット、 32 モーター、 33 力センサー、 34 張力検出部、 35 制御ゲイン更新部、 36 制御入力演算部、 37 駆動部、 38 変位フィードバック演算器、 39 速度フィードバック演算器、 40 微分器、 41 秤装置、 42 可動機構、 43 オフセット信号出力部、 44 ローパスフィルタ、 45 乗算器、 46 張力演算器、 24a ハードウェア、 24b プロセッサ、 24c メモリ、 P1 第1位置、 P2 第2位置

Claims (11)

  1. エレベーターの索体の長手方向の第1位置において、前記索体の平衡位置を中心とした振動の横方向の変位を計測する第1変位計測部と、
    前記索体の前記変位を増幅する負の復元力を前記索体に加える第1変位増幅器と、
    前記第1変位計測部が計測した前記変位に基づいて、前記索体を前記平衡位置に戻す正の復元力より小さい前記負の復元力を前記第1変位増幅器に加えさせる制御部と、
    を備え
    前記制御部は、建物揺れとの共振条件を前記索条体が満たすときに前記負の復元力を前記第1変位増幅器に加えさせ、前記共振条件を前記索条体が満たしていないときに前記負の復元力を前記第1変位増幅器に加えさせない
    エレベーターの索体の制振装置。
  2. 前記共振条件は、建物揺れの周波数および前記索条体の固有振動数の差異が予め定められた周波数の範囲内にある条件である
    請求項1に記載のエレベーターの索条体の制振装置。
  3. 前記共振条件は、建物揺れの周波数および前記索条体の固有振動数が一致する条件である
    請求項1に記載のエレベーターの索条体の制振装置。
  4. 前記制御部は、前記索体の張力の変動する範囲に応じて予め定まる前記正の復元力の下限より小さい前記負の復元力を前記第1変位増幅器に加えさせる
    請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のエレベーターの索体の制振装置。
  5. 前記索体の張力を検出する張力検出部
    を備え、
    前記制御部は、前記張力検出部が検出する張力に基づいて、前記張力に応じて定まる前記正の復元力より小さい前記負の復元力を前記第1変位増幅器に加えさせる
    請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のエレベーターの索体の制振装置。
  6. 前記張力検出部は、エレベーターの秤装置が計測する重量に基づいて前記索体の張力を検出する
    請求項5に記載のエレベーターの索体の制振装置。
  7. 前記張力検出部は、前記第1変位計測部が計測する前記変位に基づいて前記索体の張力を検出する
    請求項5に記載のエレベーターの索体の制振装置。
  8. 前記張力検出部は、エレベーターのかごが停止しているときに前記索体の張力を検出し、エレベーターのかごが走行しているときに前記索体の張力を検出しない
    請求項5から請求項7のいずれか一項に記載のエレベーターの索体の制振装置。
  9. 前記制御部は、前記張力検出部が検出する張力に基づいて負の変位制御ゲインの大きさを更新し、前記負の変位制御ゲインおよび前記変位に基づく負剛性力を前記負の復元力として前記第1変位増幅器に加えさせる
    請求項5から請求項8のいずれか一項に記載のエレベーターの索体の制振装置。
  10. 前記制御部は、エレベーターのかごが停止しているときに前記変位制御ゲインの大きさを更新し、エレベーターのかごが走行しているときに前記変位制御ゲインの大きさを更新しない
    請求項9に記載のエレベーターの索体の制振装置。
  11. 前記制御部は、前記第1変位計測部が計測した前記変位に基づいて前記変位の速度を検出し、前記張力検出部が検出する張力に基づいて速度制御ゲインの大きさを更新し、前記速度制御ゲインおよび前記速度に基づく前記索体への横方向の粘性力を前記第1変位増幅器に加えさせる
    請求項9または請求項10に記載のエレベーターの索体の制振装置。
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