JP6445239B2 - ソフトカプセル充填組成物及び該ソフトカプセル充填組成物が充填されたソフトカプセル - Google Patents

ソフトカプセル充填組成物及び該ソフトカプセル充填組成物が充填されたソフトカプセル Download PDF

Info

Publication number
JP6445239B2
JP6445239B2 JP2014030178A JP2014030178A JP6445239B2 JP 6445239 B2 JP6445239 B2 JP 6445239B2 JP 2014030178 A JP2014030178 A JP 2014030178A JP 2014030178 A JP2014030178 A JP 2014030178A JP 6445239 B2 JP6445239 B2 JP 6445239B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
soft capsule
thickener
oil
capsule filling
filling composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2014030178A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015155384A (ja
Inventor
和之 海野
和之 海野
和人 高木
和人 高木
博己 三上
博己 三上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aliment Industry Co Ltd
Original Assignee
Aliment Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aliment Industry Co Ltd filed Critical Aliment Industry Co Ltd
Priority to JP2014030178A priority Critical patent/JP6445239B2/ja
Publication of JP2015155384A publication Critical patent/JP2015155384A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6445239B2 publication Critical patent/JP6445239B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Medicinal Preparation (AREA)

Description

本発明は、ソフトカプセル充填組成物及び該ソフトカプセル充填組成物が充填されたソフトカプセルに関するものである。
難油溶性粉末を有効成分として含有するソフトカプセルは、一般に、有効成分を食用油に分散して調製した分散液を、ゼラチン等を皮膜とするカプセルに充填して製造される。その際、有効成分を食用油中に安定に分散させるための分散剤として、従来、グリセリン脂肪酸エステルやミツロウが使用されている(特許文献1)。
しかし、世界的なミツバチの減少により、ミツロウが不足する事態が生じ、ミツロウの代替物の開発が急がれている。
これまでに、乳化剤をグリセリン脂肪酸エステルの蒸留モノグリセライド脂肪酸エステルと反応グリセライド脂肪酸エステルの組み合わせに限定した組成物(特許文献2)、反応モノグリセライド脂肪酸エステルと蒸留モノグリセライド脂肪酸エステル及びジグリセリン脂肪酸エステルの組み合わせに限定した組成物(特許文献3)、ベヘン酸の蒸留モノグリセライド脂肪酸エステル又はポリグリセリンの脂肪酸エステルとベヘン酸以外の脂肪酸の蒸留モノグリセライドとの組み合わせを含有する組成物(特許文献4)が提案されている。
しかしながら、上記組成物は、分散性や分散安定性が不十分であるため、分散性を向上させ安定に生産したり、分散安定性を向上させてソフトカプセルの保存安定性を充分に確保したりする必要があった。
また、上記組成物は水への分散性が芳しくないため、経口摂取した後を考慮して水への分散性、水に分散後の水への溶解性等が向上したソフトカプセル充填組成物の開発が望まれている。
また、上記組成物は、何れもタイプの異なる2種類の乳化剤を使用しており、同じタイプの乳化剤を組み合わせたもの(例えば、2種類とも蒸留モノグリセライドである乳化剤の組み合わせ等)を含有するミツロウと同等又はそれ以上で食用油中での難油溶性粉末の分散性や水への分散性が向上したソフトカプセル充填組成物は開発されていない。
特開平7−138151号公報 特開2009−079011号公報 特開2009−242334号公報 特開2009−079012号公報
本発明の課題は、食用油及び有効成分である難油溶性粉末を分散させたソフトカプセル充填組成物であって、食用油中での難油溶性粉末の分散性・分散安定性;カプセルを水中に投入したときの、食用油が付着した難油溶性粉末の水への分散性や、難油溶性粉末の水への溶解速度・溶解開始時期;等が向上したソフトカプセル充填組成物を提供することである。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、乳化剤や増粘剤の種類ではなく、HLB(hydrophile−lipophile balance;親水−親油平衡)を指標とした増粘剤の組み合わせにより、食用油と難油溶性粉末の分離抑制効果が向上し、食用油への難油溶性粉末の分散性や分散安定性が向上することを見出した。また、HLBを指標とした増粘剤の組み合わせにより、食用油中の難油溶性粉末の水への分散開始や、難油溶性粉末の水への溶解速度が向上することを見出した。
そして、2種類以上の増粘剤を有する複合増粘剤を用い、ソフトカプセル充填組成物100質量部に対して、上記難油溶性粉末の含有量が10質量部以上のときは、該複合増粘剤の全体としてのHLBが2.5以上6以下であることにより、また、上記難油溶性粉末の含有量が10質量部未満のときは、該複合増粘剤の全体としてのHLBが4以上8以下であることにより、食用油中での難油溶性粉末の分散性が向上する等、上記課題が解決されることを見出して本発明をするに至った。
すなわち、本発明は、食用油、難油溶性粉末、及び、2種類以上の増粘剤から構成される複合増粘剤を含有し、該難油溶性粉末が少なくとも該食用油と該複合増粘剤とに分散されてなるソフトカプセル充填組成物であって、上記ソフトカプセル充填組成物100質量部に対して、上記難油溶性粉末の含有量が10質量部以上の場合、該複合増粘剤の全体としてのHLBが2.5以上6以下であることを特徴とするソフトカプセル充填組成物である。
また、本発明は、食用油、難油溶性粉末、及び、2種類以上の増粘剤から構成される複合増粘剤を含有し、該難油溶性粉末が少なくとも該食用油と該複合増粘剤とに分散されてなるソフトカプセル充填組成物であって、上記ソフトカプセル充填組成物100質量部に対して、上記難油溶性粉末の含有量が10質量部未満の場合、該複合増粘剤の全体としてのHLBが4以上8以下であることを特徴とするソフトカプセル充填組成物である。
更に、本発明は、上記のソフトカプセル充填組成物が充填されたソフトカプセルを提供するものである。
本発明によれば、前記問題点や前記課題を解決し、食用油と難油性粉末の分離が抑制され、難油性粉末の水への分散性が向上したソフトカプセル充填組成物を提供することができる。すなわち、ソフトカプセル充填組成物において分散媒として機能する「食用油や食用油と複合増粘剤との混合分散媒中」への、難油溶性粉末の分散性や分散安定性;ソフトカプセルを水中に投入した際の難油溶性粉末の水への分散性や水への溶解速度・溶解開始時期;等が向上したソフトカプセル充填組成物を提供することできる。
また、本発明により、増粘剤の種類ではなく、HLBを指標として、2種類以上の増粘剤を選択することにより、ミツロウと同等又はそれ以上の「食用油と難油性粉末の分離抑制効果」を有する複合増粘剤の設計が容易になるという効果を有する。
また、難油溶性粉末の含有割合に応じて、複合増粘剤全体としてのHLB(以下、単に、「平均HLB」と略記することがある)を調整することにより、難油溶性粉末の含有の多少にかかわらず、食用油、「食用油と複合増粘剤」に対する、難油溶性粉末の分散性や分散安定性が向上する。特に、ソフトカプセル充填組成物全体に対して難油溶性粉末の含有量が多くなっても、食用油中に好適に分散させることができる。
また、本発明により、同じタイプの増粘剤(例えば、何れも蒸留モノグリセライドである増粘剤の組み合わせ)から構成される複合増粘剤を含有させても、ミツロウと同等又はそれ以上の分離抑制効果を有するソフトカプセル充填組成物を提供することができる。
また、本発明のソフトカプセル充填組成物を利用することにより、栄養成分、薬効成分等の難油溶性粉末が均一に分散されたソフトカプセルを提供することができる。
以下、本発明について説明するが、本発明は、以下の具体的態様に限定されるものではなく、技術的思想の範囲内で任意に変形することができる。
<ソフトカプセル充填組成物>
本発明は、食用油、難油溶性粉末、及び、2種類以上の増粘剤から構成される複合増粘剤を含有し、該難油溶性粉末が少なくとも該食用油と該複合増粘剤とに分散されてなるソフトカプセル充填組成物であって、
上記ソフトカプセル充填組成物100質量部に対して、上記難油溶性粉末の含有量が10質量部以上の場合、該複合増粘剤の全体としてのHLBが、2.5以上6以下であることを特徴とするソフトカプセル充填組成物である。
また、本発明は、食用油、難油溶性粉末、及び、2種類以上の増粘剤から構成される複合増粘剤を含有し、該難油溶性粉末が少なくとも該食用油と該複合増粘剤とに分散されてなるソフトカプセル充填組成物であって、
上記ソフトカプセル充填組成物100質量部に対して、上記難油溶性粉末の含有量が10質量部未満の場合、該複合増粘剤の全体としてのHLBが、4以上8以下であることを特徴とするソフトカプセル充填組成物である。
本発明で用いられる食用油は、特に限定はなく、一般にソフトカプセルの内容物として知られているものが使用可能である。具体的には、例えば、大豆油、ゴマ油、とうもろこし油、綿実油、やし油、パーム油、オリーブ油、落花生油、米糠油、椿油、サフラワー油、しそ油、魚油、EPA、DHA等が挙げられる。中でも、サフラワー油、とうもろこし油等の使用は、コストの面等から好ましい。
また、該食用油は、何れか1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明のソフトカプセル充填組成物は、難油溶性粉末が少なくとも該食用油と複合増粘剤とに分散されてなるものであるので、また、ソフトカプセルを形成させる必要があるので、食用油と複合増粘剤との混合物は、室温で比較的流動性のある粘調液体であることが好ましく、20℃での粘度が、1000〜5000mPa・sの範囲のものであることが特に好ましい。また、該食用油単独では、20℃での粘度が1000mPa・s以下の液体であることがより好ましい。
本発明のソフトカプセル充填組成物は、室温で流動性の組成物であることが好ましい。
本発明で用いられる難油溶性粉末は、親油性の低い物質から構成され、通常は本発明のソフトカプセル充填組成物の有効成分を構成するものである。具体的には、例えば、ビタミン類、クエン酸、ヒアルロン酸、カルシウムパウダー等の栄養補助成分;ローヤルゼリーエキス末(粉末)、プロポリスエキス末、ブルーベリーエキス末、アガリクスエキス末、サメ軟骨抽出エキス末、ウコン末、イチョウ葉エキス末等の動植物粉末;ブドウ糖、乳糖、デオキシ糖、アミノ糖、オリゴ糖、麦芽糖、でんぷん、糖アルコール等の糖若しくは糖誘導体;キトサン、キトサン塩酸塩等のアミノ化合物若しくはその塩;食物繊維等の健康食品成分;生薬エキス末、漢方薬、医薬組成物等の薬効成分;等が挙げられる。
また、該難油溶性粉末は、何れか1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明に用いられる増粘剤は、食用のものであって配合することによって粘度が増加するものであれば特に限定はなく、増粘剤自体の粘度が高かったり固形状のものだったりして、そのような高粘度又は固形状の物質を配合することで直接ソフトカプセル充填組成物の粘度が増加するものであっても、食用油や難油溶性粉末と相互作用することで増粘効果を奏するものであってもよいが、増粘効果を奏し易い点で前者が好ましい。
複合増粘剤を構成する個々の増粘剤は、20℃で粘調性の液体(20℃での粘度が、好ましくは2000mPa・s以上である液体、より好ましくは2500〜8000mPa・sである液体、特に好ましくは3000〜7500mPa・sである液体、更に好ましくは3500〜7000mPa・sである液体)、又は、顆粒状、フレーク状、ペレット状等の固形状のものであることが好ましい。
本発明に用いられる増粘剤は、天然物でも合成物でも半合成物の何れでもよく、例えば、天然物、天然物の誘導体化物、それらからの単離物や精製物、完全合成物等が挙げられる。また、市販品を用いることもできる。
具体的には、例えば、反応モノグリセライド、蒸留モノグリセライド等の「グリセリンの脂肪酸エステル」;「ジグリセライド、トリグリセライド、ヘキサグリセライド等のグリセリン縮合物」の脂肪酸エステル(以下、グリセリン縮合物の脂肪酸エステルを「ポリグリセリンの脂肪酸エステル」と略記する);ソルビタン脂肪酸エステル;プロピレングリコール脂肪酸エステル;ショ糖脂肪酸エステル;レシチン等が挙げられる。
ここで、「ポリグリセリン等のグリセリン縮合物」としては、ジグリセリン、トリグリセリン等が挙げられ、「ポリグリセリン等のグリセリン縮合物の脂肪酸エステル(以下、ポリグリセリンの脂肪酸エステルと略記する場合がある。)」については、ジグリセリンの脂肪酸エステルとして、ジグリセリン縮合物の脂肪酸モノエステル、脂肪酸ジエステル、脂肪酸トリエステルが挙げられ、トリグリセリンの脂肪酸エステルとして、トリグリセリンの脂肪酸モノエステル、脂肪酸ジエステル、脂肪酸トリエステル、脂肪酸テトラエステル等が挙げられる。
また、「ソルビタン脂肪酸エステル」としては、ソルビタン脂肪酸モノエステル、ソルビタン脂肪酸ジエステル、ソルビタン脂肪酸トリエステル等が挙げられ、「プロピレングリコール脂肪酸エステル」としては、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル、プロピレングリコールジ脂肪酸エステル等が挙げられる。
また、「ショ糖脂肪酸エステル」としては、ショ糖の脂肪酸モノエステル、脂肪酸ジエステル、脂肪酸トリエステル、脂肪酸テトラエステル、脂肪酸ペンタエステル、脂肪酸ヘキサエステル等が挙げられる。
また、レシチンとしては、卵黄レシチン、大豆レシチン、アブラナレシチン等が挙げられる。
上記何れの脂肪酸エステルでも、該脂肪酸は、カルボキシル基の炭素1個を含めて、通常、炭素数6〜32個、好ましくは8〜26、より好ましくは10〜22、特に好ましくは12〜18個のものが望ましい。短鎖脂肪酸、中鎖脂肪酸、長鎖脂肪酸の何れでもよいが、少なくとも中鎖脂肪酸又は長鎖脂肪酸を含むことが好ましい。また、飽和脂肪酸でも不飽和脂肪酸でもよい。
脂肪酸エステルの脂肪酸としては、具体的には、例えば、カプロン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、ベヘン酸等が挙げられる。
本発明に用いられる複合増粘剤とは、2種類以上の上記増粘剤から構成されたものをいう。異なるタイプの増粘剤を組み合わせてもよいし(例えば、蒸留モノグリセライドと反応モノグリセライド、グリセリンの脂肪酸エステルとポリグリセリンの脂肪酸エステル、グリセリンの脂肪酸エステルとソルビタン脂肪酸エステル等)、同じタイプの増粘剤を組み合わせてもよい(例えば、蒸留モノグリセライドと蒸留モノグリセライド等)。
中でも、グリセリンの脂肪酸エステル及びポリグリセリンの脂肪酸エステルよりなる群から選ばれた2種類以上の増粘剤から構成された複合増粘剤が好ましい。
更に、複合増粘剤に、蒸留モノグリセライド、反応モノグリセライド等のグリセリンのモノ脂肪酸エステルを含有することがより好ましい。
本発明のソフトカプセル充填組成物100質量部に対して、上記難油溶性粉末の含有量は特に限定されないが、0.5質量部以上70質量部以下で含有していることが好ましく、0.7質量部以上50質量部以下で含有していることがより好ましく、1質量部以上35質量部以下で含有していることが特に好ましい。
本発明に用いられる複合増粘剤は、本発明のソフトカプセル充填組成物100質量部に対して、上記難油溶性粉末の含有量が10質量部以上の場合、該複合増粘剤の全体としてのHLBが、2.5以上6以下であることが好ましく、3以上5.8以下であることがより好ましく、3.5以上5.5以下であることが特に好ましい。
又は、本発明のソフトカプセル充填組成物100質量部に対して、上記難油溶性粉末の含有量が10質量部未満の場合、該複合増粘剤の全体としてのHLBが、4以上8以下であることが好ましく、4.2以上7.5以下であることがより好ましく、4.4以上7以下であることが特に好ましい。
このように、難油溶性粉末の含有量に応じて、「複合増粘剤の全体としてのHLB」を調整することにより、難油溶性粉末を食用油中に良好に分散させることが可能となる。
本発明において、「複合増粘剤の全体としてのHLB」とは、複合増粘剤を構成するそれぞれの増粘剤のHLBを加重平均したものをいう。加重平均とは、2種類以上の数値を単純に平均化(相加平均)するのではなく、含有量(含有割合)で重みを付けて平均化したものである。
例えば、複合増粘剤を構成する4種類の増粘剤のHLBをA、B、C、Dとし、各増粘剤の質量をa、b、c、dとしたときの該複合増粘剤のHLBの算出式は、
(aA+bB+cC+dD)/(a+b+c+d)
となる。
本発明においては、複合増粘剤全体としてのHLBを上記範囲に規定しており、それぞれの増粘剤のHLBには特に限定はないが、複合増粘剤を構成する少なくとも1つの増粘剤のHLBは、1〜11が好ましく、2〜9がより好ましく、3〜8が特に好ましい。また、複合増粘剤を構成する全ての増粘剤のHLBが、1〜19であることが好ましく、1〜16がより好ましい。
上記複合増粘剤を構成する増粘剤の融点は、特に限定はないが、何れも30℃以上90℃以下であることが好ましく、50℃以上80℃以下であることがより好ましく、60℃以上78℃以下であることが特に好ましく、63℃以上75℃以下であることが更に好ましい。
本発明のソフトカプセル充填組成物100質量部に対して、上記複合増粘剤の含有量は特に限定されないが、0.5質量部以上40質量部以下で含有していることが好ましく、1質量部以上30質量部以下で含有していることがより好ましく、2質量部以上25質量部以下で含有していることが特に好ましい。
本発明のソフトカプセル充填組成物には、「その他の成分」を含有することができる。該「その他の成分」としては、特に限定はなく、本発明の効果を損なわない範囲内で、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、クエン酸、アスコルビン酸、トコフェノール等の酸化防止剤やヒドロキシプロピルリン酸架橋デンプンやオクテニルコハク酸デンプンナトリウム等の加工デンプンが挙げられる。
本発明のソフトカプセル充填組成物の製造方法は、特に限定はないが、例えば以下に示す方法が挙げられる。
すなわち、上記食用油及び2種類以上の増粘剤から構成される複合増粘剤を50〜100℃(好ましくは55〜80℃、より好ましくは40〜60℃)に加温して均一に混合撹拌した後、20〜70℃(好ましくは22〜60℃、より好ましくは25〜40℃)に冷却する。冷却後、難油溶性粉末を加えて均一に混合撹拌させることにより、食用油と複合増粘剤が分散されたソフトカプセル充填組成物を得ることができる。混合撹拌するための装置に特に限定はないが、ホモミキサー、高圧ホモジナイザー等の高速攪拌機、又は、高圧粉砕機を用いることができる。
<ソフトカプセル>
更に、本発明のソフトカプセル充填組成物が充填されたソフトカプセルを提供することができ、該ソフトカプセルは前記した効果を奏する。
ソフトカプセルの種類や製造方法は特に限定はないが、ソフトカプセルは、通常、ゼラチン、デンプン等の基材高分子に、グリセリン、ソルビトール等の可塑剤を加えて板状に調製したものの間にソフトカプセル充填組成物を圧縮成形したもので、その具体的製造方法は、大別して平板法とロータリーダイ法の2つが挙げられる。
現在の製造法の主流であるロータリーダイ法を例として、ゼラチンを用いた場合の製造法を以下に説明するが、本発明のソフトカプセルの製造方法は以下に限定されるものではない。
(1)内容物の調合
本発明のソフトカプセル充填組成物を直接メディシンタンクに入れるか、又は、エマルジョン、サスペンジョン等の前処理が必要な場合は該処理をした後にメディシンタンクに入れ、充填機の所定の位置にセットする。
(2)皮膜溶液の調合
ゼラチンメルティングタンクに、ゼラチン、可塑剤、精製水等を加え、約80℃で加温溶解後、脱泡操作を同タンクで行い、粘度を調整して皮膜原液とする。この原液は、フィルトレーションをしながら小分けタンク(50〜55℃)に移しかえ、充填機の所定の位置にセットする。
(3)カプセル充填
調合された皮膜及び内容物は、充填機の所定の位置にセットされ、目的とするダイロールをセットした充填機でソフトカプセルを成型する。充填室の温度は、通常、20〜30℃、相対湿度は30〜50%に維持される。成形直後のソフトカプセルを、充填機に連結されたタンブラードライヤーに送り込み、回転させながら室内条件と同様のクリーンエアーで、形の一時固定及び皮膜中の水分の一時乾燥を約1〜4時間で行う。
(4)乾燥
充填成形され、一時乾燥されたソフトカプセルを、タンブラードライヤーに移し、温度20〜30℃、相対湿度30〜50%で、24〜48時間かけて、充填時30〜40%の含水率を6〜8%まで落とす。
(5)磨き
乾燥後のソフトカプセルは、必要があればタンブラーで2分〜1時間の磨きをかけてソフトカプセルを仕上げることもできる。
本発明のソフトカプセル充填組成物が優れた難油溶性粉末の分散(安定)性を示す作用・効果は明らかではないが、以下のことが考えられる。ただし本発明は、以下の作用・原理の及ぶ範囲に限定されるわけではない。
本発明における2種類以上の増粘剤からなり、全体のHLBが特定された複合増粘剤は、1種類の増粘剤で構成されるものに比べ、粘度を付与させる効果に優れ、他に悪影響を及ぼさずに粘度を上昇させ得るので、その高粘度化のために難油溶性粉末が沈降したり分離したり分散不良になったりすることが抑制されたと考えられる。
また、難油溶性粉末の含有量に応じて特定のHLBに設定することによって、難油溶性粉末の分散系において、適度な界面活性効果が得られて、難油溶性粉末の分散性や分散安定性が向上したと考えられる。また、複合増粘剤全体として特定のHLBであることにより、難油溶性粉末が水溶性の場合、油溶性の食用油から素早く脱出して、胃酸等を想定した水に対しての分散性、溶解開始時期、溶解速度等が好適になったと考えられる。
以下、実施例に基づき本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例等の具体的な範囲に限定されるものではない。
ソフトカプセル充填組成物1の調製
蒸留モノグリセライド(ポエムS−100、理研ビタミン株式会社製)10.0g及び蒸留モノグリセライド(エキセルO−95R、花王株式会社製)から構成される複合増粘剤と、食用油(サフラワー油)119.9g及び食用油(β−カロテン)0.1gを60〜90℃で加温後、均一になるよう混合撹拌させた。その後、40〜60℃に冷却し、難油溶性粉末(加工デンプン)60.0gを加え、均一になるよう混合撹拌させ、ソフトカプセル充填組成物1(以下、「組成物1」と略記する。)を得た。
ソフトカプセル充填組成物2の調製
反応モノグリセライド(ポエムP−200、理研ビタミン株式会社製)10.0g及び反応モノグリセライド(エキセル200、理研ビタミン株式会社製)10.0gから構成される複合増粘剤と、食用油(サフラワー油)119.9g及び食用油(β−カロテン)0.1gを60〜90℃で加温後、均一になるよう混合撹拌させた。その後、40〜60℃に冷却し、難油溶性粉末(加工デンプン)60.0gを加え、均一になるよう混合撹拌させ、ソフトカプセル充填組成物2(以下、「組成物2」と略記する。)を得た。
ソフトカプセル充填組成物3の調製
ポリグリセリンの脂肪酸エステル(SYグリスターPO−5S、阪本薬品工業株式会社製)10.0g及びポリグリセリンの脂肪酸エステル(SYグリスターCV−1L、阪本薬品工業株式会社製)10.0gから構成される複合増粘剤と、食用油(サフラワー油)119.9g及び食用油(β−カロテン)0.1gを60〜90℃で加温後、均一になるよう混合撹拌させた。その後、40〜60℃に冷却し、難油溶性粉末(加工デンプン)60.0gを加え、均一になるよう混合撹拌させ、ソフトカプセル充填組成物3(以下、「組成物3」と略記する。)を得た。
ソフトカプセル充填組成物4の調製
蒸留モノグリセライド(ポエムS−100、理研ビタミン株式会社製)10.0g及び反応モノグリセライド(ポエムB−200、理研ビタミン株式会社製)10.0gから構成される複合増粘剤と、食用油(サフラワー油)119.9g及び食用油(β−カロテン)0.1gを60〜90℃で加温後、均一になるよう混合撹拌させた。その後、40〜60℃に冷却し、難油溶性粉末(加工デンプン)60.0gを加え、均一になるよう混合撹拌させ、ソフトカプセル充填組成物4(以下、「組成物4」と略記する。)を得た。
ソフトカプセル充填組成物5の調製
蒸留モノグリセライド(サンソフト8000V、太陽化学株式会社製)10.0g及び反応モノグリセライド(サンソフト700P−2、太陽化学株式会社製)10.0gから構成される複合増粘剤と、食用油(サフラワー油)119.9g及び食用油(β−カロテン)0.1gを60〜90℃で加温後、均一になるよう混合撹拌させた。その後、40〜60℃に冷却し、難油溶性粉末(加工デンプン)60.0gを加え、均一になるよう混合撹拌させ、ソフトカプセル充填組成物5(以下、「組成物5」と略記する。)を得た。
ソフトカプセル充填組成物6の調製
蒸留モノグリセライド(ポエムS−100、理研ビタミン株式会社製)10.0g及びポリグリセリンの脂肪酸エステル(SYグリスターCV−1L、阪本薬品工業株式会社製)10.0gから構成される複合増粘剤と、食用油(サフラワー油)119.9g及び食用油(β−カロテン)0.1gを60〜90℃で加温後、均一になるよう混合撹拌させた。その後、40〜60℃に冷却し、難油溶性粉末(加工デンプン)60.0gを加え、均一になるよう混合撹拌させ、ソフトカプセル充填組成物6(以下、「組成物6」と略記する。)を得た。
ソフトカプセル充填組成物7の調製
反応モノグリセライド(ポエムB−200、理研ビタミン株式会社製)10.0g及びポリグリセリンの脂肪酸エステル(SYグリスターPO−5S、阪本薬品工業株式会社製)10.0gから構成される複合増粘剤と、食用油(サフラワー油)119.9g及び食用油(β−カロテン)0.1gを60〜90℃で加温後、均一になるよう混合撹拌させた。その後、40〜60℃に冷却し、難油溶性粉末(加工デンプン)60.0gを加え、均一になるよう混合撹拌させ、ソフトカプセル充填組成物7(以下、「組成物7」と略記する。)を得た。
ソフトカプセル充填組成物8の調製
ポリグリセリンの脂肪酸エステル(SYグリスターMS−3S、阪本薬品工業株式会社製)10.0g、ポリグリセリンの脂肪酸エステル(SYグリスターCV−1L、阪本薬品工業株式会社製)10.0g及びポリグリセリンの脂肪酸エステル(SYグリスターCRS−75、阪本薬品工業株式会社製)10.0gから構成される複合増粘剤と、食用油(サフラワー油)119.9g及び食用油(β−カロテン)0.1gを60〜90℃で加温後、均一になるよう混合撹拌させた。その後、40〜60℃に冷却し、難油溶性粉末(加工デンプン)60.0gを加え、均一になるよう混合撹拌させ、ソフトカプセル充填組成物8(以下、「組成物8」と略記する。)を得た。
ソフトカプセル充填組成物9の調製
蒸留モノグリセライド(ポエムS−100、理研ビタミン株式会社製)10.0g、反応モノグリセライド(ポエムB−200、理研ビタミン株式会社製)10.0g及びポリグリセリンの脂肪酸エステル(SYグリスターML−310、阪本薬品工業株式会社製)10.0gから構成される複合増粘剤と、食用油(サフラワー油)119.9g及び食用油(β−カロテン)0.1gを60〜90℃で加温後、均一になるよう混合撹拌させた。その後、40〜60℃に冷却し、難油溶性粉末(加工デンプン)60.0gを加え、均一になるよう混合撹拌させ、ソフトカプセル充填組成物9(以下、「組成物9」と略記する。)を得た。
ソフトカプセル充填組成物10の調製
蒸留モノグリセライド(ポエムS−100、理研ビタミン株式会社製)10.0g、反応モノグリセライド(ポエムB−200、理研ビタミン株式会社製)10.0g、ポリグリセリンの脂肪酸エステル(SYグリスターMS−3S、阪本薬品工業株式会社製)10.0g及びポリグリセリンの脂肪酸エステル(SYグリスターCRS−75、阪本薬品工業株式会社製)10.0gから構成される複合増粘剤と、食用油(サフラワー油)119.9g及び食用油(β−カロテン)0.1gを60〜90℃で加温後、均一になるよう混合撹拌させた。その後、40〜60℃に冷却し、難油溶性粉末(加工デンプン)60.0gを加え、均一になるよう混合撹拌させ、ソフトカプセル充填組成物10(以下、「組成物10」と略記する。)を得た。
ソフトカプセル充填組成物11の調製
反応モノグリセライド(ポエムP−200、理研ビタミン株式会社製)10.0g及びポリグリセリンの脂肪酸エステル(SYグリスターCV−1L、阪本薬品工業株式会社製)10.0gから構成される複合増粘剤と、食用油(サフラワー油)119.9g及び食用油(β−カロテン)0.1gを、60〜90℃で加温後、均一になるよう混合撹拌させた。その後、40〜60℃に冷却し、難油溶性粉末(加工デンプン)60.0gを加え、均一になるよう混合撹拌させ、ソフトカプセル充填組成物11(以下、「組成物11」と略記する。)を得た。
ソフトカプセル充填組成物12の調製
蒸留モノグリセライド(ポエムS−100、理研ビタミン株式会社製)10.0g及び反応モノグリセライド(ポエムB−200、理研ビタミン株式会社製)10.0gから構成される複合増粘剤と、食用油(サフラワー油)154.9g及び食用油(β−カロテン)0.1gを、60〜90℃で加温後、均一になるよう混合撹拌させた。その後、40〜60℃に冷却し、難油溶性粉末(加工デンプン)25.0gを加え、均一になるよう混合撹拌させ、ソフトカプセル充填組成物12(以下、「組成物12」と略記する。)を得た。
ソフトカプセル充填組成物13の調製
中純度モノグリセライド(エキセルP−40、花王株式会社製)10.0gから構成される複合増粘剤と、食用油(サフラワー油)119.9g及び食用油(β−カロテン)0.1gを60〜90℃で加温後、均一になるよう混合撹拌させた。その後、40〜60℃に冷却し、難油溶性粉末(加工デンプン)60.0gを加え、均一になるよう混合撹拌させ、ソフトカプセル充填組成物13(以下、「組成物13」と略記する。)を得た。
ここで用いた中純度モノグリセリドは、C16脂肪酸アルキルを30〜40%、C18脂肪酸アルキルを50〜60%含有するので、2種類以上の増粘剤を組み合わせた複合増粘剤と同じ構成である。
ソフトカプセル充填組成物31の調製
蒸留モノグリセライド(ポエムS−100、理研ビタミン株式会社製)20.0gと、食用油(サフラワー油)119.9g及び食用油(β−カロテン)0.1gを60〜90℃で加温後、均一になるよう混合撹拌させた。その後、40〜60℃に冷却し、難油溶性粉末(加工デンプン)60.0gを加え、均一になるよう混合撹拌させ、ソフトカプセル充填組成物31(以下、「組成物31」と略記する。)を得た。
ソフトカプセル充填組成物32の調製
反応モノグリセライド(ポエムP−200、理研ビタミン株式会社製)20.0gと、食用油(サフラワー油)119.9g及び食用油(β−カロテン)0.1gを60〜90℃で加温後、均一になるよう混合撹拌させた。その後、40〜60℃に冷却し、難油溶性粉末(加工デンプン)60.0gを加え、均一になるよう混合撹拌させ、ソフトカプセル充填組成物32(以下、「組成物32」と略記する。)を得た。
ソフトカプセル充填組成物33の調製
ポリグリセリンの脂肪酸エステル(SYグリスターPO−5S、阪本薬品工業株式会社製)20.0gと、食用油(サフラワー油)119.9g及び食用油(β−カロテン)0.1gを60〜90℃で加温後、均一になるよう混合撹拌させた。その後、40〜60℃に冷却し、難油溶性粉末(加工デンプン)60.0gを加え、均一になるよう混合撹拌させ、ソフトカプセル充填組成物33(以下、「組成物33」と略記する。)を得た。
ソフトカプセル充填組成物34の調製
ポリグリセリンの脂肪酸エステル(SYグリスターCV−1L、阪本薬品工業株式会社製)20.0gと、食用油(サフラワー油)119.9g及び食用油(β−カロテン)0.1gを60〜90℃で加温後、均一になるよう混合撹拌させた。その後、40〜60℃に冷却し、難油溶性粉末(加工デンプン)60.0gを加え、均一になるよう混合撹拌させ、ソフトカプセル充填組成物34(以下、「組成物34」と略記する。)を得た。
ソフトカプセル充填組成物35の調製
反応モノグリセライド(ポエムB−200、理研ビタミン株式会社製)10.0g及びポリグリセリンの脂肪酸エステル(サンソフトQ−182S、太陽化学株式会社製)10.0gから構成される複合増粘剤と、食用油(サフラワー油)119.9g及び食用油(β−カロテン)0.1gを60〜90℃で加温後、均一になるよう混合撹拌させた。その後、40〜60℃に冷却し、難油溶性粉末(加工デンプン)60.0gを加え、均一になるよう混合撹拌させ、ソフトカプセル充填組成物35(以下、「組成物35」と略記する。)を得た。
ソフトカプセル充填組成物36の調製
反応モノグリセライド(ポエムB−200、理研ビタミン株式会社製)10.0g及びポリグリセリンの脂肪酸エステル(SYグリスターCRS−75、阪本薬品工業株式会社製)10.0gから構成される複合増粘剤と、食用油(サフラワー油)119.9g及び食用油(β−カロテン)0.1gを、60〜90℃で加温後、均一になるよう混合撹拌させた。その後、40〜60℃に冷却し、難油溶性粉末(加工デンプン)60.0gを加え、均一になるよう混合撹拌させ、ソフトカプセル充填組成物36(以下、「組成物36」と略記する。)を得た。
ソフトカプセル充填組成物37の調製
蒸留モノグリセライド(サンソフト8000V、太陽化学株式会社製)3.0g及び反応モノグリセライド(サンソフト700P−2、太陽化学株式会社製)17.0gから構成される複合増粘剤と、食用油(サフラワー油)154.9g及び食用油(β−カロテン)0.1gを、60〜90℃で加温後、均一になるよう混合撹拌させた。その後、40〜60℃に冷却し、難油溶性粉末(加工デンプン)25.0gを加え、均一になるよう混合撹拌させ、ソフトカプセル充填組成物37(以下、「組成物37」と略記する。)を得た。
ソフトカプセル充填組成物51の調製
蒸留モノグリセライド(ポエムS−100、理研ビタミン株式会社製)10.0g、反応モノグリセライド(ポエムB−200、理研ビタミン株式会社製)10.0g及びポリグリセリンの脂肪酸エステル(SYグリスターML−310、阪本薬品工業株式会社製)10.0gから構成される複合増粘剤と、食用油(サフラワー油)100.0g、食用油(しそ油)23.5g、食用油(魚油(EPA))20.0gを60〜90℃で加温後、均一になるよう混合撹拌させた。その後、40〜60℃に冷却し、難油溶性粉末(加工デンプン)5.5gを加え、均一になるよう混合撹拌させ、ソフトカプセル充填組成物51(以下、「組成物51」と略記する。)を得た。
ソフトカプセル充填組成物52の調製
蒸留モノグリセライド(ポエムS−100、理研ビタミン株式会社製)10.0g、反応モノグリセライド(ポエムB−200、理研ビタミン株式会社製)10.0g及びポリグリセリンの脂肪酸エステル(SYグリスターMS−3S、阪本薬品工業株式会社製)10.0gから構成される複合増粘剤と、食用油(サフラワー油)100.0g、食用油(しそ油)23.5g、食用油(魚油(EPA))20.0gを60〜90℃で加温後、均一になるよう混合撹拌させた。その後、40〜60℃に冷却し、難油溶性粉末(加工デンプン)5.5gを加え、均一になるよう混合撹拌させ、ソフトカプセル充填組成物52(以下、「組成物52」と略記する。)を得た。
ソフトカプセル充填組成物53の調製
蒸留モノグリセライド(ポエムS−100、理研ビタミン株式会社製)10.0g、反応モノグリセライド(ポエムB−200、理研ビタミン株式会社製)10.0g、ポリグリセリンの脂肪酸エステル(SYグリスターMS−3S、阪本薬品工業株式会社製)10.0g及びポリグリセリンの脂肪酸エステル(SYグリスターML−310、阪本薬品工業株式会社製)から構成される複合増粘剤と、食用油(サフラワー油)100.0g、食用油(しそ油)23.5g、食用油(魚油(EPA))20.0gを60〜90℃で加温後、均一になるよう混合撹拌させた。その後、40〜60℃に冷却し、難油溶性粉末(加工デンプン)5.5gを加え、均一になるよう混合撹拌させ、ソフトカプセル充填組成物53(以下、「組成物53」と略記する。)を得た。
ソフトカプセル充填組成物54の調製
蒸留モノグリセライド(ポエムS−100、理研ビタミン株式会社製)10.0g、反応モノグリセライド(ポエムB−200、理研ビタミン株式会社製)10.0g、ポリグリセリンの脂肪酸エステル(SYグリスターML−310、阪本薬品工業株式会社製)10.0g及びポリグリセリンの脂肪酸エステル(SYグリスターMS−3S、阪本薬品工業株式会社製)10.0gから構成される複合増粘剤と、食用油(サフラワー油)100.0g、食用油(しそ油)23.5g及び食用油(魚油(EPA))20.0gを、60〜90℃で加温後、均一になるよう混合撹拌させた。その後、40〜60℃に冷却し、難油溶性粉末(加工デンプン)16.0gを加え、均一になるよう混合撹拌させ、ソフトカプセル充填組成物54(以下、「組成物54」と略記する。)を得た。
ソフトカプセル充填組成物71の調製
蒸留モノグリセライド(ポエムS−100、理研ビタミン株式会社製)10.0g及び反応モノグリセライド(ポエムB−200、理研ビタミン株式会社製)10.0gから構成される複合増粘剤と、食用油(サフラワー油)100.0g、食用油(しそ油)23.5g、食用油(魚油(EPA))20.0gを60〜90℃で加温後、均一になるよう混合撹拌させた。その後、40〜60℃に冷却し、難油溶性粉末(加工デンプン)5.5gを加え、均一になるよう混合撹拌させ、ソフトカプセル充填組成物71(以下、「組成物71」と略記する。)を得た。
ソフトカプセル充填組成物72の調製
蒸留モノグリセライド(ポエムS−100、理研ビタミン株式会社製)10.0g、反応モノグリセライド(ポエムB−200、理研ビタミン株式会社製)10.0g及びポリグリセリンの脂肪酸エステル(SYグリスターCRS−75、阪本薬品工業株式会社製)10.0gから構成される複合増粘剤と、食用油(サフラワー油)100.0g、食用油(しそ油)23.5g、食用油(魚油(EPA))20.0gを60〜90℃で加温後、均一になるよう混合撹拌させた。その後、40〜60℃に冷却し、難油溶性粉末(加工デンプン)5.5gを加え、均一になるよう混合撹拌させ、ソフトカプセル充填組成物72(以下、「組成物72」と略記する。)を得た。
ソフトカプセル充填組成物73の調製
ポリグリセリンの脂肪酸エステル(サンソフトA−141E、太陽化学株式会社製)10.0g及び蒸留モノグリセライド(ポエムS−100、理研ビタミン株式会社製)10.0gから構成される複合増粘剤と、食用油(サフラワー油)100.0g、食用油(しそ油)23.5g、食用油(魚油(EPA))20.0gを60〜90℃で加温後、均一になるよう混合撹拌させた。その後、40〜60℃に冷却し、難油溶性粉末(加工デンプン)5.5gを加え、均一になるよう混合撹拌させ、ソフトカプセル充填組成物73(以下、「組成物73」と略記する。)を得た。
ソフトカプセル充填組成物74の調製
蒸留モノグリセライド(ポエムS−100、理研ビタミン株式会社製)10.0g及び反応モノグリセライド(ポエムB−200、理研ビタミン株式会社製)15.0gから構成される複合増粘剤と、食用油(サフラワー油)100.0g、食用油(しそ油)23.5g及び食用油(魚油(EPA))20.0gを、60〜90℃で加温後、均一になるよう混合撹拌させた。その後、40〜60℃に冷却し、難油溶性粉末(加工デンプン)16.0gを加え、均一になるよう混合撹拌させ、ソフトカプセル充填組成物74(以下、「組成物74」と略記する。)を得た。
評価例
ソフトカプセル充填組成物1〜13、31〜37、51〜54、71〜74を、それぞれ3000rpm、10分間遠心分離した後、難油溶性粉末を含有しない層と難油溶性粉末を含む層の分離の有無を目視で確認した。結果を表1〜3に示す。
表中の数値の単位は、HLBの値以外は「g」である。平均HLBは、複合増粘剤を構成する増粘剤のHLBを加重平均したものである。難油溶性粉末の分離が確認されなかったもの、すなわち難油溶性粉末と食用油との分離が抑制された組成物を「○」、難油溶性粉末と食用油との分離がほぼ抑制された組成物を「△」、難油溶性粉末の分離が確認され、すなわち難油溶性粉末と食用油との分離が抑制されなかった組成物を「×」とした。
Figure 0006445239
Figure 0006445239
Figure 0006445239
組成物1〜13、31〜37のソフトカプセル充填組成物は、ソフトカプセル充填組成物100質量部に対して、難油溶性粉末が10質量部以上含まれている。
表1の結果より、組成物1〜12において、難油溶性粉末と食用油との分離が抑制され、組成物13はほぼ分離が抑制された。
一方、表2の結果より、組成物31〜37においては、難油溶性粉末と食用油との分離が抑制されなかった。
組成物31〜34は、1種類の増粘剤から構成された増粘剤を含有しているため、分離が抑制されなかったと考えられる。組成物35〜37は、複合増粘剤の平均HLB値が2.5〜6の範囲外であったことにより、分離が抑制されなかったと考えられる。
また、組成物1〜3、8及び10より、同じタイプの乳化剤を組み合わせた複合増粘剤を含有するソフトカプセル充填組成物でも分離を確認することができた。
組成物51〜53、71〜73のソフトカプセル充填組成物は、ソフトカプセル充填組成物100質量部に対して、難油溶性粉末が10質量部未満含まれている。
表3の結果より、組成物51〜53において難油溶性粉末と食用油との分離が抑制された。
一方、組成物71〜73においては、難油溶性粉末と食用油との分離が抑制されなかった。組成物71〜73は、複合増粘剤の平均HLB値が4〜8の範囲外であったことにより、分離が抑制されなかったと考えられる。
本発明のソフトカプセル充填組成物は、食用油と難油性粉末の分離が抑制され、水の分散性が向上したものである。よって、本発明のソフトカプセル充填組成物を利用した、栄養成分又は薬効成分を含有するソフトカプセルを提供することができ、食品業界や医薬品業界等で広く利用可能である。

Claims (7)

  1. ソフトカプセル充填組成物に用いられる複合増粘剤を構成する増粘剤選択方法であって、
    上記ソフトカプセル充填組成物は、食用油、難油溶性粉末、及び、2種類以上の増粘剤から構成される複合増粘剤を含有し、該難油溶性粉末が少なくとも該食用油と該複合増粘剤とに分散されてなるソフトカプセル充填組成物であって、
    上記ソフトカプセル充填組成物100質量部に対して、上記難油溶性粉末の含有量が10質量部以上であり、
    該複合増粘剤の全体としてのHLBを指標とし、該複合増粘剤の全体としてのHLBが、2.5以上6以下になるように該増粘剤を選択することを特徴とするソフトカプセル充填組成物に用いられる複合増粘剤を構成する増粘剤選択方法。
  2. ソフトカプセル充填組成物に用いられる複合増粘剤を構成する増粘剤選択方法であって、
    上記ソフトカプセル充填組成物は、食用油、難油溶性粉末、及び、2種類以上の増粘剤から構成される複合増粘剤を含有し、該難油溶性粉末が少なくとも該食用油と該複合増粘剤とに分散されてなるソフトカプセル充填組成物であって、
    上記ソフトカプセル充填組成物100質量部に対して、上記難油溶性粉末の含有量が10質量部未満であり、
    該複合増粘剤の全体としてのHLBを指標とし、該複合増粘剤の全体としてのHLBが、4以上8以下になるように該増粘剤を選択することを特徴とするソフトカプセル充填組成物に用いられる複合増粘剤を構成する増粘剤選択方法。
  3. 上記複合増粘剤が、グリセリンの脂肪酸エステル、ポリグリセリンの脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、又は、レシチンを含有する請求項1又は請求項2に記載のソフトカプセル充填組成物に用いられる複合増粘剤を構成する増粘剤選択方法。
  4. 上記複合増粘剤が、グリセリンの脂肪酸エステル及びポリグリセリンの脂肪酸エステルよりなる群から選ばれた2種類以上の増粘剤から構成されるものである請求項1ないし請求項3の何れかの請求項に記載のソフトカプセル充填組成物に用いられる複合増粘剤を構成する増粘剤選択方法。
  5. 上記複合増粘剤が、グリセリンのモノ脂肪酸エステルを含有する請求項1ないし請求項4の何れかの請求項に記載のソフトカプセル充填組成物に用いられる複合増粘剤を構成する増粘剤選択方法。
  6. 上記2種類以上の増粘剤の融点が、何れも50℃以上80℃以下である請求項1ないし請求項5の何れかの請求項にソフトカプセル充填組成物に用いられる複合増粘剤を構成する増粘剤選択方法。
  7. 上記ソフトカプセル充填組成物100質量部に対して、上記複合増粘剤を1質量部以上40質量部以下で含有する請求項1ないし請求項6の何れかの請求項に記載のソフトカプセル充填組成物に用いられる複合増粘剤を構成する増粘剤選択方法。
JP2014030178A 2014-02-20 2014-02-20 ソフトカプセル充填組成物及び該ソフトカプセル充填組成物が充填されたソフトカプセル Expired - Fee Related JP6445239B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014030178A JP6445239B2 (ja) 2014-02-20 2014-02-20 ソフトカプセル充填組成物及び該ソフトカプセル充填組成物が充填されたソフトカプセル

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014030178A JP6445239B2 (ja) 2014-02-20 2014-02-20 ソフトカプセル充填組成物及び該ソフトカプセル充填組成物が充填されたソフトカプセル

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015155384A JP2015155384A (ja) 2015-08-27
JP6445239B2 true JP6445239B2 (ja) 2018-12-26

Family

ID=54774959

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014030178A Expired - Fee Related JP6445239B2 (ja) 2014-02-20 2014-02-20 ソフトカプセル充填組成物及び該ソフトカプセル充填組成物が充填されたソフトカプセル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6445239B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6731272B2 (ja) * 2016-04-07 2020-07-29 アリメント工業株式会社 ロータリーダイ式極小ソフトカプセル
WO2018101269A1 (ja) * 2016-11-30 2018-06-07 ライオン株式会社 内服剤
CN109996561A (zh) 2016-11-30 2019-07-09 狮王株式会社 内服剂

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3136310B2 (ja) * 1992-02-26 2001-02-19 東洋カプセル株式会社 咀嚼服用に適した担体
JP5269373B2 (ja) * 2007-09-27 2013-08-21 理研ビタミン株式会社 ソフトカプセル充填用液状組成物
JP2009079012A (ja) * 2007-09-27 2009-04-16 Riken Vitamin Co Ltd ソフトカプセル充填用液状組成物
JP5156458B2 (ja) * 2008-03-31 2013-03-06 理研ビタミン株式会社 ソフトカプセル充填用液状組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015155384A (ja) 2015-08-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
DE10311585A1 (de) Wirkstoffhaltige Adsorbate
JP5820256B2 (ja) 自己乳化製剤
WO2014170464A1 (en) Encapsulation of an oil containing unsaturated fatty acids
JP6445239B2 (ja) ソフトカプセル充填組成物及び該ソフトカプセル充填組成物が充填されたソフトカプセル
JP6694726B2 (ja) O/d型乳化組成物、水中油型乳化組成物、飲食品及び食品用素材
JP2019206518A (ja) 油脂含有組成物及び経口製剤
JP6735695B2 (ja) ソフトカプセル剤
CN109996561A (zh) 内服剂
JP7018771B2 (ja) 粉末油脂、及び粉末油脂の製造方法
JP4599604B2 (ja) 生体活性のリン脂質含有成分を含有するマトリックス
JP2013049656A (ja) ソフトカプセル製剤及びその製造方法
EP2752202B1 (en) Soft capsule pharmaceutical preparation, composition for soft capsule pharmaceutical preparation, and method for producing soft capsule pharmaceutical preparation
JP5847475B2 (ja) 油脂含有組成物、及びそれを含む経口製剤
JP6421252B2 (ja) 油脂組成物及び油脂の酸化抑制方法
JP5283654B2 (ja) ソフトカプセル用の充填組成物
JP7022973B2 (ja) ソフトカプセル充填用組成物およびソフトカプセル剤
JP7126930B2 (ja) ビタミンe含有油性組成物
JP7102864B2 (ja) 被覆粉末形成用膜材および被覆粉末
JP7473960B2 (ja) 高度不飽和脂肪酸含有水溶性製剤
JP7166805B2 (ja) リン脂質組成物
JP5156458B2 (ja) ソフトカプセル充填用液状組成物
DE10250727B4 (de) Matrix mit einer bioaktiven Phospholipid-haltigen Komponente
JP2016037479A (ja) 機能性組成物及びその製造方法
JP2016060697A (ja) ソフトカプセル充填用液状組成物
JP2020002057A (ja) ゲラニルゲラニオールを含有する自己乳化性組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161221

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170908

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171010

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171208

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20180522

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180720

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20180803

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20181113

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181129

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6445239

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees