JPWO2019187497A1 - フロー式リアクター及びこれを有する製造設備 - Google Patents
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Abstract
Description
[1] チューブ状反応ラインと、
前記チューブ状反応ラインの1箇所以上に設けられた内温測定部と、を有し、
前記内温測定部では温度計の感温部が前記チューブ状反応ラインに挿入されていることを特徴とするフロー式リアクター。
[2] 前記チューブ状反応ラインが曲線状であり、且つ、その一部に直線流路を有し、
前記直線流路に前記内温測定部が存在する[1]に記載のフロー式リアクター。
[3] 前記チューブ状反応ラインが螺旋状であり、
前記直線流路が、前記螺旋状のチューブ状反応ラインの螺旋軸と略平行である[2]に記載のフロー式リアクター。
[4] 前記チューブ状反応ラインの一部が、流入側流路、中間流路及び流出側流路の連続する3つの流路から構成されており、前記直線流路が前記中間流路であり、且つ、前記中間流路が前記螺旋状のチューブ状反応ラインの螺旋軸と略平行である[3]に記載のフロー式リアクター。
[5] 前記流入側流路及び前記流出側流路が、それぞれ直線状流路である[4]に記載のフロー式リアクター。
[6] 前記チューブ状反応ラインの全長のうち入口から50%までに相当する前半位置に、少なくとも1箇所以上の前記内温測定部がある[1]〜[5]のいずれか1項に記載のフロー式リアクター。
[7] 前記内温測定部を2箇所以上有し、前記前半位置に過半数以上の内温測定部がある[6]に記載のフロー式リアクター。
[8] 前記チューブ状反応ラインの流路の相当直径が0.1mm以上50mm以下である[1]〜[7]のいずれか1項に記載のフロー式リアクター。
[9] 更に、前記チューブ状反応ラインの上流側に設けられた原料送液部と、
前記チューブ状反応ラインでの反応生成物を排出する排出部と、
前記チューブ状反応ラインの温度制御を行う温調設備と、を有する[1]〜[8]のいずれか1項に記載のフロー式リアクター。
[10] 前記内温測定部で測定された温度に基づき、前記温調設備の温度制御を行う[9]に記載のフロー式リアクター。
[11] 前記温調設備が、前記チューブ状反応ラインの一部又は全部と接触可能な流体と、前記流体を収容する容器を有し、
前記内温測定部で測定された温度に基づき、前記流体の温度及び/または供給量を制御する[9]または[10]に記載のフロー式リアクター。
[12] 前記流体の温度及び/または供給量の制御が、前記内温測定部での測定温度を入力情報とするプログラム処理に基づいて行われる[11]に記載のフロー式リアクター。
[13] 前記原料送液部が2以上であり、
更に、前記原料送液部からの原料を混合する混合部を有し、
前記混合部が、前記2以上の原料送液部の末端と、前記チューブ状反応ライン入口の間に設けられる[9]〜[12]のいずれか1項に記載のフロー式リアクター。
[14] [1]〜[13]のいずれか1項に記載のフロー式リアクターを有する製造設備。
図1は、本発明で採用するフロー式リアクター10の構成の一例を示す概略図であり、最も基本的な一例である。この基本例の様に、本発明に係るフロー式リアクター10は、チューブ状反応ライン1と、前記チューブ状反応ライン1の1箇所以上に設けられた内温測定部2と、を有し、前記内温測定部2では温度計3aの感温部3bが前記チューブ状反応ライン1に挿入されていることを特徴とする。フロー式リアクター10では、液がチューブ状反応ライン1を送液される間に反応が進行する。本発明では、温度計3aの感温部3bが前記チューブ状反応ライン1に挿入されていることにより、反応液の温度を直接測定することが可能となり、これにより、前記チューブ状反応ライン1中の温度をより正確に測定できるようになった。
図2−1は、温度計3aの感温部3bが挿入されているチューブ状反応ライン1の拡大概略図である。図2−1に示すように、内温測定部2は、温度計3a及び前記温度計3aの感温部3bを有する。内温測定部2は、更に前記温度計3aを支持するための支持体3cを有していてもよい。
本明細書において「チューブ状反応ライン」とは、中が空洞で細長い筒状のリアクターをいう。前記チューブ状反応ライン1においては、流路断面は円形であることが望ましい。
なお本発明において「流路の相当直径」とは、流路の断面と等価とみなした円管に相当する直径のことを指す。すなわち、流路の相当直径Deは、下記式(i)で表される。
De=4Af/Wp …(i)
(式中、Af:流路断面積、Wp:濡れ縁長さ(断面にある壁面の長さ)である)
De’=4Af’/Wp’ …(ii)
(式中、Af’:チューブ状反応ライン1の断面積、Wp’:チューブ状反応ライン1の外周である)
本発明に係るフロー式リアクター10は、更に前記チューブ状反応ライン1の上流側に設けられた原料送液部31を有することが望ましい。原料送液部31とは、前記チューブ状反応ライン1で用いる原料を送る部位に相当する。
本発明に係るフロー式リアクター10は、更に前記チューブ状反応ライン1の温度制御を行う温調設備33を有することが望ましい。フロー式リアクターはバッチ式に比べて比表面積が大きく伝熱性能が良いため、迅速に温度を調節することが可能である。そのため温調設備33を設けると、反応液の迅速な温度管理が可能になるため好ましい。また温調設備33の存在により、熱により反応を開始させる系や、温度を下げて副生成物の生成を抑制させる系等において、反応収率や品質を向上させることができる。
更にチューブ状反応ライン1中に、例えば、アクリニトリル、アクロレイン、亜硫酸ガス、アルシン、アンモニア、一酸化炭素、塩素、クロロメチン、クロロブレン、五フッ化ヒ素、五フッ化リン、酸化エチレン、三フッ化窒素、三フッ化ホウ素、三フッ化リン、シアン化水素、ジエチルアミン、ジシラン、四フッ化硫黄、四フッ化珪素、ジボラン、セレン化水素、トリメチルアミン、二硫化炭素、フッ素、ブロモメチル、ホスゲン、ホスフィン、モノゲルマン、モノシラン、モノメチルアミン、硫化水素等の毒性物質が存在し、仮にチューブ状反応ライン1内に含まれる内容液がチューブ状反応ライン1の外部へ漏出した場合であっても、水、酸性水溶液、アルカリ性水溶液、酸化性水溶液または還元性水溶液等の流体34はクエンチ剤としても機能するため、安全性も確保できる。
本発明に係るフロー式リアクター10は、更に前記チューブ状反応ライン1での反応生成物を排出する排出部32を有することが望ましい。排出部32により、チューブ状反応ライン1内で生成した反応生成物だけでなく、未反応原料も流通する。排出部32は、チューブ状反応ライン1出口に接続していることが望ましい。
混合部36の形状は時に複雑になることがあるため、精密な加工が必要なときには、加工性のよい金属や樹脂を用いるとよい。
本発明のフロー式リアクター10は、例えば、流体の化学反応操作の一例である、化学反応操作、抽出操作、分離操作、精製操作などに使用できる。すなわち本発明は、前述したフロー式リアクター10を有する製造設備も包含する。
チューブ状反応ライン1における反応液の流速は、好ましくは2m/s以下、より好ましくは1m/s以下、更に好ましくは0.8m/s以下である。
また反応時間(滞留時間)は、好ましくは60分以下、より好ましくは30分以下、更に好ましくは15分以下である。
2 内温測定部
3a 温度計
3b 感温部
3c 支持体
3d 温度計挿入部
4 直線流路
10 フロー式リアクター
11 流入側流路
12 中間流路
13 流出側流路
20 螺旋軸
31 原料送液部
32 排出部
33 温調設備
34 流体
35 容器
36 混合部
37 撹拌翼
A、B 反応液の流れ方向
Claims (14)
- チューブ状反応ラインと、
前記チューブ状反応ラインの1箇所以上に設けられた内温測定部と、を有し、
前記内温測定部では温度計の感温部が前記チューブ状反応ラインに挿入されていることを特徴とするフロー式リアクター。 - 前記チューブ状反応ラインが曲線状であり、且つ、その一部に直線流路を有し、
前記直線流路に前記内温測定部が存在する請求項1に記載のフロー式リアクター。 - 前記チューブ状反応ラインが螺旋状であり、
前記直線流路が、前記螺旋状のチューブ状反応ラインの螺旋軸と略平行である請求項2に記載のフロー式リアクター。 - 前記チューブ状反応ラインの一部が、流入側流路、中間流路及び流出側流路の連続する3つの流路から構成されており、前記直線流路が前記中間流路であり、且つ、前記中間流路が前記螺旋状のチューブ状反応ラインの螺旋軸と略平行である請求項3に記載のフロー式リアクター。
- 前記流入側流路及び前記流出側流路が、それぞれ直線状流路である請求項4に記載のフロー式リアクター。
- 前記チューブ状反応ラインの全長のうち入口から50%までに相当する前半位置に、少なくとも1箇所以上の前記内温測定部がある請求項1〜5のいずれか1項に記載のフロー式リアクター。
- 前記内温測定部を2箇所以上有し、前記前半位置に過半数以上の内温測定部がある請求項6に記載のフロー式リアクター。
- 前記チューブ状反応ラインの流路の相当直径が0.1mm以上50mm以下である請求項1〜7のいずれか1項に記載のフロー式リアクター。
- 更に、前記チューブ状反応ラインの上流側に設けられた原料送液部と、
前記チューブ状反応ラインでの反応生成物を排出する排出部と、
前記チューブ状反応ラインの温度制御を行う温調設備と、を有する請求項1〜8のいずれか1項に記載のフロー式リアクター。 - 前記内温測定部で測定された温度に基づき、前記温調設備の温度制御を行う請求項9に記載のフロー式リアクター。
- 前記温調設備が、前記チューブ状反応ラインの一部又は全部と接触可能な流体と、前記流体を収容する容器を有し、
前記内温測定部で測定された温度に基づき、前記流体の温度及び/または供給量を制御する請求項9または10に記載のフロー式リアクター。 - 前記流体の温度及び/または供給量の制御が、前記内温測定部での測定温度を入力情報とするプログラム処理に基づいて行われる請求項11に記載のフロー式リアクター。
- 前記原料送液部が2以上であり、
更に、前記原料送液部からの原料を混合する混合部を有し、
前記混合部が、前記2以上の原料送液部の末端と、前記チューブ状反応ライン入口の間に設けられる請求項9〜12のいずれか1項に記載のフロー式リアクター。 - 請求項1〜13のいずれか1項に記載のフロー式リアクターを有する製造設備。
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