JP2019123786A - 硬化性組成物、伸縮性樹脂層及び該伸縮性樹脂層を備える半導体装置 - Google Patents

硬化性組成物、伸縮性樹脂層及び該伸縮性樹脂層を備える半導体装置 Download PDF

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Shunsuke Otake
俊亮 大竹
聡 植原
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聡 植原
綾 池田
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綾 池田
柴田 智章
Tomoaki Shibata
智章 柴田
天童 一良
Kazuyoshi Tendo
一良 天童
峯岸 知典
Tomonori Minegishi
知典 峯岸
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Abstract

【課題】十分な伸縮性、高密着性及び高い軟化点を有する伸縮性樹脂層を形成可能な硬化性組成物、伸縮性樹脂層及び該伸縮性樹脂層を備える半導体装置を提供する。【解決手段】本発明の伸縮性樹脂層形成用硬化性組成物は、(A)ポリスチレン鎖及びポリジエン鎖を有するエラストマ、(B)単官能の直鎖アルキル(メタ)アクリレート、(C)脂環基を有する単官能の(メタ)アクリレート、(D)2個以上のエチレン性不飽和基を有する2官能以上の化合物、及び(E)重合開始剤を含有する。【選択図】図1

Description

本発明は、伸縮性樹脂層形成用の硬化性組成物、伸縮性樹脂層及び該伸縮性樹脂層を備える半導体装置に関する。
近年、ウェアラブル機器の要望が高まっている。ウェアラブル機器は、小型化に加え、身体の曲面への装着のし易さ、及び脱着にともなう接続不良の抑制のためのフレキシブル性及び伸縮性を有することが求められている。フレキシブル性及び伸縮性が求められる部材は、一般に、液状シリコーン又は液状ポリウレタンによって形成することができる。
特許文献1は、スチレン系エラストマを含有する、可撓性樹脂層形成用の樹脂組成物を開示している。
特許文献2は、ポリスチレン鎖のブロックを含む共重合体ゴムを含む耐熱性防湿絶縁塗料を開示している。特許文献3は、エチレン性不飽和二重結合を有するウレタン化合物、及び環状脂肪側基を有する光重合性単量体を含有する光硬化性樹脂組成物を開示している。
国際公開第2016/080346号 特開2005−162986号公報 特開2007−308681号公報
例えば、ウェアラブル機器に搭載される半導体素子を封止する封止樹脂層は、高い伸縮性を有することが望ましい。また、ウェアラブル機器等を構成するフレキシブル基材のような伸縮性基材に対して十分な密着性を有する伸縮性樹脂層も求められている。
さらに、上記の用途に適用される封止樹脂層は、伸縮性樹脂を加熱した際に、軟化によって形状の維持が困難になったり、また、軟化に伴ってタックが増加し大気中の不純物を取り込む、といった問題が発生しないことが望ましい。
そこで、本発明の目的は、十分な伸縮性、高密着性及び高い軟化点を有する伸縮性樹脂層を形成可能な硬化性組成物を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、下記のような構成を有する伸縮性樹脂層形成用硬化性組成物が、高い伸縮性と密着性だけでなく、高い軟化点を有する伸縮性樹脂層を形成することができることを見出し、本発明に至った。
本発明の一側面は、(A)ポリスチレン鎖及びポリジエン鎖を有するエラストマ、(B)単官能の直鎖アルキル(メタ)アクリレート、(C)脂環基を有する単官能の(メタ)アクリレート、(D)2個以上のエチレン性不飽和基を有する2官能以上の化合物、及び(E)重合開始剤を含有する、伸縮性樹脂層形成用の硬化性組成物を提供する。
また、本発明の好ましい一側面は、(A)ポリスチレン鎖及びポリジエン鎖を有するエラストマに含まれるポリジエン鎖が、ブタジエンに由来するモノマー単位を含む共重合体である、伸縮性樹脂層形成用の硬化性組成物を提供する。
また、本発明の好ましい一側面は、(E)重合開始剤が光ラジカル重合開始剤である、伸縮性樹脂層形成用の硬化性組成物を提供する。
また、本発明の好ましい一側面は、(B)単官能の直鎖アルキル(メタ)アクリレートの直鎖アルキル基の炭素数が12以下である、伸縮性樹脂層形成用の硬化性組成物を提供する。
また、本発明の好ましい一側面は、(D)2個以上のエチレン性不飽和基を有する2官能以上の化合物の含有量が、(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成分の総量に対して0.3〜20質量%である、伸縮性樹脂層形成用の硬化性組成物を提供する。
本発明の別の一側面は、上記硬化性組成物の硬化物である、伸縮性樹脂層を提供する。
本発明のさらに別の一側面は、上記該伸縮性樹脂層を備える半導体装置を提供する。
本発明によれば、十分な伸縮性、高密着性及び高い軟化点を有する伸縮性樹脂層を形成可能な硬化性組成物、伸縮性樹脂層及び該伸縮性樹脂層を備える半導体装置を提供することができる。また、本発明の硬化性組成物の硬化物によって形成される伸縮性樹脂層を、基板及び回路の封止層として備える半導体装置は、製造工程の簡略化だけでなく、加熱されても高い形状保持性を有するため耐熱性の向上を図ることができる。
伸縮回復率の測定例を示す応力−ひずみ曲線である。 半導体装置の一実施形態を示す断面図である。 可撓性基板及び該可撓性基板の上に実装された回路部品の一実施形態を示す断面図である。 複数の半導体装置を得る工程の一実施形態を示す断面図である。
以下、本発明のいくつかの実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
[硬化性組成物]
一実施形態に係る硬化性組成物は、(A)ポリスチレン鎖及びポリジエン鎖を有するエラストマ、(B)単官能の直鎖アルキル(メタ)アクリレート、(C)脂環基を有する単官能の(メタ)アクリレート、(D)2個以上のエチレン性不飽和基を有する2官能以上の化合物、及び(E)重合開始剤を含有する。この硬化性組成物は、活性光線の照射又は加熱によって硬化して、伸縮性を有する硬化物又は硬化膜を形成することができる。
本明細書において、「伸縮性」は、引張荷重によってひずみを生じた後、荷重からの解放により元の形状又はそれに近い形状に回復できる性質を意味する。例えば、引張荷重によって50%のひずみを生じた後、元の形状又はそれに近い形状に回復できる材料は、伸縮性を有するということができる。より具体的には、後述の伸縮回復率(単に回復率ということがある)が70%以上(好ましくは80%以上)である樹脂層が、伸縮性樹脂層であるといえる。
(A)ポリスチレン鎖及びポリジエン鎖を有するエラストマ
(A)ポリスチレン鎖及びポリジエン鎖を有するエラストマ(以下「スチレン系エラストマ」ということがある。)は、例えば、ハードセグメントとしてのポリスチレン鎖と、ソフトセグメントとしてのポリジエン鎖(例えば、ポリブタジエン鎖、ポリイソプレン鎖)とを有する共重合体であることができる。本発明の実施形態においては伸縮性を付与するための一成分としてポリスチレン鎖及びポリジエン鎖を有するエラストマを含有することにより、高い伸縮性と密着性だけでなく、高い軟化点を有する硬化物又は硬化膜からなる樹脂層を形成することができる。このようなスチレン系エラストマの市販品としては、例えばクレイトンポリマージャパン株式会社「クレイトンDポリマーシリーズ(クレイトンは登録商標)」、旭化成株式会社「タフプレンシリーズ(タフプレンは登録商標)」が挙げられる。
(A)スチレン系エラストマの重量平均分子量は、硬化性組成物の塗工性の観点から、30000〜200000であることが好ましく、50000〜150000であることがより好ましい。ここで、重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって、標準ポリスチレン換算値から求められる。
(A)スチレン系エラストマの含有量は、(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成分の総量に対して、10〜50質量%であることが好ましく、20〜40質量%であることが特に好ましい。(A)スチレン系エラストマの含有量が10質量%より少ないと、伸縮性向上の効果が相対的に低下する傾向があり、また硬化性組成物が低粘度となって塗工性が低下する傾向がある。(A)スチレン系エラストマの含有量が50質量%より多いと、硬化性組成物が高粘度となって塗工性が低下する傾向がある。
(B)単官能の直鎖アルキル(メタ)アクリレート
(B)単官能の直鎖アルキル(メタ)アクリレートは、1個の(メタ)アクリロイル基及び直鎖アルキル基を有するエステル化合物である。直鎖アルキル(メタ)アクリレートが有する直鎖アルキル基の炭素数は、12以下が好ましく、10以下がより好ましい。この炭素数が12以下であると、特にポリジエン鎖を有するエラストマを用いたときに、硬化性組成物から形成される硬化物が白濁しにくい傾向がある。直鎖アルキル基の炭素数は、6以上又は8以上であってもよい。
単官能の直鎖アルキル(メタ)アクリレートの例としては、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、及びトリデシルアクリレートが挙げられる。これらのうち、炭素数12以下の直鎖アルキル基を有する、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、及びラウリル(メタ)アクリレートから選ばれる1種以上の化合物を選択することが好ましい。これらの化合物は、単独又は2種類以上組み合わせて使用することができ、その他の単官能の直鎖アルキル(メタ)アクリレートと組み合わせることもできる。
(B)成分の単官能の直鎖アルキル(メタ)アクリレートの含有量は、(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成分の総量に対して、10〜70質量%であることが好ましく、20〜40質量%であることが特に好ましい。(B)成分の含有量が10質量%より少ないと、伸縮性向上の効果が相対的に小さくなる傾向がある。(B)成分の含有量が70質量%より多いと、密着性向上の効果が相対的に低下する傾向がある。
(C)脂環基を有する単官能の(メタ)アクリレート
脂環基を有する単官能の(メタ)アクリレートは、例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノ−ル(メタ)アクリレート、4−tert−ブチルシクロヘキサノール(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、及びテトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートから選ばれる1種以上の化合物であることができる。これらの化合物は、単独又は2種類以上組み合わせて使用することができ、その他の脂環基を有する単官能の(メタ)アクリレートと組み合わせることもできる。
(C)成分の脂環基を有する単官能の(メタ)アクリレートの含有量は、(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成分の総量に対して、10〜70質量%であることが好ましく、20〜40質量%であることが特に好ましい。(C)成分の含有量が10質量%より少ないと、密着性向上の効果が相対的に低下する傾向がある。(C)成分の含有量が70質量%より多いと、伸縮性向上の効果が相対的に低下する傾向がある。
(D)2個以上のエチレン性不飽和基を有する2官能以上の化合物
2個以上のエチレン性不飽和基を有する2官能以上の化合物として、例えば、(メタ)アクリレート、ハロゲン化ビニリデン、ビニルエーテル、ビニルエステル、ビニルピリジン、ビニルアミド、アリール化ビニルが挙げられる。これらのうち伸縮性樹脂層の透明性の観点から、(メタ)アクリレート又はアリール化ビニルのうち少なくとも一方を選択することが好ましい。
2個の(メタ)アクリロイル基を有する2官能(メタ)アクリレートとしては、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、エトキシ化2−メチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレートなどの脂肪族(メタ)アクリレート;シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化シクロヘキサンジメタノール(メタ)ジアクリレート、エトキシ化プロポキシ化シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化プロポキシ化トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エトキシ化プロポキシ化水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エトキシ化水添ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化水添ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、エトキシ化プロポキシ化水添ビスフェノールFジ(メタ)アクリレートなどの脂環式(メタ)アクリレート;エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エトキシ化プロポキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、エトキシ化プロポキシ化ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAFジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ビスフェノールAFジ(メタ)アクリレート、エトキシ化プロポキシ化ビスフェノールAFジ(メタ)アクリレート、エトキシ化フルオレン型ジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化フルオレン型ジ(メタ)アクリレート、エトキシ化プロポキシ化フルオレン型ジ(メタ)アクリレートなどの芳香族(メタ)アクリレート;エトキシ化イソシアヌル酸ジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化イソシアヌル酸ジ(メタ)アクリレート、エトキシ化プロポキシ化イソシアヌル酸ジ(メタ)アクリレートなどの複素環式(メタ)アクリレート;これらのカプロラクトン変性体;ネオペンチルグリコール型エポキシジ(メタ)アクリレートなどの脂肪族エポキシ(メタ)アクリレート;シクロヘキサンジメタノール型エポキシジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールA型エポキシジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールF型エポキシジ(メタ)アクリレートなどの脂環式エポキシ(メタ)アクリレート;レゾルシノール型エポキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA型エポキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールF型エポキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAF型エポキシジ(メタ)アクリレート、フルオレン型エポキシジ(メタ)アクリレートなどの芳香族エポキシ(メタ)アクリレートが挙げられる。
3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する3官能以上の多官能(メタ)アクリレートとしては、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化プロポキシ化ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化プロポキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどの脂肪族(メタ)アクリレート;エトキシ化イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、エトキシ化プロポキシ化イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレートなどの複素環式(メタ)アクリレート;これらのカプロラクトン変性体;フェノールノボラック型エポキシ(メタ)アクリレート、クレゾールノボラック型エポキシ(メタ)アクリレートなどの芳香族エポキシ(メタ)アクリレートが挙げられる。
(A)スチレン系エラストマとの相溶性、透明性、耐熱性、ポリイミド及び銅箔への密着性の観点から、(D)成分は脂環基を有する化合物であってもよく、その例としてはシクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、及びトリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
以上例示した化合物は、単独又は2種類以上組み合わせて使用することができ、その他の2官能以上の化合物と組み合わせることもできる。
(D)成分の2官能以上の化合物の含有量は、(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成分の総量に対して、0.3〜20質量%であることが好ましく、0.5〜10質量%であることがより好ましく、1〜5質量%であることが特に好ましい。(D)成分の含有量が0.3質量%より少ないと、硬化後にタック性が残り易い傾向、及び、伸縮性向上の効果が相対的に低下する傾向がある。(D)成分の含有量が20質量%より多いと、伸縮性向上の効果が相対的に低下する傾向がある。
(E)重合開始剤
重合開始剤は、加熱又は紫外線などの照射によって重合を開始させる化合物であり、例えば、熱ラジカル重合開始剤、又は光ラジカル重合開始剤であることができる。硬化速度が速く常温硬化が可能なことから、光ラジカル重合開始剤が好ましい。
熱ラジカル重合開始剤としては、例えば、メチルエチルケトンパーオキシド、シクロヘキサノンパーオキシド、メチルシクロヘキサノンパーオキシドなどのケトンパーオキシド;1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンなどのパーオキシケタール;p−メンタンヒドロパーオキシドなどのヒドロパーオキシド;α,α´−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキシド、t−ブチルクミルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシドなどのジアルキルパーオキシド;オクタノイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ステアリルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシドなどのジアシルパーオキシド;ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−3−メトキシブチルパーオキシカーボネートなどのパーオキシカーボネート;t−ブチルパーオキシピバレート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウリレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテートなどのパーオキシエステル;2,2´−アゾビスイソブチロニトリル、2,2´−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2´−アゾビス(4−メトキシ−2´−ジメチルバレロニトリル)などのアゾ化合物が挙げられる。硬化性、透明性、及び耐熱性の観点から、上記ジアシルパーオキシド;上記パーオキシエステル;上記アゾ化合物が好ましい。
光ラジカル重合開始剤としては、例えば2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オンなどのベンゾインケタール;1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オンなどのα−ヒドロキシケトン;2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、1,2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オンなどのα−アミノケトン;1−[(4−フェニルチオ)フェニル]−1,2−オクタジオン−2−(ベンゾイル)オキシムなどのオキシムエステル;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドなどのホスフィンオキシド;2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体などの2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体;ベンゾフェノン、N,N,N´,N´−テトラメチル−4,4´−ジアミノベンゾフェノン、N,N,N´,N´−テトラエチル−4,4´−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4´−ジメチルアミノベンゾフェノンなどのベンゾフェノン化合物;2−エチルアントラキノン、フェナントレンキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ベンズアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−メチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナントラキノン、2−メチル−1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルアントラキノンなどのキノン化合物;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテルなどのベンゾインエーテル;ベンゾイン、メチルベンゾイン、エチルベンゾインなどのベンゾイン化合物;ベンジルジメチルケタールなどのベンジル化合物;9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9´−アクリジニルヘプタン)などのアクリジン化合物:N−フェニルグリシン、クマリンが挙げられる。
上記2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体は、2つのトリアリールイミダゾール部位のアリール基の置換基が、同一で対称な化合物を与えてもよく、相違して非対称な化合物を与えてもよい。ジエチルチオキサントンとジメチルアミノ安息香酸の組み合わせのように、チオキサントン化合物と3級アミンとを組み合わせてもよい。
硬化性、透明性、及び耐熱性の観点から、上記化合物の中でα−ヒドロキシケトン、ホスフィンオキシドが好ましい。これらの熱及び光ラジカル重合開始剤は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。これらを適切な増感剤及び重合反応促進剤と組み合わせてもよい。
(E)成分の重合開始剤の含有量は、(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成分の総量100質量部に対して、0.1〜10質量部であることが好ましく、0.3〜7質量部であることがさらに好ましく、0.5〜5質量部であることが特に好ましい。(E)成分の含有量が0.1質量部以上であると、硬化が十分に進行し易い。(E)成分の含有量が10質量部以下であると、光透過性が向上する傾向がある。
本実施形態の硬化性組成物は、液状又は固形の硬化性組成物をそのまま使用してもよいし、硬化性組成物を有機溶剤で希釈して樹脂ワニスとしてもよい。室温(25℃)で液状の無溶剤の硬化性組成物は、有機溶剤の排出が無い点、局所的な部分に容易に塗布できる点等で有利である。
有機溶剤は、硬化性組成物の各成分を溶解し得るものから選択できる。有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、メシチレン、クメン、p−シメンなどの芳香族炭化水素;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなどの環状エーテル;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノンなどのケトン;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトンなどのエステル;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどの炭酸エステル;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどのアミドなどが挙げられる。溶解性及び沸点の観点から、トルエン、及びN,N−ジメチルアセトアミドが好ましい。これらの有機溶剤は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
硬化性組成物は、必要に応じて、以上説明した成分に加えて、その他の成分をさらに含有してもよい。その他の成分としては、例えば、酸化防止剤、黄変防止剤、紫外線吸収剤、可視光吸収剤、着色剤、可塑剤、安定剤、充填剤のような添加剤が挙げられる。
[硬化物(伸縮性樹脂層)]
本実施形態の硬化性組成物から形成される硬化物(伸縮性樹脂層)の室温(例えば、25℃)における弾性率は、0.05MPa以上100MPa以下であることが好ましく、0.2MPa以上50MPa以下であることがさらに好ましく、0.3MPa以上30MPa以下であることが特に好ましい。硬化物の弾性率が0.05MPaより小さいと、ブロッキングにより硬化物同士が貼り付くといった問題が生じ易い傾向がある。硬化物の弾性率が100MPaより大きいと、柔軟性及び伸縮性向上の効果が相対的に低下し得る。
本実施形態の硬化性組成物から形成される硬化物(伸縮性樹脂層)の引張試験による室温(例えば、25℃)の破断伸び率は、100%以上であることが好ましい。硬化物の破断伸び率が100%以上であると、より一層優れた伸縮性を得ることができる。同様の観点から、硬化物の破断伸び率は150%以上であることがさらに好ましく、200%以上であることが特に好ましい。
本実施形態の硬化性組成物から形成される硬化物(伸縮性樹脂層)は、高い伸縮性(高い回復率)を有することができる。図1に回復率の測定例を示す。可撓性樹脂層の試験片を用いた引張試験において、1回目の引っ張り試験で加えた変位量(ひずみ)をXmm、次に初期位置に戻し再度引っ張り試験を行ったときに荷重が掛かり続ける変位量をYmmとしたとき、R=(Y/X)×100で示されるR(%)を回復率と定義する。この回復率が70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましい。回復率が70%以上であれば繰り返しの使用に対するより高い耐久性を伸縮性樹脂層が有することができる。回復率が80%以上であることがより好ましく、85%以上であることがさらに好ましく、90%以上であることが特に好ましい。試験機としては、例えばマイクロフォース試験機(Illinois Tool Works Inc、「Instron 5948」)を用いることができる。
本実施形態の硬化性組成物から形成される硬化物(伸縮性樹脂層)は、例えば、ウェアラブル機器を構成する伸縮性の封止樹脂層として好適である。
[半導体装置]
図2は、本実施形態に係る半導体装置を模式的に示す断面図である。本実施形態に係る半導体装置100は、伸縮性を有する可撓性基板1と、回路部品2と、伸縮性樹脂層3とで構成される回路基板を備える。回路部品2は、可撓性基板1上に実装されている。伸縮性樹脂層3は、上述の実施形態に係る硬化性組成物から形成された硬化物(硬化膜)であり、成膜された硬化性組成物を硬化させることにより形成される。伸縮性樹脂層3は、可撓性基板1及び回路部品2を封止しており、回路基板の表面を保護している。
可撓性基板1の構成材料は、目的に応じて選択される。可撓性基板1の構成材料としては、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、ビスマレイミド樹脂、エポキシ樹脂及びポリエチレングリコール樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種が好ましい。この中でも、伸縮性にさらに優れる観点から、シロキサン構造又は脂肪族エーテル構造又はジエン構造を有するポリイミド樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、長鎖アルキル鎖(例えば、炭素数1〜20のアルキル鎖)を有するビスマレイミド樹脂、エポキシ樹脂、及び、ロタキサン構造を有するポリエチレングリコール樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種がより好ましい。さらに、伸縮性にさらに優れる観点から、シロキサン構造又は脂肪族エーテル構造又はジエン構造を有するポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、及び、長鎖アルキル鎖を有するビスマレイミド樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種が特に好ましい。可撓性基板1の構成材料は、1種を単独で、又は、2種以上を組み合わせて用いることができる。
回路部品2は、例えば、メモリーチップ、発光ダイオード(LED)、RFタグ(RFID)、温度センサ、加速度センサ等の実装部品である。回路部品2は、1種類が実装されていてもよく、2種類以上が混在して実装されていてもよい。また、回路部品2は、1個が実装されていてもよく、複数個が実装されていてもよい。
以下、本実施形態に係る半導体装置の製造方法について説明する。
(工程1:実装工程)
まず、図3に示すように、可撓性基板1の上に回路部品2を実装する。回路部品2は、1種類が実装されていてもよく、2種類以上が混在して実装されていてもよい。また、回路部品2は、1個が実装されていてもよく、複数個が実装されていてもよい。
(工程2:封止工程)
次に、可撓性基板1及び回路部品2を封止部材として本実施形態による硬化性組成物を用いて封止する。可撓性基板1及び回路部品2を封止する場合は、例えば、封止部材を可撓性基板1に積層すること、封止部材を可撓性基板1に印刷すること、又は、封止部材に可撓性基板1を浸漬し、乾燥することにより行うことができる。封止は、印刷法、ディスペンス、ディッピング法等によって行うことができる。この中でも、Roll to Rollのプロセスで使用できるものが製造工程を短縮できる点から好ましい。
(工程3:硬化工程)
封止工程において可撓性基板1及び回路部品2を封止部材で封止した後、封止部材(硬化性組成物)を硬化させることにより伸縮性樹脂層3を形成し、伸縮性樹脂層3を有する回路基板を得る。これにより、図2に示される半導体装置100が得られる。硬化としては、加熱による熱硬化、又は、露光による光硬化を行うことができる。封止部材としては、回路部品2の耐熱性の観点から、熱硬化であれば低温で硬化する部材が好ましい。封止部材としては、室温で硬化できる観点から、光硬化する部材が好ましい。
(工程4:切断工程)
半導体装置の製造方法は、必要に応じて、例えば、図4に示すように、可撓性基板1及び回路部品2を伸縮性樹脂層3で封止した回路基板を切断し分離することにより、回路部品2を有する複数の半導体装置100を得る工程を備えることができる。これにより、複数の半導体装置100を一度に大面積で製造することが可能となり、製造工程を減らすことが容易となる。
以下、実施例を挙げて本発明についてさらに具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
1.樹脂ワニス(硬化性組成物)の調製
実施例1
(A)成分として、スチレン―ブタジエン−スチレンブロックコポリマー(旭化成株式会社「タフプレン126S」)30質量部、(B)成分として、イソデシルアクリレート(日立化成株式会社「FA−111A」)30質量部、(C)成分として4−tert−ブチルシクロヘキサノールアクリレート(MCCユニテック株式会社「TBCHA」)25質量部及びジシクロペンタニルアクリレート(日立化成株式会社「FA−513AS」)12質量部、(D)成分としてトリシクロデカンジメタノールジアクリレート(新中村化学工業株式会社「NKエステルA−DCP」)2質量部、及び、(E)成分としてビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(BASF社「イルガキュア819(イルガキュアは登録商標)」)1質量部を、500mlフラスコ内で60℃で攪拌しながら混合して、樹脂ワニスを得た。
実施例2〜4、及び比較例1〜3
下記の表1及び表2に示す配合比(質量部)に従い、実施例1と同様にして、樹脂ワニスを得た。
2.評価
[弾性率、伸び率]
各実施例、比較例の樹脂ワニスを、表面離型処理PETフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社「ピューレックスA31(ピューレックスは登録商標)」、厚み25μm)の離型処理面に、ナイフコータ(株式会社康井精機「SNC−350」)を用いて塗布した。樹脂ワニスの塗膜に対して紫外線露光機(ミカサ株式会社「ML−320FSAT」)によって紫外線(波長365nm)を2000mJ/cmの露光量で照射し、物性評価用の硬化膜(伸縮性樹脂層、厚さ100μm)を形成させた。
硬化膜から、長さ40mm、幅10mmの短冊状の試験片を切り出した。この試験片の引張試験を、25℃の環境の下、オートグラフ(株式会社島津製作所「EZ−S」)を用いて行った。得られた応力−ひずみ曲線から、硬化膜の弾性率及び伸び率を求めた。引張試験は、チャック間距離20mm、引張速度50mm/minの条件で行った。弾性率は荷重0.5〜1.0N/mmの範囲における応力−ひずみ曲線の傾きから求めた。伸び率は硬化膜が破断した時点のひずみ(破断伸び率)から求めた。
[伸縮回復率]
上記の評価用の硬化膜から、長さ70mm、幅5mmの短冊状の試験片を切り出した。
この試験片の回復率を、25℃の環境の下、マイクロフォース試験機(Illinois Tool Works Inc、「Instron 5948」)を用いた2回の引張試験によって測定した。
ここで回復率とは、図1に示すように、1回目の引っ張り試験で加えた変位量(ひずみ)をXmm、次に初期位置に戻し再度引っ張り試験を行ったときに荷重が掛かり続ける変位量をYmmとしたとき、R=(Y/X)×100で示されるR(%)を指す。本測定では初期長さ(チャック間の距離)を50mm、Xを25mm(伸び率50%)とした。
[密着性の評価]
厚さ50μmのポリイミドフィルム(東レ・デュポン株式会社「カプトン100H(カプトンは登録商標)」)上に、ナイフコータ(株式会社康井精機「SNC−350」)を用いて樹脂ワニスを塗布した。樹脂ワニスの塗膜に対して紫外線露光機(ミカサ株式会社「ML−320FSAT」)によって紫外線(波長365nm)を2000mJ/cmの露光量で照射して、ポリイミドフィルム上に硬化膜(伸縮性樹脂層、厚さ100μm)を形成させた。ポリイミドフィルムと硬化膜の積層体から長さ50mm、幅10mmの短冊状の試験片を切り出した。この試験片の硬化膜側を接着剤(セメダイン株式会社「セメダインスーパーXゴールド(セメダインは登録商標)」)を用いて銅板に固定した。25℃の環境の下、オートグラフ(株式会社島津製作所「EZ−S」)を用いて、銅板に固定した硬化膜から、ポリイミドフィルムを、硬化膜と90度の角度を成す方向に50mm/minの速度で引き剥がした。このときの単位幅当たりの引張り応力(N/cm)の最大値に基づいて、密着性を評価した。
[軟化点の測定]
厚さ1.2mmのガラス板(松浪硝子株式会社「スライドガラス S9213 水ふち磨き」)上に、厚さ2.0mmのシリコンゴムシート(株式会社アズワン「シリコンゴムシート 2t 300角」)をくり抜いた型を乗せ、型の中に樹脂ワニスを流し込んだ。
樹脂ワニスに対して紫外線露光機(ミカサ株式会社「ML−320FSAT」)の紫外線(波長365nm)を2000mJ/cmの露光量で照射して、硬化膜(伸縮性樹脂層、厚さ2.0mm)を形成した。硬化膜を、5.0mm四方のサイズに切り出した。
熱機械分析装置(株式会社日立ハイテクサイエンス「TMA7100」)を用いて、横軸が温度、縦軸がサンプル厚さ変位量のグラフを得た。変位量が急激に負に落ち込んだ温度を軟化点とした。測定モードは針入モード、測定温度域は30−200℃、昇温速度は5℃/min、プローブの直径は1.0mmとした。
実施例1〜4及び比較例1〜3の硬化物の物性及び特性について上記の方法に従って評価した結果を下記の表1及び表2に示す。
Figure 2019123786
Figure 2019123786
1)スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー(旭化成株式会社「タフプレン126S」)
2)スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー(旭化成株式会社「タフプレン125」)
3)スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー(旭化成株式会社「タフプレンA」)
4)スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー(クレイトンポリマージャパン株式会社「D1155」)
5)イソデシルアクリレート(日立化成株式会社「FA−111A」)
6)4−tert−ブチルシクロヘキサノールアクリレート(MCCユニテック株式会社「TBCHA」
7)ジシクロペンタニルアクリレート(日立化成株式会社「FA−513AS」)
8)トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(新中村化学工業株式会社「NKエステルA−DCP」)
9)ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(BASFジャパン株式会社「イルガキュア819」)
表1は、スチレン系エラストマの種類を変えた際の評価結果を示す。各実施例の樹脂ワニス(硬化性組成物)から形成された硬化膜(伸縮性樹脂膜)は、室温において適度の弾性率と大きな破断伸びを有するともに、高い軟化点を示した。
表2は、(A)〜(C)成分の組み合わせを変えた際の評価結果を示す。表2には、表1に示す実施例1〜4の中で代表的な伸縮性樹脂層形成用組成物として、実施例1について評価した伸縮回復率及び接着性の結果を示している。表2に示すように、実施例1の硬化膜は、適度の弾性率と大きな破断伸びを有することから、比較例1〜3に比べて高い伸縮性を有し、さらに、接着性にも優れることが分かる。なお、表2には具体的な評価結果が示されていないが、実施例2〜4においても、伸縮回復率が80%以上であり、引張り応力が5.0N/cm以上と高い接着性を有することを確認している。
それに対して、(A)成分を含まない比較例1の樹脂ワニスは、粘度が低く塗工性が悪いため、製膜することができなかった。(B)成分を含まない比較例2の樹脂ワニスから形成された硬化膜は、伸縮性が低く、伸び率も低かった。また、(C)成分を含まない比較例3の樹脂ワニスから形成された硬化膜は、密着性が低かった。
本発明の硬化性組成物から形成される硬化物(伸縮性樹脂層)は、優れた伸縮性及び密着性を持つことから、例えば、ウェアラブル機器の回路基板を保護するための封止層として好適に用いることができる。また、軟化点が高いことから、実用上の耐熱性に優れていると言える。本発明の硬化性組成物から形成される伸縮性樹脂層は、高湿度環境下での長期信頼性の点でも優れた性能を有し得る。
1…可撓性基板、2…回路部品、3…伸縮性樹脂層、100…半導体装置。

Claims (7)

  1. (A)ポリスチレン鎖及びポリジエン鎖を有するエラストマ、
    (B)単官能の直鎖アルキル(メタ)アクリレート、
    (C)脂環基を有する単官能の(メタ)アクリレート、
    (D)2個以上のエチレン性不飽和基を有する2官能以上の化合物、及び
    (E)重合開始剤
    を含有する、伸縮性樹脂層形成用の硬化性組成物。
  2. (A)ポリスチレン鎖及びポリジエン鎖を有するエラストマに含まれるポリジエン鎖が、ブタジエンに由来するモノマー単位を含む共重合体である、請求項1に記載の伸縮性樹脂層形成用の硬化性組成物。
  3. (E)重合開始剤が光ラジカル重合開始剤である、請求項1又は2に記載の伸縮性樹脂層形成用の硬化性組成物。
  4. (B)単官能の直鎖アルキル(メタ)アクリレートの直鎖アルキル基の炭素数が12以下である、請求項1〜3いずれか一項に記載の伸縮性樹脂層形成用の硬化性組成物。
  5. (D)2個以上のエチレン性不飽和基を有する2官能以上の化合物の含有量が、(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成分の総量に対して、0.3〜20質量%である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の伸縮性樹脂層形成用の硬化性組成物。
  6. 請求項1〜5いずれか一項に記載の硬化性組成物の硬化物である、伸縮性樹脂層。
  7. 請求項6に記載の伸縮性樹脂層を備える半導体装置。
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