JP2022147020A - 水素精製システムおよびその運転方法 - Google Patents

水素精製システムおよびその運転方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2022147020A
JP2022147020A JP2021048100A JP2021048100A JP2022147020A JP 2022147020 A JP2022147020 A JP 2022147020A JP 2021048100 A JP2021048100 A JP 2021048100A JP 2021048100 A JP2021048100 A JP 2021048100A JP 2022147020 A JP2022147020 A JP 2022147020A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas
hydrogen
carbon dioxide
anode
electrochemical device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021048100A
Other languages
English (en)
Inventor
雅夫 山本
Masao Yamamoto
美穂 玄番
Miho Gemba
功一 古賀
Koichi Koga
健 苅野
Takeshi Karino
和彦 杉本
Kazuhiko Sugimoto
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Original Assignee
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd filed Critical Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Priority to JP2021048100A priority Critical patent/JP2022147020A/ja
Publication of JP2022147020A publication Critical patent/JP2022147020A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Hydrogen, Water And Hydrids (AREA)
  • Electrolytic Production Of Non-Metals, Compounds, Apparatuses Therefor (AREA)
  • Fuel Cell (AREA)

Abstract

【課題】本開示は、電気化学デバイスのアノードからカソードへの二酸化炭素の透過量の一定にすることで、耐久性の高い水素精製システムを提供する。【解決手段】本開示における水素精製システム10は、電気化学デバイス11と、第1ガス供給流路113と、第2ガス供給手段112と、電源117と、制御器118と、を備える。電気化学デバイス11のアノード13に第1ガス供給手段111から二酸化炭素を含む水素含有ガスと酸素とを含む第1ガスを供給し、第2ガス供給手段112から第1ガスより二酸化炭素の組成割合が低いガスである第2ガスを供給する。制御器118は第2ガス供給手段112から電気化学デバイス11のアノード13に供給する第2ガスの流量を増加させて、第1ガスと第2ガスの混合ガスに含まれる二酸化炭素の組成割合を低下させるように、電気化学デバイス11のアノード13に供給する第2ガスの流量を制御する。【選択図】図1

Description

本開示は、電気化学的な反応を利用して、水素含有ガスから高純度の水素を取り出す水素精製システムおよびその運転方法に関する。
特許文献1は、改質ガスに含まれる水素を精製する水素精製昇圧システムを開示する。この水素精製昇圧システムは、燃料を供給する燃料供給配管と、燃料を改質して水素と二酸化炭素および一酸化炭素を含有する改質ガスを生成する改質器と、改質ガス中の一酸化炭素濃度を低減して水素含有ガスを生成する一酸化炭素除去器と、水素含有ガスに酸素ガスを混合する酸素ガス供給配管と、電解質膜を挟んで配置されるアノードとカソードの間に電圧を印加することによって水素含有ガス中の水素を精製および昇圧して精製水素ガスを生成する水素精製昇圧装置と、精製水素ガスを貯留する水素タンクと、を備える。
特開2015-117139号公報
本開示は、電気化学デバイスのアノードからカソードへの二酸化炭素の透過量を一定にし、長期に亘って高純度の水素を取り出すことができる水素精製システムおよびその運転方法を提供する。
本開示における水素精製システムは、電気化学デバイスと、第1ガス供給流路と、第2ガス供給手段と、電源と、制御器と、を備える。第1ガス供給流路は、電気化学デバイスのアノードに水素と二酸化炭素および一酸化炭素を含む水素含有ガスと酸素とを含む第1ガスを供給する。第2ガス供給手段は、電気化学デバイスのアノードに第1ガスより二酸化炭素の組成割合が低いガスである第2ガスを供給する。制御器は、第2ガス供給手段から電気化学デバイスのアノードに供給する第2ガスの流量を増加させて、第1ガスと第2ガスを混合した混合ガスに含まれる二酸化炭素の組成割合を低下させるように、電気化学デバイスのアノードに供給する第2ガスの流量を制御する。
本開示における水素精製システムは、混合ガスに含まれる二酸化炭素の組成割合を低下させることができる。そのため、電気化学デバイスのアノードからカソードへの二酸化炭素の透過量の経時変化による増加、または混合ガス中の二酸化炭素の組成割合が高いことによる過剰な透過量を低下させ、更に一定に維持し、長期に亘って高純度の水素を取り出すことができる。
実施の形態1、2における水素精製システムの概略を示す構成図 実施の形態3における水素精製システムの概略を示す構成図 実施の形態3における水素精製システムの制御処理を示すフローチャート
(本開示の基礎となった知見等)
発明者らが本開示に想到するに至った当時、電解質膜の両側にアノードとカソードを配置した電解質膜-電極接合体を有する電気化学デバイスを用いて水素精製システムを構成し、電気化学デバイスに、燃料を改質して生成した水素と二酸化炭素および一酸化炭素を含む水素含有ガスと酸素を供給することで、水素を電気化学的に分離する技術があった。これにより、電気化学デバイスのカソードで精製する水素に含まれる不純物ガスの含有量が減少し、高純度の水素を取り出すことができる。
そうした状況下において、発明者らは、水素精製システムについて、燃料を改質して生成した水素と二酸化炭素および一酸化炭素を含む水素含有ガスと酸素を用いて耐久試験を行った。その結果、水素の純度が低下した水素精製システムにおいては、電気化学デバイスのカソードで精製した高純度の水素に含まれる二酸化炭素の含有量が増加していることを見出した。
上記試験結果に基づき、電気化学デバイスのアノードからカソードへの二酸化炭素の透過量を抑制することで、水素精製システムの耐久性を高めることができるという着想を得た。
そして、発明者らは、その着想を実現するには、電気化学デバイスにおける電解質膜の二酸化炭素に対するガスバリア性が電気化学デバイスの運転時間が長くなるとともに低下し、電気化学デバイスのアノードからカソードへの二酸化炭素の透過量が経時的に増加するという課題があることを発見し、その課題を解決するために、本開示の主題を構成するに至った。
また更に、発明者らは、水素含有ガスに含まれる二酸化炭素量が多くなると電気化学デバイスのアノードからカソードへの二酸化炭素の透過量も多くなるという課題についても、その課題を解決するために、本開示の主題が有効であることに着目した。
そこで、本開示は、電気化学デバイスのアノードからカソードへの二酸化炭素の透過量の経時的な増加、または混合ガス中の二酸化炭素の組成割合が高いことによる過剰な透過量を低下させ、更に一定に維持し、長期に亘って高純度の水素を取り出すことができる水素精製システムおよびその運転方法を提供する。
以下、図面を参照しながら実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、または、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
(実施の形態1)
以下、図1を用いて、実施の形態1を説明する。
[1-1.構成]
[1-1-1.水素精製システムの構成]
図1において、水素精製システム10は、電気化学デバイス11と、電気化学デバイス11に所定方向の電流を流す電源117と、電気化学デバイス11に二酸化炭素を含む水素含有ガスと酸素と、を含む第1ガスを供給する第1ガス供給流路113と、電気化学デバイス11に第1ガスより二酸化炭素の組成割合が低いガスである第2ガスを供給する第2ガス供給手段112と、第2ガス供給手段112から電気化学デバイス11に供給する第2ガスの流量を制御する制御器118と、を備える。
本実施の形態では、第1ガスのガス組成については、一酸化炭素が20ppm(0.002%)、二酸化炭素が20%、酸素が2%、水素が残り77.998%とする。
すなわち、第1ガス供給流路113およびアノード側入口18を介して電気化学デバイス11のアノード13に供給するガスの二酸化炭素の組成割合は20%である。
また、第2ガスのガス組成については、窒素が90%、二酸化炭素が10%とする。
ただし、上記第1ガス及び第2ガスのガス組成は1例に過ぎず、この値に限定されず、第2ガスの条件に当てはまれば、異なる値でもよい。例えば、第1ガスは二酸化炭素が10%で、酸素が12%であってもよく、その場合、第2ガスのガス組成は、二酸化炭素が9%、窒素が90%、水素が1%など、第2ガス中の二酸化炭素の組成割合が第1ガス中の二酸化炭素の組成割合より低くなるような組成であればよい。
電気化学デバイス11は、電解質膜12の両側にアノード13とカソード14を配置した電解質膜-電極接合体15を有し、該電解質膜-電極接合体15を一対のアノード側セパレータ16とカソード側セパレータ17によって挟持して構成されている。
ここで、電解質膜12には、スルホン酸基を有するプロトン伝導性のパーフルオロカーボンスルホン酸系の高分子電解質膜を用いる。
アノード13とカソード14には、白金を担持したカーボン粒子をカーボン製フェルト上に塗布形成したものを用いる。
アノード側セパレータ16とカソード側セパレータ17は、ガス透過性のない導電性部材である圧縮カーボンによって構成されている。
アノード側セパレータ16には、第1ガス供給流路113から供給する第1ガスと、第2ガス供給手段112から供給する第2ガスとを電気化学デバイス11のアノード13に供給するためのアノード側入口18と、電気化学デバイス11のアノード13で電気化学反応に利用されなかった水素と、電気化学デバイス11において電解質膜12を介してアノード13からカソード14に透過しなかったガスを排出するためのアノード側出口19が設けられ、アノード側出口19にはアノード側出口流路115が接続されている。
一方、カソード側セパレータ17には、電気化学デバイス11のカソード14で精製する高純度の水素を含む精製水素ガスを取り出すためのカソード側出口110が設けられ、カソード側出口110にはカソード側出口流路116が接続されている。
電気化学デバイス11に所定方向の電流を流す電源117は、直流電源を用い、アノード側セパレータ16とカソード側セパレータ17とに接続されている。ここで、所定方向の電流とは、電気化学デバイス11のアノード13から電解質膜12を介してカソード14へ流れる電流である。
第1ガス供給流路113は、電気化学デバイス11のアノード側入口18に接続され、第1ガスを電気化学デバイス11のアノード13に供給している。
第2ガス供給手段112は、第2ガスを供給するガス供給器で構成され、第2接続配管114によって電気化学デバイス11のアノード側入口18に接続されている。
制御器118は、第2ガス供給手段112から第2接続配管114およびアノード側入口18を介して電気化学デバイス11のアノード13に供給する第2ガスの流量を制御するために、第2ガス供給手段112に接続されている。
[1-2.動作]
以上のように構成された水素精製システム10について、図1を用いて、以下その動作を説明する。
まず、第1ガス供給流路113から、露点65℃に加湿された第1ガスを、アノード側入口18を介して電気化学デバイス11のアノード13に供給する。
次に、電源117により、電気化学デバイス11のアノード13から電解質膜12を介してカソード14へ電流を流す。このとき、電流密度は0.6A/cmとなるように制御する。
この動作により、電気化学デバイス11のアノード13では、(化1)に示す、水素が水素イオン(H)と電子に解離する酸化反応が起こり、電気化学デバイス11のカソード14では、(化2)に示す、水素イオン(H)と電子が結びついて水素が生成する還元反応が起こる。
Figure 2022147020000002
Figure 2022147020000003
(化1)と(化2)に示す電気化学反応により、電気化学デバイス11のカソード14において、アノード13に供給する第1ガスから高純度の水素を含む精製水素ガスを精製する。
ここで、電解質膜12を介して、わずかではあるが、二酸化炭素が電気化学デバイス11のアノード13からカソード14に透過する。その結果、電気化学デバイス11のカソード側出口110を介してカソード側出口流路116からは、水素以外に二酸化炭素を微量含む水素純度99.8%の精製水素ガスが取り出される。そして、カソード側出口流路116から取り出される精製水素ガスの二酸化炭素濃度は0.2%である。
また、電気化学デバイス11のアノード13に供給する第1ガスのうち、電気化学デバイス11のアノード13で電気化学反応に利用されなかった水素と、電気化学デバイス11において電解質膜12を介してアノード13からカソード14に透過しなかったガスは、アノード側出口19を介してアノード側出口流路115から排出される。
次に、第2ガス供給手段112から、露点65℃に加湿された第2ガスを第2接続配管114およびアノード側入口18を介して電気化学デバイス11のアノード13に供給し続ける。
このとき、制御器118により、第2ガス供給手段112から電気化学デバイス11のアノード13に供給する第2ガスの流量を制御し、第1ガス供給流路113から電気化学デバイス11のアノード13に供給する第1ガスの流量に対する、第2ガスの流量の増加量を電気化学デバイス11の運転時間1時間当たり0.00040821%とする。
ここで、制御器118により、第1ガス供給流路113から電気化学デバイス11のアノード13に供給する第1ガスの流量に対する、第2ガスの流量の増加量を電気化学デバイス11の運転時間1時間当たり0.00040821%とした理由について説明する。
電解質膜12を介して、電気化学デバイス11のアノード13からカソード14に透過する二酸化炭素の透過量は、電解質膜12の劣化により電気化学デバイス11の運転時間とともに増加する。そして、電気化学デバイス11を1万時間連続して運転した時、電気化学デバイス11のカソード側出口流路116から取り出される精製水素ガスの二酸化炭素濃度は0.204%である。つまり、電気化学デバイス11の運転開始当初の電気化学デバイス11のカソード側出口流路116から取り出される精製水素ガスの二酸化炭素濃度は0.2%であるところ、電気化学デバイス11を1万時間連続して運転することで、電気化学デバイス11のカソード側出口流路116で取り出される精製水素ガスの二酸化炭素濃度は0.004%増加する。
ここで、電気化学デバイス11の運転開始当初のアノード13に供給する第1ガスにおける二酸化炭素の組成割合をXとする。電気化学デバイス11のアノード13からカソード14に透過する二酸化炭素の透過量は、電気化学デバイス11のアノード13とカソード14間の二酸化炭素の分圧差に比例し、分圧はガスの組成割合によって決まる。
電気化学デバイス11を1万時間運転後に、電気化学デバイス11のアノード13からカソード14への二酸化炭素の透過量が増加しても、電気化学デバイス11のカソード側出口流路116で取り出される精製水素ガスの二酸化炭素濃度が電気化学デバイス11の運転開始当初と同じ0.2%に維持されるような、二酸化炭素のアノードの組成割合Xは、(数1)で示される。
Figure 2022147020000004
ここで、上記したように、電気化学デバイス11の運転開始当初のXは20%であるところ、(数1)により、Xに20%を代入すると、電気化学デバイス11を1万時間運転した後における二酸化炭素の組成割合Xは19.6078%となる。
ここで、第1ガスにおいて単位時間当たりの流量をt(L/min)、水素の組成割合をA(%)、二酸化炭素の組成割合をB(%)、一酸化炭素の組成割合をC(%)、酸素の組成割合をD(%)、とし、第2ガスの単位時間当たりの流量をu(L/min)、窒素の組成割合をE(%)、二酸化炭素の割合をF(%)とすると、電気化学デバイス11を1万時間運転した後における二酸化炭素の組成割合19.6078%との関係において、(数2)に示す関係式が成り立つ。
Figure 2022147020000005
(数2)により、電気化学デバイス11のアノード13に供給する第1ガスの組成、つまり、Aに77.998、Bに20、Cに0.002、Dに2、Eに90、F10を代入すると、第1ガスの流量t(L/min)と第2ガスの流量u(L/min)の関係は、(数3)のようになる。
Figure 2022147020000006
よって、電気化学デバイス11の運転時間が1万時間を超えたときは、電気化学デバイス11のアノード13に供給する第2ガスの流量は、電気化学デバイス11のアノード13に供給する第1ガスの流量に対して、電気化学デバイス11の運転時間1万時間当たりで4.0821%となることから、電気化学デバイス11の運転時間1時間当たりで第2ガスが0.00040821%ずつ増加するように流せば、電気化学デバイス11のカソード側出口流路116で取り出される精製水素ガスの二酸化炭素濃度が電気化学デバイス11の運転開始当初と同じ0.2%に維持される。
今回は、電気化学デバイス11を1万時間運転した後における、精製水素ガス中の二酸化炭素濃度を0.2%で維持するために必要な、アノード内での混合ガス二酸化炭素の組成割合が19.6078%であることに対し、必要な第2ガスの流量を求めた。
しかし、電気化学デバイス11の劣化は経時的に変化するものであり、運転時間が長くなるほど、精製水素ガス中の二酸化炭素濃度を0.2%で維持するために必要な、アノード内での混合ガス二酸化炭素の組成割合は低下していく。
そこで、予め、電気化学デバイス11の運転時間と、精製水素ガス中の二酸化炭素濃度を0.2%で維持するために必要な、アノード内での混合ガス二酸化炭素の組成割合の変化の関係式がわかっていることで、その組成割合に応じて、制御器118は上記の(数2)から必要な第2ガスの流量を求めて、第2ガス供給手段112を制御することができる。
続いて、以上のように構成された水素精製システム10について、図1を用いて、以下その作用を説明する。
水素精製システム10の運転時間1万時間後の電気化学デバイス11のアノード13からカソード14に透過する二酸化炭素の透過量は、電解質膜12の劣化により運転開始当初より増加し、その増加量は電気化学デバイス11の運転時間1万時間当たり0.004%である。
また、第2ガス供給手段112から電気化学デバイス11のアノード13に供給する第2ガスの流量の増加量は、電気化学デバイス11のアノード13に供給する第1ガスの流量に対して、電気化学デバイス11の運転時間1時間当たり0.00040821%である。
これにより、電気化学デバイス11の運転時間1万時間後の電気化学デバイス11のアノード13に供給するガスにおける二酸化炭素の組成割合は、運転開始当初より低下する。
そのために、電気化学デバイス11のアノード13における二酸化炭素の分圧が低下することにより、電気化学デバイス11のアノード13からカソード14への二酸化炭素の透過量の経時的な増加が抑えられ、電気化学デバイス11の運転時間1万時間後の電気化学デバイス11のカソード側出口流路116から取り出される精製水素ガスの二酸化炭素濃度は電気化学デバイス11の運転開始当初と同じ0.2%となる。
[1-3.効果等]
以上のように、本実施の形態において、水素精製システム10は、電気化学デバイス11と、第1ガス供給流路113と、第2ガス供給手段112と、制御器118と、を備える。
制御器118は、第2ガス供給手段112に接続される。第1ガス供給流路113は、第1ガスを電気化学デバイス11のアノード13に供給する。
第2ガス供給手段112は、第2ガスを電気化学デバイス11に供給する。
制御器118は、第2ガス供給手段112から電気化学デバイス11に供給する第2ガスの流量を制御し、第1ガス供給流路113から電気化学デバイス11のアノード13に供給する第1ガスの流量に対する、第2ガス供給手段112から電気化学デバイス11のアノード13に供給する第2ガスの流量を、電気化学デバイス11の運転時間に応じて増加するように制御する。
これにより、水素精製システム10は、電気化学デバイス11の運転時間が長くなるとともに、第2ガスの流量を増加して、電気化学デバイス11のアノード13における第1ガスと第2ガスの混合ガス中の二酸化炭素の組成割合を低下させることができる。
そのため、電気化学デバイス11の運転時間が長くなるにつれて電解質膜12が劣化する場合に、電気化学デバイス11のアノード13における二酸化炭素の分圧が低下することにより、電気化学デバイス11のアノード13からカソード14への二酸化炭素の透過量を一定にし、電気化学デバイス11のカソード側出口流路116で取り出す精製水素ガスの二酸化炭素濃度の経時的な増加を抑制し、長期に亘って高純度の水素を取り出すことができる。
なお、第1ガス供給流路113は燃料としての都市ガスがガスインフラから供給され、第1ガス供給流路113上に、水蒸気改質反応を利用して水素と二酸化炭素および一酸化炭素を含む水素含有ガスを供給する燃料処理器と酸素を供給する酸素供給器とを設けてもよい。
これにより、炭化水素を含むガスから水素含有ガスを生成し、利用することができる。
また、第2ガス供給手段112と接続された第2接続配管114は、アノード側入口18に直接接続されていてもよい。この場合、第1ガス供給流路113内で、第1ガスと第2ガスの混合ガスが形成される。
また、本実施の形態では、第2ガスのガス組成として二酸化炭素を含んでいたが、二酸化炭素を含まないガスでもよく、また二酸化炭素以外のガスを複数含んでいてもよい。
これにより、第1ガスと第2ガスを混合させた混合ガス中の二酸化炭素の組成割合は、第1ガス中の二酸化炭素の組成割合よりも低くなる。
また、本実施の形態では、第2ガス中に含まれる二酸化炭素以外のガスとして窒素を用いたが、水素であってもよい。
これにより、第2ガス中に含まれる水素も精製水素ガスを精製するときの水素源として用いることができる。
(実施の形態2)
以下、図1を用いて、実施の形態2を説明する。なお、実施の形態1と同一の構成要素については同一の符号を付すこととして、詳細な説明は省略する場合もある。
[2-1.構成]
[2-1-1.水素精製システムの構成]
図1において、水素精製システム10は、電気化学デバイス11と、電気化学デバイス11に所定方向の電流を流す電源117と、電気化学デバイス11に二酸化炭素を含む水素含有ガスと酸素とを含む第1ガスを供給する第1ガス供給流路113と、電気化学デバイス11に第1ガスより二酸化炭素の組成割合が低いガスである第2ガスを供給する第2ガス供給手段112と、第2ガス供給手段112から電気化学デバイス11に供給する第2ガスの流量を制御する制御器118と、を備える。
本実施の形態では、第1ガスのガス組成については、一酸化炭素が20ppm(0.002%)、二酸化炭素が50%、酸素が2%、水素が残り47.998%とする。
また、第2ガスのガス組成については、水素が100%とする。
ただし、上記第1ガス及び第2ガスのガス組成は1例に過ぎず、この値に限定されず、第2ガスの条件に当てはまれば、異なる値でもよい。例えば、第1ガスは二酸化炭素が40%で、酸素が22%であってもよく、その場合、第2ガスのガス組成は、二酸化炭素が29%、水素が70%、窒素が1%など、第2ガス中の二酸化炭素の組成割合が第1ガス中の二酸化炭素の組成割合より低くなるような組成であればよい。
制御器118は、第2ガス供給手段112に接続されている。制御器118は、アノード13における混合ガス中の二酸化炭素の組成割合が、所定値以下になるように、第2ガス供給手段112から第2接続配管114およびアノード側入口18を介して電気化学デバイス11のアノード13に供給する第2ガスの流量を制御する。
ここで所定値とは、その運転時間における、精製水素ガス中の二酸化炭素濃度を0.2%で維持するために必要な、アノード内での混合ガス中の二酸化炭素の組成割合を指す。
[2-2.動作]
以上のように構成された水素精製システム10について、図1を用いて、以下その動作を説明する。
まず、第1ガス供給流路113から、露点65℃に加湿された第1ガスを、アノード側入口18を介して電気化学デバイス11のアノード13に供給する。
次に、電源117により、電気化学デバイス11のアノード13から電解質膜12を介してカソード14へ電流を流す。このとき、電流密度は0.6A/cmとなるように制御する。
この動作により、電気化学デバイス11のアノード13では、(化1)に示す、水素が水素イオン(H)と電子に解離する酸化反応が起こり、電気化学デバイス11のカソード14では、(化2)に示す、水素イオン(H)と電子が結びついて水素が生成する還元反応が起こる。
(化1)と(化2)に示す電気化学反応により、電気化学デバイス11のカソード14において、アノード13に供給する第1ガスから高純度の水素を含む精製水素ガスを精製する。
ここで、電解質膜12を介して、わずかではあるが、二酸化炭素が電気化学デバイス11のアノード13からカソード14に透過する。その結果、電気化学デバイス11のカソード側出口110を介してカソード側出口流路116からは、水素以外に二酸化炭素を含む精製水素ガスが取り出される。
また、電気化学デバイス11のアノード13に供給する第1ガスのうち、電気化学デバイス11のアノード13で電気化学反応に利用されなかった水素と、電気化学デバイス11において電解質膜12を介してアノード13からカソード14に透過しなかったガスは、アノード側出口19を介してアノード側出口流路115から排出される。
本実施の形態では、精製水素ガスに求められる水素濃度を99.8%、二酸化炭素濃度は0.2%とする。
本実施の形態での電気化学デバイス11の性能として、精製水素ガス中の二酸化炭素濃度を0.2%以下にするためには、アノード13内における混合ガス中の二酸化炭素の組成割合が20%以下である必要があるとする。
なお、この精製水素ガス中の二酸化炭素濃度を0.2%以下にするために、必要なアノード13内における混合ガス中の二酸化炭素の組成割合は、この値に限定されず、電気化学デバイス11の性能や電解質膜12の厚さ、密度等によって変更してもよい。
本実施の形態では、第1ガス中の二酸化炭素の組成割合が50%となっている。そこで、制御器118は式(数2)に基づき、第2ガス供給手段112から供給する露点65℃に加湿された第2ガスの量を求め、供給する。
第1ガスにおいて、単位時間当たりの流量をt(L/min)、水素の組成割合Aは0.002%、二酸化炭素の組成割合Bは50%、一酸化炭素の組成割合Cは2%、酸素の組成割合Dは47.998%、第2ガスにおいて、単位時間当たりの流量をu(L/min)、水素の組成割合Gは100%、二酸化炭素の組成割合Fは0%とすると、混合ガス中の二酸化炭素の組成割合を求める式は式(数4)で表され、そこから供給する第2ガスの流量u(L/min)は、式(数5)で求められる。
Figure 2022147020000007
Figure 2022147020000008
これにより、制御器118は、第1ガスの流量t(L/min)に対し、アノード内の混合ガス中の二酸化炭素の組成割合を20%にするために必要な、第1ガスに合流させる第2ガスの流量u(L/min)を求めることができる。
ここでは、第1ガスの組成が特定の割合の場合を例に説明したが、各値はそのときのガスの組成によって変わるものであり、その時の第1ガスの組成割合に合わせて、制御器118は第2ガス供給手段112からの第2ガス流量を変更することができる。
[2-3.効果等]
以上のように、本実施の形態において、水素精製システム10は、電気化学デバイス11と、第1ガス供給流路113と、第2ガス供給手段112と、制御器118と、を備える。
制御器118は、第2ガス供給手段112に接続される。
第2ガス供給手段112は、第2ガスを電気化学デバイス11に供給する。
制御器118は、第1ガスの流量及び組成に合わせて、必要な第2ガスの流量を制御することができる。
これにより、水素精製システム10は、アノード内の混合ガス中の二酸化炭素の組成割合を所定値以下にするために必要な第2ガスの流量を調節し、アノード13における混合ガス中の二酸化炭素の組成割合を低下させ、電気化学デバイス11のアノード13における二酸化炭素の分圧が低下させる。
そのため、電気化学デバイス11のカソード側出口流路116で取り出す精製水素ガスの二酸化炭素濃度を、後段の水素利用機器に求められる所定の値で一定にし、長期に亘って高純度の水素を取り出すことができる。
(実施の形態3)
以下、図2、図3を用いて、実施の形態3を説明する。なお、図2、図3において、図1、2と同一の構成要素については同一の符号を付すこととして、詳細な説明は省略する場合もある。
[3-1.全体構成]
実施の形態3に係る水素精製システム20は、電気化学デバイス11のカソード側出口流路116から取り出す精製水素ガスの二酸化炭素濃度を検知する検知手段21を備えている点で、実施の形態1、2に係る水素精製システム10と異なる。
[3-1-1.水素精製システムの構成]
図2において、水素精製システム20は、電気化学デバイス11と、電気化学デバイス11に所定方向の電流を流す電源117と、電気化学デバイス11に第1ガスを供給する第1ガス供給流路113と、電気化学デバイス11に第2ガスを供給する第2ガス供給手段112と、第2ガス供給手段112から電気化学デバイス11に供給する第2ガスの流量を制御する制御器118と、電気化学デバイス11のカソード側出口流路116から取り出す精製水素ガスの二酸化炭素濃度を検知する検知手段21と、を備える。
本実施の形態では、第1ガスのガス組成については、一酸化炭素が20ppm(0.002%)、二酸化炭素が20%、酸素が2%、水素が残り77.998%とする。
すなわち、第1ガス供給流路113およびアノード側入口18を介して電気化学デバイス11のアノード13に供給する第1ガスの二酸化炭素の組成割合は20%である。
また、第2ガスのガス組成については、窒素が90%、二酸化炭素が10%とする。
ただし、上記第1ガス及び第2ガスのガス組成は1例に過ぎず、この値に限定されず、第2ガスの条件に当てはまれば、異なる値でもよい。例えば、第1ガスは二酸化炭素が10%で、酸素が12%であってもよく、その場合、第2ガスのガス組成は、二酸化炭素が9%、窒素が90%、水素が1%など、第2ガス中の二酸化炭素の組成割合が第1ガス中の二酸化炭素の組成割合より低くなるような組成であればよい。
検知手段21は、電気化学デバイス11のカソード14で精製する精製水素ガスの二酸化炭素濃度を検知するため、第3接続配管22によってカソード側出口流路116に接続され、検知した精製水素ガスの二酸化炭素濃度を制御器118に伝える。
[3-2.動作]
以上のように構成された水素精製システム20について、図2、図3を用いて、以下その動作、作用を説明する。
まず、第1ガス供給流路113から、露点65℃に加湿された第1ガスをアノード側入口18を介して電気化学デバイス11のアノード13に供給する(S1)。
次に、電源117により、電気化学デバイス11のアノード13から電解質膜12を介してカソード14へ電流を流す(S2)。
このとき、電流密度は0.6A/cmとなるように制御する。
この動作により、電気化学デバイス11のアノード13では、上記した(化1)に示す、水素が水素イオン(H)と電子に解離する酸化反応が起こり、電気化学デバイス11のカソード14では、上記した(化2)に示す、水素イオン(H)と電子が結びついて水素が生成される還元反応が起こる。
(化1)と(化2)に示す電気化学反応により、電気化学デバイス11のカソード14において、アノード13に供給する第1ガスから高純度の水素を含む精製水素ガスを精製する。
ここで、電解質膜12を介して、わずかではあるが、二酸化炭素が電気化学デバイス11のアノード13からカソード14に透過する。その結果、電気化学デバイス11のカソード側出口110を介してカソード側出口流路116からは、水素以外に二酸化炭素を微量含む水素純度99.8%の高純度の水素が取り出される。そして、カソード側出口流路116から取り出される水素の二酸化炭素濃度は0.2%である。
また、電気化学デバイス11のアノード13に供給する水素含有ガスのうち、電気化学デバイス11のアノード13で電気化学反応に利用されなかった水素と、電気化学デバイス11において電解質膜12を介してアノード13からカソード14に透過しなかったガスは、アノード側出口19を介してアノード側出口流路115から排出される。
次に、検知手段21で電気化学デバイス11のカソード側出口流路116における精製水素ガスの二酸化炭素濃度を検知する(S3)。
次に、検知した精製水素ガスの二酸化炭素濃度が運転開始当初の二酸化炭素濃度0.2±0.01%(以下、所定の濃度範囲という。)の上限値よりも高いか否かを判定する(S4)。
ここで、所定の濃度範囲を0.2±0.01%としたが、これは一例であり、この値に限定されない。必要とする後段の水素利用機器が要求する精製水素ガスの水素純度の精度や検知器の検知精度などにより値を変更してもよく、例えば、要求精度を最大限上げて範囲を持たせずに所定の濃度範囲を0.2±0%としてもよい。
S4で、検知した精製水素ガスの二酸化炭素濃度が所定の濃度範囲の上限値より高くない場合は、S6に移行する。
検知した精製水素ガスの二酸化炭素濃度が、所定の濃度範囲の上限値よりも高い場合は、第2ガス供給手段112から、露点65℃に加湿された第2ガスを第2接続配管114およびアノード側入口18を介して電気化学デバイス11のアノード13に供給し(S5)、再びS3に戻す。
このとき、制御器118により、第2ガス供給手段112から電気化学デバイス11のアノード13に供給する第2ガスの流量を制御し、第1ガス供給流路113から電気化学デバイス11のアノード13に供給する第1ガスの流量に対する、第2ガスの流量を電気化学デバイス11の運転時間1時間当たり0.00040821%と増加させる。ただし、後述するS7で第2ガスの流量を減少させてS3に戻ってきていた場合は、S5では、第2ガスの流量を運転時間1時間当たり0.00040821%増加させる代わりに、直前のS7で減少した第2ガスの流量の半分量を増加させる。
この操作により、S5では、電気化学デバイス11のアノード13において二酸化炭素の組成割合が低下し、二酸化炭素の分圧が低下する。
ここで、電気化学デバイス11のアノード13からカソード14に透過する二酸化炭素の透過量は、電気化学デバイス11のアノード13とカソード14間の二酸化炭素の分圧差によって決まり、二酸化炭素の分圧差が低下すると、電気化学デバイス11のアノード13からカソード14への二酸化炭素の透過量は減少する。
よって、電気化学デバイス11のアノード13において混合ガス中の二酸化炭素の組成割合が低下したことにより、電気化学デバイス11のアノード13とカソード14間の二酸化炭素の分圧差が低下して、所定の濃度範囲より高い精製水素ガスの二酸化炭素濃度を低下させ、電気化学デバイス11のカソード側出口流路116で取り出す精製水素ガスの二酸化炭素濃度の増加を抑制することができる。
次に、検知した精製水素ガスの二酸化炭素濃度が、所定の濃度範囲の下限値よりも低いか否かを判定する(S6)。
検知した精製水素ガスの二酸化炭素濃度が所定の濃度範囲の下限値よりも低い場合は、第2ガス供給手段112から第2接続配管114およびアノード側入口18を介して電気化学デバイス11のアノード13に供給する第2ガスの流量を減少させ(S7)、再びS3に戻す。
このとき、制御器118により、第2ガス供給手段112から電気化学デバイス11のアノード13に供給する第2ガスの流量を制御し、第1ガス供給流路113から電気化学デバイス11のアノード13に供給する第1ガスの流量に対する、第2ガスの流量の減少量を電気化学デバイス11の運転時間1時間当たり0.00040821%とする。ただし、S5で第2ガスの流量を増加していた場合は、S7では、第2ガスの流量を運転時間1時間当たり0.00040821%減少させる代わりに、直前のS5で増加した第2ガスの流量の半分量を減少させる。
この操作により、S7では、電気化学デバイス11のアノード13において二酸化炭素の組成割合が増加し、二酸化炭素の分圧が増加する。
ここで、電気化学デバイス11のアノード13からカソード14に透過する二酸化炭素の透過量は、電気化学デバイス11のアノード13とカソード14間の二酸化炭素の分圧差によって決まり、二酸化炭素の分圧差が増加すると、電気化学デバイス11のアノード13からカソード14への二酸化炭素の透過量は増加する。よって、電気化学デバイス11のアノード13において二酸化炭素の分圧が増加したことにより、電気化学デバイス11のアノード13とカソード14間の二酸化炭素の分圧差が増加して、所定の濃度範囲より低い精製水素ガスの二酸化炭素濃度を増加させることができる。
一方、S6で、検知した精製水素ガスの二酸化炭素濃度が所定の濃度範囲の下限値よりも低くない場合、つまり、検知した精製水素ガスの二酸化炭素濃度が所定の濃度範囲に収まる場合は、再びS3に戻す。
[3-3.効果等]
以上のように、本実施の形態において、水素精製システム20は、電気化学デバイス11と、第1ガス供給流路113と、第2ガス供給手段112と、制御器118と、検知手段21と、を備える。
検知手段21は、電気化学デバイス11のカソード14で精製し、電気化学デバイス11のカソード側出口流路116から取り出す精製水素ガスの二酸化炭素濃度を検知する。
制御器118は、検知手段21により検知した精製水素ガスの二酸化炭素濃度が所定の濃度範囲よりも増加した場合には、制御器118により、第2ガス供給手段112から電気化学デバイス11のアノード13に供給する第2ガスの流量を制御し、第1ガス供給流路113から電気化学デバイス11のアノード13に供給する第1ガスの流量に対する、第2ガス供給手段112から電気化学デバイス11に供給する第2ガスの流量を増加させる。
これにより、水素精製システム20は、電気化学デバイス11のカソード側出口流路116から取り出す精製水素ガスの二酸化炭素濃度が所定の濃度範囲よりも増加した場合には、電気化学デバイス11のアノード13において混合ガスの二酸化炭素の組成割合を低下させ、電気化学デバイス11のアノード13における二酸化炭素の分圧が低下させることができ、上昇した精製水素ガスの二酸化炭素濃度を低下させることができる。
一方、制御器118は、検知手段21により検知した精製水素ガスの二酸化炭素濃度が所定の濃度範囲よりも低下した場合には、第2ガス供給手段112から電気化学デバイス11のアノード13に供給する第2ガスの流量を制御し、第1ガス供給流路113から電気化学デバイス11のアノード13に供給する第1ガスの流量に対する、第2ガス供給手段112から電気化学デバイス11に供給する第2ガスの流量を減少させる。
これにより、水素精製システム20は、電気化学デバイス11のカソード側出口流路116から取り出す精製水素ガスの二酸化炭素濃度が所定の濃度範囲よりも減少した場合には、電気化学デバイス11のアノード13において混合ガスの二酸化炭素の組成割合を増加させ、電気化学デバイス11のアノード13における二酸化炭素の分圧が増加させることができ、低下した精製水素ガスの二酸化炭素濃度を上昇させることができる。
そのため、水素精製システム20は、電気化学デバイス11のカソード側出口流路116で取り出す精製水素ガスの二酸化炭素濃度の変動を抑制し、一定値に保つことができ、長期に亘って高純度の水素を取り出すことができる。
(他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態1~3を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用できる。また、上記実施の形態1~3で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
そこで、以下、他の実施の形態を例示する。
実施の形態1では、制御器118により第2ガス供給手段112から電気化学デバイス11のアノード13に供給する第2ガスの流量を制御する運転方法の一例として、電気化学デバイス11の運転時間に応じて一定の割合で、第2ガスの流量を増加させる運転方法を説明した。制御器118による第2ガスの流量の制御は、電気化学デバイス11の運転時間に応じて第2ガスの流量を増加させるものであればよい。したがって、電気化学デバイス11の運転時間に応じて一定の割合で、第2ガスの流量を増加させるものに限定されるものはなく、例えば、電気化学デバイス11の運転時間に応じて第2ガスの流量を段階的に増加させてもよい。
実施の形態1~3では、第2ガスの一例として窒素を用いる水素精製システム10、水素精製システム20を説明した。第2ガスは窒素に限定されるものではなく、窒素に代えて二酸化炭素以外のガスを単独または混合して用いてもよい。ただし、窒素や、メタン、イソブタン、六フッ化硫黄等など、二酸化炭素より動的分子径が大きいガスを用いれば、第2ガスに含まれる二酸化炭素以外のガスが電気化学デバイス11のアノード13からカソード14に透過する透過量を抑制することができるので、電気化学デバイス11のカソード側出口流路116で取り出す精製水素ガスへの二酸化炭素以外のガスの混入を抑えて、水素精製システム10、水素精製システム20の水素純度の低下を抑制することができる。また、第2ガスとして、水素を用いてもよい。水素を用いた場合、第2ガスから、電気化学デバイス11のカソード側出口流路116で取り出す精製水素ガスに、水素以外のガスが混入することを抑制することができるので、水素精製システムの水素純度を高く維持することができる。
実施の形態1~3では、電気化学デバイス11に用いる電解質膜12の一例として、スルホン酸基を有するプロトン伝導性のフッ素系の高分子電解質膜を用いる水素精製システム10、水素精製システム20を説明した。
電解質膜12はプロトンを伝導するものであればよい。したがって、電解質膜12はプロトン伝導性のフッ素系の高分子電解質膜を用いるものに限定されず、例えば、電解質膜12としては、スルホン化ポリフェニレン、スルホン化ポリエーテルエーテルケトン等を骨格とし、プロトン伝導性の炭化水素系の高分子電解質膜を用いてもよい。
ただし、電解質膜12としてプロトン伝導性のフッ素系の高分子電解質膜を用いれば、電解質膜の化学的安定性が向上し、電気化学デバイス11、ひいては水素精製システム10、水素精製システム20の耐久性を高めることができる。
また、電解質膜12は他の成分を含んでもよく、例えば、ポリテトラフルオロエチレンやパーフルオロアルキルエーテル等のカーボン繊維、織布、不織布、多孔体等により補強されていてもよい。電解質膜12としてカーボン繊維、織布、不織布、多孔体等により補強された電解質膜を用いれば、電解質膜12の機械的強度が増し、電気化学デバイス11、ひいては水素精製システム10、水素精製システム20の信頼性を向上することができる。
なお、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
本開示は、長期に亘って高純度の水素を取り出す水素精製システムに適用可能である。具体的には、燃料電池車等の水素利用機器に水素を供給する水素供給システムなどに、本開示は適用可能である。
10,20 水素精製システム
11 電気化学デバイス
12 電解質膜
13 アノード
14 カソード
15 電解質膜-電極接合体
16 アノード側セパレータ
17 カソード側セパレータ
18 アノード側入口
19 アノード側出口
110 カソード側出口
112 第2ガス供給手段
113 第1ガス供給流路
114 第2接続配管
115 アノード側出口流路
116 カソード側出口流路
117 電源
118 制御器
21 検知手段
22 第3接続配管

Claims (11)

  1. 電解質膜と、
    水素及び二酸化炭素を含む水素含有ガスと酸素とを含む第1ガスと、前記第1ガスより二酸化炭素の組成割合が低いガスである第2ガスを供給される前記電解質膜の一方の面に配置されるアノードと、
    前記電解質膜の他方の面に配置されるカソードと、
    から構成される電解質膜-電極接合体を有し、
    前記カソードで高純度の水素を含む精製水素ガスを精製する電気化学デバイスと、
    前記第1ガスを前記アノードに供給する第1ガス供給流路と、
    前記第2ガスを前記アノードに供給する第2ガス供給手段と、
    前記アノードと前記カソードとの間に電流を流すための電源と、
    前記第2ガス供給手段を制御する制御器と、
    を備えた水素精製システムであって、
    前記制御器は、
    前記第2ガス供給手段を制御して、前記アノードに供給する前記第2ガスの流量を増加させ、前記アノードに供給する前記第1ガスと前記第2ガスの混合ガス中に含まれる二酸化炭素の組成割合を低下させることを特徴とする水素精製システム。
  2. 前記水素精製システムは、
    さらに前記電気化学デバイスで精製した前記精製水素ガスの二酸化炭素濃度を検知する検知手段を備え、
    前記制御器は、
    前記検知手段により検知した二酸化炭素濃度が、所定の濃度範囲になるように前記第2ガス供給手段を制御し、
    前記検知手段により検知した二酸化炭素濃度が、所定の濃度範囲よりも高くなった場合に、前記第2ガス供給手段を制御して前記アノードに供給する前記第2ガスの流量を増加させて、前記混合ガスに含まれる二酸化炭素の組成割合を低下させ、
    前記検知手段により検知した二酸化炭素濃度が、所定の濃度範囲よりも低くなった場合に、前記第2ガス供給手段を制御して前記アノードに供給する前記第2ガスの流量を減少させて、前記混合ガスに含まれる二酸化炭素の組成割合を増加させることを特徴とする、
    請求項1に記載の水素精製システム。
  3. 前記第2ガスは、二酸化炭素よりも動的分子径が大きいガスであることを特徴とする請求項1または2に記載の水素精製システム。
  4. 前記第2ガスは、二酸化炭素以外のガスである請求項1または2に記載の水素精製システム。
  5. 前記第2ガスは、水素であることを特徴とする請求項4に記載の水素精製システム。
  6. 前記第2ガス供給手段は、前記第1ガス供給流路に接続されている、
    請求項1~5のいずれか1項に記載の水素精製システム。
  7. 前記第2ガス供給手段は、前記アノードに接続されている、
    請求項1~5のいずれか1項に記載の水素精製システム。
  8. 電解質膜と
    水素及び二酸化炭素を含む水素含有ガスと酸素とを含む第1ガスと、前記第1ガスより二酸化炭素の組成割合が低いガスである第2ガスを供給される前記電解質膜の一方の面に配置されるアノードと、
    前記電解質膜の他方の面に配置されるカソードと、
    から構成される電解質膜-電極接合体を有し、
    前記カソードで高純度の水素を含む精製水素ガスを精製する電気化学デバイスと、
    前記第1ガスを前記アノードに供給する第1ガス供給流路と、
    前記第2ガスを前記アノードに供給する第2ガス供給手段と、
    前記アノードと前記カソードとの間に電流を流すための電源と、
    を備えた水素精製システムの運転方法であって、
    前記アノードに供給する前記第2ガスの流量を増加させて、前記アノードに供給する第1ガスと第2ガスの混合ガス中に含まれる二酸化炭素の組成割合を低下させることを特徴とする、
    水素精製システムの運転方法。
  9. 前記第2ガスは、二酸化炭素よりも動的分子径が大きいガスであることを特徴とする請求項8に記載の水素精製システムの運転方法。
  10. 前記第2ガスは、二酸化炭素以外のガスであることを特徴とする請求項9に記載の水素精製システムの運転方法。
  11. 前記第2ガスは、水素であることを特徴とする請求項10に記載の水素精製システムの運転方法。
JP2021048100A 2021-03-23 2021-03-23 水素精製システムおよびその運転方法 Pending JP2022147020A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021048100A JP2022147020A (ja) 2021-03-23 2021-03-23 水素精製システムおよびその運転方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021048100A JP2022147020A (ja) 2021-03-23 2021-03-23 水素精製システムおよびその運転方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022147020A true JP2022147020A (ja) 2022-10-06

Family

ID=83463631

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021048100A Pending JP2022147020A (ja) 2021-03-23 2021-03-23 水素精製システムおよびその運転方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2022147020A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7045233B2 (en) Method and apparatus for electrochemical compression and expansion of hydrogen in a fuel cell system
US7141323B2 (en) Method and apparatus for electrochemical compression and expansion of hydrogen in a fuel cell system
US8530101B2 (en) Anode exhaust recycle system
EP3599656A1 (en) Electrochemical hydrogen pump
US7687170B2 (en) Fuel cell system
US9806365B2 (en) Methods of purifying a hydrogen gas stream containing hydrogen sulfide impurities
CA2763526C (en) Methods of operating fuel cell stacks and systems
EP2639869A1 (en) Method for operating solid polymer fuel cell system, and solid polymer fuel cell system
JP2007048517A (ja) 燃料電池システム
JP2022147020A (ja) 水素精製システムおよびその運転方法
US20230349060A1 (en) Method for operating an electrolysis system, and electrolysis system
EP4095089A1 (en) Hydrogen production apparatus
EP3133689B1 (en) Hydrogen purifiers and hydrogen purification systems
US10439241B2 (en) Methods and processes to recover the voltage loss due to anode contamination
JP2009117120A (ja) 水素製造発電システムの運転方法
JP2018092914A (ja) 燃料電池システム
JP2009037915A (ja) 燃料電池スタックシステムおよび電子機器
JP2023007150A (ja) 電気化学デバイス
WO2020054334A1 (ja) 水素生成システム及び水素生成システムの運転方法
JP2008140666A (ja) 燃料電池システム
JP2020056087A (ja) 水素生成システムおよびその運転方法
JP2021119256A (ja) 電気化学デバイス
JP2021050375A (ja) 水素純化器
JP2022187365A (ja) 水素精製システム
JP7033701B2 (ja) 水素生成システム

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20221021