JP6272136B2 - エレベータロープの揺れを低減する方法およびエレベータシステム - Google Patents

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Description

本発明は、包括的にはエレベータシステムに関し、より詳細には、エレベータかごの移動を用いてエレベータシステム内のエレベータロープの揺れを低減することに関する。
通常のエレベータシステムは、かごと、垂直エレベータ昇降路内のガイドレールに沿って移動するつり合おもりとを含む。かごおよびつり合おもりは、巻上ロープによって互いに連結される。巻上ロープは、エレベータ昇降路の上部または底部にある機械室内に位置する綱車に巻き付けられる。綱車を電気モータによって動かすことができるか、またはつり合おもりをリニアモータによって駆動することができる。
ロープ揺れは、エレベータ昇降路内の巻上ロープおよび/またはつり合ロープの振動を指している。その振動は、ロープ式エレベータシステムにおいて深刻な問題となる可能性がある。その振動は、例えば、風によって誘発される建物のたわみに起因する振動、および/またはエレベータシステムの動作中のロープの振動によって引き起こされる可能性がある。振動の周波数がロープの固有振動に近づくかまたは入る場合には、振動が変位よりも大きくなる可能性がある。そのような状況では、ロープは、エレベータ昇降路内の他の装置と絡まるか、または綱車の溝から外れる可能性がある。エレベータシステムが複数のロープを使用し、それらのロープが互いに位相が一致することなく振動する場合には、ロープ同士が絡まる可能性があり、エレベータシステムが損傷を受けるおそれがある。
種々の方法が、ロープに張力をかけることによってエレベータロープの揺れを制御する。しかしながら、従来の方法は、一定の制御動作を用いて、ロープ揺れを低減する。例えば、特許文献1において記載されている方法は、ロープの振動が検出された後に、ロープに一定の張力をかけることによって、エレベータつり合ロープの水平振動を最小限に抑える。しかしながら、一定の張力は、ロープに不要な応力を引き起こす可能性があるので、ロープに一定の張力をかけることは、最適とは言えない。
特許文献2において記載されている別の方法は、つり合ローブと建物の固有周波数との共振を避けるために、綱車を動かしてつり合ローブの固有周波数をシフトさせるサーボアクチュエータに基づく。サーボアクチュエータは、ロープ端におけるロープ振動速度を使用するフィードバックによって制御される。しかしながら、その方法は、つり合ロープ振動による揺れ減衰の問題を解決するだけである。さらに、その方法は、ロープ端におけるロープ揺れ速度の測定を必要とするが、その測定は、実際の応用形態においては難しい。
特許文献3において記載されている方法は、かごの上部に取り付けられるパッシブダンパーを用いてエレベータシステムの主索の振動を最小限に抑える。ダンパーは、かごおよびロープに連結される。ダンパーの距離および減衰係数値を用いて、ロープ揺れを低減する。しかしながら、その方法では、ダンパーの数が制御されるロープの数に比例する。さらに、各ダンパーは、受動的であり、ロープに絶えず係合するので、ロープ上に不要な過大応力を誘発する可能性がある。
他の方法、例えば、特許文献4および特許文献5は、ロープの横方向運動を物理的に制限することによって、純粋に機械的な解決策を用いて揺れ振幅を制限する。それらのタイプの解決策は、設置し、維持管理するのにコストがかかる可能性がある。
したがって、エレベータロープの揺れを最適に低減することが必要とされている。
米国特許第5861084号明細書 米国特許出願公開第2009/0229922号明細書 米国特許第7793763号明細書 米国特許第4460065号明細書 米国特許第5509503号明細書
本発明のいくつかの実施の形態の目的は、エレベータかごの移動を用いてロープに張力をかけることによって、エレベータシステム内のエレベータかごに連結されるエレベータロープの揺れを低減するためのシステムおよび方法を提供することである。
本発明のいくつかの実施の形態は、ロープの2つの端点の相対運動に基づいてエレベータロープの張力を変更することができるという一般的な認識に基づいている。加えて、または代替的に、本発明のいくつかの実施の形態は、エレベータかごの垂直移動がロープに余分な張力を誘発するという認識に基づいている。この張力は、ロープの揺れを制御するのに用いることができる。かごの垂直の動きが適切に制御される場合、エレベータかごの移動を用いて揺れを低減することができる。
例えば、いくつかの実施の形態では、エレベータかごの移動は、エレベータかごのエレベータロープの長さ、またはエレベータかごのつり合おもりを支持するロープの長さを変化させる、エレベータシステムの主綱車に起因して制御される。したがって、エレベータロープの揺れは、最小数のアクチュエーターを用いて、またはアクチュエーターを何ら用いることなく、低減することができる。その上、エレベータかごの移動は、余分な装置をエレベータシステムに追加する必要なく、多数のエレベータロープの張力を同時に制御することができる。
上記制御は、例えば、揺れの最大振幅が閾値未満となるまでの周期的なフィードバック制御とすることができる。本発明のいくつかの実施の形態は、揺れの状態の関数およびエレベータかごの状態の関数の組み合わせを含む制御則を用いて、エレベータかごの移動を制御する。そのような2つの構成要素を有する制御則を用いることによって、揺れを低減するためのかごの移動と、初期位置を中心にしてエレベータかごを安定させるためのエレベータかごの移動とを切り離すことが可能になる。初期位置を中心にしてかごを安定させることによって、エレベータかごに対する揺れの影響を最小にすることができるとともに、初期位置を中心にしたUPおよびDOWNへのエレベータかごの振動運動を生み出すことができ、これによって、エレベータシステムの安全が確保される。
例えば、本発明のいくつかの実施の形態では、エレベータかごの状態の関数は、初期位置からのエレベータかごの状態の変化に比例する。エレベータかごが初期位置から遠くなるほど、制御則におけるエレベータかごの状態の関数の効果は大きくなる。
本発明のいくつかの実施の形態は、揺れの状態の関数に従って制御した結果生じた、エレベータかごの移動に対する効果を、エレベータかごの状態の関数に従って制御した結果生じた効果から分離する。例えば、1つの実施の形態は、揺れの状態の関数の周波数が揺れの周波数に比例するような揺れの状態の関数を求める。他方、この実施の形態は、エレベータかごの状態の関数の周波数が揺れの状態の関数の周波数と異なるようなエレベータかごの状態の関数を求める。そのような切り離しによって、揺れの低減およびエレベータかごの安定性の双方に対する関数の効果を最適化するように関数を調節することが可能になる。
本発明のいくつかの実施の形態は、エレベータロープにかけられる張力を用いて、エレベータシステムを安定させることができるという認識に基づく。それゆえ、エレベータシステムのモデルを用いて、エレベータシステムの安定性に基づいて張力を解析することができる。エレベータシステムを表す力学系を記述する微分方程式を解くために、複数の実施の形態によって種々のタイプの安定性が用いられる。例えば、1つの実施の形態は、制御則によって制御されるエレベータシステムの動態に沿ったリアプノフ関数の導関数が負の定値であるような制御則を求める。
したがって、1つの実施の形態は、エレベータ綱車を用いて、エレベータシステム内においてエレベータかごを支持するエレベータロープの揺れを低減する方法を開示する。この方法は、エレベータ綱車の動きを用いて、第1の点と第2の点との間のエレベータロープの張力の制御則に従って、エレベータロープの張力を制御するステップを含む。第1の点は、エレベータロープとエレベータ綱車との接点に関連付けられ、第2の点は、エレベータロープとエレベータかごまたはエレベータかごのつり合おもりとの接点に関連付けられ、制御則は、第1の点と第2の点との間の相対位置、相対速度、および相対加速度のうちの1つまたはそれらの組み合わせの関数である。この方法のステップは、プロセッサによって実行される。
別の実施の形態は、エレベータシステムのエレベータ昇降路において、エレベータロープによって支持されるエレベータかごと、エレベータロープの長さを変化させ、それによって、エレベータかごの移動を制御する綱車と、エレベータロープの揺れの状態を求める揺れユニットと、エレベータかごの状態を求めるシステムユニットと、エレベータロープの揺れの状態およびエレベータかごの状態に基づいてエレベータかごの移動を引き起こす綱車を制御して、エレベータかごの移動を用いてエレベータシステムの状態を安定させる制御ユニットと、を備えるエレベータシステムを開示する。
本発明の実施の形態によるエレベータシステムの概略図である。 本発明の1つの実施の形態によるエレベータシステムのモデルの概略図である。 本発明の1つの実施の形態によるエレベータシステムのモデルの概略図である。 本発明の1つの実施の形態によるエレベータシステムのモデルの概略図である。 本発明の1つの実施の形態によるエレベータシステムのモデルの概略図である。 本発明の1つの実施の形態によるエレベータシステムの動作を制御する方法のブロック図である。 本発明の1つの実施の形態によるエレベータシステムの動作を制御する方法のブロック図である。 本発明の1つの実施の形態によるエレベータシステムの動作を制御する方法のブロック図である。 本発明の1つの実施の形態によるエレベータシステムの張力制御を計算するとともに動作を制御する方法のブロック図である。 本発明の1つの実施の形態によるエレベータシステムの張力制御を計算するとともに動作を制御する方法のブロック図である。 本発明の1つの実施の形態によるエレベータシステムの張力制御を計算するとともに動作を制御する方法のブロック図である。 本発明の1つの実施の形態によるエレベータシステムの張力制御を計算するとともに動作を制御する方法のブロック図である。
本発明の様々な実施の形態は、エレベータロープにかけられる張力を用いてエレベータシステムにおけるロープの揺れを低減することができるという認識に基づいている。その上、この張力は、エレベータシステム内の余分なアクチュエーターを何ら必要とすることなく、エレベータ昇降路内におけるエレベータかごの移動、例えば、垂直移動を制御することによって取得することができる。例えば、様々な実施の形態は、主綱車を制御して、エレベータロープに十分な張力を誘発するように、したがって、ロープの揺れを低減するように、エレベータかごを、指定された最大かご垂直動き振幅の範囲内、例えば、+3m〜−3mで初期静止位置を中心にして上下に移動させる。
図1は、本発明の1つの実施の形態によるエレベータシステム100の概略図を示す。そのエレベータシステムは、少なくとも1つのエレベータロープによってエレベータシステムの種々の構成要素に動作可能に連結されるエレベータかご12を含む。例えば、エレベータかごおよびつり合おもり14は、主索16、17およびつり合ロープ18によって互いに連結される。エレベータかご12は、上わく30および安全装置付き下わく33を含むことができる。エレベータ昇降路22を通してエレベータかご12およびつり合おもり14を移動させるためのプーリ20が、エレベータ昇降路22の上部(または底部)にある機械室(図示せず)内に位置することができる。エレベータシステムは、つり合プーリ23も含むことができる。エレベータ昇降路22は、前壁29、後壁31および一対の側壁32を含む。
エレベータかごおよびつり合おもりは、x方向、y方向、およびz方向のモーメントの総和が0である点において重心を有する。言い換えると、重心点を囲む全てのモーメントは、相殺されるので、重心(x,y,z)において、かご12またはつり合おもり14を理論的に支持し、釣り合わせることができる。主索16、17は、通常、かごの重心の座標が射影される、エレベータかご12の上わく30に連結される。主索16、17は、つり合おもり14の重心の座標が射影される、つり合おもり14の上部に連結される。
エレベータシステムの動作中に、システムの種々の構成要素が内乱および外乱、例えば、風に起因する揺れを受け、結果として、構成要素の横方向運動が生じる。構成要素のそのような横方向運動の結果として、エレベータロープの揺れが生じる可能性があり、その揺れを測定する必要がある。したがって、1つまたは1組の揺れセンサ120をエレベータシステム内に配置して、エレベータロープの横揺れを特定することができる。
1組のセンサは、少なくとも1つの揺れセンサ120を含むことができる。例えば、揺れセンサ120は、揺れセンサの位置に関連付けられる揺れ箇所において、エレベータロープの横揺れを検知するように構成される。
しかしながら、種々の実施の形態において、揺れ箇所が適切に検知および/または測定されるように、センサを種々の位置に配置することができる。センサの実際の位置は、使用されるセンサのタイプによって決めることができる。例えば、揺れセンサは、任意のモーションセンサ、例えば、光ビームセンサとすることができる。
エレベータシステムの動作中に、揺れ箇所が特定され、揺れ測定および推定ユニット140に送信される(122)。揺れユニット140は、例えば、揺れ測定値およびシステムの逆モデルを用いることによって、エレベータロープの揺れの状態145を特定する。種々の実施の形態は、異なる逆モデル、例えば、ロープ、プーリ、およびかごを含むエレベータシステムの逆モデルを使用し、種々の実施の形態は、測定値からロープ揺れを推定する推定法も使用する。
ユニット140によって求められた揺れの状態は、揺れの振幅、揺れの速度、および揺れの加速度のうちの1つまたはそれらの組み合わせの関数を含むことができる。この関数の例には、時間微分関数または時間積分関数が含まれるが、これらに限定されるものではない。
システム100は、エレベータかごの状態155を求めるシステムユニット150も備える。いくつかの実施の形態では、エレベータかごの状態は、エレベータかごの位置、エレベータかごの速度、エレベータかごの加速度、エレベータかごのつり合おもりの位置、つり合おもりの速度、およびつり合おもりの加速度のうちの1つまたはそれらの組み合わせの関数を含む。
システムユニット150は、エレベータシステムの動作中に送信された(124)測定値を用いることもできる。例えば、システムユニット150は、エレベータシステム内に配置された様々な位置センサ、速度センサ、および/または加速度センサに、作動的に結合されている。
システム100において、ロープの揺れは、主綱車112によって制御される。主綱車は、制御ユニット160によって制御され、エレベータかごを上下に移動させて、エレベータロープに余分な張力を誘発し、したがって、ロープの揺れを低減する。制御ユニットは、揺れユニット140から取得されるロープの揺れの測定値に基づいて、張力をONにする時および張力をOFFにする時も決定する。
例えば、主綱車は、制御ユニットによって制御されて、エレベータロープの長さを変化させ、それによって、エレベータかごの移動を制御する。制御ユニットは、揺れユニット140によって求められたエレベータロープの揺れの状態と、システムユニット150によって求められたエレベータかごの状態とに基づいて、主綱車を制御する。ロープの張力を制御するエレベータシステムの他の変更形態も可能であり、本発明の範囲内にある。揺れユニット140、システムユニット150、および制御ユニット160は、例えば、以下で説明するように、プロセッサを用いて実施することができる。
モデルに基づく制御設計
図2は、エレベータシステムのモデル200の一例を示す。モデル200は、エレベータシステム100のパラメータに基づく。エレベータシステムのモデルに従って、種々の方法を用いてエレベータシステムの動作をシミュレートすることができ、例えば、エレベータシステムを動作させることによって引き起こされるエレベータロープの実際の揺れ220をシミュレートすることができる。他のエレベータシステムのモデルを同様に導出することができる。
種々の実施の形態がエレベータシステムの異なるモデルを用いて、制御則を設計することができる。例えば、1つの実施の形態は、ニュートンの第2法則に基づいてモデル化を実行する。例えば、エレベータロープは、ひもとしてモデル化され、エレベータかごおよびつり合おもりは、それぞれ剛体230および250としてモデル化される。
1つの実施の形態では、エレベータシステムのモデルは、以下の式に従って偏微分方程式によって決定される。
Figure 0006272136
ただし、
Figure 0006272136
は、その変数Vに対する関数s(・)の次数iの導関数であり、tは、時間であり、yは、例えば、慣性系における垂直座標であり、uは、x軸に沿ったロープの横方向変位であり、ρは、単位長あたりのロープの質量であり、Tは、エレベータロープのタイプ、すなわち、主索、つり合ロープに応じて変化するエレベータロープ内の張力であり、cは、単位長あたりのエレベータロープの減衰係数であり、vは、エレベータ/ロープ速度であり、aは、エレベータ/ロープ加速度である。
以下の2つの境界条件が成り立つ。
Figure 0006272136
(t)は、外乱、例えば、風条件に起因する上部建物揺れを表す第1の境界条件であり、f(t)は、外乱、例えば、風条件に起因するかご揺れを表す第2の境界条件であり、l(t)235は、主綱車112とエレベータかご12との間のエレベータロープ17の長さである。
本発明のいくつかの実施の形態は、ロープの2つの端点の相対運動に基づいて、エレベータロープの張力を変更することができるという一般的な認識に基づいている。具体的には、いくつかの実施の形態は、エレベータ綱車の動きを用いて、第1の点と第2の点との間のエレベータロープの張力の制御則に従って、エレベータロープの張力を制御する。ここで、第1の点は、エレベータロープとエレベータ綱車との接点に関連付けられ、第2の点は、エレベータロープとエレベータかごまたはエレベータかごのつり合おもりとの接点に関連付けられている。制御則は、第1の点と第2の点との間の相対位置、相対速度、および相対加速度のうちの1つまたはそれらの組み合わせの関数である。
図2Bは、1つの実施の形態の概略図を示している。この実施の形態では、エレベータ綱車は、主綱車であり、エレベータロープは、エレベータかごまたはつり合おもりと主綱車とを接続するメインエレベータロープであり、第1の点は、メインエレベータロープと主綱車との接触点であり、第2の点は、メインエレベータロープとエレベータかごまたはつり合おもりとの接触点である。
例えば、この実施の形態では、主綱車240は、メインエレベータロープと主綱車との接触点262または260と、メインエレベータロープとエレベータかご230またはつり合おもり250との間の接触点263または261との間の相対運動を制御するために回転される。
図2Cは、別の実施の形態の概略図を示している。この実施の形態では、エレベータ綱車は、つり合綱車であり、エレベータロープは、エレベータかごまたはつり合おもりとつり合綱車とを接続するつり合ロープである。第1の点は、つり合ロープとつり合綱車との接触点であり、第2の点は、つり合ロープとエレベータかごまたはつり合おもりとの接触点である。
この実施の形態では、主綱車240は、つり合ロープとつり合綱車270との接触点271または273と、つり合ロープとエレベータかご230またはつり合おもり250との間の接触点272または274との間の相対運動を制御するために回転される。
図2Dは、さらに別の実施の形態の概略図を示している。この実施の形態では、エレベータ綱車は、調速機綱車であり、エレベータロープは、エレベータかごまたはつり合おもりと調速機綱車とを接続する調速機ロープであり、第1の点は、ロープと綱車との接触点であり、第2の点は、ロープとエレベータかごまたはつり合おもりとの接触点である。
この実施の形態では、主綱車240は、調速機ロープと調速機綱車との接触点286、284、281または283と、調速機ロープとエレベータかごまたはつり合おもりとの間の接触点282または285との間の相対運動を制御するために回転される。
例えば、エレベータロープの張力Tは、エレベータかごの移動の関数として表すことができる。例えば、張力Tは、T=K_rope(car_x−x_u)として表すことができる。ここで、K_ropeは、エレベータロープの剛性であり、car_xは、エレベータかごの位置であり、x_uは、ロープと主綱車との間の接触点の位置である。いくつかの実施の形態では、エレベータロープの剛性は、K_rope=E・A/lである。ここで、Eは、エレベータロープのヤング率であり、Aは、エレベータロープの断面積であり、lは、エレベータロープの長さである。
具体的には、エレベータロープの張力は、次式となる。
Figure 0006272136
式中、m、mcsは、それぞれエレベータかごおよびプーリー240の質量であり、gは、重力加速度、すなわち、g=9.8m/sであり、EA・(car_x−x_u)/l(t)は、エレベータかごの移動に起因した余分な張力である。縦弾性係数または弾性係数としても知られているヤング率は、弾性材料の剛性の尺度であり、エレベータロープ等の材料を特徴付けるのに用いられる量である。
1つの実施の形態では、偏微分方程式(1)は、以下の式に従って、常微分方程式(ODE)に基づくモデルを得るために離散化される。
Figure 0006272136
ただし、q=[q1,・・・,qN]は、ラグランジュ座標ベクトルであり、
Figure 0006272136
は、時間に関するラグランジュ座標ベクトルの一次導関数および二次導関数であり、Nは、振動モードの数である。ラグランジュ変数ベクトルqは、以下の式によって横方向変位u(y,t)を定義する。
Figure 0006272136
ただし、φ(ξ)は、無次元変数ξ=y/lのj次形状関数である。
式(2)において、Mは、慣性行列であり、(C+G)は、遠心行列とコリオリ行列とを組み合わせることによって構成され、
Figure 0006272136
は、剛性行列であり、F(t)は、外力のベクトルである。これらの行列およびベクトルの要素は、以下の式によって与えられる。
Figure 0006272136
ただし、
Figure 0006272136
は、その変数に関する関数sの一次導関数であり、表記s(2)(・)はその変数に関する関数sの二次導関数であり、
Figure 0006272136
は、区間[v,v]にわたるその変数vに関する関数sの積分である。クロネッカーのデルタδは、2つの変数からなる関数であり、その関数は、変数が等しい場合には、1であり、そうでない場合には、0である。
エレベータかごの移動を通じて間接的にエレベータロープの張力を制御するための間接的な張力制御項としての制御項Uは、例えば、以下の式となる。
Figure 0006272136
エレベータのモデルは、エレベータロープのモデルと、エレベータかごの移動のモデルとを含むことができる。1つの実施の形態では、移動のモデルは、以下の微分方程式によって与えられる。
Figure 0006272136
式中、meは、エレベータかごの質量であり、car_x、
Figure 0006272136
は、それぞれエレベータかごの垂直位置、速度、および加速度であり、γは、エレベータかごの減衰係数である。
式(1)および式(2)によって与えられ、式(3)に関連付けられるシステムモデルは、システムモデルの2つの例である。異なる理論、例えば、ひも理論の代わりに、はり理論に基づく他のモデルを本発明の実施の形態によって使用することができる。
制御則
本発明のいくつかの実施の形態は、エレベータかごの垂直移動がロープに余分な張力を誘発するという認識に基づいている。この張力は、ロープの揺れを制御するのに用いることができる。この制御は、例えば、揺れの最大振幅が閾値未満となるまでの周期的なフィードバック制御とすることができる。
図3Aは、エレベータかごの移動を用いて揺れを制御するための制御則380を用いてエレベータかごの移動を制御するように本発明のいくつかの実施の形態によって用いられる、認識されたものを示すブロック図を示している。制御則380は、揺れの状態の関数375およびエレベータかごの状態の関数365の組み合わせを含む。そのような2つの構成要素を有する制御則を用いることによって、揺れを低減するためのかごの移動と、初期位置を中心にしてエレベータかごを安定させるためのエレベータかごの移動とを分離する(383)ことが可能になる。初期位置を中心にしてかごを安定させることによって、エレベータかごに対する揺れの影響を最小にすることができるとともに、初期位置を中心にしたUPおよびDOWNへのエレベータかごの振動運動を生み出すことができ、これによって、エレベータシステムの安全が確保される。
本発明のいくつかの実施の形態は、揺れの状態の関数に従って制御した結果生じた、エレベータかごの移動に対する効果を、エレベータかごの状態の関数に従って制御した結果生じた効果から分離する。例えば、1つの実施の形態は、揺れの状態の関数の周波数377が揺れの周波数379に比例するような揺れの状態の関数を求める。例えば、そのような依存性を達成するために、いくつかの実施の形態は、以下で説明するように、エレベータシステムの動態に沿ってリアプノフ関数を用いて関数375を設計する。
他方、この実施の形態は、エレベータかごの状態の関数365の周波数367が揺れの状態の関数375の周波数377と異なる(385)ようなエレベータかごの状態の関数を求める。そのような分離383によって、揺れの低減およびエレベータかごの安定性の双方に対する関数の効果を最適化するように、関数を調節することが可能になる。
いくつかの実施の形態は、主綱車112を制御する制御則を決定する。主綱車112は、制御則に基づいて、かごを上下に移動させる。1つの実施の形態は、後に説明されるように、1つの想定されたモード、すなわち、N=1を有する式(2)の場合の制御則を決定する。しかしながら、他の実施の形態も任意の数のモードの場合の制御則を同様に決定する。種々の実施の形態において、想定されたモードは、モード周波数およびモード形状によって特徴付けられるエレベータロープの振動モードであり、エレベータロープの振動における半波長の数に従って番号を付される。
本発明のいくつかの実施の形態は、エレベータロープにかけられる張力を用いてエレベータシステムを安定させることができるという認識に基づいている。したがって、張力は、エレベータシステムのモデルを用いて、エレベータシステムの安定性に基づいて解析することができる。安定性の様々なタイプが、実施の形態によって、エレベータシステムを表す力学系を記述する微分方程式の解に用いられる。例えば、1つの実施の形態は、制御則によって制御されるエレベータシステムの動態に沿ったリアプノフ関数の導関数が負の定値であるような制御則を求める。
図3Bは、本発明のいくつかの実施の形態によって用いられるいくつかの原理を示すブロック図を示している。エレベータロープの張力T360は、エレベータシステムのモデル312に基づいてエレベータかごの状態365の関数として表すことができる。具体的には、張力は、T=EA(car_x−x_u)/lとして表すことができる。揺れの状態375の関数は、エレベータロープの張力360に依存し、したがって、エレベータかごの状態に依存する。
例えば、本発明の1つの実施の形態は、エレベータシステムのエレベータ昇降路内における初期位置において、エレベータかごを支持するエレベータロープの揺れを求め、この揺れの検出に応じてエレベータかごの位置を変化させるコマンドを生成する。1つの実施の形態では、位置は、その初期位置を中心にしてエレベータかごの移動を制御することによって変化する。
同様に、エレベータシステムのモデル312に基づいて、エレベータの動態に沿ったリアプノフ関数370も求めることができる。その上、このリアプノフ関数は、揺れ375の状態の関数として求めることができる。例えば、このリアプノフ関数は、ラグランジュ変数qによって表される揺れの振幅と、このラグランジュ変数の導関数
Figure 0006272136
によって表される揺れの速度とを含むことができる。
したがって、リアプノフ理論によれば、エレベータかごの移動を制御することによって、エレベータロープの揺れを制御することが可能である。この認識によって、エレベータシステムを安定させるとともにエレベータロープの揺れを低減する、エレベータかごの位置を制御するための制御則を設計することが可能になる。例えば、1つの実施の形態は、リアプノフ関数の導関数が負の定値であるような、ラグランジュ変数によって表される揺れの振幅および速度の関数
Figure 0006272136
としての制御項U=EA(car_x−x_u)/lを制御する制御則380を求め、この制御則に従ってエレベータかごの移動を制御する。リアプノフ理論の説明およびリアプノフ関数の例は、以下で提供される。
図3Cは、図3Aおよび図3Bに関して上記で論述したいくつかの原理を用いた方法のブロック図を示している。この方法は、エレベータシステムの動作を制御し、プロセッサ301によって実施することができる。この方法は、エレベータかごの移動335を用いて、エレベータシステムの状態を安定させる制御則326を求める(310)。
様々な実施の形態では、制御則は、揺れの状態の関数およびエレベータかごの状態の関数の組み合わせである。制御則は、メモリ302に記憶することができる。メモリ302は、任意のタイプのものとすることができ、プロセッサ301に作動的に接続することができる。
いくつかの実施の形態では、エレベータかごの状態は、エレベータかごの振幅342および速度344を含む。例えば、振幅342は、揺れが検出されたときに、エレベータかごの初期位置から求めることができる。いくつかの実施の形態では、揺れの検出に応答して、エレベータかごは、搭乗者を降ろすために最も近いフロアに停止し、初期位置は、そのフロアにおける位置である。制御則にエレベータシステムの状態を含めることによって、以下で、より詳細に説明するように、エレベータシステムの制約またはビジネス要件によって課せられるエレベータかごの最大位置および/または最大速度に制限を設けることが可能になる。
他の実施の形態では、エレベータかごの状態は、エレベータかごの位置、エレベータかごの速度、エレベータかごの加速度、エレベータかごのつり合おもりの位置、つり合おもりの速度、およびつり合おもりの加速度のうちの1つまたはそれらの組み合わせの関数を含む。この関数の例には、時間微分関数または時間積分関数が含まれるが、これらに限定されるものではない。
いくつかの実施の形態では、揺れの状態は、揺れの振幅322および速度324を含む。一般に、揺れの状態は、エレベータシステムにおけるエレベータロープの揺れの振幅、揺れの速度、および揺れの加速度のうちの1つまたはそれらの組み合わせの関数を含むことができる。1つの実施の形態では、エレベータロープが、エレベータシステム内でエレベータかごを支持する。しかし、他のエレベータロープの揺れ、例えば、エレベータかごのつり合おもりを支持するロープの揺れを用いることもできる。関数の例には、時間微分関数または時間積分関数が含まれるが、これらに限定されるものではない。
いくつかの実施の形態では、制御則は、当該制御則によって制御されるエレベータシステムの動態に沿ったリアプノフ関数314の導関数が負の定値であるように求められる。そのような要件によって、エレベータシステムの安定化および揺れの低減が確保される。また、リアプノフ理論に基づく制御を求めることによって、張力を最適に、すなわち、揺れを低減する必要があるときにのみかけることが可能になり、したがって、エレベータシステムの維持コストが削減される。例えば、1つの実施の形態では、制御則は、エレベータロープの張力が、エレベータロープの揺れの振幅および速度に比例するように求められる。
いくつかの実施の形態では、制御則は、ロープの揺れ振幅の増加に応答する場合のみ、張力がかけられるように決定される。したがって、揺れが存在するが、エレベータシステムの他の動作要因によって減少しつつあるとき、張力はかけられない。例えば、ロープの揺れ振幅とロープの揺れ速度との積の符号に基づいて、張力をかけることができる。また、いくつかの実施の形態では、エレベータかごの状態の関数は、初期位置からのエレベータかごの状態の変化に比例する。
エレベータシステムの動作中に、その方法は、例えば、エレベータロープの揺れ振幅322およびエレベータロープの揺れ速度324を含む揺れの状態を求める(320)。例えば、振幅および速度は、エレベータシステムの状態の種々のサンプルを用いて直接測定することができる。それに加えて、または代替的に、揺れ振幅および揺れ速度は、例えば、エレベータシステムのモデルを用いて推定し、サンプルの数を減らすことができるか、または種々の補間技法を用いて推定することができる。同時に、この方法は、例えば、エレベータかごの振幅342およびエレベータかごの速度344を含むエレベータかごの状態を求める(340)。例えば、かごの振幅および速度は、かご上またはかごの周辺に搭載された直接的な振幅センサおよび速度センサを用いて測定することができる。加えてまたは代替的に、かごの振幅および速度は、加速度計を用いて測定されたかごの加速度を用いて取得することができる。加えてまたは代替的に、エレベータかごの振幅および速度は、例えば、エレベータシステムのモデルおよび様々な推定技法を用いて推定することができる。
次に、エレベータかごの移動335は、制御則326、エレベータロープの揺れの振幅322、および速度324、並びにエレベータかごの振幅342、および速度344に基づいて制御される。いくつかの実施の形態では、この制御によって、主綱車は、エレベータかごのエレベータロープの長さまたはエレベータかごのつり合おもりを支持するロープの長さを変化させる。また、移動335を求めること、および制御することは、例えば、揺れの最大振幅が閾値未満となるまで周期的に実行することができる。
リアプノフ制御
いくつかの実施の形態は、ロープの張力およびリアプノフ理論を用いて、エレベータシステムを安定させ、ひいては、揺れを安定させる。いくつかの実施の形態によれば、リアプノフ理論およびロープ張力作動を発生させるエレベータかごの位置を組み合わせることによって、切替コントローラが、切替条件、例えば、実際の揺れ振幅および揺れ速度に基づいて、制御張力のオンおよびオフの切替を最適化する。リアプノフ理論に基づいて、切替条件、およびかけられる正の張力の振幅が得られる。
1つの実施の形態は、制御リアプノフ関数V(x)を、以下のように定義する。
Figure 0006272136
ただし、
Figure 0006272136
は、想定されたモードおよびその時間導関数を表すラグランジュ変数であり、M、Kは、それぞれ、式(2)のモデルにおいて定義される質量行列および剛性行列であり、
Figure 0006272136
である。
想定されたモードが1に等しい場合には、ラグランジュ変数
Figure 0006272136
は、以下の式によって揺れu(y,t)および揺れ速度du(y,t)/dtに関連付けられる。
Figure 0006272136
ラグランジュ変数
Figure 0006272136
は、揺れ振幅u(y,t)および揺れ速度du(y,t)/dtに基づいて決定される。例えば、1つの実施の形態は、以下の式に従ってラグランジュ変数を求める。
Figure 0006272136
揺れ振幅u(y,t)および揺れ速度du(y,t)/dtは、種々の方法を用いて直接測定または推定することができる。例えば、1つの実施の形態は、揺れ箇所において、エレベータロープの揺れを検知する揺れセンサを用いて揺れを特定する。別の実施の形態は、揺れのサンプルおよびシステムのモデルを用いて、揺れの振幅を求める。揺れ振幅が求められた後に、いくつかの実施の形態は、例えば、以下の一次導関数を用いて、揺れ速度を求める。
Figure 0006272136
ただし、δtは、2つの揺れ振幅測定または推定間の時間である。
いくつかの実施の形態は、制御則Uによって制御されるエレベータシステムの動態に従ったリアプノフ関数の導関数が負定値であるような制御則を決定する。1つの実施の形態は、以下の式に従って、外乱のない、すなわち、全てのtの場合にF(t)=0のエレベータシステムの、例えば、式(2)によって表される動態に従ったリアプノフ関数の導関数を求める。
Figure 0006272136
ただし、係数c、kおよびβは、式(2)に従って求められる。
導関数
Figure 0006272136
の負定値性を確実にするために、1つの実施の形態による制御則は、以下の式を含む。
Figure 0006272136
別の実施の形態では、制御則は、以下のものを含む。
Figure 0006272136
いくつかの実施の形態において、uは、0以下、かつ−u_max以上である。この制御則は、2つの定数、例えば、uと、最大張力制御を表す正の定数であるu_maxとの間で切り替わる。この制御則に従ってエレベータロープにかけられる張力は、一定の値、例えば、最大張力を有する。制御則(5)に従ったコントローラは、最大制御と最小制御との間で切り替わることによって、外乱のないエレベータシステムを安定させる。このコントローラは、実装するのが容易であり、外乱が未知であるか、または最小であるときに有利である。
例えば、いくつかの実施の形態では、張力は、ロープの揺れ振幅とロープの揺れ速度との積の符号に基づいてかけられる。その積が求められ、符号が調べられる。符号が正である場合には、最大張力がかけられる。符号が負である場合には、最小張力がかけられ、例えば、張力は、かけられず、すなわち、U=0である。
導関数
Figure 0006272136
すなわち、揺れの振幅および速度の変動関数に従ってかけられる張力の負の定値性を保証する代替の実施の形態は、以下のとおりである。前の実施の形態と比較すると、この実施の形態は、揺れを制御するのに用いるエネルギーが少ないので有利である可能性がある。
この実施の形態によれば、制御則U(x)は以下の通りである。
Figure 0006272136
ただし、kは、正のフィードバック利得である。
コントローラ法則(6)のこの選択によって、リアプノフ関数の導関数が負の定値
Figure 0006272136
であることも保証される。
正の変動張力制御は、積
Figure 0006272136
の振幅の減少とともに減少し、これは、揺れ振幅が小さくなると、制御するためにかけられる張力も小さくなることを意味する。したがって、この変動制御則は、用いる制御エネルギーが少なくなる。
式(6)の制御則による制御下で、制御の振幅は、積
Figure 0006272136
の減少する振幅および|U|≦umaxとともに減少する。このようにして、積
Figure 0006272136
が減少するときに制御張力も減少するので、エレベータロープの張力がエレベータロープの揺れ振幅に比例し、揺れまたはその速度が大きいときに高い制御張力を使用するような制御則が決定される。
エレベータかごの移動を用いた揺れの低減
制御項U=EA(car_x−x_u)/lを制御する制御則は、リアプノフ関数の導関数が負の定値であるような、ラグランジュ変数によって表される揺れの振幅および速度の関数
Figure 0006272136
として求めることができる。この関数
Figure 0006272136
は、式(4)、(5)、または(6)による関数等の上述した任意の制御関数とすることができる。しかしながら、そのような制御則は、エレベータかごの最大位置および/または最大速度に制限を何ら課さず、これは、いくつかの用途には、不利である可能性がある。
例えば、1つの実施の形態では、エレベータかごのモデルは、
Figure 0006272136
であり、制御項は、U=EA(car_x−x_u)/lであり、制御則は、
Figure 0006272136
である。
この実施の形態では、主綱車は、点x_uの所望の位置を以下の式として再現するのに用いられる。
Figure 0006272136
エレベータかごのモデルの微分方程式は、以下の式に従って書き換えることができる。
Figure 0006272136
この式は、エレベータかごの移動に対する制御が行われていないこと、すなわち、エレベータかごは、停止することなく任意の点に移動することができることを示している。いくつかの実施の形態は、制御則W(x)が以下の式を含むように、エレベータかごの位置および速度の関数を用いて制御則を変更することによって、この問題に対処している。
Figure 0006272136
式中、xは、エレベータ昇降路内におけるエレベータかごの位置であり、car_xは、エレベータかごの位置であり、
Figure 0006272136
は、エレベータかごの速度であり、Kpは、制御則の位置利得であり、Kvは、制御則の速度利得である。
例えば、制御項
Figure 0006272136
を有する実施の形態では、変更された制御則W(x)は、以下の式を含む。
Figure 0006272136
式中、
Figure 0006272136
は、揺れ利得であり、この揺れ利得、位置利得、および速度利得は、正である。
図4Aは、リアプノフ理論に基づいて制御則を求める方法のブロック図を示している。ラグランジュ変数q430および
Figure 0006272136
435が、揺れの振幅u(y,t)322および速度du(y,t)/dt324に基づいて求められる(410)。この実施の形態の制御則は、3つの制御項を含む。第1の制御項は、揺れの状態の関数であり、ラグランジュ変数とその導関数との積440および揺れ利得450を含む。第2の制御項および第3の制御項は、エレベータかごの状態の関数を形成する。例えば、第2の項は、エレベータかごの位置470と位置利得Kp455との積を含む。第3の制御項は、エレベータかごの速度480と速度利得Kd460との積を含む。制御則は、これらの3つの項の総和490を含む。
図4Bは、別の実施の形態による制御則を求める方法のブロック図を示している。この実施の形態では、式(7)における制御項Uが、式(5)の制御項に置き換えられている。ラグランジュ変数q430およびラグランジュ変数の導関数dq/dt435が、式(5)に基づいて制御項491を計算するのに用いられる。
図4Cは、さらに別の実施の形態による方法のブロック図を示している。この実施の形態では、ラグランジュ変数q430およびラグランジュ変数の導関数dq/dt435は、式(6)に基づいて制御項492を計算するのに用いられる。
図4Dは、さらに別の実施の形態による方法のブロック図を示している。この実施の形態では、制御則は、以下の式を含む。
Figure 0006272136
式中、F494は、エレベータかごの状態、例えば、エレベータかごの位置470および速度480の任意の線形関数または非線形関数とすることができる。
主綱車制御
張力制御項EA(car_x−x_u)/lが制御
Figure 0006272136
を再現するには、主綱車がロープ長lを、
Figure 0006272136
となるように制御しなければならない。式中、Kp>0であり、Kv>0であり、EAは、エレベータロープの材料のヤング率Eにエレベータロープの断面積Aを乗算したものを表し、l(0)は、初期ロープ長であり、x_u(0)は、ロープと主綱車との間の接触点の初期位置である。
この制御則を実施するために、主綱車を駆動して所望のロープ長を再現する任意のローカルコントローラを用いることができる。例えば、いくつかの実施の形態では、所望のロープ長プロファイルに基づいて、主綱車の回転速度および回転方向を調整するローカル主綱車コントローラを用いることができるが、このロープ長プロファイルは、式(17)によって与えられるロープ長である。
別の実施の形態では、主綱車は、以下の式が満たされるように点x_uの位置を制御しなければならない。
Figure 0006272136
この制御則を実施するために、主綱車を駆動してx_uの所望の動きを再現する任意のローカルコントローラを用いることができる。例えば、いくつかの実施の形態では、所望のx_uに基づいて主綱車の回転速度および回転方向を調整するローカル主綱車コントローラを用いることができるが、この所望のx_uは、式(18)によって与えられる。
上記の実施の形態は、数多くの方法のいずれかにおいて実現することができる。例えば、それらの実施の形態は、ハードウェア、ソフトウェアまたはその組み合わせを用いて実現することができる。ソフトウェアにおいて実現されるとき、そのソフトウェアコードは、単一のコンピュータ内に設けられるにしても、複数のコンピュータ間に分散されるにしても、任意の適切なプロセッサ、またはプロセッサの集合体において実行することができる。そのようなプロセッサは、集積回路として実現することができ、集積回路構成要素内に1つまたは複数のプロセッサが含まれる。しかしながら、プロセッサは、任意の適切な構成の回路を用いて実現することができる。
さらに、コンピュータは、ラック取付けコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ミニコンピュータ、またはタブレットコンピュータ等のいくつかの形態のうちのいずれかにおいて具現できることは理解されたい。また、コンピュータは、1つまたは複数の入力および出力デバイスを有することができる。これらのデバイスは、とりわけ、ユーザーインターフェースを提供するために用いることができる。そのようなコンピュータは、企業ネットワークまたはインターネット等の、ローカルエリアネットワークまたはワイドエリアネットワークを含む、任意の適切な形態の1つまたは複数のネットワークによって相互連結することができる。そのようなネットワークは、任意の適切な技術に基づくことができ、任意の適切なプロトコルに従って動作することができ、無線ネットワーク、有線ネットワークまたは光ファイバネットワークを含むことができる。
また、本明細書において概説される種々の方法またはプロセスは、種々のオペレーティングシステムまたはプラットフォームのいずれか1つを利用する1つまたは複数のプロセッサ上で実行可能であるソフトウェアとしてコード化することができる。さらに、そのようなソフトウェアは、いくつかの適切なプログラミング言語および/またはプログラミングツール若しくはスクリプト記述ツールのいずれかを用いて書くことができ、フレームワークまたは仮想機械上で実行される実行可能機械語コードまたは中間コードとしてコンパイルすることもできる。例えば、本発明のいくつかの実施の形態は、MATLAB−SIMULIMKを使用する。
この点において、本発明は、コンピュータ可読記憶媒体または複数のコンピュータ可読媒体、例えば、コンピュータメモリ、コンパクトディスク(CD)、光ディスク、デジタルビデオディスク(DVD)、磁気テープおよびフラッシュメモリとして具現することができる。代替的に、またはそれに加えて、本発明は、伝搬する信号等の、コンピュータ可読記憶媒体以外のコンピュータ可読媒体として具現することができる。
用語「プログラム」または「ソフトウェア」は、本明細書において、コンピュータまたは他のプロセッサをプログラミングし、上記で論じられたような本発明の種々の態様を実施するために用いることができる任意のタイプのコンピュータコードまたは1組のコンピュータ実行可能命令を指すために、一般的な意味において用いられる。
コンピュータ実行可能命令は、1つまたは複数のコンピュータまたは他のデバイスによって実行されるプログラムモジュールのような、数多くの形をとることができる。一般的に、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行するか、または特定の抽象データ型を実現するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネントおよびデータ構造を含む。通常、プログラムモジュールの機能は、種々の実施の形態において望ましいように、組み合わせることができるか、または分散させることができる。
また、本発明の実施の形態は、方法として具現することができ、その一例が提供されてきた。その方法の一部として実行される動作は、任意の適切な方法において順序化することができる。したがって、例示的な実施の形態において順次の動作として示される場合であっても、例示されるのとは異なる順序において動作が実行される実施の形態を構成することもでき、異なる順序は、いくつかの動作を同時に実行することを含む場合もある。
請求項要素を変更するために特許請求の範囲において「第1の」、「第2の」のような序数の用語を使用することは、それだけで、ある請求項要素が別の請求項要素よりも優先度が高いこと、優位であること、若しくは上位にあることを、または方法の動作が実行される時間的な順序を暗示するのではなく、請求項要素を区別するために、ある特定の名称を有する1つの請求項要素を(序数用語を使用することは別にして)同じ名称を有する別の要素から区別するラベルとして単に使用される。

Claims (22)

  1. エレベータシステムの主綱車を用いて該エレベータシステム内においてエレベータかごを支持するエレベータロープの揺れを低減する方法であって、
    前記主綱車の動きを用いて、前記エレベータロープの第1の点と第2の点との間の張力の制御則に従って前記エレベータロープの張力を制御するステップを含み、
    前記第1の点は、前記エレベータロープとエレベータ綱車との接点に関連付けられ、
    前記第2の点は、前記エレベータロープと前記エレベータかごまたは前記エレベータかごのつり合おもりとの接点に関連付けられ、
    前記制御則は、初期位置からの前記エレベータかごの位置および前記エレベータかごの速度の組み合わせの関数を含み
    該方法の前記ステップは、プロセッサによって実行される
    エレベータロープの揺れを低減する方法。
  2. 請求項1に記載の方法であって、
    前記エレベータ綱車は、前記主綱車であり、
    前記エレベータロープは、前記エレベータかごまたは前記つり合おもりと前記主綱車とを接続するメインエレベータロープであり、
    前記第1の点は、前記メインエレベータロープと前記主綱車との接触点であり、
    前記第2の点は、前記メインエレベータロープと前記エレベータかごまたは前記つり合おもりとの接触点であり、
    前記組み合わせの関数は、前記エレベータかごの位置および前記エレベータかごの速度の線形結合である
    エレベータロープの揺れを低減する方法。
  3. 請求項に記載の方法であって、
    前記制御則によって制御される前記エレベータシステムの動態に沿ったリアプノフ関数の導関数が負定値となる条件を満たす前記制御則を求めるステップ
    をさらに含むエレベータロープの揺れを低減する方法。
  4. 請求項1に記載の方法であって、
    前記エレベータ綱車は、つり合綱車であり、
    前記エレベータロープは、前記エレベータかごまたは前記つり合おもりと前記つり合綱車とを接続するつり合ロープであり、
    前記第1の点は、前記つり合ロープと前記つり合綱車との接触点であり、
    前記第2の点は、前記つり合ロープと前記エレベータかごまたは前記つり合おもりとの接触点である
    エレベータロープの揺れを低減する方法。
  5. 請求項1に記載の方法であって、
    前記エレベータ綱車は、調速機綱車であり、
    前記エレベータロープは、前記エレベータかごまたは前記つり合おもりと前記調速機綱車とを接続する調速機ロープであり、
    前記第1の点は、前記調速機ロープと前記調速機綱車との接触点であり、
    前記第2の点は、前記調速機ロープと前記エレベータかごまたは前記つり合おもりとの接触点である
    エレベータロープの揺れを低減する方法。
  6. 請求項1に記載の方法であって、
    前記制御則は、前記揺れの状態の関数
    Figure 0006272136
    であり、前記揺れの振幅は、変数qによって表され、前記揺れの速度は、前記変数の導関数
    Figure 0006272136
    によって表される
    エレベータロープの揺れを低減する方法。
  7. 請求項1に記載の方法であって、
    前記エレベータロープの前記揺れの状態および前記エレベータかごの状態を求めるステップと、
    前記揺れの状態の関数および前記エレベータかごの状態の関数の組み合わせである前記制御則に従って、前記エレベータかごの移動を制御するステップと、
    前記揺れの最大振幅が閾値未満となるまで、前記求めるステップおよび前記制御するステップを周期的に繰り返すステップと
    をさらに含むエレベータロープの揺れを低減する方法。
  8. 請求項7に記載の方法であって、
    前記揺れの状態の関数は、前記揺れを低減する前記エレベータかごの移動を求め、前記エレベータかごの状態の関数は、初期位置を中心として、前記エレベータかごを安定させる前記エレベータかごの移動を求める
    エレベータロープの揺れを低減する方法。
  9. 請求項に記載の方法であって、
    前記エレベータかごの状態の関数は、前記初期位置からの前記エレベータかごの状態の変化に比例する
    エレベータロープの揺れを低減する方法。
  10. 請求項に記載の方法であって、
    前記揺れの状態の関数は、前記揺れを低減する前記エレベータかごの移動を求め、
    前記エレベータかごの状態の関数は、前記エレベータかごに対する前記揺れの影響を最小にする前記エレベータかごの移動を求める
    エレベータロープの揺れを低減する方法。
  11. 請求項に記載の方法であって、
    前記揺れの状態の関数の周波数が揺れの周波数に比例するような前記揺れの状態の関数を求めるステップと、
    前記エレベータかごの状態の関数の周波数が前記揺れの状態の関数の前記周波数とは異なるような前記エレベータかごの状態の関数を求めるステップと
    をさらに含むエレベータロープの揺れを低減する方法。
  12. 請求項に記載の方法であって、
    前記エレベータロープの張力Tを、
    T=K_rope(car_x−x_u)
    に従って前記エレベータかごの移動の関数として表すステップであって、式中、K_ropeは、前記エレベータロープの剛性であり、car_xは、前記エレベータかごの位置であり、x_uは、前記エレベータロープと前記主綱車との間の接触点の位置である、表すステップと、
    前記エレベータシステムのモデルに基づいて、前記揺れの振幅が変数qによって表され、前記揺れの速度が該変数の導関数
    Figure 0006272136
    によって表されるような前記リアプノフ関数を求めるステップと、
    前記リアプノフ関数の前記導関数が負の定値であるような制御項
    U=K_rope(car_x−x_u)
    を制御するための前記変数によって表される前記揺れの前記振幅および前記速度の関数として、前記揺れの状態の関数
    Figure 0006272136
    を求めるステップと、
    前記制御則W(x)が、下式
    Figure 0006272136
    を含むように、前記エレベータかごの状態の関数
    F(car_states)
    を用いて前記関数
    Figure 0006272136
    を変更するステップであって、式中、car_statesは、前記エレベータかごの状態のベクトルである、変更するステップと
    をさらに含むエレベータロープの揺れを低減する方法。
  13. 請求項12に記載の方法であって、
    前記エレベータロープの剛性は、
    K_rope=E・A/l
    であり、式中、Eは、前記エレベータロープのヤング率であり、Aは、前記エレベータロープの断面積であり、lは、前記エレベータロープの長さである
    エレベータロープの揺れを低減する方法。
  14. 請求項12に記載の方法であって、
    前記揺れの状態の関数は、
    Figure 0006272136
    を含み、式中、u_maxは、最大張力を表す正の定数であり、uは、0以下でありかつ−u_max以上である
    エレベータロープの揺れを低減する方法。
  15. 請求項12に記載の方法であって、
    前記揺れの状態の関数は、
    Figure 0006272136
    を含み、式中、u_maxは、最大張力を表す正の定数であり、kは、正のフィードバック利得である
    エレベータロープの揺れを低減する方法。
  16. 請求項12に記載の方法であって、
    前記揺れの状態の関数は、
    Figure 0006272136
    を含み、式中、
    Figure 0006272136
    は、揺れ利得であり、該方法は、
    所定の範囲内の前記エレベータかごの移動によって最大揺れ低減率を達成する前記揺れ利得を求めるステップ
    をさらに含むエレベータロープの揺れを低減する方法。
  17. 請求項12に記載の方法であって、
    前記エレベータかごの状態の関数は、前記制御則W(x)が、
    Figure 0006272136
    を含むように、前記エレベータかごの位置および速度を含み、式中、car_xは、エレベータ昇降路内の軸xに沿った前記エレベータかごの前記位置であり、
    Figure 0006272136
    は、前記エレベータかごの速度であり、Kpは、前記制御則の位置利得であり、Kvは、前記制御則の速度利得である
    エレベータロープの揺れを低減する方法。
  18. 請求項17に記載の方法であって、
    前記制御則W(x)は、
    Figure 0006272136
    を含み、式中、
    Figure 0006272136
    は、揺れ利得であり、該揺れ利得、前記位置利得、および前記速度利得は、正である
    エレベータロープの揺れを低減する方法。
  19. 請求項2に記載の方法であって、
    前記第1の点の位置x_uを、
    Figure 0006272136
    に従って変化させるように前記主綱車を制御するステップ
    をさらに含み、
    式中、EAは、前記エレベータロープの材料のヤング率Eに前記エレベータロープの断面積Aを乗算したものを表し、car_xは、エレベータ昇降路内の軸xに沿った前記エレベータかごの位置であり、
    Figure 0006272136
    は、前記エレベータかごの速度であり、
    Figure 0006272136
    は、前記エレベータロープの揺れ利得であり、Kpは、前記エレベータかごの位置利得であり、Kvは、前記エレベータかごの速度利得であり、前記揺れ利得、前記位置利得、および前記速度利得は、正のフィードバック利得であり、qおよび
    Figure 0006272136
    は、前記揺れの振幅および速度を表すラグランジュ変数であり、lは、前記エレベータロープの長さである
    エレベータロープの揺れを低減する方法。
  20. 請求項2に記載の方法であって、
    前記第1の点の位置x_uを、
    Figure 0006272136
    に従って変化させるように前記主綱車を制御するステップ
    をさらに含み、
    式中、EAは、前記エレベータロープの材料のヤング率Eに前記エレベータロープの断面積Aを乗算したものを表し、
    Figure 0006272136
    は、前記エレベータロープの揺れ利得であり、qおよび
    Figure 0006272136
    は、前記揺れの振幅および速度を表すラグランジュ変数であり、car_xは、エレベータ昇降路内の軸xに沿った前記エレベータかごの位置であり、lは、前記エレベータロープの長さである
    エレベータロープの揺れを低減する方法。
  21. エレベータかごと、前記エレベータかごをつり下げるエレベータロープと、前記エレベータロープを巻き掛けて前記エレベータかごの移動を行う綱車とを含むエレベータシステムであって
    記エレベータロープの揺れ振幅および速度を含む揺れの状態を求める揺れユニットと、
    前記エレベータかごの振幅および速度を含む前記エレベータかごの状態を求めるシステムユニットと、
    前記エレベータロープの揺れの状態および前記エレベータかごの状態に基づいて初期位置からの前記エレベータかごの位置および前記エレベータかごの速度の組み合わせの関数を含む制御側を用いて前記綱車を制御して、前記エレベータかごの移動を用いて前記エレベータロープの揺れを低減させる制御ユニットと
    を備えるエレベータシステム。
  22. 請求項21に記載のエレベータシステムであって、
    前記制御ユニットは、前記綱車を制御して、
    Figure 0006272136
    に従って、前記綱車と前記エレベータかごとの間の前記エレベータロープの長さl(x)を変化させ、
    ここで、式中、EAは、前記エレベータロープの材料のヤング率Eに前記エレベータロープの断面積Aを乗算したものを表し、l(0)は、初期ロープ長であり、x_u(0)は、前記エレベータロープと前記綱車との間の接触点の初期位置であり、car_xは、エレベータ昇降路内の軸xに沿った前記エレベータかごの位置であり、
    Figure 0006272136
    は、前記エレベータかごの速度であり、
    Figure 0006272136
    は、前記エレベータロープの揺れ利得であり、Kpは、前記エレベータかごの位置利得であり、Kvは、前記エレベータかごの速度利得であり、前記揺れ利得、前記位置利得、および前記速度利得は、正のフィードバック利得であり、qおよび
    Figure 0006272136
    は、前記揺れの振幅および速度を表すラグランジュ変数である
    エレベータシステム。
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