JPWO2019221215A1 - ルビプロストン含有粒子状医薬組成物 - Google Patents
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Abstract
優れた安定性と含量均一性とを有し、服用が容易で、かつ取り扱いに利便性を有するルビプロストン含有粒子状医薬組成物を提供する。粒子状医薬組成物は、ルビプロストンもしくはルビプロストンの薬学的に許容可能な塩、または、ルビプロストンもしくはルビプロストンの薬学的に許容可能な塩の水和物と、高分子化合物とを含有する固体分散体を含む。
Description
本発明は、ルビプロストンを含有する粒子状医薬組成物に関する。
ルビプロストン(7−[(2R,4aR,5R,7aR)−2−(1,1−ジフルオロペンタンー1−イル)−2−ヒドロキシ−6−オキソオクタヒドロシロペンタ[b]ピラン−5−イル]ヘプタン酸)は、慢性便秘症薬の有効成分として使用される。
特表2003−511445号公報(特許文献1)には、ルビプロストンが熱に不安定であることが示されており、ルビプロストンとグリセリドを混合して安定化させる医薬組成物が記載されている。グリセリドとしては例えば中鎖脂肪酸トリグリセリドが使用されており、経口投与用製剤、特に軟カプセル剤等の経口投与用製剤に製剤化することが記載されている。
ルビプロストンと中鎖脂肪酸トリグリセリドを含有する軟カプセル剤はマイランEPD合同会社によって製造販売されている(アミティーザカプセル24μgインタビューフォーム(第7版)(非特許文献1))。非特許文献1には、ルビプロストンが熱及び湿度に不安定であることが記載されている。
アミティーザカプセル24μgインタビューフォーム(第7版)
しかしながら、軟カプセル剤は、高齢者や小児、嚥下困難な患者にとって服用しにくい剤形であり、分割して投与することができない、水に分散させて使用できないという便宜性にも欠けた剤形であり、また、特殊な製造設備が必要という欠点を有した剤形でもある。したがって、これらの欠点をなくした錠剤、顆粒剤、細粒剤などの固形製剤とすることが有意義である。
ところで、軟カプセル中のルビプロストンは、基剤、例えば中鎖脂肪酸トリグリセリドに溶解した液体状態で1カプセル中に24μgという超低含量で含有されている。これは、均質な液体をそのまま充填する軟カプセルであるが故にできることであり、同じような液体状態のままで配合して、含量が均一で、しっかりした強度を有した固形製剤に容易に製することができないことは、衆目の一致するところで、これは、固形製剤を製する上での解決すべき課題となる。
また、ルビプロストンは、軟カプセル剤中では基剤、例えば中鎖脂肪酸トリグリセリドに溶解した液体状態であるが、固形製剤中に固体状態で含有される場合には、例え非晶質で製剤化しても、経時的に再結晶化する恐れがある。ルビプロストンが再結晶化すると、ルビプロストンの安定性と溶出性が低下する恐れがある。
さらに、非特許文献1には、ルビプロストンが熱及び湿度に不安定で、あることが記載されており、軟カプセル以外の製剤、特に安定性を向上させた固形製剤に製造することが困難であることが容易に予想できる。
そこで、本発明の目的は、優れた安定性と含量均一性とを有し、服用が容易で、かつ取り扱いに利便性を有するルビプロストン含有粒子状医薬組成物と、それを含む固形医薬組成物を提供することである。
以上の状況を鑑み、本発明者らは、ルビプロストンを含有する粒子状医薬組成物と、それを含む錠剤、顆粒剤、細粒剤などの固形製剤とする方法に関して鋭意検討を実施した。
その結果、本発明者らは、ルビプロストンは熱や湿度に不安定で、類縁物質が生成し、含量低下をきたす性質を有しているのみならず、水酸基を多く含有する添加剤など多くの製剤化用添加剤との配合で、その性質が加速されることを見出した。そのため、ルビプロストンを結合剤などの添加剤とともに溶剤に溶解させ、添加剤粉末と均一になるよう昆練し、乾燥して溶剤を飛散させる湿式法で製した造粒物を用いて固形剤に製する方法では、含量均一性は担保できても、その安定性を担保することが容易ではないことを知った。
本発明者らはまた、ルビプロストン結晶は、熱及び湿度に不安定であるほか、多くの製剤化用添加物との配合で不安定化されることがわかり、単純な配合方法では安定な固形製剤は得られないことを知った。そのため、ルビプロストンを安定化させる方法に関して鋭意研究したところ、ルビプロストンをある種の高分子化合物ともに溶剤に溶解乃至分散させた溶液から粒子状医薬組成物を形成させ、粒子状医薬組成物中でルビプロストンを非晶化状態に維持させる方法を利用することにより、ルビプロストンを安定化できる可能性を見出した。
以上の知見に基づいて、本発明は次のように構成される。すなわち、本発明に従った粒子状医薬組成物は、ルビプロストンもしくはルビプロストンの薬学的に許容可能な塩、または、ルビプロストンもしくはルビプロストンの薬学的に許容可能な塩の水和物(以下、これらを単に「ルビプロストン」ともいう。)と、高分子化合物とを含有する固体分散体を含む。
また、高分子化合物は、グルコース環を構成単位として有する高分子化合物、ビニル基を有するモノマーを付加重合させてなる高分子化合物、または、グルコース環を構成単位として有する高分子化合物もしくはビニル基を有するモノマーを付加重合させてなる高分子化合物に化学的修飾が施されたものであることが好ましい。
また、本発明に従った粒子状医薬組成物においては、グルコース環を構成単位として有する高分子化合物は、グルコース環単位当たりの水酸基の平均個数が2以下であることが好ましい。
また、本発明に従った粒子状医薬組成物においては、ビニル基を有するモノマーを付加重合させてなる高分子化合物は、構成単位当たりの水酸基の数が1以下であることが好ましい。
また、本発明に従った粒子状医薬組成物においては、高分子化合物は、アルキルアクリル酸を含まないことが好ましい。
また、本発明に従った粒子状医薬組成物においては、高分子化合物は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、メチルセルロース、ポビドン、コポリビドン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、および、クロスポビドンからなる群から選ばれる少なくとも1つの高分子化合物であることが好ましい。
また、本発明に従った固形医薬組成物は、上記のいずれかの粒子状医薬組成物を含むことが好ましい。
また、本発明に従った固形医薬組成物は、顆粒剤、細粒剤、カプセル剤 、散剤、丸剤、ドライシロップ剤または、錠剤であることが好ましく、錠剤が特に好ましい。錠剤は、フィルムコーティングされた錠剤や口腔内崩壊錠であることが好適で、例えば、粒子状医薬組成物を打錠して成形した錠剤(口腔内崩壊錠)などが好適例として挙げられる。
また、一般的に、粒子状医薬組成物や、それを含む散剤、顆粒剤、錠剤などの固形製剤を製する場合、いろいろな添加剤の中から、それぞれの剤形に見合う量や形態で使用することによって、目的とする剤形に仕上げることができる。通常、ある程度の不安定化要因を有する薬物であっても、使用する添加剤をある程度厳選することによって目的とする製剤を得ることができる。
しかしながら、ルビプロストンは、それ自体が熱及び湿度環境下保存で、類縁物質が生成し、含量低下をきたす性質、及び大半の製剤化用添加剤との配合でその性質が加速されるという特性を有しており、汎用される通常の製剤化法では、散剤、顆粒剤、錠剤などの固形製剤を製造することができない。
本発明者らは、熱及び湿度環境下に保存しても安定なルビプロストンとして製剤化する方法を鋭意探求し、高分子化合物との配合による非晶化法を利用することによって、ルビプロストンを安定に保存しうる本発明の医薬組成物を完成させることができた。
また、1回の投与量が24μgという超低含量のルビプロストンを粉末のままで添加剤と均質に混合することはできない。そこで、ルビプロストンを湿式で配合し、含量均一性及び安定性の双方を同時に担保させる方法が必要である。
以上の知見に基づいて、本発明の粒子状医薬組成物の製造方法は次のように構成される。すなわち、本発明の1つの局面に従った粒子状医薬組成物の製造方法は、ルビプロストンもしくはルビプロストンの薬学的に許容可能な塩、または、ルビプロストンもしくはルビプロストンの薬学的に許容可能な塩の水和物と高分子化合物とを溶剤に溶解または分散させて混合液を得る工程と、混合液を添加剤に添加して湿式造粒し乾燥する工程とを含む。
また、本発明の別の局面に従った粒子状医薬組成物の製造方法は、ルビプロストンもしくはルビプロストンの薬学的に許容可能な塩、または、ルビプロストンもしくはルビプロストンの薬学的に許容可能な塩の水和物と高分子化合物とを溶剤に溶解または分散させて混合液を得る工程と、混合液から溶剤を除去する工程とを含む。
以上のように、本発明に従えば、優れた安定性を有し、服用が容易で、投薬の便宜性を向上させた剤形のルビプロストンを含む粒子状医薬組成物と、それを含む固形医薬組成物と、粒子状医薬組成物の製造方法とを提供することができる。
本発明に従った粒子状医薬組成物は、ルビプロストンもしくはルビプロストンの薬学的に許容可能な塩、または、ルビプロストンもしくはルビプロストンの薬学的に許容可能な塩の水和物と、高分子化合物とを含有する固体分散体を含む。
ルビプロストンと高分子化合物とを固体分散体にすることによって、ルビプロストンの少なくとも一部が、高分子化合物との固体分散体中に非晶質体として存在する。ルビプロストンの非晶質体は、本来、結晶体よりも安定性が低い。しかし、本発明者らが見出した通り、ルビプロストンと高分子化合物とを固体分散体にすることで、ルビプロストンの少なくとも一部を非晶質状態に保ち、かつ、結晶体のルビプロストンよりも安定性を高めることができる。このようにして、ルビプロストンを含有する安定な粒子状医薬組成物を提供することができる。
非晶質(アモルファスともいう。)のルビプロストンは、結晶構造を有しない不定形の状態である。非晶質であるか否かは、X線回折によって判断することができる。ルビプロストン(結晶性のルビプロストン)は、後述する粒子状医薬組成物の製造方法に従うことにより、非晶質化できる。このようにして形成された粒子状医薬組成物においては、非晶質のルビプロストンがマトリクス中に分散した固体分散体によって構成されている。
高分子化合物は、グルコース環を構成単位として有する高分子化合物、ビニル基を有するモノマーを付加重合させてなる高分子化合物、または、グルコース環を構成単位として有する高分子化合物もしくはビニル基を有するモノマーを付加重合させてなる高分子化合物に化学的修飾が施されたものである。
本発明者らは、ルビプロストンと固体分散体を形成する高分子化合物によっては、特によくルビプロストンの非晶質体を維持し、かつ、結晶体のルビプロストンよりも安定性を高めることが可能であることを見出した。ルビプロストンと固体分散体を形成する高分子化合物として、上述の高分子化合物を用いることによって、粒子状医薬組成物をより安定にすることができる。
具体的には、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、メチルセルロース、ポビドン、コポリビドン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール・アクリル酸メタクリル酸メチルコポリマー、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、アミノアルキルメタクリレートコポリマーRS、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスポビドンなどである。
また、本発明に従った粒子状医薬組成物においては、グルコース環を構成単位として有する高分子化合物は、グルコース環単位当たりの水酸基の平均個数が2以下であることが好ましい。
また、本発明に従った粒子状医薬組成物においては、ビニル基を有するモノマーを付加重合させてなる高分子化合物は、構成単位当たりの水酸基の数が1以下であることが好ましい。
また、本発明に従った粒子状医薬組成物においては、高分子化合物は、アルキルアクリル酸を含まないことが好ましい。
また、本発明に従った粒子状医薬組成物においては、高分子化合物は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、メチルセルロース、ポビドン、コポリビドン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、および、クロスポビドンからなる群から選ばれる少なくとも1つの高分子化合物であることが好ましい。
本発明者らは、これらの高分子化合物は、ルビプロストンの安定性を劇的に向上させることを見出した。
また、本発明に従った固形医薬組成物は、上記のいずれかの粒子状医薬組成物を含むことが好ましい。
また、本発明に従った固形医薬組成物は、顆粒剤、細粒剤、カプセル剤、散剤、丸剤、ドライシロップ剤、または、錠剤であることが好ましい。
ルビプロストンもしくはルビプロストンの薬学的に許容可能な塩、または、ルビプロストンもしくはルビプロストンの薬学的に許容可能な塩の水和物の含有量は、特に限定されないが、固形医薬組成物の1製剤当たり、12〜48μgであることが好ましい。
また、本発明で配合する高分子化合物は、ルビプロストンを安定化するために必須の配合剤であるが、本発明の医薬組成物を製造する際の結合剤や崩壊剤として配合できる有力な添加剤であり、この点でも極めて有用で好都合である。その配合量は、ルビプロストン1重量部に対し0.5重量部以上であり、その使用目的と製造する医薬組成物の特性を合致させうる範囲であれば、配合の上限はない。0.5重量部以下ではルビプロストンの安定性が担保されないおそれがある。
次に、本発明に従った粒子状医薬組成物の製造方法を説明する。
本発明の1つの局面に従った粒子状医薬組成物の製造方法は、ルビプロストンもしくはルビプロストンの薬学的に許容可能な塩、または、ルビプロストンもしくはルビプロストンの薬学的に許容可能な塩の水和物と高分子化合物とを溶剤に溶解または分散させて混合液を得る工程と、混合液を添加剤に添加して湿式造粒し乾燥する工程とを含む。
混合液を添加剤に添加して粒子化して粒子を得る工程は、例えば、湿式造粒工程、混合液をスプレーノズルから噴霧して流動層造粒する工程であるが、これらの工程に限定されるものではない。湿式造粒工程においては、例えば、撹拌造粒機、ニーダー、円筒押出造粒機などの機器を用いることができる。流動層造粒する工程では、例えば、流動層造粒乾燥機や転動流動型コーティング造粒機などを用いることができる。
添加剤としては、ルビプロストンの安定性に影響を及ぼさないものを用いることによって、粒子状医薬組成物の安定性をより向上させることができる。
このようにすることにより、ルビプロストンが安定化され、かつ、ルビプロストンを賦形剤や崩壊剤などの製剤用添加剤に均質に分散させることができ、含量均一性も担保でき好都合である。
また、湿式造粒法においては、ルビプロストンと高分子化合物を溶解または分散させた溶液を、賦形剤などの添加剤に付加して造粒操作を行い、粒子や顆粒に製する必要があるが、用いる添加剤によっては、ルビプロストンの安定性に悪影響を及ぼすことが考えられる。
そのため、賦形剤として用いられる可能性の高い添加剤に関して、ルビプロストンとの相性に関して調査したところ、賦形剤として用いられるものでルビプロストンの安定性に影響を及ぼさないものは、クロスポビドン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、トウモロコシデンプンなどであることがわかり、これらの成分を用いることが好ましい。
また、本発明の別の局面に従った粒子状医薬組成物の製造方法は、ルビプロストンもしくはルビプロストンの薬学的に許容可能な塩、または、ルビプロストンもしくはルビプロストンの薬学的に許容可能な塩の水和物と高分子化合物とを溶剤に溶解または分散させて混合液を得る工程と、混合液から溶剤を除去する工程とを含む。
混合液から溶剤を除去する工程は、例えば、スプレードライ工程やスプレーチルド工程であるが、これらの工程に限定されるものではない。
この製造方法では、高分子化合物とルビプロストンのみで粒子に製することができ、ルビプロストンの安定性を向上させる製法としては特に好都合である。ただし、溶液中に賦形剤などの添加剤を溶液中に同時に分散させて粒子に製することが自由であることは言うまでもないが、この場合も配合する添加剤は、好ましくはクロスポビドン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、トウモロコシデンプンなどである。
なお、ルビプロストンを安定化させる高分子化合物については、2種以上を配合して用いることは自由であり、ルビプロストンと高分子化合物を溶解乃至分散させるのに用いる溶媒は、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどの有機溶媒と水を用いることができるが、好ましくは、エタノール又はエタノールと水の混合溶液である。
次いで、本発明の粒子状医薬組成物を錠剤化する方法に関して説明する。
本発明の製造方法によって製造された粒子状医薬組成物を用いて、安定化されたルビプロストンを含む、細粒剤、顆粒剤、錠剤などの固形医薬組成物を製造することができる。なお、本発明の固形医薬組成物とは、種々の経口投与剤形に供しうるルビプロストン含有の粒子、顆粒、及び錠剤に包含されるような組成物を意味する。
錠剤化する場合、上記の方法で製した粒子状医薬組成物を用い、これにルビプロストンの安定性に悪影響を及ぼさない賦形剤、崩壊剤、及び滑沢剤を配合して錠剤化できれば好都合である。また、ルビプロストンの安定性に悪影響を及ぼさない賦形剤、崩壊剤などを混合したものに対し、結合剤としての機能を有する高分子化合物とルビプロストンを溶解乃至分散させた溶液を添加し、撹拌造粒法又は噴霧造粒法で造粒して製した粒子に少量の滑沢剤などを配合し、加圧成形して錠剤に製する方法が採用できれば好都合である。ルビプロストンの安定性に悪影響を及ぼさない賦形剤、崩壊剤はクロスポビドン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、トウモロコシデンプンなどであり、これらの添加剤を有効利用することにより錠剤化を試みることは有意義であり、ルビプロストンを安定化させ錠剤化できる可能性は高い。
ただし、錠剤には、ルビプロストンの安定性以外に、錠剤の強度、崩壊性、溶解性、開封保存後の外観変化など様々な担保すべき条件があり、それらの特性に寄与させる目的で、ルビプロストンの安定性に悪影響を与える添加剤であっても配合して用いざるを得ないことがある。そのような錠剤の成形性、崩壊性、溶出性、外観変化などに寄与する添加剤としては、例えば、乳糖、乳糖水和物、D−マンニトール、エリスリトール、無水リン酸水素カルシウム、カルメロース、カルメロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸などを挙げることができる。このような添加剤を配合する場合は、ルビプロストンを安定化させた粒子や顆粒とは別途に、これらの添加剤を配合して高分子化合物を溶解した結合剤溶液を用いて、薬物を含有しない粒子や顆粒に製し、ルビプロストンと高分子化合物からなる粒子や顆粒と混合して用い、少量の滑沢剤などを配合して加圧成形して錠剤に製し、ルビプロストンとの接触を低減させて安定化を同時に達成させる方法を採用することができる。
このような方法で錠剤化用の粒子や顆粒の混合物を製するに際しては、賦形剤や崩壊剤以外に滑沢剤、流動化剤、酸味剤、甘味剤、清涼剤、香料、着色剤などの添加剤を含有させることができるし、製造する錠剤を口腔内崩壊錠に製することも自由である。
滑沢剤としては、特に限定されず、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、ステアリン酸、フマル酸ステアリルナトリウム、が挙げられる。
流動化剤としては、例えば、ケイ酸カルシウムなどのケイ酸塩、軽質無水ケイ酸などの無水ケイ酸、水和二酸化ケイ素が挙げられる。
酸味剤としては、例えば、アスコルビン酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸及びそれらの塩からなる群より選ばれる1種類以上が使用できる。
甘味料としては、特に限定されず、例えば、アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムカリウム、サッカリンナトリウム、グリチルリチン二カリウム、ステビア、ソーマチンが挙げられる。
清涼剤としては、ウイキョウ油、カンフル、ハッカ油、ミント、ペパーミント及びメントールなどから選ばれる1種類以上が使用できる。
香料としては、例えば、メントール、バニラ、ミント、レモン、オレンジ、グレープフルーツ、ヨーグルト風味が挙げられる。
着色剤としては、例えば、食用青色2号、食用赤色3号、食用黄色4号、食用黄色5号、三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄、アルミニウムキレート、酸化チタン、タルクなどが挙げられるが、これらに限定されない。
加圧成形する方法としては、特に限定されず、例えば、打錠用臼、打錠用上杵および下杵を用いて、単発式打錠機、ロータリー式打錠機などにより行う方法が挙げられる。打錠圧としては、特に限定されず、例えば、2〜15kN/cm2、好ましくは5〜110kN/cm2の範囲であり、製せられた製剤の強度・崩壊性が市場の扱いに耐えうるものであればよい。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実験に用いた製剤原料は次の通りである。
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(TC−5R,信越化学工業株式会社)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L,日本曹達株式会社)、ポビドン(コリドン90F,BASFジャパン株式会社)、コポリビドン(コリドンVA64,BASFジャパン株式会社)、ポリビニルアルコール(ゴーセノールEG−05,日本合成化学工業株式会社)、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE(オイドラギットE100,エボニックジャパン株式会社)、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート(AEA,三菱ケミカルフーズ株式会社)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(LH−31,信越化学工業株式会社)、クロスポビドン(ポリプラスドンXL−10,ASHLAND)、乳糖水和物(Pharmatose 200,DFE pharma)、乳糖水和物(ダイラクトーズS,フロイント産業株式会社)、トウモロコシデンプン(コーンスターチ,日本食品加工株式会社)、結晶セルロース(セオラス,旭化成株式会社)、ステアリン酸マグネシウム(太平化学産業株式会社)、D−マンニトール(Pearlitol,ロケットジャパン)。
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(TC−5R,信越化学工業株式会社)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L,日本曹達株式会社)、ポビドン(コリドン90F,BASFジャパン株式会社)、コポリビドン(コリドンVA64,BASFジャパン株式会社)、ポリビニルアルコール(ゴーセノールEG−05,日本合成化学工業株式会社)、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE(オイドラギットE100,エボニックジャパン株式会社)、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート(AEA,三菱ケミカルフーズ株式会社)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(LH−31,信越化学工業株式会社)、クロスポビドン(ポリプラスドンXL−10,ASHLAND)、乳糖水和物(Pharmatose 200,DFE pharma)、乳糖水和物(ダイラクトーズS,フロイント産業株式会社)、トウモロコシデンプン(コーンスターチ,日本食品加工株式会社)、結晶セルロース(セオラス,旭化成株式会社)、ステアリン酸マグネシウム(太平化学産業株式会社)、D−マンニトール(Pearlitol,ロケットジャパン)。
実施例1
ルビプロストン24mgをエタノール(実施例1−1〜1−3,1−6〜1−11,比較例)又はエタノールと水の1:1の混合液(実施例1−4,1−5)に溶解し、100mLとなるように調製した(240μg/mL)。内容積約30mLの円筒形ガラス容器に表1に示した試料(高分子化合物)100mgを量り込んだ。次いで、該溶液0.1mLをガラス容器中の試料に添加し添加量を正確に量ったのち、軽く混合した。暫時放置後、ドラフトチャンバーで溶媒を排気させ乾燥して、実施例1−1〜実施例1−11の粒子状医薬組成物の試料とした。
ルビプロストン24mgをエタノール(実施例1−1〜1−3,1−6〜1−11,比較例)又はエタノールと水の1:1の混合液(実施例1−4,1−5)に溶解し、100mLとなるように調製した(240μg/mL)。内容積約30mLの円筒形ガラス容器に表1に示した試料(高分子化合物)100mgを量り込んだ。次いで、該溶液0.1mLをガラス容器中の試料に添加し添加量を正確に量ったのち、軽く混合した。暫時放置後、ドラフトチャンバーで溶媒を排気させ乾燥して、実施例1−1〜実施例1−11の粒子状医薬組成物の試料とした。
比較例1〜3
実施例1と同様に、ルビプロストン24mgをエタノールに溶解し、100mLとなるように調製した(240μg/mL)。内容積約30mLの円筒形ガラス容器に該溶液0.1mLを添加し、ドラフトチャンバーで溶媒を排気させ乾燥したものを比較例1の試料とした。また、内容積約30mLの円筒形ガラス容器にルビプロストンの結晶を24μg量り込み比較例2の試料とした。また、実施例1の高分子化合物の代わりに汎用される表1に示す賦形剤を試料とし、実施例1と同様の方法で比較例3−1〜3−2の試料を作製した。
実施例1と同様に、ルビプロストン24mgをエタノールに溶解し、100mLとなるように調製した(240μg/mL)。内容積約30mLの円筒形ガラス容器に該溶液0.1mLを添加し、ドラフトチャンバーで溶媒を排気させ乾燥したものを比較例1の試料とした。また、内容積約30mLの円筒形ガラス容器にルビプロストンの結晶を24μg量り込み比較例2の試料とした。また、実施例1の高分子化合物の代わりに汎用される表1に示す賦形剤を試料とし、実施例1と同様の方法で比較例3−1〜3−2の試料を作製した。
試験例1
実施例1及び比較例1〜3で製した試料入りのガラス容器を、ファーマキープ(KD−20,三菱ガス化学工業株式会社)とともにアルミ袋に密封し、60℃の恒温機中に1週間または2週間保存した後、ルビプロストンの残存量を測定した。結果を表1に示す。
実施例1及び比較例1〜3で製した試料入りのガラス容器を、ファーマキープ(KD−20,三菱ガス化学工業株式会社)とともにアルミ袋に密封し、60℃の恒温機中に1週間または2週間保存した後、ルビプロストンの残存量を測定した。結果を表1に示す。
ルビプロストンの残存量の測定法
試料入りのガラス容器に50%アセトニトリルを10mL加えた。超音波を30分間照射し、PTFE(0.45μm)でろ過して試料溶液(2.4μg/mL)とした。別に、ルビプロストン約6mgを精密に量りとり、アセトニトリルで正確に50mLとした。この液1mLを正確にとり、50%アセトニトリルで正確に50mLとして標準溶液(2.4μg/mL)とした。分析条件は次の通りであった。
カラム:Waters ACQUITY UPLC,1.8μm,2.1I.D.×50mm
カラム温度:40℃付近の一定温度
移動相A:移動相B(50:50)
移動相A:0.1%ギ酸溶液
移動相B:アセトニトリル
流量:0.2mL/分
注入量:1μL
イオン化法:ESI
イオンモード:ネガティブイオン
試料入りのガラス容器に50%アセトニトリルを10mL加えた。超音波を30分間照射し、PTFE(0.45μm)でろ過して試料溶液(2.4μg/mL)とした。別に、ルビプロストン約6mgを精密に量りとり、アセトニトリルで正確に50mLとした。この液1mLを正確にとり、50%アセトニトリルで正確に50mLとして標準溶液(2.4μg/mL)とした。分析条件は次の通りであった。
カラム:Waters ACQUITY UPLC,1.8μm,2.1I.D.×50mm
カラム温度:40℃付近の一定温度
移動相A:移動相B(50:50)
移動相A:0.1%ギ酸溶液
移動相B:アセトニトリル
流量:0.2mL/分
注入量:1μL
イオン化法:ESI
イオンモード:ネガティブイオン
ルビプロストンの非晶化物(比較例1)および結晶(比較例2)ともに、1週間保存で30%以下の残存量まで分解が進んだ。対して、実施例1−1〜1−11の高分子化合物を用いた粒子状医薬組成物に関しては、比較例1〜3と比べて1週間後においても、2週間後においても、ルビプロストンの含有量が高かった。特に実施例1−1〜1−8では、1週間後で70%以上の、また2週間後においても約60%以上の残存が認められ、ルビプロストンは安定化されていることがわかった。
特に、実施例1−1(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、実施例1−3(コポリビドン)、実施例1−4(ポビドン)、実施例1−5(ポリビニルアルコール)、実施例1−6(ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート)、及び実施例1−8(クロスポビドン)は、2週間後において90%以上の残存量があり、極めて安定化されていることがわかった。これらの高分子化合物は、グルコース環を構成単位としてなる高分子化合物であって、グルコース環単位当たりの水酸基の平均個数が2個以下である高分子化合物、及びビニル基を持つモノマーから構成され付加重合により生成された高分子化合物であって、化合物の構成単位中に占める水酸基の割合が1個以下のものであり、かつアルキルアクリル酸を含まない高分子化合物のいずれかに該当する。
また、通常汎用される賦形剤である乳糖水和物とD−マンニトールにはルビプロストンを特に安定化させる効果はないことがわかった(比較例3−1,3−2)。
実施例2
表2の処方で錠剤に製した。ヒドロキシプロピルメチルセルロース(TC−5R)を1.5重量部、ルビプロストンを0.024重量部とり、エタノールと水の4:1混合溶剤82重量部に溶解して、薬物溶液を製した。乳糖水和物(Pharmatose 200)を14g、トウモロコシデンプン(コーンスターチ)を4.88g、結晶セルロース(セオラスPH101)を2g、クロスポビドン(ポリプラスドンXL−10)を1g、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(TC−5R)を0.85gとり、乳鉢中で混合したものに、薬物溶液を8.3524g添加して練合し、篩過した後、乾燥した。乾燥して得られた粒子にステアリン酸マグネシウムを添加混合して、8mm2段Rの杵を用い、重量230mgの錠剤を製した。
表2の処方で錠剤に製した。ヒドロキシプロピルメチルセルロース(TC−5R)を1.5重量部、ルビプロストンを0.024重量部とり、エタノールと水の4:1混合溶剤82重量部に溶解して、薬物溶液を製した。乳糖水和物(Pharmatose 200)を14g、トウモロコシデンプン(コーンスターチ)を4.88g、結晶セルロース(セオラスPH101)を2g、クロスポビドン(ポリプラスドンXL−10)を1g、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(TC−5R)を0.85gとり、乳鉢中で混合したものに、薬物溶液を8.3524g添加して練合し、篩過した後、乾燥した。乾燥して得られた粒子にステアリン酸マグネシウムを添加混合して、8mm2段Rの杵を用い、重量230mgの錠剤を製した。
実施例3
実施例2で用いたヒドロキシプロピルメチルセルロース(TC−5R)の代わりにヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L)を用いて、実施例2と同様の方法で錠剤を製した。
実施例2で用いたヒドロキシプロピルメチルセルロース(TC−5R)の代わりにヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L)を用いて、実施例2と同様の方法で錠剤を製した。
試験例2
実施例2〜3で製した錠剤を、ファーマキープKD−20とともにアルミ袋中に密封したものを、60℃の恒温機中に1週間保存した後、ルビプロストンの残存量を測定し、結果を表3に示した。
実施例2〜3で製した錠剤を、ファーマキープKD−20とともにアルミ袋中に密封したものを、60℃の恒温機中に1週間保存した後、ルビプロストンの残存量を測定し、結果を表3に示した。
ルビプロストンを結合剤兼安定化剤としてのヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L)またはヒドロキシプロピルメチルセルロース(TC−5R)とともに溶剤に溶解した溶液を結合剤溶液として用い、従来から汎用されている賦形剤である乳糖水和物、トウモロコシデンプン、結晶セルロース及びクロスポビドンの混合物に対して添加し、ルビプロストン、結合剤兼安定化剤、及び賦形剤を渾然一体として造粒して製した粒子を用いて錠剤化した実施例2及び3においては、比較例2に比べルビプロストンは明らかに安定化されていることがわかった。また、同時に、グルコース環を構成単位としてなる高分子化合物であって、グルコース環単位当たりの水酸基の平均個数が3個であるヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L)を用いた実施例3においては、60℃1週間の残存量が80%以下となり、安定化への寄与は小さいことがわかった。
実施例4
表4の処方に準じ、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(TC−5R)を1.5重量部、ルビプロストンを0.024重量部とり、エタノールと水の4:1重量部混合溶剤22.5重量部に溶解して、薬物溶液を製した。クロスポビドン(ポリプラスドンXL−10)を4.5gとり、薬物溶液を7.2072g添加して乳鉢中で練合し、篩過した後、乾燥しルビプロストン含有粒子を製造した。ルビプロストン含有粒子3.3048gに乳糖水和物(ダイラクトーズS)を30.16g、結晶セルロース(セオラスPH301)を8g、トウモロコシデンプンを4.4g、ステアリン酸マグネシウムを0.24g添加混合して、8mm2段Rの杵を用い、重量230.5mgの錠剤を製した。
表4の処方に準じ、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(TC−5R)を1.5重量部、ルビプロストンを0.024重量部とり、エタノールと水の4:1重量部混合溶剤22.5重量部に溶解して、薬物溶液を製した。クロスポビドン(ポリプラスドンXL−10)を4.5gとり、薬物溶液を7.2072g添加して乳鉢中で練合し、篩過した後、乾燥しルビプロストン含有粒子を製造した。ルビプロストン含有粒子3.3048gに乳糖水和物(ダイラクトーズS)を30.16g、結晶セルロース(セオラスPH301)を8g、トウモロコシデンプンを4.4g、ステアリン酸マグネシウムを0.24g添加混合して、8mm2段Rの杵を用い、重量230.5mgの錠剤を製した。
実施例5
実施例4と同様の方法で製したルビプロストン含有粒子3.3048gに、結晶セルロース(セオラスPH301)を41.96g、クロスポビドン(ポリプラスドンXL10)を0.6g、ステアリン酸マグネシウムを0.24g添加混合して、8mm2段Rの杵を用い、重量230.5mgの錠剤を製した。
実施例4と同様の方法で製したルビプロストン含有粒子3.3048gに、結晶セルロース(セオラスPH301)を41.96g、クロスポビドン(ポリプラスドンXL10)を0.6g、ステアリン酸マグネシウムを0.24g添加混合して、8mm2段Rの杵を用い、重量230.5mgの錠剤を製した。
実施例6
実施例4と同様の方法でルビプロストン含有粒子を製した。ヒドロキシプロピルメチルセルロース(TC−5R)を1重量部とり、エタノールと水の4:1重量部混合溶剤7.5重量部に溶解させ結合剤液を製した。乳糖水和物を13.8重量部、結晶セルロース(セオラスPH101)を4.58重量部、トウモロコシデンプンを1.9重量部とり混合したものに、結合剤溶液を8.5重量部添加して乳鉢中で練合し、篩過した後、乾燥してヒドロキシプロピルメチルセルロース(TC−5R)造粒粒子を製造した。ルビプロストン含有粒子を3.3048g、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(TC−5R)造粒粒子を42.56g、ステアリン酸マグネシウムを0.24gとり、混合して、8mm2段Rの杵を用い、重量230.5mgの錠剤を製した。
実施例4と同様の方法でルビプロストン含有粒子を製した。ヒドロキシプロピルメチルセルロース(TC−5R)を1重量部とり、エタノールと水の4:1重量部混合溶剤7.5重量部に溶解させ結合剤液を製した。乳糖水和物を13.8重量部、結晶セルロース(セオラスPH101)を4.58重量部、トウモロコシデンプンを1.9重量部とり混合したものに、結合剤溶液を8.5重量部添加して乳鉢中で練合し、篩過した後、乾燥してヒドロキシプロピルメチルセルロース(TC−5R)造粒粒子を製造した。ルビプロストン含有粒子を3.3048g、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(TC−5R)造粒粒子を42.56g、ステアリン酸マグネシウムを0.24gとり、混合して、8mm2段Rの杵を用い、重量230.5mgの錠剤を製した。
試験例3
実施例4〜6で製した錠剤を、ファーマキープKD−20とともにアルミ袋中に密封したものを、60℃の恒温機中に1週間保存した後、ルビプロストンの残存量を測定し、結果を表5に示した。
実施例4〜6で製した錠剤を、ファーマキープKD−20とともにアルミ袋中に密封したものを、60℃の恒温機中に1週間保存した後、ルビプロストンの残存量を測定し、結果を表5に示した。
ルビプロストンを結合剤兼安定化剤としてのヒドロキシプロピルメチルセルロース(TC−5R)とともに溶剤に溶解した溶液を結合剤溶液とし、この溶液をクロスポビドン(ポリプラスドンXL−10)に添加し、ルビプロストン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びクロスポビドンを渾然一体となるように製した粒子を用い、これにその他の添加剤を混合して錠剤化する方法を試みた。
ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びクロスポビドンは、グルコース環を構成単位としてなる高分子化合物であって、グルコース環単位当たりの水酸基の平均個数が2個以下である高分子化合物、及びビニル基を持つモノマーから構成され付加重合により生成された高分子化合物であって、化合物の構成単位中に占める水酸基の割合が1個以下のものであり、かつアルキルアクリル酸を含まない高分子化合物のいずれかに該当しており、この粒子中のルビプロストンは極めて好ましく安定化されていることが予想された。
結果は、予想どおりで、60℃1週間の残存量が最も悪いもので97.3%となり、極めて安定性の高い錠剤が得られていた。中でも、汎用される賦形剤をヒドロキシプロピルメチルセルロースで造粒して賦形剤の表面露出を低下させた粒子を混合した実施例5、及びルビプロストンとの接触でルビプロストンの含量低下を加速させない成分である結晶セルロース(セオラス)を用いた実施例6は、60℃1週間で含量の低下はほとんどないことがわかった。
以上に開示された実施の形態と実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は、以上の説明ではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変形を含むものである。
Claims (10)
- ルビプロストンもしくはルビプロストンの薬学的に許容可能な塩、または、ルビプロストンもしくはルビプロストンの薬学的に許容可能な塩の水和物と、高分子化合物とを含有する固体分散体を含む、粒子状医薬組成物。
- 前記高分子化合物は、グルコース環を構成単位として有する高分子化合物、ビニル基を有するモノマーを付加重合させてなる高分子化合物、または、グルコース環を構成単位として有する高分子化合物もしくはビニル基を有するモノマーを付加重合させてなる高分子化合物に化学的修飾が施されたものである、請求項1に記載の粒子状医薬組成物。
- 前記グルコース環を構成単位として有する高分子化合物は、グルコース環単位当たりの水酸基の平均個数が2以下である、請求項2に記載の粒子状医薬組成物。
- 前記ビニル基を有するモノマーを付加重合させてなる高分子化合物は、構成単位当たりの水酸基の数が1以下である、請求項2に記載の粒子状医薬組成物。
- 前記高分子化合物は、アルキルアクリル酸を含まない、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の粒子状医薬組成物。
- 前記高分子化合物は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、メチルセルロース、ポビドン、コポリビドン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、および、クロスポビドンからなる群から選ばれる少なくとも1つの高分子化合物である、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の粒子状医薬組成物。
- 請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の粒子状医薬組成物を含む、固形医薬組成物。
- 顆粒剤、細粒剤、カプセル剤、散剤、丸剤、ドライシロップ剤、または、錠剤である、請求項7に記載の固形医薬組成物。
- ルビプロストンもしくはルビプロストンの薬学的に許容可能な塩、または、ルビプロストンもしくはルビプロストンの薬学的に許容可能な塩の水和物と高分子化合物とを溶剤に溶解または分散させて混合液を得る工程と、
前記混合液を添加剤に添加して湿式造粒し乾燥する工程とを含む、請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の粒子状医薬組成物の製造方法。 - ルビプロストンもしくはルビプロストンの薬学的に許容可能な塩、または、ルビプロストンもしくはルビプロストンの薬学的に許容可能な塩の水和物と高分子化合物とを溶剤に溶解または分散させて混合液を得る工程と、
前記混合液から前記溶剤を除去する工程とを含む、請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の粒子状医薬組成物の製造方法。
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監修 川上亘作, 難水溶性薬物の経口製剤化技術最前線, vol. 第1刷, JPN6022051957, 2016, pages 127 - 129, ISSN: 0004937492 * |
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