JPWO2020044385A1 - 香味成分送達装置 - Google Patents

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Abstract

容器内にセンサを設けることなく容器内のたばこ等の香味源に含まれる香味源の状態を推定する。香味成分送達装置は、香味源を収容し、前記香味源の香味成分を含んだ気体及び/又はエアロゾルを放出するように構成された香味容器と、前記香味容器を通って吸口に向かう流路における前記香味容器の上流側又は下流側に配置された第1センサと、前記第1センサの測定結果に基づいて、前記香味容器内の前記香味源の状態を推定するように構成された制御部と、を有する。

Description

本発明は、香味成分送達装置に関する。
従来、たばこ等に含まれる香味成分を含んだ気体及び/又はエアロゾルを、使用者の吸引に応じて口内に送達するように構成される香味成分送達装置が知られている。このような香味成分送達装置では、たばこを収容したポッド状又はロッド状等の容器が使用される。
特許文献1は、エアロゾル又は蒸気の温度を測定する電子シガレットを開示している。
国際公開第2017/084489号公報
上述した容器に収容されたたばこの状態、例えば温度を直接的に測定するには、容器内にセンサを設ける必要がある。しかしながら、容器内にセンサを設けることは必ずしも容易ではない。また、このような容器は使用後に交換可能な場合があり、容器自体にセンサを設けるとコストが増加するという問題もある。
本発明の目的は、容器内にセンサを設けることなく容器内のたばこ等の香味源に含まれる香味源の状態を推定することである。
第1形態によれば、香味成分送達装置が提供される。この香味成分送達装置は、香味源を収容し、前記香味源の香味成分を含んだ気体及び/又はエアロゾルを放出するように構成された香味容器と、前記香味容器を通って吸口に向かう流路における前記香味容器の上流側又は下流側に配置された第1センサと、前記第1センサの測定結果に基づいて、前記香味容器内の前記香味源の状態を推定するように構成された制御部と、を有する。
第2形態によれば、第1形態の香味成分送達装置において、前記香味容器内の前記香味源を加熱するように構成された加熱機構をさらに有し、前記加熱機構の少なくとも一部は、前記香味容器の外壁に沿って配置されている。
第3形態によれば、第2形態の香味成分送達装置において、前記加熱機構は、交流磁界を発生させる誘導コイルと、前記交流磁界により誘導加熱されるサセプタと、を含み、前記誘導コイルは、前記香味容器の外壁に沿って配置され、前記サセプタは、前記香味源と一緒に前記香味容器に収容されている。
第4形態によれば、第3形態の香味成分送達装置において、前記香味源及び/又は前記サセプタが粉状体を含んでおり、前記香味容器は、前記粉状体が前記香味容器の外部に流出するのを防止し且つ前記気体及び/又はエアロゾルを通過させる隔壁を有している。
第5形態によれば、第4形態の香味成分送達装置において、前記サセプタが粉状体を含んでおり、前記サセプタとしての前記粉状体の少なくとも一部が前記香味源で被覆されている。
第6形態によれば、第3形態から第5形態のいずれかの香味成分送達装置において、前記香味容器は、少なくとも部分的に前記誘導コイルに取り囲まれた第1領域と、前記コイルに取り囲まれずに前記第1領域に隣接して配置された第2領域と、を含み、前記香味源及び前記サセプタは、前記第1領域のみに配置されている。
第7形態によれば、第3形態又は第4形態に従属する第6形態の香味成分送達装置において、前記サセプタは、前記誘導コイルの少なくとも一方の端部から前記誘導コイルの外側に突き出した長尺形状を有している。
第8形態によれば、第2形態から第7形態のいずれかの香味成分送達装置において、前記制御部は、前記第1センサの測定結果に基づいて、前記加熱機構による前記香味源の加熱温度を制御するように構成されている。
第9形態によれば、第8形態の香味成分送達装置において、前記制御部は、前記香味容器内の前記香味成分又は他の成分がエアロゾル化される温度よりも低い温度で加熱されるように、前記加熱温度を制御するように構成されている。
第10形態によれば、第1形態から第9形態のいずれかの香味成分送達装置において、前記制御部は、前記第1センサの測定結果に基づいて、前記吸口を介した使用者の吸引を検知するように構成されている。
第11形態によれば、第1形態から第10形態のいずれかの香味成分送達装置において、前記第1センサは、前記流路における前記香味容器の下流側に配置されるとともに、前記香味容器から放出された前記気体及び/又はエアロゾルの状態を表す物理量を測定するように構成されている。
第12形態によれば、第11形態の香味成分送達装置において、前記第1センサは、前記香味容器から放出された前記気体及び/又はエアロゾルの温度を測定するように構成されている。
第13形態によれば、第12形態の香味成分送達装置において、前記第1センサを収容するハウジングと、前記第1センサと前記ハウジングとの間に設置された断熱材と、をさらに有する。
第14形態によれば、第11形態の香味成分送達装置において、前記第1センサは、前記香味容器から放出された前記気体及び/又はエアロゾルに含まれる成分の濃度を測定するように構成されている。
第15形態によれば、第11形態から第14形態のいずれかの香味成分送達装置において、前記流路における前記香味容器の上流側に配置された第2センサをさらに有し、前記制御部は、前記第1センサと前記第2センサの両方の測定結果に基づいて、前記香味容器内の前記香味源の状態を推定するように構成されている。
第16形態によれば、第15形態の香味成分送達装置において、前記第1センサはガス成分濃度センサであり、前記第2センサは温度センサであり、前記制御部は、前記第2センサの測定結果に基づいて、前記吸口を介した使用者の吸引を検知し、前記使用者の吸引を検知したとき、前記第1センサで測定した前記香味容器が放出する香味成分を含んだ気体及び/又はエアロゾルの成分の濃度が、所定値に達しているか否かを判定する。
第17形態によれば、第11形態から第16形態のいずれかの香味成分送達装置において、前記吸口から前記流路の上流に向かって気体が流入するのを防止する逆止弁をさらに有する。
第18形態によれば、第1形態から第17形態のいずれかの香味成分送達装置において、前記流路は、前記香味成分送達装置の外部から空気を取り入れるように構成された空気入口と、前記香味容器から放出された前記気体及び/又はエアロゾルを前記吸口に導くように構成された放出路と、を有し、前記空気入口は、前記流路における前記放出路の上流側のみに設けられている。
第19形態によれば、第1形態から第18形態のいずれかの香味成分送達装置において、エアロゾル生成部と、前記エアロゾル生成部で生成したエアロゾルを前記香味容器内に導く流入路と、をさらに有する。
第20形態によれば、香味成分送達装置が提供される。香味成分送達装置は、香味源を収容し、前記香味源の香味成分を含んだ気体及び/又はエアロゾルを放出するように構成された香味容器と、前記香味容器を通って吸口に向かう流路における前記香味容器の下流側に配置され、かつ前記香味容器から放出された前記気体及び/又はエアロゾルの状態を表す物理量を測定するように構成されたセンサと、前記センサの測定結果に基づいて、前記吸口を介した使用者の吸引を検知するように構成された制御部と、を有する。
第1実施形態に係る香味成分送達装置の概略断面図である。 第2実施形態に係る香味成分送達装置の概略断面図である。 第3実施形態に係る香味成分送達装置の概略断面図である。 第4実施形態に係る香味成分送達装置の概略断面図である。 第5実施形態に係る香味成分送達装置の概略断面図である。 第6実施形態に係る香味成分送達装置の概略断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。以下で説明する図面において、同一の又は相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係る香味成分送達装置の概略断面図である。香味成分送達装置10は、バッテリ部20と、本体部30と、を有する。バッテリ部20は、バッテリ21と、制御部22とを有する。本体部30は、ハウジング31と、吸口32と、香味容器40と、誘導コイル61と、を有する。ハウジング31は、バッテリ部20と接続可能に構成される。ハウジング31は、バッテリ部20と接続したときに、バッテリ21と誘導コイル61とを制御部22を介して電気的に接続するための図示しない配線を有する。
吸口32は、ハウジング31の一端に接続される。なお、吸口32は、ハウジング31と一体に形成されていてもよい。ハウジング31は、バッテリ部20との接続部付近に空気入口35を有する。空気入口35は、使用者が吸口32を吸引したときに、香味成分送達装置10の外部からハウジング31の内部に空気を取り入れるように構成される。本実施形態では、吸口32は逆止弁36を有する。逆止弁36は、吸口32から空気流路の上流に向かって気体が流入するのを防止することができる。
ハウジング31は、その内部に、空気入口35から通過した空気が香味容器40に到達するまでの流入路51と、香味容器40から放出される気体及び/又はエアロゾルが吸口32に到達するまでの放出路52と、を有する。空気入口35から流入した空気は、流入路51を通って香味容器40の内部を通過する。香味容器40内に流入した空気は、後述するように香味容器40から生じる香味成分を含んだ気体及び/又はエアロゾルを伴って、放出路52を通じて吸口32からユーザの口内へ到達する。したがって、空気入口35、流入路51、香味容器40の内部、放出路52、及び吸口32により、空気の流路が形成される。ここで、図1に示すように、空気入口35は、放出路52の上流側のみに設けられ、香味成分送達装置10の外部からの空気の流入は空気入口35からのみ行われる。言い換えれば、香味成分送達装置10では、外部から放出路52に直接空気が流入しないように構成される。
香味容器40は、ハウジング31の内部に着脱可能に収容される。香味容器40は、その内部に、たばこ源42(香味源の一例に相当する)と、電磁誘導によって発熱可能な任意の材料からなるサセプタ44とを含む。たばこ源42とサセプタ44は、互いに熱交換が可能な状態で香味容器40内に収容される。例えば、たばこ源42とサセプタ44は、香味容器40内で流動可能な状態で収容されていてもよいし、例えば圧縮又は接着等により実質的に流動不可能な状態で収容されていてもよい。図示の実施形態では、たばこ源42及びサセプタ44は、所定の粒径を有する粉状体である。なお、これに限らず、たばこ源42及びサセプタ44は、柱状又はシート状等の任意の形状であり得る。また、サセプタ44をリング形又はトーラス形とすることにより、発熱効率を向上させ得る。サセプタ44は、その少なくとも一部がたばこ源42により被覆されていてもよい。
香味容器40は、例えば略筒状であり、上流側に位置する底壁40a(隔壁の一例に相当する)と、側壁40b(外壁の一例に相当する)と、フィルタ45(隔壁の一例に相当する)と、を有する。側壁40bは、例えば樹脂等で形成され、気体を通過させないように構成される。底壁40aは、例えば樹脂等で形成され、一以上の孔を有する。底壁40aは、粉状のたばこ源42及びサセプタ44が香味容器40の外部に流出するのを防止し且つ孔を通じて空気入口35の空気を通過させるように構成される。フィルタ45は、香味容器40の内部又は端部に設けられ、香味容器40の下流側の端面を構成する。フィルタ45は、粉状のたばこ源42及びサセプタ44が香味容器40の外部に流出するのを防止し且つ香味容器40から生じた香味成分を含んだ気体及び/又はエアロゾルを通過させるように構成される。
誘導コイル61は、香味容器40の側壁40bに沿ってハウジング31に配置される。図示の例では、誘導コイル61は、ハウジング31に固定される。誘導コイル61は、交流磁界を発生させて、香味容器40内のサセプタ44を誘導加熱させるように構成される。サセプタ44が誘導コイル61により誘導加熱されることにより、香味容器40内に収容されたたばこ源42及びたばこ源42に含まれるニコチン等の香味成分が加熱される。したがって、誘導コイル61とサセプタ44は、たばこ源42及びこれに含まれる香味成分を加熱する加熱機構を構成する。
図示のように、香味容器40は、上流側に位置し、たばこ源42及びサセプタ44が収容される第1領域A1と、下流側に位置し、フィルタ45が配置される第2領域A2とを有する。第1領域A1は、少なくとも部分的に誘導コイル61に取り囲まれる。また、第2領域A2は、誘導コイル61には取り囲まれず、第1領域A1に隣接して配置される。たばこ源42及びサセプタ44は、第1領域A1にのみ配置され、第2領域A2には配置されない。
制御部22は、誘導コイル61に流す電流を制御するように構成され、それにより、香味容器40内のたばこ源42の加熱温度を制御することができる。制御部22は、たばこ源42に含まれるニコチン等の香味成分又は他の成分がエアロゾル化される温度よりも低い温度で加熱されるように、加熱温度を制御することができる。また、制御部22は、たばこ源42に含まれるニコチン等の香味成分又は他の成分がエアロゾル化される温度と同じか、又はそれよりも高い温度で加熱されるように、加熱温度を制御することもできる。その場合、制御部22は、香味容器40内のたばこ源42が燃焼しないように、加熱温度を制御することができる。
香味成分送達装置10の制御部22は、誘導コイル61に流す電流を制御して、たばこ源42に含まれる香味成分を蒸発させる。使用者が吸口32を吸引すると、空気入口35からの空気が香味容器40に流入する。香味容器40は、たばこ源42から蒸発した香味成分を放出する。香味成分を含む気体及び/又はエアロゾルは、香味容器40内に流入した空気と共に使用者の口内に到達する。
香味成分送達装置10はさらに、香味容器40の下流側に設けられた下流側センサ72を有する。第1実施形態では、下流側センサ72は、温度センサである。具体的には、下流側センサ72は、香味容器40が放出する香味成分を含む気体及び/又はエアロゾルの温度(物理量の一例に相当する)を測定又は推定するように構成される。なお、他の実施形態では、下流側センサ72は、ガス成分濃度センサ等の化学センサであり得る。この場合、下流側センサ72は、香味容器40が放出する香味成分を含む気体及び/又はエアロゾルの成分の濃度(物理量の一例に相当する)を測定又は推定するように構成される。
下流側センサ72は、ハウジング31の内部に収容され、例えば、図示のようにハウジング31に直接又は間接的に固定される。一実施形態では、図示のように、下流側センサ72とハウジング31との間には断熱材33が配置される。これにより、下流側センサ72へのハウジング31外部の温度の影響を低減することができる。
下流側センサ72は、制御部22と電気的に接続され、検知したデータを制御部22に送信可能に構成される。具体的には、制御部22は、下流側センサ72から、香味容器40が放出する香味成分を含む気体及び/又はエアロゾルの温度を示すデータを受信する。制御部22は、受信した温度データに基づいて、香味容器40内のたばこ源42の状態を推定するように構成される。具体的には、制御部22は、受信した温度データに基づいて、香味容器40内のたばこ源42の温度がどの程度かを推定することができる。即ち、制御部22は、例えば、受信した温度から所定値だけ高い温度を、香味容器40内のたばこ源42の温度であると推定することができる。また、制御部22は、受信した温度データに基づいて、香味容器40内の香味成分の残量がどの程度かを推測することができる。具体的には、制御部22は、受信した温度データに基づいて、たばこ源42の熱履歴、即ちたばこ源42の加熱温度と加熱時間の記録から、香味成分の放出量を推定し、所定の閾値を超えたときに香味成分の残量が不足したことを推定することができる。
また、下流側センサ72がガス成分濃度センサである場合においても、制御部22は、受信した成分濃度データに基づいて、香味容器40内の香味成分の残量がどの程度かを推定することができる。具体的には、制御部22は、受信したガス成分濃度のデータに基づいて、たばこ源42から放出された香味成分の累積量を測定又は推定し、この累積量が所定の閾値を超えた場合に香味成分の残量が所定の下限を下回ったと推定することができる。また、制御部22は、受信したガス成分濃度データに基づいて、たばこ源42に含まれる香味成分の蒸発速度を推定することができる。具体的には、制御部22は、受信したガス成分濃度データに基づいて、所定時間当たりのたばこ源42から放出された香味成分の量を測定又は推定することで、香味成分の蒸発速度を推定することができる。
また、制御部22は、下流側センサ72から受信したデータに基づいて、たばこ源42の劣化又は変質(香味源の状態の一例に相当する)を推定することができる。具体的には、制御部22は、ユーザが吸引していないときに下流側センサ72から受信した成分濃度データが所定の閾値よりも大きいとき、たばこ源42の劣化又は変質に伴って発生する揮発性成分が下流側に滞留していると判断することができる。
また、制御部22は、下流側センサ72の測定結果に基づいて、誘導コイル61及びサセプタ44によるたばこ源42に含まれる香味成分の加熱温度を制御するように構成される。具体的には例えば、制御部22は、香味容器40内の香味成分の温度が目標温度よりも高いと推定したときは、誘導コイル61に流れる電流値を下げて、誘導コイル61及びサセプタ44による加熱を弱めることができる。一方で、制御部22は、香味容器40内の香味成分の温度が目標温度よりも低いと推定したときは、誘導コイル61に流れる電流値を上げて、誘導コイル61及びサセプタ44による加熱を強めることができる。目標温度は常に一定の値であってもよいし、加熱機構の起動後の経過時間、又は使用者の吸引回数若しくは吸引時間等に応じて変動する値であってもよい。また、例えば、制御部22は、香味容器40内の香味成分の残量が所定値よりも少なくなったと推定したときは、誘導コイル61及びサセプタ44による加熱を強めて、香味成分の蒸発量を増加させることができる。
また、制御部22は、下流側センサ72の測定結果に基づいて、吸口32を介した使用者の吸引を検知することができる。具体的には、使用者が吸口32から吸引すると、空気入口35から吸口32までの気体及び/又はエアロゾルの流れにより、下流側センサ72が検出する温度が変化する。そこで、制御部22は、下流側センサ72から連続的又は間欠的に温度データを受信し、受信した温度に所定値以上の変化があったか否かを判定する。制御部22は、受信した温度に所定値以上の変化があったと判定したときに、使用者の吸引があったと判定する。
制御部22は、下流側センサ72を用いた吸引検知結果に応じて加熱機構の制御を切り替えることができる。例えば、制御部22は、吸引検知後の一定期間にわたり加熱機構への電力供給を増やすことで、吸引によって香味容器及び/又は加熱機構から奪われた熱を補填することができる。また、制御部22は、装置起動後の吸引回数又は吸引時間等を不図示のメモリに記憶し、その吸引回数又は吸引時間等が一定値に達したら加熱機構への電力供給を終了することができる。これにより、香味容器40内の香味成分残量が少なくなったときに使用者が同じ香味容器40を続けて使用することを防止できる。なお、香味成分送達装置10は、使用者による吸引の有無を問わずに加熱機構を駆動してもよいし、使用者による吸引が検知された期間のみ加熱機構を駆動してもよい。後者の場合、吸引が検知されない期間中は加熱機構が駆動されないので、香味容器40内の香味源が加熱されるまでの合計の電力消費を抑えることができる。香味成分送達装置10は、下流側センサ72とは別個の吸引センサを有することができる。
また、下流側センサ72がガス成分濃度センサである場合には、検出される成分濃度が変化する。そこで、制御部22は、下流側センサ72がガス成分濃度センサである場合には、下流側センサ72から連続的又は間欠的に濃度データを受信し、受信した濃度に所定値以上の変化があったか否かを判定する。制御部22は、受信した濃度に所定値以上の変化があったと判定したときに、使用者の吸引があったと判定する。
上述したように、第1実施形態の香味成分送達装置10によれば、制御部22が下流側センサ72の測定結果に基づいて、香味容器40内の香味成分の状態を推定することができる。したがって、香味容器40内にセンサを設けることなく、シンプルな構成で、香味容器40内のたばこ源42に含まれる香味成分の状態を推定することができる。なお、第1実施形態のように、加熱源である誘導コイル61が香味容器40の外部にある場合には、香味容器40の内部に温度を検知できる機構(温度センサ等)を配置することは困難である。このため、第1実施形態によれば、香味容器40の内部にセンサを配置する必要が無いので、加熱源が香味容器40の外部に位置する場合に特に有用である。
また、第1実施形態では、香味容器40内に粉状体のたばこ源42及びサセプタ44を収容して、サセプタ44を介してたばこ源42を加熱している。これにより、サセプタ44を香味容器40内に分散して配置することができるので、たばこ源42をより均等に加熱することができる。
第1実施形態では、誘導コイル61は、少なくとも部分的に第1領域A1を取り囲むように配置され、第2領域A2は誘導コイル61に取り囲まれない。したがって、香味成分の蒸発には寄与しない第2領域A2の周囲に誘導コイル61が配置されないので、誘導コイル61のコイル長さを必要最小限に抑えることができる。
なお、第1実施形態では、香味成分の加熱機構として誘導コイル61及びサセプタ44を採用しているが、これに限らず、加熱機構として抵抗加熱ヒータを採用することもできる。その場合は、香味容器40内にサセプタ44は不要である。また、第1実施形態では、香味容器40内にたばこ源42とサセプタ44を収容しているが、さらに水、グリセリン、又はプロピレングリコール等のエアロゾル源を収容してもよい。その場合は、香味容器40は、香味成分を含む気体と共にエアロゾルを放出するように構成される。
第1実施形態では、制御部22は、第1センサの測定結果に基づいて、香味容器40内の香味成分の加熱温度を制御することができる。したがって、香味成分送達装置10は、香味成分の加熱温度を目標値に近づけることができ、所望の量の香味成分を含んだ気体及び/又はエアロゾルを生成することができる。
第1実施形態では、制御部22は、香味容器40内の香味成分又はたばこ源42に含まれる他の成分がエアロゾル化される温度よりも低い温度で加熱されるように、加熱温度、即ち誘導コイル61を制御することができる。例えば、雰囲気温度が常温の場合は、たばこ源42中の香味成分及び他の成分は約150℃以上で加熱されるとエアロゾル化される。制御部22は、たばこ源42が150℃未満で加熱されるように、加熱温度を制御することができ、これにより、香味成分を実質的に不可視の状態で使用者に送達することができる。また、たばこ源42をより低温で加熱することにより、たばこ源42に含まれる香味成分等が枯渇することを遅らせることができるので、長期間にわたって香味成分を使用者に提供することができる。例えば、たばこ源42の加熱温度は、好ましくは100℃以下であり、より好ましくは80℃以下であり得る。他方、所望の量の香味成分を送達するためには、たばこ源42の加熱温度は常温以上であり、好ましくは40℃以上であり得る。
第1実施形態では、制御部22は、下流側センサ72の測定結果に基づいて、吸口32を介した使用者の吸引を検知することができる。したがって、パフ検知用センサを下流側センサ72とは別に設ける必要が無く、香味成分送達装置10の部品点数を低減し、構造を簡素化することができる。
第1実施形態では、下流側センサ72とハウジング31との間に断熱材33が配置される。これにより、下流側センサ72へのハウジング31外部の温度の影響を低減することができる。したがって、断熱材33は、下流側センサ72が温度センサである場合に特に有効である。
第1実施形態では、香味成分送達装置10は、吸口32から放出路52(流路の一部)に向かって気体が流入するのを防止する逆止弁36を有する。これにより、吸口32から空気が流入することによる下流側センサ72への影響を抑制することができ、特に、吸口32を介した使用者の吹込みによる下流側センサ72の誤検知を防止することができる。
第1実施形態では、空気入口35は、放出路52の上流側のみに設けられ、香味成分送達装置10の外部からの空気の流入は空気入口35からのみ行われる。言い換えれば、香味成分送達装置10では、放出路52へ外部から直接空気が流入しないように構成される。これにより、香味容器40の内部から放出された気体及び/又はエアロゾルが外気により冷却されることを防止することができるので、下流側センサ72による気体及び又はエアロゾルの温度をより正確に測定することができる。
<第2実施形態>
図2は、第2実施形態に係る香味成分送達装置10の概略断面図である。第2実施形態に係る香味成分送達装置10は、第1実施形態に係る香味成分送達装置10と比べて、下流側センサ72の代わりに上流側センサ74を備える点、及び香味容器40の構成が異なる。ただし、図2に示す香味容器40の代わりに、他の実施形態における香味容器40の構成が採用されてもよいし、図2に示す香味容器40の構成が、他の実施形態に採用されてもよい。
図示のように、香味成分送達装置10は、香味容器40の上流側に設けられた上流側センサ74を有する。第2実施形態では、上流側センサ74は、空気入口35から香味容器40に流入する空気の温度(物理量の一例に相当する)を測定するように構成される。他の実施形態では、上流側センサ74は、ガス成分濃度センサであり得る。この場合、上流側センサ74は、香味容器40に流入する気体の成分の濃度(物理量の一例に相当する)を測定するように構成される。
上流側センサ74は、ハウジング31の内部に収容され、例えば、図示のようにハウジング31に直接又は間接的に固定される。一実施形態では、図示のように、上流側センサ74とハウジング31との間には断熱材34が配置される。これにより、上流側センサ74へのハウジング31外部の温度の影響を低減することができる。
上流側センサ74は、制御部22と電気的に接続され、検知したデータを制御部22に送信可能に構成される。具体的には、制御部22は、空気入口35から香味容器40に流入する空気の温度を示すデータを上流側センサ74から受信する。制御部22は、受信した温度データに基づいて、香味容器40内のたばこ源42の状態を推定するように構成される。具体的には、制御部22は、受信した温度データに基づいて、香味容器40内のたばこ源42の温度がどの程度変動し得るかを推定することができる。香味容器40内のたばこ源42の温度は、香味容器40に流入する空気の温度によって変動し得る。具体的には、例えば、香味容器40に流入する空気の温度が所定値よりも低い場合、香味容器40内のたばこ源42の温度は想定よりも低くなり得る。したがって、制御部22は、受信した温度(香味容器40に流入する空気の温度)に応じて誘導コイル61を制御することで、流入する空気の温度によらず、たばこ源42の加熱温度を目標温度に近づけることができる。
上流側センサ74がガス成分濃度センサである場合は、制御部22は、上流側センサ74から受信したデータに基づいて、たばこ源42の劣化又は変質(香味源の状態の一例に相当する)を推定することができる。具体的には、制御部22は、ユーザが吸引していないときに上流側センサ74から受信した成分濃度データが所定の閾値よりも大きいとき、たばこ源42の劣化又は変質に伴って発生する揮発性成分が上流側に滞留していると判断することができる。
香味容器40は、その内部に、たばこ源42(香味源の一例に相当する)と、電磁誘導によって発熱可能な任意の材料からなるサセプタ44とを含む。図示の実施形態では、たばこ源42は、所定の粒径を有する粉状体である。サセプタ44は、香味成分送達装置10の流路の方向に延びる柱状又は板状等の長尺形状を有する。また、サセプタ44は、誘導コイル61の少なくとも一方の端部(図示の例では下流側の端部)からサセプタ44の端部が外側に突き出るように配置される。これにより、誘導コイル61によるサセプタ44への加熱効率を向上させることができる。なお、サセプタ44は、その両端が誘導コイル61の両端から外側に突き出るように構成されていてもよい。一方で、図示のようにサセプタ44の一端(図示の例では上流側の端部)が誘導コイル61の内側に位置する場合は、サセプタ44の端部は誘導コイル61の端部の近傍まで延びていることが好ましい。たばこ源42の形状は、粉状体に限らず柱状又はシート状等の任意の形状であり得る。また、サセプタ44は、その少なくとも一部がたばこ源42により被覆されていてもよい。
<第3実施形態>
図3は、第3実施形態に係る香味成分送達装置10の概略断面図である。第3実施形態に係る香味成分送達装置10は、第1実施形態に係る香味成分送達装置10と比べて、上流側センサ74をさらに備える点が異なる。
上流側センサ74及び下流側センサ72は、空気入口35から流入した空気の温度を検知するように構成される。なお、他の実施形態では、上流側センサ74及び/又は下流側センサ72は、ガス成分濃度センサであり得る。
上流側センサ74及び下流側センサ72は、制御部22と電気的に接続され、検知したデータを制御部22に送信可能に構成される。制御部22は、上流側センサ74及び下流側センサ72の測定結果に基づいて、香味容器40内のたばこ源42の状態を推定するように構成される。具体的には、制御部22は、受信したそれぞれの温度データに基づいて、香味容器40内のたばこ源42の温度がどの程度かを推定することができる。即ち、制御部22は、上流側センサ74から受信した温度、即ち香味容器40に流入する空気の温度が過度に高いか又は低い場合、下流側センサ72が香味成分送達装置10の外部の温度の影響を受け得る。このため、制御部22は、上流側センサ74から受信した温度が所定値(例えば30℃)を超える場合には、下流側センサ72の測定結果に基づいて推定する香味容器40内のたばこ源42の温度を、通常より低めに推定することができる。また、制御部22は、上流側センサ74から受信した温度が所定値(例えば10℃)を下回る場合には、下流側センサ72の測定結果に基づいて推定する香味容器40内のたばこ源42の温度を、通常より高めに推定することができる。
このように、第3実施形態では、香味成分送達装置10は、上流側センサ74及び下流側センサ72を有するので、高温環境下又は低温環境下でも、香味容器40内のたばこ源42の状態をより精度よく推定することができる。
また、上流側センサ74及び下流側センサ72が、ガス成分濃度センサである場合には、制御部22は、上流側センサ74で測定した成分濃度値と、下流側センサ72で測定した成分濃度値との差分を求めることにより、たばこ源42から由来した成分量を求めることができる。一例として、上流側センサ74及び下流側センサ72により、たばこ源42から由来した香味成分の濃度を測定又は推定することで、制御部22は、香味容器40内の香味成分がどの程度蒸発したか(たばこ源42の状態)を推定することができる。また、他の例として、上流側センサ74及び下流側センサ72により、たばこ源42から由来した一酸化炭素又は二酸化炭素等の成分の濃度を測定又は推定することで、制御部22は、香味容器40内のたばこ源42が過剰に熱分解を生じていないか(たばこ源42の状態)を推定することができる。これにより、制御部22は、たばこ源42から由来した成分量に基づいて、誘導コイル61への電力量、即ちサセプタ44を介したたばこ源42の香味成分の加熱温度を制御することができる。
上流側センサ74及び/又は下流側センサ72がガス成分濃度センサである場合には、上述したように、制御部22は、上流側センサ74及び/又は下流側センサ72から受信したデータに基づいて、たばこ源42の劣化又は変質を推定することができる。
さらに、上流側センサ74が温度センサであり、下流側センサ72がガス成分濃度センサである場合には、制御部22は、まず上流側センサ74の測定結果に基づいて、吸口32を介した使用者の吸引を検知する。具体的には、使用者が吸口32から吸引すると、空気入口35から吸口32までの気体及び/又はエアロゾルの流れにより、上流側センサ74が検出する温度が変化する。そこで、制御部22は、上流側センサ74から連続的又は間欠的に温度データを受信し、受信した温度に所定値以上の変化があったか否かを判定する。制御部22は、受信した温度に所定値以上の変化があったと判定したときに、使用者の吸引があったと判定する。
続いて、下流側センサ72は、香味容器40が放出する香味成分を含む気体及び/又はエアロゾルの成分の濃度を測定又は推定する。制御部22は、上流側センサ74の測定結果に基づいて使用者の吸引を検知したとき、下流側センサ72で測定又は推定した気体及び/又はエアロゾルの成分の濃度が所定値に達しているか否かを判定する。濃度が所定値に達していない場合、制御部22は、香味容器40内のたばこ源42に含まれる香味成分の残量が不足していると判定することができる。
<第4実施形態>
図4は、第4実施形態に係る香味成分送達装置10の概略断面図である。第4実施形態に係る香味成分送達装置10は、第3実施形態に係る香味成分送達装置10と比べて、たばこ源42とは別体のエアロゾル生成部を備える点が異なる。
図示のように、香味成分送達装置10は、香味容器40の上流側、即ち流入路51にエアロゾル生成部76を備える。エアロゾル生成部76は、例えば図示しないエアロゾル源と、加熱要素等を含む。エアロゾル生成部76の加熱要素は、制御部22を介してバッテリ21と電気的に接続され、バッテリ21により電力が供給される。これにより、加熱要素がエアロゾル源を加熱して、エアロゾルを生成することができる。
エアロゾル生成部76で生成されたエアロゾルは、使用者の吸引により空気入口35から流入した空気と共に、香味容器40の内部に流入する。エアロゾル生成部76から香味容器40までの間の流路は、エアロゾル生成部76で生成されたエアロゾルを香味容器40に導く流入路を構成する。制御部22は、誘導コイル61に流す電流を制御して、香味容器40内のたばこ源42に含まれる香味成分を蒸発させる。エアロゾルは、たばこ源42から蒸発した香味成分を取り込みながら、香味容器40から放出され、放出路52及び吸口32を通じて使用者の口内に到達する。
上流側センサ74は、空気入口35から流入した空気及び/又はエアロゾル生成部76が生成したエアロゾルの温度を検知するように構成される。下流側センサ72は、香味容器40から放出された、香味成分を含む気体及び/又はエアロゾルの温度を検知するように構成される。なお、他の実施形態では、上流側センサ74及び/又は下流側センサ72は、ガス成分濃度センサであり得る。
上流側センサ74及び下流側センサ72は、制御部22と電気的に接続され、検知したデータを制御部22に送信可能に構成される。制御部22は、上流側センサ74及び下流側センサ72の測定結果に基づいて、香味容器40内のたばこ源42の状態を推定するように構成される。
具体的には、制御部22は、受信したそれぞれの温度データに基づいて、香味容器40内のたばこ源42の温度がどの程度かを推定することができる。即ち、制御部22は、上流側センサ74から受信した温度、即ち香味容器40に流入する空気及び/又はエアロゾルの温度が過度に高いか又は低い場合、下流側センサ72が香味成分送達装置10の外部の温度の影響を受け得る。このため、制御部22は、上流側センサ74から受信した温度が所定値(例えば30℃)を超える場合には、下流側センサ72の測定結果に基づいて推定する香味容器40内のたばこ源42の温度を、通常より低めに推定することができる。また、制御部22は、上流側センサ74から受信した温度が所定値(例えば10℃)を下回る場合には、下流側センサ72の測定結果に基づいて推定する香味容器40内のたばこ源42の温度を、通常より高めに推定することができる。
また、上流側センサ74及び下流側センサ72が、ガス成分濃度センサである場合には、制御部22は、上流側センサ74で測定した成分濃度値と、下流側センサ72で測定した成分濃度値との差分を求めることにより、たばこ源42から由来した成分量を求めることができる。一例として、上流側センサ74及び下流側センサ72により、たばこ源42から由来した香味成分の濃度を測定又は推定することで、制御部22は、香味容器40内の香味成分がどの程度エアロゾルに取り込まれたか(たばこ源42の状態)を推定することができる。また、他の例として、上流側センサ74及び下流側センサ72により、たばこ源42から由来した一酸化炭素又は二酸化炭素等の成分の濃度を測定又は推定することで、制御部22は、香味容器40内のたばこ源42が過剰に熱分解を生じていないか(たばこ源42の状態)を推定することができる。これにより、制御部22は、たばこ源42から由来した成分量に基づいて、エアロゾル生成部76の加熱要素の加熱温度、即ちエアロゾルの生成量を制御することができる。
上流側センサ74及び/又は下流側センサ72がガス成分濃度センサである場合には、上述したように、制御部22は、上流側センサ74及び/又は下流側センサ72から受信したデータに基づいて、たばこ源42の劣化又は変質を推定することができる。
さらに、上流側センサ74が温度センサであり、下流側センサ72がガス成分濃度センサである場合には、制御部22は、まず上流側センサ74の測定結果に基づいて、吸口32を介した使用者の吸引を検知する。具体的には、使用者が吸口32から吸引すると、空気入口35から吸口32までの気体及び/又はエアロゾルの流れにより、上流側センサ74が検出する温度が変化する。そこで、制御部22は、上流側センサ74から連続的又は間欠的に温度データを受信し、受信した温度に所定値以上の変化があったか否かを判定する。制御部22は、受信した温度に所定値以上の変化があったと判定したときに、使用者の吸引があったと判定する。
続いて、下流側センサ72は、香味容器40が放出する香味成分を含む気体及び/又はエアロゾルの成分の濃度を測定又は推定する。制御部22は、上流側センサ74の測定結果に基づいて使用者の吸引を検知したとき、下流側センサ72で測定又は推定した気体及び/又はエアロゾルの成分の濃度が所定値に達しているか否かを判定する。濃度が所定値に達していない場合、制御部22は、香味容器40内のたばこ源42に含まれる香味成分の残量が不足していると判定することができる。
なお、第4実施形態においては、図1及び図2に示したように、上流側センサ74及び下流側センサ72のいずれか一方のみを有するようにしてもよい。また、第4実施形態においては、誘導コイル61及びサセプタ44を含む加熱機構を有するものとして説明したが、この加熱機構を有さなくてもよい。この場合、エアロゾル源から放出されたエアロゾルは、たばこ源42に含まれる香味成分を取り込みながら、香味容器40から放出され、放出路52及び吸口32を通じて使用者の口内に到達する。
<第5実施形態>
図5は、第5実施形態に係る香味成分送達装置10の概略断面図である。第4実施形態に係る香味成分送達装置10は、第2実施形態に係る香味成分送達装置10と比べて、香味容器40の構成と加熱機構とが異なる。
第5実施形態の香味成分送達装置10は、香味成分を加熱するための加熱機構として、抵抗加熱ヒータ62を有する。図示の例では、抵抗加熱ヒータ62は、ハウジング31に固定される。また、第5実施形態の香味容器40はスティック状に構成される。香味容器40は、たばこ源42と、冷却部46(放出路の一例に相当する)と、フィルタ45とを有し、その外周が紙等で包装されて側壁40bが構成される。第5実施形態において、たばこ源42が収容される部分が第1領域A1に相当し、第1領域A1に隣接して抵抗加熱ヒータ62に取り囲まれない冷却部46が第2領域A2に相当する。
香味容器40は、たばこ源42が抵抗加熱ヒータ62の内部に位置するように、香味成分送達装置10に形成された開口10aから挿入される。言い換えれば、抵抗加熱ヒータ62の少なくとも一部が、香味容器40の側壁40bに沿って配置される。香味容器40のフィルタ45は、香味成分送達装置10の外部に露出され、使用者が吸引するための吸口を構成する。たばこ源42は、例えば、シート状のたばこが捲縮されて形成される。たばこ源42には、エアロゾル源が含まれていてもよい。冷却部46は、たばこ源42から蒸発する香味成分及び/又はエアロゾルを冷却した上で、フィルタ45に導くように構成される。冷却部46は、例えば、シート状のプラスチック等の冷却材を側壁40b内に充填して形成され得る。また、例えば、冷却部46は、冷却材を配置することなく、空洞部として構成することもできる。香味容器40の上流側端部は開口しているが、これに限らず、香味容器40は、図1に示したような底壁40aを備えていてもよい。
抵抗加熱ヒータ62は、制御部22を介してバッテリ21と電気的に接続され、抵抗加熱ヒータ62が発熱することで、その内側に配置されたたばこ源42及びたばこ源42に含まれるニコチン等の香味成分が加熱される。使用者がフィルタ45を吸引すると、空気入口35からの空気が香味容器40に流入する。香味容器40は、たばこ源42から蒸発した香味成分及び/又はエアロゾルを放出し、香味容器40内に流入した空気と共に、香味成分及び/又はエアロゾルが使用者の口内に到達する。
以上で説明したように、図5に示すようにスティック状の香味容器40を使用した場合であっても、制御部22は、上流側センサ74から受信した温度データ又は成分濃度データに基づいて、香味容器40内のたばこ源42の状態を推定することができる。
<第6実施形態>
図6は、第6実施形態に係る香味成分送達装置10の概略断面図である。第6実施形態に係る香味成分送達装置10は、第1実施形態に係る香味成分送達装置10と比べて、空気の流路、吸口32の構成、香味容器40の構成、及び加熱機構が異なる。
第6実施形態の香味成分送達装置10では、香味成分を加熱するための加熱機構として、抵抗加熱ヒータ63を有する。図示の例では、抵抗加熱ヒータ63は、ハウジング31に固定される。また、第6実施形態の香味容器40はポッド状に構成される。香味容器40は、側壁40bと底壁40aとを有し、その内部にたばこ源42が収容される。なお、たばこ源42に加えて、エアロゾル源又はサセプタが香味容器40内に設けられてもよい。香味容器40にサセプタが収容される場合は、抵抗加熱ヒータ63に代えて誘導コイルを使用することができる。香味容器40の底壁40aは閉止されており、香味容器40の吸口32に対向する面は、その少なくとも一部が開口している。図示の実施形態では、たばこ源42は、所定の粒径を有する粉状体である。なお、たばこ源42の形状は、粉状体に限らず柱状又はシート状等の任意の形状であり得る。ハウジング31は、香味容器40を収容するキャビティ31aを有する。
吸口32は、ハウジング31の端部に接続される。吸口32は、ハウジング31のキャビティ31aと連通する、入口通路32a及び出口通路32bと、を有する。第6実施形態では、出口通路32bに下流側センサ72が設けられる。なお、第6実施形態においては、下流側センサ72と吸口32との間に断熱材は設けられない。また、入口通路32aに上流側センサを設けてもよい。
抵抗加熱ヒータ63は、香味容器40の底壁40aに対向する位置に設けられる。抵抗加熱ヒータ63は、制御部22を介してバッテリ21と電気的に接続され、抵抗加熱ヒータ63が発熱することで、香味容器40に収納されたたばこ源42及びたばこ源42に含まれるニコチン等の香味成分及び/又はエアロゾル源が加熱される。使用者が吸口32を吸引すると、吸口32の入口通路32aからの空気が香味容器40に流入する。香味容器40は、たばこ源42から蒸発した香味成分及び/又はエアロゾルを放出し、香味容器40内に流入した空気と共に、香味成分及び/又はエアロゾルが出口通路32bを介して使用者の口内に到達する。なお、入口通路32aから流入した空気の一部は、香味容器40内に流入することなく、キャビティ31aを通過して空気出口から流出し得る。
図6に示すようにポッド状の香味容器40を使用した場合であっても、制御部22は、下流側センサ72及び/又は上流側センサから受信した温度データ又は成分濃度データに基づいて、香味容器40内のたばこ源42の状態を推定することができる。
以上に本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお直接明細書及び図面に記載のない何れの形状や材質であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。
10…香味成分送達装置
21…バッテリ
22…制御部
31…ハウジング
32…吸口
32a…入口通路
32b…出口通路
33…断熱材
34…断熱材
35…空気入口
36…逆止弁
40…香味容器
40a…底壁
40b…側壁
42…たばこ源
44…サセプタ
45…フィルタ
51…流入路
52…放出路
61…誘導コイル
62…抵抗加熱ヒータ
63…抵抗加熱ヒータ
72…下流側センサ
74…上流側センサ
76…エアロゾル生成部
A1…第1領域
A2…第2領域

Claims (20)

  1. 香味源を収容し、前記香味源の香味成分を含んだ気体及び/又はエアロゾルを放出するように構成された香味容器と、
    前記香味容器を通って吸口に向かう流路における前記香味容器の上流側又は下流側に配置された第1センサと、
    前記第1センサの測定結果に基づいて、前記香味容器内の前記香味源の状態を推定するように構成された制御部と、を有する、香味成分送達装置。
  2. 前記香味容器内の前記香味源を加熱するように構成された加熱機構をさらに有し、
    前記加熱機構の少なくとも一部は、前記香味容器の外壁に沿って配置されている、請求項1に記載の香味成分送達装置。
  3. 前記加熱機構は、交流磁界を発生させる誘導コイルと、前記交流磁界により誘導加熱されるサセプタと、を含み、
    前記誘導コイルは、前記香味容器の外壁に沿って配置され、前記サセプタは、前記香味源と一緒に前記香味容器に収容されている、請求項2に記載の香味成分送達装置。
  4. 前記香味源及び/又は前記サセプタが粉状体を含んでおり、
    前記香味容器は、前記粉状体が前記香味容器の外部に流出するのを防止し且つ前記気体及び/又はエアロゾルを通過させる隔壁を有している、請求項3に記載の香味成分送達装置。
  5. 前記サセプタが粉状体を含んでおり、前記サセプタとしての前記粉状体の少なくとも一部が前記香味源で被覆されている、請求項4に記載の香味成分送達装置。
  6. 前記香味容器は、少なくとも部分的に前記誘導コイルに取り囲まれた第1領域と、前記コイルに取り囲まれずに前記第1領域に隣接して配置された第2領域と、を含み、
    前記香味源及び前記サセプタは、前記第1領域のみに配置されている、請求項3から5のいずれか1つに記載の香味成分送達装置。
  7. 前記サセプタは、前記誘導コイルの少なくとも一方の端部から前記誘導コイルの外側に突き出した長尺形状を有している、請求項3又は4に従属する請求項6に記載の香味成分送達装置。
  8. 前記制御部は、前記第1センサの測定結果に基づいて、前記加熱機構による前記香味源の加熱温度を制御するように構成されている、請求項2から7のいずれか1つに記載の香味成分送達装置。
  9. 前記制御部は、前記香味容器内の前記香味成分又は他の成分がエアロゾル化される温度よりも低い温度で加熱されるように、前記加熱温度を制御するように構成されている、請求項8に記載の香味成分送達装置。
  10. 前記制御部は、前記第1センサの測定結果に基づいて、前記吸口を介した使用者の吸引を検知するように構成されている、請求項1から9のいずれか1つに記載の香味成分送達装置。
  11. 前記第1センサは、前記流路における前記香味容器の下流側に配置されるとともに、前記香味容器から放出された前記気体及び/又はエアロゾルの状態を表す物理量を測定するように構成されている、請求項1から10のいずれか1つに記載の香味成分送達装置。
  12. 前記第1センサは、前記香味容器から放出された前記気体及び/又はエアロゾルの温度を測定するように構成されている、請求項11に記載の香味成分送達装置。
  13. 前記第1センサを収容するハウジングと、
    前記第1センサと前記ハウジングとの間に設置された断熱材と、をさらに有する請求項12に記載の香味成分送達装置。
  14. 前記第1センサは、前記香味容器から放出された前記気体及び/又はエアロゾルに含まれる成分の濃度を測定するように構成されている、請求項11に記載の香味成分送達装置。
  15. 前記流路における前記香味容器の上流側に配置された第2センサをさらに有し、
    前記制御部は、前記第1センサと前記第2センサの両方の測定結果に基づいて、前記香味容器内の前記香味源の状態を推定するように構成されている、請求項11から14のいずれか1つに記載の香味成分送達装置。
  16. 前記第1センサはガス成分濃度センサであり、
    前記第2センサは温度センサであり、
    前記制御部は、
    前記第2センサの測定結果に基づいて、前記吸口を介した使用者の吸引を検知し、
    前記使用者の吸引を検知したとき、前記第1センサで測定した前記香味容器が放出する香味成分を含んだ気体及び/又はエアロゾルの成分の濃度が、所定値に達しているか否かを判定する、請求項15に記載の香味成分送達装置。
  17. 前記吸口から前記流路の上流に向かって気体が流入するのを防止する逆止弁をさらに有する、請求項11から16のいずれか1つに記載の香味成分送達装置。
  18. 前記流路は、前記香味成分送達装置の外部から空気を取り入れるように構成された空気入口と、前記香味容器から放出された前記気体及び/又はエアロゾルを前記吸口に導くように構成された放出路と、を有し、
    前記空気入口は、前記流路における前記放出路の上流側のみに設けられている、請求項1から17のいずれか1つに記載の香味成分送達装置。
  19. エアロゾル生成部と、
    前記エアロゾル生成部で生成したエアロゾルを前記香味容器内に導く流入路と、をさらに有する、請求項1から18のいずれか1つに記載の香味成分送達装置。
  20. 香味源を収容し、前記香味源の香味成分を含んだ気体及び/又はエアロゾルを放出するように構成された香味容器と、
    前記香味容器を通って吸口に向かう流路における前記香味容器の下流側に配置され、かつ前記香味容器から放出された前記気体及び/又はエアロゾルの状態を表す物理量を測定するように構成されたセンサと、
    前記センサの測定結果に基づいて、前記吸口を介した使用者の吸引を検知するように構成された制御部と、を有する、香味成分送達装置。
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