以下、本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照して説明する。まず、図1及び図2を参照して、第1実施形態におけるシートパッド1について説明する。図1は、本発明の第1実施形態におけるシートパッド1の上面図である。図2(a)は、図1のIIa−IIa線におけるシートパッド1の断面図であり、図2(b)は、図1のIIb−IIb線におけるシートパッド1の部分拡大断面図である。
なお、図1及び図2では、着座センサ4及び配線5を模式的に図示している。また、図1及び図2の矢印U−D,L−R,F−Bは、シートパッドの上下方向(厚み方向)、幅方向(左右方向)、前後方向をそれぞれ示しており、図3以降においても同様とする。
図1に示すように、シートパッド1は、着座者の尻下部に配置されるシートクッションの基材となるクッションパッドである。シートパッド1の表面には、ファブリックや合成皮革または皮革等の表皮(図示せず)が装着される。
シートパッド1は、その本体部分を構成するパッド本体2と、そのパッド本体2の表面に貼り付けられる複数(本実施形態では、3個)の貼付体3と、それら複数の貼付体3の表面にそれぞれ貼り付けられる複数(本実施形態では、3個)の着座センサ4と、その着座センサ4に接続される配線5と、を備える。
パッド本体2は、軟質ウレタンフォーム等の発泡合成樹脂により一体形成されるシート用基材である。パッド本体2は、着座者の大腿部裏側を支持する前部サポート部20と、臀部を支持する後部サポート部21と、大腿部および臀部の側部を支持するサイドサポート部22とを備える。
前部サポート部20と、後部サポート部21と、サイドサポート部22との境界には、表皮(図示せず)を引張固定するための溝部23,24(パッド本体2の表面に凹設される溝)が形成される。
溝部23は、シートパッド1の前後方向(矢印F−B方向)に沿って延設されると共にシートパッド1の幅方向(矢印L−R方向)で所定間隔を隔てて一対が配設され、それら一対の溝部23どうしがシートパッド1の幅方向で溝部24によって接続される。溝部24には、上下(U−D方向)に延びる貫通孔25が形成される。貫通孔25は、パッド本体2の幅方向中央付近において幅方向で所定間隔を隔てて一対に形成される。
一対の溝部23と溝部24とによって取り込まれる部位のうち、シートパッド1の前部に位置する部位が前部サポート部20、後部に位置する部位が後部サポート部21であり、一対の溝部23よりもシートパッド1の幅方向外側に位置する部位がサイドサポート部22である。
前部サポート部20及び後部サポート部21によって上面視矩形の領域が形成され、それら前部サポート部20及び後部サポート部21のそれぞれに貼付体3が貼り付けられる。即ち、前部サポート部20及び後部サポート部21の表面が貼付体3の貼り付け領域であり、その貼り付け領域が溝部23,24によって区画される。
貼付体3は、軟質ウレタンフォーム等の発泡合成樹脂を連続的に発泡成形したブロック状の成形体から切り出された直方体状(平板状)のスラブパッドである。貼付体3の硬度(本実施形態では、100N)は、パッド本体2の硬度(本実施形態では、200N)よりも低く設定され、パッド本体2よりも貼付体3が軟質に形成される。なお、パッド本体2及び貼付体3の硬度は、JIS K6400−2(2012年版)に規定されるD法に準拠して測定される25%硬さである。
また、以下の説明において、貼付体3のうち、後部サポート部21に貼り付けられるものを第1貼付体30、前部サポート部20において幅方向一対に貼り付けられるものを第2,3貼付体31,32とそれぞれ定義して説明する。
第1貼付体30は、その幅方向における寸法が第2貼付体31(第3貼付体32)よりも長く、且つ、前後方向における寸法が第2貼付体31(第3貼付体32)よりも短く形成される。即ち、シートパッド1の上面視において、第1貼付体30の輪郭は、第2,3貼付体31,32とは異なる形状に形成される(第1〜3貼付体30〜32の厚み方向における寸法はそれぞれ同一である)。
第1貼付体30は、その前後方向中央よりも後方側(矢印B側)に形成される貫通孔30aと、その貫通孔30aよりも前方側に形成される複数(本実施形態では、4個)の切り込み部30bと、を備える。貫通孔30aは、上下に延びる断面矩形の貫通孔であり、切り込み部30bは、上下に延びる断面矩形(細長いスリット状)の貫通孔である。
第2貼付体31は、その幅方向および前後方向における寸法が第3貼付体32と同一であり、シートパッド1の上面視において、第2貼付体31及び第3貼付体32の輪郭がそれぞれ同一の形状に形成される。第2,3貼付体31,32のそれぞれには、第1貼付体30と同様、上下に延びる断面矩形(細長いスリット状)の貫通孔として構成される切り込み部30bが形成されている。
着座センサ4は、貼付体3よりも薄いフィルム状の感圧センサであり、回路および接点が印刷されたフィルムの間にスペーサを挟んで重ねたものである。着座者の荷重によってフィルムが押されると、接点が閉じることで回路に電流が流れ、その電流によって着座の有無が検出される。なお、着座時の圧力によって抵抗値が変わるフィルム状の感圧センサから着座センサ4を構成しても良い。
着座センサ4は、上面視円形状に形成されると共に前後に所定間隔を隔てる一対の円形部4aと、それら一対の円形部4aどうしを前後で接続する接続部4bと、を備え、一方向(本実施形態では、前後方向)に長く(縦長に)形成される。接続部4bの幅寸法は、一対の円形部4aの幅寸法(直径)よりも小さく設定され、着座センサ4は、その長手方向中央部分にくびれを有して形成される。
第1〜3貼付体30〜32のそれぞれに着座センサ4が貼り付けられ、それら3個の着座センサ4のそれぞれに配線5が接続される。第1貼付体30には、その方向中央よりも一側(矢印L側)に若干偏心した位置に着座センサ4が貼り付けられ、第2,3貼付体31,32には、その後端側であってパッド本体2の幅方向中央側に着座センサ4がそれぞれ貼り付けられる。
第1貼付体30に貼り付けられる着座センサ4は、貫通孔30aから前方に延びる配線5に接続され、第2,3貼付体31,32に貼り付けられる着座センサ4は、一対の貫通孔25から前方に延びる配線5に接続される。
なお、第1〜3貼付体30〜32のそれぞれに切り込み部30bが形成されるが、各貼付体に貼り付けられる着座センサ4(配線5)に対する切り込み部30bの配設位置(相対位置)は、第1〜3貼付体30〜32のそれぞれにおいて同様である。よって、第1〜3貼付体3〜32のそれぞれに形成される切り込み部30bの着座センサ4に対する機能は実質的に同一であるので、以下の説明においては、第1貼付体30の切り込み部30bについてのみ説明する。
切り込み部30bは、着座センサ4の周囲を取り囲む態様で配置される。切り込み部30bは、上下に延びる貫通孔として構成されるので、着座センサ4の周囲に位置する第1貼付体30を切り込み部30bによって変形させやすくすることができる。これにより、着座者の荷重が着座センサ4に加わった場合に、着座センサ4の縁に加わる第1貼付体30からの反力を低減できるので、着座センサ4の縁が反り上がるように変形することを抑制できる(着座センサ4の面形状を保ちやすくすることができる)。よって、着座センサ4の縁が着座者に違和感を与えることを抑制できるので、着座感を向上させることができる。
また、切り込み部30bは、着座センサ4の周囲に断続的に(本実施形態では、4個)形成されるので、着座センサ4の周囲の全周にわたって切り込み部30bが連続して形成される場合に比べ、着座時の第1貼付体30の反力が過剰に低減することを抑制できる。よって、第1貼付体30に切り込み部30bが形成される場合でも、第1貼付体30の機能性(所望の柔軟性)を確保できる。
ここで、着座センサ4は、前後方向に縦長に形成されるため、着座者の荷重が着座センサ4に加わると、着座センサ4の長手方向中央部分が折れ曲がるように変形しやすい。更に、本実施形態では、着座センサ4は、その長手方向中央部分にくびれを有して形成される(長手方向端部に比べ、中央部分の剛性が低い)ので、着座センサ4の長手方向中央付近で折れ曲がるように変形しやすくなる。かかる変形が生じると、着座センサ4の長手方向両端部が反り上がるように変形するため、着座センサ4の長手方向端部(一対の円形部4a)の縁によって着座者が違和感を覚える恐れがある。
これに対して、本実施形態では、切り込み部30bは、着座センサ4の長手方向端部側において一対の円形部4aの縁に対向して(着座センサ4の貼り付け領域の4隅に)設けられるので、着座センサ4の長手方向端部が反り上がるようにして変形することを抑制できる。即ち、着座センサ4が一方向に長く形成される場合でも、その長手方向中央が折れ曲がるようにして変形することを抑制できるので、着座センサ4の長手方向端部(一対の円形部4a)の縁が着座者に違和感を与えることを抑制できる。よって、着座感を向上させることができる。
このように、着座センサ4の反りを抑制するためには、第1貼付体30に切り込み部30bを形成すれば良い一方で、切り込み部30bを過剰に形成すると、第1貼付体30の機能性が低下する。これに対して、本実施形態では、反りが生じやすい着座センサ4の長手方向端部側に切り込み部30bが形成される一方で、反りが比較的生じ難い着座センサ4の長手方向中央付近の(接続部4bの縁に対向する)領域においては、切り込み部30bが非形成とされている。これにより、着座センサ4が反るように変形するのを抑制することと、第1貼付体30の機能性を確保することとを両立させることができる。
ここで、単に着座センサ4の長手方向端部の反り上がりを抑制することのみを目的とするのであれば、着座センサ4の長手方向端部(一対の円形部4a)の下方に(上下に重なるように)切り込み部30bを形成すれば良い。しかしながら、そのような構成では、着座者の荷重が着座センサ4に加わった場合に、第1貼付体30からの反力が着座センサ4の一部に加わらなくなるため、着座センサ4の検出精度が低下する恐れがある。
これに対して、本実施形態では、着座センサ4の縁から所定間隔(本実施形態では、1〜5mm)隔てた位置に切り込み部30bが形成されるので、着座センサ4に着座者の荷重が加わった場合に、第1貼付体30からの反力を着座センサ4の全体に作用させることができる。これにより、第1貼付体30に切り込み部30bを形成した場合でも、感圧センサから構成される着座センサ4の検出精度を確保できる。
図2(a)に示すように、パッド本体2における貫通孔30aと対応する位置には、パッド本体2の厚み方向(矢印U−D方向)に延びる貫通孔26が形成される。貫通孔26は、貫通孔30aと連通されると共に貫通孔30aと同一の断面積の断面矩形の貫通孔として構成される。
図2(b)に示すように、パッド本体2の切り込み部30bに対応する位置には、貫通孔27が形成される。貫通孔27は、パッド本体2の厚み方向に延びる断面円形の貫通孔であり、切り込み部30bに連通される。貫通孔27は、パッド本体2に複数(本実施形態では、4個)形成され(図3参照)、それら4個の貫通孔27は、第2,3貼付体31,32に形成される8個の切り込み部30bのうち、パッド本体2の幅方向外縁側に位置する4個の切り込み部30bに連通される。
次いで、図3及び図4を参照して、シートパッド1の製造方法について説明する。図3は、固定台10、パッド本体2及び貼付体3の斜視図である。図4(a)は、固定台10にパッド本体2を固定した状態を示す斜視図であり、図4(b)は、図4(a)の状態からパッド本体2に貼付体3を貼り付けた状態を示す斜視図である。
シートパッド1の製造においては、パッド本体2及び貼付体3を準備する準備工程と、その準備工程により準備したパッド本体2を固定台10に固定する固定工程と、その固定工程により固定台10に固定されたパッド本体2の表面に貼付体3を貼り付ける第1貼付工程と、その第1貼付工程によりパッド本体2に貼り付けられた貼付体3の表面に着座センサ4を貼り付ける第2貼付工程と、が順に行われる。
図3に示すように、準備工程は、パッド本体2及び貼付体3を上述した構成でそれぞれ形成する工程である。パッド本体2や貼付体3(スラブパッド)の形成方法は、公知の方法が採用可能であるのでその説明は省略する。
固定工程は、固定台10にパッド本体2を固定する工程である。固定台10は、パッド本体2の裏面に沿う形状に形成される固定面11と、その固定面11を取り囲むと共に上面視(矢印D方向視)略矩形状の枠部12と、固定面11から上方(矢印U方向)に延びる複数(本実施形態では、5個)の突起13〜17と、を備える。
本実施形態では、固定台10への固定状態において、パッド本体2の一部が枠部12からはみ出る寸法で固定面11(枠部12)が形成されるが(図4(a)参照)、パッド本体2の全体が収まる寸法で固定面11(枠部12)を形成しても良い。
突起13は、断面矩形に形成され、その断面形状が貫通孔26及び貫通孔30aと略同一の形状に形成される(図3参照)。突起13は、固定台10へのパッド本体2の固定時に、貫通孔26及び貫通孔30aに嵌め込み可能な位置に形成される。
突起14〜17は、円柱状に形成され、その直径が貫通孔27の直径および切り込み部30bの短手方向寸法と略同一の値に設定される。固定台10へのパッド本体2の固定時に、突起14〜17は貫通孔27及び切り込み部30bに嵌め込み可能な位置に形成される。なお、本実施形態では、突起14〜17の直径が切り込み部30bの長手方向寸法よりも若干(例えば、3mm)小さく設定されるが、切り込み部30bの形状に対応する形状(断面長方形状)に突起14〜17を形成しても良い。
図4に示すように、固定工程では、固定台10の突起13〜17のそれぞれを、パッド本体2の貫通孔26,27(図3参照)に嵌め込む。これにより、固定台10に対するパッド本体2の相対変位が突起13〜17によって規制され、固定台10にパッド本体2が固定される。特に、本実施形態では、2以上の突起13〜17がパッド本体2に嵌め込まれるので、固定台10に対してパッド本体2が回転することを規制できる。
固定台10へのパッド本体2の固定状態において、突起13〜17は、貫通孔26,27から突出する寸法で形成され(図4(a)参照)、貼付体3の貼り付け領域内においてパッド本体2の表面から突起13〜17が突出される。
第1貼付工程では、パッド本体2の表面または貼付体3の貼付面(若しくは、その両方)に接着剤を塗布し、パッド本体2の表面に貼付体3を貼り付ける。この時、パッド本体2の表面から突起13〜17が突出しているので、突起13〜17に貫通孔30aや切り込み部30bを嵌め込むことにより、パッド本体2に対する貼付体3の位置決めを行うことができる。
即ち、突起13〜17を基準にして、固定台10に対するパッド本体2の固定位置と、パッド本体2に対する貼付体3の貼り付け位置との双方の位置決めができるので、パッド本体2に対する貼付体3の貼り付け位置の精度を向上させることができる。
この場合、第1貼付体30が嵌め込まれる突起13と、第2,3貼付体31,32が嵌め込まれる突起14〜17とが異なる断面形状で形成されているので、第1貼付体30を第2,3貼付体31,32の貼り付け領域に貼り付けることを抑制できる。
即ち、突起13よりも突起14〜17の断面積が小さく設定されているので、第1貼付体30の貫通孔30aに突起14〜17を挿通させることは可能である。しかし、作業者が第1貼付体30の貫通孔30aに突起14〜17を挿通させようとしても、突起14〜17が貫通孔30aとは異なる形状であることを認識させることにより、第2貼付体31や第3貼付体32の貼り付け領域に誤って第1貼付体30が貼り付けられることを抑制できる。
一方、突起13よりも突起14〜17の断面積が小さく設定されているので、第2貼付体31や第3貼付体32の切り込み部30bに突起13を嵌め込むことは不能となる。よって、第1貼付体30の貼り付け領域に誤って第2貼付体31や第3貼付体32を貼り付けることを確実に抑制できる。
また、突起13は、その断面形状が矩形に形成されるので、パッド本体2に対する第1貼付体30の回転を1個の突起13によって規制することができる。よって、第1貼付体30の貼り付け領域に複数の貫通孔を形成する必要がない。これにより、固定台10へのパッド本体2の固定時や、パッド本体2への第1貼付体30の位置決め時に、1個の突起13に貫通孔26や貫通孔30aを嵌め込むだけで良いので、固定工程や第1貼付工程での作業性を向上させることができる。
また、第2貼付体31(第3貼付体32)には2個の突起14,15(突起16,17)が嵌め込まれるので、パッド本体2に対する第2貼付体31(第3貼付体32)の回転を2個の突起14,15(突起16,17)によって規制できる。よって、パッド本体2に対して第2貼付体31(第3貼付体32)が回転することを抑制できるので、パッド本体2に対する第2貼付体31(第3貼付体32)の貼り付け位置の精度を向上させることができる。
また、第1〜3貼付体30〜32をパッド本体2に貼り付けた状態では、貫通孔30a及び切り込み部30bから突出するように突起13〜17の寸法が設定される。これにより、突起13〜17が貫通孔30aや切り込み部30bに確実に挿入されているか否か(第1〜3貼付体30〜32が所望の貼り付け位置に位置決めされているか否か)を容易に判断することができる。
本実施形態では、パッド本体2に第1〜3貼付体30〜32を貼り付けた後の圧着は、手作業で行われる。この場合、突起13が第1貼付体30の後端側に嵌め込まれ、突起14〜17が第2,3貼付体31,32の前後方向中央よりも後方側に嵌め込まれる(即ち、突起13〜17が第1〜3貼付体30〜32の中心から偏心した外縁側に嵌め込まれる)ので、第1〜3貼付体30〜32の圧着の作業時に突起13〜17が作業者の手に干渉することを抑制できる。これにより、第1〜3貼付体30〜32の中心を押さえつけて圧着できるので、パッド本体2に第1〜3貼付体30〜32を密着させやすくすることができる。
このように、第2,3貼付体31,32の切り込み部30bは、パッド本体2に第2,3貼付体31,32を貼り付ける際の位置決め用の貫通孔としての機能も有している。よって、位置決め用の貫通孔を切り込み部30bの他に別途設ける場合に比べ、第2,3貼付体31,32の機能性が低下することを抑制できるので、着座感を向上させることができる。
図1に戻って第2貼付工程について説明する。第2貼付工程は、裏面に粘着加工が施された着座センサ4を第1〜3貼付体30〜32の表面に貼り付ける工程である。なお、上述した通り、着座センサ4(配線5)に対する切り込み部30bの配設位置(相対位置)は、第1〜3貼付体30〜32のそれぞれにおいて同様である。よって、以下の説明においては、第1貼付体30に着座センサ4を貼り付ける場合についてのみ説明する。
切り込み部30bは、着座センサ4の貼り付け領域を取り囲むように配置されるので、その領域内に着座センサ4を貼り付けることで着座センサ4の貼り付け位置の位置決めを容易に行うことができる。よって、着座センサ4の貼り付け作業の作業性を向上させると共に、着座センサ4の位置決め用の罫書きとしての機能を切り込み部30bに兼用させることができる。
また、切り込み部30bによって取り囲まれる領域に着座センサ4を貼り付けた場合に、切り込み部30bは、着座センサ4の縁から所定間隔(本実施形態では、1〜5mm)隔てた位置に配置される。これにより、切り込み部30bに沿わせながら着座センサ4を貼り付けることを不要にできるので、貼り付け作業の作業性を向上させることができる。
また、切り込み部30bは、配線5を避けた位置に形成されるので、第1貼付体30への着座センサ4の貼り付け時に、着座センサ4に接続される配線5によって切り込み部30bが覆い隠されることを抑制できる。これにより、位置決め用の罫書きとしての機能を切り込み部30bに持たせるために、必要以上の領域に切り込み部30bを形成することを抑制できるので、第1貼付体30の機能性を確保できる。よって、第1貼付体30に切り込み部30bが形成される場合でも、着座感を確保できる。
また、切り込み部30bは、配線5を挟んで一対に形成され、配線5の縁から所定間隔(本実施形態では、1〜5mm)を隔てて切り込み部30bが形成されるので、第1貼付体30への着座センサ4の貼り付け時に、一対の切り込み部30bの間に配線を通すことで着座センサ4の位置決めを容易に行うことができる。よって、着座センサ4の貼り付け作業の作業性が向上する。
ここで、着座センサ4を貼り付けるべき領域を作業者に容易に特定させるために、例えば、着座センサ4の縁に沿った形状に切り込み部30bを形成しても良い。即ち、例えば、本実施形態では、着座センサ4が長手方向両端部に一対の円形部4aを備えるので、その円形部4aの縁に沿って切り込み部30bを湾曲させて形成することも可能である。しかしながら、切り込み部30bを湾曲形状に形成すると、切り込み部30bの形成コストが増大する。
これに対して、本実施形態では、着座センサ4の貼り付け領域の4隅に形成される4個の切り込み部30bは、対向する円形部4aの縁の接線方向と平行な直線状であって、着座センサ4の長手方向に対して傾斜した直線状にそれぞれ形成される。これにより、着座センサ4の貼り付け領域を直線状の切り込み部30bによって容易に特定できる。よって、例えば、切り込み部30bを着座センサ4の縁に沿った形状(湾曲形状や、L字状)に形成する場合に比べ、切り込み部30bを容易に形成することができる。
次いで、図5を参照して、第2,3実施形態について説明する。第1実施形態では、着座センサ4が円形部4aと接続部4bとを備える(長手方向中央部分にくびれを有する)場合を説明したが、第2,3実施形態では、着座センサ204が長方形状に形成される場合について説明する。なお、上述した第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図5(a)は、第2実施形態におけるシートパッド201の部分拡大上面図であり、図5(b)は、第3実施形態におけるシートパッド301の部分拡大上面図である。なお、図5では、着座センサ204及び配線5を模式的に図示している。
図5(a)に示すように、第2実施形態のシートパッド201は、第1貼付体30の表面に貼り付けられる着座センサ204を備える。着座センサ204は、貼付体3よりも薄いフィルム状の感圧センサである。着座センサ204は、上面視において前後に長い長方形状に形成され、その後端部分の短辺に配線5が接続される。第1貼付体30には、着座センサ204の4隅を取り囲む態様で複数(本実施形態では、4個)の切り込み部230bが形成される。
切り込み部230bは、着座センサ204の長手方向および短手方向の双方に延びるL字状に形成され、着座センサ204の4隅の頂点と所定間隔(本実施形態では、1〜5mm)を隔てて対向配置される。切り込み部230bは、第1貼付体30の上下に延びるスリット状の貫通孔として構成されるので、着座センサ204の周囲に位置する第1貼付体30を切り込み部230bによって変形させやすくすることができる。
これにより、着座者の荷重が着座センサ204に加わった場合に、着座センサ204の縁に加わる第1貼付体30からの反力を低減できるので、着座センサ204の縁が反り上がるように変形することを抑制できる。更に、着座者が違和感を覚えやすい着座センサ204の頂点に対向して切り込み部230bが形成されることにより、着座センサ204の頂点が着座者に違和感を与えることを抑制できる。
また、切り込み部230bは、着座センサ204の長手方向端部側に設けられ、着座センサ204の長手方向中央付近で長辺に対向する領域においては、切り込み部230bが非形成とされている。これにより、着座センサ204の長手方向端部が反るように変形するのを抑制することと、第1貼付体30の機能性を確保することとを両立させることができる。
また、着座センサ204の縁から所定間隔(本実施形態では、1〜5mm)隔てた位置に切り込み部230bが形成されるので、着座センサ204の検出精度を確保すると共に、第1貼付体30への着座センサ204の貼り付け作業の作業性を向上させることができる。
また、切り込み部230bは、配線5を挟んで一対に形成され、それら一対の切り込み部230bが配線5の縁から所定間隔(本実施形態では、1〜5mm)を隔てた位置に形成されるので、一対の切り込み部230bの間に配線を通すことで着座センサ204の位置決めを容易に行うことができる。
また、切り込み部230bがL字状に形成されるので、長方形状の着座センサ204の縁に沿って切り込み部230bを配置することができる。即ち、着座センサ204の縁に沿った形状に切り込み部230bが形成されるので、第1貼付体30に対する着座センサ204の貼り付け位置の精度を向上させることができる。更に、着座センサ204の縁に沿った形状に切り込み部230bが形成されることにより、着座センサ204の貼り付け領域を容易に特定することができるので、貼り付け作業の作業性を向上させることができる。
また、切り込み部230bは、着座センサ204の長辺方向に延びる部位の長さ(長辺方向における寸法)と、短辺方向に延びる部位の長さ(短辺方向における寸法)とがそれぞれ略同一の寸法に設定されているが、長辺方向に延びる部位と着座センサ204との対向間隔よりも、短辺方向に延びる部位と着座センサ204との対向間隔が狭く設定されている。これにより、着座センサ204の長手方向端部に対向する領域において第1貼付体30が変形しやすくなるので、着座センサ204の長手方向端部が反るように変形することをより効果的に抑制できる。
図5(b)に示すように、第3実施形態のシートパッド301は、第1貼付体30の表面に貼り付けられる着座センサ204を備える。着座センサ204は、第2実施形態と同一の構成であるので、同一の符号を付してその説明を省略する。
第1貼付体30には、着座センサ204の前後の短辺に対向する位置に2個の切り込み部330bが形成される。切り込み部330bは、着座センサ204の短辺方向に延びる直線状に形成され、着座センサ204の短辺と所定間隔(本実施形態では、1〜5mm)を隔てて対向配置される。
切り込み部330bは、第1貼付体30の上下に延びるスリット状の貫通孔として構成されるので、着座センサ204の周囲に位置する第1貼付体30を切り込み部230bによって変形させやすくすることができる。これにより、着座者の荷重が着座センサ204に加わった場合に、着座センサ204の縁に加わる第1貼付体30からの反力を低減できるので、着座センサ204の縁が反り上がるように変形することを抑制できる。
また、切り込み部330bは、着座センサ204の長手方向端部側において着座センサ204の短辺と対向して設けられ、着座センサ204の長辺に対向する領域の全体においては、切り込み部330bが非形成とされている。これにより、着座センサ204の長手方向端部が反るように変形するのを抑制することと、第1貼付体30の機能性を確保することとを両立させることができる。
また、着座センサ204の縁から所定間隔(本実施形態では、1〜5mm)隔てた位置に切り込み部330bが形成されるので、着座センサ204の検出精度を確保すると共に、第1貼付体30への着座センサ204の貼り付け作業の作業性を向上させることができる。
また、着座センサ204の短辺方向における切り込み部330bの寸法は、着座センサ204の短辺と略同一の寸法で形成されている。これにより、着座センサ204の長辺に対向する領域の全体において切り込み部330bが非形成とされる場合でも、短辺方向における着座センサ204の貼り付け位置の精度を向上させることができる。
また、切り込み部330bが直線状に形成されるので、切り込み部330bを着座センサ204の縁に沿った形状(例えば、L字状)に形成する場合に比べ、切り込み部330bを容易に形成することができる。
次いで、図6を参照して、第4実施形態について説明する。第1〜3実施形態では、貼付体3に貼り付けられる機能部品の一例として着座センサ4,204を例示したが、第4実施形態では、貼付体3にシートヒータ404が貼り付けられる場合について説明する。なお、上述した第1〜3実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図6は、第4実施形態におけるシートパッド401の上面図である。なお、図6では、シートヒータ404及び配線5を模式的に図示している。
図6に示すように、シートパッド401は、第1〜3貼付体30〜32のそれぞれの表面に貼り付けられるシートヒータ404を備える。シートヒータ404は、貼付体3よりも薄いフィルム状(シート状)のヒータであり、公知の構成が採用可能であるので、その詳細な説明は省略する。
シートヒータ404は、左右方向に長い長方形状に形成されると共に第1貼付体30に貼り付けられる後部404aと、前後方向に長い長方形状に形成されると共に第2,3貼付体31,32に貼り付けられる前部404bと、その前部404b及び後部404aを前後で接続する中間部404cと、を備える。
左右方向における中間部404cの寸法は、後部404a及び前部404bの左右方向における寸法よりも小さく設定され、シートヒータ404は、その前後方向中央にくびれを有して形成される。なお、左右方向における後部404a及び前部404bの寸法はそれぞれ略同一に設定され、前後方向における後部404aの寸法は前部404bよりも小さく設定されている。
第1貼付体30には、後部404aの4隅を取り囲む態様で複数(本実施形態では、4個)の切り込み部430bが形成され、第2,3貼付体31,32には、前部404bの4隅を取り囲む態様で複数(本実施形態では、第2,3貼付体31,32のそれぞれに2個の合計4個)の切り込み部430bが形成される。
切り込み部430bは、後部404a(前部404b)の長手方向および短手方向の双方に延びるL字状に形成され、後部404a(前部404b)の4隅の頂点と所定間隔(本実施形態では、1〜5mm)を隔てて対向配置される。切り込み部430bは、上下に延びる貫通孔として構成されるので、後部404aや前部404bの周囲に位置する第1〜3貼付体30〜32を切り込み部430bによって変形させやすくすることができる。
これにより、着座者の荷重がシートヒータ404に加わった場合に、シートヒータ404の縁に加わる第1〜3貼付体30〜32からの反力を低減できるので、シートヒータ404の縁が反り上がるように変形することを抑制できる。更に、着座者が違和感を覚えやすいシートヒータ404の頂点に対向して切り込み部430bが形成されることにより、シートヒータ404の頂点が着座者に違和感を与えることを効果的に抑制できる。
また、切り込み部430bは、後部404a(前部404b)の長手方向端部側に設けられ、後部404a(前部404b)の長手方向中央付近の(長辺に対向する)領域においては、切り込み部430bが非形成とされている。これにより、後部404a(前部404b)の長手方向端部が反るように変形するのを抑制することと、第1〜3貼付体30〜32の機能性を確保することとを両立させることができる。
また、後部404aや前部404bの縁から所定間隔(本実施形態では、1〜5mm)隔てた位置に切り込み部430bが形成されるので、第1〜3貼付体30〜32へのシートヒータ404の貼り付け作業の作業性を向上させることができる。
また、切り込み部430bがL字状に形成されるので、長方形状の後部404a(前部404b)の縁に沿って切り込み部430bを配置することができる。即ち、後部404a(前部404b)の縁に沿った形状に切り込み部430bが形成されるので、第1〜3貼付体30〜32に対するシートヒータ404の貼り付け位置の精度を向上させることができる。更に、シートヒータ404の縁に沿った形状に切り込み部430bが形成されることにより、シートヒータ404の貼り付け領域を容易に特定することができるので、貼り付け作業の作業性を向上させることができる。
また、第2,3貼付体31,32に形成される切り込み部430bは、前部404bの長辺に対向する部位の長辺方向における寸法よりも、短辺に対向する部位の短辺方向における寸法が長く設定されている。即ち、前部404bの長手方向端部に対向する領域の方が、切り込み部430bの切り込み量(第2,3貼付体31,32の肉抜き量)が大きく設定されている。これにより、前部404bの長手方向端部が反るように変形することをより効果的に抑制できる。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
上記各実施の形態におけるシートパッドの一部または全部を、他の実施の形態におけるシートパッドの一部または全部と組み合わせてシートパッドを構成しても良い。例えば、第1実施形態の切り込み部30bを第2,3実施形態のシートパッド201,301に適用することや、第2,3実施形態の切り込み部230b,330bを第1実施形態のシートパッド1に適用することは当然可能である。
また、第2実施形態では、短辺方向での着座センサ204と切り込み部230bとの対向間隔よりも、長辺方向での着座センサ204と切り込み部230bとの対向間隔が狭く設定される構成を説明し、第4実施形態では、シートヒータ404の前部404bの長手方向端部側ほど第2,3貼付体31,32の肉抜き量を大きくする構成を説明したが、かかる技術思想を他の実施形態のシートパッドに適用することも当然可能である。また、貼付体の肉抜き量を変化させるために、切り込み部の断面積を変化させても良い。
上記各実施形態では、シートパッド1,201,301,401がクッションパッドとして構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、シートパッド1,201,301,401をバックパッドから構成しても良い。即ち、パッド本体よりも柔軟性の高い貼付体を貼り付ける構成を備えるものであれば、本発明の技術思想を適用できる。
上記各実施形態では、機能部品の一例として、着座センサ4,204やシートヒータ404を例示したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、貼付体3よりも硬質の材料であって、貼付体3よりも薄いフィルム状(シート状)の機能部品(即ち、荷重によって貼付体3に食い込んで反りやすくなるという課題が生じ得るもの)であれば、本発明の技術思想を適用できる。
また、長方形状、若しくは、円形や長方形を組み合わせた形状に機能部品(着座センサ4,204やシートヒータ404)が形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、機能部品が正方形、その他の多角形、円形、楕円形、若しくは、直線や曲線を組み合わせた形状に形成される場合でも、上記各実施形態の技術思想を適用できる。
即ち、機能部品が如何なる形状の場合であっても、その外縁に沿って連続、若しくは、断続的に切り込み部を形成すれば、機能部品が反るようにして変形することを抑制できる。また、機能部品が如何なる形状であっても、機能部品が頂点(貼り付け領域の外方側に向けて突出するような部位)を有する場合には、その頂点部分に対向する位置(突出方向で対向する位置)に切り込み部を形成することが好ましい。これにより、かかる頂点部分が着座者に違和感を与えることを抑制できる。
上記各実施形態では、貼付体3が軟質ウレタンフォーム等の発泡合成樹脂からなるスラブパッドである場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、パッド本体2よりも軟質なものであれば、その材質は限定されない。よって、例えば、貼付体3をゴムスポンジ等から構成しても良い。
上記各実施形態では、貼付体3の硬度が100Nであり、パッド本体2の硬度が200Nである場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、貼付体3の硬度は50N以上且つ200N以下に設定すれば良く、パッド本体2の硬度は150N以上且つ350N以下に設定すれば良い。即ち、貼付体3の硬度がパッド本体2の硬度よりも小さい構成であれば、機能部品の周囲に切り込み部を形成することにより、機能備品の縁が着座者に違和感を与えることを抑制できる。
上記各実施形態では、パッド本体2に貼付体3が3枚(第1〜3貼付体30〜32が)貼り付けられる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、パッド本体2に1枚、2枚、若しくは、4枚以上の貼付体3を貼り付ける構成でも良い。
また、第2,3貼付体31,32のように幅方向で並設される構成ではなく、前後方向や幅方向で複数の貼付体が並設される(例えば、第1貼付体、第2貼付体および第3貼付体が前後方向で並設される)構成でも、本発明の技術思想を適用できる。
上記各実施形態では、第1〜3貼付体30〜32がそれぞれ同一の材質から形成される(クッション性や通気性等の機能性が同一である)場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1〜3貼付体の材質(機能性)をそれぞれ異なるものとする構成でも良い。
上記各実施形態では、切り込み部30b,230b,330b,430bが貫通孔として構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、切り込み部を溝状に形成しても良く、切り込み部の一部の部位を溝状に形成し、その他の部位を貫通孔として形成しても良い。切り込み部の少なくとも一部が溝状である場合には、機能部品(着座センサ4,204やシートヒータ404)の縁の全周にわたって切り込み部を形成しても良い。
上記各実施形態では、切り込み部30b,230b,330b,430bが直線やL字のスリット状に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、切り込み部を湾曲形状に延設させる構成や、直線や曲線を組み合わせて延設させる構成でも良い。即ち、機能部品の縁の形状に合わせて切り込み部の形状を適宜設定することで、機能部品の縁の反り上がりを抑制できる。
上記各実施形態では、切り込み部30b,230b,330b,430bが機能部品(着座センサ4,204やシートヒータ404)の縁から所定間隔を隔てて配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、機能部品の機能に影響が出ない程度であれば、機能部品の縁と切り込み部とが上下に重なるように配置されても良い。
上記第1実施形態では、貫通孔30a、貫通孔26,27の断面形状が矩形や円形である場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、貫通孔30a、貫通孔26,27の断面形状を矩形以外の多角形や、楕円形、若しくは、直線や曲線を組み合わせた形状から形成しても良い。即ち、突起と貫通孔との係合によってパッド本体2や貼付体3の変位を規制できるものであれば、その断面形状は限定されない。
上記第1実施形態では、1枚の貼付体3に1又は2本の突起13〜17が挿通される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、1枚の貼付体3に3以上の突起を挿通させる構成でも良く、その突起の数に対応した貫通孔をパッド本体2や貼付体3に設ければ良い。
上記第1実施形態では、固定台10の突起14〜17を切り込み部30bに挿通させることで貼付体3の位置決めを行う場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、貼付体3に別途貫通孔を形成し、その貫通孔に突起を挿通させることで貼付体3の位置決めを行っても良い。この場合には、かかる貫通孔に対応する位置に突起を設ければ良い。
また、固定台10の突起を挿通させることでパッド本体2に対する貼付体3の位置決めを行うのではなく、例えば、パッド本体2及び貼付体3に互いに嵌め込み可能な凹凸を設けることで位置決めを行っても良い。
上記第1実施形態では、第1貼付工程において、パッド本体2の表面に手作業によって貼付体3を貼り付ける場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、パッド本体2に対する貼付体3の圧着は、固定台10(下型)と上型とを備える装置で行っても良い。かかる装置で圧着を行う場合には、例えば、パッド本体2及び貼付体3の上面に沿った圧着面を上型に形成し、固定台10の枠部12の後端(矢印B側の端部)に上型を回転可能に軸支して、上型をアクチュエータによって昇降させれば良い。
この場合には、固定台10の突起を挿通可能な凹みを上型に設けるか、上型の昇降に連動させて突起を昇降させることで突起が上型に干渉することを抑制できる。突起を昇降させるための手段としては、例えば、突起を嵌め込み可能な凹部を固定面11に設け、その凹部の内部においてバネやアクチュエータで突起を支持する構成が例示される。バネで支持する構成であれば、上型の圧着面が突起に当接することで突起が凹部の内部に向けて(バネの付勢力に抗して)短縮する。アクチュエータで支持する構成の場合には、上型の昇降に連動させてアクチュエータを伸縮させれば、突起が上型に干渉することを抑制できる。