JPWO2019216352A1 - 導体基板、伸縮性配線基板、及び配線基板用伸縮性樹脂フィルム - Google Patents

導体基板、伸縮性配線基板、及び配線基板用伸縮性樹脂フィルム Download PDF

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Abstract

伸縮性樹脂フィルムと、伸縮性樹脂フィルム上に設けられた導体層と、を有する伸縮性配線基板が開示される。伸縮性樹脂フィルムがゴム成分及びフィラを含有する。ゴム成分が架橋されていてもよい。

Description

本発明は、導体基板、伸縮性配線基板、及び配線基板用伸縮性樹脂フィルムに関する。
近年、ウェアラブル機器及びヘルスケア関連機器等の分野において、例えば身体の曲面又は関節部に沿って使用できると共に、脱着しても接続不良が生じにくい伸縮性電子装置(ストレッチャブルデバイス)が求められている。このような高い伸縮性を有するストレッチャブルデバイスを製造するために、高い伸縮性を有する伸縮性配線基板が求められる。そこで、例えば特許文献1は、伸縮自在の熱可塑性エラストマーから構成される伸縮性フレキシブル回路基板を提案している。
特開2013−187380号公報
伸縮性配線基板は、ストレッチャブルデバイスを製造する過程において、各種電子部品の実装等に伴って、例えば100℃を超える高温に曝されることが多い。ところが、伸縮性配線基板は高温になると大きく熱膨張し、これがストレッチャブルデバイスの安定した製造の妨げになり得ることが明らかになった。また、従来の伸縮性配線基板を構成する伸縮性樹脂フィルムは、特に高温で高いタックを有するため、高温における伸縮性配線基板の取り扱い性にも問題があった。
そこで本発明の一側面の目的は、優れた伸縮性を有しながら、熱膨張率が小さく、しかも高温でのタックが低く取り扱い性に優れる伸縮性配線基板、並びにこれを得るために用いられる導体基板及び伸縮性樹脂フィルムを提供することにある。
本発明の一側面は、伸縮性樹脂フィルムと、前記伸縮性樹脂フィルム上に設けられた導体層と、を有する導体基板を提供する。前記伸縮性樹脂フィルムがゴム成分及びフィラを含有する。前記ゴム成分が架橋されていてもよい。
上記本発明の一側面に係る導体基板によれば、優れた伸縮性を有しながら、熱膨張率が小さく、しかも高温でのタックが低く取り扱い性に優れる伸縮性配線基板を得ることができる。
本発明の別の一側面は、上記導体基板を含み、前記導体層が配線パターンを形成している、伸縮性配線基板を提供する。
上記導体基板は、優れた伸縮性を有しながら、熱膨張率が小さく、しかも高温でのタックが低く取り扱い性に優れる。
本発明の更に別の一側面は、ゴム成分及びフィラを含有する、配線基板用伸縮性樹脂フィルムを提供する。言い換えると、本発明の更に別の一側面は、ゴム成分及びフィラを含有し、前記ゴム成分が架橋されていてもよい、伸縮性樹脂フィルムの、配線基板を製造するための応用を提供する。前記ゴム成分が架橋されていてもよい。
上記伸縮性樹脂フィルムは、優れた伸縮性を有しながら、熱膨張率が小さく、しかも高温でのタックが低く取り扱い性に優れる伸縮性配線基板を与えることができる。
本発明の一側面によれば、優れた伸縮性を有しながら、熱膨張率が小さく、しかも高温でのタックが低く取り扱い性に優れる伸縮性配線基板が提供される。
伸縮性配線基板の一実施形態を示す平面図である。 回復率の測定例を示す応力−ひずみ曲線である。
以下、本発明のいくつかの実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
図1は、伸縮性配線基板の一実施形態を示す平面図である。図1に示す伸縮性配線基板1は、伸縮性樹脂フィルム3と、伸縮性樹脂フィルム3上に設けられ、配線パターンを形成している導体層5とを有する導体基板である。伸縮性樹脂フィルム3は、ゴム成分及びフィラを含有する。主にゴム成分によって、伸縮性樹脂フィルムに容易に伸縮性が付与される。導体層5は、伸縮可能な波形部分を含む配線パターンを形成している。
伸縮性樹脂フィルム3は、例えば歪み20%まで引張変形した後の回復率が80%以上であるような、伸縮性を有することができる。この回復率は、伸縮性樹脂フィルムの測定サンプルを用いた引張試験において求められる。図2は、回復率の測定例を示す応力−ひずみ曲線である。1回目の引張試験で変位量(ひずみ)Xに達した時点で引張応力を開放して試験片を初期位置に戻し、その後、2回目の引張試験を行ったときに荷重が掛かり始めた時点の位置とXとの差をYとしたとき、式:R=(Y/X)×100で計算されるRが、回復率として定義される。回復率は、例えばXを50%として測定することができる。繰り返しの使用に対する耐性の観点から、回復率が80%以上、85%以上、又は90%以上であってもよい。回復率の定義上の上限は100%である。
ゴム成分は、1種又は2種以上のゴムを含む。ゴム成分に含まれるゴムは、熱可塑性エラストマーであってもよい。熱可塑性エラストマーの例としては、水素添加型スチレン系エラストマーが挙げられる。水素添加型スチレン系エラストマーは、不飽和二重結合を含むソフトセグメントを有するスチレン系エラストマーの不飽和二重結合に水素を付加反応させて得られるエラストマーである。水素添加型スチレン系エラストマーは、耐候性向上などの効果も期待できる。水素添加型スチレン系エラストマーの例としては、スチレン−エチレンブチレン−スチレンブロック共重合体エラストマー(SEBS、「水素添加スチレンブタジエンゴム」といわれることもある。)が挙げられる。
ゴム成分は、アクリルゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、クロロプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、フッ素ゴム、硫化ゴム、エピクロルヒドリンゴム、及び塩素化ブチルゴムからなる群より選ばれる少なくとも1種のゴムを含んでいてもよい。
吸湿等による配線へのダメージを保護する観点から、ゴム成分は、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、及びブチルゴムから選ばれる少なくとも1種のゴムを含んでいてもよい。スチレンブタジエンゴムを用いることにより、めっき工程に使用する各種薬液に対する伸縮性樹脂フィルムの耐性が向上し、歩留まりよく配線基板を製造することができる。
アクリルゴムの市販品としては、例えば日本ゼオン株式会社「Nipol ARシリーズ」、クラレ株式会社「クラリティシリーズ」が挙げられる。イソプレンゴムの市販品としては、例えば日本ゼオン株式会社「Nipol IRシリーズ」が挙げられる。ブチルゴムの市販品としては、例えばJSR株式会社「BUTYLシリーズ」が挙げられる。スチレンブタジエンゴムの市販品としては、例えばJSR株式会社「ダイナロンSEBSシリーズ」、「ダイナロンHSBRシリーズ」、クレイトンポリマージャパン株式会社「クレイトンDポリマーシリーズ」、アロン化成株式会社「ARシリーズ」が挙げられる。ブタジエンゴムの市販品としては、例えば日本ゼオン株式会社「Nipol BRシリーズ」が挙げられる。アクリロニトリルブタジエンゴムの市販品としては、例えばJSR株式会社「JSR NBRシリーズ」が挙げられる。シリコーンゴムの市販品としては、例えば信越シリコーン株式会社「KMPシリーズ」が挙げられる。エチレンプロピレンゴムの市販品としては、例えばJSR株式会社「JSR EPシリーズ」が挙げられる。フッ素ゴムの市販品としては、例えばダイキン株式会社「ダイエルシリーズ」が挙げられる。エピクロルヒドリンゴムの市販品としては、例えば日本ゼオン株式会社「Hydrinシリーズ」が挙げられる。
ゴム成分は、合成により作製することもできる。例えば、アクリルゴムは、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物等を反応させることにより得られる。
ゴム成分は、架橋基の反応によって架橋されていてもよい。架橋されたゴム成分を用いることにより、伸縮性樹脂フィルムの耐熱性が向上し易い傾向がある。架橋基は、ゴム成分の分子鎖を架橋する反応、又はゴム成分の分子鎖と後述の架橋成分との反応による架橋構造体の形成を進行させ得る反応性基であればよい。その例としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、エポキシ基、スチリル基、アミノ基、イソシアヌレート基、ウレイド基、シアネート基、イソシアネート基、メルカプト基、水酸基、カルボキシル基、及び酸無水物基が挙げられる。
ゴム成分は、酸無水物基又はカルボキシル基のうち少なくとも一方の架橋基の反応によって架橋されていてもよい。酸無水物基を有するゴムの例としては、無水マレイン酸で部分的に変性されたゴムが挙げられる。無水マレイン酸で部分的に変性されたゴムの市販品としては、例えば、旭化成株式会社製のスチレン系エラストマー「タフプレン912」がある。
無水マレイン酸で部分的に変性されたゴムは、無水マレイン酸で変性された水素添加型スチレン系エラストマーであってもよい。無水マレイン酸で変性された水素添加型スチレン系エラストマーの例としては、無水マレイン酸変性スチレン−エチレンブチレン−スチレンブロック共重合体エラストマーが挙げられる。その市販品の例としては、クレイトンポリマージャパン株式会社の「FG1901」、「FG1924」、旭化成株式会社の「タフテックM1911」、「タフテックM1913」、「タフテックM1943」がある。
ゴム成分の重量平均分子量は、塗膜性の観点から、20000〜200000、30000〜150000、又は50000〜125000であってもよい。ここでの重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって求められる標準ポリスチレン換算値を意味する。
伸縮性樹脂フィルムにおけるゴム成分の含有量は、伸縮性樹脂フィルムのうちフィラ以外の成分の質量を基準として、30〜100質量%、50〜100質量%又は70〜100質量%であってもよい。ゴム成分の含有量がこの範囲にあると、伸縮性樹脂フィルムが特に優れた伸縮性を有し易い。
伸縮性樹脂フィルムは、ゴム成分を含む樹脂相中に分散した1種又は2種以上のフィラを含む。フィラは、無機フィラ、有機フィラ、又はこれらの組み合わせであることができる。フィラは特に、シリカ、ガラス、アルミナ、酸化チタン、カーボンブラック、マイカ、及び窒化ホウ素からなる群より選ばれる少なくとも1種の無機フィラを含んでいてもよい。
フィラの平均粒径は、10〜500nmであってもよい。フィラの平均粒径がこの範囲内になると、伸縮性樹脂フィルムの熱膨張率の低減、及び伸縮性樹脂フィルムの高温でのタック抑制の点でより一層顕著な効果が得られる。同様の観点から、フィラの平均粒径は、400nm以下、300nm以下、200nm以下、150nm以下、又は80nm以下であってもよい。本明細書において、フィラの平均粒径は、レーザ回折・散乱法によって求められる粒径の平均値(平均一次粒子径)を意味する。フィラの平均粒径の測定は、例えば、ナノ粒子径分布測定装置SALD−7500nano(株式会社島津製作所製)を用いて行うことができる。
フィラの形状は特に限定されず、フィラは略球形、繊維状、不定形等の任意の形状を有することができる。
フィラの表面が、官能基によって修飾されていてもよい。フィラの表面上に導入され得る官能基としては、例えば、アミノ基、フェニルアミノ基、フェニル基が挙げられる。官能基によって修飾された表面を有するフィラは、伸縮性樹脂フィルムと導体層の密着性向上に寄与し得る。
伸縮性樹脂フィルムにおけるフィラの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、1〜200質量部であってもよい。フィラの含有量がこの範囲にあると、伸縮性樹脂フィルムの熱膨張率の低減、及び伸縮性樹脂フィルムの高温でのタック抑制の点でより一層顕著な効果が得られる。同様の観点から、フィラの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、150質量部以下、又は100質量部以下であってもよい。
伸縮性樹脂フィルムは、ゴム成分及びフィラを含有する樹脂組成物の硬化物であってもよい。この場合、樹脂組成物は架橋成分を更に含有してもよい。樹脂組成物の硬化物は、ゴム成分の架橋基同士の反応、ゴム成分の架橋基と架橋成分との反応、架橋成分の重合反応、又はこれらの組み合わせによって形成された架橋構造体を含む。伸縮性樹脂フィルムが樹脂組成物の硬化物であると、伸縮性樹脂フィルムの耐熱性が向上し易い傾向がある。
伸縮性樹脂フィルムを形成するための樹脂組成物が含有し得る架橋成分は、1個以上の反応性基を有する化合物である。架橋成分は、例えば、エポキシ基、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アミノ基、イソシアヌレート基、ウレイド基、シアネート基、イソシアネート基、メルカプト基、水酸基、及びカルボキシル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の反応性基を有する化合物であってもよい。伸縮性樹脂フィルムの耐熱性向上の観点から、架橋成分は、エポキシ基、アミノ基、水酸基、及びカルボキシル基から選ばれる反応性基を有する化合物であってもよい。特に無水マレイン酸基又はカルボキシル基のうち少なくとも一方を有するゴムと、エポキシ基を有する化合物(エポキシ樹脂)との組み合わせにより、伸縮性樹脂フィルムの耐熱性及び低透湿度、伸縮性樹脂フィルムと導電層との密着性、及び、硬化後の伸縮性樹脂フィルムの低いタックの点で、特に優れた効果が得られる。伸縮性樹脂フィルムの耐熱性が向上すると、例えば窒素リフローのような加熱工程における伸縮性樹脂フィルムの劣化を抑制することができる。硬化後の伸縮性樹脂フィルムが低いタックを有すると、作業性良く導体基板又は配線基板を取り扱うことができる。
架橋成分として用いられ得る、エポキシ基を含する化合物は、単官能、2官能、又は3官能以上の多官能のエポキシ樹脂であることができる。架橋成分は、十分な硬化性を得るために2官能又は3官能以上のエポキシ樹脂を含んでいてもよい。
エポキシ樹脂は、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、及び脂肪鎖を有するエポキシ樹脂から選ばれる少なくとも1種であってもよい。市販の脂肪鎖を有するエポキシ樹脂としては、例えばDIC株式会社製のEXA−4816が挙げられる。
高いガラス転移温度を有する硬化物を与えるエポキシ樹脂は、伸縮性樹脂フィルムの熱膨張率低減及び高温でのタック抑制に寄与することができる。例えば、硬化剤としてのフェノールノボラック樹脂との反応により、180℃以上、又は200℃以上のガラス転移温度を有する硬化物を形成するエポキシ樹脂を選択してもよい。そのようなエポキシ樹脂の具体例としては、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、及びナフタレン型エポキシ樹脂が挙げられる。
架橋成分は、(メタ)アクリロイル基を有する化合物を含んでいてもよい。(メタ)アクリロイル基を有する化合物は、(メタ)アクリル酸エステルであってもよい。(メタ)アクリロイル基を有する化合物は、1個、2個又は3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物(例えば、単官能、2官能又は3官能以上の(メタ)アクリル酸エステル)であってもよい。十分な硬化性を得るためには、架橋成分は、2個又は3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物であってもよい。
単官能(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチルヘプチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、及びモノ(2−(メタ)アクリロイロキシエチル)スクシネートなどの脂肪族(メタ)アクリレート;シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、モノ(2−(メタ)アクリロイロキシエチル)テトラヒドロフタレート、及びモノ(2−(メタ)アクリロイロキシエチル)ヘキサヒドロフタレートなどの脂環式(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、o−ビフェニル(メタ)アクリレート、1−ナフチル(メタ)アクリレート、2−ナフチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、p−クミルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、o−フェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、1−ナフトキシエチル(メタ)アクリレート、2−ナフトキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(o−フェニルフェノキシ)プロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(1−ナフトキシ)プロピル(メタ)アクリレート、及び2−ヒドロキシ−3−(2−ナフトキシ)プロピル(メタ)アクリレートなどの芳香族(メタ)アクリレート;2−テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、N−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、及び2−(メタ)アクリロイロキシエチル−N−カルバゾールなどの複素環式(メタ)アクリレート;並びにこれらのカプロラクトン変性体が挙げられる。これらの中でもスチレン系エラストマーとの相溶性、また透明性及び耐熱性の観点から、上記脂肪族(メタ)アクリレート及び上記芳香族(メタ)アクリレートから単官能(メタ)アクリレートを選択してもよい。
2官能(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノール(メタ)アクリレート、及びエトキシ化2−メチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレートなどの脂肪族(メタ)アクリレート;シクロヘキサンジメタノール(メタ)アクリレート、エトキシ化シクロヘキサンジメタノール(メタ)アクリレート、プロポキシ化シクロヘキサンジメタノール(メタ)アクリレート、エトキシ化プロポキシ化シクロヘキサンジメタノール(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノール(メタ)アクリレート、エトキシ化トリシクロデカンジメタノール(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリシクロデカンジメタノール(メタ)アクリレート、エトキシ化プロポキシ化トリシクロデカンジメタノール(メタ)アクリレート、エトキシ化水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エトキシ化プロポキシ化水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エトキシ化水添ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化水添ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、及びエトキシ化プロポキシ化水添ビスフェノールFジ(メタ)アクリレートなどの脂環式(メタ)アクリレート;エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エトキシ化プロポキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、エトキシ化プロポキシ化ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAFジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ビスフェノールAFジ(メタ)アクリレート、エトキシ化プロポキシ化ビスフェノールAFジ(メタ)アクリレート、エトキシ化フルオレン型ジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化フルオレン型ジ(メタ)アクリレート、及びエトキシ化プロポキシ化フルオレン型ジ(メタ)アクリレートなどの芳香族(メタ)アクリレート;エトキシ化イソシアヌル酸ジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化イソシアヌル酸ジ(メタ)アクリレート、及びエトキシ化プロポキシ化イソシアヌル酸ジ(メタ)アクリレートなどの複素環式(メタ)アクリレート;これらのカプロラクトン変性体;ネオペンチルグリコール型エポキシ(メタ)アクリレートなどの脂肪族エポキシ(メタ)アクリレート;シクロヘキサンジメタノール型エポキシ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレート、及び水添ビスフェノールF型エポキシ(メタ)アクリレートなどの脂環式エポキシ(メタ)アクリレート;レゾルシノール型エポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノールF型エポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAF型エポキシ(メタ)アクリレート、及びフルオレン型エポキシ(メタ)アクリレートなどの芳香族エポキシ(メタ)アクリレートが挙げられる。スチレン系エラストマーとの相溶性、また透明性及び耐熱性の観点から、上記脂肪族(メタ)アクリレート及び上記芳香族(メタ)アクリレートから2官能(メタ)アクリレートを選択してもよい。
3官能以上の多官能(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化プロポキシ化ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化プロポキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、及びジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどの脂肪族(メタ)アクリレート;エトキシ化イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、及びエトキシ化プロポキシ化イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレートなどの複素環式(メタ)アクリレート;これらのカプロラクトン変性体;フェノールノボラック型エポキシ(メタ)アクリレート、及びクレゾールノボラック型エポキシ(メタ)アクリレートなどの芳香族エポキシ(メタ)アクリレートが挙げられる。スチレン系エラストマーとの相溶性、また透明性及び耐熱性の観点から、上記脂肪族(メタ)アクリレート及び上記芳香族(メタ)アクリレートから多官能(メタ)アクリレートを選択してもよい。
伸縮性樹脂フィルムを形成するための樹脂組成物における架橋成分の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、10質量部以上、15質量部以上又は20質量部以上であってもよく、70質量部以下、60質量部以下、又は50質量部以下であってもよい。架橋成分の含有量が上記の範囲であると、伸縮性樹脂フィルムの特性を維持したまま、導体層との密着力が向上する傾向がある。
伸縮性樹脂フィルムを形成するための樹脂組成物は、架橋成分の重合反応(硬化反応)のための硬化剤、硬化促進剤又はこれらの両方を更に含有してもよい。硬化剤は、それ自体が架橋成分と反応する重合反応(硬化反応)の反応基質となる化合物である。硬化促進剤は、硬化反応の触媒として機能する化合物である。硬化剤及び硬化促進剤の両方の機能を有する化合物を用いることもできる。硬化剤及び硬化促進剤の含有量は、それぞれ、ゴム成分及び架橋成分の合計量100質量部に対して、0.1〜10質量部であってもよい。
架橋成分としてエポキシ基を有する化合物(エポキシ樹脂)を用いる場合、その硬化剤として、脂肪族ポリアミン、ポリアミノアミド、ポリメルカプタン、芳香族ポリアミン、酸無水物、カルボン酸、フェノールノボラック樹脂、エステル樹脂、及びジシアンジアミドからなる群より選ばれる少なくとも1種を用いてもよい。エポキシ基を有する化合物の硬化剤又は硬化促進剤として、三級アミン、イミダゾール、及びホスフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種を用いてもよい。硬化前の樹脂組成物の保存安定性及び硬化性の観点から、イミダゾールを用いてもよい。ゴム成分が無水マレイン酸で変性されたゴムを含む場合、これと相溶するイミダゾールを選択してもよい。イミダゾールの含有量は、ゴム成分及び架橋成分の合計量100質量部に対して、0.1〜10質量部であってもよい。
架橋成分として(メタ)アクリロイル基を有する化合物を用いる場合、その硬化剤として、熱ラジカル重合開始剤、又は光ラジカル重合開始剤を用いてもよい。
熱ラジカル重合開始剤としては、例えば、メチルエチルケトンパーオキシド、シクロヘキサノンパーオキシド、及びメチルシクロヘキサノンパーオキシドなどのケトンパーオキシド;1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、及び1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンなどのパーオキシケタール;p−メンタンヒドロパーオキシドなどのヒドロパーオキシド;α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキシド、t−ブチルクミルパーオキシド、及びジ−t−ブチルパーオキシドなどのジアルキルパーオキシド;オクタノイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ステアリルパーオキシド、及びベンゾイルパーオキシドなどのジアシルパーオキシド;ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、及びジ−3−メトキシブチルパーオキシカーボネートなどのパーオキシカーボネート;t−ブチルパーオキシピバレート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウリレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、及びt−ブチルパーオキシアセテートなどのパーオキシエステル;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、及び2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2’−ジメチルバレロニトリル)などのアゾ化合物が挙げられる。硬化性、透明性、及び耐熱性の観点から、上記ジアシルパーオキシド、上記パーオキシエステル、及び上記アゾ化合物から熱ラジカル重合開始剤を選択してもよい。
光ラジカル重合開始剤としては、例えば2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オンなどのベンゾインケタール;1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、及び1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オンなどのα−ヒドロキシケトン;2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、及び1,2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オンなどのα−アミノケトン;1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−オクタジオン−2−(ベンゾイル)オキシムなどのオキシムエステル;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド、及び2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドなどのホスフィンオキシド;2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、及び2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体などの2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体;ベンゾフェノン、N,N,N’,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、N,N,N’,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、及び4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノンなどのベンゾフェノン化合物;2−エチルアントラキノン、フェナントレンキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ベンズアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−メチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナントラキノン、2−メチル−1,4−ナフトキノン、及び2,3−ジメチルアントラキノンなどのキノン化合物;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、及びベンゾインフェニルエーテルなどのベンゾインエーテル;ベンゾイン、メチルベンゾイン、及びエチルベンゾインなどのベンゾイン化合物;ベンジルジメチルケタールなどのベンジル化合物;9−フェニルアクリジン、及び1,7−ビス(9,9’−アクリジニルヘプタン)などのアクリジン化合物;N−フェニルグリシン;並びにクマリンが挙げられる。
伸縮性樹脂フィルム、又はこれを形成するための樹脂組成物は、以上の成分の他、必要に応じて、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、加水分解防止剤、黄変防止剤、、可視光吸収剤、着色剤、可塑剤、難燃剤、レベリング剤などを、本発明の効果を著しく損なわない範囲で更に含有してもよい。
伸縮性樹脂フィルム3の厚みは、5〜1000μmであってもよい。伸縮性樹脂フィルムの厚みがこの範囲であると、伸縮性基材として十分な強度が得られ易く、かつ乾燥が十分に行えるため伸縮性樹脂フィルム中の残留溶媒量を低減できる。
伸縮性樹脂フィルム3の導体層5とは反対側の主面の表面粗さRa値は、0.1μm以上であってもよい。当該Ra値が0.1μm以上であることにより、伸縮性樹脂フィルム表面のタックがより低減される傾向がある。同様の観点から、当該Ra値は、0.2μm以上、0.3μm以上、又は0.4μm以上であってもよい。当該Ra値の上限値は、特に限定されないが、伸縮性樹脂フィルムの強度の観点から、2.0μm以下であってもよい。表面粗さRa値は、例えば、段差計(株式会社小坂研究所製、ET−200)を用いて測定され得る。
伸縮性樹脂フィルムに凹凸を付与することにより、伸縮性樹脂フィルムの表面粗さRa値を上記範囲内にすることができる。伸縮性樹脂フィルムに凹凸を付与する方法としては例えば、Bステージの状態の伸縮性樹脂フィルム又は硬化反応後の伸縮性樹脂フィルムに凹凸転写基材を用いて凹凸パターンを転写した後、凹凸転写基材を剥離する方法、硬化後の伸縮性樹脂フィルムにエッチング処理、熱インプリント加工等のインプリント加工を施す方法、及び、金属箔の粗化面を伸縮性樹脂フィルムに圧着し、金属箔をエッチングする方法がある。
伸縮性樹脂フィルムの表面のタック値は、30℃において0.7gf/mm以下(6.9kPa以下)、0.5gf/mm以下(4.9kPa以下)、又は0.4gf/mm以下(3.9kPa以下)であってもよい。伸縮性樹脂フィルムの表面のタック値は、200℃において4.5gf/mm以下(44kPa以下)、又は4.0gf/mm以下(39kPa以下)であってもよい。タック値の下限値は、特に限定されなく、0gf/mm(0kPa)であってもよい。タック値は、例えば、タッキング試験機(株式会社レスカ製「TACII」)を用いて測定される。
伸縮性樹脂フィルムの弾性率(引張弾性率)は、0.1MPa以上1000MPa以下であってもよい。弾性率が0.1MPa以上1000MPa以下であると、基材としての取り扱い性及び可撓性が特に優れる傾向がある。この観点から、弾性率が0.3MPa以上100MPa以下、又は0.5MPa以上50MPa以下であってもよい。
伸縮性樹脂フィルムの破断伸び率は、100%以上であってもよい。破断伸び率が100%以上であると、十分な伸縮性が得られ易い傾向がある。この観点から、破断伸び率は150%以上、200%以上、300%以上又は500%以上であってもよい。破断伸び率の上限は、特に制限されないが、通常1000%程度以下である。
伸縮性樹脂フィルムは、キャリアフィルム、及びキャリアフィルム上に設けられた伸縮性樹脂フィルムを有する積層フィルムの状態で、供給されてもよい。
キャリアフィルムとしては、特に制限されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、及びポリエチレンナフタレートなどのポリエステル;ポリカーボネート;ポリエチレン、及びポリプロピレンなどのポリオレフィン;ポリアミド;ポリイミド;ポリアミドイミド;ポリエーテルイミド;ポリエーテルスルフィド;ポリエーテルスルホン;ポリエーテルケトン;ポリフェニレンエーテル;ポリフェニレンスルフィド;ポリアリレート;ポリスルホン;並びに液晶ポリマが挙げられる。柔軟性及び強靭性の観点から、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、又はポリスルホンのフィルムをキャリアフィルムとして用いてもよい。
キャリアフィルムの厚みは、特に制限されないが、3〜250μmであってもよい。キャリアフィルムの厚みが3μm以上であると、キャリアフィルムが十分なフィルム強度を有し易い傾向がある。キャリアフィルムの厚みが250μm以下であると十分な柔軟性が得られ易い傾向がある。以上の観点から、キャリアフィルムの厚みは5〜200μm、又は7〜150μmであってもよい。伸縮性樹脂フィルムとの剥離性向上の観点から、シリコーン系化合物、含フッ素化合物などにより基材フィルムに離型処理が施されたフィルムを必要に応じて用いてもよい。
上記積層フィルムが、伸縮性樹脂フィルムを覆う保護フィルムを更に有していてもよい。
保護フィルムとしては、特に制限はなく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル;ポリエチレン、及びポリプロピレンなどのポリオレフィンが挙げられる。柔軟性及び強靭性の観点から、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、又は、ポリエチレン及びポリプロピレンなどのポリオレフィンのフィルムを保護フィルムとして用いてもよい。伸縮性樹脂フィルムとの剥離性向上の観点から、シリコーン系化合物、含フッ素化合物などにより保護フィルムに離型処理が施されていてもよい。
保護フィルムの厚みは、目的とする柔軟性により適宜変えてよいが、10〜250μmであってもよい。保護フィルムの厚みが10μm以上であると保護フィルムが十分なフィルム強度を有し易い傾向がある。保護フィルムの厚みが250μm以下であると保護フィルムが十分な柔軟性を有し易い傾向がある。以上の観点から、保護フィルムの厚みは15〜200μm、又は20〜150μmであってもよい。
伸縮性配線基板1(又は導体基板)が有する導体層5は、例えば、導体箔、又は導体めっき膜であることができる。
導体箔は、金属箔であることができる。金属箔の例としては、銅箔、チタン箔、ステンレス箔、ニッケル箔、パーマロイ箔、42アロイ箔、コバール箔、ニクロム箔、ベリリウム銅箔、燐青銅箔、黄銅箔、洋白箔、アルミニウム箔、錫箔、鉛箔、亜鉛箔、半田箔、鉄箔、タンタル箔、ニオブ箔、モリブデン箔、ジルコニウム箔、金箔、銀箔、パラジウム箔、モネル箔、インコネル箔、及びハステロイ箔が挙げられる。適切な弾性率等の観点から、導体箔は、銅箔、金箔、ニッケル箔、及び鉄箔から選ばれてもよい。配線形成性の観点から、導体箔は銅箔であってもよい。銅箔は、フォトリソグラフィーにより、伸縮性樹脂基材の特性を損なわずに、簡易的に配線パターンを形成できる。銅箔としては、特に制限はなく、例えば銅張積層板及びフレキシブル配線板等に用いられる電解銅箔及び圧延銅箔を使用できる。
導体めっき膜は、アディティブ法又はセミアディティブ法に用いられる通常のめっき法により形成された膜であることができる。例えば、パラジウムを付着させるめっき触媒付与処理を行った後、伸縮性樹脂フィルムを無電解めっき液に浸漬してプライマーの表面全面に厚み0.3〜1.5μmの無電解めっき層(導体層)を析出させる。必要に応じて、電解めっき(電気めっき)をさらに行って、必要な厚みに調整することができる。無電解めっきに用いる無電解めっき液としては、任意の無電解めっき液を用いることが可能であり、特に制限はない。電解めっきについても通常の方法を採用することが可能であり、特に制限はない。導体めっき膜(無電解めっき膜、電解めっき膜)は、コスト面及び抵抗値の観点から銅めっき膜であってもよい。
導体層の厚みは、特に制限はないが、1〜50μmであってもよい。導体層の厚みが1μm以上であると、より容易に配線パターンを形成することができる。導体層の厚みが50μm以下であると、エッチング及び取り扱いが特に容易である。
伸縮性配線基板は、例えば、伸縮性樹脂フィルム及び伸縮性樹脂フィルム上に設けられた導体層を有する導体基板を準備することと、導体層に配線パターンを形成させることとを含む方法により、製造される。
導体層として導体箔を有する導体基板は、例えば、伸縮性樹脂フィルムを形成するための樹脂組成物のワニスを導体箔に塗工すること、又は、キャリアフィルム上に形成された伸縮性樹脂フィルム上に導体箔を積層することを含む方法により得ることができる。伸縮性樹脂フィルムを形成するための樹脂組成物の塗膜を乾燥し、形成された樹脂層の加熱又は光照射によってこれを硬化させることで、伸縮性樹脂フィルムを形成してもよい。
導体層として導体めっき膜を有する導体基板は、例えば、アディティブ法又はセミアディティブ法に用いられる通常のめっき法により、キャリアフィルム上に形成された伸縮性樹脂フィルム上に導体めっき膜を形成させる方法により、得ることができる。
導体層に配線パターンを形成させる方法は、例えば、導体基板の導体層上にエッチングレジストを形成する工程と、エッチングレジストを露光し、露光後のエッチングレジストを現像して、導体層の一部を覆うレジストパターンを形成する工程と、レジストパターンによって覆われていない部分の導体層をエッチング液で除去する工程と、レジストパターンを除去する工程と、を含むことができる。
あるいは、導体層に配線パターンを形成させる方法は、導体基板の導体層上にめっきレジストを形成する工程と、めっきレジストを露光し、露光後のめっきレジストを現像して、導体層の一部を覆うレジストパターンを形成する工程と、レジストパターンによって覆われていない部分の導体層上に、無電解めっき又は電解めっきによって導体めっき膜をさらに形成する工程と、レジストパターンを除去する工程と、導体層のうち、上記電解めっきによって形成された導体めっき膜によって覆われていない部分を除去する工程と、を含んでいてもよい。
配線基板に各種の電子部品を搭載することにより、ストレッチャブルデバイスを得ることができる。
以下、実施例を挙げて本発明についてさらに具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
1.原材料
伸縮性樹脂フィルムを作製するための原材料として以下を準備した。
(A)ゴム成分
・無水マレイン酸変性スチレン−エチレンブチレン−スチレンブロック共重合体エラストマー(商品名「FG1924GT」、クレイトンポリマージャパン株式会社製)
(B)架橋成分
・ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(商品名「EPICLON HP7200H」、DIC(株)製)
(C)硬化促進剤
・1−ベンジル−2−メチルイミダゾール(商品名「1B2MZ」、四国化成株式会社製)
(D)フィラ
・シリカフィラスラリSE2050(商品名「SE2050KNK」、株式会社アドマテックス製、平均粒径500nm、フェニルアミノ基で表面修飾された球状シリカ粒子、シリカ濃度70質量%のメチルイソブチルケトン分散液)
・シリカフィラスラリC40(商品名「C40」、CIKナノテック株式会社製、フェニルアミノ基で表面修飾されたシリカ粒子、平均粒径100nm、シリカ濃度65質量%のMIBK(メチルイソブチルケトン)分散液)
・シリカフィラスラリC120(商品名「C120」、CIKナノテック株式会社製、フェニルアミノ基で表面修飾されたシリカ粒子、平均粒径30nm、シリカ濃度30質量%のMIBK分散液)
・シリカフィラスラリF19(商品名「F19」、CIKナノテック株式会社製、フェニル基で表面修飾されたシリカ粒子、平均粒径100nm、シリカ濃度70質量%のMIBK分散液)
(E)溶剤
・トルエン
(キャリアフィルム/保護フィルム)
・離型処理ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(商品名「ピューレックスA31」、帝人デュポンフィルム株式会社製、厚み25μm)
2.伸縮性樹脂フィルムを有する積層フィルム
実施例1
100質量部の無水マレイン酸変性スチレン−エチレンブチレン−スチレンブロック共重合体エラストマー(FG1924GT)、200質量部のシリカフィラスラリ(SE2050)、及び50質量部のトルエンを撹拌しながら均一に混合した。得られた混合物に、25質量部のジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(HP7200H)、及び3.75質量部の1−ベンジル−2−メチルイミダゾール(1B2MZ)を加え、混合物を更に撹拌して、樹脂ワニスを得た。得られた樹脂ワニスを、キャリアフィルムの離型処理面上にナイフコータ(株式会社康井精機製「SNC−350」を用いて塗布した。塗膜を乾燥機(株式会社二葉科学製「MSO−80TPS」)中で100℃で20分の加熱により乾燥して、厚み100μmの樹脂層を形成させた。形成された樹脂層に、キャリアフィルムと同じ離型処理PETフィルムを、離型処理面が樹脂層側になる向きで保護フィルムとして貼付けて、積層フィルムを得た。積層フィルムを180℃で60分加熱することにより樹脂層を硬化させて、伸縮性樹脂フィルム(樹脂層の硬化物)を有する積層フィルムを得た。
実施例2
200質量部のシリカフィラスラリ(SE2050)を70質量部のフィラを含む108質量部のシリカフィラスラリ(C40)に代えたこと以外は実施例1と同様にして、樹脂ワニスを調製した。得られた樹脂ワニスを用いて、実施例1と同様の方法で伸縮性樹脂フィルムを有する積層フィルムを得た。
実施例3
200質量部のシリカフィラスラリ(SE2050)を70質量部のフィラを含む233質量部のシリカフィラスラリ(C120)に代えたこと以外は実施例1と同様にして、樹脂ワニスを調製した。得られた樹脂ワニスを用いて、実施例1と同様の方法で伸縮性樹脂フィルムを有する積層フィルムを得た。
実施例4
200質量部のシリカフィラスラリ(SE2050)を70質量部のフィラを含む100質量部のシリカフィラスラリ(F19)に代えたこと以外は実施例1と同様にして、樹脂ワニスを調製した。得られた樹脂ワニスを用いて、実施例1と同様の方法で伸縮性樹脂フィルムを有する積層フィルムを得た。
実施例5
シリカフィラスラリ(SE2050)、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(HP7200H)、及び1−ベンジル−2−メチルイミダゾール(1B2MZ)の配合量を表1に示されるように変更したこと以外は実施例1と同様にして、樹脂ワニスを調製した。得られた樹脂ワニスを用いて、実施例1と同様の方法で伸縮性樹脂フィルムを有する積層フィルムを得た。
比較例1
100質量部の無水マレイン酸変性スチレン−エチレンブチレン−スチレンブロック共重合体エラストマー(FG1924GT)、25質量部のジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(HP7200H)、及び3.75質量部の1−ベンジル−2−メチルイミダゾール(1B2MZ)を、50質量部のトルエンと混合し、混合物を撹拌して、樹脂ワニスを得た。得られた樹脂ワニスを用いて、実施例1と同様の方法で伸縮性樹脂フィルムを有する積層フィルムを得た。
比較例2及び3
無水マレイン酸変性スチレン−エチレンブチレン−スチレンブロック共重合体エラストマー(FG1924GT)、及びジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(HP7200H)の配合量を表1に示されるように変更したこと以外は比較例1と同様にして、樹脂ワニス及び積層フィルムを得た。
3.評価
熱膨張率(CTE)
積層フィルムから得た伸縮性樹脂フィルムのサンプルを用いて、伸縮性樹脂フィルムの0℃から120℃にかけての熱膨張率を以下の条件の熱機械分析(TMA)法で測定した。
装置:SS6000(セイコーインスツル株式会社)
サンプルサイズ:10mm長×3mm幅
荷重:0.05MPa
温度:0〜120℃
昇温速度:5℃/min
引張弾性率
長さ40mm、幅10mmの短冊状で、キャリアフィルム及び保護フィルムが除去された伸縮性樹脂フィルムの試験片を準備した。この試験片の引張試験をオートグラフ(株式会社島津製作所「EZ−S」)を用いて行い、応力−ひずみ曲線を得た。得られた応力−ひずみ曲線から、室温における引張弾性率を求めた。引張試験は、チャック間距離20mm、引張速度50mm/分の条件で行った。引張弾性率は、応力0.5〜1.0Nの範囲の応力−ひずみ曲線の傾きから求めた。
回復率
長さ40mm、幅10mmの短冊状で、キャリアフィルム及び保護フィルムが除去された伸縮性樹脂フィルムの試験片を準備した。この試験片の回復率をマイクロフォース試験機(IllinoisTool WorksInc「Instron 5948」)を用いた引張試験により測定した。1回目の引張試験で変位量(ひずみ)Xに達した時点で引張応力を開放して試験片を初期位置に戻し、その後、2回目の引張試験を行ったときに荷重が掛かり始めた時点の位置とXとの差をYとしたとき、式:R=(Y/X)×100で計算されるRの値を回復率として記録した。本実施例では、ひずみXを50%とした。
タック値
積層フィルムから保護フィルムを除去し、露出した伸縮性樹脂フィルムの表面のタック値を、タッキング試験機(株式会社レスカ製「TACII」)を用いて測定した。測定条件は、定荷重モード、浸没速度120mm/分、テスト速度600mm/分、荷重100gf、荷重保持時間1秒、温度30℃又は200℃に設定した。
Figure 2019216352
表1に、伸縮性樹脂フィルムを形成するために用いられた硬化性樹脂組成物の各成分の配合量、及び伸縮性樹脂フィルムの評価結果を示す。表中のフィラに関する括弧内の数値は、スラリ中の固形分(フィラ)の配合量である。
表に示されるように、フィラを含有する実施例の伸縮性樹脂フィルムは、優れた伸縮性を有しながら、熱膨張率が小さく、しかも高温でのタックが低く取り扱い性に優れるものであることが確認された。フィラを含有しない伸縮性樹脂フィルムであっても、比較例3のように架橋成分を増量することで高温でのタックは低減できるものの、その場合は熱膨張率が大きい点で問題があった。
1…伸縮性配線基板、3…伸縮性樹脂フィルム、5…導体層。

Claims (9)

  1. 伸縮性樹脂フィルムと、
    前記伸縮性樹脂フィルム上に設けられた導体層と、を有し、
    前記伸縮性樹脂フィルムがゴム成分及びフィラを含有し、前記ゴム成分が架橋されていてもよい、導体基板。
  2. 前記フィラの平均粒径が10〜500nmである、請求項1に記載の導体基板。
  3. 前記伸縮性樹脂フィルムが、前記ゴム成分、前記フィラ、及び架橋成分を含有する硬化性樹脂組成物の硬化物を含む、請求項1又は2に記載の導体基板。
  4. 前記ゴム成分が、前記架橋成分との反応により架橋されている、請求項3に記載の導体基板。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の導体基板を含み、前記導体層が配線パターンを形成している、伸縮性配線基板。
  6. ゴム成分及びフィラを含有し、前記ゴム成分が架橋されていてもよい、配線基板用伸縮性樹脂フィルム。
  7. 前記フィラの平均粒径が10〜500nmである、請求項6に記載の配線基板用伸縮性樹脂フィルム。
  8. 前記ゴム成分、前記フィラ、及び架橋成分を含有する硬化性樹脂組成物の硬化物を含む、請求項6又は7に記載の配線基板用伸縮性樹脂フィルム。
  9. 前記ゴム成分が、前記架橋成分との反応により架橋されている、請求項8に記載の配線基板用伸縮性樹脂フィルム。
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