JP2013030661A - 超電導コイル - Google Patents

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Abstract

【課題】冷却板を介し効率良く伝導冷却できる超電導コイルを提供する。
【解決手段】テープ状の超電導導体を重ね巻きするように巻回してなるパンケーキコイル21と、前記パンケーキコイルの端面に接するように配置された冷却板33とを有し、前記テープ状の超電導導体の幅方向端部に所定の間隔で間欠的に設けた凹部を集合してなる冷却溝が前記パンケーキコイルの端面に形成され、前記冷却板の前記パンケーキコイルと接する側の面に前記冷却溝に合致する形状の凸条部33bが形成され、前記凸条部を前記冷却溝に嵌入させて前記冷却板が前記パンケーキコイルの端面に密着されてなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、超電導コイルに関する。
超電導コイルは、磁気共鳴画像診断装置(MRI)や超電導磁気エネルギー貯蔵装置(SMES)といった様々な用途に使用されている。超電導コイルに用いられる超電導導体として、これまでNbTi等の金属系超電導導体が広く用いられてきたが、これらの金属系超電導導体は、超電導状態とするために極低温まで冷却する必要があり、冷却コストが高いという問題がある。さらに比熱の小さい極低温下で超電導コイルを使用するため、安定性が悪く常電導転移を起こし易いという問題があった。これに対し、近年、REBaCu7−δ(RE123、RE:希土類元素)で表される希土類系酸化物超電導体を用いた酸化物超電導導体、あるいは、BiSrCaCu8+δ(Bi2212)、BiSrCaCu10+δ(Bi2223)で表されるビスマス系超電導体を用いた酸化物超電導導体の開発が進められている。これらの酸化物系超電線材は、金属系超電導導体に比べて臨界温度が高温であるため、比熱が比較的大きな高温領域での使用が可能であり、超電導特性を安定して得ることができる。
この種の超電導コイルにおいて、運転コストが安く、取扱性の良好な冷凍機を用いて熱伝導によってコイルを冷却する伝導冷却型超電導コイルが知られている。伝導冷却型超電導コイルは、酸化物超電導導体が巻回されたパンケーキコイルの積層体に冷却板を介挿させ、冷凍機によって伝導冷却させた冷却板とコイルとの熱交換によってパンケーキコイルを臨界温度以下に冷却する構成とされている。
伝導冷却型の超電導コイルは、冷却効率が低下するとパンケーキコイルを充分に冷却できなくなるおそれがあるので、効率の良い冷却を行う必要がある。
以下の特許文献1には、コイル積層体の各パンケーキコイル同士の間に、それぞれ、平板状の冷却板、もしくは平板に溝を設けた冷却板を挟み込んだ構造の伝導冷却型コイルが記載されている。特許文献1に記載の伝導冷却型コイルでは、例えば、コイル積層体の周囲から伝導冷却を行う構成に比べて、コイル積層体の内側からパンケーキコイルを直接的に冷却できるので、コイル積層体の温度上昇を効率良く抑えることができる。
特開平11−186025号公報
前記伝導冷却型の超電導コイルを構成する超電導導体は、巻胴に巻回されるため、各パンケーキコイルの端面には僅かながら凹凸が存在する。このため、各パンケーキコイル間に、冷却板を介挿する構成では、パンケーキコイルと冷却板との間に僅かながら隙間が生じ、その断熱作用によって隙間付近における冷却効率が低いという問題がある。また、隙間が生じていないと仮定しても、パンケーキコイルの端面と冷却板が接する面積は、パンケーキコイル端面の面積分しかないので、更なる冷却効率の向上は見込めない問題がある。
本発明は、このような従来の実情に鑑みてなされたものであり、冷却板を介してパンケーキコイルを効率良く伝導冷却することができ、高い冷却効率が得られる超電導コイルの提供を目的とする。
上記課題を解決するため本発明は、テープ状の超電導導体を重ね巻きするように巻回してなるパンケーキコイルと、前記パンケーキコイルの端面に接するように配置された冷却板とを有し、前記テープ状の超電導導体の幅方向端部に所定の間隔で間欠的に設けた凹部を集合してなる冷却溝が前記パンケーキコイルの端面に形成され、前記冷却板の前記パンケーキコイルと接する側の面に前記冷却溝に合致する形状の凸条部が形成され、前記凸条部を前記冷却溝に嵌入させて前記冷却板が前記パンケーキコイルの端面に密着されてなることを特徴とする。
本発明の超電導コイルによれば、パンケーキコイルの端面に、冷却板が凸条部を冷却溝に嵌入させて接しているため、平板状の冷却板がパンケーキコイルの端面に接している場合に比べ、パンケーキコイルと各冷却板との接触面積を大きくでき、冷却板を介しパンケーキコイルを効率良く伝導冷却できる。このため、この超電導コイルでは、パンケーキコイルの超電導導体を確実に臨界温度以下に保つことができる。
本発明において、前記冷却溝が前記パンケーキコイルの端面に該端面の径方向にその内周部側から外周部側まで放射状に複数形成された構成を採用できる。
冷却溝がパンケーキコイルの端面に放射状に形成されていると、パンケーキコイルの内周部側から外周部側まで均一冷却ができるので、パンケーキコイルの全域において効率の良い冷却を図ることができる。
本発明において、対向する一対のフランジ板を巻胴で接続してボビンが構成され、前記フランジ板間に前記巻胴に装着した前記パンケーキコイルが複数挟み込まれるとともに、前記フランジ板のパンケーキ側の面に第2の凸条部が形成され、前記第2の凸条部が前記パンケーキコイルの冷却溝に嵌入された構成とすることができる。
複数のパンケーキコイルの両側を挟み込むボビンのフランジ板に第2の凸条部を設けてパンケーキコイルの冷却溝に嵌入することで、フランジ板を介しパンケーキコイルを伝導冷却することができ、複数積層したパンケーキコイルに対しその積層方向内側から冷却板を介する冷却に加え、その積層方向両側からフランジ板と該フランジ板の第2の凸条部を介し伝導冷却ができる。よって冷却効率をより高くすることができる。
本発明において、前記冷却板または前記フランジ板において前記パンケーキコイルと接する面が粗面化されていても良い。
冷却板またはフランジ板のパンケーキコイルと接する面が粗面化されていると、パンケーキコイルと冷却板またはフランジ板との伝熱効率が良好となり、冷却板を介し、あるいは、フランジ板を介して更に効率良くパンケーキコイルを伝導冷却できる。
本発明の超電導コイルによれば、パンケーキコイルの端面に冷却溝を設け、この冷却溝に嵌入する凸条部を備えた冷却板を備えたので、冷却板を介し効率良く伝導冷却を行うことができ、パンケーキコイルを効率良く冷却できる効果がある。即ち、平板状の冷却板がパンケーキコイルの端面に接している場合に比べて、パンケーキコイルと冷却板との接触面積を大きくできるので、各冷却板を介し効率良くパンケーキコイルを伝導冷却できる。このため、本発明の超電導コイルでは、動作時に、パンケーキコイルを構成する超電導導体の温度を確実に臨界温度以下に保つことができる。
本発明に係る第一実施形態の超電導コイルを示す側面図。 図1に示す超電導コイルの一部を拡大して示す分解斜視図。 図1に示す超電導コイルが備える超電導導体を示す斜視図。 図3に示す超電導導体の部分断面図。 図1に示す超電導コイルに設けられる冷却板の他の例を示す平面図。 図1に示す超電導コイルが適用された超電導コイル装置の一例を示す模式図。
以下、本発明に係る超電導コイルの実施形態について図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る超電導コイルの第1実施形態を示す側面図、図2は、図1に示す超電導コイルの一部を拡大して示す分解斜視図、図3は、図1に示す超電導コイルを構成する超電導導体の一例を示す平面図、図4は同超電導導体の詳細構造を示す図である。
図1に示す超電導コイル10は、巻胴30と上下のフランジ板(第1の冷却板)31、32とからなるボビンBに複数のパンケーキコイル21(図1の例では4つのパンケーキコイル)を積層してなるコイル積層体22が装着された構造とされている。コイル積層体22の下端面22a及び上端面22bに密着するようにフランジ板31、32が配置されている。また、コイル積層体22を構成するパンケーキコイル21、21の間にそれぞれ複数の第2の冷却板33が介挿されている。なお、フランジ板31、32はコイル積層体22の上下に密着してこれを挟み込むように配置されている。
図2に示すように、コイル積層体22は、同一径のドーナツ状のパンケーキコイル21を同軸的に上下に複数積層し構成されている。なお、パンケーキコイル21の形状はドーナツ状に限定されず、楕円形のレーストラック状あるいは矩形楕円形状などであってもよい。
図2に示すように、各パンケーキコイル21は、後に詳細構造を説明するテープ状の超電導導体1が同心円状に多数回巻回されて構成されたパンケーキ型のコイル体であり、それぞれ、その上端面21a及び下端面21bに複数の冷却溝21cが放射状に設けられている。複数の冷却溝21cは、本実施形態では4本であり、それぞれ、各端面21a、21bにおける径方向に沿って、隣り合う冷却溝と略90°の角度をなすように放射状に配設されている。
次に、パンケーキコイル21を構成する超電導導体1について説明する。
図4に示すように、超電導導体1は、テープ状の基材11の上にベッド層12と中間層15とキャップ層16と酸化物超電導層17と保護層18と安定化層19を積層して構成され、更にこれらの全体を絶縁性の被覆層20で覆って概略構成されている。超電導導体1において、基材11とベッド層12と中間層15とキャップ層16と酸化物超電導層17と保護層18と安定化層19とから超電導導体本体部1Aが構成されている。
本実施形態の超電導導体1に適用できる基材11は、通常の超電導導体の基材として使用でき、高強度であれば良く、長尺のケーブルとするためにテープ状であることが好ましく、耐熱性の金属からなるものが好ましい。例えば、ハステロイB、C、G、N、W(米国ヘインズ社商品名)などのニッケル合金等の各種金属材料、もしくはこれら各種金属材料上にセラミックスを配したもの、又はニッケル合金に集合組織を導入した配向N−W基板のような配向金属基材等が挙げられる。基材11の厚さは目的に応じて適宜調整すれば良く、通常は、10〜500μmである。
ベッド層12は、耐熱性が高く、界面反応性を低減するためのものであり、必要に応じて配され、例えば、Y、Si、Al等から構成される。ベッド層12の厚さは例えば10〜200nmである。また、本発明において、超電導導体1は図4に示す構造に限るものではなく、基材11とベッド層12との間に拡散防止層が介在された構造としても良い。この場合の拡散防止層は、Si、Al、あるいは希土類金属酸化物等から構成され、その厚さは例えば10〜400nmである。
中間層15は、単層構造あるいは複層構造のいずれでも良く、その上に積層される酸化物超電導層17の結晶配向性を制御するために2軸配向する物質から選択される。中間層15の好ましい材質として具体的には、GdZr、MgO、ZrO−Y(YSZ)、SrTiO、CeO、Y、Al、Gd、Zr、Ho、Nd等の金属酸化物を例示することができる。中間層15の厚さは、目的に応じて適宜調整すれば良いが、通常は、0.005〜2μmの範囲とすることができる。
キャップ層16は、中間層15よりも高い面内配向度が得られ、好ましい材質として具体的には、CeO、Y、Al、Gd、Zr、Ho、Nd等が例示できる。 キャップ層16の膜厚は、500〜1000nmとすることが好ましい。
酸化物超電導層17は公知のもので良く、具体的には、REBaCu(REはY、La、Nd、Sm、Er、Gd等の希土類元素を表す)なる材質のものを例示できる。この酸化物超電導層17として、Y123(YBaCu7−X)又はGd123(GdBaCu7−X)などを例示することができる。酸化物超電導層17の厚みは、0.5〜5μm程度であって、均一な厚みであることが好ましい。
酸化物超電導層17の上に積層されている保護層18はAgあるいは貴金属などの良電導性かつ酸化物超電導層17と接触抵抗が低くなじみの良い金属材料からなる層として形成される。保護層18の厚さを1〜30μm程度に形成できる。
安定化層19は、良導電性の金属材料からなることが好ましく、酸化物超電導層17が超電導状態から常電導状態に遷移しようとした時に、電流が転流するバイパスとして機能する。
安定化層19を構成する金属材料としては、良導電性を有するものであればよく、特に限定されないが、銅、黄銅(Cu−Zn合金)等の銅合金、ステンレス等の比較的安価なものを用いるのが好ましく、中でも高い導電性を有し、安価であることから銅がより好ましい。安定化層19の厚さは10〜300μmとすることが好ましい。
以上のような酸化物超電導導体1を用いて、例えば、次のようにしてパンケーキコイル21を作製することができる。
(1)まず、基材11上に、常法に従って超電導導体1を構成する各層を形成し、テープ状の超電導導体本体部(被覆層20が形成されていない超電導導体1)1Aを得る。
(2)次に、図3に示すように、超電導導体本体部1Aにおいて、パンケーキコイル21とした状態での冷却溝21cに対応する部分を切断除去する。本実施形態では、超電導導体本体部1Aの幅方向両端側の端縁部に沿って、平面視矩形状の凹部1cを複数形成する。凹部1cに対応する部分の除去方法としては、特に限定されず、例えば、レーザー加工、化学エッチング法、カッターによる切断加工方法等のいずれを用いても良い。
超電導導体本体部1Aの除去する部分は、例えば、次にようにして選定することができる。
まず、加工を施す前の超電導導体本体部1Aを目的とするパンケーキコイル状に仮巻きし、仮のパンケーキコイルとする。そして、この状態で冷却溝21cとすべき部分にマークを付し、超電導導体本体部1Aを巻き解く。これにより、この巻き解かれた超電導導体本体部1Aのマークが付された部分が冷却溝形成のために除去する部分であると選定できる。
なお、このような仮巻作業を行わず、超電導導体本体部1Aの冷却溝21cに対応する位置を予め計算によって求めておき、この位置に凹部を形成するようにしても構わない。
(3)次に、凹部1cが形成された超電導導体本体部1Aに、絶縁テープ巻き、絶縁テープラップ添えなどの方法に従って被覆層20を形成し、超電導導体1を得る。
(4)次に、各パンケーキコイル21毎に巻枠を用意し、前記工程で得られた超電導導体1を別途用意したリング状の巻枠の外周面に超電導導体1の時計回り又は反時計回りに重ね巻きするように巻回する。
以上の工程により、図2に示すパンケーキコイル21が得られる。
上下に配置されているパンケーキコイル21において、内周側に位置する巻回始端同士は互いに超電導層同士が露出状態で隣接するように配されており、図示略の良導電性の接続板を半田付けすることにより、電気的に接続されている。また、パンケーキコイル21の外周側に位置する巻回終端においても上下に配置されているパンケーキコイル21の露出された超電導層同士の間で図示略の良導電性の接続板を半田付けすることにより接続されている。従って、最上段と最下段のパンケーキコイル21の巻回終端部の接続板を電源に接続するための外部端子として設け、他のパンケーキコイル21は内周側の巻回始端同士、あるいは、外周側の巻回終端同士を図示略の接続板を介し電気的に接続することにより最上段から最下段のパンケーキコイル21まで電気的な接続がなされている。
本実施形態では、第1の冷却板であるフランジ板31、32と第2の冷却板33は、それぞれ、超電導コイル10の外部に設けられる冷却装置からの伝導冷却に寄与する冷却パスとして機能する。
図2の分解図に示すように、第2の冷却板33は、それぞれ、円板部33aと、該円板部33aの表裏面に設けられた複数の凸条部33bとから構成されている。
各円板部33aは、平面視でパンケーキコイル21よりも若干大径の円板状をなし、熱伝導性が良好なAl、Cuなどの良熱伝導性金属材料によって形成されている。
本実施形態において凸条部33bは4本形成され、それぞれ、各円板部33aにおける表裏面において径方向に沿って、隣り合う凸条部33bと略90°の角度をなすように一体形成されている。また、各凸条部33bの断面形状及び断面寸法は、パンケーキコイル21の冷却溝21cの横断面形状と大略同じ形状及び寸法とされている。
本実施形態の凸条部33bは、円板部33aと同様の材料からなるが、これらは同じ材料で一体形成されていても良く、異なる良熱伝導性材料で構成されていても構わない。
また、本実施形態においてフランジ板31が円板部31aと凸条部31bからなり、フランジ板32が円板部32aと凸条部32bからなるが、フランジ板31、32においては、パンケーキコイル21側の面にのみ凸条部31b、32bが形成されている。フランジ板31、32について、円板部31a、32aと凸条部31b、32bを構成する材料については先の冷却板33と同等であるが、フランジ板31、32はパンケーキコイル21の積層体を保護する必要もあるので冷却板33よりも肉厚に形成されている。
以上のように構成された超電導コイル10は、例えば、図6に示すような冷凍機58を備える超電導コイル装置50に組み込まれ、臨界温度以下に冷却された状態で利用される。
図6に示す超電導コイル装置50は、真空容器などの収容容器59の内部に配置された超電導コイル10と、収容容器59の内部の超電導コイル10を臨界温度以下に冷却するための冷凍機58を備えて構成されている
超電導コイル10の各冷却板33とフランジ板31、32は、それらの外周部において良熱伝導性材料よりなる熱伝導バー56に接続されている。冷凍機58と熱伝導バー56とフランジ板31、32と各冷却板33とは接続されており、これにより冷凍機58によりフランジ板31、32と各冷却板33を介し伝導冷却がなされ、フランジ板31、32と各冷却板33により超電導コイル10全体を伝導冷却できる構成となっている。
超電導コイル10の最上段のパンケーキコイル21と最下段のパンケーキコイル21の各巻回終端は、電流リード線54a、54bを介し収容容器59の外部の電源55に接続されており、この電源55から超電導コイル10に通電できるようになっている。また、収容容器59は、図示しない真空ポンプに接続されており、内部を目的の真空度に減圧できるように構成されている。
この例の超電導コイル装置50では、冷凍機58によって冷却されたフランジ31、32と各冷却板33を介する伝導冷却によって各パンケーキコイル21を冷却し、超電導導体1を臨界温度以下に冷却し、酸化物超電導層17を超電導状態とする。この超電導状態の酸化物超電導積層17に通電を行って目的とする磁界を発生させて超電導コイル装置50を超電導マグネットとして利用することができる。
本実施形態の超電導コイル10では、各パンケーキコイル21の各端面21a、21bに放射状に複数の冷却溝21cを設け、フランジ板31、32に複数の凸条部31b、32bを設け、各冷却板33に複数の凸条部33bを設けており、各凸条部を介してパンケーキコイル21との接触面積を大きくしているので、効率良く伝導冷却ができる。
このため、各パンケーキコイル21を短時間で臨界温度以下に冷却できるとともに、動作時に何らかの原因で発熱しても、フランジ31、32と冷却板33に効率良く熱が伝達され、速やかに冷却されるので、発熱が解消される。このため、この超電導コイル10は、その温度を確実に臨界温度以下に保つことができる。
本実施形態のパンケーキコイル21に設ける冷却溝21cの数は特に制限がなく、図5に示すように放射状に6本設けた構造を採用しても良い。冷却溝21cを設ける数は、冷却板33で冷却する対象のパンケーキコイル21の大きさ等に応じて任意の数だけ設けることができる。
また、冷却溝21cの深さ(凸条部33bの高さ)は、パンケーキコイル21の厚さ、換言すると酸化物超電導積層17の幅に応じて超電導層としての電流パスの体積が必要以上に小さくならない程度の大きさに形成することが好ましい。なお、凹部1cの幅や深さは用途に応じて必要な寸法とすることができ、超電導機器として使用する場合の電流値に応じて凹部1cを設ける数との兼ね合いから決定すればよい。
また、フランジ板31、32と各冷却板33においてパンケーキコイル21と接する面には、表面粗さを増加する粗面化処理が施されていることが好ましい。これにより、各パンケーキコイル21とフランジ板31、32及び各冷却板33との接触面積がより大きなものとなり、各パンケーキコイル21の冷却効率をさらに高めることが可能となる。粗面化処理としては、例えばブラスト処理やホーミング処理等を用いることができる。
以上、本発明の超電導コイルについて説明したが、前記実施形態において、超電導コイルを構成する各部は一例であって、本発明の範囲を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
例えば、前記実施形態では、図4に示すテープ状の基材11上に中間層15などを介し希土類系の酸化物超電導層17が積層された構成の超電導導体1を使用してパンケーキコイル21とする例を示したが、本発明の超電導コイルはこの例に限定されない。
例えば、BiSrCan−1Cu4+2n+δなる組成等に代表される臨界温度の高いBi系の酸化物超電導層を銀又は銀合金のシース材で被覆したテープ状の線材からなるパンケーキコイルを使用することもできる。なお、このような超電導導体は、酸化物超電導層の原料粉末が充填された銀又は銀合金製のパイプを伸線して多芯化し、さらに伸線、圧延および焼成を繰り返すPIT法(Powder In Tube法)などにより製造される。勿論、本発明に適用するテープ状の超電導導体は上述の例に限らず、他の構造であっても良い。
本発明は、例えば超電導マグネット、超電導限流器など、各種超電導機器に用いられる超電導コイルに利用することができる。
1…超電導導体、1A…超電導導体本体、1c…凹部、2…コイル積層体(コイル体)、2a…上端面、2b…した端面、10…超電導コイル、11…基材、12…ベッド層、15…中間層、16…キャップ層、17…酸化物超電導層、18…保護層、19…安定化層、20…被覆層、21…パンケーキコイル、21a…上端面、21b…下端面、31、32…フランジ板、31b…凸条部、33…冷却板、33a…円板部、33b…凸条部。

Claims (4)

  1. テープ状の超電導導体を重ね巻きするように巻回してなるパンケーキコイルと、前記パンケーキコイルの端面に接するように配置された冷却板とを有し、
    前記テープ状の超電導導体の幅方向端部に所定の間隔で間欠的に設けた凹部を集合してなる冷却溝が前記パンケーキコイルの端面に形成され、前記冷却板の前記パンケーキコイルと接する側の面に前記冷却溝に合致する形状の凸条部が形成され、
    前記凸条部を前記冷却溝に嵌入させて前記冷却板が前記パンケーキコイルの端面に密着されてなることを特徴とする超電導コイル。
  2. 前記冷却溝が前記パンケーキコイルの端面に該端面の径方向に放射状に複数形成されたことを特徴とする請求項1に記載の超電導コイル。
  3. 対向する一対のフランジ板を巻胴で接続してボビンが構成され、前記フランジ板間に前記巻胴に装着した前記パンケーキコイルが複数挟み込まれるとともに、前記フランジ板のパンケーキ側の面に第2の凸条部が形成され、前記第2の凸条部が前記パンケーキコイルの冷却溝に嵌入されたことを特徴とする請求項1または2に記載の超電導コイル。
  4. 前記冷却板または前記フランジ板において前記パンケーキコイルと接する面が粗面化されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の超電導コイル。
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