JPWO2019187007A1 - 部品補給管理装置、部品実装システムおよび部品補給管理方法 - Google Patents
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Abstract
Na個のテープフィーダー5(第1フィーダー)に対する特性変更作業が必要となる変更時間tcが生産計画Ppに基づき予測され、部品供給リール7の装着が実行可能となる装着可能期間Ta、Tbが変更時間tcと重複するテープフィーダー5A、5B(第2フィーダー)が探索される(探索処理)。そして、探索処理で探索されたテープフィーダー5A、5Bについての装着時間tsが変更時間tcに設定される。したがって、テープフィーダー5A、5Bに部品供給リール7を装着する装着作業と特性変更作業とをまとめて、変更時間tcに応じて実行することができる。その結果、オペレーターがこれらの作業を効率的に行うことができ、オペレーターの作業負担を軽減することが可能となっている。
Description
この発明は、基板に実装される部品を部品収納部材から供給するフィーダーに対する部品の補給を管理する技術に関する。
従来、基板に部品を実装することで部品実装基板を生産するために、例えば供給リール等の部品収納部材に収納された部品を供給するフィーダーが用いられている。このように部品収納部材からフィーダーにより部品を供給する構成では、特許文献1に示されるように、部品収納部材の部品を使い切ったフィーダーに対しては、部品供給部材を新たに装着する装着作業を、オペレーターが実行する必要がある。
また、装着作業以外にも、オペレーターに求められる作業が存在する。例えば特許文献2に示されるように、LED(Light Emitting Diode)の輝度や色味は、固体によってばらつく。そのため、LEDの輝度に応じた抵抗値の制限抵抗を実装したり、基板に実装される多数のLEDの輝度や色味を揃えたり、あるいは分散させたりといった特性管理が行われる。したがって、特性管理を要する部品を供給するフィーダーに対しては、所定の特性を有する部品を収納する部品収納部材が装着される。そして、基板に実装する部品の特性変更に際しては、このフィーダーに装着される部品収納部材を、特性変更に応じた部品収納部材に変更する特性変更作業が必要となる。
このような事情から、装着作業や特性変更作業に伴うオペレーターの作業負担が大きくなるといった問題があった。
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、オペレーターの作業負担を軽減することを可能とする技術の提供を目的とする。
本発明に係る部品補給管理装置は、装着された複数の部品収納部材を順番に用いて当該部品収納部材から部品を供給するフィーダーを複数用いて部品を基板に実装することで部品実装基板を生産する生産計画を取得する取得部と、複数の部品収納部材のうち一の部品収納部材の部品が切れてから、複数の部品収納部材に残存する部品の総数である残存部品総数が所定個数まで減少するまでの装着可能期間をフィーダーについて生産計画から予測した結果に基づき、一の部品収納部材の部品が切れた後に別の部品収納部材をフィーダーに装着する装着作業のタイミングを示す装着時間を設定する設定部とを備え、複数のフィーダーは、第1フィーダーと、第1フィーダーと異なる第2フィーダーとを含み、設定部は、基板に実装する部品の特性変更のために第1フィーダーに対して装着される部品収納部材を変更する特性変更作業が必要となる変更時間を生産計画に基づき予測する予測処理と、装着可能期間が変更時間に重複すると予測される第2フィーダーを探索する探索処理とを実行し、探索処理で探索された第2フィーダーについての装着時間を変更時間に設定する。
本発明に係る部品補給管理方法は、装着された複数の部品収納部材を順番に用いて当該部品収納部材から部品を供給するフィーダーを複数用いて部品を基板に実装することで部品実装基板を生産する生産計画を取得する工程と、複数の部品収納部材のうち一の部品収納部材の部品が切れてから、複数の部品収納部材に残存する部品の総数である残存部品総数が所定個数まで減少するまでの装着可能期間をフィーダーについて生産計画から予測した結果に基づき、一の部品収納部材の部品が切れた後に別の部品収納部材をフィーダーに装着する装着作業のタイミングを示す装着時間を設定する工程とを備え、複数のフィーダーは、第1フィーダーと、第1フィーダーと異なる第2フィーダーとを含み、装着時間を設定する工程では、基板に実装する部品の特性変更のために第1フィーダーに対して装着される部品収納部材を変更する特性変更作業が必要となる変更時間を生産計画に基づき予測する予測処理と、装着可能期間が変更時間に重複すると予測される第2フィーダーを探索する探索処理とを実行し、探索処理で探索された第2フィーダーについての装着時間を変更時間に設定する。
このように構成された本発明(部品補給管理装置、部品補給管理方法)では、第1フィーダーに対する特性変更作業が必要となる変更時間が生産計画に基づき予測される。さらに、部品収納部材の装着が実行可能となる装着可能期間が変更時間と重複する第2フィーダーが探索される(探索処理)。そして、探索処理で探索された第2フィーダーについての装着時間が変更時間に設定される。したがって、第2フィーダーに部品収納部材を装着する装着作業と特性変更作業とをまとめて、変更時間に応じて実行することができる。その結果、オペレーターがこれらの作業を効率的に行うことができ、オペレーターの作業負担を軽減することが可能となっている。
ところで、基板に実装する部品の特性変更に際しては、複数の第1フィーダーそれぞれに装着される部品収納部材を、特性変更に応じてまとめて変更する必要が生じる場合がある。そこで、複数のフィーダーは、それぞれに装着される部品収納部材が基板に実装する部品の特性に応じて互いに対応付けられた複数の第1フィーダーを含み、設定部は、予測処理において、基板に実装する部品の特性変更のために複数の第1フィーダーの全てに対して装着される部品収納部材を変更する特性変更作業が必要となる変更時間を生産計画に基づき予測するように、部品補給管理装置を構成しても良い。かかる構成では、第2フィーダーに部品収納部材を装着する装着作業と、複数の第1フィーダーについて実行される特性変更作業とをまとめて、変更時間に応じて実行することができる。その結果、オペレーターがこれらの作業を効率的に行うことができ、オペレーターの作業負担を軽減することが可能となっている。
また、探索処理で探索された第2フィーダーに対する装着作業と、特性変更作業とを変更時間に実行するようにオペレーターに報知する報知部をさらに備えるように、部品補給管理装置を構成しても良い。かかる構成では、変更時間に応じて装着作業と特性変更作業とをオペレーターに確実に実行させることができる。
また、設定部は、複数のフィーダーのうち複数の候補フィーダーの装着可能期間に重複させて装着時間を設定するとともに、複数の候補フィーダーに含まれる第1フィーダーについては、変更時間までに供給する予定の部品の個数と残存部品総数とに基づき、装着作業を実行するか否かを決定するように、部品補給管理装置を構成しても良い。かかる構成では、生産計画に対して不要な部品収納部材を装着する装着作業の発生が抑制され、オペレーターの作業負担を軽減することができる。
また、設定部は、第1フィーダーに装着された部品収納部材のうち、変更時間まで第1フィーダーにより使用されないと予想した部品収納部材を、変更時間より前に第1フィーダーから取り外すと決定するように、部品補給管理装置を構成しても良い。かかる構成では、変更時間における作業量を減らして、オペレーターの作業負担を軽減することができる。
本発明に係る部品実装システムは、装着された複数の部品収納部材を順番に用いて当該部品収納部材から部品を供給するフィーダーをN個(Nは4以上の整数)用いて部品を基板に実装することで部品実装基板を生産する生産計画を実行する部品実装機と、上記の部品補給管理装置とを備える。したがって、オペレーターの作業負担を軽減することを可能とすることが可能となっている。
本発明によれば、オペレーターの作業負担を軽減することが可能となる。
図1は本発明に係る部品供給管理装置による管理対象の一例である部品実装機を模式的に示す平面図である。同図では、鉛直方向に平行なZ方向、それぞれ水平方向に平行なX方向およびY方向からなるXYZ直交座標を示す。この部品実装機1は、基台11の上に設けられた一対のコンベア12、12を備える。そして、部品実装機1は、コンベア12によりX方向(基板搬送方向)の上流側から作業位置(図1の基板Bの位置)に搬入した基板Bに対して部品を実装し、部品実装を完了した基板Bをコンベア12により作業位置からX方向の下流側へ搬出する。
部品実装機1では、Y方向に延びる一対のY軸レール21、21と、Y方向に延びるY軸ボールネジ22と、Y軸ボールネジ22を回転駆動するY軸モーターMyとが設けられ、ヘッド支持部材23が一対のY軸レール21、21にY方向に移動可能に支持された状態でY軸ボールネジ22のナットに固定されている。ヘッド支持部材23には、X方向に延びるX軸ボールネジ24と、X軸ボールネジ24を回転駆動するX軸モーターMxとが取り付けられており、ヘッドユニット3がヘッド支持部材23にX方向に移動可能に支持された状態でX軸ボールネジ24のナットに固定されている。したがって、Y軸モーターMyによりY軸ボールネジ22を回転させてヘッドユニット3をY方向に移動させ、あるいはX軸モーターMxによりX軸ボールネジ24を回転させてヘッドユニット3をX方向に移動させることができる。
一対のコンベア12、12のY方向の両側それぞれでは2つの部品供給部25がX方向に並んでおり、各部品供給部25に対してはフィーダー取付台車4が着脱可能に取り付けられている。このフィーダー取付台車4には、X方向に並ぶ複数のテープフィーダー5と、X方向に並ぶ複数のリールホルダー6とが着脱可能に装着されており、1個のテープフィーダー5と1個のリールホルダー6とが互いに対応付けられてY方向に並ぶ。
各リールホルダー6に保持される部品供給リール7は、集積回路、トランジスター、コンデンサ等の小片状の部品(チップ電子部品)を所定間隔おきに収納した部品供給テープTPを有する。この部品供給テープTPは、等ピッチで一列に配列された複数のポケットのそれぞれに部品を収納するキャリアテープと、キャリアテープに貼り付けられて部品をポケット内の部品を覆うカバーテープとを有する。キャリアテープTPの一辺側には、その縁に沿って一定間隔で配列された複数の係合孔が貫通している。後述するように、各テープフィーダー5に対しては2本のキャリアテープTPを取付可能であり、これに対応して、各リールホルダー6はY方向に並ぶ2個の部品供給リール7を保持する。そして、各テープフィーダー5は、Y方向に隣り合うリールホルダー6内の部品供給リール7から引き出したキャリアテープTPをヘッドユニット3側に間欠的に送り出すことで、キャリアテープTP内の部品を所定の部品供給位置50に供給する(部品供給動作)。
ヘッドユニット3は、X方向に並ぶ複数(4本)の実装ヘッド31を有する。各実装ヘッド31はZ方向(鉛直方向)に延びた長尺形状を有し、その下端に係脱可能に取り付けられたノズルによって部品を吸着・保持することができる。つまり、実装ヘッド31はテープフィーダー5の上方へ移動して、テープフィーダー5により供給された部品を吸着する。続いて、実装ヘッド31は作業位置の基板Bの上方に移動して部品の吸着を解除することで、基板Bに部品を実装する。こうして、実装ヘッド31は、テープフィーダー5により部品供給位置50に供給された部品をキャリアテープTPから取り出して基板Bに実装する部品実装を実行する。
図2はテープフィーダーの構成および動作の一例を模式的に示す側面図である。同図および以下の図面では、テープフィーダー5がキャリアテープTPを送り出すフィード方向Df(Y方向に平行)を適宜示すとともに、フィード方向Dfの矢印側をフィード方向Dfの「前」と、フィード方向Dfの矢印の反対側をフィード方向Dfの「後ろ」と取り扱う。また、テープフィーダー5に取付可能な2本のキャリアテープTPを区別するために、同図および以下の図では、キャリアテープに対して異なる符号TP1、TP2を適宜用いる。
テープフィーダー5は、機械的構成であるフィーダー本体51と、フィーダー本体51を駆動するモーターMf、Mbとを備える。フィーダー本体51は、X方向に薄くてフィード方向Dfに長尺な偏平形状のケース52を有する。ケース52のフィード方向Dfの後端では、Z方向に延設されたテープ挿入口53a(破線で示す)が開口し、ケース52のフィード方向Dfの前方の上面に上述の部品供給位置50が設けられている。フィーダー本体51内ではテープ挿入口53aから部品供給位置50へ至るテープ搬送路53bが設けられている。このフィーダー本体51は、テープ挿入口53aからテープ搬送路53bに挿入されたキャリアテープTPを、モーターMf、Mbの駆動力を受けてフィード方向Dfに送り出すことで、部品供給位置50に部品を供給する。
具体的には、フィーダー本体51は、テープ搬送路53bの上方でテープ挿入口53aに隣接して配置されたスプロケット54と、モーターMbの駆動力をスプロケット54に伝達するギヤ55とをケース52内に有し、スプロケット54はモーターMbが発生する駆動力を受けて回転する。さらに、フィーダー本体51は、ケース52に対して着脱可能に取り付けられたテープ支持部材56を有する。このテープ支持部材56はスプロケット54に下方から対向し、スプロケット54との間にキャリアテープTPを挟むことで、キャリアテープTPをスプロケット54に係合させる。これによって、スプロケット54はキャリアテープTPに係合しつつ回転することで、キャリアテープTPをフィード方向Dfに送り出すことができる。また、フィーダー本体51は、その前端部分に配置されて下方からテープ搬送路53bに隣接するスプロケット57と、モーターMfの駆動力をスプロケット57に伝達するギヤ58とをケース52内に有し、スプロケット57はモーターMfが発生する駆動力を受けて回転する。したがって、スプロケット57は、キャリアテープTPに係合しつつ間欠的に回転することで、キャリアテープTPをフィード方向Dfに間欠的に搬送することができる。
また、フィーダー本体51は、部品供給位置50のフィード方向Dfの上流側で部品供給テープTPに接触するカッターを有する。このカッターは、フィード方向Dfに間欠搬送される部品供給テープTPのカバーテープを中央で切り裂いて両側に捲くることで、部品供給位置50に供給された部品を露出させる。このように部品を露出するための構成は、例えば特開2015−053320号公報に記載のそれと同様である。
ステップS11は、実装ヘッド31による部品実装にテープフィーダー5が使用されている状態に対応する。つまり、フィーダー本体51には、テープ搬送路53bに沿ってキャリアテープTP1が挿入されており、スプロケット57はキャリアテープTP1をフィード方向Dfへ間欠搬送することで、基板Bに実装される部品を部品供給位置50に供給する。また、ステップS11では、キャリアテープTP1の次に部品実装に使用されるキャリアテープTP2の先端が、スプロケット54とテープ支持部材56との間に取り付けられている。こうして、次に使用されるキャリアテープTP2がフィーダー本体51の後端部分で待機する。
ステップS12に示すように、キャリアテープTP1内の部品が使い切られて、テープフィーダー5がキャリアテープTP1を排出すると、ステップS13に示すローディングが実行される。具体的には、スプロケット54が回転を開始してキャリアテープTP2を部品供給位置50へ向けてフィード方向Dfに送り出し、キャリアテープTP2の先端をスプロケット57に係合させる。続いて、ステップS14において、オペレーターがテープ支持部材56をケース52から取り外す作業を実行すると、キャリアテープTP2がスプロケット54から外れてテープ搬送路53bに落下する。これによって、スプロケット57はキャリアテープTP2をフィード方向Dfへ間欠搬送して、キャリアテープTP2内の部品を部品供給位置50に供給することができる。ちなみに、オペレーターはステップS14の後、テープ支持部材56を再びケース52に取り付けることで、キャリアテープTP2の次に部品実装に使用されるキャリアテープTPをスプロケット54とテープ支持部材56との間に取り付けて待機させることができる。
このようなテープフィーダー5を用いた部品実装機1では、使用中のキャリアテープTPはテープ搬送路53bに沿ってフィーダー本体51に挿入される一方、次に使用されるキャリアテープTPは、テープ搬送路53bの上方で待機する。そして、キャリアテープTPが使い切られる度にステップS12〜S14を行うことで、待機していたキャリアテープTPをテープ搬送路53bに沿ってフィーダー本体51に挿入して、次に使用することができる。
図3は部品供給リールとこれを保持するリールホルダーの一例を模式的に示す図である。図3では、リールホルダー6を透かして、部品供給リール7を示している。部品供給リール7は、軸心71と、軸心71を両側から挟む2枚の側板72とを有し、軸心71に巻き付けられた部品供給テープTPを側板72により両側から支える。また、リール7は、それぞれバーコードで構成されたリールID73および部品ID74を側板72に有する。リールID73はユニークであり、それが付された部品供給リール7を個別に識別するのに用いることができる。部品ID74は、それが付された部品供給リール7の部品供給テープTPに収納される部品に関する情報(部品の種類、個数等)を示す。なお、リールID73および部品ID74を別々のバーコードで構成する必要は必ずしもなく、これらを1つのバーコードで構成しても良い。
リールホルダー6は、使用位置Luと、使用位置Luよりフィード方向Dfの後方の待機位置Lwとのそれぞれで部品供給リール7を保持することができる。そして、使用位置Luに保持される部品供給リール7の部品供給テープTPがテープフィーダー5にローディングされて部品実装での部品供給に使用される一方、待機位置Lwに保持される部品供給リール7の部品供給テープTPがテープフィーダー5のスプロケット54とテープ支持部材56との間に取り付けられる。このように、1台のテープフィーダー5に対しては、2個の部品供給リール7を装着することができる。なお、部品供給リール7をテープフィーダー5に装着するとは、リールホルダー6に配置した部品供給リール7から引き出した部品供給テープTPの先端をテープフィーダー5に装着することを示す。
かかる構成では、テープフィーダー5に装着された2個の部品供給リール7のうち、使用位置Luに配置された部品供給リール7の部品供給テープTPの部品が使い切られると、待機位置Lwに配置された部品供給リール7の部品供給テープTPがローディングされて、部品実装に使用される。こうして2個の部品供給リール7のうち一の部品供給リール7が使い切られた後は、オペレーターは、部品保管庫81から供給された別の部品供給リール7をテープフィーダー5に装着して、待機させておくことができる。具体的には、オペレーターは、
・部品が切れた部品供給リール7を使用位置Luから取り除く
・部品実装で使用される部品供給リール7を待機位置Lwから使用位置Luへ移動させる
・別の部品供給リール7を待機位置Lwに配置する
・別の部品供給リール7から引き出した部品供給テープTPの先端をスプロケット54とテープ支持部材56との間に装着する
といった手順を順番に実行することで、別の部品供給リール7をテープフィーダー5に装着できる(装着作業)。
・部品が切れた部品供給リール7を使用位置Luから取り除く
・部品実装で使用される部品供給リール7を待機位置Lwから使用位置Luへ移動させる
・別の部品供給リール7を待機位置Lwに配置する
・別の部品供給リール7から引き出した部品供給テープTPの先端をスプロケット54とテープ支持部材56との間に装着する
といった手順を順番に実行することで、別の部品供給リール7をテープフィーダー5に装着できる(装着作業)。
図4は本発明に係る部品実装システムの一例を示すブロック図である。この部品実装システム100は、部品実装機1と、部品実装機1で使用される部品供給リール7を保管する部品保管庫81と、部品実装機1での部品実装を管理する生産計画管理装置82と、部品実装機1への部品の補給を管理する部品補給管理装置9とを備える。
部品保管庫81は、多数の部品供給リール7をそれぞれ決められた保管場所に保管する。この部品保管庫81は、部品供給リール7を供給する供給口および部品供給リール7を受け取る返却口を有する。そして、部品保管庫81は、部品補給管理装置9あるいはオペレーターからの要求に従って部品供給リール7をその保管場所から供給口へ排出し、オペレーターが返却口に返却した部品供給リール7をその保管場所に保管する。
生産計画管理装置82はサーバーコンピューターであり、基板Bに部品を実装することで部品実装基板を生産する生産計画Ppに基づき部品実装機1を管理する。具体的には、生産計画管理装置82は、基板Bに部品を実装する手順を示す基板データを生産計画Ppに基づき作成して、当該基板データを部品実装機1に送信する。そして、部品実装機1は、受信した基板データに示される手順で基板Bへ部品を実装する。
部品補給管理装置9はサーバーコンピューターであり、制御部91、記憶部92、IDリーダー93およびユーザーインターフェース94等を備える。制御部91は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access
Memory)およびROM(Read Only Memory)で構成されたプロセッサーであり、所定の部品補給管理プログラムを実行することで取得部911および設定部913を内部に構築する。これらの動作は後に詳述する。
Memory)およびROM(Read Only Memory)で構成されたプロセッサーであり、所定の部品補給管理プログラムを実行することで取得部911および設定部913を内部に構築する。これらの動作は後に詳述する。
記憶部92はHDD(Hard Disk Drive)であり、生産計画管理装置82から取得した生産計画Ppを記憶する。さらに、記憶部92は、部品供給リール7の使用履歴を当該部品供給リール7のリールID73と対応付けた使用履歴情報H(図5)を記憶する。ここで、図5は部品供給リールの使用履歴情報の一例を模式的に示す図である。図5に示すように、使用履歴情報Hでは、部品供給リール7に収納される部品の残数および部品供給リール7の場所が、リールID73に対応付けられている。
部品供給リール7の場所としては、2通りの場所が存在する。つまり、対象の部品供給リール7が部品供給部25に装着されている場合には、この部品供給リール7のフィーダー取付台車4での装着場所がリールID73に対応付けられ、対象の部品供給リール7が部品保管庫81に保管されている場合には、この部品供給リール7の保管場所がリールID73に対応付けられる。
図4に戻って説明を続ける。IDリーダー93はバーコードリーダーであり、部品供給リール7に付されたリールID73および部品ID74を読み取るのに使用される。なお、IDリーダー93は、無線により制御部91と通信を行う可搬型のものであっても、有線で制御部91と通信を行うものであっても良い。また、ユーザーインターフェース94は、例えばタッチパネルディスプレイやスピーカー等で構成され、オペレーターからの入力操作を受け付けたり、オペレーターへの報知を行ったりする。特に、ユーザーインターフェース94は、図5の使用履歴情報Hを表示する機能を果たす。
また、部品実装機1は、図1に示した機械的構成の他に、制御部18を備える。制御部18は、CPU、RAMおよびROMで構成されたプロセッサーであり、生産計画管理装置82から受信した基板データに示される手順で基板Bへの部品実装が実行されるように、制御を実行する。特に、この制御部18は、テープフィーダー5に装着された部品供給リール7内の部品の残数を管理する機能も果たす。
図6は部品実装機の制御部が実行する部品残数管理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートは、テープフィーダー5に装着された2個の部品供給リール7に残存する部品の総数である残存部品総数(換言すれば、テープフィーダー5に対応するリールホルダー6に保持される部品の総数)および使用位置Luに配置されている部品供給リール7の部品残数を管理し、部品実装に並行してテープフィーダー5毎に実行される。ステップS101では、テープフィーダー5が部品供給位置50に部品を供給したかが確認される。そして、部品の供給が確認されると(ステップS101で「YES」)、残存部品総数がデクリメントされる(ステップS102)。また、ステップS102では、テープフィーダー5が部品供給に使用した部品供給リール7の部品残数が、当該部品供給リール7のリールID73とともに部品補給管理装置9に通知され、部品補給管理装置9は、使用履歴情報Hで当該リールID73に対応付けられた部品残数を更新する。
ステップS103では、2個の部品供給リール7のうち、部品供給に使用中の部品供給リール7の部品が使い切られたか確認される。部品が使い切られていなく、部品切れが生じていない場合(ステップS103で「NO」の場合)には、ステップS101に戻る。なお、部品が使い切られたか否かは、適宜の基準に基づき判断できる。例えば、テープフィーダー5により供給された部品を吸着するための動作が実行された際に、部品の吸着・保持を確認できない場合には、吸着エラーが発生したと判断される。そこで、複数の吸着エラーが連続して発生したことを確認した場合に、部品が使い切られたと判断できる。あるいは、使用位置Luに配置されている部品供給リール7の部品残数がゼロになったことを確認した場合に、部品が使い切られたと判断できる。一方、部品切れが生じた場合(ステップS103で「YES」の場合)には、制御部18は部品補給管理装置9の制御部91に部品切れの発生を通知し(ステップS104)、制御部91は、装着作業の実行をユーザーインターフェース94によってオペレーターに報知する。また、ステップS104では、制御部18は、図2のステップS12〜S13のローディングをテープフィーダー5に実行させて、次の部品供給リール7を部品供給に使用する。
ステップS105では、新たに装着する部品供給リール7のリールID73および部品ID74(以下、「リールID73等」と適宜称する)の取得を確認することで、オペレーターにより部品供給リール7の装着作業が実行されたかを把握する。つまり、オペレーターは、部品供給リール7のリールID73等をIDリーダー93により読み取ってから、当該部品供給リール7をテープフィーダー5に装着する(装着作業)。この際、リールID73等は部品補給管理装置9から部品実装機1の制御部18に送信される。
制御部18は、リールID73等の取得が確認できない場合(ステップS105で「NO」の場合)には、テープフィーダー5が部品供給位置50に部品を供給したかを確認する(ステップS106)。部品の供給が確認されない場合(ステップS106で「NO」の場合)にはステップS105に戻り、部品の供給が確認された場合(ステップS106で「YES」の場合)には、残存部品総数がデクリメントされる(ステップS107)。また、ステップS107では、テープフィーダー5が部品供給に使用した部品供給リール7の部品残数が、当該部品供給リール7のリールID73とともに部品補給管理装置9に通知され、部品補給管理装置9は、使用履歴情報Hで当該リールID73に対応付けられた部品残数を更新する。
ステップS108では、残存部品総数が閾個数以下となったかが確認される。残存部品総数が閾個数以下でない場合(ステップS108で「NO」の場合)には、ステップS105に戻る。ここで、閾個数は1以上の整数である。一方、残存部品総数が閾個数以下である場合(ステップS108で「YES」の場合)には、制御部18は部品補給管理装置9の制御部91に残数警告を行うように通知し(ステップS109)、ステップS105に戻る。制御部91は、ステップS109での通知を受けて、残数警告をユーザーインターフェース94によって実行する。なお、この残数警告は、対象のテープフィーダー5に対する残存部品総数が少なくなったため、装着作業を直ちに行うようにオペレーターに求めるものである。
ステップS105で、リールID73等の取得が確認された場合(ステップS105で「YES」の場合)には、残存部品総数が更新される(ステップS110)。具体的には、取得されたリールID73について使用履歴情報Hが示す部品残数を部品補給管理装置9から取得して加算することで、残存部品総数が更新される。そして、ステップS101に戻る。この際、残数警告が発生している状況でリールID73等の取得が確認された場合には、残存部品総数の更新とともに残数警告が解除される。これらステップS101〜S110は、部品実装でのテープフィーダー5の使用が終了するまで実行される。
このように、部品実装機1において部品実装の実行に伴って部品供給リール7の部品切れが生じた場合には、オペレーターは、部品供給リール7の装着作業により部品を補給する補給作業を実行する必要がある。そこで、部品補給管理装置9は、部品実装機1に対して部品実装に並行して実行すべき装着作業の実行時期(装着時期)を設定する。特に、1度の補給作業で複数のテープフィーダー5に対してまとめて装着作業を実行できるように、装着時間の設定を行う。
図7は部品補給管理装置が実行する装着時間設定の一例を示すフローチャートである。このフローチャートは制御部91の取得部911および設定部913により実行される。ステップS201では、取得部911が生産計画管理装置82から生産計画Ppを取得して記憶部92に保存する。ステップS202では、部品実装機1に生産計画Ppを実行させた場合に、テープフィーダー5に対して装着作業が実行可能となる期間(装着可能期間)が、部品実装機1に装着された複数のテープフィーダーのそれぞれについて設定部913により予測される。
つまり、図3を示して説明したように、テープフィーダー5に装着された2個の部品供給リール7のうちスプロケット57により先行して送られる一の部品供給リール7が使い切られた後は、後続の部品供給リール7からの部品供給テープTPが自動的にスプロケット57に係合して送られることで部品供給が続行される。オペレーターは、このように部品供給が続行される間に、別の部品供給リール7をテープフィーダー5に装着する装着作業を実行できる。したがって、2個の部品供給リール7のうち一の部品供給リール7が使い切られる時間が装着可能期間の開始時間として算出される。一方、図6を示して説明したように、一の部品供給リール7が使い切られた後は、残存部品総数が閾個数以下となると残数警告が報知されるため、この残数警告の報知前に装着作業を行うことが好適となる。したがって、残存部品総数が閾個数となる時間(すなわち、残数警告が報知される時間)が装着可能期間の終了時間として算出される。
なお、テープフィーダー5に装着された部品供給リール7の部品残数の変化は、使用履歴情報Hおよび生産計画Ppに基づき予測できる。つまり、対象の部品供給リール7が部品供給リール7に取り付けられた時点で収納する部品残数(初期部品残数)は、使用履歴情報Hにおいて当該部品供給リール7のリールID73に対応付けられた部品残数を参照することで取得できる。そして、生産計画Ppにおいて当該部品供給リール7の部品が供給される回数を初期部品残数から減算することで、当該部品供給リール7の部品残数を算出できる。以下に示すフローチャートにおいても、部品供給リール7の部品残数は、使用履歴情報Hおよび生産計画Ppを適宜参照することで、同様に算出される。
図8は図7のフローチャートに従って実行される装着可能期間の算出結果の一例を示す図である。図8の例では、5台のテープフィーダー5A〜5Eを対象とした装着時間の設定例が示されている。ただし、対象となるテープフィーダー5の台数は、ここの例の5台に当然限られない。図8では、ハッチングの濃淡により状態の違いが示されており、最も濃いハッチングの期間は、2個の部品供給リール7の両方で部品切れが生じていない期間に相当し、次に濃いハッチングの期間は、一の部品供給リール7で部品切れが生じてから残数警告が報知されるまでの期間に相当し、最も淡いハッチングの期間は、残数警告が報知された以後の期間に相当する。
図8の例によると、テープフィーダー5A、5B、5C、5Dに対しては、それぞれ時間t1a、t1b、t1c、t1dで一の部品供給リール7に部品切れが発生する。また、テープフィーダー5A、5Bに対しては、それぞれ時間t2a、t2bで残数警告が報知される。その結果、ステップS202では、テープフィーダー5A、5B、5C、5Dに対して、それぞれ装着可能期間Ta、Tb、Tc、Tdで装着作業が実行できると算出される。
図7のステップS203では、複数のテープフィーダー5のうち、装着可能期間Ta、Tb、Tc、Tdが重複する複数の候補フィーダーが、設定部913により特定される。特に、複数のテープフィーダー5のうち、残数警告が最初に報知されるテープフィーダー5Aの装着可能期間Taに、その他のテープフィーダー5の装着可能期間が重複するように、候補フィーダーが特定される。ここの例では、具体的には、重複期間Toにおいて、装着可能期間Ta、Tb、Tdが重複しているため、3個のテープフィーダー5A、5B、5Dが候補フィーダーとして特定される。
ステップS204では、候補フィーダー5A、5B、5Dの装着可能期間Ta、Tb、Tdに重複するように装着時間tsが、設定部913により設定される。具体的には、装着可能期間Ta、Tb、Tdが重複する重複期間Toの開始時間t1b、換言すれば、候補フィーダー5A、5B、5Dのうち一の部品供給リール7の部品切れが最後に発生する時間t1bが装着時間tsに設定される。こうして、3台の候補フィーダー5A、5B、5Dに対して装着時間tsが共通化され、1度の補給作業でこれら候補フィーダー5A、5B、5Dへの装着作業をまとめて実行することが可能となる。なお、装着時間tsは、必ずしも時間t1bに一致している必要は無く、時間t1bより後に設定されても構わない。つまり、装着時間tsは重複期間Toに重複する適宜の時間に設定することができる。
なお、図7および図8では、1つの装着時間tsを設定する場合を例示した。しかしながら、複数の装着時間tsを設定することもできる。つまり、上述の要領で1回目の装着時間ts1を設定し、当該装着時間ts1で装着作業が実行されたと仮定した上で、さらに上述の要領でステップS202〜S204を実行して2回目の装着時間ts2を設定することができる。そして、これらを繰り返すことで、3回目以後の装着時間tsも適宜設定できる。
このようにして、部品補給管理装置9は、各テープフィーダー5に装着作業を実行する装着時間tsを予測する。そして、この装着時間tsは、ユーザーインターフェース94を介してオペレーターに報知される。したがって、オペレーターは、装着時間tsに応じたタイミングで装着作業を実行することができる。
ところで、部品実装機1で基板Bに実装されるLED等の一部の部品(「ランク部品」と適宜称する)は、その特性に応じてランク分けされている。したがって、生産対象である部品実装基板Bに求められる特性に応じたランクのランク部品を実装する必要がある。また、このランク部品の実装態様は、指定実装、調整実装あるいは混成実装等と種々の態様が存在する。これらの実装態様について、LEDがランクRa、ランクRbおよびランクRcの3段階にランク分けされている場合を用いて説明する。
指定実装は、特定の一のランクを指定する実装態様であり、例えば、ランクRbが指定された場合には、ランクRbのLEDが選択的に実装される。この指定実装では、当該指定実装に使用されるNa個(Naは2以上の整数)のテープフィーダー5に対しては、指定ランク(ランクRb)のLEDを収納する部品供給リール7が装着される。
調整実装は、LEDの特性に相関を有する他の部品の特性、具体的には制限抵抗の抵抗値をLEDのランクに応じて調整する実装態様であり、例えば、輝度の高い順にランクRa、Rb、Rcとランク分けされている場合には、制限抵抗の抵抗値をランクRa、Rb、Rcの順に高くする(つまり、輝度の高いLEDほど、低い抵抗値の制限抵抗が取り付けられる)。この調整実装では、当該調整実装に使用されるNa個のテープフィーダー5のうち、LEDを供給するテープフィーダー5に対しては、所定ランクのLEDを収納する部品供給リール7が装着され、制限抵抗を供給するテープフィーダー5に対しては、所定ランクに対応する抵抗値の制限抵抗を収納する部品供給リール7が装着される。
混成実装は、異なるランクRa、Rb、Rcを、所定の混成割合で混在させる実装態様である。この混成実装では、当該混成実装で使用されるNa個のテープフィーダー5の間でLEDのランクが混成割合に応じて振り分けられ、これらのテープフィーダー5のそれぞれには、この振り分けで対応付けられたランクのLEDを収納する部品供給リール7が装着される。
そして、指定実装、調整実装あるいは混成実装といったランク実装に使用される部品(LEDあるいは制限抵抗等)を供給するNa個のテープフィーダー5は互いに対応付けられて管理される。このテープフィーダー5の管理は、部品補給管理装置9の制御部91(例えば、設定部913)により実行することができる。
なお、部品実装基板Bに実装する特性部品の特性は、生産計画Ppの途中で変更される場合がある。このような特性変更に際しては、ランク部品を供給するテープフィーダー5に装着される部品供給リール7を変更する特性変更作業を、オペレーターが実行する必要となる。そこで、部品補給管理装置9は、ランク実装に使用される部品を対応付けたランクテーブルRT(図4)を記憶部92に記憶し、このランクテーブルRTを用いて特性変更作業を管理する。
図9はランクテーブルの一例を示す図である。特に図9では、調整実装に使用されるランクテーブルRTが示されている。このランクテーブルRTは、ランクRa、Rb、RcのLEDに5kΩ、10kΩ、15kΩの抵抗値の制限抵抗をそれぞれ対応付ける。したがって、特性変更作業によって調整実装でのLEDのランクがランクRaからランクRbに変更される場合には、ランクRaのLEDを供給していたテープフィーダー5からランクRaのLEDを収納する部品供給リール7が取り外されて、ランクRbのLEDを収納する部品供給リール7が装着される。また、5kΩの抵抗値の制限抵抗を供給していたテープフィーダー5から5kΩの抵抗値のLEDを収納する部品供給リール7が取り外されて、10kΩの抵抗値の制限抵抗を収納する部品供給リール7が装着される。
そして、部品補給管理装置9は、オペレーターが特性変更作業と上述の装着作業とを効率的に実行できるように、特性変更作業を実行する変更時間と装着作業を実行する装着時間とを管理する。続いては、この点について説明する。
図10は特性変更作業を実行する変更時間を考慮した装着時間設定の一例を示すフローチャートであり、図11は図10のフローチャートでの演算処理の一例をタイミングチャートで模式的に示す図である。図11での表記は、図8のそれと同様である。
ステップS301では、取得部911が生産計画管理装置82から生産計画Ppを取得して記憶部92に保存する。ステップS302では、部品実装機1に生産計画Ppを実行させた場合に、特性変更作業が必要となる変更時間が設定部913により予測される。この変更時間は、生産計画Ppにおける生産方針に応じて決まり、かかる生産方針には種々の態様が存在する。具体的には、所定の特性を有する予定枚数の部品実装基板Bを生産した時点や、部品保管庫81に保管の特定のランク部品を使い切った時点などに変更時間tcが設定される。
ステップS303では、装着可能期間が変更時間tcに重複するテープフィーダー5が設定部913により探索される(探索処理)。この探索処理は、部品実装機1で使用されるN個(Nは4以上の整数)のテープフィーダー5のうち、ステップS302で予測した変更時間tcでの特性変更作業の対象となるNa個のテープフィーダー5とは異なるNb個(Nbは2以上の整数)のテープフィーダー5を対象に実行される。さらに言えば、この変更時間tcとは異なる時間で特性変更作業の対象となるテープフィーダー5は、探索処理の対象となるNb個のテープフィーダー5に含まれる。
図11の例では、テープフィーダー5A、5Bの装着可能期間Ta、Tbは互いに重複していることから、先に実行された図7のフローチャートによって、テープフィーダー5A、5Bに対しては共通の装着時間ts1が設定されている。同様に、テープフィーダー5C、5Dの装着可能期間Tc、Tdは互いに重複していることから、テープフィーダー5C、5Dに対しては共通の装着時間ts2が設定されている。そして、テープフィーダー5A、5Bの装着可能期間Ta、Tbが変更時間tcに重複していることから、探索処理では、テープフィーダー5A、5Bが探索されることとなる。
ステップS304では、設定部913は、探索処理で探索されたテープフィーダー5の装着時間tsを変更時間tcに設定する。つまり、図11の例では、テープフィーダー5A、5Bに対する装着時間tsが装着時間ts1から変更時間tcに変更される。 また、Na個のテープフィーダー5に対する特性変更作業と、テープフィーダー5A、5Bに対する装着作業とを変更時間tcに実行するように、ユーザーインターフェース94を介してオペレーターに報知される。
なお、ここでは、図7のフローチャートを行ってから図10のフローチャートを行う場合を例示した。しかしながら、図10のフローチャートを行ってから、図10で装着時間tsが変更時間tcに設定されたテープフィーダー5以外のテープフィーダー5を対象に図7のフローチャートを行っても良い。
以上に説明した実施形態では、Na個のテープフィーダー5(第1フィーダー)に対する特性変更作業が必要となる変更時間tcが生産計画Ppに基づき予測される。さらに、部品供給リール7の装着が実行可能となる装着可能期間Ta、Tbが変更時間tcと重複するテープフィーダー5A、5B(第2フィーダー)が探索される(探索処理)。そして、探索処理で探索されたテープフィーダー5A、5Bについての装着時間tsが変更時間tcに設定される。したがって、テープフィーダー5A、5Bに部品供給リール7を装着する装着作業と特性変更作業とをまとめて、変更時間tcに応じて実行することができる。その結果、オペレーターがこれらの作業を効率的に行うことができ、オペレーターの作業負担を軽減することが可能となっている。
また、探索処理で探索されたテープフィーダー5A、5Bに対する装着作業と、特性変更作業とを変更時間tcに実行するようにオペレーターに報知するユーザーインターフェース94(報知部)が具備されている。かかる構成では、変更時間tcに応じて装着作業と特性変更作業とをオペレーターに確実に実行させることができる。
ところで、ランク実装に使用される各テープフィーダー5に対する装着時間tsは、上述のように、図7のフローチャートに従って実行される。ただし、かかるテープフィーダー5に対しては、変更時間tcも併せて設定される。そのため、例えば、装着時間tsの直後に変更時間tcが設定される等の理由により、装着時間tsで装着作業を行うことが合理的でない場合がある。続いては、このような場合に好適に対応できる構成について説明する。
図12はランク実装に使用されるテープフィーダーを対象とする装着態様決定の一例を示すフローチャートであり、図13は図12のフローチャートでの演算処理の一例をタイミングチャートで模式的に示す図である。これらに示す装着態様決定は、制御部91の設定部913により実行される。
図13のタイミングチャートでは、ランク実装に使用されるテープフィーダー5に対する残存部品総数を縦軸とし、時間を横軸として、互いに異なる4種類の部品実装基板B1〜B4を順番に生産する生産計画Ppの実行に伴う残存部品総数の変化が示されている。基板B1〜B4の種類の違いに応じて、部品が使用されるレート(単位時間あたりに供給される部品の個数)が異なる。そのため、生産する基板B1〜B4が変更される度に、部品の使用レート、すなわちタイミングチャートの傾きが変わる。
図13に示すように、時間t1において、テープフィーダー5に装着された2個の部品供給リール7のうち先に使用される先行の部品供給リール7が使い切られて、装着可能期間Tが開始する。この時間t1において、先行の部品供給リール7は、テープフィーダー5に装着中でなくなり、その部品供給テープTPはテープフィーダー5から排出される。また、時間t1以後は、2個の部品供給リール7のうち後に使用される後続の部品供給リール7が使用されることとなる。
ステップS401では、上述の要領で設定された変更時間tcが取得される。図13の例では、基板B3から基板B4に生産品種が切り換わるのに伴って、ランク部品のランクが変更されるため、当該生産品種の切り換え時点に変更時間tcが設定されている。ステップS402では、対象のテープフィーダー5に対して装着された2個の部品供給リール7のうち、先に使用される先行の部品供給リール7が変更時間tcの前に部品切れを起こすかが予測される。
部品切れを起こさない場合(ステップS402で「NO」の場合)には、テープフィーダー5に装着された状態で待機する後続の部品供給リール7は、変更時間tcまで使われること無く、変更時間tcで取り外されることとなる。そこで、ステップS403では、変更時間tcより前に、後続の部品供給リール7を対象のテープフィーダー5から取り外すと決定される。そして、ステップS403での決定内容は、ユーザーインターフェース94を介してオペレーターに報知される。
一方、部品切れを起こす場合(ステップS402で「YES」の場合)には、部品切れが生じる時間t1、換言すれば装着可能期間Tの開始時間t1における残存部品総数Qt1(図13)が対象のテープフィーダー5について予測される(ステップS404)。さらに、時間t1から変更時間tcまでに対象のテープフィーダー5により供給予定の部品の個数Qtc(図13)が予測される(ステップS405)。
ステップS406では、ステップS404、S405での予測結果に基づき、後続の部品供給リール7が変更時間tcまでに部品切れを起こすか否かが予測される。具体的には、供給予定個数Qtcが残存部品総数Qt1より多ければ、部品切れを起こすと判断され、供給予定個数Qtcが残存部品総数Qt1以下であれば、部品切れを起こさないと判断される。
そして、部品切れが発生する場合(ステップS406で「YES」の場合)には、対象のテープフィーダー5に対して、装着可能期間Tにおいて装着作業を実行すると決定される(ステップS407)。一方、部品切れが発生しない場合(ステップS406で「NO」の場合)には、テープフィーダー5に対して装着作業を実行しないと決定される(ステップS408)。そして、ステップS407、S408での決定内容は、ユーザーインターフェース94を介してオペレーターに報知される。
以上に説明した実施形態では、部品実装機1で部品実装に使用されるN個のテープフィーダー5のうち複数の候補フィーダー5の装着可能期間Tに重複させて装着時間tsが設定される。そして、複数の候補フィーダー5に含まれる、ランク実装に使用されるテープフィーダー5については、変更時間tcまでに供給する予定の部品の個数Qtcと残存部品総数Qt1とに基づき、装着可能期間Tにおける装着作業の要否が判断される。かかる構成では、生産計画Ppに対して不要な部品供給リール7を装着する装着作業の発生が抑制され、オペレーターの作業負担を軽減することができる。
また、設定部は、ランク実装に使用されるテープフィーダー5に装着された部品供給リール7のうち、変更時間tcまで当該テープフィーダー5により使用されないと予想した部品供給リール7を、変更時間tcより前に当該テープフィーダー5から取り外すと決定される。かかる構成では、変更時間tcにおける作業量を減らして、オペレーターの作業負担を軽減することができる。
このように本実施形態では、部品実装システム100が本発明の「部品実装システム」の一例に相当し、部品実装機1が本発明の「部品実装機」の一例に相当し、部品補給管理装置9が本発明の「部品補給管理装置」の一例に相当し、取得部911が本発明の「取得部」の一例に相当し、設定部913が本発明の「設定部」の一例に相当し、部品供給リール7が本発明の「部品収納部材」の一例に相当し、テープフィーダー5が本発明の「フィーダー」の一例に相当し、Na個のテープフィーダー5が本発明の「Na個の第1フィーダー」の一例に相当し、Nb個のテープフィーダー5が本発明の「Nb個の第2フィーダー」の一例に相当し、候補フィーダー5が本発明の「候補フィーダー」の一例に相当し、基板Bが本発明の「基板」の一例に相当し、生産計画Ppが本発明の「生産計画」の一例に相当し、装着時間ts、ts1、ts2が本発明の「装着時間」の一例に相当し、装着可能期間Tが本発明の「装着可能期間」の一例に相当し、ステップS302が本発明の「予測処理」の一例に相当し、ステップS303が本発明の「探索処理」の一例に相当し、ユーザーインターフェース94が本発明の「報知部」の一例に相当する。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したものに対して種々の変更を加えることが可能である。例えば、上記実施形態では、装着時間設定および装着態様決定といった各処理を実行するタイミングについては特に述べなかったが、当該処理は種々のタイミングで実行できる。具体的には、生産計画Ppを開始する前に当該処理を実行しても良いし、装着作業が実行される度に、次の装着作業や特性変更作業のために当該処理を実行しても良いし、変更時間tcが実行される度に、次の特性変更作業や装着作業のために当該処理を実行しても良い。
また、1台のテープフィーダー5に装着可能な部品供給リール7の個数は2個に限られず、例えば3個以上でも良い。
また、フィーダーの種類はテープフィーダーに限られず、トレイフィーダーあるいはスティックフィーダーでも良い。
また、ランク分けの対象部品はLEDに限られない。例えば、光電素子をその特性に応じてランク分けして用いるような場合に、上記実施形態を同様に適用できる。
また、上記実施形態の特性変更作業では、Na個のテープフィーダー5に装着される部品供給リール7をまとめて変更する特性変更作業を実行する例を挙げた。しかしながら、ランク部品を供給する単一のテープフィーダー5に装着される部品供給リール7を変更する特性変更作業を実行する場合についても、本発明を適用することができる。
この例では、ランク部品を供給する単一のテープフィーダー5(第1フィーダー)に対する特性変更作業が必要となる変更時間tcが生産計画Ppに基づき予測される。さらに、部品供給リール7の装着が実行可能となる装着可能期間Tが変更時間tcと重複する他のテープフィーダー5(第2フィーダー)が、部品実装機1で使用される複数のテープフィーダー5のうちから探索される(探索処理)。そして、他のテープフィーダー5についての装着時間tsが変更時間tcに設定される。
したがって、他のテープフィーダー5に部品供給リール7を装着する装着作業と、ランク部品を供給するテープフィーダー5に対する特性変更作業とをまとめて、変更時間tcに応じて実行することができる。その結果、オペレーターがこれらの作業を効率的に行うことができ、オペレーターの作業負担を軽減することが可能となっている。
1…部品実装機
100…部品実装システム
5…テープフィーダー(フィーダー)
7…部品供給リール(部品収納部材)
9…部品補給管理装置
911…取得部
913…設定部
94…ユーザーインターフェース(報知部)
B…基板
Pp…生産計画
ts、ts1、ts2…装着時間
T…装着可能期間
S302…予測処理
S303…探索処理
100…部品実装システム
5…テープフィーダー(フィーダー)
7…部品供給リール(部品収納部材)
9…部品補給管理装置
911…取得部
913…設定部
94…ユーザーインターフェース(報知部)
B…基板
Pp…生産計画
ts、ts1、ts2…装着時間
T…装着可能期間
S302…予測処理
S303…探索処理
Claims (7)
- 装着された複数の部品収納部材を順番に用いて当該部品収納部材から部品を供給するフィーダーを複数用いて部品を基板に実装することで部品実装基板を生産する生産計画を取得する取得部と、
前記複数の部品収納部材のうち一の部品収納部材の部品が切れてから、前記複数の部品収納部材に残存する部品の総数である残存部品総数が所定個数まで減少するまでの装着可能期間を前記フィーダーについて前記生産計画から予測した結果に基づき、前記一の部品収納部材の部品が切れた後に別の部品収納部材を前記フィーダーに装着する装着作業のタイミングを示す装着時間を設定する設定部と
を備え、
前記複数のフィーダーは、第1フィーダーと、前記第1フィーダーと異なる第2フィーダーとを含み、
前記設定部は、前記基板に実装する部品の特性変更のために前記第1フィーダーに対して装着される前記部品収納部材を変更する特性変更作業が必要となる変更時間を前記生産計画に基づき予測する予測処理と、前記装着可能期間が前記変更時間に重複すると予測される前記第2フィーダーを探索する探索処理とを実行し、前記探索処理で探索された前記第2フィーダーについての前記装着時間を前記変更時間に設定する部品補給管理装置。 - 前記複数のフィーダーは、それぞれに装着される前記部品収納部材が前記基板に実装する部品の特性に応じて互いに対応付けられた複数の第1フィーダーを含み、
前記設定部は、前記予測処理において、前記基板に実装する部品の特性変更のために前記複数の第1フィーダーの全てに対して装着される前記部品収納部材を変更する前記特性変更作業が必要となる前記変更時間を前記生産計画に基づき予測する請求項1に記載の部品補給管理装置。 - 前記探索処理で探索された前記第2フィーダーに対する前記装着作業と、前記特性変更作業とを前記変更時間に実行するようにオペレーターに報知する報知部をさらに備える請求項1または2に記載の部品補給管理装置。
- 前記設定部は、前記複数のフィーダーのうち複数の候補フィーダーの前記装着可能期間に重複させて前記装着時間を設定するとともに、前記複数の候補フィーダーに含まれる前記第1フィーダーについては、前記変更時間までに供給する予定の部品の個数と前記残存部品総数とに基づき、前記装着作業を実行するか否かを決定する請求項1ないし3のいずれか一項に記載の部品補給管理装置。
- 前記設定部は、前記第1フィーダーに装着された前記部品収納部材のうち、前記変更時間まで前記第1フィーダーにより使用されないと予想した前記部品収納部材を、前記変更時間より前に前記第1フィーダーから取り外すと決定する請求項1ないし4のいずれか一項に記載の部品補給管理装置。
- 装着された複数の部品収納部材を順番に用いて当該部品収納部材から部品を供給するフィーダーをN個(Nは4以上の整数)用いて部品を基板に実装することで部品実装基板を生産する生産計画を実行する部品実装機と、
前記請求項1ないし5のいずれか一項に記載の部品補給管理装置と
を備える部品実装システム。 - 装着された複数の部品収納部材を順番に用いて当該部品収納部材から部品を供給するフィーダーを複数用いて部品を基板に実装することで部品実装基板を生産する生産計画を取得する工程と、
前記複数の部品収納部材のうち一の部品収納部材の部品が切れてから、前記複数の部品収納部材に残存する部品の総数である残存部品総数が所定個数まで減少するまでの装着可能期間を前記フィーダーについて前記生産計画から予測した結果に基づき、前記一の部品収納部材の部品が切れた後に別の部品収納部材を前記フィーダーに装着する装着作業のタイミングを示す装着時間を設定する工程と
を備え、
前記複数のフィーダーは、第1フィーダーと、前記第1フィーダーと異なる第2フィーダーとを含み、
前記装着時間を設定する工程では、前記基板に実装する部品の特性変更のために前記第1フィーダーに対して装着される前記部品収納部材を変更する特性変更作業が必要となる変更時間を前記生産計画に基づき予測する予測処理と、前記装着可能期間が前記変更時間に重複すると予測される前記第2フィーダーを探索する探索処理とを実行し、前記探索処理で探索された前記第2フィーダーについての前記装着時間を前記変更時間に設定する部品補給管理方法。
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