JP2021119256A - 電気化学デバイス - Google Patents

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雅夫 山本
栄一 安本
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Abstract

【課題】本開示は、電解質膜の局所的な劣化を抑制することで、高効率かつ高耐久の電気化学デバイスを提供する。【解決手段】本開示における電気化学デバイス10は、アノード14とカソード17との間に電解質膜11を有する電解質膜−電極接合体18が、アノード側セパレータ19とカソード側セパレータ112とに挟まれている。アノード14は、アノード触媒層12とアノードガス拡散層13とで構成されている。アノードガス拡散層13は、アノード側セパレータ19と対向する面からアノード触媒層12と対向する面への酸素透過量が、アノード流路115の出口側(アノードガス拡散層13の出口側13e)に比較して、入口側(アノードガス拡散層13の入口側13i)において少なくなるように構成されている。【選択図】図1

Description

本開示は、電気化学的な反応を利用して、水素含有ガスから高純度の水素を生成する電気化学デバイスに関する。
特許文献1は、高純度の水素を生成する水素純化装置を、開示する。この水素純化装置は、電解質膜と、電解質膜の一方の主面に配置されPtを含むアノード触媒層を有するアノードと、電解質膜の他方の主面に配置されPt及びRuを含むカソード触媒層を有するカソードと、アノードに二酸化炭素と一酸化炭素を含む水素含有ガス及び酸素を供給するセパレータと、アノード及びカソードの間に通電を行う電源と、を備える。
上記水素純化装置において、アノードに酸素を供給することで、一酸化炭素によるアノードの被毒を抑え、また、電解質膜を介してアノードからカソードへとクロスリークした二酸化炭素から生じる一酸化炭素によるカソードの被毒を抑えて、膜−電極接合体の抵抗の上昇を抑えることで、水素純化装置の電圧増加を抑えている。
特開2017−39636号公報
本開示は、アノードに供給する酸素の供給量を少なくし、電解質膜の局所的な劣化を抑制することで、二酸化炭素の透過量を少なくして、高効率かつ高耐久の電気化学デバイスを提供する。
本開示における電気化学デバイスは、アノードとカソードの間に電解質膜を有する電解質膜−電極接合体が、アノード側セパレータとカソード側セパレータとに挟まれ、アノードに一酸化炭素を含む水素含有ガス及び酸素を供給してアノードとカソードとの間に所定方向の電流を流すことで、カソードにおいて水素を生成する電気化学デバイスである。
アノード側セパレータは、水素含有ガス及び酸素をアノードに供給するためのアノード入口と、アノードから電解質膜を介してカソードに移動しなかった水素含有ガス及び酸素を排出するためのアノード出口と、アノード入口と連通する部分からアノード出口と連通する部分に向かって水素含有ガス及び酸素が流れるようにアノードと接する面に形成されたアノード流路と、を有する。
アノードは、電解質膜側に配置されるアノード触媒層と、アノード側セパレータ側に配置されるアノードガス拡散層とで構成される。アノードガス拡散層は、アノード側セパレータと対向する面からアノード触媒層と対向する面への酸素透過量が、アノード流路の出口側に比較して、入口側において少なくなるように構成されている。
また、本開示における別の電気化学デバイスは、アノードとカソードの間に電解質膜を有する電解質膜−電極接合体が、アノード側セパレータとカソード側セパレータとに挟まれ、アノードに一酸化炭素を含む水素含有ガス及び酸素を供給してアノードとカソードとの間に所定方向の電流を流すことで、カソードにおいて水素を生成する電気化学デバイス
である。
アノード側セパレータは、水素含有ガス及び酸素をアノードに供給するためのアノード入口と、アノードから電解質膜を介してカソードに移動しなかった水素含有ガス及び酸素を排出するためのアノード出口と、アノード入口と連通する部分からアノード出口と連通する部分に向かって水素含有ガス及び酸素が流れるようにアノードと接する面に形成されたアノード流路と、を有する。
アノードは、電解質膜側に配置されるアノード触媒層と、アノード側セパレータ側に配置されるアノードガス拡散層と、アノード触媒層とアノードガス拡散層との間に介在される導電性部材とで構成されている。
導電性部材は、アノードガス拡散層と対向する面からアノード触媒層と対向する面への酸素透過量が、アノード流路の出口側に比較して、入口側において少なくなるように、アノードガス拡散層と対向する面からアノード触媒層と対向する面にわたる酸素が透過可能な複数の貫通孔が形成されている。
本開示における電気化学デバイスは、アノード流路の入口側と対向する部分における過酸化水素の生成量を抑制することができる。そのため、アノード流路の入口側と対向する部分において電解質膜の局所的な劣化を抑制し、アノードからカソードへの二酸化炭素の透過量を少なくして、電解質膜−電極接合体の抵抗の上昇を抑え、長期に亘って電気化学デバイスの水素純化効率を高く維持することができる。
実施の形態1における電気化学デバイスの概略構成を示す断面図 実施の形態1における電気化学デバイスのアノード側セパレータの電解質膜−電極接合体と対向する主面を示す平面図 実施の形態1における電気化学デバイスのカソード側セパレータの電解質膜−電極接合体と対向する主面を示す平面図 実施の形態1における電気化学デバイスのアノードガス拡散層の主面を示す平面図 図4のa部で示した部分の表面の要部拡大図 図4のA−A線断面図 実施の形態2における電気化学デバイスの概略構成を示す断面図 実施の形態2における電気化学デバイスのアノードガス拡散層の主面を示す平面図 図8のb部で示した部分の表面の要部拡大図 実施の形態2における電気化学デバイスの導電性部材の主面を示す平面図 図10のB−B線断面図
(本開示の基礎となった知見等)
発明者らが本開示に想到するに至った当時、電解質膜−電極接合体を一対のセパレータで挟んだ電気化学デバイスを用いて、二酸化炭素や一酸化炭素などの不純物を含む水素含有ガスから、水素を電気化学的に分離する技術があった。
水素含有ガスに含まれる一酸化炭素は、電解質膜−電極接合体のアノードとカソードを構成する触媒を被毒して、電気化学デバイスの水素純化効率を低下させるため、水素含有ガスに酸素を加えていた。
これにより、水素含有ガスに含まれる一酸化炭素を酸化除去することにより、アノード及びカソードの被毒を抑え、電解質膜−電極接合体の抵抗の上昇を抑えて、電気化学デバイスの電圧増加を抑制し、電気化学デバイスの水素純化効率を高めることができる。
ここで、発明者らは、電気化学デバイスについて、二酸化炭素、一酸化炭素を含む水素含有ガス及び酸素を用いて耐久試験を行った。その結果、水素純化効率が低下した電気化学デバイスにおいては、アノード入口側において、電解質膜に局所的に膜厚の薄い部分が発生することを見出した。
また、局所的に膜厚の薄い部分が発生した電解質膜においては、アノードからカソードへとクロスリークする二酸化炭素の透過量が多くなることを見出した。
上記試験結果に基づき、アノード入口側における電解質膜の局所的な劣化を抑制することで、アノードからカソードへの二酸化炭素の透過量を少なくして、電気化学デバイスの水素純化効率及び耐久性を高めることができるという着想を得た。
そして、発明者らは、その着想を実現するには、セパレータの流路からアノード入口側に供給する酸素の供給量が多くなって、アノード入口側において多量の過酸化水素が生成されるという課題があることを発見し、その課題を解決するために、本開示の主題を構成するに至った。
そこで、本開示は、アノード入口側に供給する酸素の供給量を少なくし、電解質膜の局所的な劣化を抑制することで、二酸化炭素の透過量を少なくして、高効率かつ高耐久の電気化学デバイスを提供する。
以下、図面を参照しながら実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、または、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。
なお、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより、特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
(実施の形態1)
以下、図1から図6を用いて、実施の形態1を説明する。
[1−1.構成]
[1−1−1.電気化学デバイスの構成]
図1に示すように本実施の形態の電気化学デバイス10は、電解質膜11とアノード14とカソード17からなる電解質膜−電極接合体18と、アノード側セパレータ19と、カソード側セパレータ112と、アノード14の電位をカソード17の電位よりも高くしてアノード14から電解質膜11を介してカソード17へ電流を流す電源114と、を備える。
アノード14とカソード17との間に電解質膜11を有する電解質膜−電極接合体18は、アノード側セパレータ19とカソード側セパレータ112とに挟まれている。
電気化学デバイス10は、アノード側セパレータ19からアノード14に水素含有ガスを供給して、電源114によってアノード14とカソード17との間に所定方向の電流を
流すことで、カソード17において水素を生成する。
電解質膜11は、水素イオン伝導性を有し、アノード14で生成する水素イオンをカソード17に輸送する機能を果たす。電解質膜11は、過酸化水素または過酸化水素から発生する過酸化物ラジカルによって劣化する高分子材料で構成されている。具体的には、水素イオン交換基としてスルホン酸基を有するパーフルオロスルホン酸系の高分子材料で構成されている。
電解質膜11の一方の主面に設けられるアノード14は、電解質膜11側に配置されるアノード触媒層12と、アノード側セパレータ19側に配置されるアノードガス拡散層13と、から構成されている。
アノード触媒層12は、アノード側セパレータ19のアノード流路115からアノードガス拡散層13を介して供給される水素含有ガスに含まれる水素を水素イオンと電子とに解離する酸化反応を起こす機能と、水素含有ガスに含まれる一酸化炭素と(水素含有ガスと一緒に供給される)酸素を反応させて二酸化炭素を生成する(一酸化炭素を酸化除去する)機能を果たす。さらに、水素と酸素を反応させて過酸化水素を発生させる。
アノード触媒層12は、白金(Pt)及びルテニウム(Ru)を担持したカーボン粒子と高分子電解質樹脂とを含んでいる。
アノードガス拡散層13は、ガス透過性と電子伝導性を併せ持つ導電性カーボンペーパーを主な構成部材として構成されている。アノードガス拡散層13は、アノード側セパレータ19のアノード流路115からアノード触媒層12への水素含有ガス及び酸素の供給と、アノード触媒層12との間で電子の授受を行う機能を果たす。
電解質膜11の他方の主面に設けられるカソード17は、電解質膜11側に配置されるカソード触媒層15と、カソード側セパレータ112側に配置されるカソードガス拡散層16と、から構成されている。
カソード触媒層15は、アノード触媒層12からカソード触媒層15に移動した水素イオンと、電源114を介してアノード触媒層12からカソード触媒層15に移動した電子とを結合させて、水素を生成する還元反応を起こす機能を果たす。
カソード触媒層15は、白金(Pt)及びルテニウム(Ru)を担持したカーボン粒子と高分子電解質樹脂とを含んでいる。
カソードガス拡散層16は、ガス透過性と電子伝導性を併せ持つ導電性カーボンペーパーから構成されている。カソードガス拡散層16は、カソード触媒層15で生成される水素のカソード側セパレータ112のカソード流路116への排出と、カソード触媒層15との間で電子の授受を行う機能を果たす。
アノード側セパレータ19とカソード側セパレータ112は、ガス透過性のない導電性部材である圧縮カーボンによって構成されている。
電気化学デバイス10は、電解質膜11の両主面が重力方向(鉛直方向)に対して略平行になるようにして使用される。
図1と図2に示すように、電解質膜−電極接合体18のアノード14が設けられた方の主面と当接するアノード側セパレータ19は、アノード入口110と、アノード出口11
1と、アノード入口110とアノード出口111とを連通するアノード流路115と、を有する。
アノード入口110は、略長方形のアノード14の4つの角部のうちの上側の1つの角部と対向する位置で、アノード側セパレータ19の一方の主面から他方の主面にわたる貫通孔である。
アノード入口110は、水素の他に一酸化炭素と二酸化炭素と水蒸気を含む水素含有ガス及び酸素を、電気化学デバイス10内に導入して、アノード14に供給するための反応ガスの入口である。アノード入口110には、改質器(図示せず)から水素含有ガスと酸素が供給される。
アノード出口111は、略長方形のアノード14の4つの角部のうちの下側の1つの角部と対向する位置で、アノード側セパレータ19の一方の主面から他方の主面にわたる貫通孔である。
アノード出口111は、アノード入口110から供給された水素含有ガス及び酸素のうちで、アノード14から電解質膜11を介してカソード17に移動しなかった水素含有ガス及び酸素を、電気化学デバイス10の外部に排出するための、反応ガスの出口である。
アノード流路115は、一端でアノード入口110と連通し他端でアノード出口111と連通するようにアノード14と接する面に溝状に形成された反応ガスの流路である。
アノード流路115は、アノード入口110と連通する部分からアノード出口111と連通する部分に向かって水素含有ガス及び酸素が流れ、アノードガス拡散層13を介してアノード触媒層12に出来るだけ均等に水素含有ガスが行きわたるようにサーペンタイン状(蛇行するよう)に形成されている。
アノード流路115は、アノード入口110から流入した水素含有ガス及び酸素が、重力に逆らわずに蛇行しながらアノード出口111に向かって流れるように、形成されている。
図1と図3に示すように、電解質膜−電極接合体18のカソード17が設けられた方の主面と当接するカソード側セパレータ112は、カソード出口113と、一端がカソード出口113と連通するカソード流路116と、を有する。
カソード出口113は、略長方形のカソード17の4つの角部のうちの上側の1つの角部と対向する位置で、カソード側セパレータ112の一方の主面から他方の主面にわたる貫通孔である。
カソード出口113は、カソード17で生成する水素を主成分とする高純度の水素(以下、高純度水素含有ガスという)の電気化学デバイス10からの取り出すための高純度水素含有ガスの出口である。
カソード流路116は、カソード17と接する面に溝状に形成された高純度水素含有ガスの流路である。
カソード流路116は、カソード触媒層15で生成された水素を主成分とする高純度水素含有ガスが、カソードガス拡散層16を介してスムーズにカソード流路116に流入して、カソード流路116をカソード出口113と連通する部分に向かって流れるようにサ
ーペンタイン状(蛇行するよう)に形成されている。
カソード流路116は、カソード触媒層15で生成されカソードガス拡散層16を介してカソード流路116に流入した高純度水素含有ガスが、重力に逆らうように蛇行しながらカソード出口113に向かって流れるように形成されている。
[1−1−2.アノードガス拡散層の構成]
次に、図1、図4〜図6を用いて、本実施の形態に係る電気化学デバイス10の発明のポイントであるアノードガス拡散層13の構造をより詳しく説明する。
図4に示すように、アノードガス拡散層13は、アノード側セパレータ19と対向する面からアノード触媒層12と対向する面にわたる酸素が透過可能な、パンチング加工により形成された複数の角穴形状の貫通孔212を有する多孔質体211からなる。
アノードガス拡散層13は、アノード側セパレータ19と対向する面からアノード触媒層12と対向する面への酸素透過量が、アノード流路115の出口側に比較して、アノード流路115の入口側において少なくなるように、貫通孔212は、アノードガス拡散層13の上方に位置する貫通孔212の開口面積の大きさの方が、下方に位置する貫通孔212よりも小さくなっている。
図5示すように、多孔質体211は、カーボン繊維213を備え、カーボン繊維213の間の間隙が概ね数十μm〜数百μmの孔径を有する細孔214となっている。多孔質体211の細孔214は、多孔質体211の厚み方向に連続し、アノード側セパレータ19のアノード流路115から供給される水素含有ガス及び酸素は、連続した細孔214を通ってアノードガス拡散層31を透過し、アノード触媒層12に供給される。
図6に示すように、アノードガス拡散層13の貫通孔212は、多孔質体211の一方の面から他方の面を貫いている。アノード側セパレータ19のアノード流路115から供給される水素含有ガス及び酸素は、各貫通孔212を通ってアノードガス拡散層13を透過し、アノード触媒層12に供給される。
ここで、貫通孔212の孔径は、概ね数mm〜数十mmであり、アノードガス拡散層13の入口側13i(酸素の入口側)から出口側13e(酸素の出口側)に亘って徐々に大きくなっている。
このため、アノード側セパレータ19のアノード流路115から供給される酸素の透過量は、貫通孔212の孔径が大きいアノードガス拡散層13の出口側13eに比較して、貫通孔212の孔径が小さい入口側13iで少なくなる。
アノードガス拡散層13のこうした構造により、アノード14の入口側に供給される酸素の供給量は、アノード14の出口側に供給される酸素の供給量に比べて少なくなる。
[1−2.動作]
以上のように構成された電気化学デバイス10について、図1、図4〜図6を用いて、以下その動作と作用を説明する。
まず、ガス供給手段(図示せず)から、アノード側セパレータ19のアノード入口110を介して、露点温度が65℃になるように加湿された水素含有ガスを電気化学デバイス10に供給する。
なお、ガス供給手段から供給される水素含有ガスが、十分な水蒸気を含んでいない場合に、ガス供給手段から供給される水素含有ガスを加湿手段で加湿して、露点温度が65℃の水素含有ガスを得るが、ガス供給手段から供給される水素含有ガスが、十分な水蒸気を含んでいる場合は、ガス供給手段から供給される水素含有ガスを加湿手段で加湿しない。
このとき、ガス供給手段から供給される水素含有ガスは、一酸化炭素の含有比率が20ppmで、二酸化炭素の含有比率が20体積%で、残りが水素とする。ただし、この含有比率の数値は、水蒸気を除いた状態(乾燥状態)の水素含有ガスの含有比率である。
また、酸素供給手段(図示せず)から、アノード側セパレータ19のアノード入口110を介して、露点温度が65℃になるように加湿された酸素を電気化学デバイス10に供給する。このとき、酸素の供給量は、水素に対して2体積%となるように制御する。
電気化学デバイス10に供給される水素含有ガス及び酸素は、アノード側セパレータ19のアノード流路115からアノード14に供給される。このとき、アノードガス拡散層13は、孔径の異なる複数の貫通孔212を備え、酸素の透過量は、アノードガス拡散層13の出口側13eに比較して、入口側13iで少なくなる。
このため、アノード14の入口側に供給される酸素の供給量は、アノード14の出口側に供給される酸素の供給量に比べて少なくなる。
電気化学デバイス10の温度が65℃となるように、温度調節器(図示せず)を制御器(図示せず)で制御し、電源114により、電気化学デバイス10のアノード14から電解質膜11を介してカソード17へ電流を流す。このとき、電流密度は0.6A/cmとなるように制御する。
この電流により、アノード14では、(化1)に示す、水素が水素イオン(H)と電子に解離する酸化反応が起こり、カソード17では、(化2)に示す、電解質膜11を透過した水素イオン(H)と電子が結びついて水素が生成する還元反応が起こる。
Figure 2021119256
Figure 2021119256
(化1)と(化2)に示す電気化学反応により、電気化学デバイス10のカソード17において、アノード14に供給される水素含有ガスから水素を純化して、水素の含有比率が99.1%で、二酸化炭素の含有比率が0.9%の高純度水素含有ガスを生成する。
[1−3.効果等]
以上のように本実施の形態の電気化学デバイス10は、アノード14とカソード17の間に電解質膜11を有する電解質膜−電極接合体18が、アノード側セパレータ19とカソード側セパレータ112とに挟まれ、アノード14に一酸化炭素を含む水素含有ガス及び酸素を供給してアノード14とカソード17との間に所定方向の電流を流すことで、カソード17において水素を生成する電気化学デバイス10である。
アノード側セパレータ19は、水素含有ガス及び酸素をアノード14に供給するための
アノード入口110と、アノード14から電解質膜11を介してカソード17に移動しなかった水素含有ガス及び酸素を排出するためのアノード出口111と、アノード入口110と連通する部分からアノード出口111と連通する部分に向かって水素含有ガス及び酸素が流れるように、アノード14と接する面に形成されたアノード流路115と、を有する。
アノード14は、電解質膜11側に配置されるアノード触媒層12と、アノード側セパレータ19側に配置されるアノードガス拡散層13とで構成されている。
アノードガス拡散層13は、アノード側セパレータ19と対向する面からアノード触媒層12と対向する面への酸素透過量が、アノード流路115の出口側(アノードガス拡散層13の出口側13e)に比較して、入口側(アノードガス拡散層13の入口側13i)において少なくなるように構成されている。
これにより、電気化学デバイス10は、アノードガス拡散層13を介してアノード側セパレータ19のアノード流路115からアノード触媒層12に供給する酸素の供給量を、アノード14の出口側(アノードガス拡散層13の出口側13e)に比べて、アノード14の入口側(アノードガス拡散層13の入口側13i)で少なくし、アノード14の入口側における過酸化水素の生成量を抑制することができる。
そのため、アノード14の入口側において電解質膜11の局所的な劣化が抑制されるので、アノード14からカソード17への二酸化炭素の透過量を少なくして、電解質膜−電極接合体18の抵抗の上昇を抑え、長期に亘って電気化学デバイス10の水素純化効率を高く維持することができる。
(実施の形態2)
以下、図7から図11を用いて、実施の形態2を説明する。なお、図7において、図1から図3と同一の構成要素については同一の符号を付すこととして、重複する説明は省略する場合もある。
[2−1.構成]
実施の形態2に係る電気化学デバイス30は、貫通孔212を備えるアノードガス拡散層13ではなく、貫通孔を備えていないアノードガス拡散層31を用いている点で、実施の形態1に係る電気化学デバイス10と異なる。また、実施の形態2に係る電気化学デバイス30は、アノード触媒層12とアノードガス拡散層31との間に介在され、貫通孔512を備える導電性部材32を用いている点で、実施の形態1に係る電気化学デバイス10と異なる。
[2−1−1.電気化学デバイスの構成]
図7に示すように本実施の形態の電気化学デバイス30は、電解質膜11とアノード33とカソード17からなる電解質膜−電極接合体34と、アノード側セパレータ19と、カソード側セパレータ112と、アノード33の電位をカソード17の電位よりも高くしてアノード33から電解質膜11を介してカソード17へ電流を流す電源114と、を備える。
アノード33とカソード17との間に電解質膜11を有する電解質膜−電極接合体34は、アノード側セパレータ19とカソード側セパレータ112とに挟まれている。
電気化学デバイス30は、アノード側セパレータ19からアノード33に水素含有ガスを供給して、電源114によってアノード33とカソード17との間に所定方向の電流を
流すことで、カソード17において水素を生成する。
電解質膜11は、水素イオン伝導性を有し、アノード33で生成する水素イオンをカソード17に輸送する機能を果たす。電解質膜11は、過酸化水素または過酸化水素から発生する過酸化物ラジカルによって劣化する高分子材料で構成されている。具体的には、水素イオン交換基としてスルホン酸基を有するパーフルオロスルホン酸系の高分子材料で構成されている。
電解質膜11の一方の主面に設けられるアノード33は、電解質膜11側に配置されるアノード触媒層12と、アノード側セパレータ19側に配置されるアノードガス拡散層31と、アノード触媒層12とアノードガス拡散層31との間に介在される導電性部材32とから構成されている。
アノード触媒層12は、アノード側セパレータ19のアノード流路115からアノードガス拡散層31と導電性部材32を介して供給される水素含有ガスに含まれる水素を水素イオンと電子とに解離する酸化反応を起こす機能と、水素含有ガスに含まれる一酸化炭素と(水素含有ガスと一緒に供給される)酸素を反応させて二酸化炭素を生成する(一酸化炭素を酸化除去する)機能を果たす。さらに、水素と酸素を反応させて過酸化水素を発生させる。
アノード触媒層12は、白金(Pt)及びルテニウム(Ru)を担持したカーボン粒子と高分子電解質樹脂とを含んでいる。
アノードガス拡散層31は、ガス透過性と電子伝導性を併せ持つ導電性カーボンペーパーを主な構成部材として構成されている。アノードガス拡散層31は、アノード側セパレータ19のアノード流路115からアノード触媒層12への水素含有ガス及び酸素の供給と、アノード触媒層12との間で電子の授受を行う機能を果たす。
電解質膜11の他方の主面に設けられるカソード17は、電解質膜11側に配置されるカソード触媒層15と、カソード側セパレータ112側に配置されるカソードガス拡散層16と、から構成されている。
カソード触媒層15は、アノード触媒層12からカソード触媒層15に移動した水素イオンと、電源114を介してアノード触媒層12からカソード触媒層15に移動した電子とを結合させて、水素を生成する還元反応を起こす機能を果たす。
カソード触媒層15は、白金(Pt)及びルテニウム(Ru)を担持したカーボン粒子と高分子電解質樹脂とを含んでいる。
カソードガス拡散層16は、ガス透過性と電子伝導性を併せ持つ導電性カーボンペーパーから構成されている。カソードガス拡散層16は、カソード触媒層15で生成される水素のカソード側セパレータ112のカソード流路116への排出と、カソード触媒層15との間で電子の授受を行う機能を果たす。
アノード側セパレータ19とカソード側セパレータ112は、ガス透過性のない導電性部材である圧縮カーボンによって構成されている。
電気化学デバイス30は、電解質膜11の両主面が重力方向(鉛直方向)に対して略平行になるようにして使用される。
図7と図2に示すように、電解質膜−電極接合体34のアノード33が設けられた方の主面と当接するアノード側セパレータ19は、アノード入口110と、アノード出口111と、アノード入口110とアノード出口111とを連通するアノード流路115と、を有する。
アノード入口110は、略長方形のアノード33の4つの角部のうちの上側の1つの角部と対向する位置で、アノード側セパレータ19の一方の主面から他方の主面にわたる貫通孔である。
アノード入口110は、水素の他に一酸化炭素と二酸化炭素と水蒸気を含む水素含有ガス及び酸素を、電気化学デバイス30内に導入して、アノード33に供給するための反応ガスの入口である。アノード入口110には、改質器(図示せず)から水素含有ガスと酸素が供給される。
アノード出口111は、略長方形のアノード33の4つの角部のうちの下側の1つの角部と対向する位置で、アノード側セパレータ19の一方の主面から他方の主面にわたる貫通孔である。
アノード出口111は、アノード入口110から供給された水素含有ガス及び酸素のうちで、アノード33から電解質膜11を介してカソード17に移動しなかった水素含有ガス及び酸素を、電気化学デバイス30の外部に排出するための、反応ガスの出口である。
アノード流路115は、一端でアノード入口110と連通し他端でアノード出口111と連通するようにアノード33と接する面に溝状に形成された反応ガスの流路である。
アノード流路115は、アノード入口110と連通する部分からアノード出口111と連通する部分に向かって水素含有ガス及び酸素が流れ、アノードガス拡散層31と導電性部材32を介してアノード触媒層12に出来るだけ均等に水素含有ガスが行きわたるようにサーペンタイン状(蛇行するよう)に形成されている。
アノード流路115は、アノード入口110から流入した水素含有ガス及び酸素が、重力に逆らわずに蛇行しながらアノード出口111に向かって流れるように、形成されている。
図7と図3に示すように、電解質膜−電極接合体34のカソード17が設けられた方の主面と当接するカソード側セパレータ112は、カソード出口113と、一端がカソード出口113と連通するカソード流路116と、を有する。
カソード出口113は、略長方形のカソード17の4つの角部のうちの上側の1つの角部と対向する位置で、カソード側セパレータ112の一方の主面から他方の主面にわたる貫通孔である。
カソード出口113は、カソード17で生成する水素を主成分とする高純度の水素(以下、高純度水素含有ガスという)の電気化学デバイス30からの取り出すための高純度水素含有ガスの出口である。
カソード流路116は、カソード17と接する面に溝状に形成された高純度水素含有ガスの流路である。
カソード流路116は、カソード触媒層15で生成された水素を主成分とする高純度水
素含有ガスが、カソードガス拡散層16を介してスムーズにカソード流路116に流入して、カソード流路116をカソード出口113と連通する部分に向かって流れるようにサーペンタイン状(蛇行するよう)に、形成されている。
カソード流路116は、カソード触媒層15で生成されカソードガス拡散層16を介してカソード流路116に流入した高純度水素含有ガスが、重力に逆らうように蛇行しながらカソード出口113に向かって流れるように形成されている。
[2−1−2.アノードガス拡散層の構成]
次に、図7、図8及び図9を用いて、本実施の形態に係る電気化学デバイス30のアノードガス拡散層31の構造をより詳しく説明する。
図8に示すように、アノードガス拡散層31は多孔質体411からなる。
図9示すように、多孔質体411は、カーボン繊維412を備え、カーボン繊維412の間の間隙が概ね数十μm〜数百μmの孔径を有する細孔413となっている。多孔質体411の細孔413は、多孔質体411の厚み方向に連続し、アノード側セパレータ19のアノード流路115から供給される水素含有ガス及び酸素は、連続した細孔413を通ってアノードガス拡散層31を透過する。
[2−1−3.導電性部材の構成]
次に、図7、図10及び図11を用いて、本実施の形態に係る電気化学デバイス30の発明のポイントである導電性部材32の構造を説明する。
図10と図11に示すように、導電性部材32は、アノードガス拡散層31と対向する面からアノード触媒層12と対向する面にわたる酸素が透過可能な、パンチング加工により形成された複数の角穴形状の貫通孔512を有する、ステンレスの金属板511からなる。導電性部材32の貫通孔512は、金属板511の一方の面から他方の面を貫いている。
導電性部材32は、アノードガス拡散層31と対向する面からアノード触媒層12と対向する面への酸素透過量が、アノード流路115の出口側に比較して、アノード流路115の入口側において少なくなるように、貫通孔512は、導電性部材32の上方に位置する貫通孔512の開口面積の大きさの方が、下方に位置する貫通孔512よりも小さくなっている。
アノード側セパレータ19のアノード流路115から供給される水素含有ガス及び酸素は、アノードガス拡散層31を通過して、各貫通孔512を通って導電性部材32を透過し、アノード触媒層12に供給される。
ここで、貫通孔512の孔径は,概ね数mm〜数十mmであり、導電性部材32の入口側32i(酸素の入口側)から出口側32e(酸素の出口側)に亘って徐々に大きくなっている。
このため、アノード側セパレータ19のアノード流路115から供給される酸素の透過量は、貫通孔512の孔径が大きい導電性部材32の出口側32eに比較して、貫通孔512の孔径が小さい入口側32iで少なくなる。
導電性部材32のこうした構造により、アノード33の入口側に供給される酸素の供給量は、アノード33の出口側に供給される酸素の供給量に比べて少なくなる。
[2−2.動作]
以上のように構成された電気化学デバイス30について、図7から図11を用いて、以下その動作と作用を説明する。
まず、ガス供給手段(図示せず)から、アノード側セパレータ19のアノード入口110を介して、露点温度が65℃になるように加湿された水素含有ガスを電気化学デバイス30に供給する。
なお、ガス供給手段から供給される水素含有ガスが、十分な水蒸気を含んでいない場合に、ガス供給手段から供給される水素含有ガスを加湿手段で加湿して、露点温度が65℃の水素含有ガスを得るが、ガス供給手段から供給される水素含有ガスが、十分な水蒸気を含んでいる場合は、ガス供給手段から供給される水素含有ガスを加湿手段で加湿しない。
このとき、ガス供給手段から供給される水素含有ガスは、一酸化炭素の含有比率が20ppmで、二酸化炭素の含有比率が20体積%で、残りが水素とする。ただし、この含有比率の数値は、水蒸気を除いた状態(乾燥状態)の水素含有ガスの含有比率である。
また、酸素供給手段(図示せず)から、アノード側セパレータ19のアノード入口110を介して、露点温度が65℃になるように加湿された酸素を電気化学デバイス30に供給する。このとき、酸素の供給量は、水素に対して2体積%となるように制御する。
電気化学デバイス30に供給される水素含有ガス及び酸素は、アノード側セパレータ19のアノード流路115からアノード33に供給される。
このとき、導電性部材32は、孔径の異なる複数の貫通孔512を備え、酸素の透過量は、導電性部材32の出口側32eに比較して、入口側32iで少なくなる。
このため、アノード33の入口側に供給される酸素の供給量は、アノード33の出口側に供給される酸素の供給量に比べて少なくなる。
電気化学デバイス30の温度が65℃となるように、温度調節器(図示せず)を制御器(図示せず)で制御し、電源114により、電気化学デバイス30のアノード33から電解質膜11を介してカソード17へ電流を流す。このとき、電流密度は0.6A/cmとなるように制御する。
この電流により、アノード33では、(化1)に示す、水素が水素イオン(H)と電子に解離する酸化反応が起こり、カソード17では、(化2)に示す、電解質膜11を透過した水素イオン(H)と電子が結びついて水素が生成する還元反応が起こる。
(化1)と(化2)に示す電気化学反応により、電気化学デバイス30のカソード17において、アノード33に供給される水素含有ガスから水素を純化して、水素の含有比率が99.1%で、二酸化炭素の含有比率が0.9%の高純度水素含有ガスを生成する。
[2−3.効果等]
以上のように本実施の形態の電気化学デバイス30は、アノード33とカソード17の間に電解質膜11を有する電解質膜−電極接合体34が、アノード側セパレータ19とカソード側セパレータ112とに挟まれ、アノード33に一酸化炭素を含む水素含有ガス及び酸素を供給してアノード33とカソード17との間に所定方向の電流を流すことで、カソード17において水素を生成する電気化学デバイス30である。
アノード側セパレータ19は、水素含有ガス及び酸素をアノード33に供給するためのアノード入口110と、アノード33から電解質膜11を介してカソード17に移動しなかった水素含有ガス及び酸素を排出するためのアノード出口111と、アノード入口110と連通する部分からアノード出口111と連通する部分に向かって水素含有ガス及び酸素が流れるように、アノード33と接する面に形成されたアノード流路115と、を有する。
アノード33は、電解質膜11側に配置されるアノード触媒層12と、アノード側セパレータ19側に配置されるアノードガス拡散層31と、アノード触媒層12とアノードガス拡散層31との間に介在される導電性部材32とで構成されている。
導電性部材32は、アノードガス拡散層31と対向する面からアノード触媒層12と対向する面への酸素透過量が、アノード流路115の出口側(導電性部材32の出口側32e)に比較して、入口側(導電性部材32の入口側32i)において少なくなるように、アノードガス拡散層31と対向する面からアノード触媒層12と対向する面にわたる酸素が透過可能な複数の貫通孔512が形成されている。
これにより、電気化学デバイス30はアノード側セパレータ19のアノード流路115からアノード33に供給する酸素の供給量を、アノード33の出口側に比べて、アノード33の入口側で少なくし、アノード33の入口側における過酸化水素の生成量を抑制することができる。
そのため、アノード33の入口側において電解質膜11の局所的な劣化が抑制されるので、アノード33からカソード17への二酸化炭素の透過量を少なくして、電解質膜−電極接合体34の抵抗の上昇を抑え、長期に亘って電気化学デバイス30の水素純化効率を高く維持することができる。
また、電気化学デバイス30は、導電性部材32により、アノードガス拡散層31を通過中に拡散された酸素の指向性を向上して、酸素供給量の調整精度を高め、アノード33の入口側から出口側に亘って過酸化水素の生成量のばらつきを抑えることができる。
そのため、実施の形態1に係る電気化学デバイス10に比べて、電解質膜11の局所劣化を抑制する効果が向上し、アノード33からカソード17への二酸化炭素の透過量削減効果を高めて、電気化学デバイス30の水素純化効率及び耐久性を更に高めることができる。
(他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態1、2を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用できる。また、上記実施の形態1、2で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
そこで、以下、他の実施の形態を例示する。
実施の形態1では、電気化学デバイスのアノードガス拡散層の一例として貫通孔を備える多孔質体からなるアノードガス拡散層13を説明した。アノードガス拡散層は、アノード側セパレータの流路から供給される酸素の透過量が、アノードガス拡散層の出口側に比較して、入口側で少なくなるものであればよい。
したがって、アノードガス拡散層は、貫通孔を備える多孔質体からなるアノードガス拡散層に限定されない。ただし、貫通孔を備える多孔質体からなるアノードガス拡散層を用いれば、パンチング加工により貫通孔の孔径を精密に制御できるので、アノード上流側から下流側に亘る酸素の透過量の調整が容易になる。
また、貫通孔を備える多孔質体からなるアノードガス拡散層として、貫通孔の孔径を同一にし、アノードガス拡散層の出口側に比較して、入口側で貫通孔の数を少なくしたアノードガス拡散層を用いてもよい。
同一孔径で上流側と下流側とで数の異なる貫通孔を備えるアノードガス拡散層を用いれば、貫通孔の配列を細かく制御できるので、アノード上流側から下流側に亘る酸素の透過量の調整が更に容易になる。
また、アノードガス拡散層として、アノードガス拡散層の多孔質体のカーボン繊維の密度や太さをアノードガス拡散層の入口側と出口側とで変えることで、アノードガス拡散層の出口側に比較して、入口側で細孔の孔径を小さくしたアノードガス拡散層を用いてもよい。
繊維の密度や太さを変えたアノードガス拡散層を用いることで、アノードガス拡散層にパンチング加工により貫通孔を形成する必要がなくなるので、アノードガス拡散層の作製工数が減り、作製コストを下げることができる。
実施の形態2では、電気化学デバイスの導電性部材の一例として貫通孔を備える金属板からなる導電性部材32を説明した。導電性部材は、アノード側セパレータの流路から供給される酸素の透過量が、導電性部材の出口側に比較して、入口側で少なくなるものであればよく、貫通孔を備える金属板からなる導電性部材に限定されない。
ただし、貫通孔を備える金属板からなる導電性部材なるアノードガス拡散層を用いる場合は、パンチング加工により貫通孔の孔径を精密に制御できるので、アノード上流側から下流側に亘る酸素の透過量の調整が容易になる。
また、貫通孔を備える金属板からなる導電性部材として、貫通孔の孔径を同一にし、導電性部材の出口側に比較して、入口側で貫通孔の数を少なくした導電性部材を用いてもよい。同一孔径で入口側と出口側とで数の異なる貫通孔を備える導電性部材を用いれば、貫通孔の配列を細かく制御できるので、アノード上流側から下流側に亘る酸素の透過量の調整が更に容易になる。
実施の形態1、2では、電気化学デバイスに用いる電解質膜の一例としてフッ素を含む高分子を骨格とし、スルホン酸基を有するプロトン伝導性のフッ素系の高分子材料を用いる電気化学デバイスを説明した。電解質膜は、プロトンを伝導するものであればよい。
したがって、電解質膜はフッ素系の高分子材料を用いるものに限定されず、例えば、電解質膜としては、スルホン化ポリフェニレン、スルホン化ポリエーテルエーテルケトン等を骨格とし、プロトン伝導性の炭化水素系の高分子材料を用いてもよい。
ただし、電解質膜としてフッ素系の高分子材料を用いれば、電解質膜の化学的安定性が向上し、電気化学デバイスの耐久性を高めることができる。また、電解質膜は他の成分を含んでもよく、例えば、ポリテトラフルオロエチレンやパーフルオロアルキルエーテル等のカーボン繊維、織布、不織布、多孔体等により補強されていてもよい。
電解質膜としてカーボン繊維、織布、不織布、多孔体等により補強された電解質膜を用いれば、電解質膜の機械的強度が増し、電気化学デバイスの信頼性を向上することができる。
なお、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
本開示は、長期に亘って高純度の水素を生成する電気化学デバイスに適用可能である。具体的には、燃料電池車等の水素利用機器に水素を供給する水素供給システムなどに、本開示は適用可能である。
10,30 電気化学デバイス
11 電解質膜
12 アノード触媒層
13,31 アノードガス拡散層
13i,32i 入口側
13e,32e 出口側
14,33 アノード
15 カソード触媒層
16 カソードガス拡散層
17 カソード
18,34 電解質膜−電極接合体
19 アノード側セパレータ
32 導電性部材
110 アノード入口
111 アノード出口
112 カソード側セパレータ
114 電源
115 アノード流路
116 カソード流路
211,411 多孔質体
212,512 貫通孔
213,412 カーボン繊維
214,413 細孔
511 金属板

Claims (2)

  1. アノードとカソードの間に電解質膜を有する電解質膜−電極接合体が、アノード側セパレータとカソード側セパレータとに挟まれ、前記アノードに一酸化炭素を含む水素含有ガス及び酸素を供給し前記アノードと前記カソードとの間に所定方向の電流を流すことで、前記カソードにおいて水素を生成する電気化学デバイスであって、
    前記アノード側セパレータは、前記水素含有ガス及び酸素を前記アノードに供給するためのアノード入口と、前記アノードから前記電解質膜を介して前記カソードに移動しなかった前記水素含有ガス及び酸素を排出するためのアノード出口と、前記アノード入口と連通する部分から前記アノード出口と連通する部分に向かって前記水素含有ガス及び酸素が流れるように前記アノードと接する面に形成されたアノード流路と、を有し、
    前記アノードは、前記電解質膜側に配置されるアノード触媒層と、前記アノード側セパレータ側に配置されるアノードガス拡散層とで構成され、
    前記アノードガス拡散層は、前記アノード側セパレータと対向する面から前記アノード触媒層と対向する面への酸素透過量が、前記アノード流路の出口側に比較して、入口側において少なくなるように構成されている、電気化学デバイス。
  2. アノードとカソードの間に電解質膜を有する電解質膜−電極接合体が、アノード側セパレータとカソード側セパレータとに挟まれ、前記アノードに一酸化炭素を含む水素含有ガス及び酸素を供給し前記アノードと前記カソードとの間に所定方向の電流を流すことで、前記カソードにおいて水素を生成する電気化学デバイスであって、
    前記アノード側セパレータは、前記水素含有ガス及び酸素を前記アノードに供給するためのアノード入口と、前記アノードから前記電解質膜を介して前記カソードに移動しなかった前記水素含有ガス及び酸素を排出するためのアノード出口と、前記アノード入口と連通する部分から前記アノード出口と連通する部分に向かって前記水素含有ガス及び酸素が流れるように前記アノードと接する面に形成されたアノード流路と、を有し、
    前記アノードは、前記電解質膜側に配置されるアノード触媒層と、前記アノード側セパレータ側に配置されるアノードガス拡散層と、前記アノード触媒層と前記アノードガス拡散層との間に介在される導電性部材とで構成され、
    前記導電性部材は、前記アノードガス拡散層と対向する面から前記アノード触媒層と対向する面への酸素透過量が、前記アノード流路の出口側に比較して、入口側において少なくなるように、前記アノードガス拡散層と対向する面から前記アノード触媒層と対向する面にわたる前記酸素が透過可能な複数の貫通孔が形成されている、電気化学デバイス。
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