JPWO2020026771A1 - カセット及び洗浄浴槽セット - Google Patents

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Abstract

少なくとも1つの半導体基板(57)を保持した状態で洗浄浴槽(21)内の処理液に浸漬されるカセット(51)は、筒状体(52)で構成されているとともに、筒状体(52)の外側に表出する外周面(52a)と、筒状体(52)の内周面に少なくとも1つの半導体基板(57)を保持する保持部(保持用突起部(52e)、基板支持部(52f))とを備える。筒状体(52)の筒軸方向に直交する断面において、外周面(52a)の周方向の一部が曲線とされ、残部が直線とされている。

Description

本明細書で開示される技術は、少なくとも1つの半導体基板を保持した状態で洗浄浴槽内の処理液に浸漬されるカセット、及び、このカセットを備える洗浄浴槽セットに関する。
従来より、半導体基板を洗浄浴槽の処理液に浸漬させて超音波処理するために、半導体基板をカセットに保持することが知られている。例えば特許文献1では、基板(特許文献1では、液晶表示素子の透明基板)をカセットに保持し、このカセットに保持された基板を、カセットと共に、洗浄浴槽の処理液に浸漬させた状態で、基板を超音波処理するようにしている。
特開平6−138437号公報
ところで、シリコンウエハ上に成膜された薄膜のパターニングを、リフトオフ法によって行う場合、このパターニングの工程には、薄膜の剥離工程が含まれる。この剥離工程に超音波処理を導入した場合、工程の歩留まりが飛躍的に改善する。
しかし、超音波処理を行う際、カセット及び洗浄浴槽の形状によっては、洗浄浴槽内の処理液中に定在波が生じる場合がある。この場合、定在波による音圧の不均一によって、洗浄ムラが生じるとともに、特に厚さが薄い半導体基板(例えば太陽電池用の半導体基板)は、定在波の腹の部分(音圧が高い部分)によって押圧されてダメージを受け易い。
ここに開示する技術は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、洗浄浴槽の形状に関係なく、半導体基板の超音波処理を良好に行えるカセット及び洗浄浴槽セットを提供することにある。
前記の目的を達成するために、以下のカセット及び洗浄浴槽セットが提供される。
前記カセットは、少なくとも1つの半導体基板を洗浄浴槽内の処理液に浸漬させて超音波処理するために、前記少なくとも1つの半導体基板を保持した状態で前記処理液に浸漬されるカセットであり、前記カセットは、筒状体で構成されているとともに、前記筒状体の外側に表出する外周面と、前記筒状体の内周面に前記少なくとも1つの半導体基板を保持する保持部とを備え、前記筒状体の筒軸方向に直交する断面において、前記外周面の周方向の一部が曲線とされ、残部が直線とされているものである。
前記洗浄浴槽セットは、少なくとも1つの半導体基板を処理液に浸漬させて超音波処理するために、前記少なくとも1つの半導体基板を保持した状態で前記処理液に浸漬される、筒状体で構成されたカセットと、前記カセットを、前記筒状体の筒軸方向が上下方向となるように内部に配置しかつ貯留する処理液に浸漬させることが可能な洗浄浴槽とを備え、前記カセットは、前記筒状体の外側に表出する外周面と、前記筒状体の内周面に前記少なくとも1つの半導体基板を保持する保持部とを有しており、前記筒状体の筒軸方向に直交する断面において、前記外周面の周方向の一部が曲線とされ、残部が直線とされているものである。
前記カセット及び洗浄浴槽セットによると、洗浄浴槽の形状及びカセット設置位置に関係なく、半導体基板の超音波処理が良好に行われるとともに、厚さが薄い半導体基板(例えば太陽電池用の半導体基板)を超音波処理しても、半導体基板にダメージを与えることがない。
例示的な実施形態に係るカセットが、貯留する処理液に浸漬されるように配置される洗浄浴槽をカセットと共に示す平面図である。 洗浄浴槽をその筒軸方向に直交する面(水平面)に沿って切断した断面図である。 図1のIII−III線に沿って切断した断面図である。 半導体基板を保持したカセットの筒状体を示す、筒状体の筒軸方向に直交する面に沿って切断した断面図である。 太陽電池を部分的に示す模式的な断面図である。 太陽電池を構成する結晶基板の裏側主面を示す底面図である。 太陽電池の製造方法の一工程を示す図5相当図である。 太陽電池の製造方法の一工程を示す図5相当図である。 太陽電池の製造方法の一工程を示す図5相当図である。 太陽電池の製造方法の一工程を示す図5相当図である。 太陽電池の製造方法の一工程を示す図5相当図である。 太陽電池の製造方法の一工程を示す図5相当図である。 太陽電池の製造方法の一工程を示す図5相当図である。 カセットの筒状体の別の形状を示す図4相当図である。 カセットの筒状体の更に別の形状を示す図4相当図である。 カセットの筒状体の更に別の形状を示す図4相当図である。 カセットの筒状体の更に別の形状を示す図4相当図である。 カセットの筒状体の更に別の形状を示す図4相当図である。 カセットの筒状体の更に別の形状を示す図4相当図である。
以下、例示的な実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1〜図3は、例示的な実施形態に係るカセット51が、貯留する処理液に浸漬されるように配置される洗浄浴槽21を示す。カセット51は、図4に示すように、少なくとも1つ(本実施形態では、複数)の半導体基板57を洗浄浴槽21内の処理液に浸漬させて超音波処理するために、少なくとも1つ(複数)の半導体基板57を保持した状態で処理液に浸漬されるものである。本実施形態では、半導体基板57は、太陽電池10用の半導体基板である。尚、図3では、半導体基板57の記載を省略している。
ここで、太陽電池10の構成について、図5及び図6に基づいて説明する。太陽電池10は、シリコン(Si)製の結晶基板11を用いている。結晶基板11は、互いに対向する2つの主面11S(11SU、11SB)を有している。ここでは、光が入射する主面を表側主面11SUと呼び、これとは反対側の主面を裏側主面11SBと呼ぶ。表側主面11SUは、裏側主面11SBよりも積極的に受光させる側であって受光側とされ、裏側主面11SBは、積極的に受光させない側であって非受光側とされる。
太陽電池10は、いわゆるヘテロ接合結晶シリコン太陽電池であって、電極層を裏側主面11SBに配置したバックコンタクト型(裏面電極型)太陽電池である。
太陽電池10は、結晶基板11、真性半導体層12(12U、12p、12n)、導電型半導体層13(p型半導体層13p、n型半導体層13n)、低反射層14、及び電極層15(透明電極層17、金属電極層18)を含む。
以下では、便宜上、p型半導体層13p又はn型半導体層13nに個別に対応する部材には、参照符号の末尾に「p」又は「n」を付すことがある。
結晶基板11は、単結晶シリコンで形成された半導体基板であってもよく、多結晶シリコンで形成された半導体基板(単結晶シリコン基板)であってもよい。以下では、単結晶シリコン基板を例に挙げて説明する。
結晶基板11の導電型は、シリコン原子に対して電子を導入する不純物(例えば、リン(P)原子)を導入されたn型単結晶シリコン基板であってもよく、シリコン原子に対して正孔を導入する不純物(例えば、ホウ素(B)原子)を導入されたp型単結晶シリコン基板であってもよい。以下では、キャリア寿命が長いといわれるn型の単結晶基板を例に挙げて説明する。
図7に示すように、結晶基板11は、受光した光を閉じこめておくという観点から、2つの主面11Sの表面に、山(凸)と谷(凹)とから構成されるテクスチャ構造TX(第1テクスチャ構造)を有していてもよい。なお、テクスチャ構造TX(凹凸面)は、例えば、結晶基板11における面方位が(100)面のエッチングレートと、面方位が(111)面のエッチングレートとの差を応用した異方性エッチングによって形成することができる。
テクスチャ構造TXにおける凹凸の大きさとして、例えば、頂点(山)の数で定義することが可能である。本実施形態においては、光取り込みと生産性との観点から、50000個/mm以上100000個/mm以下の範囲であることが好ましく、特には70000個/mm以上85000個/mm以下の範囲であると好ましい。
結晶基板11の厚さは、250μm以下であってもよい。なお、結晶基板11の厚さを測定する場合の測定方向は、結晶基板11の平均面(平均面とは、テクスチャ構造TXに依存しない基板全体としての面を意味する)に対する垂直方向である。そこで、以下、この垂直方向、すなわち、厚さを測定する方向を厚さ方向(半導体基板57の厚さ方向でもある)とする。
結晶基板11の厚さが過度に小さいと、機械的強度の低下が生じたり、外光(太陽光)が十分に吸収されず、短絡電流密度が減少したりする。このため、結晶基板11の厚さは、50μm以上が好ましく、70μm以上がより好ましい。ここで、結晶基板11の両主面11S(11SU、11SB)にテクスチャ構造TXが形成されている場合には、結晶基板11の厚さは、表側主面11SU及び裏側主面11SBのそれぞれの凹凸構造における凸の頂点(厚さ方向に互いに対向する頂点)を結んだ直線間の距離で表される。
真性半導体層12(12U、12p、12n)は、結晶基板11の両主面11S(11SU、11SB)を覆うことによって、結晶基板11への不純物の拡散を抑えつつ、表面パッシベーションを行う。なお、「真性(i型)」とは、導電性不純物を含まない完全な真性に限られず、シリコン系層が真性層として機能し得る範囲で微量のn型不純物又はp型不純物を含む「弱n型」又は「弱p型」の実質的に真性である層をも包含する。
真性半導体層12(12U、12p、12n)は、必須ではなく、必要に応じて、適宜形成すればよい。
真性半導体層12の材料は、特に限定されないが、非晶質シリコン系材料であってもよく、薄膜としてシリコンと水素とを含む水素化非晶質シリコン系薄膜(a−Si:H薄膜)であってもよい。なお、ここでいう非晶質とは、長周期で秩序を有していない構造であり、すなわち、完全な無秩序なだけでなく、短周期で秩序を有しているものも含まれる。
真性半導体層12の厚さは、特に限定されないが、2nm以上20nm以下であってもよい。厚さが2nm以上であると、結晶基板11に対するパッシベーション層としての効果が高まり、厚さが20nm以下であると、高抵抗化により生じる変換特性の低下を抑えられるためである。
真性半導体層12の形成方法は、特に限定されないが、プラズマCVD(Plasma enhancedChemical Vapor Deposition)法が用いられる。この方法によると、単結晶シリコンへの不純物の拡散を抑制しつつ、基板表面のパッシベーションを有効に行える。また、プラズマCVD法であれば、真性半導体層12における層中の水素濃度をその厚さ方向で変化させることにより、キャリアの回収を行う上で有効なエネルギーギャッププロファイルの形成をも行える。
なお、プラズマCVD法による薄膜の製膜条件としては、例えば、基板温度が100℃以上300℃以下、圧力が20Pa以上2600Pa以下、及び高周波のパワー密度が0.003W/cm以上0.5W/cm以下であってもよい。
薄膜の形成に使用する原料ガスとしては、真性半導体層12の場合は、モノシラン(SiH)及びジシラン(Si)等のシリコン含有ガス、又は、それらのガスと水素(H)とを混合したガスであってもよい。
なお、上記のガスに、メタン(CH)、アンモニア(NH)、又はモノゲルマン(GeH)等の異種の元素を含むガスを添加して、シリコンカーバイド(SiC)、シリコンナイトライド(SiN)又はシリコンゲルマニウム(SIGe)等のシリコン化合物を形成することにより、薄膜のエネルギーギャップを適宜変更してもよい。
導電型半導体層13としては、p型半導体層13pとn型半導体層13nとが挙げられる。図5に示すように、p型半導体層13pは、結晶基板11の裏側主面11SBの一部に真性半導体層12pを介して形成される。n型半導体層13nは、結晶基板11の裏側主面の他の一部に真性半導体層12nを介して形成される。すなわち、p型半導体層13pと結晶基板11との間、及びn型半導体層13nと結晶基板11との間に、それぞれパッシベーションの役割を果たす中間層として真性半導体層12が介在する。
p型半導体層13p及びn型半導体層13nの各厚さは、特に限定されないが、2nm以上20nm以下であってもよい。厚さが2nm以上であると、結晶基板11に対するパッシベーション層としての効果が高まり、厚さが20nm以下であると、高抵抗化により生じる変換特性の低下を抑えられるためである。
p型半導体層13p及びn型半導体層13nは、結晶基板11の裏側主面11SBにおいて、p型半導体層13pとn型半導体層13nとが電気的に分離されるように配置される。導電型半導体層13の幅は、50μm以上3000μm以下であってよく、80μm以上800μm以下であってもよい(なお、半導体層の幅及び後述の電極層の幅は、特に断りがない限り、パターン化された各層の一部分の長さで、パターン化により、例えば線状になった一部分の延び方向と直交する方向の長さを意図する)。
結晶基板11内で生成した光励起子(キャリア)が導電型半導体層13を介して取り出される場合、正孔は電子よりも有効質量が大きい。このため、輸送損を低減させるという観点から、p型半導体層13pがn型半導体層13nよりも幅が狭くてもよい。例えば、p型半導体層13pの幅は、n型半導体層13nの幅の0.5倍以上0.9倍以下であってもよく、また、0.6倍以上0.8倍以下であってもよい。
p型半導体層13pは、p型のドーパント(ホウ素等)が添加されたシリコン層であって、不純物拡散の抑制又は直列抵抗の抑制という観点から、非晶質シリコンで形成されてもよい。一方、n型半導体層13nは、n型のドーパント(リン等)が添加されたシリコン層であって、p型半導体層13pと同様に、非晶質シリコン層で形成されてもよい。
導電型半導体層13の原料ガスとしては、モノシラン(SiH)若しくはジシラン(Si)等のシリコン含有ガス、又はシリコン系ガスと水素(H)との混合ガスを用いてもよい。ドーパントガスには、p型半導体層13pの形成にはジボラン(B)等を用いることができ、n型半導体層の形成にはホスフィン(PH)等を用いることができる。また、ホウ素(B)又はリン(P)といった不純物の添加量は微量でよいため、ドーパントガスを原料ガスで希釈した混合ガスを用いてもよい。
また、p型半導体層13p又はn型半導体層13nのエネルギーギャップの調整のために、メタン(CH)、二酸化炭素(CO)、アンモニア(NH)又はモノゲルマン(GeH)等の異種の元素を含むガスを添加することにより、p型半導体層13p又はn型半導体層13nが化合物化されてもよい。
低反射層14は、太陽電池10が受けた光の反射を抑制する層である。低反射層14の材料には、光を透過する透光性の材料であれば、特に限定されないが、例えば、酸化ケイ素(SiO)、窒化ケイ素(SiN)、酸化亜鉛(ZnO)又は酸化チタン(TiO)が挙げられる。また、低反射層14の形成方法としては、例えば、酸化亜鉛又は酸化チタン等の酸化物のナノ粒子を分散させた樹脂材料で塗布してもよい。
電極層15は、p型半導体層13p又はn型半導体層13nをそれぞれ覆うように形成されて、各導電型半導体層13と電気的に接続される。これにより、電極層15は、p型半導体層13p又はn型半導体層13nに生じるキャリアを導く輸送層として機能する。
なお、電極層15は、導電性が高い金属のみで形成されてもよい。また、p型半導体層13p及びn型半導体層13nとのそれぞれの電気的な接合の観点から、又は電極材料である金属の両半導体層13p、13nに対する原子の拡散を抑制するという観点から、透明導電性酸化物で構成された電極層15を、金属製の電極層とp型半導体層13pとの間及び金属製の電極層とn型半導体層13nとの間にそれぞれ設けてもよい。
本実施形態においては、透明導電性酸化物で形成される電極層15を透明電極層17と称し、金属製の電極層15を金属電極層18と称する。また、図6に示す結晶基板11の裏側主面11SBの底面図に示すように、それぞれ櫛歯形状を持つp型半導体層13p及びn型半導体層13nにおいて、櫛背部上に形成される電極層をバスバー部と称し、櫛歯部上に形成される電極層をフィンガ部と称することがある。
透明電極層17は、材料としては特に限定されないが、例えば、酸化亜鉛(ZnO)若しくは酸化インジウム(InO)、又は酸化インジウムに種々の金属酸化物、例えば酸化チタン(TiO)、酸化スズ(SnO)、酸化タングステン(WO)若しくは酸化モリブデン(MoO)等を1重量%以上10重量%以下の濃度で添加した透明導電性酸化物が挙げられる。
透明電極層17の厚さは、20nm以上200nm以下であってもよい。この厚さに好適な透明電極層の形成方法には、例えば、スパッタ法等の物理気相堆積(PVD:physical Vapor Deposition)法、又は有機金属化合物と酸素又は水との反応を利用した金属有機化学気相堆積法(MOCVD:Metal-Organic Chemical Vapor Deposition)法等が挙げられる。
金属電極層18は、材料としては特に限定されないが、例えば、銀(Ag)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)又はニッケル(Ni)等が挙げられる。
金属電極層18の厚さは、1μm以上80μm以下であってもよい。この厚さに好適な金属電極層18の形成方法には、材料ペーストをインクジェットによる印刷若しくはスクリーン印刷する印刷法、又はめっき法が挙げられる。但し、これには限定されず、真空プロセスを採用する場合には、蒸着又はスパッタリング法を採用してもよい。
p型半導体層13p及びn型半導体層13nにおける櫛歯部の幅と、該櫛歯部の上に形成される金属電極層18の幅とは、同程度であってもよい。但し、櫛歯部の幅と比べて、金属電極層18の幅が狭くてもよい。また、金属電極層18同士のリーク電流が防止される構成であれば、櫛歯部の幅と比べて、金属電極層18の幅が広くてもよい。
本実施形態においては、結晶基板11の裏側主面11SBの上に、真性半導体層12、導電型半導体層13、低反射層14及び電極層15を積層した状態で、各接合面のパッシベーション、導電型半導体層13及びその界面における欠陥準位の発生の抑制、並びに透明電極層17における透明導電性酸化物の結晶化を目的として、所定のアニール処理を施す。
本実施形態に係るアニール処理には、例えば、上記の各層を形成した結晶基板11を150℃以上200℃以下に過熱したオーブンに投入して行うアニール処理が挙げられる。この場合、オーブン内の雰囲気は、大気でもよく、さらには、雰囲気として水素又は窒素を用いると、より効果的なアニール処理を行うことができる。また、このアニール処理は、各層を形成した結晶基板11に、赤外線ヒータにより赤外線を照射させるRTA(Rapid Thermal Annealing)処理であってもよい。
以下、太陽電池10の製造方法について、図7〜図13を参照しながら説明する。
まず、図7に示すように、表側主面11SU及び裏側主面11SBにそれぞれテクスチャ構造TXを有する結晶基板11を準備する。
次に、図8に示すように、結晶基板11の表側主面11SUの上に、例えば真性半導体層12Uを形成する。続いて、形成した真性半導体層12Uの上に反射防止層14を形成する。反射防止層14には、入射光を閉じ込める光閉じ込め効果の観点から、適した光吸収係数及び屈折率を有するシリコンナイトライド(SiN)又はシリコンオキサイド(SiO)が用いられる。
次に、図9に示すように、結晶基板11の裏側主面11SBの上に、例えばi型非晶質シリコンを用いた真性半導体層12pを形成する。続いて、形成した真性半導体層12pの上に、p型半導体層13pを形成する。これにより、結晶基板11における一方の主面である裏側主面11SBの上に、真性半導体層12pを介在させたp型半導体層13pが形成される。
その後、その形成したp型半導体層13pの上に、複数層のリフトオフ層LF(第1リフトオフ層LF1及び第2リフトオフ層LF2)を形成する。具体的には、p型半導体層13pの上に、互いの密度が異なるシリコン系薄膜材料を含む第1リフトオフ層LF1及び第2リフトオフ層LF2を順次積層して形成する。これにより、第1リフトオフ層LF1がp型半導体層13pの上に形成され、第2リフトオフ層LF2が第1リフトオフ層LF1の上に形成される。
次に、図10に示すように、結晶基板11の裏側主面11SBにおいて、第2リフトオフ層LF2、第1リフトオフ層LF1及びp型半導体層13pをパターニングする。これにより、p型半導体層13pが選択的に除去されて、p型半導体層13pの形成されない非形成領域NAが生じる。一方、結晶基板11の裏側主面11SBでエッチングされなかった領域には、少なくとも第2リフトオフ層LF2、第1リフトオフ層LF1及びp型半導体層13pが残る。
このようなパターニング工程は、フォトリソグラフィ法、例えば所定のパターンを有するレジスト膜(不図示)を第2リフトオフ層LF2の上に形成し、形成したレジスト膜によってマスクされた領域をエッチングすることにより実現する。図10に示す場合は、真性半導体層12p、p型半導体層13p、第1リフトオフ層LF1、及び第2リフトオフ層LF2の各層をパターニングすることにより、結晶基板11の裏側主面11SBの一部の領域に非形成領域NA、すなわち裏側主面11SBの露出領域が生じる。
図10に示す工程で使用するエッチング溶液として、例えばフッ化水素酸と酸化性溶液との混合溶液(例えばフッ硝酸)、又は、オゾンをフッ化水素酸に溶解させた溶液(以下、オゾン/フッ酸液という)が挙げられる。また、リフトオフ層LFのエッチングに寄与するエッチング剤はフッ化水素である。なお、ここでのパターニングは、エッチング溶液を用いたウエットエッチングには限定されない。パターニングは、例えばドライエッチングであってもよく、エッチングペースト等を用いたパターン印刷であってもよい。
次に、図11に示すように、第2リフトオフ層LF2、第1リフトオフ層LF1、p型半導体層13p及び真性半導体層12pを含め、結晶基板11の裏側主面11SBの上に、真性半導体層12n及びn型半導体層13nを順次形成する。これにより、真性半導体層12nとn型半導体層13nとの積層膜が、非形成領域NA上と、第2リフトオフ層LF2の表面及び側面(端面)上と、第1リフトオフ層LF1、p型半導体層13p及び真性半導体層12pの側面(端面)上とに形成される。
次に、図12に示すように、エッチング溶液を用いて、積層した第1リフトオフ層LF1及び第2リフトオフ層LF2を除去することにより、第2リフトオフ層LF2の上に堆積したn型半導体層13n及び真性半導体層12nを結晶基板11から除去する(この工程をリフトオフ工程と称する)。なお、このリフトオフ工程に使用するエッチング溶液としては、例えばフッ化水素酸を主成分とする溶液が挙げられる。
その後、リンス液を用いて、結晶基板11に付着しているエッチング溶液を除去する(この工程をリンス工程と称する)。リンス工程では、リフトオフ工程で完全に除去できなかった、リフトオフ層LFを覆うn型半導体層13n及び真性半導体層12nを除去する。リンス液としては、例えば純水をベースとして、後述の如く表面張力を調整するための液性調整剤を添加したものを用いる。
リフトオフ工程及びリンス工程に用いるエッチング溶液及びリンス液の表面張力は、25mN/m以上70mN/m以下であることが好ましく、特に30mN/m以上60mN/m以下であることが好ましい。表面張力をこの範囲内にすることにより、p型半導体層13p及びリフトオフ層LFに対する高い濡れ性により、リフトオフ工程がスムーズに進み、さらに、リフトオフ工程及びリンス工程で剥離したn型半導体層13n及び真性半導体層12nが、エッチング溶液及びリンス液中で凝集し易くなる。その結果、凝集して粒子が大きくなることにより、n型半導体層13n及び真性半導体層12nの結晶基板11への再付着が抑制される。また、エッチング溶液又はリンス液を循環させた際に、フィルタリングにより粒子の除去が容易となる。このように、微細な剥離及び浮遊物が液中に長時間対流することがなくなるので、生産性及び歩留まりが共に向上する。
次に、図13に示すように、結晶基板11における裏側主面11SBの上、すなわち、p型半導体層13p及びn型半導体層13nのそれぞれに、例えば、マスクを用いたスパッタリング法により、分離溝25を生じさせるように透明電極層17(17p、17n)を形成する。なお、透明電極層17(17p、17n)の形成は、スパッタリング法に代えて、以下のようにしてもよい。例えば、マスクを用いずに透明導電性酸化物膜を裏側主面11SB上の全面に製膜し、その後、フォトリソグラフィ法により、p型半導体層13p上及びn型半導体層13n上にそれぞれ透明導電性酸化物膜を残すエッチングを行って形成してもよい。ここで、p型半導体層13pとn型半導体層13nとを互いに分離絶縁する分離溝25を形成することにより、リーク電流が発生し難くなる。
その後、透明電極層17の上に、例えば開口部を有するメッシュスクリーン(不図示)を用いて、線状の金属電極層18(18p、18n)を形成する。
こうして、裏面接合型の太陽電池10が形成される。この太陽電池10の形成過程におけるリフトオフ工程及び/又はリンス工程において、処理液が貯留された洗浄浴槽21を用いて超音波処理が行われ、これにより、n型半導体層13n及び真性半導体層12nの剥離がより確実なものとなる。洗浄浴槽21内の処理液としては、リフトオフ工程では、当該リフトオフ工程に使用するエッチング溶液であり、リンス工程では、リンス液である。本実施形態において、カセット51に保持される半導体基板57は、図11又は図12の状態にある半導体基板(結晶基板11に、真性半導体層12p、p型半導体層13p、真性半導体層12n、n型半導体層13n等が積層されたもの)である。本実施形態では、半導体基板57は、その厚さ方向から見て、略矩形状をなしている。
図3及び図4に示すように、本実施形態では、カセット51は、樹脂製の筒状体52で構成されていて、筒状体52の筒軸方向が上下方向となるように、洗浄浴槽21内の処理液に浸漬される。なお、筒状体52は樹脂製に限らず、例えば金属製であってもよい。以下、カセット51(筒状体52)については、洗浄浴槽21内に配置される姿勢(処理液に浸漬される姿勢)にあるとして説明する。
筒状体52は、筒状体52の外側に表出する外周面52aと、筒状体52の内側に空間を形成する内周面52bとを有する。筒状体52の筒軸方向に直交する断面(水平方向に沿って切断した断面)において、外周面52aの周方向の一部が曲線とされ、残部が直線とされている。本実施形態では、図4に示すように、筒状体52の筒軸方向に直交する断面において、外周面52aは、互いに平行な2つの直線52cと、2つの直線52cの一端部同士及び他端部同士を連結する、曲率中心が筒状体52の内側に位置する円弧状の曲線52dとを含む形状(以下、スタジアム形状という)とされている。本実施形態では、内周面52bも、基本的には、外周面52aと同様の形状とされている。すなわち、内周面52bには、後述の如く、保持用突起部52e及び基板支持部52fが設けられる。尚、円弧状の曲線52dに代えて、弓状の曲線としてもよい。
筒状体52の内周面52bにおいてスタジアム形状の2つの直線52cに対応する部分に、半導体基板57を保持する複数の保持用突起部52eが、直線52cが延びる方向に並ぶようにそれぞれ設けられている。その各直線52cの部分において、直線52cが延びる方向に相隣接する保持用突起部52eの間の間隔が、半導体基板57の厚さ(図4では、分かり易くするために誇張して描いている)と略同じとされ、その間に半導体基板57が上下方向に延びた起立した姿勢で保持される。また、各面において相隣接する保持用突起部52eの間の下端部に、半導体基板57の下面が当接して半導体基板57を支持する基板支持部52f(図3参照)が設けられている。保持用突起部52e及び基板支持部52fは、半導体基板57を保持する保持部に相当する。半導体基板57の保持の構成は、一例であり、その他の構成を採用してもよい。また、カセット51に保持される半導体基板57の姿勢は、どのような姿勢であってもよく、例えば、上下方向に対して傾斜した姿勢であってもよい。さらに、半導体基板57の面がどの方向を向いていてもよい。
洗浄浴槽21は、水平方向に延びる底壁部22と、底壁部22の周縁部から上側に立ち上がり、内部に処理液を貯留する筒状側壁部23とを備えていて、上側が開口された有底筒状に形成されている。すなわち、底壁部22の面内方向に対して交差する方向に立ち上がるように筒状側壁部23が形成される。筒状側壁部23の筒軸方向は上下方向に一致している(すなわち、本実施形態では、底壁部22の面内方向に対する交差方向は上下方向であるといえる)。洗浄浴槽21も、筒状体52と同様に、樹脂製である。洗浄浴槽21も、樹脂製に限らず、例えば金属製であってもよい。
本実施形態では、筒状側壁部23の筒軸方向に直交する断面(水平方向に沿って切断した断面)において、筒状側壁部23は、略長方形状に形成されている。洗浄浴槽21について、筒状側壁部23の断面の長方形の長辺が延びる方向を、長手方向といい、長方形の短辺が延びる方向を、短手方向という。なお、筒状側壁部23の断面形状は、略長方形状に限られるものではなく、どのような形状であってもよい。また、洗浄浴槽21の大きさは、カセット51を、洗浄浴槽21の内部に筒状体52の筒軸方向が上下方向となるように配置して、洗浄浴槽21内の処理液に浸漬させることが可能であれば、どのような大きさであってもよい。
洗浄浴槽21は、処理液に浸漬されたカセット51の上下方向(底壁部22の面内方向に対する交差方向)、及び上下方向に交差する方向である横方向(底壁部22の面内方向)への移動を制止する制止部30を更に備えていても構わない。本実施形態では、制止部30は、カセット51の横方向への移動を制止する第1の制止部31と、カセット51の上下方向への移動を制止する第2の制止部41とを有する一例を用いて説明する。なお、第1の制止部31によりカセット51の上下方向への移動も制止できる場合には、制止部30は、第1の制止部31のみを有していてもよい。同様に、第2の制止部41によりカセット51の横方向の移動も制止できる場合には、制止部30は、第2の制止部41のみを有していてもよい。また、制止部30自体をなくすことも可能であり、カセット51を底壁部22上に置くだけであってもよい。
本実施形態では、第1の制止部31は、図2に示すように、処理液に浸漬されたカセット51(筒状体52)の外側周囲において周方向に並ぶように設けられた複数(本実施形態では、4つ)の第1の制止片32を含む。4つの第1の制止片32は、洗浄浴槽21の底壁部22上に設けられていて、筒状体52の下端面の外形ラインに対応した仮想の線35上に位置する。4つの第1の制止片32は、筒状体52の外周面52aに合致する合致面32aと、筒状体52の下端面を受ける受け面32bとを有している。4つの第1の制止片32のうち2つの第1の制止片32(以下、第1の制止片32Aともいう)の合致面32aは、平面であって、筒状体52の外周面52aにおける直線52cに対応する部分に合致する。一方、残りの2つの第1の制止片32(以下、第1の制止片32Bともいう)の合致面32aは、凹曲面であって、筒状体52の外周面52aにおける曲線52dに対応する部分に合致する。
筒状体52の下端面が受け面32bに接触しているとき、筒状体52の上端面の高さ位置は、処理液の液面の高さ位置よりも低い。受け面32bは、筒状体52の下端面と洗浄浴槽21の底壁部22との間に隙間を形成して、筒状体52の内側に対する処理液の流出入を促進させる役割を有する。なお、受け面32bがなくて、筒状体52の下端面が底壁部22に直に接触していたとしても、実際には、その間に僅かな隙間が生じ、筒状体52の内側に対する処理液の流出入がなされる。但し、筒状体52が第2の制止部41により押圧される場合、筒状体52を長期に亘って使用すると、筒状体52の変形により隙間がなくなる可能性があるので、受け面32bを設けることが好ましい。
4つの第1の制止片32は、第1の制止片32を、処理液に浸漬されたカセット51に対して離接可能に移動させるモータ等の移動機構36(図3参照)によって、移動させられる。本実施形態では、移動機構36は、底壁部22の下面に設けられていて、例えば、2つの第1の制止片32A同士を、互いに離接するように、底壁部22上で洗浄浴槽21の短手方向に移動させ、2つの第1の制止片32B同士を、互いに離接するように、底壁部22上で洗浄浴槽21の長手方向に移動させる。なお、移動機構36の詳細構成については省略する。
4つの第1の制止片32は、移動機構36によってカセット51に近接して合致面32aが筒状体52の外周面52aにそれぞれ当接して筒状体52をその内側に押圧する。これにより、カセット51の横方向への移動が制止される。4つの第1の制止片32の筒状体52に対する押圧力によっては、4つの第1の制止片32によりカセット51の上下方向への移動も制止することが可能になる。一方、カセット51を洗浄浴槽21に対して出し入れする際には、4つの第1の制止片32が移動機構36によってカセット51から離れる。このとき、各第1の制止片32は、その受け面32bが筒状体52の下端面から外れないような量だけ移動する。これにより、カセット51の洗浄浴槽21に対する出し入れが容易になる。
なお、第1の制止片32は、必ずしも移動可能に構成されている必要はなく、底壁部22に固定されていてもよい。この場合、第1の制止片32は、筒状体52の下端面を受け面32bに当接させた状態で合致面32aが筒状体52の外周面52aに略当接するような位置に設けられる。また、複数の第1の制止片32のうちの一部の第1の制止片32のみを移動可能に構成してもよい。
さらに、第1の制止片32は、底壁部22に設けられる代わりに、筒状側壁部23に支持部材を介して設けられていてもよい。この場合、第1の制止片32が、その支持部材を介して、処理液に浸漬されたカセット51に対して離接可能に構成されてもよい。
第1の制止片32の数、カセット51に対して離接可能に構成される第1の制止片32の数、及び、第1の制止片32を移動可能に構成した場合の移動方向は、筒状体52の断面形状により異なり、カセット51の横方向への移動を制止できるように適宜に設定される。
また、上側から見た洗浄浴槽21に対するカセット51の位置(第1の制止片32の位置)は、通常は、洗浄浴槽21の中央部とされるが、洗浄浴槽21のどこであってもよい。
洗浄浴槽21は、筒状側壁部23に対して回動機構25を介して回動可能に装着された天面部24を更に備えている。天面部24は、洗浄浴槽21の短手方向において、2つの分割部24aに分割されている。各分割部24aの長辺側の端部には、ヒンジ軸24bが洗浄浴槽21の長手方向に貫通するように設けられている。ヒンジ軸24bは、分割部24aに固定されているとともに、筒状側壁部23の上端における長辺に対応する部分に設けられたヒンジ軸支持部23aに回動可能に支持されている。2つの分割部24aは、両開きのドアのように、それぞれのヒンジ軸24bの回動によって回動して、洗浄浴槽21の上端の開口を開閉する。回動機構25は、詳細な構成は省略するが、例えば、2つの分割部24aのヒンジ軸24bに対して減速機構を介して連結された1つのモータを有し、このモータの回転により2つの分割部24aのヒンジ軸24bが互いに逆向きに回動して、2つの分割部24aが回動する。なお、本実施形態では、2つの分割部24aは、洗浄浴槽21の上端の開口の全ての部分を覆っていないが、開口の全ての部分を覆うことも可能である。
第2の制止部41は、底壁部22に対向しかつ底壁部22との間隔が変化するように設けられた第2の制止片42を含む。具体的に、図1及び図3に示すように、第2の制止片42は、天面部24における2つの分割部24aの先端部(ヒンジ軸24bとは反対側の端部)にそれぞれ2つずつ(合計4つ)設けられていて、2つの分割部24aの回動機構25を介した回動に伴って、底壁部22との間隔が変化するように構成されている。
回動機構25によって2つの分割部24aが洗浄浴槽21の上端の開口を閉じたときに、4つの第2の制止片41が、筒状体52の上端面における曲線52dに対応する部分に当接して筒状体52を下向きに押圧する。これにより、カセット51の上下方向への移動が制止される。4つの第2の制止片42の筒状体52に対する押圧力によっては、第2の制止片42によりカセット51の横方向への移動も制止することが可能になる。各第2の制止片42は、ゴム等の弾性部材で構成してもよい。なお、第2の制止片41が筒状体52を押圧する部分は、筒状体52の上端面のどこであってもよい。
洗浄浴槽21の筒状側壁部23の外側面には、洗浄浴槽21に貯留された処理液に超音波を発信する超音波発信器61が取り付けられている。超音波発信器61の取付位置は、筒状側壁部23の外側面において周方向のどの位置でもよいが、取り付け易さを考慮して、筒状側壁部23の外側面における平面の部分であることが好ましい。本実施形態では、超音波発信器61から発信される超音波の軸線方向は、水平方向である。
超音波発信器61から発信された超音波は、洗浄浴槽21の筒状側壁部23の内側面及び筒状体52の外周面52aで反射される。この反射をいくら繰り返しても、筒状体52の外周面52aのスタジアム形状によって、超音波発信器61から発信された超音波は、その発信が開始された位置でその開始されたときと同じ発信角度になるように戻ることはない。すなわち、超音波の軌道は、周期的な軌道にはならず、いわゆるカオス的な軌道となる。このことは、洗浄浴槽21がどのような形状であっても成り立つ。この結果、処理液中に定在波が生じることはなく、処理液中に均一な音場が形成される。このような均一な音場が形成された処理液により、半導体基板57が超音波処理される。
したがって、本実施形態では、第1の制止片32及び第2の制止片42によりカセット51の上下方向及び横方向への移動が制止されているとともに、カセット51の外周面52aが、処理液中に定在波が生じないようなスタジアム形状とされているので、半導体基板57の超音波処理が良好に行われる。また、処理液中に定在波が生じないことから、厚さが薄い、太陽電池10用の半導体基板57を超音波処理しても、半導体基板57にダメージを与えることがない。これにより、シリコンのダングリングボンドによる太陽電池10の性能低下が抑制される。
カセット51の外周面52aの形状は、スタジアム形状には限られない。洗浄浴槽21の形状に関係なく、超音波の軌道がカオス的な軌道になるように、筒状体52の筒軸方向に直交する断面において、外周面52aの周方向の一部が曲線とされかつ残部が直線とされればよい。この場合、筒状体52の筒軸方向に直交する断面において、外周面52aにおける曲線は、単数又は複数設けられていて、円弧状又は弓状の曲線であることが好ましい。そして、少なくとも1つの円弧状又は弓状の曲線の曲率中心は、筒状体52の内側に位置していてもよく、筒状体52の外側に位置していてもよい。或いは、複数の円弧状又は弓状の曲線のうちの一部の曲線の曲率中心が、筒状体52の内側に位置し、残りの曲線の曲率中心が、筒状体52の外側に位置していてもよい。
具体的には、図14に示すように、筒状体52の筒軸方向に直交する断面において、筒状体52の外周面52aが略D字状に形成されていてもよい。この場合、筒状体52の外周面52aの曲線は、曲率中心が筒状体52の内側に位置する円弧状又は弓状の曲線である。なお、図14では、筒状体52に対する第1の制止片32の位置を例示するために、第1の制止片32(受け面32bを省略)を二点鎖線で記載している(図15〜図19においても同様)。
或いは、筒状体52の筒軸方向に直交する断面において、筒状体52の外周面52aが、図15〜図19のいずれか1つの形状に形成されていてもよい。図16の形状では、筒状体52の内側空間の中央部に、内周面52bに設けられた保持用突起部52eと共に半導体基板57を保持する棒状の保持部材55(保持部に相当)が筒軸方向に延びるように設けられる。この保持部材55の外周面にも、保持用突起部52eと同様の保持用突起部55aが設けられている。保持部材55は、内周面52bにおける筒軸方向の上下2箇所に固定された支持部材56(図16では、下側の支持部材56しか見えない)によって支持される。また、図17の形状では、筒状体52の外周面52aの曲線は、2つあって、弓状とされ、その1つの弓状の曲線の曲率中心が筒状体52の内側に位置する一方、もう1つの弓状の曲線の曲率中心が筒状体52の外側に位置する。この形状では、図17に示すように、筒状体52の内周面52bにおける弓状の曲線に対応する部分に、保持用突起部52eを設けてもよい。
本発明は、前記実施形態に限られるものではなく、請求の範囲の主旨を逸脱しない範囲で代用が可能である。
例えば、前記実施形態では、太陽電池10用の半導体基板57をカセット51に保持して超音波処理したが、これには限らず、太陽電池以外の用途の半導体基板を超音波処理する場合にも、カセット51を用いることができる。
上述の実施形態は単なる例示に過ぎず、本発明の範囲を限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって定義され、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
21 洗浄浴槽
51 カセット
52 筒状体
52a 外周面
52b 内周面
52e 保持用突起部(保持部)
52f 基板支持部(保持部)
55 保持部材(保持部)
57 半導体基板

Claims (7)

  1. 少なくとも1つの半導体基板を洗浄浴槽内の処理液に浸漬させて超音波処理するために、前記少なくとも1つの半導体基板を保持した状態で前記処理液に浸漬されるカセットであって、
    前記カセットは、筒状体で構成されているとともに、
    前記筒状体の外側に表出する外周面と、
    前記筒状体の内周面に前記少なくとも1つの半導体基板を保持する保持部とを備え、
    前記筒状体の筒軸方向に直交する断面において、前記外周面の周方向の一部が曲線とされ、残部が直線とされている、カセット。
  2. 前記筒状体の筒軸方向に直交する断面において、前記外周面における曲線は、単数又は複数設けられていて、円弧状又は弓状の曲線である、請求項1に記載のカセット。
  3. 少なくとも1つの前記円弧状又は弓状の曲線の曲率中心は、前記筒状体の内側に位置する、請求項2に記載のカセット。
  4. 少なくとも1つの前記円弧状又は弓状の曲線の曲率中心は、前記筒状体の外側に位置する、請求項2に記載のカセット。
  5. 前記円弧状又は弓状の曲線は複数設けられており、
    前記複数の円弧状又は弓状の曲線のうちの一部の曲線の曲率中心は、前記筒状体の内側に位置し、
    残りの曲線の曲率中心は、前記筒状体の外側に位置する、請求項2に記載のカセット。
  6. 前記筒状体の筒軸方向に直交する断面において、前記外周面は、互いに平行な2つの直線と、前記2つの直線の一端部同士及び他端部同士を連結する、曲率中心が前記筒状体の内側に位置する円弧状又は弓状の曲線とを含む形状、又は、略D字状に形成されている、請求項2又は3に記載のカセット。
  7. 洗浄浴槽セットであって、
    少なくとも1つの半導体基板を処理液に浸漬させて超音波処理するために、前記少なくとも1つの半導体基板を保持した状態で前記処理液に浸漬される、筒状体で構成されたカセットと、
    前記カセットを、前記筒状体の筒軸方向が上下方向となるように内部に配置しかつ貯留する処理液に浸漬させることが可能な洗浄浴槽とを備え、
    前記カセットは、前記筒状体の外側に表出する外周面と、前記筒状体の内周面に前記少なくとも1つの半導体基板を保持する保持部とを有しており、
    前記筒状体の筒軸方向に直交する断面において、前記外周面の周方向の一部が曲線とされ、残部が直線とされている、洗浄浴槽セット。
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