JP6189055B2 - クレーン制御装置、クレーン、クレーンの制御方法、クレーン制御装置を使用する方法及びこれらの方法を実行するためのソフトウェア - Google Patents

クレーン制御装置、クレーン、クレーンの制御方法、クレーン制御装置を使用する方法及びこれらの方法を実行するためのソフトウェア Download PDF

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Description

本発明は、ワイヤロープに荷物を掛けて吊り上げるための巻上装置(hoisting gear)を有するクレーンのためのクレーン制御装置に関する。本発明によると、このクレーン制御装置は、上下揺れ(heave)に起因してワイヤロープ吊下箇所(cable suspension point)及び/又は荷置箇所(load deposition point)に生じる揺動を、少なくとも部分的に補償するように上記巻上装置を作動させる能動的上下揺れ補償機能を有する。その上、上記クレーン制御装置は、オペレータによる入力を参照して上記巻上装置を作動させるためのオペレータ制御機能を備える。
上記の様なクレーン制御装置は、例えば特許文献1によって公知である。このクレーン制御装置では、ある時点で計測された上下揺れと、上下揺れの物理モデルを参照し、ワイヤロープ吊下箇所の以後の揺動を予測するための予測装置が備えられており、巻上装置を作動させる際には、経路制御装置が予測された揺動を考慮に入れる。
独国特許出願公開第10 2008 024513号明細書
しかしながら、公知のクレーン制御装置は、幾つかの要件に対しては十分に対応できない。加えて、上下揺れ補償機能が上手く動作しなかった場合には問題が生じてしまう可能性がある。
したがって、本発明の目的は、能動的上下揺れ補償機能とオペレータ制御機能を備え、改良されたクレーン制御装置を提供することにある。
本発明によると、この目的は請求項1に係る第1の態様と、請求項4に係る第2の態様によって達成される。
第1の態様においては、本発明は、ワイヤロープに荷物を掛けて吊り上げるための巻上装置を有するクレーンのためのクレーン制御装置を開示している。上下揺れに起因してワイヤロープ吊下箇所及び/又は荷置箇所に生じる揺動を、少なくとも部分的に補償するように巻上装置を作動させる能動的上下揺れ補償機能が備えられている。加えて、オペレータによる入力を参照し巻上装置を作動させるオペレータ制御機能も備えられている。本発明によると、巻上装置における1つ以上の運動学的拘束量(kinematically constrained quantity)を、上下揺れ補償機能とオペレータ制御機能との間で調整自在に配分する。このように、クレーンオペレータ自身が、巻上装置の1つ以上の運動学的拘束量を分割し、これによって上下揺れの補償やオペレータによる制御のために利用できる拘束量の割り当てを決定できる。
巻上装置における1つ以上の運動学的拘束量としては、例を挙げると、巻上装置の最大許容動力及び/又は最大許容速度及び/又は最大許容加速度等が考えられる。
したがって、巻上装置における1つ以上の運動学的拘束量の配分には、巻上装置の最大許容動力及び/又は最大許容速度及び/又は最大許容加速度の配分が含まれる。
望ましくは、1つ以上の運動学的拘束量の配分は、1つ以上の重み係数によってもたらされ、重み係数を介して巻上装置の最大許容動力及び/又は最大許容速度及び/又は最大許容加速度が、上下揺れ補償機能とオペレータ制御機能との間で分割される。特に、巻上装置の最大許容速度及び/又は最大許容加速度を、上下揺れ補償機能とオペレータ制御機能との間でクレーンオペレータによって分割することが可能となる。
望ましくは、配分は少なくとも部分的な領域において連続的に調整可能とされる。また、クレーンオペレータによって、巻上装置の1つ以上の運動学的拘束量を繊細に分割することが可能となる。
加えて、本発明によると、巻上装置の全ての運動学的拘束量をオペレータ制御機能に割り当てることによって、上下揺れ補償機能を停止させることが可能となる。このように、配分を調整することによって能動的上下揺れ補償機能を停止させることができる。
望ましくは、オペレータ制御機能を停止させた状態から、及び/又はオペレータ制御機能を停止させた状態へと、巻上装置における1つ以上の運動学的拘束量の配分を連続的に調整することができる。これによって、オペレータ制御機能が単独で機能している状態と、上下揺れ補償機能が単独で機能している状態との間で、連続的に移り変わることが可能となる。
第2の態様においては、本発明は、ワイヤロープに荷物を掛けて吊り上げるための巻上装置を有するクレーンのためのクレーン制御装置を備えている。このクレーン制御装置には、上下揺れに起因してワイヤロープ吊下箇所及び/又は荷置箇所に生じる揺動を、少なくとも部分的に補償するように巻上装置を作動させる能動的上下揺れ補償機能が備えられている。その上、オペレータ制御機能が備えられ、オペレータによる入力を参照して巻上装置を制御する。本発明によると、制御装置は2つの独立した経路設定モジュールを有し、該経路設定モジュールによって上記上下揺れ補償機能と上記オペレータ制御機能のための軌道が互いに独立して計算される。上下揺れの補償が上手く機能しなかった場合であって、その対処に特化した独立制御ユニットがなくとも、さらには特別な操作を行わずとも、本発明に係るオペレータ制御機能によってクレーンを作動させることができる。望ましくは、2つの独立な経路設計モジュールにおいて、巻上装置の位置及び/又は速度及び/又は加速度のそれぞれについて所望の軌道が計算される。
その上、望ましくは、2つの独立した経路設計モジュールによって定められる軌道は、巻上装置の制御及び/又は調節のための設定値として加算されて利用される。
その上、巻上装置の制御機能は、測定値を巻上用ウインチの位置及び/又は速度へとフィードバックし、設定値を実際の値と比較する。加えて、巻上用ウインチを駆動させた際の動的挙動を考慮した上で、巻上装置を作動させる。このため、これに応じたフィードフォワード制御(pilot control)が特に備えられる。望ましくは、同制御機能は、巻上用ウインチの動的挙動についての物理モデルの逆解析に基づく。
望ましくは、2つの独立した経路設計モジュールは、駆動動作における1つ以上の拘束量をそれぞれ独立して考慮し、巻上装置によって実際に近づけられる対象となる目標軌道を生成する。
望ましくは、クレーン制御装置は、上下揺れ補償機能とオペレータ制御機能との間で1つ以上の運動学的拘束量を分割する。特に、巻上装置についての最大許容動力及び/又は最大許容速度及び/又は最大許容加速度を、上下揺れ補償機能とオペレータ制御機能との間で分割する。
望ましくは、独立した2つの経路設計モジュールにおいて、上下揺れ補償機能やオペレータ制御機能のために考慮される1つ以上の運動学的拘束量、特に最大許容動力及び/又は最大許容速度及び/又は最大許容加速度が各モジュールに配分され、この配分を考慮することによって軌道の生成が行われる。
1つ以上の運動学的拘束量を配分することによって、制御変数の拘束量(control variable constraint)を完全に利用できない可能性がある。しかし、1つ以上の運動学的拘束量を配分することで、2つの完全に独立した経路設計モジュールを利用し、それぞれのモジュールが単独で、駆動動作における拘束量を考慮することが可能となる。
本発明によると、第1と第2の態様はそれぞれが独立して請求され、且つ単独で実施可能である。しかしながら、本発明に係る2つの態様が互いに組み合わされることが特に望ましい。
とりわけ、本発明の第2の態様に係る2つの独立した経路設計モジュールを利用することによって、1つ以上の運動学的拘束量の配分を格別容易に調整できる。特に、1つ以上の運動学的拘束量を、オペレータ制御機能と上下揺れ補償機能のためにどれだけ利用可能とするかについてはクレーンオペレータによって指定され、2つの経路設計モジュールは指定された配分にしたがって拘束量を考慮し、巻上装置を作動させるための目標軌道を計算する。
上記態様の1つに係るクレーン制御装置において、本発明に係る上下揺れ補償機能は、ワイヤロープ吊下箇所及び/又は荷置箇所の動作予測を参照し、上下揺れの補償に利用できる動力を考慮に入れた上で軌道の計算を行う、最適化機能を有することが可能である。特に、上下揺れ補償機能のために利用できる動力を考慮に入れた上で、ワイヤロープ吊下箇所及び/又は荷置箇所の動作予測を可能な限り補償するように巻上装置を作動させることを目的とした軌道が計算される。とりわけ、この軌道を用いることによって、上下揺れに起因するワイヤロープ吊下箇所の揺動によって生じる荷物の残余動作、及び/又は同じく上下揺れに起因して荷物と荷置箇所との間に生じる相対移動を最小化できる。
望ましくは、本発明に係るクレーン制御装置には、測定されたその時点における上下揺れと上下揺れのモデルを参照することによって、ワイヤロープ吊下箇所及び/又は荷置箇所の以後の動作を予測する予測装置が設けられる。予測装置には、センサーにより得られたデータを参照し、目下の上下揺れの動作を決定するための測定装置が備えられている。特に、予測装置はワイヤロープ吊下箇所及び/又は荷置箇所における鉛直方向の以後の動作を予測する。他方で、水平方向の動作は無視される。
予測装置及び/又は測定装置は、特許文献1に記載されているように構成可能である。
加えて、オペレータ制御機能は、オペレータによる制御のために利用できる1つ以上の運動学的拘束量を考慮に入れた上で、オペレータによる指定に準拠した軌道を計算できる。望ましくは、オペレータ制御機能は、オペレータによる制御のために利用できる1つ以上の運動学的拘束量を最大限に考慮し、オペレータによる指定に基づいて巻上装置を作動させるための軌道を計算することができる。
利用できる1つ以上の運動学的拘束量の各々を考慮することによって、巻上装置が特定の軌道に実際に従うことが保証される。望ましくは、それぞれの拘束量の軌道は経路設計モジュールによって決定される。
望ましくは、クレーン制御装置には、利用できる1つ以上の運動学的拘束量の配分の調節、特に重み係数の値の入力をクレーンオペレータの手によって行うための1つ以上の操作装置が備えられる。
本発明に係るクレーン制御装置においては、望ましくは、利用できる1つ以上の運動学的拘束量の配分を、吊上作業中に変更することができる。例を挙げると、より早く荷物を吊り上げたい場合には、クレーンオペレータはオペレータ制御機能に供給する動力を増やすことができる。他方、上下揺れが十分に補償されていないと感じられる場合には、クレーンオペレータは上下揺れ補償機能に供給する動力を増やすことができる。このようにして、クレーン作業者は天候や上下揺れの振る舞いの変化に柔軟に対応することができる。
望ましくは、利用できる1つ以上の運動学的拘束量の配分は、上述のように重み係数を変えることによって変更される。
望ましくは、本発明に係るクレーン制御装置は、目下利用できる1つ以上の運動学的拘束量を計算する計算機能を含む。特に、巻上装置の最大許容動力及び/又は最大許容速度及び/又は最大許容加速度を計算できる。巻上装置の最大許容動力及び/又は最大許容速度及び/又は最大許容速度は吊上作業中に変わり得るため、吊上作業が行われている目下の状況に、計算機能を用いてこれら運動学的拘束量を順応させることができる。
望ましくは、計算機能は繰り出されたワイヤロープの長さ及び/又はワイヤロープ張力及び/又は巻上装置を駆動するために利用できる動力を考慮に入れる。例えば、繰り出されたワイヤロープの長さに応じて、巻上装置の最大許容速度及び/又は加最大許容速度は変わり得る。なぜならば、非常に長いワイヤロープを用いて吊上作業を行う際には、繰り出されたワイヤロープの重量が巻上装置への荷重に影響を及ぼすからである。加えて、巻上装置の最大許容速度及び/又は最大許容加速度は、吊り上げられる荷物の質量に応じて変動し得る。その上、特にアキュムレータを用いたハイブリッド型駆動システムを用いた場合には、巻上装置を駆動させるために利用できる動力は、アキュムレータの状態に応じて変動し得る。好ましくはこれも考慮に入れられることになる。
望ましくは、本発明によると、目下利用できる1つ以上の運動学的拘束量は、クレーンオペレータの入力、特にクレーンオペレータによって入力される重み係数を参照し、上下揺れ補償機能とオペレータ制御機能との間でそれぞれの拘束量が配分される。
望ましくは、上下揺れ補償機能のための最適化機能は、吊上作業中に利用できる1つ以上の運動学的拘束量の配分の変化、及び/又は利用できる1つ以上の運動学的拘束量の変化による影響を、初めは予測区間の終端においてのみ考慮に入れる。これによって、予測区間の全域に亘って安定した最適化機能が備えられる。望ましくは、利用できる1つ以上の運動学的拘束量の変化による影響は、時間の経過にしたがって予測区間の始端側にも波及していく。
望ましくは、本発明に係る上下揺れ補償機能のための最適化機能は、巻上装置の制御及び/又は調整のために考慮される目標軌道を決定する。特に、巻上装置の望ましき動作は、目標軌道によって定められることになる。最適化はグリッド上で実行される。
本発明によると、ワイヤロープ吊下箇所における更新された動作予測に基づいて、それぞれの時間ステップ毎に最適化を実行できる。
本発明によると、それぞれの目標軌道の最初の値を、巻上装置の制御のために用いることができる。更新された目標軌道を用いる際にも、同様に最初の値のみを巻上装置の制御のために用いることができる。
本発明によると、最適化機能は制御機能よりも長いスキャンタイムで動作する。このため計算集約(calculation intensive)的な最適化機能にはより長いスキャンタイムが選択される。他方、そこまで計算集約的ではない制御機能は、スキャンタイムが短くても十分な精度に達する。
加えて、有効な解が得られない場合には、最適化機能は緊急軌道設定を利用する。このように、有効な解が得られない場合においても適切な動作が保証されている。
望ましくは、オペレータ制御機能は入力装置を介してオペレータによって入力された信号を参照し、オペレータにとって望ましい巻上用ウインチの速度を計算する。この用途のために、特にハンドレバーが備えられる。
望ましい速度は、入力装置の位置による指定を受け、オペレータ制御機能のために割り当てられる最大許容速度の一部として計算される。
望ましくは、オペレータ制御機能のための目標軌道は、正の最大許容躍度(加加速度)を最大加速度に達するまで積分することによって生成される。そうすることで、オペレータ制御機能によって巻上装置に過剰な負荷が掛けられないことが保証される。望ましくは、最大加速度は、オペレータ制御機能に割り当てられる巻上装置の最大許容加速度の一部に対応する。
さらに望ましくは、負の最大躍度を付加して最大加速度を積分し、所望の速度に達するまで速度を増大させる。
そうすることで、目標速度に達すると同時に加速度がゼロまで減衰していることが保証されるため、目標速度に達するやいなや加速度が急転し、不必要な負荷にさらされてしまうことが避けられる。
その上、本発明は、上記のようなクレーン制御装置を備えたクレーンを含む。
特に、クレーンはフロート(浮き船、台船)上に配置しても良く、デッキクレーンであっても良い。又は、沖合クレーンや、港湾クレーン、若しくはケーブル式ショベルであっても良い。
その上、本発明は、本発明に係るクレーンを備えたフロートを含み、特に本発明に係るクレーンを備えた船を含む。
その上、本発明は、例えば船の上から、水中にある荷物を上げ下ろしするために本発明に係るクレーンや本発明に係るクレーン制御装置を使用すること、及び/又は水中の荷置箇所から荷物を吊り上げ、及び/又は水中の荷置箇所へと荷物を下すために本発明に係るクレーンや本発明に係るクレーン制御装置を使用することを含む。特に本発明は、深海での引き上げ作業や、船への積み上げ、及び/又は積み下ろし作業のために本発明に係るクレーンや本発明に係るクレーン制御装置を使用することを含む。
その上、本発明はワイヤロープに荷物を掛けて吊り上げるための巻上装置を備えたクレーンを制御する方法を含む。望ましくは、上下揺れ補償機能は、上下揺れに起因するワイヤロープ吊下箇所及び/又は荷置箇所の揺動を、巻上装置の自動的な動作を用いて少なくとも部分的に補償する。加えて、オペレータ制御機能によって、オペレータの入力に準拠するように巻上装置を作動させる。本発明に従えば、第1の態様によると巻上装置の1つ以上の運動学的拘束量が、上下揺れ補償機能とオペレータ制御機能との間で可変的に配分される。そして第2の態様によると、上下揺れ補償機能とオペレータ制御機能のための軌道が、互いに独立して計算される。したがって、本発明に係る方法は、上記クレーン制御装置について上述されたことと同様の利点を提供する。特に好ましくは、2つの態様は互いに組み合わされる。
好ましくは、上記方法は、クレーン制御装置及びその機能に関する発明について既に詳細に記載されているように実施される。さらに望ましくは、本発明に係る方法は上述された使用用途を提供する。
とりわけ、本発明に係る方法は、上記のクレーン制御装置や上記のクレーンを用いて実施される。
その上、本発明は、本発明に係る方法を実行するためのプログラムコードを備えたソフトウェアを含む。特に、機械読み取り可能なデータ記憶媒体上にソフトウェアを保存可能とすることができる。望ましくは、本発明に係るクレーン制御装置は、本発明に係るソフトウェアをクレーン制御装置にインストールすることによって実施可能となる。
上下揺れ補償機能とオペレータ制御機能のための、独立した軌道設定の構成を示す図である。 連続的な躍度を用いた軌道設定のための4重積分を示す図である。 軌道設定のための不等間隔離散化を示す図であり、具体的には時間区間の始端から終端に掛けて、間隔が広がっていく様子を示す図である。 速度を例として、拘束量の変化の影響が、時間区間の終端側から始端側へと波及していく振る舞いを例示する図である。 付加された躍度を参照して動作する、オペレータ制御機能の軌道設定のために用いられる3重積分を示す図である。 駆動動作における拘束量を考慮した上で経路の設定を行う、オペレータ制御機能に備えられた経路設定の構成を示す図である。 巻上装置の位置及び/又は速度及び/又は加速度の軌道を経路設定から計算するために用いられる、切り替え時間に対する躍度の振る舞いを例示する図である。 躍度の付加によって生成される、速度と加速度の軌道の振る舞いを例示する図である。 能動的上下揺れ補償機能と、本発明においては張力保持モードと呼ばれる目標張力モード(target force mode)による作動概念を示す概観図である。 能動的上下揺れ補償機能のための作動回路を示すブロック回路図である。 目標張力モードのための作動回路を示すブロック回路図である。 フロート上に設置された本発明に係るクレーンを示す図である。
図12には、巻上装置5を作動させることを用途とする、本発明に係るクレーン制御装置を備えたクレーン1の実施形態が例示されている。巻上装置5には、ワイヤロープ4を動作させるための巻上用ウインチが備えられている。ワイヤロープ4はワイヤロープ吊下箇所2上を案内され、本実施形態ではワイヤロープ吊下箇所2は、クレーンブームの先端に設けられたデフレクションプーリで構成されている。ワイヤロープ4を上下させることによって、ワイヤロープ4に吊された荷物3の上げ下ろしが可能となる。
巻上装置5の位置及び/又は速度を測定し、測定結果に応じた信号をクレーン制御装置に送るための1つ以上のセンサーが備えられている。
加えて、ワイヤロープ4の張力を測定し、測定結果に応じた信号をクレーン制御装置に送信するための1つ以上のセンサーが備えられている。センサーはクレーン本体付近に配設され、特に巻上用ウインチ及び/又はデフレクションプーリ2の取付部に設けられる。
本実施形態においては、クレーン1はフロート(台船)6上に、特に船上に配置される。図12に示されている様に、フロート6は上下揺れに起因して6つの自由度で揺れ動く。それに伴って、フロート6上に配設されたクレーン1はもちろん、ワイヤロープ吊下箇所2も揺れ動く。
本発明にかかるクレーン制御装置には、上下揺れに起因してワイヤロープ吊下箇所2に生じる揺動を、少なくとも部分的に補償するように巻上装置を作動させる能動的上下揺れ補償機能が備えられている。特に上下揺れに起因するワイヤロープ吊下箇所2の鉛直運動が、少なくとも部分的に補償される。
上下揺れ補償機能には、センサーデータから目下の上下揺れ動作を決定するための計測装置が備えられている。計測装置は、クレーンの土台部に配設されたセンサーから構成され、特にジャイロスコープ及び/又は傾斜角センサーが用いられる。とりわけ好ましくは、3つのジャイロスコープと3つの傾斜角センサーが備えられている。
その上、測定された上下揺れ動作と上下揺れ動作のモデルに基づいて、ワイヤロープ吊下箇所2の以後の動作を予測するための予測装置が備えられても良い。特に、予測装置はワイヤロープ吊下箇所2の鉛直方向の動作のみを予測する。場合によっては、計測装置及び/又は予測装置によって、計測装置のセンサーが設けられた場所における船の動作が、ワイヤロープ吊下箇所2の動作へと変換される。
望ましくは、予測装置と計測装置は、特許文献1に詳細に記載されているように構成される。
あるいは、本発明に係るクレーンは、上下揺れによって揺れ動くフロート6上の荷置箇所による、荷物を上げ下げするために使用されるクレーンであっても良い。この場合、予測装置は荷置箇所の以後の動作を予測しなければならない。このときも上記手続きと類似した方法によって動作の予測が可能であり、計測装置のセンサーは荷置箇所があるフロート6上に設けられる。例を挙げれば、沖合クレーンや、港湾クレーン、若しくはケーブル式ショベルが該当する。
本実施形態においては、巻上装置5の巻上用ウインチは油圧によって駆動される。特に、油圧ポンプ、そして油圧モーターからなる油圧回路が備えられており、これを用いて巻上用ウインチが駆動される。好ましくは油圧アキュムレータが備えられ、荷物を下ろす際に生じる位置エネルギーを蓄えて、荷物を吊り上げる際に利用できるようにされている。
あるいは、電気駆動方式を用いて巻上用ウインチを駆動させても良い。油圧を用いた場合と同様に、位置エネルギーを蓄積する機構に接続されても良い。
以下では、本発明の典型的な実施形態が示され、本発明の多数の態様が併せて理解される。しかしながら、本願の広範に亘って記載された本発明の実施形態を改良するために、個々の態様をそれぞれ独立して用いることが可能である。
〈1 参照軌道の設定〉
能動的上下揺れ補償機能のために要求される動作を予め設定するためには、2自由度形式を取るフィードフォワード制御とフィードバック制御からなるシーケンス制御が用いられる。フィードフォワード制御は微分パラメータ(differential parametrization)を用いて計算され、参照軌道が2階連続的微分可能であることを必要とする。
動作の設定においては、指定された軌道にしたがって駆動することが極めて重要となる。それゆえ、巻上装置の拘束量も考慮されなければならない。初めに考慮すべき点は、ワイヤロープ吊下箇所の鉛直座標
Figure 0006189055
及び/又は鉛直速度
Figure 0006189055
であって、これらは例えば特許文献1に記載されたアルゴリズムを用いることで、一定の時間区間に渡って予測される。加えて、慣性系で荷物を移動させる際に用いられるハンドレバー信号も、軌道設定に取り入れられる。
安全性を考慮すると、能動的上下揺れ補償機能が上手く働かなかった場合に備えて、ハンドレバー信号を介して巻上用ウインチを動作できるようにしておく必要がある。軌道設定に用いられる基本概念を用いると、補償動作のための参照軌道の設定と、ハンドレバー信号より生じる軌道の設定との間で、図1に示すような拘束量の配分が行われる。
図1において、
Figure 0006189055
は、それぞれ上下揺れの補償のために設定される座標、速度、及び加速度を意味する。さらに、
Figure 0006189055
は、それぞれハンドレバー信号に基づいて設定される繰り出し、あるいは巻き取り動作が重畳されたワイヤロープの座標、速度、そして加速度を意味する。さらなる実施工程においては、巻上用ウインチの動作のために設定される参照軌道の座標、速度、及び加速度は、常に
Figure 0006189055
とそれぞれが表され、駆動の際の動的挙動をシステム出力するための参照手段として用いられる。
軌道設定が独立しているため、上下揺れ補償機能を停止させたときや、あるいは上下揺れ補償機能が完全に故障してしまったとき(例:慣性計測装置IMUの不具合)であっても、ハンドレバーの手動操作によって同一の軌道設定やシーケンス制御を利用することが可能であるため、上下揺れ補償機能を用いた場合と全く同じように運転することが可能となる。
軌道設定が完全に独立している場合であっても、それぞれで設定された速度と加速度の和が所定の拘束量vmaxとamaxを超えてはならない。そのため、vmaxとamaxは、重み係数0≦k≦1を用いて分割され、各々の軌道設定機能に割り当てられる(図1参照)。同じように、クレーンオペレータの入力にしたがって動力も分割され、補償機能及び/あるいは荷物の移動を行うために利用される。こうして、補償動作における最大速度と最大加速度は、(1−k)vmax と (1−k)amaxになって、繰り出し及び巻き取り動作が重畳されたワイヤロープの軌道の最大速度と最大加速度はkmaxとkmaxになる。
の値を作業中に変更することもできる。最大許容速度と、最大許容加速度はワイヤロープと荷物を合わせた全体の質量に依存するから、vmaxとamaxは作業中にも変化し得る。したがって、状況に応じて適切な値が軌道設定に引き渡される。
動力の分割では、制御変数の拘束量を完全に活用できない可能性があるが、クレーンオペレータは能動的上下揺れ補償機能の影響を容易に且つ直感的に調節できる。
重み係数をk=1に設定した状態は、動的上下揺れ補償機能を停止させた状態に相当し、kの値を操作することによって、補償機能を作動させた状態と停止させた状態との間で滑らかに移行させることが可能となる。
本章の第1節では、ワイヤロープ吊下箇所の鉛直方向の動作を補償するための参照軌道、すなわち
Figure 0006189055
の生成について説明する。ここでの重要な態様は、所定の拘束量をkの値で設定し、且つ設定された軌道を利用することによって、鉛直方向の動作が可能な限り補償されることである。
そこで、全時間区間に渡って予測されるワイヤロープ吊下箇所の座標と速度を、それぞれ
Figure 0006189055
及び
Figure 0006189055
と表す。最適制御問題を解くことによって得られる数値解と、その実施については以下で論じる。
第2節では、荷物を移動させるための軌道、すなわち
Figure 0006189055
の設定について説明する。これらはクレーンオペレータによって入力されたハンドレバー信号whhから直接的に生成される。計算は最大許容躍度を付加することによって実行される。
〈1.1 補償のための参照軌道〉
巻上用ウインチによる補償動作に利用する軌道を設定する際には、ワイヤロープ吊下箇所の鉛直方向の予測された座標と速度を用いて、駆動動作において有効な拘束量を考慮しつつ十分に滑らかな軌道が生成されなければならない。この問題は拘束条件付き最適化問題とみなされ、オンラインでそれぞれの時間ステップ毎に解くことができる。したがって、モデル予測による軌道の生成という意味では、この手法はモデル予測制御の設計に類似している。
最適化のための参照値又は設定値として、ワイヤロープ吊下箇所の鉛直方向の座標
Figure 0006189055
と、鉛直方向の速度
Figure 0006189055
が用いられる。これら座標と速度は、ある時刻tからK個の時間ステップで区切られた時間区間全域に亘って予測され、例えば特許文献1に記載されたアルゴリズムによって、対応する予測時間における値が計算される。
,vmax,amaxによって与えられる拘束量を考慮することによって、補償動作のために最適な時間シーケンスが定められる。
しかしながら、モデル予測制御と同じように、計算された軌道の値のうち最初の値のみがシーケンス制御に使われる。次の時間ステップでは、更新されてより正確となったワイヤロープ吊下箇所の鉛直座標と鉛直速度の予測値を用いて、最適化が循環的に行われる。
伝統的なモデル予測制御と比較した際の、逐次制御により生成される軌道を用いたモデル予測制御を使う利点とは、軌道生成に比べて長いスキャンタイムで制御と安定化処理が実行されることにある。それゆえ、計算集約的な最適化機能は、より遅いタスク(slower task)へと移行される。
他方、この概念に基づき、最適化機能によって有効な解が発見できなかった場合に備え、制御機能とは独立した緊急機能が実装されている。そのような緊急事態において制御機能が頼りにする機能は、ウインチを作動させる簡易化された軌道設定からなる。
〈1.1.1 補償動作を設定するための系のモデル〉
補償動作のための参照軌道が連続関数となるためには、第3次導関数
Figure 0006189055
以降の高次導関数は不連続関数であっても良い。しかしながら、巻上用ウインチの寿命を考慮すると、補償動作において躍度が不連続となることは避けるべきであるため、第4次導関数
Figure 0006189055
以降の高次導関数のみを不連続関数とみなすことができる。
したがって、躍度
Figure 0006189055
は少なくとも連続関数として設定されなければならず、補償動作のための軌道は図2に示される4重積分によって生成される。これが最適化における系のモデルとして働き、状態空間中で
Figure 0006189055
と表すことができる。ここで式(1.1)中に現れる出力
Figure 0006189055
には、補償動作のために設定される軌道が含まれる。最終的に最適制御問題へと帰着させることを念頭に置いて、連続的な時間上で定義された上記モデルを、離散時間を表すグリッド
Figure 0006189055
上で考察する。式(1.2)において、Kはワイヤロープ吊下箇所の鉛直動作の予測に用いる予測ステップの数を示す。離散化されたシステム時間tと区別するために、軌道生成における離散時間をτ=kΔτと定義しておく。この定義においてk=0,・・・,Kであって、Δτは軌道生成のために使われる区間Kのグリッド間隔を意味する。
図3に示すように本実施形態に係るグリッドを不等間隔とすることによって、区間上で必要とされるグリッドの数を削減している。そうすることによって、解くべき最適制御問題の次元の大きさを小さく保つことができる。区間の終端に向かうに連れて徐々に荒く離散化されていくことによって、軌道の設定に不都合が生じてしまうことはない。なぜならば、鉛直座標と鉛直速度の予測それ自体が、予測区間の終端に向かうに連れて不正確なものとなっていくからである。
離散時間を用いた系の表現であって、特に本実施例に係るグリッドに対して有効な表現は厳密に計算可能であり、その解析解は
Figure 0006189055
と与えられる。図2に与えられる多重積分から、
Figure 0006189055
を得る。式(1.4)において、Δτ=τk+1−τは各々の時間ステップで有効な離散的なステップの幅を示す。
〈1.1.2 最適制御問題の定式化と解〉
最適制御問題を解くことによって軌道が設定される。設定された軌道は、ワイヤロープ吊下箇所の鉛直方向の予測動作に可能な限り追従し、それと共に所定の拘束条件を満足しなければならない。
上記の条件を満足するために、次式に与える評価関数
Figure 0006189055
を用いる。式(1.5)において、
Figure 0006189055
は各時間ステップで有効な参照関数を示す。ここではワイヤロープ吊下箇所の予測座標
Figure 0006189055
と予測速度
Figure 0006189055
のみを利用できるから、これらに対応する加速度と躍度についてはゼロに設定される。こうした不整合を有する設定をしても、加速度と躍度についての偏差に対して適切な重み付けを施すことによって、その影響を最小限に抑えることができる。ゆえに
Figure 0006189055

Figure 0006189055
と設定される。半正定値対角行列
Figure 0006189055
を乗じることで、評価関数における参照関数からの偏差に相当する項に、重み付けが施される。スカラー係数rは調整量(control effort)を評価する。r,qw,3,qw,4は予測区間全域に亘って定数となるが、qw,1,qw,2は時間ステップτに依存する関数として選ばれる。予測区間始端側での参照値を、終端側における値よりも重要視するように重み付けが施される。したがって、予測時間の増大に伴って不正確となっていく鉛直方向の予測動作の影響を、より正確な形で評価関数内に反映させることができる。加速度と躍度に関しては参照値が存在しないため、重みqw,3,qw,4の値を適切に選ぶことによって、ゼロからの偏差を軽視するような重み付けが施される。したがって、重みqw,3,qw,4に対しては、座標と速度に対する重みqw,1(τ),qw,2(τ)よりも小さな値が選ばれる。
最適制御問題に関連する拘束条件は、駆動のために利用できる動力と、目下選択されている重み係数k(図1参照)から得られる。したがって、式(1.4)より、系のモデルの状態に対しては
Figure 0006189055
が拘束条件となって、入力に対しては
Figure 0006189055
が拘束条件となる。式(1.8),(1.9)に現れるδ(τ)は、予測区間の終端における各々の拘束量の値が、始端における値の95%に達するように選ばれる減衰係数を表す。時間区間の中間領域におけるδ(τ)の振る舞いは、直線を用いて内挿することによって得られる。予測区間に沿って拘束量が減衰していくことよって、許容解が存在する信頼性が高まる。
速度と加速度に対する拘束量が、作業中に変化し得るのに対して、躍度jmaxと、躍度の微分
Figure 0006189055
に対する拘束量は、一定となる。巻上用ウインチやクレーン全体の耐用年数を増大させるために、衝撃荷重の最大許容値に対しても拘束条件が設けられる。座標に対しては、拘束条件は設けられない。
作業中の動力の重み係数kはもちろんのこと、最大速度vmaxや最大加速度amaxについても外部から指定されるため、最適制御問題のために用いられる速度と加速度についての拘束量は、必然的に変化させられる。本発明に係る着想は、以下の様に時間の経過に応じて変更を受ける拘束条件を考慮に入れる。拘束条件の変更、すなわち拘束量の値の変更がひとたび行われると、更新された拘束量は予測区間の終端である時間ステップτKpにおいてのみ、当初は考慮に入れられる。そして時間の経過に伴って、更新された拘束量は予測区間の始端側へと押し出されていく。
図4に、速度の拘束量に対するこの手続きが示されている。時刻t0に至る前の拘束量は、予測区間全域に亘って一定となっているとする。そして、図に示すように、時刻t0において拘束量の値がやや減少した値に更新されたとすると、このとき、予測区間の終端、すなわち時間ステップτKpでのみ更新された拘束量が取り入れられる。時間Δτ経過後の時刻t0+Δτでは、予測区間の始端側、すなわち時間ステップτ0に向かう方向へと波及するように、更新された拘束量が押し出されている。しかし、この時点では時刻t0で更新された拘束量が、時間ステップτKp−1に取り入れられるには至っていない。さらに時間Δτ経過後の時刻t0+2Δτにおいて、拘束量がさらに減少した値に更新されたとする。このときも、まずは時間ステップτKpでのみ、更新された拘束量が取り入れられる。時刻t0で更新された拘束量は、予測区間の始端側へとさらに押しだされているが、やはり時間ステップτKp−1の拘束量に影響を及ぼすには至っていない。さらに時間が経過した時刻t0+6Δτでは、時刻t0+Δτにおいて更新された拘束量に留まらず、時刻t0+2Δτにおいて更新された拘束量の影響までもが時間ステップτKp−2に波及している。このように、更新された拘束量が、時間の経過に伴って予測区間の始端側へと徐々に押し出されていく。拘束量を減少させる際には、その微分係数の最大許容値と整合性が取れているかについても注意を払わなければならない。例えば速度の拘束量(1−kl)vmaxについて言えば、目下の加速度の拘束量 (1−kl)amaxをその減衰速度の上限とすることを意味する。更新された拘束量が予測区間に沿って終端側から始端側へと押し出されていくため、拘束条件を満たす初期条件
Figure 0006189055
に対する解は常に存在し、それでいて変更を受けた拘束量と不整合を起こすこともない。しかしながら、更新された拘束量が、最終的に予測区間の始端における設定軌道に影響を及ぼすまでには、予測区間の全区間に渡る時間を要することになる。
したがって、2次多項式最適化問題(QP問題:Quadratic Programming問題)の形式を取る最適制御問題は、最小化される2次の評価関数(1.5)と、系のモデル(1.4)と、式(1.8),(1.9)で表される不等式によって表される拘束条件によって、完全に与えられる。最初に最適化を実行する際の初期条件は、
Figure 0006189055
と選ばれる。それに続いて、最後の最適化ステップにおいて時間ステップτに対して計算された状態ベクトル
Figure 0006189055
を初期条件として使用する。
QP問題を実際に解くための計算は、QPソルバー(QP solver)と呼ばれる数値計算方法によって、それぞれの時間ステップ毎に実行される。
最適化のための計算工数によると、補償動作のための軌道設定に要するスキャンタイムは、能動的上下揺れ補償機能の他の要件全ての離散時間よりも長い。したがってΔτ>Δtである。
制御のためにより早く参照軌道を利用できることを保証すべく、図2に示す多重積分のシミュレーションが、より短いスキャンタイムΔtで最適化作業とは独立して実行される。最適化によって新しい値が得られるやいなや、シミュレーションのための初期条件として状態ベクトル
Figure 0006189055
が利用され、多重積分を実行するための定数入力値として、予測区間の始端における修正値u(τ)が利用される。
〈1.2 荷物を移動させるための参照軌道〉
補償動作に類似して、重畳されたハンドレバー操作(図1参照)を制御するためには2階連続的微分可能な参照軌道が必要となる。クレーンオペレータの入力により指定される動作によって、巻上ウインチが急速に向きを変えるような事態は、通常は考えられない。そのため、巻上ウインチの耐久年数を考えても、最低限、設定加速度
Figure 0006189055
が連続的であれば十分であることがわかる。したがって、補償動作のために設定される参照軌道とは異なり、躍度に対応する3次微分係数
Figure 0006189055
の段階で既に不連続関数であっても良い。
図5に示すように躍度は3重積分の入力値としての役割を果たす。連続性についての要請に加えて、設定軌道は目下有効な速度と加速度についての拘束条件も満たさなければならない。拘束条件から定まる速度と加速度についての拘束量、すなわち最大許容速度と最大許容加速度は、ハンドレバー制御に対してはkmaxとkmaxであることがわかる。
クレーンオペレータによって入力されるハンドレバー信号−100≦whh≦100は、目下の最大許容速度kmaxに対する相対速度の入力値と解釈される。したがって、ハンドレバーによって入力される目標速度を
Figure 0006189055
と表すことができる。式(1.10)に示されるように、ハンドレバーによって入力される目下の目標速度は、ハンドレバーの位置whhと、可変的な重み係数kと、ウインチの目下の最大許容速度vmaxに依存する。
ハンドレバー制御によって軌道を設定する作業について以下に説明する。ハンドレバーの操作によって入力された目標速度を参照して、連続的に微分可能な速度のグラフが生成され、それと共に加速度は連続関数となる。この作業のための手続きとして、所謂、躍度の付加が推奨される。
基本的な考え方は、まずは第1段階として、最大許容加速度に達するまで、最大許容躍度jmaxが多重積分の入力値として作用する。第2段階では、一定の加速度によって速度が増加し、第3段階では最終的に目標速度に達するように最大許容躍度の負値が付加される。
したがって、躍度の付加を利用した場合は、個々の段階に切り替わるタイミングを表す切り替え時間のみを定めれば良い。図7に、加速度と躍度の振る舞いが、切り替え時間を経てどのように変化するかを例示する。Tl,0は再設定が生じる時間を意味する。時間Tl,1,Tl,2,Tl,3は、各段階に切り替わる切り替え時間にそれぞれが対応し、これらの時間は計算によって定められる。計算の概要については次の段落に示す。
ハンドレバーの操作を通じて新しい状況が発生するやいなや、生成された軌道の再設定が行われる。新しい状況は、目標速度
Figure 0006189055
や、ハンドレバー制御のための目下の最大許容加速度kmaxが変更されることによって直ちに発生する。ハンドレバーの位置whh,k,vmaxの値を新たに指定することによって目標速度を変更できる(図6参照)。同様に、k,amaxの値を新たに指定することによって最大許容加速度を変更することもできる。軌道を再設定する際には、目下の設定速度
Figure 0006189055
、それに対応する目下の設定加速度
Figure 0006189055
、及び多重積分の入力値、すなわち付加される躍度(図5参照)を
Figure 0006189055
と表して、時間
Figure 0006189055
が経過した後の到達速度を
Figure 0006189055
と表すことができる。上記到達速度が目標速度に丁度等しく、且つ目標速度に達すると同時に加速度がゼロへと減衰するように要求することで、目標速度に滑らかに達するための最小必要時間は
Figure 0006189055
で与えられることがわかる。式(1.12)の右辺の分母は、目下の設定加速度
Figure 0006189055
と同じである。付加される躍度の値は目下の設定加速度の値に依存し、
Figure 0006189055
となるように選ばれなければならない。理論に基づいて計算された到達速度の値と、所望の目標速度の値の大小関係に応じて、入力値の推移を定めることが可能となる。もし
Figure 0006189055
であれば、到達速度は目標速度に達していないため、加速度はより一層増大される。
他方で、
Figure 0006189055
であれば、到達速度が目標速度を超えてしまったため、加速度は直ちに減少されなければならない。
こうした考察から、3つの段階の躍度を切り替える切り替え時間を、以下に説明するように導出することができる。
Figure 0006189055
式(1.14)において
Figure 0006189055
であって、ul,iは各段階で入力信号として付加される躍度である。各段階の期間の長さはΔT=Tl,i−Tl,i−1(i=1,2,3)と与えられる。それゆえ、第1段階の終端における設定速度と設定加速度は
Figure 0006189055
となって、第2段階の終端では
Figure 0006189055
となる。式(1.17)と式(1.18)においてul,2=0としている。最終的に、第3段階の終端における設定速度と設定加速度として
Figure 0006189055
を得る。切り替え時間Tl,iを厳密に計算するために、初めに加速度についての拘束条件を無視する。この単純化によってΔT=0となって、残り2つの期間の長さは、
Figure 0006189055
と表される。式(1.21)と式(1.22)の分母に現れる
Figure 0006189055
は、第1段階を経過後に達する最大到達加速度を意味する。式(1.21)と式(1.22)を、式(1.15)と式(1.16)、そして式(1.19)に代入し整理することによって、最大到達加速度について解くことができる連立方程式が得られる。第3段階を経過すると同時に所望の速度に達する、すなわち
Figure 0006189055
とすることによって、最終的に次式が得られる。
Figure 0006189055
式(1.21)と 式(1.22)においてΔTとΔTが正の値になる必要があるという条件から、式(1.23)における最大到達加速度の符号が定められる。
第2段階で、最大到達加速度の上限値として最大許容加速度kmaxを考慮することによって、単純化を施さない場合における実際の最大到達加速度を、次式のように表すことができる。
Figure 0006189055
式(1.24)に与える実際の最大到達加速度を用いることによって、実際に生じる期間ΔTとΔTを計算できる。これら期間は、式(1.21)と式(1.22)において
Figure 0006189055
とすることによって得られる。未知の期間ΔTは、式(1.21)と式(1.22)から得られるΔTとΔTを用いて式(1.17)と式(1.19)を整理することによって
Figure 0006189055
と表されることがわかる。式(1.25)中の
Figure 0006189055
は式(1.15)から得られる。切り替え時間は次式に示すように、各期間から直接的に計算することができる。
Figure 0006189055
設定される速度と加速度、すなわち
Figure 0006189055
が描く軌道の振る舞いを、個々の切り替え時間を用いて解析的に計算することができる。しかし、切り替え時間を用いて設定された軌道が、最後まで踏破されないという事態に度々陥るということに言及しなければならない。なぜならば、切り替え時間Tl,3に達する前に新たなる状況が発生し、軌道の再設定が行われ、それに伴って切り替え時間も再計算されてしまうことがあるからである。既に述べられている様に、whhやvmax、amax、あるいはkを変更することによって新しい状況が発生する。
図8に、ここまでに提示された方法を用いて生成された軌道の振る舞いを例示する。図中のグラフは、式 (1.24)によって起こり得る2通りのケースの両方を表している。第1のケースの場合、時間t=1sで最大許容加速度に達し、一定の加速度によって加速する段階へと続く。第2のケースは時間t=3.5sで発生する。第2のケースでは、ハンドレバーの位置が原因で、最大許容加速度には達しない。その結果、第1の切り替え時間と第2の切り替え時間が一致し、ΔT=0が採用される。図5によると、対応する座標の軌道は速度曲線を積分することによって計算され、起動時には、巻上ウインチから繰り出されたワイヤロープの目下の長さを用いて座標の値が初期化される。
〈2 巻上ウインチの動作概念〉
原則として、巻上ウインチの動作は2種の異なる運用モードからなる。第1の運用モードは、ワイヤロープに吊された荷物の鉛直方向の動作から船の揺れの影響を取り除くために能動的上下揺れ補償機能が機能するモードであって、第2の運用モードは、荷物を海底に置いた際に生じ得るワイヤロープの弛緩を阻止するための張力保持モードである。吊荷を海底に置く際には、最初に上下揺れ補償機能が動作し、荷置作業の遂行を検知すると自動的に張力保持機能へと切り替わる。図9に関連する参照変数と制御変数を用いた包括的な概念図を示す。
2種の異なる運用モードは、それぞれが単独で備えられても良い。加えて以下に記載されるように、船上でのクレーンの利用や能動的上下揺れ補償機能とは関係のない用途にも張力保持モードを利用することも可能である。
能動的上下揺れ補償機能を用いた結果、巻上ウインチの動作によってワイヤロープ吊下箇所
Figure 0006189055
の鉛直方向の揺動は補償され、クレーンオペレータはハンドレバーの操作を介して、慣性系とみなされるh座標系で荷物を移動させることが可能となる。補償誤差を最小にするために必要とされる設定動作を保証すべく、制御装置に2自由度構造の形式を取るフィードフォワード制御と安定化機能(stabilization part)が実装される。フィードフォワード制御は、ウインチの動的挙動のフラット出力(flat output)を利用した微分パラメータから計算され、補償動作のための負の軌道
Figure 0006189055
に加えて、荷物を動かすための設定軌道
Figure 0006189055
も入力される(図9参照)。駆動動作の動的挙動及び巻上ウインチの動的挙動のシステム出力(system output)のためにもたらされる目標軌道は、
Figure 0006189055
と表される。これらはウインチを動作させワイヤロープの巻上げと繰り出しを行うための目標座標、目標速度及び目標加速度をそれぞれ意味する。
張力保持モードが機能している間、荷物へ課せられるワイヤロープの張力Fslは、ワイヤロープの弛緩を避けるべく一定に保つように制御される。したがって、張力保持モードが機能している間、ハンドレバー機能は一時的に使用不能となって、ハンドレバーを用いて出力された信号に基づいて設定された軌道は最早参照されないことになる。それに続いて、フィードフォワード制御と安定化機能を備えた2自由度構造によってウインチの動作制御がもたらされる。
荷物の厳密な位置座標zと、荷物へ課せられるワイヤロープの張力Fslを制御のための測定量として利用することはできない。なぜならば、長いワイヤロープを用いて海底深くで作業を行うため、クレーンのフック部にセンサー装置を取り付けられないためである。その上、吊り下げられた荷物の種類や形状についての情報は存在しない。したがって、荷物の質量mや、流体力学的質量増加係数(coefficient of the hydrodynamic increase in mass)C、抵抗係数C及び湿潤体積∇といった、個々の荷物を特徴付けるパラメータは通常わからないため、荷物の位置を信頼できる精度で推定することは、現実的にはほぼ不可能である。
結局のところ、繰り出されたワイヤロープの長さlと、それに対応する速度
Figure 0006189055
及びワイヤロープ吊下箇所へ課せられる負荷Fのみを制御に用いる測定量として利用できる。ワイヤロープの長さlは、インクリメンタル型ロータリエンコーダ(incremental encoder)によって測定されるウインチの角度φと、巻き上げられたワイヤロープの層jに依存するウインチの径r(j)から間接的に得られる。対応するワイヤロープの速度
Figure 0006189055
は、適切なローパスフィルタを用いた数値的な微分演算によって計算できる。ワイヤロープ吊下箇所へ課せられるワイヤロープの張力Fは、張力測定ピン(force measuring pin)によって検知される。
〈2.1 能動的上下揺れ補償機能のための動作〉
図10は能動的上下揺れ補償機能のための巻上ウインチの制御動作を周波数領域で示したブロック回路図である。図からわかるように、ワイヤロープ長 y=lとワイヤロープの速度
Figure 0006189055
のみが、駆動系G(s)の部分系からのフィードバック制御として作用する。結果として、ワイヤロープ系Gs,z(s)に干渉入力(input interference)として作用するワイヤロープ吊下箇所の鉛直方向の運動
Figure 0006189055
への補償は、純粋なフィードフォワード制御として生じ、ワイヤロープや荷物の動的挙動は無視される。干渉入力の不完全な補償やウインチの動作に起因して、ワイヤロープ自身の動的挙動が誘起されるが、実際には動的挙動に起因して発生する荷物の挙動は水中で多大に弱められ、急速に減衰してしまうと推測できる。
補償変数U(s)から、繰り出されたワイヤロープ長Y(s)への駆動系の伝達関数は、IT系(IT system)として近似され、
Figure 0006189055
と与えられる。式(2.1)中でr(j)はウインチの半径を示す。系の出力Y(s)はフラット出力であるから、逆数を取ることによってフィードフォワード制御F(s)は、
Figure 0006189055
となって、微分パラメータ形式で時間領域での記述に書き換えると、
Figure 0006189055
となるから、式(2.3)より、フィードフォワード制御のための参照軌道は、少なくとも2回以上は連続微分可能でなければならないことが示される。
安定化機能系とK(s)と駆動系G(s)からなる閉回路の伝達関数は、図10から
Figure 0006189055
となることがわかる。補償動作
Figure 0006189055
を無視することによって、一定又は定常的なハンドレバー操作によって与えられる参照変数
Figure 0006189055
は、一定の目標速度
Figure 0006189055
が存在する場合と同じように、傾斜波状の信号として近似できる。そのような参照変数について定常的な制御のずれの発生を阻止するために、開回路K(s)G(s)はI動作(I behavior)を示さなければならない。この条件は、例えばPID制御装置を用いて、
Figure 0006189055
とすることによって満たされる。したがって、閉回路に対しては
Figure 0006189055
となる。式(2.6)において、κAHC,iの厳密な値は各々の時間定数Tの値に応じて選ばれる。
〈2.2 荷置作業の検知〉
荷物が海底に当たるやいなや、能動的上下揺れ補償機能から張力保持機能へと直ちに切り替えられるべきである。機能の切り替えを実現するためには、荷置作業の検知が必要となる(図9参照)。荷置作業を検知し、その後、速やかに張力保持機能へと切り替えるために、ワイヤロープを単純なバネ質点系として近似して考察する。この近似の下ではワイヤロープ吊下箇所に作用する力は、次式のように表すことができる。
Figure 0006189055
式(2.7)において、kとΔlは各々ワイヤロープの弾性に対応するバネ定数と、ワイヤロープの変位に対応するバネの変位を意味する。他方、特許文献1に示すように、ワイヤロープ及び荷物によってもたらされる重量全てが、ワイヤロープの変位Δlに対応するひずみの発生に寄与すると仮定すると、ワイヤロープに加わる重力と弾性力の釣り合いから、次の関係が成立する。
Figure 0006189055
式(2.8)において、g,m,μ,E,Aはそれぞれ、重力加速度、有効荷重に対応する質量、ワイヤロープの密度、ワイヤロープのヤング率及びワイヤロープの断面積を意味する。同様に、バネ質点系における釣り合い条件を考察することによって、バネ定数kに対応する係数を決定できる。質量mを吊り下げたバネは静止状態では次式を満たす。
Figure 0006189055
また、式(2.8)を変形することによって次式を得る。
Figure 0006189055
ワイヤロープをバネ質点系に近似しているため、式(2.9)と式(2.10)の係数を比較することが可能となる。ゆえに、ワイヤロープにおいてバネ定数kに対応する係数は、
Figure 0006189055
であるとみなすことができる。式(2.9)から、静止状態におけるバネの変位Δlは、有効荷重に対応する質量mとワイヤロープ半分の質量
Figure 0006189055
に影響を受けることもわかる。このことは、バネに吊り下げられた質量mが1点に集中しているという仮定に由来する。ワイヤロープの質量はワイヤロープの長さに沿って均一に分散しているため、バネ全体に荷重を与えない。にもかかわらずワイヤロープ吊下箇所で力を測定する際には、ワイヤロープ全体に働く重力μgを考慮しなければならない。
ワイヤロープ系を近似することによって、海底への荷置作業を検知するための条件式を導出することが可能となる。静止状態でワイヤロープ吊下箇所に作用する力は、繰り出されたワイヤロープに働く重力μgと、荷物に働く有効的な重力mgからなる。ゆえに、海底上に荷物が置かれた際にワイヤロープ吊下箇所に作用する力Fを、次式に示すように近似することができる。
Figure 0006189055
式(2.12)においてΔF
Figure 0006189055
と表される。式(2.13)中でΔlは荷物が海底に置かれた後に繰り出されたワイヤロープ長を意味する。荷物の位置は海底に達した後、一定となるから、Δlは測定される力の変化量に比例するということが式 (2.13)よりわかる。式 (2.12) と式 (2.13) から導出される、荷置作業を検知するための条件式を以下に挙げる。これら条件式は、同時に満たされなければならない。
・ワイヤロープ吊下箇所に作用する力の減少量は、ある閾値よりも小さくなければならない。
Figure 0006189055
・ワイヤロープ吊下箇所に作用する力の時間微分は、ある閾値よりも小さくなければならない。
Figure 0006189055
・クレーンオペレータは鉛直下向きへと荷物を移動させなければならない。この条件は、ハンドレバー信号によって設定された軌道が次式を満たすことで満足される。
Figure 0006189055
・水中に没入する際に起こり得る誤検知を防止するために、ワイヤロープをある長さ以上、繰り出さなければならない。
Figure 0006189055
ワイヤロープ吊下箇所に作用する力の減少量ΔFは、測定された力の信号Fと、Fの直近のピーク値
Figure 0006189055
の差を取ることによって、その都度計算される。測定ノイズや高周波干渉を抑止するために、対応するローパスフィルタによって力の信号が前処理される。
ワイヤロープの動的な固有振動によって生じる誤検知は、条件(2.14)と条件(2.15)を同時に満たすように要請することによって排除される。すなわち、動的な固有振動を受けて力の信号Fも振動するため、直近のピーク値
Figure 0006189055
に対するワイヤロープ吊下箇所に作用する力の減少量ΔFの位相と、ワイヤロープ吊下箇所に作用する力の時間微分
Figure 0006189055
の位相は変化する。その結果、2種の閾値
Figure 0006189055
の値を適切に選ぶことによって、ワイヤロープが動的な固有振動を生じた場合に2つの条件を同時に満足することは無くなる。したがって、水中に没入される場合や海底に荷置する場合と同様に、ワイヤロープの張力中に占められる静的な力の要素は減少しなければならない。しかしながら、水中に没入する際に起こり得る誤検知は条件(2.17)によって防止される。
力の信号の直近のピーク値を用いて、ワイヤロープ吊下箇所に作用する力の減少量の閾値を以下の様に表すことができる。
Figure 0006189055
式(2.18)中の2つのパラメータχ<1と
Figure 0006189055
の最大値
Figure 0006189055
は、実験から決定される。同様に、ワイヤロープ吊下箇所に作用する力の信号の時間微分の閾値については、式(2.7)の時間微分と、ハンドレバー制御のための最大許容速度kmaxを用いて以下の様に表すことができると推定される。
Figure 0006189055
式(2.19)中の2つのパラメータχ<1と
Figure 0006189055
の最大値
Figure 0006189055
も、実験的に決定される。
張力保持機能においては、位置の制御ではなく力の制御が行われるため、目標の力
Figure 0006189055
は、荷物に作用する全ての静的な力の和Fl,statの値に依存した参照変数として指定される。このため、Fl,statはワイヤロープの既知の質量μを考慮して、上下揺れ補償機能が動作している段階では以下の様に計算される。
Figure 0006189055
c,statはワイヤロープ吊下箇所で測定される力Fの静的な要素を意味し、測定された力の信号を、対応するローパスフィルタに通すことによって得られる。フィルタを通すことによって生じる群遅延は問題とはならない。なぜならば、興味の対象は静的な力の要素に過ぎず、これに対して遅延が重大な影響を及ぼす訳ではないからである。荷物に作用する全ての静的な力の和に、ワイヤロープ吊下箇所に作用するワイヤロープの重量をさらに考慮することによって、力の目標値を得る。
Figure 0006189055
パラメータpをクレーンオペレータの手で0<p<1の範囲で操作することによって、ワイヤロープに発生する張力を所望の目標値に設定することができる。参照変数が目標値へと急転してしまうことを避けるために、荷置作業が検知された後、検知によって測定された目下の力の値から、実際の力の目標値
Figure 0006189055
へと傾斜路状に遷移する。
海底から荷物を吊り上げる際には、張力保持モードから、自由に荷物を吊り下げられる能動的上下揺れ補償モードへと、クレーンオペレータによって手動で切り替えられる。
〈2.3 張力保持モードの動作〉
図11は張力保持モードにおける巻上ウインチの実行動作を示す、周波数領域におけるブロック回路図である。図10で示された制御構造とは対照的に、ウインチ系の出力Y(s)ではなく、ワイヤロープ系の出力F(s)、すなわちワイヤロープ吊下箇所で測定された力がフィードバックされる。式(2.12)によると、測定された力F(s)は力の変化量ΔF(s)と、図10中ではM(s)と記されている静的な重力mg+μgを用いて表される。実際の制御において、ワイヤロープ系は再びバネ質点系と近似される。
2自由度構造を有するフィードフォワード制御F(s)は、能動的上下揺れ補償機能のためのフィードフォワード制御と同一であり、それぞれが式(2.2)と式(2.3)で与えられる。しかしながら、張力保持モードにおいてハンドレバー信号は使用されないため、参照軌道は補償動作のための負の速度
Figure 0006189055
と負の加速度
Figure 0006189055
のみから構成される。先ほどと同じように、フィードフォワード制御はワイヤロープ吊下箇所の鉛直運動
Figure 0006189055
を、初めに部分的に補償する。しかしながら、ウインチの位置の安定化はY(s)によるフィードバック制御から直接的に行われず、測定された力の信号のフィードバック制御によって間接的に行われる。
測定される出力F(s)は図11から得られ、次式のように表される。
Figure 0006189055
式(2.22)中に現れる2つの伝達関数は、
Figure 0006189055
と与えられる。海底に到達し荷物を置いた状態のワイヤロープ系の伝達関数は式(2.12)から得られ、次式のように表される。
Figure 0006189055
式(2.22)から明らかな様に、補償誤差E(s)は安定な伝達関数GCT,1(s)による補償を受けるため、ウインチの位置は間接的に安定化される。この場合も制御装置K(s)が満たすべき条件は、期待される力の参照値に対応する信号
Figure 0006189055
の振る舞いから決定される。上記信号は、張力保持モードへと移行した後に、式(2.21)に与えた一定の目標値
Figure 0006189055
となる。そのような一定の参照変数によって安定な状態から逸脱してしまうことを避けるために、開回路K(s)G(s)GS,F(s)はI動作(I behavior)を含まなければならない。ウインチの伝達関数G(s)はそのように動作することが既に暗に示されているから、この条件はPフィードバック制御(P feedback)によって満足される。したがって、K(s)は以下のように表される。
Figure 0006189055
1 クレーン
2 ワイヤローププーリ(ワイヤロープ吊下箇所)
3 荷物
4 ワイヤロープ
5 巻上装置
6 フロート

Claims (12)

  1. ワイヤロープに荷物を掛けて吊り上げるための巻上装置を有するクレーンのためのクレーン制御装置であって、上下揺れに起因してワイヤロープ吊下箇所及び/又は荷置箇所に生じる揺動を、少なくとも部分的に補償するように上記巻上装置を作動させる能動的上下揺れ補償機能と、オペレータによる入力を参照して上記巻上装置を作動させるオペレータ制御機能とを備えたクレーン制御装置において、
    上記巻上装置における1つ以上の運動学的拘束量を、上記上下揺れ補償機能と上記オペレータ制御機能との間で調整自在に配分し、
    上記巻上装置における上記1つ以上の運動学的拘束量の配分は、該巻上装置の最大許容動力及び/又は最大許容速度及び/又は最大許容加速度の配分を含み、
    上記巻上装置における上記1つ以上の運動学的拘束量の配分は、1つ以上の重み係数によってもたらされ、該重み係数を介して該巻上装置の最大許容動力及び/又は最大許容速度及び/又は最大許容加速度が、上記上下揺れ補償機能と上記オペレータ制御機能との間で分割され、
    上記1つ以上の運動学的拘束量の配分を、上記重み係数を変更することによって、吊上作業中に変更できる
    ことを特徴とするクレーン制御装置。
  2. 請求項1に記載のクレーン制御装置において、
    上記配分は、1つ以上の部分領域に亘って連続的に調整可能であって及び/又は全ての上記運動学的拘束量を上記オペレータ制御機能に割り当てることによって、上記上下揺れ補償機能を停止できる
    ことを特徴とするクレーン制御装置。
  3. 請求項1又は2に記載されたクレーン制御装置において、
    ワイヤロープに荷物を掛けて吊り上げるための巻上装置を有するクレーンのためのクレーン制御装置であって、上下揺れに起因してワイヤロープ吊下箇所及び/又は荷置箇所に生じる揺動を、少なくとも部分的に補償するように上記巻上装置を作動させる能動的上下揺れ補償機能と、オペレータによる入力を参照し上記巻上装置を作動させるオペレータ制御機能とを備え、
    上記クレーン制御装置は2つの独立な経路設定モジュールを有し、該経路設定モジュールによって上記上下揺れ補償機能と上記オペレータ制御機能のための軌道が、互いに独立して計算される
    ことを特徴とするクレーン制御装置。
  4. 請求項に記載のクレーン制御装置において、
    上記巻上装置の位置及び/又は速度を測定し、測定結果に応じた信号を上記クレーン制御装置に送るための1つ以上のセンサーが備えられており、
    上記2つの独立な経路設定モジュールによって定められる上記軌道は加算され、上記巻上装置の制御及び/又は調整のための設定値として用いられ、上記巻上装置の上記制御は、上記センサーによる測定値を上記巻上装置の位置及び/又は速度へとフィードバックし、及び/又は上記巻上装置を駆動させた際の動的挙動を考慮に入れる
    ことを特徴とするクレーン制御装置。
  5. 請求項1からのいずれか1つに記載のクレーン制御装置において、
    上記上下揺れ補償機能は、上記ワイヤロープ吊下箇所及び/又は上記荷置箇所の動作予測を参照し、上記上下揺れ補償機能のために利用できる上記1つ以上の運動学的拘束量を考慮した上で、軌道を計算する最適化機能を備え、
    上記オペレータ制御機能は、オペレータによる入力を参照し、上記オペレータ制御機能のために利用できる上記1つ以上の運動学的拘束量を考慮した上で、軌道を計算する
    ことを特徴とするクレーン制御装置。
  6. 請求項1からのいずれか1つに記載のクレーン制御装置において、
    上記巻上装置が目下利用できる上記1つ以上の運動学的拘束量として上記巻上装置の最大許容動力及び/又は最大許容速度及び/又は最大許容加速度を計算するための計算機能を備え、
    上記計算機能は繰り出されたワイヤロープの長さ及び/又はワイヤロープの張力及び/又は巻上装置を駆動するために利用できる動力を考慮に入れる
    ことを特徴とするクレーン制御装置。
  7. 請求項に記載のクレーン制御装置において、
    上記上下揺れ補償機能に備えられた上記最適化機能は、吊上作業中の、上記巻上装置における上記1つ以上の運動学的拘束量の配分の変化、及び/又は上記巻上装置が利用できる上記1つ以上の運動学的拘束量の変化の影響を、初めは予測区間の終端においてのみ考慮に入れ、時間の経過にしたがって、予測区間の始端側に波及するように考慮されていく
    ことを特徴とするクレーン制御装置。
  8. 請求項に記載のクレーン制御装置において、
    上記上下揺れ補償機能に備えられた上記最適化機能は、巻上装置の制御及び/又は調整に用いられる目標軌道を決定し、
    上記最適化機能は、上記ワイヤロープ吊下箇所における更新された挙動予測に基づいて、各時間ステップ毎に最適化を実行可能であり、
    上記目標軌道の各々の最初の値が制御のために用いられ、
    上記最適化機能は、制御よりも長いスキャンタイムで動作し、
    上記最適化機能は、有効な解を得られない場合には緊急軌道設定を利用する
    ことを特徴とするクレーン制御装置。
  9. 請求項1からのいずれか1つに記載のクレーン制御装置において、
    上記オペレータ制御機能は、上記オペレータによって入力装置であるハンドレバーを介して入力される信号を参照して目標速度を計算し、及び/又は上記オペレータ制御機能による経路設定は、最大加速度に達するまで正の最大許容躍度を積分し、その後に負の最大躍度を与え、所望の速度に達するまで最大加速度を積分することによって軌道を生成する
    ことを特徴とするクレーン制御装置。
  10. 請求項1からのいずれか1つに記載のクレーン制御装置を備えた
    ことを特徴とするクレーン。
  11. 請求項1からのいずれか1つに記載のクレーン制御装置を用いる
    ことを特徴とする方法。
  12. 請求項1に記載の方法を実行するためのプログラムコードを備えた
    ことを特徴とするソフトウェア。
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