JPWO2019176862A1 - 複層ガラスパネル - Google Patents

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Abstract

本発明に係る複層ガラスパネルは、少なくとも1つのガラス板を有する第1ガラス体と、少なくとも1つのガラス板を有する第2ガラス体と、前記第1ガラス体と第2ガラス体との間に配置され、前記両ガラス体の間に空隙層を形成するスペーサと、を備え、前記第1ガラス体の可視光透過率が、0.5〜50%であり、熱貫流率が1.5〜2.9W/m2Kであり、前記第1ガラス体側から測定した日射熱取得率が0.1〜0.5である。

Description

本発明は、複層ガラスパネルに関する。
近年、建築物の窓ガラスには、複層ガラスパネルが多く採用されている(例えば、特許文献1)。複層ガラスパネルは、2以上のガラス板の間に空隙層を形成したものであり、これによって、室内の断熱性を高めることを目的としている。
特開2016−153364号公報
ところで、ビルなどの建築物では、年中に亘って冷房または暖房の空調が稼働しているが、近年のエコ政策を考慮して、これらの空調のエネルギ負荷の低減が求められている。そして、そのようなエネルギ負荷の低減のために、窓ガラスの改良が要望されているが、従来のように、単に、断熱性能を高めた複層ガラスパネルでは十分ではなく、さらなるエネルギ負荷低減のための複層ガラスパネルが要望されていた。本発明は、この問題を解決するためになされたのであり、エネルギ負荷の低減が可能な複層ガラスパネルを提供することを目的とする。
項1.少なくとも1つのガラス板を有する第1ガラス体と、
少なくとも1つのガラス板を有する第2ガラス体と、
前記第1ガラス体と第2ガラス体との間に配置され、前記両ガラス体の間に空隙層を形成するスペーサと、
を備え、
前記第1ガラス体の可視光透過率が、0.5〜50%であり、
熱貫流率が1.5〜2.9W/m2Kであり、
前記第1ガラス体側から入射光を入射させて測定した日射熱取得率が0.1〜0.5である、複層ガラスパネル。
項2.可視光透過率が0.5〜50%である、項1に記載の複層ガラスパネル。
項3.前記第1ガラス体側から入射光を入射させて測定した可視光反射率が3〜10%であり、
前記第2ガラス体側から入射光を入射させて測定した可視光反射率が5〜12%である、項1または2に記載の複層ガラスパネル。
項4.前記第1ガラス体は、前記空隙層側の面に形成された、第1Low−E膜を備えている、項1から3のいずれかに記載の複層ガラスパネル。
項5.前記第1Low−E膜は、透明導電性酸化物層を含有する、項4に記載の複層ガラスパネル。
項6.前記第1Low−E膜は、銀を主成分とする銀層を含有する、項4に記載の複層ガラスパネル。
項7.前記第1Low−E膜は、銀を主成分とする銀層が2層積層されている、項4に記載の複層ガラスパネル。
項8.前記第2ガラス体は、前記空隙層側の面に形成された、第2Low−E膜を備えている、項1から7のいずれかに記載の複層ガラスパネル。
項9.前記第2Low−E膜は、透明導電性酸化物層を含有する、項8に記載の複層ガラスパネル。
項10.前記第2Low−E膜は、銀を主成分とする銀層を含有する、項8に記載の複層ガラスパネル。
項11.前記第2Low−E膜は、銀を主成分とする銀層が2層積層されている、項8に記載の複層ガラスパネル。
項12.前記第1ガラス体及び第2ガラス体の少なくとも一方は、一枚の前記ガラス板により構成されている、項1から11のいずれかに記載の複層ガラスパネル。
項13.前記第1ガラス体及び第2ガラス体の少なくとも一方は、合わせガラスにより構成されており、
前記合わせガラスは、
第1ガラス板と、
第2ガラス板と、
前記第1ガラス板及び第2ガラス板の間に配置される中間膜と、
を備えている、項1から11のいずれかに記載の複層ガラスパネル。
本発明に係る複層ガラスパネルによれば、エネルギ負荷の低減が可能となる。
本発明に係る複層ガラスパネルの一例を示す断面図である。 複層ガラスパネルに用いる合わせガラスの一例を示す断面図である。 比較例に用いた減圧断熱複層ガラスの一例を示す断面図である。 本発明の実施例及び比較例のエネルギ負荷の例を示す図である。
<1.複層ガラスパネルの概要>
以下、本発明に係る複層ガラスパネルの一実施形態について、説明する。図1に示すように、本実施形態に係る複層ガラスパネルは、ほぼ同じ矩形の外形を有する2つのガラス体、つまり第1ガラス体1及び第2ガラス体2を有しており、これらガラス体1,2は、その周縁部に配置されたスペーサ4によって互いに連結されている。このスペーサ4により、2つのガラス体1,2の間には第1空隙層3が形成される。また、図示を省略するが、スペーサ4よりも外側に配置されたシール材により、第1空隙層3は密閉されている。以下、各部材について説明する。
<2.第1ガラス体>
第1ガラス体1は、一枚のガラス板、合わせガラス、複層ガラスにより形成することができる。また、第1ガラス体1を構成するガラス板には、必要に応じて、低放射膜(Low−E膜)を形成することができる。
<2−1.ガラス板>
第1ガラス体1に含まれるガラス板は、特には限定されず、公知のガラス板を用いることができる。例えば、熱線吸収ガラス、クリアガラス、グリーンガラス、UVグリーンガラス、ソーダライムガラスなど種々のガラス板を用いることができる。ガラス板の厚みは、特には限定されないが、例えば、2〜15mmであることが好ましく、2.5〜8mmであることがさらに好ましい。第1ガラス体1を1枚のガラス板で構成する場合には、上記ガラス板を用いることができる。
<2−2.合わせガラス>
第1ガラス体1は、上記ガラス板により形成されるほか、これらのガラス板を用いた合わせガラスにより形成することができる。図2に示すように、合わせガラス1は、2枚のガラス板11,12の間に樹脂製の中間膜13を配置したものである。
中間膜13は一層または複数の層で形成することができる。例えば、一層(単層)の中間膜13の材料は、熱可塑性樹脂であり、合わせガラスとした際のガラス板との接着度の観点より、ポリビニルアセタール系またはエチレン−酢酸ビニル共重合体系の熱可塑性樹脂を好適に用いることができる。中でもポリビニルブチラール系(PVB系)の熱可塑性樹脂が好ましい。上記熱可塑性樹脂と公知の可塑剤とからなる熱可塑性樹脂組成物を、例えば混練して成形することで、中間膜13が得られる。なお、中間膜13は、市販される熱可塑性樹脂フィルムをそのまま使用することもできる。
中間膜13を複数層で形成する場合には、例えば、軟質のコア層を硬質の一対のアウター層で挟むことで中間膜を形成することができる。各層を構成する材料は、特には限定されないが、例えば、コア層が軟質となるような材料で形成することができる。例えば、アウター層は、ポリビニルブチラール樹脂(PVB)によって構成することができる。ポリビニルブチラール樹脂は、各ガラス板との接着性や耐貫通性に優れるので好ましい。一方、コア層は、エチレンビニルアセテート樹脂(EVA)、またはアウター層を構成するポリビニルブチラール樹脂よりも軟質なポリビニルアセタール樹脂によって構成することができる。軟質なコア層を間に挟むことにより、単層の樹脂中間膜13と同等の接着性や耐貫通性を保持しながら、遮音性能を大きく向上させることができる。
また、中間膜13の総厚は、特に規定されないが、0.3〜6.0mmであることが好ましく、0.5〜4.0mmであることがさらに好ましく、0.6〜2.0mmであることが特に好ましい。一方、コア層の厚みは、0.1〜2.0mmであることが好ましく、0.1〜0.6mmであることがさらに好ましい。0.1mmよりも小さくなると、軟質なコア層の影響が及びにくくなり、また、2.0mmや0.6mmより大きくなると総厚があがりコストアップとなるからである。一方、アウター層の厚みは特に限定されないが、例えば、0.1〜2.0mmであることが好ましく、0.1〜1.0mmであることがさらに好ましい。その他、中間膜13の総厚を一定とし、この中でコア層の厚みを調整することもできる。
中間膜13の製造方法は特には限定されないが、例えば、上述したポリビニルアセタール樹脂等の樹脂成分、可塑剤及び必要に応じて他の添加剤を配合し、均一に混練りした後、各層を一括で押出し成型する方法、この方法により作成した2つ以上の樹脂膜をプレス法、ラミネート法等により積層する方法が挙げられる。プレス法、ラミネート法等により積層する方法に用いる積層前の樹脂膜は単層構造でも多層構造でもよい。
<2−3.Low−E膜>
Low−E膜(低放射膜)の構成は特に限定されず、公知のLow−E膜を適用できる。
Low−E膜は、例えば、Ag層のような金属層を含む膜である。この膜は、例えば、ガラス板の主平面側から順に、誘電体層/金属層/犠牲層/誘電体層が積層された構造を有する。換言すれば、このLow−E膜は、金属層と、金属層における上記主平面側とは反対側の面に当該金属層と接して配置された犠牲層と、金属層および犠牲層を挟持する誘電体層のペアとを含む第1積層構造を有する。また、このLow−E膜は2以上の金属層を含んでいてもよく、これにより複層ガラスユニットのU値(熱貫流率)をより小さくする設計が可能となる。この場合、Low−E膜は、例えば、ガラス板の主平面側から順に、誘電体層/金属層/犠牲層/誘電体層/金属層/犠牲層/誘電体層が積層された構造を有しうる。すなわち、Low−E膜は2以上の金属の第1積層構造を有していてもよく、この場合、犠牲層と金属層との間に挟まれた誘電体層を2つの第1積層構造で共有することができる。
誘電体層、金属層および犠牲層の各層は、1つの材料から構成される1つの層であっても、互いに異なる材料から構成される2以上の層の積層体であってもよい。
第1積層構造において金属層および犠牲層を挟持する一対の誘電体層は、同じ材料から構成されていても、互いに異なる材料から構成されていてもよい。
金属層を含むLow−E膜は、当該金属層の数をnとすると当該金属層を挟持する誘電体層の数がn+1以上となるため、通常、2n+1またはそれ以上の数の層から構成されている。
金属層は、例えば、Ag層である。Ag層は、Agを主成分とする層であってAgからなる層であってもよい。本明細書において「主成分」とは、当該層において最も含有率が大きな成分のことであり、その含有率は、通常50重量%以上であり、70重量%以上、80重量%以上、90重量%以上の順により好ましい。金属層には、Agの代わりに、パラジウム、金、インジウム、亜鉛、スズ、アルミニウムおよび銅などの金属をAgにドープした材料を使用してもよい。
Low−E膜が金属層を含む場合、Low−E膜における金属層の厚さの合計は、例えば18〜34nmであり、好ましくは22〜29nmである。
犠牲層は、例えば、チタン、亜鉛、ニッケル、クロム、亜鉛/アルミニウム合金、ニオブ、ステンレス、これらの合金およびこれらの酸化物から選ばれる少なくとも1種を主成分とする層であり、チタン、チタン酸化物、亜鉛および亜鉛酸化物から選ばれる少なくとも1種を主成分とする層が好ましい。犠牲層の厚さは、例えば0.1〜5nmであり、好ましくは0.5〜3nmである。
誘電体層は、例えば、酸化物または窒化物を主成分とする層であり、このような誘電体層のより具体的な例は、ケイ素、アルミニウム、亜鉛、錫、チタン、インジウムおよびニオブの各酸化物ならびに各窒化物から選ばれる少なくとも1種を主成分とする層である。誘電体層の厚さは、例えば8〜120nmであり、好ましくは15〜85nmである。
金属層、犠牲層および誘電体層の形成方法は限定されず、公知の薄膜形成手法を利用できる。例えば、スパッタリング法によりこれらの層を形成できる。すなわち、金属層を含むLow−E膜は、例えば、スパッタリング法により形成できる。酸化物または窒化物から構成される誘電体層は、例えば、スパッタリング法の一種である反応性スパッタリングにより形成できる。犠牲層は、金属層上に誘電体層を反応性スパッタリングにより形成するために必要な層(反応性スパッタリング時に自らが酸化することによって金属層の酸化を防ぐ層)であり、犠牲層との名称は当業者によく知られている。
Low−E膜の別の一例は、透明導電性酸化物層を含む積層膜である。この膜は、例えば、ガラス板の主平面側から順に、下地層/透明導電性酸化物層が積層された第2積層構造を有する。換言すれば、このLow−E膜は、透明導電性酸化物層と、透明導電性酸化物層を挟持する下地層とを含む第2積層構造を有する。このLow−E膜は、2以上の透明導電性酸化物層を含んでいてもよい。
下地層、透明導電性酸化物層の各層は、1つの材料から構成される1つの層であっても、互いに異なる材料から構成される2以上の層の積層体であってもよい。
下地層は、例えば、ケイ素、アルミニウム、亜鉛およびスズの各酸化物から選ばれる少なくとも1種を主成分とする層であり、ケイ素、アルミニウムおよび亜鉛の各酸化物から選ばれる少なくとも1種を主成分とする層でありうる。下地層は、ガラス板に含まれるナトリウムイオンなどのアルカリ金属イオンが透明導電性酸化物層に移動することを抑制し、これにより当該酸化物層の機能の低下が抑制される。下地層の厚さは、例えば25〜90nmであり、好ましくは35〜70nmである。下地層は、屈折率が互いに異なる2以上の層から構成されていてもよく、この場合、各層の厚さを調整することにより、Low−E膜の反射色を中性色に近づけることが可能である。2以上の層、例えば2つの層、から構成される下地層では、ガラス板の主平面側から順に、酸化スズまたは酸化チタンを主成分とする第1の下地層、および酸化ケイ素または酸化アルミニウムを主成分とする第2の下地層とすることが好ましい。
透明導電性酸化物層は、例えば、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛アルミニウム、アンチモンドープ酸化スズ(SnO:Sb)およびフッ素ドープ酸化スズ(SnO2:F)から選ばれる少なくとも1種を主成分とする層である。透明導電性酸化物層の厚さは、例えば100〜350nmであり、好ましくは120〜260nmである。
第2積層構造の具体的な一例では、透明導電性酸化物層が厚さ120nm以上のフッ素ドープ酸化スズ層を含む。厚さ120nm以上のフッ素ドープ酸化スズ層は、Low−E膜の放射率εを一定の値以下とすることに寄与する。この例において、第2のLow−E膜の放射率εは、例えば0.34以下である。
下地層、透明導電性酸化物層の形成方法は限定されず、公知の薄膜形成手法を利用できる。例えば、CVD法によりこれらの層を形成できる。すなわち、透明導電性酸化物層を含むLow−E膜は、例えば、CVD法により形成できる。CVD法による薄膜の形成は、ガラス板の製造工程、より具体的な例としてフロート法によるガラス板の製造工程において「オンライン」にて実施可能である。
上記のようなLow−E膜は、第1ガラス体1の空隙層3側の面に積層することができる。第1ガラス体1が1枚のガラス板である場合には、屋内側(第1空隙層3側)の面にも形成することができる。この点は、合わせガラスでも同様であり、合わせガラスの屋内側(第1空隙層側)の面に形成することができる。
<2−4.可視光透過率及び可視光反射率>
第1ガラス体1の可視光透過率は、1〜50%とすることができ、0.5〜30%であることが好ましく、1〜10%であることがさらに好ましい。一般に可視光透過率は、後述する日射熱取得率とのある程度の相関があり、可視光透過率が低いと、日射熱取得率も低い傾向があることが知られている。しかし、本発明の複層ガラスパネルにおいては第2ガラス体の可視光透過率よりはむしろ第1ガラス体の可視光透過率が低い場合に冷暖房のエネルギー負荷を低減できるという効果を奏する。また、第1ガラス体1の室外側からの可視光の反射率は、3〜10%であることが好ましい。一方、第1ガラス体1の室内側からの可視光の反射率は、5〜20%であることが好ましい。可視光透過率および可視光反射率の測定方法は、JIS R3106:1998に基づくことができる。
<2−5.日射透過率及び日射反射率>
第1ガラス体1の日射透過率は、0.5〜50%とすることができ、0.5〜30%であることが好ましく、1〜10%であることがさらに好ましい。また、第1ガラス体1の室外側からの日射の反射率は、5〜20%であることが好ましい。一方、第1ガラス体1の室内側からの日射の反射率は、5〜40%であることが好ましい。日射透過率および日射反射率の測定方法もまたJIS R3106:1998に基づくことができる。
<3.第2ガラス体>
第2ガラス体2は、第1ガラス体1と同様に構成することができる。但し、可視光透過率、可視光反射率、日射透過率、及び日射反射率については、第1ガラス体1と同じでなくてもよく、例えば、より高い透過率にすることができる。
<4.第1空隙層>
第1空隙層3は、第1ガラス体1及び第2ガラス体2の間にスペーサ4を配置することで、両ガラス体1,2の間に形成されるものである。スペーサ4は、公知のものを利用することができ、両ガラス体1,2の周縁に配置することができる。また、好ましいスペーサとしては、例えば、スペーサ内部の空間に乾燥剤を保持したものを用いることができる。これにより、第1空隙層3の気体の乾燥状態を長期間にわたって保つことができる。また、スペーサ4よりさらに外側にシール材(図示省略)を配置し、第1空隙層3を気密にすることができる。第1空隙層3は、例えば、4〜16mmとすることができ、6〜16mmとすることがさらに好ましい。第1空隙層3には、乾燥空気のほか、アルゴン、クリプトンのような不活性ガスを充填することができる。
<5.複層ガラスパネルの物性>
複層ガラスパネルの熱貫流率(U値)は、1.5〜2.9W/m2Kであることが好ましく、1.6〜2.8W/m2Kであることがさらに好ましい。熱貫流率が低いと断熱性能が高くなる。但し、熱貫流率が1.5よりも低いと、冷房時に室内に熱が溜まりやすくなるため、エネルギ消費量が多くなる傾向にあり、好ましくない。一方、熱貫流率が2.9より大きいと、熱が放射されやすくなり、暖房時のエネルギ消費量が多くなる傾向にあり、好ましくない。熱貫流率は、例えば、JIS R3107:1998により測定することができる。
複層ガラスパネルの日射熱取得率は、0.1〜0.5であることが好ましく、0.3以下であることがより好ましく、0.25以下であることがさらに好ましい。このように日射熱取得率が低いと、冷房の負荷を軽減することができる。日射熱取得率が0.5より大きいと、夏季において入射する日射による冷房への負荷が非常に大きくなり、一方、0.1未満だと複層ガラスパネルの可視光透過率も非常に小さくなり、屋内から屋外の景色を見通すことが困難で、窓としての機能に劣る。日射熱取得率は、例えば、JIS R3106:1998により測定することができる。
また、複層ガラスパネルの可視光透過率は、0.5〜50%とすることができ、0.5〜30%であることが好ましく、1〜10%であることがさらに好ましい。また、室外側からの可視光の反射率は、3〜10%であることが好ましい。一方、室内側からの可視光の反射率は、5〜12%であることが好ましい。
<6.変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。
以下、本発明の実施例について説明する。但し、本発明は以下の実施例に限定されない。
<1.実施例及び比較例の準備>
以下の通り、実施例1〜11に係る複層ガラスパネルと、比較例1〜7に係る単板ガラスまたは複層ガラスパネルを準備した。
(比較例1)
比較例1として、厚さ8mmの一枚の単板からなるフロートガラス(日本板硝子製)を用いた。古くからあるビルの窓や壁面に用いられているものと同様である。
(比較例2)
比較例2として、第1ガラス体及び第2ガラス体を有する複層ガラスパネルを準備した。両ガラス体の間には、スペーサにより厚さ12mmの第1空隙層を形成した。空隙層には乾燥空気が充填されている。第1ガラス体は、厚みが6mmのオンラインコーティングLow−Eガラス(日本板硝子製、Energy-Advantage)により形成されている。つまり、この第1ガラス体は、一枚のガラス板と、このガラス板の第1空隙層側の面に積層されたLow−E膜とを有している。第2ガラス体は、厚みが6mmの1枚の透明フロートガラス(日本板硝子製)により形成した。
(比較例3)
比較例3として、第1ガラス体及び第2ガラス体を有する複層ガラスパネルを準備した。両ガラス体の間には、スペーサにより厚さ12mmの第1空隙層を形成した。第1空隙層には乾燥空気が充填されている。第1ガラス体は、厚みが6mmのスパッタコーティングLow−Eガラス(日本板硝子製)により形成されている。この第1ガラス体は、一枚のガラス板の第1空隙層側の面に、誘電体層、銀を主成分とする層、誘電体層、銀を主成分とする層、及び誘電体層をこの順で含む薄膜(Low−E膜)をスパッタリング法により形成したものである。銀を主成分とする2層は、それぞれが厚さ約10nmである。第2ガラス体は、厚みが6mmの1枚の透明フロートガラス(日本板硝子製)により形成されている。
(比較例4)
比較例4として、第1ガラス体及び第2ガラス体を有する複層ガラスパネルを準備した。両ガラス体の間には、スペーサにより厚さ12mmの第1空隙層を形成した。第1空隙層にはアルゴンガスが充填されている。第1ガラス体は、厚みが3mmのオンラインコーティングLow−Eガラス(日本板硝子製、Energy-Advantage)により形成されている。つまり、この第1ガラス体は、一枚のガラス板と、このガラス板の第1空隙層側の面に積層されたLow−E膜とを有している。
第2ガラス体として、Low−E膜付き減圧断熱複層ガラスを用いた。減圧断熱複層ガラスは、図3で説明すると、通常の透明フロート板ガラス14と、スパッタコーティングLow−Eガラス18と、これらの間に配置される厚さ0.2mmのスペーサ15とを有し、Low−Eコーティングが施された面をスペーサ15側に配置した。これら2枚のガラス板14,18の全周縁部は、公知の封着剤17で封着されており、両ガラス板14,18の間には、真空引きした第2空隙層16が形成されている。スパッタコーティングLow−Eガラス18は、厚さが6mmの透明フロート板ガラス(日本板硝子製)に、誘電体層、銀を主成分とする層、誘電体層をこの順で含む薄膜(Low−E膜)をスパッタリング法により形成したものである。銀を主成分とする層は、厚さが約10nmである。また、この第2ガラス体2は、スパッタコーティングLow−Eガラスが、第1ガラス体とは反対側になるように配置した。
(比較例5)
比較例5として、第1ガラス体及び第2ガラス体を有する複層ガラスパネルを準備した。両ガラス体の間には、スペーサにより厚さ0.2mmの第1空隙層を形成した。第1ガラス体は、厚みが3mmのオンラインコーティングLow−Eガラス(日本板硝子製、Energy-Advantage)により形成されている。つまり、この第1ガラス体は、一枚のガラス板と、このガラス板の第1空隙層側の面に積層されたLow−E膜とを有している。第2ガラス体は、厚みが3mmの1枚の透明フロートガラス(日本板硝子製)により形成されている。
これら2枚のガラス体の全周縁部は、公知の封着剤で封着されており、第1空隙層は、真空引きされている。また、第1ガラス体のLow−E膜は、第1空隙層側を向くように配置されている。
(比較例6)
比較例6として、第1ガラス体及び第2ガラス体を有する複層ガラスパネルを準備した。この複層ガラスパネルは、図3のごとく減圧断熱複層ガラスであり、通常の透明フロート板ガラス14と、スパッタコーティングLow−Eガラス18と、これらの間に配置される厚さ0.2mmのスペーサ15とを有し、Low−Eコーティングが施された面をスペーサ15側に配置した。これら2枚のガラス板14,18の全周縁部は、封着剤17で封着されており、両ガラス板14,18の間には、真空引きした第2空隙層16が形成されている。
(比較例7)
比較例7は、厚さ8mmのオンラインコーティングLow−Eガラス(日本板硝子製、Energy-Advantage)により形成されている。つまり、比較例7は、一枚のガラス板と、このガラス板の屋内側の面に積層されたLow−E膜とを有している。
(実施例1)
実施例1として、第1ガラス体及び第2ガラス体を有する複層ガラスパネルを準備した。両ガラス体の間には、スペーサにより厚さ12mmの第1空隙層を形成した。第1空隙層には乾燥空気が充填されている。
第1ガラス体は、濃色Low−Eガラスにより形成した。この濃色Low−Eガラスは、厚さが6mmの濃色フロートガラス(日本板ガラス製 UV Protect 400)に、比較例3で示した銀が2層含まれているLow−E膜を積層したものである。第2ガラス体は、厚みが6mmの1枚の透明フロートガラス(日本板硝子製)により形成されている。また、第1ガラス体のLow−E膜は、第1空隙層側に配置されている。
(実施例2)
実施例2として、第1ガラス体及び第2ガラス体を有する複層ガラスパネルを準備した。両ガラス体の間には、スペーサにより厚さ12mmの第1空隙層を形成した。第1空隙層には乾燥空気が充填されている。
第1ガラス体は、濃色Low−Eガラスにより形成した。この濃色Low−Eガラスは、厚さが6mmの濃色フロートガラス(日本板ガラス製 Galaxsee)に、比較例3で示した銀が2層含まれているLow−E膜を積層したものである。第2ガラス体は、厚みが6mmの1枚の透明フロートガラス(日本板硝子製)により形成されている。また、第1ガラス体のLow−E膜は、第1空隙層側に配置されている。
(実施例3)
実施例3として、第1ガラス体及び第2ガラス体を有する複層ガラスパネルを準備した。両ガラス体の間には、スペーサにより厚さ12mmの第1空隙層を形成した。第1空隙層には乾燥空気が充填されている。
第1ガラス体は、濃色Low−Eガラスにより形成した。この濃色Low−Eガラスは、厚さが6mmの濃色フロートガラス(日本板ガラス製 Legart20)に、比較例3で示した銀が2層含まれているLow−E膜を積層したものである。第2ガラス体は、厚みが6mmの1枚の透明フロートガラス(日本板硝子製)により形成されている。また、第1ガラス体のLow−E膜は、第1空隙層側に配置されている。
(実施例4)
実施例4として、第1ガラス体及び第2ガラス体を有する複層ガラスパネルを準備した。両ガラス体の間には、スペーサにより厚さ12mmの第1空隙層を形成した。第1空隙層には乾燥空気が充填されている。
第1ガラス体は、濃色Low−Eガラスにより形成した。この濃色Low−Eガラスは、厚さが3mmの濃色フロートガラス(日本板ガラス製 UV Protect 400)に、比較例3で示した銀が2層含まれているLow−E膜を積層したものである。第2ガラス体は、厚みが6mmの1枚の透明フロートガラス(日本板硝子製)により形成されている。また、第1ガラス体のLow−E膜は、第1空隙層側に配置されている。
(実施例5)
実施例5として、第1ガラス体及び第2ガラス体を有する複層ガラスパネルを準備した。両ガラス体の間には、スペーサにより厚さ12mmの第1空隙層を形成した。第1空隙層には乾燥空気が充填されている。
第1ガラス体は、濃色Low−Eガラスにより形成した。この濃色Low−Eガラスは、厚さが4mmの濃色フロートガラス(日本板ガラス製 Legart50)に、比較例3で示した銀が2層含まれているLow−E膜を積層したものである。第2ガラス体は、厚みが6mmの1枚の透明フロートガラス(日本板硝子製)により形成されている。また、第1ガラス体のLow−E膜は、第1空隙層側に配置されている。
(実施例6)
実施例6として、第1ガラス体及び第2ガラス体を有する複層ガラスパネルを準備した。両ガラス体の間には、スペーサにより厚さ12mmの第1空隙層を形成した。第1空隙層には乾燥空気が充填されている。
第1ガラス体は、実施例1と同じ濃色Low−Eガラスにより形成した。第2ガラス体は、厚みが6mmの1枚の透明フロートガラス(日本板硝子製)に比較例3で示した銀が2層含まれているLow−E膜を積層したものである。そして、両ガラス体のLow−E膜が第1空隙層側を向くように配置した。
(実施例7)
実施例7として、第1ガラス体及び第2ガラス体を有する複層ガラスパネルを準備した。両ガラス体の間には、スペーサにより厚さ12mmの第1空隙層を形成した。第1空隙層には乾燥空気が充填されている。
第1ガラス体は、厚みが6mmの濃色フロートガラス(日本板硝子製 Galaxsee)により形成した。第2ガラス体は、厚さが6mmの透明フロートガラス(日本板硝子製)により形成した。
(実施例8)
実施例8として、第1ガラス体及び第2ガラス体を有する複層ガラスパネルを準備した。両ガラス体の間には、スペーサにより厚さ12mmの第1空隙層を形成した。第1空隙層には乾燥空気が充填されている。
第1ガラス体は、厚みが6mmの濃色フロートガラス(日本板硝子製 Legart20)により形成した。第2ガラス体は、厚さが5.8mmの透明フロートガラス(日本板硝子製)により形成した。
(実施例9)
実施例9として、第1ガラス体及び第2ガラス体を有する複層ガラスパネルを準備した。両ガラス体の間には、スペーサにより厚さ12mmの第1空隙層を形成した。第1空隙層には乾燥空気が充填されている。
第1ガラス体は、厚みが3.1mmの濃色フロートガラス(日本板硝子製 Galaxsee)により形成した。第2ガラス体は、厚さが6mmの透明フロートガラス(日本板硝子製)により形成した。
(実施例10)
実施例10として、第1ガラス体及び第2ガラス体を有する複層ガラスパネルを準備した。両ガラス体の間には、スペーサにより厚さ12mmの第1空隙層を形成した。第1空隙層には乾燥空気が充填されている。
第1ガラス体は、厚みが4mmの濃色フロートガラス(日本板硝子製 Legart50)により形成した。第2ガラス体は、厚さが6mmの透明フロートガラス(日本板硝子製)により形成した。
(実施例11)
実施例11として、第1ガラス体及び第2ガラス体を有する複層ガラスパネルを準備した。両ガラス体の間には、スペーサにより厚さ12mmの第1空隙層を形成した。第1空隙層には乾燥空気が充填されている。
第1ガラス体は、実施例7と同じ厚みが6mmの濃色フロートガラスにより形成した。第2ガラス体は、厚みが6mmの1枚の透明フロートガラス(日本板硝子製)に比較例3で示した銀が2層含まれているLow−E膜を積層したものである。そして、第2ガラス体のLow−E膜が第1空隙層側を向くように配置した。
上記のように準備した比較例及び実施例の第1ガラス体の光学特性は、以下の通りである。但し、比較例1,7は、一枚のガラス板により形成されているため、その物性を示している。
Figure 2019176862
また、比較例及び実施例のガラス板または複層ガラスパネルの光学特性等は、以下の通りである。
Figure 2019176862
なお、上記表1及び表2は、室外側反射率及び室内側反射率を示しているが、これは図1に示すように、第1ガラス体を室外側、第2ガラス体を室外側としたときに、室外側及び室内側からそれぞれ入射光を入射させて測定したことを示している。また、次に説明する実施例及び比較例の評価も同じく、図1のように第1ガラス体を室外側、第2ガラス体を室内側とした複層ガラスパネルを用いて評価を行った。
<2.実施例及び比較例の評価>
次に、上記のように準備された実施例及び比較例の評価を行った。以下では、比較例1を用いたビルの1フロアにおける一次エネルギー消費量を100%とし、これに対する比較例2〜7、実施例1〜11の一次エネルギ消費量をエネルギ負荷としてシミュレーションにより算出した。一次エネルギ消費量及びエネルギ負荷の算出は、以下の通りである。
(ビルの設定)
主方位が南、幅40m、奥行20m、高さ3.7mの5階建てのビルの3階の部屋を対象とした。この3階の壁面に対する窓の面積率は、90%とした。
(地域)
岡山県を対象とした。つまり、岡山県の1年の平均の気象データを用いた。
(空調設定)
・暖房:設定温度22℃、湿度成り行き
・冷房:設定温度26℃、湿度50%
(内部発熱)
・部屋の在籍者:0.1人/m2
・照明発熱:20W/m2
・機器発熱:なし
・取入外気量:4m3/m2
(計算方法)
ソフトウエアとしてHASPEXを用い、一次エネルギー消費量の算出を行った。上記部屋のペリメータゾーン(壁面から5mの枠形の領域:500m2)の冷暖房負荷を元に一次エネルギー消費量を算出した。また、エネルギ負荷は、比較例1を100%としたときの割合である。
・一次エネルギ消費量=Σ(各種エネルギー使用量×一次エネルギー原単位)
・各種エネルギー使用量=冷暖房負荷/機器効率/発熱原単位
・機器効率:暖房2.7、冷房3.7
・発熱原単位:3.6MJ/kWh
・一時エネルギ原単位:9.76MJ/kWh
結果は、以下の通りである。また、図4は、実施例及び比較例に係る熱貫流率と日射熱取得率との関係を示すバブルチャートである。その中で、100の数値が記載されているマーカーが比較例1を表している。また、外縁が着色されているマーカーが実施例1〜11を示している。マーカー中の数値は、エネルギ負荷を示している。
Figure 2019176862
表1〜3及び図4に示すように、実施例は、いずれも比較例よりも高いエネルギ負荷を示している。特に、実施例1,2,6,11は、エネルギ負荷が、比較例1の50%以下となっている。比較例4,6のように熱貫流率が低すぎると、熱が室内に溜まり、冷房時の一次エネルギー消費量が大きくなっている。したがって、熱貫流率は低すぎないことが好ましい。一方、日射熱取得率は低いことが好ましい。また、比較例3は、熱貫流率及び日射熱取得率がともに低いが、第1ガラス体の可視光透過率が高いことが影響して、一次エネルギー消費量が高くなっていると考えられる。これらのことから、第一ガラス体の可視光透過率が低く、かつ熱貫流率と日射熱取得率の両者がバランスよく低い場合に、エネルギ負荷を低くすることができることが分かった。
1 第1ガラス体
2 第2ガラス体
3 第1空隙層
4 スペーサ

Claims (13)

  1. 少なくとも1つのガラス板を有する第1ガラス体と、
    少なくとも1つのガラス板を有する第2ガラス体と、
    前記第1ガラス体と第2ガラス体との間に配置され、前記両ガラス体の間に空隙層を形成するスペーサと、
    を備え、
    前記第1ガラス体の可視光透過率が、0.5〜50%であり、
    熱貫流率が1.5〜2.9W/m2Kであり、
    前記第1ガラス体側から入射光を入射させて測定した日射熱取得率が0.1〜0.5である、複層ガラスパネル。
  2. 可視光透過率が0.5〜50%である、請求項1に記載の複層ガラスパネル。
  3. 前記第1ガラス体側から入射光を入射させて測定した可視光反射率が3〜10%であり、
    前記第2ガラス体側から入射光を入射させて測定した可視光反射率が5〜12%である、請求項1または2に記載の複層ガラスパネル。
  4. 前記第1ガラス体は、前記空隙層側の面に形成された、第1Low−E膜を備えている、請求項1から3のいずれかに記載の複層ガラスパネル。
  5. 前記第1Low−E膜は、透明導電性酸化物層を含有する、請求項4に記載の複層ガラスパネル。
  6. 前記第1Low−E膜は、銀を主成分とする銀層を含有する、請求項4に記載の複層ガラスパネル。
  7. 前記第1Low−E膜は、銀を主成分とする銀層が2層積層されている、請求項4に記載の複層ガラスパネル。
  8. 前記第2ガラス体は、前記空隙層側の面に形成された、第2Low−E膜を備えている、請求項1から7のいずれかに記載の複層ガラスパネル。
  9. 前記第2Low−E膜は、透明導電性酸化物層を含有する、請求項8に記載の複層ガラスパネル。
  10. 前記第2Low−E膜は、銀を主成分とする銀層を含有する、請求項8に記載の複層ガラスパネル。
  11. 前記第2Low−E膜は、銀を主成分とする銀層が2層積層されている、請求項8に記載の複層ガラスパネル。
  12. 前記第1ガラス体及び第2ガラス体の少なくとも一方は、一枚の前記ガラス板により構成されている、請求項1から11のいずれかに記載の複層ガラスパネル。
  13. 前記第1ガラス体及び第2ガラス体の少なくとも一方は、合わせガラスにより構成されており、
    前記合わせガラスは、
    第1ガラス板と、
    第2ガラス板と、
    前記第1ガラス板及び第2ガラス板の間に配置される中間膜と、
    を備えている、請求項1から11のいずれかに記載の複層ガラスパネル。
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