JPWO2020036087A1 - 地盤注入剤及びそれを用いた地盤注入工法 - Google Patents

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Abstract

セメントを水又は水溶液中に含有するA剤と、SiO2とNa2Oとのモル比(SiO2/Na2O)が0.5〜1.5であり、水和水の数が9以下である珪酸ソーダ粉体を水又は水溶液中に配合してなるB剤とからなる地盤注入剤である。

Description

本発明は、各種土木工事における地盤改良工事や止水工事で用いられる地盤注入剤およびそれを用いた地盤注入工法に関する。
従来から、トンネル土木や都市土木等で、地山や地盤の安定化を図るために、薬液型の地盤注入剤が用いられてきた。この地盤注入剤としては、セメント系粒子を含有する懸濁型地盤注入剤と、セメント系粒子を含有しない溶液型地盤注入剤とが用いられている。
懸濁型地盤注入剤は、強度発現性が優れるといったメリットを有する反面、粒子間隔の小さい密な砂質層には、薬液を浸透させることが困難であるというデメリットを有している。さらに懸濁型地盤注入剤は、硬化するまでの時間、すなわち、ゲルタイムが長いため止水に不向きであることが問題視されている。
一方、溶液型地盤注入剤として、アクリルアミドやウレタン系等の高分子系の注入剤が使用されてきたが、これらの薬液の井戸水への流入による公害問題で、旧建設省より昭和49年に「薬液注入工法による建設工事の施工に関する暫定指針」が通達され、高分子系の注入剤の使用は凍結となり、より安全で、かつ、より性能の良い地盤注入剤が望まれてきた。
このような観点から、現在使用されている溶液型地盤注入剤は、水ガラスなどの主剤に、反応剤として、水に溶解する無機塩、有機溶液、酸、及びアルカリ溶液を、単体又は複合して使用するタイプであり、例えば、無機塩としては、炭酸塩、塩化物、硫酸塩、ホウ酸塩、及びリン酸塩が、また、有機溶液としては、エステル類と酢酸モノエーテルグリコールの混合物、プロピレンカーボネイト、アルデヒド類とホルムアルデヒドの混合物、ギ酸メチル、及びグリオキザールなどがあり、酸としては硫酸が一般的であり、アルカリ溶液としては、各種無機水酸化物等が使用されている。
このように、溶液型地盤注入剤は、溶液で粒子が無いため浸透性に優れているが、硬化後の硬化体から溶液の流出が生じやすいものがあり、寸法安定性に欠けるものが多い。また、反応剤の種類によっては対応に注意を要する物もある(特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、及び特許文献6参照)。
さらに、アルミン酸塩や珪酸塩やカルシウムアルミネートはセメントの水和促進剤となることから、これらを含有してなる注入剤も提案されている(特許文献7〜14参照)。さらに、珪酸塩はSiOとNaOとのモル比(SiO/NaO)が高く、溶液のものが提案されている。しかしながら、当該注入剤がひび割れた場合、その箇所に対してひび割れ修復作用が少なく、注入後、再度、漏水が発生する課題があった。
特開昭52−113505号公報 特開昭57−047226号公報 特開昭52−087807号公報 特開昭51−082913号公報 特開昭52−120507号公報 特開昭57−195786号公報 特開2013−147630号公報 特開2008−144017号公報 特開2008−144015号公報 特開2005−139368号公報 特開平09−157649号公報 特公平02−293363号公報 特公平02−293364号公報 特開2005−146161号公報
本発明は、浸透性に優れ、ゲル強度が高く、ひび割れに対して優れた修復作用を発揮できる地盤注入剤を提供することを目的とする。
本発明者らは種々検討を重ねた結果、特定の反応剤を2種類使用することにより、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は下記のとおりである。
[1] セメントを水又は水溶液中に含有するA剤と、SiOとNaOとのモル比(SiO/NaO)が0.5〜1.5であり、水和水の数が9以下である珪酸ソーダ粉体を水又は水溶液中に配合してなるB剤とからなる地盤注入剤。
[2] 前記セメント100質量部に対して、前記珪酸ソーダ粉体が0.1〜30質量部である[1]に記載の地盤注入剤。
[3] 前記B剤にミョウバンを、前記セメント100質量部に対して0.1〜30質量部含有してなる[1]又は[2]に記載の地盤注入剤。
[4] 前記A剤にアルカリ土類金属塩を、前記セメント100質量部に対して0.1〜30質量部含有してなる[1]〜[3]のいずれかに記載に記載の地盤注入剤。
[5] 前記A剤にアルカリ金属炭酸塩を、前記セメント100質量部に対して0.1〜30質量部含有してなる[1]〜[4]のいずれかに記載に記載の地盤注入剤。
[6] 前記A剤と前記B剤との混合比率が、質量比で30:70〜90:10である[1]〜[5]のいずれかに記載の地盤注入剤。
[7] 地盤に注入する前又は後に、[1]〜[6]のいずれかに記載のA剤とB剤とを混合する地盤注入工法。
[8] 前記地盤に注入する直前に、前記A剤とB剤とを混合して注入する[7]に記載の地盤注入工法。
本発明によれば、浸透性に優れ、ゲル強度が高く、ひび割れに対して優れた修復作用を発揮できる地盤注入剤を提供することができる。その結果、例えば、注入後の地盤の耐久性を高くすることができる。
本発明の地盤注入剤は、セメントを水又は水溶液中に含有するA剤と、SiOとNaOとのモル比(SiO/NaO)が0.5〜1.5であり、水和水の数が9以下である珪酸ソーダ粉体を水又は水溶液中に配合してなるB剤とからなる。また、本発明の地盤注入方法は、地盤に注入する前又は後に、上記のA剤とB剤とを混合する地盤注入工法である。
以下、本発明の実施形態(本実施形態)をさらに詳しく説明する。なお、本明細書における部や%は、特に規定のない限り質量基準である。
[1.地盤注入剤]
(セメント)
本実施形態に使用するセメントとは、特に限定されるものではなく、普通、早強、超早強、低熱および中庸熱等の各種セメント、これらのセメントに、高炉スラグやフライアッシュやシリカフューム等を混合した各種混合セメント、都市ゴミ焼却灰や下水汚泥焼却灰を原料として製造された環境調和型セメント(エコセメント)、市販されている微粒子セメント等が挙げられ、各種セメントや各種混合セメントを微粉末化して使用することも可能である。また、通常セメントに使用されている成分(例えば石膏等)量を増減して調整されたものも使用可能である。
(珪酸ソーダ粉末)
本実施形態で使用する珪酸ソーダ粉末は、主に極初期の流動性消失の促進効果を発揮するもので、また例えば、施工した注入剤が長い年月によりひび割れを生じた際に、例えば0.1mmのひび割れに対しては流水条件下であれば、修復することができる。これは水によりゲル化した珪酸ソーダが、そのひび割れ自体を修復するように働きその幅を小さくするためと考えられる。なお、上記効果を効率よく発現させる観点から、珪酸ソーダは粉末状であり、SiOとNaOとのモル比(SiO/NaO)は0.5〜1.5である。
なお、珪酸ソーダ粉末は、少なくともその配合前の状態が粉末状であり、配合後は少なくとも一部が溶解していてもよい。
地盤注入剤として、例えば極初期の流動性消失を促進するものとして、珪酸ソーダにおけるSiOとNaOとのモル比(SiO/NaO)は0.5〜1.5であり、0.9〜1.3が好ましい。
モル比が0.5以上であると、粉末として取り扱い性が良好であり、1.5以下であると、添加直後からの著しい流動性消失や初期強度発現性やひび割れ修復性が得られやすくなる。
珪酸ソーダ粉末における珪酸ソーダとしては、オルソ珪酸ソーダ、メタ珪酸ソーダ、セスキ珪酸ソーダ等が挙げられるが、なかでもメタ珪酸ソーダが好ましい。
珪酸ソーダ粉末としては、水和物であっても無水物であっても特に限定はされないが、水和水の数は9以下であり、5以下が好ましく、無水和物の使用がより好ましい。
珪酸ソーダ粉末のブレーン比表面積は、300〜1000cm/gであることが好ましく、500〜800cm/gであることがより好ましい。300〜1000cm/gであることで、初期強度発現性が得られやすい。
珪酸ソーダ粉末の使用量は、セメント100部に対して0.1〜30部であることが好ましく、0.2〜10部であることがより好ましい。0.1部以上であることで、充填後の増粘効果やひび割れ修復性がより充分となりやすく、30部以下であることで増粘効果が大き過ぎてポンプ圧送が困難になることを防ぎ、長期強度発現性をより良好にすることができる。
(アルカリ土類金属塩)
本実施形態で使用するアルカリ土類金属塩(以下、金属塩という)とは、極初期の流動性消失を促進するものであり、アルカリ土類水酸化物やアルカリ土類金属塩のことであり、これらの一種又は二種以上が使用可能である。
アルカリ土類金属塩としては、特に限定されるものではないが、カルシウムやマグネシウムの塩が好ましく、水酸化カルシウムや水酸化マグネシウムの使用がより好ましい。アルカリ土類金属塩はA剤に混合することが好ましく、その使用量は、セメント100部に対して0.1〜30部であることが好ましく、0.2〜10部であることがより好ましい。0.1部以上であることで充填後の増粘効果がより充分となりやすく、30部以下であることで増粘効果が大き過ぎてポンプ圧送が困難になることを防ぎ、長期強度発現性をより良好にすることができる。
(アルカリ金属炭酸塩)
本実施形態で使用するアルカリ金属炭酸塩(以下、炭酸塩という)としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、セスキ炭酸ナトリウム等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を使用してもよい。これらの中では、充填後の強度増進効果が大きい点で炭酸カリウムが好ましい。
炭酸塩はA剤に混合することが好ましく、その使用量は、セメント100部に対して0.1〜30部であることが好ましく、0.2〜10部であることがより好ましい。0.1部以上であることで強度増進効果がより充分となりやすく、30部以下であることで、長期強度発現性をより良好にすることができる。
(ミョウバン)
本実施形態で使用するミョウバンは、極初期の流動性消失の促進効果をさらに発揮することや、1日程度の強度発現性を促進するために有効である。ミョウバンとしては特に限定されないが、例えば、カリミョウバン、クロムミョウバン、鉄ミョウバン、アンモニウムミョウバン、ナトリウムミョウバン、天然ミョウバン等いずれのミョウバンも使用、併用が可能である。特にカリミョウバン、ナトリウムミョウバン、アンモニウムミョウバンからなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
ミョウバンはB剤に混合することが好ましく、その使用量は、セメント100部に対して、0.1〜30部であることが好ましく、0.1〜15部であることがより好ましく、0.2〜10部であることがさらに好ましい。含有量を0.1〜30部とすることで、流動性消失が遅延せず、材齢1日における強度発現性を良好にすることができる。
ミョウバンのブレーン比表面積は、極初期の流動性消失の促進効果をより発揮させる観点から、300〜1000cm/gであることが好ましく、500〜900cm/gであることがより好ましい。
A剤は、セメントを水又は水溶液中に含有してなり、B剤は珪酸ソーダ粉体を水又は水溶液中に配合してなるが、それぞれにおける「水溶液」とは、純粋な水だけではなく種々の液体(酸性溶液、アルカリ性溶液、有機溶液等)や添加剤が溶解したものをいう。
本実施形態では、上記各成分の他に種々の添加剤を含有させることができる。例えば、A剤及び/又はB剤にリン酸塩、有機酸等を含有させることができる。
(リン酸塩)
本実施形態で使用するリン酸塩とは、リン酸一ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、トリメタリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ウルトラリン酸ナトリウム、及びテトラポリリン酸ナトリウム又はこれらのカリウム塩等いずれも使用可能である。これらの中で、強度発現性の観点からトリポリリン酸ナトリウムの使用が好ましい。
リン酸塩の使用量は、セメント100部に対して0.1〜15部であることが好ましく、0.2〜7部であることがより好ましい。0.1部以上とすることで凝結時間の調整がより充分なものとしやすくなり、15部以下であることで、強度発現性をより良好にすることができる。
(有機酸)
本実施形態で使用する有機酸とは、凝結調整の効果がある。有機酸としては、クエン酸、酒石酸、グルコン酸、及びリンゴ酸又はそれらのナトリウムやカリウム塩等のいずれも使用可能であるが、強度発現性を阻害しにくいクエン酸ナトリウムの使用が好ましい。これらのうちの一種又は二種以上を使用することが可能である。
有機酸の使用量は、セメント100部に対して0.1〜15部であることが好ましく、0.2〜7部であることがより好ましい。0.1部以上とすることで凝結時間の調整がより充分なものとしやすくなり、15部以下であることで、強度発現性をより良好にすることができる。
A剤とB剤を混合するに先立ち、A剤の固形分濃度は、水100部に対して50〜150部が好ましく、80〜120%部より好ましい。B剤の固形分濃度は、水100部に対して4〜70部が好ましく、5〜30部がより好ましい。また、A剤とB剤の合計の固形分濃度は、水100部に対して20〜70部が好ましく、30〜60部がより好ましい。上記範囲であれば、硬化後の溶液の流出が少なく、良好な硬化状態と適度な粘度が得られる。
以上のような本発明の地盤注入剤を使用することにより、既述の課題が解決され、特に、初期の硬化が早く、ゲル強度が高く、さらにひび割れ修復率が優れるなどの効果を奏する。
[2.地盤注入工法]
本実施形態に係る地盤注入方法は、地盤に注入する前又は後に既述のA剤とB剤とを混合する地盤注入工法である。例えば、A剤及びB剤それぞれ別々に圧送し、地盤注入前又は地盤注入後に(地盤中で)混合する方法が挙げられる。本発明の効果をより発揮しやすくするため、地盤に注入する直前に、A剤とB剤とを混合して注入することが好ましい。例えば、A剤とB剤とを混合して0.5分以内に公知の手段で注入することが好ましい。
本実施形態において、A剤とB剤の混合比率は、質量比で30:70〜90:10であることが好ましく、40:60〜80:20であることがより好ましい。上記の比率の範囲にあれば、より有効にゲル化させることが可能で、優れたゲル強度が得らやすくなる。また、A剤とB剤との混合設備は均一に混合できればいかなる設備も使用可能である。
以下、実験例に基づいて本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実験例1]
セメント100質量部に対して、表1〜表3に示す割合で、SiOとNaOとのモル比(SiO/NaO)、水和水の数を変えた珪酸ソーダ、アルカリ土類金属塩、アルカリ金属炭酸塩、ミョウバンを添加し、A剤及びB剤を作製した(地盤注入剤の調製)。A剤の固形分濃度は、水100部に対して100部、B剤の固形分濃度は、水100部に対して10部とした。
ここで、A剤は、セメント100質量部と、表1〜表3に示す割合のアルカリ土類金属塩、アルカリ金属炭酸塩、及び水を含み、B剤は、表1〜表3に示す割合の珪酸ソーダ、ミョウバン、水を含む。
また、実験No.1−0以外は、セメン100質量部に対して、第一リン酸ナトリウムを0.5質量部、クエン酸ナトリウムを0.2質量部、A剤に混合した。
さらに、A剤としてセメント100質量部、B剤として表1に示す割合の珪酸ソーダを含有した以外は実験No.1−0と同様にして地盤調整剤を作製し、これについても後述の試験を行った(実験No.0−0)。
A剤とB剤とを、20℃、相対湿度80%の室内で60:40の質量比率で混合し、ゲルタイム、ゲル強度、及びひび割れ修復率を測定し、表1〜表3に併記した。
なお、使用した材料は下記のとおりである。
<使用材料>
セメントA:普通ポルトランドセメント、ブレーン比表面積値3340cm/g
アルカリ土類金属塩a:水酸化カルシウム、市販品
アルカリ土類金属塩b:水酸化マグネシウム、市販品
アルカリ土類金属塩c:塩化カルシウム、市販品
アルカリ金属炭酸塩a:炭酸カリウム、市販品
アルカリ金属炭酸塩b:炭酸ナトリウム、市販品
ミョウバンa:カリウムミョウバン12水和物、市販品、ブレーン比表面積値600cm/g
ミョウバンb:硫酸ナトリウムアルミニウム12水和物、市販品、ブレーン比表面積値700cm/g
ミョウバンc:アンモニウムミョウバン12水和物、市販品、ブレーン比表面積値600cm/g
第一リン酸ナトリウム:一級試薬
クエン酸ナトリウム:一級試薬
水 :水道水
<測定方法>
(1)ゲルタイム:A剤とB剤とを混合後、少量をカップに移し、著しく増粘して流動が困難になった時点(カップを60度傾けて形状を保持できなくなった時点)の時間をゲルタイムとした。ゲルタイムが短いほど水を含んだ地盤へも流されず、注入性に優れるといえる。
(2)ゲル強度:ゲルタイムから6時間後の硬化体を、JIS A 5201に準じ、その強度を測定した。1kgf/cm以上の場合は◎、0.5kgf/cm以上で1kgf/cm未満の場合は○、0.5kgf/cm未満の場合は△とした。◎及び○が合格である。
(3)ひび割れ修復率:4cm×4cm×16cmの型枠にA剤とB剤の混合物を流し込み試験体を作製した。材齢28日後、試験体の曲げ試験を行い、ひび割れ幅が0.1mmとなるように、0.1mmのスペーサーを試験体の中心部に挟み、万力で固定した後、20℃で水中養生を12ヶ月間実施し、マイクロスコープで観察し、0.1mm幅の隙間に対する修復率を求めた。なお、ひび割れ修復率は、50%以上であることが好ましい。
Figure 2020036087
Figure 2020036087
Figure 2020036087
本発明の地盤注入剤を用いることで、初期の硬化が早く、強度発現性、さらにひび割れ修復率が優れることがわかる。
[実験例2]
実験No.1−4の地盤注入剤(A剤とB剤)を使用し、さらに下記表4に示す比率でA剤とB剤を使用した以外は実験例1と同様にして、ゲルタイムとゲル強度とひび割れ修復率を測定した。結果を表4に併記する。
Figure 2020036087
表4より、A剤とB剤との混合比率が、質量比で30:70〜90:10である地盤注入剤を用いることで、初期の硬化が早く、強度発現性、さらにひび割れ修復率が特に優れることがわかる。
本発明の地盤注入剤及びそれを用いた地盤注入工法は、各種土木工事における地盤改良工事や止水工事で広範に使用することができる。

Claims (8)

  1. セメントを水又は水溶液中に含有するA剤と、SiOとNaOとのモル比(SiO/NaO)が0.5〜1.5であり、水和水の数が9以下である珪酸ソーダ粉体を水又は水溶液中に配合してなるB剤とからなる地盤注入剤。
  2. 前記セメント100質量部に対して、前記珪酸ソーダ粉体が0.1〜30質量部である請求項1に記載の地盤注入剤。
  3. 前記B剤にミョウバンを、前記セメント100質量部に対して0.1〜30質量部含有してなる請求項1又は2に記載の地盤注入剤。
  4. 前記A剤にアルカリ土類金属塩を、前記セメント100質量部に対して0.1〜30質量部含有してなる請求項1〜3のいずれか1項に記載に記載の地盤注入剤。
  5. 前記A剤にアルカリ金属炭酸塩を、前記セメント100質量部に対して0.1〜30質量部含有してなる請求項1〜4のいずれか1項に記載に記載の地盤注入剤。
  6. 前記A剤と前記B剤との混合比率が、質量比で30:70〜90:10である請求項1〜5のいずれか1項に記載の地盤注入剤。
  7. 地盤に注入する前又は後に、請求項1〜6のいずれか1項に記載のA剤とB剤とを混合する地盤注入工法。
  8. 前記地盤に注入する直前に、前記A剤とB剤とを混合して注入する請求項7に記載の地盤注入工法。


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