JPWO2019229947A1 - 超電導マグネットおよび超電導マグネットの製造方法 - Google Patents

超電導マグネットおよび超電導マグネットの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2019229947A1
JPWO2019229947A1 JP2020522516A JP2020522516A JPWO2019229947A1 JP WO2019229947 A1 JPWO2019229947 A1 JP WO2019229947A1 JP 2020522516 A JP2020522516 A JP 2020522516A JP 2020522516 A JP2020522516 A JP 2020522516A JP WO2019229947 A1 JPWO2019229947 A1 JP WO2019229947A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
superconducting
wire
cross
wire rod
rod portion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020522516A
Other languages
English (en)
Inventor
友輔 森田
友輔 森田
正義 大屋
正義 大屋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Publication of JPWO2019229947A1 publication Critical patent/JPWO2019229947A1/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F6/00Superconducting magnets; Superconducting coils
    • H01F6/06Coils, e.g. winding, insulating, terminating or casing arrangements therefor
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F41/00Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties
    • H01F41/02Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties for manufacturing cores, coils, or magnets
    • H01F41/04Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties for manufacturing cores, coils, or magnets for manufacturing coils
    • H01F41/048Superconductive coils
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F6/00Superconducting magnets; Superconducting coils
    • H01F6/06Coils, e.g. winding, insulating, terminating or casing arrangements therefor
    • H01F6/065Feed-through bushings, terminals and joints

Abstract

この発明の超電導マグネットは、巻回された超電導線材を備えている。超電導線材は、巻回された位置に応じた磁束密度の大きさの違いに基づいて、磁束密度が比較的小さい部分の断面積が、磁束密度が比較的大きい部分の断面積より小さく形成された構成部分を有している。

Description

この発明は、超電導線材がコイルとして巻かれることにより磁場を発生する超電導マグネットに関するものである。
超電導マグネットにおいて、超電導マグネットの軸方向の中心磁場を均一にするためには、超電導線材が巻かれることにより形成される複数のコイルを、超電導マグネットの軸方向および径方向に分散して配置する必要がある。従来の超電導マグネットでは、テープ状である超電導線材を用いて、各コイルを形成していた(例えば、特許文献1参照)。この場合、超電導線材の幅は、超電導マグネット全体にわたって超電導線材が延びる方向について一定である。
特開平4−188706号公報
しかしながら、各コイルを超電導マグネットの軸方向および径方向に配置すると、各コイルの位置に応じて、磁束密度により、超電導線材の負荷率が大きく異なる。ここで、負荷率とは、臨界電流に対する運転電流で表される。特許文献1に記載された超電導マグネットでは、超電導線材の幅が、超電導マグネット全体にわたって一定である。そのため、超電導線材の負荷率が小さい部分では、過度な線材幅を有していることになり、超電導線材が無駄に用いられていた。そこで、このような無駄な超電導線材をなくすことで、超電導マグネットの製作費用を抑制することが望まれている。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであって、製作費用を抑制することができる超電導マグネットを提供することを目的とするものである。
この発明の超電導マグネットは、巻回された超電導線材を備え、超電導線材は、巻回された位置に応じた磁束密度の大きさの違いに基づいて、磁束密度が比較的小さい部分の断面積が、磁束密度が比較的大きい部分の断面積より小さく形成された構成部分を有するものである。
この発明による超電導マグネットでは、超電導線材の幅を負加率に応じて異ならせることで、無駄な超電導線材を減らすことができ、超電導線材を有効に利用することができる。これにより、超電導マグネットの製作費用を抑制することができる。
この発明の実施の形態1による超電導マグネットを示す部分断面図を含む斜視図である。 図1の超電導線材を示す断面図である。 2つの超電導線材を接続する状態を示す厚さ方向の断面図である。 この発明の実施の形態2による超電導マグネットの超電導線材を示す断面図である。 コイルを接続する状態を示す模式図である。 この発明の実施の形態3による超電導マグネットの超電導線材を示す断面図である。
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、各図において、同一もしくは相当部分は、同一符号で示し、重複する説明は、省略する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による超電導マグネットを示す部分断面図を含む斜視図である。ここで、断面図は、図1の矢印Rが示す超電導マグネット1の径方向、および図1の矢印Zが示す超電導マグネット1の軸方向を含む面を示している。以下の説明では、矢印Rが示す超電導マグネット1の径方向のことを径方向Rと表現し、矢印Zが示す超電導マグネット1の軸方向のことを軸方向Zと表現する。
この実施の形態1による超電導マグネット1は、巻回された一連の超電導線材10を備えている。超電導マグネット1は、6つのコイル101〜106を有している。6つのコイル101〜106は、軸方向Zに沿って積層されている。
6つのコイル101〜106は、それぞれパンケーキコイルであり、超電導線材10がそれぞれ円形に巻かれることによって形成されている。この例では、各コイル101〜106において、超電導線材10が3周ずつ巻かれている。6つのコイル101〜106のそれぞれの超電導線材10は、一連となるように互いに接続されている。例えば、コイル101の超電導線材10の一端部は、コイル102の超電導線材10の一端部と接続されている。
ここで、超電導線材の種類について説明する。超電導線材には、低温超電導線材と高温超電導線材とがある。高温超電導線材には、REBCO線材(希土類元素を含む銅酸化物超電導体で構成される線材。以下、薄膜線材と記載する)と、ビスマス系線材とがある。薄膜線材およびビスマス系線材は、ともにテープ状の線材である。薄膜線材には、超電導層を蒸着等により形成するための基板があるが、ビスマス系線材には基板がない。この例では、薄膜線材を用いている。
超電導線材10の長手方向に垂直な面の形状は、幅および厚さを有する長方形形状である。超電導線材10は、厚さ方向が径方向Rとなるように巻かれている。超電導線材10の厚さは、例えば、数十μmから数百μmである。
超電導線材10の径方向Rの外側には、伝導冷却板60が設けられている。伝導冷却板60は、超電導線材10を冷却する。超電導線材10および伝導冷却板60は、円筒形状のブラケット70に収容されている。
図2は、図1の超電導線材を示す断面図である。なお、図2では、伝導冷却板60の記載を省略している。超電導線材10の幅は、軸方向Zにおける長さである。6つのコイル101〜106のうち、4つのコイル101、コイル102、コイル105およびコイル106は、第2の幅d2を有する第2の線材部12によりそれぞれ構成されている。2つのコイル103およびコイル104は、第1の幅d1を有する第1の線材部11によりそれぞれ構成されている。2つの第1の線材部11は、軸方向Zについて、第2の線材部12より中央側、すなわち、第2の線材部12に挟まれるように設けられている。そして、超電導線材10は、幅が同じ第1の線材部11同士、幅が同じ第2の線材部12同士、および幅が異なる第1の線材部11と第2の線材部12とが、一連に接続されている。
ここで、第1の幅d1は、第2の幅d2より小さい。第1の線材部11における超電導線材10の厚さは、第2の線材部12における超電導線材10の厚さと同一である。したがって、各第1の線材部11の第1の断面積S1は、各第2の線材部12の第2の断面積S2より小さい。
図3は、2つの超電導線材を接続する状態を示す厚さ方向の断面図である。この例では、2つの超電導線材81および超電導線材82は、絶縁テープ805、基板800、中間層801、超電導体である超電導層802、保護層803、安定化層804、および絶縁テープ805を、図3の矢印Tが示す厚さ方向に沿ってそれぞれ有している。基板800から安定化層804は、絶縁テープ805によって巻かれている。安定化層804は、例えば、銅で形成されている。超電導線材82は、上下を逆転させている。
2つの超電導線材81および82を接続する場合、まず、それぞれの絶縁テープ805の一部を剥離し、安定化層804を露出させる。次に、それぞれの安定化層804を対向させ、例えば、はんだによって接続する。次に、接続された部分を、例えば、絶縁テープで覆い、接続された部分を保護する。なお、超電導線材がテープ状であれば、上記で説明した構造に限らず用いることができる。
超電導線材82が超電導線材81と接続されている側と反対側においては、超電導線材82に対して、図3の下側から超電導線材が接続される。したがって、超電導線材82は、超電導線材82が接続されるごとに、表裏が入れ替わっている。隣り合うコイルは、磁束の方向を同一とするため、隣り合うコイルの巻方向は、互いに逆となっている。
次に、超電導マグネット1の作用について説明する。コイルにおける磁束密度が小さい場合、そのコイルを構成する超電導線材の臨界電流は、大きくなる。そして、直列接続されたコイルを流れる電流は一定である。そのため、磁束密度が小さいコイルを構成する超電導線材の負荷率は、磁束密度が大きいコイルを構成する超電導線材の負荷率よりも小さくなる。すなわち、磁束密度が大きくなれば負荷率が上昇し、磁束密度が小さくなれば負荷率が低下する関係にある。
複数のコイルが超電導マグネットの軸方向について積層されている場合、軸方向の中央側のコイルにおける磁束密度は、軸方向の両端側のコイルにおける磁束密度より小さい。そのため、超電導マグネットの軸方向について、中央側のコイルを構成する超電導線材の負荷率は、両端側のコイルを構成する超電導線材の負荷率より小さい。超電導線材の負荷率が小さい場合、超電導線材の断面積を小さくしても、超電導線材は、超電導状態を維持しながら電流を流すことができる。
図2に示した例では、6つのコイル101〜106が超電導マグネット1の軸方向Zについて積層されている。2つの第1の線材部11は、超電導マグネットの軸方向Zについて、4つの第2の線材部12よりも中央側に設けられている。すなわち、第1の線材部11が巻回された軸方向Zの中央部の磁束密度は、第2の線材部12が巻回された軸方向Zの両端部の磁束密度より小さい。このため、第1の線材部11の負荷率は、第2の線材部12の負荷率より小さい。
したがって、第1の線材部11における第1の幅d1を小さくすることにより、第1の線材部11における第1の断面積S1を第2の線材部12における第2の断面積S2より小さくしている。そのため、超電導線材の使用量および重量を低減させた上で、超電導線材を有効に利用することができる。これにより、超電導マグネットの製作費用を抑制することができる。また、軸方向に小型化した超電導マグネットを製作することができる。
ここで、第1の線材部11の第1の断面積S1は、超電導線材10の断面積の中で最小であり、第2の線材部12の第2の断面積S2は、超電導線材10の断面積の中で最大である。そのため、最小の断面積を有する第1の線材部11は、最大の断面積を有する第2の線材部12より、超電導マグネット1の軸方向内側に設けられている。これにより、超電導マグネットの製作費用を抑制することができる。
なお、この実施の形態1では、超電導線材10が断面積の異なる2種類の線材部を有する場合について説明したが、断面積の異なる3種類以上の線材部を有する場合においても、同様の効果が得られる。
ここで、超電導線材の種類によって、断面積の大きさに関係する磁束密度の成分について説明する。超電導線材が低温超電導線材である場合には、磁束密度の絶対値が小さい場合に超電導線材の臨界電流は大きくなるため、超電導線材の断面積を小さくすることができる。
一方、超電導線材が高温超電導線材である場合には、超電導線材が巻回されている超電導マグネットの径方向における磁束密度の成分が小さい場合に、超電導線材の臨界電流は大きくなり、超電導線材の断面積を小さくすることができる。これは、高温超電導線材の場合、磁場特性が異方性を有するためである。
この実施の形態1では、超電導線材10は、高温超電導線材である。そのため、超電導線材10の断面積は、磁束密度における超電導マグネット1の径方向成分によって変えることができる。第1の線材部11は、磁束密度における超電導マグネット1の径方向成分が比較的小さい、軸方向Zの内側に巻回され、第2の線材部12は、磁束密度における超電導マグネット1の径方向成分が比較的大きい、軸方向Zの外側に巻回されている。したがって、第1の線材部11において、超電導線材10の断面積、すなわち超電導線材10の幅を小さくしている。
この実施の形態1の超電導マグネットによれば、超電導線材が巻回された位置に応じた磁束密度が比較的小さい部分の超電導線材の断面積を、磁束密度が比較的大きい部分の超電導線材の断面積より小さくしている。より具体的には、磁束密度が比較的小さい部分では、負荷率が小さくなるため、超電導線材の長手方向に垂直な面の断面積が小さい超電導線材を用いている。その結果、無駄な超電導線材を削減した上で、超電導線材を有効に利用することができ、超電導マグネットの製作費用を抑制することができる。
この実施の形態1の超電導マグネットによれば、超電導線材の幅を変えている。ここで、超電導線材の幅は、超電導線材の厚さと比較して変更が容易である。その結果、磁束密度の違いに応じて、異なる幅の超電導線材を用いることで、超電導マグネットの製作費用を容易に抑制することができる。
この実施の形態1の超電導マグネットによれば、断面積が最小である線材部は、断面積が最大である線材部より超電導マグネットの軸方向内側に設けられている。軸方向内側の磁束密度は、外側の磁束密度より小さい。その結果、超電導マグネットの製作費用を抑制することができる。
実施の形態2.
次に、実施の形態2による超電導マグネットについて、図4を用いて説明する。実施の形態1では、軸方向Zにおいて超電導線材の幅を変えている構成について説明した。実施の形態2では、径方向Rにおいて超電導線材の幅を変える構成について説明する。
図4は、この実施の形態2による超電導マグネットの超電導線材を示す断面図である。この実施の形態2による超電導マグネットは、一連の超電導線材20を備えている。この超電導マグネットは、3つのパンケーキコイルであるコイル201、コイル202、およびコイル203を有している。3つのコイル201〜203は、軸方向Zに沿って積層されている。
3つのコイル201〜203では、超電導線材20がそれぞれ6周、渦巻き状に巻かれている。各コイル201〜203は、超電導マグネットの径方向Rについて、径方向外側から第1の線材部21、中間線材部22、および第2の線材部23を有している。各コイル201〜203において、第1の線材部21、中間線材部22、および第2の線材部23は、2周ずつ巻かれている。第1の線材部21、中間線材部22、および第2の線材部23は、それぞれのコイル間で接続され、一連となっている。
第1の線材部21の第1の幅d1は、中間線材部22の幅dmより小さい。中間線材部22の幅dmは、第2の線材部23の第2の幅d2より小さい。したがって、第1の線材部21の第1の幅d1は、第2の線材部23の第2の幅d2より小さい。また、超電導線材20の厚さは、コイルの位置によらず一定としている。そのため、第1の線材部21における超電導線材20の厚さは、第2の線材部23における超電導線材20の厚さと同一である。このため、第1の線材部21の第1の断面積S1は、第2の線材部23の第2の断面積S2より小さい。
図5は、コイルを接続する状態を示す模式図である。図5では、積層された各コイル201〜203を平面状に並べて示している。各コイル201〜203において、超電導マグネットの磁力線方向を一方向とするため、超電導線材20は、超電導マグネットの同一円周方向に巻かれる。また、コイル間の接続部は短い方が線材を節約することができる。そのため、各コイル201〜203の隣接するコイル間は、最内周および最外周のいずれか同士の間で接続されている。
例えば、超電導線材の一端をコイル201の第2の線材部23に設け、コイル201における超電導線材が径方向Rの内側から外側に向かって、反時計回りに巻かれている場合について考える。この場合、コイル201の最外周の第1の線材部21は、図5の破線で示すように、コイル202の最外周の第1の線材部21と接続する。コイル202は、第1の線材部21から、径方向Rの外側から内側に向かって、反時計回りに巻かれている。コイル202の最内周の第2の線材部23は、図5の破線で示すように、コイル203の最内周の第2の線材部23と接続する。コイル203は、径方向Rの内側から外側に向かって、反時計回りに巻かれている。
この場合、コイル201を左回りの巻方向であるとすると、コイル202は右回りの巻方向となり、巻方向が逆向きとなっている。また、コイル201を左回りの巻方向となる。そのため、コイル間の接続においては、各コイルの巻き方は、右回りと左回りとが交互になっている。各コイルの巻き方およびコイル間の接続部は、これに限られるものではなくい。しかし、磁束の向きを超電導マグネットにおいて一定とするためには、コイル間において巻き方は交互となる。
なお、第1の線材部21、中間線材部22、および第2の線材部23の間の接続、すなわちコイル内における超電導線材の接続およびコイル間における超電導線材の接続については、実施の形態1で説明した通り、接続部ごとに表裏が入れ替わる構造となっている。
次に、この実施の形態2における超電導マグネットの作用について説明する。1つのコイルにおいて、超電導線材が渦巻き状に巻かれている場合、コイルの径方向外側における磁束密度は、コイルの径方向内側における磁束密度より小さい。そのため、超電導マグネットの径方向Rについて、外側のコイルを構成する超電導線材の負荷率は、内側のコイルを構成する超電導線材の負荷率より小さくなる。
超電導線材の負荷率が小さい場合、超電導線材の断面積を小さくしても、超電導線材は、超電導状態を維持しながら電流を流すことができる。したがって、図3においては、超電導マグネットの径方向Rについて、外側の第1の線材部21の第1の幅d1、中間線材部22の幅dm、および内側の第2の線材部23の第2の幅d2の関係を、
d1<dm<d2
としている。これにより、超電導マグネットの製作費用を抑制することができる。
また、第2の線材部21の第1の断面積S1は、超電導線材20の断面積の中で最小であり、第2の線材部23の第2の断面積S2は、超電導線材20の断面積の中で最大である。そのため、最小の断面積を有する第1の線材部21は、最大の断面積を有する第2の線材部23より、超電導マグネット1の径方向外側に設けられている。これにより、超電導マグネットの製作費用を抑制することができる。
この実施の形態2の超電導マグネットによれば、超電導線材が巻回された位置に応じた磁束密度が比較的小さい部分の超電導線材の断面積を、磁束密度が比較的大きい部分の超電導線材の断面積より小さくしている。より具体的には、磁束密度が比較的小さい部分では、負荷率が小さくなるため、超電導線材の長手方向に垂直な面の断面積が小さい超電導線材を用いている。その結果、無駄な超電導線材を削減した上で、超電導線材を有効に利用することができ、超電導マグネットの製作費用を抑制することができる。
この実施の形態2の超電導マグネットによれば、線材幅の小さい線材部は、超電導マグネットの径方向について、外側に設けられている。径方向外側の磁束密度は、径方向内側の磁束密度より小さい。その結果、線材幅は、磁束密度に応じて変更することができる。
この実施の形態2の超電導マグネットによれば、断面積が最小である線材部は、断面積が最大である線材部より超電導マグネットの径方向外側に設けられている。径方向外側の磁束密度は、内側の磁束密度より小さい。その結果、超電導マグネットの製作費用を抑制することができる。
実施の形態3.
次に、実施の形態3による超電導マグネットについて、図6を用いて説明する。実施の形態1では、超電導線材の幅が小さい線材部が超電導マグネットの軸方向の中央側に設けられている場合について説明した。また、実施の形態2では、超電導線材の幅が小さい線材部が超電導マグネットの径方向外側に設けられている場合について説明した。この実施の形態3では、これら実施の形態1および2におけるそれぞれの配置構成を同時に適用する場合について説明する。
図6は、この実施の形態3による超電導マグネットの超電導線材を示す断面図である。この実施の形態3による超電導マグネットは、一連の超電導線材30を備えている。この実施の形態3による超電導マグネットでは、超電導マグネットの軸方向Zに沿って、3段のコイル301、コイル302、およびコイル303が積層されている。超電導線材30は、それぞれのコイル301、コイル302、およびコイル303において渦巻き状に巻かれている。コイル303は、コイル301と同じ構成である。この例では、コイル303の構成をコイル301の構成と同じとしているが、違っていてもよい。
コイル301およびコイル303のそれぞれは、超電導マグネットの径方向Rの外側から、外側線材部31、中間線材部32、および内側線材部33を有している。コイル301およびコイル303のそれぞれにおいて、外側線材部31、中間線材部32、および内側線材部33は、2周ずつ巻かれている。外側線材部31の幅d3は、中間線材部32の幅dm1より小さい。中間線材部32の幅dm1は、内側線材部33の幅d4より小さい。そのため、外側線材部31の幅d3は、内側線材部33の幅d4より小さい。したがって、外側線材部31の断面積S3は、内側線材部33の断面積S4より小さい。
コイル302は、超電導マグネットの径方向Rの外側から、外側線材部34、中間線材部35、および内側線材部36を有している。コイル302において、外側線材部34、中間線材部35、および内側線材部36は、2周ずつ巻かれている。外側線材部34の幅d5は、中間線材部35の幅dm2より小さい。中間線材部35の幅dm2は、内側線材部36の幅d6より小さい。そのため、外側線材部34の幅d5は、内側線材部36の幅d6より小さい。したがって、外側線材部34の断面積S5は、内側線材部36の断面積S6より小さい。
コイル301およびコイル302において、コイル301およびコイル302を、軸方向Zに沿って見ることができる。例えば、コイル302の外側線材部34の幅d5は、コイル301の外側線材部31の幅d3より小さい。したがって、コイル302の外側線材部34の断面積S5は、コイル301の外側線材部31の断面積S3より小さい。
同様に、コイル302の内側線材部36の幅d6は、コイル301の内側線材部33の幅d4より小さい。したがって、コイル302の内側線材部36の断面積S6は、コイル301の内側線材部33の断面積S4より小さい。
ここで、超電導線材30をコイル301からコイル303までを通して見た場合、コイル302の外側線材部34の断面積S5は、超電導線材30の断面積の中で最小であり、コイル301の内側線材部33の断面積S4は、超電導線材30の断面積の中で最大である。そのため、コイル302の外側線材部34は、第1の線材部であり、断面積S5は、第1の断面積である。また、コイル301の内側線材部33は、第2の線材部であり、断面積S4は、第2の断面積である。コイル302の外側線材部34は、コイル301の内側線材部33より、超電導マグネットの軸方向内側にあるとともに、超電導マグネットの径方向外側に設けられている。これにより、超電導マグネットの製作費用をさらに抑制することができる。
この実施の形態3の超電導マグネットによれば、超電導線材が巻回された位置に応じた磁束密度が比較的小さい部分の超電導線材の断面積を、磁束密度が比較的大きい部分の超電導線材の断面積より小さくしている。より具体的には、磁束密度が比較的小さい部分では、負荷率が小さくなるため、超電導線材の長手方向に垂直な面の断面積が小さい超電導線材を用いている。その結果、無駄な超電導線材を削減した上で、超電導線材を有効に利用することができ、超電導マグネットの製作費用を抑制することができる。
この実施の形態3の超電導マグネットによれば、断面積が最小である線材部は、断面積が最大である線材部より超電導マグネットの軸方向内側に設けられている。軸方向内側の磁束密度は、外側の磁束密度より小さい。その結果、超電導マグネットの製作費用を抑制することができる。
この実施の形態3の超電導マグネットによれば、断面積が最小である線材部は、断面積が最大である線材部より超電導マグネットの径方向外側に設けられている。径方向外側の磁束密度は、内側の磁束密度より小さい。その結果、超電導マグネットの製作費用を抑制することができる。また、断面積が最小である線材部は、断面積が最大である線材部より超電導マグネットの軸方向内側にも設けられているため、実施の形態1および2よりさらに超電導マグネットの製作費用を抑制することができる。
なお、実施の形態1から3においては、高温超電導線材を用いた場合について説明したが、低温超電導線材を用いても、実施の形態1から3の場合と同様の効果が得られる。なお、ここでいう高温超電導体とは、相転移温度が液体窒素温度である77Kを超えるものをいう。
また、実施の形態1から3において説明した内容は、実施の形態を示す例であり、これに限定されるものではない。例えば、各コイルにおける超電導線材の巻数は、2周および3周に限定されない。また、コイルは、パンケーキコイルを用いた場合について説明したが、超電導線材を軸方向に巻いていく方法でもよい。また、超電導線材10、20、および30の厚さは、超電導線材の長さ方向について一定である場合について説明したが、厚さは一定でなくてもよい。
1 超電導マグネット、10,20,30 超電導線材、11,21 第1の線材部、12,23 第2の線材部、33 内側線材部(第2の線材部)、34 外側線材部(第1の線材部)、d1 第1の幅、d2 第2の幅、R 矢印(径方向)、S1,S5 第1の断面積、S2,S4 第2の断面積、Z 矢印(軸方向)。
この発明は、超電導線材がコイルとして巻かれることにより磁場を発生する超電導マグネットおよび超電導マグネットの製造方法に関するものである。
この発明の超電導マグネットは、高温巻回された超電導線材を備え、高温超電導線材は、巻回された位置に応じた磁束密度における超電導マグネットの径方向成分の大きさの違いに基づいて、磁束密度における超電導マグネットの径方向成分が比較的小さい部分の断面積が、磁束密度における超電導マグネットの径方向成分が比較的大きい部分の断面積より小さく形成された構成部分を有するものである。
また、この発明における、超電導線材が巻回されている第1のコイルおよび第2のコイルを備える超電導マグネットの製造方法は、第1のコイルにおける超電導線材が超電導マグネットの内側から外側に向かって巻かれている方向と同じ方向に、第2のコイルにおける超電導線材が超電導マグネットの外側から内側に向かって巻かれているものである。
さらに、この発明の超電導マグネットの製造方法では、超電導マグネットを構成する超電導線材は、接続されるごとに表裏が入れ替わるものである。
この発明による超電導マグネットおよび超電導マグネットの製造方法では、超電導線材の幅を負加率に応じて異ならせることで、無駄な超電導線材を減らすことができ、超電導線材を有効に利用することができる。これにより、超電導マグネットの製作費用を抑制することができる。

Claims (6)

  1. 巻回された超電導線材を備え、
    前記超電導線材は、巻回された位置に応じた磁束密度の大きさの違いに基づいて、前記磁束密度が比較的小さい部分の断面積が、前記磁束密度が比較的大きい部分の断面積より小さく形成された構成部分を有する
    超電導マグネット。
  2. 前記超電導線材は、前記磁束密度が比較的小さい部分に巻回される第1の線材部と、前記磁束密度が比較的大きい部分に巻回される第2の線材部とを含む2つ以上の線材部を有し、
    前記第1の線材部における前記超電導線材の長手方向に垂直な面の第1の断面積は、前記第2の線材部における前記超電導線材の長手方向に垂直な面の第2の断面積より小さい
    請求項1に記載の超電導マグネット。
  3. 前記超電導線材の長手方向に垂直な面の形状は、幅および厚さを有する長方形形状であり、
    前記第1の線材部における前記超電導線材の第1の幅は、前記第2の線材部における前記超電導線材の第2の幅より小さい
    請求項2に記載の超電導マグネット。
  4. 前記超電導線材は、高温超電導線材であり、
    前記第1の線材部は、前記磁束密度における超電導マグネットの径方向成分が比較的小さい部分に巻回され、
    前記第2の線材部は、前記磁束密度における超電導マグネットの径方向成分が比較的大きい部分に巻回されている
    請求項2または請求項3に記載の超電導マグネット。
  5. 前記第1の断面積は、前記超電導線材の断面積の中で最小であり、
    前記第2の断面積は、前記超電導線材の断面積の中で最大であり、
    前記第1の線材部は、前記第2の線材部より超電導マグネットの軸方向内側に設けられている
    請求項2から4のいずれか1項に記載の超電導マグネット。
  6. 前記第1の断面積は、前記超電導線材の断面積の中で最小であり、
    前記第2の断面積は、前記超電導線材の断面積の中で最大であり、
    前記第1の線材部は、前記第2の線材部より超電導マグネットの径方向外側に設けられている
    請求項2から5のいずれか1項に記載の超電導マグネット。
JP2020522516A 2018-05-31 2018-05-31 超電導マグネットおよび超電導マグネットの製造方法 Pending JPWO2019229947A1 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2018/021014 WO2019229947A1 (ja) 2018-05-31 2018-05-31 超電導マグネット

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPWO2019229947A1 true JPWO2019229947A1 (ja) 2020-12-10

Family

ID=68697342

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020522516A Pending JPWO2019229947A1 (ja) 2018-05-31 2018-05-31 超電導マグネットおよび超電導マグネットの製造方法

Country Status (4)

Country Link
US (1) US20210125761A1 (ja)
JP (1) JPWO2019229947A1 (ja)
CN (1) CN112166480A (ja)
WO (1) WO2019229947A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3961661B1 (en) * 2020-08-31 2022-09-28 Bruker Switzerland AG Reinforcement of a superconducting magnet coil

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6370505A (ja) * 1986-09-12 1988-03-30 Toshiba Corp 超電導コイル
JPH07142245A (ja) * 1993-11-17 1995-06-02 Mitsubishi Electric Corp 高温超電導マグネット、その設計方法および運転方法、並びに高温超電導テープ材の製造方法
JPH09511098A (ja) * 1994-01-24 1997-11-04 アメリカン スーパーコンダクター コーポレイション 超電導磁気コイル
JP2010109287A (ja) * 2008-10-31 2010-05-13 Toshiba Corp 超電導コイル装置
JP2012038812A (ja) * 2010-08-04 2012-02-23 Toshiba Corp 超電導コイル装置

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3794591B2 (ja) * 1994-03-04 2006-07-05 新日本製鐵株式会社 超伝導マグネットの製造方法
JP6094233B2 (ja) * 2012-05-14 2017-03-15 住友電気工業株式会社 超電導マグネット
WO2016080524A1 (ja) * 2014-11-21 2016-05-26 株式会社フジクラ 超電導コイル

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6370505A (ja) * 1986-09-12 1988-03-30 Toshiba Corp 超電導コイル
JPH07142245A (ja) * 1993-11-17 1995-06-02 Mitsubishi Electric Corp 高温超電導マグネット、その設計方法および運転方法、並びに高温超電導テープ材の製造方法
JPH09511098A (ja) * 1994-01-24 1997-11-04 アメリカン スーパーコンダクター コーポレイション 超電導磁気コイル
JP2010109287A (ja) * 2008-10-31 2010-05-13 Toshiba Corp 超電導コイル装置
JP2012038812A (ja) * 2010-08-04 2012-02-23 Toshiba Corp 超電導コイル装置

Also Published As

Publication number Publication date
CN112166480A (zh) 2021-01-01
US20210125761A1 (en) 2021-04-29
WO2019229947A1 (ja) 2019-12-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100635170B1 (ko) 초전도 자기코일
KR101548404B1 (ko) 초전도 도체 밴드로 구성된 2개 이상의 복합 도체를 구비한 저항성 스위칭 소자용 도체 배치 구조
JP2008047519A (ja) 超電導導体及び超電導導体を備えた超電導ケーブル
JP6364495B2 (ja) 永久電流スイッチ及び超電導コイル
JPWO2019229947A1 (ja) 超電導マグネットおよび超電導マグネットの製造方法
JP5198193B2 (ja) 超電導マグネットおよびその製造方法
JP2013030661A (ja) 超電導コイル
JP6329736B2 (ja) 積層パンケーキ型超電導コイル及びそれを備えた超電導機器
JP2011222346A (ja) 高温超電導導体及びそれを用いた高温超電導コイル
JP2012195413A (ja) 超電導コイル
JP5887085B2 (ja) 超電導コイル及びその製造方法
JP5858723B2 (ja) 積層型超電導コイル装置および超電導コイル装置
JP4634908B2 (ja) 高温超電導コイル
JP2012114230A (ja) 超電導コイル
JP2011091893A (ja) 積層型超電導コイルおよび回転機
JP5710312B2 (ja) 超電導コイル装置
JP5127527B2 (ja) 超電導コイル装置
JP6729303B2 (ja) 超電導線材及び超電導コイル
JP6823242B2 (ja) 超伝導リアクタンス回路
JP2012227178A (ja) 超電導コイル装置およびその製造方法
JP6914131B2 (ja) 超電導コイル
JP2019149344A (ja) 高温超電導線材及び高温超電導コイル
JP2016178119A (ja) 超電導コイル
JP2020150121A (ja) 超電導コイル及び超電導装置
JPS638602B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200428

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200428

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210427

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210615

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20211130