JPWO2020054334A1 - 水素生成システム及び水素生成システムの運転方法 - Google Patents

水素生成システム及び水素生成システムの運転方法 Download PDF

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Abstract

水素生成システム(200)は、電気化学デバイス(100)と、ガス供給部(202)と、電源(203)と、制御器(205)と、を備える。電気化学デバイス(100)は、アノード(105)と、カソード(106)と、アノード(105)とカソード(106)との間に配置される電解質膜(104)とを有し、アノード(105)に水素含有ガスが供給され、アノード(105)とカソード(106)との間に所定の方向の電流が流されることにより、カソード(106)において水素含有ガスよりも水素純度が高い水素ガスを生成するように構成されている。制御器(205)は、電気化学デバイス(100)の運転時間が長くなるにしたがって、電流の電流量を増加させるように電源(203)を制御するように構成されている。

Description

本開示は、電気化学デバイスを用いて、ガス供給装置から供給される水素含有ガスから純度の高い水素ガスを生成する水素生成システムおよび水素生成システムの運転方法に関するものである。
従来の水素生成システムは、一般に、プロトン伝導性の電解質膜をアノードとカソードとで挟んで構成される電解質膜−電極接合体が一対のセパレータによって挟持された電気化学デバイスを備える。
加湿された水素含有ガスがアノードに供給される。アノードがカソードよりも高電位になるように、アノードとカソードとの間に電圧が印加される。アノードとカソードとの間に直流電流が流される。これにより、アノードにおいて、(化1)に示す、水素が水素イオンと電子とに解離する酸化反応が起こる。また、カソードにおいて、(化2)に示す、電解質膜を透過した水素イオンと電子との結合により水素が生成される還元反応が起こる。
Figure 2020054334
Figure 2020054334
以上の反応により、水素生成システムは、アノードに供給された水素含有ガスから、カソードにおいて、純度の高い水素を生成することができる(例えば、特許文献1参照)。
水素生成システムのアノードに供給される水素含有ガスは、例えば、燃料処理器によって、都市ガスおよびプロパンガスなどの炭化水素系の原料から、水蒸気改質、部分酸化改質およびオートサーマル改質などにより生成される。このように生成された水素含有ガスは、水素の他に、窒素および二酸化炭素などの不純物を含んでいる。
特開昭60−36302号公報
しかし、従来の構成では、電気化学デバイスを使用するにしたがって、電解質膜の劣化が進行する。このため、アノードに供給される水素含有ガスに含まれる水素以外の不純物ガスのうち、アノードから電解質膜を介してカソードに透過する不純物ガスの透過流量が増加する。これにより、カソードで生成される水素ガスの不純物濃度が増加する課題を有している。
本開示は、上記課題を解決するものである。本開示は、電気化学デバイスのカソードにおいて生成される水素ガスの不純物濃度の経時的な増加を抑制し、高純度の水素を安定して生成することができる水素生成システムおよび水素生成システムの運転方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本開示の水素生成システムおよび水素生成システムの運転方法は、電気化学デバイスの運転時間が長くなるにしたがって、電気化学デバイスに流す電流量を増加させる。これにより、カソードで生成される水素ガスの不純物濃度は、運転時間が長くなるにしたがって電流量を増加させない場合にカソードで生成される水素ガスの不純物濃度よりも低くなる。したがって、電気化学デバイスを使用する際にカソードにおいて生成される水素ガスの不純物濃度の経時的な増加が抑制される。これにより、高純度の水素が安定して生成される。
また、本開示の水素生成システムおよび水素生成システムの運転方法は、カソードにおいて生成された水素ガスの不純物濃度を測定する検出部を備える。検出した不純物濃度が所定の濃度よりも高い場合には、検出部により検出した不純物濃度が所定の濃度になるように、電気化学デバイスに流す電流の電流量を増加させる。また、検出された不純物濃度が所定の濃度よりも低い場合には、電気化学デバイスに流す電流の電流量を減少させる。
これにより、カソードにおいて生成された水素ガスの不純物濃度が所定の濃度よりも高いことを検出部により検出した場合には、電気化学デバイスに流す電流の電流量を増加させる。これにより、電流量を増加させる前よりも、水素ガスの不純物濃度が低下する。また、水素ガスの不純物濃度が所定の濃度よりも低いことを検出部により検出した場合には、電気化学デバイスに流す電流の電流量を減少させる。これにより、電流量を減少させる前よりも、水素ガスの不純物濃度が増加する。
したがって、電気化学デバイスを使用した時にカソードにおいて生成される水素ガスの不純物濃度が所定の濃度から逸脱することが抑制される。これにより、高純度の水素が安定して生成される。
本開示の水素生成システムおよび水素生成システムの運転方法は、電気化学デバイスの運転時間が長くなるにしたがって、電解質膜の劣化が進行する。したがって、アノードから電解質膜を介してカソードへ透過する不純物ガスの流量が増加した場合には、電気化学デバイスの運転時間が長くなるにしたがって、電気化学デバイスに流す電流量を増加させる。これにより、電気化学デバイスを使用する際にカソードにおいて生成される水素ガスの不純物濃度の経時的な増加が抑制される。したがって、高純度の水素が安定して生成される。
また、本開示の水素生成システムおよび水素生成システムの運転方法は、検出部により検出されたカソードの水素ガスの不純物濃度が所定の濃度よりも高い場合には、不純物濃度が所定の濃度よりも低いことを検出部により検出するまで、電気化学デバイスに流す電流量を増加させる。これにより、カソードにおいて生成される水素ガスの不純物濃度が所定の濃度から逸脱することが抑制される。したがって、高純度の水素が安定して生成される。
図1は、本開示の実施の形態1に係る水素生成システムの概略構成図である。 図2は、本開示の実施の形態1に係る水素生成システムの制御処理を示すフローチャートである。 図3は、本開示の実施の形態2に係る水素生成システムの概略構成図である。 図4は、本開示の実施の形態2に係る水素生成システムの制御処理を示すフローチャートである。
本開示の水素生成システムは、アノードと、カソードと、アノードとカソードとの間に配置される電解質膜とを有し、アノードに水素含有ガスが供給され、アノードとカソードとの間に所定の方向の電流が流されることにより、カソードにおいて水素含有ガスよりも水素純度が高い水素ガスを生成するように構成された電気化学デバイスと、アノードに水素含有ガスを供給するように構成されたガス供給部と、アノードとカソードとの間に電流を流すように構成された電源と、制御部と、を備える。制御部は、電気化学デバイスの運転時間が長くなるにしたがって、電流の電流量を増加させるように電源を制御するように構成されている。
一般に、電気化学デバイスを使用するにしたがって、電解質膜の劣化が進行する。したがって、アノードに供給される水素含有ガスに含まれる水素以外の不純物ガスのうち、アノードから電解質膜を介してカソードへ透過する不純物ガスの透過流量が増加する。
しかし、本開示の水素生成システムにおいては、電気化学デバイスの運転時間が長くなるにしたがって、電流の電流量が増加する。これにより、アノードにおいて、水素が水素イオンと電子とに解離する酸化反応の反応速度が速くなる。したがって、アノードから電解質膜を介してカソードへ透過する水素イオンの透過流量と、アノードから電源を介してカソードに移動する電子の流量とが増加する。これにより、カソードにおいて、水素イオンと電子との結合により生成される水素ガスの単位時間あたりの生成量が増加する。
また、カソードから排出される水素ガスの不純物濃度は、アノードから電解質膜を介してカソードに透過する不純物ガスの透過流量と、アノードから電解質膜を介してカソードに透過する水素イオンおよびアノードから電源を介してカソードに移動する電子の結合によりカソードにおいて生成される水素ガスの単位時間あたりの生成量との比率で決まる。したがって、水素ガスの不純物濃度は、カソードにおいて生成される水素ガスの単位時間あたりの生成量が大きいほど、低くなる。その結果、カソードで生成される水素ガスの不純物濃度は、運転時間が長くなるにしたがって電流量を増加させない場合にカソードで生成される水素ガスの不純物濃度よりも低くなる。したがって、電気化学デバイスを使用する際にカソードで生成される水素ガスの不純物濃度の経時的な増加が抑制される。これにより、高純度の水素が安定して生成される。
本開示の水素生成システムは、アノードと、カソードと、アノードとカソードとの間に配置される電解質膜とを有し、アノードに水素含有ガスが供給され、アノードとカソードとの間に所定の方向の電流が流されることにより、カソードにおいて水素含有ガスよりも水素純度が高い水素ガスを生成するように構成された電気化学デバイスと、アノードに水素含有ガスを供給するように構成されたガス供給部と、アノードとカソードとの間に電流を流すように構成された電源と、カソードにおいて生成された水素ガスの不純物濃度を測定するように構成された検出部と、制御部と、を備える。制御部は、検出部により検出された不純物濃度が所定の濃度よりも高い場合には、電流の電流量を増加させるように電源を制御するように構成され、検出部により検出された不純物濃度が所定の濃度よりも低い場合には、電流の電流量を減少させるように電源を制御するように構成されている。
本開示の水素生成システムにおいては、カソードにおいて生成された水素ガスの不純物濃度が所定の濃度よりも高いことを検出部が検出した場合には、制御器は、電気化学デバイスに流す電流量を増加させる。これにより、アノードにおいて、水素が水素イオンと電子とに解離する酸化反応の反応速度が速くなる。したがって、アノードから電解質膜を介してカソードに透過する水素イオンおよびアノードから電源を介してカソードに移動する電子の結合によりカソードで生成される水素ガスの単位時間あたりの生成量が増加する。これにより、電流量を増加させる前よりも、カソードにおいて生成された水素ガスの不純物濃度は低下する。
一方、水素ガスの不純物濃度が所定の濃度よりも低いことを検出部が検出した場合には、制御器は、電気化学デバイスに流す電流量を減少させる。これにより、アノードにおいて、水素が水素イオンと電子とに解離する酸化反応の反応速度が遅くなる。したがって、カソードで生成される水素ガスの単位時間あたりの生成量が減少する。これにより、電流量を減少させる前よりも、カソードにおいて生成された水素ガスの不純物濃度は増加する。
したがって、電気化学デバイスの使用中にカソードにおいて生成される水素ガスの不純物濃度が所定の濃度から逸脱することが抑制される。これにより、高純度の水素が安定して生成される。
本開示の水素生成システムの運転方法は、アノードと、カソードと、アノードとカソードとの間に配置される電解質膜とを有し、アノードに水素含有ガスが供給され、アノードとカソードとの間に所定の方向の電流が流されることにより、カソードにおいて水素含有ガスよりも水素純度が高い水素ガスを生成するように構成された電気化学デバイスと、アノードに水素含有ガスを供給するように構成されたガス供給部と、アノードとカソードとの間に電流を流すように構成された電源と、を備えた水素生成システムの運転方法であって、電気化学デバイスの運転時間が長くなるにしたがって、電源による電流の電流量を増加させる。
上記方法において、電気化学デバイスの運転時間が長くなるにしたがって、電流の電流量が増加する。これにより、アノードにおいて、水素が水素イオンと電子とに解離する酸化反応の反応速度が速くなる。したがって、アノードから電解質膜を介してカソードへ透過する水素イオンの透過流量と、アノードから電源を介してカソードに移動する電子の流量とが増加する。これにより、カソードにおいて、水素イオンと電子との結合により生成される水素ガスの単位時間あたりの生成量が増加する。
また、カソードから排出される水素ガスの不純物濃度は、アノードから電解質膜を介してカソードに透過する不純物ガスの透過流量と、カソードにおいて生成される水素ガスの単位時間あたりの生成量との比率で決まる。したがって、水素ガスの不純物濃度は、カソードにおいて生成される水素ガスの単位時間あたりの生成量が大きいほど、低くなる。
その結果、カソードで生成される水素ガスの不純物濃度は、運転時間が長くなるにしたがって電流量を増加させない場合にカソードで生成される水素ガスの不純物濃度よりも低くなる。したがって、電気化学デバイスを使用する際にカソードで生成される水素ガスの不純物濃度の経時的な増加が抑制される。これにより、高純度の水素が安定して生成される。
本開示の水素生成システムの運転方法は、アノードと、カソードと、アノードとカソードとの間に配置される電解質膜とを有し、アノードに水素含有ガスが供給され、アノードとカソードとの間に所定の方向の電流が流されることにより、カソードにおいて水素含有ガスよりも水素純度が高い水素ガスを生成するように構成された電気化学デバイスと、アノードに水素含有ガスを供給するように構成されたガス供給部と、アノードとカソードとの間に電流を流すように構成された電源と、カソードにおいて生成された水素ガスの不純物濃度を測定するように構成された検出部と、を備えた水素生成システムの運転方法であって、検出部により検出された不純物濃度が所定の濃度よりも高い場合には、電源による電流の電流量を増加させ、検出部により検出された不純物濃度が所定の濃度よりも低い場合には、電源による電流の電流量を減少させる。
上記方法において、カソードにおいて生成された水素ガスの不純物濃度が所定の濃度よりも高いことを検出部が検出した場合には、電気化学デバイスに流す電流量を増加させる。これにより、アノードにおいて、水素が水素イオンと電子とに解離する酸化反応の反応速度が速くなる。したがって、アノードから電解質膜を介してカソードに透過する水素イオンおよびアノードから電源を介してカソードに移動する電子の結合によりカソードで生成される水素ガスの単位時間あたりの生成量が増加する。これにより、電流量を増加させる前よりも、カソードにおいて生成された水素ガスの不純物濃度は低下する。
一方、水素ガスの不純物濃度が所定の濃度よりも低いことを検出部が検出した場合には、電気化学デバイスに流す電流量を減少させる。これにより、アノードにおいて、水素が水素イオンと電子とに解離する酸化反応の反応速度が遅くなる。したがって、カソードで生成される水素ガスの単位時間あたりの生成量が減少する。これにより、電流量を減少させる前よりも、カソードにおいて生成された水素ガスの不純物濃度は増加する。
したがって、電気化学デバイスの使用中にカソードにおいて生成される水素ガスの不純物濃度が所定の濃度から逸脱することが抑制される。これにより、高純度の水素が安定して生成される。
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。ただし、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、すでによく知られた事項の詳細説明、および実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同じ構成要素については同じ符号を付し、説明を省略または簡略化する場合がある。
(実施の形態1)
図1は、本開示の実施の形態1に係る水素生成システムの概略構成図である。図2は、本開示の実施の形態1に係る水素生成システムの制御処理を示すフローチャートである。
図1に示すように、本実施の形態の水素生成システム200は、電気化学デバイス100と、電気化学デバイス100に所定の方向の電流を流す電源203と、電源203の電流量を制御する制御器205と、電気化学デバイス100に水素含有ガスを供給するガス供給部202と、を備える。
電気化学デバイス100は、プロトン伝導性の電解質膜104の両主面を、アノード105とカソード106とで挟んで構成される電解質膜−電極接合体107を有する。電気化学デバイス100は、電解質膜−電極接合体107を一対のアノード側セパレータ108とカソード側セパレータ109とによって挟持した構成になっている。
ここで、電解質膜104には、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボンスルホン酸系の高分子電解質膜が用いられる。アノード105とカソード106とは、それぞれ、白金を担持したカーボン粒子をカーボン製フェルト上に塗布して構成される。アノード側セパレータ108とカソード側セパレータ109は、ガス透過性のない導電性部材である圧縮カーボンによって構成される。
アノード側セパレータ108には、水素含有ガスをアノード105に供給するためのアノード側入口101と、カソード106に透過せずにアノード105に残った水素含有ガスをアノード105から排出するためのアノード側出口102と、アノード側セパレータ108におけるアノード105と対向する面に溝状に形成され、上流端がアノード側入口101に連通し下流端がアノード側出口102に連通する水素含有ガス流路溝(図示せず)が設けられている。
一方、カソード側セパレータ109には、カソード106において生成する水素ガスをカソード106から排出するためのカソード側出口103と、カソード側セパレータ109におけるカソード106と対向する面に溝状に形成され、下流端がカソード側出口103に連通する水素含有ガス流路溝(図示せず)が設けられている。
電源203は、電気化学デバイス100に所定の方向の電流を流す。電源203は、制御器205からの制御により電流量を調節可能に構成された直流電源である。電源203は、アノード側セパレータ108とカソード側セパレータ109とに接続される。電源203は、アノード105がカソード106よりも高電位になるように、アノード105とカソード106との間に電圧を印加し、アノード105から電解質膜104を介してカソード106へ流れる方向の電流を流す。
電気化学デバイス100において、電源203によって、電気化学デバイス100のアノード105とカソード106との間に所定の方向の電流が流れる。電気化学デバイス100において、ガス供給部202によってアノード105に水素含有ガスが供給された場合には、水素含有ガスに含まれる水素は、アノード105において、水素イオンと電子とに解離する。解離した電子は、アノード105から電源203を介してカソード106に流れる。解離した水素イオンは、アノード105から電解質膜104を透過する。電解質膜104を透過した水素イオンは、カソード106に流れ、カソード106において電子と結合する。これにより、水素が生成される。
制御器205は、電源203の電流量を制御する。制御器205は、電源203に接続されている。
ガス供給部202は、水蒸気改質反応を利用して都市ガスから水素含有ガスを生成し、生成した水素含有ガスを供給する燃料処理器により構成されている。ガス供給部202は、接続流路201を介して、電気化学デバイス100のアノード側入口101に接続されている。
電気化学デバイス100のアノード側出口102には、アノード105から電解質膜104を介してカソード106に透過せずにアノード105に残った水素含有ガスを排出するためのアノード側出口流路204が接続されている。
電気化学デバイス100のカソード側出口103には、電気化学デバイス100のカソード106において生成された水素ガスをカソード106から排出して水素利用機器に供給するためのカソード側出口流路206が接続されている。
以上のように構成された本実施の形態の水素生成システム200について、以下、その動作を、図1および図2を参照しながら具体的に説明する。
まず、ガス供給部202は、二酸化炭素の含有比率が20%であり、水素の含有比率が80%の水素含有ガスを、接続流路201とアノード側入口101とを介してアノード105に供給する(S101)。ここで、本実施の形態において、水素含有ガスにおける二酸化炭素および水素の含有比率は、乾燥状態における含有比率である。なお、本実施の形態における水素含有ガスは、乾燥状態でなくてもよく、水素含有ガスの含有比率は、上記の含有比率に限定されない。例えば、本実施の形態の水素含有ガスにおいて、二酸化炭素および水素以外の要素、例えば、水蒸気が含まれていてもよい。例えば、本実施の形態における水素含有ガスは、ガス温度が約70℃から約85℃であり、相対湿度が約80%から約90%になるように水蒸気が含まれていてもよい。
次に、電源203は、アノード105から電解質膜104を介してカソード106へ流れる電流を200アンペア流す(S102)。
これにより、電気化学デバイス100において電気化学反応が進行し、アノード105に供給された水素含有ガスに含まれる水素ガスが、アノード105において、水素イオンと電子とに解離する。解離した電子は、アノード105から電源203を介してカソード106に流れる。解離した水素イオンは、電解質膜104を透過する。電解質膜104を透過した水素イオンが電子と結合することにより、カソード106において水素ガスが生成される。
ここで、アノード105に供給された水素含有ガスにわずかに含まれる二酸化炭素(不純物ガス)が、アノード105から電解質膜104を介してカソード106に透過する。
その結果、電気化学デバイス100のカソード側出口103を介して、カソード側出口流路206には、水素以外の二酸化炭素が微量含まれた、水素純度が99.97%と純度の高い水素ガスが流出する。このとき、カソード側出口流路206を流れる水素ガスの不純物濃度は、0.03%である。
また、アノード105に供給された水素含有ガスのうち、電気化学デバイス100の電気化学反応に使われていない、すなわちアノード105から電解質膜104を介してカソード106に透過しなかった水素ガスと、アノード105から電解質膜104を介してカソード106に透過しなかった二酸化炭素からなる不純物ガスは、アノード側出口102を介して、アノード側出口流路204から排出される。
水素生成システム200により水素生成動作をする間は、電源203から電気化学デバイス100に電流を流し続ける。しかし、電気化学デバイス100の運転時間が長くなるにしたがって、制御器205の制御により、電源203から電気化学デバイス100に流す電流量が増加する。具体的には、制御器205の制御により、電源203から電気化学デバイス100に流す電流量を、運転時間1時間あたり1.5ミリアンペア増加させる(S103)。
ここで、制御器205により電源203から電気化学デバイス100に流す電流量の運転時間1時間あたりの増加量を1.5ミリアンペアとした理由について説明する。
アノード105から電解質膜104を介してカソード106に透過する不純物ガスの透過流量は、電解質膜の劣化により、運転時間が長くなるにしたがって増加する。そして、アノード105からカソード106に透過する不純物ガスの流量の運転時間1時間あたりの増加量は、0.000188ミリリットル/時間である。
ここで、アノード105に供給した水素含有ガスの不純物ガスのうち、アノード105から電解質膜104を介してカソード106に透過する不純物ガスの流量の運転時間1時間あたりの増加量をAミリリットル/時間とする。また、電気化学反応により電解質膜104を透過した水素イオンが電子と結合することによりカソード106で生成される水素ガスの生成量の運転時間1時間あたりの増加量をBミリリットル/時間とする。このとき、カソード106から排出される水素ガスの不純物濃度が運転開始当初と同じ0.03%に維持される増加量Aと増加量Bとの関係は、(数1)で示される。
Figure 2020054334
(数1)において、増加量Aに0.000188を代入すると、増加量Bは、0.626ミリリットル/時間となる。
そして、増加量Bミリリットル/時間に対し、電源203から電気化学デバイス100に流す電流量の運転時間1時間あたりの増加量をDアンペアとする。このとき、増加量Bに相当する増加量Dは、(数2)で示される。
Figure 2020054334
(数2)により、増加量Bに0.626を代入すると、増加量Dは、0.0015アンペア、すなわち、1.5ミリアンペアとなる。
なお、本実施の形態において、電気化学デバイス100に流れる電流量が増加した後にカソード106において生成されるべき水素ガスの量が、アノード105に供給される水素含有ガスに含まれる水素ガスの量を超えないように、アノード105に供給される水素含有ガスの流量が予め設定されてもよい。すなわち、電気化学デバイス100に流れる電流量が増加した後にカソード106において生成されるべき水素ガスの量を考慮して、アノード105に供給される水素含有ガスの流量が一定に設定されてもよい。これにより、電気化学デバイス100に流れる電流量の増加によるアノード105からカソード106に透過する不純物の量の増加が抑制される。
なお、電気化学デバイス100に流れる電流量が増加して、カソード106において生成されるべき水素ガスの量に対して、アノード105に供給される水素含有ガスに含まれる水素ガスの量が不足することにより電気化学反応の効率が低下した場合に、アノード105に供給される水素含有ガスの流量を増加させてもよい。これにより、カソード106において生成される水素ガスの量が増加する。この場合、電気化学デバイス100に流れる電流量の増加量は、カソード106に透過する不純物の量の増加量を考慮して設定されることが好ましい。
次に、本実施の形態の水素生成システム200について、以下、その作用を、図1を参照しながら具体的に説明する。
アノード105に供給された水素含有ガスに含まれる不純物ガスのうち、運転時間1万時間後において、アノード105から電解質膜104を介してカソード106に透過する不純物ガスの流量は、電解質膜104の劣化により運転開始時より増加する。不純物ガスの流量の増加量は、1.88ミリリットル/時間である。また、運転時間1万時間後において電源203から電気化学デバイス100に流す電流量の増加量は、15アンペアである。
これにより、運転時間1万時間後において、電気化学反応により電解質膜104を透過した水素イオンと電子との結合によりカソード106で生成される水素ガスの生成量は、運転開始時より増加する。水素ガスの生成量の増加量は、6267ミリリットル/時間である。
したがって、カソード側出口流路206に流出する水素ガスの不純物濃度のうち、運転時間1万時間後において、アノード105から電解質膜104を介してカソード106に透過する流量の増加分に相当する水素ガスの不純物濃度は、0.03%である。つまり、運転時間1万時間後のカソード側出口流路206に流出する水素ガスの不純物濃度は、運転開始時と同じ0.03%となる。したがって、電気化学デバイス100を使用する際のカソード106で生成される水素ガスの不純物濃度の経時的な増加が抑制される。
以上のように、本実施の形態の水素生成システム200は、アノード105と、カソード106と、アノード105とカソード106との間に配置される電解質膜104とを有する電解質膜−電極接合体107を、一対のアノード側セパレータ108とカソード側セパレータ109とによって挟持して構成される電気化学デバイス100を備える。電気化学デバイス100は、アノード105に水素含有ガスが供給され、アノード105とカソード106との間に所定の方向の電流が流されることにより、カソード106において水素含有ガスよりも水素純度が高い水素ガスを生成する。水素生成システム200は、接続流路201とアノード側セパレータ108のアノード側入口101を介してアノード105に水素含有ガスを供給するガス供給部202と、アノード105とカソード106との間に電流を流すための電源203と、電気化学デバイス100の運転時間が長くなるにしたがって、電源の電流量を増加させるように電源203を制御する制御器205と、をさらに備える。具体的には、電気化学デバイス100のアノード105とカソード106との間に電源203から流す電流量の運転時間1時間あたりの増加量は、カソード106から排出される水素ガスの不純物濃度が運転開始当初と同じ0.03%の濃度になるように、1.5ミリアンペアに設定される。
電気化学デバイス100を使用するにしたがって、電解質膜104の劣化が進行する。したがって、アノード105に供給される水素含有ガスに含まれる水素以外の不純物ガスのうち、アノード105から電解質膜104を介してカソード106へ透過する不純物ガスの透過流量が増加する。
しかし、本実施の形態の水素生成システム200においては、電気化学デバイス100の運転時間が長くなるにしたがって、制御器205に制御される電源203によって電気化学デバイス100に流れる電流量が増加する。これにより、アノード105で水素が水素イオンと電子に解離する酸化反応の反応速度が速くなる。したがって、アノード105から電解質膜104を介してカソード106へ透過する水素イオンの透過流量と、アノード105から電源203を介してカソード106に移動する電子の流量とが増加する。これにより、カソード106において水素イオンと電子との結合により生成される水素ガスの単位時間あたりの生成量が増加する。
また、カソード106から排出される水素ガスの不純物濃度は、アノード105から電解質膜104を介してカソード106に透過する不純物ガスの透過流量と、アノード105から電解質膜104を介してカソード106へ透過する水素イオンおよびアノード105から電源203を介してカソード106に移動する電子の結合によりカソード106において生成される水素ガスの単位時間あたりの生成量との比率で決まる。したがって、水素ガスの不純物濃度は、カソード106で生成される水素ガスの単位時間あたりの生成量が大きいほど、低くなる。
その結果、カソード106で生成される水素ガスの不純物濃度は、運転時間が長くなるにしたがって電流量を増加させない場合の不純物濃度よりも低くなる。
また、本実施の形態の水素生成システム200においては、カソード106から排出される水素ガスの不純物濃度が運転開始時と同じ濃度になるように、電気化学デバイス100のアノード105とカソード106との間に電源203から流す電流量の運転時間1時間あたりの増加量を増加させる。したがって、カソード106から排出される水素ガスの不純物濃度は、運転開始当初と同じ濃度で維持される。
よって、電気化学デバイス100を使用する際にカソード106で生成される水素ガスの不純物濃度の経時的な増加が抑制され、高純度の水素が安定的に生成される。
(実施の形態2)
図3は、本開示の実施の形態2に係る水素生成システムの概略構成図である。図4は、本開示の実施の形態2に係る水素生成システムの制御処理を示すフローチャートである。
以下、本実施の形態に係る水素生成システムについて、その構成要素の材料、構造を、図面を参照しながら具体的に説明する。
本実施の形態に係る水素生成システムは、実施の形態1で説明した水素生成システムに加えて、検出部407をさらに備える点が、実施の形態1に係る水素生成システムと相違する。以下では、本実施の形態に係る水素生成システムについて、実施の形態1で説明した事項については適宜説明を省略し、実施の形態1に係る水素生成システムとの相違点を主に説明する。なお、実施の形態1に示した水素生成システムが備える構成要素と実質的に同じ構成要素については、その構成要素と同じ符号を付与して、その説明を省略または簡略化する。
図3に示すように、本実施の形態の水素生成システム400は、電源203の電流量を制御する制御器405と、電気化学デバイス100から生成する水素ガスの不純物濃度を検出する検出部407と、を備える。
制御器405は、電源203の電流量を制御する。制御器405は、電源203に接続されている。
電気化学デバイス100のカソード側出口103には、電気化学デバイス100のカソード106において生成された水素ガスをカソード106から排出して水素利用機器に供給するためのカソード側出口流路406が接続されている。
電気化学デバイス100で生成されカソード側出口103からカソード側出口流路406に流出する水素ガスの不純物濃度を検出する検出部407は、水素濃度を計測する水素濃度センサで構成される。検出部407は、カソード側出口流路406に連通する接続流路408に配置されている。検出部407は、カソード側出口流路406を流れる水素ガスの水素濃度を測定し、測定した水素濃度を制御器405に出力する。
以上のように構成された本実施の形態の水素生成システム400について、以下、その動作を、図3および図4を参照しながら具体的に説明する。
まず、ガス供給部202は、二酸化炭素の含有比率が20%であり、水素の含有比率が80%の水素含有ガスを、接続流路201とアノード側入口101とを介してアノード105に供給する(S201)。
次に、電源203は、アノード105から電解質膜104を介してカソード106へ流れる電流を200アンペア流す(S202)。
これにより、電気化学デバイス100において電気化学反応が進行し、アノード105に供給された水素含有ガスに含まれる水素ガスが、アノード105において、水素イオンと電子とに解離する。解離した電子は、アノード105から電源203を介してカソード106に流れる。解離した水素イオンは、電解質膜104を透過する。電解質膜104を透過した水素イオンが電子と結合することにより、カソード106において水素ガスが生成される。
ここで、アノード105に供給された水素含有ガスにわずかに含まれる二酸化炭素(不純物ガス)が、アノード105から電解質膜104を介してカソード106に透過する。
その結果、電気化学デバイス100のカソード側出口103を介して、カソード側出口流路406には、水素以外の二酸化炭素が微量含まれた、水素純度が99.97%と純度の高い水素ガスが流出する。このとき、カソード側出口流路406に流出する水素ガスの不純物濃度は、0.03%である。
また、アノード105に供給された水素含有ガスのうち、電気化学デバイス100の電気化学反応に使われていない、すなわちアノード105から電解質膜104を介してカソード106に透過しなかった水素ガスと、アノード105から電解質膜104を介してカソード106に透過しなかった二酸化炭素からなる不純物ガスとは、アノード側出口102を介して、アノード側出口流路204から排出される。
次に、検出部407がカソード側出口流路406を流れる水素ガスの水素濃度を測定することにより、カソード側出口流路406を流れる水素ガスの水素以外の不純物濃度(二酸化炭素の濃度)を算出する(S203)。
次に、制御器405は、算出した水素以外の不純物濃度が、所定濃度の0.03%よりも高いか否かを判定する(S204)。算出した水素以外の不純物濃度が、所定濃度の0.03%よりも高いと判定した場合、制御器405は、電源203から電気化学デバイス100に流す電流量を1.5ミリアンペア増加させ(S205)、処理をS203に戻す。
S205で、電源203から電気化学デバイス100に流す電流量を増加させたことにより、アノード105において、水素が水素イオンと電子とに解離する酸化反応の反応速度が速くなる。これにより、アノード105から電解質膜104を介してカソード106へ透過する水素イオンとアノード105から電源203を介してカソード106に移動する電子との結合によりカソード106で生成される水素ガスの単位時間あたりの生成量が増加する。
ここで、カソード106からカソード側出口103を介してカソード側出口流路406に流出する水素ガスの不純物濃度は、アノード105から電解質膜104を介してカソード106に透過する不純物ガスの透過流量と、カソード106で生成される水素ガスの単位時間あたりの生成量との比率で決まる。
よって、水素ガスの不純物濃度が所定濃度の0.03%よりも高くなったことを検出部407により検出して電源203から電気化学デバイス100に流す電流量を1.5ミリアンペア増加させた後の水素ガスの不純物濃度は、電流量を増加させる直前の所定濃度の0.03%より高い不純物濃度よりも低くすることができる。
そして、カソード106で生成される水素ガスの不純物濃度の増加が抑制される。S204において、算出した水素以外の不純物濃度が所定濃度の0.03%よりも高くないと判定した場合、処理はS206に移行する。
次に、算出した水素以外の不純物濃度が所定濃度の0.03%よりも低いか否かを判定する(S206)。算出した水素以外の不純物濃度が所定濃度の0.03%よりも低いと判定した場合、電源203から電気化学デバイス100に流す電流量を1.5ミリアンペア減少させ(S207)、処理をS203に戻す。
S207で、電源203から電気化学デバイス100に流す電流量を減少させたことにより、アノード105において、水素が水素イオンと電子とに解離する酸化反応の反応速度が遅くなる。これにより、アノード105から電解質膜104を介してカソード106へ透過する水素イオンとアノード105から電源203を介してカソード106に移動する電子との結合によりカソード106で生成される水素ガスの単位時間あたりの生成量が減少する。
よって、水素ガスの不純物濃度が所定濃度の0.03%よりも低くなったことを検出部407により検出して電源203から電気化学デバイス100に流す電流量を1.5ミリアンペア減少させた後の水素ガスの不純物濃度は、電流量を減少させる直前の所定濃度の0.03%より低い不純物濃度よりも高くすることができる。
そして、電源203から流す電流量の増加を抑制し、水素ガスを生成するために必要なエネルギー消費を抑制することができる。S206で、算出した水素以外の不純物濃度が、所定濃度0.03%よりも低くない場合、つまり、算出した水素以外の不純物濃度が、所定濃度0.03%に等しい場合は、処理をS203に戻す。
以上のように、本実施の形態の水素生成システム400は、アノード105と、カソード106と、アノード105とカソード106との間に配置される電解質膜104とを有する電解質膜−電極接合体107を、一対のアノード側セパレータ108とカソード側セパレータ109とによって挟持して構成される電気化学デバイス100を備える。電気化学デバイス100は、アノード105に水素含有ガスが供給され、アノード105とカソード106との間に所定の方向の電流が流されることにより、カソード106において水素含有ガスよりも水素純度が高い水素ガスを生成する。水素生成システム400は、接続流路201とアノード側セパレータ108のアノード側入口101を介してアノード105に水素含有ガスを供給するガス供給部202と、アノード105とカソード106との間に電流を流すための電源203と、カソード側出口流路406に連通する接続流路408に配置されてカソード106において生成されカソード側セパレータ109のカソード側出口103からカソード側出口流路406に流出する水素ガスの不純物濃度を測定する検出部407と、検出部407により検出した不純物濃度が所定濃度の0.03%になるように、検出部407により検出した不純物濃度が所定濃度の0.03%よりも高くなった場合に、電気化学デバイス100に流す電流量を1.5ミリアンペア増加させ、検出部407により検出した不純物濃度が所定濃度の0.03%よりも低くなった場合に、電気化学デバイス100に流す電流量を1.5ミリアンペア減少させるよう電源203を制御する制御器405と、をさらに備える。
これにより、カソード106において生成されカソード側出口流路406を流れる水素ガスの不純物濃度が所定濃度の0.03%よりも高くなったことを検出部407により検出した場合は、電源203から電気化学デバイス100に流す電流量を1.5ミリアンペア増加させる。これにより、電流を増加させた後のカソード106において生成されカソード側出口流路406を流れる水素ガスの不純物濃度は、電源203から電気化学デバイス100に流す電流量を増加させる直前の所定濃度の0.03%より高い不純物濃度よりも低くすることができる。したがって、カソード106で生成される水素ガスの不純物濃度の増加が抑制される。
また、カソード106において生成されカソード側出口流路406を流れる水素ガスの不純物濃度が所定濃度の0.03%よりも低くなったことを検出部407により検出した場合は、電源203から電気化学デバイス100に流す電流量を1.5ミリアンペア減少させる。これにより、電流を減少させた後のカソード106において生成されカソード側出口流路406を流れる水素ガスの不純物濃度は、電源203から電気化学デバイス100に流す電流量を減少させる直前の所定濃度の0.03%より低い不純物濃度よりも高くすることができる。したがって、電源203から流す電流量の増加を抑制し、水素ガスを生成するために必要なエネルギー消費を抑制することができる。
以上により、電気化学デバイス100を使用する際のカソード106で生成される水素ガスの不純物濃度を所定濃度0.03%と一定値に保つことができ、カソード106で生成する水素ガスの不純物濃度の変動を抑制することができる。
以上、本開示の実施の形態について説明したが、本開示はこのような実施の形態に限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲において、種々の構成を採ることができる。
(変形例1)
上述の実施の形態1の水素生成システム200においては、制御器205により電源203から流す電流量は、運転時間に応じて一定の割合で上昇させている。しかし、制御器205により電源203から流す電流量は、運転時間に応じて段階的に上昇させてもよい。
(変形例2)
上述の実施の形態2の水素生成システム400において、検出部407として水素濃度を計測する水素濃度センサが用いられ、水素濃度を測定することによりカソード106において生成される水素ガスに含まれる不純物濃度(二酸化炭素の濃度)を算出している。しかし、水素濃度センサを用いずに、カソード106において生成される水素ガスに含まれる不純物ガスの主成分である二酸化炭素の濃度を計測する二酸化炭素濃度センサを用いることにより、不純物濃度を測定してもよい。また、使用する不純物濃度センサは、単数に限らず、複数であってもよい。
(変形例3)
上述の各実施の形態において、電気化学デバイスは、一つの電解質膜−電極接合体により構成されている。しかし、電気化学デバイスは、複数の電解質膜−電極接合体により構成され、電解質膜−電極接合体とアノード側セパレータとカソード側セパレータとが積層されて構成されていてもよい。
(変形例4)
上述の各実施の形態において、電解質膜は、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボンスルホン酸系の高分子電解質膜である。しかし、電解質膜は、フッ素を含む高分子を骨格とし、カルボキシル基およびリン酸基などの官能基を有し、水素イオンを含むフッ素系の樹脂を用いてもよい。また、電解質膜は、スルホン化ポリフェニレン、スルホン化ポリベンズイミダゾールおよびスルホン化ポリエーテルエーテルケトンなどを骨格とし、水素イオンを含む水素イオン伝導性の炭化水素系の樹脂を用いてもよい。また、各電解質膜は、他の成分を含んでもよく、例えば、ポリテトラフルオロエチレンおよびパーフルオロアルキルエーテルなどの、繊維、織布、不織布および多孔体などにより補強されている電解質膜であってもよい。
(変形例5)
上述の各実施の形態において、水素含有ガスの組成は、二酸化炭素と水素とである。しかし、水素含有ガスの組成は、水素を含有していれば、これに限られない。
(変形例6)
上述の各実施の形態において、アノードとカソードとには、それぞれ、白金を担持したカーボン粒子をカーボン製フェルト上に塗布形成したものを用いている。しかし、アノードとカソードとには、それぞれ、白金に代えて、例えば、ルテニウム、金、銀、ロジウム、パラジウム、オスミウムおよびイリジウムなどの貴金属を用いてもよい。また、アノードとカソードとには、それぞれ、白金に代えて、例えば、鉄、ニッケル、マンガン、コバルト、クロム、銅、亜鉛、モリブデン、タングステン、ゲルマニウムおよび錫などの卑金属を用いてもよい。また、アノードとカソードとには、それぞれ、これらの貴金属または卑金属の酸化物、錯体などの化合物およびこれらの貴金属と卑金属との合金などを、白金に代えて用いてもよい。また、アノードとカソードとには、それぞれ、カーボン製フェルトに代えて、カーボンペーパーなどを用いてもよい。
(変形例7)
上述の各実施の形態において、セパレータには、カーボンを用いている。しかし、セパレータには、カーボンに代えて、導電性の金属を用いてもよい。さらに、セパレータには、電源からアノードとカソードとに直接電流を流すように接続することにより、導電性を有さない材質を用いることもできる。
(変形例8)
上述の各実施の形態において、水素生成システムは、電気化学デバイスのカソードにおいて生成された水素ガスをカソードから排出して水素利用機器に供給するためのカソード側出口流路を備える。しかし、カソード側出口流路は、水素生成システムと水素利用機器との間に設けられた水素タンクに接続されてもよい。このとき、水素生成システムは、水素タンクの水素量が低下し、水素利用機器に供給される水素量が水素利用機器において必要な水素量よりも少なくなった場合に、水素生成動作を開始してもよい。また、水素生成システムは、水素タンクの水素量が増加し、水素利用機器に供給される水素量が水素利用機器において必要な水素量よりも多くなった場合に、水素生成動作を停止してもよい。これにより、水素生成システムは、水素利用機器において必要な水素量が変動した場合においても、適切に対処することができる。
以上のように、本開示にかかる水素生成システムは、電気化学デバイスを使用する際にカソードにおいて生成される水素ガスの不純物濃度の経時的な増加が抑制され、高純度の水素が安定して生成される。したがって、本開示にかかる水素生成システムは、水素純化器、水素圧縮器および水素製造装置などの用途にも適用できる。
100 電気化学デバイス
101 アノード側入口
102 アノード側出口
103 カソード側出口
104 電解質膜
105 アノード
106 カソード
107 電解質膜−電極接合体
108 アノード側セパレータ
109 カソード側セパレータ
200,400 水素生成システム
201 接続流路
202 ガス供給部
203 電源
204 アノード側出口流路
205,405 制御器
206,406 カソード側出口流路
407 検出部
408 接続流路

Claims (4)

  1. アノードと、カソードと、前記アノードと前記カソードとの間に配置される電解質膜とを有し、前記アノードに水素含有ガスが供給され、前記アノードと前記カソードとの間に所定の方向の電流が流されることにより、前記カソードにおいて前記水素含有ガスよりも水素純度が高い水素ガスを生成するように構成された電気化学デバイスと、
    前記アノードに前記水素含有ガスを供給するように構成されたガス供給部と、
    前記アノードと前記カソードとの間に前記電流を流すように構成された電源と、
    制御器と、を備え、
    前記制御器は、前記電気化学デバイスの運転時間が長くなるにしたがって、前記電流の電流量を増加させるように前記電源を制御するように構成されている、水素生成システム。
  2. アノードと、カソードと、前記アノードと前記カソードとの間に配置される電解質膜とを有し、前記アノードに水素含有ガスが供給され、前記アノードと前記カソードとの間に所定の方向の電流が流されることにより、前記カソードにおいて前記水素含有ガスよりも水素純度が高い水素ガスを生成するように構成された電気化学デバイスと、
    前記アノードに前記水素含有ガスを供給するように構成されたガス供給部と、
    前記アノードと前記カソードとの間に前記電流を流すように構成された電源と、
    前記カソードにおいて生成された前記水素ガスの不純物濃度を測定するように構成された検出部と、
    制御器と、を備え、
    前記制御器は、
    前記検出部により検出された前記不純物濃度が所定の濃度よりも高い場合には、前記電流の電流量を増加させるように前記電源を制御するように構成され、
    前記検出部により検出された前記不純物濃度が前記所定の濃度よりも低い場合には、前記電流の電流量を減少させるように前記電源を制御するように構成されている、水素生成システム。
  3. アノードと、カソードと、前記アノードと前記カソードとの間に配置される電解質膜とを有し、前記アノードに水素含有ガスが供給され、前記アノードと前記カソードとの間に所定の方向の電流が流されることにより、前記カソードにおいて前記水素含有ガスよりも水素純度が高い水素ガスを生成するように構成された電気化学デバイスと、
    前記アノードに前記水素含有ガスを供給するように構成されたガス供給部と、
    前記アノードと前記カソードとの間に前記電流を流すように構成された電源と、を備えた水素生成システムの運転方法であって、
    前記電気化学デバイスの運転時間が長くなるにしたがって、前記電源による前記電流の電流量を増加させる、水素生成システムの運転方法。
  4. アノードと、カソードと、前記アノードと前記カソードとの間に配置される電解質膜とを有し、前記アノードに水素含有ガスが供給され、前記アノードと前記カソードとの間に所定の方向の電流が流されることにより、前記カソードにおいて前記水素含有ガスよりも水素純度が高い水素ガスを生成するように構成された電気化学デバイスと、
    前記アノードに前記水素含有ガスを供給するように構成されたガス供給部と、
    前記アノードと前記カソードとの間に前記電流を流すように構成された電源と、
    前記カソードにおいて生成された前記水素ガスの不純物濃度を測定するように構成された検出部と、を備えた水素生成システムの運転方法であって、
    前記検出部により検出された前記不純物濃度が所定の濃度よりも高い場合には、前記電源による電流の電流量を増加させ、
    前記検出部により検出された前記不純物濃度が前記所定の濃度よりも低い場合には、前記電源による前記電流の前記電流量を減少させる、水素生成システムの運転方法。
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