JPWO2019235470A1 - 化学強化ガラスおよび化学強化ガラスの製造方法 - Google Patents

化学強化ガラスおよび化学強化ガラスの製造方法 Download PDF

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Abstract

主表面から板厚方向に連続して20MPa以上の圧縮応力を有する圧縮応力層と、圧縮応力層より板厚方向の内部側に設けられるとともに、板厚方向に連続して引張応力を有する引張応力層と、を備えた板状の化学強化ガラスであって、圧縮応力層と引張応力層との間に低応力層を備え、低応力層は、板厚方向に連続して20MPa未満の圧縮応力および/または引張応力層の最大引張応力値の85%未満の引張応力を有し、且つ板厚の3.5%以上の厚さを有する、ことを特徴とする。

Description

本発明は、強化ガラス及びその製造方法に関し、特に、携帯電話、デジタルカメラ、PDA(携帯端末)、タッチパネルディスプレイのカバーガラスに好適な強化ガラス及びその製造方法に関する。
携帯電話(特にスマートフォン)、デジタルカメラ、PDA、タッチパネルディスプレイ、大型テレビ、非接触給電等のデバイスは、益々普及する傾向にある。これらの用途には、イオン交換処理された強化ガラスが用いられている。また、近年では、デジタルサイネージ、マウス、スマートフォン等の外装部品に強化ガラスを使用することが増えてきている。
化学強化ガラスは、イオン交換処理によって形成された圧縮応力層を表面に有することにより、表面におけるクラックの形成及び進展を抑制し、高い強度を得られる。強化ガラスの強度は、このような圧縮応力層の形成態様を調整することにより向上できるものと考えられている(例えば、特許文献1)。
国際公開第2013/088856号
しかしながら、より高い耐衝撃性を得ることについては未だ改良の余地が残されていた。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、従来技術に比べ、より高い耐衝撃性を有する化学強化ガラスを提供することを目的とする。
本発明の化学強化ガラスは、主表面から板厚方向に連続して20MPa以上の圧縮応力を有する圧縮応力層と、圧縮応力層より板厚方向の内部側に設けられるとともに、板厚方向に連続して引張応力を有する引張応力層と、を備えた板状の化学強化ガラスであって、圧縮応力層と引張応力層との間に低応力層を備え、低応力層は、板厚方向に連続して20MPa未満の圧縮応力および/または引張応力層の最大引張応力値の85%未満の引張応力を有し、且つ化学強化ガラスの板厚の3.5%以上の厚さを有する、ことを特徴とする。
本発明の化学強化ガラスにおいて、低応力層は、化学強化ガラスの板厚の8%以上の厚さを有する、ことが好ましい。
本発明の化学強化ガラスにおいて、化学強化ガラスの板厚をT(mm)とし、引張応力層の最大引張応力をMaxCT(MPa)とした場合に、下式(A)および下式(B)を満たす、ことが好ましい。
|(26.2×T − 36.442)× 0.76|≦MaxCT …(A)
MaxCT≦|(26.2×T − 36.442)× 1.4| …(B)
本発明の化学強化ガラスにおいて、低応力層の厚さは、化学強化ガラスの板厚の25%以下である、ことが好ましい。
本発明の化学強化ガラスにおいて、低応力層は、化学強化ガラスの板厚の6%以浅の位置から板厚中央方向へ延在する、ことが好ましい。
本発明の化学強化ガラスにおいて、板厚が1.0mm以下の板状であり、表面側および裏面側の双方に圧縮応力層および低応力層を各々備え、圧縮応力層における最大圧縮応力が750MPa以上であり、引張応力層における最大引張応力が5〜32MPaである、ことが好ましい。
本発明の化学強化ガラスにおいて、圧縮応力層における、表面から中央に向かう深さ方向の応力変化を最小二乗法を用いて直線近似した場合の単位厚さ当たりの応力変化量をA1(MPa/μm)とし、低応力層における、表面から中央に向かう深さ方向の応力変化を最小二乗法を用いて直線近似した場合の単位厚さ当たりの応力変化量をA2(MPa/μm)とすると、A1/A2>30を満たすことが好ましい。
本発明の化学強化ガラスにおいて、A1が、−80〜−25MPa/μmであることが好ましい。
本発明の化学強化ガラスにおいて、A2が、−1.5〜−0.1MPa/μmであることが好ましい。
本発明の化学強化ガラスは、ガラス組成として、質量%で、SiO 40〜70%、Al 10〜30%、B 0〜3%、NaO 5〜25%、KO 0〜5.5%、LiO 0〜10%、MgO 0%〜5.5%、MgO 0%〜5.5%、P 0〜10%を含有することが好ましい。
本発明の化学強化ガラスにおいて、ガラス組成として、質量%で、SiO 40〜70%、Al 10〜30%、B 0.1〜3%、NaO 5〜25%、KO 1〜5.5%、LiO 0.0001〜10%、MgO 0.1〜5.5%、P 2〜10%、SnO 0.01〜3%を含有する、ことが好ましい。
本発明の化学強化ガラスの製造方法は、ガラス組成として、質量%で、SiO 40〜70%、Al 10〜30%、B 0〜3%、NaO 5〜25%、KO 0〜5.5%、LiO 0〜10%、MgO 0%〜5.5%、MgO 0%〜5.5%、P 0〜10%を含有する強化用ガラスを第1溶融塩に浸漬して第1イオン交換処理を施した後、第2溶融塩に浸漬して第2イオン交換処理を施して化学強化ガラスを得る化学強化ガラスの製造方法であって、第1溶融塩は、第1イオン交換処理でガラスから離脱される離脱イオンを185000ppm以上含む溶融塩であり、第2溶融塩中の離脱イオンの濃度は、第1溶融塩中の離脱イオン濃度未満であり、第1イオン交換処理の処理時間は、第2イオン交換処理の処理時間の2倍以上であることを特徴とする。
本発明の、化学強化ガラスの製造方法において、離脱イオンは、ナトリウムイオンであり、第2溶融塩中の離脱イオンの濃度は、5000ppm未満であり、第2イオン交換処理の処理時間が60分未満である、ことが好ましい。
本発明によれば、従来技術に比べ、より高い耐衝撃性を有する化学強化ガラスを得られる。
本発明の実施形態に係る化学強化ガラスの部分断面の概略を示す図である。 本発明の実施形態に係る化学強化ガラスの厚さ方向の応力分布の例を示すグラフ図である。 本発明の実施例No.1に係る化学強化ガラスの応力分布を示すグラフ図である。 本発明の実施例における落下試験方法の概略図である。
以下、本発明の実施形態に係る化学強化ガラスについて説明する。
本発明の実施形態に係る化学強化ガラス1は、イオン交換により化学強化された板状のガラスである。化学強化ガラス1の板厚Tは任意に定めて良いが、例えば2.0mm以下、好ましくは1.0mm以下、より好ましくは0.1〜0.9mm、さらに好ましくは0.3〜0.6mmである。
化学強化ガラス1は、図1に示す通り、圧縮応力層2、引張応力層3、低応力層4を備える。図1は、本発明の実施形態に係る化学強化ガラス1における応力層の配置を示す模式断面図である。圧縮応力層2は、化学強化ガラス1の表裏の主表面各々に設けられている。また、引張応力層3は、板厚方向の中央部に、すなわち、圧縮応力層2より深い位置に形成されている。低応力層4は、圧縮応力層2と各引張応力層3との間に各々形成されている。
各応力層の応力分布は、例えば図2のように示される。図2のグラフにおいて、縦軸は応力を示し、横軸は一方主表面を基準とした板厚方向の位置(深さ)を示す。図2のグラフにおいて、正の値の応力は圧縮応力を示し、負の値の応力は引張応力を示す。すなわち、図2のグラフにおける応力は絶対値が大きいほど大きな応力であることが示される。なお、図2は理解のため誇張された概念図であり、本発明に係る化学強化ガラスの応力分布は言うまでもなくこの態様に限られるものでない。
圧縮応力層2は、主表面Sに沿って形成され、主表面Sから板厚方向に連続して20MPa以上の圧縮応力を有する層である。圧縮応力層2における最大圧縮応力MaxCSは、650MPa以上であることが好ましく、より好ましくは、700MPa以上、さらに好ましくは750〜1700MPaである。圧縮応力層2における圧縮応力は、例えば、主表面S近傍において最大となり、表面から中央に向かう深さ方向へ漸減する。なお、圧縮応力層2では、板厚方向に複数の圧縮応力のピークを有しても良い。
引張応力層3は、板厚方向に連続して最大引張応力値MaxCTの85%以上の引張応力を有する層である。
引張応力層3における最大引張応力値MaxCT(MPa)は、化学強化ガラス1の板厚をT(mm)とした場合に、下式(1)および下式(2)を満たすことが好ましい。
|(26.2×T − 36.442)× 0.76|≦MaxCT …(1)
MaxCT≦|(26.2×T − 36.442)× 1.4| …(2)
最大引張応力値MaxCTは、より好ましくは32MPa以下であり、さらに好ましくは25MPa以下、20MPa以下、最も好ましくは18MPa以下である。また、最大引張応力値MaxCTの下限は例えば、5MPa以上である。引張応力層3は板厚方向の中央部Cを含む領域に形成される。引張応力層3の引張応力は、中央部Cの近傍において最大となり、主表面Sへ向けて漸減する。
低応力層4は、圧縮応力層2および引張応力層3に比べて応力が小さく、所定の厚さ(深さ)にわたって形成された層である。具体的には、低応力層4は、板厚方向に連続して20MPa未満の圧縮応力および/または最大引張応力値MaxCTの85%未満の引張応力を有し、且つ板厚Tの3.5%以上の厚さを有する層である。したがって、低応力層4の厚みをΔDtwとすると下式(3)を満たす。
T×0.035≦ΔDtw …(3)
なお、低応力層4の厚さΔDtwは、好ましくは板厚Tの8%以上、より好ましくは板厚Tの10%以上、さらに好ましくは板厚Tの13〜25%の範囲内である。板厚Tが0.75mm以下である場合、低応力層4の厚さΔDtwは、板厚Tの20%以上であることが好ましい。なお、低応力層4には引張応力と圧縮応力が釣り合った応力値がゼロとなる領域も含まれる。
また、低応力層4は、主表面Sを基準として板厚Tの8%以浅(主表面S側)の位置から中央部C側へ引張応力層3まで延在することが好ましい。すなわち、主表面Sから低応力層4の表面側の端部(圧縮応力が20MPaとなる位置)までの深さDCtwは、下式(4)を満たすことが好ましい。
DCtw≦T×0.08 …(4)
なお、DCtwは、より好ましくは板厚Tの4%以浅、さらに好ましくは板厚Tの3%以浅に位置する。なお、本実施形態では、DCtwは実質的に圧縮応力層2の深さに等しい。
また、主表面から引張応力がMaxCTの85%となる位置までの深さをDTtwとすると、上述のΔDtwは、DTtwとDCtwとの差分により求められる。
圧縮応力層2における単位厚さ(深さ)当たりの深さ方向(表面から中央への板厚方向)の応力変化量をA1(MPa/μm)とし、低応力層4における単位厚さ(深さ)当たりの深さ方向(表面から中央への板厚方向)の応力変化量をA2(MPa/μm)とした場合、A1/A2は、30以上であることが好ましく、より好ましくは100以上、200以上である。なお、単位厚さ当たりの深さ方向の応力変化量A1、A2は、例えば、図2のような応力と深さ方向の応力変化を示すグラフにおいて、最小二乗法を用いて対応する層の部分を直線近似し、当該直線の傾きとして求めることができる。化学強化ガラス1は、板厚中心を中心に表裏対称の応力プロファイルを有することが好ましい。
A1は、−80〜−24MPa/μmであることが好ましく、A2は、−1.5〜−0.1MPa/μmであることが好ましい。
なお、化学強化ガラス1の応力およびその分布は、例えば、株式会社折原製作所製のFSM−6000LEおよびSLP−1000を用いて測定、ならびに合成した値を用いることができる。
本発明の化学強化ガラス1は、例えば、以下の要領で製造できる。まず、組成としてアルカリ金属酸化物を含み強化処理に供されるガラス(以下、強化用ガラスと称する)を用意する。次いで、強化用ガラスの表面に第1溶融塩を接触させてイオン交換処理(第1強化工程)を行った後、ガラスの表面に第1溶融塩よりKNO濃度の高い第2溶融塩を接触させてイオン交換を行う(第2強化工程)。より具体的には、強化用ガラスを第1溶融塩に浸漬した後、第2溶融塩に浸漬する。
強化用ガラスは、例えば、ガラス組成として、質量%で、SiO 40〜70%、Al 10〜30%、B 0〜3%、NaO 5〜25%、KO 0〜5.5%、LiO 0〜10%、MgO 0%〜5.5%、P 0〜10%を含有することが好ましい。
上記組成が好ましい理由を以下に示す。なお、各成分の含有範囲の説明において、%表示は、特に断りがない限り、質量%を指す。
SiOは、ガラスのネットワークを形成する成分である。SiOの含有量が少な過ぎると、ガラス化し難くなり、また耐酸性が低下し易くなる。よってSiOの好適な下限範囲は40%以上、40.5%以上、41%以上、41.5%以上、42%以上、42.5%以上、43%以上、44%以上、45%以上、46%以上、47%以上、48%以上、49%以上、特に50%以上である。一方、SiOの含有量が多過ぎると、溶融性や成形性が低下し易くなり、また熱膨張係数が低くなり過ぎて、周辺材料の熱膨張係数に整合させ難くなる。よってSiOの好適な上限範囲は70%以下、68%以下、65%以下、62%以下、60%以下、58%以下、57%以下、56%以下、55%以下、特に54%以下である。
Alは、イオン交換速度を高める成分であり、またヤング率を高めてビッカース硬度を高める成分である。更に分相発生粘度を高める成分である。Alの含有量は10〜30%である。Alの含有量が少な過ぎると、イオン交換速度やヤング率が低下し易くなる。よって、Alの好適な下限範囲は10%以上、11%以上、12%以上、13%以上、14%以上、14.5%以上、15%以上、15.5%以上、16%以上、16.5%以上、17%以上、17.5%以上、18%以上、18.5%以上、19%以上、特に19.5%以上である。一方、Alの含有量が多過ぎると、ガラスに失透結晶が析出し易くなって、オーバーフローダウンドロー法等で板状成形し難くなる。特に、成形体耐火物としてアルミナ耐火物を用いて、オーバーフローダウンドロー法で板状成形する場合、アルミナ耐火物との界面にスピネルの失透結晶が析出し易くなる。また耐酸性も低下し、酸処理工程に適用し難くなる。更には高温粘性が高くなり、溶融性が低下し易くなる。よって、Alの好適な上限範囲は30%以下、28%以下、26%以下、25%以下、24%以下、23.5%以下、23%以下、22.5%以下、22%以下、21.5%以下、特に21%以下である。
は、高温粘度や密度を低下させると共に、耐失透性を高める成分である。しかし、Bの含有量が多過ぎると、イオン交換速度(特に応力深さ)が低下し易くなる。またイオン交換によって、ヤケと呼ばれるガラス表面の着色が発生したり、耐酸性や耐水性が低下し易くなる。よって、Bの好適な範囲は0〜3%、0〜2.5%、0〜2%、0〜1.9%、0〜1.8%、0〜1.7%、0〜1.6%、0〜1.5%、0〜1.3%、特に0〜1%未満である。
NaOは、イオン交換成分であり、また高温粘度を低下させて、溶融性や成形性を高める成分である。また、NaOは、耐失透性、成形体耐火物、特にアルミナ耐火物との反応失透性を改善する成分でもある。NaOの含有量が少な過ぎると、溶融性が低下したり、熱膨張係数が低下し過ぎたり、イオン交換速度が低下し易くなる。よって、NaOの好適な下限範囲は5%以上、7%以上、8%以上、8.5%以上、9%以上、9.5%以上、10%以上、11%以上、12%以上、特に12.5%以上である。一方、NaOの含有量が多過ぎると、分相発生粘度が低下し易くなる。また耐酸性が低下したり、ガラス組成の成分バランスを欠き、かえって耐失透性が低下する場合がある。よって、NaOの好適な上限範囲は25%以下、22%以下、20%以下、19.5%以下、19%以下、18%以下、17%以下、16.5%以下、16%以下、15.5%以下、特に15%以下である。
Oは、高温粘度を低下させて、溶融性や成形性を高める成分である。更に耐失透性を改善したり、ビッカース硬度を高める成分でもある。しかし、KOの含有量が多過ぎると、分相発生粘度が低下し易くなる。また耐酸性が低下したり、ガラス組成の成分バランスを欠き、かえって耐失透性が低下する傾向がある。よって、KOの好適な下限範囲は0%以上、0.01%以上、0.02%以上、0.1%以上、0.5%以上、1%以上、1.5%以上、2%以上、2.5%以上、3%以上、特に3.5%以上であり、好適な上限範囲は5.5%以下、5%以下、特に4.5%未満である。
LiOは、イオン交換成分であり、また高温粘度を低下させて、溶融性や成形性を高める成分である。更にヤング率を高める成分である。またLiOは、イオン交換処理時に溶出して、イオン交換溶液を劣化させる成分である。よって、LiOの好適な含有量は0〜10%、0〜5%、0〜2%、0〜1%、0〜1%未満、0〜0.5%、0〜0.3%、0〜0.1%、特に0.0001〜0.05%である。
MgOは、高温粘度を低下させて、溶融性や成形性を高める成分である。また、ヤング率を高めてビッカース硬度を高めたり、耐酸性を高める成分でもある。よって、MgOの好適な下限範囲は0%以上、0.1%以上、0.5%以上、1%以上、1.5%以上、特に2%以上である。しかし、MgOの含有量が多過ぎると、イオン交換速度が低下し易くなり、またガラスが失透し易くなる傾向がある。特に、成形体耐火物としてアルミナ耐火物を用いて、オーバーフローダウンドロー法で板状成形する場合、アルミナ耐火物との界面にスピネルの失透結晶が析出し易くなる。よって、MgOの好適な上限範囲は5.5%以下、4.5%以下、4%以下、3.5%以下、3%以下、特に2.5%以下である。
は、圧縮応力値を維持した上で、イオン交換速度を高める成分である。よって、Pの好適な下限範囲は0%以上、2%以上、2.5%以上、3%以上、4%以上、特に4.5%以上である。しかし、Pの含有量が多過ぎると、ガラスに分相による白濁が生じたり、耐水性が低下し易くなる。よって、Pの好適な上限範囲は10%以下、8.5%以下、8%以下、7.5%以下、7%以下、6.5%以下、6.3%以下、6%以下、5.9%以下、5.7%以下、5.5%以下、5.3%以下、5.1%以下、特に5%以下である。
清澄剤として、Cl、SO、CeOの群(好ましくはCl、SOの群)から選択された一種又は二種以上を0〜3%添加してもよい。
SnOは、イオン交換性能を高める効果を有する。よって、SnOの含有量は0〜3%、0.01〜3%、0.05〜3%、特に0.1〜3%、特に0.2〜3%が好ましい。
Feの含有量は1000ppm未満(0.1%未満)、800ppm未満、600ppm未満、400ppm未満、特に300ppm未満が好ましい。このようにすれば、板厚1mmにおける透過率(400〜770nm)が向上し易くなる。
Nb、La等の希土類酸化物は、ヤング率を高める成分である。しかし、原料自体のコストが高く、また多量に添加すると、耐失透性が低下し易くなる。よって、希土類酸化物の含有量は3%以下、2%以下、1%以下、0.5%以下、特に0.1%以下が好ましい。
また、上記強化用ガラスは環境的配慮から、ガラス組成として、実質的にAs、Sb、PbOを含有しないことが好ましい。また、環境的配慮から、実質的にBi、Fを含有しないことも好ましい。
強化用ガラスは、より好ましくはガラス組成として、質量%で、SiO 40〜70%、Al 10〜30%、B 0.1〜3%、NaO 5〜25%、KO 1〜5.5%、LiO 0.01〜10%、MgO 0.1〜5.5%、P 2〜10%、SnO 0.01〜3%を含有する。
なお、上述の強化用ガラスの組成は一例であり、イオン交換による化学強化が可能であれば周知の組成を有する強化用ガラスを用いて良い。
なお、上記強化用ガラスをイオン交換処理して得られる化学強化ガラスの組成は、イオン交換処理前の強化用ガラスの組成と同様の組成となる。
上記強化用ガラスは以下のようにして作製することができる。
まず上述のガラス組成になるように調合したガラス原料を連続溶融炉に投入して、1500〜1600℃で加熱溶融し、清澄した後、成形装置に供給した上で板状等に成形し、徐冷することにより、強化用ガラスを作製することができる。
ガラス板を成形する方法として、オーバーフローダウンドロー法を採用することが好ましい。オーバーフローダウンドロー法は、大量に高品位なガラス板を作製できると共に、大型のガラス板も容易に作製できる方法であり、またガラス板の表面の傷を可及的に低減することができる。なお、オーバーフローダウンドロー法では、成形体として、アルミナやデンスジルコンが使用される。本発明に係る強化用ガラスは、アルミナやデンスジルコン、特にアルミナとの適合性が良好である(成形体と反応して泡やブツ等を発生させ難い)。
オーバーフローダウンドロー法以外にも、種々の成形方法を採用することができる。例えば、フロート法、ダウンドロー法(スロットダウン法、リドロー法等)、ロールアウト法、プレス法等の成形方法を採用することができる。
強化用ガラスを成形した後、或いは成形と同時に、必要に応じて曲げ加工を行ってもよい。また必要に応じて、切断加工、孔開け加工、表面研磨加工、面取り加工、端面研磨加工、エッチング加工等の加工を行ってもよい。
強化用ガラスの寸法は任意に定めて良いが、厚みは2.0mm以下、1.5mm以下、1.3mm以下、1.1mm以下、1.0mm以下、0.8mm以下、0.7mm以下、0.55mm以下、0.5mm以下、0.45mm以下、0.4mm以下、0.35mm以下、特に0.30mm以下が好ましい。一方、板厚が薄過ぎると、所望の機械的強度を得難くなる。よって、板厚は0.05mm以上、0.10mm以上、0.15mm以上、特に0.20mm以上が好ましい。
上述のようにして得た強化用ガラスに対して、複数回のイオン交換処理を行う。本実施形態では2回のイオン交換処理を実施する場合を一例として説明する。具体的には第1強化工程の後、第2強化工程を実施する。
第1強化工程では、第1溶融塩で満たされた槽に強化用ガラスを浸漬し、所定温度にて所定時間保持することにより、強化用ガラス表面のイオン交換処理を行う。
第1溶融塩は、強化用ガラスの組成に予め含まれイオン交換において離脱するアルカリ金属イオン(離脱イオン)の硝酸塩と、イオン交換により強化用ガラスに導入されるアルカリ金属イオン(導入イオン)の硝酸塩との混合塩を主成分として構成される。本実施形態では、離脱イオンがナトリウムイオンであり、導入イオンがカリウムイオンである場合について説明する。すなわち、本実施形態において、第1溶融塩は、NaNOおよびKNOを主成分とする混合塩である。
第1溶融塩における離脱イオンの濃度は、185000ppm(18.5%)以上である。第1溶融塩における離脱イオンの濃度は、好ましくは190000ppm(19.0%)以上、より好ましくは195000〜205000ppm(19.5〜20.5%)である。このような第1溶融塩を用いることにより、十分な深さの低応力層4を形成し易くなる。
第1強化工程のイオン交換処理における第1溶融塩の温度(第1強化温度)は、第2強化工程のイオン交換処理における第2溶融塩の温度(第2強化温度)より高い温度であることが好ましい。具体的には、第1強化工程におけるイオン交換処理温度は、420℃以上であることが好ましく、より好ましくは430℃以上、さらに好ましくは440〜500℃である。
第1強化工程におけるイオン交換処理時間(第1強化時間)は、第2強化工程におけるイオン交換処理時間(第2強化時間)より3倍以上長く、好ましくは5倍以上、さらに好ましくは10〜200倍である。第1強化時間は、好ましくは2時間以上であり、さらに好ましくは10〜200時間である。第1強化工程におけるイオン交換処理時間を長くすることによって、低応力層4を深く形成し得るため、生産性が低下しない範囲で当該処理時間を長くすることが好ましい。
第1強化工程において第1溶融塩に浸漬される強化用ガラスは、予め第1強化温度まで予熱されていても良く、常温の状態のまま第1溶融塩に浸漬させても良い。なお、本発明において常温とは1〜40℃を指す。
第1強化工程の処理を完了した強化用ガラス(以下、一次強化ガラスと称する)は、第1溶融塩から引き出され、第2強化工程の処理に供される。この際、第2強化工程の処理を施す前に、予め一次強化ガラスを洗浄工程で洗浄しておくことが好ましい。洗浄を行うことによって、一次強化ガラスに付着していた付着物を除去しやすくなり、第2強化工程において、より均一にイオン交換処理を行うことができる。
第2強化工程では、第2溶融塩で満たされた槽に一次強化ガラスを浸漬することにより、一次強化ガラス表面をさらにイオン交換処理する。
第2溶融塩における離脱イオンの濃度は、第1溶融塩における離脱イオンの濃度未満である。すなわち、本実施形態において、第2溶融塩のナトリウムイオン濃度は、第1溶融塩のナトリウムイオン濃度より小さくなるよう調整される。具体的には、第2溶融塩の離脱イオンの濃度は、5000ppm未満であることが好ましく、より好ましくは3000ppm未満、さらに好ましくは1000〜1ppmである。第2溶融塩としては、例えば、KNOのみからなる溶融塩を用いることができる。
また、第2溶融塩における導入イオンの濃度は、第1溶融塩における導入イオンの濃度より大きく調整されることが好ましい。すなわち、本実施形態において、第2溶融塩におけるカリウムイオンの濃度は、第1溶融塩におけるカリウムイオンの濃度より大きく設定されることが好ましい。
また、第2溶融塩においてイオン半径の小さいアルカリ金属イオン(例えばLiイオン、Naイオン、特にNaイオン)の含有割合は、第1溶融塩中のそれよりも少ないことが好ましい。これにより、応力深さを深く形成しつつ、最表面における大きなアルカリ金属イオンの濃度を高め易くなる。なお、アルカリ金属イオンの大きさは、Liイオン<Naイオン<Kイオン(カリウムイオン)<Ceイオン<Rbイオンの関係である。
上記の通り第2溶融塩を構成することにより、表面近傍に高い圧縮応力層2を形成することが出来る。
第2強化工程のイオン交換温度は、第1強化工程のイオン交換温度よりも10℃以上、20℃以上、30℃以上、特に50℃以上低いことが好ましい。具体的には、第2強化工程のイオン交換温度は350〜410℃未満、特に360〜400℃未満が好ましい。
第2強化工程のイオン交換処理時間は、第1強化工程のイオン交換処理時間よりも相対的に短い。第2強化工程のイオン交換処理時間は、好ましくは20時間以内、より好ましくは0.5〜15時間となるよう設定される。イオン交換処理の合計時間を短く制御することにより、引張応力層3における引張応力を小さな値に制御し易くなる。
以上に説明した第1強化工程および第2強化工程の条件範囲において処理時間や処理温度を適宜調整することより、上述特性の本発明の化学強化ガラス1を得られる。
なお、上記第2強化工程の後に、切断加工、孔開け加工、表面研磨加工、面取り加工、端面研磨加工、エッチング加工、成膜加工等の各種加工を行ってもよい。
また、上記実施形態では第1強化工程および第2強化工程の2回の強化処理を行う例について説明したが、3回以上の強化処理を実施しても良い。
また、上記実施形態では離脱イオンとしてガラス中のナトリウムイオンをイオン交換する場合を例示したが、本発明は他のイオンのイオン交換についても適用し得る。例えば、離脱イオンがリチウムイオンであり、導入イオンがナトリウムイオンおよび/またはカリウムイオンであってもよい。特に、強化用ガラスがLiOを質量%で2%以上含有する場合、第1溶融塩として、上記実施形態と同様にNaNOおよびKNOの混合塩を用いることができ、さらにLiNOを添加してもよい。すなわち、第1溶融塩として、LiNOと、NaNOおよび/またはKNOとの混合塩を用いることもできる。
また、上記実施形態では、化学強化ガラス1が表裏主面の双方側に圧縮応力層2および低応力層4を備える例を示したが、表裏主面のうち一方側にのみ圧縮応力層2および低応力層4を備えても良い。
また、上記実施形態において化学強化ガラス1は平坦な板状であるが、本発明における板状の概念には、曲面を有する曲げ板状の形態も含まれる。
(実施例)
以下、本発明に係る強化ガラスについて実施例に基づいて説明する。なお、以下の実施例は単なる例示であって、本発明は、以下の実施例に何ら限定されない。
次のようにして試料を作製した。まずガラス組成として組成Aおよび組成Bを各々有する二種の強化用ガラスを用意した。
組成Aのガラスは、質量%で、SiO 53.59%、Al 20.0%、B 0.5%、KO 4.4%、NaO 13.7%、LiO 0.01%、MgO 2.1%、P 5.4%、SnO 0.3%を含む。
組成Bのガラスは、質量%で、SiO 61.69%、Al 18%、B 0.5%、KO 2.0%、NaO 14.5%、LiO 0.01%、MgO 3%、SnO 0.3%を含む。
上述の各組成となるよう、組成ごとにガラス原料を調合し、白金ポットを用いて1600℃で21時間溶融した。その後、得られた溶融ガラスを、オーバーフローダウンドロー法を用いて耐火物成形体から流下成形して、厚さ0.8mmの板状に成形した。
次いで、上記強化用ガラスを表1に示す条件でKNO溶融塩浴に浸漬して、イオン交換処理を行うことにより板状の化学強化ガラス(試料No.1〜8)を得た。なお、Naイオン濃度の標記のある工程では、溶融塩のNaイオン濃度が表に記載の濃度となるように、KNO溶融塩にNaNO溶融塩を添加して調整した。Naイオン濃度の標記の無い工程では、KNO100%の溶融塩を用いてイオン交換処理を行った。
なお、試料No.1〜5は第1強化工程および第2強化工程の2回の強化処理を行い、試料No.6〜8は第1強化工程の1回の強化処理のみを行った。試料No.1〜5は本発明の実施例であり、試料No.6〜8は比較例である。
このようにして得られた化学強化ガラスについて、以下の通り測定した各種特性、および強度試験の結果を表1に示す。
Figure 2019235470
まず、各試料の応力分布を測定した。応力分布は、折原製作所社製の表面応力計FSM−6000LEおよびSLP−1000を用いて測定し、これらの装置が予め備えるデータ合成機能を用いて測定結果を合成したものである。なお、測定に当たり、試料の屈折率を1.50、光学弾性定数を28.9[(nm/cm)/MPa]と設定して測定を行った。
測定した応力プロファイルの一例を図3に示す。図3は、No.1の化学強化ガラス試料の板厚方向の応力分布を示すグラフである。図3において横軸は一方主表面からの深さ(μm)を示し、縦軸は応力の大きさ(MPa)を示す。なお、図3において、圧縮応力は正の値、引張応力は負の値によって示される。図3は、一方主面からガラスの厚さ方向に深さμmまでの分布を示す。
上記のようにして測定した応力分布に基づいて、表1に示す以下の特性を算出した。
表1において、MaxCSは、圧縮応力層2における最大圧縮応力値を示す。MaxCTは、引張応力層3の最大引張応力値を示す。
DCtwは、主表面から圧縮応力が20MPaとなる位置までの深さを示す。すなわち、DCtwは、本発明における圧縮応力層2の終端位置を示す。DTtwは、主表面から引張応力がMaxCTの85%となる位置までの深さを示す。すなわち、DTtwは、本発明における引張応力層3の開始位置を示す。ΔDtwは、低応力層4の厚さである。ΔDtwは、DTtwとDCtwとの差分により求められる。図1および図2に示すように、低応力層4は、それぞれの主面毎に存在するが、ΔDtwは、いずれか一方の低応力層4の厚さである。
A1は、圧縮応力層2における単位厚さ当たりの深さ方向(表面から中央への板厚方向)の応力変化量である。A2は、低応力層4における単位厚さ当たりの深さ方向(表面から中央への板厚方向)の応力変化量である。なお、単位厚さ当たりの深さ方向の応力変化量A1、A2は、例えば、図2のような応力と深さ方向の応力変化を示すグラフにおいて、最小二乗法を用いて対応する層の部分を直線近似し、当該直線の傾きとして求めることができる。
落下破壊高さは、図4に示すように、擬似筐体20、ガラス試料(化学強化ガラス1)、サンドペーパー40の順に積層した状態で、鉄製の定盤90の上に落下させた際にガラス試料(化学強化ガラス1)が破損する高さを示す。具体的には、先ず、幅65mm、長さ130mの大きさ且つ表1記載の厚さに加工したガラス試料(化学強化ガラス1)の一方主表面に擬似筐体20を貼り付ける。擬似筐体20は携帯端末を模した、幅70mm、長さ140mm、厚さ8mmの質量110gのポリカーボネート製厚板部材である。ガラス試料(化学強化ガラス1)と擬似筐体20とは厚さ150μmの光学粘着フィルム30を間に挟むことにより接着される。
次いで、ガラス試料(化学強化ガラス1)の他方主表面(擬似筐体と接着された主表面とは逆側の主表面)に、サンドペーパー40の表面(研磨材が設けられた面)が当接するようにサンドペーパー40を貼り付ける。サンドペーパー40は幅60mm、長さ120mmの寸法であり、ガラス試料(化学強化ガラス1)の他方主表面の中央部に配置される。この時、ガラス試料(化学強化ガラス1)の周縁部がサンドペーパー40よりはみ出すように配置される。このようにしてはみ出したガラス試料1の裏面(研磨材が設けられていない面)周縁部と、サンドペーパー40の端部の双方を複数箇所において複数のビニールテープ片50で貼り付けることにより、サンドペーパー40をガラス試料(化学強化ガラス1)に貼り付ける。ビニールテープ片50は幅19mm、長さ10mm、厚み0.1mmであり、貼り付け箇所は、サンドペーパー40の各短辺の中央部である。なお、サンドペーパー40としては、理研コランダム社製SiCサンドペーパーP180および同社製SiCサンドペーパーP100を用い、各々の番手における落下破壊高さを測定した。
このようにして得られた試験体をサンドペーパーが下方となるよう水平姿勢で保持し、定盤90へ向けて、ガラス試料(化学強化ガラス1)が破損するまで、落下高さを上げながら繰返し落下させた。より詳細には、本願では試験体をエアシリンダーからなる挟持手段で挟持し、挟持手段ごと落下を開始し、定盤90の盤面20cm手前の位置でエアシリンダーによる挟持を解除することにより、試験体が水平姿勢を維持したまま定盤90へ落下するよう試験を行った。サンドペーパーは、一度の落下試験を行う毎に新品に取り替えた。落下高さは、落下面から20cmの高さを基準とし、ガラス試料(化学強化ガラス1)が破損しなかった場合はP180では10cmずつ、P100では5cmずつ高さを上昇させるよう設定した。
実施例の試料は何れも、低応力層を有していたため、比較例に示すガラスに比べ、落下破壊高さが高く、高い耐衝撃性を有していた。
本発明の化学強化ガラスは、例えば、携帯電話(特にスマートフォン)、タブレットコンピュータ、デジタルカメラ、タッチパネルディスプレイ、大型テレビ等の部品として利用可能である。
1 化学強化ガラス
2 圧縮応力層
3 引張応力層
4 低応力層
20 擬似筐体
30 光学粘着フィルム
40 サンドペーパー
50 ビニールテープ片
90 定盤

Claims (13)

  1. 主表面から板厚方向に連続して20MPa以上の圧縮応力を有する圧縮応力層と、前記圧縮応力層より板厚方向の内部側に設けられるとともに、板厚方向に連続して引張応力を有する引張応力層と、を備えた板状の化学強化ガラスであって、
    前記圧縮応力層と前記引張応力層との間に低応力層を備え、
    前記低応力層は、
    板厚方向に連続して20MPa未満の圧縮応力および/または前記引張応力層の最大引張応力値の85%未満の引張応力を有し、
    且つ化学強化ガラスの板厚の3.5%以上の厚さを有する、
    ことを特徴とする化学強化ガラス。
  2. 前記低応力層は、化学強化ガラスの板厚の8%以上の厚さを有する、ことを特徴とする請求項1に記載の化学強化ガラス。
  3. 化学強化ガラスの板厚をT(mm)とし、前記引張応力層の最大引張応力をMaxCT(MPa)とした場合に、下式(A)および下式(B)を満たす、ことを特徴とする請求項1または2に記載の化学強化ガラス。
    |(26.2×T − 36.442)× 0.76|≦MaxCT …(A)
    MaxCT≦|(26.2×T − 36.442)× 1.4| …(B)
  4. 前記低応力層の厚さは、化学強化ガラスの板厚の25%以下である、ことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の化学強化ガラス。
  5. 前記低応力層は、化学強化ガラスの板厚の6%以浅の位置から板厚中央方向へ延在する、ことを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の化学強化ガラス。
  6. 板厚が1.0mm以下の板状であり、
    表面側および裏面側の双方に前記圧縮応力層および前記低応力層を各々備え、
    前記圧縮応力層における最大圧縮応力が750MPa以上であり、
    前記引張応力層における最大引張応力が5〜32MPaである、ことを特徴とする請求項1から5の何れかに1項に記載の化学強化ガラス。
  7. 前記圧縮応力層における、表面から中央に向かう深さ方向の応力変化を最小二乗法を用いて直線近似した場合の単位厚さ当たりの応力変化量をA1(MPa/μm)とし、
    前記低応力層における、表面から中央に向かう深さ方向の応力変化を最小二乗法を用いて直線近似した場合の単位厚さ当たりの応力変化量をA2(MPa/μm)とすると、
    A1/A2≧30を満たす、ことを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の化学強化ガラス。
  8. A1が、−80〜−25MPa/μmであることを特徴とする請求項7に記載の化学強化ガラス。
  9. A2が、−1.5〜−0.1MPa/μmであることを特徴とする請求項7または8に記載の化学強化ガラス。
  10. ガラス組成として、質量%で、SiO 40〜70%、Al 10〜30%、B 0〜3%、NaO 5〜25%、KO 0〜5.5%、LiO 0〜10%、MgO 0%〜5.5%、MgO 0%〜5.5%、P 0〜10%を含有する、請求項1から9の何れか1項に記載の強化ガラス。
  11. ガラス組成として、質量%で、SiO 40〜70%、Al 10〜30%、B 0.1〜3%、NaO 5〜25%、KO 1〜5.5%、LiO 0.0001〜10%、MgO 0.1〜5.5%、P 2〜10%、SnO 0.01〜3%を含有する、請求項10に記載の強化ガラス。
  12. ガラス組成として、質量%で、SiO 40〜70%、Al 10〜30%、B 0〜3%、NaO 5〜25%、KO 0〜5.5%、LiO 0〜10%、MgO 0%〜5.5%、MgO 0%〜5.5%、P 0〜10%を含有する強化用ガラスを第1溶融塩に浸漬して第1イオン交換処理を施した後、第2溶融塩に浸漬して第2イオン交換処理を施して化学強化ガラスを得る化学強化ガラスの製造方法であって、
    前記第1溶融塩は、前記第1イオン交換処理でガラスから離脱される離脱イオンを185000ppm以上含む溶融塩であり、
    前記第2溶融塩中の前記離脱イオンの濃度は、前記第1溶融塩中の離脱イオン濃度未満であり、
    第1イオン交換処理の処理時間は、第2イオン交換処理の処理時間の2倍以上である、ことを特徴とする化学強化ガラスの製造方法。
  13. 前記離脱イオンは、ナトリウムイオンであり、
    前記第2溶融塩中の前記離脱イオンの濃度は、5000ppm未満であり、
    第2イオン交換処理の処理時間が60分未満である、ことを特徴とする請求項12に記載の化学強化ガラスの製造方法。
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