JPWO2020059573A1 - 人体検出装置、ベッド装置及び人体検出システム - Google Patents

人体検出装置、ベッド装置及び人体検出システム Download PDF

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Abstract

人体検出装置は、人体から受ける圧力の方向と交差する板材の複数の領域の各々において、軸方向が前記板材に沿って設けられ、かつ径方向に加えられた圧力を検出するライン状の圧電基材と、メモリと、前記メモリに接続されたプロセッサと、を備え、前記プロセッサは、前記圧電基材の各々の出力信号を検出可能とする。

Description

本開示は、人体検出装置、ベッド装置及び人体検出システムに関する。
近年、病院や各種介護施設等に設置されるベッドとして、就床者である被介護者の在・不在や体調の変化を検出する感圧センサをベッドに設けることが考えられている。例えば、特許文献1には、圧電ケーブルを波型に配置してマットレスに組み込んで、圧電ケーブルにより就床者の人体を検知可能としたベッド装置が開示されている。また例えば、特許文献2には、ベッドの上面に長尺テープ状の圧電センサを幅方向にわたって配設し、この圧電センサによって就床者の人体を検知すると共に、就床者の血圧値や動脈硬化度を判定する生体モニタ装置が開示されている。
[特許文献1]特開2005−351781号公報
[特許文献2]特開平10−229973号公報
一方、特許文献1の装置は、圧電ケーブルを波型に配置してマットレスに組み込んでいるため、就床者の在・不在は検出できるものの、ベッド上における就床者の位置の片寄りを検知することはできない。また、特許文献2の装置では、ベッドにおいて幅方向にわたって長尺テープ状の圧電センサが配設されており、就床者の在・不在は検出できるものの、ベッド上における就床者の位置の片寄りを検知することはできない。
本開示は、上記事実に鑑みてなされたものであり、圧電性を有する材料を用いて、就床者の床面上での位置検知が可能な人体検出装置、ベッド装置及び人体検出システムを提供することを目的とする。
前記課題を達成するための具体的手段は、以下の通りである。
<1> 人体から受ける圧力の方向と交差する板材の複数の領域の各々において、軸方向が前記板材に沿って設けられ、かつ径方向に加えられた圧力を検出するライン状の圧電基材と、
メモリと、
前記メモリに接続されたプロセッサと、を備え、
前記プロセッサは、前記圧電基材の各々の出力信号を検出可能とする人体検出装置。
<2> 前記圧電基材は、
長尺状の導体と、
前記導体に対して一方向に螺旋状に巻回された長尺状の圧電体と、を備え、
前記導体と前記圧電体との間の電位差から前記圧電体に入力された圧力を検知する<1>に記載の人体検出装置。
<3> 前記圧電体には、有機圧電材料が用いられている<2>に記載の人体検出装置。
<4> 前記圧電体は、光学活性を有するヘリカルキラル高分子(A)である<3>に記載の人体検出装置。
<5> 前記ヘリカルキラル高分子(A)は、ポリ乳酸である<4>に記載の人体検出装置。
<6> 前記圧電基材は前記圧電体の周囲に被覆部材を有する<2>から<5>の何れか1に記載の人体検出装置。
<7> 前記圧電基材に接すると共に前記板材に沿って設けられ、前記人体との接触により加圧される加圧部と、
前記圧電基材に隣接し、かつ前記加圧部の対向側に設けられた基部と、を有する<1>から<6>の何れか1に記載の人体検出装置。
<8> 前記加圧部の厚さは、0.005〜200mmの範囲にあり、前記加圧部の硬さはJISK6400−2に規定されるA法に準拠して測定した場合に50〜200Nの範囲にある<7>に記載の人体検出装置。
<9> 前記加圧部における加圧方向に沿って前記加圧部、前記圧電基材及び前記基部が配置されている<7>又は<8>に記載の人体検出装置。
<10> 前記基部には、発泡プラスチックが用いられている<7>から<9>の何れか1に記載の人体検出装置。
<11> 前記圧電基材が生体情報取得デバイスである、<1>から<10>の何れか1に記載の人体検出装置。
<12> 前記圧電基材は、前記軸方向に垂直な断面の形状が非円形断面である<1>から<11>の何れか1に記載の人体検出装置。
<13> 前記圧電基材は、前記軸方向に垂直な断面において、短径に対する長径の寸法比が1.05〜10.00である<12>に記載の人体検出装置。
<14> <1>から<13>の何れか1に記載の人体検出装置を備えたベッド装置。
<15> <1>から<13>の何れか1に記載の人体検出装置と、
前記板材において所定方向に沿って設けられた前記領域と、
前記領域の各々に配設された前記圧電基材と、を備え、
前記プロセッサは、前記所定方向において隣接する前記圧電基材同士の出力信号を比較して、前記板材上における前記人体の移動を判定する人体検出システム。
本開示によれば、就床者の床面上での位置検知を行うことができる。
第1の実施形態に係るベッド装置の分解斜視図である。 第1の実施形態に係るベッド装置が備える人体検出装置の平面図である。 人体検出装置の検知部の断面図である。 情報処理ユニットのハードウェア構成を示すブロック図である。 処理用PCにおけるCPUの機能構成の例を示すブロック図である。 第1の実施形態に係る圧電基材の具体的態様Aを示す側面図である。 第1の実施形態に係る圧電基材の具体的態様Aを示す断面図(図6AのX−X’線断面図)である。 第1の実施形態に係る圧電基材の具体的態様Bを示す側面図である。 第1の実施形態に係る圧電基材の具体的態様Cを示す側面図である。 第2の実施形態に係るベッド装置であって圧電基材の配置を示す平面図である。 第3の実施形態に係るベッド装置であって圧電基材の配置を示す平面図である。 第4の実施形態に係るベッド装置であって圧電基材の配置を示す平面図である。 第5の実施形態に係るベッド装置であって圧電基材の配置を示す平面図である。 実施例1のベッド装置における各圧電基材の電圧出力の測定結果を示すグラフである。 図13の測定結果において、電圧出力が閾値を超えた場合の出力を示すグラフである。 第6の実施形態に係る圧電基材を示す側面図である。 第6の実施形態に係る圧電基材を示す断面図(図15AのY−Y’線断面図)である。 実施例2の圧電基材の温度特性評価の結果を示すグラフである。 実施例3の圧電基材の温度特性評価の結果を示すグラフである。
以下、本開示の実施形態について説明する。なお、本開示は以下の実施形態に限定されるものではない。
本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本明細書において、長尺平板状の圧電体(第1の圧電体及び第2の圧電体)の「主面」とは、長尺平板状の圧電体の厚さ方向に直交する面(言い換えれば、圧電体の長さ方向及び幅方向を含む面)を意味する。
本明細書中において、部材の「面」は、特に断りが無い限り、部材の「主面」を意味する。
本明細書において、厚さ、幅、及び長さは、通常の定義どおり、厚さ<幅<長さの関係を満たす。
本明細書において、2つの線分のなす角度は、0°以上90°以下の範囲で表す。
本明細書において、「フィルム」は、一般的に「フィルム」と呼ばれているものだけでなく、一般的に「シート」と呼ばれているものをも包含する概念である。
<第1の実施形態>
図1〜図8を基に、第1の実施形態として、人体検出システムであるベッド装置10と、ベッド装置10が備える人体検出装置30について説明する。
〔ベッド装置の構成〕
図1に示すように、本実施形態のベッド装置10は、脚付きのベッド20と、人体検出装置30と、を備えている。ベッド20は、床面に設置される枠状のフレーム22と、フレーム22の中央部を覆う板材としての一対の床板24と、床板24の上面に載置されるマットレス26と、を備えている。
床板24は、短冊状の板材をベッド装置10のベッド長さ方向に沿って並べて形成した簀子である。この床板24は、ベッド長さ方向に並んで配置されている。
マットレス26は、ポリエステル製の生地で被覆された板状のウレタンフォームである。マットレス26は、床板24及び後述するセンサユニット32の上の載置される共に、上面には臥位の就床者が横たわる。本実施形態のマットレス26は、被覆部材である絶縁部材38に被覆された圧電基材12に対して接触し、かつ就床者の人体が接触することで加圧されるものであって、加圧部に相当する。
なお、本実施形態のマットレス26は加圧を受ける部分がポリウレタン製(ウレタンフォーム)であるがこれに限らず、ファイバ製やラテックス製であってもよい。また、加圧部は必ずしもベッド20が備えるマットレス26である必要はなく、シーツやござであってもよい。ここで、加圧部の厚さは、0.005〜200mmの範囲にあり、加圧部の硬さはJISK6400−2に規定されるA法に準拠して測定した場合に50〜200N、好ましくは100〜200N、更に好ましくは110〜170Nの範囲にある。
なお、JISK6400−2に規定されるA法に準拠すれば、本実施形態のマットレス26の硬さは次のようにして求める。すなわち、マットレス26の硬さは、マットレス26の中身のフォームを平らに置き、直径200mmの円形加圧板を乗せ、フォームの元の厚さの75%の距離まで押し込んだ後、元に戻して、再び元の厚さの40%の距離まで押し込み、30秒間静止させた時の荷重値をN(ニュートン)として求められる。
以上、本実施形態のベッド装置10は、フレーム22、一対の床板24及びマットレス26によりベッド20として機能するが、床板24とマットレス26との間にセンサユニット32を設置することにより、床面上での人体の位置検知が可能となる。
〔人体検出装置の構成〕
本実施形態の人体検出装置30は、加圧部としてのマットレス26と、床板24とマットレス26との間に設置され、圧力を検知可能なセンサユニット32と、センサユニット32からの出力信号を検出する検出部を有する情報処理ユニット40と、を備えている。センサユニット32は、板状であって、図2及び図3に示すように、ベッド幅方向を長手方向とするように床板24の上に設置されている。すなわち、センサユニット32は、臥位の人体に対する交差方向に設置される。センサユニット32は、床板24への設置面を基準面33として、基準面33の交差方向から加わる圧力(矢印P参照)を検知可能に形成されている(図3参照)。また、図2に示すように、本実施形態のセンサユニット32は長手方向において4つの領域34に区分けされている。各領域34には、圧力を検知するケーブル状の圧電基材12が、センサユニット32の長手方向(ベッド幅方向)に沿って設置されている。これにより、マットレス26では、圧力の検知範囲がベッド幅方向に4分割される。そして、本実施形態のマットレス26には、各領域34(又は圧電基材12)に対応する検知領域27として、部位A〜Dが存在する。
センサユニット32は、床板24に載置される支持板36(図3参照)と、支持板36の上面を覆う基部としての緩衝材37と、緩衝材37の上面に設置され、かつ周囲を絶縁部材38に被覆された圧電基材12と、を備えている。支持板36は、圧電基材12及び緩衝材37を支持する板状部材である。支持板36のベッド幅方向の長さは床板24の幅よりも僅かに短い。図3に示すように、本実施形態の支持板36は、ベッド長さ方向に並んで配置される床板24同士を跨ぐように床板24の上に設置される。
緩衝材37は、圧電基材12に加わる張力を緩和するために設けられたスポンジシートである。この緩衝材37は、領域34毎に支持板36に対して接着されている。また、緩衝材37の上面には、絶縁部材38に被覆された圧電基材12が接触している。このように、本実施形態のセンサユニット32では、就床者の人体による加圧方向(つまり、矢印P方向)に沿って、マットレス26、圧電基材12及び緩衝材37の順に配置されている。圧電基材12を基準とすると、緩衝材37はマットレス26の対向側に設けられている。
なお、本実施形態の緩衝材37は領域34毎に設けられているが、これに限らず、一枚の緩衝材37が全ての領域34を跨ぐように支持板36に対して接着されていてもよい。
絶縁部材38は、市販の粘着テープ、可撓性かつ絶縁性のフィルム、粘着性を有するフィルム等が挙げられる。本実施形態の圧電基材12は、一対の絶縁フィルムに挟まれた状態で被覆されている。この絶縁部材38としては、例えば、ヤング率が2.0〜10GPa、厚みが4〜50μmの二軸延伸ナイロンフィルム、ポリイミドフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、ポリスルフェンサルファイドフィルム、ポリエステルフィルム、ポリスチレンフィルム等を基材に、アクリル系あるいはシリコーン系粘着材を塗布したものが使用でき、粘着力5.0N〜30Nのものを使用することができる。
図4に示すように、情報処理ユニット40は、圧電基材12から出力されたアナログ信号である電圧出力をデジタル信号に変換するAD変換器42と、変換された各圧電基材12のデジタル信号を検出する処理用PC50と、を備えている。AD変換器42は、アナログ信号を入力するための入力端子が複数設けられており、各入力端子に圧電基材12が電気的に接続されている。
処理用PC50は、CPU(Central Processing Unit)50A、ROM(Read Only Memory)50B、RAM(Random Access Memory)50C、ストレージ50D、通信I/F(Inter Face)50E及び入出力I/F50Fを含んで構成されている。CPU50A、ROM50B、RAM50C、ストレージ50D、通信I/F50E及び入出力I/F50Fは、バス51を介して相互に通信可能に接続されている。
ここで、CPU50Aはプロセッサに相当し、RAM50Cはメモリに相当する。
CPU50Aは、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU50Aは、ROM50B又はストレージ50Dからプログラムを読み出し、RAM50Cを作業領域としてプログラムを実行する。本実施形態では、ストレージ50Dに各種処理を実行するための実行プログラムが記憶されている。CPU50Aは、実行プログラムを実行することで、図5に示す検出部55、判定部56及び報知部57として機能する。
ROM50Bは、各種プログラム及び各種データを記憶している。RAM50Cは、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。記憶部としてのストレージ50Dは、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)により構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム、及び各種データを記憶している。
通信I/F50Eは、スマートフォン等の携帯端末と通信するためのインタフェースであり、例えば、イーサネット(登録商標)、FDDI、Wi−Fi(登録商標)等の規格が用いられる。
入出力I/F50Fは、情報処理ユニット40を構成する各装置と通信するためのインタフェースである。本実施形態の処理用PC50には、入出力I/F50Fを介してAD変換器42、モニタ44及びスピーカ46が接続されている。
図5は、CPU50Aの機能構成の例を示すブロック図である。図5に示すように、CPU50Aは、検出部55、判定部56及び報知部57を有している。各機能構成は、CPU50Aがストレージ50Dに記憶された実行プログラムを読み出し、これを実行することによって実現される。
検出部55は、通信I/F50Eを介してAD変換器42から出力された各圧電基材12に係るデジタル信号を検出する機能を有している。これにより、就床者の人体がベッド20の検知領域27のどこに位置しているかを検知することができる。また、検出部55により、検出されたデータが数値化される。これにより、各検知領域27においてどの程度の圧力が掛かっているかを知ることができる。
判定部56は、隣接する圧電基材12同士の出力信号を比較することで、就床者の人体の動的な位置を特定する機能を有している。例えば、判定部56は、一の圧電基材12の電圧出力が軽減し隣接する圧電基材12の電圧出力が増加した場合に、就床者が寝返りをしたと判定する。また、判定部56は、全ての圧電基材12の電圧出力が軽減した場合に、就床者がベッド装置10から起き上がったと判定する。さらに、判定部56は、ベッド幅方向両端の圧電基材12の電圧出力が大きい場合に、就床者が偏って寝ていると判定する。
報知部57は、判定部56による寝返りや起き上がり、就寝位置の偏りに係る判定結果を報知する機能を有している。例えば、報知部57は、通信I/F50Eを介して介護者の携帯電話に向けて判定結果を送信することができる。また例えば、報知部57は、通信I/F50Eを介してモニタ44に判定結果に係る文字情報を出力したり、スピーカ46に判定結果に係る音声情報を出力したりすることができる。
〔圧電基材〕
本実施形態のベッド装置10において圧力検出に用いられる圧電基材の概要について説明する。
本実施形態の圧電基材は、長尺状の導体と、前記導体に対して一方向に螺旋状に巻回された長尺状の第1の圧電体と、を備える。
第1の圧電体としては、有機圧電材料を用いることができ、有機圧電材料としては低分子材料、高分子材料を問わず採用でき、例えば、ポリフッ化ビニリデン、あるいはポリフッ化ビニリデン系共重合体、ポリシアン化ビニリデンあるいはシアン化ビニリデン系共重合体あるはナイロン9、ナイロン11などの奇数ナイロンや、芳香族ナイロン、脂環族ナイロン、あるいはポリ乳酸などのヘリカルキラル高分子や、ポリヒドロキシブチレートなどのポリヒドロキシカルボン酸、セルロース系誘導体、ポリウレアなどが挙げられる。
第1の圧電体としては、良好な圧電特性、加工性、入手容易性等の観点から、高分子の有機圧電材料、特に光学活性を有するヘリカルキラル高分子であることが好ましい。
前記本実施形態の圧電基材は、
前記第1の圧電体が、光学活性を有するヘリカルキラル高分子(A)(以下、単に「ヘリカルキラル高分子(A)」ともいう)を含み、
前記第1の圧電体の長さ方向と、前記第1の圧電体に含まれるヘリカルキラル高分子(A)の主配向方向と、が略平行であり、
X線回折測定から下記式(a)によって求められる前記第1の圧電体の配向度Fが0.5以上1.0未満の範囲である圧電基材。
配向度F=(180°―α)/180°・・(a)
ただし、αは配向由来のピークの半値幅を表す。αの単位は、°である。
以下、本実施形態の圧電基材の説明において、「長尺状の導体」を、単に「導体」と称して説明することがあり、「長尺状の第1の圧電体」を、単に「第1の圧電体」と称して説明することがある。
ここで、第1の圧電体の配向度Fは、第1の圧電体に含まれるヘリカルキラル高分子(A)の配向の度合いを示す指標であり、例えば、広角X線回折装置(リガク社製 RINT2550、付属装置:回転試料台、X線源:CuKα、出力:40kV 370mA、検出器:シンチレーションカウンター)により測定されるc軸配向度である。
なお、第1の圧電体の配向度Fの測定方法の例は、後述の実施例に示すとおりである。
圧電基材における「一方向」とは、本実施形態の圧電基材を導体の軸方向の一端側から見たときに、第1の圧電体が導体の手前側から奥側に向かって巻回されている方向をいう。具体的には、右方向(右巻き、即ち時計周り)又は左方向(左巻き、即ち反時計周り)をいう。
本実施形態の圧電基材は、上記構成を備えることにより、圧電感度に優れ、圧電出力の安定性にも優れる。
より詳細には、本実施形態の圧電基材では、第1の圧電体がヘリカルキラル高分子(A)を含むこと、第1の圧電体の長さ方向とヘリカルキラル高分子(A)の主配向方向とが略平行であること、及び、第1の圧電体の配向度Fが0.5以上1.0未満であることにより圧電性が発現される。
その上で、本実施形態の圧電基材は、上記第1の圧電体が、導体に対して一方向に螺旋状に巻回された構成をなす。
本実施形態の圧電基材では、第1の圧電体を上記のように配置することにより、圧電基材の長さ方向に張力(応力)が印加されたときに、ヘリカルキラル高分子(A)にずり力が加わり、圧電基材の径方向にヘリカルキラル高分子(A)の分極が生じる。その分極方向は、螺旋状に巻回された第1の圧電体を、その長さ方向に対して平面と見做せる程度の微小領域の集合体とみなした場合、その構成する微小領域の平面に、張力(応力)に起因したずり力がヘリカルキラル高分子に印加された場合、圧電応力定数d14に起因して発生する電界の方向と略一致する。
具体的には、例えばポリ乳酸においては、分子構造が左巻き螺旋構造からなるL−乳酸のホモポリマー(PLLA)の場合、PLLAの主配向方向と長さ方向が略平行な第1の圧電体を、導体に対して、左巻きに螺旋状に巻回した構造体に、張力(応力)が印加されると、径方向に平行に、張力と垂直な円状断面の円の中心から外側方向への電界(分極)が発生する。また、これとは逆にPLLAの主配向方向と長さ方向が略平行な第1の圧電体を、導体に対して、右巻きに螺旋状に巻回した構造体に、張力(応力)が印加された場合、径方向に平行に、張力と垂直な円状断面の円の外側から中心方向への電界(分極)が発生する。
また、例えば分子構造が右巻き螺旋構造からなるD−乳酸のホモポリマー(PDLA)の場合、PDLAの主配向方向と長さ方向が略平行な第1の圧電体を、導体に対して、左巻きに螺旋状に巻回した構造体に、張力(応力)が印加されると、径方向に平行に、張力と垂直な円状断面の円の外側から中心方向への電界(分極)が発生する。また、これとは逆にPDLAの主配向方向と長さ方向が略平行な第1の圧電体を、導体に対して、右巻きに螺旋状に巻回した構造体に、張力(応力)が印加されると、径方向に平行に、張力と垂直な円状断面の円の中心から外側方向への電界(分極)が発生する。
これにより、圧電基材の長さ方向に張力が印加された際、螺旋状に配置された第1の圧電体の各部位において、張力に比例した電位差が位相の揃った状態で発生するため、効果的に張力に比例した電圧信号が検出されると考えられる。
従って、本実施形態の圧電基材によれば、圧電感度に優れ、圧電出力の安定性にも優れた圧電基材が得られる。
特に、ヘリカルキラル高分子(A)として、非焦電性のポリ乳酸系高分子を用いた圧電基材は、焦電性のPVDFを用いた圧電基材に比べ、圧電感度の安定性、及び圧電出力の安定性(経時又は温度変化に対する安定性)がより向上する。
また、特開2008−146528号公報に記載の圧電性繊維を備える圧電単位では、導電性繊維に対する圧電性繊維の巻回方向が限定されていない上、ずり力を構成する力の起点も力の方向も、本実施形態の圧電基材とは異なる。このため、特開2008−146528号公報に記載の圧電単位に張力を印加しても、圧電単位の径方向に分極が生じないため、即ち、圧電応力定数d14に起因して発生する電界の方向に分極が生じないため、圧電感度が不足すると考えられる。
ここで、第1の圧電体の長さ方向と、ヘリカルキラル高分子(A)の主配向方向と、が略平行であることは、第1の圧電体が長さ方向への引張に強い(即ち、長さ方向の引張強度に優れる)という利点を有する。従って、第1の圧電体を、導体に対して一方向に螺旋状に巻回しても破断しにくくなる。
更に、第1の圧電体の長さ方向と、ヘリカルキラル高分子(A)の主配向方向と、が略平行であることは、例えば、延伸された圧電フィルムをスリットして第1の圧電体(例えばスリットリボン)を得る際の生産性の面でも有利である。
本明細書中において、「略平行」とは、2つの線分のなす角度が、0°以上30°未満(好ましくは0°以上22.5°以下、より好ましくは0°以上10°以下、更に好ましくは0°以上5°以下、特に好ましくは0°以上3°以下)であることを指す。
また、本明細書中において、ヘリカルキラル高分子(A)の主配向方向とは、ヘリカルキラル高分子(A)の主たる配向方向を意味する。ヘリカルキラル高分子(A)の主配向方向は、第1の圧電体の配向度Fを測定することによって確認できる。
また、原料を溶融紡糸した後にこれを延伸して、第1の圧電体を製造する場合、製造された第1の圧電体におけるヘリカルキラル高分子(A)の主配向方向は、主延伸方向を意味する。主延伸方向とは、延伸方向を指す。
同様に、フィルムの延伸及び延伸されたフィルムのスリットを形成して第1の圧電体を製造する場合、製造された第1の圧電体におけるヘリカルキラル高分子(A)の主配向方向は、主延伸方向を意味する。ここで、主延伸方向とは、一軸延伸の場合には延伸方向を指し、二軸延伸の場合には、延伸倍率が高い方の延伸方向を指す。
以下、本開示に係る圧電基材の第1の実施形態について詳細に説明する。
〔第1の実施形態の圧電基材〕
第1の実施形態の圧電基材は、長尺状の導体が内部導体であり、長尺状の第1の圧電体が、内部導体の外周面に沿って一方向に螺旋状に巻回されていることが好ましい。
導体として、内部導体を用いることにより、内部導体の軸方向に対して、第1の圧電体が螺旋角度βを保持して一方向に螺旋状に配置されやすくなる。
ここで、「螺旋角度β」とは、導体の軸方向と、導体の軸方向に対して第1の圧電体が配置される方向(第1の圧電体の長さ方向)とがなす角度を意味する。
これにより、例えば、圧電基材の長さ方向に張力が印加されたときに、ヘリカルキラル高分子(A)の分極が、圧電基材の径方向に発生しやすくなる。この結果、電気的特性として効果的に張力に比例した電圧信号(電荷信号)が検出される。
さらに、上記構成の圧電基材は、同軸ケーブルに備えられる内部構造(内部導体及び誘電体)と同一の構造となるため、例えば、上記圧電基材を同軸ケーブルに適用した場合、電磁シールド性が高く、ノイズに強い構造となり得る。
第1の実施形態の圧電基材は、さらに、前記一方向とは異なる方向に螺旋状に巻回された長尺状の第2の圧電体を備えることが好ましい。
さらに、第2の圧電体が、光学活性を有するヘリカルキラル高分子(A)を含み、
第2の圧電体の長さ方向と、第2の圧電体に含まれるヘリカルキラル高分子(A)の主配向方向と、が略平行であり、
X線回折測定から前記式(a)によって求められる第2の圧電体の配向度Fが0.5以上1.0未満の範囲であり、
第1の圧電体に含まれるヘリカルキラル高分子(A)のキラリティと、第2の圧電体に含まれるヘリカルキラル高分子(A)のキラリティと、が互いに異なることが好ましい。
これにより、例えば、圧電基材の長さ方向に張力が印加されたときに、第1の圧電体に含まれるヘリカルキラル高分子(A)、及び第2の圧電体に含まれるヘリカルキラル高分子(A)の両方に分極が生じる。分極方向はいずれも圧電基材の径方向である。
この結果、より効果的に張力に比例した電圧信号(電荷信号)が検出される。従って、圧電感度、及び圧電出力の安定性がより向上する。
特に、第1の実施形態の圧電基材が、第1の外部導体を備え、かつ圧電体が第1の圧電体及び第2の圧電体を備える二層構造をなす場合、内部導体や第1の外部導体に対して、第1の圧電体及び第2の圧電体の空隙が少なく密着させることが可能となり、張力によって発生した電界が効率よく電極に伝達されやすい。従って、より高感度なセンサを実現するのに好適な形態である。
第1の実施形態の圧電基材は、圧電感度、及び圧電出力の安定性を向上する観点から、さらに、内部導体の外周面に沿って螺旋状に巻回された第1の絶縁体を備え、
第1の絶縁体が、第1の圧電体から見て、内部導体とは反対側に配置されていることが好ましい。
例えば、第1の実施形態の圧電基材が第1の外部導体を備える場合には、圧電基材を繰り返し屈曲したり、小さい曲率半径で屈曲させると、巻回した第1の圧電体に隙間ができやすく、内部導体と第1の外部導体とが電気的に短絡する可能性がある。その場合、第1の絶縁体を配置することにより、内部導体と第1の外部導体を電気的により確実に遮蔽することが可能となる。また、屈曲して使用される用途においても高い信頼性を確保することが可能となる。
第1の実施形態の圧電基材は、さらに、一方向とは異なる方向に巻回された長尺状の第2の圧電体を備え、
第2の圧電体が、光学活性を有するヘリカルキラル高分子(A)を含み、
第2の圧電体の長さ方向と、第2の圧電体に含まれるヘリカルキラル高分子(A)の主配向方向と、が略平行であり、
X線回折測定から前記式(a)によって求められる第2の圧電体の配向度Fが0.5以上1.0未満の範囲であり、
第1の圧電体と第2の圧電体とは交互に交差された組紐構造をなし、
第1の圧電体に含まれるヘリカルキラル高分子(A)のキラリティと、第2の圧電体に含まれるヘリカルキラル高分子(A)のキラリティと、が互いに異なることが好ましい。
これにより、例えば、圧電基材の長さ方向に張力が印加されたときに、第1の圧電体に含まれるヘリカルキラル高分子(A)、及び第2の圧電体に含まれるヘリカルキラル高分子(A)の両方に分極が生じる。分極方向はいずれも圧電基材の径方向である。
これにより、より効果的に張力に比例した電圧信号が検出される。この結果、圧電感度、及び圧電出力の安定性がより向上する。
特に、第1の実施形態の圧電基材が、第1の外部導体を備え、かつ圧電体が第1の圧電体及び第2の圧電体を備える組紐構造をなす場合、第1の圧電体及び第2の圧電体間に適度な空隙があるため、圧電基材が屈曲変形させるような力が働いた際にも、空隙が変形を吸収し、しなやかに屈曲変形し易くなる。そのため、第1の実施形態の圧電基材は3次元平面に沿わすような、例えばウェアラブル製品の一構成部材として好適に使用できる。
第1の実施形態の圧電基材は、圧電感度、及び圧電出力の安定性を向上する観点から、さらに、内部導体の外周面に沿って巻回された第1の絶縁体を備え、
第1の圧電体と第1の絶縁体とは交互に交差された組紐構造をなすことが好ましい。
これにより、圧電基材の屈曲変形時において、第1の圧電体が内部導体に対して一方向に巻回した状態が保持されやすくなる。この態様の組紐構造においては、第1の圧電体に張力がかかりやすくなる観点から、第1の圧電体と第1の絶縁体との隙間が無い方が好ましい。
第1の実施形態の圧電基材において、圧電感度、及び圧電出力の安定性を向上する観点から、第1の圧電体は、内部導体の軸方向に対して、15°〜75°(45°±30°)の角度を保持して巻回されていることが好ましく、35°〜55°(45°±10°)の角度を保持して巻回されていることがより好ましい。
第1の実施形態の圧電基材において、圧電感度、及び圧電出力の安定性を向上する観点から、第1の圧電体は、単数又は複数の束からなる繊維形状を有し、第1の圧電体の断面の長軸径は、0.0001mm〜10mmであることが好ましく、0.001mm〜5mmであることがより好ましく、0.002mm〜1mmであることが更に好ましい。
ここで、「断面の長軸径」は、第1の圧電体(好ましくは繊維状圧電体)の断面が円形状である場合、「直径」に相当する。
第1の圧電体の断面が異形状である場合、「断面の長軸径」とは、断面の幅の中で、最も長い幅とする。
第1の圧電体が複数の束からなる圧電体の場合、「断面の長軸径」とは、複数の束からなる圧電体の断面の長軸径とする。
本実施形態の圧電基材(例えば、第1の実施形態の圧電基材)において、圧電感度、及び圧電出力の安定性を向上する観点から、第1の圧電体は長尺平板形状を有することが好ましい。第1の圧電体の厚さは0.001mm〜0.2mmであり、第1の圧電体の幅は0.1mm〜30mmであり、第1の圧電体の厚さに対する第1の圧電体の幅の比は2以上である。
以下、長尺平板形状を有する第1の圧電体(以下、「長尺平板状圧電体」ともいう)の寸法(厚さ、幅、比(幅/厚さ、長さ/幅))に関し、より詳細に説明する。
第1の圧電体の厚さは0.001mm〜0.2mmであることが好ましい。
厚さが0.001mm以上であることにより、長尺平板状圧電体の強度が確保される。更に、長尺平板状圧電体の製造適性にも優れる。
一方、厚さが0.2mm以下であることにより、長尺平板状圧電体の厚さ方向の変形の自由度(柔軟性)が向上する。
また、第1の圧電体の幅は0.1mm〜30mmであることが好ましい。
幅が0.1mm以上であることにより、第1の圧電体(長尺平板状圧電体)の強度が確保される。更に、長尺平板状圧電体の製造適性(例えば、後述するスリット工程における製造適性)にも優れる。
一方、幅が30mm以下であることにより、長尺平板状圧電体の変形の自由度(柔軟性)が向上する。
また、第1の圧電体の厚さに対する第1の圧電体の幅の比(以下、「比〔幅/厚さ〕」ともいう)は2以上であることが好ましい。
比〔幅/厚さ〕が2以上であることにより、主面が明確となるので、第1の圧電体(長尺平板状圧電体)の長さ方向に渡って向きを揃えて電極層(例えば外部導体)を形成し易い。例えば、主面の少なくとも一方に外部導体を形成し易い。このため、圧電感度に優れ、また、圧電感度の安定性にも優れる。
第1の圧電体の幅は、0.5mm〜15mmであることがより好ましい。
幅が0.5mm以上であると、第1の圧電体(長尺平板状圧電体)の強度がより向上する。更に、長尺平板状圧電体のねじれをより抑制できるので、圧電感度及びその安定性がより向上する。
幅が15mm以下であると、長尺平板状圧電体の変形の自由度(柔軟性)がより向上する。
第1の圧電体は、幅に対する長さの比(以下、比〔長さ/幅〕ともいう)が、10以上であることが好ましい。
比〔長さ/幅〕が10以上であると、第1の圧電体(長尺平板状圧電体)の変形の自由度(柔軟性)がより向上する。更に、長尺平板状圧電体が適用される圧電デバイス(圧電織物、圧電編物等)において、より広範囲に渡り、圧電性を付与できる。
本実施形態の圧電基材において、第1の圧電体が長尺平板形状を有する場合、圧電感度、及び圧電出力の安定性を向上する観点から、第1の圧電体の少なくとも一方の主面の側に機能層が配置されていることが好ましい。
前記機能層は、易接着層、ハードコート層、帯電防止層、アンチブロック層、保護層、及び電極層のうちの少なくとも一つを含むことが好ましい。
これにより、例えば、圧電デバイス(圧電織物、圧電編物等)、力センサ、アクチュエータ、生体情報取得デバイスへの適用がより容易になる。
前記機能層は、電極層を含むことが好ましい。
これにより、圧電基材を、例えば、圧電デバイス(圧電織物、圧電編物等)、力センサ、アクチュエータ、生体情報取得デバイスの構成要素の一つとして用いた場合に、第1の外部導体と導体(好ましくは内部導体)との接続をより簡易に行うことができるので、本実施形態の圧電基材に張力が印加されたときに、張力に応じた電圧信号が検出されやすくなる。
本実施形態の圧電基材において、第1の圧電体と、前記機能層と、を含む積層体の表面層の少なくとも一方は、電極層であることが好ましい。
これにより、圧電基材を、例えば、圧電デバイス(圧電織物、圧電編物等)、力センサ、アクチュエータ、生体情報取得デバイスの構成要素の一つとして用いた場合に、第1の外部導体又は導体(好ましくは内部導体)と、積層体との接続をより簡易に行うことができるので、本実施形態の圧電基材に張力が印加されたときに、張力に応じた電圧信号が検出されやすくなる。
本実施形態の圧電基材は、導体が錦糸線であることが好ましい。
錦糸線の形態は、繊維に対して、圧延銅箔がらせん状に巻回された構造を有するが、電気伝導度の高い銅が用いられていることにより出力インピーダンスを低下することが可能となる。従って、本実施形態の圧電基材に張力が印加されたときに、張力に応じた電圧信号が、検出されやすくなる。この結果、圧電感度、及び圧電出力の安定性がより向上する。
本実施形態の圧電基材は、導体及び第1の圧電体の間に接着層を備えることが好ましい。
これにより、導体と第1の圧電体との相対位置がずれにくくなるため、第1の圧電体に張力がかかりやすくなり、第1の圧電体に含まれるヘリカルキラル高分子(A)にずり応力が印加されやすくなる。従って、効果的に張力に比例した電圧出力を導体(好ましくは信号線導体)から検出することが可能となる。また、接着層を備えることで、単位引張力当たりの発生電荷量の絶対値がより増加する。
本実施形態の圧電基材において、第1の圧電体に含まれるヘリカルキラル高分子(A)は、圧電性をより向上させる観点から、下記式(1)で表される繰り返し単位を含む主鎖を有するポリ乳酸系高分子であることが好ましい。
Figure 2020059573

本実施形態の圧電基材において、第1の圧電体に含まれるヘリカルキラル高分子(A)は、圧電性をより向上させる観点から、光学純度が95.00%ee以上であることが好ましい。
本実施形態の圧電基材において、第1の圧電体に含まれるヘリカルキラル高分子(A)は、圧電性をより向上させる観点から、D体又はL体からなることが好ましい。
本実施形態の圧電基材において、第1の圧電体に含まれるヘリカルキラル高分子(A)の含有量は、圧電性をより向上させる観点から、第1の圧電体の全量に対し、80質量%以上であることが好ましい。
本実施形態の圧電基材において、さらに、外周に第1の外部導体を備えることが好ましい。
ここで、「外周」とは、圧電基材の外周部分を意味する。
これにより、静電シールドすることが可能となり、外部の静電気の影響による、導体(好ましくは内部導体)の電圧変化が抑制される。
本実施形態の圧電基材において、さらに、前記第1の外部導体の外周に第2の絶縁体を備えることが好ましい。
本実施形態の圧電基材が第2の絶縁体を備えることにより、外部からの水や汗等の液体の浸入、ほこりの浸入等を抑制できる。そのため、水、汗、ほこりなどに起因する導体(好ましくは内部導体)と外部導体間の漏れ電流の発生を抑制することが可能となる。その結果、圧電基材を、例えば、圧電デバイス(圧電織物、圧電編物等)、力センサ、アクチュエータ、生体情報取得デバイスの構成要素の一つとして用いた場合に、様々な環境の変動に対しても頑強な、感度が変動しにくい、安定な出力を可能にする。
以下、第1の実施形態に係る圧電基材の具体的態様Aについて、図面を参照しながら説明する。
〔具体的態様A〕
図6Aは、第1の実施形態に係る圧電基材の具体的態様Aを示す側面図である。図6Bは、図6AのX−X’線断面図である。
具体的態様Aの圧電基材12は、導体としての長尺状の内部導体16Aと、長尺状の第1の圧電体18Aと、内部導体16Aと第1の圧電体18Aとの間に配置された接着層(不図示)と、を備えている。
図6Aに示すように、第1の圧電体18Aは、内部導体16Aの外周面に沿って、螺旋角度β1で一端から他端にかけて、隙間がないように一方向に螺旋状に巻回されている。
「螺旋角度β1」とは、内部導体16Aの軸方向G1と、内部導体16Aの軸方向に対する第1の圧電体18Aの配置方向とがなす角度を意味する。
また、具体的態様Aでは、第1の圧電体18Aは、内部導体16Aに対して左巻きで巻回している。具体的には、圧電基材12を内部導体16Aの軸方向の一端側(図6Aの場合、右端側)から見たときに、第1の圧電体18Aは、内部導体16Aの手前側から奥側に向かって左巻きで巻回している。
また、図6A中、第1の圧電体18Aに含まれるヘリカルキラル高分子(A)の主配向方向は、両矢印E1で示されている。即ち、ヘリカルキラル高分子(A)の主配向方向と、第1の圧電体18Aの配置方向(第1の圧電体18Aの長さ方向)とは、略平行となっている。
さらに、内部導体16Aと第1の圧電体18Aとの間には、接着層(不図示)が配置されている。これにより、具体的態様Aの圧電基材12では、圧電基材12の長さ方向に張力が印加されても、第1の圧電体18Aと内部導体16Aとの相対位置がずれないように構成されている。
以下、具体的態様Aの圧電基材12の作用について説明する。
例えば、圧電基材12の長さ方向に張力が印加されると、第1の圧電体18Aに含まれるヘリカルキラル高分子(A)にずり力が加わり、ヘリカルキラル高分子(A)は分極する。このヘリカルキラル高分子(A)の分極は、図6B中、矢印で示されるように、圧電基材12の径方向に生じ、その分極方向は位相が揃えられて生じると考えられる。これにより、効果的に張力に比例した電圧信号が検出される。
さらに、具体的態様Aの圧電基材12では、内部導体16Aと第1の圧電体18Aとの間に接着層が配置されているため、第1の圧電体18Aに張力がより印加されやすくなっている。
以上のことから、具体的態様Aの圧電基材12によれば、圧電感度に優れ、圧電出力の安定性が優れたものとなる。
次に、第1の実施形態に係る圧電基材の具体的態様Bについて、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明では、具体的態様Aと同一のものには同一符号を付し、重複する説明は省略する。
〔具体的態様B〕
図7は、第1の実施形態に係る圧電基材の具体的態様Bを示す側面図である。
具体的態様Bの圧電基材12Aは、長尺状の第2の圧電体18Bを備えている点が第1の態様の圧電基材12と異なる。
なお、第1の圧電体18Aに含まれるヘリカルキラル高分子(A)のキラリティと、第2の圧電体18Bに含まれるヘリカルキラル高分子(A)のキラリティとは、互いに異なっている。
第1の圧電体18Aは、具体的態様Aと同様に、内部導体16Aの外周面に沿って、螺旋角度β1で一端から他端にかけて、隙間がないように一方向に螺旋状に巻回されている。
一方、第2の圧電体18Bは、図7に示すように、第1の圧電体18Aの外周面に沿って、螺旋角度β1と略同一角度である螺旋角度β2で第1の圧電体18Aの巻回方向とは逆の方向で螺旋状に巻回されている。
「螺旋角度β2」とは、前述の螺旋角度β1と同義である。
ここで、具体的態様Bにおける「第1の圧電体18Aの巻回方向と逆の方向」とは、右巻きのことである。即ち、圧電基材12Aを内部導体16Aの軸方向G2の一端側(図7の場合、右端側)から見たときに、第2の圧電体18Bは、内部導体16Aの手前側から奥側に向かって右巻きで巻回している。
また、図7中、第2の圧電体18Bに含まれるヘリカルキラル高分子(A)の主配向方向は、両矢印E2で示されている。即ち、第2の圧電体18Bに含まれるヘリカルキラル高分子(A)の主配向方向と、第2の圧電体18Bの配置方向(第2の圧電体18Bの長さ方向)とは、略平行となっている。
以下、具体的態様Bの圧電基材12Aの作用について説明する。
例えば、圧電基材12Aの長さ方向に張力が印加されると、第1の圧電体18Aに含まれるヘリカルキラル高分子(A)、及び第2の圧電体18Bに含まれるヘリカルキラル高分子(A)両方にずり応力が印加され、分極が生じる。分極方向はいずれも圧電基材12Aの径方向である。これにより、効果的に張力に比例した電圧信号が検出される
以上のことから、具体的態様Bの圧電基材12Aによれば、圧電感度、及び圧電出力の安定性がより向上する。
特に、具体的態様Bの圧電基材12Aが外部導体を備える場合には、圧電体が第1の圧電体及び第2の圧電体を備え、かつ二層構造をなすため、内部導体や外部導体に対して、第1の圧電体及び第2の圧電体の空隙が少なく密着させることが可能となり、張力によって発生した電界が効率よく電極に伝達されやすい。従って、より高感度なセンサを実現するのに好適な形態である。
次に、第1の実施形態に係る圧電基材の具体的態様Cについて、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明では、具体的態様A及び具体的態様Bと同一のものには同一符号を付し、重複する説明は省略する。
〔具体的態様C〕
図8は、第1の実施形態に係る圧電基材の具体的態様Cを示す側面図である。
具体的態様Cの圧電基材12Bは、第1の圧電体18A及び第2の圧電体18Bが交互に交差されており組紐構造をなしている点が具体的態様Bの圧電基材12Aと異なる。
なお、第1の圧電体18Aに含まれるヘリカルキラル高分子(A)のキラリティと、第2の圧電体18Bに含まれるヘリカルキラル高分子(A)のキラリティとは、互いに異なっている。
図8に示すように、具体的態様Cの圧電基材12Bでは、第1の圧電体18Aが、内部導体16Aの軸方向G3に対し、螺旋角度β1で左巻きで螺旋状に巻回され、第2の圧電体18Bが、螺旋角度β2で右巻きで螺旋状に巻回されると共に、第1の圧電体18A及び第2の圧電体が交互に交差されている。
また、図8に示す組紐構造において、第1の圧電体18Aに含まれるヘリカルキラル高分子(A)の主配向方向(両矢印E1)と、第1の圧電体18Aの配置方向とは、略平行となっている。同様に、第2の圧電体18Bに含まれるヘリカルキラル高分子(A)の主配向方向(両矢印E2)と、第2の圧電体18Bの配置方向とは、略平行となっている。
以下、具体的態様Cの圧電基材12Bの作用について説明する。
具体的態様Bと同様に、例えば、圧電基材12Bの長さ方向に張力が印加されると、第1の圧電体18Aに含まれるヘリカルキラル高分子(A)、及び第2の圧電体18Bに含まれるヘリカルキラル高分子(A)両方に分極が生じる。分極方向はいずれも圧電基材12Bの径方向である。これにより、効果的に張力に比例した電圧信号が検出される
以上のことから、具体的態様Cの圧電基材12Bによれば、圧電感度、及び圧電出力の安定性がより向上する。
特に、具体的態様Cの圧電基材12Bが外部導体を備える場合には、圧電基材12Bの長さ方向に張力が印加されたときに、組紐構造を形成する左巻きの第1の圧電体と右巻きの第2の圧電体にずり応力が印加され、その分極の方向は一致し、内部導体と外部導体の間の絶縁体(即ち、第1の圧電体及び第2の圧電体)における圧電性能に寄与する体積分率が増えるため、圧電性能がより向上する。そのため、具体的態様Cの圧電基材12Bは3次元平面に沿わすような、例えばウェアラブル製品の一構成部材として好適に使用できる。
次に、本実施形態の圧電基材に含まれる導体、第1の圧電体などについて説明する。
<導体>
本実施形態の圧電基材は、長尺状の導体を備える。
本実施形態における導体(例えば内部導体)は、信号線導体であることが好ましい。
信号線導体とは、第1の圧電体或いは第2の圧電体から効率的に電気的信号を検出するための導体をいう。具体的には、本実施形態の圧電基材に張力が印加されたときに、印加された張力に応じた電圧信号(電荷信号)を検出するための導体である。
導体としては、電気的な良導体であることが好ましく、例えば、銅線、アルミ線、SUS線、絶縁皮膜被覆された金属線、カーボンファイバー、カーボンファイバーと一体化した樹脂繊維、錦糸線、有機導電材料等を用いることが可能である。錦糸線とは、繊維に銅箔がスパイラルに巻回されたものをいう。導体の中でも、圧電感度、及び圧電出力の安定性を向上し、高い屈曲性を付与する観点から、錦糸線、カーボンファイバーが好ましい。
特に、電気的抵抗が低く、かつ屈曲性、可とう性が要求される用途(例えば衣服に内装するようなウェアラブルセンサ等の用途)においては、錦糸線を用いることが好ましい。
また、非常に高い屈曲性、しなやかさが求められる、織物や、編物などへの加工用途(例えば圧電織物、圧電編物、圧電センサ(織物状圧電センサ、編物状圧電センサ))においては、カーボンファイバーを用いることが好ましい。
また、本実施形態の圧電基材を繊維として用いて、圧電織物や圧電編物に加工する場合は、しなやかさ、高屈曲性が求められる。そのような用途においては、糸状、又は繊維状の信号線導体が好ましい。糸状、繊維状の信号線導体を備える圧電基材は、高い屈曲性を有するため、織機や編機での加工が好適である。
<第1の圧電体>
本実施形態の圧電基材は、長尺状の第1の圧電体を備える。
第1の圧電体は、光学活性を有するヘリカルキラル高分子(A)を含む圧電体である。
(ヘリカルキラル高分子(A))
本実施形態における第1の圧電体は、光学活性を有するヘリカルキラル高分子(A)を含む。
ここで、「光学活性を有するヘリカルキラル高分子」とは、分子構造が螺旋構造であり分子光学活性を有する高分子を指す。
上記ヘリカルキラル高分子(A)としては、例えば、ポリペプチド、セルロース誘導体、ポリ乳酸系高分子、ポリプロピレンオキシド、ポリ(β―ヒドロキシ酪酸)等を挙げることができる。
上記ポリペプチドとしては、例えば、ポリ(グルタル酸γ−ベンジル)、ポリ(グルタル酸γ−メチル)等が挙げられる。
上記セルロース誘導体としては、例えば、酢酸セルロース、シアノエチルセルロース等が挙げられる。
ヘリカルキラル高分子(A)は、第1の圧電体の圧電性を向上する観点から、光学純度が95.00%ee以上であることが好ましく、96.00%ee以上であることがより好ましく、99.00%ee以上であることがさらに好ましく、99.99%ee以上であることがさらにより好ましい。望ましくは100.00%eeである。ヘリカルキラル高分子(A)の光学純度を上記範囲とすることで、圧電性を発現する高分子結晶のパッキング性が高くなり、その結果、圧電性が高くなるものと考えられる。
ここで、ヘリカルキラル高分子(A)の光学純度は、下記式にて算出した値である。
光学純度(%ee)=100×|L体量−D体量|/(L体量+D体量)
即ち、ヘリカルキラル高分子(A)の光学純度は、
『「ヘリカルキラル高分子(A)のL体の量〔質量%〕とヘリカルキラル高分子(A)のD体の量〔質量%〕との量差(絶対値)」を「ヘリカルキラル高分子(A)のL体の量〔質量%〕とヘリカルキラル高分子(A)のD体の量〔質量%〕との合計量」で割った(除した)数値』に、『100』をかけた(乗じた)値である。
なお、ヘリカルキラル高分子(A)のL体の量〔質量%〕とヘリカルキラル高分子(A)のD体の量〔質量%〕は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いた方法により得られる値を用いる。具体的な測定の詳細については後述する。
上記ヘリカルキラル高分子(A)としては、光学純度を上げ、圧電性を向上させる観点から、下記式(1)で表される繰り返し単位を含む主鎖を有する高分子が好ましい。
Figure 2020059573
上記式(1)で表される繰り返し単位を主鎖とする高分子としては、ポリ乳酸系高分子が挙げられる。
ここで、ポリ乳酸系高分子とは、「ポリ乳酸(L−乳酸及びD−乳酸から選ばれるモノマー由来の繰り返し単位のみからなる高分子)」、「L−乳酸又はD−乳酸と、該L−乳酸又はD−乳酸と共重合可能な化合物とのコポリマー」、又は、両者の混合物をいう。
ポリ乳酸系高分子の中でも、ポリ乳酸が好ましく、L−乳酸のホモポリマー(PLLA、単に「L体」ともいう)又はD−乳酸のホモポリマー(PDLA、単に「D体」ともいう)が最も好ましい。
ポリ乳酸は、乳酸がエステル結合によって重合し、長く繋がった高分子である。
ポリ乳酸は、ラクチドを経由するラクチド法;溶媒中で乳酸を減圧下加熱し、水を取り除きながら重合させる直接重合法;などによって製造できることが知られている。
ポリ乳酸としては、L−乳酸のホモポリマー、D−乳酸のホモポリマー、L−乳酸及びD−乳酸の少なくとも一方の重合体を含むブロックコポリマー、及び、L−乳酸及びD−乳酸の少なくとも一方の重合体を含むグラフトコポリマーが挙げられる。
なお、ポリ乳酸のガラス転移温度は、分子量や、延伸による結晶化度の多寡によっても異なるが、50℃〜70℃程度である。
上記「L−乳酸又はD−乳酸と共重合可能な化合物」としては、グリコール酸、ジメチルグリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシプロパン酸、3−ヒドロキシプロパン酸、2−ヒドロキシ吉草酸、3−ヒドロキシ吉草酸、4−ヒドロキシ吉草酸、5−ヒドロキシ吉草酸、2−ヒドロキシカプロン酸、3−ヒドロキシカプロン酸、4−ヒドロキシカプロン酸、5−ヒドロキシカプロン酸、6−ヒドロキシカプロン酸、6−ヒドロキシメチルカプロン酸、マンデル酸等のヒドロキシカルボン酸;グリコリド、β−メチル−δ−バレロラクトン、γ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン等の環状エステル;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、テレフタル酸等の多価カルボン酸及びこれらの無水物;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、テトラメチレングリコール、1,4−ヘキサンジメタノール等の多価アルコール;セルロース等の多糖類;α−アミノ酸等のアミノカルボン酸;等を挙げることができる。
上記「L−乳酸又はD−乳酸と、該L−乳酸又はD−乳酸と共重合可能な化合物とのコポリマー」としては、らせん結晶を生成可能なポリ乳酸シーケンスを有する、ブロックコポリマー又はグラフトコポリマーが挙げられる。
また、ヘリカルキラル高分子(A)中におけるコポリマー成分に由来する構造の濃度は20mol%以下であることが好ましい。
例えば、ヘリカルキラル高分子(A)が、ポリ乳酸系高分子である場合、ポリ乳酸系高分子中における、乳酸に由来する構造と、乳酸と共重合可能な化合物(コポリマー成分)に由来する構造と、のモル数の合計に対して、コポリマー成分に由来する構造の濃度が20mol%以下であることが好ましい。
ポリ乳酸系高分子は、例えば、特開昭59−096123号公報、及び特開平7−033861号公報に記載されている乳酸を直接脱水縮合して得る方法;米国特許2,668,182号及び4,057,357号等に記載されている乳酸の環状二量体であるラクチドを用いて開環重合させる方法;などにより製造することができる。
さらに、上記各製造方法により得られたポリ乳酸系高分子は、光学純度を95.00%ee以上とするために、例えば、ポリ乳酸をラクチド法で製造する場合、晶析操作により光学純度を95.00%ee以上の光学純度に向上させたラクチドを、重合することが好ましい。
−重量平均分子量−
ヘリカルキラル高分子(A)の重量平均分子量(Mw)は、5万〜100万であることが好ましい。
ヘリカルキラル高分子(A)のMwが5万以上であることにより、第1の圧電体の機械的強度が向上する。上記Mwは、10万以上であることが好ましく、20万以上であることがさらに好ましい。
一方、ヘリカルキラル高分子(A)のMwが100万以下であることにより、成形(例えば押出成形、溶融紡糸)によって第1の圧電体を得る際の成形性が向上する。上記Mwは、80万以下であることが好ましく、30万以下であることがさらに好ましい。
また、ヘリカルキラル高分子(A)の分子量分布(Mw/Mn)は、第1の圧電体の強度の観点から、1.1〜5であることが好ましく、1.2〜4であることがより好ましい。さらに1.4〜3であることが好ましい。
なお、ヘリカルキラル高分子(A)の重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)は、ゲル浸透クロマトグラフ(GPC)を用いて測定された値を指す。ここで、Mnは、ヘリカルキラル高分子(A)の数平均分子量である。
以下、GPCによるヘリカルキラル高分子(A)のMw及びMw/Mnの測定方法の一例を示す。
−GPC測定装置−
Waters社製GPC−100
−カラム−
昭和電工社製、Shodex LF−804
−サンプルの調製−
第1の圧電体を40℃で溶媒(例えば、クロロホルム)へ溶解させ、濃度1mg/mlのサンプル溶液を準備する。
−測定条件−
サンプル溶液0.1mlを溶媒〔クロロホルム〕、温度40℃、1ml/分の流速でカラムに導入する。
カラムで分離されたサンプル溶液中のサンプル濃度を示差屈折計で測定する。
ポリスチレン標準試料にてユニバーサル検量線を作成し、ヘリカルキラル高分子(A)の重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)を算出する。
ヘリカルキラル高分子(A)の例であるポリ乳酸系高分子としては、市販のポリ乳酸を用いることができる。
市販品としては、例えば、PURAC社製のPURASORB(PD、PL)、三井化学社製のLACEA(H−100、H−400)、NatureWorks LLC社製のIngeoTM biopolymer、等が挙げられる。
ヘリカルキラル高分子(A)としてポリ乳酸系高分子を用いるときに、ポリ乳酸系高分子の重量平均分子量(Mw)を5万以上とするためには、ラクチド法、又は直接重合法によりポリ乳酸系高分子を製造することが好ましい。
本実施形態における第1の圧電体は、上述したヘリカルキラル高分子(A)を、1種のみ含有していてもよいし、2種以上含有していてもよい。
本実施形態における第1の圧電体中におけるヘリカルキラル高分子(A)の含有量(2種以上である場合には総含有量)は、第1の圧電体の全量に対し、80質量%以上が好ましい。
<安定化剤>
第1の圧電体は、更に、一分子中に、カルボジイミド基、エポキシ基、及びイソシアネート基からなる群より選ばれる1種類以上の官能基を有する重量平均分子量が200〜60000の安定化剤(B)を含有することが好ましい。これにより、耐湿熱性をより向上させることができる。
安定化剤(B)としては、国際公開第2013/054918号の段落0039〜0055に記載された「安定化剤(B)」を用いることができる。
安定化剤(B)として用い得る、一分子中にカルボジイミド基を含む化合物(カルボジイミド化合物)としては、モノカルボジイミド化合物、ポリカルボジイミド化合物、環状カルボジイミド化合物が挙げられる。
モノカルボジイミド化合物としては、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ビス−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミド、等が好適である。
また、ポリカルボジイミド化合物としては、種々の方法で製造したものを使用することができる。従来のポリカルボジイミドの製造方法(例えば、米国特許第2941956号明細書、特公昭47−33279号公報、J.0rg.Chem.28,2069−2075(1963)、Chemical Review 1981,Vol.81 No.4、p619−621)により、製造されたものを用いることができる。具体的には特許4084953号公報に記載のカルボジイミド化合物を用いることもできる。
ポリカルボジイミド化合物としては、ポリ(4,4’−ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド)、ポリ(N,N’−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミド)、ポリ(1,3,5−トリイソプロピルフェニレン−2,4−カルボジイミド、等が挙げられる。
環状カルボジイミド化合物は、特開2011−256337号公報に記載の方法などに基づいて合成することができる。
カルボジイミド化合物としては、市販品を用いてもよく、例えば、東京化成社製、B2756(商品名)、日清紡ケミカル社製、カルボジライトLA−1(商品名)、ラインケミー社製、Stabaxol P、Stabaxol P400、Stabaxol I(いずれも商品名)等が挙げられる。
安定化剤(B)として用い得る、一分子中にイソシアネート基を含む化合物(イソシアネート化合物)としては、イソシアン酸3−(トリエトキシシリル)プロピル、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、等が挙げられる。
安定化剤(B)として用い得る、一分子中にエポキシ基を含む化合物(エポキシ化合物)としては、フェニルグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールA−ジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールA−ジグリシジルエーテル、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ化ポリブタジエン等が挙げられる。
安定化剤(B)の重量平均分子量は、上述のとおり200〜60000であるが、200〜30000がより好ましく、300〜18000がさらに好ましい。
分子量が上記範囲内ならば、安定化剤(B)がより移動しやすくなり、耐湿熱性改良効果がより効果的に奏される。
安定化剤(B)の重量平均分子量は、200〜900であることが特に好ましい。なお、重量平均分子量200〜900は、数平均分子量200〜900とほぼ一致する。また、重量平均分子量200〜900の場合、分子量分布が1.0である場合があり、この場合には、「重量平均分子量200〜900」を、単に「分子量200〜900」と言い換えることもできる。
第1の圧電体が安定化剤(B)を含有する場合、上記第1の圧電体は、安定化剤を1種のみ含有してもよいし、2種以上含有してもよい。
第1の圧電体が安定化剤(B)を含む場合、安定化剤(B)の含有量は、ヘリカルキラル高分子(A)100質量部に対し、0.01質量部〜10質量部であることが好ましく、0.01質量部〜5質量部であることがより好ましく、0.1質量部〜3質量部であることがさらに好ましく、0.5質量部〜2質量部であることが特に好ましい。
上記含有量が0.01質量部以上であると、耐湿熱性がより向上する。
また、上記含有量が10質量部以下であると、透明性の低下がより抑制される。
安定化剤(B)の好ましい態様としては、カルボジイミド基、エポキシ基、及びイソシアネート基からなる群より選ばれる1種類以上の官能基を有し、且つ、数平均分子量が200〜900の安定化剤(B1)と、カルボジイミド基、エポキシ基、及びイソシアネート基からなる群より選ばれる1種類以上の官能基を1分子内に2以上有し、且つ、重量平均分子量が1000〜60000の安定化剤(B2)とを併用するという態様が挙げられる。なお、数平均分子量が200〜900の安定化剤(B1)の重量平均分子量は、大凡200〜900であり、安定化剤(B1)の数平均分子量と重量平均分子量とはほぼ同じ値となる。
安定化剤として安定化剤(B1)と安定化剤(B2)とを併用する場合、安定化剤(B1)を多く含むことが透明性向上の観点から好ましい。
具体的には、安定化剤(B1)100質量部に対して、安定化剤(B2)が10質量部〜150質量部の範囲であることが、透明性と耐湿熱性の両立という観点から好ましく、50質量部〜100質量部の範囲であることがより好ましい。
以下、安定化剤(B)の具体例(安定化剤B−1〜B−3)を示す。
Figure 2020059573
以下、上記安定化剤B−1〜B−3について、化合物名、市販品等を示す。
・安定化剤B−1 … 化合物名は、ビス−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミドである。重量平均分子量(この例では、単なる「分子量」に等しい)は、363である。市販品としては、ラインケミー社製「Stabaxol I」、東京化成社製「B2756」が挙げられる。
・安定化剤B−2 … 化合物名は、ポリ(4,4’−ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド)である。市販品としては、重量平均分子量約2000のものとして、日清紡ケミカル社製「カルボジライトLA−1」が挙げられる。
・安定化剤B−3 … 化合物名は、ポリ(1,3,5−トリイソプロピルフェニレン−2,4−カルボジイミド)である。市販品としては、重量平均分子量約3000のものとして、ラインケミー社製「Stabaxol P」が挙げられる。また、重量平均分子量20000のものとして、ラインケミー社製「Stabaxol P400」が挙げられる。
<その他の成分>
第1の圧電体は、必要に応じ、その他の成分を含有してもよい。
その他の成分としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂等の公知の樹脂;シリカ、ヒドロキシアパタイト、モンモリロナイト等の公知の無機フィラー;フタロシアニン等の公知の結晶核剤;安定化剤(B)以外の安定化剤;等が挙げられる。
無機フィラー及び結晶核剤としては、国際公開第2013/054918号の段落0057〜0058に記載された成分を挙げることもできる。
(配向度F)
本実施形態における第1の圧電体の配向度Fは、上述したとおり、0.5以上1.0未満であるが、0.7以上1.0未満であることが好ましく、0.8以上1.0未満であることがより好ましい。
第1の圧電体の配向度Fが0.5以上であれば、延伸方向に配列するヘリカルキラル高分子(A)の分子鎖(例えばポリ乳酸分子鎖)が多く、その結果、配向結晶の生成する率が高くなり、より高い圧電性を発現することが可能となる。
第1の圧電体の配向度Fが1.0未満であれば、縦裂強度が更に向上する。
(結晶化度)
本実施形態における第1の圧電体の結晶化度は、上述のX線回折測定(広角X線回折測定)によって測定される値である。
本実施形態における第1の圧電体の結晶化度は、好ましくは20%〜80%であり、より好ましくは25%〜70%であり、更に好ましくは30%〜60%である。
結晶化度が20%以上であることにより、圧電性が高く維持される。結晶化度が80%以下であることにより、第1の圧電体の透明性が高く維持される。
結晶化度が80%以下であることにより、例えば、第1の圧電体の原料となる圧電フィルムを延伸によって製造する際に白化や破断がおきにくいので、第1の圧電体を製造しやすい。また、結晶化度が80%以下であることにより、例えば、第1の圧電体の原料(例えばポリ乳酸)を溶融紡糸後に延伸によって製造する際に屈曲性が高く、しなやかな性質を有する繊維となり、第1の圧電体を製造しやすい。
(透明性(内部ヘイズ))
本実施形態における第1の圧電体において、透明性は特に要求されないが、透明性を有していてももちろん構わない。
第1の圧電体の透明性は、内部ヘイズを測定することにより評価することができる。ここで、第1の圧電体の内部ヘイズとは、第1の圧電体の外表面の形状によるヘイズを除外したヘイズを指す。
第1の圧電体は、透明性が要求される場合には、可視光線に対する内部ヘイズが5%以下であることが好ましく、透明性及び縦裂強度をより向上させる観点からは、2.0%以下がより好ましく、1.0%以下が更に好ましい。第1の圧電体の前記内部ヘイズの下限値は特に限定はないが、下限値としては、例えば0.01%が挙げられる。
第1の圧電体の内部ヘイズは、厚さ0.03mm〜0.05mmの第1の圧電体に対して、JIS−K7105に準拠して、ヘイズ測定機〔(有)東京電色社製、TC−HIII DPK〕を用いて25℃で測定したときの値である。
以下、第1の圧電体の内部ヘイズの測定方法の例を示す。
まず、ガラス板2枚の間に、シリコーンオイル(信越化学工業株式会社製信越シリコーン(商標)、型番:KF96−100CS)のみを挟んだサンプル1を準備し、このサンプル1の厚さ方向のヘイズ(以下、ヘイズ(H2)とする)を測定する。
次に、上記のガラス板2枚の間に、シリコーンオイルで表面を均一に塗らした複数の第1の圧電体を隙間なく並べて挟んだサンプル2を準備し、このサンプル2の厚さ方向のヘイズ(以下、ヘイズ(H3)とする)を測定する。
次に、下記式のようにこれらの差をとることにより、第1の圧電体の内部ヘイズ(H1)を得る。
内部ヘイズ(H1)=ヘイズ(H3)−ヘイズ(H2)
ここで、ヘイズ(H2)及びヘイズ(H3)の測定は、それぞれ、下記測定条件下で下記装置を用いて行う。
測定装置:東京電色社製、HAZE METER TC−HIIIDPK
試料サイズ:幅30mm×長さ30mm
測定条件:JIS−K7105に準拠
測定温度:室温(25℃)
(第1の圧電体の形状、寸法)
本実施形態の圧電基材は、長尺状の第1の圧電体を備える。
長尺状の第1の圧電体としては、単数若しくは複数の束からなる繊維形状(糸形状)を有する圧電体、又は長尺平板形状を有する圧電体であることが好ましい。
以下、繊維形状を有する圧電体(以下、繊維状圧電体ともいう)、長尺平板形状を有する圧電体(以下、長尺平板状圧電体ともいう)について順に説明する。
−繊維状圧電体−
繊維状圧電体としては、例えば、モノフィラメント糸、マルチフィラメント糸が挙げられる。
・モノフィラメント糸
モノフィラメント糸の単糸繊度は、好ましくは3dtex〜30dtexであり、より好ましくは5dtex〜20dtexである。
単糸繊度が3dtex未満になると、織物準備工程や製織工程において糸を取り扱うことが困難となる。一方、単糸繊度が30dtexを超えると、糸間で融着が発生し易くなる。
モノフィラメント糸は、コストの点を考慮すれば直接的に紡糸、延伸して得ることが好ましい。なお、モノフィラメント糸は入手したものであってもよい。
・マルチフィラメント糸
マルチフィラメント糸の総繊度は、好ましくは30dtex〜600dtexであり、より好ましくは100dtex〜400dtexである。
マルチフィラメント糸は、例えば、スピンドロー糸などの一工程糸の他、UDY(未延伸糸)やPOY(高配向未延伸糸)などを延伸して得る二工程糸のいずれもが採用可能である。なお、マルチフィラメント糸は入手したものであってもよい。
ポリ乳酸系モノフィラメント糸、ポリ乳酸系マルチフィラメント糸の市販品としては、東レ製のエコディア(R)PLA、ユニチカ製のテラマック(R)、クラレ製プラスターチ(R)が使用可能である。
繊維状圧電体の製造方法には特に限定はなく、公知の方法により製造することができる。
例えば、第1の圧電体としてのフィラメント糸(モノフィラメント糸、マルチフィラメント糸)は、原料(例えばポリ乳酸)を溶融紡糸した後、これを延伸することにより得ることができる(溶融紡糸延伸法)。なお、紡出後において、冷却固化するまでの糸条近傍の雰囲気温度を一定温度範囲に保つことが好ましい。
また、第1の圧電体としてのフィラメント糸は、例えば、上記溶融紡糸延伸法で得られたフィラメント糸をさらに分繊することにより得てもよい。
・断面形状
繊維状圧電体の断面形状としては、繊維状圧電体の長手方向に垂直な方向の断面において、円形状、楕円形状、矩形状、繭形状、リボン形状、4つ葉形状、星形状、異形状など様々な断面形状を適用することが可能である。
−長尺平板状圧電体−
長尺平板状圧電体としては、例えば、公知の方法で作製した圧電フィルム、又は入手した圧電フィルムをスリットすることにより得た長尺平板状圧電体(例えばスリットリボン)などが挙げられる。
第1の圧電体として、長尺平板状圧電体を用いることにより、導体に対して、面で密着することが可能となるため、効率的に圧電効果により発生した電荷を電圧信号として検出することが可能となる。
本実施形態における長尺平板状圧電体(第1の圧電体)は、第1の圧電体の少なくとも一方の主面の側に配置された機能層を備えることが好ましい。
機能層は、単層構造であっても二層以上からなる構造であってもよい。
例えば、長尺平板状圧電体の両方の主面の側に機能層が配置される場合、一方の主面(以下、便宜上、「オモテ面」ともいう)の側に配置される機能層、及び、他方の面(以下、便宜上、「ウラ面」ともいう)の側に配置される機能層は、それぞれ独立に、単層構造であっても二層以上からなる構造であってもよい。
機能層としては、様々な機能層が挙げられる。
機能層として、例えば、易接着層、ハードコート層、屈折率調整層、アンチリフレクション層、アンチグレア層、易滑層、アンチブロック層、保護層、接着層、帯電防止層、放熱層、紫外線吸収層、アンチニュートンリング層、光散乱層、偏光層、ガスバリア層、色相調整層、電極層などが挙げられる。
機能層は、これらの層のうちの二層以上からなる層であってもよい。
また、機能層としては、これらの機能のうちの2つ以上を兼ね備えた層であってもよい。
長尺平板状圧電体の両方の主面に機能層が設けられている場合は、オモテ面側に配置される機能層及びウラ面側に配置される機能層は、同じ機能層であっても、異なる機能層であってもよい。
また、機能層の効果には、長尺平板状圧電体表面のダイラインや打痕などの欠陥が埋められ、外観が向上するという効果もある。この場合は長尺平板状圧電体と機能層との屈折率差が小さいほど長尺平板状圧電体と機能層と界面の反射が低減し、より外観が向上する。
前記機能層は、易接着層、ハードコート層、帯電防止層、アンチブロック層、保護層、及び電極層のうちの少なくとも一つを含むことが好ましい。これにより、例えば圧電デバイス(圧電織物、圧電編物等)、力センサ、アクチュエータ、生体情報取得デバイスへの適用がより容易となる。
前記機能層は、電極層を含むことがより好ましい。
電極層は、長尺平板状圧電体に接して設けられていてもよいし、電極層以外の機能層を介して設けられていてもよい。
本実施形態における長尺平板状圧電体(第1の圧電体)の特に好ましい態様は、長尺平板状圧電体の両方の主面の側に機能層を備え、かつ、両面の機能層がいずれも電極層を含む態様である。
本実施形態における長尺平板状圧電体(第1の圧電体)において、第1の圧電体と、機能層と、を含む積層体の表面層の少なくとも一方が、電極層であることが好ましい。即ち、本実施形態における長尺平板状圧電体(第1の圧電体)において、オモテ面側の表面層及びウラ面側の表面層の少なくとも一方が、電極層であること(言い換えれば、電極層が露出していること)が好ましい。
これにより、長尺平板状圧電体を、例えば圧電デバイス(圧電織物、圧電編物等)、力センサ、アクチュエータ、生体情報取得デバイスの構成要素の一つとして用いた場合に、導体(好ましくは内部導体)又は第1の外部導体と、積層体との接続をより簡易に行うことができるので、圧電デバイス(圧電織物、圧電編物等)、力センサ、アクチュエータ、生体情報取得デバイスの生産性が向上する。
機能層の材料としては、特に限定されるものではないが、例えば金属や金属酸化物等の無機物;樹脂等の有機物;樹脂と微粒子とを含む複合組成物;などが挙げられる。樹脂としては、例えば、温度や活性エネルギー線で硬化させることで得られる硬化物を利用することもできる。つまり、樹脂としては、硬化性樹脂を利用することもできる。
硬化性樹脂としては、例えばアクリル系化合物、メタクリル系化合物、ビニル系化合物、アリル系化合物、ウレタン系化合物、エポキシ系化合物、エポキシド系化合物、グリシジル系化合物、オキセタン系化合物、メラミン系化合物、セルロース系化合物、エステル系化合物、シラン系化合物、シリコーン系化合物、シロキサン系化合物、シリカ−アクリルハイブリット化合物、及びシリカ−エポキシハイブリット化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の材料(硬化性樹脂)が挙げられる。
これらの中でも、アクリル系化合物、エポキシ系化合物、シラン系化合物がより好ましい。
金属としては、例えば、Al、Si、Ti、V、Cr、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、In、Sn、W、Ag、Au、Pd、Pt、Sb、Ta及びZrから選ばれる少なくとも一つ、又は、これらの合金が挙げられる。
金属酸化物としては、例えば、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化ニオブ、酸化アンチモン、酸化スズ、酸化インジウム、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化イットリウム、酸化イッテルビウム、及び酸化タンタル、またこれらの複合酸化物の少なくとも1つが挙げられる。
微粒子としては上述したような金属酸化物の微粒子や、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂などの樹脂微粒子などが挙げられる。さらにこれらの微粒子の内部に空孔を有する中空微粒子も挙げられる。
微粒子の平均一次粒径としては、透明性の観点から1nm以上500nm以下が好ましく、5nm以上300nm以下がより好ましく、10nm以上200nm以下が更に好ましい。500nm以下であることで可視光の散乱が抑制され、1nm以上であることで微粒子の二次凝集が抑制され、透明性の維持の観点から望ましい。
機能層の膜厚は、特に限定されるものではないが、0.01μm〜10μmの範囲が好ましい。
上記厚さの上限値は、より好ましくは6μm以下であり、更に好ましくは3μm以下である。また、下限値はより好ましくは0.01μm以上であり、更に好ましくは0.02μm以上である。
機能層が複数の機能層からなる多層膜の場合には、上記厚さは多層膜全体における厚さを表す。また、機能層は長尺平板状圧電体の両面にあってもよい。また、機能層の屈折率は、それぞれが異なる値であってもよい。
長尺平板状圧電体の製造方法には特に限定はなく、公知の方法により製造することができる。
また、例えば、圧電フィルムから第1の圧電体を製造方法としては、原料(例えばポリ乳酸)をフィルム状に成形して未延伸フィルムを得、得られた未延伸フィルムに対し、延伸及び結晶化を施し、得られた圧電フィルムをスリットすることにより得ることができる。
ここで、「スリットする」とは、上記圧電フィルムを長尺状にカットすることを意味する。
なお、上記延伸及び結晶化は、いずれが先であってもよい。また、未延伸フィルムに対し、予備結晶化、延伸、及び結晶化(アニール)を順次施す方法であってもよい。延伸は、一軸延伸であっても二軸延伸であってもよい。二軸延伸の場合には、好ましくは一方(主延伸方向)の延伸倍率を高くする。
圧電フィルムの製造方法については、特許第4934235号公報、国際公開第2010/104196号、国際公開第2013/054918号、国際公開第2013/089148号、等の公知文献を適宜参照できる。
<第2の圧電体>
第1の実施形態の圧電基材は、長尺状の第2の圧電体を備えることがある。
第2の圧電体は、第1の圧電体と同様の特性を有していることが好ましい。
即ち、第2の圧電体は、光学活性を有するヘリカルキラル高分子(A)を含み、
第2の圧電体の長さ方向と、第2の圧電体に含まれるヘリカルキラル高分子(A)の主配向方向と、が略平行であり、
X線回折測定から前記式(a)によって求められる第2の圧電体の配向度Fは0.5以上1.0未満の範囲であることが好ましい。
第2の圧電体は、上記以外の特性においても、第1の圧電体と同様の特性を有していることが好ましい。
但し、第1の圧電体及び第2の圧電体の巻回方向、並びに、第1の圧電体及び第2の圧電体に含まれるヘリカルキラル高分子(A)のキラリティについては、本開示の効果がより奏される観点から、圧電基材の態様に応じて適宜選択すればよい。
なお、第1の圧電体及び第2の圧電体の巻回方向、並びに、第1の圧電体及び第2の圧電体に含まれるヘリカルキラル高分子(A)のキラリティの好ましい組み合わせの一例については、前述の具体的態様で説明した通りである。
また、第2の圧電体は、第1の圧電体と異なる特性を有していてもよい。
<第1の絶縁体>
第1の実施形態の圧電基材は、さらに、第1の絶縁体を備えていてもよい。
第1の絶縁体は、内部導体の外周面に沿って螺旋状に巻回されることが好ましい。
この場合、第1の絶縁体は、第1の圧電体から見て、内部導体とは反対側に配置されていてもよく、内部導体と第1の圧電体との間に配置されていてもよい。
また、第1の絶縁体の巻回方向は、第1の圧電体の巻回方向と同じ方向であってもよく、異なる方向であってもよい。
特に、第1の実施形態の圧電基材が第1の外部導体を備える場合においては、第1の実施形態に係る圧電基材が、さらに、第1の絶縁体を備えることにより、圧電基材が屈曲変形する時に、内部導体と外部導体の電気的短絡の発生を抑制しやすくなるという利点がある。
第1の絶縁体としては、特に限定はないが、例えば、塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン・四フッ化エチレン共重合体(ETFE)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体(FEP)、四フッ化エチレン樹脂(PTFE)、四フッ化エチレン・パーフロロプロピルビニルエーテル共重合体(PFA)、フッ素ゴム、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ゴム(エラストマーを含む)等が挙げられる。
第1の絶縁体の形状は、導体に対する巻回の観点から、長尺形状であることが好ましい。
<第2の絶縁体>
本実施形態の圧電基材において、外周に第1の外部導体を備える場合、さらに、第1の外部導体の外周に第2の絶縁体を備えていてもよい。
これにより、圧電センサとして機能させる場合、信号線となる内部導体を静電シールドすることが可能となり、外部の静電気の影響による、導体(好ましくは内部導体)の電圧変化が抑制される。
第2の絶縁体には特に限定はないが、例えば、第1の絶縁体として例示した材料が挙げられる。
また、第2の絶縁体の形状は特に限定はなく、第1の外部導体の少なくとも一部を被覆できる形状であればよい。
(第1の外部導体)
本実施形態の圧電基材は、さらに、外周に第1の外部導体を備えることが好ましい。
本実施形態における第1の外部導体は、圧電センサとして機能させる場合、グラウンド導体であることが好ましい。
グラウンド導体とは、信号を検出する際、例えば、導体(好ましくは信号線導体)の対となる導体を指す。
グラウンド導体の材料には特に限定はないが、断面形状によって、主に以下のものが挙げられる。
例えば、矩形断面を有するグラウンド導体の材料としては、円形断面の銅線を圧延して平板状に加工した銅箔リボンや、Al箔リボンなどを用いることが可能である。
例えば、円形断面を有するグラウンド導体の材料としては、銅線、アルミ線、SUS線、絶縁皮膜被覆された金属線、カーボンファイバー、カーボンファイバーと一体化した樹脂繊維、繊維に銅箔がスパイラルに巻回された錦糸線を用いることが可能である。
また、グラウンド導体の材料として、有機導電材料を絶縁材料でコーティングしたものを用いてもよい。
グラウンド導体は、信号線導体と短絡しないように、導体(好ましくは信号線導体)及び第1の圧電体を包むように配置されていることが好ましい。
このような信号線導体の包み方としては、銅箔などを螺旋状に巻回して包む方法や、銅線などを筒状の組紐にして、その中に包みこむ方法などを選択することが可能である。
なお、信号線導体の包み方は、これら方法に限定されない。信号線導体を包み込むことにより、静電シールドすることが可能となり、外部の静電気の影響による、信号線導体の電圧変化を防ぐことが可能となる。
また、グラウンド導体の配置は、本実施形態の圧電基材の最小基本構成単位(即ち、導体及び第1の圧電体)を円筒状に包接するように配置することも好ましい形態の一つである。
グラウンド導体の断面形状は、円形状、楕円形状、矩形状、異形状など様々な断面形状を適用することが可能である。特に、矩形断面は、導体(好ましくは信号線導体)、第1の圧電体、必要に応じて第1の絶縁体、第2の圧電体などに対して、平面で密着することが可能となるため、効率的に圧電効果により発生した電荷を電圧信号として検出することが可能となる。
<接着層を形成する接着剤>
本実施形態の圧電基材は、導体及び第1の圧電体の間に接着層を備えることが好ましい。
接着層を形成する接着剤は、前記導体と前記第1の圧電体との間を機械的に一体化するため、又は、圧電基材が外部導体を備える場合は電極間(導体及び外部導体間)の距離を保持するために用いる。
導体及び第1の圧電体の間に接着層を備えることにより、本実施形態の圧電基材に張力が印加されたときに、導体と第1の圧電体との相対位置がずれにくくなるため、第1の圧電体に張力がかかりやすくなる。従って、効果的に張力に比例した電圧出力を導体(好ましくは信号線導体)から検出することが可能となる。この結果、圧電感度、及び圧電出力の安定性がより向上する。また、接着層を備えることで、単位引張力当たりの発生電荷量の絶対値がより増加する。
一方、導体及び第1の圧電体の間に接着層を備えない圧電基材では、圧電繊維などに加工した後もしなやかな性質が保たれるため、ウェアラブルセンサ等にしたときに装着感が良好となる。
接着層を形成する接着剤の材料としては、以下の材料を用いることが可能である。
エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤、酢酸ビニル樹脂系エマルション形接着剤、(EVA)系エマルション形接着剤、アクリル樹脂系エマルション形接着剤、スチレン・ブタジエンゴム系ラテックス形接着剤、シリコーン樹脂系接着剤、α−オレフィン(イソブテン−無水マレイン酸樹脂)系接着剤、塩化ビニル樹脂系溶剤形接着剤、ゴム系接着剤、弾性接着剤、クロロプレンゴム系溶剤形接着剤、ニトリルゴム系溶剤形接着剤等、シアノアクリレート系接着剤等を用いることが可能となる。
−弾性率−
本実施形態における接着剤は、接合後の弾性率が第1の圧電体と同程度以上であることが好ましい。第1の圧電体の弾性率に対して、弾性率が低い材料を用いると、本実施形態の圧電基材に印加された張力による歪(圧電歪)が接着剤部分で緩和され、第1の圧電体への歪の伝達効率が小さくなるため、本実施形態の圧電基材を、例えばセンサに適用した場合、センサの感度が低くなりやすい。
−厚さ−
本実施形態における接着剤の接合部位の厚さは、接合する対象間に空隙ができず、接合強度が低下しない範囲であれば薄ければ薄い程良い。接合部位の厚さを小さくすることで、圧電基材に印加された張力による歪が接着剤部分で緩和されにくくなり、第1の圧電体への歪が効率的に小さくなるため、本実施形態の圧電基材を、例えばセンサに適用した場合、センサの感度が向上する。
−接着剤の塗布方法−
接着剤の塗布方法は特に限定されないが、主に以下の2つの方法を用いることが可能である。
・加工後に接着剤を配置し接合する方法
例えば、導体(好ましくは信号線導体)及び第1の圧電体の配置;信号線導体及びグラウンド導体の加工、配置;が完了した後に、ディップコートや、含浸等の方法で、導体及び第1の圧電体の界面に接着剤を配置し接着する方法が挙げられる。
また、上記方法により、導体及び第1の圧電体を接合する他、必要に応じて、本実施形態の圧電基材に備えられる各部材間を接合してもよい。
・加工前に未硬化の接着剤を配置し、加工後に接合する方法
例えば、予め第1の圧電体の表面に光硬化性の接着剤、熱硬化性の接着剤、熱可塑性の接着剤などを、グラビアコーターやディップコーター等でコーティングし乾燥させ、導体及び第1の圧電体の配置が完了した後に、紫外線照射や加熱により接着剤を硬化させ、導体及び第1の圧電体の界面を接合する方法が挙げられる。
また、上記方法により、導体及び第1の圧電体を接合する他、必要に応じて、本実施形態の圧電基材に備えられる各部材間を接合してもよい。
上記方法を用いれば、接着剤をコーティング乾燥後はドライプロセスでの加工が可能となり加工が容易となる、また均一な塗膜厚が形成しやすいためセンサ感度等のバラツキが少ないといった特徴がある。
<圧電基材の製造方法>
本実施形態の圧電基材の製造方法には特に限定はないが、例えば、第1の圧電体を準備して、別途準備した導体(好ましくは信号線導体)に対して、第1の圧電体を一方向に螺旋状に巻回することにより製造することができる。
第1の圧電体は、公知の方法で製造したものであっても、入手したものであってもよい。
また、本実施形態の圧電基材が、必要に応じて第2の圧電体、第1の絶縁体を備える場合、かかる圧電基材は、第1の圧電体を螺旋状に巻回する方法に準じて、製造することができる。
但し、第1の圧電体及び第2の圧電体の巻回方向、並びに、第1の圧電体及び第2の圧電体に含まれるヘリカルキラル高分子(A)のキラリティについては、前述の通り、圧電基材の態様に応じて適宜選択することが好ましい。
また、本実施形態の圧電基材が、第1の外部導体(例えばグラウンド導体)を備える場合、かかる圧電基材は、前述の方法又は公知の方法により、第1の外部導体を配置することにより製造することができる。
なお、導体及び第1の圧電体の間、必要に応じて、本実施形態の圧電基材に備えられる各部材間を、例えば前述の方法により接着剤を介して貼り合わせてもよい。
本実施形態の圧電基材は、引張力を印加することで、引張力に比例したずり歪が、ヘリカルキラル(A)に印加され、電圧信号(電荷信号)として導体から検出される。
<作用>
本実施形態のベッド装置10による作用は以下のとおりである。
図2に示すように、本実施形態では、各領域34の整列方向が所定方向であるベッド幅方向を向くようにセンサユニット32が床板24の上に設置されている。したがって、マットレス26に臥位の就床者が存在すると、センサユニット32では領域34毎に圧電基材12の径方向に就床者の人体から圧力が加えられる。その結果、圧電基材12毎に圧力に応じた電圧が出力される。各圧電基材12から電圧出力が入力されたAD変換器42では、アナログ信号である電圧出力がデジタル信号に変換され、処理用PC50に出力される。そして、処理用PC50では、検出部55がデジタル信号を検出することにより、マットレス26に就床者が存在するか否か、及びどの検知領域27(領域34)に寝ているかを検出することができる。例えば、ある圧電基材12の電圧出力Vが閾値Vtを超えた場合に、その圧電基材12のある領域34、つまりマットレス26上の検知領域27に就床者が寝ていると検知ができる。
また、本実施形態のベッド装置10は、人体検出装置30の処理用PC50に判定部56を設けることで就床者の寝返りを検知可能な人体検出システムとすることができる。人体検出システムとしてのベッド装置10においては、基準面33において所定方向であるベッド幅方向に沿って領域34が設けられ、各領域34の各々に圧電基材12が配置されている。そして、判定部56では、ベッド幅方向において隣接する圧電基材12同士の電圧出力を比較することで、マットレス26(又は基準面33)上の就床者の移動を判定することができる。実際には、処理用PC50の検出部55において、各圧電基材12からの電圧出力Vが閾値Vtを超えた瞬間を記録し、判定部56では閾値Vtを超えた圧電基材12の順番から就床者が寝返りをしたことや、寝返りの方向を判定することができる。
以上、本実施形態によれば、寝ている人の在・不在の検出は勿論、ベッド20の床面上での位置検知が可能である。そして、処理用PC50を用いて、床面上における就床者の位置の片寄りを監視し、就床者や介護者に報知することにより、ベッド20からの転落等を未然に防止することができる。
本実施形態のセンサユニット32は、ライン状の圧電基材12を備えている。そのため、領域34内における配置に制約はない。例えば、領域34内において、基準面33に沿って波状に配置したり、渦巻状に配置することにより、圧力を検知する方向や感度を変えることができる。また、本実施形態では、ベッド幅方向に対して領域34を4つに区分していたがこれに限らず、4より多くの区分を設けたり、ベッド長さ方向に対する区分を追加してもよい。これにより、就床者の人体を検知する際の分解能を上げることができる。
また、圧電基材12は、内部導体16Aに対して一方向に螺旋状に巻回された長尺状の第1の圧電体18Aを備え、内部導体16Aと第1の圧電体18Aとの間の電位差から第1の圧電体18Aに入力された圧力を検知することを特徴としている。本実施形態のベッド装置10によれば、圧力を検知するセンサに圧電体を用いることで、センサに供給する電源が不要である。これにより、例えば、圧力を検知するセンサをひずみゲージとするロードセルと比べて、待機状態において電力を消費しない。つまり、単純な回路で駆動できるので小型化に適している。さらに、圧電体に使用されるポリ乳酸はロードセルに比べて安価であるため、センサ部分の製造コストが抑制される。
<備考>
本実施形態の人体検出装置30は、既存のベッド20に組み込むことでベッド装置10としてもよいし、絨毯、フローリング及び畳等の上に設置して使用しもよい。絨毯、フローリング及び畳等の上に設置した人体検出装置30についても、上述したベッド装置10と同様の作用効果を奏する。本実施形態の人体検出装置30によれば、既存の寝具に組み合わせることができるため、手持ちの寝具をそのまま使用でき、かつ寝心地の悪化を抑制することができる。
本実施形態のベッド装置10においては、圧電基材12を絶縁部材38で被覆していたがこの限りではなく、マットレス26と緩衝材37との間に直接配置してもよい。緩衝材37がベッド20上の人体等から圧縮荷重を受けて歪むことにより、圧電基材12に張力が印加される。よって、緩衝材37は一定荷重に対して歪量が大きければ圧電基材12の感度を上げることができる。すなわち、圧電基材12を高感度にセンシングするには、緩衝材37は柔らかく、低弾性率、低ゴム硬度、低密度の材料が好適である。具体的な材料としては、発泡した低弾性率の樹脂材料が好適に用いられ、発泡樹脂材料としては、軟質ポリウレタンフォーム、硬質ポリウレタンフォーム、ポリスチレンフォーム、ポリエチレンフォーム、ポリプロピレンフォーム、EVA架橋発泡体、PET樹脂発泡体、フェノールフォーム、シリコーンフォーム、ポリ塩化ビニルフォーム、ユリアフォーム、アクリルフォーム、ポリイミドフォーム、EPDMフォーム等の材料が用いられる。一方、緩衝材37を構成する材料の弾性率、ゴム硬度、密度が低すぎると、大きな圧縮荷重による歪に対して緩衝材37の空胞が潰れて歪にくくなり高感度のセンシングが困難となる。こうした歪にくい圧縮変形領域に到達しないよう、緩衝材37の厚さは、印加される荷重に応じて適宜最適化される。
また、発泡プラスチックは、発泡倍率が大きくなるほど、密度やゴム硬度のバラツキが大きくなり、圧電基材12のセンサ感度のバラツキが大きくなる。また天然ゴム等の材料はゴム硬度の経時的な変化量が大きく、センサ感度のバラツキが大きくなる。経時的な変化の少ないEPDMフォーム等が好適である。
また、緩衝材37をベッド20に用いる場合は、難燃性が要求される場合が多い。その場合の緩衝材37の材料は、難燃化するため各種難燃性の添加剤を混錬した発泡プラスチックフォームの適用や、或いは樹脂自体に難燃性を有しているポリ塩化ビニルフォームや、ポリイミドフォーム等の適用が好ましい。
また、緩衝材37を設けず、マットレス26と支持板36との間に直接配置してもよい。
さらに、各実施形態のベッド装置では、支持板36は必ずしも必要ではなく、床板24の上に緩衝材37を設けてもよい。この場合において、圧電基材12はマットレス26と緩衝材37との間に直接配置してもよいし、マットレス26と床板24との間に直接配置してもよい。
本実施形態における被覆部材である絶縁部材38は、粘着テープや粘着性を有するフィルム等であるがこれに限らない。例えば、絶縁部材38の形態としては、ラミネート、熱収縮チューブ、絶縁材料によるカバリング(例えば、PETやフッ素のテープを圧電ラインに巻き付ける)等が挙げられる。
なお、上記実施形態でCPU50Aがソフトウェア(プログラム)を読み込んで実行した検出部55、判定部56及び報知部57に係る処理を、CPU以外の各種のプロセッサが実行してもよい。この場合のプロセッサとしては、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なPLD(Programmable Logic Device)、及びASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が例示される。また、各種処理を、これらの各種のプロセッサのうちの1つで実行してもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGA、及びCPUとFPGAとの組み合わせ等)で実行してもよい。また、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路である。
また、上記実施形態では、実行プログラムがストレージ50Dに予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、これに限定されない。各プログラムは、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD−ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。また、プログラムは、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
<第2の実施形態>
図9を基に、第2の実施形態のベッド装置10Aについて説明する。
第2の実施形態のベッド装置10Aは、圧電基材12の配置が第1の実施形態と相違する。なお、図9では、マットレス26に対する圧電基材12の配置のみを図示しており、フレーム22、床板24、支持板36、緩衝材37及び絶縁部材38は省略している(以下、図10〜図12において同じ)。以下、第1の実施形態との相違点について説明する。
本実施形態のマットレス26は、第1の実施形態と同様に、検知領域27がベッド幅方向に対して4つに区分されている。一方、各検知領域27において圧電基材12はベッド長さ方向に沿って配置されている。
第1の実施形態のように圧電基材12をベッド幅方向に沿って配置した場合、各検知領域27ではベッド幅方向における圧力の検知精度にばらつきが生じ難い。これに対して、第2の実施形態のように圧電基材12をベッド長さ方向に沿って配置した場合、各検知領域27ではベッド長さ方向において圧力の検知範囲を確保することができる。したがって、マットレス26に寝る就床者に身長差が場合でもベッド長さ方向における圧力の検知精度にばらつきが生じ難い。
その他、本実施形態では、上述した第1の実施形態と同様の作用効果を奏する。
<第3の実施形態>
図10を基に、第3の実施形態のベッド装置10Bについて説明する。
第3の実施形態のベッド装置10Bは、圧電基材12の配置が第1及び第2の実施形態と相違する。以下、第1及び第2の実施形態との相違点について説明する。
本実施形態のマットレス26は、第1の実施形態と同様に、検知領域27がベッド幅方向に対して4つに区分されている。一方、各検知領域27において、圧電基材12はベッド幅方向に振幅し、かつベッド長さ方向に沿って延びる波状に配置されている。
本実施形態のベッド装置10Bでは、各検知領域27ではベッド長さ方向かつベッド幅方向の広い範囲が圧力の検知範囲となる。したがって、本実施形態によれば、各検知領域27においては、ベッド長さ方向及びベッド幅方向における圧力の検知精度にばらつきが生じ難い。
その他、本実施形態では、上述した第1の実施形態と同様の作用効果を奏する。
<第4の実施形態>
図11を基に、第4の実施形態のベッド装置10Cについて説明する。
第4の実施形態のベッド装置10Cは、マットレス26における検知領域27の区分数が第1の実施形態と相違する。以下、第1の実施形態との相違点について説明する。
本実施形態のマットレス26は、圧力の測定範囲である検知領域27がベッド幅方向に4区分、ベッド長さ方向に5区分の計20区分とされている。各検知領域27において、圧電基材12はベッド幅方向に沿って配置されている。
本実施形態のベッド装置10Cでは、ベッド長さ方向にも圧電基材12が複数配置されるため、圧力の検知範囲を増やすことができる。そして、本実施形態によれば、単位面積当たりの圧電基材12の数が増えているので、就床者の人体を検知する際の分解能を向上させることができる。
なお、本実施形態のように圧電基材12を配置する場合は、第1の実施形態のセンサユニット32をベッド長さ方向に並べて配置してもよいし、マットレス26と同程度の大きさの支持板36に対して20本の圧電基材12を配置してもよい。
その他、本実施形態では、上述した第1の実施形態と同様の作用効果を奏する。
<第5の実施形態>
図12を基に、第5の実施形態のベッド装置10Dについて説明する。
第5の実施形態のベッド装置10Dは、圧電基材12の配置が第4の実施形態と相違する。以下、第1及び第4の実施形態との相違点について説明する。
本実施形態のマットレス26は、第4の実施形態と同様に、ベッド幅方向に4区分、ベッド長さ方向に5区分の計20区分とされている。一方、各検知領域27において、圧電基材12は渦巻状に配置されている。
本実施形態のベッド装置10Dによれば、第4の実施形態と同様に就床者の人体を検知する際の分解能を向上させることができる。さらに、本実施形態では、圧電基材12が各検知領域27の広い範囲に配されているため、ベッド長さ方向及びベッド幅方向における圧力の検知精度にばらつきが生じ難い。
その他、本実施形態では、上述した第1の実施形態と同様の作用効果を奏する。
<第6の実施形態>
図15A及び図15Bを基に第6の実施形態のベッド装置10について説明する。
第6の実施形態のベッド装置10は、第1の実施形態のベッド装置10と同様の構成であるが、圧電基材12に代えて圧電基材12Cが用いられている点で相違する。以下、第1の実施形態との相違点について説明する。
図15Aは、第6の実施形態に係る圧電基材の一例を表す側面図である。
図15Aに示すように、第6の実施形態に係る圧電基材12Cは、外周側に外部導体19が一方向に螺旋状に巻回されて配置されている。即ち、圧電基材12Cは、内側から順に、長尺状の内部導体16Aと、機能層15と、長尺状の第1の圧電体18Aと、外部導体19と、を備えている。
機能層15は、内部導体16Aの外周面に設けられており、内部導体16Aと第1の圧電体18Aの間に位置している。なお、機能層15は、必要に応じて設けられる層である。
以下、第6の実施形態に係る圧電基材12Cの作用について説明する。
図15Bは、図15AのY−Y’線断面図を示す。例えば、圧電基材12Cの長さ方向に張力が印加されると、第1の圧電体18Aに含まれるヘリカルキラル高分子(A)にずり力が加わり、ヘリカルキラル高分子(A)は分極する。このヘリカルキラル高分子(A)の分極は、図15B中、矢印で示されるように、圧電基材12Cの径方向に生じ、その分極方向は位相が揃えられて生じると考えられる。これにより、効果的に張力に比例した電圧信号が検出される。
特に、第6の実施形態に係る圧電基材12Cでは、内部導体16Aの外周面に沿って内部導体16Aが見えないように、第1の圧電体18Aを一方向に螺旋状に隙間なく巻回している。そのため、内部導体16Aと第1の圧電体18Aとの密着性が高まり、内部導体16A及び外部導体19間に隙間が形成されにくくなる。
ここで、図15Bに示すように、第6の実施形態に係る圧電基材12Cは、中心軸線に垂直な断面が、非円形の形状で形成されており、楕円形状である。中心軸線に垂直な断面が、楕円形状であるため、圧電部材に含まれる樹脂のガラス転移温度を超える高温度環境下で張力を印加したときであっても、樹脂の巻締まりが抑えられ、圧電感度の低下が抑制されやすくなる。図15Bに示すように、圧電基材12Cにおける中心軸線に垂直な断面は、楕円形状である。
この楕円形状の寸法比(長径/短径)は、例えば、1.05〜10.00の範囲になるように形成されている。また、楕円形状の扁平比は、例えば、0.04〜0.9の範囲になるように形成されている。
なお、本実施形態において、圧電基材12Cにおける中心軸線に垂直な断面は、楕円形状に限定されるものではない。非円形の形状であればよい。
第6の実施形態に係る圧電基材12Cは上記構造に限定されない。例えば、圧電基材12Cは、内部導体16Aと第1の圧電体18Aとの間に、図示しない機能層として、接着層が配置されていてもよい。これにより、圧電基材12Cの長さ方向に張力が印加されても、第1の圧電体18Aと内部導体16Aとの相対位置がずれにくくなるため、第1の圧電体18Aに張力がより印加されやすくなる。
第6の実施形態に係る圧電基材12Cでは、前述したように、内部導体16Aと第1の圧電体18Aとの間に機能層15が設けられている。機能層15はこれ以外に適宜設けてもよい。
また、第6の実施形態に係る圧電基材12Cでは、圧電基材12Cの外周面に、外部導体19を一方向に螺旋状に巻回して配置している。外部導体19の配置はこれに限定されず、第1の圧電体18Aの外周の少なくとも一部に配置されていればよい。外部導体19の巻回方向も特に限定されない。
従来、圧電基材は、樹脂(ポリ乳酸等)を含む圧電部材として使用されている。圧電基材は、圧電部材に含まれる樹脂のガラス転移温度を超える高温度環境下では、圧電感度が低下し、ガラス転移温度を超える高温度環境下で使用したのち、室温に戻すと、圧電感度が初期値よりも低下してしまう。
圧電感度の低下は次のように考えられる。樹脂(例えば、ポリ乳酸)は、繊維に対して螺旋状にカバリングしている。圧電部材に含まれる樹脂のガラス転移温度を超える高温度環境下で張力を印加したときに、弾性変形範囲を超えて樹脂が巻締まると考えられる。このため、圧電部材に含まれる樹脂のガラス転移温度を超える高温度環境下で使用すると、圧電感度が低下すると推測される。
一方、本実施形態の圧電基材12Cは、中心軸線に垂直な断面の形状が、非円形断面であるため、樹脂のガラス転移温度を超える高温度環境下で張力を印加したときであっても、樹脂の巻締まりが抑えられる。その結果、圧電感度の低下が抑制されると考えられる。
したがって、本実施形態の圧電基材12C、並びに、この圧電基材12Cを用いたベッド装置10は、圧電感度に優れている。特に、ベッド装置10に圧電基材12Cを用いた場合、夏場の室温上昇に伴い、ベッド装置10が高温度環境下であっても、圧電感度の低下が抑制される。
非円形の形状は、樹脂の巻締まりが抑えられ、圧電感度の低下が抑制される点で、円形以外の形状であれば、特に限定されない。非円形の形状は、例えば、楕円形状、矩形形状、楕円形状及び矩形形状以外の異形の形状が挙げられる。異型の形状は、三角形であってもよく、五角形以上の多角形であってもよい。また、繭球形状でもよく、菱形形状でもよく、台形形状でもよい。これらの中でも、楕円形状であることが好ましい。
また、本実施形態の圧電基材12Cは、圧電感度の低下が抑制される点で、中心軸線に垂直な断面において、短径に対する長径の寸法比(長径/短径)(以下、「寸法比(長径/短径)」とも称する)が、1.05〜10.00(長径/短径=1.05/1〜10.00/1)であることが好ましい。寸法比(長径/短径)は、1.05〜5.00であることがより好ましく、1.05〜2.00であることがさらに好ましい。寸法比(長径/短径)は、中心軸線に垂直な断面において、この断面形状の中心を通る最短の長さと、それに直交する長径の長さの比を表す。
また、非円形断面の扁平比は、0.4〜0.9であってもよく、0.4〜0.8であってもよく、0.4〜0.5であってもよい。扁平比は、下記式で求められる。
(式) 扁平比=(長半径−短半径)/長半径
(実施形態の補足)
各実施形態のベッド装置では、圧電基材12(又は圧電基材12A〜12C)を生体情報取得デバイスとして使用してもよい。具体的に、本実施形態の圧電基材12は、心拍、脈拍、咳、くしゃみ及びいびきを検知可能な生体情報取得デバイスとすることができる。例えば、圧電基材12から出力された電圧信号から心拍に対応する振動成分を抽出することで心拍又は脈拍を検知することができる。また例えば、圧電基材12から出力された電圧信号から寝返りに相当する低周波数の成分を取り除いたり、電圧信号を周波数解析したり、閾値を予め設定することにより、咳やいびきを検知することができる。
各実施形態については、実施形態同士を適宜組み合わせて用いてもよいし、本開示の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施することができる。
例えば、第4の実施形態における20か所の検知領域27に第3の実施形態の圧電基材12を組み合わせて、20か所の検知領域27のそれぞれに、波状の圧電基材12を配置してもよい。また、例えば、第5の実施形態において、全ての検知領域27に圧電基材12を配置せずにベッド長さ方向及びベッド幅方向の各々おいて一つおきに圧電基材12を配置してもよい。
また例えば、第6の実施形態の圧電基材12Cを第2〜第5の実施形態のベッド装置に適用してもよい。
実施形態の人体検出装置30は、ベッド装置10以外に次の装置に適用することができる。例えば、適用可能な装置として、体圧分布測定器、足圧分布測定システムが挙げられる。
以下、本開示を実施例により更に具体的に説明するが、本開示はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
(1)ベッド装置に係る実施例
<ベッド装置の製造>
図1に示すように、実施例1のベッド装置10は、フレーム22、床板24及びマットレス26により構成されるシングルサイズのベッド20を含む。そして、実施例1のベッド20では、床板24とマットレス26との間にセンサユニット32が配置されている。
実施例1のマットレス26は、ポリウレタン製であって、幅Wが970mm、長さLが2000mm、厚さdaが40mmである。また、マットレス26の硬さは、JIS K 6400−2(軟質発泡材料―物理特性―第2部:硬さ及び圧縮応力―ひずみ特性の求め方)の6.4「A法(四十%定圧縮して三十秒後の力を求める方法)」によれば、150Nとされている。
圧電基材12は、上述のように製造した圧電フィルム(PLAフィルム)から、厚さ50μm、幅0.6mmのマイクロスリットリボンを作製した。次に株式会社明清産業製の錦糸線(型番:u24)に対してマイクロスリットリボンを、錦糸線の長手方向に対して、斜め45°の方向に、S巻(反時計周り)方向にラッピング加工した。さらに外側に、外部導体として、幅0.3mm、厚さ30μmの圧延銅箔をマイクロスリットリボンが外側から露出しないように密にZ巻方向にラッピングし、圧電基材12とした。さらに、圧電基材12は、一方の端部から200mmまでを圧力の測定範囲とし、当該測定範囲の上下に絶縁部材38を被覆した。この絶縁部材38は、厚さ25μmのポリイミドフィルムと、厚さ35μmの粘着層とで構成される、総厚さ60μmのポリイミド粘着テープである。
支持板36は、ポリプロピレンを約3倍に押出発泡成形したシートが適用されている。また緩衝材37は、幅100mm、厚さ5mmのSBR(スチレンブタジェンゴム)製のスポンジシートである。
以上、支持板36の上面に張り付けた緩衝材37のさらに上面に絶縁部材38で被覆された圧電基材12を領域34毎に接着することで、センサユニット32を形成した。実施例1のセンサユニット32は、床板24同士を跨ぐように床板24の上に設置した。すなわち、ベッド長さ方向中央に設置した。
各圧電基材12は他方の端部を接続電極部とし、当該接続電極部における内部導体16A及び第1の圧電体18AをAD変換器42に対して電気的に接続した。
<検知状態の確認>
ベッド装置10のマットレス26の上に就床者となる被験者が横たわり、被験者はベッド幅方向中央部(部位B及びCの境界部)から、部位A、部位D、部位A、部位D、部位Bの順に寝返りをした。この際、各検知領域27の圧電基材12における電圧出力Vは図13のとおりである。図13に示すように、各圧電基材12はマットレス26自体により加えられた圧力が基準電圧2.6Vとして現れており、被験者が寝ている位置の検知領域27の電圧は2.6Vよりも高くなっている。そして、電圧値の最も高い圧電基材12に対応する検知領域27と、被験者が横たわる位置が対応している。
なお、被験者が寝返りをした場合、被験者が居なくなった直後の検知領域27では、対応する圧電基材12の電圧出力が基準電圧2.6Vを下回る。これは人体により圧縮変形されたマットレス26が元の形状に戻る際、マットレス26自体による圧力が弱まるためである。
ここで、閾値Vtを2.9Vに設定し、図13においてこの閾値を超えた瞬間を表したのが図14である。なお、実施例1のAD変換器42では、各圧電基材12の電圧出力が2.9Vを超えた時に1Vを出力するように設定している。この図において1Vを出力した圧電基材12に対応する検知領域27の順番は部位B、部位A、部位B、部位C、部位D、部位C、部位B、部位A、部位B、部位C、部位D、部位C、部位Bとなっており、被験者が寝返りをした検知領域27の順番と一致している。
以上、実施例1によれば、マットレス26に横たわった被験者の床面上の位置を検知でき、さらに寝返りを検知することができる。
(2)圧電基材の断面形状の違いに係る実施例
以下、ベッド装置に用いられる圧電基材について、断面形状の違いによる温度に対する影響を評価した。
<圧電体の作製>
ヘリカルキラル高分子としてのNatureWorks LLC社製ポリ乳酸(品名:IngeoTM biopolymer、銘柄:4032D)100質量部に対して、安定化剤〔ラインケミー社製Stabaxol P400(10質量部)、ラインケミー社製Stabaxol I(70質量部)、及び日清紡ケミカル社製カルボジライトLA−1(20質量部)の混合物〕1.0質量部を添加し、ドライブレンドして原料を作製した。
作製した原料を押出成形機ホッパーに入れて、210℃に加熱しながらTダイから押し出し、50℃のキャストロールに0.3分間接触させて、厚さ150μmの予備結晶化シートを製膜した(予備結晶化工程)。前記予備結晶化シートの結晶化度を測定したところ6%であった。
得られた予備結晶化シートを70℃に加熱しながらロールツーロールで、延伸速度10m/分で延伸を開始し、3.5倍までMD方向に一軸延伸した(延伸工程)。得られたフィルムの厚さは49.2μmであった。
その後、前記一軸延伸フィルムを、ロールツーロールで、145℃に加熱したロール上に15秒間接触させアニール処理し、その後急冷を行って、圧電フィルムを作製した(アニール処理工程)。
次いで、圧電フィルムをスリット加工機を用いて、スリットする方向と圧電フィルムの延伸方向とが略平行となるようにスリットした。これにより、幅0.39mm、厚さ50μmのリボン状の圧電体(スリットリボン)を得た。なお、得られた圧電体の断面形状は矩形であった。
また、得られた圧電体のガラス転移温度は68.8℃であった。
−圧電体の物性測定−
上記のようにして得られたリボン状圧電体について、以下の物性測定を行った。結果を表1に示す。
測定は、広角X線回折装置(リガク社製 RINT2550、付属装置:回転試料台、X線源:CuKα、出力:40kV 370mA、検出器:シンチレーションカウンター)を用いて、サンプル(圧電体)をホルダーに固定し、結晶面ピーク[(110)面/(200)面]の方位角分布強度を測定することで行った。
得られた方位角分布曲線(X線干渉図)において、結晶化度、及びピークの半値幅(α)から下記の式よりポリ乳酸の配向度F(C軸配向度)を算出して評価した。その結果、結晶化度は45%であり、配向度Fは0.97であった。
配向度(F)=(180°−α)/180°
(αは配向由来のピークの半値幅)
Figure 2020059573

<圧電体の比誘電率>
測定は、JIS C2151(2006)に準拠し、誘電率測定装置(アジレント・テクノロジー社製、precision LCR meter HP4284A)を用いて測定周波数1kHz、試験環境22℃、60%RHにて行った。その結果、圧電体(スリットリボン)の比誘電率εSは2.75であった。
〔実施例2〕
<圧電基材の作製>
外部導体(グラウンド導体)として銅箔リボンを備えた圧電基材を以下に示す方法により作製した。
まず、内部導体(信号線導体)として、明清産業社製錦糸線U24−01−00(線外径0.3mm、長さ250mm)を準備した。
用いた錦糸線は、中心線にメタ系アラミド繊維(40番手2本撚り)を用い、圧延銅箔(幅0.3mm×厚さ0.02mm)2本を用いて、中心線が露出しないように、10mm当たり22回、左巻きに螺旋状に2重に巻回して包接したものである。
準備した錦糸線の両端に、電気的接続部及び機械的接続部として、かしめ加工により、圧着端子を設けた。
次に、上記のようにして得た幅0.6mm、厚さ49.2μmのリボン状圧電体(スリットリボン)を錦糸線の周りに左巻きに、錦糸線の長軸方向に対して45°の方向を向くように(螺旋角度45°)、錦糸線が露出して見えないよう隙間なく、螺旋状に巻回し、錦糸線を包接した。
なお、「左巻き」とは、信号線導体(錦糸線)の軸方向の一端(図6Aの場合、右端側)から見たときに、信号線導体の手前側から奥側に向かってリボン状圧電体が左巻きで巻回していることをいう。
次に、錦糸線とリボン状圧電体とを機械的に一体化するため、前記リボン状圧電体を巻回した部分に、接着剤として東亞合成社製のアロンアルファ(シアノアクリレート系接着剤)911P2を滴下、含浸させ、機能層を作成した。
次に、外部導体として、幅0.6mmにスリットした接着剤付の銅箔リボンを準備した。この銅箔リボンを、前記リボン状圧電体と同様の方法により、リボン状圧電体の周りに、リボン状圧電体が露出しないよう隙間なく巻回し包接した。
次に、外部電極を包接後、軸方向の50mmを熱プレス機(井元製作所、型式:IMC−1945−A型)を使用して、温度80℃、圧力14MPaで20分間熱プレスした。中心軸線に垂直な断面の形状が、図15Bに示すような扁平な楕円形状となった。熱プレスの結果、長径0.497mm、短径0.312mm(短径/長径の寸法比=1/1.59)、偏平比0.372の圧電基材を得た。偏平比は、下記式で求めた。
(式) 扁平比=(長半径−短半径)/長半径
以上のようにして、実施例2の圧電基材を得た。
なお、錦糸線は、図15A中の内部導体16Aに相当する。リボン状圧電体は、図15A中の第1の圧電体18Aに相当する。接着剤は、図15A中不図示だが、内部導体16A及び第1の圧電体18Aの間に配置される。グラウンド導体も図15A中不図示である。
〔実施例3〕
錦糸線とリボン状圧電体とを一体化するための接着剤を塗布せず、熱プレス加工を行わない以外は、実施例2と同様にして、実施例3の圧電基材を得た。
<温度特性評価>
実施例2及び実施例3の圧電基材に、引張力を印加したときに発生する電荷量(発生電荷量)を測定し、発生電荷量から単位引張力当たりの発生電荷量(以下、「感度」とする)を算出した。この際、25℃から80℃に至る温度、数か所において感度を算出し、これを3サイクル繰り返して温度特性を得た。実施例2の算出結果を図16Aに、実施例3の算出結果を図16Bにそれぞれ示す。
図16Aに示すように、実施例2の圧電基材は、第1サイクルにおいて、25℃から50℃にかけて感度の変化は小さく、50℃から70℃にかけて初期値よりも感度が上がり(60℃に極大値を有する)、70℃から80℃にかけては感度が下がる。本実施例の圧電基材を構成するポリ乳酸は、ガラス転移温度が60℃付近にあるため、60℃以上の温度域では温度の上昇に伴い感度が低下している。また、第2サイクルにおいて、実施例2の圧電基材は、25℃から60℃にかけて感度の変化は小さく、60℃から80℃にかけては感度が下がる。そして、第3サイクルにおける実施例2の圧電基材は、第2サイクルとほぼ同様の温度特性を得ている。
以上のように、実施例2の圧電基材は、25℃から80℃に至るサイクルを繰り返すことにより、温度特性が安定していることが分かる。これは、第2サイクル以降は、80℃で測定した後、25℃において感度が初期値に戻るためと考えられる。このことから、実施例2の圧電基材は、感度に優れることが分かる。
なお、実施例2は第1サイクルのみ第2サイクル以降と異なる温度特性を示していたが、これは、成型時のプレスで生じた隙間が第1サイクルにおける引張力で伸長し、第2サイクル以降は伸長しないため、温度特性が安定したのではないかと考える。
図16Bに示すように、実施例3の圧電基材は、第1サイクルにおいて25℃から60℃にかけて感度の変化は小さく、60℃から80℃にかけては感度が下がる。そして、第2サイクル、第3サイクルと繰り返すことにより25℃〜60℃での感度が全体的に低下する。
ここで、実施例3の圧電基材の温度特性が安定しない理由は、80℃で測定した後、リボン状圧電体の幅が広く、線径が細くなっているためと考えられる。つまり、リボン状圧電体の巻締まり具合が環境温度によって変わるためと考えられる。
なお、実施例2及び実施例3において、温度特性評価前後の圧電材料について、リボン状圧電体の幅をマイクロスコープにより観察した。その結果、実施例2の圧電基材では、リボン状圧電体の幅が0.026%程度狭くなった程度であることを確認した。したがって、実施例2の圧電基材は、80℃で測定した後であっても、リボン状圧電体の巻締まり具合に変化が見られないことがわかる。
一方、実施例3のリボン状圧電体では、リボン状圧電体の幅が15%程度広くなり、さらに線径が細くなっていることを確認した。したがって、実施例3の圧電基材は、80℃で測定した後では、リボン状圧電体の巻締まり具合が明らかに変化していることがわかる。
2018年9月19日に出願された日本国特許出願2018−175421の開示はその全体が参照により本明細書に取り込まれる。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、及び技術規格は、個々の文献、特許出願、及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。
10、10A、10B、10C、10D ベッド装置(人体検出システム)
12 圧電基材(生体情報取得デバイス)
16A 内部導体(導体)
18A 第1の圧電体(圧電体)
24 床板(板材)
26 マットレス(加圧部)
30 人体検出装置
33 基準面
34 領域
37 緩衝材(基部)
38 絶縁部材(被覆部材)
55 検出部
56 判定部

Claims (15)

  1. 人体から受ける圧力の方向と交差する板材の複数の領域の各々において、軸方向が前記板材に沿って設けられ、かつ径方向に加えられた圧力を検出するライン状の圧電基材と、
    メモリと、
    前記メモリに接続されたプロセッサと、を備え、
    前記プロセッサは、前記圧電基材の各々の出力信号を検出可能とする人体検出装置。
  2. 前記圧電基材は、
    長尺状の導体と、
    前記導体に対して一方向に螺旋状に巻回された長尺状の圧電体と、を備え、
    前記導体と前記圧電体との間の電位差から前記圧電体に入力された圧力を検知する請求項1に記載の人体検出装置。
  3. 前記圧電体には、有機圧電材料が用いられている請求項2に記載の人体検出装置。
  4. 前記圧電体は、光学活性を有するヘリカルキラル高分子(A)である請求項3に記載の人体検出装置。
  5. 前記ヘリカルキラル高分子(A)は、ポリ乳酸である請求項4に記載の人体検出装置。
  6. 前記圧電基材は前記圧電体の周囲に被覆部材を有する請求項2から請求項5の何れか1項に記載の人体検出装置。
  7. 前記圧電基材に接すると共に前記板材に沿って設けられ、前記人体との接触により加圧される加圧部と、
    前記圧電基材に隣接し、かつ前記加圧部の対向側に設けられた基部と、を有する請求項1から請求項6の何れか1項に記載の人体検出装置。
  8. 前記加圧部の厚さは、0.005〜200mmの範囲にあり、前記加圧部の硬さはJISK6400−2に規定されるA法に準拠して測定した場合に50〜200Nの範囲にある請求項7に記載の人体検出装置。
  9. 前記加圧部における加圧方向に沿って前記加圧部、前記圧電基材及び前記基部が配置されている請求項7又は8に記載の人体検出装置。
  10. 前記基部には、発泡プラスチックが用いられている請求項7から請求項9の何れか1項に記載の人体検出装置。
  11. 前記圧電基材が生体情報取得デバイスである、請求項1から請求項10の何れか1項に記載の人体検出装置。
  12. 前記圧電基材は、前記軸方向に垂直な断面の形状が非円形断面である請求項1から請求項11の何れか1項に記載の人体検出装置。
  13. 前記圧電基材は、前記軸方向に垂直な断面において、短径に対する長径の寸法比が1.05〜10.00である請求項12に記載の人体検出装置。
  14. 請求項1から請求項13の何れか1項に記載の人体検出装置を備えたベッド装置。
  15. 請求項1から請求項13の何れか1項に記載の人体検出装置と、
    前記板材において所定方向に沿って設けられた前記領域と、
    前記領域の各々に配設された前記圧電基材と、を備え、
    前記プロセッサは、前記所定方向において隣接する前記圧電基材同士の出力信号を比較して、前記板材上における前記人体の移動を判定する人体検出システム。
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