JPWO2020050182A1 - カプセル充填用液状組成物及びカプセル剤 - Google Patents

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Abstract

難油溶性成分を分散させるための分散安定剤としてヒマワリ種子油を使用することにより、ミツロウやグリセリン脂肪酸エステルを分散安定剤として使用しない、あるいは使用量を少なくしても、ミツロウやグリセリン脂肪酸エステルを分散安定剤として使用した従来品と同様の難油溶性成分の分散安定性を有することができ、かつ、難油溶性成分として粉末及びエキス類を高濃度に含有することが可能なカプセル充填用液状組成物及びカプセル剤を提供することができる。

Description

本発明は、カプセル充填用液状組成物及びカプセル剤に関する。
難油溶性や粉末状の成分を含有するカプセル剤は、一般に、成分を食用油脂中に分散して調製した分散液を、ゼラチン及び非動物由来原料を皮膜とするカプセルに充填して製造される。その際、成分を食用油脂中に安定に分散させるための分散剤として、従来ミツロウやグリセリン脂肪酸エステルが使用されている(特許文献1)。
ミツロウやグリセリン脂肪酸エステルは、食品添加物であることから、食品添加物の摂取を控えたい利用者から、食品添加物ではない分散安定剤が求められている。食品添加物を使用せずに成分を食用油脂中に安定に分散させる食品素材として、従来、ナタネ硬化油、パーム核油、ココナッツオイルなどが提案されている(特許文献2および3)。しかしながら、上記技術では、ミツロウやグリセリン脂肪酸エステルを使用した従来品に比べて、例えば成分の分散安定性やトランス脂肪酸摂取の可能性の面と飽和脂肪酸の摂取の機会を増やす面で難があり、必ずしも満足できるものではない。
また、粉末およびエキス類を高濃度に含有したカプセルの製造のためには、カプセル充填用液状組成物の作成の際に、カプセル充填用液状組成物をホモジェッターなどの高速粉砕機および高速攪拌機で処理し、分散安定性をより向上させた乳化原液を製造する方法(特許文献4)や食用油脂の構成について、構成脂肪酸に占める炭素数の指定や使用の割合を制限する(特許文献5)ことにより難油溶性成分を高濃度に含有するカプセル剤を製造する方法が提供されている。
しかしながら、難油溶性成分として粉末およびエキス類を高濃度に含有する際に、素材を著しく物理的および化学的に変質させないことや、食用油脂の選択の幅に制限がかかることは、望まれない場合もあることから、従来のカプセル剤では必ずしも満足できるものとは言えない。
特開2009−242334号公報 特開昭61−151127号公報 特開平4−320666号公報 特開2000−083599号公報 特開2012−144450号公報
そこで、本発明の第1の目的は、ミツロウやグリセリン脂肪酸エステルを使用せずあるいはなるべく使用せず、かつミツロウやグリセリン脂肪酸エステルを使用した従来処方と同等の難油溶性成分の分散安定性を有するカプセル充填用分散液組成物及びカプセル剤を提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、ミツロウやグリセリン脂肪酸エステルを全く使用しなくても難油溶性成分として粉末およびエキス類を高濃度に含有することが可能なカプセル充填用液状組成物及びカプセル剤を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、難油溶性成分を分散させるための分散安定剤としてヒマワリ種子油を含むエステル交換油脂を使用することにより、ミツロウやグリセリン脂肪酸エステルを全く使用しないあるいはこれらの使用量を軽減したとしても食用油脂中の難油溶性成分が安定に分散することを見出し、その知見に基づいて本発明を完成した。
さらに、本発明者らは、ミツロウやグリセリン脂肪酸エステルの代わりにヒマワリ種子油を使用することにより、難油溶性成分として粉末およびエキス類を高濃度に含有することが可能なカプセル充填用液状組成物及びカプセル剤を提供することができることを見出した。
すなわち、本発明のカプセル充填用液状組成物は、食用油脂中に難油溶性成分を分散せしめたカプセル充填用液状組成物であって、前記難油溶性成分を分散させるための分散安定剤としてエステル交換油脂を含有することを特徴とする。
また、前記エステル交換油脂は、ヒマワリ種子油であってもよい。
また、前記ヒマワリ種子油は、前記カプセル充填用液状組成物100質量%中、1〜30質量%、好ましくは1〜20質量%、より好ましくは2〜10質量%である。
また、本発明のカプセル剤は、前述のヒマワリ種子油を含有したカプセル充填用液状組成物を含有することを特徴とする。
本発明のカプセル充填用液状組成物は、食用油脂中に難油溶性成分を分散せしめたカプセル充填用液状組成物であって、前記難油溶性成分を分散させるための分散安定剤としてエステル交換油脂を含有するように構成した。これにより、ミツロウやグリセリン脂肪酸エステルなどを使用しなくても、ミツロウやグリセリン脂肪酸エステルを使用した従来品と同等の難油溶性成分の分散安定性を有することができるといった効果を有する。
また、本発明のカプセル剤は、分散安定剤としてヒマワリ種子油を使用したことにより、難油溶性成分として粉末およびエキス類を高濃度に含有することができるといった効果を有する。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
本実施形態で用いられる食用油脂としては、例えば、コメ油、コーン油、キャノーラ油、オリーブ油、米ぬか油、大豆油、大豆白絞油、サフラワー油、ゴマ油、パーム油、パーム核油、ヤシ油、ヒマワリ油、綿実油、菜種油、菜種白絞油、グレープシード油、シソ油等の植物性油脂、牛脂、豚脂、魚油、乳脂又はラード等の動物性油脂、中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)等が挙げられる。これら食用油脂は、1種又は2種以上を任意に組み合わせて用いることができる。
本実施形態で用いられる難油溶性成分は、親油性の低い物質から構成され、本実施形態のカプセル充填用液状組成物の有効性分を構成するものである。具体的には、本実施形態における難油溶性成分とは、粉末の形態であって、食用油脂100gに該粉末1gを入れ20℃で混合したとき、30分以内に溶解しない物質を指すものとする。
このような難油溶性成分としては、例えば、ビタミン類(特にアスコルビン酸、ビタミンB、B、B、B12などの水溶性ビタミン)、クエン酸、ヒアルロン酸、カルシウムパウダーなどの栄養補助成分、ローヤルゼリーエキス末(粉末、FD末)プロポリスキス末、ブルーベリーエキス末、アガリスクエキス末、サメ軟骨抽出エキス末、ウコン末、イチョウ葉エキス末、ギムネマエキス末、その他の動植物粉末及びエキス末、乳糖、オリゴ糖、キトサン、食物繊維などの健康食品成分、或いは生薬エキス末、漢方、医薬組成物などの薬効成分が挙げられる。
本実施形態において分散安定剤として用いられるヒマワリ種子油は、融点55〜70℃、農薬フリー、飽和脂肪酸を含むもののトランス脂肪酸は含まない。なお、本実施形態で用いられるヒマワリ種子油以外のエステル交換油脂の融点は、55〜70℃、また、トランス脂肪酸含有量は、特に限定されないが、例えば、通常10%未満、好ましくは5%未満、より好ましくは0.3%未満である。
本実施形態で用いられるエステル交換油脂は、ヒマワリ種子油の他、例えば、コメ油、コーン油、キャノーラ油、オリーブ油、米ぬか油、大豆油、大豆白絞油、サフラワー油、ゴマ油、綿実油、菜種油、菜種白絞油、グレープシード油、シソ油、等の植物性油脂、魚油、等の動物性油脂、中鎖脂肪酸トリグリセリン(MCT)などのエステル交換油脂で代替えすることができる。
なお、本実施形態で用いられる分散安定剤としてのヒマワリ種子油は、従来使用されている食品添加物であるミツロウやグリセリン脂肪酸エステル等の分散安定剤と組合せて使用し分散安定性を得ることも可能であり、これにより食品添加物の使用量を低減することも可能である。
本実施形態におけるカプセル充填用液状組成物は、上記食用油脂、難油溶性成分、ヒマワリ種子油等のエステル交換油脂を混合・撹拌しながら、均一に分散させることにより製造される。具体的には、例えば、食用油脂、ヒマワリ種子油等のエステル交換油脂を、例えば、約50〜90℃に加熱して均一に混合・撹拌した後、これを例えば約30〜60℃に冷却し、更に難油溶成分を加えて均一に混合・撹拌して製造される。混合・撹拌するための装置に特に制限はないが、例えば、バイオミキサー、ホモジェッター等の高速攪拌機または高速粉砕機やプロペラ等の中速・低速攪拌機を用いることができる。
本実施形態のカプセル充填用液状組成物100質量%中の食用油脂の含有量は、特に制限されていないが、例えば、通常20〜95質量%、好ましくは25〜90質量%、より好ましくは30〜80質量%である。本実施形態において食用油脂の含有量が上記範囲内であれば、難油溶性成分を食用油中に十分に分散されることができるとともに、食用油脂中における難油溶性成分や粉末状の成分の分散安定性が良好である。なお、食用油脂中に難油溶性成分を高濃度に分散せしめた組成物とするためには、カプセル充填用液状組成物100質量%中の食用油脂の含有量は、60質量%以下が望ましい。
本実施形態におけるカプセル充填用液状組成物100質量%中の難油溶性成分の含有量は、特に限定されないが、例えば、通常1〜70質量%、好ましくは約3〜60質量%、より好ましくは10〜50質量%である。難油溶性成分の含有量が70質量%を超える場合には、難油溶性成分を食用油脂中に十分に分散させることができないか、食用油脂中における難油溶性成分の分散安定性が低下し、難油溶性成分の分離が生じやすくなる。また、難油溶性成分の含有量が1質量%未満の場合には、本実施形態に係るカプセル剤中の有効成分の含量が少なくなりすぎて、生理活性などの効果が十分に発揮されなくなるおそれがある。なお、食用油脂中に難油溶性成分を高濃度に分散せしめた組成物とするためには、カプセル充填用液状組成物100質量%中の難油溶性成分の含有量は、40質量%以上が望ましい。
本実施形態におけるカプセル充填用液状組成物100質量%中のヒマワリ種子油の含有量は、特に限定されないが、例えば、通常1〜30質量%、好ましくは1〜20質量%、より好ましくは2〜10質量%である。ヒマワリ種子油の含有量が1質量%未満の場合には、食用油脂中の難油溶性成分の分散安定性が低下して各成分の分離が生じやすくなる。
このようにして得られるカプセル充填用液状組成物を、常法に従い、ゼラチン及び非動物由来原料を主成分とする皮膜で包み込むことによりソフトカプセルを製造することができる。具体的には、例えば、2枚のゼラチンシートの間に内容物としてカプセル充填用液状組成物を一定量充填して打ち抜く方法によりカプセルを製造することができる。
植物油脂にヒマワリ種子油もしくはミツロウとグリセリン脂肪酸エステルを1:1とした分散安定剤を加え、80℃に加熱して撹拌・溶解した。溶解した溶液を60℃まで自然冷却し、これにトウモロコシデンプン・リボフラビンを加え攪拌機でさらに10分間混合・撹拌した。得られた分散液を室温まで冷却、真空脱泡処理をし、カプセル充填用液状組成物を得た。分散安定剤については、トウモロコシデンプンとリボフラビンの分散安定性を得て、分離を抑制し同等であるかを試験より求めた。試験液の調整は表1の処方に基づき行った。
[表1]
[カプセル充填用液状組成物の評価]
上述した方法により作製したカプセル充填用液状組成物(検体1〜3および比較例1〜3)の各々を遠心管(10ml、共栓付き)に10g入れ、これに遠心機(型式:H−11NA;コクサン社製)を用いて回転数2000rpmで5分間運転した時、回転数3000rpmで5分間運転したときトウモロコシデンプンとリボフラビンの分離の有無を表2に示す。
上述した方法により作製したカプセル充填用液状組成物(検体1〜3および比較例1〜3)の各々をステンレスカップ(300ml)に250g入れ、液温25℃における粘度を粘度計(型式:RVDV−I+;BROOK FIELD社製、ローターNo.7)を用いて、測定し表2に示す。なお、上記の粘度計で直接に得られる単位であるセンチポアズ(cP)をSI単位であるパスカル秒(Pa・s)に換算して記載した。
[表2]
得られた分散安定性について評価方法を以下に示す。
○:難油溶性成分(トウモロコシデンプンおよびリボフラビン)の分離することなく分散安定性を維持しているもの
△:難油溶性成分(トウモロコシデンプンおよびリボフラビン)の一部分離しているもの
×:難油溶性成分(トウモロコシデンプンおよびリボフラビン)の完全に分離しているもの
検体1〜3のいずれのカプセル充填用液状組成物は、ミツロウやグリセリン脂肪酸エステルを使用していないにも関わらず、ミツロウやグリセリン脂肪酸エステルを使用したものと同等の分散安定性を有することが示唆された。
植物油脂に実施例1で用いたヒマワリ種子油の代わりに、植物種の起源が異なるエステル交換油脂(MCTバター、シソバター、グレープシードバター)を加え、実施例1と同様な温度で撹拌・溶解し、これに、トウモロコシデンプン・リボフラビンを加え、実施例1と同様な混合・撹拌を行った。
また、得られた分散液の調整や分散安定性の確認についても実施例1と同様な評価を行った。また、試験液の調整は、表3の処方に基づき行った。なお、比較例として、エステル交換油脂以外で粘性を有する食品油脂として、菜種極度硬化油、精製パーム核油、ココナッツオイルを供試し、併せて、エステル交換油脂の評価を行った。
[表3]
[カプセル充填用液状組成物の評価]
上述した方法により作製したカプセル充填用液状組成物(検体4〜6および比較例4〜6)の各々を遠心管(10ml、共栓付き)に10g入れ、これに遠心機(型式:H−11NA;コクサン社製)を用いて回転数2000rpmで5分間運転したとき、回転数3000rpmで5分間運転したときトウモロコシデンプンとリボフラビンの分離の有無を表4に示す。
また、上述した方法により作製したカプセル充填用液状組成物(検体4〜6および比較例4〜6)の各々をステンレスカップ(300ml)に250g入れ、液温25℃における粘度を粘度計(型式:RVDV−I+;BROOK FIELD社製、ローターNo.7)を用いて、測定し表4に示す。
[表4]
得られた分散安定性について評価方法を以下に示す。
○:難油溶性成分(トウモロコシデンプンおよびリボフラビン)の分離することなく分散安定性を維持しているもの
△:難油溶性成分(トウモロコシデンプンおよびリボフラビン)の一部分離しているもの
×:難油溶性成分(トウモロコシデンプンおよびリボフラビン)の完全に分離しているもの
検体4〜6のいずれのカプセル充填用液状組成物は、実施例1における検体1のヒマワリ種子油で認められたものと同等の分散安定性を有することが示唆された。このことは、ヒマワリ種子油に限らず、植物種の起源を異にしたエステル交換油脂においてもミツロウやグリセリン脂肪酸エステルを使用したものと同等の分散安定性を有することが示唆された。
なお、この特性は、比較例5および6のように、従来の食品由来の油脂では、充分な分散安定性が得られない。もしくは、比較例4のように、分散安定性を得られたとしても、飽和脂肪酸を摂取する機会が増すことについて懸念が持たれるものとなる。
植物油脂に実施例1で用いたヒマワリ種子油単体での使用の代わりに、ヒマワリ種子油、MCTバター、シソバター、グレープシードバターの各種エステル交換油脂とミツロウ、もしくは、ヒマワリ種子油、MCTバター、シソバター、グレープシードバターの各種エステル交換油脂とグリセリン脂肪酸エステルを1:1、もしくは、7:3に混ぜたものを作成し、実施例1と同様な温度で撹拌・溶解し、これに、トウモロコシデンプン・リボフラビンを加え、実施例1と同様な混合・撹拌を行った。
また、得られた分散液の調整や分散安定性の確認についても実施例1と同様な評価を行った。また、試験液の調整は、表5の処方に基づき行った。
[表5]
[カプセル充填用液状組成物の評価]
上述した方法により作製したカプセル充填用液状組成物(検体7〜22)の各々を遠心管(10ml、共栓付き)に10g入れ、これに遠心機(型式:H−11NA;コクサン社製)を用いて回転数2000rpmで5分間運転したとき、回転数3000rpmで5分間運転したときトウモロコシデンプンとリボフラビンの分離の有無を表6に示す。
また、上述した方法により作製したカプセル充填用液状組成物(検体7〜22)の各々をステンレスカップ(300ml)に250g入れ、液温25℃における粘度を粘度計(型式:RVDV−I+;BROOK FIELD社製、ローターNo.7)を用いて、測定し表6に示す。
[表6]
得られた分散安定性について評価方法を以下に示す。
○:難油溶性成分(トウモロコシデンプンおよびリボフラビン)の分離することなく分散安定性を維持しているもの
△:難油溶性成分(トウモロコシデンプンおよびリボフラビン)の一部分離しているもの
×:難油溶性成分(トウモロコシデンプンおよびリボフラビン)の完全に分離しているもの
検体7〜22のいずれのカプセル充填用液状組成物は、実施例1における検体1のヒマワリ種子油で認められたものと同等の分散安定性を有することが示唆された。このことは、従来使用されている食品添加物であるミツロウやグリセリン脂肪酸エステル等の分散安定剤と組合せて使用し分散安定性を得ることも可能であり、これにより食品添加物の使用量を低減することも可能である。
実施例4は、分散安定剤としてミツロウやグリセリン脂肪酸エステルの代わりにヒマワリ種子油を使用することにより、食用油脂中に難油溶性成分を高濃度に分散せしめることが可能であること示すものである。なお、表中において、検体1、2及び比較例1、2と表記しているが、これらは上記のものとは別物である。以下本実施例4について説明する。
本実施例4においては、油脂として中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)およびDHA含有精製魚油をそれぞれ用い、分散安定剤としてヒマワリ種子油もしくはミツロウを加え、80℃に加熱して撹拌・溶解した。溶解した溶液を60℃まで自然冷却し、これにビルベリーエキス末(かさ比重0.75g/ml)を加え攪拌機でさらに10分間混合・撹拌した。得られた分散液を室温まで冷却、真空脱泡処理をし、カプセル充填用液状組成物(この段階の分散液を以下、内溶液とする)を得て、ロータリー式ソフトカプセル製造機でソフトカプセル化し、オーバル型のカプセルを得た。
なお、中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)およびDHA含有精製魚油は、構成油脂に含まれる長鎖脂肪酸の割合が異なることから、それぞれの油脂に最も多く含有できるビルベリーエキス末の量が異なる。よって、それぞれの食用油脂で含有しうるビルベリーエキス末の量を求めて、その量におけるヒマワリ種子油もしくはミツロウでの比較を行った。各試験区で得られたカプセル充填用液状組成物とカプセル充填用液状組成物を充填したカプセルで得られた性状の確認や試験の結果を下記表7に記載した。
ここで、中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)として用いた油脂の組成は、特許文献5との比較のために、油脂の構成脂肪酸に占める炭素数8の脂肪酸と炭素数10の脂肪酸との和の割合が98質量%以上であり、炭素数8の脂肪酸の割合が66質量%以上のものを選択した。また、比重の軽い難油溶性成分を高濃度に分散しにくい油脂として、DHA含有精製魚油を食用油脂として選択した。
[表7]
[カプセル充填用液状組成物の性状の評価]
上述した方法により作製したカプセル充填用液状組成物(検体1、2および比較例1、2)の各々をステンレスカップ(300ml)に250g入れ、液温25℃における粘度を粘度計(型式:RVDV−I+;BROOK FIELD社製、ローターNo.7)を用いて、測定する。なお、20Pa・s以下を「良好」、50Pa・s以下を「やや硬い」、50Pa・sよりも硬い場合を「硬い」として、表7に示す。なお、「硬い」状態の場合には、充填が行えないこともある。
[カプセル充填用液状組成物の分散安定性(遠心分離)の評価]
上述した方法により作製したカプセル充填用液状組成物(検体1、2及び比較例1、2)の各々を遠心管(10ml、共栓付き)に10g入れ、これに遠心機(型式:H−11NA;コクサン社製)を用いて回転数2000rpmで5分間運転したときの分離の有無を表7に示す。
[カプセル充填用液状組成物を充填したカプセルで得られた作業性の確認]
上述した方法により作製したカプセル充填用液状組成物(検体1、2及び比較例1、2)の各々をロータリー式ソフトカプセル製造機でソフトカプセル化した。その際に、作業性に問題がなかった場合を「良好」、作業性に支障はあったもののソフトカプセル化をなしえた場合を「やや悪い」、ソフトカプセル化がなされなかった場合を「悪い」とし、表7に示す。
[カプセル充填用液状組成物を充填したカプセルで得られた分散安定性(継時変化)の確認]
上述した方法により作製したカプセル充填用液状組成物(検体1、2及び比較例1、2)の各々をロータリー式ソフトカプセル製造機でソフトカプセル化したカプセルについて、各々のカプセルをガラス容器に100粒程度入れ、温度40℃、相対湿度75%の恒温恒湿槽に保管して、カプセル充填用液状組成物の分散安定性を1日後、3日後、7日後、1か月後、3カ月後、6カ月後に観察した。結果は、分離の有無を表7に示す。
[カプセル充填用液状組成物を充填したカプセルで得られた液漏れ(製造直後)の確認]
上述した方法により作製したカプセル充填用液状組成物(検体1、2及び比較例1、2)の各々をロータリー式ソフトカプセル製造機でソフト化カプセル化したカプセルについて、各々のカプセルの1000粒程度を室温の紙を敷いた棚に設置して、液漏れが生じるかを調査した。液漏れの有無を表7に示す。
[カプセル充填用液状組成物を充填したカプセルで得られた液漏れ(継時変化)の確認]
上述した方法により作製したカプセル充填用液状組成物(検体1、2及び比較例1、2)の各々をロータリー式ソフトカプセル製造機でソフトカプセル化したカプセルについて、各々のカプセルガラス容器に100粒程度入れ、温度40℃、相対湿度75%の恒温恒湿槽に保管して、液漏れの有無を1日後、3日後、7日後、1か月後、3カ月後、6カ月後に観察した。結果は、液漏れの有無を表7に示す。
[カプセル充填用液状組成物を充填したカプセルで得られたその他(継時変化)の確認]
上記液漏れの試験と併せて、外観、臭い、色調、変形等の変化があるのかを確認した。結果は、変化の有無等について、表7に示す。
表7に示すように、分散安定剤としてヒマワリ種子油を使用した場合は、ミツロウを使用した場合に比べて、中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)およびDHA含有精製魚油ともに、難油溶性成分として選択したビルベリーエキス末を多く含有できる。もしくは、ビルベリーエキス末含有量が同量だとしても作業性(充填性)や品質(液漏れ)が優れることが判明した。
従来の既知見として、特許文献5の中で、食用油脂の構成について、構成脂肪酸に占める炭素数の指定や使用の割合を制限することで得られた中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)を使用することで達成された57.1〜62.5質量%のブルーベリー粉末の量とほぼ同量を充填することが可能であった。
なお、特許文献5においてサフラワー油を食用油脂とした場合では、ブルーベリー粉末を50.0質量%懸濁させることが不可能であった。本試験において分散安定剤としてヒマワリ種子油を選択することで、サフラワー油のように中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)より構成脂肪酸に含まれる長鎖脂肪酸の割合が多いDHA含有精製魚油を食用油脂とした場合でも50質量%を懸濁させることが可能になることからも、本実施形態のカプセル充填用液状組成物によれば、食用油脂の選択の幅に制限がかかることや特殊な機器を選択して素材を著しく物理的および化学的に変質させる懸念を抱くことなく、難油溶性成分として粉末およびエキス類を高濃度に含有するカプセル充填用液状組成物を提供できる。
上記のように、本実施形態のカプセル充填用液状組成物によれば、難油溶性成分としてとして粉末およびエキス類を、従来に比べて非常に高い含有率で、分散安定性よく懸濁させ、かつ、ソフトカプセル皮膜に充填性よく充填でき、かつ、カプセル化されたカプセルの品質が優れるカプセル充填用液状組成物を提供することが出来る。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良および設計の変更が可能である。
例えば、上記の実施形態では、カプセル充填用液状組成物をソフトカプセル皮膜に充填する場合を例示したが、これに限定されず、シームレスカプセルやハードカプセル皮膜に充填しても構わない。また、カプセル皮膜の基材は特に限定されず、ゼラチンを基材とするものの他、本出願人を含め種々の提案されている非ゼラチン基材を使用したカプセル皮膜に、本発明のカプセル充填用液状組成物を充填することが出来る。

Claims (4)

  1. 食用油脂中に難油溶性成分を分散せしめたカプセル充填用液状組成物であって、
    前記難油溶性成分を分散させるための分散安定剤としてエステル交換油脂を含有することを特徴とするカプセル充填用液状組成物。
  2. 前記エステル交換油脂は、ヒマワリ種子油であることを特徴とする請求項1に記載のカプセル充填用液状組成物。
  3. 前記ヒマワリ種子油は、前記カプセル充填用液状組成物100質量%中、1〜30質量%、好ましくは1〜20質量%、より好ましくは2〜10質量%であることを特徴とする請求項2に記載のカプセル充填用液状組成物。
  4. 請求項2あるいは3に記載のカプセル充填用液状組成物を含有することを特徴とするカプセル剤。
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