JPWO2020026337A1 - マルチカーエレベーター - Google Patents

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    • B66B9/00Kinds or types of lifts in, or associated with, buildings or other structures
    • B66B9/10Kinds or types of lifts in, or associated with, buildings or other structures paternoster type

Abstract

制御部は、指定手段による指定された内容に応じて、2つの昇降路内の一方の昇降路に係る少なくとも一つの階に対応する領域を、第1特殊領域として設定する第1特殊領域設定手段と、設定された第1特殊領域に応じて、特殊運転に係るループユニットにおける第2の乗りかごについて、2つの昇降路内の他方の昇降路に係る少なくとも一つの階に対応する領域を、第2特殊領域として設定する第2特殊領域設定手段と、設定された第1特殊領域と第2特殊領域の妥当性を判定する判定手段と、を有し、妥当でないと判定する場合、報知手段に、第1特殊領域の再指定を促す報知を行わせる。

Description

本発明は、複数の乗りかごが走行路内を循環移動するマルチカーエレベーターに関する。
複数の乗りかごが走行路内を循環移動するマルチカーエレベーターに関する技術として、下記特許文献1に開示されたものがある。この特許文献1には、マルチカーエレベーターを、複数の乗りかごについてサービス可能に動作させるグループモードと、少なくとも一つの乗りかごについて、グループモードでの動作を行わせず、予め定めたタスクを行わせるアウトオブグループモードに、選択的に制御可能な技術が記載されている。
WO2016126688(A1)公報
このような循環式のマルチカーエレベーターにおいて、一の乗りかごについて、保守運転や専用運転などの特殊運転を行う際は、走行路内において、当該特殊運転に係る領域を、他の乗りかごの状況を考慮しつつ、効果的に設定する必要がある。
そこで本発明は、走行路内における特殊運転に係る領域を効果的に設定することが可能なマルチカーエレベーターを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、例えば請求の範囲に記載の構成を採用する。
本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、主ロープと、前記主ロープに接続され、2つの昇降路を含む走行路内を循環移動する複数の乗りかごと、を有する複数のループユニットと、複数の前記ループユニットを制御する制御部と、を備えるマルチカーエレベーターであって、各ループユニットにおける複数の乗りかごには、少なくとも第1の乗りかごと、第2の乗りかごが含まれ、前記第1の乗りかごは、前記第2の乗りかごが前記2つの昇降路内の一方の昇降路に配置されているときは、他方の昇降路内に配置されるように、前記主ロープに接続されており、通常運転と異なる特殊運転に係る前記ループユニットと、当該ループユニットの第1の乗りかごについての当該特殊運転に係る少なくとも一つの階に対応する領域を第1特殊領域として指定する指定手段と、前記第1特殊領域の再指定を促す報知を行う報知手段と、を有し、前記制御部は、
前記指定手段による指定された内容に応じて、前記2つの昇降路内の一方の昇降路に係る少なくとも一つの階に対応する領域を、前記第1特殊領域として設定する第1特殊領域設定手段と、設定された前記第1特殊領域に応じて、前記特殊運転に係る前記ループユニットにおける第2の乗りかごについて、前記2つの昇降路内の他方の昇降路に係る少なくとも一つの階に対応する領域を、第2特殊領域として設定する第2特殊領域設定手段と、設定された前記第1特殊領域と前記第2特殊領域の妥当性を判定する判定手段と、を有し、前記特殊運転に係る前記ループユニットとは異なる前記ループユニットにおける第1の乗りかご、又は、第2の乗りかごを、一方の昇降路に係る第1特殊領域以外、又は、他方の昇降路に係る第2特殊領域以外、で上下方向に走行を可能とし、前記判定手段が、設定された前記第1特殊領域と前記第2特殊領域の妥当性について妥当でないと判定する場合、前記報知手段に、前記第1特殊領域の再指定を促す報知を行わせ、前記判定手段は、前記特殊運転に係る前記ループユニットとは異なる前記ループユニットによって、利用者が一方の昇降路に係る第1特殊領域に対応する階以外の階及び他方の昇降路に係る第2特殊領域に対応する階以外の階に移動可能である場合は、設定された前記第1特殊領域と前記第2特殊領域の妥当性について、妥当と判定し、一方、移動不能である場合は妥当でないと、判定することを特徴とするマルチカーエレベーターである。
本発明のマルチカーエレベーターによれば、走行路内における特殊運転に係る領域を効果的に設定することができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下側の実施の形態の説明により明らかにされる。
本発明の一実施の形態に係るマルチカーエレベーターを示す概略構成図である。 本発明の一実施の形態に係る乗りかごを示す概略構成図である。 本発明の一実施の形態に係る乗り場装置を示す概略構成図である。 本発明の一実施の形態に係る保守運転モードを説明するための図である。 本発明の一実施の形態に係る全体コントローラーの機能ブロック図である。 発明の一実施の形態に係るマルチカーエレベーターの動作例を示すフローチャート(その1)である。 発明の一実施の形態に係るマルチカーエレベーターの動作例を示すフローチャート(その2)である。 発明の一実施の形態に係る操作盤の態様を示す図(その1)である。 発明の一実施の形態に係る操作盤の態様を示す図(その2)である。 発明の一実施の形態に係る操作盤の態様を示す図(その3)である。 発明の一実施の形態に係る保守運転ゾーンと操作盤の態様を説明するための図(その1)である。 発明の一実施の形態に係る保守運転ゾーンと操作盤での表示を説明するための図(その2)である。 発明の一実施の形態に係る保守運転ゾーンと操作盤での表示を説明するための図(その3)である。 発明の一実施の形態に係るマルチカーエレベーターの作用効果を説明するための図である。
以下、本発明を適用した実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、各実施の形態においては、同様の構成要素には同一の符号を付し、同様の構成要素についての重複する説明は省略する。
<マルチカーエレベーター装置の構成>
まず、マルチカーエレベーター1の構成例について、図1〜3を参照して説明する。図1は、マルチカーエレベーター1を示す概略構成図である。図2は、乗りかごA1の概略構成図である。また、図3は、乗り場装置50を示す概略構成図である。
これらの図に示すマルチカーエレベーター1は、建築物の上下方向に貫通して設けられた2つの昇降路10A,10Bを含む走行路10内において循環移動可能に設けられた複数対(ここでは一例として3対)の乗りかごA1,A2と、乗りかごB1,B2と、乗りかごC1,C2を有する。
また、マルチカーエレベーター1は、走行路10の外側で、建築物の各階F1〜F10(図1においては、階F5〜F9の図示を省略)に設けられた乗り場装置50(図2参照)と、乗りかごA1〜C2の運行を制御する制御装置60とを有する。
[走行路10]
図1及び図3に示すように、走行路10は、一対の乗り場ドア11,12を介して、建築物の各階F1〜F10と、通じている。これらの乗り場ドア11,12は、各階F1〜F10において、例えば同一方向を向いて隣り合わせて配置されている。なお、図1の概略構成図においては、走行路10内における各乗りかごA1〜C2の設置状態を説明するため、便宜的に一対の乗り場ドア11,12が走行路10の左右に背中合わせに配置された状態として示している。一般的には、後述する乗りかごのかごドア20に対向する位置に乗り場ドア11,12が配置される。なお、かごドア20が、図1の乗り場ドア11,12に対向するように、図中の左右の面にあってもよいが、図示していないガイドレール等の構造物と干渉しない位置に配置される。ここでは説明を簡単にするため、一対の乗り場ドア11,12は同一方向を向いて隣り合わせて配置されていることとする。
乗り場ドア11は、昇降路10A上の乗りかごA1〜C2にマルチカーエレベーター1の利用者(以下、単に利用者と称する場合がある)が乗車する際、又は、昇降路10A上の乗りかごA1〜C2から利用者が降車する際に用いられる。
乗り場ドア12は、昇降路10B上の乗りかごA1〜C2に利用者が乗車する際、又は、昇降路10B上の乗りかごA1〜C2から利用者が降車する際に用いられる。
[乗りかごA1〜C2]
各乗りかごA1〜C2は、かごドア20を備えている。各かごドア20は、各階F1〜F10において、各乗り場ドア11,12に係合し、かごドア20の開閉に追従して乗り場ドア11,12が開閉する構成となっている。
走行路10内における乗りかごA1〜C2の設置状態は、一対の乗りかごA1,A2を例にとると次のようである。すなわち、一対の乗りかごA1,A2のそれぞれは、一対の駆動プーリー31aと下部プーリー31bとに帳架された無端状の第1主索41Aと、一対の駆動プーリー32aと下部プーリー32bとに帳架された無端状の第2主索42Aを把持する。一対の乗りかごA1,A2は、第1主索41Aおよび第2主索42Aを把持した状態において、互いの釣り合い重りとして機能するように、対称となる位置に配置されている。なお、以下の説明において、第1主索41A、第2主索42A及び乗りかごA1,A2からなる構成を、第1ループユニットA3と称する場合がある。
同様に、一対の乗りかごB1,B2は、互いに釣り合い重りとして機能するように、別の第1主索41Bと第2主索42Bとを把持する。なお、以下の説明において、第1主索41B、第2主索42B及び乗りかごB1,B2からなる構成を、第2ループユニットB3と称する場合がある。
また、一対の乗りかごC1,C2は、互いに釣り合い重りとして機能するように、さらに別の第1主索41Cと第2主索42Cとを把持する。なお、以下の説明において、第1主索41C、第2主索42C及び乗りかごC1,C2からなる構成を、第3ループユニットC3と称する場合がある。
3本の第1主索41A,41B,41Cは、同軸上に設けられた3つの駆動プーリー31aのうちの1つと、同軸上に設けられた3つの下部プーリー31bのうちの1つに、それぞれ分配して帳架されている。同様に、3本の第2主索42A,42B,42Cは、同軸上に設けられた3つの駆動プーリー32aのうちの1つと、同軸上に設けられた3つの下部プーリー32bのうちの1つとに、それぞれ分配して帳架されている。
以上のように設置された3対の乗りかごは、3つの駆動プーリー31a、および3つの駆動プーリー32aのそれぞれの駆動により、制限された範囲の各速度で走行路10内において、同一の軌道上を循環移動し、同一の軌道上において停止する構成となっている。また駆動プーリー31a,32aの回転方向の制御により、循環方向が反転可能な構成となっている。なお、各ループユニットA3,B3,C3の一方の乗りかご(例えば、乗りかごA1,B1,C1)が一方の昇降路(例えば、昇降路10A)内に配置されているときは、他方の乗りかご(例えば、乗りかごA2,B2,C2)は、他方の昇降路(例えば、昇降路B)内に配置される。
更に、乗りかごA1〜C2の構成について、乗りかごA1を例に説明する。図2は、乗りかごA1の内部から、かごドア20の方向を視たときの様子を表している。かごドア20の左横には、行先釦21、戸閉釦22、戸開釦23及び保守スイッチ24を有する操作盤25と、モニタ26及びスピーカー27が設けられている。
行先釦21は、各階F1〜F10に対応するように複数(本実施形態では、10個)設けられている。各行先釦21には、対応する階の階数が表示されている。また、各行先釦21は、内部に光源を備えており、制御装置60からの指示に応じて、点滅及び点灯可能となっている。行先釦21は、乗りかごA1内の利用者が行先階を登録する操作(かご呼び)を行う際に操作される(押下される)。行先釦21が押下されると、後述する制御装置60は、押下された行先釦21に応じた内容で、かご呼びを登録する。そして、制御装置60は、登録されたかご呼びに応じて乗りかごA1の移動を制御する。
戸閉釦22は、かごドア20を閉める際に、乗りかごA1内の利用者によって、操作される(押下される)。
戸開釦23は、かごドア20を開ける際に、乗りかごA1内の利用者によって、操作される(押下される)。
保守スイッチ24は、乗りかごA1の運転態様(モード)を、平常時において自動運転を行う通常運転モードから、各種保守・点検作業時の保守運転モードに切り替える際に、作業者によって操作される。なお、保守運転モードについては、後述する。
モニタ26は、乗りかごA1が走行又は停止している階数の他、乗りかごA1内の利用者に各種メッセージ等を表示するものであり、例えば液晶ディスプレイパネルによって構成される。
スピーカー27は、乗りかごA1が到着した階数や乗りかごA1内の利用者に対する各種メッセージ等に係る音声や各種音を出力する。
[乗り場装置50]
図3に示すように、乗り場装置50は、各階F1〜F10一対の乗り場ドア11,12の外側に設けられた、第1表示部51a、51b、第2表示部52a,52b、第1乗り場呼び操作部53a,53b及び第2乗り場呼び操作部54を備えている。また、乗り場装置50は、乗り場にいる利用者に対する各種メッセージ等に係る音声や各種音を出力するスピーカー55を備えている。
第1表示部51a,51bは、乗り場ドア11,12のうち乗りかごA1〜C2が配車される乗り場ドアを通知するための表示を行うように構成されたものであり、例えば各乗り場ドア11,12の上部に設けられている。これらの第1表示部51a,51bは、一例として、それぞれが上昇表示部501uと、下降表示部501dとを備えている。上昇表示部501uおよび下降表示部501dは、それぞれが、シンボルマークを形取った点灯部材である。例えば上昇表示部501uは、乗りかごA1〜C2の上昇を示す三角形の点灯部材であり、下降表示部501dは乗りかごA1〜C2の下降を示す逆三角形の点灯部材である。
このうち、乗り場ドア11側に設けた第1表示部51aの上昇表示部501uは、乗り場釦503uを押下して乗りかごが割り当てられると点灯し、乗りかごA1〜C2のうち、昇降路10A上を、上方向に移動する乗りかごが乗り場ドア11に配車されるタイミングで点滅するように構成されている。また乗り場ドア11側に設けた第1表示部51aの下降表示部501dは、乗り場釦503dを押下して乗りかごが割り当てられると点灯し、乗りかごA1〜C2のうち、昇降路10A上を、下方向に移動する乗りかごが乗り場ドア11に配車されるタイミングで点滅するように構成されている。
同様に、乗り場ドア12側に設けた第1表示部51bの上昇表示部501uは、乗り場釦503uを押下して乗りかごが割り当てられると点灯し、乗りかごA1〜C2のうち、昇降路10B上を、上方向に移動する乗りかごが乗り場ドア12に配車されるタイミングで点滅するように構成されている。また乗り場ドア12側に設けた第1表示部51bの下降表示部501dは、乗り場釦503dを押下して乗りかごが割り当てられると点灯し、乗りかごA1〜C2のうち、昇降路10B上を、下方向に移動する乗りかごが乗り場ドア12に配車されるタイミングで点滅するように構成されている。
以上のような各上昇表示部501uおよび下降表示部501dは、後述する制御装置60によって個別に点灯および点滅、消灯が制御される。
第2表示部52a,52bは、例えば各乗り場ドア11,12の両脇において、利用者が目視し易い高さ位置に設けられている。第2表示部52a,52bは、例えばフラットパネルディスプレイである。第2表示部52aには、例えば、昇降路10A上の乗りかごが停止可能な階床及び後述する乗り継ぎ階が表示される。また、第2表示部52bには、例えば、昇降路10B上の乗りかごが停止可能な階床及び後述する乗継ぎ階が表示される。
各第2表示部52a,52bによる表示は、後述する制御装置60によって個別に制御される。第2表示部52a,52bによる表示の詳細は、以降の制御装置60の構成において説明する。
第1乗り場呼び操作部53a,53bは、例えば各乗り場ドア11,12の両脇において、利用者が操作し易い高さ位置に設けられている。これらの第1乗り場呼び操作部53a、53bは、乗りかごA1〜C2の何れかを、乗り場ドア11,12が設けられた階F1〜F10に呼び寄せるため、すなわち乗り場呼びを行うための操作ボタンである。
これらの第1乗り場呼び操作部53a,53bは、一例として、それぞれが上昇操作部503uと下降操作部503dとを備えており、呼び寄せる乗りかごA1〜C2の移動方向を指定するように構成されている。上昇操作部503uおよび下降操作部503dは、それぞれが、シンボルマークを形取った点灯表示部材を兼ねたタッチ式の操作部または押しボタン式の操作部である。
例えば上昇操作部503uは、乗りかごA1〜C2の上昇を示す三角形の点灯表示部材を兼ねた押しボタン式の操作部であり、下降操作部503dは乗りかごA1〜C2の下降を示す逆三角形の点灯表示部材を兼ねた押しボタン式の操作部である。これらの上昇操作部503uおよび下降操作部503dは、これらが操作されたタイミングで点灯、移動する乗りかごが乗り場ドアに配車されるタイミングで点滅する構成となっている。
このような点灯表示部材を兼ねた上昇操作部503uおよび下降操作部503dは、後述する制御装置60によって、個別に点灯および点滅、消灯が制御される。
第2乗り場呼び操作部54は、例えばテンキー504aと、表示部504bと、図示しないスピーカーを備えている。第2乗り場呼び操作部54を用いて、利用者がエレベーターを利用する際には、テンキー504aを操作して、行先階を入力する。行先階が入力されると、後述する制御装置60は、入力内容に応じた乗り場呼びを登録し、利用者に対して乗りかごを割り当てる。なお、制御装置60は、表示部504aに、割り当てた乗りかごに乗車するための乗り場ドアについての情報を、表示させてもよい。例えば、割り当てた乗りかごに乗車するための乗り場ドアが乗り場ドア11の場合、制御装置60は、「左側のドアの前でお待ち下さい」というメッセージを表示部504aに、表示させてもよい。
また、ここでは第2乗り場呼び操作部54としてテンキー504aを備えたものを示したが、その他の構成としてもよい。例えば、行先階の入力をテンキーの代わりにタッチパネルで行う構成としてもよい。
[制御装置60]
制御装置60は、マルチカーエレベーター1の運行を制御するためのものであって、例えば計算機によって構成されている。計算機は、いわゆるコンピュータとして用いられるハードウェアである。計算機は、CPU(Central Processing Unit:中央処理装置)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を備える。さらに、計算機は、不揮発性ストレージおよびネットワークインタフェースを備える。また制御装置60が備える各部によって実施される制御の手順は、ROMに保存されたプログラム、または外部装置からRAMにロードされて保存されたプログラムであることとする。
制御装置60は、駆動プーリー31a,32aの駆動により乗りかごA1〜C2の移動を制御する3つのループコントローラー61,62,63と、これら3つのループコントローラー61,62,63及びマルチカーエレベーター1の各種制御を行う全体コントローラー64を備えている。
ループコントローラー61は、一対の乗りかごA1,A2が把持する第1主索41Aおよび第2主索42Aが帳架された1組の駆動プーリー31a,32aを同期させて駆動制御する。すなわち、ループコントローラー61は、第1ループユニットA3の駆動を制御する。
ループコントローラー62は、第1主索41Bおよび第2主索42Bが帳架された1組の駆動プーリー31a,32aを同期させて駆動制御する。すなわち、ループコントローラー62は、第2ループユニットB3の駆動を制御する。
ループコントローラー63は、第1主索41Cおよび第2主索42Cが帳架された1組の駆動プーリー31a,32aを同期させて駆動制御する。すなわち、ループコントローラー63は、第3ループユニットC3の駆動を制御する。
全体コントローラー64は、通常運転モード、保守運転モード及び保守準備運転モードを含む複数の運転モードで、マルチカーエレベーター1の駆動を制御するように構成されている。
このうち通常運転モードとは、図1に示すように、3対の乗りかごの全てを一方向に循環移動させる運転モードである。ここでは通常運転モードの一例として、時計回りの循環方向xに3対の乗りかごの全てを循環させることとする。この場合、図3に示した乗り場ドア11,12のうち、向かって左側の乗り場ドア11は上り専用のドアとなり、向かって右側の乗り場ドア12は下り専用のドアとなる。
一方、図4は、本実施形態に係るマルチカーエレベーター1の保守運転モードを説明するための図である。保守運転モードは、通常運転モードによる運転である通常運転とは異なる特殊運転に係る運転モードの一つである。また、保守運転モードは、マルチカーエレベーター1の保守、例えば乗りかごA1〜C2又は走行路10の保守を行う際に選択されるモードである。
保守運転モードにおいて、全体コントローラー64は、指定の一対の乗りかご(図4では、乗りかごA1,A2)を、走行路10内の指定の保守運転ゾーン(図4では2点鎖線の矩形で表示)に配置させる。また、全体コントローラー64は、その他の乗りかごについては、保守運転ゾーン以外の領域(以下、自動運転ゾーンと称する場合がある)で上下方向に往復移動可能とし、かご呼びや乗り場呼びに対応する(自動運転を行う)。なお、保守運転ゾーンとは、マルチカーエレベーター1の保守のために、作業者が任意に設定する昇降路10A又は昇降路10Bにおける少なくとも一つの階に対応する領域である。また、図4では、第1主索41A,41B,41cと第2主索42A,42B,42Cを簡略化して示している。
保守準備運転モードは、運転モードが、通常運転モードから保守運転モードに変更される際に、既に登録された乗り場呼びやかご呼びに対応するために設けられた運転モードである。保守運転モードにおいて、全体コントローラー64は、ループコントローラー61,62,63を制御して、既に登録された乗り場呼びやかご呼びにサービスし、当該サービス終了後に、指定の乗りかごを指定の保守運転ゾーンに配置させる。これによって、マルチカーエレベーター1の保守運転モードでの運転が開始可能となる。
なお、保守準備運転モード及び保守運転モードの詳細については、後述する。
図5は、全体コントローラー64の機能ブロック図である。
全体コントローラー64は、保守運転モード切替え許可部102、保守運転ゾーン設定部103、保守運転ゾーン設定案内部105、保守運転ゾーンチェック部107、保守運転ゾーン決定部108を備える。また、全体コントローラー64は、自動運転ゾーン決定部109及び自動運転ゾーン設定案内部110を備える。
保守運転モード切替え許可部102は、保守スイッチ24が通常運転モードを表す「平常」から保守運転モードを表す「保守」に切り替わったか、すなわち投入されたかを、保守スイッチ24から出力される信号に基づいて判定する。そして、保守運転モード切替え許可部102は、投入されたと判定する場合に、保守運転モードへの切替えに係る各種処理の開始を許容する。なお、本実施形態では、保守スイッチ24が保守運転モード切替え手段を構成する。
保守運転ゾーン設定部103は、作業者による保守運転ゾーン設定手段104の操作に応じて、保守運転ゾーンを設定する。なお、本実施形態では、行先釦21が保守運転ゾーン設定手段104を構成する。
保守運転ゾーン設定案内部105は、保守運転ゾーン設定案内手段106を制御して、保守運転ゾーンの設定に係る各種情報を、マルチカーエレベーター1の利用者や作業者に案内する(報知する)。なお、本実施形態では、乗り場装置50の第2表示部52a,52b、スピーカー55、乗りかごA1〜C2の操作盤25、モニタ26、スピーカー27、第2乗り場呼び操作部54の表示部504bやスピーカーが、保守運転ゾーン設定案内手段106を構成する。
保守運転ゾーンチェック部107は、保守運転ゾーン設定部103が設定した保守運転ゾーンが所定の条件と適合するか否かをチェックする。
保守運転ゾーン決定部108は、所定の操作に応じて、保守運転ゾーンチェック部107によるチェック後の保守運転ゾーンを、保守運転ゾーンとして最終的に設定する(決定する)。
自動運転ゾーン決定部109は、保守運転ゾーン決定部108が決定した保守運転ゾーンに応じて、自動運転ゾーンを決定する。
自動運転ゾーン設定案内部110は、自動運転ゾーン決定部109が決定した自動運転ゾーンを、自動運転ゾーン設定案内手段111を制御して、マルチカーエレベーター1の利用者に案内する(報知する)。なお、本実施形態では、乗り場装置50の第2表示部52a,52b、スピーカー55、乗りかごA1〜C2のモニタ26、スピーカー27、第2乗り場呼び操作部54の表示部504bやスピーカーが自動運転ゾーン設定案内手段111を構成する。
なお、全体コントローラー64の上述した各種構成についての詳細は、後述する。
<マルチカーエレベーターの動作例>
次に、マルチカーエレベーター1の動作例について、図6及び図7に示すフローチャートと共に、図8〜図13を適宜参照して説明する。図6及び図7は、マルチカーエレベーター1の動作例を示すフローチャートである。図8〜10は、対応する各ステップにおける操作盤25の態様を説明するための図である。図11〜13は、対応する各ステップにおける保守運転ゾーンと操作盤の態様を説明するための図であり、図の右側にマルチカーエレベーター1の概略構成図を示し、左側に操作盤の態様を説明するための図を示している。
本実施形態では、全体コントローラー64がマルチカーエレベーター1の動作を制御する。また、全体コントローラー64は、図6,7のフローチャートで示す一連の処理を、周期的に実行する。
始めに、保守運転モード切替え許可部は、保守スイッチ24が投入されたか否かを判定する(S1)。具体的には、図8に示すように、保守スイッチ24が、通常運転モードを表す「平常」から保守運転モードを表す「保守」に切り替わったか否かを判定する。保守スイッチ24が投入されていない(すなわち保守スイッチ24が「保守」に切り替わっていない)と判定する場合(S1がNOの場合)、本処理を終了する。
一方、保守スイッチ24が投入された(すなわち保守スイッチ24が「保守」に切り替わった)と判定する場合(S1がYESの場合)、保守運転ゾーン設定部103は、設定処理を開始する。また、保守運転ゾーン設定部103は、保守運転ゾーン設定案内部105を介して、投入された保守スイッチ24が設けられた乗りかご又は全乗りかごのモニタ26に、「保守準備中」と表示させる(S2)。なお、これに代えて、又は、加えて、乗り場の第2表示部52a,52b及び第2乗り場呼び操作部54の表示部504bに、「保守準備中」と表示させてもよい。また、乗りかごのスピーカー27や乗り場に設けられたスピーカー55から、「保守準備中」である旨の音声を出力させてもよい。
なお、ステップS2以降、全体コントローラー64は、保守準備運転モードで、マルチカーエレベーター1の駆動の制御を開始する。
次に、図9に示すように、保守運転ゾーン設定部103は、保守運転ゾーン設定案内部105を介して、投入された保守スイッチ24が設けられている乗りかご(以下、自かごと称する場合がある)において、保守運転ゾーンとして許可された行先釦21、すなわち保守運転ゾーンとして設定可能な領域に対応する階に係る行先釦21を点滅させる(S3)。図9では、保守運転ゾーンとして設定可能な領域に対応する階が、階F1〜F10である場合の態様を示している。作業者は、自かごについての保守運転ゾーンを、点滅する行先釦21を押下することで、指定する。
次に、保守運転ゾーン設定部103は、保守運転ゾーンとして設定する領域に対応する階に係る行先釦21が押されたか否かを判定する(S4)。S4において行先釦21が押されていないと判定する場合(S4がNOの場合)、保守運転ゾーン設定部103は、処理を後述するS8に移行する。
一方、S4において行先釦21が押されたと判定する場合(S4がYESの場合)、保守運転ゾーン設定部103は、保守運転ゾーン設定案内部105を介して、図10に示すように、押下された行先釦21を点滅から点灯に変更する(S5)。図10では、保守運転ゾーンとして設定する領域に対応する階F8〜F10に係る行先釦21が押下された場合の態様を示している。
次に、保守運転ゾーン設定部103は、戸閉釦22が押されたか否かを判定する(S6)。戸閉釦22が押されたと判定する場合(S6がYESの場合)、保守運転ゾーン設定部103は、乗りかご内の行先釦21において点灯している行先釦21に係る階に対応する領域を自かごについての保守運転ゾーン(第1特殊領域)として仮設定する(S7)。
一方、S6において戸閉釦22が押されなかった判定する場合(S6がNOの場合)、また、S4において行先釦21が押されていないと判定する場合(S4がNOの場合)、保守運転ゾーン設定部103は、所定時間(例えば、1分)が経過したか否かを判定する(S8)。所定時間が経過したと判定する場合(S8がYESの場合)、保守運転ゾーン設定部103は、本処理を終了する。
一方、所定時間が経過していないと判定する場合(S8がNOの場合)、保守運転ゾーン設定部103は、処理をS4に移行する。
S7の後、保守運転ゾーンチェック部107は、他の乗りかごの保守運転ゾーンの重複は無いか否かを判定する(S9)。具体的には、同一昇降路内における他の乗りかごについて、先に設定されている保守運転ゾーンと、S7で仮設定した保守運転ゾーンとが重複して無いか否かを判定する。
例えば、図11に示すように、第2ループユニットB3の乗りかごB1について、昇降路10Aに係る階F7,F8に対応する領域が保守運転ゾーンZ2と設定されている。このときに、S7において、保守運転ゾーン設定部103が、第1ループユニットA3の乗りかごA1について、昇降路10Aに係る階F8〜F10に対応する領域を保守運転ゾーンZ1と仮設定すると、保守運転ゾーンZ1と保守運転ゾーンZ2とで重複する部分(階F8に対応する領域)が生じる。このような場合に、S9において、保守運転ゾーンチェック部107は、保守運転ゾーンの重複が有ると判定する。
S9において保守運転ゾーンの重複が有ると判定する場合(S9がNOの場合)、保守運転ゾーンチェック部107は、保守運転ゾーン設定案内部105を介して、重複階の行先釦21を点滅させる(S10)。すなわち、図11に示すように、重複する保守運転ゾーンに対応する階(上述の例では階F8)に係る行先釦21を点滅させる。これによって、作業者は、重複する保守運転ゾーンに対応する階を認識できる。すなわち、保守運転ゾーンチェック部107は、重複する保守運転ゾーンに対応する階に係る行先釦21を点滅させることで、作業者に、保守運転ゾーンの再指定及び再設定を促すことができる。
次に、保守運転ゾーンチェック部107は、S10の処理で点滅させている行先釦21、すなわち重複する保守運転ゾーンに対応する階に係る行先釦21が押されたか否かを判定する(S11)。S11で押されなかったと判定する場合(S11がNOの場合)、保守運転ゾーンチェック部107は、処理をS10に移行する。
一方、S11で押されたと判定する場合(S11がYESの場合)、保守運転ゾーンチェック部107は、S10の処理で点滅させている行先釦21に係る階に対応する領域を、S7で仮設定した保守運転ゾーンから除外する(S12)。例えば、図11に示す例において、重複する保守運転ゾーンに対応する階F8に係る行先釦21が押された場合、保守運転ゾーンチェック部107は、第1ループユニットA3の乗りかごA1について、仮設定した保守運転ゾーンZ1(昇降路10Aに係る階F8〜F10に対応する領域)から階F8に対応する領域を除外する。そして、保守運転ゾーンチェック部107は、処理をS9に移行する。
説明をS9に戻し、S9において保守運転ゾーンの重複が無いと判定する場合(S9がYESの場合)、保守運転ゾーンチェック部107は、所定数の乗り継ぎ階があるか否かを判定する(S13)。
ここで、乗り継ぎ階について説明する。本実施形態のマルチカーエレベーター1では、一対の乗りかごの内の一方の乗りかご(自かご)について保守運転ゾーンを設定すると、後述するように、他方の乗りかご(相手かご)についても保守運転ゾーンが設定される。例えば、図4に示すように、ループユニットA3の乗りかごA1について、昇降路10Aに係る階F8〜F10に対応する領域を保守運転ゾーンとして設定すると、乗りかごA2については、昇降路10Bに係る階F1〜F3に対応する領域が保守運転ゾーンとして設定される。
また、各乗りかごは、他の乗りかごを乗り越えて移動することはできない。さらに、乗りかごは、保守運転ゾーンを乗り越えて移動することはできない。このため、利用者が、任意の階に移動するとき、一反、乗り場に降りて、乗車する乗りかごを変更する、乗り継ぎを行う必要がある場合がある。
図4に示す上述の例では、利用者は、乗りかごB1によって、階2F〜F7に移動可能であるが、その他の階には移動できない。また、利用者は、乗りかごC1によって、階1F〜F6に移動可能であるが、その他の階には移動できない。また、利用者は、乗りかごB2によって、階4F〜F9に移動可能であるが、その他の階には移動できない。また、利用者は、乗りかごC2によって、階F5〜F10に移動可能であるが、その他の階には移動できない。このため、例えば、昇降路10Bを移動する乗りかごB2又はC2の利用者が、階F1〜F3のいずれかの階に移動に移動する場合、すくなくとも一度は、階F4〜F7のいずれかの階で降りて、昇降路10Aを移動する乗りかごB1又はC1に乗り継ぐ必要がある。本実施形態において、乗り継ぎを行うことが可能な階を、乗り継ぎ階と称する場合がある。
説明をS13に戻し、S13では、保守運転ゾーンチェック部107が、所定数の乗り継ぎ階(本実施形態では所定数として「2」が設定されている)、があるか否かを判定する。なお、ここでの所定数は任意に設定可能である。本実施形態では、所定数は、一つの昇降路内を移動する乗りかごの内で、保守に係る乗りかご以外の乗りかごの数に設定した。これによって、一つの昇降路において、保守に係る乗りかご(例えば、乗りかごA1)以外のいずれの乗りかご(例えば、乗りかごB1又はC1)の利用者も、他の昇降路を移動する乗りかご(例えば、乗りかごB2又はC2)に、乗り継ぎが可能となっている。
例えば、図12に示すように、本実施形態において、ループユニットA3の乗りかごA1について、昇降路10Aに係る階F5〜F9に対応する領域を保守運転ゾーンZ3として設定すると、乗りかごA2については、昇降路10Bに係る階F2〜F7に対応する領域が保守運転ゾーンZ4として設定される。この場合、保守運転ゾーンZ3に対応する階の最下階F5と、保守運転ゾーンZ4に対応する階の最上階F7との間に、所定数である「2」つの乗り継ぎ階がない。
すなわち、昇降路10Aを移動する乗りかごB1又はC1の利用者は、昇降路10Bを移動する乗りかごB2又はC2に、乗り継ぐことができない。また、同様に、昇降路10Bを移動する乗りかごB2又はC2の利用者は、昇降路10Aを移動する乗りかごB1又はC1に、乗り継ぐことができない。
したがって、このような場合は、S13において、保守運転ゾーンチェック部107は、所定数の乗り継ぎ階がないと判定する。S13において所定数の乗り継ぎ階がないと判定する場合(S13がNOの場合)、保守運転ゾーンチェック部107は、保守運転ゾーン設定案内部105を介して、所定数の乗り継ぎ階の作成を妨げる階の行先釦21を点滅させる(S14)。
図12に係る上述の例において、昇降路10Aに係る階F7〜F9に対応する領域を保守運転ゾーンとして設定すると、乗りかごA2については、昇降路10Bに係る階F2〜F5に対応する領域が保守運転ゾーンとして設定される。このため、昇降路10Aにおける保守運転ゾーンに対応する階の最下階F7と、昇降路10Bに係る保守運転ゾーンに対応する階の最上階F5との間に、所定数である「2」つの乗り継ぎ階が作成可能となる。すなわち、この例において、所定数の乗り継ぎ階の作成を妨げる階とは、階F5,F6となる。したがって、保守運転ゾーンチェック部107は、図12に示すように、階F5,F6に係る行先釦21を点滅させる。
次に、保守運転ゾーンチェック部107は、S14によって点滅させている行先釦21が押されたか否かを判定する(S15)。S15において押されなかったと判定する場合(S15がNOの場合)、保守運転ゾーンチェック部107は、処理をS14に移行する。
一方、S15において押されたと判定する場合(S15がYESの場合)、保守運転ゾーンチェック部107は、保守運転ゾーン設定案内部105を介して、S14の処理で点滅させている行先釦21を点滅から消灯に変更する。また、保守運転ゾーンチェック部107は、押された行先釦21に係る階に対応する領域を、保守運転ゾーンから除外する(S16)。例えば、図12に示す例において、階F5,F6に係る行先釦21が押された場合、保守運転ゾーンチェック部107は、第1ループユニットA3の乗りかごA1について、仮設定した保守運転ゾーンZ3(昇降路10Aに係る階F5〜F9に対応する領域)から階F5,F6に対応する領域を除外する。そして、保守運転ゾーンチェック部107は、処理をS13に移行する。
S13において所定数の乗り継ぎ階があると判定する場合(S13がYESの場合)、保守運転ゾーン決定部108は、この時点で、点灯している行先釦21に係る階に対応する領域を、自かごの保守運転ゾーンとして最終的に設定、すなわち決定する(S17)。
例えば、S17の処理時において、図13に示すように、ループユニットA3の乗りかごA1(自かご)が備える階F8〜F10に係る行先釦21が点灯している場合、保守運転ゾーン決定部108は、乗りかごA1について、昇降路10Aに係る階F8〜F10に対応する領域を保守運転ゾーンZ5として設定する。
次に、保守運転ゾーン決定部108は、相手かごの保守運転ゾーンを設定する(S18)。ここで、相手かごには、S17での保守運転ゾーンの設定に係る乗りかご、すなわち自かごと対になる乗りかごが該当する。例えば、図13に示す例において、S17での保守運転ゾーンの設定に係る乗りかごは乗りかごA1であるため、相手かごには、乗りかごA2が該当する。
なお、相手かごの保守運転ゾーンの大きさや位置は、自かごについて設定した保守運転ゾーンに基づいて適宜設定可能である。本実施形態では、相手かごの保守運転ゾーンの大きさや位置は、自かごの保守運転ゾーンが設定された昇降路(図13では昇降路10A)とは異なる昇降路(図13では昇降路10B)において、自かごについて設定した保守運転ゾーンと同様の大きさで、且つ、上下方向に対称となる位置に設定される。例えば、図13に示す例では、保守運転ゾーン決定部108は、昇降路10Bに係る階F1〜F3に対応する領域を、相手かごである乗りかごA2の保守運転ゾーンZ6として設定する。
次に、自動運転ゾーン決定部109は、自動運転ゾーンを設定する(S19)。上述のように、自動運転ゾーンとは、各昇降路における保守運転ゾーン以外の領域である。図13に示す例では、自動運転ゾーンとして、昇降路10Aに係る階F1〜F7に対応する領域と、昇降路10Bに係る階F4〜F10に対応する領域と、が設定される。自動運転ゾーンでは、保守に係る乗りかご以外の乗りかごの上下方向の移動が可能となっている。
次に、自動運転ゾーン設定案内部110は、乗りかご内と乗り場へ自動運転ゾーンを案内する(S20)。具体的には、自動運転ゾーン設定案内部110は、乗りかごA1〜C2のモニタ26と、乗り場装置50の第2表示部52a,52bに、自動運転ゾーンを示す情報として停止階を表示させる。また、同様に、乗り継ぎ階を表示させる。
例えば、図13に示す例では、自動運転ゾーン設定案内部110は、図中の左側の乗りかご、すなわち昇降路10A上の乗りかごA1,B1,C1のモニタ26、及び、乗り場装置50の第2表示部52a(図3参照)に、乗りかごB1又はC1が移動可能な自動運転ゾーンを示す情報を表示させる。乗りかごB1又はC1が移動可能な自動運転ゾーンを示す情報とは、例えば、図13の右下に示すとおり、「停止階:1,2,3,4,5,6,7階」である。また、同様に、自動運転ゾーン設定案内部110は、昇降路10B上の乗りかごB2,C2への乗り継ぎが可能な階を示す情報として、「乗り継ぎ階:4,5,6,7階」と表示させる。
また、自動運転ゾーン設定案内部110は、図中の右側の乗りかご、すなわち昇降路10B上の乗りかごA2,B2,C2のモニタ26、及び、乗り場装置50の第2表示部52b(図3参照)に、乗りかごB2又はC2が移動可能な自動運転ゾーンを示す情報を表示させる。乗りかごB2又はC2が移動可能な自動運転ゾーンを示す情報とは、例えば、図13の右下に示すとおり、「停止階:4,5,6,7、8,9,10階」である。また、同様に、自動運転ゾーン設定案内部110は、昇降路10A上の乗りかごB1,C1への乗り継ぎが可能な階を示す情報として、「乗り継ぎ階:4,5,6,7階」と表示させる。
なお、自動運転ゾーン設定案内部110の自動運転ゾーンの案内は、以後、保守運転モードから通常運転モードに切り替わるまで、継続される。
次に、全体コントローラー64は、自動運転かごの自動運転ゾーン以外への新規かご呼び登録を禁止する(S21)。ここで、自動運転かごとは、自動運転ゾーンを移動可能な乗りかごである。例えば、図13に示す例では、全体コントローラー64は、自動運転かごである乗りかごB1,C1について、自動運転ゾーンに対応する階F1〜F7以外の階を、行先階として新規に登録することを禁止する。このため、以後は、乗りかごB1,C1内の利用者は、階F1〜F7以外の階を、行先階として指定することができなくなる。また、同様に、全体コントローラー64は、乗りかごB2,C2について、自動運転ゾーンに対応する階F4〜F10以外の階を、行先階として新規に登録することを禁止する。このため、以後は、乗りかごB2,C2内の利用者は、階F4〜F10以外の階を、行先階として指定することができなくなる。
次に、全体コントローラー64は、保守予定の自かごと相手かごの新規乗り場呼び割り当てを禁止する(S22)。例えば、図13に示す例では、全体コントローラー64は、以後の乗り場からの呼びに対して、保守予定の自かごに該当する乗りかごA1、及び、その相手かごに該当する乗りかごA2、を割り当てることを禁止する。
次に、全体コントローラー64は、保守予定の自かごと相手かごに、既に乗り場呼びは割り当てられていないかを判定する(S23)。既に乗り場呼びが割り当てられていると判定する場合(S23がNOの場合)、全体コントローラー64は、他の自動運転かごに、乗り場呼びの割り当てを変更する(S24)。例えば、図13に示す例において、既に乗りかごA1について、階F5の乗り場からの呼びが割り当てられていた場合、当該呼びについて、他の自動運転かごである乗りかごB1又は乗りかごC1を割り当てる。
S23で、保守予定の自かごと相手かごに、乗り場呼びは割り当てられていないと判定する場合(S23がYESの場合)、又は、S24の処理の後、全体コントローラー64は、保守予定かご(自かごと相手かご)を移動させないとサービスできない呼びは無いか否かを判定する(S25)。例えば、図13に示す例において、既に乗りかごB1について、行先階を階F10とするかご呼びが登録されている場合、保守予定の自かごに該当する乗りかごA1を保守運転ゾーンから移動させないと、当該かご呼びに対応すること(サービスすること)ができない。このような場合、全体コントローラー64は、保守予定かごを移動させないとサービスできない呼びが有ると判定する。
S25で、保守予定かごを移動させないとサービスできない呼びが有ると判定する場合(S25がNOの場合)、保守運転ゾーン設定案内部105は、保守予定かごを戸閉じして移動が必要な旨を当該乗りかご内に案内する(S26)。図13に係る上述の例では、保守運転ゾーン設定案内部105は、自かご、すなわち、保守スイッチ24が投入された乗りかごA1のモニタ26及びスピーカー27を用いて、乗りかごA1内の作業者に、戸閉じして移動が必要な旨を報知する。なお、相手かご(上述の例では乗りかごA2)についても、同様に案内(報知)をしてもよい。
次に、保守運転ゾーン設定案内部105は、保守予定かごの内の自かご(保守スイッチ24が投入された乗りかご)の戸閉釦22を点滅させる(S27)。図13に係る上述の例では、全体コントローラー64は、自かごに該当する乗りかごA1の戸閉釦22を点滅させる。
次に、全体コントローラー64は、S27で点滅させた戸閉釦22が戸閉完了(かごドア20が完全に閉まる)まで長押しされたか否かを判定する(S28)。S28で、戸閉完了まで長押しされていないと判定する場合(S28がNOの場合)、全体コントローラー64は、処理をS27に移行する。
一方、S28で、戸閉完了まで長押しされたと判定する場合(S28がYESの場合)、全体コントローラー64は、保守予定かごを他かご(他の乗りかご)のサービス状況に合わせて移動させる(S29)。例えば、図13に係る上述の例のように、S22の処理時において、既に乗りかごB1について、行先階を階F10とするかご呼びが登録されている場合、保守予定の自かごに該当する乗りかごA1を、昇降路10Bの階F10に対応する領域に移動させる。これによって、乗りかごB1は、昇降路10Aにおける階F10に対応する領域に移動可能となるので、乗りかごB1の利用者は、階F10へ移動可能となる。その後、全体コントローラー64が、処理をS25に移行する。
説明をS25に戻し、S25で保守予定かごを移動させないとサービスできない呼びが無いと判定する場合(S25がYESの場合)、全体コントローラー64は、保守運転ゾーン内に他かごの呼びは無いか否かを判定する(S30)。S30において保守運転ゾーン内に他かごの呼びが有ると判定する場合(S30がNOの場合)、保守運転ゾーン設定案内部105は、保守運転ゾーンに他かごについてのサービス予定がある旨を自かご内に案内する(S31)。
例えば、図13に示す例において、保守運転ゾーン設定案内部105は、自かごに該当する乗りかごA1のモニタ26及びスピーカー27を用いて、保守運転ゾーンに他かごについてのサービス予定がある旨を報知する。その後、全体コントローラー64は、処理をS30に移行する。したがって、保守運転ゾーンに他かごについてのサービス予定がある場合、全体コントローラー64は、S30,S31の処理を繰り返し実行することになる。すなわち、後述するS32以降の処理は実行されない。このため、保守運転モードによる運転が開始(後述のS38)される前に、保守運転ゾーンに係る既に登録された呼びをキャンセルすることなく、サービスすることができる。
説明をS30に戻し、S30において保守運転ゾーン内に他かごの呼びが無いと判定する場合(S30がYESの場合)、全体コントローラー64は、設定した保守運転ゾーン内に他かごはいないか否かを判定する(S32)。S32において他かごがいると判定する場合(S32がNOの場合)、当該他かごは、呼び無し待機かごであるか否かを判定する(S33)。ここで、呼び無し待機かごとは、現時点で登録されているかご呼びや乗り場呼びに関係していない乗りかごである
S33において呼び無し待機かごではないと判定する場合(S33がNOの場合)、全体コントローラー64は、S33の処理を繰り返す。すなわち、他かごが、登録されているかご呼びや乗り場呼びに対応して、保守運転ゾーン外に移動するまで、全体コントローラー64は、S33の処理を繰り返して、保守運転の開始を保留することになる。
一方、S33で呼び無し待機かごであると判定する場合(S33がYESの場合)、全体コントローラー64が、他かごを、自動運転ゾーンへ移動する(S34)。例えば、図13に示す例において、全体コントローラー64は、乗りかごB1又は乗りかごC1を、昇降路10Aにおける自動運転ゾーンである階F1〜F7に対応する領域へ移動する。また、全体コントローラー64は、乗りかごB2又は乗りかごC2を、昇降路10Bにおける自動運転ゾーンである階F4〜F10に対応する領域へ移動する。
説明をS32に戻し、S32において他かごはいないと判定する場合(S32がYESの場合)、全体コントローラー64は、自かごを、自かごに係る保守運転ゾーン内で、戸開(かごドア20を開放)する(S35)。すなわち、S35の処理開始時に、自かごが自かごに係る保守運転ゾーン内に位置していない場合は、自かごに係る保守運転ゾーン内に移動させた後で戸開する。一方、S35の処理開始時に、自かごが自かごに係る保守運転ゾーン内に位置している場合は、自かごについて戸開のみを行う。
次に、保守運転ゾーン設定案内部105は、自かごの戸閉釦22を点滅させる(S36)。そして、全体コントローラー64は、自かごの戸閉釦22が戸閉完了まで長押しされたか否かを判定する(S37)。S37において戸閉完了まで長押しされていないと判定する場合(S37がNOの場合)、全体コントローラー64は、処理をS36に移行する。
一方、S37において戸閉完了まで長押しされたと判定する場合(S37がYESの場合)、全体コントローラー64は、保守運転による移動を許可する(S38)。すなわち、全体コントローラー64が、マルチカーエレベーター1の運転モードを、保守準備運転モードから保守運転モードに切り替える。以後、全体コントローラー64は、マルチカーエレベーター1を保守運転モードで制御する。図13に示す例では、保守運転モードにおいて、全体コントローラー64は、指定の一対の乗りかごA1,A2を、走行路10内の保守運転ゾーンに配置させる。また、全体コントローラー64は、その他の乗りかごB1,B2,C1,C2については、保守運転ゾーン以外の領域である自動運転ゾーンで、上下方向に往復移動させ、利用者の呼びに対応するように制御する。
<作用効果>
以上説明した実施形態のマルチカーエレベーター1では、作業者が行先釦21及び戸閉釦22を用いて指定し及び仮設定した自かごの保守運転ゾーン(第1特殊領域)と、相手かごの保守運転ゾーン(第2特殊領域)についての妥当性を、保守運転ゾーンチェック部107が2つの保守運転ゾーンの間に、所定数の乗り継ぎ階があるか否かに基づいて判定する(図6のS13)。そして、所定数の乗り継ぎ階がないと判定する場合、保守運転ゾーンチェック部107は、所定数の乗り継ぎ階の作成を妨げる階の行先釦21を点滅させて(図6のS14)、自かごの保守運転ゾーンについて再指定を促す。
このため、2つの保守運転ゾーンの間に、所定数の乗り継ぎ階が確保されるので、保守運転モードの運転によって、マルチカーエレベーター1の利用者が、所望の階に行けないという事態の発生を抑制することができる。すなわち、保守運転ゾーンを、利用者の利便性を損なうことなく、効果的に設定することができる。
図14は、マルチカーエレベーター1の作用効果を説明するための図である。例えば、上述の図12に示す例において、点滅している階F5,F6に係る行先釦21を作業者が押下すると、保守運転ゾーンチェック部107は、自かご(本例では乗りかごA1)に係る保守運転ゾーンから階F5,F6に対応する領域が除外する。したがって、図14に示すように、自かごに係る保守運転ゾーンZ7は、昇降路10Aにおける階F7〜F9に対応する領域に設定される。また、相手かご(本例では乗りかごA2)に係る保守運転ゾーンZ8は、昇降路10Bにおける階F2〜F4に対応する領域に設定される。これによって、乗り継ぎ階として、階F5,F6の2つの階が確保され、保守運転によりマルチカーエレベーター1の利用者の移動を妨げることを抑制することができる。
また、全体コントローラー64は、運転モードが、通常運転モードから保守運転モードに変更される際に、既に登録された乗り場呼びやかご呼びに対応するための保守準備運転モードによって、マルチカーエレベーター1の運転を制御する(図7のS23〜S33参照)。このため、既に登録された乗り場呼びやかご呼びをキャンセルすることなくサービスした上で、保守運転モードでの運転の準備を整えることができる。
また、作業者は、一般的に乗りかごが備えている行先釦21や戸閉釦22を用いて保守運転ゾーンの設定に係る操作を行うことができる。このため、当該設定のための装置を、別途、設ける必要がなく、当該装置を用意するためのコストを削減できる。
また、点滅する行先釦21を視る作業者は、2つの保守運転ゾーンの間に所定数の乗り継ぎ階が作成できるように、自かごの保守運転ゾーンから除外する必要のある領域に対応する階を、容易に認識することができる。このため、保守運転モードによる運転に係る保守運転ゾーンを効果的に設定することができる。
<変形例>
本実施形態では、特殊運転の一例として、保守運転モードによる保守運転について説明したが、本発明に係る技術を、専用運転やVIP(Very Important Person)運転に採用してもよい。すなわち、専用運転やVIP運転によって、新たなかご呼びや乗り場呼びに対応できない乗りかごが発生し、当該乗りかごによって、乗り継ぎを行う必要が生じた場合に、上述の実施形態のように、乗り継ぎ階を、乗りかごの表示部や乗り場装置の表示で、マルチカーエレベーター1の利用者に案内してもよい。
例えば、図4に示す階F8にVIPが上方に移動する際に用いられるVIPボタンを設け、当該VIPボタンが押下されると、全体コントローラー64が、昇降路10Aにおける階F8〜F10に対応する領域をVIPゾーンとして設定する。また、全体コントローラー64は、昇降路10Bにおける階F1〜F3に対応する領域をVIPゾーンとして設定する。そして、全体コントローラー64は、設定したVIPゾーンに最も近い位置にある乗りかごA1,A2を、VIPゾーンに配置して、待機させ、VIP運転に係る乗りかごとして制御する。このとき、VIP運転に係る乗りかごA1,A2以外の乗りかごB1,B2、C1,C2について、全体コントローラー64は、VIPゾーン以外の領域で、上下方向に移動させ、新たなかご呼びや乗り場呼びに対応可能に、すなわち自動運転可能に制御する。このような場合に、全体コントローラー64は、図7のS20で説明した態様と同様の案内を、乗りかごA1〜C2のモニタ26と、乗り場装置50の第2表示部52a,52bで、行わせてもよい。
また、本実施形態では、全体コントローラー64は、保守準備運転モードによって、既に登録されたかご呼びをキャンセルすることなく、サービスした後で、保守運転モードに切り替える態様を説明した。しかしながら、保守作業の緊急度などに応じて、既に登録されたかご呼びに対応できない場合、すなわち、利用者が現在乗っている乗りかごでは、登録されたかご呼びに係る行先階に直行できない場合、登録されたかご呼びに係る乗りかごのモニタ26を用いて乗り継ぎ階を案内し、当該乗りかごの利用者に乗り継ぎを促してもよい。
また、本実施形態では、昇降路10Aに係る保守運転ゾーンと昇降路10Bに係る保守運転ゾーンとの間に位置する階の数が、所定数に満たない場合に保守運転ゾーンを設定できない態様を説明した。しかしながら、これに代えて、昇降路10Aに係る保守運転ゾーンと昇降路10Bに係る保守運転ゾーンとの間に位置する階の数が、所定数に満たない場合でも、保守運転ゾーンを設定できるようにしてもよい。このときに、全体コントローラー64は、建築物の階段の利用を促すメッセージを報知してもよい。例えば、全体コントローラー64は、乗りかごA1〜C2のモニタ26やスピーカー27、乗り場装置50の第2表示部52a,52bやスピーカー55で、「10階に行かれる場合は、階段をご利用ください」というメッセージを表示させてもよい。
また、保守スイッチが投入されたとき、相手かご内で、他のエレベーターの利用を促すメッセージを報知してもよい。例えば、相手かごのモニタ26やスピーカー27で「まもなく保守運転となりますので、他のエレベーターをご利用ください」というメッセージを報知してもよい。
また、本実施形態では、作業者が行先釦21を用いて、保守運転ゾーンを指定する態様、すなわち保守運転ゾーン設定手段104として、行先釦21を用いる態様を説明した。しかしながら、他の装置を、保守運転ゾーン設定手段104として用いてもよい。例えば、保守運転ゾーン設定手段104として、全体コントローラー64と通信可能な保守専用端末装置を用いてもよい。また、保守運転ゾーン設定手段104として、第2乗り場呼び操作部54(図3参照)を用いてもよい。この場合、例えば、作業者は、テンキー504aを用いて設定モードに移行するための暗号を入力する。設定モードにおいて、全体コントローラー64は、表示部504bに保守運転ゾーンとして設定可能な領域に対応する階を表示する。例えば、図4に示す例では、「1〜10階」と表示する。作業者は、保守運転ゾーンとして設定する領域に対応する最上階と最下階を、テンキー504aを用いて入力する。例えば、作業者は、昇降路A1における階F8〜F10に対応する領域を保守運転ゾーンとして指定する場合、テンキー504aを用いて最上階として「10」を入力し、最下階として「8」と入力する。全体コントローラー64は、入力内容に基づいて、乗り継ぎ階が確保されているか否かを判定し、確保されていなければ、作業者に、再入力を促すメッセージを表示部504bに表示させる。また、保守に係る乗りかごを指定するときは、各乗りかごと所定のID番号を予め定めておき(例えば、乗りかごA1について「11」、乗りかごB1について「21」)、当該ID番号を、テンキー504aを用いて入力させるようにしてもよい。
また、保守の種別を入力可能とし、例えば保守の種別がかご上で行う保守(以下、かご上保守と称する場合がある)の場合は、当該保守に係る乗りかごの上方の領域を、保守運転ゾーンに自動的に設定するようにしてもよい。例えば、図4に示すように、昇降路10Aの階F9に対応する領域に位置する乗りかごA1に対して、かご上保守を行う場合、作業者は、例えば上述の保守専用端末装置で、乗りかごA1に係る保守の種別としてかご上保守と入力すると、全体コントローラー64が、昇降路10Aにおける階F9及びF10に対応する領域を、乗りかごA1についての保守運転ゾーンとして自動的に設定してもよい。
また、本実施形態では、本発明に係る技術を、釣合い方式のマルチカーエレベーターに採用した態様を説明した。しかしながら、本発明に係る技術を、他の方式のエレベーター、例えば、ツイン方式や自走方式のエレベーターに採用してもよい。
また、図6に示すS6の処理において、保守運転ゾーン設定部103が、戸閉釦22が押されたか否かを判定する態様を説明した。しかしながら、保守運転ゾーンの仮設定に係る作業者の操作対象は、これに限らない。例えば、戸開釦23に代えてもよい。すなわち、S6の処理において、保守運転ゾーン設定部103は、戸開釦23が押されたか否かを判定してもよい。
なお、本発明は上記した実施形態および変形例に限定されるものではなく、さらに様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施形態は本発明をわかりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1…マルチカーエレベーター、 10…走行路、 10A,10B…昇降路、 20…走行路、 21…行先釦(指定手段)、 22…戸閉釦、 23…戸開釦、 24…保守スイッチ、 25…操作盤、 26…モニタ、 27…スピーカー、 41A,41B,41C…第1主索(主ロープ)、 42A,42B,42C…第2主索、 50…乗り場装置、 51a,51b…第1表示部、 52a,52b…第2表示部、 53a…第1乗り場呼び操作部、 54…第2乗り場呼び操作部、 55…スピーカー、 60…制御装置、 61,62,63…ループコントローラー、 64…全体コントローラー(制御部)、 102…保守運転モード切替え許可部、 103…保守運転ゾーン設定部(第1特殊領域設定手段)、 104…保守運転ゾーン設定手段、 105…保守運転ゾーン設定案内部(報知手段)、 106…保守運転ゾーン設定案内手段、 107…保守運転ゾーンチェック部(判定手段)、 108…保守運転ゾーン決定部(第1特殊領域設定手段、第2特殊領域設定手段)、 109…自動運転ゾーン決定部、 110…自動運転ゾーン設定案内部、 111…自動運転ゾーン設定案内手段、 A1,A2,B1,B2,C1,C2…乗りかご、 A3…第1ループユニット、 B3…第2ループユニット、 C3…第3ループユニット、 F1,F2,F3,F4,F5,F6,F7,F8,F9,F10…階、 Z1,Z2,Z3,Z4,Z5,Z6,Z7,Z8…保守運転ゾーン

Claims (7)

  1. 主ロープと、前記主ロープに接続され、2つの昇降路を含む走行路内を循環移動する複数の乗りかごと、を有する複数のループユニットと、
    複数の前記ループユニットを制御する制御部と、を備えるマルチカーエレベーターであって、
    各ループユニットにおける複数の乗りかごには、少なくとも第1の乗りかごと、第2の乗りかごが含まれ、
    前記第1の乗りかごは、前記第2の乗りかごが前記2つの昇降路内の一方の昇降路に配置されているときは、他方の昇降路内に配置されるように、前記主ロープに接続されており、
    通常運転と異なる特殊運転に係る前記ループユニットと、当該ループユニットの第1の乗りかごについての当該特殊運転に係る少なくとも一つの階に対応する領域を第1特殊領域として指定する指定手段と、
    前記第1特殊領域の再指定を促す報知を行う報知手段と、を有し、
    前記制御部は、
    前記指定手段による指定された内容に応じて、前記2つの昇降路内の一方の昇降路に係る少なくとも一つの階に対応する領域を、前記第1特殊領域として設定する第1特殊領域設定手段と、
    設定された前記第1特殊領域に応じて、前記特殊運転に係る前記ループユニットにおける第2の乗りかごについて、前記2つの昇降路内の他方の昇降路に係る少なくとも一つの階に対応する領域を、第2特殊領域として設定する第2特殊領域設定手段と、
    設定された前記第1特殊領域と前記第2特殊領域の妥当性を判定する判定手段と、を有し、
    前記特殊運転に係る前記ループユニットとは異なる前記ループユニットにおける第1の乗りかご、又は、第2の乗りかごを、一方の昇降路に係る第1特殊領域以外、又は、他方の昇降路に係る第2特殊領域以外、で上下方向に走行を可能とし、
    前記判定手段が、設定された前記第1特殊領域と前記第2特殊領域の妥当性について妥当でないと判定する場合、前記報知手段に、前記第1特殊領域の再指定を促す報知を行わせ、
    前記判定手段は、前記特殊運転に係る前記ループユニットとは異なる前記ループユニットによって、利用者が一方の昇降路に係る第1特殊領域に対応する階以外の階及び他方の昇降路に係る第2特殊領域に対応する階以外の階に移動可能である場合は、設定された前記第1特殊領域と前記第2特殊領域の妥当性について、妥当と判定し、一方、移動不能である場合は妥当でないと、判定する
    ことを特徴とするマルチカーエレベーター。
  2. 前記判定手段は、前記第1特殊領域と前記第2特殊領域との間に位置する階の数が、所定数に満たない場合に、妥当でないと判定する
    ことを特徴とする請求項1に記載のマルチカーエレベーター。
  3. 前記所定数は、一方の昇降路に係る前記第1特殊領域に対応する階以外の階に移動可能な乗りかごの数、又は、他方の昇降路に係る前記第2特殊領域に対応する階以外の階に移動可能な乗りかごの数に設定されている
    ことを特徴とする請求項2に記載のマルチカーエレベーター。
  4. 主ロープと、前記主ロープに接続され、2つの昇降路を含む走行路内を循環移動する複数の乗りかごと、を有する複数のループユニットと、
    複数の前記ループユニットを制御する制御部と、を備えるマルチカーエレベーターであって、
    各ループユニットにおける複数の乗りかごには、少なくとも第1の乗りかごと、第2の乗りかごが含まれ、
    前記第1の乗りかごは、前記第2の乗りかごが前記2つの昇降路内の一方の昇降路に配置されているときは、他方の昇降路内に配置されるように、前記主ロープに接続されており、
    通常運転と異なる特殊運転に係る前記ループユニットと、当該ループユニットの第1の乗りかごについての当該特殊運転に係る少なくとも一つの階に対応する領域を第1特殊領域として指定する指定手段と、
    前記第1特殊領域の再指定を促す報知を行う報知手段と、を有し、
    前記制御部は、
    前記指定手段による指定された内容に応じて、前記2つの昇降路内の一方の昇降路に係る少なくとも一つの階に対応する領域を、前記第1特殊領域として設定する第1特殊領域設定手段と、
    設定された前記第1特殊領域に応じて、前記特殊運転に係る前記ループユニットにおける第2の乗りかごについて、前記2つの昇降路内の他方の昇降路に係る少なくとも一つの階に対応する領域を、第2特殊領域として設定する第2特殊領域設定手段と、
    設定された前記第1特殊領域と前記第2特殊領域の妥当性を判定する判定手段と、を有し、
    前記特殊運転に係る前記ループユニットとは異なる前記ループユニットにおける第1の乗りかご、又は、第2の乗りかごを、一方の昇降路に係る第1特殊領域以外、又は、他方の昇降路に係る第2特殊領域以外、で上下方向に走行を可能とし、
    前記判定手段が、設定された前記第1特殊領域と前記第2特殊領域の妥当性について妥当でないと判定する場合、前記報知手段に、前記第1特殊領域の再指定を促す報知を行わせ、
    前記指定手段は、前記制御部に接続された行先階入力装置であり、乗りかご、又は、階床に設置されている
    ことを特徴とするマルチカーエレベーター。
  5. 前記指定手段は、乗りかごに設置された行先階入力装置であり、
    前記行先階入力装置は、行き先階を指定可能であり、前記制御部からの指示に応じて、点滅及び点灯する行先階釦を有し、
    前記制御部は、前記第1特殊領域として指定可能な領域に対応する階に係る前記行先階釦を点滅させ、
    前記指定手段は、点滅している前記行先階釦が押下されると、押下された前記行先階釦に係る階に対応する領域を前記第1特殊領域として指定する
    ことを特徴とする請求項4に記載のマルチカーエレベーター。
  6. 乗りかごに設けられた戸を開ける際に用いられる戸開釦と、
    乗りかごに設けられた戸を閉じる際に用いられる戸閉釦と、を有し、
    前記指定手段は、点滅している前記行先階釦が押下された後、前記戸開釦又は戸閉釦が押下されると、押下された前記行先階釦に係る階に対応する領域を前記第1特殊領域として指定する
    ことを特徴とする請求項5に記載のマルチカーエレベーター。
  7. 前記判定手段は、前記第1特殊領域と前記第2特殊領域との間に位置する階の数が、所定数に満たない場合に、妥当でないと判定し、
    前記報知手段は、前記行先階釦であり、
    前記制御部は、
    前記報知手段により前記第1特殊領域の再指定を促す際、前記指定手段により指定された前記第1特殊領域に対応する階に係る前記行先階釦の内、前記第1特殊領域と前記第2特殊領域との間に位置する階の数が所定数に達するために前記第1特殊領域から除外する必要のある領域に対応する階に係る前記行先階釦を点滅させ、
    点滅させた前記行先階釦が押下されると、前記第1特殊領域から押下された前記行先階釦に係る階に対応する領域を除外する
    ことを特徴とする請求項6に記載のマルチカーエレベーター。
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