以下、本発明の実施形態に係る部品補給管理システム及び部品実装システムについて図面に基づいて説明する。
[部品実装システムの全体構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る部品実装システム1の構成を概略的に示す図である。部品実装システム1は、実装機2と、部品補給管理システム3と、実装機動作管理装置4と、生産計画管理装置5と、段取り管理装置6と、部品出庫管理装置7と、部品補給効率化管理装置8とを備える。部品実装システム1において、実装機動作管理装置4、生産計画管理装置5、段取り管理装置6、部品出庫管理装置7、及び部品補給効率化管理装置8は、部品補給管理システム3とデータ通信可能に接続され、実装機2による実装基板の生産を管理する管理装置である。部品実装システム1では、複数の実装機2が並設されている。なお、図1に示す例では、4台の実装機2が並設されている。
<実装機の構成>
まず、図2を参照して実装機2の構成を説明する。図2は、実装機2の構成を示す平面図である。なお、以下では、方向関係についてはXY直交座標軸を用いて説明する。X軸方向の一方向側を「+X側」と称し、X軸方向の一方向側とは反対の他方向側を「−X側」と称する。また、Y軸方向の一方向側を「+Y側」と称し、Y軸方向の一方向側とは反対の他方向側を「−Y側」と称する。
実装機2は、基板Pに部品を実装して実装基板を生産する装置である。実装機2は、本体フレーム21と、移動フレーム22と、コンベア23と、部品供給部24と、ヘッドユニット25と、第1駆動機構26と、第2駆動機構27とを備える。
本体フレーム21は、実装機2を構成する各部が配置される構造体であり、X軸方向及びY軸方向の両方向と直交する方向から見た平面視で略矩形状に形成されている。コンベア23は、X軸方向に延び、本体フレーム21に配置される。コンベア23は、基板PをX軸方向に搬送する。基板Pは、コンベア23上を搬送されて、所定の作業位置(基板P上に部品が実装される実装位置)に位置決めされるようになっている。
部品供給部24は、本体フレーム21におけるY軸方向の+Y側及び−Y側の領域部分にそれぞれ、X軸方向に2箇所ずつ合計4箇所に配置される。部品供給部24は、基板Pに実装される部品を供給するものであり、複数の部品供給装置241を備える。部品供給装置241は、部品が収納された部品収納部材を装着可能な装置である。本実施形態では、部品供給装置241は、部品収納部材としてのリールに、部品を所定間隔おきに収納した部品収納テープが巻回され、そのリールから部品収納テープが送出されるように構成された、テープフィーダーである。
テープフィーダーは、一般的に、スプライシングフィーダーとオートローディングフィーダー(ALF)とに大別される。スプライシングフィーダーは、1本のリールが装着されるように構成されており、そのリールからの部品収納テープの送出が完了して部品切れになる前に、当該部品収納テープから後続の部品収納テープへと移行させるために、先行する部品収納テープの末端部と後続の部品収納テープの先端部との間をスプライシングテープ等で貼り付けて両者を接続する。すなわち、スプライシングフィーダーでは、1本のリールからの部品収納テープの送出が完了して部品切れになる前に、スプライシングテープ等で貼り付けるスプライシング作業が行われるので、後続の部品収納テープが巻回されたリールの補給タイミングは、先行の部品収納テープの送出が完了した時点に拘束される。
一方、ALFは、複数のリールが装着可能に構成されており、複数のリールのうち、部品供給が先行して行われる部品収納テープ(以下、「先行する部品収納テープ」という)が巻回された一のリールからの部品収納テープの送出が完了すると、スプライシング作業を行うことなく自動的に、後続する部品収納テープが巻回された他のリールから部品収納テープが送出される。すなわち、ALFにおいて、新たなリールの補給タイミングは、先行する部品収納テープが巻回された一のリールからの部品収納テープの送出が完了した時点に拘束されることなく、スプライシングフィーダーに比べて自由度がある。
本実施形態では、部品供給部24に備えられるテープフィーダーとしては、スプライシングフィーダーとALFとが混在しても構わないが、部品収納部材としてのリールを複数装着可能なALFが、部品供給装置241として複数配置されている。このALFからなる部品供給装置241の詳細については、後述する。
移動フレーム22は、X軸方向に延び、本体フレーム21に、所定の移動方向(Y軸方向)に移動可能に支持される。この移動フレーム22にヘッドユニット25が搭載されている。ヘッドユニット25は、X軸方向に移動可能となるように、移動フレーム22に搭載される。すなわち、ヘッドユニット25は、移動フレーム22の移動に伴ってY軸方向に移動可能であり、且つ、移動フレーム22に沿ってX軸方向に移動可能である。ヘッドユニット25は、部品供給部24とコンベア23により搬送された基板Pの所定の作業位置とにわたって移動可能とされ、部品供給部24から部品を取り出すとともに、その取り出した部品を基板P上に実装する。
第1駆動機構26は、本体フレーム21の+X側及び−X側の端部に配設される。第1駆動機構26は、移動フレーム22をY軸方向に移動させる機構である。第1駆動機構26は、例えば、駆動モーターと、Y軸方向に延び、駆動モーターに連結されるボールねじ軸と、移動フレーム22に配設されてボールねじ軸と螺合するボールナットと、を含んで構成される。このような構成の第1駆動機構26は、駆動モーターによるボールねじ軸の回転駆動に伴ってボールナットがボールねじ軸に沿って進退することにより、移動フレーム22をY軸方向に移動させる。
第2駆動機構27は、移動フレーム22に配設される。第2駆動機構27は、ヘッドユニット25を移動フレーム22に沿ったX軸方向に移動させる機構である。第2駆動機構27は、第1駆動機構26と同様に、例えば、駆動モーターと、X軸方向に延び、駆動モーターに連結されるボールねじ軸と、ヘッドユニット25に配設されてボールねじ軸と螺合するボールナットと、を含んで構成される。このような構成の第2駆動機構27は、駆動モーターによるボールねじ軸の回転駆動に伴ってボールナットがボールねじ軸に沿って進退することにより、ヘッドユニット25をX軸方向に移動させる。
<部品供給装置を備えた部品供給部の構成>
次に、図3乃至図7を参照して、部品供給装置241を備えた部品供給部24の構成を詳細に説明する。図3は、実装機2における部品供給部24の構成を概略的に示す図である。図4乃至図6は、部品供給部24の部品供給装置241における部品供給動作の説明図である。図7は、部品供給部24における部品供給装置241に装着される部品収納テープ243を示す斜視図である。
本体フレーム21の4箇所にそれぞれ配置される部品供給部24は、部品供給装置241が台車242に複数並設されてなる。ALFからなる部品供給装置241は、部品収納テープ243が巻回された複数のリール2420を装着可能である。
部品供給装置241の構成を説明するに先立って、図7を参照して部品収納テープ243を説明する。部品収納テープ243は、キャリアテープ2431とカバーテープ2434とからなる。キャリアテープ2431は、部品Eを収納する部品収納部2433が所定の間隔をおいて複数配列されたテープである。また、キャリアテープ2431には、その幅方向一端部に、後述する部品供給装置241における第1スプロケット2412A及び第2スプロケット2413Aの歯部と嵌合し、第1スプロケット2412A及び第2スプロケット2413Aにより部品収納テープ243を送出させるための搬送力が伝達される搬送力伝達孔2432が所定の間隔を有して配列されている。カバーテープ2434は、部品収納部2433を覆うようにキャリアテープ2431に貼付されたテープである。
図3に示すように、部品供給装置241は、部品供給部24に設けられたフィーダー取付部2417Aに取り付けられている。詳しくは、部品供給部24には、フィーダー取付部2417Aと、リール支持部2419とが設けられている。フィーダー取付部2417Aには、X軸方向に一定間隔で並びかつY軸方向に互いに平行に延びる複数のスロット2417Bと、これらスロット2417Bよりも前側の位置でX軸方向に延びる固定台2417Cとが設けられている。そして、各スロット2417Bに部品供給装置241がセットされ、各部品供給装置241が固定台2417Cに固定されている。これにより、部品供給部24において複数の部品供給装置241が台車242に並設されている。
リール支持部2419は、フィーダー取付部2417Aの後方下側に位置しており、リール2420を回転可能に支持する第1リールホルダ2419A及び第2リールホルダ2419Bを、上下方向に互いに離間した状態で支持する。第1リールホルダ2419A及び第2リールホルダ2419Bの各々に支持されるリール2420には、部品収納テープ243が巻回されている。
部品供給装置241は、フィーダー本体2411を備えている。部品供給装置241は、スロット2417Bにフィーダー本体2411が挿入(セット)された状態で、固定台2417Cに固定されている。フィーダー本体2411には、第1テープ送出部2412を構成する第1スプロケット2412Aと、その第1スプロケット2412Aに対してリール支持部2419から離れるようにY軸方向に離間した、第2テープ送出部2413を構成する第2スプロケット2413Aとが、回転可能に支持されている。第1スプロケット2412A及び第2スプロケット2413Aはそれぞれ、周方向に所定の間隔を有して配列した複数の歯部を備える。第1スプロケット2412A及び第2スプロケット2413Aの歯部は、部品収納テープ243のキャリアテープ2431に形成された搬送力伝達孔2432と嵌合可能である。
第1リールホルダ2419A及び第2リールホルダ2419Bの各々に支持されるリール2420に巻回された部品収納テープ243は、リール支持部2419の上端に配設されたガイドローラー2418にガイドされつつ第1スプロケット2412A及び第2スプロケット2413Aに導かれる。搬送力伝達孔2432が第1スプロケット2412A及び第2スプロケット2413Aの歯部と嵌合された部品収納テープ243は、第1スプロケット2412A及び第2スプロケット2413Aの回転により送出され、部品供給位置P1で部品Eの取り出しが行われる。
部品供給装置241は、更に、フィーダー本体2411の後端部に着脱可能に固定されたテープ支持部材2414と、フィーダー本体2411の後部上面に配置された操作入力部2415と、第1、第2テープ検知センサ2416A、2416Bと、を備えている。
テープ支持部材2414は、図3に示すように、フィーダー本体2411の内部において部品収納テープ243が走行するテープ走行通路2414Aの後端部分を、上下の2つの通路(上側通路2414AA、下側通路2414AB)に分けるとともに、上側通路2414AAを通過する部品収納テープ243を下側から支持するものである。詳しくは、テープ走行通路2414Aの後端部分は、その前方から後方に向かって上下方向に広がる形状とされている。テープ支持部材2414は、フィーダー本体2411の後方からテープ走行通路2414A内に挿入され、当該フィーダー本体2411に着脱可能に固定されている。これにより、テープ走行通路2414Aの後端部分が、テープ支持部材2414によって上側通路2414AAと下側通路2414ABとに分けられている。
第1テープ検知センサ2416A及び第2テープ検知センサ2416Bは、テープ走行通路2414Aに臨む状態で設けられており、テープ走行通路2414Aを通過する部品収納テープ243の有無を検出する。より具体的には、第1テープ検知センサ2416Aは、上側通路2414AAと下側通路2414ABとの合流地点よりも前方であってテープ走行通路2414Aに下方から臨む位置に設けられている。一方、第2テープ検知センサ2416Bは、上側通路2414AAに上方から臨む位置に設けられており、これにより、上側通路2414AAにおける部品収納テープ243の有無を検知する。
操作入力部2415は、作業者が必要に応じて部品収納テープ243の送出及び逆送を行うものである。
以上のように構成される部品供給装置241の部品供給動作は、図3乃至図6を参照して説明すると、次の通りである。まず準備作業として、作業者は、リール支持部2419の下段の第1リールホルダ2419Aに先行する部品収納テープ243が巻回されたリール2420を取り付け、そのリール2420に巻回された部品収納テープ243の先端部をフィーダー本体2411の後方から上側通路2414AAに挿入する。これにより、先行する部品収納テープ243の先端部は、第1スプロケット2412Aと嵌合された状態で、テープ支持部材2414により支持される。その後、作業者は、操作入力部2415を操作し、第1スプロケット2412Aを回転させる指示を入力して部品収納テープ243を送出させ、部品供給テープ243の先端部を第2スプロケット2413Aと嵌合させる。
上記の準備作業が終了した状態で、部品供給装置241の部品供給動作が開始される。部品供給装置241において、第2スプロケット2413Aは回転し、これにより部品収納テープ243を送出する。なお、第1スプロケット2412Aは空転するように構成されており、このとき、第2スプロケット2413Aを回転させるのみで部品収納テープ243を送出することができる。
次に、リール2420から先行する部品収納テープ243が送出されている状態で、作業者は、フィーダー本体2411からテープ支持部材2414を取り外す。テープ支持部材2414が取り外されると、図3に示すように、部品収納テープ243がその自重によってテープ走行通路2414A底面部に変位する。これにより、先行する部品収納テープ243の第1スプロケット2412Aとの嵌合が解除される。このとき、部品収納テープテープ243は、第2スプロケット2413Aと嵌合されているので、第1スプロケット2412Aとの嵌合が解除されても、第2スプロケット2413Aの回転により送出され続ける。
次に、リール2420から先行する部品収納テープ243が送出されている状態で、作業者は、テープ支持部材2414をフィーダー本体2411に装着し、図4に示すように、先行する部品収納テープ243が巻回されたリール2420を下段の第1リールホルダ2419Aから上段の第2リールホルダ2419Bに移動させる。次に、上段の第2リールホルダ2419Bに支持されたリール2420から先行する部品収納テープ243が送出されている状態で、作業者は、図5に示すように、後続する部品収納テープ243が巻回されたリール2420を下段の第1リールホルダ2419Aに取り付け、その部品収納テープ243の先端部をフィーダー本体2411の後方から上側通路2414AAに挿入する。これにより、後続する部品収納テープ243の先端部は、第1スプロケット2412と嵌合された状態で、テープ支持部材2414により支持される。このようにして、リール2420に巻回される先行の部品収納テープ243の部品切れが発生していない状態で、後続の部品収納テープ243が巻回されたリール2420を装着することができる。
その後、上段の第2リールホルダ2419Bに支持されたリール2420から、先行する部品収納テープ243が全て引き出され、図6に示すように、その後端が第2テープ検知センサ2416Bの位置を通過して、先行する部品収納テープ243が無いことが検知されると、下段の第1リールホルダ2419Aに支持されたリール2420からの、後続する部品収納テープ243の送出が自動的に開始される。そして、作業者は、部品切れとなったリール2420を上段の第2リールホルダ2419Bから取り外し、後続する部品収納テープ243が巻回されたリール2420を下段の第1リールホルダ2419Aから上段の第2リールホルダ2419Bに移動させる。このとき、作業者は、部品収納テープ243が巻回された新たなリールを、部品供給装置241に対して補給することができる。部品供給装置241に対して補給された新たなリールは、作業者によって下段の第1リールホルダ2419Aに取り付けられる。ここで、新たなリールの補給タイミングは、先行する部品収納テープ243が巻回されたリール2420が部品切れとなる時点に拘束されることはなく、部品補給管理システム3によって特定される。
なお、上段の第2リールホルダ2419Bに支持されたリール2420から先行する部品収納テープ243が送出され、下段の第1リールホルダ2419Aに支持されたリール2420に巻回された後続する部品収納テープ243の先端部が上側通路2414AAに挿入された、図5に示す状態では、新たなリールの装着が不能である。一方、上段の第2リールホルダ2419Bに支持されたリール2420から、先行する部品収納テープ243が全て引き出され、下段の第1リールホルダ2419Aに支持されたリール2420からの、後続する部品収納テープ243の送出が自動的に開始された、図6に示す状態では、新たなリールの装着が可能である。
<部品補給管理システムの構成>
部品補給管理システム3は、部品供給部24に備えられた複数の部品供給装置241の各々に対する、部品収納部材としてのリールの補給を管理するシステムである。部品補給管理システム3は、各部品供給装置241に対するリールの補給タイミングを、それぞれ個別に特定するのではなく、作業者による補給作業の負荷を軽減するために、同一の補給タイミングでリールを補給可能な部品供給装置241に対しては、リールの補給作業をまとめて行う、「まとめ補給」を可能とする。この部品補給管理システム3の構成について、図1に加えて図8を参照して説明する。図8は、部品補給管理システム3の構成を示すブロック図である。
部品補給管理システム3は、前述の如く、図1に示すように、実装機動作管理装置4、生産計画管理装置5、段取り管理装置6、部品出庫管理装置7、及び部品補給効率化管理装置8とデータ通信可能に接続されている。また、部品補給管理システム3は、例えばマイクロコンピュータを含み、図8に示すように、データ通信部31と、操作部32と、表示部33と、制御部34とを備える。
部品補給管理システム3において、操作部32は、タッチパネル、テンキー、スタートキー及び設定キー等を備え、部品補給管理システム3に対する作業者の操作や各種の設定を受け付ける。表示部33は、後述の制御部34の補給特定部344、集荷特定部345及び補給効率化特定部346により生成される特定結果情報を表示する。
データ通信部31は、実装機動作管理装置4、生産計画管理装置5、段取り管理装置6、部品出庫管理装置7、及び部品補給効率化管理装置8とのデータ通信を実現させるためのインターフェイス回路である。データ通信部31は、情報取得部311と情報出力部312とを含む。情報取得部311は、実装機動作管理装置4、生産計画管理装置5、段取り管理装置6、部品出庫管理装置7、及び部品補給効率化管理装置8から送信される情報を取得し、その取得した情報を制御部34に与える。情報出力部312は、補給特定部344、集荷特定部345及び補給効率化特定部346により生成される特定結果情報が制御部34から与えられ、その特定結果情報を実装機動作管理装置4、生産計画管理装置5、段取り管理装置6、部品出庫管理装置7、及び部品補給効率化管理装置8に送信(出力)する。
ここで、部品補給管理システム3とデータ通信可能に接続される実装機動作管理装置4、生産計画管理装置5、段取り管理装置6、部品出庫管理装置7、及び部品補給効率化管理装置8について、説明する。
実装機動作管理装置4は、実装機2が配設される実装基板の生産ラインに近設され、実装機2の実装動作を管理するための装置である。実装機動作管理装置4は、例えばマイクロコンピュータからなる。生産ラインの作業者は、実装機動作管理装置4を操作し、実装機2の実装動作を制御させる。実装機動作管理装置4は、生産ラインの作業者の操作によって、各部品供給装置241における第1リールホルダ2419A及び第2リールホルダ2419Bの各々に装着されたリール2420に巻回された部品収納テープ243に収納される部品Eの合計部品残数に関する部品残数情報を、部品補給管理システム3に送信する。実装機動作管理装置4から送信される部品残数情報は、データ通信部31の情報取得部311を介して部品補給管理システム3に入力される。なお、部品残数情報は、後述の段取り管理装置6から送信されるようにしてもよい。また、実装機動作管理装置4は、データ通信部31の情報出力部312を介して部品補給管理システム3から送信される、後述の補給特定部344により生成される特定結果情報が入力される。生産ラインの作業者は、実装機動作管理装置4に入力される前記特定結果情報に基づいて、実装機2に近設される部品保管部20からリールを取り出して、部品供給装置241に対するリールの補給作業を行う。
生産計画管理装置5は、実装機2による実装基板の生産計画を管理するための装置である。生産計画管理装置5は、例えばマイクロコンピュータからなり、生産計画を立案する作業者の操作によって、実装基板の生産計画に関する生産計画情報を部品補給管理システム3に送信する。図9は、生産計画管理装置5から送信され、部品補給管理システム3に入力される生産計画情報JH1を説明するための図である。生産計画管理装置5から送信され、データ通信部31の情報取得部311を介して部品補給管理システム3に入力される生産計画情報JH1は、部品必要数情報JH143及びサイクルタイム情報JH144を少なくとも含む情報である。部品必要数情報JH143は、1枚の実装基板の生産に必要な部品Eの必要数(数/枚)に関する情報である。サイクルタイム情報JH144は、1枚の実装基板の生産時における部品Eの実装に要する時間(秒/枚)に関する情報である。
具体的には、図9に示すように、生産計画情報JH1は、実装基板の生産に供される基板Pを特定するための基板情報JH11、実装基板の生産数を表す生産数情報JH12、実装基板の生産順序を表す生産順序情報JH13、及び、実装基板の生産時に使用される部品Eに関する使用部品情報JH14が関連付けられた情報である。なお、使用部品情報JH14は、部品Eを識別するための部品識別情報JH141、部品Eを特定するための部品種特定情報JH142、前記部品必要数情報JH143、及び前記サイクルタイム情報JH144が関連付けられた情報である。なお、部品必要数情報JH143は、部品識別情報JH141で識別される部品毎に設定されている。また、サイクルタイム情報JH144は、基板情報JH11で特定される基板毎に設定されている。図9を参照して説明すると、サイクルタイム情報JH144にて表されるサイクルタイムは、基板情報JH11で特定される1つの「基板A」に対して、部品識別情報JH141で識別される部品毎(「IA1」、「IA2」)に同値(「AAA1」)であり、基板が異なれば、その基板に対応した値が設定される。
段取り管理装置6は、実装機2による実装基板の生産前に、その生産に必要な段取り作業を管理するための装置である。段取り管理装置6は、例えばマイクロコンピュータからなり、段取り作業に必要な段取り情報を出力する。作業者は、段取り管理装置6からの出力情報に基づいて、段取り作業を行う。また、段取り管理装置6は、作業者の操作によって、段取り情報を部品補給管理システム3に送信する。図10は、段取り管理装置6から送信され、部品補給管理システム3に入力される段取り情報JH2を説明するための図である。段取り管理装置6から送信され、データ通信部31の情報取得部311を介して部品補給管理システム3に入力される段取り情報JH2は、部品残数情報JH24を含む情報であってもよい。部品残数情報JH24は、前述の如く、各部品供給装置241における第1リールホルダ2419A及び第2リールホルダ2419Bの各々に装着されたリール2420に巻回された部品収納テープ243に収納される部品Eの合計部品残数に関する情報であり、本実施形態では実装機動作管理装置4から送信される。
具体的には、図10に示すように、段取り情報JH2は、前記基板情報JH11、台車識別情報JH21、フィーダー識別情報JH22、リール識別情報JH23、前記部品識別情報JH141、前記部品残数情報JH24、及び部品残数警告値情報JH25が関連付けられた情報である。台車識別情報JH21は、部品供給部24において複数の部品供給装置241が並設される台車242を識別するための情報である。フィーダー識別情報JH22は、部品供給装置241を識別するための情報である。リール識別情報JH23は、部品供給装置241における第1リールホルダ2419A及び第2リールホルダ2419Bの各々に装着されるリール2420を識別するための情報である。部品残数警告値情報JH25は、第1リールホルダ2419A及び第2リールホルダ2419Bの各々に装着されるリール2420に巻回された部品収納テープ243に収納される部品Eが部品切れとなる前の、前記部品残数情報JH24で表される合計部品残数が、警告を報知すべき所定値(部品残数警告値)である旨を表す情報である。
部品出庫管理装置7は、部品供給装置241に装着されるリール等が保管される部品庫に配設され、部品庫からの各種部品の出庫を管理するための装置である。部品出庫管理装置7は、例えばマイクロコンピュータからなり、部品庫の作業者によって操作される。部品出庫管理装置7は、データ通信部31の情報出力部312を介して部品補給管理システム3から送信される、後述の集荷特定部345により生成される特定結果情報が入力される。部品庫の作業者は、部品出庫管理装置7に入力される前記特定結果情報に基づいて、部品庫からリール等を出庫して実装機2に近設される部品保管部20に収納し、当該部品保管部20にリール等を集荷させる。
部品補給効率化管理装置8は、例えばマイクロコンピュータからなり、部品供給装置241に対するリールの補給の効率化を立案する作業者によって操作される。部品補給効率化管理装置8は、データ通信部31の情報出力部312を介して部品補給管理システム3から送信される、後述の補給効率化特定部346により生成される特定結果情報が入力される。作業者は、部品補給効率化管理装置8に入力される前記特定結果情報に基づいて、部品供給装置241に対するリールの補給の効率化を図るための対策を立案することができる。
部品補給管理システム3において、制御部34は、CPU(Central Processing Unit)、制御プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)、CPUの作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)等から構成されている。制御部34は、CPUがROMに記憶された制御プログラムを実行することによりデータ通信部31、操作部32及び表示部33を制御するとともに、部品供給部24に備えられた複数の部品供給装置241の各々に対するリールの補給に関する各種特定結果情報を生成する。制御部34は、図8に示すように、通信制御部341と、操作制御部342と、表示制御部343と、補給特定部344と、集荷特定部345と、補給効率化特定部346とを含む。
通信制御部341は、データ通信部31による実装機動作管理装置4、生産計画管理装置5、段取り管理装置6、部品出庫管理装置7、及び部品補給効率化管理装置8とのデータ通信を制御する。操作制御部342は、操作部32を制御する。表示制御部343は、表示部33による情報の表示動作を制御する。
補給特定部344は、データ通信部31の情報取得部311から制御部34に与えられた情報であって、実装機動作管理装置4(又は段取り管理装置6)からの部品残数情報JH24、生産計画管理装置5からの生産計画情報JH1、及び、段取り管理装置6からの段取り情報JH2に基づいて、新たなリールを補給すべき部品供給装置241を特定するとともに、その補給タイミングを特定する。
補給特定部344は、第1特定部3441と、第2特定部3442と、第3特定部3443と、第4特定部3444と、第5特定部3445とを含む。図8に加えて図11を参照して、補給特定部344の構成を説明する。図11は、部品補給管理システム3における補給特定部344の動作を説明するための図である。図11は、各部品供給部24の台車242に並設された複数の部品供給装置241のうち、5つの部品供給装置241A、241B、241C、241D、241Eから部品を供給し、時刻T0に実装基板の生産を開始する例を示している。
補給特定部344の第1特定部3441は、部品供給装置241Aにおいて、第1リールホルダ2419A及び第2リールホルダ2419Bの各々に装着されたリール2420のうちの、部品供給が先行して行われる、一の部品収納部材としての先行する部品収納テープ243が巻回されたリール2420が部品切れとなる第1時刻T2から、部品残数情報JH24で表される合計部品残数が部品残数警告値情報JH25で表される所定の部品残数警告値に達する第2時刻T4までの、新たなリールの補給が可能な時間帯を表す補給可能時間帯TW1Aを、部品供給装置241Aに対応付けて特定する。
具体的には、第1特定部3441は、まず、部品残数情報JH24にて表される合計部品残数から、後続する部品収納テープ243が巻回されたリール2420における部品残数を減算し、先行する部品収納テープ243が巻回されたリール2420における部品残数を求める。更に、第1特定部3441は、部品必要数情報JH143にて表される、1枚の実装基板の生産に必要な部品識別情報JH141で識別される部品毎の必要数を、サイクルタイム情報JH144にて表される、基板情報JH11で特定される基板毎の、1枚の実装基板の生産時における部品の実装時間で除算し、1秒当たりの使用部品数を求める。そして、第1特定部3441は、先行する部品収納テープ243が巻回されたリール2420における前記部品残数を、1秒当たりの前記使用部品数で除算することにより、第1時刻T2を求める。一方、第1特定部3441は、部品残数情報JH24にて表される合計部品残数から、部品残数警告値情報JH25にて表される部品残数警告値を減算した部品数を、1秒当たりの前記使用部品数で除算することにより、第2時刻T4を求める。このようにして求めた第1時刻T2及び第2時刻T4を用いて、第1特定部3441は、補給可能時間帯TW1Aを、部品供給装置241Aに対応付けて特定する。
ところで、部品残数情報JH24にて表される合計部品残数は、ヘッドユニット25にて部品が取り出される毎に減算される。詳細については後述するが、先行する部品収納テープ243が巻回されたリール2420が部品切れとなり、部品供給装置241Aに対して新たなリールが補給されたときには、その新たなリールに巻回された部品収納テープ243に収納される部品の数(初期設定数)を、ヘッドユニット25にて部品が取り出される毎に変化する合計部品残数に加算することにより、合計部品残数が更新される。新たなリールに巻回された部品収納テープ243に収納される部品の数(初期設定数)は、制御部34のROM等に、部品識別情報JH141で識別される部品毎に記憶されている。なお、使用途中の部品収納テープ243が巻回されたリールが新たなリールとして補給された場合には、その部品収納テープ243に収納されている実際の部品数にて、制御部34のROM等に記憶されている前記初期設定数が書き換えられる。
また、第1特定部3441は、部品供給装置241Aの場合と同様にして、部品供給装置241Bにおいて、一の部品収納部材としての先行する部品収納テープ243が巻回されたリール2420が部品切れとなる第1時刻T3から、部品残数情報JH24で表される合計部品残数が部品残数警告値情報JH25で表される所定の部品残数警告値に達する第2時刻T7までの、新たなリールの補給が可能な時間帯を表す補給可能時間帯TW1Bを、部品供給装置241Bに対応付けて特定する。
また、第1特定部3441は、部品供給装置241Aの場合と同様にして、部品供給装置241Cにおいて、一の部品収納部材としての先行する部品収納テープ243が巻回されたリール2420が部品切れとなる第1時刻T1から、部品残数情報JH24で表される合計部品残数が部品残数警告値情報JH25で表される所定の部品残数警告値に達する第2時刻T9までの、新たなリールの補給が可能な時間帯を表す補給可能時間帯TW1Cを、部品供給装置241Cに対応付けて特定する。
また、第1特定部3441は、部品供給装置241Aの場合と同様にして、部品供給装置241Dにおいて、一の部品収納部材としての先行する部品収納テープ243が巻回されたリール2420が部品切れとなる第1時刻T5から、部品残数情報JH24で表される合計部品残数が部品残数警告値情報JH25で表される所定の部品残数警告値に達する第2時刻までの、新たなリールの補給が可能な時間帯を表す補給可能時間帯TW1Dを、部品供給装置241Dに対応付けて特定する。
また、第1特定部3441は、部品供給装置241Aの場合と同様にして、部品供給装置241Eにおいて、一の部品収納部材としての先行する部品収納テープ243が巻回されたリール2420が部品切れとなる第1時刻T8から、部品残数情報JH24で表される合計部品残数が部品残数警告値情報JH25で表される所定の部品残数警告値に達する第2時刻までの、新たなリールの補給が可能な時間帯を表す補給可能時間帯TW1Eを、部品供給装置241Eに対応付けて特定する。
補給特定部344の第2特定部3442は、第1特定部3441により特定された各補給可能時間帯TW1A、TW1B、TW1C、TW1D、TW1Eのうち、前記第2時刻が最も早い補給可能時間帯TW1Aを第1補給可能時間帯として認識する。そして、第2特定部3442は、当該第1補給可能時間帯TW1Aに対応した部品供給装置241Aを、新たなリールを優先して補給すべき第1部品供給装置として特定する。
補給特定部344の第3特定部3443は、第1特定部3441により特定された各補給可能時間帯TW1A、TW1B、TW1C、TW1D、TW1Eを参照し、第2特定部3442が認識した前記第1補給可能時間帯TW1A内で新たなリールの補給が可能な、部品供給装置241A以外の部品供給装置241B、241Cを、第2部品供給装置として特定する。
より具体的には、第3特定部3443は、各補給可能時間帯TW1A、TW1B、TW1C、TW1D、TW1Eにおいて、前記第1補給可能時間帯TW1A以外の残余の補給可能時間帯TW1B、TW1C、TW1D、TW1Eのうち、第1補給可能時間帯TW1Aにおける第2時刻T4が時間帯内に含まれる全ての第2補給可能時間帯TW1B、TW1Cを認識し、それらに対応した全ての部品供給装置241B、241Cを、前記第2部品供給装置として特定する。
補給特定部344の第4特定部3444は、第2特定部3442により特定された第1部品供給装置241Aと、第3特定部3443により特定された第2部品供給装置241B、241Cとに対して同一の、前記第1補給可能時間帯TW1A内での新たなリールの補給タイミングTHを特定する。
より具体的には、第4特定部3444は、第2特定部3442が認識した前記第1補給可能時間帯TW1Aと、第3特定部3443が認識した前記第2補給可能時間帯TW1B、TW1Cとで重複する重複時間帯TW3を認識する。そして、第4特定部3444は、当該重複時間帯TW3内の所定の時刻を、第1部品供給装置241A及び第2部品供給装置241B、241Cに対して同一の前記補給タイミングTHとして特定する。ここで、本実施形態では、第4特定部3444は、前記重複時間帯TW3内において最も早い時刻T3を、前記補給タイミングTHとして特定するよう構成される。
なお、第4特定部3444は、部品供給装置241D及び部品供給装置241Eについてもその補給可能時間帯TW1D及び補給可能時間帯TW1Eから重複時間帯を認識し、当該重複時間帯内において時刻T3とは異なる所定の時刻を、部品供給装置241D及び部品供給装置241Eに対して同一の補給タイミングとして特定することとなる。または、第4特定部3444は、その他の部品供給装置241についての補給可能時間帯も含めて重複時間帯を認識する場合もある。更には、部品供給装置241A、241B及び241Cについても、時刻T3(補給タイミングTH)で部品補給がされた後に、第1特定部3441は、上述と同様にその時点の先行する部品収納テープ243が部品切れとなる時刻を予測して夫々の補給可能時間帯を特定する。そして、第4特定部3444は、夫々の補給可能時間帯から重複時間帯を認識し、当該重複時間帯内における新たな補給タイミングを特定する。
また、上記では、補給特定部344が補給可能時間帯、重複時間帯及び補給タイミングを特定する演算の対象期間は、実装基板の生産を開始する時刻T0からとしたが、生産の途中からであってもよい。例えば、時刻T0より後の任意の時刻において、補給特定部344による演算の開始を指令する指令情報が操作部32を介して入力された場合には、補給特定部344は、その指令情報が入力された時刻から後の期間を演算の対象期間とし、部品残数情報JH24、生産計画情報JH1、段取り情報JH2等に基づき補給可能時間帯、重複時間帯及び補給タイミングを特定するように構成されてもよい。
また、補給特定部344による補給可能時間帯、重複時間帯及び補給タイミングの特定は、同一の実装機2内の部品供給装置241のみを対象にしてもよいし、異なる複数の実装機2の部品供給装置241を対象としてもよい。
補給特定部344の第5特定部3445は、部品供給装置241Aにおいて、前記第2時刻T4から、部品残数情報JH24で表される合計部品残数がゼロとなる第3時刻T6までの、部品残数の警告を発すべき時間帯を表す部品残数警告時間帯TW2Aを、部品供給装置241Aに対応付けて特定する。また、第5特定部3445は、部品供給装置241Bにおいて、前記第2時刻T7から、部品残数情報JH24で表される合計部品残数がゼロとなる第3時刻までの、部品残数の警告を発すべき時間帯を表す部品残数警告時間帯TW2Bを、部品供給装置241Bに対応付けて特定する。また、第5特定部3445は、部品供給装置241Cにおいて、前記第2時刻T9から、部品残数情報JH24で表される合計部品残数がゼロとなる第3時刻までの、部品残数の警告を発すべき時間帯を表す部品残数警告時間帯TW2Cを、部品供給装置241Cに対応付けて特定する。また、第5特定部3445は、部品供給装置241D、241Eの各々において、第2時刻から、部品残数情報JH24で表される合計部品残数がゼロとなる第3時刻までの、部品残数の警告を発すべき時間帯を表す部品残数警告時間帯を、部品供給装置241D、241Eの各々に対応付けて特定する。
上記の第1特定部3441、第2特定部3442、第3特定部3443、第4特定部3444、及び第5特定部3445を含んで構成される補給特定部344は、各特定部による特定結果を表す補給特定結果情報を生成する。図12は、部品補給管理システム3の補給特定部344により生成される補給特定結果情報JH3を説明するための図である。
補給特定部344により生成される補給特定結果情報JH3は、補給タイミング情報JH31、補給数情報JH32、警告時刻情報JH33、及び停止時刻情報JH34と、それらの各情報が関連付けられた特定結果関連付け情報JH35と、補給部品情報JH36とが含まれた情報である。
補給特定結果情報JH3に含まれる補給タイミング情報JH31は、第4特定部3444による、第1部品供給装置241A及び第2部品供給装置241B、241Cに対する補給タイミングTHの特定結果を表す情報である。補給特定結果情報JH3に含まれる補給数情報JH32は、第2特定部3442により特定された第1部品供給装置241Aと、第3特定部3443により特定された第2部品供給装置241B、241Cとに対して補給される新たなリールの合計数を表す情報である。
補給特定結果情報JH3に含まれる警告時刻情報JH33は、第5特定部3445により特定された、第1部品供給装置241Aに対応した部品残数警告時間帯TW2Aにおける第2時刻T4を表す情報であって、部品残数の警告が開始される警告時刻を表す情報である。補給特定結果情報JH3に含まれる停止時刻情報JH34は、第5特定部3445により特定された、第1部品供給装置241Aに対応した部品残数警告時間帯TW2Aにおける第3時刻T6を表す情報であって、合計部品残数がゼロとなり第1部品供給装置241Aからの部品供給が停止される停止時刻を表す情報である。
補給特定結果情報JH3に含まれる補給部品情報JH36は、第4特定部3444により特定された補給タイミングTHにおいて、第1部品供給装置241A及び第2部品供給装置241B、241Cに対して補給すべき新たなリールに関する情報である。補給部品情報JH36は、図12に示すように、実装機種特定情報JH361と、部品供給部位置情報JH362と、前記台車識別情報JH21と、前記フィーダー識別情報JH22と、前記部品識別情報JH141と、前記部品種特定情報JH142とが関連付けられた情報である。実装機種特定情報JH361は、補給タイミングTHにおいて新たなリールが補給される、第1部品供給装置241A及び第2部品供給装置241B、241Cが付設される実装機2を特定するための情報である。部品供給部位置情報JH362は、実装機2において、第1部品供給装置241A及び第2部品供給装置241B、241Cが備えられる部品供給部24の配置位置を特定するための情報である。
第1特定部3441、第2特定部3442、第3特定部3443、第4特定部3444、及び第5特定部3445による特定結果に基づく、補給特定部344により生成された補給特定結果情報JH3は、表示制御部343によって制御された表示部33に表示される。なお、補給特定結果情報JH3が表示される表示部33の表示画面には、図12に示すように、部品補給管理システム3に対する作業者の操作を受け付ける操作部32の一部を構成する更新操作領域321が設定される。更新操作領域321が作業者によって操作されると、第1特定部3441、第2特定部3442、第3特定部3443、第4特定部3444、及び第5特定部3445による特定結果が更新される。
なお、上記では、補給特定部344は、第4特定部3444により特定された補給タイミングTHを表す補給タイミング情報JH31を含む補給特定結果情報JH3を生成するように構成されていたが、この構成に限定されるものではない。例えば、補給特定部344は、第4特定部3444が補給タイミングTHを特定する際に用いる重複時間帯TW3を表す情報を含む補給特定結果情報JH3を、生成するように構成されていてもよい。あるいは、補給特定部344は、重複時間帯TW3内の所定の期間を補給タイミング期間とし、その補給タイミング期間を表す情報を含む補給特定結果情報JH3を、生成するように構成されていてもよい。このような、重複時間帯TW3を表す情報を含む補給特定結果情報JH3、あるいは、補給タイミング期間を表す情報を含む補給特定結果情報JH3は、表示制御部343によって制御された表示部33に表示される。
また、補給特定部344により生成された補給特定結果情報JH3は、データ通信部31の情報出力部312に与えられ、通信制御部341によって制御されて情報出力部312から実装機動作管理装置4に送信される。情報出力部312から送信されて実装機動作管理装置4に入力された補給特定結果情報JH3に基づいて、生産ラインの作業者は、実装機2に近設される部品保管部20からリールを取り出して、部品供給装置241に対するリールの補給作業を行うことができる。
部品補給管理システム3において、補給特定部344は、部品供給装置241A、241B、241C、241D、241Eに対する新たなリールの補給タイミングを、それぞれ個別に特定するのではなく、同一の補給タイミングTHで新たなリールを補給可能な部品供給装置241A、241B、241Cに対しては、作業者による新たなリールの補給作業をまとめて行う、「まとめ補給」を可能とする。従って、部品供給装置241A、241B、241C、241D、241Eが付設された実装機2のもとに作業者が行く頻度を低減することができ、作業者による補給作業の負荷を軽減することができる。
また、部品補給管理システム3において、第4特定部3444は、前述の如く、第2特定部3442が認識した前記第1補給可能時間帯TW1Aと、第3特定部3443が認識した前記第2補給可能時間帯TW1B、TW1Cとで重複する重複時間帯TW3を認識する。そして、第4特定部3444は、前記重複時間帯TW3内において最も早い時刻T3を、前記補給タイミングTHとして特定する。
重複時間帯TW3は、作業者による新たなリールの補給作業をまとめて行う「まとめ補給」が可能な時間帯である。第1部品供給装置241A及び第2部品供給装置241B、241Cに対する同一の補給タイミングTHを、このような重複時間帯TW3内で最も早い時刻とすることによって、第1部品供給装置241Aにおいて合計部品残数が所定の部品残数警告値に達する第2時刻T4までの時間的な余裕がある状態で、「まとめ補給」が可能となる。
更に、部品補給管理システム3において、第5特定部3445は、前述の如く、各部品供給装置241A、241B、241C、241D、241Eの各々に対応付けて部品残数警告時間帯を特定する。第1部品供給装置241A及び第2部品供給装置241B、241Cに対して設定された同一の補給タイミングTHで「まとめ補給」が行われなかった場合に、作業者は、第5特定部3445により特定される部品残数警告時間帯を目安として、新たなリールの補給作業を行うことができる。
次に、部品補給管理システム3の制御部34における集荷特定部345は、補給特定部344により特定された補給タイミングTHで第1部品供給装置241A及び第2部品供給装置241B、241Cに対して補給される新たなリールについて、実装機2に近設される部品保管部20に集荷させるべき時刻を表す集荷タイミングを特定する。集荷特定部345は、図11に示すように、部品庫の作業者による集荷作業に要する時間(集荷作業時間)を勘案して、補給特定部344により特定された補給タイミングTHよりも所定時間早い時刻を、集荷タイミングTSとして特定する。集荷特定部345は、特定結果を表す集荷特定結果情報を生成する。図13は、部品補給管理システム3の集荷特定部345により生成される集荷特定結果情報JH4を説明するための図である。
集荷特定部345により生成される集荷特定結果情報JH4は、集荷タイミング情報JH41、前記補給数情報JH32、集荷作業時間情報JH42、及び前記補給タイミング情報JH31と、それらの各情報が関連付けられた特定結果関連付け情報JH35と、集荷部品情報JH43とが含まれた情報である。
集荷特定結果情報JH4に含まれる集荷タイミング情報JH41は、集荷特定部345による、部品保管部20に新たなリールを集荷させるべき集荷タイミングTSの特定結果を表す情報である。集荷特定結果情報JH4に含まれる集荷作業時間情報JH42は、部品庫の作業者による集荷作業に要する集荷作業時間を表す情報である。
集荷特定結果情報JH4に含まれる集荷部品情報JH43は、集荷特定部345により特定された集荷タイミングTSにおいて、部品保管部20に集荷させるべき新たなリールに関する情報である。集荷部品情報JH43は、図13に示すように、部品在庫情報JH431と、前記部品識別情報JH141と、前記部品種特定情報JH142と、集荷数情報JH432とが関連付けられた情報である。部品在庫情報JH431は、部品庫において、部品保管部20に集荷させるべき新たなリールが収容されている場所を特定するための情報である。集荷数情報JH432は、第1部品供給装置241A及び第2部品供給装置241B、241Cの各々に対して補給すべく、部品保管部20に集荷させるべき新たなリールの数を表す情報である。
集荷特定部345により生成された集荷特定結果情報JH4は、表示制御部343によって制御された表示部33に表示される。なお、集荷特定結果情報JH4が表示される表示部33の表示画面には、図13に示すように、部品補給管理システム3に対する作業者の操作を受け付ける操作部32の一部を構成する更新操作領域321が設定される。更新操作領域321が作業者によって操作されると、集荷特定部345による特定結果が更新される。
また、集荷特定部345により生成された集荷特定結果情報JH4は、データ通信部31の情報出力部312に与えられ、通信制御部341によって制御されて情報出力部312から部品出庫管理装置7に送信される。情報出力部312から送信されて部品出庫管理装置7に入力された集荷特定結果情報JH4に基づいて、部品庫の作業者は、部品庫からリール等を出庫して実装機2に近設される部品保管部20に収納し、当該部品保管部20にリール等を集荷させる集荷作業を行うことができる。
次に、部品補給管理システム3の制御部34における補給効率化特定部346は、新たなリールの補給の効率化を図るための効率化条件を特定する。この補給効率化特定部346は、図8に示すように、注目部品特定部3461と配置特定部3462とを含む。
補給効率化特定部346において、注目部品特定部3461は、データ通信部31の情報取得部311を介して生産計画管理装置5から入力された生産計画情報JH1に含まれるサイクルタイム情報JH144に基づいて、単位時間当たりの実装数が最も多い部品Eを注目部品として認識する。そして、注目部品特定部3461は、新たなリールの補給周期を延長させるべく、前記注目部品のリールにおける収納数を所定値に増加させることを、前記効率化条件として特定する。注目部品特定部3461により特定される効率化条件を、「第1効率化条件」と称する。注目部品特定部3461により特定される第1効率化条件としては、部品供給部24において台車242に並設される、注目部品が収納される部品収納テープ243が巻回されたリールが装着される部品供給装置241の数を増加させる(例えば、2倍の数に増加させる)、あるいは、注目部品が収納される部品収納テープ243のテープ長を長くして注目部品の収納数を増加させる、等を挙げることができる。
補給効率化特定部346は、注目部品特定部3461により特定される第1効率化条件に関する第1補給効率化情報を生成する。図14は、部品補給管理システム3の補給効率化特定部346により生成される第1補給効率化情報JH5を説明するための図である。
注目部品特定部3461の特定結果に基づき補給効率化特定部346により生成される第1補給効率化情報JH5は、補給効率化の前後において、前記基板情報JH11、前記部品識別情報JH141、及び前記部品種特定情報JH142と、部品供給装置特定情報JH51と、補給周期情報JH52と、補給回数情報JH53とが関連付けられた情報である。なお、図14に示す例は、基板情報JH11で表される「基板A」に、部品識別情報JH141で表される「IA1」、「IA2」、「IA3」にて識別される、部品種特定情報JH142で表される「部品A1」、「部品A2」、「部品A3」を実装して実装基板を生産する例である。そして、注目部品特定部3461は、「部品A1」を注目部品として認識し、当該「部品A1」が収納される部品収納テープ243が巻回されたリールが装着される部品供給装置241の数を2倍の数に増加させることを、第1効率化条件として特定したものとする。
第1補給効率化情報JH5において、部品供給装置特定情報JH51は、「部品A1」、「部品A2」及び「部品A3」を収納する部品収納テープ243が巻回されたリールが装着される部品供給装置241を特定するための情報である。図14に示す例では、注目部品特定部3461による補給効率化前には、フィーダー識別情報「IFA1」で表される部品供給装置241が「1」台、注目部品である「部品A1」に対応して配置されている。一方、注目部品特定部3461による補給効率化後には、注目部品である「部品A1」に対応して、フィーダー識別情報「IFA1−1」及び「IFA1−2」で表される部品供給装置241が合計「2」台配置されている。
第1補給効率化情報JH5において、補給周期情報JH52は、「部品A1」、「部品A2」及び「部品A3」を供給する部品供給装置241に対する新たなリールの補給時において、各部品供給装置241に対するリールの補給作業をまとめて行う「まとめ補給」前後の、リールの補給周期を表す情報である。注目部品特定部3461による補給効率化後における「まとめ補給」時の補給周期「TT2」は、注目部品特定部3461による補給効率化前における「まとめ補給」時の補給周期「TT1」と比較して、延長されたものとなる。
第1補給効率化情報JH5において、補給回数情報JH53は、各部品供給装置241に対するリールの「まとめ補給」時における、1時間での補給回数を表す情報である。注目部品特定部3461による補給効率化後における「まとめ補給」時の補給回数「TT1」は、注目部品特定部3461による補給効率化前における「まとめ補給」時の補給回数「TT」と比較して、少ない回数となる。
補給効率化特定部346により生成された第1補給効率化情報JH5は、表示制御部343によって制御された表示部33に表示される。また、補給効率化特定部346により生成された第1補給効率化情報JH5は、データ通信部31の情報出力部312に与えられ、通信制御部341によって制御されて情報出力部312から部品補給効率化管理装置8に送信される。情報出力部312から送信されて部品補給効率化管理装置8に入力された第1補給効率化情報JH5に基づいて、作業者は、部品供給装置241に対するリールの補給の効率化を図るための対策を立案することができる。
以上のように、補給効率化特定部346の注目部品特定部3461は、単位時間当たりの実装数が最も多い部品を注目部品として認識する。そして、注目部品特定部3461は、注目部品のリールにおける収納数を増加させることを、リールの補給の効率化を図るための第1効率化条件として特定する。これにより、注目部品を収納したリールの補給周期を延長させることができる。このため、部品供給装置241が付設された実装機2のもとに作業者が行く頻度を、より低減することができ、作業者による補給作業の負荷をより軽減することができる。
補給効率化特定部346において、配置特定部3462は、部品実装システム1の実装ラインに並設される複数の実装機2における各部品供給部24に対する、ALFからなる部品供給装置241の配置位置を、前記効率化条件として特定する。配置特定部3462により特定される効率化条件を、「第2効率化条件」と称する。補給効率化特定部346は、配置特定部3462により特定される第2効率化条件に関する第2補給効率化情報を生成する。図15は、部品補給管理システム3の補給効率化特定部346により生成される第2補給効率化情報JH6を説明するための図である。
配置特定部3462の特定結果に基づき補給効率化特定部346により生成される第2補給効率化情報JH6は、補給効率化の前後において、ALFからなる部品供給装置241の配置位置を表す情報である。なお、図15に示す例では、部品実装システム1の実装ラインに並設される複数の実装機2を、部品保管部20から遠い側から近い側に向かって、実装機2A、実装機2B、実装機2C、実装機2Dとしている。また、各実装機2A、2B、2C、2Dにおける4箇所の各部品供給部24において、ALFからなる部品供給装置241が配置された部品供給部24を「ALF」と表示している。
前述したように、実装機2の各部品供給部24に配置されるテープフィーダーとしては、スプライシングフィーダーとALFからなる部品供給装置241とが混在しても構わない。しかしながら、スプライシングフィーダーでは、1本のリールからの部品収納テープの送出が完了した時点で、スプライシングテープ等で貼り付けるスプライシング作業が行われるので、後続の部品収納テープが巻回されたリールの補給タイミングは、先行の部品収納テープの送出が完了した時点に拘束される。このため、スプライシングフィーダーでは、新たなリールの補給タイミングをそれぞれ個別に特定する必要があり、ALFからなる部品供給装置241のように、複数の部品供給装置241に対してリールの「まとめ補給」をすべく、同一の補給タイミングを設定することができない。
そこで、配置特定部3462は、リールの「まとめ補給」が可能なALFからなる部品供給装置241を、部品保管部20から近い側の実装機2Dにおける部品供給部24に集約して配置することを、第2効率化条件として特定する。部品保管部20から近い側の実装機2Dにおける部品供給部24にALFからなる部品供給装置241が集約して配置されると、複数の部品供給装置241に対するリールの「まとめ補給」時における作業者の、補給作業の移動距離を短くすることができる。そして、補給効率化特定部346は、配置特定部3462により特定される第2効率化条件に関する、図15に示す第2補給効率化情報JH6を生成する。
補給効率化特定部346により生成された第2補給効率化情報JH6は、表示制御部343によって制御された表示部33に表示される。また、補給効率化特定部346により生成された第2補給効率化情報JH6は、データ通信部31の情報出力部312に与えられ、通信制御部341によって制御されて情報出力部312から部品補給効率化管理装置8に送信される。情報出力部312から送信されて部品補給効率化管理装置8に入力された第2補給効率化情報JH6に基づいて、作業者は、部品供給装置241に対するリールの補給の効率化を図るための、部品供給装置241の配置位置に関する対策を立案することができる。
また、本実施形態に係る部品実装システム1によれば、作業者による補給作業の負荷の軽減が可能な部品補給管理システム3を備えているので、実装基板の生産中に、作業者による補給作業の遅れに起因して部品供給装置241からの部品の供給が停止することが、可及的に抑止される。これにより、実装基板の生産効率の低下を抑止することができる。
以上、本発明の実施形態に係る部品補給管理システム及び部品実装システムについて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば次のような変形実施形態を採ることができる。
上記の実施形態においては、実装機2に付設される部品供給装置として、部品収納テープ243が巻回されたリール2420を装着可能なテープフィーダーからなる部品供給装置241について説明したが、本発明はこのような構成に限定されるものではない。部品供給装置は、部品が収納された部品収納部材を複数装着可能な装置であればよく、例えば、部品が載置されたトレイを含むパレットを複数装着可能なトレイフィーダーであってもよく、部品が収納されたスティックを複数装着可能なスティックフィーダーであってもよい。
<第1変形実施形態>
図16は、第1変形実施形態に係る部品供給装置であるトレイフィーダー1000を示す図である。図17は、図16のトレイフィーダー1000に装着されるパレット1004を示す図である。
トレイフィーダー1000は、実装機2の部品供給部24に設置される。部品供給部24には、複数のトレイフィーダー1000が並設可能である。トレイフィーダー1000は、部品Eをパレット1004に保持された状態で供給可能に構成されている。パレット1004には、複数の部品Eが保持された少なくとも1つのトレイ1005が載置されている。トレイ1005は、平面視において長方形状をなしており、その上面に複数の部品収納部10051がマトリクス状に設けられている。各部品収納部10051には、それぞれ部品Eが等間隔で収納されている。このように構成されるパレット1004が、第1マガジン1003A及び第2マガジン1003Bの各々に複数収容されている。
第1マガジン1003A及び第2マガジン1003Bは、部品Eが保持されたトレイ1005が載置される複数のパレット1004を収容する部品収納部材としての機能を有する。第1マガジン1003A及び第2マガジン1003Bは、カバー体1001内をそれぞれ独立して上下方向に移動可能である。第1マガジン1003A及び第2マガジン1003Bに収容されたパレット1004は、実装基板の生産時に、カバー体1001から外方に突出して設けられたテーブル1002に移動され、これによってパレット1004に保持された状態で部品Eが供給される。
実装基板の生産中において、第1マガジン1003Aに収容されるパレット1004に保持された部品Eが部品切れになったとしても、第2マガジン1003Bに収容されるパレット1004がテーブル1002に移動され、これによってパレット1004に保持された状態で部品Eが供給される。このとき、作業者は、実装基板の生産中において、部品切れとなった第1マガジン1003Aをカバー体1001から取り出し、新たなマガジンをトレイフィーダー1000に対して補給することができる。ここで、新たなマガジンの補給タイミングは、第1マガジン1003Aが部品切れとなる時点に拘束されることなく、部品補給管理システム3の補給特定部344によって特定される。
補給特定部344は、部品供給部24に並設される複数のトレイフィーダー1000の各々に対する新たなマガジンの補給タイミングを、それぞれ個別に特定するのではない。補給特定部344において、第1特定部3441は、第1マガジン1003Aに収容されるパレット1004に保持された部品Eが部品切れとなる第1時刻から、合計部品残数が部品残数警告値に達する第2時刻までの、新たなマガジンの補給が可能な時間帯を表す補給可能時間帯を、複数のトレイフィーダー1000の各々に対応付けて特定する。そして、上述のテープフィーダーからなる部品供給装置241の場合と同様に、補給特定部344の第4特定部3444は、各補給可能時間帯から重複時間帯を認識し、当該重複時間帯内の所定の時刻を、新たなマガジンの補給タイミングTHとして特定する。補給特定部344は、同一の補給タイミングTHで新たなマガジンを補給可能なトレイフィーダー1000に対しては、作業者による新たなマガジンの補給作業をまとめて行う、「まとめ補給」を可能とする。これにより、作業者による補給作業の負荷を軽減することができる。
<第2変形実施形態>
図18は、第2変形実施形態に係る部品供給装置であるトレイフィーダー2000を示す図である。トレイフィーダー2000は、実装機2の部品供給部24に設置される。部品供給部24には、複数のトレイフィーダー2000が並設可能である。トレイフィーダー2000は、1つのマガジン2003がカバー体2001内を上下方向に移動可能に構成されている。このマガジン2003には、複数の第1パレット2004と、複数の第2パレット2005と、複数の第3パレット2006とが収容されている。
各第1パレット2004には、複数の部品が保持された少なくとも1つの第1トレイTR1が載置されている。第1トレイTR1に保持される部品は、第1パレット2004ごとに同じ種類の部品である。同様に、各第2パレット2005には、複数の部品が保持された少なくとも1つの第2トレイTR2が載置されている。第2トレイTR2に保持される部品は、第2パレット2005ごとに同じ種類の部品である。但し、第2トレイTR2に保持される部品は、第1トレイTR1に保持される部品とは種類が異なる。また、各第3パレット2006には、複数の部品が保持された少なくとも1つの第3トレイTR3が載置されている。第3トレイTR3に保持される部品は、第3パレット2006ごとに同じ種類の部品である。但し、第3トレイTR3に保持される部品は、第1トレイTR1及び第2トレイTR2の各々に保持される部品とは種類が異なる。
第1パレット2004、第2パレット2005、及び第3パレット2006の各々は、複数の部品が保持されたトレイTR1,TR2,TR3が載置される、部品収納部材としての機能を有する。マガジン2003に収容された第1パレット2004、第2パレット2005、及び第3パレット2006の各々は、実装基板の生産時に、カバー体2001から外方に突出して設けられたテーブル2002に移動され、これによってトレイTR1,TR2,TR3に保持された状態で部品が供給される。
実装基板の生産中において、複数の第1パレット2004のうちの1つの第1パレット2004に載置された第1トレイTR1に保持された部品が部品切れになったとしても、他の第1パレット2004がテーブル2002に移動され、これによって第1トレイTR1に保持された状態で部品が供給される。このとき、作業者は、実装基板の生産中において、部品切れとなった第1パレット2004をカバー体2001から取り出し、新たな第1パレットをトレイフィーダー2000に対して補給することができる。同様に、実装基板の生産中において、複数の第2パレット2005のうちの1つの第2パレット2005に載置された第2トレイTR2に保持された部品が部品切れになったとしても、他の第2パレット2005がテーブル2002に移動され、これによって第2トレイTR2に保持された状態で部品が供給される。このとき、作業者は、実装基板の生産中において、部品切れとなった第2パレット2005をカバー体2001から取り出し、新たな第2パレットをトレイフィーダー2000に対して補給することができる。また、実装基板の生産中において、複数の第3パレット2006のうちの1つの第3パレット2006に載置された第3トレイTR3に保持された部品が部品切れになったとしても、他の第3パレット2006がテーブル2002に移動され、これによって第3トレイTR3に保持された状態で部品が供給される。このとき、作業者は、実装基板の生産中において、部品切れとなった第3パレット2006をカバー体2001から取り出し、新たな第3パレットをトレイフィーダー2000に対して補給することができる。
なお、トレイフィーダー2000においては、第1パレット2004、第2パレット2005及び第3パレット2006の各々の数は、異なる場合もある。このような場合、同一部品を満杯にするための新たなパレットの補給数は、第1パレット、第2パレット及び第3パレットの各々において異なることになる。また、新たなパレットを補給するときの、当該パレットに対応した部品種の全体部品残数によっても、パレットの補給数が変わることもあり得る。
ここで、新たな第1パレット、第2パレット、及び第3パレットの各々の補給タイミングは、各トレイが部品切れとなる時点に拘束されることなく、部品補給システム3の補給特定部344によって特定される。
補給特定部344は、トレイフィーダー2000に対する新たな第1パレット、第2パレット、及び第3パレットの各々の補給タイミングを、個別に特定するのではない。補給特定部344において、第1特定部3441は、複数の第1パレット2004のうちの1つの第1パレット2004に載置された第1トレイTR1に保持された部品が部品切れとなる第1時刻から、合計部品残数が部品残数警告値に達する第2時刻までの、新たな第1パレットの補給が可能な時間帯を表す補給可能時間帯を特定する。同様に、第1特定部3441は、複数の第2パレット2005のうちの1つの第2パレット2005に載置された第2トレイTR2に保持された部品が部品切れとなる第1時刻から、合計部品残数が部品残数警告値に達する第2時刻までの、新たな第2パレットの補給が可能な時間帯を表す補給可能時間帯を特定する。更に、第1特定部3441は、複数の第3パレット2006のうちの1つの第3パレット2006に載置された第3トレイTR3に保持された部品が部品切れとなる第1時刻から、合計部品残数が部品残数警告値に達する第2時刻までの、新たな第3パレットの補給が可能な時間帯を表す補給可能時間帯を特定する。そして、上述のテープフィーダーからなる部品供給装置241の場合と同様に、補給特定部344の第4特定部3444は、各補給可能時間帯から重複時間帯を認識し、当該重複時間帯内の所定の時刻を、トレイフィーダー2000に対する新たな第1パレット、第2パレット、及び第3パレットの各々の補給タイミングTHとして特定する。これにより、作業者による新たな第1パレット、第2パレット、及び第3パレットの各々の補給作業をまとめて行う「まとめ補給」が可能となり、作業者による補給作業の負荷を軽減することができる。
<第3変形実施形態>
図19は、第3変形実施形態に係る部品供給装置であるスティックフィーダー3000を示す図である。スティックフィーダー3000は、実装機2の部品供給部24に設置される。部品供給部24には、複数のスティックフィーダー3000が並設可能である。スティックフィーダー3000は、筒状の部品収納部材としてのスティック3009に収納された部品Eを当該スティック3009から押し出しながら供給するように構成されている。スティックフィーダー3000は、フレーム本体3001と、このフレーム本体3001の上部に設けられたスティックテーブル3002、第1チャック3003及び第2チャック3004と、部品押し出し機構部3005と、ガイドフレーム3006と、一対のガイドレール3007と、搬送ベルト3008と、を備える。
フレーム本体3001は、上部が開口した中空箱形の形状を有している。スティックテーブル3002は、フレーム本体3001の上部内側に配設されている。スティックテーブル3002上には、複数のスティック3009を積層状態で載置することが可能である。第1チャック3003は、スティックテーブル3002上の複数のスティック3009のうちの最下位以外のスティック3009の前端部を同時に保持することが可能である。同様に、第2チャック3004は、スティックテーブル3002上の複数のスティック3009のうちの最下位以外のスティック3009の後端部を同時に保持することが可能である。
部品押し出し機構部3005は、スティックテーブル3002上の複数のスティック3009のうち、最下位のスティック3009からその前方に部品Eを押し出す。ガイドフレーム3006は、フレーム本体3001の前部に固定され、このガイドフレーム3006に一対のガイドレール3007が支持されている。そして、一対のガイドレール3007の間に搬送ベルト3008が設けられている。部品押し出し機構部3005により前方に押し出された部品Eは、一対のガイドレール3007に沿って、搬送ベルト3008によって搬送される。これにより、スティック3009に収納された部品Eが、部品供給位置に供給される。
部品供給動作に伴い最下位のスティック3009が部品切れとなると、第1及び第2チャック3003,3004が最下位以外のスティック3009を保持する。この状態でスティックテーブル3002がスティック3009の支持を解除する支持解除位置に変位することによって、最下位のスティック3009のみを自重でフレーム本体3001の内底部に落下させるようになっている。なお、部品切れのスティック3009の廃棄後は、スティックテーブル3002がスティック3009の支持位置に復帰し、第1及び第2チャック3003,3004が開放されることにより、スティックテーブル3002上に残りのスティック3009が載置され、次の(最下位の)スティック3009から部品Eの供給が行われる。
実装基板の生産中において、部品切れとなったスティック3009がフレーム本体3001の内底部に落下すると、作業者は、新たなスティックをスティックフィーダー3000に対して補給することができる。
なお、複数のスティックフィーダー3000の各々において、同一部品種の部品Eを収納したスティック3009の数が、スティックフィーダー3000ごとに異なる場合がある。このような場合、同一部品を満杯にするための新たなスティックの補給数は、スティックフィーダー3000ごとに異なることになる。また、新たなスティックを補給するときの、その部品種の全体部品残数によっても、スティックの補給数が変わることもあり得る。
ここで、新たなスティックの補給タイミングは、最下位のスティック3009が部品切れとなる時点に拘束されることなく、部品補給管理システム3の補給特定部344によって特定される。
補給特定部344は、部品供給部24に並設される複数のスティックフィーダー3000の各々に対する新たなスティックの補給タイミングを、それぞれ個別に特定するのではない。補給特定部344において、第1特定部3441は、最下位のスティック3009に収納された部品Eが部品切れとなる第1時刻から、合計部品残数が部品残数警告値に達する第2時刻までの、新たなスティックの補給が可能な時間帯を表す補給可能時間帯を、複数のスティックフィーダー3000の各々に対応付けて特定する。そして、上述のテープフィーダーからなる部品供給装置241の場合と同様に、補給特定部344の第4特定部3444は、各補給可能時間帯から重複時間帯を認識し、当該重複時間帯内の所定の時刻を、新たなスティックの補給タイミングTHとして特定する。補給特定部344は、同一の補給タイミングTHで新たなスティックを補給可能なスティックフィーダー3000に対しては、作業者による新たなスティックの補給作業をまとめて行う、「まとめ補給」を可能とする。これにより、作業者による補給作業の負荷を軽減することができる。
<第4変形実施形態>
図20は、第4変形実施形態に係る部品供給装置であるスティックフィーダー4000を示す図である。スティックフィーダー4000は、実装機2の部品供給部24に設置される。部品供給部24には、複数のスティックフィーダー4000が並設可能である。
スティックフィーダー4000は、基本的な構造については前述のスティックフィーダー3000と同様である。スティックフィーダー4000は、部品Eが収納された複数のスティック4011を積層状態で収容する第1マガジン4009と、部品Eが収納された複数のスティック4012を積層状態で収容する第2マガジン4010と、を備える。スティック4011に収納される部品Eとスティック4012に収納される部品Eとは、同じ種類である。第1マガジン4009及び第2マガジン4010は、部品Eが収納された複数のスティック4011,4012を収容する部品収納部材としての機能を有する。図20に示す例では、第2マガジン4010に収容された各スティック4012が、フレーム本体4001の上部内側に配設されたスティックテーブル4002上に積層状態で載置され、その上方に、第1マガジン4009に収容された各スティック4011が積層状態で配置されている。
スティックフィーダー4000では、部品押し出し機構部4005が、スティックテーブル4002上において下方に配置された第2マガジン4010に収容される複数のスティック4012のうち、最下位のスティック4012からその前方に部品Eを押し出す。部品押し出し機構部4005により前方に押し出された部品Eは、ガイドフレーム4006に支持された一対のガイドレール4007に沿って、搬送ベルト4008によって搬送される。これにより、スティック4012に収納された部品Eが、部品供給位置に供給される。
部品供給動作に伴い最下位のスティック4012が部品切れとなると、第1及び第2チャック4003,4004が、第2マガジン4010内の最下位以外のスティック4012と、第1マガジン4009内の全てのスティック4011とを保持する。この状態でスティックテーブル4002がスティック4011,4012の支持を解除する支持解除位置に変位することによって、第2マガジン4010内の最下位のスティック4012のみを自重でフレーム本体4001の内底部に落下させるようになっている。なお、部品切れのスティック4012の廃棄後は、スティックテーブル4002がスティック4011,4012の支持位置に復帰し、第1及び第2チャック4003,4004が開放されることにより、スティックテーブル4002上に残りのスティック4011,4012が載置され、第2マガジン4010内において次の(最下位の)スティック4012から部品Eの供給が行われる。
実装基板の生産中において、第2マガジン4010内の全てのスティック4012が部品切れとなると、第1マガジン4009内のスティック4011から部品Eが供給される。第2マガジン4010内の全てのスティック4012が部品切れとなると、作業者は、新たなマガジンをスティックフィーダー4000に対して補給することができる。ここで、新たなマガジンの補給タイミングは、第2マガジン4010内の全てのスティック4012が部品切れとなる時点に拘束されることなく、部品補給管理システム3の補給特定部344によって特定される。
補給特定部344は、部品供給部24に並設される複数のスティックフィーダー4000の各々に対する新たなスティックの補給タイミングを、それぞれ個別に特定するのではない。補給特定部344において、第1特定部3441は、第2マガジン4010内の全てのスティック4012が部品切れとなる第1時刻から、合計部品残数が部品残数警告値に達する第2時刻までの、新たなマガジンの補給が可能な時間帯を表す補給可能時間帯を、複数のスティックフィーダー4000の各々に対応付けて特定する。そして、上述のテープフィーダーからなる部品供給装置241の場合と同様に、補給特定部344の第4特定部3444は、各補給可能時間帯から重複時間帯を認識し、当該重複時間帯内の所定の時刻を、新たなマガジンの補給タイミングTHとして特定する。補給特定部344は、同一の補給タイミングTHで新たなマガジンを補給可能なスティックフィーダー4000に対しては、作業者による新たなスティックの補給作業をまとめて行う、「まとめ補給」を可能とする。これにより、作業者による補給作業の負荷を軽減することができる。
<第5変形実施形態>
図21は、第5変形実施形態に係る実装機2の構成を概略的に示す平面図である。図22は、第5変形実施形態に係る実装機2を備えた部品実装システム1の部品補給管理システム3における補給特定部344により生成される補給特定結果情報JH3Aを説明するための図である。図23は、補給特定結果情報JH3Aに対応して集荷特定部345により生成される集荷特定結果情報JH4Aを説明するための図である。
実装機2の各部品供給部24には、部品供給方式が異なる2種以上の部品供給装置がそれぞれ配置されていてもよい。図21に示す例では、実装機2の4つの部品供給部24のうち、部品供給部24AにはALFからなる複数の部品供給装置241(以下、「ALF241」と称する)が並設され、部品供給部24Bには複数のスプライシングフィーダー241Sが並設され、部品供給部24Cには複数のトレイフィーダー1000,2000が並設され、部品供給部24Dには複数のスティックフィーダー3000,4000が並設されている。
前述したように、ALF241、トレイフィーダー1000,2000、及びスティックフィーダー3000,4000は、部品が収納された部品収納部材を複数装着可能であり、新たな部品収納部材の補給タイミングが先行の部品収納部材が部品切れとなる時点に拘束されることがない部品供給装置である。一方、スプライシングフィーダー241Sは、前述したように、1本のリールが装着されるように構成されており、そのリールからの部品収納テープの送出が完了して部品切れになる前に、当該部品収納テープから後続の部品収納テープへと移行させるために、先行する部品収納テープの末端部と後続の部品収納テープの先端部との間をスプライシングテープ等で貼り付けて両者を接続する。すなわち、スプライシングフィーダー241Sは、1本のリールからの部品収納テープの送出が完了して部品切れになる前にスプライシングテープ等で貼り付けるスプライシング作業が行われるので、後続の部品収納テープが巻回されたリールの補給タイミングは、先行の部品収納テープの送出が完了した時点に拘束される。
上記のように、実装機2の各部品供給部24に、部品供給方式が異なる部品供給装置が配置されている場合、部品補給管理システム3の補給特定部344は、ALF241、トレイフィーダー1000,2000、及びスティックフィーダー3000,4000に対する新たな部品収納部材の補給タイミングを、それぞれ個別に特定するのではない。補給特定部344の第1特定部3441は、ALF241、トレイフィーダー1000,2000、及びスティックフィーダー3000,4000の各々において、先行の部品収納部材が部品切れとなる第1時刻から、合計部品残数が部品残数警告値に達する第2時刻までの、新たな部品収納部材の補給が可能な時間帯を表す補給可能時間帯を特定する。そして、補給特定部344の第4特定部3444は、各補給可能時間帯から重複時間帯を認識し、当該重複時間帯内の所定の時刻を、新たな部品収納部材の補給タイミングTHとして特定する。補給特定部344は、同一の補給タイミングTHで新たな部品収納部材を補給可能な部品供給装置に対しては、作業者による新たな部品収納部材の補給作業をまとめて行う、「まとめ補給」を可能とする。
例えば、1つの実装機2において、部品供給部24Aに並設される複数のALF241のうちの1つのALF241と、部品供給部24Cに並設される複数のトレイフィーダー1000,2000のうちの1つのトレイフィーダー1000,2000と、部品供給部24Dに並設される複数のスティックフィーダー3000,4000のうちの1つのスティックフィーダー3000,4000とに対して、補給特定部344が同一の補給タイミングTHを特定したとする。この場合、補給特定部344は、更に、部品供給部24Bに並設される複数のスプライシングフィーダー241Sの部品供給状況を監視する。補給特定部344は、部品残数が所定値よりも少ないスプライシングフィーダー241Sが存在していたときには、当該スプライシングフィーダー241Sに対する新たなリールの補給タイミングも、補給タイミングTHとして特定する。このような場合において、補給特定部344により生成される補給特定結果情報JH3Aが、図22に示される。
補給特定結果情報JH3Aは、例えば、補給タイミング情報J3A1と、補給部品情報J3A2とが含まれた情報である。補給タイミング情報J3A1は、補給タイミングTHの特定結果を表す情報である。補給部品情報J3A2は、補給タイミングTHにおいて、ALF241、トレイフィーダー1000,2000、及びスティックフィーダー3000,4000に対して補給すべき新たな部品収納部材に関する情報と、スプライシングフィーダー241Sに対して準備すべきリールに関する情報とを含む。補給部品情報J3A2は、実装機種特定情報J3A3と、部品供給部位置情報J3A4と、部品供給装置種特定情報J3A5と、部品供給装置識別情報J3A6と、部品識別情報J3A7と、部品種特定情報J3A8とが関連付けられた情報である。実装機種特定情報J3A3は、実装機2を特定するための情報である。部品供給部位置情報J3A4は、実装機2における部品供給部24の配置位置を特定するための情報である。部品供給装置種特定情報J3A5は、部品補給対象の部品供給装置の種類を特定するための情報である。部品供給装置識別情報J3A6は、部品供給装置を識別するための情報である。部品識別情報J3A7は、部品を識別するための情報である。部品種特定情報J3A8は、部品を特定するための情報である。
図22に示す例では、補給タイミングTHにおいて、部品IDが「IA1」で部品名が「A1」の部品を収納した部品収納テープが巻回されたリールを、部品供給装置IDが「IFA1」のALF241に補給可能であることが示されている。また、補給タイミングTHにおいて、部品IDが「IT1」で部品名が「T1」の部品を保持したトレイが載置されたパレット、又はそのパレットを収容したマガジンを、部品供給装置IDが「IFT1」のトレイフィーダー1000,2000に補給可能であることが示されている。また、補給タイミングTHにおいて、部品IDが「IS1」で部品名が「S1」の部品を収納したスティック、又はそのスティックを収容したマガジンを、部品供給装置IDが「IFS1」のスティックフィーダー3000,4000に補給可能であることが示されている。更に、補給タイミングTHにおいて、部品IDが「IZ1」で部品名が「Z1」の部品を収納した部品収納テープが巻回されたリールを、部品庫から実装機2に近設される部品保管部20に運び、部品供給装置IDが「IFZ1」のスプライシングフィーダー241Sに対してスプライシング作業ができるように準備しておくことを推奨することが示されている。
補給特定部344により生成された補給特定結果情報JH3Aは、データ通信部31の情報出力部312に与えられ、通信制御部341によって制御されて情報出力部312から実装機動作管理装置4に送信される。情報出力部312から送信されて実装機動作管理装置4に入力された補給特定結果情報JH3Aに基づいて、生産ラインの作業者は、実装機2に近設される部品保管部20から各部品収納部材を取り出して、ALF241、トレイフィーダー1000,2000、及びスティックフィーダー3000,4000に対する部品収納部材の補給作業を行うことができる。また、スプライシングフィーダー241Sに対しては、補給タイミングTHにおいて、新たなリールに巻回された部品収納テープを用いてスプライシング作業を行うことができなくても、当該スプライシングフィーダー241Sの近くに新たなリールを準備しておくことができる。
また、部品補給管理システム3の集荷特定部345は、補給タイミングTHで補給される新たな部品収納部材について、実装機2に近設される部品保管部20に集荷させるべき時刻を表す集荷タイミングTSを特定し、図23に示すような集荷特定結果情報JH4Aを生成する。集荷特定結果情報JH4Aは、集荷タイミング情報J4A1と、補給タイミング情報J4A2とを含む。集荷タイミング情報J4A1は、集荷タイミングTSの特定結果を表す情報である。補給タイミング情報J4A2は、補給タイミングTHの特定結果を表す情報である。集荷特定結果情報JH4Aは、更に、集荷特定部345により特定された集荷タイミングTSにおいて、部品保管部20に集荷させるべき新たな部品収納部材に関する情報として、部品在庫情報J4A3と、部品識別情報J4A4と、部品種特定情報J4A5と、集荷数情報J4A6とが関連付けられた情報を含む。部品在庫情報J4A3は、部品庫において、部品保管部20に集荷させるべき新たな部品収納部材が収容されている場所を特定するための情報である。部品識別情報J4A4は、部品を識別するための情報である。部品種特定情報J4A5は、部品を特定するための情報である。集荷数情報J4A6は、部品保管部20に集荷させるべき新たな部品収納部材の数を表す情報である。
図23に示す例では、集荷タイミングTSにおいて、部品庫棚番号が「BA」に保管されている、部品IDが「IA1」で部品名が「A1」の部品を収納した部品収納テープが巻回されたリールの「1」本を、部品保管部20に集荷させるべきであることが示されている。また、集荷タイミングTSにおいて、部品庫棚番号が「BC」に保管されている、部品IDが「IT1」で部品名が「T1」の部品を保持したトレイが載置されたパレット、又はそのパレットを収容したマガジンの「1」個を、部品保管部20に集荷させるべきであることが示されている。また、集荷タイミングTSにおいて、部品庫棚番号が「BD」に保管されている、部品IDが「IS1」で部品名が「S1」の部品を収納したスティック、又はそのスティックを収容したマガジンの「1」個を、部品保管部20に集荷させるべきであることが示されている。更に、集荷タイミングTSにおいて、部品庫棚番号が「BB」に保管されている、部品IDが「IZ1」で部品名が「Z1」の部品を収納した部品収納テープが巻回されたリールの「1」本を、部品保管部20に集荷させるべきであることが示されている。
集荷特定部345により生成された集荷特定結果情報JH4Aは、データ通信部31の情報出力部312に与えられ、通信制御部341によって制御されて情報出力部312から部品出庫管理装置7に送信される。情報出力部312から送信されて部品出庫管理装置7に入力された集荷特定結果情報JH4Aに基づいて、部品庫の作業者は、部品庫から部品収納部材等を出庫して実装機2に近設される部品保管部20に収納し、当該部品保管部20に部品収納部材等を集荷させる集荷作業を行うことができる。
なお、上述した具体的実施形態には以下の構成を有する発明が主に含まれている。
本発明の一の局面に係る部品補給管理システムは、基板に部品を実装し実装基板を生産する実装機に付設され、部品が収納された部品収納部材を複数装着可能な複数の部品供給装置の各々に対する、部品収納部材の補給を管理するシステムである。この部品補給管理システムは、部品収納部材を補給すべき部品供給装置を特定する補給特定部と、前記補給特定部による特定結果を表す特定結果情報を出力する情報出力部と、を備える。前記補給特定部は、各部品供給装置において、複数の前記部品収納部材のうちの部品供給が先行して行われる一の部品収納部材が部品切れとなる第1時刻から、複数の前記部品収納部材に収納される部品の合計部品残数が所定値に達する第2時刻までの、新たな部品収納部材の補給が可能な時間帯を表す補給可能時間帯を、各部品供給装置に対応付けて特定する第1特定部と、前記各補給可能時間帯のうち、前記第2時刻が最も早い第1補給可能時間帯を認識し、それに対応した部品供給装置を、部品収納部材を優先して補給すべき第1部品供給装置として特定する第2特定部と、前記各補給可能時間帯を参照し、前記第1補給可能時間帯内で部品収納部材の補給が可能な部品供給装置を、第2部品供給装置として特定する第3特定部と、を含む。
上記の部品補給管理システムにおいて、前記補給特定部は、前記第1部品供給装置及び前記第2部品供給装置に対して同一の、前記第1補給可能時間帯内での部品収納部材の補給タイミングを特定する第4特定部を更に含む。
また、上記の部品補給管理システムは、1枚の実装基板の生産に必要な部品の必要数に関する部品必要数情報と、1枚の実装基板の生産時における部品の実装時間に関するサイクルタイム情報と、前記合計部品残数に関する部品残数情報とを取得する情報取得部を、更に備える構成としてもよい。そして、前記補給特定部は、前記部品必要数情報、前記サイクルタイム情報及び前記部品残数情報に基づき、部品収納部材を補給すべき部品供給装置を特定するとともに、その補給タイミングを特定する。
この部品補給管理システムによれば、補給特定部が、新たな部品収納部材を補給すべき部品供給装置を特定するとともに、その補給タイミングを特定し、情報出力部が、補給特定部による特定結果を表す特定結果情報を出力する。ここで、補給特定部は、第1特定部、第2特定部、第3特定部及び第4特定部を含む。第1特定部は、新たな部品収納部材の補給可能時間帯を各部品供給装置に対応付けて特定する。第2特定部は、各補給可能時間帯のうち合計部品残数が所定値に達する第2時刻が最も早い第1補給可能時間帯を認識し、それに対応した部品供給装置を第1部品供給装置として特定する。第3特定部は、第1補給可能時間帯内で部品収納部材の補給が可能な部品供給装置を第2部品供給装置として特定する。第4特定部は、第1部品供給装置及び前記第2部品供給装置に対して同一の、第1補給可能時間帯内での部品収納部材の補給タイミングを特定する。
このように、部品補給管理システムは、各部品供給装置に対する部品収納部材の補給タイミングを、それぞれ個別に特定するのではなく、同一の補給タイミングで部品収納部材を補給可能な部品供給装置に対しては、作業者による部品収納部材の補給作業をまとめて行う、「まとめ補給」を可能とする。従って、部品供給装置が付設された実装機のもとに作業者が行く頻度を低減することができ、作業者による補給作業の負荷を軽減することができる。
上記の部品補給管理システムでは、前記第3特定部は、前記各補給可能時間帯において、前記第1補給可能時間帯以外の残余の補給可能時間帯のうち、前記第1補給可能時間帯における前記第2時刻が時間帯内に含まれる全ての第2補給可能時間帯を認識し、それらに対応した全ての部品供給装置を、前記第2部品供給装置として特定するよう構成されてもよい。また、前記第4特定部は、前記第1補給可能時間帯及び前記第2補給可能時間帯で重複する重複時間帯を認識し、当該重複時間帯内の所定の時刻を、前記第1部品供給装置及び前記第2部品供給装置に対して同一の前記補給タイミングとして特定するよう構成されてもよい。
この態様では、第3特定部は、第1補給可能時間帯以外の残余の補給可能時間帯のうち、第1補給可能時間帯における第2時刻が時間帯内に含まれる全ての第2補給可能時間帯を認識し、それらに対応した全ての部品供給装置を、第2部品供給装置として特定することができる。また、第4特定部は、第1補給可能時間帯及び第2補給可能時間帯で重複する重複時間帯を認識し、当該重複時間帯内の所定の時刻を、第1部品供給装置及び第2部品供給装置に対して同一の補給タイミングとして特定することができる。
上記の部品補給管理システムでは、前記第4特定部は、前記重複時間帯内において最も早い時刻を、前記補給タイミングとして特定するよう構成されてもよい。
重複時間帯は、作業者による部品収納部材の補給作業をまとめて行う「まとめ補給」が可能な時間帯である。第1部品供給装置及び第2部品供給装置に対する同一の補給タイミングを、このような重複時間帯内で最も早い時刻とすることによって、第1部品供給装置において合計部品残数が所定値に達する第2時刻までの時間的な余裕がある状態で、「まとめ補給」が可能となる。
上記の部品補給管理システムでは、前記補給特定部は、各部品供給装置において、前記第2時刻から前記合計部品残数がゼロとなる第3時刻までの、部品残数の警告を発すべき時間帯を表す部品残数警告時間帯を、各部品供給装置に対応付けて特定する第5特定部を、更に含む構成であってもよい。
この態様では、第1部品供給装置及び第2部品供給装置に対して設定された同一の補給タイミングで「まとめ補給」が行われなかった場合に、作業者は、第5特定部により特定される部品残数警告時間帯を目安として部品収納部材の補給作業を行うことができる。
上記の部品補給管理システムは、部品収納部材の補給の効率化を図るための効率化条件を特定する補給効率化特定部を、更に備える構成であってもよい。前記補給効率化特定部は、単位時間当たりの実装数が最も多い部品を注目部品として認識し、部品収納部材の補給周期を延長させるべく、前記注目部品の部品収納部材における収納数を所定値に増加させることを、前記効率化条件として特定する注目部品特定部を含む。
この態様では、補給効率化特定部の注目部品特定部は、単位時間当たりの実装数が最も多い部品を注目部品として認識する。そして、注目部品特定部は、注目部品の部品収納部材における収納数を増加させることを、部品収納部材の補給の効率化を図るための効率化条件として特定する。これにより、注目部品を収納した部品収納部材の補給周期を延長させることができる。このため、部品供給装置が付設された実装機のもとに作業者が行く頻度を、より低減することができ、作業者による補給作業の負荷をより軽減することができる。
本発明の他の局面に係る部品実装システムは、部品が収納された部品収納部材を複数装着可能な複数の部品供給装置が付設され、基板に部品を実装し実装基板を生産する実装機と、前記複数の部品供給装置の各々に対する前記部品収納部材の補給を管理する、上記の部品補給管理システムと、前記情報出力部を介して前記部品補給管理システムとデータ通信可能に接続され、実装基板の生産を管理する管理装置と、を備える。
この部品実装システムによれば、作業者による補給作業の負荷の軽減が可能な部品補給管理システムを備えているので、実装基板の生産中に、作業者による補給作業の遅れに起因して部品供給装置からの部品の供給が停止することが、可及的に抑止される。これにより、実装基板の生産効率の低下を抑止することができる。
以上説明した通り、本発明によれば、作業者による、部品供給装置に対する部品収納部材の補給作業の負荷を軽減することが可能な部品補給管理システム、及びそれを備えた部品実装システムを提供することができる。