JPWO2020039695A1 - 液晶配向剤、液晶配向膜、液晶素子及び液晶素子の製造方法 - Google Patents

液晶配向剤、液晶配向膜、液晶素子及び液晶素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

重合体成分と、架橋性基を有する環状シロキサン化合物[A]と、を液晶配向剤に含有させる。環状シロキサン化合物[A]の一態様は、式(1)で表される化合物である。式(1)中、R1〜R6は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜20の1価の有機基である。ただし、R1〜R6のうち少なくとも1個は、架橋性基を有する1価の有機基である。nは1〜18の整数である。nが2以上の場合、複数のR1は互いに同じでも異なっていてもよく、複数のR2は互いに同じでも異なっていてもよい。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2018年8月24日に出願された日本出願番号2018−157299号に基づくもので、ここにその記載内容を援用する。
本開示は、液晶配向剤、液晶配向膜、液晶素子及び液晶素子の製造方法に関する。
液晶素子は、液晶層中の液晶分子を一定の方向に配向させる機能を有する液晶配向膜を具備している。液晶配向膜は一般に、重合体成分が有機溶媒に溶解されてなる液晶配向剤を基板表面に塗布し、好ましくは加熱することによって基板上に形成される。
近年、大画面で高精細な液晶テレビが主体となり、またスマートフォンやタブレットPC等といった小型の表示端末の普及が進み、液晶素子に対する高品質化の要求は従来よりも高まっている。そこで従来、液晶配向膜の性能を改善し、液晶素子の各種特性を優れたものとするべく、種々の液晶配向剤が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
特許文献1には、ポリイミドと共に、窒素原子を有するエポキシ化合物(例えば、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1,3−ビス(N,N’−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン等)を液晶配向剤に含有させることが開示されている。また、特許文献2には、ポリアミック酸又はポリイミドと共に、イミド結合と2個以上のエポキシ基とを含有する化合物(例えば、モノアリルジグリシジルイソシアヌル酸、トリグリシジルイソシアヌル酸等)を液晶配向剤に含有させることが開示されている。特許文献3には、ポリアミック酸又はポリイミドと共に、3,4−エポキシシクロヘキサン環を2個以上有する多官能エポキシ化合物を液晶配向剤に含有させることが開示されている。
特開平10−333153号公報 特開2007−139949号公報 特開2016−170409号公報
液晶素子は、従来のようにパーソナルコンピュータ等の表示端末に使用されるだけでなく、例えば液晶テレビやカーナビゲーションシステム、携帯電話、スマートフォン、インフォメーションディスプレイ、位相差フィルム、調光フィルムなど、屋内及び屋外を問わず多種多様な用途において使用されている。また、使用用途の拡大に伴い、液晶素子は従来よりも過酷な環境下で使用されることが想定される。具体的には、液晶素子は、長時間の連続駆動によってバックライトが長時間照射されたり、高温環境下で使用されたり、あるいは高熱環境下に曝されたりすることがある。その一方で、液晶素子の高性能化に対する要求はさらに高まっており、過酷な環境条件下でも素子性能を維持できることが求められている。
本開示は、上記事情に鑑みてなされたものであり、耐光性及び耐熱性に優れた液晶素子を得ることができる向液晶配剤を提供することを主たる目的とする。
本開示によれば、以下の手段が提供される。
[1] 重合体成分と、架橋性基を有する環状シロキサン化合物[A]と、を含有する、液晶配向剤。
[2] 上記[1]の液晶配向剤を用いて形成された液晶配向膜。
[3] 上記[2]の液晶配向膜を具備する液晶素子。
[4] 上記[1]の液晶配向剤を一対の基板のそれぞれの基板面に塗布し、前記基板面に光を照射することにより光配向膜を形成する工程と、前記液晶配向膜が形成された一対の基板を、液晶層を挟んで前記光配向膜が対向するように配置して液晶セルを構築する工程と、を含む、液晶素子の製造方法。
[5] 上記[1]の液晶配向剤を、導電膜を有する一対の基板のそれぞれの前記導電膜上に塗布して塗膜を形成する工程と、前記塗膜が形成された一対の基板を、液晶層を挟んで前記塗膜が対向するように配置して液晶セルを構築する工程と、前記導電膜間に電圧を印加した状態で前記液晶セルに光照射する工程と、を含む、液晶素子の製造方法。
本開示の液晶配向剤によれば、重合体成分と共に環状シロキサン化合物[A]を含有することにより、耐光性及び耐熱性に優れた液晶素子を得ることができる。
≪液晶配向剤≫
本開示の液晶配向剤は、重合体成分と添加剤成分とを含有する。また、添加剤成分として、架橋性基を有する環状シロキサン化合物[A]を含有する。以下に、液晶配向剤に含まれる各成分、及び必要に応じて任意に配合されるその他の成分について説明する。
なお、本明細書において「炭化水素基」とは、鎖状炭化水素基、脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基を含む意味である。「鎖状炭化水素基」とは、主鎖に環状構造を含まず、鎖状構造のみで構成された直鎖状炭化水素基及び分岐状炭化水素基を意味する。ただし、飽和でも不飽和でもよい。「脂環式炭化水素基」とは、環構造としては脂環式炭化水素の構造のみを含み、芳香環構造を含まない炭化水素基を意味する。ただし、脂環式炭化水素の構造のみで構成されている必要はなく、その一部に鎖状構造を有するものも含む。「芳香族炭化水素基」とは、環構造として芳香環構造を含む炭化水素基を意味する。ただし、芳香環構造のみで構成されている必要はなく、その一部に鎖状構造や脂環式炭化水素の構造を含んでいてもよい。
<重合体成分>
液晶配向剤に含有される重合体成分は、環状シロキサン化合物[A]によって架橋される。重合体成分の主骨格の種類は特に限定されない。重合体成分の具体例としては、例えばポリアミック酸、ポリアミック酸エステル、ポリイミド、ポリオルガノシロキサン、ポリエステル、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリスチレン、ポリベンゾオキサゾール前駆体、ポリベンゾオキサゾール、セルロース誘導体、ポリアセタール、ポリマレイミド、スチレン−マレイミド系共重合体、又はポリ(メタ)アクリレートを主骨格とする重合体が挙げられる。なお、(メタ)アクリレートは、アクリレート及びメタクリレートを含むことを意味する。
重合体成分としては、これらのうち、環状シロキサン化合物[A]との架橋反応が促進されやすい点、環状シロキサン化合物[A]との相溶性がより良好である点、及び環状シロキサン化合物[A]と組み合わせて使用した場合の熱耐性の向上効果が高く、信頼性がより高い液晶素子を得ることができる点で、ポリアミック酸、ポリアミック酸エステル、ポリイミド、及び重合性不飽和結合を有するモノマーに由来する構造単位を有する重合体よりなる群から選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。重合体成分は、環状シロキサン化合物[A]の架橋性基と反応し得る官能基(以下、「反応性官能基」ともいう。)を有する。当該反応性官能基は、環状シロキサン化合物[A]が有する架橋性基に応じて適宜設計することができる。以下、重合体成分の好ましい例についてそれぞれ説明する。
(ポリアミック酸)
ポリアミック酸は、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物とを反応させることにより得ることができる。
・テトラカルボン酸二無水物
ポリアミック酸の合成に使用するテトラカルボン酸二無水物としては、例えば脂肪族テトラカルボン酸二無水物、脂環式テトラカルボン酸二無水物、芳香族テトラカルボン酸二無水物などを挙げることができる。これらの具体例としては、脂肪族テトラカルボン酸二無水物として、例えば1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物等を;
脂環式テトラカルボン酸二無水物として、例えば1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−3a,4,5,9b−テトラヒドロナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−8−メチル−3a,4,5,9b−テトラヒドロナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、2,4,6,8−テトラカルボキシビシクロ[3.3.0]オクタン−2:4,6:8−二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物等を;芳香族テトラカルボン酸二無水物として、例えばピロメリット酸二無水物、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物、エチレングリコールビスアンヒドロトリメート、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物、4,4’−カルボニルジフタル酸無水物等を、それぞれ挙げることができるほか、特開2010−97188号公報に記載のテトラカルボン酸二無水物を用いることができる。なお、テトラカルボン酸二無水物としては、1種を単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
・ジアミン化合物
ポリアミック酸の合成に使用するジアミン化合物としては、例えば脂肪族ジアミン、脂環式ジアミン、芳香族ジアミン、ジアミノオルガノシロキサン等が挙げられる。これらジアミンの具体例としては、脂肪族ジアミンとして、メタキシリレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等を;脂環式ジアミンとして、1,4−ジアミノシクロヘキサン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)等を;
芳香族ジアミンとして、ヘキサデカノキシ−2,4−ジアミノベンゼン、オクタデカノキシ−2,4−ジアミノベンゼン、オクタデカノキシ−2,5−ジアミノベンゼン、コレスタニルオキシ−3,5−ジアミノベンゼン、コレステニルオキシ−3,5−ジアミノベンゼン、コレスタニルオキシ−2,4−ジアミノベンゼン、コレステニルオキシ−2,4−ジアミノベンゼン、3,5−ジアミノ安息香酸コレスタニル、3,5−ジアミノ安息香酸コレステニル、3,5−ジアミノ安息香酸ラノスタニル、3,6−ビス(4−アミノベンゾイルオキシ)コレスタン、3,6−ビス(4−アミノフェノキシ)コレスタン、2,4−ジアミノ−N,N−ジアリルアニリン、4−(4’−トリフルオロメトキシベンゾイロキシ)シクロヘキシル−3,5−ジアミノベンゾエート、1,1−ビス(4−((アミノフェニル)メチル)フェニル)−4−ブチルシクロヘキサン、3,5−ジアミノ安息香酸=5ξ−コレスタン−3−イル、環状カーボネート基を側鎖に有するジアミン、(メタ)アクリロイル基を側鎖に有するジアミン、下記式(E−1)
Figure 2020039695
(式(E−1)中、XI及びXIIは、それぞれ独立に、単結合、−O−、*−COO−又は*−OCO−(ただし、「*」はXとの結合手を示す。)であり、Rは炭素数1〜3のアルカンジイル基であり、RIIは単結合又は炭素数1〜3のアルカンジイル基であり、aは0又は1であり、bは0〜2の整数であり、cは1〜20の整数であり、dは0又は1である。但し、a及びbが同時に0になることはない。)
で表される化合物等の側鎖型ジアミン:
p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4−アミノフェニル−4−アミノベンゾエート、4,4’−ジアミノアゾベンゼン、3,5−ジアミノ安息香酸、1,5−ビス(4−アミノフェノキシ)ペンタン、1,2−ビス(4−アミノフェノキシ)エタン、ビス[2−(4−アミノフェニル)エチル]ヘキサン二酸、N,N−ビス(4−アミノフェニル)メチルアミン、1,4−ビス−(4−アミノフェニル)−ピペラジン、N,N’−ビス(4−アミノフェニル)−ベンジジン、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4’−(フェニレンジイソプロピリデン)ビスアニリン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−[4,4’−プロパン−1,3−ジイルビス(ピペリジン−1,4−ジイル)]ジアニリン、4,4’−ジアミノベンズアニリド、4,4’−ジアミノスチルベンゼン、4,4’−ジアミノジフェニルアミン、1,3−ビス(4−アミノフェネチル)ウレア、1,3−ビス(4−アミノベンジル)ウレア、1,4−ビス(4−アミノフェニル)−ピペラジン、N−(4−アミノフェニルエチル)−N−メチルアミン、N,N’−ビス(4−アミノフェニル)−N,N’−ジメチルベンジジン等の主鎖型ジアミン等を;ジアミノオルガノシロキサンとして、例えば、1,3−ビス(3−アミノプロピル)−テトラメチルジシロキサン等を、それぞれ挙げることができるほか、特開2010−97188号公報に記載のジアミンを用いることができる。
・ポリアミック酸の合成
ポリアミック酸は、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物とを、必要に応じて分子量調整剤(例えば、酸一無水物やモノアミン等)とともに反応させることにより得ることができる。ポリアミック酸の合成反応に供されるテトラカルボン酸二無水物及びジアミン化合物の使用割合は、ジアミン化合物のアミノ基1当量に対して、テトラカルボン酸二無水物の酸無水物基が0.2〜2当量となる割合が好ましい。
ポリアミック酸の合成反応は、好ましくは有機溶媒中において行われる。このときの反応温度は−20℃〜150℃が好ましく、反応時間は0.1〜24時間が好ましい。反応に使用する有機溶媒としては、例えば非プロトン性極性溶媒、フェノール系溶媒、アルコール、ケトン、エステル、エーテル、ハロゲン化炭化水素、炭化水素などを挙げることができる。特に好ましい有機溶媒は、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルトリアミド、m−クレゾール、キシレノール及びハロゲン化フェノールよりなる群から選択される1種以上を溶媒として使用するか、あるいはこれらの1種以上と、他の有機溶媒(例えばブチルセロソルブ、ジエチレングリコールジエチルエーテルなど)との混合物を使用することが好ましい。有機溶媒の使用量(a)は、テトラカルボン酸二無水物及びジアミンの合計量(b)が、反応溶液の全量(a+b)に対して、0.1〜50質量%になる量とすることが好ましい。
(ポリアミック酸エステル)
ポリアミック酸エステルは、例えば、[I]上記合成反応により得られたポリアミック酸とエステル化剤とを反応させる方法、[II]テトラカルボン酸ジエステルとジアミン化合物とを反応させる方法、[III]テトラカルボン酸ジエステルジハロゲン化物とジアミン化合物とを反応させる方法、などによって得ることができる。液晶配向剤に含有させるポリアミック酸エステルは、アミック酸エステル構造のみを有していてもよく、アミック酸構造とアミック酸エステル構造とが併存する部分エステル化物であってもよい。
(ポリイミド)
ポリイミドは、例えば上記の如くして合成されたポリアミック酸を脱水閉環してイミド化することにより得ることができる。環状シロキサン化合物[A]との架橋反応を十分に行わせる観点から、ポリイミドは、イミド化率が20〜99%であることが好ましく、30〜90%であることがより好ましい。イミド化率は、ポリイミドのアミック酸構造の数とイミド環構造の数との合計に対するイミド環構造の数の占める割合を百分率で表したものである。なお、イミド環の一部がイソイミド環であってもよい。
ポリアミック酸の脱水閉環は、好ましくはポリアミック酸を有機溶媒に溶解し、この溶液中に脱水剤及び脱水閉環触媒を添加し必要に応じて加熱する方法により行われる。この方法において、脱水剤としては、例えば無水酢酸、無水プロピオン酸、無水トリフルオロ酢酸などの酸無水物が挙げられる。脱水剤の使用量は、ポリアミック酸のアミック酸構造の1モルに対して0.01〜20モルとすることが好ましい。脱水閉環触媒としては、例えばピリジン、コリジン、ルチジン、トリエチルアミン等の3級アミンを用いることができる。脱水閉環触媒の使用量は、使用する脱水剤1モルに対して0.01〜10モルとすることが好ましい。脱水閉環反応に用いられる有機溶媒としては、ポリアミック酸の合成に用いられるものとして例示した有機溶媒が挙げられる。脱水閉環反応の反応温度は、好ましくは0〜180℃である。反応時間は、好ましくは1.0〜120時間である。
(重合性不飽和結合を有するモノマーに由来する構造単位を有する重合体)
重合性不飽和結合を有するモノマーに由来する構造単位を有する重合体(以下、「重合体[Pm]」ともいう。)としては、例えば、重合性不飽和結合を有するモノマーとして(メタ)アクリル化合物、マレイミド化合物及びスチレン化合物のうち1種以上を用いて得られる重合体(ポリ(メタ)アクリレート、スチレン−マレイミド系共重合体、ポリスチレン、ポリマレイミド)等が挙げられる。配向性基を導入しやすい点、及び得られる液晶素子の信頼性がより良好である点で、重合体[Pm]は、好ましくは、ポリ(メタ)アクリレート及びスチレン−マレイミド系共重合体よりなる群から選ばれる少なくとも一種である。重合体[Pm]がスチレン−マレイミド系共重合体である場合、当該共重合体は、スチレン化合物及びマレイミド化合物とは異なるモノマー(例えば(メタ)アクリル化合物等)に由来する構造単位を更に有していてもよい。
なお、本明細書において「配向性基」とは、液晶配向膜が液晶層に隣接して配置された場合に、液晶層中の液晶分子にプレチルト角を付与可能な基である。具体的には、光照射によらずに液晶分子にプレチルト角を付与可能な基(以下、「垂直配向性基」ともいう。)、及び光配向性基が挙げられる。垂直配向性基の具体例としては、例えば、炭素数4〜20のアルキル基、炭素数4〜20のアルコキシ基、炭素数4〜20のフルオロアルキル基、炭素数4〜20のフルオロアルコキシ基、2個以上の環(好ましくは、シクロヘキサン環、ベンゼン環及びナフタレン環よりなる群から選ばれる少なくとも一種の環)が直接又は2価の連結基(例えば、酸素原子、−CO−又は−COO−)を介して結合してなるメソゲン構造を有する基、ステロイド骨格を有する基等が挙げられる。
重合体[Pm]の合成に用いるモノマーとしては、重合性不飽和結合を有していれば特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、ビニルフェニル基又はマレイミド基等の重合性不飽和結合を有する化合物が挙げられる。これらの化合物の具体例としては、(メタ)アクリル酸、α−エチルアクリル酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル安息香酸等の不飽和カルボン酸:(メタ)アクリル酸アルキル(例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル等)、(メタ)アクリル酸シクロアルキル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸トリメトキシシリルプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸3,4−エポキシブチル、アクリル酸4−ヒドロキシブチルグリシジルエーテル等の不飽和カルボン酸エステル:無水マレイン酸等の不飽和多価カルボン酸無水物:などの(メタ)アクリル系化合物;スチレン、メチルスチレン、ジビニルベンゼン、4−(グリシジルオキシメチル)スチレン、4−ビニル安息香酸等の芳香族ビニル化合物;1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン等の共役ジエン化合物;
N−メチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、4−(2,5−ジオキソ−3−ピロリン−1−イル)安息香酸、N−(4−グリシジルオキシフェニル)マレイミド、N−グリシジルマレイミド、3−マレイミド安息香酸、3−マレイミドプロピオン酸、3−(2,5−ジオキソ−3−ピロリン−1−イル)安息香酸、4−(2,5−ジオキソ−3−ピロリン−1−イル)安息香酸メチル等のマレイミド化合物、などが挙げられる。
また、重合体[Pm]を、光配向性基を有する重合体とする場合には、重合性不飽和結合を有するモノマーとして、光配向性基を有する化合物を用いることもできる。光配向性基を有する化合物の具体例としては、桂皮酸構造を有するマレイミド化合物、桂皮酸構造を有する(メタ)アクリル化合物等が挙げられる。重合性不飽和結合を有するモノマーとしては、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。なお、本明細書において、「(メタ)アクリロイル」は「アクリロイル」及び「メタクリロイル」を意味する。「(メタ)アクリル」は「アクリロル」及び「メタクリル」を意味する。
重合体[Pm]は、例えば、重合性不飽和結合を有するモノマーを重合開始剤の存在下で重合することにより得ることができる。使用する重合開始剤としては、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物が好ましい。重合開始剤の使用割合は、反応に使用する全モノマー100質量部に対して、0.01〜30質量部とすることが好ましい。上記重合反応は、好ましくは有機溶媒中で行われる。反応に使用する有機溶媒としては、例えばアルコール、エーテル、ケトン、アミド、エステル、炭化水素化合物などが挙げられ、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどが好ましい。反応温度は30℃〜120℃とすることが好ましく、反応時間は、1〜36時間とすることが好ましい。有機溶媒の使用量(a)は、反応に使用するモノマーの合計量(b)が、反応溶液の全体量(a+b)に対して、0.1〜60質量%になるような量にすることが好ましい。
重合体成分につき、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、1,500〜500,000であることが好ましく、2,500〜100,000であることがより好ましい。なお、各重合体を得るための重合反応において、重合体を含有する反応溶液を得た場合、当該反応溶液はそのまま液晶配向剤の調製に供してもよく、重合体を単離したうえで液晶配向剤の調製に供してもよい。重合体を単離する方法は特に限定されず、公知の方法に従って行うことができる。
液晶配向剤を用いて形成した有機膜に対し光配向法を用いて液晶配向能を付与する場合、重合体成分の少なくとも一部を、光配向性基を有する重合体とすることが好ましい。光配向性基とは、光照射による光異性化反応、光二量化反応、光フリース転位反応又は光分解反応等の光反応によって膜に異方性を付与可能な官能基をいう。
光配向性基の具体例としては、例えば、アゾベンゼン又はその誘導体を基本骨格として含むアゾベンゼン含有基、桂皮酸又はその誘導体(桂皮酸構造)を基本骨格として含む桂皮酸構造含有基、カルコン又はその誘導体を基本骨格として含むカルコン含有基、ベンゾフェノン又はその誘導体を基本骨格として含むベンゾフェノン含有基、クマリン又はその誘導体を基本骨格として含むクマリン含有基、シクロブタン又はその誘導体を基本骨格として含むシクロブタン含有構造、スチルベン又はその誘導体を基本骨格とするスチルベン含有基、フェニルベンゾエート又はその誘導体を基本骨格として含むフェニルベンゾエート含有基等が挙げられる。これらのうち、光配向性基は、アゾベンゼン含有基、桂皮酸構造含有基、カルコン含有基、スチルベン含有基、シクロブタン含有構造、及びフェニルベンゾエート含有基よりなる群から選ばれる少なくとも一種であることが好ましく、光に対する感度が高い点及び重合体中に導入しやすい点で、桂皮酸構造含有基又はシクロブタン含有構造であることが好ましい。
光配向性基を有する重合体は、例えば、(1)光配向性基を有するモノマーを用いた重合により得る方法、(2)エポキシ基を側鎖に有する重合体を合成し、そのエポキシ基含有重合体と、光配向性基を有するカルボン酸とを反応させる方法、等により得ることができる。重合体における光配向性基の含有割合は、塗膜に対し所望の液晶配向能を付与するように光配向性基の種類に応じて適宜設定される。例えば光配向性基が桂皮酸構造含有基の場合、光配向性基を有する重合体の全構成単位に対して、光配向性基の含有割合を5モル%以上とすることが好ましく、10〜60モル%とすることがより好ましい。光配向性基がシクロブタン含有構造である場合、光配向性基を有する重合体の全構成単位に対して、光配向性基の含有割合を50モル%以上とすることが好ましく、80モル%以上とすることがより好ましい。なお、光配向性基を有する重合体としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
液晶配向剤に含有させる重合体成分は、1種単独でもよいが、2種以上の重合体を含有するポリマーブレンドとすることが好ましい。この場合、2種以上の重合体は、同種の重合体(例えば、ポリアミック酸とポリアミック酸)であって、使用するモノマーの種類が互いに異なる重合体であってもよいし、あるいは異種の重合体(例えば、ポリアミック酸とポリメタクリレート)であってもよい。ポリマーブレンドの系に架橋剤を配合する場合、液晶配向剤中における架橋剤の分散性が十分でないと、架橋剤による重合体の架橋反応が効率よく行われず、架橋剤の配合による効果を十分に得ることができないことが懸念される。これに対し、環状シロキサン化合物[A]によれば、重合体との相溶性及び溶剤に対する溶解性が高く、重合体の架橋点に分散されやすくすることができたと考えられる。その結果、ポリマーブレンドとした場合にも架橋反応の反応効率を高くでき、耐光性及び耐熱性に優れた液晶素子を得ることができたものと推測される。
液晶配向剤の好ましい一例としては、第1の重合体と、第1の重合体よりも極性が高い第2の重合体とを液晶配向剤に含有させる。この場合、極性が高い第2の重合体が下層に偏在し、第1の重合体が上層に偏在して相分離を生じさせることができ好ましい。液晶配向剤の重合体成分の好ましい態様としては、以下の(I)〜(III)が挙げられる。
(I)第1の重合体及び第2の重合体が、ポリアミック酸、ポリアミック酸エステル及びポリイミドよりなる群から選ばれる重合体である態様。
(II)第1の重合体及び第2の重合体のうち一方が、ポリアミック酸、ポリアミック酸エステル及びポリイミドよりなる群から選ばれる一種の重合体であり、他方が重合体[Pm]である態様。
(III)第1の重合体及び第2の重合体が重合体[Pm]である態様。
上記(II)の態様において、ポリアミック酸、ポリアミック酸エステル及びポリイミドの合計の含有割合は、重合体[Pm]による改善効果を十分に得つつ、低コスト化を図る観点から、液晶配向剤に含まれる重合体成分の合計量に対して、20質量%以上とすることが好ましく、30%質量以上とすることがより好ましく、50〜90質量%とすることがさらに好ましい。液晶配向剤を用いて形成された有機膜に対し光配向法によって液晶配向能を付与する場合、重合体[Pm]を、光配向性基を有する重合体とすることにより、液晶配向性が高い配向膜を得ることができる点で好ましい。
液晶配向剤中の重合体成分の含有割合は、膜強度を十分に高くする観点から、液晶配向剤中に含有される固形分の合計質量(液晶配向剤の溶媒以外の成分の合計質量)に対して、50質量%以上とすることが好ましく、60質量%以上とすることがより好ましく、70質量%以上とすることがさらに好ましい。
<環状シロキサン化合物[A]>
環状シロキサン化合物[A]は、シロキサン結合(Si−O結合)による環状骨格を分子内に1個有する環式化合物であり、架橋性基を有する。架橋性基としては、他の基と共有結合して架橋構造を形成可能な基であれば特に限定されないが、例えばオキシラニル基、オキセタニル基、(メタ)アクリロイル基、アリル基、ビニルフェニル基、環状カーボネート基、メチロール基、アミノ基等が挙げられる。架橋性基としては、液晶配向剤の保存安定性を高くできる点で、好ましくはオキシラニル基、オキセタニル基及び(メタ)アクリロイル基よりなる群から選ばれる少なくとも一種であり、オキシラニル基が特に好ましい。なお、本明細書において「(メタ)アクリロイル」は、「アクリロイル」及び「メタクリロイル」を含む意味である。
環状シロキサン化合物[A]1分子が有する架橋性基の数は、得られる液晶素子の耐熱性及び耐光性の改善効果を十分に得ることができる点で、2個以上であることが好ましく、3個以上であることがより好ましく、4個以上であることがさらに好ましい。また、環状シロキサン化合物[A]1分子が有する架橋性基の数は、重合体成分との相溶性がより良好である点、液晶配向剤中での分散性をより高くできる点、及び形成される液晶配向膜の膜収縮による性能低下を抑制する観点から、10個以下であることが好ましく、8個以下であることがより好ましい。
液晶配向剤を用いて液晶配向膜を形成する場合、膜形成時の加熱によって、環状シロキサン化合物[A]が有する架橋性基と、重合体成分が有する反応性官能基とが反応して架橋構造が形成される。架橋性基と反応性官能基との組み合わせは、保存安定性や重合体への導入しやすさ、熱又は光に対する反応性等に応じて適宜選択される。具体的には、架橋性基がエポキシ基である場合、反応性官能基としては、カルボキシル基、水酸基、アミノ基等が挙げられ、保存安定性が良好である点で、好ましくはカルボキシル基である。また、架橋性基が(メタ)アクリロイル基である場合、反応性官能基としては、チオール基、(メタ)アクリロイル基等が挙げられる。架橋性基がビニル基である場合、反応性官能基としては、チオール基、ビニル基等が挙げられ、架橋性基がアミノ基である場合、反応性官能基としては、カルボキシル基、水酸基、エポキシ基、ハロゲン原子等が挙げられる。架橋性基が環状カーボネート基である場合、反応性官能基としては、アミノ基、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、酸無水物基が挙げられ、架橋性基がメチロール基である場合、反応性官能基としては、エポキシ基、アミノ基、水酸基、カルボキシル基等が挙げられる。ただし、これらの組み合わせに限定されるものではない。
環状シロキサン化合物[A]は、下記式(1)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2020039695
(式(1)中、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜20の1価の有機基である。ただし、R〜Rのうち少なくとも1個は、架橋性基を有する1価の有機基である。nは1〜18の整数である。nが2以上の場合、複数のRは互いに同じでも異なっていてもよく、複数のRは互いに同じでも異なっていてもよい。)
上記式(1)において、R〜Rが1価の有機基である場合、その具体例としては、炭素数1〜20の1価の炭化水素基、当該1価の炭化水素基の少なくとも1個の水素原子が架橋性基に置き換えられてなる1価の基Q1、炭素数2〜20の炭化水素基の炭素−炭素結合間に−O−、−COO−、−S−、−NR10−又は−CONR10−(R10は、水素原子又は炭素数1〜10の1価の炭化水素基である。)を有する1価の基Q2、当該1価の基Q2の少なくとも1個の水素原子が架橋性基に置き換えられてなる基Q3等が挙げられ、これらの基が置換基を有していてもよい。置換基としては、例えば水酸基、ハロゲン原子等が挙げられる。R〜Rが1価の炭化水素基である場合、当該1価の炭化水素基は、アルキル基、アルケニル基又はフェニル基が好ましく、アルキル基がより好ましい。
〜Rは、液晶配向剤中における環状シロキサン化合物[A]の分散性をより良好にできる点、並びに重合体成分との相溶性及び溶剤に対する溶解性をより良好にできる点で、炭素数1〜20の1価の有機基であることが好ましく、炭素数1〜20の1価の炭化水素基、1価の基Q1、1価の基Q2又は1価の基Q3であることがより好ましい。R〜Rの炭素数は、好ましくは1〜15、より好ましくは1〜10である。
〜Rが架橋性基を有する1価の有機基である場合、架橋性基を有する1価の有機基は、下記式(2)で表される基であることが好ましい。
−R−X …(2)
(式(2)中、Rは、鎖状構造を有する2価の基であり、Xは架橋性基を有する1価の基である。「*」は、ケイ素原子との結合手であることを表す。)
上記式(2)において、Rの鎖状構造は、好ましくは、炭素数1〜10のアルカンジイル基、又は炭素数2〜10のアルカンジイル基の炭素−炭素結合間に−O−若しくは−S−を有する2価の基であり、置換基を有していてもよい。置換基としては、例えば水酸基、ハロゲン原子等が挙げられる。Rの炭素数は、好ましくは1〜7、より好ましくは2〜5である。
は、オキシラニル基、オキセタニル基、(メタ)アクリロイル基、アリル基、ビニルフェニル基、環状カーボネート基、メチロール基又はアミノ基を有する1価の基であることが好ましく、液晶配向剤の保存安定性の観点から、オキシラニル基、オキセタニル基又は(メタ)アクリロイル基を有する1価の基であることがより好ましく、エポキシ基(オキシラニル基又はオキセタニル基)を有する1価の基であることが特に好ましい。エポキシ基を有する1価の基としては、例えばエポキシ基、グリシジルオキシ基、エポキシシクロヘキシル基等が挙げられる。
上記式(1)中のケイ素原子に結合する2個の1価の基は、少なくとも一方(R、R及びR)が上記式(2)で表される基であって、他方(R、R及びR)が炭素数1〜10の1価の炭化水素基であることが好ましい。R、R及びRは、より好ましくは炭素数1〜5のアルキル基、さらに好ましくはメチル基又はエチル基である。
nは、液晶配向剤中における環状シロキサン化合物[A]の分散性、重合体成分との相溶性、及び材料の入手容易性の観点から、1〜10であることが好ましく、1〜6であることがさらに好ましく、1〜4であることが特に好ましい。
環状シロキサン化合物[A]は、光反応性基をさらに有していてもよい。環状シロキサン化合物[A]が光反応性基を有することにより、光反応性基の熱反応による自己架橋を引き起こすことができる点、PSA処理によって液晶素子を得る場合に架橋性基と同等の耐光性及び耐熱性を得ることができる点で好ましい。光反応性基としては、炭素−炭素不飽和結合を有する基が好ましく、例えば(メタ)アクリロイル基、ビニルフェニル基、ビニル基等が挙げられる。これらのうち、光反応性が高い点、光反応性基の熱反応による自己架橋を生じやすい点で、(メタ)アクリロイル基が特に好ましい。なお、光反応性基は、環状シロキサン化合物[A]によって重合体成分を架橋させるために重合体成分に導入されている反応性官能基との間で架橋反応を引き起こさない官能基である。
環状シロキサン化合物[A]が光反応性基を有する場合、環状シロキサン化合物[A]が有する架橋性基は、重合性不飽和結合を有さない基であることが好ましく、具体的にはエポキシ基、アミノ基、環状カーボネート基、メチロール基が挙げられる。環状シロキサン化合物[A]が光反応性基を有する場合、光反応性基の数は、1個以上が好ましく、2個以上であることがより好ましい。また、光反応性基の数は、架橋性基の導入数を十分に確保するために、4個以下であることが好ましく、2個以下であることが好ましい。
環状シロキサン化合物[A]の分子量は、液晶配向剤中において分散しやすい点、重合体成分との相溶性及び溶剤に対する溶解性をより良好にできる点、並びに液晶配向膜の膜強度を十分に確保することができる点で、1000未満であることが好ましく、900以下であることがより好ましく、800以下であることがさらに好ましい。また、環状シロキサン化合物[A]の分子量は、環状シロキサン化合物[A]の揮発を抑制する観点から、100以上であることが好ましく、200以上であることがより好ましい。
環状シロキサン化合物[A]の具体例としては、例えば下記式(A−1)〜(A−10)のそれぞれで表される化合物等が挙げられる。環状シロキサン化合物[A]としては市販品を使用してもよい。市販品としては、例えば、CS−697、CS−783(以上、シグマアルドリッチ社製)、KR−470、X−40−2670、X−40−2678(以上、信越シリコーン社製)等が挙げられる。
Figure 2020039695
Figure 2020039695
(式(A−1)〜(A−7)中、Rは水素原子又はメチル基であり、nは0〜18の整数である。)
環状シロキサン化合物[A]の含有割合は、得られる液晶素子の耐光性及び耐熱性の改善効果を十分に高くできる点で、液晶配向剤中に含有される重合体成分の合計量100質量部に対して、0.01質量部以上であることが好ましく、0.05質量部以上であることがより好ましく、0.1質量部以上であることがさらに好ましい。また、環状シロキサン化合物[A]の含有割合は、液晶配向膜形成時の膜収縮を抑制できる点で、液晶配向剤中に含有される重合体成分の合計量100質量部に対して、40質量部以下であることが好ましく、30質量部以下であることがより好ましく、20質量部以下であることがさらに好ましい。なお、環状シロキサン化合物[A]としては、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
<その他の成分>
本開示の液晶配向剤は、必要に応じて、重合体成分及び環状シロキサン化合物[A]以外のその他の化合物を含有していてもよい。その具体例としては、例えば、エポキシ化合物(例えば、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N−ジグリシジル−アミノメチルシクロヘキサン、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等)、官能性シラン化合物(例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等)、酸化防止剤、金属キレート化合物、硬化促進剤、界面活性剤、充填剤、分散剤、光増感剤等が挙げられる。その他の化合物の配合割合は、本開示の効果を損なわない範囲内において各化合物に応じて適宜選択することができる。
なお、架橋剤として環状シロキサン化合物[A]とは異なる化合物を併用する場合、当該化合物の含有割合は、液晶配向剤中に含有される環状シロキサン化合物[A]の合計量に対して、5質量%以下とすることが好ましく、1質量%以下とすることがより好ましい。
・溶剤成分
本開示の液晶配向剤は、重合体成分、環状シロキサン化合物[A]、及び必要に応じて任意に配合される成分が、好ましくは有機溶媒に溶解された溶液状の組成物として調製される。当該有機溶媒としては、例えば非プロトン性極性溶媒、フェノール系溶媒、アルコール、ケトン、エステル、エーテル、ハロゲン化炭化水素、炭化水素等が挙げられる。溶剤成分は、これらの1種でもよく、2種以上の混合溶媒であってもよい。
溶剤成分としては、重合体の溶解性及びレベリング性が高い溶剤(以下、「第1溶剤」ともいう。)、濡れ広がり性が良好な溶剤(以下、「第2溶剤」ともいう。)、及びこれらの混合溶剤が挙げられる。
溶剤の具体例としては、第1溶剤として、例えばN−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、γ−ブチロラクタム、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、ジイソブチルケトン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、N−エチル−2−ピロリドン、N−(n−ペンチル)−2−ピロリドン、N−(t−ブチル)−2−ピロリドン、N−メトキシプロピル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド等を;
第2溶剤として、例えばエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、ダイアセトンアルコール、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシ−1−ブタノール、シクロペンタノン、乳酸ブチル、酢酸ブチル、メチルメトキシプロピオネ−ト、エチルエトキシプロピオネ−ト、イソアミルプロピオネート、イソアミルイソブチレート、プロピレングリコールジアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジイソペンチルエーテル等を、それぞれ挙げることができる。なお、溶剤は、これらの1種単独でもよいが、第1溶剤と第2溶剤との混合溶剤であることが好ましい。
液晶配向剤における固形分濃度(液晶配向剤の溶媒以外の成分の合計質量が液晶配向剤の全質量に占める割合)は、粘性、揮発性などを考慮して適宜に選択されるが、好ましくは1〜10質量%の範囲である。固形分濃度が1質量%未満である場合には、塗膜の膜厚が過小となって良好な液晶配向膜が得にくくなる。一方、固形分濃度が10質量%を超える場合には、塗膜の膜厚が過大となって良好な液晶配向膜が得にくく、また、液晶配向剤の粘性が増大して塗布性が低下する傾向にある。
≪液晶配向膜及び液晶素子≫
本開示の液晶配向膜は、上記のように調製された液晶配向剤により形成される。また、本開示の液晶素子は、上記で説明した液晶配向剤を用いて形成された液晶配向膜を具備する。液晶素子における液晶の動作モードは特に限定されず、例えばTN型、STN型、VA型(VA−MVA型、VA−PVA型などを含む。)、IPS(In-Plane Switching)型、FFS(Fringe Field Switching)型、OCB(Optically Compensated Bend)型、PSA型(Polymer Sustained Alignment)など種々のモードに適用することができる。液晶素子は、例えば以下の工程1〜工程3を含む方法により製造することができる。工程1は、所望の動作モードによって使用基板が異なる。工程2及び工程3は各動作モード共通である。
<工程1:塗膜の形成>
先ず、一対の基板における各基板面に液晶配向剤を塗布し、好ましくは塗布面を加熱することにより基板上に塗膜を形成する。基板としては、例えばフロートガラス、ソーダガラスなどのガラス;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリ(脂環式オレフィン)などのプラスチックからなる透明基板を用いることができる。基板の一方の面に設けられる透明導電膜としては、酸化スズ(SnO)からなるNESA膜(米国PPG社登録商標)、酸化インジウム−酸化スズ(In−SnO)からなるITO膜などを用いることができる。TN型、STN型又はVA型の液晶素子を製造する場合には、パターニングされた透明導電膜が設けられている基板二枚を用いる。一方、IPS型又はFFS型の液晶素子を製造する場合には、櫛歯型にパターニングされた電極が設けられている基板と、電極が設けられていない対向基板とを用いる。基板への液晶配向剤の塗布は、電極形成面上に、好ましくはオフセット印刷法、フレキソ印刷法、スピンコート法、ロールコーター法又はインクジェット印刷法により行う。
液晶配向剤を塗布した後、塗布した液晶配向剤の液垂れ防止などの目的で、好ましくは予備加熱(プレベーク)が実施される。プレベーク温度は、好ましくは30〜200℃であり、プレベーク時間は、好ましくは0.25〜10分である。その後、溶剤を完全に除去し、必要に応じて、重合体成分中のアミック酸構造を熱イミド化することを目的として焼成(ポストベーク)工程が実施される。このときの焼成温度(ポストベーク温度)は、好ましくは80〜250℃であり、より好ましくは80〜200℃である。ポストベーク時間は、好ましくは5〜200分である。このようにして形成される膜の厚み(膜厚)は、好ましくは0.001〜1μmである。
<工程2:配向処理>
TN型、STN型、IPS型又はFFS型の液晶素子を製造する場合、上記工程1で形成した塗膜に液晶配向能を付与する処理(配向処理)を実施する。これにより、液晶分子の配向能が塗膜に付与されて液晶配向膜となる。配向処理としては、基板上に形成した塗膜を例えばナイロン、レーヨン、コットンなどの繊維からなる布を巻き付けたロールで一定方向に擦るラビング処理や、基板上に形成した塗膜に光照射を行って塗膜に液晶配向能を付与して光配向膜とする光配向処理等を用いることができる。一方、垂直配向(VA)型の液晶素子を製造する場合には、上記工程1で形成した塗膜をそのまま液晶配向膜として使用することができるが、液晶配向能を更に高めるために、該塗膜に対し配向処理を施すとよい。垂直配向型の液晶素子に好適な液晶配向膜は、PSA型の液晶素子にも好適に用いることができる。
光配向処理において、光照射は、ポストベーク工程後の塗膜に対して照射する方法、プレベーク工程後であってポストベーク工程前の塗膜に対して照射する方法、プレベーク工程及びポストベーク工程の少なくともいずれかにおいて塗膜の加熱中に塗膜に対して照射する方法、等により行うことができる。塗膜に照射する放射線としては、例えば150〜800nmの波長の光を含む紫外線及び可視光線を用いることができる。好ましくは、200〜400nmの波長の光を含む紫外線である。放射線が偏光である場合、直線偏光であっても部分偏光であってもよい。用いる放射線が直線偏光又は部分偏光である場合には、照射は基板面に垂直の方向から行ってもよく、斜め方向から行ってもよく、又はこれらを組み合わせて行ってもよい。非偏光の放射線の場合の照射方向は斜め方向とする。
使用する光源としては、例えば低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、重水素ランプ、メタルハライドランプ、アルゴン共鳴ランプ、キセノンランプ、エキシマレーザー等が挙げられる。基板面に対する放射線の照射量は、好ましくは400〜50,000J/mであり、より好ましくは1,000〜20,000J/mである。配向能付与のための光照射後において、基板表面を例えば水、有機溶媒(例えば、メタノール、イソプロピルアルコール、1−メトキシ−2−プロパノールアセテート、ブチルセロソルブ、乳酸エチル等)又はこれらの混合物を用いて洗浄する処理や、基板を加熱する処理を行ってもよい。
<工程3:液晶セルの構築>
上記のようにして液晶配向膜が形成された基板を2枚準備し、2枚の基板間に液晶配向膜に隣接して液晶が配置されるように液晶セルを製造する。液晶セルを製造するには、例えば、液晶配向膜が対向するように間隙を介して2枚の基板を対向配置し、2枚の基板の周辺部をシール剤により貼り合わせ、基板表面とシール剤で囲まれたセルギャップ内に液晶を注入充填し注入孔を封止する方法、ODF方式による方法等が挙げられる。シール剤としては、例えば硬化剤及びスペーサーとしての酸化アルミニウム球を含有するエポキシ樹脂等を用いることができる。液晶としては、ネマチック液晶及びスメクチック液晶を挙げることができ、その中でもネマチック液晶が好ましい。PSAモードでは、液晶セルの構築後に、一対の基板の有する導電膜間に電圧を印加した状態で液晶セルに光照射する処理を行う。
PSA型の液晶素子を製造する場合、導電膜を有する一対の基板間に、液晶と共に光重合性モノマーを注入又は滴下する点以外は上記と同様にして液晶セルを構築する。なお、光重合性モノマーとしては、従来公知の化合物を用いることができる。好ましくは、多官能性(メタ)アクリルモノマーである。その後、一対の基板の有する導電膜間に電圧を印加した状態で液晶セルに光照射する。ここで印加する電圧は、例えば5〜50Vの直流又は交流とすることができる。また、照射する光としては、例えば150〜800nmの波長の光を含む紫外線及び可視光線を用いることができる。これらのうち、300〜400nmの波長の光を含む紫外線が好ましい。照射光の光源としては、例えば低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、重水素ランプ、メタルハライドランプ、アルゴン共鳴ランプ、キセノンランプ、エキシマレーザーなどを使用することができる。光の照射量としては、好ましくは1,000〜200,000J/mであり、より好ましくは1,000〜150,000J/mである。
続いて、必要に応じて液晶セルの外側表面に偏光板を貼り合わせ、液晶素子とする。偏光板としては、ポリビニルアルコールを延伸配向させながらヨウ素を吸収させた「H膜」と称される偏光フィルムを酢酸セルロース保護膜で挟んだ偏光板又はH膜そのものからなる偏光板が挙げられる。
本開示の液晶素子は種々の用途に有効に適用することができ、例えば、時計、携帯型ゲーム、ワープロ、ノート型パソコン、カーナビゲーションシステム、カムコーダー、PDA、デジタルカメラ、携帯電話、スマートフォン、各種モニター、液晶テレビ、インフォメーションディスプレイなどの各種表示装置や、調光フィルム、位相差フィルム等に適用することができる。
以下、実施例により具体的に説明するが、本開示は以下の実施例に限定されるものではない。
以下の例において、重合体の溶液粘度、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、分子量分布(Mw/Mn)、イミド化率及びエポキシ当量は以下の方法により測定した。
<重合体の溶液粘度>
重合体の溶液粘度は、E型粘度計を用いて25℃において測定した。
<重量平均分子量、数平均分子量及び分子量分布>
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、下記条件でMw及びMnを測定した。分子量分布(Mw/Mn)は、得られたMw及びMnより算出した。
装置:昭和電工(株)の「GPC−101」
GPCカラム:(株)島津ジーエルシー製の「GPC−KF−801」、「GPC−KF−802」、「GPC−KF−803」及び「GPC−KF−804」を結合
移動相:テトラヒドロフラン(THF)
カラム温度:40℃
流速:1.0mL/分
試料濃度:1.0質量%
試料注入量:100μL
検出器:示差屈折計
標準物質:単分散ポリスチレン
<重合体のイミド化率>
ポリイミドを含有する溶液を純水に投入し、得られた沈殿を室温で十分に減圧乾燥した後、重水素化ジメチルスルホキシドに溶解し、テトラメチルシランを基準物質として室温でH−NMRを測定した。得られたH−NMRスペクトルから、下記数式(E−1)を用いてイミド化率を求めた。
イミド化率(%)=(1−A/A×α)×100 …(E−1)
(数式(E−1)中、Aは化学シフト10ppm付近に現れるNH基のプロトン由来のピーク面積であり、Aはその他のプロトン由来のピーク面積であり、αは重合体の前駆体(ポリアミック酸)におけるNH基のプロトン1個に対するその他のプロトンの個数割合である。)
<エポキシ当量>
エポキシ当量は、JIS C 2105に記載の塩酸−メチルエチルケトン法により測定した。
下記の例で使用した化合物の略称を以下に示す。なお、以下では便宜上、「式(X)で表される化合物」を単に「化合物(X)」と示す場合がある。
・環状シロキサン化合物[A]
Figure 2020039695
・環状シロキサン化合物[A]以外
Figure 2020039695
<重合体の合成>
[合成例2−1:ポリイミドの合成]
テトラカルボン酸無水物として2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物77g(0.34モル)、並びにジアミンとしてp−フェニレンジアミン19g(0.18モル)及び3,5−ジアミノ安息香酸27g(0.18モル)をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)1,260gに溶解し、室温で6時間反応させることにより、ポリアミック酸を含有する溶液を得た。得られたポリアミック酸溶液を少量分取し、減圧にて濃縮することにより濃度10質量%の溶液として測定した溶液粘度は80mPa・sであった。 次いで、得られたポリアミック酸溶液にNMP600gを追加し、ピリジン136g及び無水酢酸105gを添加して110℃で4時間脱水閉環反応を行った。脱水閉環反応後、系内の溶媒を新たなγ−ブチロラクトンで溶媒置換し、さらに濃縮することにより、イミド化率約85%のポリイミドである重合体(PI−1)を20質量%含有する溶液600gを得た。この溶液を少量分取し、γ−ブチロラクトンを加えて濃度6.0質量%の溶液として測定した溶液粘度は22mPa・sであった。
[合成例2−2:ポリアミック酸の合成]
テトラカルボン酸二無水物として1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物13.8g(0.070mol)、ジアミンとして2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル16.3g(0.0769mol)をNMP170gに溶解し、25℃で3時間反応を行うことにより、ポリアミック酸(これを「重合体(PA−1)」とする。)を10質量%含有する溶液を得た。
[合成例2−3:スチレン−マレイミド系共重合体の合成]
窒素下、100mL二口フラスコに、重合モノマーとして、化合物(MI−1)5.00g(8.6mmol)、4−ビニル安息香酸0.64g(4.3mmol)、4−(2,5−ジオキソ−3−ピロリン−1−イル)安息香酸2.82g(13.0mmol)、及び4−(グリシジルオキシメチル)スチレン3.29g(17.2mmol)、ラジカル重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.31g(1.3mmol)、連鎖移動剤として2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン0.52g(2.2mmol)、並びに溶媒としてテトラヒドロフラン25mlを加え、70℃で5時間重合した。n−ヘキサンに再沈殿した後、沈殿物を濾過し、室温で8時間真空乾燥することにより、スチレン−マレイミド系共重合体である重合体(StMI−A)を得た。GPCによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは30000、分子量分布Mw/Mnは2であった。
[合成例2−4:スチレン−マレイミド系共重合体の合成]
合成例2−3において、重合モノマーとして化合物(MI−1)に代えて化合物(MI−2)を用いた以外は合成例2−3と同様に重合を行った。n−ヘキサンに再沈殿した後、沈殿物を濾過し、室温で8時間真空乾燥することにより、スチレン−マレイミド系共重合体である重合体(StMI−B)を得た。GPCによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは25000、分子量分布Mw/Mnは2であった。
[合成例2−5:エポキシ基含有ポリオルガノシロキサンの合成]
撹拌機、温度計、滴下漏斗及び還流冷却管を備えた反応容器に、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン100.0g、メチルイソブチルケトン500g、及びトリエチルアミン10.0gを仕込み、室温で混合した。ここに脱イオン水100gを滴下漏斗から30分かけて滴下した後、還流下で混合しつつ、80℃において6時間反応を行った。反応終了後、有機層を取り出し、これを0.2質量%硝酸アンモニウム水溶液により洗浄後の水が中性になるまで洗浄した後、減圧下で溶媒及び水を留去することにより、エポキシ基含有ポリオルガノシロキサンを粘調な透明液体として得た。このエポキシ基含有ポリオルガノシロキサン(これを「ポリオルガノシロキサン(PS−1)」とする。)のエポキシ当量を測定したところ186g/当量であった。
<液晶配向剤の調製及び評価>
[実施例1]
1.液晶配向剤(AL−1)の調製
上記合成例2−1で得た重合体(PI−1)100質量部を含む溶液に、上記合成例2−3で得た重合体(StMI−A)10質量部、化合物(A−1−1)(商品名「KR−470」、信越シリコーン社製)2質量部、並びに溶剤としてNMP及びブチルセロソルブ(BC)を加え、溶剤組成がNMP/BC=50/50(質量比)、固形分濃度が4.0質量%の溶液とした。この溶液を孔径1μmのフィルターで濾過することにより液晶配向剤(AL−1)を調製した。
2.光垂直型液晶表示素子の製造
ITO膜からなる透明電極付きガラス基板の透明電極面上に、上記で調製した液晶配向剤(AL−1)を、スピンナーを用いて塗布し、80℃のホットプレートで1分間プレベークを行った。その後、庫内を窒素置換したオーブン中、230℃で1時間加熱して膜厚0.1μmの塗膜を形成した。次いで、この塗膜表面に、Hg−Xeランプ及びグランテーラープリズムを用いて、313nmの輝線を含む偏光紫外線1,000J/mを、基板法線に対し40°傾いた方向から照射して、塗膜に液晶配向能を付与した。同じ操作を繰り返して、液晶配向膜を有する基板を一対(2枚)作成した。
液晶配向膜が形成された一対の基板のうち一方の基板における液晶配向膜を有する面の外周に、直径3.5μmの酸化アルミニウム球入りエポキシ樹脂接着剤をスクリーン印刷により塗布した。続いて、一対の基板の液晶配向膜面を対向させ、各基板の紫外線の光軸の基板面への投影方向が逆平行となるように圧着し、150℃で1時間かけて接着剤を熱硬化させた。次いで、液晶注入口より基板間の間隙にネガ型液晶(メルク社製、MLC−6608)を充填した後、エポキシ系接着剤で液晶注入口を封止した。さらに、液晶注入時の流動配向を除くために、これを130℃で加熱してから室温まで徐冷し、液晶セルを得た。次に、基板の外側両面に、偏光板を、その偏光方向が互いに直交し、かつ、液晶配向膜の紫外線の光軸の基板面への射影方向と45°の角度をなすように貼り合わせることにより光垂直型液晶表示素子を製造した。
3.液晶表示素子の評価
上記の操作を繰り返し、液晶表示素子を複数個製造し、以下の耐熱性及び耐光性の評価を行った。なお、耐熱性及び耐光性の評価は、それぞれ別個の液晶表示素子を使用して行った。
[耐熱性の評価]
上記で製造した光垂直型液晶表示素子に、60℃において5Vの電圧を60マイクロ秒の印加時間、167ミリ秒のスパンで印加した後、印加解除から167ミリ秒後の電圧保持率を測定し、これを初期電圧保持率Arf[%]とした。次いで、この液晶セルを100℃オーブン内に1,000時間静置して熱ストレスを与えた後、再度、同じ条件で電圧保持率を測定し、これを熱ストレス後電圧保持率Atm[%]とした。初期電圧保持率Arfに対する熱ストレス後電圧保持率Atmの低下量α[%](α=Arf−Atm)を算出し、低下量αにより液晶表示素子の耐熱性を評価した。この低下量αが1%以下であった場合を耐熱性「極めて良好(◎)」、低下量αが1%を超えて2%以下であった場合を耐熱性「良好(○)」、低下量αが2%を超えて3%以下であった場合を耐熱性「可(△)」、低下量αが3%を超えた場合を耐熱性「不良(×)」と評価した。その結果、この実施例では耐熱性は「極めて良好(◎)」の評価であった。なお、電圧保持率の測定装置には(株)東陽テクニカ製VHR−1を使用した。
[耐光性の評価]
上記で製造した光垂直型液晶表示素子につき、耐熱性の評価と同様の条件で電圧保持率を測定し、これを初期電圧保持率Arf[%]とした。次いで、液晶表示素子を0ワット型白色蛍光灯下5cmの距離に静置し、1,000時間光を照射して光ストレスを与えた後、再度、同じ条件で電圧保持率を測定し、これを光ストレス後電圧保持率Agt[%]とした。初期電圧保持率Arfに対する光ストレス後電圧保持率Agtの低下量β[%](β=Arf−Agt)を算出し、低下量βにより液晶表示素子の耐光性を評価した。この低下量βが1%以下であった場合を耐光性「極めて良好(◎)」、低下量βが1%を超えて2%以下であった場合を耐光性「良好(○)」、低下量βが2%を超えて3%以下であった場合を耐光性「可(△)」、低下量βが3%を超えた場合を耐光性「不良(×)」と評価した。その結果、この実施例では耐光性は「極めて良好(◎)」の評価であった。
[実施例2〜9及び比較例1,2,4,6]
配合組成を下記表1〜表3に示すとおり変更した以外は実施例1と同じ溶剤組成及び固形分濃度で液晶配向剤を調製した。また、それぞれの液晶配向剤を用いて実施例1と同様にして光垂直型液晶表示素子を製造し、各種評価を行った。それらの結果を下記表1〜表3に示した。
[実施例10]
1.液晶配向剤(AL−10)の調製
使用する重合体を、上記合成例2−2で得た重合体(PA−1)100質量部を含む溶液、及び上記合成例2−4で得た重合体(StMI−B)5質量部に変更した以外は上記実施例1と同じ溶媒組成及び固形分濃度で液晶配向剤(AL−10)を調製した。
2.液晶組成物の調製
ネマチック液晶(メルク社製、MLC−6608)10gに対し、上記式(L1−1) で表される液晶性化合物を5質量%、及び上記式(L2−1)で表される光重合性化合物 を0.3質量%添加して混合することにより液晶組成物LC1を得た。
3.PSA型液晶表示素子の製造
上記で調製した液晶配向剤(AL−10)を、ITO電極からなる導電膜をそれぞれ有するガラス基板2枚の各電極面上に、液晶配向膜印刷機(日本写真印刷(株)製)を用いて塗布し、80℃のホットプレート上で2分間加熱(プレベーク)して溶媒を除去した後、230℃のホットプレート上で10分間加熱(ポストベーク)して、平均膜厚0.06μmの塗膜を形成した。これら塗膜につき、超純水中で1分間超音波洗浄を行った後、100℃クリーンオーブン中で10分間乾燥することにより、液晶配向膜を有する基板を一対(2枚)得た。なお、使用した電極のパターンは、PSAモードにおける電極パターンと同種のパターンである。
次いで、上記一対の基板のうち一方の基板の液晶配向膜を有する面の外縁に、直径5.5μmの酸化アルミニウム球入りエポキシ樹脂接着剤を塗布した後、液晶配向膜面が相対するように重ね合わせて圧着し、接着剤を硬化した。次いで、液晶注入口より一対の基板間に、上記で調製した液晶組成物LC1を充填した後、アクリル系光硬化接着剤で液晶注入口を封止することにより、液晶セルを製造した。その後、液晶セルの導電膜間に周波数60Hzの交流10Vを印加し、液晶が駆動している状態で、光源にメタルハライドランプを使用した紫外線照射装置を用いて、100,000J/mの照射量にて紫外線を照射した。なお、この照射量は、波長365nm基準で計測される光量計を用いて測定した値である。その後、基板の外側両面に、偏光板を、その偏光方向が互いに直交し、かつ、液晶配向膜の紫外線の光軸の基板面への射影方向と45°の角度をなすように貼り合わせることによりPSA型液晶表示素子を製造した。
4.液晶表示素子の評価
上記の操作を繰り返し、液晶表示素子を複数個製造し、実施例1と同様にして耐熱性及び耐光性の評価を行った。その結果、この実施例では、耐熱性及び耐光性のいずれも「極めて良好(◎)」の評価であった。
[実施例11〜13及び比較例3,5]
配合組成を下記表2及び表3に示すとおり変更した以外は実施例10と同じ溶剤組成及び固形分濃度で液晶配向剤を調製した。また、それぞれの液晶配向剤を用いて実施例10と同様にしてPSA型液晶表示素子を製造して、実施例1と同様にして各種評価を行った。それらの結果を下記表2及び表3に示した。
Figure 2020039695
Figure 2020039695
Figure 2020039695
表1〜表3中、「−」は、該当する欄の化合物を使用しなかったことを示す。化合物の略称は以下のとおりである。
A−1−1:品名「KR−470」、信越シリコーン社製(上記式(A−1−1)で表される化合物)
A−2−1:品名「CS−697」、シグマアルドリッチ社製(上記式(A−2−1)で表される化合物)
A−3−1:品名「CS−783」、シグマアルドリッチ社製(上記式(A−3−1)で表される化合物)
C−1:品名「X−40−2669」、信越シリコーン社製(上記式(C−1)で表される化合物)
C−2:上記合成例2−5のポリオルガノシロキサン(PS−1)
C−3:N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(上記式(C−3)で表される化合物)
以上の結果から、架橋剤として環状シロキサン化合物[A]を含有する液晶配向剤を用いた実施例1〜13は、液晶表示素子の耐熱性及び耐光性の評価が「極めて良好(◎)」又は「良好(○)」の結果であった。
これに対し、環状シロキサン化合物[A]を含有しない以外は実施例1〜3、実施例10〜13の液晶配向剤と同じ組成にした比較例4、5では、実施例に比べて、耐光性及び耐熱性の両方が劣っていた。
また、環状シロキサン化合物[A]に代えて、鎖状構造の多官能シロキサン化合物である化合物(C−1)を用いた比較例1では、実施例(実施例1〜3)に比べて耐光性が劣り、実施例1,2に対しては耐熱性も劣っていた。環状シロキサン化合物[A]に代えてポリオルガノシロキサン(PS−1)を用いた比較例2、3では、実施例(実施例1〜3、実施例10〜13)に比べて耐光性及び耐熱性のいずれも劣っていた。
また、従来より使用されている架橋剤である化合物(C−3)を用いた比較例6についても、実施例に比べて耐光性及び耐熱性のいずれも劣っていた。
これらの結果から、架橋剤として環状シロキサン化合物[A]を用いることにより、耐熱性及び耐光性に優れた液晶素子を得ることができることが分かった。

Claims (8)

  1. 重合体成分と、架橋性基を有する環状シロキサン化合物[A]と、を含有する、液晶配向剤。
  2. 前記環状シロキサン化合物[A]は、下記式(1)で表される化合物である、請求項1に記載の液晶配向剤。
    Figure 2020039695
    (式(1)中、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜20の1価の有機基である。ただし、R〜Rのうち少なくとも1個は、架橋性基を有する1価の有機基である。nは1〜18の整数である。nが2以上の場合、複数のRは互いに同じでも異なっていてもよく、複数のRは互いに同じでも異なっていてもよい。)
  3. 前記重合体成分は、ポリアミック酸、ポリアミック酸エステル、ポリイミド、及び重合性不飽和結合を有するモノマーに由来する構造単位を有する重合体よりなる群から選ばれる少なくとも一種である、請求項1又は2に記載の液晶配向剤。
  4. 前記重合体成分として2種以上の重合体を含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の液晶配向剤。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の液晶配向剤を用いて形成された液晶配向膜。
  6. 請求項5に記載の液晶配向膜を具備する液晶素子。
  7. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の液晶配向剤を一対の基板のそれぞれの基板面に塗布し、前記基板面に光を照射することにより光配向膜を形成する工程と、
    前記液晶配向膜が形成された一対の基板を、液晶層を挟んで前記光配向膜が対向するように配置して液晶セルを構築する工程と、
    を含む、液晶素子の製造方法。
  8. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の液晶配向剤を、導電膜を有する一対の基板のそれぞれの前記導電膜上に塗布して塗膜を形成する工程と、
    前記塗膜が形成された一対の基板を、液晶層を挟んで前記塗膜が対向するように配置して液晶セルを構築する工程と、
    前記導電膜間に電圧を印加した状態で前記液晶セルに光照射する工程と、
    を含む、液晶素子の製造方法。
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