JP2016029465A - 液晶配向剤、液晶配向膜、液晶表示素子、位相差フィルム及び位相差フィルムの製造方法 - Google Patents

液晶配向剤、液晶配向膜、液晶表示素子、位相差フィルム及び位相差フィルムの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】基板の反りを低減でき、かつ液晶配向性及び電圧保持率が良好な液晶表示素子を得ることができる液晶配向剤を提供する。
【解決手段】重合体成分として1種又は2種以上の重合体を含む液晶配向剤において、該重合体成分中に、下記式(1)で表される部分構造(c−1)と、シロキサン構造及び重合性炭素−炭素不飽和結合を有するモノマーに由来する構造よりなる群から選ばれる少なくとも一種の部分構造(c−2)と、を含有させる。
Figure 2016029465

(式中、R及びRは炭素数1〜12のアルキル基等であり、R及びRは水素原子又は置換若しくは無置換の炭素数1〜10の1価の鎖状炭化水素基である。Xは4価の有機基であり、Yは2価の有機基である。)
【選択図】なし

Description

本発明は、液晶配向剤、液晶配向膜、液晶表示素子、位相差フィルム及び位相差フィルムの製造方法に関する。
従来、液晶表示素子としては、電極構造や液晶分子の物性、製造工程等が異なる種々の駆動方式が開発されており、例えばTN型やSTN型、VA型、面内スイッチング型(IPS型)、FFS型等の各種液晶表示素子が知られている。これら液晶表示素子は、液晶分子を配向させるための液晶配向膜を有する。液晶配向膜の材料としては、耐熱性、機械的強度、液晶との親和性などの各種特性が良好である点から、ポリアミック酸やポリイミドが一般に使用されている。ポリアミック酸又はポリイミドを用いて基板上に液晶配向膜を形成する方法としては、例えばポリアミック酸を含有する溶液を基板上に塗布し、これを加熱して基板上でイミド化してポリイミド膜とする方法、可溶性ポリイミドを含有する溶液を基板上に塗布し、溶媒を基板上から除去してポリイミド膜とする方法、などが一般に用いられている。
また近年では、液晶配向剤の重合体成分としてポリアミック酸エステルを単独で使用したり、あるいはポリアミック酸又はポリイミドと併用したりすることが提案されている(例えば特許文献1〜3参照)。
特許文献1には、重合体成分としてポリアミック酸エステルとポリアミック酸とを液晶配向剤に含有させるとともに、ポリアミック酸エステルの重量平均分子量をポリアミック酸よりも小さくすることが開示されている。こうした液晶配向剤によれば、液晶配向膜における膜表面に生じる微細な凹凸が低減され、液晶表示素子における液晶配向性及び電気的特性を改善できる旨、特許文献1には記載されている。
また、特許文献2には、ポリアミック酸エステルと可溶性ポリイミドとを含有する液晶配向剤が提案されている。特許文献2には、こうした液晶配向剤によれば、イミド化率が高くても塗膜形成時において白化現象を起こさず、印刷性及び塗膜の耐ラビング性が良好であり、液晶表示素子における液晶配向性及び電気的特性を改善できる旨が記載されている。
特許文献3には、光配向処理用の液晶配向剤として、主鎖にシクロブタン環を有するポリアミック酸エステル及びそのイミド化重合体からなる群より選ばれる少なくとも一種の重合体と、ポリアミック酸とを含有する液晶配向剤が開示されている。
液晶表示素子には種々の光学材料が用いられており、中でも位相差フィルムは、表示の着色を解消する目的や、視覚方向によって表示色及びコントラスト比が変化するといった視野角依存性を解消する目的で用いられている。かかる位相差フィルムとしては、TACフィルム等の基板の表面に形成された液晶配向膜と、その液晶配向膜の表面に重合性液晶を硬化させることによって形成された液晶層とを有するものが知られている。また、位相差フィルムにおける液晶配向膜の作製に際して、基板表面に形成した感放射線性の有機薄膜に偏光又は非偏光の光を照射することにより液晶配向能を付与する光配向法が利用されており、かかる方法によって液晶配向膜を作製するための位相差フィルム用の液晶配向剤が種々提案されている(例えば、特許文献4参照)。
また近年、携帯電話等のモバイルアプリケーションの普及が進み、液晶表示素子の軽量化及び薄型化が求められている。これに伴い、基板の薄型化が種々検討されている(例えば、特許文献5参照)。
国際公開第2011/115078号 国際公開第2013/147083号 国際公開第2011/115079号 特開2012−37868号公報 特開2012−243935号公報 特開2011−065195号公報
本発明者らが検討したところ、重合体成分としてポリアミック酸エステルを用いた液晶配向剤では、薄型基板上に塗膜を形成した場合に、膜収縮によって基板に反りが生じやすいことが分かった。こうした基板の反りは、製品の歩留まり低下や、液晶パネルの品質低下を招くことが懸念される。近年における基板の薄型化に対応しつつ、液晶表示素子の表示品位を良好にするためには、液晶分子の配向性や電圧保持率などの基本特性を損なうことなく、基板の反りを低減可能な材料が求められている。また、位相差フィルムの用途に用いた場合にも、良好な液晶配向性を示す材料であることが好ましい。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、基板の反りを低減でき、かつ液晶配向性及び電圧保持率が良好な液晶表示素子を得ることができる液晶配向剤を提供することを一つの目的とする。また、液晶配向性が良好な位相差フィルムを得ることができる液晶配向剤を提供することを他の一つの目的とする。
本発明者らは、上記のような従来技術の課題を達成するべく鋭意検討し、重合体成分においてポリアミック酸エステル構造と特定の部分構造とを組み合わせたところ、液晶配向性及び電気特性を保持しつつ基板の反りを抑制可能であることを見出し、本発明を解決するに至った。具体的には、本発明により以下の液晶配向剤、液晶配向膜、液晶表示素子、位相差フィルム及び位相差フィルムの製造方法が提供される。
本発明は、一つの側面において、重合体成分として1種又は2種以上の重合体を含有し、前記重合体成分中に、下記式(1)で表される部分構造(c−1)と、シロキサン構造及び重合性炭素−炭素不飽和結合を有するモノマーに由来する構造よりなる群から選ばれる少なくとも一種の部分構造(c−2)と、を含有する液晶配向剤を提供する。
Figure 2016029465
(式(1)中、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数1〜12のアルキル基、−Si(R(ただし、Rはアルキル基又はアルコキシ基であり、複数のRは同じでも異なってもよい。)、フッ素原子を有する1価の基、(メタ)アクリロイル基を有する1価の基、又は桂皮酸構造を有する1価の基であり、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、又は置換若しくは無置換の炭素数1〜10の1価の鎖状炭化水素基である。Xは4価の有機基であり、Yは2価の有機基である。)
本発明は、別の一つの側面において、上記の液晶配向剤を用いて形成された液晶配向膜を提供する。また、別の一つの側面において、上記液晶配向膜を具備する液晶表示素子及び位相差フィルムを提供する。また、上記の液晶配向剤を基板上に塗布して塗膜を形成する工程と、該塗膜に光照射する工程と、光照射した後の塗膜上に重合性液晶を塗布して硬化させる工程と、を含む位相差フィルムの製造方法を提供する。
本発明の液晶配向剤によれば、基板の反りを低減できるとともに、液晶配向性及び電圧保持率が良好な液晶表示素子を得ることができる。また、液晶配向性が良好な位相差フィルムを得ることができる。
以下、本発明の液晶配向膜に含まれる各成分、及び必要に応じて含まれる成分について説明する。
<重合体成分>
本発明の液晶配向剤は、重合体成分として1種又は2種以上の重合体を含み、該重合体成分中に、上記式(1)で表される部分構造(c−1)と、シロキサン構造及び重合性炭素−炭素不飽和結合を有するモノマーに由来する構造よりなる群から選ばれる少なくとも一種の部分構造(c−2)と、を含有する。
[部分構造(c−1)]
部分構造(c−1)について、上記式(1)のR及びRは、炭素数1〜12のアルキル基、−Si(R(ただし、Rはアルキル基又はアルコキシ基であり、複数のRは同じでも異なってもよい。)、フッ素原子を有する1価の基、(メタ)アクリロイル基を有する1価の基、又は桂皮酸構造を有する1価の基である。
ここで、炭素数1〜12のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基等が挙げられ、これらは直鎖状でも分岐状でもよい。膜形成時のポストベークによって生じる化合物を気化させる観点から、R及びRにおけるアルキル基は、好ましくは炭素数1〜5、より好ましくは炭素数1〜3、更に好ましくはメチル基又はエチル基である。
基「−Si(R」において、Rのアルキル基及びアルコキシ基は、炭素数1〜5が好ましく、炭素数1〜3がより好ましい。
上記フッ素原子を有する1価の基としては、例えばフッ化アルキル基、フッ化アルコキシ基、フッ化アルキルエステル基等が挙げられ、好ましくはフッ化アルキル基である。フッ化アルキル基は、炭素数1〜5が好ましく、炭素数1〜3がより好ましい。
上記(メタ)アクリロイル基を有する1価の基としては、例えば「−R−A」(ただし、Rは2価の有機基であり、Aは(メタ)アクリロイル基である。)で表される基などが挙げられる。Rの2価の有機基としては、例えば−CH−CH−O−*、−CH−CH−NH−*、−CH(CH)−CH−O−*、及び−CH(CH)−CH−NH−*(ただし、「*」を付した結合手がAと結合する。)を好ましい具体例として挙げることができる。なお、「(メタ)アクリロイル」は、アクリロイル及びメタクリロイルを含む意味である。
上記桂皮酸構造を有する1価の基は、桂皮酸又はその誘導体を基本骨格として含む1価の基であればよく、その余の構造は特に限定しない。好ましい具体例としては、例えば下記式(x−1)で表される基及び下記式(x−2)で表される基などが挙げられる。
Figure 2016029465
(式(x−1)及び式(x−2)中、R11及びR14は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数1〜20のフルオロアルキル基である。X11、X12及びX13は、それぞれ独立に、単結合、酸素原子、硫黄原子、*−COO−又は*−OCO−(ただし、「*」を付した結合手がそれぞれR11、R12又はR14と結合する。)である。R12及びR15は、それぞれ独立に、1,4−フェニレン基又は1,4−シクロヘキシレン基である。X14は、単結合、炭素数1〜3のアルカンジイル基、酸素原子、硫黄原子又は−NH−である。X15は酸素原子、*−COO−又は*−OCO−(ただし、「*」を付した結合手がR16と結合する。)である。R16は2価の芳香族基、2価の脂環式基、2価の複素環式基又は2価の縮合環式基である。R17は単結合、*−OCO−(CH−又は*−O−(CH−(ただし、「*」を付した結合手がR16と結合し、h及びiはそれぞれ1〜10の整数である。)である。X16は*−COO−又は*−OCO−(ただし、「*」を付した結合手がR17と結合する。)である。R13及びR18は、それぞれ独立にフッ素原子、シアノ基又はメチル基である。a、e及びdはそれぞれ独立に0〜3の整数であり、b及びfはそれぞれ独立に1〜10の整数であり、c及びgはそれぞれ独立に0〜4の整数である。)
上記桂皮酸構造を有する1価の基の好ましい具体例としては、上記式(x−1)で表される基として、例えば下記式(x−1−1)〜式(x−1−11)のそれぞれで表される基などを;上記式(x−2)で表される基として、例えば下記式(x−2−1)〜式(x−2−3)のそれぞれで表される化合物などを挙げることができるほか、特開2011−133825号公報に記載の基が挙げられる。
Figure 2016029465
(式中、R11及びbは、上記式(x−1)中のR11及びbと同義である。)
Figure 2016029465
(式中、R14及びfは、上記式(x−2)中のR14及びfと同義である。)
上記式(1)のR及びRとしては、R及びRに由来する化合物(不純物)が膜中に残存することによる品質低下を抑制する観点及び保存安定性の観点から、上記のうち炭素数1〜5のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜3のアルキル基であることがより好ましい。なお、R及びRは、部分構造間で、同じでも異なっていてもよい。
及びRは、水素原子、又は置換若しくは無置換の炭素数1〜10の1価の鎖状炭化水素基である。R及びRにおける1価の鎖状炭化水素基は、飽和状でも不飽和状でもよい。具体的には、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のアルキニル基などが挙げられ、これらは直鎖状であっても分岐状であってもよい。R及びRの1価の鎖状炭化水素基が有していてもよい置換基としては、例えばハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子など)、水酸基、シアノ基、アルコキシ基等が挙げられる。
及びRは、これらのうち、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、水素原子、メチル基又はエチル基がより好ましい。
上記式(1)において、Xは、例えばテトラカルボン酸二無水物に由来する4価の基、すなわち、テトラカルボン酸二無水物から2つの酸無水物基を取り除いた残基であり、Yは、例えばジアミンに由来する2価の基、すなわち、ジアミンから2つの1級アミノ基を取り除いた残基である。X及びYにおける有機基の一例としては、例えば、炭化水素基、炭化水素基のメチレン基を−O−、−COO−、−CO−、−NHCO−、−S−、−NH−、−SO−等の官能基で置き換えてなる基、複素環を有する基、などが挙げられる。また、これら各基において、炭素原子に結合する水素原子は、例えばハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、アミノ基、カルボキシル基、チオール基、アルキルシリル基、アルコキシシリル基、アルコキシ基等で置換されていてもよい。
ここで、本明細書において「炭化水素基」とは、鎖状炭化水素基、脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基を含む意味である。「鎖状炭化水素基」とは、主鎖に環状構造を含まず、鎖状構造のみで構成された炭化水素基を意味する。但し、鎖状構造は直鎖状であっても分岐状であってもよい。「脂環式炭化水素基」とは、環構造としては脂環式炭化水素の構造のみを含み、芳香環構造を含まない炭化水素基を意味する。但し、脂環式炭化水素の構造のみで構成されている必要はなく、その一部に鎖状構造を有するものも含む。また、「芳香族炭化水素基」とは、環構造として芳香環構造を含む炭化水素基を意味する。但し、芳香環構造のみで構成されている必要はなく、その一部に鎖状構造や脂環式炭化水素の構造を含んでいてもよい。「有機基」とは、炭素原子を含む基を意味し、構造中にヘテロ原子を含んでいてもよい。
としては、脂肪族テトラカルボン酸二無水物、脂環式テトラカルボン酸二無水物又は芳香族テトラカルボン酸二無水物に由来する4価の基などが挙げられる。中でも、脂環式テトラカルボン酸二無水物及び芳香族テトラカルボン酸二無水物よりなる群から選ばれる一種の化合物が有する2個の酸無水物基を取り除いてなる部分構造を有する4価の基であることが好ましい。液晶配向性及び溶剤に対する溶解性の観点から、特に好ましくは、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸2:3,5:6−二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−8−メチル−3a,4,5,9b−テトラヒドロナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−3a,4,5,9b−テトラヒドロナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、ビシクロ[3.3.0]オクタン−2,4,6,8−テトラカルボン酸2:4,6:8−二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、及びピロメリット酸二無水物よりなる群から選ばれる一種の化合物(以下、「特定酸二無水物」とも称する。)が有する2個の酸無水物基を取り除いてなる部分構造を有する4価の基である。
としては、脂肪族ジアミン、脂環式ジアミン、芳香族ジアミン又はジアミノオルガノシロキサンに由来する2価の基などが挙げられる。液晶配向性及び電気特性の観点から、中でも、芳香族ジアミンに由来する部分構造であることが好ましい。なお、Yを構成するジアミンの具体例については、下記に例示したジアミンの説明を適用できる。
[部分構造(c−2)]
部分構造(c−2)におけるシロキサン構造は、シロキサン結合(Si−O)を骨格に有する。例えば、下記式(c−2−1)で表される。
Figure 2016029465
(式(c−2−1)中、Rは、水素原子、水酸基又は1価の有機基であり、分子内又は分子間で他の基と相互作用していてもよい。式中の2つのRは、同じでも異なっていてもよい。)
上記式(c−2−1)におけるRの1価の有機基としては、例えば水酸基、アルコキシ基、1価の炭化水素基、1価の炭化水素基のメチレン基を−O−、−COO−、−CO−、−NHCO−、−S−、−NH−、−SO−等の官能基で置き換えてなる基、複素環を有する基などが挙げられ、これら各基において、炭素原子に結合する水素原子が、例えばハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、アミノ基、カルボキシル基、チオール基、エポキシ基、アルキルシリル基、アルコキシシリル基、アルコキシ基、(メタ)アクリロイル基、ウレイド基等で置換されていてもよい。上記式(c−2−1)中のRが、分子内又は分子間で他の基と相互作用している場合の具体例としては、分子内又は分子間で他の基と共有結合を形成している態様、又は共有結合よりも弱い分子間力(例えば、イオン−双極子相互作用、双極子−双極子相互作用、水素結合、ファンデルワールス力等といった分子間に働く電磁気学的な力)を形成している態様などが挙げられる。
重合性炭素−炭素不飽和結合を有するモノマー(以下、「重合性不飽和化合物」とも称する。)としては、例えば(メタ)アクリル系化合物、芳香族ビニル化合物、マレイミド化合物、オレフィン系炭化水素等が挙げられる。重合性不飽和化合物としては、中でも、(メタ)アクリル系化合物、芳香族ビニル化合物及びマレイミド化合物よりなる群から選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。なお、重合体成分中に含有される、重合性不飽和化合物に由来する構造は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。本明細書における「(メタ)アクリル」は、アクリル及びメタクリルを含む意味である。
液晶配向剤の重合体成分において、部分構造(c−1)及び部分構造(c−2)は、同一分子中に存在していてもよいし、異なる分子にそれぞれが存在していてもよい。具体的には、部分構造(c−1)と部分構造(c−2)とを有する重合体を含有する態様;部分構造(c−1)を有する重合体(A)と、部分構造(c−2)を有する重合体(B)とを含有する態様、などが挙げられる。なお、重合体(A)と重合体(B)とを含有する場合、これら2種の重合体は、液晶配向剤中で互いに独立して存在していてもよいし、あるいは同種又は異種の重合体の少なくとも一部が、配合後の液晶配向剤中において、分子間で相互作用していてもよい。この「相互作用」とは、分子間で共有結合を形成するか、又は共有結合よりも弱い分子間力を形成することを意味する。
本発明の液晶配向剤は、中でも、部分構造(c−1)と部分構造(c−2)とが異なる分子に存在する態様、つまり部分構造(c−1)を有する重合体(A)と、部分構造(c−2)を有する重合体(B)とを含有するものであることが好ましい。
<重合体(A)>
重合体(A)は有機化学の定法に従って得ることができる。具体的には、例えば[1]テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを反応させてポリアミック酸を合成し、次いで、得られたポリアミック酸とエステル化剤とを反応させる方法、[2]テトラカルボン酸ジエステルとジアミンとを反応させる方法、[3]テトラカルボン酸ジエステルジハロゲン化物とジアミンとを反応させる方法、[4]テトラカルボン酸二無水物とジアミンとエステル化剤とを有機溶媒中で反応させる方法、等が挙げられる。
・方法[1]について
(テトラカルボン酸二無水物)
ポリアミック酸の合成に使用するテトラカルボン酸二無水物としては、例えば、脂肪族テトラカルボン酸二無水物、脂環式テトラカルボン酸二無水物、芳香族テトラカルボン酸二無水物などを挙げることができる。これらの具体例としては、脂肪族テトラカルボン酸二無水物として、例えばブタンテトラカルボン酸二無水物などを;
脂環式テトラカルボン酸二無水物として、例えば1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−8−メチル−3a,4,5,9b−テトラヒドロナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−3a,4,5,9b−テトラヒドロナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、3−オキサビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジオン−6−スピロ−3’−(テトラヒドロフラン−2’,5’−ジオン)、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロ−3−フラニル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、3,5,6−トリカルボキシ−2−カルボキシメチルノルボルナン−2:3,5:6−二無水物、ビシクロ[3.3.0]オクタン−2,4,6,8−テトラカルボン酸2:4,6:8−二無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸2:3,5:6−二無水物、4,9−ジオキサトリシクロ[5.3.1.02,6]ウンデカン−3,5,8,10−テトラオン、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物などを;
芳香族テトラカルボン酸二無水物として、例えばピロメリット酸二無水物などを;それぞれ挙げることができるほか、特開2010−97188号公報に記載のテトラカルボン酸二無水物を用いることができる。なお、ポリアミック酸の合成に使用するテトラカルボン酸二無水物としては、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
ポリアミック酸の合成に使用するテトラカルボン酸二無水物の好ましい具体例としては、上記式(1)のXで例示した特定二無水物と同じ化合物が挙げられる。この特定酸二無水物の使用割合は、ポリアミック酸の合成に使用するテトラカルボン酸二無水物の合計量に対して、10モル%以上とすることが好ましく、20モル%以上とすることがより好ましく、30モル%以上とすることがさらに好ましい。ポリアミック酸の合成に使用するテトラカルボン酸二無水物は、上記の化合物の1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
(ジアミン)
ポリアミック酸の合成に使用するジアミンとしては、例えば脂肪族ジアミン、脂環式ジアミン、芳香族ジアミン、ジアミノオルガノシロキサンなどを挙げることができる。これらの具体例としては、脂肪族ジアミンとして、例えばメタキシリレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンなどを;脂環式ジアミンとして、例えば1,4−ジアミノシクロヘキサン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)などを;
芳香族ジアミンとして、例えばp−フェニレンジアミン、4,4’−エチレンジアニリン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、1,5−ジアミノナフタレン、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2−(4−アミノフェニル)エチルアミン、ビス(4−アミノフェニル)アミン、N,N−ビス(4−アミノフェニル)メチルアミン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4’−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ビスアニリン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、N,N’−ビス(4−アミノフェニル)−ベンジジン、N,N’−ビス(4−アミノフェニル)−N,N’−ジメチルベンジジン、ドデカノキシ−2,4−ジアミノベンゼン、テトラデカノキシ−2,4−ジアミノベンゼン、オクタデカノキシ−2,5−ジアミノベンゼン、コレスタニルオキシ−3,5−ジアミノベンゼン、コレステニルオキシ−3,5−ジアミノベンゼン、コレスタニルオキシ−2,4−ジアミノベンゼン、コレステニルオキシ−2,4−ジアミノベンゼン、3,5−ジアミノ安息香酸コレスタニル、3,5−ジアミノ安息香酸コレステニル、3,5−ジアミノ安息香酸ラノスタニル、3,6−ビス(4−アミノベンゾイルオキシ)コレスタン、3,6−ビス(4−アミノフェノキシ)コレスタン、4−(4’−トリフルオロメトキシベンゾイロキシ)シクロヘキシル−3,5−ジアミノベンゾエート、{4−[2−(3,5−ジアミノフェノキシ)−エトキシ]−フェニル}−エタノン、3,4−ジアミノベンゾフェノン、{4−[2−(3,5−ジアミノフェノキシ)−エトキシ]−フェニル}−フェニル−メタノン、{4−[2−(2,4−ジアミノフェノキシ)−エトキシ]−フェニル}−p−トルイル−メタノン、2,7−ジアミノフルオレノン、2,7−ジアミノフルオレン、及び9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、及び下記式(D−1)
Figure 2016029465
(式(D−1)中、XI及びXIIは、それぞれ独立に、単結合、−O−、−COO−又は−OCO−であり、Rは炭素数1〜3のアルカンジイル基であり、RIIは単結合又は炭素数1〜3のアルカンジイル基であり、aは0又は1であり、bは0〜2の整数であり、cは1〜20の整数であり、dは0又は1である。但し、a及びbが同時に0になることはない。)
で表される化合物などのほか、
3,5−ジアミノ安息香酸、2,4−ジアミノ安息香酸、2,5−ジアミノ安息香酸、4,4’−ジアミノビフェニル−3,3’−ジカルボン酸、4,4’−ジアミノビフェニル−2,2’−ジカルボン酸、3,3’−ジアミノビフェニル−2,4’−ジカルボン酸、4,4’−ジアミノジフェニルメタン−3,3’−ジカルボン酸、4,4’−ジアミノビフェニル−3−カルボン酸、4,4’−ジアミノジフェニルメタン−3−カルボン酸、4,4’−ジアミノジフェニルエタン−3,3’−ジカルボン酸、4,4’−ジアミノジフェニルエタン−3−カルボン酸、及び4,4’−ジアミノジフェニルエーテル−3,3’−ジカルボン酸等のカルボキシル基含有ジアミン:
2,6−ジアミノピリジン、3,4−ジアミノピリジン、2,4−ジアミノピリミジン、3,6−ジアミノアクリジン、3,6−ジアミノカルバゾール、N−メチル−3,6−ジアミノカルバゾール、1,4−ビス−(4−アミノフェニル)−ピペラジン、下記式(d−1)〜(d−3)
Figure 2016029465
のそれぞれで表される化合物等の窒素含有複素環ジアミン:下記式(d−4)〜式(d−7)
Figure 2016029465
のそれぞれで表される化合物などを;
ジアミノオルガノシロキサンとして、例えば、1,3−ビス(3−アミノプロピル)−テトラメチルジシロキサン、3,3’−[1,4−フェニレンビス(ジメチルシランジイル)]ビス(1−プロパンアミン)などを;それぞれ挙げることができるほか、特開2010−97188号公報に記載のジアミンを用いることができる。
上記式(D−1)における「−X−(R−XII−」で表される2価の基は、炭素数1〜3のアルカンジイル基、*−O−、*−COO−又は*−O−C−O−(ただし、「*」を付した結合手がジアミノフェニル基と結合する。)であることが好ましい。基「−C2c+1」は直鎖状であることが好ましい。ジアミノフェニル基における2つのアミノ基は、他の基に対して、2,4−位又は3,5−位にあることが好ましい。
上記式(D−1)で表される化合物の具体例としては、例えば下記式(D−1−1)〜式(D−1−4)のそれぞれで表される化合物などを挙げることができる。ジアミンは、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
Figure 2016029465
(ポリアミック酸の合成)
ポリアミック酸の合成反応に供されるテトラカルボン酸二無水物とジアミンとの使用割合は、ジアミンのアミノ基1当量に対して、テトラカルボン酸二無水物の酸無水物基が0.2〜2当量となる割合が好ましく、0.3〜1.2当量となる割合がより好ましい。
ポリアミック酸の合成に際しては、上記の如きテトラカルボン酸二無水物及びジアミンとともに、適当な分子量調節剤を用いて末端修飾型の重合体を合成することとしてもよい。かかる末端修飾型の重合体とすることにより、本発明の効果を損なうことなく液晶配向剤の塗布性(印刷性)を更に改善することができる。
分子量調節剤としては、例えば無水マレイン酸、無水フタル酸、無水イタコン酸などの酸一無水物、アニリン、シクロヘキシルアミン、n−ブチルアミンなどのモノアミン化合物、フェニルイソシアネート、ナフチルイソシアネートなどのモノイソシアネート化合物等を挙げることができる。分子量調節剤の使用割合は、使用するテトラカルボン酸二無水物及びジアミンの合計100重量部に対して、20重量部以下とすることが好ましく、10重量部以下とすることがより好ましい。
ポリアミック酸の合成反応は、好ましくは有機溶媒中において行われる。このときの反応温度は、−20℃〜150℃が好ましく、0〜100℃がより好ましい。また、反応時間は、0.1〜24時間が好ましく、0.5〜12時間がより好ましい。
反応に使用する有機溶媒としては、例えば非プロトン性極性溶媒、フェノール系溶媒、アルコール、ケトン、エステル、エーテル、ハロゲン化炭化水素、炭化水素などを挙げることができる。これらの有機溶媒のうち、非プロトン性極性溶媒及びフェノール系溶媒よりなる群(第一群の有機溶媒)から選択される1種以上、又は、第一群の有機溶媒から選択される1種以上と、アルコール、ケトン、エステル、エーテル、ハロゲン化炭化水素及び炭化水素よりなる群(第二群の有機溶媒)から選択される1種以上との混合物を使用することが好ましい。後者の場合、第二群の有機溶媒の使用割合は、第一群の有機溶媒及び第二群の有機溶媒の合計量に対して、好ましくは50重量%以下であり、より好ましくは40重量%以下であり、更に好ましくは30重量%以下である。
特に好ましくは、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルトリアミド、m−クレゾール、キシレノール及びハロゲン化フェノールよりなる群から選択される1種以上を溶媒として使用するか、あるいはこれらの1種以上と他の有機溶媒との混合物を、上記割合の範囲で使用することが好ましい。
有機溶媒の使用量(a)は、テトラカルボン酸二無水物及びジアミンの合計量(b)が、反応溶液の全量(a+b)に対して、0.1〜50重量%になる量とすることが好ましい。
以上のようにして、ポリアミック酸を溶解してなる反応溶液が得られる。この反応溶液はそのままエステル化剤との反応に供してもよく、反応溶液中に含まれるポリアミック酸を単離したうえでエステル化剤との反応に供してもよく、又は単離したポリアミック酸を精製したうえでエステル化剤との反応に供してもよい。ポリアミック酸の単離及び精製は公知の方法に従って行うことができる。
(ポリアミック酸とエステル化剤との反応)
ポリアミック酸と反応させるエステル化剤としては、例えばアルコール類、ハロゲン化物、アセタール系化合物、エポキシ化合物等を挙げることができる。これらの具体例としては、アルコール類として、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノール、トリフルオロメタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアルコール、1−(メタ)アクリロイルオキシ−2−プロピルアルコール、2−(メタ)アクリルアミドエチルアルコール、1−(メタ)アクリルアミド−2−プロピルアルコール等を;ハロゲン化物として、例えば臭化メチル、臭化エチル、塩化メチル、塩化エチル等を;アセタール系化合物として、例えばN,N−ジメチルホルムアミドジエチルアセタール、N,N−ジエチルホルムアミドジエチルアセタール等を;エポキシ化合物として、例えば上記式(x−1)で表される基を有するエポキシ基含有化合物、上記式(x−2)で表される基を有するエポキシ基含有化合物等を、それぞれ挙げることができる。エステル化剤としては、中でもアルコール類を好ましく用いることができる。
ポリアミック酸とエステル化剤との反応は、好ましくは有機溶媒中において行われる。このときの反応温度はエステル化剤の種類に応じて適宜設定すればよいが、例えばアルコール類の場合、−20℃〜200℃が好ましく、0〜120℃がより好ましい。また、反応時間は、0.1〜24時間が好ましく、0.5〜12時間がより好ましい。
反応に使用する有機溶媒としては、ポリアミック酸の合成に使用することができる有機溶媒の説明を適用することができ、具体的には、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトンなどを好ましく使用することができる。有機溶媒の使用量は、ポリアミック酸が、反応溶液の全量に対して0.1〜50重量%になる量とすることが好ましい。エステル化剤の使用量は、ポリアミック酸が有するアミック酸構造単位1モルに対して、0.002〜10モルとすることが好ましく、0.02〜6モルとすることがより好ましい。
・方法[2]について
方法[2]で使用するテトラカルボン酸ジエステルは、例えば上記で例示したテトラカルボン酸二無水物を、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類を用いて開環することによって得ることができる。テトラカルボン酸ジエステルと反応させるジアミンとしては、上記ポリアミック酸の合成で例示したジアミン等が挙げられる。ポリアミック酸エステルの合成反応に供されるテトラカルボン酸ジエステルとジアミンとの使用割合は、ジアミンのアミノ基1当量に対して、テトラカルボン酸ジエステルのカルボキシル基が、0.2〜2当量となる割合が好ましく、0.3〜1.2当量となる割合がより好ましい。
テトラカルボン酸ジエステルとジアミンとの反応は、好ましくは脱水触媒及び塩基の存在下、有機溶媒中において行われる。このときの反応温度は、−20℃〜150℃が好ましく、0〜100℃がより好ましい。また、反応時間は、0.1〜24時間が好ましく、0.5〜12時間がより好ましい。
反応に使用する有機溶媒としては、ポリアミック酸の合成に使用することができる有機溶媒の説明を適用することができ、中でもN,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトンなどを好ましく使用することができる。有機溶媒の使用割合は、テトラカルボン酸ジエステル及びジアミンの合計量が、反応溶液の全量に対して0.1〜50重量%になる量とすることが好ましい。
上記反応に使用する脱水触媒としては、例えば4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムハライド、カルボニルイミダゾール、ジシクロヘキシルカルボジイミド、リン系縮合剤などが挙げられる。これら縮合剤の使用割合は、テトラカルボン酸ジエステル1モルに対して、2〜3モルとすることが好ましく、2〜2.5モルとすることがより好ましい。
塩基としては、例えばピリジン、トリエチルアミン等の3級アミンを好ましく使用することができる。塩基の使用割合は、ジアミン1モルに対して、2〜4モルとすることが好ましく、2〜3モルとすることがより好ましい。なお、上記反応は、反応の進行を促進させる目的でルイス酸の存在下で行ってもよい。ルイス酸としては、例えば塩化リチウム等のハロゲン化リチウムなどが挙げられる。
・方法[3]について
方法[3]で使用するテトラカルボン酸ジエステルジハロゲン化物は、上記の如くして得たテトラカルボン酸ジエステルを、適当な塩素化剤と反応させることにより得ることができる。反応に使用する塩素化剤としては、例えば塩化チオニル、ホスゲン、塩化オキサソル等が挙げられる。
テトラカルボン酸ジエステルジハロゲン化物と反応させるジアミンとしては、上記ポリアミック酸の合成で例示したジアミン等が挙げられる。テトラカルボン酸ジエステルジハロゲン化物とジアミンとの使用割合は、ジアミンのアミノ基1当量に対して、テトラカルボン酸ジエステルジハロゲン化物が有するハロゲン原子が、0.2〜2当量となる割合が好ましく、0.3〜1.2当量となる割合がより好ましい。
テトラカルボン酸ジエステルジハロゲン化物とジアミンとの反応は、好ましくは塩基の存在下、有機溶媒中において行われる。上記反応に使用する塩基としては、例えばピリジン、トリエチルアミン等の3級アミン;水素化ナトリウム、水素化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属類などを好ましく使用することができる。塩基の使用割合は、ジアミン1モルに対して、2〜4モルとすることが好ましく、2〜3モルとすることがより好ましい。反応に使用する有機溶媒としては、ポリアミック酸の合成に使用することができる有機溶媒の説明を適用することができる。有機溶媒の使用割合は、テトラカルボン酸ジエステルジハロゲン化物及びジアミンの合計量が、反応溶液の全量に対して0.1〜50重量%になる量とすることが好ましい。反応温度は、−30℃〜150℃が好ましく、−10〜100℃がより好ましい。また、反応時間は、0.1〜24時間が好ましく、0.5〜12時間がより好ましい。
・方法[4]について
方法[4]は、シリル系ポリアミック酸エステルを得る場合に好ましい。シリル系ポリアミック酸エステルの合成に際して使用するエステル化剤としては、例えばビス(トリメチルシリル)アセトアミド、ビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミド、ビス(トリメチルシリル)尿素などのシリルアミド系シリル化剤が挙げられる。
上記反応に使用する有機溶媒としては、ポリアミック酸の合成に使用することができる有機溶媒の説明を適用することができる。反応温度は、−20℃〜250℃が好ましく、−10〜200℃がより好ましい。また、反応時間は、1〜20時間が好ましく、2〜15時間がより好ましい。シリル化剤の使用量は、ジアミンの使用量に対して、0.1〜3モルとすることが好ましく、0.5〜2モルとすることがより好ましい。
上記で得られたポリアミック酸エステルに対して更に、重合体末端のアミノ基と反応可能な化合物を反応させることにより、末端修飾型の重合体を合成することとしてもよい。このような末端修飾剤としては、アクリロイルクロリド、メタクリロイルクロリド、イソオキサゾール−5−カルボン酸クロリド、2−フロイルクロリド等のクロロカルボニル化合物などが挙げられる。
ポリアミック酸エステルと末端修飾剤との反応は、好ましくは塩基の存在下、有機溶媒中で行うことができる。このときの末端変性剤の使用割合は、反応に使用するジアミン1モルに対して、0.005〜0.6モルとすることが好ましく、0.01〜0.2モルとすることがより好ましい。塩基としては、例えばピリジン、トリエチルアミン等の3級アミンを好ましく使用することができる。有機溶媒としては、ポリアミック酸の合成に使用することができる有機溶媒の説明を適用することができ、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトンなどを好ましく使用することができる。
このようにして重合体(A)としてのポリアミック酸エステルを含有する反応溶液が得られる。この反応溶液は、そのまま液晶配向剤の調製に供してもよく、反応溶液中に含まれるポリアミック酸エステルを単離したうえで液晶配向剤の調製に供してもよく、又は単離したポリアミック酸エステルを精製したうえで液晶配向剤の調製に供してもよい。ポリアミック酸エステルの単離及び精製は公知の方法に従って行うことができる。
重合体(A)は、上記式(1)で表される構造(アミック酸エステル構造)のみを有していてもよく、あるいは、重合体(A)の一部に、アミック酸構造及びイミド環構造(イソイミド環構造を含む。)の少なくともいずれかを含む部分エステル化物であってもよい。基板の反り低減や、液晶表示素子におけるシール材周辺のムラ耐性(ベゼルムラ耐性)、液晶配向性、電圧保持率の改善効果を十分に得る観点からすると、重合体(A)は、上記式(1)で表されるアミック酸エステル構造を、重合体(A)が有するアミック酸エステル構造、アミック酸構造及びイミド環構造の合計に対して、1モル%以上有していることが好ましく、5モル%以上有していることがより好ましく、10モル%以上有していることが更に好ましい。
重合体(A)は、これを濃度15重量%の溶液としたときに、15〜1500mPa・sの溶液粘度を持つものであることが好ましく、20〜1200mPa・sの溶液粘度を持つものであることがより好ましい。なお、この重合体の溶液粘度(mPa・s)は、重合体(A)の良溶媒(例えばγ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドンなど)を用いて調製した濃度15重量%の重合体溶液につき、E型回転粘度計を用いて25℃において測定した値である。
重合体(A)のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは1,000〜500,000であり、より好ましくは2,000〜300,000である。また、重量平均分子量Mwと、GPCにより測定したポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)との比で表される分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは15以下であり、より好ましくは10以下である。このような分子量範囲にあることで、液晶表示素子の良好な配向性及び安定性を確保することができる。なお、重合体(A)は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
<重合体(B)>
重合体(B)は部分構造(c−2)を有する重合体であり、具体的には、ポリオルガノシロキサン、及び重合性炭素−炭素不飽和結合を有するモノマーの重合体が挙げられる。
[ポリオルガノシロキサン]
重合体(B)としてのポリオルガノシロキサンは、例えば、加水分解性のシラン化合物の加水分解・縮合反応により得ることができる。
上記反応に使用するシラン化合物は加水分解性を示すシラン化合物であればよく、その具体例としては、例えば、
3−グリシジロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジロキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシジロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシジロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシジロキシプロピルジメチルメトキシシラン、3−グリシジロキシプロピルジメチルエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等のエポキシ基含有シラン化合物;
テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン等のアルコキシシラン化合物;
3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、メルカプトメチルトリメトキシシラン、メルカプトメチルトリエトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(3−シクロヘキシルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等の窒素・硫黄含有アルコキシシラン化合物;
3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、6−(メタ)アクリロイルオキシヘキシルトリメトキシシラン、8−(メタ)アクリロイルオキシオクチルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン等の不飽和結合含有アルコキシシラン化合物;
などを挙げることができる。シラン化合物は、これらのうちの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。なお、「(メタ)アクリロイルオキシ」は、「アクリロイルオキシ」及び「メタクリロイルオキシ」を含む意味である。
上記の加水分解・縮合反応は、上記の如きシラン化合物の1種又は2種以上と水とを、好ましくは適当な触媒及び有機溶媒の存在下で反応させることにより行うことができる。加水分解・縮合反応に際し、水の使用割合は、シラン化合物(合計量)1モルに対して、好ましくは0.5〜100モルであり、より好ましくは1〜30モルである。
加水分解・縮合反応の際に使用する触媒としては、例えば酸、アルカリ金属化合物、有機塩基、チタン化合物、ジルコニウム化合物などを挙げることができる。これらの具体例としては、酸として、例えば塩酸、硝酸、リン酸等の無機酸、トルエンスルホン酸、フタル酸、マロン酸、ギ酸、シュウ酸等の有機酸などを;アルカリ金属化合物として、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシドなどを;有機塩基として、例えばエチルアミン、ジエチルアミン、ピペラジン、ピペリジン、ピロリジン、ピロールの如き1〜2級有機アミン:トリエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジンの如き3級有機アミン:テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの如き4級有機アミンなどを;それぞれ挙げることができる。これらのうち、アルカリ金属化合物又は有機塩基が好ましく、有機塩基がより好ましい。
有機塩基の使用量は、有機塩基の種類、温度などの反応条件などにより異なり、適宜に設定されるべきであるが、例えばシラン化合物の合計量に対して、好ましくは0.01〜3倍モルであり、より好ましくは0.05〜1倍モルである。
上記の加水分解・縮合反応の際に使用する有機溶媒としては、例えば炭化水素、ケトン、エステル、エーテル、アルコールなどを挙げることができる。それらの具体例としては、炭化水素として、例えばトルエン、キシレンなどを;ケトンとして、例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどを;エステルとして、例えば酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、乳酸エチルなどを;エーテルとして、例えばエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどを;アルコールとして、例えば1−ヘキサノール、4−メチル−2−ペンタノール、エチレングリコールモノメチルエーテルなどを;それぞれ挙げることができる。これらのうち、非水溶性又は難水溶性の有機溶媒を用いることが好ましい。なお、これらの有機溶媒は、1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができる。有機溶媒の使用割合は、反応に使用する全シラン化合物100重量部に対して、好ましくは10〜10,000重量部であり、より好ましくは50〜1,000重量部である。
上記の加水分解・縮合反応は、上記の如きシラン化合物を有機溶媒に溶解し、この溶液を有機塩基及び水と混合して、例えば油浴などにより加熱して実施することが好ましい。加水分解・縮合反応時には、加熱温度を130℃以下とすることが好ましく、40〜100℃とすることがより好ましい。加熱時間は、0.5〜12時間とすることが好ましく、1〜8時間とすることがより好ましい。加熱中は、混合液を撹拌してもよいし、還流下に置いてもよい。また、反応終了後において、反応液から分取した有機溶媒層を水で洗浄することが好ましい。この洗浄に際しては、少量の塩を含む水(例えば、0.2重量%程度の硝酸アンモニウム水溶液など)を用いて洗浄することにより、洗浄操作が容易になる点で好ましい。洗浄は、洗浄後の水層が中性になるまで行い、その後、有機溶媒層を、必要に応じて無水硫酸カルシウム、モレキュラーシーブなどの乾燥剤で乾燥した後、溶媒を除去することにより、目的とするポリオルガノシロキサンを得ることができる。
TN型、STN型又は垂直配向型の液晶表示素子を製造する場合、重合体(B)の少なくとも一部を、プレチルト角特性を発現可能な基(以下、「プレチルト角発現性基」ともいう。)を側鎖に有するポリオルガノシロキサンとしてもよい。ここで、プレチルト角発現性基としては、例えば炭素数2〜20のアルキル基、炭素数2〜20のフルオロアルキル基、炭素数2〜20のアルコキシ基、炭素数17〜51のステロイド骨格を有する基、2個以上の環が連結した構造を有する基などが挙げられる。プレチルト角発現性基におけるアルキル基、アルコキシ基及びフルオロアルキル基は直鎖状であることが好ましい。
プレチルト角発現性基を有するポリオルガノシロキサンの合成方法は特に限定しないが、例えば、エポキシ基含有シラン化合物、又はエポキシ基含有シラン化合物とそれ以外のシラン化合物との混合物の加水分解・縮合反応によりエポキシ基含有ポリオルガノシロキサンを合成し、次いで、得られたエポキシ基含有ポリオルガノシロキサンと、プレチルト角発現性基を有するカルボン酸とを反応させる方法によって得ることができる。
十分な量のプレチルト角発現性基を重合体の側鎖に導入することを可能にしつつ、エポキシ基が過剰量であることに起因する副反応を抑制する観点において、エポキシ基含有ポリオルガノシロキサンのエポキシ当量は、80〜10,000g/モルであることが好ましく、100〜1,000g/モルであることがより好ましい。したがって、エポキシ基含有ポリオルガノシロキサンを合成するにあたっては、エポキシ基含有シラン化合物の使用割合を、得られるポリオルガノシロキサンのエポキシ当量が上記範囲となるように調整することが好ましい。
プレチルト角発現性基を有するカルボン酸の具体例としては、例えばカプロン酸、ラウリン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキジン酸等の炭素数6〜20の脂肪酸、下記式(4−1)〜式(4−10)のそれぞれで表される化合物等が挙げられる。
Figure 2016029465
(式中、jは0〜12の整数であり、hは1〜20の整数である。Rは1価の有機基であり、iは0〜5の整数である。)
なお、プレチルト角発現性基を有するカルボン酸は、これらのうちから選択される1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
エポキシ基含有ポリオルガノシロキサンとカルボン酸との反応は、好ましくは触媒及び有機溶媒の存在下で行うことができる。エポキシ基含有ポリオルガノシロキサンと反応させるカルボン酸の使用割合としては、エポキシ基含有ポリオルガノシロキサンが有するエポキシ基1モルに対して、0.001〜1.5モルとすることが好ましく、0.01〜0.9モルとすることがより好ましく、0.05〜0.8モルとすることが更に好ましい。なお、エポキシ基含有ポリオルガノシロキサンとの反応に使用するカルボン酸の使用割合を、エポキシ基含有ポリオルガノシロキサンが有するエポキシ基1モルに対して1モル未満とした場合、エポキシ基及びプレチルト角発現性基を側鎖に有するポリオルガノシロキサンを得ることができる。基板の反りの低減効果を十分に得ることができる点で、重合体(B)が側鎖にエポキシ基を有することが好ましい。
上記反応に使用する触媒としては、例えば有機塩基、エポキシ化合物の反応を促進するいわゆる硬化促進剤として公知の化合物などを用いることができる。具体的には、上記有機塩基としては、例えばピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドなどを挙げることができる。また、上記硬化促進剤としては、例えばベンジルジメチルアミン、2−メチルイミダゾール、ジフェニルフォスフィン、ベンジルトリフェニルフォスフォニウムクロライド、オクチル酸亜鉛、オクチル酸錫、テトラエチルアンモニウムブロマイド、三フッ化ホウ素、塩化亜鉛、塩化第二錫などを挙げることができるほか、潜在性硬化促進剤として公知のものを使用することができる。
上記触媒は、反応に使用するエポキシ基含有ポリオルガノシロキサン100重量部に対して、好ましくは100重量部以下、より好ましくは0.01〜80重量部、更に好ましくは0.1〜20重量部の割合で使用することができる。
上記反応に使用する有機溶媒としては、例えば炭化水素、エーテル、エステル、ケトン、アミド、アルコール等を挙げることができる。これらのうち、原料及び反応生成物の溶解性、並びに反応生成物の精製のしやすさの観点から、エーテル、エステル、ケトンが好ましい。特に好ましい溶媒の具体例として、2−ブタノン、2−ヘキサノン、メチルイソブチルケトン及び酢酸ブチル等を挙げることができる。当該有機溶媒は、固形分濃度(反応溶液中の溶媒以外の成分の合計重量が、溶液の全重量に対して占める割合)が、0.1重量%以上となる割合で使用することが好ましく、5〜50重量%となる割合で使用することがより好ましい。
エポキシ基含有ポリオルガノシロキサンとカルボン酸との反応温度は、好ましくは0〜200℃であり、より好ましくは50〜150℃である。反応時間は、好ましくは0.1〜50時間であり、より好ましくは0.5〜20時間である。また、反応終了後においては、反応液から分取した有機溶媒層を水で洗浄することが好ましい。水洗後、有機溶媒層を、必要に応じて適当な乾燥剤で乾燥した後、溶媒を除去することにより、プレチルト角発現性基を側鎖に有するポリオルガノシロキサンを得ることができる。なお、エポキシ基含有ポリオルガノシロキサンと、プレチルト角発現性基を有するカルボン酸とを反応させることにより、プレチルト角発現性基及び水酸基を側鎖に有するポリオルガノシロキサンを得ることができる。重合体(B)の溶剤に対する溶解性が向上し、液晶配向剤の塗布性(印刷性)を良好にできる点で、重合体(B)が水酸基を有することが好ましい。
本発明の液晶配向剤に含有させるポリオルガノシロキサンは、これを濃度15重量%の溶液としたときに、2〜600mPa・sの溶液粘度を持つものであることが好ましく、4〜300mPa・sの溶液粘度を持つものであることがより好ましい。なお、上記重合体の溶液粘度(mPa・s)は、当該重合体の良溶媒(例えばN−メチル−2−ピロリドンなど)を用いて調製した濃度15重量%の重合体溶液につき、E型回転粘度計を用いて25℃において測定した値である。
上記ポリオルガノシロキサンについて、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、形成される液晶配向膜の液晶配向性を良好にするとともに、その液晶配向性の経時的安定性を確保する観点から、500〜50,000であることが好ましく、1,000〜30,000であることがより好ましい。
[重合性炭素−炭素不飽和結合を有するモノマーの重合体]
重合性炭素−炭素不飽和結合を有するモノマーの重合体は、(メタ)アクリル系化合物、芳香族ビニル化合物及びマレイミド化合物よりなる群から選ばれる少なくとも一種のモノマー(以下、「特定モノマー」とも称する。)に由来する構造単位を有する重合体を好ましく使用することができる。
ここで、上記(メタ)アクリル系化合物としては、例えば不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸エステル、不飽和多価カルボン酸無水物等が挙げられる。
これらの具体例としては、不飽和カルボン酸として、例えば(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸ω−カルボキシポリカプロラクトン、クロトン酸、α−エチルアクリル酸、α−n−プロピルアクリル酸、α−n−ブチルアクリル酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、ビニル安息香酸等を;
不飽和カルボン酸エステルとして、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸−イソブチル、(メタ)アクリル酸−t−ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリルなどのアルキル基含有不飽和カルボン酸エステル;(メタ)アクリル酸グリシジル、α−エチルアクリル酸グリシジル、α−n−プロピルアクリル酸グリシジル、α−n−ブチルアクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸3,4−エポキシブチル、α−エチルアクリル酸3,4−エポキシブチル、(メタ)アクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸6,7−エポキシヘプチル、α−エチルアクリル酸6,7−エポキシヘプチル、アクリル酸4−ヒドロキシブチルグリシジルエーテル、(メタ)アクリル酸(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル等のエポキシ基含有不飽和カルボン酸エステル;(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル等の水酸基含有不飽和カルボン酸エステル;(メタ)アクリル酸トリメトキシシリルプロピル等のケイ素含有不飽和カルボン酸エステル;(メタ)アクリル酸−N,N−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸−N,N−ジエチルアミノエチル等の窒素含有不飽和カルボン酸エステル;(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸メトキシポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸オクトキシポリエチレングリコール、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等の酸素含有不飽和カルボン酸エステル:α−メトキシアクリル酸メチル、α−エトキシアクリル酸メチル等のα−アルコキシアクリル酸エステル:クロトン酸メチル、クロトン酸エチル等のクロトン酸エステル等を;
不飽和多価カルボン酸無水物として、例えば無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、シス−1,2,3,4−テトラヒドロフタル酸無水物等を;それぞれ挙げることができる。
上記芳香族ビニル化合物としては、例えばスチレン、ヒドロキシスチレン、メチルスチレン、α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、4−t−ブチルスチレン、ビニルエチルベンゼン、ジビニルベンゼン、t−ブトキシスチレン、ビニルベンジルジメチルアミン、N,N−ジメチルアミノメチルスチレン、エチルスチレン、ブチルスチレン、ビニルキシレン、ビニルナフタレン、ビニルピリジン、ジフェニルエチレン、4−ビニルベンジルグリシジルエーテル等を;
マレイミド化合物としては、例えばN−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−(4−アセチルフェニル)マレイミド、N−(2,6−ジエチルフェニル)マレイミド、N−(4−ジメチルアミノ−3,5−ジニトロフェニル)マレイミド、N−[4−(2−ベンズオキサゾリル)フェニル]マレイミド等を、それぞれ挙げることができる。特定モノマーは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
重合体(B)が、上記の特定モノマーに由来する構造を有する重合体である場合、(メタ)アクリル系化合物、芳香族ビニル化合物及びマレイミド化合物のうちの1種のみをモノマーに用いた重合体であってもよいし、あるいはこれらの2種以上を組み合わせて得られる重合体であってもよい。中でも、(メタ)アクリル系化合物を少なくとも含むモノマーの重合体(以下、「(メタ)アクリル系重合体」とも称する。)であることが好ましい。
重合に際しては、液晶配向膜の耐熱性を改善する観点において、(メタ)アクリル系化合物と共に、芳香族ビニル化合物及びマレイミド化合物よりなる群から選ばれる少なくとも一種を用いてもよい。また、(メタ)アクリル系化合物と共に、必要に応じて、α−メチルスチレンダイマー等の連鎖移動剤を使用してもよい。
(メタ)アクリル系化合物の使用割合は、(メタ)アクリル系重合体の合成に使用するモノマーの合計量に対して、50モル%以上とすることが好ましく、55モル%以上とすることがより好ましく、60モル%以上とすることが更に好ましい。
重合に際しては、水酸基含有の重合性不飽和化合物を好ましく使用することができる。この場合、(メタ)アクリル系重合体の側鎖に、当該化合物に由来する水酸基が導入されることで、ポリアミック酸エステルの良溶媒に対する重合体(B)の溶解性、及び基板に対する塗布性の向上を図ることができる点で好ましい。
水酸基を有する重合性不飽和化合物の使用割合は、重合に使用するモノマーの合計量に対して、1モル%以上とすることが好ましく、1〜50モル%とすることがより好ましく、5〜40モル%とすることがさらに好ましい。
重合体(B)の合成において、上記モノマーの重合反応はラジカル重合により行うことが好ましい。当該重合に際して使用する重合開始剤としては、例えば2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物;ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシピバレート、1,1’−ビス(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン等の有機過酸化物;過酸化水素;これらの過酸化物と還元剤とからなるレドックス型開始剤等が挙げられる。これらの中でもアゾ化合物を好ましく使用することができる。なお、重合開始剤は、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
重合開始剤の使用割合は、重合に使用する全モノマー100重量部に対して、0.01〜50重量部とすることが好ましく、0.1〜40重量部とすることがより好ましい。
上記重合反応は、好ましくは有機溶媒中において行われる。当該反応に使用する有機溶媒としては、例えばアルコール、エーテル、ケトン、アミド、エステル、炭化水素化合物などが挙げられる。これらの中でもアルコール及びエーテルよりなる群から選ばれる少なくとも一種を使用することが好ましく、多価アルコールの部分エーテルを使用することがより好ましい。その好ましい具体例としては、例えばジエチレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどを挙げることができる。なお、有機溶媒は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記重合反応において、反応温度は、30℃〜120℃とすることが好ましく、60〜110℃とすることがより好ましい。反応時間は、1〜36時間とすることが好ましく、2〜24時間とすることがより好ましい。有機溶媒の使用量(a)は、反応に使用するモノマーの合計量(b)が、反応溶液の全体量(a+b)に対して、0.1〜50重量%になるような量にすることが好ましい。反応終了後においては、必要に応じて、公知の方法に従って重合体の単離及び精製を行うことができる。
TN型、STN型又は垂直配向型の液晶表示素子を製造する場合、重合体(B)の少なくとも一部を、上記プレチルト角発現性基を側鎖に有する重合体としてもよい。当該重合体の合成方法は特に限定しないが、例えば、エポキシ基含有の重合性不飽和化合物、又はエポキシ基含有の重合性不飽和化合物とそれ以外の重合性不飽和化合物との混合物の重合反応によりエポキシ基含有重合体を合成し、次いで、得られたエポキシ基含有重合体と、プレチルト角発現性基を有するカルボン酸とを反応させる方法等が挙げられる。
エポキシ基含有重合体において、1gあたりのエポキシ基の合計量(モル数)は、5.0×10−5モル/g以上であることが好ましく、1.0×10−4〜1.0×10−2モル/gであることがより好ましく、5.0×10−4〜5.0×10−3モル/gであることが更に好ましい。したがって、エポキシ基含有の重合性不飽和化合物の使用割合については、エポキシ基含有重合体の1gあたりのエポキシ基の合計のモル数が上記数値範囲となるように調整することが好ましい。
エポキシ基含有重合体と反応させるカルボン酸の具体例としては、エポキシ基含有ポリオルガノシロキサンと反応させるカルボン酸の例示を適用することができる。当該カルボン酸の使用割合は、重合体が有するエポキシ基の合計1モルに対して、0.001〜1.5モルとすることが好ましく、0.01〜0.9モルとすることがより好ましく、0.05〜0.8モルとすることが更に好ましい。なお、反応に使用するカルボン酸の使用割合を、エポキシ基含有重合体が有するエポキシ基1モルに対して1モル未満とすることにより、重合体(B)として、エポキシ基及びプレチルト角発現性基を側鎖に有する重合体を得ることができる。
エポキシ基含有重合体とカルボン酸との反応は、好ましくは触媒及び有機溶媒の存在下で行うことができる。上記反応における触媒としては、例えば有機塩基、エポキシ化合物の反応を促進するいわゆる硬化促進剤として公知の化合物を用いることができる。
上記有機塩基としては、例えばエチルアミン、ジエチルアミン、ピペラジン、ピペリジンの如き1〜2級有機アミン;トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、ピリジンの如き3級有機アミン;テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの如き4級有機アミン;などを挙げることができる。有機塩基としては、これらのうち3級有機アミン又は4級有機アミンが好ましい。
上記硬化促進剤としては、例えば3級アミン、イミダゾール化合物、有機リン化合物、4級フォスフォニウム塩、ジアザビシクロアルケン、オクチル酸亜鉛、オクチル酸錫などの有機金属化合物、4級アンモニウム塩、ホウ素化合物、塩化亜鉛、塩化第二錫などの金属ハロゲン化合物などを挙げることができるほか、潜在性硬化促進剤として公知のものを使用することができる。これらのうち、好ましくは、テトラエチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムブロミドなどの4級アンモニウム塩である。
触媒の使用量は、カルボン酸と反応させるエポキシ基含有重合体100重量部に対して、好ましくは100重量部以下、より好ましくは0.01〜100重量部以下、更に好ましくは0.1〜20重量部である。
反応に使用する有機溶媒としては、重合体(B)の合成に使用することができる有機溶媒の例示を適用することができ、中でもエステル又はケトンであることが好ましい。当該有機溶媒は、固形分濃度(反応溶液中の溶媒以外の成分の合計重量が、溶液の全重量に対して占める割合)が、0.1重量%以上となる割合で使用することが好ましく、5〜50重量%となる割合で使用することがより好ましい。
エポキシ基含有重合体とカルボン酸との反応に際し、反応温度は、0〜200℃とすることが好ましく、50〜150℃とすることがより好ましい。反応時間は、0.1〜50時間とすることが好ましく、0.5〜20時間とすることがより好ましい。
重合体(B)を含有する反応溶液については、そのまま液晶配向剤の調製に供してもよく、反応溶液中に含まれる重合体を単離したうえで液晶配向剤の調製に供してもよく、又は単離した重合体を精製した上で液晶配向剤の調製に供してもよい。重合体の単離及び精製は公知の方法に従って行うことができる。
以上のようにして得られる重合体(B)は、これを濃度15重量%の溶液としたときに、2〜600mPa・sの溶液粘度を持つものであることが好ましく、4〜300mPa・sの溶液粘度を持つものであることがより好ましい。なお、上記重合体の溶液粘度(mPa・s)は、当該重合体の良溶媒(例えばN−メチル−2−ピロリドンなど)を用いて調製した濃度15重量%の重合体溶液につき、E型回転粘度計を用いて25℃において測定した値である。
重合体(B)につき、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、形成される液晶配向膜の液晶配向性を良好にするとともに、その液晶配向性の経時的安定性を確保するといった観点から、250〜500,000であることが好ましく、500〜300,000であることがより好ましく、1,000〜200,000であることが更に好ましい。なお、重合体(B)は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の液晶配向剤が重合体成分として重合体(A)及び重合体(B)を含有する場合の好ましい態様としては、以下の[1]及び[2]が挙げられる。
[1]重合体(A)としてポリアミック酸エステルを含み、重合体(B)としてポリオルガノシロキサンを含む態様。
[2]重合体(A)としてポリアミック酸エステルを含み、重合体(B)として(メタ)アクリル系重合体を含む態様。
液晶配向剤中における重合体(A)と重合体(B)との配合割合は、基板の反り低減、ベゼルムラ耐性、液晶配向性及び電圧保持率の改善効果をバランス良く得る観点から、重合体(A)/重合体(B)の重量比で20/80〜98/2とすることが好ましい。より好ましくは25/75〜97/3であり、更に好ましくは30/70〜95/5であり、特に好ましくは40/60〜93/7である。重合体(A)と重合体(B)とを含有する液晶配向剤を用いて得られる液晶配向膜は、膜の透過性についても良好であり、表示装置の表示品位を良好にできる点で好適である。
<その他の成分>
本発明の液晶配向剤は、さらに必要に応じて、重合体(A)及び重合体(B)以外のその他の成分を含有していてもよい。当該その他の成分としては、例えば重合体(A)及び重合体(B)以外のその他の重合体、分子内に少なくとも一つのエポキシ基を有する化合物(以下、「エポキシ基含有化合物」という。)、官能性シラン化合物等を挙げることができる。
[その他の重合体]
上記その他の重合体は、溶液特性や電気特性の改善のために使用することができる。かかるその他の重合体としては、例えばポリアミック酸、ポリイミド、ポリエステル、ポリアミド、セルロース誘導体、ポリアセタール等が挙げられる。
上記その他の重合体を液晶配向剤に配合する場合、その配合比率は、該組成物中の全重合体100重量部に対して、30重量部以下とすることが好ましく、0.1〜20重量部とすることがより好ましく、0.1〜10重量部とすることが更に好ましい。
[エポキシ基含有化合物]
エポキシ基含有化合物は、液晶配向膜における基板表面との接着性を向上させるために使用することができる。ここで、エポキシ基含有化合物としては、例えばエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、2,2−ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N−ジグリシジル−ベンジルアミン、N,N−ジグリシジル−アミノメチルシクロヘキサン、N,N−ジグリシジル−シクロヘキシルアミン、国際公開第2009/096598号記載のエポキシ基含有ポリオルガノシロキサン等を好ましいものとして挙げることができる。
これらエポキシ基含有化合物を液晶配向剤に配合する場合、その配合比率は、液晶配向剤中に含まれる重合体の合計100重量部に対して、40重量部以下が好ましく、0.1〜30重量部がより好ましい。
[官能性シラン化合物]
上記官能性シラン化合物は、液晶配向剤の印刷性を向上させるために使用することができる。このような官能性シラン化合物としては、例えば3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−トリエトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、10−トリメトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、9−トリメトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、9−トリエトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、9−トリエトキシシリル−3,6−ジアザノナン酸メチル、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、グリシドキシメチルトリメトキシシラン、グリシドキシメチルトリエトキシシラン等を挙げることができる。
官能性シラン化合物を液晶配向剤に配合する場合、その配合比率は、重合体の合計100重量部に対して、2重量部以下が好ましく、0.02〜0.2重量部がより好ましい。
その他の成分としては、上記のほか、ジイソプロポキシエチルアセトアセテートアルミニウム、トリス(アセチルアセトネート)アルミニウムなどの金属キレート化合物;フェノール類、シラノール類などの硬化促進剤;ノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、シリコーン界面活性剤、含フッ素界面活性剤などの界面活性剤;フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤などの酸化防止剤;エチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレートなどの多官能(メタ)アクリレート;等を使用してもよい。
<溶剤>
本発明の液晶配向剤は、上記の重合体及び必要に応じて使用されるその他の成分が、好ましくは適当な溶剤中に分散又は溶解してなる液状の組成物として調製される。
使用する溶剤としては、例えばN−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、γ−ブチロラクタム、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、エチレングリコールモノメチルエーテル、乳酸ブチル、酢酸ブチル、メチルメトキシプロピオネ−ト、エチルエトキシプロピオネ−ト、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコール−n−プロピルエーテル、エチレングリコール−i−プロピルエーテル、エチレングリコール−n−ブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジイソブチルケトン、イソアミルプロピオネート、イソアミルイソブチレート、ジイソペンチルエーテル、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等を挙げることができる。これらは、1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
本発明の液晶配向剤における固形分濃度(液晶配向剤の溶媒以外の成分の合計重量が液晶配向剤の全重量に占める割合)は、粘性、揮発性などを考慮して適宜に選択されるが、好ましくは1〜10重量%の範囲である。すなわち、本発明の液晶配向剤は、後述するように基板表面に塗布され、好ましくは加熱されることにより、液晶配向膜である塗膜又は液晶配向膜となる塗膜が形成される。このとき、固形分濃度が1重量%未満である場合には、塗膜の膜厚が過小となって良好な液晶配向膜が得にくくなる。一方、固形分濃度が10重量%を超える場合には、塗膜の膜厚が過大となって良好な液晶配向膜が得にくく、また、液晶配向剤の粘性が増大して塗布性が低下する傾向にある。
特に好ましい固形分濃度の範囲は、液晶配向剤の用途や、基板に液晶配向剤を塗布する際に用いる方法によって異なる。例えば液晶セル用の液晶配向剤について、スピンナー法により基板に塗布する場合には、固形分濃度(液晶配向剤中の溶媒以外の全成分の合計重量が液晶配向剤の全重量に占める割合)が1.5〜4.5重量%の範囲であることが特に好ましい。印刷法による場合には、固形分濃度を3〜9重量%の範囲とし、それにより溶液粘度を12〜50mPa・sの範囲とすることが特に好ましい。インクジェット法による場合には、固形分濃度を1〜5重量%の範囲とし、それにより、溶液粘度を3〜15mPa・sの範囲とすることが特に好ましい。本発明の液晶配向剤を調製する際の温度は、好ましくは10〜50℃であり、より好ましくは20〜30℃である。また、位相差フィルム用の液晶配向剤については、液晶配向剤の塗布性及び形成される塗膜の膜厚を適度にする観点から、液晶配向剤の固形分濃度が0.2〜10重量%の範囲であることが好ましく、3〜10重量%の範囲であることがより好ましい。
<液晶表示素子及び位相差フィルム>
上記に説明した本発明の液晶配向剤を用いることにより液晶配向膜を製造することができる。また、本発明の液晶配向剤を用いて形成された液晶配向膜は、液晶表示素子用(液晶セル用)の液晶配向膜及び位相差フィルム用の液晶配向膜に好ましく適用することができる。以下に、本発明の液晶表示素子及び位相差フィルムについて説明する。
[液晶表示素子]
本発明の液晶表示素子は、上記液晶配向剤を用いて形成された液晶配向膜を具備する。本発明の液晶表示素子の動作モードは特に限定せず、例えばTN型、STN型、VA型(VA−MVA型、VA−PVA型などを含む。)、IPS型、FFS型、OCB型など種々の動作モードに適用することができる。本発明の液晶表示素子は、例えば以下の(1−1)〜(1−3)を含む工程により製造することができる。工程(1−1)は、所望の動作モードによって使用基板が異なる。工程(1−2)及び工程(1−3)は各動作モード共通である。
[工程(1−1):塗膜の形成]
先ず、基板上に本発明の液晶配向剤を塗布し、次いで塗布面を加熱することにより基板上に塗膜を形成する。
(1−1A)例えばTN型、STN型又はVA型の液晶表示素子を製造する場合、まず、パターニングされた透明導電膜が設けられている基板二枚を一対として、その各透明性導電膜形成面上に、本発明の液晶配向剤を、好ましくはオフセット印刷法、スピンコート法、ロールコーター法又はインクジェット印刷法によりそれぞれ塗布する。基板としては、例えばフロートガラス、ソーダガラスなどのガラス;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリ(脂環式オレフィン)などのプラスチックからなる透明基板を用いることができる。基板の一面に設けられる透明導電膜としては、酸化スズ(SnO)からなるNESA膜(米国PPG社登録商標)、酸化インジウム−酸化スズ(In−SnO)からなるITO膜などを用いることができる。パターニングされた透明導電膜を得るには、例えばパターンなし透明導電膜を形成した後、フォト・エッチングによりパターンを形成する方法;透明導電膜を形成する際に所望のパターンを有するマスクを用いる方法;などによることができる。液晶配向剤の塗布に際しては、基板表面及び透明導電膜と塗膜との接着性をさらに良好にするために、基板表面のうち塗膜を形成する面に、官能性シラン化合物、官能性チタン化合物などを予め塗布する前処理を施しておいてもよい。
液晶配向剤を塗布した後、塗布した液晶配向剤の液垂れ防止などの目的で、好ましくは予備加熱(プレベーク)が実施される。プレベーク温度は、好ましくは30〜200℃であり、より好ましくは40〜150℃であり、特に好ましくは40〜100℃である。プレベーク時間は、好ましくは0.25〜10分であり、より好ましくは0.5〜5分である。その後、溶剤を完全に除去し、必要に応じて重合体に存在するアミック酸構造を熱イミド化することを目的として焼成(ポストベーク)工程が実施される。このときの焼成温度(ポストベーク温度)は、好ましくは80〜300℃であり、より好ましくは120〜250℃である。ポストベーク時間は、好ましくは5〜200分であり、より好ましくは10〜100分である。このようにして形成される膜の膜厚は、好ましくは0.001〜1μmであり、より好ましくは0.005〜0.5μmである。
(1−1B)IPS型又はFFS型の液晶表示素子を製造する場合、櫛歯型にパターニングされた透明導電膜又は金属膜からなる電極が設けられている基板の電極形成面と、電極が設けられていない対向基板の一面とに、本発明の液晶配向剤をそれぞれ塗布し、次いで各塗布面を加熱することにより塗膜を形成する。このとき使用される基板及び透明導電膜の材質、塗布方法、塗布後の加熱条件、透明導電膜又は金属膜のパターニング方法、基板の前処理、並びに形成される塗膜の好ましい膜厚については上記(1−1A)と同様である。金属膜としては、例えばクロムなどの金属からなる膜を使用することができる。
上記(1−1A)及び(1−1B)のいずれの場合も、基板上に液晶配向剤を塗布した後、有機溶媒を除去することによって、液晶配向膜又は液晶配向膜となる塗膜が形成される。このとき、塗膜形成後に更に加熱することによって、本発明の液晶配向剤に配合されるポリアミック酸エステル及びポリイミド、並びに必要に応じて配合されるポリアミック酸の脱水閉環反応を進行させ、よりイミド化された塗膜としてもよい。
[工程(1−2):配向処理]
TN型、STN型、IPS型又はFFS型の液晶表示素子を製造する場合、上記工程(1)で形成した塗膜に液晶配向能を付与する処理(配向処理)を実施する。これにより、液晶分子の配向能が塗膜に付与されて液晶配向膜となる。配向処理としては、例えばナイロン、レーヨン、コットンなどの繊維からなる布を巻き付けたロールで塗膜を一定方向に擦るラビング処理;塗膜に対して光を照射する光配向処理、などが挙げられる。一方、垂直配向型の液晶表示素子を製造する場合には、上記工程(1−1)で形成した塗膜をそのまま液晶配向膜として使用することができるが、該塗膜に対し配向処理を施してもよい。
なお、ラビング処理後の液晶配向膜に対して更に、液晶配向膜の一部に光を照射することによって液晶配向膜の一部の領域のプレチルト角を変化させる処理や、液晶配向膜表面の一部にレジスト膜を形成した上で先のラビング処理と異なる方向にラビング処理を行った後にレジスト膜を除去する処理を行い、液晶配向膜が領域ごとに異なる液晶配向能を持つようにしてもよい。この場合、得られる液晶表示素子の視界特性を改善することが可能である。VA型の液晶表示素子に好適な液晶配向膜は、PSA(Polymer sustained alignment)型の液晶表示素子にも好適に用いることができる。
[工程(1−3):液晶セルの構築]
上記のようにして液晶配向膜が形成された基板を2枚準備し、対向配置した2枚の基板間に液晶を配置することにより液晶セルを製造する。液晶セルを製造するには、例えば以下の2つの方法が挙げられる。第一の方法は、従来から知られている方法である。先ず、それぞれの液晶配向膜が対向するように間隙(セルギャップ)を介して2枚の基板を対向配置し、2枚の基板の周辺部をシール材を用いて貼り合わせ、基板表面及びシール材により区画されたセルギャップ内に液晶を注入充填した後、注入孔を封止することにより液晶セルを製造する。また、第二の方法は、ODF(One Drop Fill)方式と呼ばれる手法である。液晶配向膜を形成した2枚の基板のうちの一方の基板上の所定の場所に、例えば紫外光硬化性のシール剤を塗布し、さらに液晶配向膜面上の所定の数箇所に液晶を滴下した後、液晶配向膜が対向するように他方の基板を貼り合わせるとともに液晶を基板の全面に押し広げ、次いで基板の全面に紫外光を照射してシール材を硬化することにより、液晶セルを製造する。いずれの方法による場合でも、上記のようにして製造した液晶セルにつき、さらに、用いた液晶が等方相をとる温度まで加熱した後、室温まで徐冷することにより、液晶充填時の流動配向を除去することが望ましい。
シール材としては、液晶用の接着剤として通常使用されるものを用いることができ、例えば、硬化剤を含有するエポキシ樹脂などを用いることができる。また、シール材としては、スペーサーとしての酸化アルミニウム球を更に含有するものを用いてもよい。
液晶としては、ネマチック液晶及びスメクチック液晶を挙げることができ、その中でもネマチック液晶が好ましく、例えばシッフベース系液晶、アゾキシ系液晶、ビフェニル系液晶、フェニルシクロヘキサン系液晶、エステル系液晶、ターフェニル系液晶、ビフェニルシクロヘキサン系液晶、ピリミジン系液晶、ジオキサン系液晶、ビシクロオクタン系液晶、キュバン系液晶などを用いることができる。また、これらの液晶に、例えばコレスチルクロライド、コレステリルノナエート、コレステリルカーボネートなどのコレステリック液晶;商品名「C−15」、「CB−15」(メルク社製)として販売されているようなカイラル剤;p−デシロキシベンジリデン−p−アミノ−2−メチルブチルシンナメートなどの強誘電性液晶などを、添加して使用してもよい。
そして、液晶セルの外側表面に偏光板を貼り合わせることにより、本発明の液晶表示素子を得ることができる。液晶セルの外表面に貼り合わされる偏光板としては、ポリビニルアルコールを延伸配向させながらヨウ素を吸収させた「H膜」と称される偏光フィルムを酢酸セルロース保護膜で挟んだ偏光板又はH膜そのものからなる偏光板を挙げることができる。
[位相差フィルム]
次に、本発明の液晶配向剤を用いて位相差フィルムを製造する方法について説明する。本発明の位相差フィルムの製造に際しては、工程中にほこりや静電気が発生するのを抑えつつ均一な液晶配向膜を形成することが可能である点、光の照射時に適当なフォトマスクを使用することによって基板上に液晶配向方向が異なる複数の領域を任意に形成できる点で、光配向法を利用することが好ましい。具体的には、以下の工程(2−1)〜工程(2−3)を経ることによって製造することができる。
[工程(2−1):液晶配向剤による塗膜の形成]
先ず、本発明の液晶配向剤を基板上に塗布して塗膜を形成する。ここで使用される基板としては、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリアミド、ポリイミド、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネートなどの合成樹脂からなる透明基板を好適に例示することができる。これらのうち、TACは、液晶表示素子における偏光フィルムの保護層として一般的に使用されている。また、ポリメチルメタクリレートは、溶媒の吸湿性が低い点、光学特性が良好である点及び低コストである点において、位相差フィルム用の基板として好ましく使用することができる。なお、液晶配向剤の塗布に使用する基板に対しては、基板表面と塗膜との密着性を更に良好にするために、基板表面のうち塗膜を形成する面に従来公知の前処理が実施されていてもよい。
位相差フィルムは、多くの場合、偏光フィルムと組み合わせて使用される。このとき、所期する光学特性を発揮できるように、偏光フィルムの偏光軸に対する角度を特定の方向に精密に制御して位相差フィルムを貼り合わせる必要がある。従って、ここで、所定角度の方向に液晶配向能を有する液晶配向膜を、TACフィルムやポリメチルメタクリレートなどの基板上に形成することにより、位相差フィルムを偏光フィルム上にその角度を制御しつつ貼り合わせる工程を省略することができる。またこれにより、液晶表示素子の生産性の向上に寄与することができる。所定角度の方向に液晶配向能を有する液晶配向膜を形成するには光配向法により行うことが好ましい。
基板上への液晶配向剤の塗布は、適宜の塗布方法によることができ、例えばロールコーター法、スピンナー法、印刷法、インクジェット法、バーコーター法、エクストリューションダイ法、ダイレクトグラビアコーター法、チャンバードクターコーター法、オフセットグラビアコーター法、一本ロールキスコーター法、小径のグラビアロールを使ったリバースキスコーター法、3本リバースロールコーター法、4本リバースロールコーター法、スロットダイ法、エアードクターコーター法、正回転ロールコーター法、ブレードコーター法、ナイフコーター法、含浸コーター法、MBコーター法、MBリバースコーター法などを採用することができる。
塗布後、塗布面を加熱(ベーク)して塗膜を形成する。この時の加熱温度は、40〜150℃とすることが好ましく、80〜140℃とすることがより好ましい。加熱時間は、0.1〜15分とすることが好ましく、1〜10分とすることがより好ましい。基板上に形成される塗膜の膜厚は、好ましくは1〜1,000nmであり、より好ましくは5nm〜500nmである。
[工程(2−2):光照射工程]
次いで、上記のようにして基板上に形成された塗膜に対し光を照射することにより、塗膜に液晶配向能を付与して液晶配向膜とする。ここで、照射する光としては、例えば150〜800nmの波長の光を含む紫外線、可視光線などを挙げることができる。これらのうち、300〜400nmの波長の光を含む紫外線が好ましい。照射光は偏光であっても非偏光であってもよい。偏光としては、直線偏光を含む光を使用することが好ましい。
光の照射は、用いる光が偏光である場合には、基板面に垂直の方向から行っても斜め方向から行ってもよく、あるいはこれらを組み合わせて行ってもよい。非偏光を照射する場合には、基板面に対して斜めの方向から行う必要がある。使用する光源としては、例えば低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、重水素ランプ、メタルハライドランプ、アルゴン共鳴ランプ、キセノンランプ、水銀−キセノンランプ(Hg−Xeランプ)などを挙げることができる。偏光は、これらの光源を例えばフィルター、回折格子などと併用する手段などにより得ることができる。光の照射量は、0.1〜1,000mJ/cmとすることが好ましく、1〜500mJ/cmとすることがより好ましく、2〜200mJ/cmとすることがさらに好ましい。
[工程(2−3):液晶層の形成]
次いで、上記のようにして光照射した後の塗膜上に、重合性液晶を塗布して硬化させる。これにより、重合性液晶を含む塗膜(液晶層)を形成する。ここで使用される重合性液晶は、加熱及び光照射のうちの少なくとも1種の処理によって重合する液晶化合物又は液晶組成物である。このような重合性液晶としては、従来公知のものを使用することができ、具体的には、例えば非特許文献1(「UVキュアラブル液晶とその応用」、液晶、第3巻第1号(1999年)、pp34〜42)に記載されているネマチック液晶を挙げることができる。また、コレステリック液晶;ディスコティック液晶;カイラル剤を添加されたツイストネマティック配向型液晶などであってもよい。重合性液晶は、複数の液晶化合物の混合物であってもよい。重合性液晶は、さらに、公知の重合開始剤、適当な溶媒などを含有する組成物であってもよい。
形成された液晶配向膜上に上記のような重合性液晶を塗布するには、例えばバーコーター法、ロールコーター法、スピンナー法、印刷法、インクジェット法などの適宜の塗布方法を採用することができる。
次いで、上記のように形成された重合性液晶の塗膜に対して、加熱及び光照射から選択される1種以上の処理を施すことにより、該塗膜を硬化して液晶層を形成する。これらの処理を重畳的に行うことにより良好な配向を得ることができ好ましい。
塗膜の加熱温度は、使用する重合性液晶の種類によって適宜に選択される。例えばメルク社製のRMS03−013Cを使用する場合、40〜80℃の範囲の温度で加熱することが好ましい。加熱時間は、好ましくは0.5〜5分である。
照射光としては、200〜500nmの範囲の波長を有する非偏光の紫外線を好ましく使用することができる。光の照射量としては、50〜10,000mJ/cmとすることが好ましく、100〜5,000mJ/cmとすることがより好ましい。
形成される液晶層の厚さは、所望の光学特性によって適宜に設定される。例えば波長540nmの可視光における1/2波長板を製造する場合は、形成した位相差フィルムの位相差が240〜300nmとなるような厚さが選択され、1/4波長板であれば、位相差が120〜150nmとなるような厚さが選択される。目的の位相差が得られる液晶層の厚さは、使用する重合性液晶の光学特性によって異なる。例えばメルク製のRMS03−013Cを使用する場合、1/4波長板を製造するための厚さは、0.6〜1.5μmの範囲である。
上記のようにして得られた位相差フィルムは、液晶表示素子の位相差フィルムに好ましく適用することができる。本発明の位相差フィルムが適用される液晶表示素子は、その動作モードに制限はなく、例えばTN型、STN型、IPS型、FFS型、VA型などの公知の各種モードに適用することができる。上記位相差フィルムは、例えば、液晶表示素子の視認側に配置された偏光板の外側面に対し、位相差フィルムにおける基板側の面が貼付されて用いられる。この場合、位相差フィルムの基板をTAC製又はアクリル基材とし、該位相差フィルムの基板を偏光フィルムの保護膜としても機能させる態様とすることが好ましい。また、上記位相差フィルムは、液晶表示素子の視認側に配置された偏光板と液晶セルとの間に配置して用いられてもよい。
本発明の液晶表示素子は、種々の装置に有効に適用することができ、例えば、時計、携帯型ゲーム、ワープロ、ノート型パソコン、カーナビゲーションシステム、カムコーダー、PDA、デジタルカメラ、携帯電話、スマートフォン、各種モニター、液晶テレビ、インフォメーションディスプレイなどの各種表示装置に用いることができる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
合成例における各重合体の重量平均分子量、ポリイミドのイミド化率、各重合体溶液の溶液粘度及びエポキシ当量は以下の方法により測定した。
[重合体の重量平均分子量]
重合体の重量平均分子量Mwは、以下の条件におけるゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定したポリスチレン換算値である。
カラム:東ソー(株)製、TSKgelGRCXLII
溶剤:テトラヒドロフラン、又は、リチウムブロミド及びリン酸含有のN,N−ジメチルホルムアミド溶液
温度:40℃
圧力:68kgf/cm
[ポリイミドのイミド化率]
ポリイミドを含有する溶液を純水に投入し、得られた沈殿を室温で十分に減圧乾燥した後、重水素化ジメチルスルホキシドに溶解し、テトラメチルシランを基準物質として室温でH−NMRを測定した。得られたH−NMRスペクトルから、下記数式(1)を用いてイミド化率[%]を求めた。
イミド化率[%]=(1−A/A×α)×100 …(1)
(数式(1)中、Aは化学シフト10ppm付近に現れるNH基のプロトン由来のピーク面積であり、Aはその他のプロトン由来のピーク面積であり、αは重合体の前駆体(ポリアミック酸)におけるNH基のプロトン1個に対するその他のプロトンの個数割合である。)
[重合体溶液の溶液粘度]
重合体溶液の溶液粘度[mPa・s]は、所定の溶媒を用い、重合体濃度15重量%に調製した溶液についてE型回転粘度計を用いて25℃で測定した。
[エポキシ当量]
エポキシ当量は、JIS C2105の「塩酸−メチルエチルケトン法」に準じて測定した。
<ポリアミック酸エステルの合成>
[合成例1−1;重合体(A−1)の合成]
ジアミンとしてパラフェニレンジアミンを6.92g(合成に使用したジアミンの合計量100モル部に対して80モル部)及び4,4’−ジアミノジフェニルメタン3.17g(同20モル部)、塩基としてピリジン15ml、並びに溶剤としてN−メチル−2−ピロリドン(NMP)505mlを加え溶解させた。この溶液を水冷撹拌しながら、ジメチル−1,3−ビス(クロロカルボニル)シクロブタン−2,4−カルボキシレート23.05g(同97モル部)を添加し、さらに固形分濃度が5重量%となるようにNMPを加え、水冷しながら4時間撹拌した。この溶液を250gの水に注いで重合体を析出させ、吸引濾過により重合体をろ取し、再度水250gで洗浄したのちメタノール63gにて3回洗浄し、40℃で減圧乾燥することで、重合体(A−1)のポリアミック酸エステル粉末22gを得た。この重合体(A−1)の重量平均分子量はMw=27,000であった。得られた重合体(A−1)をNMPにて15重量%となるように調製した。
[合成例1−2;重合体(A−2)の合成]
ジアミンとして4,4’−ジアミノジフェニルメタン2.00g(0.01モル)、N−メチル−2−ピロリドン40.94g、塩基としてピリジン1.925g(0.024モル)加え、撹拌して溶解させた。次に、このジアミン溶液を撹拌しながらジメチル−1,3−ビス(クロロカルボニル)シクロブタン−2,4−カルボキシレートを2.82g(0.0095モル)添加し、水冷下4時間反応させた。その後、イソオキサゾール−5−カルボン酸クロリドを0.1725g(0.0013モル)加えて、水冷下で30分反応させた。その後、反応溶液にN−メチル−2−ピロリドンを45.06g加え、室温(20℃)で15分撹拌した。得られたポリアミック酸エステル溶液を495gのエタノールに撹拌しながら投入し、析出した白色沈殿をろ取した。続いて、226gのエタノールで1回、451gの水で2回、451gのエタノールで1回、113gのエタノールで3回洗浄し、乾燥することで重合体(A−2)のポリアミック酸エステル粉末3.5gを得た。また、この重合体(A−2)の重量平均分子量は、Mw=18,000であった。得られた重合体(A−2)をNMPにて15重量%となるように調製した。
<ポリオルガノシロキサンの合成>
[合成例2−1;重合体(BSi−1)の合成]
撹拌機、温度計、滴下漏斗及び還流冷却管を備えた反応容器に、加水分解性シラン化合物として2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(ECETS)100.0g、溶媒としてメチルイソブチルケトン500g、及び触媒としてトリエチルアミン10.0gを仕込み、室温で混合した。ここに脱イオン水100gを滴下漏斗から30分かけて滴下した後、還流下で混合しつつ、80℃において6時間反応を行った。反応終了後、有機層を取り出し、これを0.2重量%硝酸アンモニウム水溶液により洗浄後の水が中性になるまで洗浄した後、減圧下で溶媒及び水を留去することにより、エポキシ基を有するポリオルガノシロキサンを粘調な透明液体として得た。このエポキシ基を有するポリオルガノシロキサンについて、H−NMR分析を行ったところ、化学シフト(δ)=3.2ppm付近にエポキシ基に基づくピークが理論強度どおりに得られ、反応中にエポキシ基の副反応が起こっていないことが確認された。このエポキシ基含有ポリオルガノシロキサンのエポキシ当量を測定したところ、186g/当量であった。
次いで、200mLの三口フラスコに、上記で得たエポキシ基含有ポリオルガノシロキサンを10.0g、溶媒としてメチルイソブチルケトン30.28g、カルボン酸として4−(4−ペンチルシクロヘキシル)安息香酸3.87g(エポキシ基含有ポリオルガノシロキサンのエポキシ基に対して25モル%に相当する。)、及び触媒としてUCAT18X(商品名、サンアプロ(株)製)0.10gを仕込み、100℃で48時間撹拌下に反応を行った。反応終了後、反応混合物に酢酸エチルを加えて得た溶液を3回水洗し、溶剤を留去することにより、プレチルト角発現性基を有するポリオルガノシロキサン(BSi−1)を9.5g得た。得られた重合体の重量平均分子量Mwは5,500であった。
[合成例2−2〜合成例2−4]
加水分解性シラン化合物及びカルボン酸の種類及び量を下記表1に記載した通りとしたほかは、合成例2−1と同様にしてエポキシ基含有ポリオルガノシロキサンを合成するとともに、エポキシ基含有ポリオルガノシロキサンとカルボン酸との反応を行うことにより、ポリオルガノシロキサン(BSi−2)〜(BSi−4)をそれぞれ得た。これらポリオルガノシロキサンのMwを表1に合わせて示した。
Figure 2016029465
表1中、加水分解性シラン化合物の数値は、重合に使用したモノマーの合計量に対する各化合物の使用割合[モル%]を示す。カルボン酸の数値は、反応に使用したエポキシ基含有ポリオルガノシロキサンのエポキシ基に対する使用割合[モル%]を示す。表1における各化合物の略称は、それぞれ以下の意味である。
(加水分解性シラン化合物)
ECETS:2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン
(カルボン酸)
PCHBA:4−(4−ペンチルシクロヘキシル)安息香酸
OCTBA:4−オクチロキシ安息香酸
SACY:コハク酸=5ξ−コレスタン−3−イル
PCA:4−フェノキシ桂皮酸
<重合性炭素−炭素二重結合を有するモノマーの重合体の合成>
[合成例3−1;重合体(BAc−1)の合成]
撹拌機、温度計及び還流冷却管を備えた反応容器に、重合性不飽和化合物として、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート(ECMMA、重合に使用したモノマーの合計量100モル部に対して60モル部)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA、同15モル部)、N−シクロヘキシルマレイミド(CMI、同10モル部)、及びスチレン(ST、同15モル部)を仕込み、重合性不飽和化合物の合計が50重量%になるようにジエチレングリコールエチルメチルエーテルを加えて溶解した。ここに、重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を重合性不飽和化合物の合計モル数に対して3モル%、及び連鎖移動剤としてα−メチルスチレンダイマーを重合開始剤の重量の0.5倍重量だけ加えた。次いで、窒素気流で10分間バブリングして系内の窒素置換を行った後、窒素雰囲気下、70℃で5時間重合反応を行った。反応終了後、反応混合物を大過剰のメタノール中に注ぎ、反応生成物を沈澱させた。回収した沈殿物をメタノールで洗浄した後、減圧下、40℃において15時間乾燥することにより、エポキシ基を有するメタクリル酸エステル共重合体を得た。
次いで、200mLの三口フラスコに、上記で得たエポキシ基含有メタクリル酸エステル共重合体を10.0g、溶媒としてメチルイソブチルケトン30.28g、カルボン酸として4−(4−ペンチルシクロヘキシル)安息香酸4.01g(重合に使用したエポキシ基含有メタクリル酸エステル共重合体に対して25モル%に相当する。)、及び触媒としてUCAT 18X(商品名、サンアプロ(株)製)0.10gを仕込み、90℃で12時間撹拌下に反応を行った。反応終了後、反応混合物に酢酸エチルを加えて得た溶液を3回水洗した。水洗後の有機層を大過剰のメタノール中に投入して重合体を沈殿させ、回収した沈殿物を40℃において12時間乾燥することにより、プレチルト角発現性基を有するメタクリル酸エステル共重合体(BAc−1)を10.5g得た。得られた重合体の重量平均分子量Mwは16,800であった。
[合成例3−2〜合成例3−4]
重合性不飽和化合物及びカルボン酸の種類及び量を下記表2に記載の通りとした以外は合成例3−1と同様の操作を行うことにより重合体(BAc−2)〜(BAc−4)をそれぞれ得た。各重合体のMwを下記表2に合わせて示した。
Figure 2016029465
表2中、重合性不飽和化合物の数値は、重合に使用したモノマーの合計量に対する各化合物の使用割合[モル%]を示す。カルボン酸の数値は、反応に使用したエポキシ基含有メタクリル酸エステル共重合体の全量に対する各化合物の使用割合[モル%]を示す。表2における各化合物の略称は、それぞれ以下の意味である。
(重合性不飽和化合物)
ECMMA:3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート
HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
CMI:N−シクロヘキシルマレイミド
ST:スチレン
BA:n−ブチルアクリレート
(カルボン酸)
PCHBA:4−(4−ペンチルシクロヘキシル)安息香酸
OCTBA:4−オクチロキシ安息香酸
SACY:コハク酸=5ξ−コレスタン−3−イル
PCA:4−フェノキシ桂皮酸
<ポリアミック酸の合成>
[合成例4−1;重合体(PAm−1)の合成]
ジアミンとして3−(3,5−ジアミノベンゾイルオキシ)コレスタン52g(0.10モル)、p−フェニレンジアミン11g(0.10モル)及び2,5−ジアミノ安息香酸45g(0.30モル)、並びに、テトラカルボン酸二無水物として2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物110g(0.50モル)を、NMP870gに溶解し、60℃で6時間反応させた。NMPを加えて希釈し、ポリアミック酸濃度10重量%となるように調製することによりポリアミック酸(PAm−1)を含有する溶液を得た。このポリアミック酸溶液の溶液粘度は120mPa・sであった。
<ポリイミドの合成>
[合成例5−1;重合体(PIm−1)の合成]
ジアミンとしてp−フェニレンジアミン49g(0.45モル)及び3−(3,5−ジアミノベンゾイルオキシ)コレスタン26g(0.05モル)、並びに、テトラカルボン酸二無水物として2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物 110g(0.50モル)を、NMP750gに溶解し、60℃で6時間反応させた。得られたポリアミック酸溶液を少量分取し、NMPを加えて固形分濃度10重量%の溶液で粘度を測定したところ、58mPa・sであった。次いで、得られたポリアミック酸溶液にNMP1800gを追加し、ピリジン40g及び無水酢酸51gを添加し、110℃で4時間脱水閉環させた。イミド化反応後、系内の溶剤を新たなNMPで溶剤置換し、イミド化率約50%のポリイミド(PIm−1)を約15重量%含有する溶液を得た。得られたポリイミド溶液を少量分取し、NMPを加えてポリイミド濃度10重量%の溶液として測定した溶液粘度は69mPa・sであった。
[実施例1:VA型液晶表示素子]
(1)液晶配向剤の調製
重合体として、合成例1−1で得た重合体(A−1)80重量部及び合成例2−1で得た重合体(BSi−1)20重量部にNMP及びBCを加えて、固形分濃度6.5重量%、溶媒の混合比がNMP:BC=50:50(重量比)の溶液とした。この溶液を十分に撹拌した後、孔径0.2μmのフィルターで濾過することにより液晶配向剤を調製した。
(2)印刷性の評価
上記(1)で調製した液晶配向剤を、液晶配向膜印刷機(日本写真印刷(株)製)を用いてITO膜からなる透明電極付きガラス基板の透明電極面に塗布し、80℃のホットプレート上で1分間加熱(プレベーク)して溶媒を除去した後、200℃のホットプレート上で10分間加熱(ポストベーク)して、平均膜厚0.06μmの塗膜を形成した。この塗膜を倍率20倍の顕微鏡で観察して印刷ムラ及びピンホールの有無を調べた。評価は、印刷ムラ及びピンホールの双方とも観察されなかった場合を印刷性「良好」、印刷ムラ及びピンホールの少なくともいずれかが僅かに観察された場合を印刷性「可」、印刷ムラ及びピンホールの少なくともいずれかが多く見られた場合を印刷性「不良」として行った。本実施例では、印刷ムラ及びピンホールの双方とも観察されず、印刷性は「良好」であった。
(3)透過率の評価
上記で調製した液晶配向剤を、スピンコーターを用いて石英基板上に塗布し、80℃のホットプレート上で1分間加熱(プレベーク)して溶媒を除去した後、230℃のクリーンオーブン内で窒素下にて15分間加熱(ポストベーク)して、平均膜厚0.01μmの塗膜を形成した。この塗膜を形成した石英基板につき、紫外可視近赤外分光光度計(日本分光(株)製、品名「V−670」)を用いて、塗膜を有さない同種の石英基板をリファレンスとして紫外・可視光領域の吸収スペクトルを測定した。波長400nmにおける透過率が95%以上のものを膜透過性「良好」、90%以上95%未満のものを「可」、90%未満を「不良」とした。この配向剤を用いて形成した膜の透過率は96.2%であり、「良好」であった。
(4)基板の反りの評価
薄膜ストレス測定装置KLA−Tencor FLX−2300によって予め曲率半径を計測済みの厚さ310μmの4インチシリコンウェハを用いた。このシリコンウェハに上記で調製した液晶配向剤を、スピンコーターを用いてそれぞれ塗布し、80℃のホットプレート上で1分間加熱(プレベーク)して溶媒を除去した後、200℃のホットプレート上で10分間加熱(ポストベーク)して、平均膜厚0.08μmの塗膜を形成した。ポストベーク後の基板の曲率半径を測定し、塗膜の形成前後での曲率半径から反り応力を求めた。反り応力が25MPa以下であった場合を「良好」、25MPaよりも大きく40MPa未満であった場合を「可」、40MPa以上であった場合を「不良」とした。その結果、この液晶配向剤では「良好」の結果であった。
(5)VA型液晶セルの製造
上記で調製した液晶配向剤を、ITO膜からなる透明電極付きガラス基板(厚さ1mm)の透明電極面上に、液晶配向膜印刷機(日本写真印刷(株)製)を用いて塗布し、80℃のホットプレート上で1分間加熱(プレベーク)し、さらに200℃のホットプレート上で60分間加熱(ポストベーク)して、平均膜厚0.08μmの塗膜(液晶配向膜)を形成した。この操作を繰り返し、透明導電膜上に液晶配向膜を有するガラス基板を一対(2枚)得た。次に、上記一対の基板のうちの一方の基板につき、液晶配向膜を有する面の外縁に直径5.5μmの酸化アルミニウム球入りエポキシ樹脂接着剤を塗布した後、一対の基板を液晶配向膜面が相対するように重ね合わせて圧着し、接着剤を硬化させた。次いで、液晶注入口より一対の基板間にネマチック液晶(メルク社製、MLC−6608)を充填した後、アクリル系光硬化接着剤で液晶注入口を封止することによりVA型液晶セルを製造した。
(6)液晶配向性の評価
上記(5)で製造した液晶セルにつき、5Vの電圧をON・OFF(印加・解除)したときの明暗の変化における異常ドメインの有無を顕微鏡によって倍率50倍で観察した。評価は、異常ドメインが観察されなかった場合を液晶配向性「良好」とし、異常ドメインがわずかに観察された場合を液晶配向性「可」とし、異常ドメインが多く観察された場合を液晶配向性「不良」とした。この液晶表示素子では液晶配向性「良好」であった。
(7)電圧保持率の評価
上記(5)で製造した液晶セルにつき、23℃において5Vの電圧を60マイクロ秒の印加時間、167ミリ秒のスパンで印加した後、印加解除から167ミリ秒後の電圧保持率(VHR)を測定した。VHRが95%以上のものを「良好」、90%以上95%未満を「可」90%未満を「不良」として評価を行った。この液晶表示素子では電圧保持率が98.9%であり、「良好」の評価であった。なお、測定装置としては、(株)東陽テクニカ製、VHR−1を使用した。
(8)シール材周辺のムラ耐性(ベゼルムラ耐性)
上記(5)で製造した液晶セルにつき、25℃、50%RHの条件下に100日保管し、その後、交流電圧5Vで駆動して点灯状態を観察した。評価は、シール材周辺にて輝度差(モアブラック又はモアホワイト)が視認されなければ「良好」、視認されるが、1分以上10分未満に輝度差が消失すれば「可」、10分経過しても輝度差が視認される場合を「不良」とした。その結果、この液晶表示素子ではシール材周辺にて輝度差が視認されず、ベゼルムラ耐性「良好」と判断された。
[実施例2〜8及び比較例1〜5]
使用する重合体の種類及び量を下記表3の通りに変更した点以外は、上記実施例1と同様にして液晶配向剤を調製するとともに、それぞれの液晶配向剤を用いて実施例1の(2)〜(4)の評価を行った。また、実施例1の(5)と同様にしてVA型液晶セルを製造し、実施例1の(6)〜(8)の評価を行った。それらの結果を下記表3に示した。
Figure 2016029465
上記表3中、ポリアミック酸エステル及びその他の重合体の「量」は、液晶配向剤の調製に使用した重合体成分の合計量100重量部に対する各重合体の使用割合[重量部]を示す。
表3に示す通り、実施例1〜8では、基板の反り、液晶配向性及び電圧保持率について、いずれも「良好」又は「可」の評価であった。このことから、実施例1〜8では、液晶配向性及び電圧保持率を良好にしつつ、基板の反り特性を改善できることが分かった。また、実施例1〜8では、塗膜の印刷性及び透過率、並びに液晶表示素子におけるベゼルムラ耐性も「良好」又は「可」の評価であり、各種特性のバランスが取れていた。これに対し、比較例1〜5では、電圧保持率及び基板の反り特性のいずれかが「不良」であった。これらのことから、重合体成分中に部分構造(c−1)及び部分構造(c−2)を含む液晶配向剤によれば、印刷性、膜透過性及び基板の反り抑制に加え、得られる液晶表示素子の液晶配向性、電圧保持特性及びベゼルムラ耐性をバランス良く改善できることが分かった。
[実施例9:位相差フィルム]
(1)液晶配向剤の調製
重合体として、合成例1−1で得た重合体(A−1)100重量部、及び合成例2−4で得た重合体(BSi−4)10重量部を、NMP及びBCからなる混合溶媒(NMP:BC=50:50(重量比))に溶解し、固形分濃度が3.5重量%の溶液とした。この溶液を孔径0.2μmのフィルターで濾過することにより液晶配向剤を調製した。
(2)位相差フィルムの製造
基板としてのTACフィルムの一面に、上記で調製した液晶配向剤を、バーコーターを用いて塗布し、オーブン内にて120℃で2分間ベークして膜厚100nmの塗膜を形成した。次いで、この塗膜表面にHg−Xeランプ及びグランテーラープリズムを用いて313nmの輝線を含む偏光紫外線10mJ/cmを基板法線から垂直に照射した。次いで、重合性液晶(RMS03−013C、メルク社製)を孔径0.2μmのフィルターでろ過した後、この重合性液晶を、光照射後の塗膜上にバーコーターにより塗布して重合性液晶の塗膜を形成した。温度50℃に調整したオーブン内で1分間ベークした後、Hg−Xeランプを用いて365nmの輝線を含む非偏光の紫外線1,000mJ/cmを塗膜面に対して垂直の方向から照射し、重合性液晶を硬化して液晶層を形成することにより、位相差フィルムを製造した。
(3)液晶配向性の評価
上記(2)で製造した位相差フィルムにつき、クロスニコル下での目視及び偏光顕微鏡(倍率2.5倍)によって異常ドメインの有無を観察することにより液晶配向性(光配向性)を評価した。評価は、目視にて配向性が良好と観察され、かつ偏光顕微鏡にて異常ドメインが観察されなかった場合を液晶配向性「良好」、目視では異常ドメインが観察されなかったが偏光顕微鏡にて異常ドメインが観察された場合を液晶配向性「可」、目視及び偏光顕微鏡にて異常ドメインが観察された場合を液晶配向性「不良」として行った。その結果、この位相差フィルムは液晶配向性「良好」と評価された。
(4)密着性
上記(2)で製造した位相差フィルムを用いて、液晶配向剤により形成した塗膜の基板との密着性について評価した。先ず、ガイドの付いた等間隔スペーサーを用い、カッターナイフにより位相差フィルムの液晶層側の面から切り込みを入れ、1cm×1cmの範囲に10個×10個の格子パターンを形成した。各切込みの深さは、液晶層表面から基板厚さの中ほどまで達するようにした。次いで、上記格子パターンの全面を覆うようにセロハンテープを密着させた後、該セロハンテープを引き剥がした。引き剥がし後の格子パターンの切込み部をクロスニコル下における目視によって観察して密着性を評価した。評価は、切込み線に沿った部分及び格子パターンの交差部分に剥離が確認されなかった場合を密着性「良好」、上記部分に剥離が観察された格子目の個数が、格子パターン全体の個数に対して15%未満の場合を密着性「可」、上記部分に剥離が観察された格子目の個数が、格子パターン全体の個数に対して15%以上であった場合を密着性「不良」として行った。その結果、この位相差フィルムは密着性「良好」であった。

Claims (12)

  1. 重合体成分として1種又は2種以上の重合体を含有し、前記重合体成分中に、下記式(1)で表される部分構造(c−1)と、シロキサン構造及び重合性炭素−炭素不飽和結合を有するモノマーに由来する構造よりなる群から選ばれる少なくとも一種の部分構造(c−2)と、を含有する液晶配向剤。
    Figure 2016029465
    (式(1)中、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数1〜12のアルキル基、−Si(R(ただし、Rはアルキル基又はアルコキシ基であり、複数のRは同じでも異なってもよい。)、フッ素原子を有する1価の基、(メタ)アクリロイル基を有する1価の基、又は桂皮酸構造を有する1価の基であり、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、又は置換若しくは無置換の炭素数1〜10の1価の鎖状炭化水素基である。Xは4価の有機基であり、Yは2価の有機基である。)
  2. 前記部分構造(c−1)を有する重合体(A)と、前記部分構造(c−2)を有する重合体(B)と、を含有する、請求項1に記載の液晶配向剤。
  3. 前記重合体(B)はエポキシ基を有する重合体である、請求項2に記載の液晶配向剤。
  4. 前記重合体(B)は水酸基を有する重合体である、請求項2又は3に記載の液晶配向剤。
  5. 前記重合体(A)と前記重合体(B)との配合割合が、重合体(A)/重合体(B)の重量比で20/80〜98/2である、請求項2〜4のいずれか一項に記載の液晶配向剤。
  6. 前記重合性炭素−炭素不飽和結合を有するモノマーは、(メタ)アクリル系化合物、芳香族ビニル化合物及びマレイミド化合物よりなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の液晶配向剤。
  7. 前記Xは、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸2:3,5:6−二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−8−メチル−3a,4,5,9b−テトラヒドロナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−3a,4,5,9b−テトラヒドロナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、ビシクロ[3.3.0]オクタン−2,4,6,8−テトラカルボン酸2:4,6:8−二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、及びピロメリット酸二無水物よりなる群から選ばれる一種の化合物が有する2個の酸無水物基を取り除いてなる部分構造を有する4価の基である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の液晶配向剤。
  8. 下記式(1)で表される部分構造(c−1)を有する重合体(A)と、シロキサン構造及び重合性炭素−炭素不飽和結合を有するモノマーに由来する構造よりなる群から選ばれる少なくとも一種の部分構造(c−2)を有する重合体(B)と、を配合して調製した液晶配向剤。
    Figure 2016029465
    (式(1)中、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数1〜12のアルキル基、−Si(R(ただし、Rはアルキル基又はアルコキシ基であり、複数のRは同じでも異なってもよい。)、フッ素原子を有する1価の基、(メタ)アクリロイル基を有する1価の基、又は桂皮酸構造を有する1価の基であり、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、又は置換若しくは無置換の炭素数1〜10の1価の鎖状炭化水素基である。Xは4価の有機基であり、Yは2価の有機基である。)
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の液晶配向剤を用いて形成された液晶配向膜。
  10. 請求項9に記載の液晶配向膜を具備する液晶表示素子。
  11. 請求項9に記載の液晶配向膜を具備する位相差フィルム。
  12. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の液晶配向剤を基板上に塗布して塗膜を形成する工程と、前記塗膜に光照射する工程と、前記光照射した後の塗膜上に重合性液晶を塗布して硬化させる工程と、を含む位相差フィルムの製造方法。
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