JP7421130B2 - 車両用シートおよび車両用シートの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、車両等に搭載される車両用シート、および、車両用シートの製造方法に関する。
特許文献1に記載の乗物用シートは、その表面を覆う表皮と、パッドとを備える。パッドには空気袋が収容されており、空気袋に空気を導入して膨張させる、又は、空気袋から空気を抜いて収縮させることにより、乗物用シートの表面における形状を変更することができる。
特開2018-103850号公報
ところで、乗物用シートでは、表皮を吊り込み治具を用いて吊り込みする構成が知られている。吊り込み治具は、パッドに形成された吊り込み溝に配置されている。また、上述した空気袋に空気を供給するチューブは、吊り込み溝に配置された貫通孔を通してパッド裏面側に這い回されている。そのため、チューブと吊り込み関連部品とが干渉するおそれがあった。
本発明の一態様による車両用シートは、裏面側へと貫通する貫通孔を有する溝が、表面側に形成されたクッション材と、前記クッション材の表面側を被覆し、裏面に吊り込み部が設けられた表皮材と、前記クッション材の前記溝の内部に設けられ、前記吊り込み部が係止される係止部と、前記クッション材に設けられ、流体の流入により膨張する流体セルと、前記貫通孔に挿通され、前記流体セルに流体を供給するチューブと、を備え、前記溝の内部に設けられた前記係止部は、前記貫通孔と溝の延在方向に離間して設けられている。
本発明の一態様による車両用シートの製造方法は、裏面側へと貫通する貫通孔を有する吊り込み溝が表面側に形成され、前記貫通孔と前記吊り込み溝の内部に設けられる吊り込み係止部材とが前記吊り込み溝の延在方向に離間して配置されたシート用クッション材の上に、流体により膨出する流体セルを配置するステップと、前記流体セルに流体を供給する為のチューブを、前記貫通孔に挿通して前記シート用クッション材の裏面側に配策するステップと、裏面側に吊り込み部が設けられた表皮材で前記シート用クッション材を被覆して、前記吊り込み部を前記シート用クッション材に設けられた前記吊り込み係止部材に係止させるステップと、を含む。
本発明によれば、流体セルに流体を供給するチューブと吊り込み関連部品との干渉を抑制することができる。
図1は、本実施の形態の車両用シートの外観を示す斜視図である。 図2は、表皮材を除いた場合のシートクッションの平面図である。 図3は、図2のA-A断面図である。 図4は、貫通孔、チューブ、吊り込み部、および係止部の関係を示す図である。 図5は、図2のB-B断面図である。 図6は、クッションエアバッグ動作時のシートクッションを示す図である。 図7は、図2のエアセル配置部分の拡大図である。 図8は、非膨張時におけるC-C断面を示す図である。 図9は、膨張時におけるC-C断面を示す図である。 図10は、シートバックを説明する図である。 図11は、エアセル膨張時のシートバックを説明する図である。 図12は、エアセルの制御系を示すブロック図である。 図13は、吊り込み係止部材の配置の他の例を示す図である。
以下、図を参照して本発明を実施するための形態について説明する。図1は、本実施の形態の車両用シートの外観を示す斜視図である。シート1は、乗員の臀部を支持するシートクッション10と、乗員の腰部および背部を支持するシートバック11と、シートバック11に設けられて乗員の頭部を支持するヘッドレスト12とを備えている。なお、図1では、シートクッション10、シートバック11およびヘッドレスト12の被覆を一部破断面とし、内部のクッション材を露出させている。
シートクッション10は、骨格となるクッションフレーム(不図示)にウレタンフォームなどからなるクッション材10aを載置し、クッション材10aを合成皮革や布地からなる表皮材10bで被覆したものである。シートバック11は、骨格となる不図示のバックフレームにクッション材11aを載置し、クッション材11aを表皮材11bで被覆したものである。ヘッドレスト12は、不図示の芯材にクッション材12aを設け、クッション材12aを表皮材12bで被覆したものである。ヘッドレスト12は、上述したバックフレームに設けられた不図示のヘッドレストピラーによって支持されている。
シートクッション10のクッション材10aの上には、すなわち、表皮材10bの裏側には、複数のエアセル20(20a~20h)および複数の圧力センサ21(21a,21b)が設けられている。シートバック11のクッション材11aの背面側にはエアセルの一種であるランバーサポート22a、22bが設けられている。ランバーサポート22a、22bは不図示のバックフレームに設けられている。また、シートバック11のクッション材11aの左右両サイドには圧力センサ23a,23bが設けられている。後述する吊り込み係止部材を用いた表皮材の吊り込みは、シート1の吊り込みラインL1~L5に沿って設けられている。
[1.シートクッション10]
図2は、シートクッション10のクッション材10aに設けられたエアセル20(20a~20h)、圧力センサ21(21a,21b)および吊り込み係止部材30の配置を示す図である。クッション材10aを被覆している表皮材10bの裏面には後述する吊り込み部が設けられており、この吊り込み部をクッション材10aに設けられた吊り込み係止部材30に係止させる。その結果、表皮材10bは、クッション材10aの表面を所定形状で固定された状態で被覆する。吊り込み係止部材30は、クッション材10aの表面側に形成された吊り込み溝32の内部に設けられている。この吊り込み溝32は、図1の吊り込みラインL1,L2に対向する位置に形成されている。図2に示す例では、合計13個の吊り込み係止部材30が吊り込み溝32に配置されている。
シートクッション10に設けられたエアセル20a~20hは、クッション材10aの表面側に形成された凹部101の内部にそれぞれ配置されている。エアセル20a~20hは、座面の硬さやホールド性を微調整するために使用される。各エアセル20a~20hには、エアセル20a~20hを膨張させるための空気を供給する可撓性のチューブ200が接続されている。各チューブ200は、吊り込み溝32の内部に形成された貫通孔320を通って、シートクッション10の裏面側に引き出され、不図示のソレノイドユニットに連結される。
クッション材10aの奥側(シート前後の後ろ側)の表面には、圧力センサ21a,21bが接着等により固定されている。この圧力センサ21a,21bは、着座者がシートクッション10の奥まで座っているか否かを判定するために使用するものである。また、クッション材10aの上面、すなわちクッション材10aと表皮材10bとの間には、シートヒータ40が設けられている。シートヒータ40は、基布であるシート状の不織布に電熱線等からなるヒータ部を配設したものであり、柔軟性を備えている。さらにまた、クッション材10aの前領域の裏面側には、クッションエアバッグ42が設けられている。
(吊り込み係止部材30、吊り込み溝32、貫通孔320の位置関係について)
図3は図2のA-A断面図であり、吊り込み溝32内に配置された吊り込み係止部材30の部分を断面したものである。吊り込み係止部材30は、表皮材10bの裏面側に設けられた吊り込み部31を係止する係止部301と、吊り込み係止部材30をクッション材10aに固定する固定部302とを備えている。吊り込み部31も係止部301も、図3に示す断面形状で溝延在方向に所定長さだけ延在している。
吊り込み部31を破線矢印のように吊り込み係止部材30の方向に押し込むと、係止部301が細線で示すように弾性変形し、吊り込み部31の矢尻形状の先端部(以下では、被係止部311と呼ぶ)が係止部301内に挿入される。吊り込み部31の被係止部311が完全に係止部301内に挿入されると、弾性変形していた係止部301が元の形状に戻り、吊り込み部31が係止部301に係止される。
図4は、吊り込み溝32に形成された貫通孔320およびチューブ200と、吊り込み部31および係止部301との関係を示す図である。なお、吊り込み部31および係止部301は二点鎖線で示した。貫通孔320は、クッション材10aの表面側に形成された吊り込み溝32からクッション材10aの裏面側へと貫通している。エアセル20dにエアを供給するチューブ200は貫通孔320を、吊り込み溝32側から裏面側へと挿通される。貫通孔320は、吊り込み溝32の幅方向中央に対してエアセル20d側に偏って設けられている。
エアセル20dは、吊り込み溝32から見てシートクッション10の右側(図示左側)に配置されているので、貫通孔320をエアセル20d側に偏って設けたことにより、チューブ200を貫通孔320に対し挿通しやすいという利点がある。また、表皮材10bをクッション材10aに被せて、吊り込み部31を吊り込み係止部材30に係止させる作業の際に、吊り込み部31がチューブ200に干渉するのを抑制することができ、作業性に優れている。例えば、貫通孔320が溝内の図示右側に形成される場合には、チューブ200が吊り込み溝32を跨ぐように這い回されるので、係止作業の際に吊り込み部31がチューブ200に干渉するおそれがある。
チューブ200の直径D1は、吊り込み部31の被係止部311の溝幅方向寸法W1に対してD1>W1のように設定される。D1>W1のように設定することで、仮に、チューブ200が二点鎖線で示すように係止部301の上に誤配置された場合でも、チューブ200が係止部301に係合してしまうのを防止することができる。また、貫通孔320の直径D2は、W2>D2>D1のように設定される。このように、貫通孔320を必要以上に大きく設定しないようにすることで、クッション材10aの剛性が必要以上に低下するのを防止できる。
また、図2に示すように、吊り込み係止部材30とチューブ200が挿通される貫通孔320とは離間して設けられている。例えば、吊り込み係止部材30と貫通孔320とが隣接している場合、係止作業の際に吊り込み部31をチューブ200に押圧してしまう可能性があり、チューブ200が押し潰されたり、折れ曲がったりするおそれがある。一方、吊り込み係止部材30と貫通孔320とを離間して設けることで、そのような不都合が生じることがない。
図2に示すように、吊り込み溝32内には、複数の吊り込み係止部材30と貫通孔320とが配置されているが、貫通孔320と吊り込み係止部材30とは、溝内において交互に配置されている。複数の貫通孔320の範囲に吊り込み係止部材30が配置されない場合、その範囲の吊り込みが行われないため、表皮材10bの固定形状が所定の形状からずれてしまうおそれがある。しかし、図2のように貫通孔320と吊り込み係止部材30と交互の配置することで、吊り込み係止部材30が適正な間隔で配置され、上記のような不具合の発生を防止することができる。
シートクッション10を製造する場合、まず、吊り込み係止部材30と貫通孔320とが離間して配置された吊り込み溝32を有するクッション材10aの上に、空気により膨出するエアセル20a~20hを配置する。そして、エアセル20a~20hに空気を供給する為のチューブ200を、貫通孔320に挿通してクッション材10aの裏面側に配策する。次いで、裏面側に吊り込み部31が設けられた表皮材10bでクッション材10aを被覆して、吊り込み部31をクッション材10aに設けられた吊り込み係止部材30に係止させる。
(クッションエアバッグ42と吊り込み係止部材30との位置関係)
図5はクッションエアバッグ42を説明する図であり、図2のB-B断面図である。クッションエアバッグ42は、クッション材10aの下部に設けられたエアバッグ保持部43に設けられている。クッションエアバッグ42は、交通事故の際に乗員がシートベルトをくぐって前方へ投げ出されるサブマリン現象を防止するためのものである。
図5はクッションエアバッグ42が動作する前の状態を示したものであり、クッションエアバッグ42が動作すると図6に示すような状態となる。クッションエアバッグ42は、交通事故の際に瞬間的に膨らむ。その結果、シートクッション10の前部が上方にせり上がり、乗員が前方へ投げ出されるのを抑制する。クッションエアバッグ42は、瞬間的に膨らんだ後に、すぐに空気が抜けるようになっている。
図2に示す例では、エアセル20eのチューブ200が挿通される貫通孔320とエアセル20gのチューブ200が挿通される貫通孔320との間、および、エアセル20fのチューブ200が挿通される貫通孔320とエアセル20hのチューブ200が挿通される貫通孔320との間にも、吊り込み係止部材30が設けられている。図6に示す状態では、膨張したクッションエアバッグ42によってクッション材10aが変形するので、吊り込み係止部材30の係止部301と吊り込み部31との係止状態に影響を及ぼす。
そのような影響を避けるためには、シートクッション10にクッションエアバッグ42が装着されている構成においては、クッションエアバッグ42の動作時にクッション材10aが変形しない領域に吊り込み係止部材30を設けるようにするのが好ましい。すなわち、少なくとも図2のクッションエアバッグ42が配置されている領域(符号42を付した破線領域)の外側の領域の吊り込み溝32内に、吊り込み係止部材30を配置する。図2の破線領域の左右に配置されている吊り込み係止部材30については、破線領域の外側なのでクッション材10aの変形は比較的小さい。なお、クッション材10aの変形の影響をより小さくするためには、図13に示すように、クッションエアバッグ42の配置領域よりも後ろ側の吊り込み溝32内に、吊り込み係止部材30を配置するのが好ましい。
シートクッション10の前側領域に設けられたエアセル20e,20f,20g,20h(図2参照)は、図6のようにクッションエアバッグ42が膨張すると、上下位置が大きく変化する。そのため、図2に示すように、エアセル20e~20hに接続されているチューブ200は、貫通孔320に対して最短距離ではなく、余裕をもって這い回されている。その場合、吊り込み溝32内において、チューブ200の一部が溝に沿うような配置となる場合がある。しかしながら、上述したように、チューブ200の直径D1は、被係止部311の溝幅方向寸法W1に対してD1>W1のように設定されているので、チューブ200が係止部301に係止されるようなことはない。
(シートヒータ40について)
図7は、図2のエアセル20a、20bが配置されている部分を拡大して示したものである。図8,9は、図7のC-C断面図である。図7,8では表皮材10bの図示を省略した。図8はエアセル20bが膨張していない状態を示したものであり、エアセル20bが膨張すると図9のような状態となる。図7に示すように、ヒータ部材であるヒータ線404は、エアセル20a,20bが膨張した時の頂点部分Pを避けて配置されている。なお、シートヒータ40のエアセル20c~20hが設けられている領域についても、ヒータ線404が同様の形態で設けられている。本実施の形態では、図8,9に示す例ように、エアセル20bは袋状体205を上下に3段重ねた構造を有しているが、段数は3段に限らず1段であっても良い。3つの袋状体205は、中央部部分が互いに連通している。なお、図8,9では、エアセル20bに空気を供給するチューブ200は図示を省略した。
図8,9に示すように、クッション材10aおよびエアセル20bの上面には、前述したシートヒータ40が設けられている。図9に示すエアセル膨張時には、シートヒータ40はエアセル20bにより上方に押し上げられ、上に凸の形状となる。一方、図8に示す非膨張時には、全体的にほぼ平坦となる。しかし、シートヒータ40は自由自在に伸縮することはできないので、膨張時に二点鎖線で示す上に凸の形状が可能なように、シートヒータ40には図8に示すような余長部400が設けられている。
上述したように、シートヒータ40は、基布であるシート状の不織布に電熱線等の加熱部を配設したものである。図8に示す例では、加熱領域401,402に加熱部が配設されている。余長部400には加熱部が設けられておらず、折れ曲がりやすく構成されている。例えば、非膨張時に折れ曲がりやすいように、基布に折癖が付与されている。また、余長部400に、加熱領域401,402に設けられた加熱部同士を電気的に接続する、可撓性の導線を設けるようにしても良い。非膨張時には、余長部400は、折れ曲がって凹部101の側壁とエアセル20bとの隙間に入り込むような構造になっている。このような構造を採用することにより、本実施の形態ではエアセル20a~20hの上面領域を避けることなくシートヒータ40の加熱領域を配置することができ、シートヒータ40の加熱面積を大きくすることができる。
[2.シートバック11]
図10は、シートバック11に設けられたランバーサポート22a、22bを説明する断面図である。前述したように、シートバック11のクッション材11aの背面側にはランバーサポート22a、22bが設けられている。ランバーサポート22a、22bはシートバック11のバックフレーム24に設けられている。図10に示す例では、ランバーサポート22aは2つのエアセル220,221から成り、ランバーサポート22bは3つのエアセル222,223,224から成る。
ランバーサポート22a、22bは、シート1に着座した乗員の着座姿勢の矯正等をするために設けられているものであり、ランバーサポート22a、22bに設けられた各エアセル220~224のエア量を調整することで、シートバック11の表面形状を変更することができる。図10は、エアセル220~224に空気を供給していない非膨張時の形状を示したものであり、エアセル220~224を膨張させるとランバーサポート22a、22bは図11のような形状となる。
図12は、シート1に設けられたエアセルの制御系を示すブロック図である。制御部50には、シートクッション10に設けられた圧力センサ21a,21bからの圧力検出信号、および、シートバック11に設けられた圧力センサ23a,23bからの圧力検出信号が入力される。制御部50は、CPU(Central Processing Unit)と、制御プログラムを格納したROM、データを一時的に格納するRAM 等のメモリと、その周辺機器(通信モジュールなど)を備えている。CPUは、メモリに格納されている制御プログラムに従い、ランバーサポート22a,22bおよびエアセル20a~20hへのエア供給を制御する。表示・操作部52は表示部を備え、その表示部に表示されたメニューや操作スイッチを操作することで、ランバーサポート22a,22bおよびエアセル20a~20hを所望の状態とさせる。表示・操作部52は、例えば、車室内のインストルメントパネル等に設けられている。
姿勢矯正モードにおいては、表示・操作部52の操作スイッチを操作して複数の姿勢モードから所望のモードを選択する。制御部50は、選択された姿勢矯正モードに応じてエア供給部51を制御し、ランバーサポート22a,22bにエアを供給する。エア供給部51は、エアポンプやソレノイドユニットなどを備えている。また、表示・操作部52を操作して姿勢矯正モードではない通常のモード(ホールドモード)を選択した場合には、エアセル20a~20hにエアを供給して、シートクッション10のホールド性をアップする。
姿勢矯正モードにおいて、ランバーサポート22a,22bの膨張が乗員が予想していたよりも過度であった場合、乗員にとって不自然なつらい姿勢となる。そのような場合には、シートバック11の両サイドに設けられている圧力センサ23a,23bのいずれか一方を、乗員が肘などにより強く押すと、ランバーサポート22a,22bの膨張が停止し、その後、エアが全部抜ける。制御部50は、圧力センサ23a,23bのいずれか一方の圧力検出信号が所定の閾値以上となった場合、ランバーサポート22a,22bへのエア供給を停止し、エアを抜く動作をする。なお、圧力センサ23a,23bの機能として、上述したランバーサポート22a,22bの膨張停止等の他に、シートの回転や車室内の移動のエマージェンシースイッチ(すなわち、シートの動きを緊急停止するスイッチ)としての機能も備えるようにしても良い。
上述した例では、ランバーサポート22a,22bで着座姿勢の矯正を行うようにしたが、ランバーサポート22a,22bおよびエアセル20a~20hを姿勢矯正用に用いても良い。エアセル20a~20hへのエア供給制御に関しても、ランバーサポート22a,22bの場合と同様に行われ、圧力センサ23a,23bのいずれか一方が強く押されると、エアセル20a~20hへのエア供給も停止し、その後、エアを抜く動作が行われる。その結果、手動停止操作部としての圧力センサ23a,23bをシート1に設けたことにより、矯正状態が所望の状態でない場合には、容易に停止することができる。また、圧力センサ23a,23bをシートバック11の両サイドに設けたので、ステアリングを握った状態から、肘で素早く簡単に圧力センサ23a,23bを強く押すことができる。
なお、上述した姿勢矯正モードおよびホールドモードに加えて、マッサージモードを設けても良い。マッサージモードでは、エアセル20a~20hおよびランバーサポート22a,22bのエア量を経時的に変化させて、着座している乗員にマッサージ効果を与える。
(変形例)
上述した実施の形態では、空気が供給されて膨張するエアセル20a~20hおよびエアセル220~224として説明したが、空気に代えて種々の流体が供給される流体セルを採用しても良い。例えば、流体として、ダイラタント流体を用いても良い。ダイラタント流体は、ゆっくりとした押圧には液体のように振る舞い、速い押圧にはあたかも固体のような抵抗力を発揮する性質を有するので、クッションエアバッグ42の衝撃でセル20e~20h内のダイラタント流体が一瞬で硬くなり、サブマリン現象防止の向上を図ることができる。
また、流体としてER流体(Electrorheological Fluid)を用いても良い。ER流体は印加する電圧によって粘度が変化するので、クッションエアバッグ42の衝撃時に電圧を印加することでセル20e~20h内の流体が硬くなり、サブマリン現象防止の向上を図ることができる。
さらにまた、エアセル20a~20hおよびエアセル220~224に空調風の空気を供給して、シートの暖房および冷房も行えるようにしても良い。この場合も、空気に代えて温かい液体や冷たい液体を用いても良い。
上記では、種々の実施の形態および変形例を説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。
1…シート、10…シートクッション、10a,11a,12a…クッション材、10b,11b,12b…表皮材、11…シートバック、12…ヘッドレスト、20,20a~20h,220~224…エアセル、21,21a,23a,23b…圧力センサ、22a,22b…ランバーサポート、30…係止部材、31…吊り込み部、32…吊り込み溝、40…シートヒータ、42…クッションエアバッグ、50…制御部、51…エア供給部、52…表示・操作部、200…チューブ、301…係止部、311…被係止部、320…貫通孔、400…余長部、401,402…加熱領域、404…ヒータ線

Claims (10)

  1. 裏面側へと貫通する貫通孔を有する溝が、表面側に形成されたクッション材と、
    前記クッション材の表面側を被覆し、裏面に吊り込み部が設けられた表皮材と、
    前記クッション材の前記溝の内部に設けられ、前記吊り込み部が係止される係止部と、
    前記クッション材に設けられ、流体の流入により膨張する流体セルと、
    前記貫通孔に挿通され、前記流体セルに流体を供給するチューブと、を備え、
    前記溝の内部に設けられた前記係止部は、前記貫通孔と前記溝の延在方向に離間して設けられていることを特徴とする車両用シート。
  2. 請求項1に記載の車両用シートにおいて、
    前記貫通孔は、前記溝の底部に設けられていることを特徴とする車両用シート。
  3. 請求項1または2に記載の車両用シートにおいて、
    複数の前記流体セルと、複数の前記流体セル毎に個別に流体を供給する複数のチューブとを備え、
    前記溝には、複数の前記チューブが個別に挿通される複数の前記貫通孔と、複数の前記係止部とを有し、
    前記貫通孔と前記係止部とは、前記溝内において交互に配置されていることを特徴とする車両用シート。
  4. 請求項1~3のいずれか一項に記載の車両用シートにおいて、
    前記貫通孔の穴径は、係止部の溝幅方向寸法よりも小さく設定されることを特徴とする車両用シート。
  5. 請求項1~4のいずれか一項に記載の車両用シートにおいて、
    前記貫通孔は、前記溝の溝幅方向中央に対して前記流体セル側に偏って設けられていることを特徴とする車両用シート。
  6. 請求項1~5のいずれか一項に記載の車両用シートにおいて、
    前記チューブの直径は、前記係止部によって係止される前記吊り込み部の被係止部の溝幅方向寸法よりも大きく設定されることを特徴とする車両用シート。
  7. 請求項1~6のいずれか一項に記載の車両用シートにおいて、
    車両衝突時のサブマリン現象抑制の為のクッションエアバッグを、前記クッション材の裏面側にさらに備え、
    前記係止部は、前記溝の、前記クッションエアバッグが設けられている領域の外側領域に設けられていることを特徴とする車両用シート。
  8. 請求項1~7のいずれか一項に記載の車両用シートにおいて、
    前記クッション材と前記表皮材との間において前記クッション材および前記流体セルの上面を蔽うように配置され、基布に加熱部を設けたシート状のヒータをさらに備え、
    前記ヒータは、
    前記加熱部が設けられ、前記流体セルの上に配設される第1の加熱領域と、
    前記加熱部が設けられ、前記クッション材の上に配設される第2の加熱領域と、
    前記第1の加熱領域と前記第2の加熱領域との境界領域に設けられる基布領域であって、前記流体セルの膨張に応じて伸長可能な余長部と、を備えることを特徴とする車両用シート。
  9. 請求項1~8のいずれか一項に記載の車両用シートにおいて、
    前記流体セルへの流体供給を制御し、着座している乗員の姿勢矯正の為の流体供給制御を行う制御部と、
    車両用シートに設けられ、前記流体供給制御を手動停止させる手動停止操作部と、をさらに備えることを特徴とする車両用シート。
  10. 裏面側へと貫通する貫通孔を有する吊り込み溝が表面側に形成され、前記貫通孔と前記吊り込み溝の内部に設けられる吊り込み係止部材とが前記吊り込み溝の延在方向に離間して配置されたシート用クッション材の上に、流体により膨出する流体セルを配置するステップと、
    前記流体セルに流体を供給する為のチューブを、前記貫通孔に挿通して前記シート用クッション材の裏面側に配策するステップと、
    裏面側に吊り込み部が設けられた表皮材で前記シート用クッション材を被覆して、前記吊り込み部を前記シート用クッション材に設けられた前記吊り込み係止部材に係止させるステップと、を含むことを特徴とする車両用シートの製造方法。
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