JPWO2019207708A1 - 車両用ステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

車両用ステアリング装置(10)は、ステアリングホイール(11)と、前記ステアリングホイール(11)と共に回転可能な1又は複数の被係合部(51)と、前記被係合部(51)の回転範囲を規制するべく前記被係合部(51)に対して係合することが可能な1又は複数の係合部(61)と、前記被係合部(51)と前記係合部(61)のいずれか一方に有した1又は複数の強制解除部(66)と、を備えている。前記強制解除部(66)は、前記ステアリングホイール(11)の操舵角が減少する方向へ前記被係合部(51)が回転した場合に、前記被係合部(51)に対する前記係合部(61)の係合状態を強制的に解除することが可能である。

Description

本発明は、ステアリングホイールの操舵範囲を規制可能な車両用ステアリング装置に関する。
車両用ステアリング装置のなかには、ステアリングホイールの操舵入力が生じる操舵部に、操舵範囲を規制可能な機構が組み込まれたものがある。この種の車両用ステアリング装置は、例えば許文献1によって知られている。
特許文献1で知られている車両用ステアリング装置は、ステアリングホイールの操舵入力が生じる操舵部と、転舵車輪を転舵する転舵部との間が機械的に分離されている、いわゆるステアバイワイヤ式(steer-by-wire)のステアリング装置である。この車両用ステアリング装置は、例えば車両の走行状態や操舵装置の状況に応じて、ステアリングホイールの操舵範囲を任意に変更することが可能な操作位置規制装置を備えている。
特許第4193576号公報
車両用ステアリング装置は、運転者がステアリングホイールの切り増し操作(ステアリングホイールを操舵角の増大方向へ操舵)をしたときに、この切り増し操作から切り戻し操作(中立方向へ操舵)へ、速やかに且つ円滑に移行できることが求められる。そのためには、運転者が切り増し操作をしたときに、操作位置規制装置はロック状態とならないことが好ましい。また、例え操作位置規制装置がロック状態となった場合であっても、ステアリングホイールを切り戻し操作したときに、ロック状態を速やかに解消できることが好ましい。
本発明は、ステアリングホイールの切り増し操作から切り戻し操作へ、速やかに且つ円滑に移行することができる車両用ステアリング装置を、提供することを課題とする。
本発明によれば、車両用ステアリング装置は、
ステアリングホイールと、
前記ステアリングホイールと共に回転可能な1又は複数の被係合部と、
前記被係合部に係合することによって前記被係合部の回転範囲を規制することが可能な1又は複数の係合部と、
前記被係合部と前記係合部のいずれか一方に有しており、前記ステアリングホイールの操舵角が減少する方向へ前記被係合部が回転した場合に、前記被係合部に対する前記係合部の係合状態を強制的に解除することが可能な1又は複数の強制解除部と、
を備えていることを特徴とする。
本発明では、車両用ステアリング装置は、被係合部に対する係合部の係合状態を強制的に解除することが可能な強制解除部を備えている。運転者がステアリングホイールの切り増し操作をしている途中に、係合部が被係合部に係合し、その直後に、運転者がステアリングホイールの切り戻し操作をした場合には、強制解除部は、被係合部に対する係合部の係合状態を、強制的に解除する。このため、切り増し操作から切り戻し操作へ、速やかに且つ円滑に移行することができる。車両用ステアリング装置の操縦性を高めることができる。
本発明の実施例1による車両用ステアリング装置の模式図である。 図1に示された操作位置規制装置の断面図である。 図2に示されたロック用ホイールの歯と第1レバー式ストッパのストッパとの関係を説明する図である。 図2に示されたロック用ホイールと第1及び第2レバー式ストッパとの作用図である。 本発明の実施例2による車両用ステアリング装置の操作位置規制装置の断面図である。 図5の矢視線6a−6a断面及び矢視線6b−6b断面を示す断面図である。 図6に示された第1ロック用ホイールの歯と第1第1レバー式ストッパの係合部との関係を説明する図である。 図6に示された第1及び第2ロック用ホイールと第1及び第2レバー式ストッパとの作用図である。 本発明の実施例3による車両用ステアリング装置の操作位置規制装置の断面図である。 図9に示されたロック用ホイールの歯と第1係合部との関係を説明する図である。 本発明の実施例4による車両用ステアリング装置の模式図である。
本発明を実施するための形態を添付図に基づいて以下に説明する。
<実施例1>
図1乃至図4を参照しつつ実施例1の車両用ステアリング装置10を説明する。図1に示されるように、車両用ステアリング装置10は、車両のステアリングホイール11の操舵入力が生じる操舵部12と、左右の転舵車輪13,13を転舵する転舵部14と、操舵部12と転舵部14との間に介在しているクラッチ15と、制御部16とを含む。クラッチ15が開放状態となる通常時には、操舵部12と転舵部14との間が機械的に分離されている。このように、車両用ステアリング装置10は、通常時において、ステアリングホイール11の操舵量に応じて転舵用アクチュエータ39を作動させることにより、左右の転舵車輪13,13を転舵する方式、いわゆるステアバイワイヤ式(steer-by-wire、略称「SBW」)を採用している。
操舵部12は、運転手が操作するステアリングホイール11と、このステアリングホイール11に連結されているステアリング軸21と、ステアリングホイール11に対して操舵反力(反力トルク)を付加する反力付加アクチュエータ22と、を含む。この反力付加アクチュエータ22は、運転者がステアリングホイール11の操舵力に抵抗する操舵反力を発生することによって、運転者に操舵感を与える。この反力付加アクチュエータ22のことを、適宜「第1アクチュエータ22」と言い換える。
反力付加アクチュエータ22は、操舵反力を発生する反力モータ23(第1モータ23)と、操舵反力をステアリング軸21に伝達する反力伝達機構24と、を含む。反力モータ23は、例えば電動モータによって構成される。反力伝達機構24は、例えばウォームギヤ機構によって構成される。このウォームギヤ機構24(反力伝達機構24)は、反力モータ23のモータ軸23aに設けられたウォームギヤ24aと、ステアリング軸21に設けられたウォームホイール24bとからなる。反力モータ23が発生した操舵反力は、反力伝達機構24を介して、ステアリング軸21に付加される。
転舵部14は、ステアリング軸21に自在軸継手31,31及び連結軸32とによって連結されている入力軸33と、この入力軸33にクラッチ15を介して連結されている出力軸34と、この出力軸34に操作力伝達機構35によって連結されている転舵軸36と、この転舵軸36の両端にタイロッド37,37及びナックル38,38を介して連結されている左右の転舵車輪13,13と、転舵軸36に転舵用動力を付加する転舵用アクチュエータ39と、を含む。この転舵用アクチュエータ39のことを、適宜「第2アクチュエータ39」と言い換える。
操作力伝達機構35は、例えばラックアンドピニオン機構によって構成される。このラックアンドピニオン機構35(操作力伝達機構35)は、出力軸34に設けられたピニオン35aと、転舵軸36に設けられたラック35bとからなる。転舵軸36は、軸方向(車幅方向)へ移動可能である。
転舵用アクチュエータ39は、転舵用動力を発生する転舵動力モータ41(第2モータ41)と、転舵用動力を転舵軸36に伝達する転舵動力伝達機構42とからなる。転舵動力モータ41が発生した転舵用動力は、転舵動力伝達機構42によって転舵軸36に伝達される。この結果、転舵軸36は車幅方向にスライドする。転舵動力モータ41は、例えば電動モータによって構成される。
転舵動力伝達機構42は、例えばベルト伝動機構43とボールねじ44とからなる。ベルト伝動機構43は、転舵動力モータ41のモータ軸41aに設けられた駆動プーリ45と、ボールねじ44のナットに設けられた従動プーリ46と、駆動プーリ45と従動プーリ46とに掛けられたベルト47とからなる。ボールねじ44は、回転運動を直線運動に変換する変換機構の一種であって、転舵動力モータ41が発生した駆動力を前記転舵軸36に伝達する。なお、転舵動力伝達機構42は、ベルト伝動機構43とボールねじ44の構成に限定されるものではなく、例えばウォームギヤ機構やラックアンドピニオン機構であってもよい。
図1に示されるように、さらに車両用ステアリング装置10は、ステアリングホイール11の操舵範囲を規制可能な操作位置規制装置50を備えている。この操作位置規制装置50は、操舵部12のなかの反力付加アクチュエータ22とクラッチ15との間に介在している。以下、操作位置規制装置50について詳しく説明する。
この操作位置規制装置50は、車両の走行状態や操舵装置の状況に応じて、ステアリングホイール11の操舵範囲を任意に変更することが可能である。例えば、転舵部14の負荷が予め設定された所定以上(過負荷)となった場合や、転舵部14が過負荷状態であり且つ転舵軸36の位置が規定値以上である場合に、操作位置規制装置50はステアリングホイール11の操舵範囲を規制する。
この過負荷は、例えば次の状況のときに発生し得る。第1に、転舵車輪13が縁石等の障害物に当たっている場合には、転舵部14の負荷が大きくなる。第2に、転舵軸36が軸方向へ移動可能な限界点(ラックエンド)まで移動したときには、転舵部14の負荷が大きくなる。この状況下において、ステアリングホイール11の切り増し操作を続けたのでは、クラッチ15や反力付加アクチュエータ22に大きい負担がかかる。このときに、制御部16から制御信号を受けた操作位置規制装置50は、ステアリングホイール11の切り増し操作を阻止するように、操舵範囲を規制する。この結果、クラッチ15や反力付加アクチュエータ22には、大きい負担がかからない。クラッチ15や反力付加アクチュエータ22の小型化を図ることができる。
図2に示されるように、操作位置規制装置50は、1又は複数の被係合部51と、1又は複数の係合部61と、1又は複数の強制解除部66と、を含む。実施例1では、操作位置規制装置50は、1つの被係合部51と、この1つの被係合部51に対応する2つの係合部61,61と2つの強制解除部66,66とを含む。被係合部51と係合部61,61と強制解除部66,66とは、ハウジング18に収納されている。
被係合部51は、ステアリングホイール11(図1参照)と共に回転可能であり、例えばステアリング軸21に取り付けられている。つまり、この被係合部51は、ステアリング軸21と共に回転可能な円盤状の部材である。この被係合部51は、複数の歯52を有した円盤状のロック用ホイール(ロックギヤ)によって、構成されている。複数の歯52は、被係合部51の外周面または盤面に対し、回転方向に一定のピッチで配列されている。以下、被係合部51のことを、適宜「ロック用ホイール51」と言い換える。
複数の歯52は、例えば円盤状のロック用ホイール51の外周面から放射状に延びている。ロック用ホイール51の回転中心線54(ステアリング軸21の中心軸54)に沿って見たときに、複数の歯52の形状は、例えば回転中心線54に交差して放射状に延びる各直線56に対して左右対称形の方形である。
各係合部61,61は、被係合部51に係合することによって、この被係合部51の回転範囲を規制することが可能である。2つの係合部61,61のなかの、一方の係合部61を「第1係合部61A」とし、他方の係合部61を「第2係合部61B」とする。第1係合部61Aは、ステアリングホイール11が一方(右への操舵方向)へ回転する場合に、ロック用ホイール51に係合可能である。第2係合部61Bは、ステアリングホイール11が他方(左への操舵方向)へ回転する場合に、ロック用ホイール51に係合可能である。
各係合部61A,61Bは、被係合部51に対して係合可能にスイングするレバー式ストッパ(ロックレバー)によって構成されている。以下、第1係合部61Aのことを、適宜「第1レバー式ストッパ61A」と言い換える。第2係合部61Bのことを、適宜「第2レバー式ストッパ61B」と言い換える。
図2に示されるように、ステアリング軸21を軸方向から見て、第1レバー式ストッパ61Aに対し、第2レバー式ストッパ61Bは逆向きに配置されている。例えば、第1レバー式ストッパ61Aと第2レバー式ストッパ61Bとは、ステアリング軸21の中心軸54に交差する直線55に対して、互いに対称形である他には同じ構成である。
各レバー式ストッパ61A,61Bは、それぞれ中央部をハウジング18に支持軸62,62によってスイング可能に支持された概ねバー状の部材である。この各レバー式ストッパ61A,61Bは、各一端(第1端)にストッパ部63,63を有し、各他端(第2端)に被駆動部64,64を有している。
各ストッパ部63,63は、ロック用ホイール51の複数の歯52に係合するフック状の部分であって、複数の歯溝53(各歯52,52の間)に対して出没することが可能である。各被駆動部64,64は、それぞれ第3アクチュエータ71A,71Bによって個別にスイング駆動される。
この第3アクチュエータ71A,71Bは、ハウジング18に取り付けられており、例えば進退可能なプランジャロッド72,72を有したソレノイドによって構成される。このソレノイド71A,71B(第3アクチュエータ71A,71B)は、制御信号に対する応答性の観点から、電磁ソレノイドによって構成されることが好ましい。
このプランジャロッド72,72は、レバー式ストッパ61A,61Bの被駆動部64,64に連結されている。なお、プランジャロッド72,72と被駆動部64,64とは、必ずしも連結した構成に限定する必要はない。例えば、プランジャロッド72,72によって被駆動部64,64を押すことにより、レバー式ストッパ61A,61Bをロック用ホイール51の複数の歯52に係合する構成としてもよい。以下、第1レバー式ストッパ61Aを駆動するソレノイド71Aのことを「第1ソレノイド71A」という。第2レバー式ストッパ61Bを駆動するソレノイド71Bのことを「第2ソレノイド71B」という。
各レバー式ストッパ61A,61Bは、ストッパ部63,63がロック用ホイール51の複数の歯52から外れる方向R1(外れ方向R1)へ、補助スプリング75,75によって付勢されている。この補助スプリング75,75は、各レバー式ストッパ61A,61Bが方向R1にスイングする動作を円滑にするための、補助的な付勢部材であって、例えば「ねじりコイルばね」によって構成される。この補助スプリング75,75の有無は任意である。
次に、ロック用ホイール51と第1レバー式ストッパ61Aとの関係について、図3(a)及び図3(b)を参照しつつ詳しく説明する。なお、ロック用ホイール51と第2レバー式ストッパ61Bとの関係は、ロック用ホイール51と第1レバー式ストッパ61Aとの関係に対して逆向きである他には、同じなので、説明を省略する。
図3(a)は、図2に示されたロック用ホイール51が時計回り方向R2に回転する状態を表している。ステアリングホイール11(図1参照)を右へ操舵した場合に、ロック用ホイール51は時計回り方向R2へ回転する。
第1レバー式ストッパ61Aのストッパ部63は、第1係合面63aと第2係合面63bとを有する。第1係合面63aに対し、第2係合面63bは第1レバー式ストッパ61Aのスイング中心65(支持軸64の軸心65)寄りに位置している。
ここで、説明の理解を容易にするために、ストッパ部63が歯溝53に入り込んだ状態において、複数の歯52のなかの、第1係合面63aに向かい合う歯52Aのことを「第1歯52A」といい、第2係合面63bに向かい合う歯52Bのことを「第2歯52B」ということにする。
第1レバー式ストッパ61Aのストッパ部63がロック用ホイール51の歯溝53に入り込んだ状態において、第1係合面63aは、第1歯52Aの一方の歯面52a(第1歯面52a)に対して向かい合う。ロック用ホイール51が時計回り方向R2へ回転すると、第1歯52Aの第1歯面52aはストッパ部63の第1係合面63aに当たる。以下、第1歯面52aと第1係合面63aとの当たり点P1のことを「第1当接点P1」という。
図3(b)は、図3(a)に示されたロック用ホイール51が反時計回り方向R3に回転した状態を表している。ステアリングホイール11(図1参照)を左へ操舵した場合に、ロック用ホイール51は反時計回り方向R3へ回転する。
ストッパ部63の第2係合面63bは、ロック用ホイール51の第2歯52Bの他方の歯面52b(第2歯面52b)に対して傾斜しつつ向いている斜面(スロープ)である。以下、第2係合面63bのことを、適宜「斜面63b」と言い換える。
第1レバー式ストッパ61Aのストッパ部63がロック用ホイール51の歯溝53に入り込んだ状態において、ロック用ホイール51が反時計回り方向R3へ回転すると、第2歯52Bの第2歯面52bの先端と歯先面52cとの角P2(歯先の回転方向の角P2)は、ストッパ部63の斜面63bに当たる。以下、斜面63bに当たる角P2のことを「第2当接点P2」という。
第2当接点P2が斜面63b(第2係合面63b)に当たる力によって、ストッパ部63は第2歯52Bから外れる方向R1にスイングすることが可能である。つまり斜面63bは、ロック用ホイール51の回転力を、第1レバー式ストッパ61Aの係合状態を解除する力に転換する。このように、斜面63bは、被係合部51に対する係合部61の係合状態を強制的に解除することが可能な、強制解除部66を構成している。
第2当接点P2が第2係合面63bに当たったときの、第2歯面52bと第2係合面63bとのなす角度(傾斜角)はθ1である。ストッパ部63を外れ方向R1に円滑にスイングさせるためには、この傾斜角θ1は30°乃至60°の範囲に設定されることが、より好ましい。
図1に示されるように、上記制御部16は操舵角センサ81、操舵トルクセンサ82、モータ回転角センサ83、出力軸回転角センサ84、車速センサ85、ヨーレートセンサ86、加速度センサ87、その他の各種センサ88からそれぞれ検出信号を受けて、クラッチ15、反力モータ23、転舵動力モータ41及びソレノイド71A,71Bに電流を付与する。
操舵角センサ81は、ステアリングホイール11の操舵角を検出する。操舵トルクセンサ82は、ステアリング軸21に発生する操舵トルクを検出する。この操舵トルクセンサ82は、ステアリング軸21のなかの、反力伝達機構24よりもステアリングホイール11側に配置してもよい。この配置にすることにより、操舵トルクセンサ82によって操舵トルク(操舵負荷)を検出することができる。モータ回転角センサ83は、反力モータ23の回転角を検出する。出力軸回転角センサ84は、ピニオン35aを有した出力軸34の回転角を検出する。車速センサ85は、車両の車輪速度を検出する。ヨーレートセンサ86は、ヨー角速度(ヨー運動の角速度)を検出する。加速度センサ87は、車両の加速度を検出する。その他の各種センサ88には、転舵動力モータ41の回転角を検出する回転角センサを含む。この回転角センサは、例えば、転舵動力モータ41に備えたレゾルバによって構成される。
次に、上記構成の操作位置規制装置50の作用について、図1、図2及び図4を参照しつつ説明する。図4(a)は、第1レバー式ストッパ61Aのストッパ部63のみがロック用ホイール51の歯溝53に入り込んだ状態の、操作位置規制装置50の作用を示しており、上記図2に対応している。図4(b)は、ロック用ホイール51が図4(a)の状態から時計回り方向R2へ回転した状態の、第1レバー式ストッパ61Aと第1歯52Aとの関係を示している。図4(c)は、ロック用ホイール51が図4(a)の状態から反時計回り方向R3へ回転した状態の、第1レバー式ストッパ61Aと第2歯52Bとの関係を示している。
ここで、運転者がステアリングホイール11(図1参照)を操舵角の増大方向へ操舵することを、「切り増し操作」という。運転者が、切り増し操作の後に、ステアリングホイール11を操舵角の減少方向(中立方向)へ操舵することを、「切り戻し操作」という。
今、図2に示されるように、各ソレノイド71A,71Bのプランジャロッド72,72は前進した状態(延びた状態)に保持されている。このため、各レバー式ストッパ61A,61Bのストッパ部63,63はロック用ホイール51の歯溝53から外れている。
その後、ステアリングホイール11を右へ操舵、つまり切り増し操作したときに、ロック用ホイール51は時計回り方向R2(右方向R2)に回転する。ステアリングホイール11を操舵範囲(右操舵の範囲)の限界点まで切り増し操作したときに、制御部16は第1ソレノイド71Aのみに、プランジャロッド72を後退させる電流を流す。つまり、制御部16は、ステアリングホイール11が右操舵の範囲の限界点まで操舵されたと判断した場合には、第1ソレノイド71Aを作動させる。第1ソレノイド71Aは、プランジャロッド72を後退させて、その後退状態を保持する。この結果、第1レバー式ストッパ61Aは、ストッパ部63をロック用ホイール51の歯溝53に入るようにスイングする。この結果を、図4(a)に示す。
図4(a)及び図4(b)に示されるように、ロック用ホイール51が更に時計回り方向R2へ回転すると、第1歯52Aの第1歯面52aはストッパ部63の第1係合面63aに当たる。この結果、ロック用ホイール51は時計回り方向R2への回転を、第1レバー式ストッパ61Aによって規制される。
従って、ステアリングホイール11を操舵範囲の限界点まで切り増し操作したときに、転舵軸36を軸方向へ移動可能な限界点(ラックエンド)まで移動させる前に、規制することができる。このため、転舵軸36が移動規制用のストッパに当たらなくてすむ。転舵軸36の軸端の部分を保護することができるとともに、衝突音の発生を防止することができる。
その後に、ステアリングホイール11を左へ操舵、つまり切り戻し操作を開始すると、制御部16は第1ソレノイド71Aに、プランジャロッド72を前進させる電流を流す。第1ソレノイド71Aは、プランジャロッド72を前進させて、その前進状態を保持する。このため、第1レバー式ストッパ61Aは、ストッパ部63をロック用ホイール51の歯溝53から離脱するようにスイングする。この結果を、図2に示す。ロック用ホイール51の回転が許容されるので、ステアリングホイール11の切り戻し操作も許容される。
一方、図4(a)に示されるように、第1レバー式ストッパ61Aの第1係合部61Aがロック用ホイール51の歯溝53に入っている状態において、運転者がステアリングホイール11を切り増し操作をして、操舵範囲の限界点に至る直前に、切り戻し操作を開始することが有り得る。
その場合には、第1レバー式ストッパ61Aのストッパ部63は、ロック用ホイール51の歯溝53から完全に離脱していない。運転者の切り戻し操作に従って、ロック用ホイール51は反時計回り方向R3へ回転する。図4(c)に示されるように、第2歯52Bの第2当接点P2が、第2係合部61Bの第2係合面63b(斜面63b)に当たることによって、ストッパ部63は第2歯52Bから外れる方向R1(外れ方向R1)にスイングする。第1レバー式ストッパ61Aのスイング動作によって、第1ソレノイド71Aのプランジャロッド72は前進して、元の前進位置に戻る。また、制御部16が第1ソレノイド71Aに、プランジャロッド72を前進させる電流を流すことによっても、プランジャロッド72は前進して元の前進位置に戻る。この結果、ロック用ホイール51の回転が許容されるので、ステアリングホイール11の切り戻し操作も許容される。このように、切り増し操作から切り戻し操作へ、速やかに移行することができる。
図2を参照すると、以上の説明から明らかなように、第1係合部61Aの斜面63bに対し、第2係合部61Bの斜面63bは逆向きである。第1係合部61Aと第2係合部61Bとは、それぞれ強制解除部66,66(斜面63b,63b)を有している。つまり、強制解除部66は、第1係合部61Aに有している第1強制解除部66Aと、第2係合部61Bに有している第2強制解除部66Bの、2つである。
実施例1の説明をまとめると、次の通りである。
図1乃至図4に示されるように、実施例1の車両用ステアリング装置10は、
ステアリングホイール11と、
前記ステアリングホイール11と共に回転可能な1又は複数の被係合部51と、
前記被係合部51に係合することによって前記被係合部51の回転範囲を規制することが可能な1又は複数の係合部61と、
前記被係合部51と前記係合部61のいずれか一方に有しており、前記ステアリングホイール11の操舵角が減少する方向へ前記被係合部51が回転した場合に、前記被係合部51に対する前記係合部61の係合状態を強制的に解除することが可能な1又は複数の強制解除部66と、を備えている。
このように、実施例1の車両用ステアリング装置10は、被係合部51に対する係合部61の係合状態を強制的に解除することが可能な、強制解除部66を備えている。例えば、運転者がステアリングホイール11を切り増し操作から切り戻し操作へ、急激に切り替えた場合を想定する。つまり、運転者がステアリングホイール11の切り増し操作をしている途中に、係合部61が被係合部51に係合し、その直後に、運転者がステアリングホイール11の切り戻し操作を素早く行った場合である。この場合に、強制解除部66は、被係合部51に対する係合部61の係合状態を、強制的に解除する。このため、切り増し操作から切り戻し操作へ、速やかに且つ円滑に移行することができる。車両用ステアリング装置10の操縦性を高めることができる。
実施例1の発明では、前記被係合部51は、1つであり、
前記係合部61は、前記ステアリングホイール11が一方へ回転する場合に前記被係合部51に係合可能な第1係合部61Aと、前記ステアリングホイール11が他方へ回転する場合に前記被係合部51に係合可能な第2係合部61Bの、2つであり、
前記強制解除部66は、前記被係合部51と前記第1係合部61Aのいずれか一方に有している第1強制解除部66Aと、前記被係合部51と前記第2係合部61Bのいずれか一方に有している第2強制解除部66B2の、2つである。
このように、2つの係合部61A,61Bに対して、被係合部51が1つのみなので、部品数が少なくてすむ。
実施例1の発明では、前記第1強制解除部66Aは、前記第1係合部61Aに有しており、前記第2強制解除部66Bは、前記第2係合部61Bに有している。このため、第1強制解除部66A及び第2強制解除部66Bの構成を簡略化することができる。
前記係合部61は、前記被係合部51に対して係合可能にスイングするレバー式ストッパ61A,61Bによって構成されている、このため、係合部61は、被係合部51に対して円滑に係合することができる。
前記強制解除部66A,66Bは、前記レバー式ストッパ61A,61B(前記係合部61A,61B)のなかの、前記被係合部51に係合することが可能な係合面63b,63bに設けられている。レバー式ストッパ61A,61Bの係合面63b,63b自体に、強制解除部66A,66Bを設けるので、この強制解除部66A,66Bの構成を簡素に且つ小型にできる。
前記被係合部51は、回転方向に複数の歯52を有したロック用ホイール51によって構成されている。歯52に前記係合部61A,61Bを係合するだけで、被係合部51の回転範囲を規制することができる。
さらに、前記強制解除部66A,66Bは、前記ステアリングホイール11の操舵角が減少する方向へ前記被係合部51が回転した場合に、前記被係合部51の回転力を、前記係合部61A,61Bの係合状態を解除する解除する力に転換する、斜面63b,63bによって構成されている。このため、斜面63b,63bによって、強制解除部66A,66Bを簡単な構成とすることができる。また、被係合部51(ロック用ホイール51)に対して、強制解除部66A,66Bを軸方向の同じ位置に配置することができる。このため、操作位置規制装置50全体を、軸方向にコンパクトに配置することができる。
実施例1の説明を、より詳しくまとめると、次の通りである。
図1乃至図4に示されるように、実施例1の車両用ステアリング装置10は、
ステアリングホイール11と、
前記ステアリングホイール11と共に回転可能であって、回転方向に複数の歯52を有したロック用ホイール51によって構成されている被係合部51と、
前記ステアリングホイール11が一方(時計回り方向R2)へ回転する場合に、前記ロック用ホイール51の前記歯52(第1歯52A)に係合することによって前記ロック用ホイール51の回転範囲を規制することが可能にスイングする第1レバー式ストッパ61Aによって構成されている第1係合部61Aと、
前記ステアリングホイール11が他方(反時計回り方向R3)へ回転する場合に、前記ロック用ホイール51の前記歯52(第2歯52B)に係合することによって前記ロック用ホイール51の回転範囲を規制することが可能にスイングする第2レバー式ストッパ61Bによって構成されている第2係合部61Bと、
前記第1レバー式ストッパ61A(第1係合部61A)の、前記ロック用ホイール51の前記歯52に係合する係合面63bに設けられており、前記ステアリングホイール11の操舵角が減少する方向へ前記ロック用ホイール51が回転した場合に、前記歯52に対する前記第1レバー式ストッパ61Aの前記係合面63bの係合状態を強制的に解除することが可能に、前記ロック用ホイール51の回転力を、前記第1レバー式ストッパ61Aの係合状態を解除する力に転換する、斜面63bによって構成されている第1強制解除部66Aと、
前記第2レバー式ストッパ61B(第2係合部61B)の、前記ロック用ホイール51の前記歯52に係合する係合面63bに設けられており、前記ステアリングホイール11の操舵角が減少する方向へ前記ロック用ホイール51が回転した場合に、前記歯52に対する前記第2レバー式ストッパ61Bの前記係合面63bの係合状態を強制的に解除することが可能に、前記ロック用ホイール51の回転力を、前記第2レバー式ストッパ61Bの係合状態を解除する力に転換する、斜面63bによって構成されている第2強制解除部66Bと、を備えている。
図1に示されるように、車両用ステアリング装置10は、ステアリングホイール11の操舵入力が生じる操舵部12と、転舵車輪13,13を転舵する転舵部14との間が機械的に分離されている。操舵部12から機械的に分離されている転舵部14の負荷や位置に応じて、ステアリングホイール11の操舵範囲を、強制解除部66A,66B(図2参照)によって迅速に且つ円滑に変更することができる。しかも、ステアバイワイヤ式(steer-by-wire)を採用しているにもかかわらず、運転者がステアリングホイール11を切り増し操作から切り戻し操作へ、急激に切り替えた場合であっても、切り増し操作から切り戻し操作へ、速やかに且つ円滑に移行することができる。
<実施例2>
図5乃至図8を参照しつつ実施例2の車両用ステアリング装置100を説明する。実施例2の車両用ステアリング装置100は、図1乃至図4に示される上記実施例1の車両用ステアリング装置10の操作位置規制装置50を、図5乃至図8に示される操作位置規制装置150に変更したことを特徴とし、他の構成は実施例1と同じなので、説明を省略する。
操作位置規制装置150は、次の3点を変更したことを特徴とする。第1の変更点は、実施例1の1つの被係合部51を、2つの被係合部151,151に変更したことである。第2の変更点は、実施例1の2つの係合部61,61を、2つの係合部161,161に変更したことである。第3の変更点は、実施例1の2つの強制解除部66,66を、2つ(2組)の強制解除部166,166に変更したことである。以下、操作位置規制装置150について説明する。
図5は、操作位置規制装置150を示している。図6(a)は、図5の矢視線6a−6a断面を示している。図6(b)は、図5の矢視線6b−6b断面を示している。
図5、図6(a)及び図6(b)に示されるように、操作位置規制装置150は、2つの被係合部151,151と、2つの係合部161,161と、2つの強制解除部166,166と、を含む。被係合部151,151と係合部161,161と強制解除部166,166とは、ハウジング18に収納されている。
2つの被係合部151,151は、ステアリングホイール11と共に回転可能な円盤状の部材であり、例えばステアリング軸21に取り付けられている。この2つの被係合部151,151は、ステアリング軸21の軸方向に配列されており、一方を第1被係合部151Aとし、他方を第2被係合部151Bとする。ステアリングホイール11を右へ操舵した場合に、被係合部151A,151Bは、時計回り方向R2へ回転する。ステアリングホイール11を左へ操舵した場合に、被係合部151A,151Bは、反時計回り方向R3へ回転する。
この被係合部151A,151Bは、回転方向に一定のピッチで配列された複数の歯152を有した、ロック用ホイール(ロックギヤ)によって構成されている。複数の歯152は、151A,151Bの外周面または盤面に配列されている。以下、第1被係合部151Aのことを適宜「第1ロック用ホイール151A」と言い換え、第2被係合部151Bのことを適宜「第2ロック用ホイール151B」と言い換える。
このロック用ホイール151A,151Bは、図2に示される上記実施例1のロック用ホイール51に対して、複数の歯152の形状を変更した点を特徴とし、他の構成は実施例1と同様である。つまり、実施例1のロック用ホイール51の複数の歯52の形状は方形であった。これに対し、実施例2では、各ロック用ホイール151A,151Bを回転中心線54(ステアリング軸21の中心軸54)に沿って見たときに、複数の歯152の形状は、歯先が尖っている先細り状の三角形であり、回転中心線54に交差して放射状に延びる各直線56に対して左右に非対称形である。
詳しく述べると、第1ロック用ホイール151Aの複数の歯152は、一方の歯面152a(第1歯面152a)と他方の歯面152b(第2歯面152b)とを有する。第1歯面152aは、第1ロック用ホイール151Aが時計回り方向R2(右方向R2)に回転した場合に、前側となる歯面である。
図6(a)に示されるように、第1ロック用ホイール151Aを回転中心線54に沿って見たときに、各々の第1歯面152aは、例えば前記各直線56に沿った平坦なストレート面である。歯152の歯厚は、歯先から歯底にかけて厚くなっている。第2歯面152bは、第1歯面152aに対して反対側の歯面であって、歯152の歯先から歯底へ向かって傾斜した斜面(スロープ)である。以下、第2歯面152bのことを、適宜「斜面152b」という。なお、第1歯面152aと、第2歯面152b(斜面152b)と、の関係を維持する限りにおいて、複数の歯152の形状は台形でもよい。
図6(a)及び図6(b)に示されるように、第1ロック用ホイール151Aの複数の歯152の向きに対して、第2ロック用ホイール151Bの複数の歯152の向きは、逆向きである。
2つの係合部161,161のなかの、第1被係合部151Aに係合する方を「第1係合部161A」とし、第2被係合部151Bに契合する方を「第2係合部161B」とする。各係合部161A,161Bは、各被係合部151A,151Bに個別に係合することによって、各被係合部151A,151Bの回転範囲を規制することが可能である。
各係合部161A,161Bは、被係合部151,151に対して係合可能にスイングするレバー式ストッパ(ロックレバー)によって構成されている。以下、第1係合部161Aのことを、適宜「第1レバー式ストッパ161A」と言い換える。第2係合部161Bのことを、適宜「第2レバー式ストッパ161B」と言い換える。
図6(a)及び図6(b)に示されるように、ステアリング軸21を軸方向から見て、第1レバー式ストッパ161Aに対し、第2レバー式ストッパ161Bは逆向きに配置されている。例えば、第1レバー式ストッパ161Aと第2レバー式ストッパ161Bとは、ステアリング軸21の中心軸54に交差する直線55に対して、互いに対称形である他には同じ構成である。
このレバー式ストッパ161A,161Bは、図2に示される上記実施例1のレバー式ストッパ61A,61Bに対して、第2係合面163b,163bの形状を変更した点を特徴とし、他の構成は実施例1と同様である。つまり、実施例1の第2係合面63b,63bは、斜面であった。これに対し、実施例2の第2係合面163b,163bは、例えば第1係合面63a,63aに対して平行である。
次に、第1ロック用ホイール151Aと第1レバー式ストッパ161Aとの関係について、図7(a)及び図7(b)を参照しつつ詳しく説明する。なお、第2ロック用ホイール151Bと第2レバー式ストッパ161Bとの関係は、第1ロック用ホイール151Aと第1レバー式ストッパ161Aとの関係に対して逆向きである他には、同じなので、説明を省略する。
図7(a)は、図6(a)に示された第1ロック用ホイール151Aが時計回り方向R2(右方向R2)に回転する状態を表している。ステアリングホイール11を右へ操舵した場合に、ロック用ホイール51は時計回り方向R2へ回転する。
第1レバー式ストッパ161Aのストッパ部63は、第1係合面63aと第2係合面163bとを有する。第1係合面63aに対し、第2係合面163bは第1レバー式ストッパ61Aのスイング中心65(支持軸64の軸心65)寄りに位置している。
ここで、説明の理解を容易にするために、ストッパ部63が第1ロック用ホイール151Aの歯溝153に入り込んだ状態において、複数の歯152のなかの、第1係合面63aに向かい合う歯152Aのことを「第1歯152A」といい、第2係合面163bに向かい合う歯152Bのことを「第2歯152B」ということにする。
第1レバー式ストッパ161Aのストッパ部63が第1ロック用ホイール151Aの歯溝153に入り込んだ状態において、第1係合面63aは、第1歯152Aの一方の歯面152a(第1歯面152a)に対して向かい合う。第1ロック用ホイール151Aが時計回り方向R2へ回転すると、第1歯152Aの第1歯面152aはストッパ部63の第1係合面63aに当たる。以下、第1歯面152aと第1係合面63aとの当たり点P11のことを「第1当接点P11」という。
図7(b)は、図7(a)に示された第1ロック用ホイール151Aが反時計回り方向R3(左方向R3)に回転した状態を表している。ステアリングホイール11を左へ操舵した場合に、第1ロック用ホイール151Aは反時計回り方向R3へ回転する。
ストッパ部63の第2係合面163bは、第1ロック用ホイール151Aの第2歯152Bの他方の歯面152b(第2歯面152b)に対して平行である。
第1レバー式ストッパ161Aのストッパ部63が第1ロック用ホイール151Aの歯溝153に入り込んだ状態において、第1ロック用ホイール151Aが反時計回り方向R3へ回転すると、第2歯152Bの第2歯面152b(斜面152b)は、ストッパ部63の第2係合面163bの先端P12に当たる。以下、斜面152bが当たる先端P12のことを「第2当接点P12」という。
斜面152b(第2歯面152b)が第2当接点P12に当たる力によって、ストッパ部63は第2歯152Bから外れる方向R1にスイングすることが可能である。つまり斜面152bは、第1ロック用ホイール151Aの回転力を、第1レバー式ストッパ161Aの係合状態を解除する力に転換する。このように、斜面152bは、第1被係合部151Aに対する第1係合部161Aの係合状態を強制的に解除することが可能な、強制解除部166を構成している。第1歯面152aと第2歯面152b(斜面152b)とのなす角度(傾斜角)はθ2である。ストッパ部63を外れ方向R1に円滑にスイングさせるためには、この傾斜角θ2は30°乃至60°の範囲に設定されることが、より好ましい。
次に、上記構成の操作位置規制装置150の作用について、図1、図6及び図8を参照しつつ説明する。図8(a)は、第1係合部161Aのストッパ部63のみが第1ロック用ホイール151Aの歯溝153に入り込んだ状態の、操作位置規制装置150の作用を示しており、上記図6に対応している。図8(b)は、第1ロック用ホイール151Aが図8(a)の状態から時計回り方向R2へ回転した状態の、第1係合部161Aと第1歯152Aとの関係を示している。図8(c)は、第1ロック用ホイール151Aが図8(a)の状態から反時計回り方向R3へ回転した状態の、第1係合部161Aと第2歯152Bとの関係を示している。
今、図6(a)及び図6(b)に示されるように、各ソレノイド71A,71Bのプランジャロッド72,72は前進した状態(延びた状態)に保持されている。このため、各レバー式ストッパ161A,161Bのストッパ部63,63は、各ロック用ホイール151A,151Bの歯溝153から外れている。
その後、ステアリングホイール11を右へ操舵、つまり切り増し操作したときに、ロック用ホイール51は時計回り方向R2(右方向R2)に回転する。ステアリングホイール11を操舵範囲(右操舵の範囲)の限界点まで切り増し操作したときに、制御部16は第1ソレノイド71Aのみに、プランジャロッド72を後退させる電流を流す。つまり、制御部16は、ステアリングホイール11が右操舵の範囲の限界点まで操舵されたと判断した場合には、第1ソレノイド71Aを作動させる。第1ソレノイド71Aは、プランジャロッド72を後退させて、その後退状態を保持する。この結果、第1レバー式ストッパ161Aは、ストッパ部63をロック用ホイール151Aの歯溝153に入るようにスイングする。この結果を、図8(a)に示す。
図8(a)及び図8(b)に示されるように、第1ロック用ホイール151Aが更に時計回り方向R2へ回転すると、第1歯152Aの第1歯面152aはストッパ部63の第1係合面63aに当たる。この結果、ロック用ホイール51は時計回り方向R2への回転を、第1レバー式ストッパ61Aによって規制される。
その後に、ステアリングホイール11を左へ操舵、つまり切り戻し操作を開始すると、制御部16は第1ソレノイド71Aに、プランジャロッド72を前進させる電流を流す。第1ソレノイド71Aは、プランジャロッド72を前進させて、その前進状態を保持する。このため、第1レバー式ストッパ161Aは、ストッパ部63をロック用ホイール151Aの歯溝153から離脱するようにスイングする。この結果を、図6(a)及び図6(b)に示す。ロック用ホイール151Aの回転が許容されるので、ステアリングホイール11の切り戻し操作も許容される。
一方、図8(a)に示されるように、第1レバー式ストッパ161Aの第1係合部161Aが第1ロック用ホイール151Aの歯溝153に入っている状態において、運転者がステアリングホイール11を切り増し操作をして、操舵範囲の限界点に至る前に、切り戻し操作を開始することが有り得る。
その場合には、第1レバー式ストッパ161Aのストッパ部63は第1ロック用ホイール151Aの歯溝153から離脱していない。運転者の切り戻し操作に従って、第1ロック用ホイール151Aは反時計回り方向R3へ回転する。図8(c)に示されるように、第2歯152Bの第2歯面152b(斜面152b)が第2当接点P12に当たることによって、ストッパ部63は第2歯152Bから外れる方向R1(外れ方向R1)にスイングする。第1レバー式ストッパ161Aのスイング動作によって、第1ソレノイド71Aのプランジャロッド72は前進して、元の前進位置に戻る。また、制御部16が第1ソレノイド71Aに、プランジャロッド72を前進させる電流を流すことによっても、プランジャロッド72は前進して元の前進位置に戻る。この結果、第1ロック用ホイール151Aの回転が許容されるので、ステアリングホイール11の切り戻し操作も許容される。このように、切り増し操作から切り戻し操作へ、速やかに移行することができる。
図6を参照すると、以上の説明から明らかなように、第1被係合部151Aと第2被係合部151Bとは、それぞれ強制解除部166,166(斜面152b,152b)を有している。つまり、強制解除部166は、第1被係合部151Aに有している複数の第1強制解除部166Aと、第2被係合部151Bに有している複数の第2強制解除部166Bの、2組(2つ)である。
実施例2の説明をまとめると、次の通りである。
図1、図5乃至図8に示されるように、実施例2の車両用ステアリング装置100は、
ステアリングホイール11と、
前記ステアリングホイール11と共に回転可能な1又は複数の被係合部151と、
前記被係合部151に係合することによって前記被係合部151の回転範囲を規制することが可能な1又は複数の係合部161と、
前記被係合部151と前記係合部161のいずれか一方に有しており、前記ステアリングホイール11の操舵角が減少する方向へ前記被係合部151が回転した場合に、前記被係合部151に対する前記係合部161の係合状態を強制的に解除することが可能な1又は複数の強制解除部166と、を備えている。
このように、実施例2の車両用ステアリング装置100は、被係合部151に対する係合部161の係合状態を強制的に解除することが可能な、強制解除部166を備えている。例えば、運転者がステアリングホイール11を切り増し操作から切り戻し操作へ、急激に切り替えた場合を想定する。つまり、運転者がステアリングホイール11の切り増し操作をしている途中に、係合部161が被係合部151に係合し、その直後に、運転者がステアリングホイール11の切り戻し操作を素早く行った場合である。この場合に、強制解除部166は、被係合部151に対する係合部161の係合状態を、強制的に解除する。このため、切り増し操作から切り戻し操作へ、速やかに且つ円滑に移行することができる。車両用ステアリング装置100の操縦性を高めることができる。
実施例2の発明では、前記被係合部151は、第1被係合部151Aと第2被係合部151Bの、2つであり、
前記係合部161は、前記ステアリングホイール11が一方へ回転する場合に前記第1被係合部151Aに係合可能な第1係合部161Aと、前記ステアリングホイール11が他方へ回転する場合に前記第2被係合部151Bに係合可能な第2係合部161Bの、2つであり、
前記強制解除部166は、前記第1被係合部151Aと前記第1係合部161Aのいずれか一方に有している第1強制解除部166Aと、前記第2被係合部151Bと前記第2係合部161Bのいずれか一方に有している第2強制解除部166Bの、2つ(2組)である。
このように、被係合部151と係合部161と強制解除部166とが2組あるので、各組の位置をずらすことができる。例えば、第1係合部161Aと第1強制解除部166Aの位置に対して、第2係合部161Bと第2強制解除部166Bの位置をずらすことができる。従って、各部材の配置の自由度を高めることができる。
前記係合部161A,161Bは、前記被係合部151A,151Bに対して係合可能にスイングするレバー式ストッパ161A,161Bによって構成されている、このため、係合部161A,161Bは、被係合部51に対して円滑に係合することができる。
さらには、前記被係合部151A,151Bは、回転方向に複数の歯152を有したロック用ホイール151A,151Bによって構成され、
前記強制解除部166A,166Bは、前記ロック用ホイール151A,151B(前記被係合部151A,151B)の前記複数の歯152のなかの、歯面152bに設けられている。
このため、ロック用ホイール151A,151Bの歯152bに係合部161A,161Bを係合するだけで、ロック用ホイール151A,151Bの回転範囲を規制することができる。また、ロック用ホイール151A,151Bの歯面152b自体に、強制解除部166A,166Bを設けるので、この強制解除部166A,166Bの構成を簡素に且つ小型にできる。
さらに、前記強制解除部166A,166Bは、前記ステアリングホイール11の操舵角が減少する方向へ前記被係合部151A,151Bが回転した場合に、前記被係合部151A,151Bの回転力を、前記係合部161A,161Bの係合状態を解除する解除する力に転換する、斜面152bによって構成されている。このため、斜面152bによって、強制解除部166A,166Bを簡単な構成とすることができる。
実施例2の説明を、より詳しくまとめると、次の通りである。
図1、図5乃至図8に示されるように、実施例2の車両用ステアリング装置100は、
ステアリングホイール11と、
前記ステアリングホイール11と共に回転可能であって、回転方向に複数の歯152を有した第1ロック用ホイール151Aによって構成されている第1被係合部151Aと、
前記ステアリングホイール11と共に回転可能であって、回転方向に複数の歯152を有した第2ロック用ホイール151Bによって構成されている第2被係合部151Bと、
前記ステアリングホイール11が一方(時計回り方向R2)へ回転する場合に、前記第1ロック用ホイール151Aの前記歯152に係合することによって前記第1ロック用ホイール151Aの回転範囲を規制することが可能にスイングする第1レバー式ストッパ161Aによって構成されている第1係合部161Aと、
前記ステアリングホイール11が他方(反時計回り方向R3)へ回転する場合に、前記第2ロック用ホイール151Bの前記歯152に係合することによって第2ロック用ホイール151Bの回転範囲を規制することが可能にスイングする第2レバー式ストッパ161Bによって構成されている第2係合部161Bと、
前記第1ロック用ホイール151Aの前記複数の歯152の歯面152bに設けられており、前記ステアリングホイール11の操舵角が減少する方向へ前記第1ロック用ホイール151Aが回転した場合に、前記第1ロック用ホイール151Aの前記歯152に対する前記第1レバー式ストッパ161Aの前記係合面163bの係合状態を強制的に解除することが可能に、前記第1ロック用ホイール151Aの回転力を、前記第1レバー式ストッパ161Aの係合状態を解除する力に転換する、斜面152bによって構成されている第1強制解除部166Aと、
前記第2ロック用ホイール151Bの前記複数の歯152の歯面152bに設けられており、前記ステアリングホイール11の操舵角が減少する方向へ前記第2ロック用ホイール151Bが回転した場合に、前記第2ロック用ホイール151Bの前記歯152に対する前記第2レバー式ストッパ161Bの前記係合面163bの係合状態を強制的に解除することが可能に、前記第2ロック用ホイール151Bの回転力を、前記第2レバー式ストッパ161Bの係合状態を解除する力に転換する、斜面152bによって構成されている第2強制解除部166Bと、を備えている。
図1に示されるように、車両用ステアリング装置10は、ステアリングホイール11の操舵入力が生じる操舵部12と、転舵車輪13,13を転舵する転舵部14との間が機械的に分離されている。
操舵部12から機械的に分離されている転舵部14の負荷に応じて、ステアリングホイール11の操舵範囲を、強制解除部166A,166B(図6参照)によって迅速に且つ円滑に変更することができる。しかも、ステアバイワイヤ式(steer-by-wire)を採用しているにもかかわらず、運転者がステアリングホイール11を切り増し操作から切り戻し操作へ、急激に切り替えた場合であっても、切り増し操作から切り戻し操作へ、速やかに且つ円滑に移行することができる。
<実施例3>
図9及び図10を参照しつつ実施例3の車両用ステアリング装置200を説明する。実施例3の車両用ステアリング装置200は、図1乃至図4に示される上記実施例1の車両用ステアリング装置10の操作位置規制装置50の2つの係合部61,61を、図9及び図10に示される操作位置規制装置250の2つの係合部273,273に変更したことを特徴とし、他の構成は実施例1と同じなので、説明を省略する。以下、操作位置規制装置250について説明する。
図9に示されるように、操作位置規制装置250は、1つの被係合部51と、2つの係合部273,273と、2つの強制解除部266,266と、を含む。被係合部51と係合部273,273と強制解除部266,266とは、ハウジング18に収納されている。
第1ソレノイド271A(第3アクチュエータ271A)は、図2に示される実施例1の第1ソレノイド71Aと同じ構成である。第2ソレノイド271B(第3アクチュエータ271B)は、図2に示される実施例1の第2ソレノイド71Bと同じ構成である。ステアリング軸21の中心軸54に交差する直線55に対して、第1ソレノイド271Aと第2ソレノイド271Bとは、左右対称に配置されている。各ソレノイド271A,271Bのプランジャロッド272,272は、実施例1のプランジャロッド72,72と同じ構成である。各プランジャロッド272,272は、ロック用ホイール51の回転中心線54に向かって進退運動をすることが可能に位置している。
この各プランジャロッド272,272の先端部273,273は、ロック用ホイール51の歯52に直接に係合することが可能である。つまり、各プランジャロッド272,272の先端部273,273は、被係合部51に係合することによって、被係合部51の回転範囲を規制することが可能な係合部に相当する。以下、第1ソレノイド271Aのプランジャロッド272の先端部273のことを、「第1係合部273A」と言い換える。第2ソレノイド271Bのプランジャロッド272の先端部273のことを、「第2係合部273B」と言い換える。
図9に示されるように、操作位置規制装置250をステアリング軸21の軸方向から見て、第1係合部273Aは、ロック用ホイール51の回転中心線54に向かって先細り状であり、第1係合面273aと第2係合面273bとを有する。つまり第1係合部273Aは、第1係合面273aと第2係合面273bとによって先細り状に形成されてなる。第1係合面273aは、第1係合部273Aの進退方向に沿った平坦面である。第2係合面273bは、第1係合面273aに対して反対側の面であって、この第1係合面273aに対して傾斜した斜面(スロープ)である。以下、第2係合面273bのことを、適宜「斜面273b」という。第2係合部273Bも、第1係合部273Aと同様の構成である。第1係合部273Aの斜面273bに対し、第2係合部273Bの斜面273bは逆向きである。
次に、ロック用ホイール51と第1係合部273Aとの関係について、図10(a)及び図10(b)を参照しつつ詳しく説明する。なお、ロック用ホイール51と第2係合部273Bとの関係は、ロック用ホイール51と第1係合部273Aとの関係に対して逆向きである他には、同じなので、説明を省略する。
図10(a)は、図9に示されたロック用ホイール51が時計回り方向R2に回転する状態を表している。ステアリングホイール11(図1参照)を右へ操舵した場合に、ロック用ホイール51は時計回り方向R2へ回転する。
ここで、実施例3の説明の理解を容易にするために、第1係合部273Aが歯溝53に入り込んだ状態において、複数の歯52のなかの、第1係合面273aに向かい合う歯52Aのことを「第1歯52A」といい、第2係合面273b(斜面273b)に向かい合う歯52Bのことを「第2歯52B」ということにする。
第1係合部273Aが歯溝53に入り込んだ状態において、第1係合面273aは、第1歯52Aの第1歯面52aに対して向かい合う。ロック用ホイール51が時計回り方向R2へ回転すると、第1歯52Aの第1歯面52aは第1係合部273Aの第1係合面273aに当たる。この結果、ロック用ホイール51は時計回り方向R2への回転を、第1係合部273Aによって規制される。
図10(b)は、図10(a)に示されたロック用ホイール51が反時計回り方向R3に回転した状態を表している。ステアリングホイール11(図1参照)を左へ操舵した場合に、ロック用ホイール51は反時計回り方向R3へ回転する。ロック用ホイール51が反時計回り方向R3へ回転すると、第2歯52Bの第2歯面52bの先端と歯先面52cとの角P2(第2当接点P2)は、第1係合部273Aの斜面273bに当たる。
第2当接点P2が斜面273bに当たる力によって、プランジャロッド272は後退することが可能である。つまり斜面273bは、ロック用ホイール51の回転力を、第1係合部273Aの係合状態を解除する力に転換する。このように、斜面273bは、被係合部51に対する第1係合部273Aの係合状態を強制的に解除することが可能な、強制解除部266を構成している。第2当接点P2が斜面273bに当たったときの、第2歯面52bと斜面273bとのなす角度(傾斜角)はθ3である。プランジャロッド272を円滑に後退させるためには、この傾斜角θ2は30°乃至60°の範囲に設定されることが、より好ましい。
図9を参照すると、以上の説明から明らかなように、第1係合部273Aと第2係合部273Bとは、それぞれ強制解除部266,266(斜面273b,273b)を有している。つまり、強制解除部266は、第1係合部273Aに有している第1強制解除部266Aと、第2係合部273Bに有している第2強制解除部266Bの、2つである。
実施例3の説明をまとめると、次の通りである。
図1、図9、図10に示されるように、実施例3の車両用ステアリング装置200は、
ステアリングホイール11と、
前記ステアリングホイール11と共に回転可能な少なくとも1つの被係合部51と、
前記被係合部51に係合することによって前記被係合部51の回転範囲を規制することが可能な少なくとも1つの係合部273と、
前記被係合部51と前記係合部273のいずれか一方に有しており、前記ステアリングホイール11の操舵角が減少する方向へ前記被係合部51が回転した場合に、前記被係合部51に対する前記係合部273の係合状態を強制的に解除することが可能な少なくとも1つの強制解除部266と、を備えている。
このように、実施例3の車両用ステアリング装置200は、被係合部51に対する係合部273の係合状態を強制的に解除することが可能な、強制解除部266を備えている。例えば、運転者がステアリングホイール11を切り増し操作から切り戻し操作へ、急激に切り替えた場合を想定する。つまり、運転者がステアリングホイール11の切り増し操作をしている途中に、係合部273が被係合部51に係合し、その直後に、運転者がステアリングホイール11の切り戻し操作を素早く行った場合である。この場合に、強制解除部266は、被係合部51に対する係合部273の係合状態を、強制的に解除する。このため、切り増し操作から切り戻し操作へ、速やかに且つ円滑に移行することができる。車両用ステアリング装置200の操縦性を高めることができる。
<実施例4>
図11を参照しつつ実施例4の車両用ステアリング装置300を説明する。実施例4の車両用ステアリング装置300は、図1乃至図4に示される上記実施例1の車両用ステアリング装置10の操舵部12と転舵部14との間を機械的に完全に分離したことを特徴とし、他の構成は実施例1と同じなので、説明を省略する。
詳しく述べると、車両用ステアリング装置300は、図1に示されるクラッチ15を廃止したことによって、操舵部12と転舵部14との間が機械的に完全に分離されている。このように、車両用ステアリング装置300は、ステアリングホイール11の操舵量に応じて転舵用アクチュエータ39を作動させることにより、左右の転舵車輪13,13を転舵する方式を採用したものであり、ステアバイワイヤ式(steer-by-wire)の一種である。
クラッチ15を廃止したことに伴い、図1に示される自在軸継手31,31、連結軸32、入力軸33、出力軸34、操作力伝達機構35及び出力軸回転角センサ84は不要である。
実施例4の車両用ステアリング装置300では、操作位置規制装置50の代わりに図5乃至図8に示される実施例2の操作位置規制装置150や、図9及び図10に示される実施例3の操作位置規制装置250に変更することは任意である。
なお、本発明による車両用ステアリング装置10、100,200,300は、本発明の作用及び効果を奏する限りにおいて、実施例に限定されるものではない。例えば、車両用ステアリング装置10、100,200は、ステアバイワイヤ式に限定されるものではない。例えば、図1に示されるクラッチ15を廃止して、入力軸33と出力軸34とを一体に構成することにより、操舵部12と転舵部14との間を機械的に連結してもよい。
また、本発明による操作位置規制装置50,150,250は、本発明の作用及び効果を奏する限りにおいて、任意に組み合わせや入れ替えをすることができる。
また、第3アクチュエータ71A,71B,271A,271Bは、ソレノイドの構成に限定されるものではなく、例えば電動モータの構成であってもよい。
また、実施例1及び実施例2における、2つの第3アクチュエータ71A,71Bは、1つだけによって共用することができる。実施例3における、2つの第3アクチュエータ271A,271Bも、1つだけによって共用することができる。
また、斜面63b,152b,273bは、傾斜した平坦面に限定されるものではなく、例えば傾斜した円弧状の面であってもよい。
本発明の車両用ステアリング装置10,100,200,300は、自動車に搭載するのに好適である。
10 車両用ステアリング装置(実施例1)
11 ステアリングホイール
50 操作位置規制装置
51 被係合部(ロック用ホイール)
52 歯
53 歯溝
54 ロック用ホイールの回転中心線
55 ステアリング軸の中心軸に交差する直線
56 ロック用ホイールの回転中心線に交差して放射状に延びる直線
61 係合部
61A 第1係合部(第1レバー式ストッパ)
61B 第2係合部(第2レバー式ストッパ)
63a 第1係合面
63b 第2係合面(斜面)
66 強制解除部
66A 第1強制解除部
66B 第2強制解除部
100 車両用ステアリング装置(実施例2)
150 操作位置規制装置
151 被係合部
151A 第1被係合部(第1ロック用ホイール)
151B 第2被係合部(第2ロック用ホイール)
152 歯
152b 第2歯面(斜面)
153 歯溝
161 係合部
161A 第1係合部(第1レバー式ストッパ)
161B 第2係合部(第2レバー式ストッパ)
163b 第2係合面
166 強制解除部
166A 第1強制解除部
166B 第2強制解除部
200 車両用ステアリング装置(実施例3)
250 操作位置規制装置
266 強制解除部
266A 第1強制解除部
266B 第2強制解除部
273 係合部(ソレノイドのプランジャロッドの先端部)
273A 第1係合部
273B 第2係合部
273b 第2係合面(斜面)
300 車両用ステアリング装置(実施例4)
本発明によれば、車両用ステアリング装置は、
ステアリングホイールと、
前記ステアリングホイールと共に回転可能な1つの被係合部と、
前記被係合部に係合することによって前記被係合部の回転範囲を規制することが可能な複数の係合部と、
前記係合部に有しており、前記ステアリングホイールの操舵角が減少する方向へ前記被係合部が回転した場合に、前記被係合部に対する前記係合部の係合状態を強制的に解除することが可能な複数の強制解除部と、
を備え、
前記被係合部は、回転方向に複数の歯を有したロック用ホイールによって構成されており、
前記係合部は、
前記ステアリングホイールが一方へ回転する場合に前記ロック用ホイールに対して係合可能にスイングする第1レバー式ストッパによって構成され、前記ロック用ホイールの前記歯の歯面に第1係合面が当接する第1係合部と、
前記ステアリングホイールが他方へ回転する場合に前記ロック用ホイールに対して係合可能にスイングする第2レバー式ストッパによって構成され、前記ロック用ホイールの前記歯の歯面に第1係合面が当接する第2係合部、の2つであり、
前記強制解除部は、
前記第1レバー式ストッパのなかの、前記ロック用ホイールに係合することが可能な第2係合面に設けられている第1強制解除部と、
前記第2レバー式ストッパのなかの、前記ロック用ホイールに係合することが可能な第2係合面に設けられている第2強制解除部の、2つであり、
前記第1強制解除部は、前記第1レバー式ストッパの前記第1係合面に対し、前記第1レバー式ストッパのスイング中心寄りに位置し、
前記第2強制解除部は、前記第2レバー式ストッパの前記第1係合面に対し、前記第2レバー式ストッパのスイング中心寄りに位置している、
ことを特徴とする。
本発明の実施例1による車両用ステアリング装置の模式図である。 図1に示された操作位置規制装置の断面図である。 図2に示されたロック用ホイールの歯と第1レバー式ストッパのストッパとの関係を説明する図である。 図2に示されたロック用ホイールと第1及び第2レバー式ストッパとの作用図である。 本発明の参考例1による車両用ステアリング装置の操作位置規制装置の断面図である。 図5の矢視線6a−6a断面及び矢視線6b−6b断面を示す断面図である。 図6に示された第1ロック用ホイールの歯と第1第1レバー式ストッパの係合部との関係を説明する図である。 図6に示された第1及び第2ロック用ホイールと第1及び第2レバー式ストッパとの作用図である。 本発明の参考例2による車両用ステアリング装置の操作位置規制装置の断面図である。 図9に示されたロック用ホイールの歯と第1係合部との関係を説明する図である。 本発明の実施例2による車両用ステアリング装置の模式図である。
実施例1の説明を、より詳しくまとめると、次の通りである。
図1乃至図4に示されるように、実施例1の車両用ステアリング装置10は、
ステアリングホイール11と、
前記ステアリングホイール11と共に回転可能であって、回転方向に複数の歯52を有したロック用ホイール51によって構成されている被係合部51と、
前記ステアリングホイール11が一方(時計回り方向R2)へ回転する場合に、第1係合面63aが前記ロック用ホイール51の前記歯52(第1歯52A)の歯面52aに当接することによって前記ロック用ホイール51の回転範囲を規制することが可能にスイングする第1レバー式ストッパ61Aによって構成されている第1係合部61Aと、
前記ステアリングホイール11が他方(反時計回り方向R3)へ回転する場合に、第1係合面63aが前記ロック用ホイール51の前記歯52(第2歯52B)の歯面52aに当接することによって前記ロック用ホイール51の回転範囲を規制することが可能にスイングする第2レバー式ストッパ61Bによって構成されている第2係合部61Bと、
前記第1レバー式ストッパ61A(第1係合部61A)の、前記ロック用ホイール51の前記歯52に係合する第2係合面63bに設けられており、前記ステアリングホイール11の操舵角が減少する方向へ前記ロック用ホイール51が回転した場合に、前記歯52に対する前記第1レバー式ストッパ61Aの前記第2係合面63bの係合状態を強制的に解除することが可能に、前記ロック用ホイール51の回転力を、前記第1レバー式ストッパ61Aの係合状態を解除する力に転換する、斜面63bによって構成されている第1強制解除部66Aと、
前記第2レバー式ストッパ61B(第2係合部61B)の、前記ロック用ホイール51の前記歯52に係合する第2係合面63bに設けられており、前記ステアリングホイール11の操舵角が減少する方向へ前記ロック用ホイール51が回転した場合に、前記歯52に対する前記第2レバー式ストッパ61Bの前記第2係合面63bの係合状態を強制的に解除することが可能に、前記ロック用ホイール51の回転力を、前記第2レバー式ストッパ61Bの係合状態を解除する力に転換する、斜面63bによって構成されている第2強制解除部66Bと、を備え、
前記第1強制解除部66Aは、前記第1レバー式ストッパ61Aの前記第1係合面63aに対し、前記第1レバー式ストッパ61Aのスイング中心65寄りに位置し、
前記第2強制解除部66Bは、前記第2レバー式ストッパ61Bの前記第1係合面63aに対し、前記第2レバー式ストッパ61Bのスイング中心65寄りに位置している。
<参考例1>
図5乃至図8を参照しつつ参考例1の車両用ステアリング装置100を説明する。参考例1の車両用ステアリング装置100は、図1乃至図4に示される上記実施例1の車両用ステアリング装置10の操作位置規制装置50を、図5乃至図8に示される操作位置規制装置150に変更したことを特徴とし、他の構成は実施例1と同じなので、説明を省略する。
参考例1の説明をまとめると、次の通りである。
図1、図5乃至図8に示されるように、参考例1の車両用ステアリング装置100は、
ステアリングホイール11と、
前記ステアリングホイール11と共に回転可能な1又は複数の被係合部151と、
前記被係合部151に係合することによって前記被係合部151の回転範囲を規制することが可能な1又は複数の係合部161と、
前記被係合部151と前記係合部161のいずれか一方に有しており、前記ステアリングホイール11の操舵角が減少する方向へ前記被係合部151が回転した場合に、前記被係合部151に対する前記係合部161の係合状態を強制的に解除することが可能な1又は複数の強制解除部166と、を備えている。
このように、参考例1の車両用ステアリング装置100は、被係合部151に対する係合部161の係合状態を強制的に解除することが可能な、強制解除部166を備えている。例えば、運転者がステアリングホイール11を切り増し操作から切り戻し操作へ、急激に切り替えた場合を想定する。つまり、運転者がステアリングホイール11の切り増し操作をしている途中に、係合部161が被係合部151に係合し、その直後に、運転者がステアリングホイール11の切り戻し操作を素早く行った場合である。この場合に、強制解除部166は、被係合部151に対する係合部161の係合状態を、強制的に解除する。このため、切り増し操作から切り戻し操作へ、速やかに且つ円滑に移行することができる。車両用ステアリング装置100の操縦性を高めることができる。
参考例1の発明では、前記被係合部151は、第1被係合部151Aと第2被係合部151Bの、2つであり、
前記係合部161は、前記ステアリングホイール11が一方へ回転する場合に前記第1被係合部151Aに係合可能な第1係合部161Aと、前記ステアリングホイール11が他方へ回転する場合に前記第2被係合部151Bに係合可能な第2係合部161Bの、2つであり、
前記強制解除部166は、前記第1被係合部151Aと前記第1係合部161Aのいずれか一方に有している第1強制解除部166Aと、前記第2被係合部151Bと前記第2係合部161Bのいずれか一方に有している第2強制解除部166Bの、2つ(2組)である。
参考例1の説明を、より詳しくまとめると、次の通りである。
図1、図5乃至図8に示されるように、参考例1の車両用ステアリング装置100は、
ステアリングホイール11と、
前記ステアリングホイール11と共に回転可能であって、回転方向に複数の歯152を有した第1ロック用ホイール151Aによって構成されている第1被係合部151Aと、
前記ステアリングホイール11と共に回転可能であって、回転方向に複数の歯152を有した第2ロック用ホイール151Bによって構成されている第2被係合部151Bと、
前記ステアリングホイール11が一方(時計回り方向R2)へ回転する場合に、前記第1ロック用ホイール151Aの前記歯152に係合することによって前記第1ロック用ホイール151Aの回転範囲を規制することが可能にスイングする第1レバー式ストッパ161Aによって構成されている第1係合部161Aと、
前記ステアリングホイール11が他方(反時計回り方向R3)へ回転する場合に、前記第2ロック用ホイール151Bの前記歯152に係合することによって第2ロック用ホイール151Bの回転範囲を規制することが可能にスイングする第2レバー式ストッパ161Bによって構成されている第2係合部161Bと、
前記第1ロック用ホイール151Aの前記複数の歯152の歯面152bに設けられており、前記ステアリングホイール11の操舵角が減少する方向へ前記第1ロック用ホイール151Aが回転した場合に、前記第1ロック用ホイール151Aの前記歯152に対する前記第1レバー式ストッパ161Aの前記係合面163bの係合状態を強制的に解除することが可能に、前記第1ロック用ホイール151Aの回転力を、前記第1レバー式ストッパ161Aの係合状態を解除する力に転換する、斜面152bによって構成されている第1強制解除部166Aと、
前記第2ロック用ホイール151Bの前記複数の歯152の歯面152bに設けられており、前記ステアリングホイール11の操舵角が減少する方向へ前記第2ロック用ホイール151Bが回転した場合に、前記第2ロック用ホイール151Bの前記歯152に対する前記第2レバー式ストッパ161Bの前記係合面163bの係合状態を強制的に解除することが可能に、前記第2ロック用ホイール151Bの回転力を、前記第2レバー式ストッパ161Bの係合状態を解除する力に転換する、斜面152bによって構成されている第2強制解除部166Bと、を備えている。
参考例2
図9及び図10を参照しつつ参考例2の車両用ステアリング装置200を説明する。参考例2の車両用ステアリング装置200は、図1乃至図4に示される上記実施例1の車両用ステアリング装置10の操作位置規制装置50の2つの係合部61,61を、図9及び図10に示される操作位置規制装置250の2つの係合部273,273に変更したことを特徴とし、他の構成は実施例1と同じなので、説明を省略する。以下、操作位置規制装置250について説明する。
ここで、参考例2の説明の理解を容易にするために、第1係合部273Aが歯溝53に入り込んだ状態において、複数の歯52のなかの、第1係合面273aに向かい合う歯52Aのことを「第1歯52A」といい、第2係合面273b(斜面273b)に向かい合う歯52Bのことを「第2歯52B」ということにする。
参考例2の説明をまとめると、次の通りである。
図1、図9、図10に示されるように、参考例2の車両用ステアリング装置200は、
ステアリングホイール11と、
前記ステアリングホイール11と共に回転可能な少なくとも1つの被係合部51と、
前記被係合部51に係合することによって前記被係合部51の回転範囲を規制することが可能な少なくとも1つの係合部273と、
前記被係合部51と前記係合部273のいずれか一方に有しており、前記ステアリングホイール11の操舵角が減少する方向へ前記被係合部51が回転した場合に、前記被係合部51に対する前記係合部273の係合状態を強制的に解除することが可能な少なくとも1つの強制解除部266と、を備えている。
このように、参考例2の車両用ステアリング装置200は、被係合部51に対する係合部273の係合状態を強制的に解除することが可能な、強制解除部266を備えている。例えば、運転者がステアリングホイール11を切り増し操作から切り戻し操作へ、急激に切り替えた場合を想定する。つまり、運転者がステアリングホイール11の切り増し操作をしている途中に、係合部273が被係合部51に係合し、その直後に、運転者がステアリングホイール11の切り戻し操作を素早く行った場合である。この場合に、強制解除部266は、被係合部51に対する係合部273の係合状態を、強制的に解除する。このため、切り増し操作から切り戻し操作へ、速やかに且つ円滑に移行することができる。車両用ステアリング装置200の操縦性を高めることができる。
実施例2
図11を参照しつつ実施例2の車両用ステアリング装置300を説明する。実施例2の車両用ステアリング装置300は、図1乃至図4に示される上記実施例1の車両用ステアリング装置10の操舵部12と転舵部14との間を機械的に完全に分離したことを特徴とし、他の構成は実施例1と同じなので、説明を省略する。
実施例2の車両用ステアリング装置300では、操作位置規制装置50の代わりに図5乃至図8に示される参考例1の操作位置規制装置150や、図9及び図10に示される参考例2の操作位置規制装置250に変更することは任意である。
なお、本発明による車両用ステアリング装置10、100,200,300は、本発明の作用及び効果を奏する限りにおいて、実施例や参考例に限定されるものではない。例えば、車両用ステアリング装置10、100,200は、ステアバイワイヤ式に限定されるものではない。例えば、図1に示されるクラッチ15を廃止して、入力軸33と出力軸34とを一体に構成することにより、操舵部12と転舵部14との間を機械的に連結してもよい。
また、実施例1及び参考例1における、2つの第3アクチュエータ71A,71Bは、1つだけによって共用することができる。参考例2における、2つの第3アクチュエータ271A,271Bも、1つだけによって共用することができる。

Claims (13)

  1. ステアリングホイールと、
    前記ステアリングホイールと共に回転可能な1又は複数の被係合部と、
    前記被係合部に係合することによって前記被係合部の回転範囲を規制することが可能な1又は複数の係合部と、
    前記被係合部と前記係合部のいずれか一方に有しており、前記ステアリングホイールの操舵角が減少する方向へ前記被係合部が回転した場合に、前記被係合部に対する前記係合部の係合状態を強制的に解除することが可能な1又は複数の強制解除部と、
    を備えていることを特徴とする車両用ステアリング装置。
  2. 前記被係合部は、1つであり、
    前記係合部は、前記ステアリングホイールが一方へ回転する場合に前記被係合部に係合可能な第1係合部と、前記ステアリングホイールが他方へ回転する場合に前記被係合部に係合可能な第2係合部の、2つであり、
    前記強制解除部は、
    前記被係合部と前記第1係合部のいずれか一方に有している第1強制解除部と、
    前記被係合部と前記第2係合部のいずれか一方に有している第2強制解除部の、2つである、請求項1記載の車両用ステアリング装置。
  3. 前記第1強制解除部は、前記第1係合部に有しており、
    前記第2強制解除部は、前記第2係合部に有している、
    請求項2記載の車両用ステアリング装置。
  4. 前記被係合部は、第1被係合部と第2被係合部の、2つであり、
    前記係合部は、前記ステアリングホイールが一方へ回転する場合に前記第1被係合部に係合可能な第1係合部と、前記ステアリングホイールが他方へ回転する場合に前記第2被係合部に係合可能な第2係合部の、2つであり、
    前記強制解除部は、前記第1被係合部と前記第1係合部のいずれか一方に有している第1強制解除部と、前記第2被係合部と前記第2係合部のいずれか一方に有している第2強制解除部の、2つである、請求項1記載の車両用ステアリング装置。
  5. 前記第1強制解除部は、前記第1被係合部に有しており、
    前記第2強制解除部は、前記第2被係合部に有している、
    請求項4記載の車両用ステアリング装置。
  6. 前記係合部は、前記被係合部に対して係合可能にスイングするレバー式ストッパによって構成されている、請求項1乃至5のいずれか1項記載の車両用ステアリング装置。
  7. 前記強制解除部は、前記レバー式ストッパのなかの、前記被係合部に係合することが可能な係合面に設けられている、請求項6記載の車両用ステアリング装置。
  8. 前記被係合部は、回転方向に複数の歯を有したロック用ホイールによって構成されている、請求項1乃至7のいずれか1項記載の車両用ステアリング装置。
  9. 前記被係合部は、回転方向に複数の歯を有したロック用ホイールによって構成され、
    前記強制解除部は、前記ロック用ホイールの前記複数の歯のなかの、歯面に設けられている、請求項1乃至6のいずれか1項記載の車両用ステアリング装置。
  10. 前記強制解除部は、前記ステアリングホイールの操舵角が減少する方向へ前記被係合部が回転した場合に、前記被係合部の回転力を、前記係合部の係合状態を解除する力に転換する、斜面によって構成されている、請求項1乃至9のいずれか1項記載の車両用ステアリング装置。
  11. ステアリングホイールと、
    前記ステアリングホイールと共に回転可能であって、回転方向に複数の歯を有したロック用ホイールによって構成されている被係合部と、
    前記ステアリングホイールが一方へ回転する場合に、前記ロック用ホイールの前記歯に係合することによって前記ロック用ホイールの回転範囲を規制することが可能にスイングする第1レバー式ストッパによって構成されている第1係合部と、
    前記ステアリングホイールが他方へ回転する場合に、前記ロック用ホイールの前記歯に係合することによって前記ロック用ホイールの回転範囲を規制することが可能にスイングする第2レバー式ストッパによって構成されている第2係合部と、
    前記第1レバー式ストッパの、前記ロック用ホイールの前記歯に係合する係合面に設けられており、前記ステアリングホイールの操舵角が減少する方向へ前記ロック用ホイールが回転した場合に、前記歯に対する前記第1レバー式ストッパの前記係合面の係合状態を強制的に解除することが可能に、前記ロック用ホイールの回転力を、前記第1レバー式ストッパの係合状態を解除する力に転換する、斜面によって構成されている第1強制解除部と、
    前記第2レバー式ストッパの、前記ロック用ホイールの前記歯に係合する係合面に設けられており、前記ステアリングホイールの操舵角が減少する方向へ前記ロック用ホイールが回転した場合に、前記歯に対する前記第2レバー式ストッパの前記係合面の係合状態を強制的に解除することが可能に、前記ロック用ホイールの回転力を、前記第2レバー式ストッパの係合状態を解除する力に転換する、斜面によって構成されている第2強制解除部と、
    を備えていることを特徴とする車両用ステアリング装置。
  12. ステアリングホイールと、
    前記ステアリングホイールと共に回転可能であって、回転方向に複数の歯を有した第1ロック用ホイールによって構成されている第1被係合部と、
    前記ステアリングホイールと共に回転可能であって、回転方向に複数の歯を有した第2ロック用ホイールによって構成されている第2被係合部と、
    前記ステアリングホイールが一方へ回転する場合に、前記第1ロック用ホイールの前記歯に係合することによって前記第1ロック用ホイールの回転範囲を規制することが可能にスイングする第1レバー式ストッパによって構成されている第1係合部と、
    前記ステアリングホイールが他方へ回転する場合に、前記第2ロック用ホイールの前記歯に係合することによって前記第2ロック用ホイールの回転範囲を規制することが可能にスイングする第2レバー式ストッパによって構成されている第2係合部と、
    前記第1ロック用ホイールの前記複数の歯の歯面に設けられており、前記ステアリングホイールの操舵角が減少する方向へ前記第1ロック用ホイールが回転した場合に、前記第1ロック用ホイールの前記歯に対する前記第1レバー式ストッパの前記係合面の係合状態を強制的に解除することが可能に、前記第1ロック用ホイールの回転力を、前記第1レバー式ストッパの係合状態を解除する力に転換する、斜面によって構成されている第1強制解除部と、
    前記第2ロック用ホイールの前記複数の歯の歯面に設けられており、前記ステアリングホイールの操舵角が減少する方向へ前記第2ロック用ホイールが回転した場合に、前記第2ロック用ホイールの前記歯に対する前記第2レバー式ストッパの前記係合面の係合状態を強制的に解除することが可能に、前記第2ロック用ホイールの回転力を、前記第2レバー式ストッパの係合状態を解除する力に転換する、斜面によって構成されている第2強制解除部と、
    を備えていることを特徴とする車両用ステアリング装置。
  13. 前記ステアリングホイールの操舵入力が生じる操舵部と、転舵車輪を転舵する転舵部と、の間が機械的に分離されている、請求項1乃至12のいずれか1項記載の車両用ステアリング装置。
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