JP6364495B2 - 永久電流スイッチ及び超電導コイル - Google Patents

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Description

本発明は、永久電流スイッチ及び超電導コイルに関する。
超電導体は、極低温で電気抵抗がゼロになる超電導現象を発現し、銅線等の通常の導体と比較して大電流を流すことができるため、超電導体の線材をコイル状に加工した超電導コイルは、強力な電磁石として使用することができる。超電導コイルは、例えば、MRI(magnetic resonance imaging)等の医療診断機器、NMR(nuclear magnetic resonance)等の科学計測機器、リニアモーター式の磁気浮上鉄道等に使用されている。
このような超電導コイルの一例として、金属基板の片面に、中間層、超電導層、安定化金属層を積層した薄膜状超電導線材からなる超電導導体が円筒状の巻枠の周面に巻回された巻回部を備えたものが知られている(下記特許文献1を参照)。この超電導コイルでは、超電導導体が金属テープからなる安定化材を共巻きしてなるとともに、該超電導導体の少なくとも内径側に安定化材を配置している。超電導導体は、安定化金属層面及び金属基板面がそれぞれ内径側及び外形側となるようにして巻回されている。
永久電流回路の開閉には、例えば、無誘導型の超電導コイルを有する永久電流スイッチが用いられている(下記特許文献2を参照)。このような永久電流スイッチは、例えば、環境条件を設定することによって超電導状態と常電導状態との間をいずれの方向にも転移し得る導体から形成されている。この導体は、超電導状態にあるときは電気抵抗がゼロになるので電流が減衰せずに導通してスイッチオンの状態になり、導体を常電導状態に転移させると電気抵抗が高くなって実質的にスイッチオフの状態が実現される。
特開2012−195413号公報 特開平10−107332号公報
特許文献1に記載の超電導コイルでは、金属テープからなる安定化材が、超電導導体が温度上昇した際における熱容量として機能する。これにより、超電導コイルに過大な電流が流れた際における超電導導体の温度上昇が抑制され、超電導導体の焼損、劣化を防止できるので、熱的に信頼性の高い巻線構造を実現できる、とされている。
しかしながら、特許文献1に記載の超電導コイルでは、超電導導体として、セラミック状の比較的脆い酸化物高温超電導体、MgB2、鉄系超電導体等の高温超電導体を用いた場合に、超電導導体を巻枠に巻回する際の曲げ応力によって巻線の歪が大きくなる。そのため、超電導状態が破壊される電流値である臨界電流や、超電導状態が破壊される外部からの磁場の値である臨界磁場が低下する虞がある。
また、永久電流スイッチに用いられる超電導コイルでは、不要な磁場を発生させないために、特許文献2に記載の永久電流スイッチのように、無誘導型コイルを用いるのが一般的である。無誘導型コイルでは、巻線の折り返し部で曲率が大きくなる。そのため、超電導コイルの巻線の歪がより大きくなりやすく、臨界電流や臨界磁場が低下し、永久電流スイッチの性能が劣化する虞がある。
本発明は、前記課題に鑑みてなされたものであり、臨界電流や臨界磁場の低下が抑制された超電導コイルを備えた高性能の永久電流スイッチを提供することを目的とする。
前記目的を達成すべく、本発明の永久電流スイッチは、スイッチ部に超電導コイルを備えた永久電流スイッチであって、前記超電導コイルは、基材の外周面に成膜された超電導体薄膜からなる巻線部を有し、前記巻線部は、互いに並行する二重螺旋状に形成された第1巻線部と第2巻線部とを有し、互いに隣接する前記第1巻線部の終端部と前記第2巻線部の始端部とが接続されていることを特徴とする。
本発明の永久電流スイッチによれば、巻線部が基材の表面に成膜されているので、巻線部に歪が生じることが防止され、臨界電流や臨界磁場の低下が抑制された超電導コイルを備えた高性能の永久電流スイッチを提供することができる。
一般的な永久電流回路の構成を示す概略図。 本発明の実施形態1に係る永久電流スイッチを備えた永久電流回路の概略図。 図2に示す超電導コイルの概略正面図。 図3Aに示す超電導コイルの断面構造を示す概略断面図。 成膜装置の概略図。 薄膜加工装置の概略正面図。 図5Aに示す薄膜加工装置の概略斜視図。 本発明の実施形態2に係る超電導コイルの概略正面図。 図6Aに示す超電導コイルの断面構造を示す概略断面図。 図6Bに示す溝の変形例を示す模式断面図。 図6Bに示す溝の変形例を示す模式断面図。 図6Bに示す溝の変形例を示す模式断面図。 図6Bに示す溝の変形例を示す模式断面図。 本発明の実施形態3に係る超電導コイルの概略正面図。 図8Aに示す超電導コイルの断面構造を示す概略断面図。 本発明の実施形態4に係る超電導コイルの断面構造を示す概略断面図。
以下、図面を参照して本発明の永久電流スイッチ及び超電導コイルの実施の形態を説明する。なお、以下の図面では、発明の構成を分かりやすくするために、各構成の縮尺を適宜変更している。
[実施形態1]
図1は、一般的な永久電流回路100の構成を説明する概略図である。
永久電流回路100は、一般に、磁場出力用の超電導コイル1と、外部電源2と、外部スイッチ3と、永久電流スイッチ4とを備えている。
磁場出力用の超電導コイル1は、超電導体によって製作されたコイルであり、超電導現象による大電流を流すことで強力な電磁石として利用することができる。磁場出力用の超電導コイル1は、例えば、MRI(magnetic resonance imaging)等の医療診断機器、NMR(nuclear magnetic resonance)等の科学計測機器、リニアモーター式の磁気浮上鉄道等に使用され、大きな磁場を出力するのに用いられる。
磁場出力用の超電導コイル1は、例えば、臨界温度9.8KのNbTi合金や臨界温度18.2KのNb3Sb金属間化合物などのいわゆる金属系低温超電導体の線材によって製作され、例えば、沸点が4.2Kの液体ヘリウムに浸漬して使用される。また、磁場出力用の超電導コイル1は、近年開発が進んでいる高温超電導材料及びその線材によって製作することができる。
高温超電導材料としては、例えば、臨界温度が液体窒素温度77Kを超えるRE系(REは希土類元素。代表的にはYBa2Cu37)やBi系(代表的にはBi2Sr2CaCu27やBi2Sr2Ca2Cu310)等の酸化物高温超電導体、金属系であるが臨界温度が39Kと高いMgB2、さらには、臨界温度50K程度の鉄系超電導体(LaFeAsOなど)等を用いることができる。
このような高温超電導体によって超電導コイル1を製作することで、比較的高価な液体ヘリウムを用いる必要がなく、安価に使用できる冷凍機技術による、例えば、10Kから20K程度の比較的高温での動作を可能にすることができる。
外部電源2は、外部スイッチ3を介して磁場出力用の超電導コイル1に電力を供給する。外部スイッチ3は、スイッチを閉じたオンの状態で外部電源2からの電流を磁場出力用の超電導コイル1に流し、スイッチを開いたオフの状態で外部電源2と磁場出力用の超電導コイル1との間の電流を遮断する。
永久電流スイッチ4は、後述するように、超電導体からなるコイル状の巻線部を備えている。永久電流スイッチ4は、熱式又は磁界式の永久電流スイッチであり、巻線部の臨界温度又は臨界磁場を跨いで巻線部の温度(熱式)又は外部の磁場(磁界式)を制御することができるように構成されている。永久電流スイッチ4は、巻線部の温度又は外部の磁場を制御することで、巻線部が超電導状態となったスイッチオンの状態と、超電導状態が破壊されて巻線部が常電導状態となったスイッチオフの状態とを切り替えて、永久電流をスイッチングする。
永久電流回路100を永久電流モードに切り替える場合には、まず、外部スイッチ3をオンにして磁場発生用の超電導コイル1を励磁する。磁場発生用の超電導コイル1が励磁された後、外部スイッチ3をオフにすると共に永久電流スイッチ4をオンにすることで、超電導閉回路が形成され、永久電流回路100が永久電流モードに切り替わる。熱式の永久電流スイッチ4では、巻線部は、温度制御用のヒーターと共にコイル状に形成される。一方、磁界式の永久電流スイッチ4は、以下に詳細に説明するように、スイッチ用の超電導コイルと制御磁界発生用の超電導電コイル等によって構成される。
図2は、本発明の実施形態1に係る磁界式の永久電流スイッチ4を備えた永久電流回路100の概略図である。
図2に示す本実施形態に係る永久電流回路100は、図1に示す永久電流スイッチ4として、磁界式の永久電流スイッチ4を備えている。永久電流回路100のその他の構成は、図1に示す永久電流回路100の構成と同一であるので、同一の部分には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態の永久電流スイッチ4は、スイッチ用の超電導コイル5と、スイッチ用の超電導コイル5を制御する制御磁界を発生するための制御用の超電導コイル6と、制御用の超電導コイル6に電流を供給する制御用電源7と、を備えている。スイッチ用の超電導コイル5と制御用の超電導コイル6とは、例えば、螺旋状の超電導体からなる巻線部53,61を有している。スイッチ用の超電導コイル5の巻線部53は、制御用の超電導コイル6の巻線部61の内側に、制御用の超電導コイル6の巻線部61の中心軸CLと同軸に配置されている。
スイッチ用の超電導コイル5は、超電導体からなるリード線8を介して永久電流回路100に接続され、制御用の超電導コイル6は、超電導体からなるリード線9を介して制御用電源7に接続されている。スイッチ用の超電導コイル5の巻線部53、制御用の超電導コイル6の巻線部61、及びリード線8,9を構成する超電導体としては、例えば、前記金属系低温超電導体の他、前記高温超電導材料を用いることができる。
本実施形態の永久電流スイッチ4は、制御用電源7を介して制御用の超電導コイル6に電流を流して磁界を発生させ、又は制御用の超電導コイル6へ流す電流を遮断して磁界を消滅させることで、オンとオフを切り替える。より具体的には、制御用の超電導コイル6に電流が流れて磁界が発生すると、スイッチ用の超電導コイル5の超電導状態が破壊され、スイッチ用の超電導コイル5が常電導状態になり、永久電流スイッチ4がオフの状態になる。また、制御用の超電導コイル6に流れる電流が遮断されて磁界が消滅すると、スイッチ用の超電導コイル5の超電導状態が回復し、永久電流スイッチ4がオンの状態になる。
図3Aは、図2に示す永久電流スイッチ4が備える本実施形態のスイッチ用の超電導コイル5の概略的な正面図である。図3Bは、図3Aに示す超電導コイル5を中心軸CLに沿う紙面に垂直な面と中心軸CLに沿う紙面に平行な面で切断した超電導コイル5の一部の断面構造を示す概略的な断面図である。
本実施形態のスイッチ用の超電導コイル5は、円筒状の基材50と、基材50の外周面50a上に成膜された超電導体薄膜Tからなる巻線部53とを有している。超電導コイル5のボビンである基材50としては、例えば、熱伝導性のよい金属によって製作した円筒の表面を絶縁処理したものや、熱伝導性のよいマシナブルセラミック等を用いることができる。
より具体的には、例えば、熱伝導性に優れたJIS合金番号C1020等の銅や、JIS合金番号A5052等のアルミニウム合金の円筒表面にポリイミド膜などの絶縁テープを貼り付けたものや絶縁膜を塗布したもの、JIS合金番号A5052等のアルミニウム合金の表面に無孔質の陽極酸化膜を形成して絶縁したもの、窒化アルミニウム等によって製作した円筒状のセラミック等を、超電導コイル5の基材50として用いることができる。
巻線部53は、例えば、前記した金属系低温超電導体や、前記した高温超電導材料を基材50の外周面50a上に成膜することによって製作されている。巻線部53は、互いに並行する二重螺旋状に形成された第1巻線部51と第2巻線部52とを有している。超電導体薄膜Tからなる長尺帯状の第1巻線部51と第2巻線部52とは、円筒状の基材50の中心軸CL方向の一端50Aで、第1巻線部51の始端部51aと第2巻線部52の終端部52bとが、互いに間隔をあけて隣接して配置されている。第1巻線部51の始端部51aと第2巻線部52の終端部52bとは、それぞれ超電導体からなるリード線8に接続されている。
なお、第1巻線部51及び第2巻線部52において、始端部51a,52aとは、電流Cの流れる方向における上流側の端部を意味し、終端部51b,52bとは、電流Cの流れる方向における下流側の端部を意味する。
第1巻線部51と第2巻線部52とは、図3Aに示すように、円筒状の基材50の中心軸CLに垂直な方向から見て、基材50の径R方向に対して所定の角度αで傾斜した状態で、互いに並行して基材50の外周面50aの周方向に沿って延在している。これにより、第1巻線部51と第2巻線部52とは、基材50の中心軸CL方向の一端50Aから他端50Bまで交互に配置され、基材50の外周面50aの周方向に沿って並行する二重螺旋状に形成されている。
基材50の中心軸CL方向の一端50Aにおいて、互いに隣接する第1巻線部51の始端部51aと第2巻線部52の終端部52bとは、それぞれリード線8に接続されている。基材50の中心軸CL方向の一端50Aと反対側の他端50Bでは、互いに隣接する第1巻線部51の終端部51bと第2巻線部52の始端部52aとが、基材50の外周面50a上で接続されている。これにより、巻線部53に電流Cが流れたときに、電流Cの往路となる第1巻線部51に発生する磁界の向きと、電流Cの復路となる第2巻線部52に発生する磁界の向きとが逆になり、互いの磁界を打ち消し合う。すなわち、超電導コイル5は、無誘導型の巻線部53を備えた無誘導型の超電導コイルである。
巻線部53は、第1巻線部51の終端部51bと第2巻線部52の始端部52aとの接続部53Cにおいて、第1巻線部51及び第2巻線部52の幅と同等の極めて大きい曲率で曲折され、逆方向に反転するようにUターンしている。以下、巻線部53を備えた本実施形態のスイッチ用の超電導コイル5の製造方法について説明する。
図4は、円筒状の基材50の外周面50a上に超電導体薄膜Tを形成する薄膜形成工程を説明する成膜装置200の概略図である。図5Aは、薄膜形成工程で成膜した超電導体薄膜Tを螺旋状の巻線部53に加工する巻線部形成工程を説明する薄膜加工装置300の概略的な正面図である。図5Bは、図5Aに示す薄膜加工装置300の概略的な斜視図である。
本実施形態のスイッチ用の超電導コイル5の製造方法は、基材50の外周面50a上に超電導体からなる超電導体薄膜Tを形成する薄膜形成工程と、薄膜形成工程で成膜した超電導体薄膜Tを螺旋状の巻線部53に加工する巻線部形成工程とを有している。
薄膜形成工程では、例えば、前記した円筒状の基材50の外周面50a上に、成膜装置200によって超電導体薄膜Tを形成する。円筒状の基材50の径Rは、例えば、数cmから数十cm程度とすることができる。成膜装置200は、成膜室に基材50を収容し、電子銃201から電子ビームeを射出し、成膜室内に形成された磁場によって電子ビームeをターゲットである蒸発源210に向け、電子ビームeによって蒸発源210を加熱する。
また、成膜装置200は、円筒状の基材50を蒸発源210上で保持し、基材50の内部又は蒸発源210と反対側に設置された不図示のヒーターによって、基材50を、例えば、220℃から300℃程度の温度に加熱して回転させる。これにより、成膜装置200は、蒸発源210を構成する材料を基材50の外周面50a上に直接蒸着させて、超電導体からなる超電導体薄膜Tを外周面50a上に成膜する。外周面50a上に形成する超電導体薄膜Tの膜厚は、例えば、数μmから数十μm、又は数十μmから数百μm程度とすることができる。
薄膜形成工程で基材50の外周面50a上に、例えば、高温超電導体であるMgB2からなる超電導体薄膜Tを形成する場合には、Mgからなる蒸発源210とBからなる蒸発源210の2つの蒸発源を用い、基材50の外周面50a上にMgとBを共蒸着する。これにより、高温超電導体であるMgB2からなる超電導体薄膜を基材50の外周面50a上に直接形成することができる。なお、図示は省略するが、基材50の外周面50a上に成膜された超電導体薄膜Tの表面には、CuやAl等の安定化層が積層されている。
薄膜形成工程で基材50の外周面50a上に超電導体薄膜Tを成膜する方法は、本実施形態で説明した電子ビーム蒸着法に限定されず、スパッタ法、パルスレーザー蒸着法等の公知の成膜法を用いることができる。また、基材50の外周面50a上に成膜する超電導体は、MgB2に限定されず、RE系、Bi系、鉄系等の高温超電導体のいずれもが成膜可能である。また、高温超電導体に限られず、前記した金属系低温超電導体を成膜してもよい。
巻線部形成工程では、薄膜加工装置300として、例えば、レーザー加工装置を用い、薄膜形成工程で成膜した超電導体薄膜Tを、レーザーカット法によって螺旋状の巻線部53に加工することができる。レーザーカット法に用いるレーザーとしては、例えば、波長が約355nmのUVパルスレーザーを用いることができる。これにより、例えば、幅W3が約20μm程度の巻線部53を形成することができる。なお、薄膜加工装置300は、レーザー加工装置に限定されず、例えば、スクライバ装置を用い、切削刃によってレーザー加工と同様に巻線部53を形成してもよい。
レーザーカット法によって無誘導型の二重螺旋構造の巻線部53を形成するには、図5A及び図5Bに示すように、中心軸CLを中心として基材50を回転させながら、レーザーユニット301を基材50の中心軸CLに沿って、基材50の中心軸CL方向の一端50Aから他端50Bまで移動させる。これにより、基材50の一端50Aから他端50Bまで、基材50の外周面50a上に形成された超電導体薄膜Tに螺旋状の第1溝54を形成する。
第1溝54のピッチP1は、例えば、後工程で形成される第1巻線部51の幅W1と、第2巻線部52の幅W2と、第1巻線部51と第1巻線部51との間の第2溝55の幅W5とに基づいて決定される。より具体的には、第1溝54のピッチP1は、例えば、第1溝54の幅W4と、第1巻線部51の幅W1と、第2溝55の幅W5と、第2巻線部52の幅W2と、の合計とすることができる。
基材50の外周面50a上の超電導体薄膜Tに第1溝54を形成した後、基材50の外周面50a上の超電導体薄膜Tに第1巻線部51の終端部51bと第2巻線部52との始端部52aとを接続する接続部53Cを形成する。接続部53Cを形成は、レーザーユニット301の移動、レーザーの射出、及び基材50の回転等を適宜調整することにより行う。その後、基材50の回転を第1溝54の形成時の回転方向と逆方向に回転させながら、レーザーユニット301を基材50の中心軸CLに沿って、基材50の中心軸CL方向の他端50Bから一端50Aまで移動させる。これにより、接続部53Cを跨いで第1巻線部51と第2巻線部52とを分割する第2溝55を形成する。第2溝55の幅W5は、第1溝54の幅W4と等しくすることができる。以上により、互いに並行する二重螺旋状に形成された第1巻線部51と第2巻線部52とを備えた無誘導型の巻線部53が形成される。
また、本実施形態の永久電流スイッチ4に用いられる制御用の超電導コイル6の巻線部61は、例えば、スイッチ用の超電導コイル5の基材50の外周面50aに第1巻線部51と第1溝54を形成する方法と同様の方法で形成することができる。この場合、制御用の超電導コイル6の基材として、超電導コイル5の基材50と同様の円筒状の基材を用いることができる。この場合、制御用の超電導コイル6の基材には、スイッチ用の超電導コイル5を同軸に収容可能な中空部を備えるものを用いる。
次に、本実施形態の永久電流スイッチ4及びスイッチ用の超電導コイル5の作用について説明する。
従来の超電導コイルでは、超電導コイルが小型化して巻線部の曲率半径が小さくなった場合や、巻線部の材料として比較的脆い高温超電導体を用いる場合等に、基材に超電導体からなる線材を巻回して巻線部を形成すると、巻線部の歪が大きくなる。特に、無誘導型コイルでは、巻線部を形成する線材の折り返し部で曲率が大きくなり、巻線部の歪が大きくなりやすい。巻線部の歪が大きくなると、超電導コイルの臨界電流や臨界磁場が低下し、永久電流スイッチの性能が劣化する虞があった。
これに対し、本実施形態の永久電流スイッチ4は、超電導コイル5を備え、その超電導コイル5は、基材50の外周面50a上に成膜された超電導体薄膜Tからなる巻線部53を有している。そのため、超電導体からなる線材を基材50に巻回する場合と異なり、巻線部53を基材50の曲率に沿って曲げる工程を有しない。したがって、例えば、超電導コイル5が小型化して巻線部53の曲率が大きくなった場合や、巻線部53の材料として比較的脆い高温超電導体を用いる場合でも、基材50の外周面50a上に成膜される超電導体薄膜Tには、曲げ応力等の負荷が作用しない。よって、線材を巻回する場合のような歪が巻線部53に発生せず、巻線部53の損傷が防止され、巻線部53の超電導特性の劣化を防止することができる。
さらに、超電導コイル5の巻線部53は、互いに並行する二重螺旋状に形成された第1巻線部51と第2巻線部52とを有し、互いに隣接する第1巻線部51の終端部51bと第2巻線部52の始端部52aとが接続されている。これにより、超電導コイル5は、第1巻線部51の始端部51aと第2巻線部52の終端部52bに接続したリード線8を介して巻線部53に電流Cが流れると、第1巻線部51に発生する磁界を、第2巻線部52に発生する磁界が打ち消すように作用する、無誘導型の超電導コイル5となる。無誘導型の超電導コイル5では、巻線部53の折り返し部、すなわち、第1巻線部51の終端部51bと第2巻線部52の始端部52aとの接続部53Cにおいて、巻線部53の曲率が大きくなる。
しかし、本実施形態の超電導コイル5の巻線部53は、基材50の外周面50a上に成膜された超電導体薄膜Tによって形成されている。そのため、線材によって形成された巻線部に曲げ加工を施して折り返し部を設ける場合と異なり、超電導体薄膜Tをパターン加工することで巻線部53に折り返し部を設けることができ、巻線部53に曲げ応力を作用させる必要がない。したがって、巻線部53の材料として比較的脆い高温超電導体を用いる場合でも、基材50の外周面50a上に成膜される超電導体薄膜Tには、線材を巻回する場合のような歪は発生せず、超電導体薄膜Tからなる巻線部53の損傷が防止され、巻線部53の超電導特性の劣化を防止することができる。
したがって、本実施形態の永久電流スイッチ4及び超電導コイル5によれば、巻線部53に歪が生じることを防止し、巻線部53の超電導特性の劣化を防止して、臨界電流や臨界磁場の低下を抑制することができる。よって、高性能の永久電流スイッチ4を実現することができる。また、永久電流回路の磁場出力用の超電導コイル1、永久電流スイッチ4のスイッチ用の超電導コイル5及び制御用の超電導コイル6に比較的脆い高温超電導材料を用いることができ、磁場出力用の超電導コイル1から安定した磁場を継続的に出力することができる。
また、巻線部53が互いに並行する二重螺旋状に形成された第1巻線部51と第2巻線部52とを有し、互いに隣接する第1巻線部51の終端部51bと第2巻線部52の始端部52aとが接続されているので、無誘導型の超電導コイル5を構成する巻線部53の形成を容易に行うことができる。
[実施形態2]
以下、本発明の永久電流スイッチ及び超電導コイルの実施形態2について、図1から図4を援用し、図6A及び図6Bを参照して説明する。
図6Aは、本発明の実施形態2に係る超電導コイル5Aの概略的な正面図である。図6Bは、図6Aに示す超電導コイルを中心軸CLに沿う紙面に垂直な面と中心軸に沿う紙面に平行な面で切断した超電導コイルの一部の断面構造を示す概略的な断面図である。
本実施形態の永久電流スイッチ及び超電導コイル5Aは、超電導コイル5Aの巻線部53が形成される基材50の外周面50aに螺旋状の溝50bが形成されている点で、前述の実施形態1で説明した永久電流スイッチ4及び超電導コイル5と異なっている。本実施形態の永久電流スイッチ及び超電導コイル5Aのその他の点は、実施形態1の永久電流スイッチ4及び超電導コイル5と同一であるので、同一の部分には同一の符号を付して説明を適宜省略する。
本実施形態において、基材50は、外周面50aに螺旋状の溝50bを有している。これにより、基材50の外周面50aは、溝50bの外側の外側外周面50a1と溝50bの内側の内側外周面50a2とを有している。すなわち、外側外周面50a1は、溝50bと溝50bとの間に残された凸状部分50cの頂面であり、内側外周面50a2は、溝50bの底面である。本実施形態の溝50bは、図6Bに示す断面において、断面形状が矩形に形成されている。基材50に溝50bを形成する方法は、特に限定されないが、例えば、エッチング等の化学的な方法、レーザーを用いる方法、又は、切削等の機械的な方法等を用いることができる。
また、本実施形態の超電導コイル5Aは、実施形態1の超電導コイル5と同様に無誘導型であり、巻線部53は、互いに並行する二重螺旋状に形成された第1巻線部51と第2巻線部52とを有している。第1巻線部51は、基材50の外側外周面50a1に形成され、第2巻線部52は、基材50の内側外周面50a2に形成されている。第1巻線部51の終端部51bと第2巻線部52の始端部52aとは、外側外周面50a1と内側外周面50a2とに平滑に連続する接続面50a3を介して接続されている。
すなわち、円筒状の基材50の一方の端部50Bにおいて、溝50bの外側の外側外周面50a1と溝50bの内側の内側外周面50a2とが接続されるように、外側外周面50a1と内側外周面50a2との間の段差形状を変え、凸状部分50cの高さを徐々に低くしている。これにより、第1巻線部51と第2巻線部52とが接続部53Cで接続され、接続部53Cで折り返された巻線部53が得られる。
第1巻線部51と第2巻線部52とが接続面50a3における接続部53C以外の箇所で接続されることを防止する観点から、溝50bの深さdは、巻線部53の厚さtと比較して十分に深いことが好ましい。例えば、巻線部53の幅W3が数mm程度、巻線部53の厚さtが数十μmから数百μ程度であった場合、溝50bの深さdは数百μmから数mm程度とすることができる。
より具体的には、溝50bの深さは、巻線部53の厚さtの10倍程度、又は10倍以上とすることができる。例えば、巻線部53の厚さtが10μmの場合、溝50bの深さは100μm以上とすることができる。なお、前記した巻線部53の厚さtと溝50bの深さdとの関係は、10倍以上に限定されず、基材50の外側外周面50a1に形成された第1巻線部51と、内側外周面50a2に形成された第2巻線部52との間の短絡を防止できる関係であれば、10倍未満であってもよい。
また、溝50b内の内側内周面50a2に超伝導体薄膜Tを形成して第2巻線部52を確実に形成する観点から、本実施形態の永久電流スイッチ及び超電導コイル5Aでは、超電導コイル5Aの円筒状の基材50の中心軸CLに沿う断面、すなわち溝50bの幅Wb方向に沿う断面において、溝50bの幅Wbは、溝50bの間に残された凸状部分50cの幅Wcと同等又は同一であることが好ましい。換言すると、円筒状の基材50の中心軸CLに沿う断面、すなわち溝50bの幅Wb方向に沿う断面において、外側外周面50a1の幅Wcと内側外周面50a2の幅Wbは、同等又は同一であることが好ましい。
以下、本実施形態の永久電流スイッチ及び超電導コイル5Aの作用について説明する。
本実施形態の永久電流スイッチ及び超電導コイル5Aでは、巻線部53が形成される基材50の外周面50aに螺旋状の溝50bが形成されることで、基材50の外周面50aは、溝50bの外側の外側外周面50a1と溝50bの内側の内側外周面50a2とを有している。これにより、外側外周面50a1と内側外周面50a2との間の溝50bの内側壁が、これらの外周面に対して急峻に切り立った状態、本実施形態では、これらの外周面に対して垂直又は略垂直になり、外側外周面50a1と内側外周面50a2との間に段差が形成されている。
そのため、前述の実施形態1と同様に基材50の外周面50aに超電導体薄膜Tを成膜すると、溝50bの内側壁に対する超電導体薄膜Tのつきまわりが悪くなる。すなわち、外側外周面50a1と内側外周面50a2との間の溝50bの内側壁に超電導体薄膜Tが殆ど形成されず、外側外周面50a1と内側外周面50a2にそれぞれ超電導体薄膜Tからなる第1巻線部51と第2巻線部52が形成される。
これにより、基材50の外周面50a上に超電導体薄膜Tを形成する薄膜形成工程において、巻線部53の第1巻線部51と第2巻線部52とが自動的かつ自己整合的に形成される。したがって、本実施形態の永久電流スイッチ及び超電導コイル5Aによれば、基材50の外周面50aに成膜した超電導体薄膜Tを螺旋状の巻線部53に加工する巻線部形成工程を省略することができる。
また、外側外周面50a1に形成された第1巻線部51の終端部51bと、内側外周面50a2に形成された第2巻線部52の始端部52aとは、外側外周面50a1と内側外周面50a2とに平滑に連続する接続面50a3を介して接続されている。これにより、基材50の外周面50a上に超電導体薄膜Tを形成する薄膜形成工程において、第1巻線部51と第2巻線部52との接続部53Cが自動的かつ自己整合的に形成される。したがって、本実施形態の永久電流スイッチ及び超電導コイル5Aによれば、超電導体薄膜Tに第1巻線部51と第2巻線部52との接続部53Cを形成する工程を省略することができる。
なお、成膜条件によっては、基材50の溝50bの内側壁に微量の超電導体が付着することが考えられる。しかし、巻線部53の断面積と比較して、溝50bの内側壁に付着した超電導体薄膜Tの断面積は極端に小さい。そのため、超電導コイル5Aの巻線部53が超電導状態を維持している状態でも、溝50bの内側壁に付着した超電導体薄膜Tは、臨界電流を超える電流Cによって常電導状態になり、極めて高い電気抵抗を示すことになる。したがって、巻線部53の超電導状態において、電流Cは、超電導状態の第1巻線部51と第2巻線部52のみに流れ、溝50bの内側壁に付着した常電導状態の超電導体薄膜Tには流れない。
以上説明したように、本実施形態の永久電流スイッチ及び超電導コイル5Aによれば、実施形態1の永久電流スイッチ4及び超電導コイル5と同様の効果が得られるだけでなく、巻線部形成工程を省略し、生産性を向上させることができる。
なお、本実施形態では、第1巻線部51の終端部と第2巻線部52の始端部52aとが接続された無誘導型の巻線部53を有する無誘導型の超電導コイル5Aについて説明した。しかし、第2巻線部52の始端部52aと終端部52bとを逆にして、第1巻線部51の始端部51aと第2巻線部52の始端部52aとを接続し、第1巻線部51の終端部51bと第2巻線部52の終端部52bとを接続することで、巻線部53の第1巻線部51と第2巻線部52とが並列に接続された無誘導型ではない二重螺旋構造の超電導コイル6Aを作製することもできる。第1巻線部51と第2巻線部52を並列に接続することで、巻線部53に流すことができる超電導電流を倍増させ、より高い磁場を発生させることができる制御用の超電導コイル6Aを得ることができる。
また、本実施形態では、基材50の中心軸CLに沿う方向の断面、すなわち溝50bの幅Wb方向に沿う断面において、溝50bの断面形状は矩形状であり、外側外周面50a1の幅Wcと内側外周面50a2の幅Wbが同等又は等しい場合について説明したが、溝50bの断面形状はこれに限定されない。以下、溝50bの断面形状の変形例について説明する。
図7Aから図7Dは、溝50bの断面形状の変形例を示す模式的な拡大断面図である。
図7Aに示すように、溝50bの幅方向に沿う断面形状が矩形である場合、溝50bの幅Wbと溝50bの間の凸状部分50cの幅Wc、すなわち外側外周面50a1の幅Wcと内側外周面50a2の幅Wbは、異なっていてもよい。この場合、第1巻線部51に発生する磁界と第2巻線部52に発生する磁界とが、可能な限り打ち消し合うように、外側外周面50a1の幅Wcと内側外周面50a2の幅Wbを決定することができる。
また、図7Bに示すように、溝50bは、幅Wb1,Wb2方向に沿う断面において深さd方向に対して傾斜する傾斜面50dを有し、底部の幅Wb1が開口部の幅Wb2よりも拡大されていてもよい。また、図7Cに示すように、溝50bは、幅Wb1,Wb2方向に沿う断面において矩形のアンダーカット部50eを有し、底部の幅Wb1が開口部の幅Wb2よりも拡大されていてもよい。これにより、溝50bの傾斜面50d及びアンダーカット部50eに付着する超電導体を減少させることができる。
また、図7Dに示すように、溝50bは、幅Wb方向に沿う断面において深さd方向に沿う縦壁面50fと、深さd方向に対して傾斜する傾斜面50gとを有し、開口部の幅Wb2が底部の幅Wb1よりも拡大されていてもよい。この場合、巻線部53は、無誘導型でない一重螺旋の通常の巻線部53としてもよいが、以下のように無誘導型の巻線部53とすることもできる。
すなわち、溝50bは、互いに並行する二重螺旋状に形成された第1溝50b1と第2溝50b2とを有している。巻線部53は、互いに並行する二重螺旋状に形成された第1巻線部51と第2巻線部52とを有している。第1巻線部51は、第1溝51b1の傾斜面50gに形成され、第2巻線部52は、第2溝50b2の傾斜面50gに形成されている。さらに、基材50は、第1溝50b1の傾斜面50gと第2溝50b2の傾斜面50gとの間に接続面50a3を有し、この接続面50a3を介して第1巻線部51の終端部51bと第2巻線部52の始端部52aとが接続されている。
以上、図7Aから図7Dに示す断面形状の溝50bを基材50に形成した場合でも、前述の本実施形態の永久電流スイッチ及び超電導コイル5Aと同様の効果を得ることができる。
[実施形態3]
以下、本発明の永久電流スイッチ及び超電導コイルの実施形態3について、図1から図4を援用し、図8A及び図8Bを参照して説明する。
図8Aは、本発明の実施形態3に係る超電導コイル6の概略的な正面図である。図8Bは、図8Aに示す超電導コイル6を中心軸CLに沿う紙面に垂直な面と中心軸CLに沿う紙面に平行な面で切断した超電導コイル6の一部の断面構造を示す概略的な断面図である。
本実施形態の永久電流スイッチ及び超電導コイル6は、超電導コイル6が無誘導型ではない通常の超電導コイル6である点で、前述の実施形態2で説明した永久電流スイッチ及び超電導コイル5Aと異なっている。本実施形態の超電導コイル6は、例えば、制御用の超電導コイル6として使用することができる。本実施形態の永久電流スイッチ及び超電導コイル6のその他の点は、実施形態2の永久電流スイッチ及び超電導コイル5Aと同一であるので、同一の部分には同一の符号を付して説明を適宜省略する。
本実施形態の超電導コイル6は、実施形態2の超電導コイル5Aと同様に、螺旋状の溝50bを有する円筒状の基材50の外周面50a上に成膜された超電導体薄膜Tからなる巻線部61を有している。また、基材50の外周面50aは、溝50bの外側の外側外周面50a1と溝50bの内側の内側外周面50a2とを有している。本実施形態の超電導コイル6は、外側外周面50a1に形成された超電導体薄膜Tのみを巻線部61として用い、内側外周面50a2に形成された超電導体薄膜Tは使用していない。すなわち、本実施形態の超電導コイル6の巻線部61は、外側外周面50a1のみに形成され、二重螺旋構造を有していない。
したがって、円筒状の基材50の中心軸に沿う溝50bの幅Wb方向において、内側外周面50a2の幅Wbは外側外周面50a1の幅Wcに対して十分に小さくされている。すなわち、基材50の外周面50aに形成された溝50bの幅Wbは、溝50bの間の凸状部分50cの幅に対して十分に狭くされている。より具体的には、溝50bの幅Wbは、外側外周面50a1上に成膜される超電導体薄膜Tが溝50bによって分断される範囲で、可能な限り狭くすることが望ましい。例えば、巻線部61の厚さtが数十μmから数百μm程度である場合には、溝50bの幅Wbを約100μm程度、溝50bの深さdを約200μm程度にすることができる。
本実施形態の永久電流スイッチ及び超電導コイル6によれば、例えば、図2に示す制御用の超電導コイル6のように無誘導型でない超電導コイル6において、実施形態1及び2の無誘導型の超電導コイル5,5Aと同様に、臨界電流や臨界磁場の低下を抑制し、永久電流スイッチ4の性能を向上させることができる。
[実施形態4]
以下、本発明の永久電流スイッチ及び超電導コイルの実施形態4について、図1から図4を援用し、図9を参照して説明する。
図9は、超電導コイル5Bを基材50の中心軸に沿う紙面に垂直な面と中心軸に沿う紙面に平行な面で切断した超電導コイル5Bの一部の断面構造を示す概略的な断面図である。
本実施形態の永久電流スイッチ及び超電導コイル5Bは、基材50の外周面50a上で巻線部53を構成する第1巻線部51と第2巻線部52とが、絶縁膜56を介して積層されている点で、前述の実施形態3で説明した超電導コイル6と異なっている。本実施形態の超電導コイル5Bのその他の点は、実施形態3の超電導コイル6と同一であるので、同一の部分には同一の符号を付して説明を適宜省略する。
本実施形態の超電導コイル5B,6Aは、スイッチ用の無誘導型の超電導コイル5B又は制御用の無誘導型ではない超電導コイル6Aであり、巻線部53は、互いに並行する二重螺旋状に形成された第1巻線部51と第2巻線部52とを有している。基材50は、外周面50aに螺旋状の溝50bを有し、溝50bの外側の外側外周面50a1と溝50bの内側の内側外周面50a2とを有している。第1巻線部51は、外側外周面50a1に形成されている。第2巻線部52は、絶縁膜56を介して第1巻線部51に積層されている。本実施形態において、溝50bの深さdは、少なくとも絶縁膜56と第2巻線部52とを合わせた厚さt1の分だけ、図8Bに示す実施形態3の超電導コイル6の基材50の溝50bよりも深くされている。
無誘導型の超電導コイル5Bの場合、第1巻線部51の終端部51bと第2巻線部52の始端部52aとは、絶縁膜56を貫通する貫通孔56aすなわちスルーホールを介して接続されている。無誘導型でない超電導コイル6Aの場合、第1巻線部51の始端部51aと第2巻線部52の始端部52a、及び、第1巻線部51の終端部51bと第2巻線部52の終端部52bとは、絶縁膜56を貫通する貫通孔56aを介して接続される。
本実施形態の超電導コイル5B,6Aを製作する際には、実施形態3の超電導コイル6と同様に、基材50の外周面50aに超電導体薄膜Tを成膜して、溝50bの外側の外側外周面50a1に第1巻線部51を形成する。その後、第1巻線部51上に絶縁膜56を成膜して第1巻線部51に積層させ、絶縁膜56に貫通孔56aを形成する。
無誘導型の超電導コイル5Bを製作する場合には、絶縁膜56の貫通孔56aは、第1巻線部51の終端部51bに対応する位置に形成する。また、無誘導型でない超電導コイル6Aを製作する場合には、絶縁膜56の貫通孔56aは、第1巻線部51の始端部51aと終端部51bに対応する位置に形成する。次に、絶縁膜56上に超電導体薄膜Tを成膜する。以上により、第1巻線部51と第2巻線部52とが直列に接続された無誘導型の超電導コイル5B、又は第1巻線部51と第2巻線部52とが並列に接続された無誘導型でない超電導コイル6Aを製作することができる。
本実施形態の超電導コイル5B,6A及びそれを用いた永久電流スイッチによれば、実施形態1から3の超電導コイル5,5A,6及びそれを用いた永久電流スイッチ4と同様の効果を得ることができる。また、第1巻線部51と第2巻線部52を並列に接続することで、巻線部53に流すことができる超電導電流を倍増させ、より高い磁場を発生させることができる制御用の超電導コイル6Aを得ることができる。この場合、溝50bの深さdを十分に深くすることができれば、巻線部53は、第1巻線部51と第2巻線部52との二層による二並列の巻線部53に限られず、絶縁膜56を介して三層以上の超電導体薄膜Tを積層させ、三並列以上の巻線部53としてもよい。
以上、図面を用いて本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。例えば、前述の実施形態では、磁界式の永久電流スイッチについて説明したが、本発明の無誘導型の超電導コイルは、熱式の永久電流スイッチに適用することもできる。
4 永久電流スイッチ、5,5A,5B 超電導コイル(スイッチ用)、6,6A 超電導コイル(制御用)、50 基材、50a 外周面、50a1 外側外周面、50a2 内側外周面、50a3 接続面、50b 溝、50d 傾斜面、50e アンダーカット部、50f 縦壁面、50g 傾斜面、51 第1巻線部、51a 始端部、51b 終端部、52 第2巻線部、52a 始端部、52b 終端部、53 巻線部、54 第1溝、55 第2溝、56 絶縁膜、56a 貫通孔、61 巻線部、d 深さ、T 超電導体薄膜、Wb 幅、Wb1 底部の幅、Wb2 開口部の幅

Claims (13)

  1. 超電導コイルを備えた永久電流スイッチであって、
    前記超電導コイルは、基材の外周面に成膜された超電導体薄膜からなる巻線部を有し、
    前記巻線部は、互いに並行する二重螺旋状に形成された第1巻線部と第2巻線部とを有し、互いに隣接する前記第1巻線部の終端部と前記第2巻線部の始端部とが接続されていることを特徴とする永久電流スイッチ。
  2. 前記基材は、前記外周面に螺旋状の溝を有し、
    前記外周面は、前記溝の外側の外側外周面と前記溝の内側の内側外周面とを有することを特徴とする請求項1に記載の永久電流スイッチ。
  3. 前記第1巻線部は、前記外側外周面に形成され、
    前記第2巻線部は、前記内側外周面に形成され、
    前記第1巻線部の終端部と前記第2巻線部の始端部とは、前記外側外周面と前記内側外周面とに平滑に連続する接続面を介して接続されていることを特徴とする請求項2に記載の永久電流スイッチ。
  4. 前記第1巻線部は、前記外側外周面に形成され、
    前記第2巻線部は、絶縁膜を介して前記第1巻線部に積層され、
    前記第1巻線部の終端部と前記第2巻線部の始端部とは、前記絶縁膜を貫通する貫通孔を介して接続されていることを特徴とする請求項2に記載の永久電流スイッチ。
  5. 螺旋状の溝を有する円筒状の基材の外周面に成膜された超電導体薄膜からなる巻線部を有し、
    前記外周面は、前記溝の外側の外側外周面と前記溝の内側の内側外周面とを有し、
    前記巻線部は、前記外側外周面に形成され、且つ、互いに並行する二重螺旋状に形成された第1巻線部と第2巻線部とを有し、
    前記第1巻線部は、前記外側外周面に形成され、
    前記第2巻線部は、前記内側外周面に形成され、
    前記第1巻線部の終端部と前記第2巻線部の始端部とが接続されていることを特徴とする超電導コイル。
  6. 螺旋状の溝を有する円筒状の基材の外周面に成膜された超電導体薄膜からなる巻線部を有し、
    前記外周面は、前記溝の外側の外側外周面と前記溝の内側の内側外周面とを有し、
    前記巻線部は、前記外側外周面に形成され、且つ、互いに並行する二重螺旋状に形成された第1巻線部と第2巻線部とを有し、
    前記第1巻線部は、前記外側外周面に形成され、
    前記第2巻線部は、絶縁膜を介して前記第1巻線部に積層されていることを特徴とする超電導コイル。
  7. 螺旋状の溝を有する円筒状の基材の外周面に成膜された超電導体薄膜からなる巻線部を有し、
    前記溝は、幅方向に沿う断面において深さ方向に対して傾斜する傾斜面を有し、底部の幅が開口部の幅よりも拡大されていることを特徴とする超電導コイル。
  8. 螺旋状の溝を有する円筒状の基材の外周面に成膜された超電導体薄膜からなる巻線部を有し、
    前記溝は、幅方向に沿う断面において矩形のアンダーカット部を有し、底部の幅が開口部の幅よりも拡大されていることを特徴とする超電導コイル。
  9. 螺旋状の溝を有する円筒状の基材の外周面に成膜された超電導体薄膜からなる巻線部を有し、
    前記溝は、幅方向に沿う断面において深さ方向に沿う縦壁面と前記深さ方向に対して傾斜する傾斜面とを有し、開口部の幅が底部の幅よりも拡大されていることを特徴とする超電導コイル。
  10. 前記第1巻線部の終端部と前記第2巻線部の始端部とが接続されていることを特徴とする請求項に記載の超電導コイル。
  11. 前記第1巻線部の始端部と前記第2巻線部の始端部とが接続され、
    前記第1巻線部の終端部と前記第2巻線部の終端部とが接続されていることを特徴とする請求項又は請求項に記載の超電導コイル。
  12. 前記溝は、幅方向に沿う断面形状が矩形であることを特徴とする請求項から請求項11のいずれか一項に記載の超電導コイル。
  13. 前記溝は、互いに並行する二重螺旋状に形成された第1溝と第2溝とを有し、
    前記巻線部は、互いに並行する二重螺旋状に形成された第1巻線部と第2巻線部とを有し、
    前記第1巻線部は、前記第1溝の前記傾斜面に形成され、
    前記第2巻線部は、前記第2溝の前記傾斜面に形成され、
    前記基材は、前記第1溝の前記傾斜面と前記第2溝の前記傾斜面との間に接続面を有し、該接続面を介して前記第1巻線部の終端部と前記第2巻線部の始端部とが接続されていることを特徴とする請求項に記載の超電導コイル。
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