JPWO2019189733A1 - 酸化型グルタチオンを含む固体組成物及びその製造方法 - Google Patents

酸化型グルタチオンを含む固体組成物及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、簡便な方法により製造することができ、かつ、低潮解性で取り扱いが容易な、酸化型グルタチオン含有固体組成物を提供する。本発明は、非晶質の酸化型グルタチオン及び水溶性セルロース誘導体を含有する固体組成物に関する。本発明はまた、非晶質の酸化型グルタチオン及び水溶性セルロース誘導体を含有する固体組成物の製造方法であって、水系溶媒中に溶解した酸化型グルタチオン及び水溶性セルロース誘導体を含有する溶液を乾燥する工程を含む方法に関する。

Description

本発明は、潮解性が抑制された酸化型グルタチオンを含む固体組成物及びその製造方法に関する。
酸化型グルタチオン(GSSG)は、還元型グルタチオン(GSH)と同様に、健康食品、医薬品、化粧品、肥料等の分野で有用である。
酸化型グルタチオン(GSSG)は、還元型グルタチオン(GSH)2分子が酸化されてジスルフィド結合を形成することによって得られる分子であり、前記還元型グルタチオンは、グルタミン酸、システイン、グリシンからなるトリペプチドから構成されている。
酸化型グルタチオンの製造方法としては、例えば、まず還元型グルタチオンの水溶液や酵母液などを発酵法で調製し、この水溶液や酵母液を酸化することによって前記酸化型グルタチオンを水溶液として製造する方法が知られている(特許文献1など)。
特許文献1では、酵母液を酸化して得られた酸化型グルタチオン含有酵母エキス溶液にデキストリン、ゼラチン、カゼインナトリウム、ラクトアルブミンおよび卵白からなる賦型剤から選ばれる一種または二種以上を配合し、乾燥することを特徴とする酸化型グルタチオン含有酵母エキス粉末の製法が記載されている。
特許文献2では、低潮解性であって取扱いが容易でありながら高水溶性の固体状酸化型グルタチオンを提供することを目的として、アンモニウムカチオン、カルシウムカチオン、及びマグネシウムカチオンから選択される少なくとも一種のカチオンを生成し得る物質の存在下、水及び/又は水可溶性媒体から構成される水性媒体と接触させながら酸化型グルタチオンを温度30℃以上に加温することによって、前記酸化型グルタチオンと前記カチオンとの塩を固体として生成させることを特徴とする固体状酸化型グルタチオン塩の製造方法が開示されている。
特許文献3では、安定性に優れ、かつ工業的に取り扱い易い酸化型グルタチオンの粉末として、酸化型グルタチオン6水和物の結晶を40〜90℃の温度で乾燥して製造される、酸化型グルタチオンの非晶質アモルファスが開示されている。
特許文献4では、有効成分として酸化型グルタチオンを含む徐放性肥料として、酸化型グルタチオンと、カルボキシメチルセルロースナトリウム又はその塩とを含む組成物が記載されている。
特開平5−146279号公報 国際公開WO2013/002317 国際公開WO2011/132725 国際公開WO2016/129512
特許文献1に記載の酸化型グルタチオン含有酵母エキス粉末は潮解性が高く取扱いが困難であるという問題がある。
特許文献2に記載の酸化型グルタチオン塩結晶は低潮解性で取り扱い性に優れる。しかしながらこの酸化型グルタチオン塩結晶の生産には、晶析による結晶の生成が必要であるため、時間とコストの観点から、工業的な利用に制約がある。
特許文献3に記載の酸化型グルタチオンの非晶質アモルファスの生産方法もまた、原料として、酸化型グルタチオン6水和物の結晶が必要であるため、特許文献2に記載の方法と同様に、時間とコストの観点から、工業的な利用に制約がある。
そこで本発明は、簡便な方法により製造することができ、かつ、低潮解性で取り扱いが容易な、酸化型グルタチオン含有固体組成物を提供することを解決すべき課題とする。
本発明は以下の発明を包含する。
(1)非晶質の酸化型グルタチオン及び水溶性セルロース誘導体を含有する固体組成物の製造方法であって、
水系溶媒中に溶解した酸化型グルタチオン及び水溶性セルロース誘導体を含有する溶液を乾燥する工程を含む方法。
(2)前記工程が、前記溶液を噴霧乾燥、凍結乾燥又はドラム乾燥により乾燥することを含む、(1)に記載の方法。
(3)前記溶液が、水溶性セルロース誘導体を、酸化型グルタチオン100質量部に対し1〜50質量部含有する、(1)又は(2)に記載の方法。
(4)前記溶液が、前記溶媒以外の成分の全量に対し、酸化型グルタチオンを20質量%以上含有する、(1)〜(3)のいずれかに記載の方法。
(5)前記溶液が、前記溶媒以外の成分の全量に対し、酸化型グルタチオン及び水溶性セルロース誘導体を、合計で、70質量%以上含有する、(1)〜(4)のいずれかに記載の方法。
(6)非晶質の酸化型グルタチオン及び水溶性セルロース誘導体を含有する固体組成物。
(7)水溶性セルロース誘導体を、非晶質の酸化型グルタチオン100質量部に対し1〜50質量部含有する、(6)に記載の固体組成物。
(8)非晶質の酸化型グルタチオンを、固体組成物全量に対して20質量%以上含有する、(6)又は(7)に記載の固体組成物。
(9)水系溶媒中に溶解した酸化型グルタチオン及び水溶性セルロース誘導体を含有する溶液を乾燥する工程を含む方法により製造された、(6)〜(8)のいずれかに記載の固体組成物。
(10)前記工程が、前記溶液を噴霧乾燥、凍結乾燥又はドラム乾燥により乾燥することを含む、(9)に記載の固体組成物。
(11)非晶質の酸化型グルタチオン及び水溶性セルロース誘導体を、合計で、固体組成物全量に対して70質量%以上含有する、(6)〜(10)のいずれかに記載の固体組成物。
本明細書は本願の優先権の基礎となる日本国特許出願番号2018−066497号の開示内容を包含する。
本発明の酸化型グルタチオンを含有する固体組成物は、簡便な方法により製造することができ、かつ、低潮解性で取り扱いが容易である。
図1は、実験2で調製した噴霧乾燥粉末を、25℃、相対湿度69%の雰囲気下で保存した試験の開始直前(0日)と48時間保存後(2日)の外観を示す。 図2は、実験5において、GSSG原末として本発明の噴霧乾燥粉末を用い撹拌造粒した結果を示す。図2上段は、撹拌造粒完了時の造粒機内の状態を示す。図2下段左は、本発明の噴霧乾燥粉末を用い撹拌造粒して得た造粒物のうち目開2mmの篩を通過する粒子を示し、図2下段右は、前記造粒物のうち目開2mmの篩上に残留する粒子を示す。 図3は、実験5において、GSSG原末として従来の噴霧乾燥粉末を用い撹拌造粒した結果を示す。図3上段は、撹拌造粒完了時の造粒機内の状態を示す。図3下段左は、従来の噴霧乾燥粉末を用い撹拌造粒して得た造粒物のうち目開2mmの篩を通過する粒子を示し、図3下段右は、前記造粒物のうち目開2mmの篩上に残留する粒子を示す。
<1.酸化型グルタチオン>
酸化型グルタチオン(GSSG)とは、還元型グルタチオン(GSH、N−(N−γ−L−グルタミル−L−システイニル)グリシン)の2分子がジスルフィド結合を介して結合して形成される物質である。
本発明では、酸化型グルタチオン(GSSG)とは、他の物質と結合しておらずイオン化していないフリー体、GSSGと酸又は塩基とで形成される塩、これらの水和物、これらの混合物等の、各種形態のGSSGを包含し得る。同様に本発明では、還元型グルタチオン(GSH)についても、他の物質と結合しておらずイオン化していないフリー体、GSHと酸又は塩基とで形成される塩、これらの水和物、これらの混合物等の、各種形態のGSHを包含し得る。
本発明で用いるGSSGは、GSHと混合したものであってもよいが、GSSG量が、GSH量よりも相対的に多いことが好ましく、実質的にGSHを含まないことがより好ましい。より好ましくは、GSSGとGSHとの総質量(全てフリー体として換算した質量)に対してGSSGの総質量(全てフリー体として換算した質量)は、合計で70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、更に好ましくは95質量%以上、更に好ましくは98質量%以上、最も好ましくは100質量%である。
GSSGの塩としてはアンモニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、ナトリウム塩、リチウム塩等の1種以上の塩であれば特に限定されないが、典型的には、アンモニウム塩、カルシウム塩及びマグネシウム塩から選択される1種以上の塩である。GSSGの塩としてはGSSGの1アンモニウム塩、GSSGの0.5カルシウム塩又は1カルシウム塩、GSSGの0.5マグネシウム塩又は1マグネシウム塩等が例示できる。
使用可能な酸化型グルタチオンは特に制限されず、例えば、市販されているものでもよく、発酵法等の公知の方法で得られる還元型グルタチオンを、公知の方法によって酸化することで得られるものでもよく、これら以外のものでもよい。
<2.水溶性セルロース誘導体>
本発明者は、驚くべきことに、水系溶媒中に溶解した酸化型グルタチオン及び水溶性セルロース誘導体を含有する溶液を乾燥することで得られる、非晶質の酸化型グルタチオンを含む固体組成物は、潮解性が低く取り扱い易いことを見出した。水溶性セルロース誘導体以外の高分子化合物を用いた場合には、このような効果は得られない。なお特許文献4では、酸化型グルタチオンと、カルボキシメチルセルロースナトリウム又はその塩とを含む徐放性肥料が記載されているが、酸化型グルタチオンとしては結晶が用いられており、本発明の固体組成物とは異なる。
水溶性セルロース誘導体としては、具体例としては、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース及びエチルセルロース並びにこれらの塩が挙げられ、これらのうちの1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。前記塩としてはナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩等が例示できる。特に、カルボキシメチルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロース並びにこれらの塩から選択される1種以上が水溶性セルロース誘導体として好ましい。
水溶性セルロース誘導体としては、25℃での1%粘度(mPa・s)が好ましくは10,000mPa・s以下、より好ましくは5000mPa・s以下、より好ましくは2000mPa・s以下、最も好ましくは500mPa・s以下である水溶性セルロース誘導体が最も好ましい。
<3.固体組成物>
本発明は第一に、非晶質の酸化型グルタチオン及び水溶性セルロース誘導体を含有する固体組成物に関する。
本発明の固体組成物は、酸化型グルタチオンを含みながら、大気中での潮解性が低いため、取り扱いが容易であるため好ましい。本発明の固体組成物は、大気中での潮解性が低く、他の成分との混合が容易であるため、他の成分と配合して肥料等の用途にGSSGを使用する際のGSSG原末として用いるのに適している。
酸化型グルタチオンが非晶質であることはX線回折等の手段により確認することができる。
本発明の固体組成物における、非晶質の酸化型グルタチオンと水溶性セルロース誘導体との配合比率は特に限定されないが、一以上の実施形態では、非晶質の酸化型グルタチオン100質量部に対し水溶性セルロース誘導体を好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上である。非晶質の酸化型グルタチオンと水溶性セルロース誘導体との配合比率がこの範囲である固体組成物は、潮解性が特に低い。また、非晶質の酸化型グルタチオン100質量部に対する水溶性セルロース誘導体の量の上限は特に限定されないが、一以上の実施形態では、非晶質の酸化型グルタチオン100質量部に対して水溶性セルロース誘導体が好ましくは100質量部以下、より好ましくは50質量部以下、さらにより好ましくは10質量部以下である。
本発明の固体組成物における、非晶質の酸化型グルタチオンの量は特に限定されないが、原末として利用するためには、非晶質の酸化型グルタチオンの割合は高いほど好ましい。本発明の一以上の実施形態の固体組成物は、非晶質の酸化型グルタチオンを、固体組成物全量に対して好ましくは20質量%以上、より好ましくは25質量%以上、より好ましくは30質量%以上、より好ましくは40質量%以上、より好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、より好ましくは65質量%以上、より好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上含有する。
本発明の固体組成物における、非晶質の酸化型グルタチオン及び水溶性セルロース誘導体の合計量は、固体組成物全量に対して好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上、より好ましくは98質量%以上である。
<4.固体組成物の製造方法>
本発明の固体組成物の製造方法は特に限定されないが、好ましい一以上の実施形態では、水系溶媒中に溶解した酸化型グルタチオン及び水溶性セルロース誘導体を含有する溶液を乾燥する工程を含む方法である。
ここで水系溶媒としては、水を基調とする液体であればよく、水、水と水溶性溶媒との混合溶媒等が例示できる。水溶性溶媒としてはエタノール等のアルコールが例示できる。
水系溶媒中に溶解した酸化型グルタチオン及び水溶性セルロース誘導体を含有する溶液としては、一例を挙げれば、発酵法等の公知の方法で得られる還元型グルタチオンを水系溶媒中での酸化反応により酸化して形成された酸化型グルタチオン溶液、或いは、前記酸化型グルタチオン溶液から酸化型グルタチオンを単離したり、必要に応じてさらに精製してから、これら単離物又は精製物を水系溶媒に添加した溶液に、更に水溶性セルロース誘導体を添加した溶液であることができる。前記単離の操作では、例えば、溶液の濃縮、希釈、ろ過などが行われる。
前記酸化反応は、水等の適当な水系溶媒中、酸化剤によって進行する。この酸化剤としては、酸素のような弱酸化剤;過酸化水素、ヨウ素、フェロシアン化カリウム等のような強酸化剤などが挙げられる。さらに別の酸化剤として、気体状物質(例えば気体状の窒素酸化物)、スルホキシド等を用いてもよい。この酸化反応では、例えば、硫酸銅、硫酸鉄、塩化鉄(III)等の酸化触媒を必要に応じて用いてもよい。また前記酸化反応では反応液のpHを調整することが推奨され、pHは、例えば、5〜12、好ましくは6〜10、さらに好ましくは7〜9とすることが望ましい。pHを前記範囲に調整することで、酸化型グルタチオンを安定化することができ、また反応速度を高めることができる。
水系溶媒中に溶解した酸化型グルタチオン及び水溶性セルロース誘導体を含有する溶液中における、酸化型グルタチオン及び水溶性セルロース誘導体の濃度は特に限定されず、前記溶液を乾燥する工程で溶媒の除去が可能な濃度であればよい。前記溶液中での酸化型グルタチオンと水溶性セルロース誘導体の量及び比率は、得ようとする固体組成物中での各成分の量及び比率に応じて決定することができる。好ましくは、前記溶液中の前記溶媒以外の成分(乾燥により揮発しない固形分)中での酸化型グルタチオンと水溶性セルロース誘導体の量及び/又は比率を、固体組成物中での各成分の量及び/又は比率として記載した好ましい範囲となるように設定する。
前記溶液を乾燥する工程は、噴霧乾燥、凍結乾燥、ドラム乾燥等の乾燥方法により行うことができる。
<実験1>
酸化型グルタチオン(GSSG)を17質量%含み、且つ、次表に示すいずれかの賦形剤を、GSSG100質量部(フリー体換算質量での質量部、以下同じ)に対して10質量部となる量で含む水溶液を調製した。対照実験では、GSSGを17質量%含み賦形剤を含まない水溶液を調製した。
前記水溶液を噴霧乾燥して、噴霧乾燥粉末を取得した。
噴霧乾燥は、日本ビュッヒ株式会社製ミニスプレードライヤーB−290型を使用し、入口温度170℃、出口温度90〜110℃(成り行き)の条件で行った。
噴霧乾燥粉末を40℃、相対湿度75%の雰囲気下で24時間放置し潮解の有無を目視で確認した。
Figure 2019189733
<実験2>
酸化型グルタチオン(GSSG)を11質量%含み、且つ、次表に示すいずれかの賦形剤を、GSSG100質量部に対して10質量部又は3質量部となる量で含む水溶液を調製した。対照実験では、GSSGを11質量%含み賦形剤を含まない水溶液を調製した。
前記水溶液を噴霧乾燥して、噴霧乾燥粉末を取得した。
噴霧乾燥は、Nitro社製モービルマイナ2000型を使用し、入口温度170℃、出口温度85〜90℃(成り行き)の条件で行った。
噴霧乾燥粉末を25℃、相対湿度69%の雰囲気下で48時間放置し潮解の有無を目視で確認した。
Figure 2019189733
図1に、前記雰囲気下での保存試験の開始直前(0日)と48時間保存後(2日)の各噴霧乾燥粉末の外観を示す。
<実験3>
酸化型グルタチオン(GSSG)を11質量%含み、且つ、セロゲン(登録商標)WS−C(第一工業製薬株式会社)(CMC Na)をGSSG100質量部に対して1質量部、2質量部、3質量部、5質量部、10質量部又は50質量部となる量で含む水溶液を調製した。
前記水溶液を噴霧乾燥して、噴霧乾燥粉末を取得した。
噴霧乾燥は、日本ビュッヒ株式会社製ミニスプレードライヤーB−290型を使用し、入口温度170℃、出口温度90〜110℃(成り行き)条件で行った。
噴霧乾燥粉末を40℃、相対湿度75%の雰囲気下で24時間放置し潮解の有無を目視で確認した。
Figure 2019189733
<実験4>
酸化型グルタチオン(GSSG)を11質量%含み、且つ、セロゲン(登録商標)WS−C(第一工業製薬株式会社)(CMC Na)をGSSG100質量部に対して3質量部又は10質量部となる量で含む水溶液を調製した。対照実験では、GSSGを11質量%含み賦形剤を含まない水溶液を調製した。
前記水溶液を凍結乾燥又はドラム乾燥により乾燥して、乾燥粉末を取得した。
凍結乾燥には、東京理化器械株式会社製凍結乾燥機FD−5N型を使用した。
ドラム乾燥は、カツラギ工業株式会社製ドラムドライヤー(ドラムサイズ:φ400mm×L500、ドラム表面積:0.625m×2本、ドラム型式:ダブル、給液幅:500mm、ドラム有効面積:1.25m)を使用し、蒸気圧力:0.3MPa、ドラム回転数0.2rpm、ドラム間隙0.1mm未満の条件で行った。
乾燥粉末を40℃、相対湿度75%の雰囲気下で24時間放置し潮解の有無を目視で確認した。
Figure 2019189733
<実験5>
実験2の実施例21で調製した噴霧乾燥粉末(本発明の噴霧乾燥粉末)、又は、実験2の対照実験で調製した噴霧乾燥粉末(従来の噴霧乾燥粉末)をGSSG原末とし、他の成分と組み合わせて、撹拌造粒により造粒した。
造粒方法:GSSG原末17.1質量%、硫酸アンモニウム(住友化学株式会社製)35.6質量%、第一リン酸アンモニウム(下関三井化学株式会社製)20.0質量%、硫酸カリウム(三井物産株式会社製)24.3質量%、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(ライオン株式会社製)1質量%、カルボキシメチルセルロースナトリウム(第一工業製薬株式会社製)2質量%を混合し、得られた混合物100質量部に対し適量の水(4質量部)を添加し協立理工株式会社製サンプルミルを用いて造粒した。
GSSG原末として本発明の噴霧乾燥粉末を用い撹拌造粒した結果を図2に示す。図2上段は、撹拌造粒完了時の造粒機内の状態を示す。図2下段左は、本発明の噴霧乾燥粉末を用い撹拌造粒して得た造粒物のうち目開2mmの篩を通過する粒子を示し、図2下段右は、前記造粒物のうち目開2mmの篩上に残留する粒子を示す。前記造粒物の大部分が目開2mmの篩を通過する微細な粒子であった。
GSSG原末として従来の噴霧乾燥粉末を用い撹拌造粒した結果を図3に示す。図3上段は、撹拌造粒完了時の造粒機内の状態を示す。図3下段左は、従来の噴霧乾燥粉末を用い撹拌造粒して得た造粒物のうち目開2mmの篩を通過する粒子を示し、図3下段右は、前記造粒物のうち目開2mmの篩上に残留する粒子を示す。前記造粒物の大部分が目開2mmの篩を通過できない大きさの塊状物であった。
<実験6>
実験1の実施例11〜18、実験2の実施例21〜23、実験3の実施例31〜36、実験4の実施例41〜43のGSSG含有乾燥粉末を試料として、粉末エックス線回折装置(株式会社リガク製 Mini Flex II)を用いてエックス線回折像を確認したところ、結晶に特徴的なピークは観察されなかった。このことから、各粉末は非晶質のGSSGを含むことが確認された。
本明細書で引用した全ての刊行物、特許及び特許出願はそのまま引用により本明細書に組み入れられるものとする。

Claims (11)

  1. 非晶質の酸化型グルタチオン及び水溶性セルロース誘導体を含有する固体組成物の製造方法であって、
    水系溶媒中に溶解した酸化型グルタチオン及び水溶性セルロース誘導体を含有する溶液を乾燥する工程を含む方法。
  2. 前記工程が、前記溶液を噴霧乾燥、凍結乾燥又はドラム乾燥により乾燥することを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記溶液が、水溶性セルロース誘導体を、酸化型グルタチオン100質量部に対し1〜50質量部含有する、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記溶液が、前記溶媒以外の成分の全量に対し、酸化型グルタチオンを20質量%以上含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記溶液が、前記溶媒以外の成分の全量に対し、酸化型グルタチオン及び水溶性セルロース誘導体を、合計で、70質量%以上含有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 非晶質の酸化型グルタチオン及び水溶性セルロース誘導体を含有する固体組成物。
  7. 水溶性セルロース誘導体を、非晶質の酸化型グルタチオン100質量部に対し1〜50質量部含有する、請求項6に記載の固体組成物。
  8. 非晶質の酸化型グルタチオンを、固体組成物全量に対して20質量%以上含有する、請求項6又は7に記載の固体組成物。
  9. 水系溶媒中に溶解した酸化型グルタチオン及び水溶性セルロース誘導体を含有する溶液を乾燥する工程を含む方法により製造された、請求項6〜8のいずれか1項に記載の固体組成物。
  10. 前記工程が、前記溶液を噴霧乾燥、凍結乾燥又はドラム乾燥により乾燥することを含む、請求項9に記載の固体組成物。
  11. 非晶質の酸化型グルタチオン及び水溶性セルロース誘導体を、合計で、固体組成物全量に対して70質量%以上含有する、請求項6〜10のいずれか1項に記載の固体組成物。
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