JPWO2020054757A1 - 衝撃吸収材および保護具 - Google Patents

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Abstract

発泡体(A)を含む衝撃吸収材であって、上記発泡体(A)は、周波数0.0159Hz、歪量0.1%の条件での動的粘弾性測定により求められる損失正接(tanδ)の値Talと、周波数15.9Hz、歪量0.1%、温度25℃の条件での動的粘弾性測定により求められる損失正接(tanδ)の値Tahとの比(Tah/Tal)が0.50以下である衝撃吸収材。

Description

本発明は、衝撃吸収材および保護具に関する。
熱可塑性樹脂からなる発泡体は、軽量性やクッション性、柔軟性、衝撃吸収性等の特性を有しており、例えば衝撃吸収材として使用されている。
このような発泡体に関する技術としては、例えば、特許文献1(国際公開第2016/093091号)に記載のものが挙げられる。
特許文献1には、(A)イソブチレンを構成単量体とする重合体ブロックと、芳香族ビニル系単量体を構成単量体とする重合体ブロックとからなるブロック共重合体である熱可塑性エラストマー、及び、(B)熱膨張性マイクロカプセルを含有する発泡性組成物を押出発泡して得られることを特徴とする熱可塑性エラストマー押出発泡シートが記載されている。
国際公開第2016/093091号
衝撃吸収材には、衝撃吸収性および軽量性のさらなる向上が求められている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、衝撃吸収性および軽量性が向上した衝撃吸収材および保護具を提供するものである。
本発明者らは、衝撃吸収性および軽量性に優れる衝撃吸収材を実現するために鋭意検討した。その結果、低周波数領域での損失正接(tanδ)が高く、高周波数領域での損失正接(tanδ)が低い発泡体を含むことによって衝撃吸収性および軽量性を向上できるという知見を得て、本発明を完成させた。
すなわち、本発明によれば、以下に示す衝撃吸収材および保護具が提供される。
[1]
発泡体(A)を含む衝撃吸収材であって、
上記発泡体(A)は、周波数0.0159Hz、歪量0.1%、温度25℃の条件での動的粘弾性測定により求められる損失正接(tanδ)の値Talと、周波数15.9Hz、歪量0.1%、温度25℃の条件での動的粘弾性測定により求められる損失正接(tanδ)の値Tahとの比(Tah/Tal)が0.50以下である衝撃吸収材。
[2]
上記[1]に記載の衝撃吸収材において、
周波数0.0159Hz、歪量0.1%、温度25℃の条件での動的粘弾性測定により求められる損失正接(tanδ)の値Tblと、周波数15.9Hz、歪量0.1%、温度25℃の条件での動的粘弾性測定により求められる損失正接(tanδ)の値Tbhとの比(Tbh/Tbl)が0.30以上である軟質部材(C)をさらに備える衝撃吸収材。
[3]
上記[2]に記載の衝撃吸収材において、
上記軟質部材(C)は、上記発泡体(A)のガラス転移温度よりも低いガラス転移温度を有する衝撃吸収材。
[4]
上記[2]または[3]に記載の衝撃吸収材において、
上記軟質部材(C)のガラス転移温度が10℃以下である衝撃吸収材。
[5]
上記[2]乃至[4]のいずれか一つに記載の衝撃吸収材において、
上記軟質部材(C)が熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマーおよびゴムから選択される少なくとも一種を含む衝撃吸収材。
[6]
上記[2]乃至[5]のいずれか一つに記載の衝撃吸収材において、
上記衝撃吸収材は積層体であり、
上記発泡体(A)が衝撃を受ける側に配置される衝撃吸収材。
[7]
上記[2]乃至[6]のいずれか一つに記載の衝撃吸収材において、
上記発泡体(A)のガラス転移温度よりも高いガラス転移温度を有する硬質部材(B)をさらに備える衝撃吸収材。
[8]
上記[7]に記載の衝撃吸収材において、
上記衝撃吸収材は積層体であり、
上記硬質部材(B)、上記発泡体(A)および上記軟質部材(C)の順番、または上記硬質部材(B)、上記軟質部材(C)および上記発泡体(A)の順番で構成されている衝撃吸収材。
[9]
上記[7]または[8]に記載の衝撃吸収材において、
上記硬質部材(B)のガラス転移温度が50℃以上である衝撃吸収材。
[10]
上記[7]乃至[9]のいずれか一つに記載の衝撃吸収材において、
上記硬質部材(B)がポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリ(メタ)アクリロニトリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、(メタ)アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系共重合体樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、ポリフェニレンオキシド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン系樹脂、ポリエーテルケトン系樹脂、エチレン・酢酸ビニル系樹脂、環状オレフィン系樹脂、アイオノマー系樹脂、フッ素系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂およびポリメチルペンテン系樹脂からなる群から選択される一種または二種以上の樹脂を含む衝撃吸収材。
[11]
上記[1]乃至[10]のいずれか一つに記載の衝撃吸収材において、
上記発泡体(A)は、昇温速度4℃/min、周波数1.59Hz、歪量0.1%の条件での動的粘弾性測定により求められる、損失正接(tanδ)の極大値を示す温度が少なくとも10℃以上100℃以下の範囲に1つ以上あり、かつ、上記損失正接の極大値が0.5以上3.5以下である衝撃吸収材。
[12]
上記[1]乃至[11]のいずれか一つに記載の衝撃吸収材において、
上記発泡体(A)の厚みが0.1mm以上である衝撃吸収材。
[13]
上記[1]乃至[12]のいずれか一つに記載の衝撃吸収材において、
上記発泡体(A)は4−メチル−1−ペンテン系重合体を含む衝撃吸収材。
[14]
上記[13]に記載の衝撃吸収材において、
上記4−メチル−1−ペンテン系重合体が4−メチル−1−ペンテン由来の構成単位と4−メチル−1−ペンテン以外の炭素原子数2〜20のα−オレフィン由来の構成単位とを含む衝撃吸収材。
[15]
上記[1]乃至[14]のいずれか一つに記載の衝撃吸収材において、
上記発泡体(A)の密度が0.10g/cm以上0.80g/cm以下である衝撃吸収材。
[16]
上記[1]乃至[15]のいずれか一つに記載の衝撃吸収材において、
上記発泡体(A)は未架橋発泡体である衝撃吸収材。
[17]
上記[1]乃至[16]のいずれか一つに記載の衝撃吸収材において、
シート状である衝撃吸収材。
[18]
上記[1]乃至[17]のいずれか一つに記載の衝撃吸収材において、
使用する際に人体表面に直接または間接的に接する可能性がある部材に用いられる衝撃吸収材。
[19]
上記[1]乃至[18]のいずれか一つに記載の衝撃吸収材を備える保護具。
本発明によれば、衝撃吸収性および軽量性が向上した衝撃吸収材および保護具を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、数値範囲の「A〜B」は特に断りがなければ、A以上B以下を表す。
1.衝撃吸収材
本実施形態に係る衝撃吸収材は、発泡体(A)を含み、発泡体(A)は、周波数0.0159Hz、歪量0.1%、温度25℃の条件での動的粘弾性測定により求められる損失正接(tanδ)の値Talと、周波数15.9Hz、歪量0.1%、温度25℃の条件での動的粘弾性測定により求められる損失正接(tanδ)の値Tahとの比(Tah/Tal)が0.50以下、好ましくは0.27以下、より好ましくは0.12以下であり、そして好ましくは0.008以上、より好ましくは0.01以上、さらに好ましくは0.02以上である。
また、上記Tahは好ましくは0.03以上、より好ましくは0.05以上、さらに好ましくは0.07以上であり、そして好ましくは0.50以下、より好ましくは0.40以下、さらに好ましくは0.30以下である。
また、上記Talは好ましくは1.0以上、より好ましくは1.5以上、さらに好ましくは2.5以上であり、そして好ましくは3.7以下、より好ましくは3.5以下、さらに好ましくは3.3以下である。
本発明者らは、衝撃吸収性に優れる衝撃吸収材を実現するために鋭意検討した。その結果、低周波数領域での損失正接(tanδ)が高く、高周波数領域での損失正接(tanδ)が低い発泡体(A)を含むことによって衝撃吸収性を向上できることを初めて見出して、本発明を完成させた。
そして、本発明者らは上記知見を元にさらに鋭意検討した結果、発泡体(A)において、上記Tah/Talを上記上限値以下に調整することにより、衝撃吸収性を高めることができることを見出した。さらなる効果として、衝撃吸収性柔軟性および形状追従性の性能バランスを向上できることを見出した。
ここで、上記Tah/Talが上記上限値以下である発泡体(A)が、衝撃吸収性に優れる理由は明らかではないが以下の理由が考えられる。
まず、上記Tah/Talが上記上限値以下である発泡体(A)は、高周波数領域での損失正接(tanδ)が低いため、衝撃などの比較的、短時間でかかる力(速い力ともいう)に対しては弾性的になって衝撃を広範囲に分散させることができる。一方、低周波数領域での損失正接(tanδ)が高いためプレス成形などの際にかかる衝撃などの力と比較して時間をかけてかかる力(遅い力ともいう)に対しては追従しやすい。そのため、衝撃など速い力に対しては力を広範囲に分散させる一方、発泡体の成形の際にかかる力に対して良好に追従でき、想定される衝撃に対して最適な形状に成形することができる。その結果、衝撃吸収性を向上できると考えられる。
<発泡体(A)>
本実施形態に係る発泡体(A)は、例えば4−メチル−1−ペンテン系重合体(a1)により構成された発泡体である。
また、本実施形態に係る発泡体(A)において、昇温速度4℃/min、周波数1.59Hz、歪量0.1%の条件での動的粘弾性測定により求められる、損失正接(tanδ)の極大値を示す温度が少なくとも10℃以上100℃以下の範囲に1つ以上あり、かつ、上記損失正接の極大値が0.5以上3.5以下であることが好ましい。
本発明者らは、衝撃吸収性に優れる衝撃吸収材を実現するために鋭意検討した。その結果、10℃以上100℃以下の範囲において比較的高い損失正接(tanδ)を示す発泡体(A)を含むことによって衝撃吸収性を向上できることを初めて見出した。
そして、本発明者らは上記知見を元にさらに鋭意検討した結果、発泡体(A)において、損失正接(tanδ)の極大値を示す温度および損失正接の極大値を上記範囲に調整することにより、衝撃吸収性、柔軟性および形状追従性の性能バランスをより一層向上できることを見出した。
ここで、10℃以上100℃以下の範囲において損失正接の極大値が上記範囲内である発泡体(A)が、衝撃吸収性、柔軟性および形状追従性の性能バランスに優れる理由は明らかではないが以下の理由が考えられる。
まず、10℃以上100℃以下の範囲において損失正接の極大値が上記範囲内である発泡体(A)は、変形する際に与えられる力学的エネルギーの多くを熱エネルギーに変換でき、エネルギーを多く吸収できるため、変形後の復元速度が緩やかになると考えられる。その結果、発泡体が有する柔軟性を維持しながら、変形に良好に追従でき、その結果、衝撃吸収性を向上できると考えられる。
本実施形態に係る発泡体(A)の形状は特に限定されないが、シート状が好ましい。
ここで、発泡体(A)の形状がシート状等の平面形状の場合、動的粘弾性測定により求められる損失正接(tanδ)は、例えば、縦30mm×幅10mmの試験片に切り出し、周波数1.59Hz、昇温速度4℃/分、測定温度範囲0℃〜110℃、歪量0.1%、チャック間距離20mm、捻りモードの条件で、レオメータを用いて測定することができる。
本実施形態において、例えば、(1)発泡体(A)を構成する4−メチル−1−ペンテン系重合体(a1)の種類や配合割合、(2)発泡体(A)の架橋の有無、(3)発泡成形方法等を適切に調節することにより、Tah/Talおよび10℃以上100℃以下の範囲における損失正接の極大値を上記範囲内に制御することが可能である。
これらの中でも、例えば、発泡体(A)中の4−メチル−1−ペンテン系重合体(a1)の配合割合を高めること、発泡体(A)に対し架橋処理をおこなわないこと等が、Tah/Talおよび10℃以上100℃以下の範囲における損失正接の極大値を所望の数値範囲とするための要素として挙げられる。
本実施形態に係る発泡体(A)は、衝撃吸収性および形状追従性を良好にする観点から、未架橋であることが好ましい。すなわち、本実施形態に係る発泡体(A)は、例えば、電子線やγ線を用いた電離性放射架橋等の架橋処理がなされていない未架橋発泡体であることが好ましい。これにより10℃以上100℃以下の範囲における損失正接の極大値を向上させることができ、衝撃吸収性および形状追従性により一層優れる発泡体(A)を得ることができる。
本実施形態に係る発泡体(A)の密度は0.80g/cm以下が好ましく、0.75g/cm以下がより好ましく、0.70g/cm以下がより好ましく、0.65g/cm以下が特に好ましい。密度が上記上限値以下であると、より一層軽量な発泡体(A)および衝撃吸収材を得ることができるとともに、発泡体(A)の耐ブロッキング性をより良好にしたり、表面の平滑性を向上させ、その結果、肌触り感を向上させたりすることができる。
また、発泡体(A)の密度は0.10g/cm以上が好ましく、0.20g/cm以上がより好ましく、0.30g/cm以上がさらに好ましく、0.40g/cm以上が特に好ましい。密度が上記下限値以上であると、発泡体(A)の曲げ特性や引張特性等の機械的特性をより向上させることができる。
本実施形態に係る発泡体(A)の密度は、例えば、4−メチル−1−ペンテン系重合体(a1)や後述する発泡性改質樹脂(a2)の種類や配合量、発泡体(A)の発泡倍率等をそれぞれ適切に制御することにより、上記範囲内に制御することができる。
本実施形態に係る発泡体(A)において、動的粘弾性の損失正接(tanδ)の極大値を示す温度が少なくとも10℃以上80℃以下の範囲に1つ以上あることが好ましく、10℃以上60℃以下の範囲に1つ以上あることがより好ましく、10℃以上50℃以下の範囲に1つ以上あることがさらに好ましく、10℃以上50℃以下の範囲に1つあることが特に好ましい。
また、本実施形態に係る発泡体(A)において、上記損失正接の極大値は0.8以上であることが好ましく、1.0以上であることがより好ましく、1.2以上であることがさらに好ましい。そして本実施形態に係る発泡体(A)において、上記損失正接の極大値は3.0以下であることが好ましく、2.8以下であることがより好ましい。
これにより、本実施形態に係る発泡体(A)の衝撃吸収性、柔軟性および形状追従性の性能バランスをより良好にすることができる。ここで、損失正接の極大値が大きいほど、発泡体の粘性的な性質が強いことを意味する。
粘性的な性質が強い発泡体(A)が、衝撃吸収性、柔軟性および形状追従性の性能バランスにより一層優れる理由は明らかではないが以下の理由が考えられる。
まず、粘性的な性質が強い発泡体(A)は、変形する際に与えられる力学的エネルギーのより多くを熱エネルギーに変換でき、エネルギーをより多く吸収できるため、変形後の復元速度がより一層緩やかになると考えられる。その結果、発泡体が有する柔軟性を維持しながら、変形後の形状をより一層良好に保持できたり、変形により一層良好に追従できたりすると考えられる。
本実施形態に係る発泡体(A)の厚みは特に限定されないが、例えば0.1mm以上30mm以下の範囲であり、好ましくは0.2mm以上20mm以下の範囲であり、より好ましくは0.3mm以上12mm以下の範囲である。本実施形態に係る発泡体(A)の厚みがこの範囲内であると、衝撃吸収性、柔軟性、形状追従性、軽量性、機械的特性、取扱い性、外観、成形性、耐湿性等のバランスがより優れている。
また、外部から受けた衝撃力の分散性をより向上させ、本実施形態に係る衝撃吸収材の表面割れなどをより一層抑制する観点から、発泡体(A)の厚みは1mm以上が好ましく、2mm以上がより好ましく、2.5mm以上がさらに好ましい。
本実施形態に係る発泡体(A)は、柔軟性、形状保持性および形状追従性の性能バランスに優れるため、使用する際に人体表面に直接または間接的に接する可能性がある部材に適用した場合に人体に係る負荷を低減することができる。そのため、本実施形態に係る衝撃吸収材は、人体表面に直接または間接的に接する可能性がある部材に好適に用いることができる。
本実施形態に係る発泡体(A)は、人体表面に作用したとき、柔軟かつ短時間で立体的な形状に追従し易いことから、体圧分散性(体圧分布の均一性)に優れるメリットをもつと考えられる。
本実施形態に係る発泡体(A)は特に限定されないが、用途に応じて、通気性を高めるために通気孔を有してもよい。例えば、機械式パンチング、ニードル加工、レーザーパーフォレーション、ウォータージェット等の加工技術により、表裏に連通した多数の通気孔を設けることができる。
これにより、例えば、人体表面に直接または間接的に接する可能性がある部材に用いた場合に、人体表面に直接または間接的に接する面と人体表面との間の蒸れ等を抑制することができる。
以下、本実施形態に係る発泡体(A)を構成する各成分について説明する。
(4−メチル−1−ペンテン系重合体(a1))
本実施形態に係る発泡体(A)は、4−メチル−1−ペンテン系重合体(a1)を含むことが好ましい。これにより、損失正接(tanδ)の極大値をより大きくすることができる。
本実施形態に係る4−メチル−1−ペンテン系重合体(a1)としては、例えば、4−メチル−1−ペンテン由来の構成単位(c1)と、4−メチル−1−ペンテン以外の炭素原子数2〜20のα−オレフィン由来の構成単位(c2)とを含む4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(c)が挙げられる。
ここで、本実施形態において、「炭素原子数2〜20のα−オレフィン」は特に断らない限り4−メチル−1−ペンテンを含まないことを意味する。
本実施形態に係る4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(c)は、発泡体(A)の柔軟性および衝撃吸収性をより向上させる観点から、構成単位(c1)と構成単位(c2)との合計を100モル%としたとき、構成単位(c1)の含有量が10モル%以上90モル%以下であり、構成単位(c2)の含有量が10モル%以上90モル%以下であることが好ましい。
また、本実施形態に係る4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(c)は、発泡体(A)の柔軟性や機械的特性等をより良好にする観点から、構成単位(c1)と構成単位(c2)との合計を100モル%としたとき、構成単位(c1)の含有量が30モル%以上90モル%以下であり、構成単位(c2)の含有量が10モル%以上70モル%以下であることがより好ましく、構成単位(c1)の含有量が50モル%以上90モル%以下であり、構成単位(c2)の含有量が10モル%以上50モル%以下であることがさらに好ましく、構成単位(c1)の含有量が60モル%以上90モル%以下であり、構成単位(c2)の含有量が10モル%以上40モル%以下であることがさらにより好ましく、構成単位(c1)の含有量が65モル%以上90モル%以下であり、構成単位(c2)の含有量が10モル%以上35モル%以下であることが特に好ましい。
本実施形態において、4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(c)に用いられる炭素原子数2〜20のα−オレフィンとしては、例えば、直鎖状又は分岐状のα−オレフィン、環状オレフィン、芳香族ビニル化合物、共役ジエン、官能基化ビニル化合物等が挙げられ、直鎖状のα−オレフィンが好ましい。
直鎖状α−オレフィンの炭素原子数は、好ましくは2〜10、より好ましくは2〜3である。直鎖状α−オレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン等が挙げられ、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンおよび1−デセンから選択される一種または二種以上が好ましく、エチレンおよびプロピレンから選択される少なくとも一種がより好ましい。
分岐状のα−オレフィンの炭素原子数は、好ましくは5〜20、より好ましくは5〜15である。分岐状のα−オレフィンとしては、例えば、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン等が挙げられる。
環状オレフィンの炭素原子数は、好ましくは5〜15である。環状オレフィンとしては、例えば、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロへプテン、ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、テトラシクロドデセン、ビニルシクロヘキサン等が挙げられる。
芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o,p−ジメチルスチレン、o−エチルスチレン、m−エチルスチレン、p−エチルスチレン等のモノ又はポリアルキルスチレン等が挙げられる。
共役ジエンの炭素原子数は、好ましくは4〜20、より好ましくは4〜10である。共役ジエンとしては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチルブタジエン、4−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、1,3−オクタジエン等が挙げられる。
官能基化ビニル化合物としては、例えば、水酸基含有オレフィン、ハロゲン化オレフィン、(メタ)アクリル酸、プロピオン酸、3−ブテン酸、4−ペンテン酸、5−ヘキセン酸、6−ヘプテン酸、7−オクテン酸、8−ノネン酸、9−デセン酸、10−ウンデセン酸等の不飽和カルボン酸およびその酸無水物や酸ハライド、アリルアミン、5−ヘキセンアミン、6−ヘプテンアミン等の不飽和アミン、(2,7−オクタジエニル)コハク酸無水物、ペンタプロペニルコハク酸無水物、不飽和エポキシ化合物、エチレン性不飽和シラン化合物等が挙げられる。
上記水酸基含有オレフィンとしては、例えば、炭素原子数2〜20、好ましくは2〜15の直鎖状又は分岐状の末端水酸基化α−オレフィン等が挙げられる。
上記ハロゲン化オレフィンとしては、例えば、炭素原子数が2〜20、好ましくは2〜15の直鎖状又は分岐状のハロゲン化α−オレフィン等が挙げられる。
これらの炭素原子数2〜20のα−オレフィンは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。上記の中でもエチレン、プロピレンが好適であるが、プロピレンを使用すると、柔軟性等をより良好にできる点で特に好ましい。
なお、4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(c)は、本発明の目的を損なわない範囲で、構成単位(c1)と構成単位(c2)以外の構成単位を含んでいてもよい。その他の構成としては、非共役ポリエン由来の構成単位が挙げられる。
非共役ポリエンとしては、炭素原子数が好ましくは5〜20、より好ましくは5〜10の直鎖状、分岐状又は環状のジエン、各種のノルボルネン、ノルボルナジエン等が挙げられる。これらの中でも、5−ビニリデン−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネンが好ましい。
本実施形態に係る4−メチル−1−ペンテン系重合体の135℃のデカリン中での極限粘度[η]は、発泡体(A)の柔軟性や機械的強度をより良好にする観点から、0.01〜5.0dL/gであることが好ましく、0.1〜4.0dL/gであることがより好ましく、0.5〜3.0dL/gであることがさらに好ましく、1.0〜2.8dL/gであることが特に好ましい。
本実施形態に係る4−メチル−1−ペンテン系重合体のASTM D 1505(水中置換法)に従って測定された密度は、好ましくは0.810〜0.850g/cm、より好ましくは0.820〜0.850g/cm、さらに好ましくは0.830〜0.850g/cmである。
本実施形態に係る4−メチル−1−ペンテン系重合体は種々の方法により製造することができる。例えば、マグネシウム担持型チタン触媒;国際公開第01/53369号、国際公開第01/027124号、特開平3−193796号公報、および特開平02−41303号公報等に記載のメタロセン触媒;国際公開第2011/055803号に記載されるメタロセン化合物を含有するオレフィン重合触媒等の公知の触媒を用いて製造することができる。
本実施形態に係る発泡体(A)中の4−メチル−1−ペンテン系重合体(a1)の含有量は特に限定されないが、発泡体(A)の全体を100質量%としたとき、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは65質量%以上、さらにより好ましくは70質量%以上、特に好ましくは75質量%以上であり、好ましくは100質量%以下、より好ましくは99.5質量%以下、さらに好ましくは99質量%以下、さらにより好ましくは98質量%以下、特に好ましくは97質量%以下である。
これにより、衝撃吸収性、柔軟性、形状追従性、軽量性、機械的特性、取扱い性、外観、成形性、耐湿性等のバランスにより優れた発泡体(A)を得ることができる。
(発泡性改質樹脂(a2))
本実施形態に係る発泡体(A)は、外観や肌触り、発泡性(例えば、発泡倍率、セル密度)等をより良好にする観点から、発泡性改質樹脂(a2)(ただし、本実施形態に係る4−メチル−1−ペンテン系重合体(a1)を除く)を含有することが好ましい。
本実施形態に係る発泡性改質樹脂(a2)は発泡体(A)の発泡性を向上させるものであれば特に限定されないが、例えば、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマーおよびゴムから選択される少なくとも一種が好ましい。
熱可塑性樹脂(ただし、本実施形態に係る4−メチル−1−ペンテン系重合体(a1)を除く)としては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテン、ポリ3−メチル−1−ブテン、エチレン・α−オレフィン共重合体、プロピレン・α−オレフィン共重合体、1−ブテン・α−オレフィン共重合体、環状オレフィン共重合体、塩素化ポリオレフィン等の熱可塑性ポリオレフィン樹脂;脂肪族ポリアミド(ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612)、ポリエーテルブロックアミド共重合体等の熱可塑性ポリアミド系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の熱可塑性ポリエステル系樹脂;ポリスチレン、ABS樹脂、AS樹脂等の熱可塑性ビニル芳香族系樹脂;塩化ビニル樹脂;塩化ビニリデン樹脂;アクリル樹脂;エチレン・酢酸ビニル共重合体;エチレン・メタクリル酸アクリレート共重合体;アイオノマー;エチレン・ビニルアルコール共重合体;ポリビニルアルコール;ポリフッ化ビニル樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ETFE等のフッ素系樹脂;ポリカーボネート;ポリアセタール;ポリフェニレンオキシド;ポリフェニレンサルファイド;ポリイミド;ポリアリレート;ポリスルホン;ポリエーテルスルホン;ロジン系樹脂;テルペン系樹脂;石油樹脂等が挙げられる。
ゴムとしては、例えば、エチレン・α−オレフィン・ジエン共重合体ゴム、プロピレン・α−オレフィン・ジエン共重合体ゴム等が挙げられる。
さらに、熱可塑性エラストマーとしては、例えば、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、酸変性スチレン系エラストマー、塩化ビニル系エラストマー、ウレタン系エラストマー、エステル系エラストマー、アミド系エラストマー等が挙げられる。
また、これらの発泡性改質樹脂(a2)をアクリル酸やメタクリル酸、マレイン酸等により酸変性したものであってもよい。
これらの発泡性改質樹脂(a2)は1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの発泡性改質樹脂(a2)の中でも、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテン、ポリ3−メチル−1−ブテン、エチレン・α−オレフィン共重合体、プロピレン・α−オレフィン共重合体、1−ブテン・α−オレフィン共重合体から選択される一種または二種以上が好ましく、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテン、エチレン・α−オレフィン共重合体、プロピレン・α−オレフィン共重合体、1−ブテン・α−オレフィン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエーテルブロックアミド、アイオノマー、フッ素系樹脂、酸変性フッ素系樹脂、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、石油樹脂およびスチレン系エラストマーから選択される一種または二種以上で、添加により溶融張力を向上させるものがより好ましい。
また、本実施形態に係る4−メチル−1−ペンテン系重合体(a1)と適度な相容性があるものがさらに好ましい。さらに、スチレン系エラストマーの中で、クラレ社製のビニルSIS(製品名:ハイブラー、銘柄5127)、ビニルSEPS(製品名:ハイブラー、銘柄7125)、および旭化成社製SEBS(製品名:S.O.E、銘柄:S1605、S1611、およびL609)についても、相容性、損失正接の極大値を示す温度範囲、損失正接の極大値の大きさの観点から、好ましく用いることができる。
本実施形態に係る発泡体(A)は、これらの発泡性改質樹脂(a2)の中から1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
本実施形態に係る発泡体(A)中の発泡性改質樹脂(a2)の含有量は特に限定されないが、発泡体(A)の全体を100質量%としたとき、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、さらに好ましくは2質量%以上、さらにより好ましくは3質量%以上であり、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは35質量%以下、さらにより好ましくは30質量%以下、特に好ましくは25質量%以下である。
発泡性改質樹脂(a2)の含有量が上記下限値以上であると、本実施形態に係る発泡体(A)の外観や肌触り、発泡性(例えば、発泡倍率、セル密度)等をより良好にすることができる。発泡性改質樹脂(a2)の含有量が上記上限値以下であると、本実施形態に係る発泡体(A)の柔軟性、形状保持性および形状追従性の性能バランスをより良好にすることができる。
(その他の成分)
本実施形態に係る発泡体(A)は、必要に応じて、耐熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、帯電防止剤、銅害防止剤、難燃剤、中和剤、発泡剤、可塑剤、造核剤、気泡防止剤、耐候安定剤、耐光安定剤、老化防止剤、脂肪酸金属塩、軟化剤、分散剤、着色剤、滑剤、天然油、合成油、ワックス等の添加剤を配合してもよい。これらの中でも、特に、可塑剤、軟化剤、天然油および合成油は、本実施形態に係る発泡体(A)の固体粘弾性の損失正接(tanδ)の極大値を示す温度および損失正接の極大値を調整するために、種類および添加量を制御して用いてもよい。
<発泡体(A)の製造方法>
本実施形態に係る発泡体(A)は、例えば、4−メチル−1−ペンテン系重合体(a1)を含む樹脂組成物(P)または4−メチル−1−ペンテン系重合体(a1)を特定の形状に発泡成形することにより得ることができる。
成形装置および成形条件としては特に限定されず、従来公知の成形装置および成形条件を採用することができるが、押出成形装置により成形することが好ましい。
本実施形態に係る発泡体(A)の成形方法としては、例えば、射出成形、押出成形(フィルム・シート押出、異型押出、繊維押出、ストランド押出、ネット押出等)、真空成形、ブロー成形、プレス成形、圧空成形、カレンダー成形、ビーズ成形、バッチ発泡等の公知の熱成形方法を用いることができる。すなわち、本実施形態に係る発泡体(A)は、例えば、射出成形体、押出成形体、真空成形体、ブロー成形体、プレス成形体、圧空成形体、カレンダー成形体、ビーズ成形体、バッチ発泡体等が挙げられる。
本実施形態に係る発泡体(A)として、好ましくは押出成形体である。
(4−メチル−1−ペンテン系重合体(a1)を含む樹脂組成物(P)の調製方法)
本実施形態に係る樹脂組成物(P)は、各成分をドライブレンド、タンブラーミキサー、バンバリーミキサー、単軸押出機、二軸押出機、高速二軸押出機、熱ロール等により混合または溶融・混練することにより調製することができる。
(発泡体(A)の成形方法)
本実施形態に係る発泡体(A)は、例えば、成形装置を用いて、樹脂組成物(P)を特定の形状に発泡成形することにより得ることができる。
本実施形態に係る発泡体(A)の成形の際に用いる発泡剤としては、化学発泡剤、物理発泡剤が挙げられる。
化学発泡剤としては、重炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、各種カルボン酸塩、水素化ホウ素ナトリウム、アゾジカルボアミド、N,N−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、P,P−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジッド)、アゾビスイソブチロニトリル、パラトルエンスルホニルヒドラジッド、重曹クエン酸ナトリウム等が挙げられる。
物理発泡剤としては、二酸化炭素、窒素、または二酸化炭素と窒素の混合物等が挙げられ、いずれもガス状、液状または超臨界状態のいずれでも供給することが可能である。
化学発泡剤は押出成形機に投入する前に樹脂組成物と配合して均一に混合することが好ましい。
また、物理発泡剤として二酸化炭素を使用する場合は、樹脂組成物が押出成形機内で混練、可塑化された状態になった後、直接押出成形機内へ注入することが好ましい。
樹脂組成物(P)の発泡倍率は特に限定されず、得られる発泡体(A)の諸物性を考慮して適宜決定することができる。
<その他の部材>
(硬質部材(B))
本実施形態に係る衝撃吸収材は、発泡体(A)のガラス転移温度よりも高いガラス転移温度を有する硬質部材(B)をさらに備えてもよい。
このような発泡体(A)よりも硬い硬質部材(B)をさらに備えると、外部から受けた衝撃力を面内方向に分散させることができる。そのため、本実施形態に係る衝撃吸収材に対して衝撃力が面内方向に分散して加わるため、本実施形態に係る衝撃吸収材の特定の箇所に衝撃力が集中することを防ぐことができ、その結果、本実施形態に係る衝撃吸収材の表面割れなどをより一層抑制することができる。
また、外部から受けた衝撃力の分散性をより向上させる観点から、硬質部材(B)は発泡体(A)よりも外側すなわち衝撃を受ける側に配置されることが好ましい。また、本実施形態に係る衝撃吸収材が人体表面に直接または間接的に接する可能性がある部材に用いられる場合、発泡体(A)が人体側に配置されるように構成されていることが好ましい。
本実施形態に係る硬質部材(B)のガラス転移温度は発泡体(A)のガラス転移温度よりも高い温度であれば特に限定されないが、外部から受けた衝撃力の分散性をより向上させる観点から、50℃以上であることが好ましく、60℃以上であることがより好ましく、70℃以上であることがさらに好ましい。硬質部材(B)のガラス転移温度の上限は特に限定されないが、例えば300℃以下、好ましくは250℃以下、より好ましくは200℃以下である。
本実施形態に係る硬質部材(B)を構成する樹脂としては発泡体(A)のガラス転移温度よりも高い温度を有する部材を実現できる樹脂であれば特に限定されないが、例えば、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリ(メタ)アクリロニトリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、(メタ)アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系共重合体樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、ポリフェニレンオキシド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン系樹脂、ポリエーテルケトン系樹脂、エチレン・酢酸ビニル系樹脂、環状オレフィン系樹脂、アイオノマー系樹脂、フッ素系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリメチルペンテン系樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態に係る硬質部材(B)の形状は特に限定されないが、シート状が好ましい。
また、本実施形態に係る発泡体(A)および硬質部材(B)がともにシート状である場合は、本実施形態に係る衝撃吸収材は発泡体(A)と硬質部材(B)との積層体であることが好ましい。
本実施形態に係る硬質部材(B)の厚みは特に限定されないが、例えば0.1mm以上30mm以下の範囲であり、好ましくは0.2mm以上20mm以下の範囲であり、より好ましくは0.3mm以上12mm以下の範囲である。
(軟質部材(C))
本実施形態に係る衝撃吸収材は、周波数0.0159Hz、歪量0.1%、温度25℃の条件での動的粘弾性測定により求められる損失正接(tanδ)の値Tblと、周波数15.9Hz、歪量0.1%、温度25℃の条件での動的粘弾性測定により求められる損失正接(tanδ)の値Tbhとの比(Tbh/Tbl)が0.30以上である軟質部材(C)をさらに備えることが好ましい。このとき、Tbh/Tbl>Tah/Talの関係を満たすことがさらに好ましい。
Tbh/Tblは、好ましくは5.8以下、より好ましくは3.8以下であり、そして好ましくは0.30以上、より好ましくは0.60以上、さらに好ましくは1.1以上である。
また、Tbhは好ましくは0.30以上、より好ましくは0.50以上、さらに好ましくは0.80以上であり、そして好ましくは2.0以下、より好ましくは1.75以下、さらに好ましくは1.5以下である。
また、Tblは好ましくは0.20以上、より好ましくは0.30以上、さらに好ましくは0.40以上であり、そして好ましくは0.90以下、より好ましくは0.80以下、さらに好ましくは0.70以下である。
軟質部材(C)は発泡体(A)のガラス転移温度よりも低いガラス転移温度を有することが好ましい。
このような軟質部材(C)は発泡体(A)とは異なる周波数の衝撃力を吸収することができる。特に、速い衝撃に対する吸収性に優れている。そのため、軟質部材(C)をさらに備えることによって、本実施形態に係る衝撃吸収材は発泡体(A)が吸収し難い速さの衝撃力を吸収しやすくなり、その結果、本実施形態に係る衝撃吸収材において、幅広い速さの衝撃に対する衝撃吸収性を向上させることが可能となる。
本実施形態に係る軟質部材(C)のガラス転移温度は、速い衝撃に対する吸収性をより向上させる観点から、10℃以下であることが好ましく、0℃以下であることがより好ましく、−5℃以下であることがさらに好ましい。硬質部材(B)のガラス転移温度の下限は特に限定されないが、例えば−100℃以上、好ましくは−90℃以上である。
本実施形態に係る軟質部材(C)を構成する樹脂としては上記Tbh/Tblの範囲を実現できる樹脂であれば特に限定されないが、例えば、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、ゴム等が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・α−オレフィン共重合体、プロピレン・α−オレフィン共重合体、1−ブテン・α−オレフィン共重合体、ポリアセタール系樹脂等が挙げられる。
ゴムとしては、例えば、エチレン・α−オレフィン・ジエン共重合体ゴム、プロピレン・α−オレフィン・ジエン共重合体ゴム、1−ブテン・α−オレフィン・ジエン共重合体ゴム、ポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、ネオプレンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、ポリイソブチレンゴム、天然ゴム、シリコーンゴム等が挙げられる。
熱可塑性エラストマーとしては、例えば、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、酸変性スチレン系エラストマー、塩化ビニル系エラストマー、ウレタン系エラストマー、エステル系エラストマー、アミド系エラストマー等が挙げられる。
これらの樹脂は1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態に係る軟質部材(C)の形状は特に限定されないが、シート状が好ましい。
また、本実施形態に係る発泡体(A)および軟質部材(C)がともにシート状である場合は、本実施形態に係る衝撃吸収材は発泡体(A)と軟質部材(C)との積層体であることが好ましい。また、本実施形態に係る衝撃吸収材が人体表面に直接または間接的に接する可能性がある部材に用いられる場合、発泡体(A)は衝撃を受ける側に配置されるように構成されていてもよく、人体側に配置されるように構成されていてもよい。
また、本実施形態に係る衝撃吸収材において、衝撃吸収性をより一層向上させる観点からは、発泡体(A)が衝撃を受ける側に配置されることが好ましい。発泡体(A)によってシートの面内方向に分散された衝撃を軟質部材(C)によって効果的に吸収することが可能となり、本実施形態に係る衝撃吸収材の衝撃吸収性をより一層良好にすることができる。
本実施形態に係る軟質部材(C)の厚みは特に限定されないが、例えば0.1mm以上30mm以下の範囲であり、好ましくは0.2mm以上20mm以下の範囲であり、より好ましくは0.3mm以上12mm以下の範囲である。
本実施形態に係る発泡体(A)およびその他の部材(硬質部材(B)や軟質部材(C)等)を含む衝撃吸収材を形成する方法は各種公知の方法が適用可能である。
例えば、発泡体(A)に対し、その他の部材を積層し、必要に応じてプレス等により加熱圧着、または溶着することにより、発泡体(A)およびその他の部材を含む衝撃吸収材を作製することができる。
また、発泡体(A)とその他の部材との間に接着剤を付与し、次いで、発泡体(A)とその他の部材とを接着剤を介して接合することにより、発泡体(A)およびその他の部材を含む衝撃吸収材を作製することもできる。
接着剤としては、SBR系溶剤接着剤(例えば、コニシ社製、製品名:ボンドGPクリヤー)や、EVA、石油樹脂、またはEVAと石油樹脂との混合物等からなるホットメルト接着剤を好適に用いることができる。
本実施形態に係る発泡体(A)、硬質部材(B)および軟質部材(C)がすべてシート状である場合は、本実施形態に係る衝撃吸収材は、発泡体(A)、硬質部材(B)および軟質部材(C)の積層体であることが好ましい。この場合、硬質部材(B)、発泡体(A)および軟質部材(C)の順番、または硬質部材(B)、軟質部材(C)および発泡体(A)の順番で構成されていることが好ましい。
2.保護具
本実施形態に係る保護具は、本実施形態に係る衝撃吸収材を備える。
本実施形態に係る保護具は、本実施形態に係る衝撃吸収材を備えるため、衝撃吸収性に優れている。
本実施形態に係る保護具としては、特に限定されないが、例えば、プロテクター、ヘルメット、ヘッドギア、サポーター等が挙げられる。
また、本実施形態に係る保護具が人体表面に直接または間接的に接する可能性がある部材に用いられる場合すなわち本実施形態に係る保護具が人体保護用である場合、本実施形態に係る保護具は、本実施形態に係る衝撃吸収材を構成する発泡体(A)が衝撃を受ける側に配置されるように構成されていてもよく、人体側に配置されるように構成されていてもよい。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
また、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
以下、本実施形態を、実施例・比較例を参照して詳細に説明する。なお、本実施形態は、これらの実施例の記載に何ら限定されるものではない。
<測定方法>
(1)密度
シートから試験片を切り出し、試験片質量(g)を、試験片の外形寸法から求められる体積(cm)で割って求めた。
(2)動的粘弾性測定
シートを短冊状に縦30mm×幅10mmに切り出し、試験片とした。次いで、得られた試験片に対して、Anton Paar社製MC301を用いて、チャック間距離20mm、周波数1.59Hz、歪量0.1%、昇温速度4℃/分、捻りモードの条件で温度範囲0℃〜110℃までの動的粘弾性の温度依存性を測定した。得られたグラフから、損失正接(tanδ)の極大値を示す温度およびそのtanδの極大値をそれぞれ求めた。
また、シートを短冊状に縦30mm×幅10mmに切り出し、試験片とした。次いで、得られた試験片に対して、Anton Paar社製MC301を用いて、チャック間距離20mm、歪量0.1%、温度25℃、20℃、15℃、10℃、捻りモードの条件で、周波数0.00159〜0.159Hzまでの動的粘弾性の周波数依存性を各温度でそれぞれ測定した。得られた結果から、温度25℃を基準温度として時間―温度換算則に基づきマスターカーブを合成することにより、周波数0.0159Hzにおける損失正接(tanδ)の値および周波数15.9Hzにおける損失正接(tanδ)の値を確認した。
(3)衝撃吸収材の衝撃吸収性評価
実施例および比較例の衝撃吸収材に対して、デュポン衝撃試験機を使用して、受け台内径12.7mm、荷重0.5kgf、落下高さ範囲15〜70cm、測定温度23℃の条件で落錘衝撃試験法を実施し、衝撃強度値を求めた。次いで、衝撃強度値を厚み(アクリル板を除く部分の厚み)と密度(アクリル板を除く部分の密度)で割ることによって標準化し、衝撃吸収性を評価した。ここで、各実施例および比較例における落下高さは衝撃吸収材の表面に割れが生じない場合の最大の高さとした。
(4)4−メチル−1−ペンテン系重合体の極限粘度[η]
極限粘度[η]は,デカリン溶媒を用いて135℃で測定した。
(5)4−メチル−1−ペンテン系重合体の組成
4−メチル−1−ペンテン系重合体中の4−メチル−1−ペンテンおよびα−オレフィンの含有量は13C−NMRにより定量した。
(6)4−メチル−1−ペンテン系重合体の密度
ASTM D 1505(水中置換法)に従って、ALFA MIRAGE社電子比重計MD−300Sを用い、水中と空気中で測定された各試料の重量から算出した。
<材料>
実施例および比較例で用いた原料について以下に示す。
(1)4−メチル−1−ペンテン系重合体(a1)
・4−メチル−1−ペンテン系重合体1:4−メチル−1−ペンテンとプロピレンとの共重合体(4−メチル−1−ペンテン由来の構成単位の含有量:72モル%、プロピレン由来の構成単位の含有量:28モル%、ガラス転移温度:30℃、135℃のデカリン中での極限粘度[η]:1.5dL/g、密度:0.84g/cm
・4−メチル−1−ペンテン系重合体2:4 −メチル−1−ペンテン系重合体1と4 −メチル−1−ペンテン系重合体3を質量比50/50でブレンドしたもの
・4−メチル−1−ペンテン系重合体3:4−メチル−1−ペンテンとプロピレンとの共重合体(4−メチル−1−ペンテン由来の構成単位の含有量:85モル%、プロピレン由来の構成単位の含有量:15モル%、ガラス転移温度:40℃、135℃のデカリン中での極限粘度[η]:1.4dL/g、密度:0.84g/cm
(2)熱可塑性エラストマーシート
・ウレタン系エラストマーシート1:厚み:3.0mm、密度:1.40g/cm
・ウレタン系エラストマーシート2:厚み:3.0mm、密度:1.40g/cm
・スチレン系エラストマーシート1:厚み:3.0mm、密度:0.80g/cm
ここで、ウレタン系エラストマーシート1とウレタン系エラストマーシート2とは、製品名が異なっている。
(3)発泡剤
発泡剤1:重曹クエン酸ナトリウム(大塚化学社製、P−4)
(4)アクリル板:厚さ0.5mm、ポリアクリル系樹脂、ガラス転移温度:70℃
<4−メチル−1−ペンテン系重合体(a1)を含む発泡シートの作製>
成形機としては、単軸押出成形機(シリンダー内径D:50mm、フルフライトスクリュー、スクリュー有効長をLとしたときL/D:32mm、二酸化炭素供給位置:スクリュー供給部側から17.5D)、Tダイ(ダイ幅:320mm、リップ開度:0.5〜1.8mm)、冷却ロール(外径50mm、鏡面仕上げ硬質クロムメッキ表面処理付のスチール製、水冷式)、二酸化炭素供給装置、冷却ロール、および引取機、とからなる装置を用いた。
まず、4−メチル−1−ペンテン系重合体1〜3それぞれ100質量部に対して発泡剤1を0.3質量部の配合比でドライブレンドし、得られた混合物をホッパーにそれぞれ投入し、さらに二酸化炭素供給装置から押出成形機のシリンダーの途中(位置17.5D)に二酸化炭素を10〜23MPaの圧力で注入した。このとき二酸化炭素の注入量としては押出量に対して、0.1〜0.8質量%となるよう調整にした。シリンダー各部の温度100〜230℃、スクリュー回転数20〜36rpmの条件で各成分原料を溶融・混練し、シリンダーヘッド部の樹脂温度130〜195℃で、押出量5〜8.5kg/時間となるようにTダイから押出した。押し出された発泡シートは、冷却ロール(ロール内部通水温度30℃)で冷却して、引取機を用いて引き取り(引取速度0.4〜2.3m/分)、シート幅約300mmの4−メチル−1−ペンテン系重合体発泡シート1〜3(PMP発泡シート1〜3とも呼ぶ。)をそれぞれ得た。
ここで、4−メチル−1−ペンテン系重合体1を用いて作製した発泡シートをPMP発泡シート1と呼び、4−メチル−1−ペンテン系重合体2を用いて作製した発泡シートをPMP発泡シート2と呼び、4−メチル−1−ペンテン系重合体3を用いて作製した発泡シートをPMP発泡シート3と呼ぶ。
各シートの物性は以下のとおりである。
・PMP発泡シート1
厚さ:0.5mmまたは1.0mm
損失正接(tanδ)の極大値を示す温度:28℃
損失正接の極大値: 2.6
・PMP発泡シート2
厚さ:1.0mm
損失正接(tanδ)の極大値を示す温度:35℃
損失正接の極大値:1.5
・PMP発泡シート3
厚さ:1.0mm
損失正接(tanδ)の極大値を示す温度:40℃
損失正接の極大値:0.8
また、各シートの厚みおよび動的粘弾性測定の結果を表Aに示す。
Figure 2020054757
[実施例1〜10および比較例1〜6]
表1および2に示す層構成の衝撃吸収材を作製し、各評価をおこなった。
得られた結果を表1および2にそれぞれ示す。
Figure 2020054757
Figure 2020054757
表1および2から明らかなように、Tah/Talが0.50以下である発泡シートを含む衝撃吸収材は、衝撃吸収性を向上できることがわかった。
[実施例11]
ウレタン系エラストマーシート1(厚み:3.0mm)/PMP発泡シート1(厚み:1.0mm)/アクリル板(厚み:0.5mm)の多層構成の衝撃吸収材を作製した。ウレタン系エラストマーシート1側が衝撃を受ける側である。この衝撃吸収材の密度(アクリル板を除く部分)は1.18g/cm、厚さ(アクリル板を除く部分)は4.0mmであった。この衝撃吸収材は、他の実施例と同様に衝撃吸収性に優れるものであった。
[実施例12〜16]
表3に示す層構成の衝撃吸収材を作製し、各評価をおこなった。
得られた結果を表3に示す。
Figure 2020054757
この出願は、2018年9月11日に出願された日本出願特願2018−170006号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
以下、本発明は以下の態様も含む。
1.
4−メチル−1−ペンテン系重合体により構成された発泡体(A)を含む衝撃吸収材。
2.
1.に記載の衝撃吸収材において、
前記発泡体(A)は、昇温速度4℃/min、周波数1.59Hz、歪量0.1%の条件での動的粘弾性測定により求められる、損失正接(tanδ)の極大値を示す温度が少なくとも10℃以上100℃以下の範囲に1つ以上あり、かつ、前記損失正接の極大値が0.5以上3.5以下である衝撃吸収材。
3.
1.または2.に記載の衝撃吸収材において、
前記発泡体(A)の厚みが0.1mm以上である衝撃吸収材。
4.
1.乃至3.のいずれか一つに記載の衝撃吸収材において、
前記発泡体(A)のガラス転移温度よりも高いガラス転移温度を有する硬質部材(B)をさらに備える衝撃吸収材。
5.
4.に記載の衝撃吸収材において、
前記硬質部材(B)のガラス転移温度が50℃以上である衝撃吸収材。
6.
4.または5.に記載の衝撃吸収材において、
前記硬質部材(B)がポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリ(メタ)アクリロニトリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、(メタ)アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系共重合体樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、ポリフェニレンオキシド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン系樹脂、ポリエーテルケトン系樹脂、エチレン・酢酸ビニル系樹脂、環状オレフィン系樹脂、アイオノマー系樹脂、フッ素系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂およびポリメチルペンテン系樹脂からなる群から選択される一種または二種以上の樹脂を含む衝撃吸収材。
7.
1.乃至6.のいずれか一つに記載の衝撃吸収材において、
前記発泡体(A)のガラス転移温度よりも低いガラス転移温度を有する軟質部材(C)をさらに備える衝撃吸収材。
8.
7.に記載の衝撃吸収材において、
前記軟質部材(C)のガラス転移温度が10℃以下である衝撃吸収材。
9.
7.または8.に記載の衝撃吸収材において、
前記軟質部材(C)が熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマーおよびゴムから選択される少なくとも一種を含む衝撃吸収材。
10.
1.乃至9.のいずれか一つに記載の衝撃吸収材において、
前記4−メチル−1−ペンテン系重合体が4−メチル−1−ペンテン由来の構成単位と4−メチル−1−ペンテン以外の炭素原子数2〜20のα−オレフィン由来の構成単位とを含む衝撃吸収材。
11.
1.乃至10.のいずれか一つに記載の衝撃吸収材において、
前記発泡体(A)の密度が0.10g/cm以上0.80g/cm以下である衝撃吸収材。
12.
1.乃至11.のいずれか一つに記載の衝撃吸収材において、
前記発泡体(A)は未架橋発泡体である衝撃吸収材。
13.
1.乃至12.のいずれか一つに記載の衝撃吸収材において、
シート状である衝撃吸収材。
14.
1.乃至13.のいずれか一つに記載の衝撃吸収材において、
使用する際に人体表面に直接または間接的に接する可能性がある部材に用いられる衝撃吸収材。
15.
1.乃至14.のいずれか一つに記載の衝撃吸収材を備える保護具。

Claims (14)

  1. 発泡体(A)を含む衝撃吸収材であって、
    前記発泡体(A)は、周波数0.0159Hz、歪量0.1%、温度25℃の条件での動的粘弾性測定により求められる損失正接(tanδ)の値Talと、周波数15.9Hz、歪量0.1%、温度25℃の条件での動的粘弾性測定により求められる損失正接(tanδ)の値Tahとの比(Tah/Tal)が0.50以下である衝撃吸収材。
  2. 請求項1に記載の衝撃吸収材において、
    周波数0.0159Hz、歪量0.1%、温度25℃の条件での動的粘弾性測定により求められる損失正接(tanδ)の値Tblと、周波数15.9Hz、歪量0.1%、温度25℃の条件での動的粘弾性測定により求められる損失正接(tanδ)の値Tbhとの比(Tbh/Tbl)が0.30以上である軟質部材(C)をさらに備える衝撃吸収材。
  3. 請求項2に記載の衝撃吸収材において、
    前記軟質部材(C)は、前記発泡体(A)のガラス転移温度よりも低いガラス転移温度を有する衝撃吸収材。
  4. 請求項2または3に記載の衝撃吸収材において、
    前記軟質部材(C)のガラス転移温度が10℃以下である衝撃吸収材。
  5. 請求項2乃至4のいずれか一項に記載の衝撃吸収材において、
    前記衝撃吸収材は積層体であり、
    前記発泡体(A)が衝撃を受ける側に配置される衝撃吸収材。
  6. 請求項2乃至5のいずれか一項に記載の衝撃吸収材において、
    前記発泡体(A)のガラス転移温度よりも高いガラス転移温度を有する硬質部材(B)をさらに備える衝撃吸収材。
  7. 請求項6に記載の衝撃吸収材において、
    前記衝撃吸収材は積層体であり、
    前記硬質部材(B)、前記発泡体(A)および前記軟質部材(C)の順番、または前記硬質部材(B)、前記軟質部材(C)および前記発泡体(A)の順番で構成されている衝撃吸収材。
  8. 請求項6または7に記載の衝撃吸収材において、
    前記硬質部材(B)のガラス転移温度が50℃以上である衝撃吸収材。
  9. 請求項1乃至8のいずれか一項に記載の衝撃吸収材において、
    前記発泡体(A)は、昇温速度4℃/min、周波数1.59Hz、歪量0.1%の条件での動的粘弾性測定により求められる、損失正接(tanδ)の極大値を示す温度が少なくとも10℃以上100℃以下の範囲に1つ以上あり、かつ、前記損失正接の極大値が0.5以上3.5以下である衝撃吸収材。
  10. 請求項1乃至9のいずれか一項に記載の衝撃吸収材において、
    前記発泡体(A)は4−メチル−1−ペンテン系重合体を含む衝撃吸収材。
  11. 請求項10に記載の衝撃吸収材において、
    前記4−メチル−1−ペンテン系重合体が4−メチル−1−ペンテン由来の構成単位と4−メチル−1−ペンテン以外の炭素原子数2〜20のα−オレフィン由来の構成単位とを含む衝撃吸収材。
  12. 請求項1乃至11のいずれか一項に記載の衝撃吸収材において、
    前記発泡体(A)の密度が0.10g/cm以上0.80g/cm以下である衝撃吸収材。
  13. 請求項1乃至12のいずれか一項に記載の衝撃吸収材において、
    前記発泡体(A)は未架橋発泡体である衝撃吸収材。
  14. 請求項1乃至13のいずれか一項に記載の衝撃吸収材を備える保護具。
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