JPWO2020045561A1 - 捲回型電極体 - Google Patents

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Abstract

長尺な正極電極シート(11又は12)と、長尺な負極電極シート(12又は11)と、該正極電極シート及び該負極電極シートの間に配された長尺なセパレータシート(13,14)とが、それらの長尺方向に沿って捲回されてなる捲回型電極体(10)。前記捲回型電極体(10)は、捲回の軸と直交する断面視において、対向する一対の平坦部(10a,10a)と、各平坦部の端部に連接し且つ外方に向かって凸状に湾曲する一対の湾曲部10b,10b)とからなる扁平形状の輪郭を有する。前記正極電極シート及び前記負極電極シートの何れか一方が、有機硫黄系電極活物質を含む電極合剤層を有する。前記湾曲部に位置する前記何れかのシートのうちの最内部に位置するシートの曲率半径が0.05mm〜1.0mmである。

Description

本発明は、扁平形状を有する捲回型電極体、及び該捲回型電極体を有する捲回型非水電解質二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池は、小型で軽量であり、且つエネルギー密度が高く、更に繰り返し充放電が可能であり、携帯用パソコン、ハンディビデオカメラ、及び情報端末等の携帯電子機器の電源として広く用いられている。また、環境適性の観点から、非水電解質二次電池を使用した電気自動車や、動力の一部に電力を利用したハイブリッド車が実用化されている。
非水電解質二次電池の電極体は捲回型電極体及び積層型電極体に大別される。捲回型電極体は、長尺の正極電極シートと、長尺の負極電極シートと、正極電極シート及び正極電極シートの間に配されたセパレータを有する電極体が長尺方向に捲回されてなる。積層型電極体は、小さくシートカットされた正極と負極が、つづら折りにされたセパレータ又は小さくシートカットされたセパレータを挟んで正極と負極が交互に重ねられてなる。
捲回型電極体は積層型電極体に比べて、製造工程が簡略であり安価に製造できる。しかし、電極体を捲回するために湾曲部が生じ、容器に収納したときにデッドスペースが生じるという欠点がある。そのため、湾曲部の割合を減らすために、平坦部と円弧状の湾曲部とを有する、扁平形状の捲回型電極体が開発されている。扁平形状の捲回型電極体は、電極シートとセパレータを平板状の巻き芯に捲回したり、中空状の巻き芯に捲回した後、プレスしたりすることにより製造される(例えば、特許文献1及び2を参照)。
捲回型電極体は、捲回中心に近いほど湾曲部における電極シートの曲率半径が小さくなり、捲回中心から遠ざかるほど湾曲部における電極シートの曲率半径が大きくなる。非水電解質二次電池の電極体における体積あたりの電極占有率を上げて高容量化するには、捲回中心に近い電極シートの湾曲部の曲率半径は小さいことが好ましい。
非水電解質二次電池、例えばリチウムイオン二次電池では、充放電の際に、リチウムイオンが吸蔵又は放出され、それに伴って正極活物質及び負極活物質が膨張又は収縮する。捲回型電極体では、曲率半径の小さい部位ほど曲げ応力が大きくなる。活物質が膨張又は収縮することにより曲げ応力が変化すると、曲率半径の小さい部位では曲げ応力を緩和できず、電極シートの電極合剤層の亀裂や剥離が起こりやすくなる。電極合剤層が剥離すると剥離片による内部短絡が起こりやすくなり、電極合剤層に亀裂が発生すると落下等の衝撃により電極合剤層が剥離しやすくなる。このため、捲回型電極体の最内面における電極シートの曲率半径(集電体の金属箔の表面が基準)が、0.15mm以上でないと電極合剤層の剥離が防止できず、0.5mm以上でないと電極合剤層の亀裂が防止できないとされている(例えば、特許文献3参照)。電極シートの電極合剤層の亀裂や剥離等を防止するためには、電極合剤層のバインダ成分の含量を増やし、電極合剤層の柔軟性及び集電体との密着性を向上させることが有効である。しかし、電極合剤層におけるバインダ成分の含量が増えると相対的に電極活物質の含量が減り、その結果、電池容量が小さくなってしまうという問題がある。
有機硫黄系電極活物質は、大きな充放電容量を有し、充放電の繰り返しに伴う充放電容量の低下(以下、サイクル特性ということがある)が少ない電極活物質である。例えば、特許文献4〜16には、電極活物質として、硫黄変性ポリアクリロニトリル等の有機硫黄系電極活物質を用いることが記載されている。特に特許文献16には、有機硫黄系電極活物質を電極活物質とした電極を用いた捲回型電極体を有する非水電解質二次電池について記載されている。しかしながら、有機硫黄系電極活物質を電極活物質とした使用した扁平形状の捲回型電極体を有する非水電解質二次電池は知られていない。
US2004197639A1 特開2002−280055号公報 特開2011−076785号公報 特開2003−151550号公報 US2011200875A1 特開2011−028948号公報 特開2011−170991号公報 特開2012−099342号公報 特開2012−150933号公報 特開2012−150934号公報 国際公開第2012/114651号 US2014134485A1 US2016293955A1 US2018072665A1 US2018065927A1 特開2017−218584号公報
本発明が解決しようとする課題は、最内面の曲率半径が小さく、湾曲部の電極シートにおける電極合剤層の亀裂、剥離等が起こりにくい扁平形状の捲回型電極体を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討を行った結果、有機硫黄系電極活物質を電極活物質とすることにより、電極シートを湾曲させても電極合剤層の亀裂や剥離等が起こりにくくなることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、長尺な正極電極シートと、長尺な負極電極シートと、該正極電極シート及び該負極電極シートの間に配された長尺なセパレータシートとが、それらの長尺方向に沿って捲回されてなる捲回型電極体であって、
前記捲回型電極体は、捲回の軸と直交する断面視において、対向する一対の平坦部と、各平坦部の端部に連接し且つ外方に向かって凸状に湾曲する一対の湾曲部とからなる扁平形状の輪郭を有し、
前記正極電極シート及び前記負極電極シートの何れか一方が、有機硫黄系電極活物質を含む電極合剤層を有し、
前記湾曲部に位置する前記何れかの電極シートのうちの最内部に位置する電極シートの曲率半径が0.05mm〜1.0mmである捲回型電極体である。
本発明によれば、捲回型電極体の最内部に位置するシートの曲率半径を小さくでき、電極体の体積あたりの電極占有率が上がり、高容量化された非水電解質二次電池を提供できる。
図1は、本発明の一実施形態の捲回型電極体10の斜視図である。 図2は、図1に示す捲回型電極体10の捲回の軸と直交する断面を模式的に示す断面図である。 図3は、本発明の非水電解質二次電池の一実施形態の分解斜視図である。
まず、本発明の捲回型電極体を、その好ましい実施形態に基づいて説明するが、本発明はこの実施形態に限定されない。図1に示すように、本実施形態の捲回型電極体10は、長尺な内側電極シート11と、長尺な外側電極シート12と、内側電極シート11及び外側電極シート12の間に配された長尺なセパレータシート13と、外側電極シート12の外側の面に配されたセパレータシート14とが、それらの長尺方向に沿って巻き芯15に捲回されてなる。内側電極シート11は、捲回型電極体10を構成する2枚の電極シートのうち内方側に位置する電極シートであり、外側電極シート12は外方側に位置する電極シートである。本実施形態において、内側電極シート11及び外側電極シート12のうち、一方が負極電極シートであり、他方が正極電極シートである。
捲回型電極体10を構成する内側電極シート11は、図1に示すように、集電体シート11a及び集電体シート11aの両面に形成された電極合剤層11bを有する。電極合剤層11bは、内側電極シート11の長尺方向Xに沿う両側端部の一方の側端部には形成されていない。電極合剤層11bが形成されていない側端部11cは集電体シート11aが露出しており、リード11cとして機能する。外側電極シート12は、図1に示すように、集電体シート12a及び集電体シート12aの両面に形成された電極合剤層12bを有する。電極合剤層12bは、外側電極シート12の長尺方向Xに沿う両側端部の一方の側端部には形成されていない。電極合剤層12bが形成されていない側端部12cは集電体シート12aが露出しており、リード12cとして機能する。内側電極シート11のリード11cは、捲回型電極体10の長尺方向に沿う両側端部のうち、一方の側端部に位置し、外側電極シート12のリード12cは、該両側端部のうち他方の側端部に位置している。
内側電極シート11と外側電極シート12は、セパレータシート13及び14により隔てられている。セパレータシート13及び14の幅方向Yの長さは、内側電極シート11の電極合剤層11b及び外側電極シート12の電極合剤層12bにおける幅方向Yの長さよりも大きく、内側電極シート11の電極合剤層11b及び外側電極シート12の電極合剤層12bは、セパレータシート13及び14で覆われている。
図2は、捲回型電極体10の捲回の軸と直交する断面を模式的に示す断面図である。図2においては、説明の便宜上、内側電極シート11、セパレータシート13、外側電極シート12及びセパレータシート14が積層されたものを一枚のシートで表している。捲回型電極体10は、図2に示すように、捲回の軸と直交する断面視において、対向する一対の平坦部10aと、各平坦部10aの端部に連接し且つ外方に向かって凸状に湾曲する一対の湾曲部10b、10bとからなる扁平形状の輪郭を有する。中心部には上述した巻き芯15が位置している。
捲回型電極体10は、湾曲部10bに位置する内側電極シート11及び外側電極シート12のうちの最内部10cに位置する電極シートの曲率半径が0.05mm〜1.0mmであることに技術的特徴の一つを有する。湾曲部10bの最内部10cに位置する電極シートの曲率半径が0.05mmよりも小さい場合には、電極合剤層の亀裂や剥離等が起こりやすくなり、また、1.0mmよりも大きい場合には、非水電解質二次電池における電極体の体積あたりの電極占有率が下がり高容量化できなくなる。最内部10cに位置する電極シートの曲率半径は、0.1mm〜0.7mmであることが好ましく、0.15mm〜0.5mmであることが更に好ましい。なお、曲率半径は、曲線を円弧に近似した場合の円弧の半径であるが、湾曲部が楕円状、放物線状のように円弧状でない場合には、湾曲部のうち曲率半径が最小となる部分の曲率半径が上記範囲でなければならない。図2に示す2つの最内部10c、10cに位置する電極シートの曲率半径がそれぞれ異なる場合、何れかの電極シートの曲率半径が上記範囲を満たせばよいが、何れの電極シートの曲率半径も上記範囲を満たすことが好ましい。
従来の捲回型電極体においては、電極シートの曲率半径を過度に小さくすると、電極活物質の乖離や脱落が生じやすく、曲率半径を小さくすることに限界があった。このような不都合を解消すべく本発明者が鋭意検討した結果、電極合剤層が有機硫黄系電極活物質を含む場合、電極シートの曲率半径を小さくしても、電極合剤層の亀裂や剥離等が起こりにくくなることが判明した。そこで本発明においては、捲回型電極体10を構成する内側電極シート11の電極合剤層11b及び外側電極シート12の電極合剤層12bの何れが一方に、有機硫黄系電極活物質を含有させている。この効果を一層顕著なものとし、特に落下等による衝撃に対する耐性が向上することから、捲回型電極体10の最内面に位置する電極シート、すなわち内側電極シート11が、有機硫黄系電極活物質を含む電極合剤層を有する電極シートであることが好ましい。巻き芯15が存在する場合、捲回型電極体10における少なくとも湾曲部10bにおいて、内側電極シート11は通常巻き芯15と当接している。
本発明において用いられる有機硫黄系電極活物質とは、硫黄−炭素結合を有し、リチウムイオンを吸蔵及び放出することができ、且つ二次電池の電極活物質として使用可能な化合物をいう。有機硫黄系電極活物質としては、例えば、硫黄変性ポリアクリロニトリル、硫黄変性エラストマー化合物、硫黄変性多核芳香環化合物、硫黄変性ピッチ化合物、ポリチエノアセン化合物、硫黄変性ポリエーテル化合物、硫黄変性ポリアミド化合物、硫黄変性脂肪族炭化水素酸化物及びポリ硫化カーボン化合物等が挙げられる。捲回型電極体10においては、大きな充放電容量と良好なサイクル特性が得られることから、有機硫黄系電極活物質として硫黄変性ポリアクリロニトリルを用いることが好ましい。
硫黄変性ポリアクリロニトリルは、ポリアクリロニトリルと単体硫黄とを非酸化性雰囲気中で加熱処理して得られる化合物である。加熱処理の温度は350℃〜550℃が好ましい。硫黄変性ポリアクリロニトリルの硫黄含量は、大きな充放電容量が得られることから、30〜55質量%が好ましい。
硫黄変性エラストマー化合物は、天然ゴム及びイソプレンゴム等のゴムと単体硫黄を非酸化性雰囲気中で加熱処理して得られる化合物である。加熱処理の温度は250℃〜550℃が好ましい。硫黄変性エラストマー化合物の硫黄含量は、大きな充放電容量が得られることから、40〜70質量%が好ましい。
硫黄変性多核芳香環化合物は、ナフタレン及びアントラセン等の多核芳香環化合物と単体硫黄を非酸化性雰囲気中で加熱処理して得られる化合物である。加熱処理の温度は250℃〜550℃が好ましい。硫黄変性多核芳香環化合物の硫黄含量は、大きな充放電容量が得られることから、40〜70質量%が好ましい。
硫黄変性ピッチ化合物は、ピッチ類と単体硫黄との混合物を、非酸化性雰囲気中で加熱処理して得られる化合物である。ピッチ類としては、石油ピッチ、石炭ピッチ、メソフェーズピッチ、アスファルト、コールタール、コールタールピッチ、縮合多環芳香族炭化水素化合物の重縮合で得られる有機合成ピッチ、及び、ヘテロ原子含有縮合多環芳香族炭化水素化合物の重縮合で得られる有機合成ピッチ等が挙げられる。ピッチ類は様々な化合物の混合物であり、炭素と水素以外にも、窒素や硫黄を含んでいる場合がある。加熱処理の温度は、300℃〜500℃が好ましい。硫黄変性ピッチ化合物の硫黄含量は、大きな充放電容量が得られることから、25〜70質量%が好ましい。
ポリチエノアセン化合物は、下記一般式(1)で表される、硫黄を含むポリチエノアセン構造を有する化合物である。
Figure 2020045561
(式中、*は結合手を表す。)
ポリチエノアセン化合物は、ポリエチレン等の直鎖構造を有する脂肪族のポリマー化合物や、ポリチオフェン等のチオフェン構造を有するポリマー化合物と、単体硫黄を非酸化性雰囲気中で加熱処理して得ることができる。加熱処理の温度は300℃〜600℃が好ましい。ポリチエノアセン化合物の硫黄含量は、大きな充放電容量が得られることから、30〜80質量%が好ましい。
硫黄変性ポリエーテル化合物は、ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコール等のポリエーテル化合物と単体硫黄を非酸化性雰囲気中で加熱処理して得られる化合物である。加熱処理の温度は250℃〜500℃が好ましい。硫黄変性ポリエーテル化合物の硫黄含量は、大きな充放電容量が得られることから、30質量%〜75質量%が好ましい。
硫黄変性ポリアミド化合物は、アミド結合を有するポリマー由来の炭素骨格を有する有機硫黄化合物であり、具体的には、アミノカルボン酸化合物のポリマーと単体硫黄、又はポリアミン化合物とポリカルボン酸化合物とのポリマーと単体硫黄を、非酸化性雰囲気中で加熱処理して得られる化合物である。加熱処理の温度は250℃〜600℃が好ましい。硫黄変性ポリアミド化合物の硫黄含量は、大きな充放電容量が得られることから、40質量%〜70質量%が好ましい。
硫黄変性脂肪族炭化水素酸化物は、脂肪族アルコール、脂肪族アルデヒド、脂肪族ケトン、脂肪族エポキシド及び脂肪酸等の脂肪族炭化水素酸化物と単体硫黄とを、非酸化性雰囲気中で加熱処理して得られる化合物である。加熱処理の温度は300℃〜500℃が好ましい。硫黄変性脂肪族炭化水素酸化物の硫黄含量は、大きな充放電容量が得られることから、45〜75質量%が好ましい。
ポリ硫化カーボン化合物は、一般式(CSn(xは0.5〜2を表し、nは4以上の数を表す)で表される化合物であり、例えば、硫化ナトリウム等のアルカリ金属硫化物と単体硫黄との複合体に、ヘキサクロロブタジエン等のハロゲン化不飽和炭化水素を反応させた前駆体を、加熱処理することにより得ることができる。加熱処理の温度は300℃〜450℃が好ましい。ポリ硫化カーボン化合物の硫黄含量は、大きな充放電容量が得られることから、65〜75質量%が好ましい。
有機硫黄系電極活物質の硫黄含有量は、例えば、硫黄及び酸素が分析可能なCHN分析装置(エレメンター社 vario MICRO cube等)を用いて元素分析を行い測定することができる。
有機硫黄系電極活物質は、その平均粒子径が0.5μm〜50μmであることが好ましい。粒子径は体積基準の直径であり、レーザー回折光散乱法では、二次粒子の直径が測定される。有機硫黄系電極活物質の平均粒子径を上述の範囲とすることによって、多大な労力を要せずに電池性能が向上し、且つ電極合剤層の剥離等が起こりにくくなる。有機硫黄系電極活物質の平均粒子径は、1μm〜30μmがより好ましく、1μm〜20μmが更に好ましい。
電極合剤層における有機硫黄系電極活物質の含有量は30質量%〜99.5質量%であることが好ましく、40質量%〜99質量%であることが更に好ましく、50質量%〜98質量%であることが最も好ましい。電極合剤層における有機硫黄系電極活物質の含有量を上述の範囲とすると、十分な充放電容量が得られ、十分な導電性及び集電体との密着性が得られる。
有機硫黄系電極活物質を含有する前記電極合剤層は、更に、導電助剤を含有することが好ましい。該導電助剤としては、非水電解質二次電池の電極の導電助剤として公知のものを用いることができる。具体的には、天然黒鉛、人造黒鉛、カーボンブラック、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック、カーボンナノチューブ、気相法炭素繊維(Vapor Grown Carbon Fiber:VGCF)、グラフェン、フラーレン、ニードルコークス等の炭素材料;アルミニウム粉、ニッケル粉、チタン粉等の金属粉末;酸化亜鉛、酸化チタン等の導電性金属酸化物;La、Sm、Ce、TiS等の硫化物が挙げられる。導電助剤は、その平均粒子径が0.0001μm〜50μmが好ましく、0.01μm〜40μmがより好ましい。電極合剤層における導電助剤の含有量は、有機硫黄系電極活物質100質量部に対し1〜30質量部が好ましく、2〜20質量部がより好ましい。導電助剤の含有量を上述の範囲とすると、電極合剤層の導電性が十分となり、十分な容量が得られる。
有機硫黄系電極活物質を含有する前記電極合剤層は、更に、バインダを含有することも好ましい。該バインダとしては、非水電解質二次電池の電極のバインダとして公知のものを用いることができる。例えば、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリアクリロニトリル、ポリウレタン、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、フッ素ゴム、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、アクリロニトリルブタジエンゴム、スチレン−イソプレンゴム、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリレート、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、セルロースナノファイバー、ポリエチレンオキサイド、デンプン、ポリビニルピロリドン、ポリ塩化ビニル、ポリアクリル酸等が挙げられ、密着性や充放電時の安定性の点からスチレン−ブタジエンゴム、ポリイミド、ポリアクリロニトリル、カルボキシメチルセルロースナトリウム、セルロースナノファイバー、ポリアクリル酸が好ましく挙げられる。電極合剤層におけるバインダの含有量は、電池容量を高める点や密着性の点から、有機硫黄系電極活物質と導電助剤との合計量100質量部に対し、1質量部〜20質量部であることが好ましく、1.5質量部〜10質量部であることがより好ましく、2質量部〜7質量部であることが特に好ましい。
前記電極合剤層の厚さは、片面あたり、10μm〜200μmが好ましく、40μm〜150μmが更に好ましい。電極合剤層の厚さを上記の範囲とすることで、十分な充放電容量が得られ、電極合剤層へのアルカリ金属イオンの拡散が十分となり、且つ電極合剤層の亀裂や剥離が起こりにくくなる。電極合剤層の厚さが集電体シートの両面で異なる場合、片面の厚さが上記範囲を満たせばよいが、両面での厚さが上記範囲であることが好ましい。
電極シートを構成する集電体シートの材料としては、チタン、チタン合金、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、ニッケル、ステンレス鋼及びニッケルメッキ鋼等の導電材料を用いることができる。集電体シートの厚さは、通常5μm〜50μm程度であり、例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金の場合は、7μm〜30μm程度、銅又は銅合金の場合は、5μm〜15μm程度である。
有機硫黄系電極活物質、導電助剤及びバインダを含む電極合剤層を有する電極シートは、有機硫黄系電極活物質、導電助剤及びバインダを溶媒に添加し調製したスラリーを、長尺な集電体シートの両面に塗布し、乾燥することによって製造することができる。上記スラリーを集電体シートの全面に塗布し、電極合剤層を長尺な集電体シートの全面に形成してもよい。また、上記スラリーを集電体シートの長尺方向に沿う両側端部の一方の側端部に塗布せず、集電体シートの長尺方向に沿う両側端部の一方に電極合剤層を形成しなくてもよい。この場合、電極合剤層が形成されていない集電体シートの長尺方向に沿う側端部は集電体シートが露出している。
上記スラリーの調製に用いる溶媒としては、例えば、ジメチルカーボネート、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸ブチル、テトラヒドロフラン、エタノール及び水等が挙げられる。スラリーを調製する方法としては、例えば、有機硫黄系電極活物質、導電助剤及びバインダを溶媒に添加し、ボールミル又は自転・公転ミキサー等で混合し分散する方法が挙げられる。
有機硫黄系電極活物質を含む電極合剤層を有する電極シートは、スラリーの乾燥後、必要に応じて電極をプレス処理してもよい。プレス処理の方法としては、例えば、金型プレス法、ロールプレス法が挙げられる。
有機硫黄系電極活物質を含む電極合剤層を有する電極シートには電極リードが形成される。一方の側端部に電極合剤層が形成されず、集電体が露出した電極シートでは、露出部分をそのまま電極リードとしてもよいし、集電体が露出した部分に切り欠きを入れ、切り欠き残部を電極リードとしてもよいし、集電体が露出した部位にリード片を溶接して電極リードとしてもよい。全面に電極合剤層が形成され、集電体が露出していない電極シートの場合は、側端部の電極合剤層の一部を剥離し、集電体を露出させ、集電体が露出した部位にリード片を溶接して電極リードとしてもよい。集電体が露出した部位とリード片との溶接は、公知の方法、例えば、超音波溶接や抵抗溶接等の方法により溶接すればよい。
捲回型電極体10においては、有機硫黄系電極活物質を含む電極合剤層を有する電極シートを、正極電極シートとして使用してもよいし、負極電極シートとして使用してもよいが、正極シートとして使用する場合には、リチウムのドープが必要ないことから、有機硫黄系電極活物質を含む電極合剤層を有する電極シートを負極電極シートとして使用することが好ましい。また、捲回型電極体10においては、湾曲部10bの最内部10cに位置するシートが、有機硫黄系電極活物質を含む電極合剤層を有する電極シートからなることが好ましい。
有機硫黄系電極活物質を含む電極合剤層を有する電極シートを、リチウムイオン二次電池の正極として使用する場合は、負極として公知の負極活物質を有する電極シートを使用すればよい。また、リチウムイオン二次電池の負極として使用する場合は、正極として公知の正極活物質を有する電極を使用すればよい。以下の説明では、硫黄変性ポリアクリロニトリルを電極活物質とする電極シートを正極として使用する場合の負極を対向電極シートという。また、硫黄変性ポリアクリロニトリルを電極活物質とする電極シートを負極として使用する場合の正極を対向電極という。
有機硫黄系電極活物質を電極活物質とする電極シートを正極として使用し、対向電極が負極である場合、対向電極に使用される公知の負極活物質としては、リチウムイオン二次電池の場合、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、難黒鉛化炭素、易黒鉛化炭素、リチウム、リチウム合金、ケイ素、ケイ素合金、酸化ケイ素、スズ、スズ合金、酸化スズ、リン、ゲルマニウム、インジウム、酸化銅、硫化アンチモン、酸化チタン、酸化鉄、酸化マンガン、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化鉛、酸化ルテニウム、酸化タングステン、酸化亜鉛の他、LiVO、LiVO、LiTi12等の複合酸化物が挙げられる。これらの負極活物質を1種のみを使用してもよく、2種以上を組合せて使用してもよい。
ナトリウムイオン二次電池の場合、先述したリチウムイオン二次電池の場合の負極活物質うち、リチウム原子を含まない負極活物質、及びリチウム原子をナトリウム原子で置き換えた負極活物質を使用すればよい。なお、負極活物質がリチウム又はリチウム合金、並びにナトリウム又はナトリウム合金である場合は、集電体を用いずに、それ自体を電極としてもよい。
有機硫黄系電極活物質を電極活物質とする電極シートを負極として使用し、対向電極が正極である場合、対向電極に使用される公知の正極活物質としては、リチウムイオン二次電池の場合、例えば、リチウム遷移金属複合酸化物、リチウム含有遷移金属リン酸化合物、リチウム含有ケイ酸塩化合物等が挙げられる。前記リチウム遷移金属複合酸化物の遷移金属としてはバナジウム、チタン、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅等が好ましい。リチウム遷移金属複合酸化物の具体例としては、LiCoO等のリチウムコバルト複合酸化物、LiNiO等のリチウムニッケル複合酸化物、LiMnO、LiMn、LiMnO等のリチウムマンガン複合酸化物、これらのリチウム遷移金属複合酸化物の主体となる遷移金属原子の一部をアルミニウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、リチウム、ニッケル、銅、亜鉛、マグネシウム、ガリウム、ジルコニウム等の他の金属で置換したもの等が挙げられる。置換されたものの具体例としては、例えば、Li1.1Mn1.8Mg0.1、Li1.1Mn1.85Al0.05、LiNi0.5Co0.2Mn0.3、LiNi0.8Co0.1Mn0.1、LiNi0.5Mn0.5、LiNi0.80Co0.17Al0.03、LiNi0.80Co0.15Al0.05、LiNi1/3Co1/3Mn1/3、LiNi0.6Co0.2Mn0.22、LiMn1.8Al0.2、LiMn1.5Ni0.5、LiMnO−LiMO(M=Co,Ni,Mn)等が挙げられる。前記リチウム含有遷移金属リン酸化合物の遷移金属としては、バナジウム、チタン、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル等が好ましく、具体例としては、例えば、LiFePO、LiMnFe1−xPO等のリン酸鉄化合物類、LiCoPO等のリン酸コバルト化合物類、これらのリチウム遷移金属リン酸化合物の主体となる遷移金属原子の一部をアルミニウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、リチウム、ニッケル、銅、亜鉛、マグネシウム、ガリウム、ジルコニウム、ニオブ等の他の金属で置換したもの、Li(PO等のリン酸バナジウム化合物類等が挙げられる。リチウム含有ケイ酸塩化合物としては、LiFeSiO等が挙げられる。これらの正極活物質は1種のみを使用してもよく、2種以上を組合せて使用してもよい。
ナトリウムイオン二次電池の場合は、先述したリチウムイオン二次電池の場合における正極活物質のリチウム原子をナトリウム原子で置き換えた正極活物質を使用すればよい。
対向電極は、前述した有機硫黄系電極活物質を、前記公知の負極活物質又は公知の正極活物質に置き換えることにより製造することができる。従って、有機硫黄系電極活物質を含む電極合剤層を有する電極シートについて上記で述べた事項は、有機硫黄系電極活物質を用いる点以外はいずれも対向電極に当てはまる。例えば、電極合剤層中の電極活物質の量、電極合剤層中の導電助剤の種類や量、電極合剤層中のバインダの種類やその量、電極合剤層の厚さ、集電体シートの種類、電極合剤層を有する電極シートの製造方法などは全て対向電極である電極シートにあてはまる。なお、有機硫黄系電極活物質を電極活物質とする電極を正極として使用し、対向電極がリチウムを含まない化合物を負極活物質とする負極である場合には、正極及び負極が何れもリチウムを含まない。このため、負極及び正極の何れか一方、又は両方にあらかじめリチウムを挿入するリチウムプリドープ処理が必要となる。リチウムのプリドープ法としては公知の方法に従えばよい。例えば、負極にリチウムをドープする場合には、対極に金属リチウムを用いて半電池を組み、電気化学的にリチウムをドープする電解ドープ法によってリチウムを挿入する方法や、金属リチウム箔を電極に貼り付けた後電解液の中に放置し電極へのリチウムの拡散を利用してドープする貼り付けプリドープ法によりリチウムを挿入する方法が挙げられる。また、正極にリチウムをプリドープする場合にも、上記した電解ドープ法や貼り付けプリドープ法を利用することができる。
捲回型電極体10は、上述したとおり、セパレータシート13、14を有する。セパレータシート13、14としては、本技術分野で公知のものを特に制限なく使用することができる。セパレータシート13、14の厚みは、10〜40μmであることが好ましく、15〜30μmであることが好ましい。
巻き芯15の形状は、捲回型電極体10の湾曲部10bの最内部10cに位置するシートの曲率半径を0.05mm〜1.0mmにできるものであれば、特に限定されず、公知の形状とすることができる。好ましい巻き芯15の形状としては、捲回型電極体の捲回の軸と直交する断面が、対向する一対の平坦部と、各平坦部の端部に連接し且つ外方に向かって凸状に湾曲する一対の湾曲部とからなる扁平形状の輪郭を有する形状が挙げられる。巻き芯15としては、例えば、捲回の軸と直交する断面が前記の扁平形状を有し、該扁平形状の湾曲部における外面の曲率半径が0.05mm〜1.0mmである板状の巻き芯を用いることができる。また、捲回の軸と直交する断面が非円形(楕円形、菱形、長円形など)の中空の巻き芯を用いることができる。中空の巻き芯は、捲回の軸と直交する断面の湾曲部における外面の曲率半径が1.0mmよりも大きくてもよい。この場合、電極シートを捲回した後、捲回型電極体をプレスして、湾曲部の最内部に位置する電極シートの曲率半径を0.05mm〜1.0mmに調整すればよい。巻き芯15の材料には特に制限はなく、本技術分野で公知の材料を用いることができる。
捲回型電極体10が、湾曲部10bの最内部に位置する電極シートの曲率半径が小さいにも関わらず、電極合剤層の亀裂や剥離等が起こりにくくなる理由については明確ではないが、従来の電極活物質と比較して、有機硫黄系電極活物質が柔軟性を有すると共に、電極合剤層に用いられるバインダとの密着性に優れることが原因ではないかと本発明者らは推定している。
捲回型電極体10は、例えば、電極シート及びセパレータを巻き芯に捲回することによって製造することができる。詳細には、有機硫黄系電極活物質を含む電極合剤層を有する電極シートと対極の電極シートは、長尺シート状のセパレータを介して長尺方向に沿って巻き芯に捲回される。捲回型電極体10の最内部に位置する電極シートを、有機硫黄系電極活物質を含む電極合剤層を有する電極シートとする場合は、巻き芯への巻き始めを、有機硫黄系電極活物質を含む電極合剤層を有する電極シートとし、セパレータ、対極の電極シート、セパレータの順に重ね合わせて捲回していけばよい。捲回の方法は特に限定されず、公知の方法を用いればよい。捲回型電極体の最外側がセパレータとなるよう巻き芯のまわりに捲回し、巻き終わりの部分を、ずれないように固定テープ等で固定する。必要に応じて捲回型電極体をプレスして、湾曲部の最内面の曲率半径を0.05mm〜1.0mmに調整する。特に、巻き芯の横断面における両側縁の曲率を0.05mm〜1.0mmに調整し、当該巻き芯のまわりに電極シート等を巻回することで、湾曲部における電極シートの曲率半径を所望の値に容易に設定できる。
捲回型電極体10は、従来の扁平形状の捲回型電極体と同様に捲回型非水電解質二次電池に使用可能である。捲回型電極体10は、非水電解質と共に容器に収容され、捲回型非水電解質二次電池として使用できる。非水電解質二次電池1は、図3に示すように、捲回型電極体10と、捲回型電極体10を収容する電池缶20と、捲回型電極体10に接続された一対の集電リード部30、40と、捲回型電極体10を支持する電池蓋50と、電池缶20の内面に配された絶縁袋60とを有する。捲回型電極体10の内側電極シート11のリード11cには、内側電極シート用の集電リード部30が接合部31を介して接続されている。外側電極シート12のリード12cには、外側電極シート用の集電リード部40が接合部41を介して接続されている。電極シートのリードと集電リード部の接続は、例えば超音波溶接等により行うことができる。集電リード部30、40は、捲回型電極体10を支持する電池蓋50に装着された端子51、52にそれぞれ接続されている。非水電解質二次電池1は端子51、52から充放電をすることができる。電池蓋50は、電池缶20に非水電解質を注入するための注液口53、及び非水電解質二次電池1の内部圧力が基準値を超えて上昇した場合に圧力を抜くためのガス破裂弁54を有する。注液口53は非水電解質二次電池1に非水電解質を注入した後レーザ溶接等により塞がれる。捲回型電極体10が収容された電池缶20と電池蓋50とがレーザ溶接等により溶接されている。
電池缶20内には非水電解質が収容されている。非水電解質としては、例えば、電解質を有機溶媒に溶解して得られる液体電解質、電解質を有機溶媒に溶解し高分子でゲル化した高分子ゲル電解質、有機溶媒を含まず、電解質が高分子に分散させた純正高分子電解質、無機固体電解質等が挙げられる。
液体電解質及び高分子ゲル電解質に用いる電解質としては、リチウムイオン二次電池の場合、例えば、従来公知のリチウム塩が用いられ、例えば、LiPF、LiBF、LiAsF、LiCFSO、LiCFCO、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiN(SOF)、LiC(CFSO、LiB(CFSO、LiB(C、LiBF(C)、LiSbF、LiSiF、LiSCN、LiClO、LiCl、LiF、LiBr、LiI、LiAlF、LiAlCl、LiPO及びこれらの誘導体等が挙げられ、これらの中でも、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiCFSO、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiN(SOF)、及びLiC(CFSO並びにLiCFSOの誘導体、及びLiC(CFSOの誘導体からなる群から選ばれる1種以上を用いるのが好ましい。液体電解質及び高分子ゲル電解質における、電解質の含有量は、好ましくは0.5〜7mol/L、より好ましくは0.8〜1.8mol/Lである。
純正高分子電解質に用いる電解質としては、リチウムイオン二次電池の場合、例えば、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiN(SOF)、LiC(CFSO、LiB(CFSO、LiB(Cが挙げられる。
無機固体電解質としては、リチウムイオン二次電池の場合、Li1+x2−y(PO(x=Al,Ge,Sn,Hf,Zr,Sc,Y、B=Ti,Ge,Zn、0<x<0.5)、LiMPO(M=Mn,Fe,Co,Ni)、LiPO等のリン酸系材料;LiXO(X=As,V)、Li3+x1−x(A=Si,Ge,Ti、B=P,As,V、0<x<0.6)、Li4+xSi1−x(A=B,Al,Ga,Cr,Fe、0<x<0.4)(A=Ni,Co、0<x<0.1)Li4−3yAlSiO(0<y<0.06)、Li4−2yZnGeO(0<y<0.25)、LiAlO、LiBO、LiXO(X=Si,Ge,Ti)、リチウムチタネート(LiTiO、LiTi、LiTiO、LiTiO、LiTi、LiTi12)等のリチウム複合酸化物;LiBr,LiF,LiCl、LiPF、LiBF等のリチウムとハロゲンを含む化合物;LiPON,LiN(SOCF、LiN(SO,LiN、LiN(SO等のリチウムと窒素を含む化合物;La0.55Li0.35TiO等のリチウムイオン伝導性を有するペロブスカイト構造を有する結晶;Li−LaZr13等のガーネット型構造を有する結晶;50LiSiO・50LiBO等のガラス;Li10GeP12、Li3.25Ge0.250.75等のリチウム・リン硫化物系の結晶、30LiS・26B・44LiI、63LiS・36SiS2・1LiPO、57LiS・38SiS・5LiSiO、70LiS・50GeS、50LiS・50GeS等のリチウム・リン硫化物系のガラス;Li11、Li3.250.95等のガラスセラミック等が挙げられる。
ナトリウムイオン二次電池の場合には、前述したリチウムイオン二次電池の場合のリチウム原子をナトリウム原子で置き換えた電解質を使用すればよい。
本発明に用いられる、液状非水電解質の調製に用いる有機溶媒としては、液状非水電解質に通常用いられているものを1種又は2種以上組合せて用いることができる。具体的には、例えば、飽和環状カーボネート化合物、飽和環状エステル化合物、スルホキシド化合物、スルホン化合物、アマイド化合物、飽和鎖状カーボネート化合物、鎖状エーテル化合物、環状エーテル化合物、飽和鎖状エステル化合物等が挙げられる。
前記有機溶媒のうち、飽和環状カーボネート化合物、飽和環状エステル化合物、スルホキシド化合物、スルホン化合物及びアマイド化合物は、比誘電率が高いため、非水電解質の誘電率を上げる役割を果たし、特に飽和環状カーボネート化合物が好ましい。斯かる飽和環状カーボネート化合物としては、例えば、エチレンカーボネート、1,2−プロピレンカーボネート、1,3−プロピレンカーボネート、1,2−ブチレンカーボネート、1,3−ブチレンカーボネート、1,1−ジメチルエチレンカーボネート等が挙げられる。前記飽和環状エステル化合物としては、例えば、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、δ−ヘキサノラクトン、δ−オクタノラクトン等が挙げられる。前記スルホキシド化合物としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、ジプロピルスルホキシド、ジフェニルスルホキシド、チオフェン等が挙げられる。前記スルホン化合物としては、例えば、ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、ジプロピルスルホン、ジフェニルスルホン、スルホラン(テトラメチレンスルホンともいう)、3−メチルスルホラン、3,4−ジメチルスルホラン、3,4−ジフェニメチルスルホラン、スルホレン、3−メチルスルホレン、3−エチルスルホレン、3−ブロモメチルスルホレン等が挙げられ、スルホラン、テトラメチルスルホランが好ましい。前記アマイド化合物としては、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等が挙げられる。
前記有機溶媒のうち、飽和鎖状カーボネート化合物、鎖状エーテル化合物、環状エーテル化合物及び飽和鎖状エステル化合物は、非水電解質の粘度を低くすることができ、電解質イオンの移動性を高くすることができる等、出力密度等の電池特性を優れたものにすることができる。また、低粘度であるため、低温での非水電解質の性能を高くすることができ、特に飽和鎖状カーボネート化合物が好ましい。飽和鎖状カーボネート化合物としては、例えば、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルブチルカーボネート、メチル−t−ブチルカーボネート、ジイソプロピルカーボネート、t−ブチルプロピルカーボネート等が挙げられる。前記の鎖状エーテル化合物又は環状エーテル化合物としては、例えば、ジメトキシエタン、エトキシメトキシエタン、ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、1,2−ビス(メトキシカルボニルオキシ)エタン、1,2−ビス(エトキシカルボニルオキシ)エタン、1,2−ビス(エトキシカルボニルオキシ)プロパン、エチレングリコールビス(トリフルオロエチル)エーテル、プロピレングリコールビス(トリフルオロエチル)エーテル、エチレングリコールビス(トリフルオロメチル)エーテル、ジエチレングリコールビス(トリフルオロエチル)エーテル等が挙げられ、これらの中でも、ジオキソランが好ましい。
前記飽和鎖状エステル化合物としては、分子中の炭素数の合計が2〜8であるモノエステル化合物及びジエステル化合物が好ましく、具体的な化合物としては、例えば、ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソブチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、イソ酪酸メチル、トリメチル酢酸メチル、トリメチル酢酸エチル、マロン酸メチル、マロン酸エチル、コハク酸メチル、コハク酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、エチレングリコールジアセチル、プロピレングリコールジアセチル等が挙げられ、ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソブチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、及びプロピオン酸エチルが好ましい。
その他、非水電解質の調製に用いる有機溶媒として、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、ニトロメタンやこれらの誘導体、各種イオン液体を用いることもできる。
高分子ゲル電解質に用いる高分子としては、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリビニルクロライド、ポリアクリロニトリル、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリヘキサフルオロプロピレン等が挙げられる。純正高分子電解質に用いる高分子としては、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリスチレンスルホン酸が挙げられる。ゲル電解質中の配合比率、複合化の方法については特に制限はなく、本技術分野で公知の配合比率、公知の複合化方法を採用すればよい。
非水電解質は、電池寿命の向上、安全性向上等のため、例えば、電極被膜形成剤、酸化防止剤、難燃剤、過充電防止剤等、公知の他の添加剤を含んでもよい。他の添加剤を用いる場合、非水電解質全体に対し、通常0.01質量部〜10質量部であり、好ましくは、0.1質量部〜5質量部である。
以下に、実施例及び比較例により本発明を更に詳細に説明する。しかし、以下の実施例等により本発明は何等制限されるものではない。なお、実施例中の「部」や「%」は、特にことわらない限り質量によるものである。
〔硫黄変性ポリアクリロニトリルの製造〕
硫黄変性ポリアクリロニトリルを、特開2013−054957号公報の実施例で使用した反応装置を用いて製造した。具体的には、下記の手順で製造した。ポリアクリロニトリル粉末(シグマアルドリッチ製、平均粒径200μm)10部及び硫黄粉末(シグマアルドリッチ製、平均粒径200μm)30部を、乳鉢を用いて混合した。この混合物を特開2013−054957号公報の実施例に記載されたものと同様の円筒状ガラスビンに入れた。このガラスビンの下部をルツボ型電気炉に入れ、窒素気流下に発生する硫化水素を除去しながら400℃で1時間加熱した。冷却後、生成物をガラスチューブオーブンに入れ、真空吸引しつつ250℃で3時間加熱することにより単体硫黄を除去した。得られた硫黄変性ポリアクリロニトリルを、乳鉢を用いて、平均粒径が10μmになるまで粉砕し硫黄変性ポリアクリロニトリル粉末を得た。得られた硫黄変性ポリアクリロニトリル粉末の硫黄含量は38質量%であった。
〔負極電極シート1の製造〕
活物質として、92.0部の硫黄変性ポリアクリロニトリル粉末、導電助剤として5部のアセチレンブラック(電気化学工業製)、及びバインダとして1.5部のスチレン−ブタジエンゴム(40%水分散液、日本ゼオン製)及び1.5部のカルボキシメチルセルロースナトリウム(ダイセルファインケム製)を、溶剤として100部の水に添加し、自転・公転ミキサーを用いて分散しスラリーを調製した。このスラリーを厚さ20μm、幅60mmのステンレス箔の集電体における両面の全面に塗布し、乾燥、裁断することにより、有機硫黄系電極活物質として硫黄変性ポリアクリロニトリルを含む電極合剤層を有する負極電極シート1を製造した。負極電極シート1の長さは4mであり、片面あたりの電極合剤層の厚さは60μmであった。
〔正極電極シート1の製造〕
正極活物質として、90部のLiNi1/3Co1/3Mn1/3(日本化学工業製、以下、NCMという)、導電助剤として5部のアセチレンブラック(電気化学工業製)、及びバインダとして5部のポリフッ化ビニリデン(クレハ製)を、溶剤として100部のN−メチルピロリドンに添加し、自転・公転ミキサーを用いて分散しスラリーを調製した。
このスラリーを厚さ20μm、幅50mmのアルミニウム箔の集電体における両面の全面に塗布し、乾燥、裁断することにより、正極活物質としてNCMを含む電極合剤層を有する正極電極シート1を製造した。負極電極シート1の長さは4mであり、片面あたりの電極合剤層の厚さは62μm、電極合剤層が形成された部分の幅は50mmであった。
〔負極電極シート2の作製〕
負極活物質として97.5部の人造黒鉛、並びにバインダとして1.5部のスチレン−ブタジエンゴム(40%水分散液、日本ゼオン製)及び1.0部のカルボキシメチルセルロースナトリウムを、溶剤としての100部の水に添加し、自転・公転ミキサーを用いて分散しスラリーを調製した。このスラリーを厚さ20μm、幅60mmのステンレス箔における集電体の両面の全面に塗布し、乾燥、裁断することにより、負極活物質としてとして人造黒鉛を含む電極合剤層を有する負極電極シート2を調製した。負極電極シート1の長さは4mであり、負極電極シート2の電極合剤層における片面あたりの厚さは85μmであった。
〔負極電極シート3の作製〕
負極活物質として80.0部の一酸化ケイ素、導電助剤として5部のアセチレンブラック(電気化学工業製)、及びバインダとして15部のポリイミド(I.S.T製)を、溶剤としての100部のN−メチルピロリドンに添加し、自転・公転ミキサーを用いて分散しスラリーを調製した。このスラリーを厚さ20μm、幅60mmのステンレス箔の集電体の両面の全面に塗布し、乾燥、裁断することにより、負極活物質として一酸化ケイ素を含む電極合剤層を有する負極電極シート3を調製した。負極電極シート1の長さは4mであり、負極電極シート3の電極合剤層における片面あたりの厚さは35μmであった。
〔非水電解質の調製〕
エチレンカーボネート50体積%、ジエチルカーボネート50体積%からなる混合溶媒に、LiPFを1.0mol/Lの濃度で溶解し非水電解質を調製した。
〔捲回型電極の作製〕
縦60mm、横40mmで、縦方向と直交する断面の輪郭が、対向する一対の平坦部と、各平坦部の端部に連接し且つ外方に向かって凸状に湾曲する一対の湾曲部とからなる扁平形状であり、且つ、縦の側面における前記湾曲部の曲率半径、及び厚さが表1に示すとおりである4種のポリテトラフルオロエチレン製の板を巻き芯とし、幅が65mm、厚さ25μmのポリエチレン製の微多孔フィルムをセパレータとし、表2に示す組合せで、図1に示す構造を有する、実施例1〜4及び比較例1〜5の捲回型電極体をそれぞれ10個作製した。
Figure 2020045561
Figure 2020045561
〔電池の組み立て〕
実施例1〜4及び比較例1〜5の捲回型電極体と、非水電解質を用いて図2に示す構造を有する実施例1〜4及び比較例1〜5の捲回型非水電解質二次電池をそれぞれ10個作製した。なお、正極と負極は表3に示すとおりである。
Figure 2020045561
〔内部短絡試験〕
実施例1〜4及び比較例1〜5の捲回型非水電解質二次電池、それぞれ10個を、25℃の恒温槽に入れ、充電レート0.1C、放電レート0.1Cの充放電を5サイクル、次いで充電レート1C、放電レート1Cの充放電を10サイクル行った後、更に、充電レート1Cで充電した。なお、各電池の充電終止電圧及び放電終止電圧は表4のとおりとした。充電された電池を45℃の恒温槽に10日間放置した後、開回路電圧を測定し、開回路電圧が充電終止電圧よりも、0.5V以上低下していなければ、内部短絡がないものとみなした。表5に内部短絡がないものとみなされた電池の数を示す。
〔落下試験〕
内部短絡試験で、内部短絡がないものとみなされた電池について、再度、表4に示す充電終止電圧まで充電し、電極の端子のある面を除く5面について、50cmの高さからコンクリート床に、それぞれ5回ずつ落下させた。落下試験の途中で、発熱したものは落下により内部短絡が発生したものとみなし、以後の落下試験を行わなかった。所定の落下を終えた後、開回路電圧を測定し、開回路電圧が充電終止電圧よりも、0.3V以上低下していなければ、落下により内部短絡が発生しなかったものとみなした。表5に落下により内部短絡が発生しなかったとみなされた電池の数を示す。
Figure 2020045561
表4に示す結果から明らかなとおり、各実施例の電池は、内部短絡試験、及び落下試験の何れにおいても、短絡の発生が防止されていることが判る。

Claims (16)

  1. 長尺な正極電極シートと、長尺な負極電極シートと、該正極電極シート及び該負極電極シートの間に配された長尺なセパレータシートとが、それらの長尺方向に沿って捲回されてなる捲回型電極体であって、
    前記捲回型電極体は、捲回の軸と直交する断面視において、対向する一対の平坦部と、各平坦部の端部に連接し且つ外方に向かって凸状に湾曲する一対の湾曲部とからなる扁平形状の輪郭を有し、
    前記正極電極シート及び前記負極電極シートの何れか一方が、有機硫黄系電極活物質を含む電極合剤層を有し、
    前記湾曲部に位置する前記何れかの電極シートのうちの最内部に位置する電極シートの曲率半径が0.05mm〜1.0mmである捲回型電極体。
  2. 前記湾曲部に位置する前記何れかの電極シートのうちの最内部に位置する電極シートが、前記有機硫黄系電極活物質を含む電極合剤層を有する電極シートからなる、請求項1に記載の捲回型電極体。
  3. 前記有機硫黄系電極活物質の平均粒子径が0.5μm〜50μmである、請求項1又は2に記載の捲回型電極体。
  4. 前記負極電極シートが前記電極合剤層を有する、請求項1〜3の何れか1項に記載の捲回型電極体。
  5. 前記有機硫黄系電極活物質が硫黄変性ポリアクリロニトリルである、請求項1〜4の何れか1項に記載の捲回型電極体。
  6. 前記電極合剤層における有機硫黄系電極活物質の含有量が30質量%〜99.9質量%である、請求項1〜4の何れか1項に記載の捲回型電極体。
  7. 前記電極合剤層における有機硫黄系電極活物質の含有量が50質量%〜98質量%である、請求項6に記載の捲回型電極体。
  8. 硫黄変性ポリアクリロニトリルの硫黄含量が30〜55質量%である、請求項5に記載の捲回型電極体。
  9. 前記有機硫黄系電極活物質の平均粒子径が1〜20μmである、請求項3に記載の捲回型電極体。
  10. 前記有機硫黄系電極活物質を含む電極合剤層の厚さが、片面あたり、10μm〜200μmである、請求項1〜9の何れか1項に記載の捲回型電極体。
  11. 前記有機硫黄系電極活物質を含む電極合剤層が導電助剤及びバインダを更に含有し、前記電極合剤層におけるバインダの含有量が、有機硫黄系電極活物質と導電助剤との合計量100質量部に対し、1質量部〜20質量部である、請求項1〜10の何れか1項に記載の捲回型電極体。
  12. 前記バインダが、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリアクリロニトリル、ポリウレタン、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、フッ素ゴム、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、アクリロニトリルブタジエンゴム、スチレン−イソプレンゴム、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリレート、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、セルロースナノファイバー、ポリエチレンオキサイド、デンプン、ポリビニルピロリドン、ポリ塩化ビニル及びポリアクリル酸から選ばれる少なくとも一種である、請求項11に記載の捲回型電極体。
  13. 前記有機硫黄系電極活物質を含む電極合剤層を有し、
    前記有機硫黄系電極活物質が硫黄変性ポリアクリロニトリルであり、
    電極合剤層における硫黄変性ポリアクリロニトリルの含有量が50質量%〜98質量%であり、
    前記硫黄変性ポリアクリロニトリルの平均粒子径が1〜20μmであり、
    前記電極合剤層の厚さが、片面あたり、10μm〜200μmであり、且つ、
    前記電極合剤層が導電助剤及びバインダを更に含有し、
    前記電極合剤層におけるバインダの含有量が、有機硫黄系電極活物質と導電助剤との合計量100質量部に対し、1質量部〜20質量部であり、
    前記バインダが、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリアクリロニトリル、ポリウレタン、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、フッ素ゴム、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、アクリロニトリルブタジエンゴム、スチレン−イソプレンゴム、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリレート、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、セルロースナノファイバー、ポリエチレンオキサイド、デンプン、ポリビニルピロリドン、ポリ塩化ビニル及びポリアクリル酸から選ばれる少なくとも一種である、請求項1又は2に記載の捲回型電極体。
  14. 前記曲率半径が0.15mm〜0.5mmである、請求項13に記載の捲回型電極体。
  15. 請求項1〜14の何れか1項に記載の捲回型電極体と、非水電解質と、該捲回型電極体及び該非水電解質が収容された容器とを有する、捲回型非水電解質二次電池。
  16. 前記非水電解質がリチウム塩を含有するリチウムイオン二次電池である、請求項15に記載の捲回型非水電解質二次電池。
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