JP2018104607A - 硬化性樹脂組成物、硬化性フィルム、伸縮性電気回路体及び半導体装置 - Google Patents

硬化性樹脂組成物、硬化性フィルム、伸縮性電気回路体及び半導体装置 Download PDF

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崇司 川守
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直樹 古川
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薫平 山田
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Tanyi Sim
タンイー シム
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修 平井
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Abstract

【課題】高い伸縮性を有し、高温での形状保持性にも優れる伸縮性樹脂層を、熱硬化によって形成することができる、硬化性樹脂組成物を提供すること。【解決手段】(A)反応性基を有する反応性重合体と、(B)硬化剤及び/又は硬化促進剤と、を含有し、伸縮性樹脂層を形成するために用いられる硬化性樹脂組成物が開示される。反応性重合体が、単量体混合物、重合開始剤及び水を含有する分散液中での懸濁重合によって生成する重合体である。単量体混合物が、反応性基を有する単量体と、これらと共重合する共重合用単量体とを含む。懸濁重合において、共重合用単量体、重合開始剤及び水を含有する分散液を加熱及び攪拌しながら、分散液に対して、反応性基を有する単量体が、連続的に又は複数回に分けて加えられる。【選択図】なし

Description

本発明は、硬化性樹脂組成物、硬化性フィルム、伸縮性電気回路体及び半導体装置に関する。
近年、ウェアラブル機器に関して、小型化への要望に加え、身体のような曲面に沿って使用できると共に脱着しても接続不良が生じにくいためのフレキシブル性及び伸縮性が求められている。このようなウェアラブル機器を構成するためには、電気回路を形成する基材だけでなく、電気回路を保護する保護層にも可撓性が求められる。
特許文献1には、電気回路の保護層を形成する方法として、可撓性を有するエラストマ性基板上に配置された柔軟配線体の表面を、同じくエラストマ性の材料、具体的には液状のシリコーンゴムで被覆する方法が記載されている。
特許文献2には、同様に電気回路の保護層を形成する方法として、可撓性を有するエラストマ性基板上に配置された柔軟配線体の表面を、同じくエラストマ性の材料、具体的には熱可塑性ポリウレタン又はスチレンブタジエンゴムを主剤とする材料で被覆する方法が記載されている。
特許第5465124号公報 国際公開第2016/080346号
本発明の一側面の目的は、高い伸縮性を有し、高温での形状保持性にも優れる伸縮性樹脂層を、熱硬化によって形成することができる、硬化性樹脂組成物を提供することにある。
本発明の一側面は、(A)反応性基を有する反応性重合体と、(B)反応性重合体に架橋構造体を形成させる、硬化剤又は硬化促進剤と、を含有し、伸縮性樹脂層を形成するために用いられる硬化性樹脂組成物に関する。反応性重合体は、単量体混合物、重合開始剤及び水を含有する分散液中での懸濁重合によって生成する重合体であってもよい。単量体混合物は、反応性基を有する単量体と、これらと共重合する共重合用単量体とを含んでいてもよい。懸濁重合において、共重合用単量体、重合開始剤及び水を含有する分散液を加熱及び攪拌しながら、分散液に対して、反応性基を有する単量体が、連続的に又は複数回に分けて加えられる。
本発明者らは鋭意検討の結果、この硬化性樹脂組成物が、高い伸縮性を有し、高温での形状保持性にも優れる伸縮性樹脂層を、熱硬化によって形成することができることを見出した。
本発明の硬化性樹脂組成物又はこれからなる硬化性フィルムは、高い伸縮性を有する伸縮性樹脂層を熱硬化によって形成することができる。形成される伸縮性樹脂層は、例えば、電気回路用伸縮性基材、又は電気回路を被覆する伸縮性保護層として用いることができる。熱硬化のため、フィラー及び色素のような機能性を付与する材料を添加し易い点、厚膜の層を形成し易い点などで、光硬化する組成物と比較して有利である。更に、硬化性樹脂組成物から形成される伸縮性樹脂層は、良好な接着性、及び室温での低い貯蔵弾性率を示す。そのため、伸縮性樹脂層をフレキシブルセンサー、フレキシブルデバイス、ディスプレイ、ウェアラブルデバイス、伸縮性が求められる超音波振動子用保護材、又はアクチュエータに適用することが可能である。更に、伸縮性樹脂層は銅箔等の金属によって形成される回路との密着性の点でも優れる。
いくつかの形態に係る硬化性樹脂組成物は、シリコーンゴムと比較して短時間の硬化が可能である。また、いくつかの形態に係る硬化性樹脂組成物は、段差の埋め込み性の点でも良好な性能を発揮し得る。
紫外検出器及び示差屈折率検出器によるGPCクロマトグラムの例である。 回復率の測定例を示す応力−ひずみ曲線である。 半導体装置の一実施形態を示す断面図である。 伸縮性基材及び回路部品の一実施形態を示す断面図である。 複数の半導体装置を得る工程の一実施形態を示す断面図である。
以下、本発明のいくつかの実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
本明細書において、例えば、「(メタ)アクリル酸」とは、「アクリル酸」及びそれに対応する「メタクリル酸」を意味し、他の類似語についても同様である。
重合体のガラス転移温度(Tg)は、重合体を構成する単量体の含有量からFOX式を用いて算出した値を意味する。
重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定し、標準ポリスチレンの検量線を用いて換算した値を意味し、具体的には実施例に記載の方法により、測定した値である。数平均分子量、重量平均分子量及び分散度は、以下のように定義される。
(a)数平均分子量(Mn)
Mn=Σ(NiMi)/ΣNi=ΣXiMi(Xi=分子量Miの分子のモル分率=Ni/ΣNi)
(b)重量平均分子量(Mw)
Mw=Σ(NiMi2)/ΣNiMi=ΣWiMi(Wi=分子量Miの分子の重量分率=NiMi/ΣNiMi)
(c)分子量分布(分散度)
分散度=Mw/Mn
一実施形態に係る硬化性樹脂組成物は、(A)反応性基を有する反応性重合体と、(B)硬化剤又は硬化促進剤とを含有する。この硬化性樹脂組成物は、高い伸縮性を有する伸縮性樹脂層を形成することができる。硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、シランカップリング剤、フィラー等のその他の成分を含有してもよい。以下、硬化性該樹脂組成物中に含まれ得る各成分について説明する。
<(A)反応性重合体>
一実施形態に係る反応性重合体(以下、「反応性重合体(A)」ということがある。」)は、反応性基を有する重合体であり、典型的には、ラジカル重合性の単量体((メタ)アクリル基を有する化合物等)を2種以上含む単量体混合物のラジカル重合により生成する共重合体であり得る。反応性重合体(A)は、反応性基を有する単量体(以下「架橋性単量体(a1)」ということがある。」に由来する単量体単位(a1)と、架橋性単量体(a1)以外の共重合用単量体(以下「単量体(a2)」ということがある。」)に由来する単量体単位(a2)とを含む共重合体であってもよい。反応性重合体(A)は、主として(メタ)アクリル基を有する化合物を含む単量体混合物の重合によって生成するアクリル重合体であってもよい。
(架橋性単量体(a1))
架橋性単量体(a1)は、硬化剤との反応、及び/又は、硬化促進剤によって促進される重合反応によって反応性重合体(A)の架橋構造体を形成する反応性基を1つ以上有する単量体であれば、特に限定されない。架橋性単量体(a1)の反応性基は、例えば、エポキシ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、及びアミド基から選ばれる。反応性基は、エポキシ基又はカルボキシル基であってもよい。特に、架橋性単量体(a1)は、エポキシ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、及びアミド基から選ばれる反応性基を有する(メタ)アクリレートであってもよい。
エポキシ基を有する単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸グリシジル、α−エチル(メタ)アクリル酸グリシジル、α−n−プロピル(メタ)アクリル酸グリシジル、α−n−ブチル(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸−3,4−エポキシブチル、(メタ)アクリル酸−4,5−エポキシペンチル、(メタ)アクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、α−エチル(メタ)アクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、(メタ)アクリル酸−3−メチル−3,4−エポキシブチル、(メタ)アクリル酸−4−メチル−4,5−エポキシペンチル、(メタ)アクリル酸−5−メチル−5,6−エポキシヘキシル、(メタ)アクリル酸−β−メチルグリシジル、α−エチル(メタ)アクリル酸−β−メチルグリシジルが挙げられる。
カルボキシル基を有する単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸が挙げられる。
ヒドロキシル基を有する単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、及びN−メチロール(メタ)アクリルアミドが挙げられる。
アミノ基を有する単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルが挙げられる。
アミド基を有する単量体としては、例えば、(メタ)アクリルアミドが挙げられる。
これらの単量体の中でも、保存安定性の観点から、エポキシ基を有する(メタ)アクリレートが好ましく、メタクリル酸グリシジルが更に好ましい。
反応性重合体(A)中の架橋性単量体単位(a1)の含有量は、反応性重合体(A)の質量を基準として、好ましくは1〜35質量%、より好ましくは5〜30質量%、更に好ましくは10〜25質量%、より更に好ましくは15〜23質量%である。
架橋性単量体単位(a1)の含有量が1質量%以上であれば、硬化物の伸長時からの回復率が特に高くなり、高い伸縮性が発現される傾向がある。一方、架橋性単量体単位(a1)の含有量が25質量%以下であれば、伸長時の高い破断伸び、及び適度に低い弾性率を維持し易い傾向がある。
(単量体(a2))
単量体(a2)は、架橋性単量体(a1)以外の化合物であって、架橋性単量体(a1)を共重合可能な化合物であれば、特に限定されない。
単量体(a2)としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、N−置換マレイミドが挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸i−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ブトキシエチル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ナフチルが挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステルは、脂環式基を有していてもよい。脂環式基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸トリメチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ノルボルニル、(メタ)アクリル酸ノルボルニルメチル、(メタ)アクリル酸フェニルノルボルニル、(メタ)アクリル酸シアノノルボルニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ボルニル、(メタ)アクリル酸メンチル、(メタ)アクリル酸フェンチル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアダマンチル、(メタ)アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−イル、(メタ)アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−4−メチル、(メタ)アクリル酸シクロデシル等が挙げられる。
芳香族ビニル化合物としては、例えば、4−ビニルピリジン、2−ビニルピリジン、α−メチルスチレン、α−エチルスチレン、α−フルオロスチレン、α−クロルスチレン、α−ブロモスチレン、フルオロスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、メチルスチレン、メトキシスチレン、o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、スチレンが挙げられる。
シアン化ビニル化合物としては、例えば、(メタ)アクリロニトリルが挙げられる。
N−置換マレイミドとしては、例えば、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−i−プロピルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−i−ブチルマレイミド、N−t−ブチルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−フェニルマレイミドが挙げられる。
これらの単量体(a2)は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、得られる硬化物の弾性率を低くする観点から、下記一般式(I)で表されるメタ)アクリル酸エステルが好ましい。
Figure 2018104607
式(I)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは炭素数1〜20のアルキル基を示し、当該アルキル基は直鎖でも分岐鎖であってもよい。Rが示すアルキル基の炭素数は、好ましくは1〜20、より好ましくは1〜12、更に好ましくは1〜8である。
式(I)で表される(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸i−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ブトキシエチルが挙げられる。
これらの中でも、炭素数1〜8のアルキル基を有する化合物が好ましく、(メタ)アクリル酸ブチルがより好ましい。
式(I)で表される(メタ)アクリル酸エステルに由来する単量体単位の含有量は、単量体単位(a2)の総量に対して、好ましくは60〜100質量%、より好ましく70〜98質量%、更に好ましくは80〜95質量%である。
単量体(a2)は、特に、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−イル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル及びメタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−イルからなる群より選ばれる少なくとも1種を含んでいてもよい。
反応性重合体(A)中の単量体単位(a2)の含有量は、反応性重合体(A)の質量を基準として、好ましくは60〜99質量%、より好ましくは65〜95質量%、更に好ましくは70〜90質量%、より更に好ましくは75〜87質量%である。
反応性重合体(A)のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは10℃未満、より好ましくは5℃未満、更に好ましくは0℃未満である。反応性重合体(A)のガラス転移温度が5℃未満であれば、得られる硬化物の柔軟性が良好となり、低弾性となる傾向がある。
反応性重合体(A)のTgの下限値については特に制限はないが、取り扱い性の観点から、反応性重合体(A)のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは−100℃以上、より好ましくは−80℃以上、更に好ましくは−60℃以上である。
反応性重合体(A)の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは30万〜120万、より好ましくは30万〜90万、更に好ましくは30万〜85万である。反応性重合体(A)の重量平均分子量が30万以上であればハンドリング性が向上し、硬化物の伸長時からの回復率がより一層向上する傾向がある。反応性重合体(A)の重量平均分子量が120万以下であれば、溶剤への溶解性が良好となり、加工性が良好となる傾向がある。
反応性重合体(A)中の架橋性単量体単位(a1)間の平均分子量(以下、「架橋間平均分子量」ともいう)は、好ましくは100〜2000、より好ましくは300〜1700、更に好ましくは500〜1500、より更に好ましくは600〜1300である。当該架橋間平均分子量が100以上であれば、硬化物の柔軟性がより優れる傾向がある。当該架橋間平均分子量が2000以下であれば、回復率がより高くなる傾向がある。
本明細書において、架橋性単量体単位(a1)間の平均分子量(架橋間平均分子量)は、下記式によって算出した値を意味する。
(架橋間平均分子量)=(m1×X1+m2×X2+ma×Xa+・・・mn×Xn)/ma
上記式中、nは対象の共重合体を構成するモノマの種類の数を示し、このうちaは架橋性モノマを示す。miは各モノマ(i=1,2,・・・n(aを含む))のモル分率を示し、m1+m2+…ma+mi+…mn=1である。Xiは各モノマ(i=1,2,・・・n(aを含む))の分子量を示す。
反応性重合体(A)において、架橋性単量体単位(a1)が均一に分布していると、硬化物がより優れた伸縮性(高い破断伸び率、高い回復率等)を有する傾向がある。
反応性重合体(A)における架橋性単量体単位(a1)の分布の均一性は、例えば、架橋性単量体(a1)をUVで検出可能な基で修飾して得られる変性重合体をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で分析し、示差屈折率(RI)検出器及び紫外(UV)検出器によって得られるクロマトグラムを比較する方法によって、評価することができる。
UVで検出可能な基としては、例えば、フェニル基、ベンジル基、二重結合等の不飽和結合を有する基が挙げられる。
反応性基をUVで検出可能な基に変換する方法として、公知の官能基修飾法が用いられ得る。例えば、反応性基としてのエポキシ基は、アニリン、ベンジルアミン等との反応により、フェニル基、ベンジル基等に変換可能である。反応性基としてのカルボキシル基は、ベンジルアルコールとの反応により、ベンジル基に変換可能である。反応性基としてのヒドロキシル基は、フェニルイソシアネート、ベンジルイソシアネート等と反応により、フェニル基、ベンジル基等に変換可能である。
図1は、紫外検出器(UV)及び示差屈折率検出器(RI)によるGPCクロマトグラムの例である。紫外検出器によって得られたクロマトグラムにおけるピークトップの保持時間であるUVピークトップ時間と、示差屈折率検出器によって得られたクロマトグラムにおける、ピークトップの保持時間であるRIピークトップ時間、保持時間が短い側のピークエンドの保持時間であるRIピークスタート時間、及び保持時間が長い側のピークエンドの保持時間であるRIピークエンド時間と、から下記式(1)によって反応性重合体(A)の均一性の指標Xが算出される。
Figure 2018104607
重合反応の初期と後期で生成する共重合体の組成比率の差が大きくなるほど、UVピークトップ時間とRIピークトップ時間との差が大きくなる傾向がある。すなわち、指標Xの値が小さいことは、架橋性単量体単位(a1)がより均一に分布していることを意味する。なお、「(RIピークエンド時間)−(RIピークスタート時間)」の値は、ピークの幅に相当するが、この値はUV検出器とRI検出器とで実質的に変わらない。そのため、これを「(UVピークエンド時間)−(UVピークスタート時間)」に置き換えることもできる。
指標Xの値は、−0.030〜0.030、−0.020〜0.020、−0.015〜0.015、又は−0.010〜0.012であってもよい。指標Xの値が−0.03未満又は0.03を超えて大きい場合には、硬化物が形状を回復する時間が大きく低下する傾向がある。
反応性重合体(A)の合成方法としては、例えば、懸濁重合法、溶液重合法、塊状重合法等が挙げられる。これらの中でも、架橋性単量体単位(a1)の均一な分布、分子量の調整及び熱制御の観点から、懸濁重合法が好ましい。
懸濁重合法の場合には、原料となる単量体混合物、重合開始剤、及び水を混合して、単量体混合物が水中に分散している分散液(懸濁液)を調製する。単量体混合物は、架橋性単量体(a1)及び単量体(a2)を含む。分散液には、必要に応じて、連鎖移動剤(分子量調整剤)、懸濁剤等が添加される。
懸濁剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ポリアクリルアミド等の水溶性高分子、リン酸カルシウム、ピロリン酸マグネシウム等の難溶性無機物質等が挙げられる。これらの中でも、ポリビニルアルコール等の非イオン性水溶性高分子が好ましい。
懸濁剤の配合量は、単量体混合物の総量100質量部に対して、好ましくは0.005〜1質量部、より好ましくは0.01〜0.07質量部である。
連鎖移動剤(又は分子量調整剤)としては、メルカプタン系化合物、チオグリコール、四塩化炭素、α−メチルスチレンダイマー等が挙げられる。
懸濁重合において、共重合用単量体(単量体(a2))、重合開始剤及び水を含有する分散液を加熱及び攪拌しながら、分散液に対して、反応性基を有する単量体(架橋性単量体(a1))が、連続的に又は複数回に分けて加えられる。生成する反応性重合体(A)における架橋性単量体単位(a1)の均一な分布の観点から、架橋性単量体(a1)を1〜5時間かけて分散液に滴下することが好ましい。これにより、架橋性単量体(a1)の全量を一括して分散液に供給する場合と比較して、より高い均一性で架橋性単量体単位(a1)が分布した反応性重合体(A)を得ることができる。ただし、架橋性単量体(a1)を連続的に又は複数回に分けて加える前の分散液が、単量体(a2)とともに、重合に用いられる架橋性単量体(a1)の一部を含んでいてもよい。
重合反応のための温度は、好ましくは0〜200℃、より好ましくは40〜120℃である。
溶液重合の場合、使用する溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、四塩化炭素等の塩素系溶剤等が挙げられる。
溶液重合開始時の溶液の固形分濃度は、得られる反応性重合体(A)の分子量の調整の観点から、好ましくは40〜70質量%、より好ましくは50〜60質量%である。
リビングラジカル重合ではない通常のラジカル重合を行う際に使用する重合開始剤としては、例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスシクロヘキサノン−1−カルボニトリル、アゾジベンゾイル等のアゾ化合物が挙げられる。
これらの重合開始剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、ラジカル重合を行う際の重合開始剤の配合量は、原料である単量体混合物の総量100質量部に対して、好ましくは0.01〜10質量部、より好ましくは0.05〜5質量部、更に好ましくは0.1〜3質量部である。
<(B)硬化剤及び/又は硬化促進剤>
硬化剤は、反応性重合体(A)の反応性基と反応して、反応性重合体(A)の架橋構造体を形成するものである。
硬化剤としては、イソシアネート硬化剤、酸無水物系硬化剤、アミン系硬化剤、カルボン酸系硬化剤、フェノール系硬化剤からなる群より選ばれる1種以上が好ましく、ジイソシアネート硬化剤、酸無水物系硬化剤、ジアミン系硬化剤、ジカルボン酸系硬化剤、ジフェノール系硬化剤からなる群より選ばれる1種以上がより好ましい。
反応性重合体(A)の反応性基がエポキシ基である場合、ジイソシアネート硬化剤、酸無水物系硬化剤、及びジカルボン酸系硬化剤から選ばれる硬化剤が好ましい。
イソシアネート系硬化剤としては例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、多価アルコールとジイソシアネートの付加物等のポリイソシアネートなどがある。ポリイソシアネートとしては、芳香族ポリイソシアネート(トリレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネートなど)、脂環族ポリイソシアネート(ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、イソプロピリデンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、水添キシリレンジイソシアネート、シクロヘキシルジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなど)、脂肪族ポリイソシアネート(ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,2,4および2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートなど)等が挙げられる。ポリイソシアネートの市販品の例としては、例えば、バイエル社製デスモジュールI(IPDI)、デスモジュールH(HDI)等が挙げられる。
酸無水物系硬化剤としては、例えば、フタル酸無水物、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、エチレングリコール無水トリメリット酸無水物、ビフェニルテトラカルボン酸無水物等の芳香族カルボン酸無水物;アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等の脂肪族カルボン酸の無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、ナジック酸無水物、ヘット酸無水物、ハイミック酸無水物等の脂環式カルボン酸無水物等が挙げられる。
アミン系硬化剤としては、例えば、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン、ジアミノジフェニルエーテル、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、1,5−ジアミノナフタレン、m−キシリレンジアミン等の芳香族アミン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、イソフォロンジアミン、ビス(4−アミノ−3−メチルジシクロヘキシル)メタン、ポリエーテルジアミン等の脂肪族アミン;ジシアンジアミド、1−(o−トリル)ビグアニド等のグアニジン類等が挙げられる。
カルボン酸系硬化剤としては、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等が挙げられる。
フェノール系硬化剤としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、4,4’−ビフェニルフェノール、テトラメチルビスフェノールA、ジメチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールF、ジメチルビスフェノールF、テトラメチルビスフェノールS、ジメチルビスフェノールS、テトラメチル−4,4’−ビフェノール、ジメチル−4,4’−ビフェニルフェノール、1−(4−ヒドロキシフェニル)−2−[4−(1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)エチル)フェニル]プロパン、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、トリスヒドロキシフェニルメタン、レゾルシノール、ハイドロキノン、ピロガロール、ジイソプロピリデン骨格を有するフェノール類;1,1−ジ−4−ヒドロキシフェニルフルオレン等のフルオレン骨格を有するフェノール類;クレゾール類;エチルフェノール類;ブチルフェノール類;オクチルフェノール類;ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ナフトール類等の各種フェノールを原料とするノボラック樹脂、キシリレン骨格含有フェノールノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン骨格含有フェノールノボラック樹脂、ビフェニル骨格含有フェノールノボラック樹脂、フルオレン骨格含有フェノールノボラック樹脂、フラン骨格含有フェノールノボラック樹脂等の各種ノボラック樹脂等が挙げられる。
これらの硬化剤は、単独で又は2種以上組み合わせて用いてもよい。
反応性重合体(A)/硬化剤の配合比(質量比)は、好ましくは70/30〜99/0.1、より好ましくは80/20〜99/1、更に好ましくは85/15〜98/2、より更に好ましくは87/13〜95/3である。
硬化性樹脂組成物中の反応性重合体(A)及び硬化剤の合計の含有量は、硬化性樹脂組成物の質量を基準として、好ましくは70〜100質量%、より好ましくは80〜100質量%、更に好ましくは85〜100質量%である。
硬化性樹脂組成物は、硬化促進剤を含有していてもよい。硬化促進剤としては、例えば、イミダゾール系硬化促進剤、有機リン系硬化促進剤、第3級アミン系硬化促進剤、第4級アンモニウム塩系硬化促進剤、ブロック化イソシアネート、ジブチル錫ジラウレート等の有機錫系触媒、オクチル酸ビスマス等のビスマス系触媒、1,4−ジアザ[2.2.2]ビシクロオクタン等の3級アミン系触媒等が挙げられる。これらの中でも、イミダゾール系硬化促進剤が好ましい。これらの硬化促進剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
イミダゾール系硬化促進剤としては、例えば、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ−〔1,2−a〕ベンズイミダゾール、2,4−ジアミノ−6(2’−メチルイミダゾール(1’))エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6(2’−ウンデシルイミダゾール(1’))エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6(2’−エチル,4−メチルイミダゾール(1’))エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6(2’−メチルイミダゾール(1’))エチル−s−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2−メチルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−3,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニル−3,5−ジシアノエトキシメチルイミダゾール等が挙げられる。
硬化促進剤の配合量は、反応性重合体(A)100質量部に対して、好ましくは0.1〜8質量部、より好ましくは0.2〜4質量部、更に好ましくは0.3〜2質量部である。
<その他の成分>
硬化性樹脂組成物は、反応性重合体(A)、硬化剤、硬化促進剤以外に、必要に応じて、重合性化合物、シランカップリング剤、フィラー等のその他の成分を含有してもよい。
重合性化合物は、加熱又は紫外線などの照射によって重合する化合物であれば特に制限はないが、材料の選択性及び入手の容易さの観点から、例えばエチレン性不飽和基などの重合性基を有する化合物が好適である。
エチレン性不飽和基などの重合性基を有する化合物として、具体的には、(メタ)アクリレート、ハロゲン化ビニリデン、ビニルエーテル、ビニルエステル、ビニルピリジン、ビニルアミド、及びアリール化ビニルなどが挙げられる。これらのうち反応性の観点から、(メタ)アクリレート及びアリール化ビニルが好ましい。(メタ)アクリレートは、1官能、2官能又は多官能(3官能以上)のいずれでもよいが、十分な硬化性を得るためには2官能又は多官能の(メタ)アクリレートが好ましい。
単官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチルヘプチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、モノ(2−(メタ)アクリロイロキシエチル)スクシネートなどの脂肪族(メタ)アクリレート;シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、モノ(2−(メタ)アクリロイロキシエチル)テトラヒドロフタレート、モノ(2−(メタ)アクリロイロキシエチル)ヘキサヒドロフタレートなどの脂環式(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、o−ビフェニル(メタ)アクリレート、1−ナフチル(メタ)アクリレート、2−ナフチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、p−クミルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、o−フェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、1−ナフトキシエチル(メタ)アクリレート、2−ナフトキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(o−フェニルフェノキシ)プロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(1−ナフトキシ)プロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(2−ナフトキシ)プロピル(メタ)アクリレートなどの芳香族(メタ)アクリレート;2−テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、N−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−N−カルバゾールなどの複素環式(メタ)アクリレート、これらのカプロラクトン変性体が挙げられる。
2官能(メタ)アクリレートとしては、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノール(メタ)アクリレート、エトキシ化2−メチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレートなどの脂肪族(メタ)アクリレート;シクロヘキサンジメタノール(メタ)アクリレート、エトキシ化シクロヘキサンジメタノール(メタ)アクリレート、プロポキシ化シクロヘキサンジメタノール(メタ)アクリレート、エトキシ化プロポキシ化シクロヘキサンジメタノール(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノール(メタ)アクリレート、エトキシ化トリシクロデカンジメタノール(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリシクロデカンジメタノール(メタ)アクリレート、エトキシ化プロポキシ化トリシクロデカンジメタノール(メタ)アクリレート、エトキシ化水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エトキシ化プロポキシ化水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エトキシ化水添ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化水添ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、エトキシ化プロポキシ化水添ビスフェノールFジ(メタ)アクリレートなどの脂環式(メタ)アクリレート;エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エトキシ化プロポキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、エトキシ化プロポキシ化ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAFジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ビスフェノールAFジ(メタ)アクリレート、エトキシ化プロポキシ化ビスフェノールAFジ(メタ)アクリレート、エトキシ化フルオレン型ジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化フルオレン型ジ(メタ)アクリレート、エトキシ化プロポキシ化フルオレン型ジ(メタ)アクリレートなどの芳香族(メタ)アクリレート;エトキシ化イソシアヌル酸ジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化イソシアヌル酸ジ(メタ)アクリレート、エトキシ化プロポキシ化イソシアヌル酸ジ(メタ)アクリレートなどの複素環式(メタ)アクリレート;これらのカプロラクトン変性体;ネオペンチルグリコール型エポキシ(メタ)アクリレートなどの脂肪族エポキシ(メタ)アクリレート;シクロヘキサンジメタノール型エポキシ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールF型エポキシ(メタ)アクリレートなどの脂環式エポキシ(メタ)アクリレート;レゾルシノール型エポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノールF型エポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAF型エポキシ(メタ)アクリレート、フルオレン型エポキシ(メタ)アクリレートなどの芳香族エポキシ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
3官能以上の多官能(メタ)アクリレートとしては、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化プロポキシ化ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化プロポキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどの脂肪族(メタ)アクリレート;エトキシ化イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、エトキシ化プロポキシ化イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレートなどの複素環式(メタ)アクリレート;これらのカプロラクトン変性体;フェノールノボラック型エポキシ(メタ)アクリレート、クレゾールノボラック型エポキシ(メタ)アクリレートなどの芳香族エポキシ(メタ)アクリレートが挙げられる。
その他の熱によって重合する重合性基を有する化合物としては具体的には、エポキシ樹脂、シアネート樹脂、ビスマレイミド樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、アクリル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、レゾルシノールホルムアルデヒド樹脂、キシレン樹脂、フラン樹脂、ポリウレタン樹脂、ケトン樹脂、トリアリルシアヌレート樹脂、ポリイソシアネート樹脂、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌラートを含有する樹脂、トリアリルトリメリタートを含有する樹脂、シクロペンタジエンから合成された熱硬化性樹脂、芳香族ジシアナミドの三量化による熱硬化性樹脂等が挙げられる。中でも、高温において優れた接着力を持たせることができる点で、エポキシ樹脂、シアネート樹脂及びビスマレイミド樹脂が好ましく、取り扱い性及びポリイミドとの相溶性の点からエポキシ樹脂が特に好ましい。これら熱硬化性樹脂は単独で又は二種類以上を組み合わせて用いることができる。
エポキシ樹脂としては、分子内に少なくとも2個のエポキシ基を有するものが好ましい。硬化性及び硬化物特性の点からは、フェノールのグリシジルエーテル型のエポキシ樹脂が極めて好ましい。このようなエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA、AD、S又はFのグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールAのグリシジルエーテル、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加体のグリシジルエーテル、ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加体のグリシジルエーテル、フェノールノボラック樹脂のグリシジルエーテル、クレゾールノボラック樹脂のグリシジルエーテル、ビスフェノールAノボラック樹脂のグリシジルエーテル、ナフタレン樹脂のグリシジルエーテル、3官能型又は4官能型のグリシジルエーテル、ジシクロペンタジエンフェノール樹脂のグリシジルエーテル、ダイマー酸のグリシジルエステル、3官能型又は4官能型のグリシジルアミン、ナフタレン樹脂のグリシジルアミン等が挙げられる。これらは単独で又は二種類以上を組み合わせて使用することができる。
これらの化合物は、単独または2種類以上組み合わせることができ、さらにその他の重合性化合物と組み合わせることもできる。
重合性化合物の含有量は、反応性重合体、硬化剤及び硬化促進剤の合計量に対して、1〜50質量%であることが好ましい。重合性化合物の含有量が1質量%以上であると、室温及び高温での密着性が向上する傾向がある。重合性化合物の含有量が50質量%以上であると、硬化物(伸縮性樹脂層)の回復率が低下し易い傾向がある。以上の観点から、重合性化合物の含有量が1〜30質量%であることがさらに好ましい。
重合性化合物を重合させるための重合開始剤は、加熱又は紫外線などの照射によって重合を開始させるものであれば特に制限はない。例えば重合性化合物がエチレン性不飽和基を有する化合物を含む場合、熱ラジカル重合開始剤、又は光ラジカル重合開始剤を重合開始剤として用いることができる。硬化速度が速く常温硬化が可能なことから、光ラジカル重合開始剤が好ましい。
熱ラジカル重合開始剤としては、例えば、メチルエチルケトンパーオキシド、シクロヘキサノンパーオキシド、メチルシクロヘキサノンパーオキシドなどのケトンパーオキシド;1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンなどのパーオキシケタール;p−メンタンヒドロパーオキシドなどのヒドロパーオキシド;α、α’−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキシド、t−ブチルクミルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシドなどのジアルキルパーオキシド;オクタノイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ステアリルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシドなどのジアシルパーオキシド;ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−3−メトキシブチルパーオキシカーボネートなどのパーオキシカーボネート;t−ブチルパーオキシピバレート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウリレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテートなどのパーオキシエステル;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2’−ジメチルバレロニトリル)などのアゾ化合物が挙げられる。これらの中で、硬化性、透明性、及び耐熱性の観点から、上記ジアシルパーオキシド、上記パーオキシエステル、及び上記アゾ化合物が好ましい。
光ラジカル重合開始剤としては、例えば2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オンなどのベンゾインケタール;1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オンなどのα−ヒドロキシケトン;2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、1,2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オンなどのα−アミノケトン;1−[(4−フェニルチオ)フェニル]−1,2−オクタジオン−2−(ベンゾイル)オキシムなどのオキシムエステル;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドなどのホスフィンオキシド;2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体などの2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体;ベンゾフェノン、N,N,N’,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、N,N,N’,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノンなどのベンゾフェノン化合物;2−エチルアントラキノン、フェナントレンキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ベンズアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−メチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナントラキノン、2−メチル−1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルアントラキノンなどのキノン化合物;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテルなどのベンゾインエーテル;ベンゾイン、メチルベンゾイン、エチルベンゾインなどのベンゾイン化合物;ベンジルジメチルケタールなどのベンジル化合物;9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9、9’−アクリジニルヘプタン)などのアクリジン化合物:N−フェニルグリシン、クマリンなどが挙げられる。
2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体において、2つのトリアリールイミダゾール部位のアリール基の置換基は、同一で対称な化合物を与えてもよく、相違して非対称な化合物を与えてもよい。ジエチルチオキサントンとジメチルアミノ安息香酸の組み合わせのように、チオキサントン化合物と3級アミンとを組み合わせてもよい。
これらの中で、硬化性、透明性、及び耐熱性の観点から、上記α−ヒドロキシケトン及び上記ホスフィンオキシドが好ましい。これらの熱及び光ラジカル重合開始剤は、単独で又は2種類以上を組み合わせることができる。さらに、適切な増感剤と組み合わせることもできる。
重合開始剤の含有量は、重合性化合物の量に対して、0.1〜10質量部であることが好ましい。重合開始剤の含有量が0.1質量部以上であると、十分な硬化が得られ易い傾向がある。重合開始剤の含有量が10質量部以下であると十分な光透過性が得られ易い傾向がある。以上の観点から、重合開始剤の含有量は0.3〜7質量部であることがさらに好ましく、0.5〜5質量部であることが特に好ましい。
その他の熱による重合性化合物を硬化させるための硬化促進剤は、(B)成分として前述した硬化促進剤と同様のものであり得る。
硬化性樹脂組成物は、異種材料間の界面結合を良くするために、各種カップリング剤を含んでいてもよい。カップリング剤としては、例えば、シラン系、チタン系、アルミニウム系などが挙げられ、これらの中でも効果が高い点で、シラン系カップリング剤が好ましい。カップリング剤の含有量は、その効果及び耐熱性及びコストの面から、反応性重合体(A)100質量部に対して、0.01〜20質量部であることが好ましい。
シランカップリング剤は、例えば、下記式(D)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2018104607
式(D)中、Xは、フェニル基、グリシドキシ基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、メルカプト基、アミノ基、ビニル基、及びイソシアネート基からなる群より選択される有機基を示し、sは0又は1〜10の整数を示し、R11、R12及びR13は各々独立に、炭素数1〜10のアルキル基を示す。
炭素数1〜10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、イソプロピル基、イソブチル基等が挙げられる。入手が容易である点で、メチル基、エチル基及びペンチル基が好ましい。
Xとしては、耐熱性の観点から、アミノ基、グリシドキシ基、メルカプト基及びイソシアネート基が好ましく、グリシドキシ基及びメルカプト基がより好ましい。
式(D)中のsは、高熱時のフィルム流動性を抑制し、耐熱性を向上させる観点から、0〜5が好ましく、0〜4がより好ましい。
好ましいシランカップリング剤としては、例えば、トリメトキシフェニルシラン、ジメチルジメトキシフェニルシラン、トリエトキシフェニルシラン、ジメトキシメチルフェニルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−(1,3―ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N,N’―ビス(3−(トリメトキシシリル)プロピル)エチレンジアミン、ポリオキシエチレンプロピルトリアルコキシシラン、ポリエトキシジメチルシロキサン等が挙げられる。これらの中でも、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランが好ましく、トリメトキシフェニルシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランがより好ましい。
シランカップリング剤は1種を単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
カップリング剤は、耐熱性を向上させる効果と保存安定性とのバランスを図る観点から、反応性重合体(A)100質量部に対して、0.01〜50質量部が好ましく、0.05質量部〜20質量部がより好ましく、耐熱性向上の観点から、0.5〜10質量部がさらにより好ましい。
硬化性樹脂組成物は、フィラーを含有してもよい。フィラーは、硬化物の機械特性、熱・音波・電気伝導性などを向上させることができる。フィラーは有機フィラーまたは無機フィラーであることができる。
有機フィラーとしては、例えば、カーボン、ゴム系フィラー、シリコーン系微粒子、ポリアミド微粒子、ポリイミド微粒子が挙げられる。
無機フィラーとしては、アルミナ、タングステン、タングステン酸化物、白金粉末、白金酸化物粉末、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化チタン、窒化アルミニウム、結晶性シリカ、非晶性シリカ、窒化ホウ素、チタニア、ガラス、酸化鉄、セラミック、フェライトなどのフィラーが使用できる。これらの無機フィラーは1種を単独で、又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。これらの中でもシリカは、高い接着力が得られ、かつ金属腐食を起こす原因となる不純物を少なくできるため、半導体装置の信頼性を向上できるので好ましい。また使用する無機フィラーの形状は球状であることが接着剤層の伸縮性と高い接着力の点で好ましい。球状とは、真球状、円粒状、楕円状などの形状も含む。
無機フィラーは所望する機能に応じて選択することができる。例えば、金属フィラーは、硬化性樹脂組成物にチキソ性を付与する目的で添加することができ、非金属無機フィラーは、伸縮性樹脂層に低熱膨張性、低吸湿性を付与する目的で添加することができる。
無機フィラーは、最大粒径が5.0μm以下であることが好ましく、1.0μm以下であることがより好ましい。最小粒径の下限値は特に設けないが、0.001μm以上であることが好ましい。粒径が0.001μm未満であると、樹脂との界面積が増大し、樹脂ワニスへの分散性が低下する他、伸縮性の低下を招く場合があり、粒径が5.0μmを超えると、高い接着力が得られなくなったり、硬化性フィルムの表面が粗くなり、成膜性が損なわれる場合がある。
無機フィラーは、最大粒径が5.0μm以下の範囲で少なくとも2つの粒度分布を有し、各粒度分布の頻度がピークとなる粒径の差が1μm以上であることが好ましく、2μm以上であることがより好ましい。このように、粒度分布の異なる無機フィラーを併用することによって、伸縮性樹脂層中の無機フィラーの充填密度が高まり、加熱後の表面タックの低減、ダイシング時の切断性向上、ダイシング後の切断面再融着抑制などの効果が得られる。また、粒径の異なるフィラーを併用することによって、フィラー充填量の増大による加熱後での伸縮性の低下を有効に抑制できる。
無機フィラーに2つの粒度分布を持たせる方法として、2つの粒度分布を有するように設計された単一の無機フィラーを用いる他、平均粒径の異なる2種の無機フィラーを併用する方法がある。この場合、各フィラーの平均粒径の差が1μm以上であることが好ましい。また、2種の無機フィラーを併用する際には、一方のフィラーの平均粒径が0.01〜2.0μm、もう一方のフィラーの平均粒径が2.0〜10.0μmであることが好ましく、双方の平均粒径の差が1μm以上となるようにフィラーを選択し、組み合わせる。
平均粒径の異なる2種のフィラーを併用する場合は、平均粒径の小さいフィラーの比率がフィラー全体に対して10〜70質量%、平均粒径の大きいフィラーの比率がフィラー全体に対して30〜90質量%の範囲で調整することによって、上述の効果を有効に確保できる。なお、上記フィラーの粒径又は平均粒径とは、粒度分布測定時に得られる値である。接着剤層に充填された無機フィラーの粒度分布、粒径、及び平均粒径は、接着剤組成物を600℃のオーブンで2時間加熱し、樹脂成分を分解、揮発させ、残った無機フィラーをSEMで観察、又はその粒度分布測定から算出するなどの方法で見積もることができる。
無機フィラーは表面に有機基を有することが好ましい。無機フィラーの表面が有機基によって修飾されていることにより、硬化性フィルムを形成するときの有機溶媒への分散性、並びに伸縮性フィルムの密着性及び耐熱性を向上させることが容易となる。
表面に有機基を有する無機フィラーは、例えば、上記式(D)で表されるシランカップリング剤と無機フィラーとを混合し、30℃以上の温度で攪拌することにより得ることができる。無機フィラーの表面が有機基によって修飾されたことは、UV測定、IR測定、XPS測定等で確認することが可能である。
カップリング剤の使用量は、耐熱性を向上させる効果と保存安定性とのバランスを図る観点から、無機フィラー100質量部に対して、0.01〜50質量部が好ましく、0.05質量部〜20質量部がより好ましく、耐熱性向上の観点から、0.5〜10質量部がさらにより好ましい。
本実施形態に係る硬化性樹脂組成物がフィラーを含有する場合、その含有量は、反応性重合体(A)100質量部に対し、300質量部以下が好ましく、200質量部以下がより好ましく、100質量部以下がさらにより好ましい。無機フィラーの含有量の下限は特に制限はないが、反応性重合体(A)100質量部に対し、5質量部以上であることが好ましい。
フィラーの含有量を上記範囲とすることにより、伸縮性樹脂層の回復率を十分確保しつつ所望の機能を付与することができる。
有機又は無機フィラーは、1種を単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
更に、イオン性不純物を吸着して、吸湿時の絶縁信頼性を良くするために、硬化性樹脂組成物にイオン捕捉剤を更に添加することもできる。イオン捕捉剤としては、特に制限はなく、例えば、トリアジンチオール化合物、ビスフェノール系還元剤などの、銅がイオン化して溶け出すのを防止するため銅害防止剤として知られる化合物、ジルコニウム系、アンチモンビスマス系マグネシウムアルミニウム化合物などの無機イオン吸着剤などが挙げられる。上記イオン捕捉剤の含有量は、添加による効果及び耐熱性、コストなどの点から、反応性重合体(A)100質量部に対して、0.01〜10質量部とすることが好ましい。
硬化性樹脂組成物には、適宜、軟化剤、老化防止剤、着色剤、難燃剤、テルペン系樹脂などの粘着付与剤、熱可塑性高分子を添加してもよい。これにより接着性向上、硬化時の応力緩和性を付与することができる。熱可塑性高分子としては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、キシレン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、尿素樹脂、アクリルゴムなどが挙げられる。熱可塑性高分子の分子量は5000〜500000が好ましい。
一実施形態に係る硬化性樹脂組成物は、有機溶剤を用いて希釈し、樹脂ワニスとして使用してもよい。ここで用いる有機溶剤としては、硬化性樹脂組成物中の成分を溶解又は分散し得るものであれば特に制限はない。例えば、トルエン、キシレン、メシチレン、クメン、p−シメンなどの芳香族炭化水素;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなどの環状エーテル;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノンなどのケトン;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトンなどのエステル;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどの炭酸エステル;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどのアミドなどが挙げられる。これらの中で、溶解性及び沸点の観点から、トルエン、メチルエチルケトン、N,N−ジメチルアセトアミドが好ましい。これらの有機溶剤は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。樹脂ワニス中の固形分濃度は、通常20〜80質量%であることが好ましい。
反応性重合体(A)と、硬化剤及び/又は硬化促進剤とを含有し、他の成分を含有しない樹脂組成物を硬化して形成される硬化物(伸縮性樹脂層)の室温(25℃)での破断伸び率は、200%以上であることが好ましい。この破断伸び率が200%以上であればフィラーなどの他の成分を樹脂組成物に加えても、十分な伸縮性を有する硬化物を得ることができる。この観点から、破断伸び率は300%以上であることがさらに好ましく、500%以上であることが特に好ましい。硬化性樹脂組成物の硬化物の25℃における破断伸び率が150%以上であってもよい。
硬化性樹脂組成物の硬化物(伸縮性樹脂層)を25℃において歪み50%まで引張変形した後の回復率が、80%以上であってもよい。この回復率は、硬化性樹脂組成物の硬化物(伸縮性樹脂層)の試験片を用いた引張試験によって測定される。1回目の引張試験で歪み(変位量)Xまでチャックで保持した試験片を引張り、その後、チャックを初期位置に戻してから2回目の引張試験を行ったときに、荷重が掛かり始める位置(荷重の立ち上がりの位置)の変位量(歪み)とXとの差Yを求め、X及びYから、式:R=100×Y/Xで計算されるRが回復率と定義される。回復率は、歪みXを50%として測定することができる。図2は、回復率の測定例を示す応力−ひずみ曲線である。回復率が80%以上、又は90%以上であれば繰り返しの使用に対する耐性が高くなる傾向がある。回復率は、85%以上であることがさらに好ましく、90%以上であることが特に好ましい。
硬化性樹脂組成物の硬化物の室温(25℃)における貯蔵弾性率が、0.1MPa以上、1000MPa以下であってもよい。この貯蔵弾性率が0.1MPa以上1000MPa以下であれば、良好な扱い性及び可撓性を得ることができる。この観点から、貯蔵弾性率が0.1MPa以上100MPa以下であることがさらに好ましく、0.1MPa以上50MPa以下であることが特に好ましい。
硬化性樹脂組成物の硬化物の200℃における貯蔵弾性率が、硬化性樹脂組成物の硬化物の200℃における損失弾性率よりも大きいことが好ましい。200℃における貯蔵弾性率は、200℃における損失弾性率の1.5倍以上であることが好ましく。2.0倍以上であることがさらに好ましい。これにより、硬化物(伸縮性樹脂層)が、高温で特に高い形状保持性を有することができる。例えば、導電ペーストなどを伸縮性樹脂層上に形成し、熱硬化させた場合に、伸縮性樹脂層の形状を保持し易い。
硬化性樹脂組成物の硬化物である伸縮性樹脂層の室温でのポリイミドフィルムに対するピール強度は、信頼性等の観点から,0.3kN/m以上であることが好ましく、0.4kN/m以上であることがより好ましく、0.5kN/m以上であることがさらに好ましい。
一実施形態に係る硬化性フィルムは、上述の硬化性樹脂組成物からなる。硬化性フィルムは、例えば、硬化性樹脂組成物を含有する樹脂ワニスを基材フィルムに塗布し、塗膜から溶媒を除去することにより容易に製造することができる。この方法によれば、基材フィルムと、該基材フィルム上に設けられた硬化性フィルムとを備える積層フィルムを得ることができる。
上記の樹脂ワニスの混合及び混練は、通常の攪拌機、らいかい機、三本ロール、ボールミル等の分散機を適宜、組み合わせて行うことができる。
基材フィルム上の塗膜から、硬化性樹脂組成物が硬化しない程度の温度で、かつ、溶媒が充分に揮散する条件での乾燥によって、溶媒が除去される。具体的には、通常60〜180℃で、0.1〜90分間加熱することにより塗膜を乾燥する。得られた硬化性フィルムの好ましい残存揮発分は10%以下である。前記の残存揮発分が10%を超えると、組立加熱時の溶媒揮発による発泡が原因で、伸縮性樹脂層内部にボイドが残存し易くなり、耐湿信頼性が低下する傾向にある。加熱時に発生する揮発成分による周辺材料、あるいは部材を汚染する可能性もある。50mm×50mmサイズの硬化性フィルムの試験片について、初期の重量をM1で、試験片を160℃のオーブン中で3時間加熱した後の重量をM2であるときに、式:残存揮発分(%)={(M2-M1)/M1}×100によって残存揮発分が求められる。
基材フィルムとしては、特に制限はなく、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル;ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン;ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルフィド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリスルホン、液晶ポリマなどが挙げられる。これらの中で、柔軟性及び強靭性の観点から、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリスルホンが好ましい。
基材フィルムの厚みは、目的とする柔軟性により適宜変えてよいが、3〜250μmであることが好ましい。一般に、3μm以上であるとフィルム強度が十分であり、250μm以下であると十分な柔軟性が得られる。以上の観点から、厚みは5〜200μmであることがさらに好ましく、7〜150μmであることが特に好ましい。樹脂フィルムとの剥離性向上の観点から、シリコーン系化合物、含フッ素化合物などにより離型処理が施された基材フィルムを必要に応じて用いてもよい。
必要に応じて保護フィルムを硬化性フィルム上に貼り付け、基材フィルム、硬化性フィルム及び保護フィルムからなる3層構造の積層フィルムとしてもよい。
保護フィルムとしては、特に制限はなく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル;ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンなどが挙げられる。これらの中で、柔軟性及び強靭性の観点から、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル;ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンであることが好ましい。樹脂フィルムとの剥離性向上の観点から、シリコーン系化合物、含フッ素化合物などにより離型処理が施されたフィルムを必要に応じて用いてもよい。
保護フィルムの厚みは、目的とする柔軟性により適宜変えてよいが、10〜250μmであることが好ましい。一般に、厚みが10μm以上であるとフィルム強度が十分であり、250μm以下であると十分な柔軟性が得られる。以上の観点から、厚みは15〜200μmであることがさらに好ましく、20〜150μmであることが特に好ましい。
硬化性フィルムの乾燥後の厚みは、特に限定されないが、通常は5〜1000μmであることが好ましい。厚みが5μm以上であると、硬化性フィルム又はその硬化物(伸縮性樹脂層)の十分な強度が得られ易い傾向がある。厚みが1000μm以下であると、乾燥が十分に行えるため硬化性フィルム中の残留溶媒量が低くなり易い傾向がある。
積層フィルムは、例えばロール状に巻き取ることによって容易に保存することができる。または、ロール状のフィルムから好適なサイズに切り出したシート状の積層フィルムを保存することもできる。
一実施形態に係る硬化性樹脂組成物及びその硬化物である伸縮性樹脂層は、ウェアラブル機器用の伸縮性封止材(伸縮性保護層)及び伸縮性基材として好適である。同様に一実施形態に係る硬化性フィルムは、ウェアラブル機器用の樹脂封止フィルム、及び基板フィルムとして好適である。
一実施形態に係る伸縮性電気回路体は、伸縮性基材と、伸縮性基材上に形成された電気回路と、電気回路を被覆する伸縮性保護層とを備える。伸縮性基材又は伸縮性保護層のうち少なくとも一方が、上述の硬化性樹脂組成物の硬化物であることができる。以下、伸縮性電気回路体の一例としての半導体装置の一実施形態について説明する。
図3は、一実施形態に係る半導体装置を模式的に示す断面図である。図3に示す半導体装置100は、伸縮性を有する伸縮性基材1と、回路部品2と、伸縮性を有する伸縮性保護層3とから構成される。伸縮性基材1は、フレキシブル基板であってもよい。伸縮性基材1上には電気回路が形成されており、回路部品2は、電気回路に接続されて伸縮性基材1上に搭載されている。伸縮性保護層3は、伸縮性基材1上の電気回路及び回路部品2を封止している。伸縮性保護層3又は伸縮性基材1のうち少なくとも一方が、上述の硬化性樹脂組成物が硬化して形成された伸縮性樹脂層であってもよい。
伸縮性基材1の構成材料は、目的に応じて選択される。伸縮性基材1は、上述の硬化性樹脂組成物から形成される伸縮性樹脂層であってもよいし、その他の基材であってもよい。その他の基材の構成材料は、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、ビスマレイミド樹脂、エポキシ樹脂及びポリエチレングリコール樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種であってもよい。この中でも、伸縮性に更に優れる観点から、伸縮性基材1の構成材料は、上述の硬化性樹脂組成物の硬化物、シロキサン構造又は脂肪族エーテル構造又はジエン構造を有するポリイミド樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、長鎖アルキル鎖(例えば、炭素数1〜20のアルキル鎖)を有するビスマレイミド樹脂、エポキシ樹脂、及び、ロタキサン構造を有するポリエチレングリコール樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種であることがより好ましい。伸縮性基材1の構成材料は、1種を単独で、又は、2種以上を組み合わせて用いることができる。
回路部品2は、例えば、メモリーチップ、発光ダイオード(LED)、RFタグ(RFID)、温度センサ、加速度センサ、超音波振動子等の、半導体素子を含む実装部品である。1種類の回路部品2が実装されていてもよく、2種類以上の回路部品2が混在して実装されていてもよい。また、回路部品2は、1個が実装されていてもよく、複数個が実装されていてもよい。
以下、一実施形態に係る半導体装置の製造方法について説明する。
(工程1:実装工程)
まず、図4に示すように、伸縮性基材1の上に回路部品2を実装する。1種類の回路部品2が実装されていてもよく、2種類以上の回路部品2が混在して実装されていてもよい。また、回路部品2は、1個が実装されていてもよく、複数個が実装されていてもよい。
(工程2:封止工程)
次に、伸縮性基材1及び回路部品2を封止部材としての樹脂組成物又は樹脂フィルムで封止する。伸縮性基材1及び回路部品2は、例えば、硬化性フィルムを伸縮性基材1に積層すること、硬化性樹脂組成物を伸縮性基材1に印刷すること、又は、硬化性樹脂組成物に伸縮性基材1を浸漬し、乾燥することにより封止することができる。封止は、加熱プレス、ロールラミネート、真空ラミネート、印刷法又はディッピング法等によって行うことができる。この中でも、Roll to Rollのプロセスで使用できるものが製造工程を短縮できる点から好ましい。
加熱プレス、ロールラミネート、真空ラミネート等による封止工程では、減圧下で硬化性フィルムを積層することが好ましい。封止時においては、硬化性樹脂組成物又は硬化性フィルムを50〜170℃に加熱することが好ましく、圧着圧力は、0.1〜150MPa程度(1〜1500kgf/cm程度)が好ましい。これらの条件には特に制限はない。
(工程3:硬化工程)
封止工程において伸縮性基材1及び回路部品2を硬化性樹脂組成物又は硬化性フィルムで封止した後、これらを硬化させることにより伸縮性保護層3を形成し、伸縮性保護層3を有する半導体装置100が得られる。硬化としては、硬化性樹脂組成物の種類によって、加熱による熱硬化、又は、露光による光硬化を行うことができる。回路部品2の耐熱性の観点から、熱硬化であれば低温で硬化する硬化性樹脂組成物が好ましい。また、室温で硬化できる観点から、光硬化性樹脂組成物も好ましい。
(工程4:切断工程)
半導体装置の製造方法は、必要に応じて、例えば、図5に示すように、伸縮性基材1を伸縮性保護層3とともに切断し分離することにより、回路部品を有する複数の半導体装置を得る工程を備えることができる。これにより、複数の半導体装置を一度に大面積で製造することが可能となり、製造工程を減らすことが容易となる。
以下、実施例を挙げて本発明についてさらに具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(反応性アクリル重合体の合成)
合成例1
撹拌機、温度計、窒素ガス導入管、排出管及び加熱ジャケットから構成された4Lフラスコを反応器として準備した。フラスコ内に窒素を100mL/minで流した。
アクリル酸ブチル(BA)600g、アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−イル(日立化成株式会社製、FA−513AS)300gを混合し、得られた単量体混合物に、過酸化ラウロイル5.1g、及び連鎖移動剤としてのn−オクチルメルカプタン1.2gを加えてこれらを溶解させた。次いで、単量体混合物に水2012.6g、及び分散助剤としてのポリビニルアルコール(PVA)0.2gを加えて、単量体混合物が水中に分散している分散液(懸濁液)を得た。
この分散液の溶存酸素を窒素のバブリングにより1ppm以下とし、その状態で分散液を反応器のフラスコ内に供給した。フラスコ内の分散液を、55℃に加熱しながら、撹拌回転数250回・min−1で撹拌し、そこにメタクリル酸グリシジル(GMA)100gを3時間かけて連続的に滴下した。その後、2時間重合反応を進行させ、次いで反応器内温度を90℃に昇温して、さらに2時間重合反応を進行させた。分散液を冷却し、生成したグリシジルエーテル基を有する固形の反応性アクリル重合体を取り出し、これを水洗、脱水、及び乾燥した。
合成例2
メタクリル酸グリシジルに代えてアクリル酸を用いて、以下の手順でカルボキシル基を有する反応性アクリル重合体を合成した。
撹拌機、温度計、窒素ガス導入管、排出管及び加熱ジャケットから構成された4Lフラスコを反応器として準備した。フラスコ内に窒素を100mL/minで流した。
BA 600g、及びFA−513AS 300gを混合し、得られた単量体混合物に、過酸化ラウロイル5.1g、及び連鎖移動剤としてのn−オクチルメルカプタン1.2gを加えてこれらを溶解させた。単量体混合物に水2012.6g、分散助剤としてポリビニルアルコール(PVA)0.2gを加えて、単量体混合物が水中に分散している分散液(懸濁液)を得た。
この分散液の溶存酸素を窒素のバブリングにより1ppm以下とし、その状態で分散液をフラスコ内に供給した。フラスコ内の分散液を、55℃に加熱しながら、撹拌回転数250回・min−1で撹拌し、そこにアクリル酸100gを3時間かけて連続的に滴下した。その後、2時間重合反応を進行させ、次いで反応器内温度を90℃に昇温して、さらに2時間重合反応を進行させた。分散液を冷却し、生成したカルボキシル基を有する固形の反応性アクリル重合体を取り出し、これを水洗、脱水、及び乾燥した。
合成例3
アクリル酸エチル(EA)を単量体として用いて、製造例1と同様の以下の手順で反応性アクリル重合体を合成した。
撹拌機、温度計、窒素ガス導入管、排出管及び加熱ジャケットから構成された4Lフラスコを反応器として準備した。フラスコ内に窒素を100mL/minで流した。
EA 900gに、過酸化ラウロイル5.1g及び連鎖移動剤としてのn−オクチルメルカプタン1.2gを加えてこれらを溶解させた。得られた単量体混合物に水2012.6g、及び分散助剤としてのポリビニルアルコール(PVA)0.2gを加えて、単量体混合物が水中に分散している分散液(懸濁液)を得た。
分散液の溶存酸素を窒素のバブリングにより1ppm以下とし、その状態で分散液をフラスコ内に供給した。フラスコ内の分散液を、55℃に加熱しながら、撹拌回転数250回・min−1で撹拌し、そこにGMA100gを3時間かけて連続的に滴下した。その後、2時間重合反応を進行させ、次いで反応器内温度を90℃に昇温して、さらに2時間重合反応を進行させた。分散液を冷却し、生成したグリシジルエーテル基を有する固形の反応性アクリル重合体を取り出し、これを水洗、脱水、及び乾燥した。
比較合成例1
撹拌機、温度計、窒素ガス導入管、排出管及び加熱ジャケットから構成された4Lフラスコを反応器として準備した。フラスコ内に窒素を100mL/minで流した。
アクリル酸ブチル(BA)600g、アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−イル(日立化成株式会社製、FA−513AS)300g、及びメタクリル酸グリシジル(GMA)100gを混合し、得られた単量体混合物に過酸化ラウロイル5.1g、及び連鎖移動剤としてのn−オクチルメルカプタン1.2gを加えてこれらを溶解させた。単量体混合物に、水2012.6g(200質量%)、及び分散助剤としてポリビニルアルコール(PVA)0.2gを加えて、単量体混合物が水中に分散している分散液(懸濁液)を得た。単量体混合物の全量に対して、水の割合は200質量%、PVAの割合は0.02質量%であった。
分散液の溶存酸素を窒素のバブリングにより1ppm以下とし、その状態で分散液をフラスコ内に供給した。フラスコ内の分散液を、55℃に加熱しながら、撹拌回転数250回・min−1で撹拌して、4時間重合反応を進行させた。重合率が80%以上であることを確認してから、反応器内温度を90℃に昇温して、さらに2時間重合反応を進行させた。分散液を冷却し、生成したグリシジルエーテル基を有する固形の反応性アクリル重合体を取り出し、これを水洗、脱水、及び乾燥した。
比較合成例2
単量体混合物を、製造例2と同様のBA、FA−513AS、アクリル酸、過酸化ラウロイル5.1g、及びn−オクチルメルカプタンを含む単量体混合物に置き換えたこと以外は比較製造例1と同様にして、カルボキシル基を有する反応性アクリル重合体を合成した。
UV検出可能な基の導入
グリシジルエーテル基を有する反応性アクリル重合体1g、ベンジルメチルアミン1g、及びクロロホルム2gを混合し、50℃で4時間かけてグリシジルエーテル基とベンジルメチルアミンとを反応させた。生成物のメタノール中での沈殿により、GPC測定用の変性アクリル重合体を得た。
カルボキシル基を有する反応性アクリル重合体1g、ベンジルアルコール1g、塩化チオニル0.5g、及びクロロホルム2gを混合し、25℃で4時間かけてカルボキシル基、ベンジルアルコール及び塩化チオニルを反応させた。生成物のメタノール中での沈殿により、GPC測定用の変性アクリル重合体を得た。
GPC(RI、UV)による分析
GPC装置(東ソー株式会社製、商品名GPC8020)、GPCカラム(日立化成株式会社製、商品名Gelpack GL−150−S、GL−160−S)を使用し、反応性アクリル重合体が濃度1質量%でテトラヒドロフランに溶解している試料溶液を用いて、25℃の温度条件でGPCを測定した。測定結果から、標準ポリスチレン換算法により重量平均分子量を算出した。
また、変性アクリル重合体を用いたGPC分析を行い、紫外検出器及び示差屈折率検出器のそれぞれによるクロマトグラムを得た。紫外検出器によって得られたクロマトグラムにおけるピークトップの保持時間である「UVピークトップ時間」と、示差屈折率検出器によって得られたクロマトグラムにおける、ピークトップの保持時間である「RIピークトップ時間」、保持時間が短い側のピークエンドの保持時間である「RIピークスタート時間」、及び保持時間が長い側のピークエンドの保持時間である「RIピークエンド時間」とを求め、それらの値から、上述の式(1)によって反応性重合体の均一性の指標Xを算出した。
表1に、各反応性アクリル重合体の評価結果を示す。表1には、上述の方法により算出された架橋間平均分子量の値もあわせて示す。
Figure 2018104607
(硬化性フィルムの作製)
各反応性アクリル重合体をメチルエチルケトンに溶解して、加熱残分(濃度)が40質量%の溶液を作製した。この溶液に、その他の成分を表2又は表3に示す割合(質量部)で加え、均一に混合して、フィルム形成用のワニスを調製した。このワニスを、離型用シリコーンで表面処理したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に塗布し、塗膜を80℃で30分乾燥して、厚さ100μmの硬化性フィルムを形成させた。
Figure 2018104607
Figure 2018104607
表中に示す硬化剤又は硬化促進剤の内容は以下のとおりである。
・デスモジュールI(3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、日本コベルコ製)
・2E4MZ(2−エチル−4−メチルイミダゾール、四国化成工業(株)製)
・L−101(ジラウリン酸ジブチルすず、東京ファインケミカル(株)製)
・HN5500(3or4−メチル−ヘキサヒドロ無水フタル酸、日立化成(株)製)
(破断伸び率測定)
作製した硬化性フィルムを、150℃で、60分間加熱して硬化させて、厚さ80〜100μmの硬化フィルムを形成させた。次いで基材のPETフィルム取り外し、硬化フィルムから破断伸び率測定用の試験片(サイズ:10mm×80mm)を作製した。
この試験片の引張試験を、引張試験機(株式会社島津製作所製 小型卓上試験機 EZ−Test)を使用し、チャック間距離60mm、引張速度10mm/分の条件で行った。破断時の試験片の長さ(L1)を測定し、次式から破断伸び率を算出した。
破断伸び率=(L1−チャック間距離)×100/チャック間距離
(回復率測定)
各硬化性フィルムを150℃、60分の加熱により硬化して、硬化フィルムを形成させた。PETフィルム及び硬化フィルムの積層フィルムから、長さ40mm、幅5mmの大きさの積層フィルムを切り出し、基材フィルムを除去して、回復率測定用の試験片を得た。この試験片の引張試験を、マイクロフォース試験機(Illinois Tool Works Inc「Instron 5948」)を用いて行うことにより、硬化フィルムの回復率を測定した。
回復率とは、1回目の引っ張り試験で加えた変位量(歪み)をX、次に初期位置に戻し再度引っ張り試験を行ったときに荷重が掛かり始める位置の変位量(歪み)とXとの差をYとしたときに、式:R=100×Y/Xで計算されるRを指す。本測定では初期長さ(チャック間の距離)を20mm、Xを10mm(歪み50%)とした。
(ピール強度の測定)
硬化性フィルムから形成される硬化フィルムのポリイミドフィルムに対する密着性を、90度ピール試験にて評価した。硬化性フィルムを、真空加圧式ラミネータ(ニチゴー・マテリアルズ(株)製「V130」)を用い、ポリイミドフィルム(東レ・デュポン(株)製「カプトン200EN」)上に圧力0.5MPa、温度90℃及び加圧時間60秒の条件でラミネートした。次いで、90度ピール試験時の補強を目的に、PETフィルムを剥がした後に、接着処理PETフィルム(東洋紡(株)製「コスモシャインA4100」、厚さ50μm)を、易接着処理面が硬化性フィルム側になる向きで、圧力0.5MPa、温度90℃及び加圧時間60秒の条件にてラミネートした。続いて、150℃で60分間の加熱により、硬化性フィルムを硬化させた。硬化フィルム及びポリイミドフィルムの積層体から長さ100mm、幅10mmの大きさのピール強度測定用のサンプルを切り出した。
サンプルを両面テープ(日立マクセル(株)製「スリオンテックNo.5579」)でSUS板に固定した。オートグラフを用い、引張り速度50mm/分の条件で硬化フィルムを剥離するピール試験を行った。ピール試験の結果から、ポリイミドフィルムと硬化フィルムの間の密着強度を求めた。
(室温及び200℃での貯蔵弾性率及び損失弾性率の測定)
硬化性フィルムを150℃、60分間のオーブン中での加熱により硬化して、硬化フィルムを形成させた。硬化フィルム及びPETフィルムを35mm×10mmの大きさに切断し、PETフィルムをはく離した。硬化フィルムを試験片として、TAインスツルメント社製粘弾性測定装置「RSA−G2」を用いて、昇温速度:5℃/min、周波数:1Hz、測定温度:−50℃〜300℃の条件で動的粘弾性を測定した。この動的粘弾性測定から室温(25℃)及び200℃における貯蔵弾性率と損失弾性率を求めた。
1…伸縮性基材、2…回路部品、3…伸縮性保護層、100…半導体装置。

Claims (15)

  1. (A)反応性基を有する反応性重合体と、
    (B)前記反応性重合体に架橋構造体を形成させる、硬化剤及び/又は硬化促進剤と、
    を含有し、伸縮性樹脂層を形成するために用いられる硬化性樹脂組成物であって、
    前記反応性重合体が、
    単量体混合物、重合開始剤及び水を含有する分散液中での懸濁重合によって生成する重合体であり、
    前記単量体混合物が、前記反応性基を有する単量体と、これと共重合する共重合用単量体とを含み、
    前記懸濁重合において、前記共重合用単量体、前記重合開始剤及び水を含有する分散液を加熱及び攪拌しながら、前記分散液に対して、前記反応性基を有する単量体が、連続的に又は複数回に分けて加えられる、
    硬化性樹脂組成物。
  2. 前記重合開始剤がラジカル重合開始剤であり、前記懸濁重合が、リビングラジカル重合ではないラジカル重合である、請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
  3. (A)エポキシ基、カルボキシル基及びヒドロキシル基から選ばれる反応性基を有する反応性重合体と、
    (B)前記反応性重合体に架橋構造体を形成させる、硬化剤及び/又は硬化促進剤と、
    を含有し、伸縮性樹脂層を形成するために用いられる硬化性樹脂組成物であって、
    前記反応性重合体が、前記反応性基を有する単量体と、これと共重合する共重合用単量体と、を含む単量体混合物の重合体であり、
    前記反応性重合体中のエポキシ基とアニリン若しくはベンジルアミンとの反応、前記反応性重合体中のカルボキシル基とベンジルアルコールとの反応、又は、前記反応性重合体中のヒドロキシル基とフェニルイソシアネート若しくはベンジルイソシアネートとの反応により、フェニル基又はベンジル基を有する変性重合体を生成させ、生成した前記変性重合体をゲルパーミエーションクロマトグラフィーで分析し、前記ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにおいて示差屈折率検出器及び紫外検出器によってクロマトグラムを得たときに、
    前記紫外検出器によって得られたクロマトグラムにおけるピークトップの保持時間であるUVピークトップ時間と、前記示差屈折率検出器によって得られたクロマトグラムにおける、ピークトップの保持時間であるRIピークトップ時間、保持時間が短い側のピークエンドの保持時間であるRIピークスタート時間、及び保持時間が長い側のピークエンドの保持時間であるRIピークエンド時間と、から下記式(1)によって算出される、前記反応性重合体の均一性の指標Xが、−0.03以上、0.03以下である、
    硬化性樹脂組成物。
    Figure 2018104607
  4. 前記反応性基を有する単量体が、(メタ)アクリル酸グリシジル、又は(メタ)アクリル酸を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物。
  5. 前記共重合用単量体が、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−イル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル及びメタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−イルからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物。
  6. 前記硬化性樹脂組成物の硬化物の、25℃における破断伸び率が150%以上である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物。
  7. 前記硬化性樹脂組成物の硬化物を25℃において歪み50%まで引張変形した後の回復率が80%以上である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物。
  8. 前記硬化性樹脂組成物の硬化物の25℃における貯蔵弾性率が0.1MPa以上である、請求項1〜7いずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物。
  9. 前記硬化性樹脂組成物の硬化物の200℃における貯蔵弾性率が、前記硬化性樹脂組成物の硬化物の200℃における損失弾性率よりも大きい、請求項1〜8いずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物からなる硬化性フィルム。
  11. 基材フィルムと、前記基材フィルム上に設けられた請求項10に記載の硬化性フィルムと、を備える積層フィルム。
  12. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物の硬化物である、伸縮性樹脂層。
  13. 伸縮性基材と、
    前記伸縮性基材上に形成された電気回路と、
    前記電気回路を被覆する伸縮性保護層と、
    を備え、
    前記伸縮性基材又は前記伸縮性保護層のうち少なくとも一方が、請求項1〜9のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物の硬化物である、
    伸縮性電気回路体。
  14. 請求項13に記載の伸縮性電気回路体と、
    前記伸縮性電気回路体に搭載された半導体素子と、
    を具備し、
    前記伸縮性保護層が、前記電気回路及び前記半導体素子を被覆している、
    半導体装置。
  15. 反応性基を有する反応性重合体を製造する方法であって、
    単量体混合物、重合開始剤及び水を含有する分散液中での懸濁重合によって前記反応性重合体を生成させる工程を備え、
    前記単量体混合物が、前記反応性基を有する単量体と、これと共重合する共重合用単量体とを含み、
    前記懸濁重合において、前記共重合用単量体、前記重合開始剤及び水を含有する分散液を加熱及び攪拌しながら、前記分散液に対して、前記反応性基を有する単量体が、連続的に又は複数回に分けて加えられる、方法。
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