JPWO2019172156A1 - インプリント用下層膜形成組成物、インプリント用硬化性組成物、キット - Google Patents

インプリント用下層膜形成組成物、インプリント用硬化性組成物、キット Download PDF

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Abstract

ポリマーと溶剤とを含むインプリント用下層膜形成組成物であって、インプリント用下層膜形成組成物を膜状にし80℃でベークした場合、上記ポリマーから分子量が210以上の特定の化合物が脱離する、インプリント用下層膜形成組成物。さらに、本発明は、このインプリント用下層膜形成組成物に関連するインプリント用硬化性組成物およびこれらを用いたキットに関する。

Description

本発明は、インプリント用下層膜形成組成物、インプリント用硬化性組成物、キットの提供に関する。
インプリント法は、モールドを硬化性の組成物に押しつけ、組成物を硬化させた後、モールドを剥離することで微細なパターンを転写するものである。この方法を、半導体集積回路の製造などの精密加工分野に応用する試みが進められている。インプリント法により、ステッパーや電子ビームなどの高価な微細加工装置が不要となる。製造原価を下げ、プロセスが簡便で、高解像度、高スループットが実現できるため、様々な分野でデバイスの量産化に向けた研究が精力的に行われている。
インプリント法において、パターニングに適用する材料として感光性樹脂組成物を用い、光透過性のモールドを組み合わせて加工する技術がある。この製造方法では、モールドを介して光を照射することで基板に配設した感光性樹脂組成物の硬化膜にパターンを形成し、それを絶縁部材としたり、さらに加工するためのマスクにしたりする。照射する光として紫外線(UV:Ultraviolet)を用いるものを、特にUVナノインプリント法と呼ぶことがある。このUVナノインプリント法をはじめとした光ナノインプリント法では、熱硬化性樹脂組成物を用い加熱を必要とする熱ナノインプリント法と異なり、室温での加工が可能となる。そのため、熱をきらう半導体デバイスなどの製造において高品質を実現する技術として広く対応することができる。
感光性樹脂組成物を用いた光ナノインプリント法において、下層膜を利用する技術が提案されている(特許文献1参照)。例えば、特許文献1では、(メタ)アクリロイルオキシ基とアルコキシカルボニル基とオキシラニル基およびオキセタニル基から選択される少なくとも1種の基とを有する樹脂と、ノニオン性界面活性剤と、溶剤とを含有する下層膜形成用樹脂組成物が開示されている。これにより、モールド押圧後の残膜厚みのばらつきが小さく、加圧後のパターンの線幅分布にばらつきが生じにくくなると記載されている。
国際公開第2016/027843号
上述のように、フォトリソグラフィによる技術に比し、インプリントによる微細パターンの形成はきわめて効率がよく、半導体デバイスの製造に係る製造原価および生産性を大幅に改善することができる。そして、半導体技術の進歩に伴い、パターンの微細化や製造品質においてさらなる改善が求められている。例えば、インプリントによる製造過程においては、基板とインプリント用硬化性組成物の密着性を高めるため、インプリント用下層膜形成組成物を用い、上記インプリント用下層膜形成組成物の塗膜の表面に、インプリント用硬化性組成物を適用して膜を形成することが検討されているが、その膜の濡れ性について、さらなる向上の要求がある。また、当然にこれらの組成物から形成される下層膜とインプリント層の密着性も求められる。
そこで、本発明は、インプリント用下層膜形成組成物の塗膜に対するインプリント用硬化性組成物の濡れ性により優れ、かつ、これらの組成物から形成される下層膜とインプリント層の密着性に優れた、インプリント用下層膜形成組成物、インプリント用硬化性組成物、およびこれらを用いたキットの提供を目的とする。
上記課題のもと、本発明者らが検討を行った結果、インプリント用下層膜形成組成物において特定の脱離成分を生じうるポリマーを採用することにより、上記課題を解決しうることを見出した。具体的には、下記手段<1>により、好ましくは<2>〜<27>により、上記課題は解決された。
<1> ポリマーと溶剤とを含むインプリント用下層膜形成組成物であって、上記インプリント用下層膜形成組成物を膜状にし、80℃でベークした場合、上記ポリマーから下記式(r1)または(r2)で表され、かつ、分子量が210以上である化合物が脱離する、インプリント用下層膜形成組成物;
式中、Rr1、Rr2、Rr4、Rr5、およびRr6はそれぞれ独立に水素原子または1価の置換基であり、Rr1およびRr2の少なくとも一方は置換基であり、Rr4、Rr5、およびRr6の少なくとも1つは置換基であり、Rr3は2価の置換基である。
<2> 上記式(r1)または(r2)で表される化合物が式(r1−1)で表される、<1>に記載のインプリント用下層膜形成組成物;
式中、Rr1およびRr2はそれぞれ独立に水素原子または1価の置換基であり、Rr1およびRr2の少なくとも一方は置換基である。
<3> 上記ポリマーが下記式(R−1)〜(R−4)のいずれかで表される基を含む、<1>また<2>に記載のインプリント用下層膜形成組成物;
式中、R〜Rはそれぞれ独立に1価の置換基であり、R〜R12はそれぞれ独立に水素原子または1価の置換基であり、Xはポリマーの主鎖への結合位置を表す。
<4> 上記式(R−1)〜(R−4)のいずれかで表される置換基を含むポリマーから、式中のC−O結合が分解して、上記式(r1)または(r2)で表され、かつ、分子量210以上の化合物が脱離する、<3>に記載のインプリント用下層膜形成組成物。
<5> 上記ポリマーが重合性基を含む、<1>〜<4>のいずれか1つに記載のインプリント用下層膜形成組成物。
<6> 上記重合性基が(メタ)アクリロイル基を含む、<5>に記載のインプリント用下層膜形成組成物。
<7> 上記ポリマーが芳香環を含む、<1>〜<6>のいずれか1つに記載のインプリント用下層膜形成組成物。
<8> 上記ポリマーが下記式(1)〜式(6)のいずれかで表される構成単位の少なくとも1種を含む、<1>〜<7>のいずれか1つに記載のインプリント用下層膜形成組成物;
式中、RP4は水素原子またはメチル基である;RP1は、式(r1)または(r2)で表される化合物を脱離可能な基を表す。
<9> 上記式(r1)または(r2)で表される化合物が芳香環を含む、<1>〜<8>のいずれか1つに記載のインプリント用下層膜形成組成物。
<10> 上記式(r1)または(r2)で表される化合物が重合性基を含む、<1>〜<9>のいずれか1つに記載のインプリント用下層膜形成組成物。
<11> 上記重合性基が(メタ)アクリロイル基を含む、<10>に記載のインプリント用下層膜形成組成物。
<12> 上記式(r1)のRr1およびRr2の少なくとも1つ、および、式(r2)のRr4〜Rr6の少なくとも1つの少なくとも1つが重合性基を含む、<1>〜<11>のいずれか1つに記載のインプリント用下層膜形成組成物。
<13> 上記式(r1)または(r2)で表される化合物の分子量が1000以下である、<1>〜<12>のいずれか1つに記載のインプリント用下層膜形成組成物。
<14> さらに、脱離反応促進剤またはその前駆体を含む、<1>〜<13>のいずれか1つに記載のインプリント用下層膜形成組成物。
<15> さらに、光重合開始剤を含む、<1>〜<14>のいずれか1つに記載のインプリント用下層膜形成組成物。
<16> 上記式(r1)または(r2)で表される化合物の表面張力が35〜55mN/mである、<1>〜<15>のいずれか1つに記載のインプリント用下層膜形成組成物。
<17> 溶剤を95.0質量%以上の割合で含む、<1>〜<16>のいずれか1つに記載のインプリント用下層膜形成組成物。
<18> <1>〜<17>のいずれか1つに記載のインプリント用下層膜形成組成物と組み合わせて用いる、重合性化合物を含むインプリント用硬化性組成物。
<19> <1>〜<17>のいずれか1つに記載のインプリント用下層膜形成組成物と、重合性化合物を含むインプリント用硬化性組成物とを含むキット。
<20> 上記式(r1)または(r2)で表される化合物のハンセン溶解度パラメータと上記インプリント用硬化性組成物のハンセン溶解度パラメータとに基づき下記数式(H1)で算出されるΔHSP値が5以下である、<19>に記載のキット;
ΔHSP=(4.0×ΔD+ΔP+ΔH0.5 (H1)
上記ΔDは、インプリント用硬化性組成物のハンセン溶解度パラメータベクトルの分散項成分と、式(r1)または(r2)で表される化合物のハンセン溶解度パラメータベクトルの分散項成分の差であり、上記ΔPは、インプリント用硬化性組成物のハンセン溶解度パラメータベクトルの極性項成分と、式(r1)または(r2)で表される化合物のハンセン溶解度パラメータベクトルの極性項成分の差であり、上記ΔHは、インプリント用硬化性組成物のハンセン溶解度パラメータベクトルの水素結合項成分と、式(r1)または(r2)で表される化合物のハンセン溶解度パラメータベクトルの水素結合項成分の差である。
<21> <1>〜<17>のいずれか1つに記載の下層膜形成組成物から形成された下層膜。
<22> <19>または<20>に記載のキットから形成される積層体であって、
上記インプリント用下層膜形成組成物から形成された下層膜と、上記インプリント用硬化性組成物から形成され、上記下層膜の表面に位置するインプリント層とを有する、積層体。
<23> <19>または<20>に記載のキットを用いて積層体を製造する方法であって、上記インプリント用下層膜形成組成物から形成された下層膜の表面に、インプリント用硬化性組成物を適用することを含む、積層体の製造方法。
<24> 上記インプリント用硬化性組成物は、インクジェット法により、上記下層膜の表面に適用する、<23>に記載の積層体の製造方法。
<25> さらに、上記インプリント用下層膜形成組成物を基板上に層状に適用する工程を含み、上記層状に適用したインプリント用下層膜形成組成物を80〜250℃で、加熱することを含む、<23>または<24>に記載の積層体の製造方法。
<26> <19>または<20>に記載のキットを用いて硬化物パターンを製造する方法であって、基板上に、インプリント用下層膜形成組成物を適用して下層膜を形成する下層膜形成工程と、上記下層膜の表面に、インプリント用硬化性組成物を適用する適用工程と、上記インプリント用硬化性組成物と、パターン形状を転写するためのパターンを有するモールドとを接触させるモールド接触工程と、上記インプリント用硬化性組成物に光を照射して硬化物を形成する光照射工程と、上記硬化物と上記モールドとを引き離す離型工程と、を有する硬化物パターンの製造方法。
<27> <26>に記載の製造方法により硬化物パターンを得る工程を含む、回路基板の製造方法。
本発明により、インプリント用下層膜形成組成物の塗膜に対するインプリント用硬化性組成物の濡れ性、および、これらの組成物から形成される下層膜とインプリント層の密着性を向上させることが可能になった。また、その技術を適用したインプリント用下層膜形成組成物、インプリント用硬化性組成物、およびこれらを用いたキットを提供することが可能になった。
硬化物パターンの形成、および、得られた硬化物パターンをエッチングによる基板の加工に用いる場合の製造プロセスの一例を示す工程説明図である。 濡れ性の低い下層膜の表面にインプリント用硬化性組成物をインクジェット法により塗布した場合の、インプリント用硬化性組成物の濡れ広がりの状態を模式的に示す平面図である。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。尚、本明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレートおよびメタクリレートを表す。
本明細書において、「インプリント」は、好ましくは、1nm〜10mmのサイズのパターン転写をいい、より好ましくは、およそ10nm〜100μmのサイズのパターン転写(ナノインプリント)をいう。
本明細書における基(原子団)の表記において、置換および無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
本明細書において、「光」には、紫外、近紫外、遠紫外、可視、赤外等の領域の波長の光や、電磁波だけでなく、放射線も含まれる。放射線には、例えばマイクロ波、電子線、極端紫外線(EUV)、X線が含まれる。また248nmエキシマレーザー、193nmエキシマレーザー、172nmエキシマレーザーなどのレーザー光も用いることができる。これらの光は、光学フィルタを通したモノクロ光(単一波長光)を用いてもよいし、複数の波長の異なる光(複合光)でもよい。
本発明における温度は、特に述べない限り、23℃とする。
本発明における沸点とは、1気圧(1atm=1013.25hPa)における沸点をいう。
本発明のインプリント用下層膜形成組成物は、ポリマーと溶剤とを含み、インプリント用下層膜形成組成物を膜状にし80℃でベークした場合、ポリマーから下記式(r1)または(r2)で表される化合物(以下、脱離成分ということがある)が脱離することを特徴とする。これにより、インプリントにおけるインプリント用下層膜形成組成物の塗膜に対するインプリント用硬化性組成物の濡れ性が向上し、かつ、これらの組成物から形成される下層膜およびインプリント層の密着性が向上する。この理由は以下のように推定される。すなわち、低分子成分の生成は下層膜の表面における界面張力の低下をもたらし、それに伴って濡れ性が向上すると考えられる。また、下層膜中に拡散パスが発生することにより下層膜において低分子成分が存在していた領域にインプリント用硬化性組成物の硬化性成分が浸入し、その部分が硬化することで下層膜と硬化物との間と密着性が向上すると考えられる。
<インプリント用下層膜形成組成物>
本発明では、インプリント用下層膜形成組成物を膜状にし80℃でベークした場合、上記ポリマーから下記式(r1)または(r2)で表され、かつ、分子量が210以上の化合物が脱離する。以下、本明細書では、上記化合物を脱離成分という。
<<脱離成分>>
脱離成分は、インプリント用下層膜形成組成物を膜状にし80℃でベークした場合、ポリマーから脱離する成分であって、所定の構造を有し、かつ、分子量が210以上の化合物である。
本発明の第1実施形態における脱離成分は下記式(r1)または(r2)で表される。脱離成分が式(r1)または(r2)で表される化合物であると、インプリント用硬化性組成物中の重合開始剤がインプリント用下層膜形成組成物にも拡散し、インプリント用硬化性組成物の硬化と同時にインプリント用下層膜形成組成物も硬化し、インプリント用硬化性組成物と下層膜との密着性がより優れる。
式中、Rr1、Rr2、Rr4、Rr5、およびRr6はそれぞれ独立に水素原子または1価の置換基であり、Rr1およびRr2の少なくとも一方は置換基であり、Rr4、Rr5、およびRr6の少なくとも1つは置換基であり、Rr3は2価の置換基である。
式(r1)または(r2)で表される化合物は下記式(r1−1)で表されることが好ましい。
式中、Rr1およびRr2はそれぞれ独立に水素原子または1価の置換基であり、Rr1およびRr2の少なくとも一方は置換基である。
脱離成分(式(r1)または(r2)で表される化合物あるいは式(r1−1)で表される化合物)は芳香環(好ましくは、下記環aCyまたはhCy)を含むことが好ましい。
特に、式(r1)のRr1およびRr2の少なくとも1つ、式(r2)のRr4〜Rr6の少なくとも1つ、式(r1−1)のRr1およびRr2の少なくとも1つが芳香環を含むことが好ましい。芳香環としては、下記の環aCyまたはhCyであることが好ましい。
芳香環が芳香族環であるときの具体例としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、フェナレン環、フルオレン環、アセナフチレン環、ビフェニル環、テルフェニル環、インデン環、インダン環、トリフェニレン環、テトラフェニレン環、ピレン環、クリセン環、ペリレン環、テトラヒドロナフタレン環などが挙げられる。芳香族環は連結基Lを介してまたは介さずに複数が連結した構造を取っていてもよく、例えば、ビフェニル環、ジフェニルメタン環、トリフェニルメタン環が挙げられる。あるいは、一部上記で例示したものも含め、複数のベンゼン環が連結した構造としては下記式Ar1〜Ar5のものが挙げられる。式中ベンゼン環の中心付近から外へ向けて引いた直線は結合手を示している。この単結合を介して、任意の連結基に結合しているか、これを介してもしくは介さずに、下記式(T1)のL、L、P、またはポリマーの主鎖に結合していることを意味する。Aは2価の連結基であり、連結基Lの例が好ましく、フッ素原子で置換されていてもよいアルキレン基(炭素数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3がさらに好ましい)、カルボニル基、酸素原子、スルホニル基、スルフィニル基、−NR−がより好ましい。Aは窒素原子、リン原子を含む3価の連結基、またはメチン基を意味する。式Ar1〜Ar5において結合手は任意に2個また3個あることを示しているが、必要な連結数に応じて必要な部分で結合すればよいことを意味する。例えば、1つのベンゼン環から2つの結合手が延びることも本発明の好ましい態様として挙げることができる。また、3つの環をもつAr2が2価の連結基であることも本発明の好ましい態様として挙げることができる。
上記化学式のものを含め、ここで例示した芳香族環の例を環aCyと呼ぶ。
芳香環が芳香族複素環であるときは、その炭素数は1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜5がさらに好ましい。その具体例としては、チオフェン環、フラン環、ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環、イソインドール環、インドール環、インダゾール環、プリン環、キノリジン環、イソキノリン環、キノリン環、フタラジン環、ナフチリジン環、キノキサリン環、キナゾリン環、シンノリン環、カルバゾール環、アクリジン環、フェナジン環、フェノチアジン環、フェノキサジン環などが挙げられる。
芳香族複素環は複数の環構造が連結基Lを介してまたは介さずに連結した構造であってもよい。
ここで示した芳香族複素環を環hCyと称する。
脱離成分に含まれる芳香環としては、なかでも、ベンゼン環が好ましい。
芳香環は、本発明の効果を奏する範囲で、置換基Tを有していてもよい。置換基Tは複数あるとき互いに結合して、あるいは連結基Lを介してまたは介さずに式中の環と結合して環を形成していてもよい。例えば、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アリールアルキル基等はさらにハロゲン原子(フッ素原子が好ましい)で置換されていてもよい。
また、脱離成分は重合性基を含むことが好ましい。重合性基としては例えば、エチレン性不飽和基、エポキシ基、グリシジル基、オキセタン基などを含む基が挙げることができる。エチレン性不飽和基としては、ビニル基、アリル基、ビニルフェニル基、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基を含む基が挙げられる。ここで例示した重合性基を重合性基Psと呼ぶ。本発明においては、中でも、重合性基Psは(メタ)アクリロイル基または(メタ)アクリロイルオキシ基を含むことが好ましい。
特に、式(r1)のRr1およびRr2の少なくとも1つ、式(r2)のRr4〜Rr6の少なくとも1つ、式(r1−1)のRr1およびRr2の少なくとも1つが重合性基を含むことが好ましい。重合性基としては、上記の重合性基Psが好ましい。
さらに、脱離成分は、エチレン性二重結合を含むことが好ましい。特に、ポリマーから脱離することによって、エチレン性二重結合が形成されることが好ましい。このような脱離をすることにより、密着力という効果が発揮される。
式(r1)または(r2)あるいは式(r1−1)において、Rr1、Rr2、Rr4、Rr5、Rr6が置換基であるとき、その置換基として後述の置換基Tの例が挙げられ、なかでも、それぞれ独立にアルキル基(炭素数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3がさらに好ましい)、アルケニル基(炭素数2〜12が好ましく、2〜6がより好ましく、2〜3がさらに好ましい)、アリール基(炭素数6〜22が好ましく、6〜18がより好ましく、6〜10がさらに好ましい)、アリールアルキル基(炭素数7〜23が好ましく、7〜19がより好ましく、7〜11がさらに好ましい)、または下記の式(RL−1)で表される基であることが好ましい。さらに式(r1)および(r2)においては、少なくともRr2またはRr6が下記式(RL−1)で表される基であることが特に好ましい。
R1およびLR2はそれぞれ独立に単結合または連結基であり、Arは芳香環を含む連結基であり、Pは重合性基を有する基である。nrは0〜8の整数であり、mrは1〜4の整数である。
R1は、1+mr価の芳香環(上記aCyまたはhCyの例が好ましい)、脂環(下記脂環fCyの例が好ましい)、直鎖もしくは分岐のアルカン構造の基(炭素数1〜40が好ましく、1〜30がより好ましく、1〜20がさらに好ましい)、直鎖もしくは分岐のアルケン構造の基(炭素数2〜40が好ましく、2〜30がより好ましく、2〜20がさらに好ましい)、または直鎖もしくは分岐のアルキン構造の基(炭素数2〜40が好ましく、2〜30がより好ましく、2〜20がさらに好ましい)であることが好ましい。
R2の連結基は下記連結基Lまたは下記ヘテロ原子を含む連結基Lhの例が好ましい。なかでも、アルキレン基(炭素数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3がさらに好ましい)、アリーレン基(炭素数6〜22が好ましく、6〜18がより好ましく、6〜10がさらに好ましい)、(オリゴ)アルキレンオキシ基(1つの構成単位中のアルキレン基の炭素数は1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3がさらに好ましい;繰り返し数は1〜50が好ましく、1〜40がより好ましく、1〜30がさらに好ましい)、カルボニル基、酸素原子、またはこれらを組み合わせた基が好ましい。
R2は連結基Lを介してまたは介さずにLR1と結合して環を形成していてもよい。
Arは芳香環を含む連結基である。ただしnrが0のときは、Arは芳香環を含む置換基である。芳香環としては上記の環aCyまたはhCyが好ましい。Arが芳香環以外の置換基含むとき、その連結基としては下記連結基Lの例が挙げられ、なかでも、アルキレン基(炭素数1〜24が好ましく、1〜12がより好ましく、1〜6がさらに好ましい)、アルケニレン基(炭素数2〜12が好ましく、2〜6がより好ましく、2〜3がさらに好ましい)、アルキニレン基(炭素数2〜12が好ましく、2〜6がより好ましく、2〜3がさらに好ましい)、(オリゴ)アルキレンオキシ基(1つの構成単位中のアルキレン基の炭素数は1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3がさらに好ましい;繰り返し数は1〜50が好ましく、1〜40がより好ましく、1〜30がさらに好ましい)、アリーレン基(炭素数6〜22が好ましく、6〜18がより好ましく、6〜10がさらに好ましい)、またはその組合せに係る連結基が挙げられる。Arは連結基Lを介してまたは介さずに、LR1、LR2、またはPと結合して環を形成していてもよい。
は重合性基を有する揮であり、重合性基は、上記重合性基Psの例が好ましい。Pは連結基Lを介してまたは介さずに、LR1、LR2と結合して環を形成していてもよい。
R1、LR2、Ar、Pは本発明の効果を奏する範囲で置換基Tを有していてもよい。例えば、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アリールアルキル基等はさらにハロゲン原子(フッ素原子が好ましい)で置換されていてもよい。
nrは0〜8の整数であり、0〜6が好ましく、0〜4がより好ましく、0〜2がさらに好ましい。mrは1〜4の整数であり、1〜2が好ましい。
r3の2価の置換基としては、CH(下記第2実施形態)、CHRr8、またはC(Rr9が挙げられる。ここで、Rr8およびRr9はそれぞれ独立して後述する置換基Tであり、なかでもアルキル基(炭素数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3がさらに好ましい)、アルケニル基(炭素数2〜12が好ましく、2〜6がより好ましく、2〜3がさらに好ましい)、アルキニル基(炭素数2〜12が好ましく、2〜6がより好ましく、2〜3がさらに好ましい)、アリール基(炭素数6〜22が好ましく、6〜18がより好ましく、6〜10がさらに好ましい)、アリールアルキル基(炭素数7〜23が好ましく、7〜19がより好ましく、7〜11がさらに好ましい)が好ましい。C(Rr9の2つのRr9は互いに同じでも異なっていてもよい。
ヘテロ原子を含む連結基Lhとしては、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、チオカルボニル基、スルホニル基、スルフィニル基、−NR−、(オリゴ)アルキレンオキシ基(1つの構成単位中のアルキレン基の炭素数は1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3がさらに好ましい;繰り返し数は1〜50が好ましく、1〜40がより好ましく、1〜30がさらに好ましい)、またはこれらの組み合わせからなる連結基が挙げられる。ヘテロ原子を含む連結基Lhを構成する原子の数は水素原子を除いて1〜100が好ましく、1〜70がより好ましく、1〜50が特に好ましい。Lhの連結原子数は1〜25が好ましく、1〜20がより好ましく、1〜15がさらに好ましく、1〜10が一層好ましい。なお、(オリゴ)アルキレンオキシ基とは、アルキレンオキシ基でも、オリゴアルキレンオキシ基でもよい意味である。上記(オリゴ)アルキレンオキシ基は、鎖状でも環状でもよく、直鎖でも分岐でもよい。連結基が−NR−やカルボキシル基が置換している場合などの塩を形成しうる基の場合、その基が塩を形成していてもよい。
置換基Tとしては、アルキル基(炭素数1〜24が好ましく、1〜12がより好ましく、1〜6がさらに好ましい)、アリールアルキル基(炭素数7〜21が好ましく、7〜15がより好ましく、7〜11がさらに好ましい)、アルケニル基(炭素数2〜24が好ましく、2〜12がより好ましく、2〜6がさらに好ましい)、アルキニル基(炭素数2〜12が好ましく、2〜6がより好ましく、2〜3がさらに好ましい)、ヒドロキシル基、アミノ基(炭素数0〜24が好ましく、0〜12がより好ましく、0〜6がさらに好ましい)、チオール基、カルボキシル基、アリール基(炭素数6〜22が好ましく、6〜18がより好ましく、6〜10がさらに好ましい)、アルコキシル基(炭素数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3がさらに好ましい)、アリールオキシ基(炭素数6〜22が好ましく、6〜18がより好ましく、6〜10がさらに好ましい)、アシル基(炭素数2〜12が好ましく、2〜6がより好ましく、2〜3がさらに好ましい)、アシルオキシ基(炭素数2〜12が好ましく、2〜6がより好ましく、2〜3がさらに好ましい)、アリーロイル基(炭素数7〜23が好ましく、7〜19がより好ましく、7〜11がさらに好ましい)、アリーロイルオキシ基(炭素数7〜23が好ましく、7〜19がより好ましく、7〜11がさらに好ましい)、カルバモイル基(炭素数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3がさらに好ましい)、スルファモイル基(炭素数0〜12が好ましく、0〜6がより好ましく、0〜3がさらに好ましい)、スルホ基、アルキルスルホニル基(炭素数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3がさらに好ましい)、アリールスルホニル基(炭素数6〜22が好ましく、6〜18がより好ましく、6〜10がさらに好ましい)、ヘテロ環基(炭素数1〜12が好ましく、1〜8がより好ましく、2〜5がさらに好ましい、5員環または6員環を含むことが好ましい)、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、オキソ基(=O)、イミノ基(=NR)、アルキリデン基(=C(R)などが挙げられる。Rは水素原子、アルキル基(炭素数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3がさらに好ましい)、アルケニル基(炭素数2〜12が好ましく、2〜6がより好ましく、2〜3がさらに好ましい)、アルケニル基(炭素数2〜12が好ましく、2〜6がより好ましく、2〜3がさらに好ましい)、アリール基(炭素数6〜22が好ましく、6〜18がより好ましく、6〜10がさらに好ましい)、またはアリールアルキル基(炭素数7〜23が好ましく、7〜19がより好ましく、7〜11がさらに好ましい)であり、水素原子、メチル基、エチル基、またはプロピル基が好ましい。各置換基に含まれるアルキル部位、アルケニル部位、およびアルキニル部位は鎖状でも環状でもよく、直鎖でも分岐でもよい。上記置換基Tが置換基を取りうる基である場合にはさらに置換基Tを有してもよい。例えば、アルキル基は、ハロゲン化アルキル基となってもよいし、(メタ)アクリロイルオキシアルキル基、アミノアルキル基やカルボキシアルキル基になっていてもよい。置換基がカルボキシル基やアミノ基などの塩を形成しうる基の場合、その基が塩を形成していてもよい。
連結基Lとしては、アルキレン基(炭素数1〜24が好ましく、1〜12がより好ましく、1〜6がさらに好ましい)、アルケニレン基(炭素数2〜12が好ましく、2〜6がより好ましく、2〜3がさらに好ましい)、アルキニレン基(炭素数2〜12が好ましく、2〜6がより好ましく、2〜3がさらに好ましい)、(オリゴ)アルキレンオキシ基(1つの構成単位中のアルキレン基の炭素数は1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3がさらに好ましい;繰り返し数は1〜50が好ましく、1〜40がより好ましく、1〜30がさらに好ましい)、アリーレン基(炭素数6〜22が好ましく、6〜18がより好ましく、6〜10がさらに好ましい)、酸素原子、硫黄原子、スルホニル基、カルボニル基、チオカルボニル基、−NR−、およびそれらの組み合わせにかかる連結基が挙げられる。アルキレン基は上記置換基Tを有していてもよい。例えば、アルキレン基がヒドロキシル基を有していてもよい。連結基Lに含まれる原子数は水素原子を除いて1〜50が好ましく、1〜40がより好ましく、1〜30がさらに好ましい。連結原子数は連結に関与する原子団のうち最短の道程に位置する原子数を意味する。例えば、−CH−(C=O)−O−だと、連結に関与する原子は6個であり、水素原子を除いても4個である。一方連結に関与する最短の原子は−C−C−O−であり、3個となる。この連結原子数として、1〜24が好ましく、1〜12がより好ましく、1〜6がさらに好ましい。なお、上記アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、(オリゴ)アルキレンオキシ基は、鎖状でも環状でもよく、直鎖でも分岐でもよい。連結基が−NR−などの塩を形成しうる基の場合、その基が塩を形成していてもよい。
脱離成分は分子量が210以上である。分子量がこの下限値以上であることで、ベーク中の揮発が抑制され好ましい。脱離成分の分子量は、210以上であることが好ましく、250以上であることがより好ましく、300以上であることがさらに好ましい。上限としては、1000以下であることが実際的である。
脱離成分の表面張力は、28mN/m以上であることが好ましく、30mN/m以上であることがより好ましく、36mN/m以上であることがさらに好ましく、38mN/m以上であることが一層好ましく、40mN/m以上であることがより一層好ましく、42mN/m以上であることがさらに一層好ましい。上限としては、80mN/m以下であることが好ましく、60mN/以下であることがより好ましく、50mN/m以下であることがさらに好ましい。
脱離成分のハンセン溶解度パラメータ(HSP)ベクトルの:
(i)分散項成分(d成分)は、14.0〜20.0であることが好ましく、15.0〜19.0であることがより好ましく、16.0〜19.5であることがさらに好ましい;
(ii)極性項成分(p成分)は、2.0〜9.0であることが好ましく、3.0〜6.0であることがより好ましく、3.5〜5.0であることがさらに好ましい;
(iii)水素結合項成分(h成分)は、3.0〜12.0であることが好ましく、4.7〜7.0であることがより好ましく、5.0〜6.5であることがさらに好ましい。
<<特定のポリマー>>
本発明において用いられるポリマー(以下、このポリマーを特定のポリマーと呼ぶことがある)は、この特定のポリマーを含むインプリント用下層膜形成組成物を膜状にし、80〜250℃でベークした場合、ポリマーから脱離成分を脱離するポリマーを広く用いることができる。特定のポリマーは、より具体的には、脱離成分となる基を側鎖に有するポリマーであることが好ましい。
本発明においては、ポリマーを構成する全構成単位の好ましくは30質量%以上が、より好ましくは40質量%以上が脱離成分を脱離可能な構成単位である。上限値は特に定めるものではなく、100質量%であってもよい。尚、本発明では、脱離成分を脱離可能な基を有する構成単位のすべてが80〜250℃での加熱で脱離する必要はなく、少なくとも70質量%が脱離すればよく、80質量%以上が脱離することが好ましく、90質量%以上が脱離することがさらに好ましく、99質量%以上が脱離することが一層好ましい。
また、本発明では、特定のポリマーの質量の好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上、さらに好ましくは50質量%以上の脱離成分を脱離する。上限値は特に定めるものではないが、例えば、80質量%以下であり、好ましくは70質量%以下、より好ましくは60質量%以下、さらに好ましくは50質量%以下である。
特定のポリマーは下記式(R−1)〜(R−4)のいずれかで表される置換基を含むことが好ましい。
式中、R〜Rはそれぞれ独立に1価の置換基であり、R〜R12はそれぞれ独立に水素原子または1価の置換基であり、Xはポリマーの主鎖への結合位置を表す。
式(R−2)〜(R−4)において、R〜R、R〜R、R10〜R12はすべてが水素原子ではないことが好ましい。式(R−1)における酸素原子と結合する炭素原子、つまりR〜Rが置換する炭素原子(以下、この位置の炭素原子を各式においてα炭素原子と呼ぶ)を含む基は第二級アルキル基または第三級アルキル基であることが好ましい。このことは式(R−2)も同様であり、α炭素原子を含む基は第二級アルキル基または第三級アルキル基であることが好ましい。これとは異なり、式(R−3)および(R−4)におけるα炭素原子を含む基は第一級アルキル基または第二級アルキル基であることが好ましい。
〜Rは少なくとも1つが置換基であることが好ましく、少なくとも2つが置換基であることが好ましい。R〜Rは少なくとも1つが置換基であることが好ましく、少なくとも2つが置換基であることが好ましい。R〜Rは少なくとも1つが置換基であることが好ましく、2つが水素原子で1つが置換基であることが好ましい。R10〜R12は少なくとも1つが置換基であることが好ましく、2つが水素原子で1つが置換基であることが好ましい。R〜R、R〜R、R〜R、R10〜R12が置換基であるとき、この置換基としては、上記Rr1と同義の基が挙げられ、好ましい範囲も同じである。
〜R、R〜R、R〜R、R10〜R12はそれぞれ互いに結合して環を形成していてもよい。R〜R12が置換基であるとき、本発明の効果を奏する範囲でさらに置換基Tを有していてもよい。例えば、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アリールアルキル基等はさらにハロゲン原子(フッ素原子が好ましい)で置換されていてもよい。
本発明では、式(R−1)〜(R−4)のいずれかで表される置換基を含むポリマーから、式中のC−O結合が分解して、式(r1)または(r2)あるいは式(r1−1)で表され、かつ、分子量210以上の化合物が脱離することが好ましい。
特に、式(r1)のRr1およびRr2が置換する炭素原子(Rr3に含まれる炭素原子を1位として2位の炭素原子)が、脱離前に、式(R−1)のR〜Rが置換する炭素原子(α炭素原子)であることが好ましい。また、式(r1)の上記2位の炭素原子は、脱離前に、式(R−2)のR〜Rが置換する炭素原子であることが好ましい。式(r2)については、Rr4〜Rr6が置換する第三級炭素原子が、脱離前に、上記各α炭素原子、つまり式(R−1)のR〜Rが置換する炭素原子あるいは式(R−2)のR〜Rが置換する炭素原子であることが好ましい。
式(R−1)においてC−Oの位置で分解し、脱離成分側の脱離位置(α炭素原子の位置)に二重結合が形成されるよう、R〜Rの少なくとも1つが、アルキル基(炭素数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3がさらに好ましい)であることが好ましく、エチル基であることがより好ましく、メチル基であることがさらに好ましい。式(R−2)も同様で、R〜Rの少なくとも1つがアルキル基(炭素数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3がさらに好ましい)であることが好ましく、エチル基であることがより好ましく、メチル基であることがさらに好ましい。
特定のポリマーは、また、重合性基を含むことが好ましく、重合性基は重合性基Psであることが好ましく、(メタ)アクリロイル基を含むことがより好ましい。重合性基は、脱離成分を脱離可能な基を有する構成単位が有していてもよいし、他の構成単位が有していてもよい。本発明では、少なくとも、脱離成分を脱離可能な基を有する構成単位以外の構成単位が重合性基を有することが好ましい。
特定のポリマーにおいて、重合性基を有する構成単位の割合は、全構成単位の10〜100モル%であることが好ましく、50〜100モル%であることがより好ましく、80〜100モル%であることがさらに好ましい。
また、特定のポリマーは、芳香環を含むことが好ましく、芳香環は環aCyまたはhCyであることが好ましい。芳香環は、脱離成分を脱離可能な基を有する構成単位が有していてもよいし、他の構成単位が有していてもよい。本発明では、少なくとも、脱離成分を脱離可能な基を有する構成単位が芳香環を有することが好ましい。
特定のポリマーにおいて、芳香環を含む構成単位の割合は、全構成単位の10〜100モル%であることが好ましく、40〜100モル%であることがより好ましい。
特定のポリマーの種類は特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリレート樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂(ノボラック樹脂)、環状ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。
特定のポリマーは、下記式(1)〜式(6)のいずれかで表される構成単位の少なくとも1種を含むことがさらに好ましい。
P4は水素原子またはメチル基である。
P1は、式(r1)または(r2)で表される化合物あるいは式(r1−1)で表される化合物を脱離可能な基を表し、好ましくは、式(R−1)〜(R−4)で表される基を含む基である。RP1において、式(R−1)〜(R−4)のXと主鎖の原子との間には連結基が介在していてもよい。連結基としては連結基Lの例が挙げられる。なお、このときの連結基は3価以上であってもよい。その場合、連結基を介して、ポリマーの構成単位が、式(R−1)〜(R−4)で表される基を複数ともなっていることとなる。3価以上の連結基としては、芳香環(aCy、hCy)構造の基、アルカン構造の基(炭素数1〜40が好ましく、1〜30がより好ましく、1〜20がさらに好ましい)、アルケン構造の基(炭素数2〜40が好ましく、2〜30がより好ましく、2〜20がさらに好ましい)、アルキン構造の基(炭素数2〜40が好ましく、2〜30がより好ましく、2〜20がさらに好ましい)、またはこれらの組合せに係る基、あるいはこれらと連結基Lhとの組合せに係る基が挙げられる。アルカン構造の基、アルケン構造の基、アルキン構造の基は、鎖状でも環状でもよく、直鎖でも分岐でもよい。以下、この3価以上の連結基を連結基Lmと称する。
式(1)〜式(6)中、置換基RP1は同一の構成単位に2つ以上が置換していてもよい。例えば、式(1)、(2)においては、ベンゼン環に2つ以上のRP1が置換しているものも、本発明の好ましい実施形態として挙げられる。
式(1)〜(6)中のポリマーの主鎖および置換基RP1は本発明の効果を奏する範囲で置換基Tを有していてもよい。
上記特定のポリマーは、共重合体であることも好ましい。共重合成分は、下記式(1−1)〜(1−6)のいずれかで表される構成単位(以下、他の構成単位と称することがある)の少なくとも1種を含むことが好ましい。
式(1−1)〜式(1−6)中、置換基RP2はそれぞれ独立に重合性基を含む置換基であり、RP4は水素原子またはメチル基である。RP2に含まれる重合性基は上記Psであることが好ましい。RP2は重合性基と主鎖との間に連結基をともなっていてもよく、2価の連結基の場合は連結基Lの例が挙げられ、3価以上の連結基の場合は連結基Lmの例が挙げられる。式(1−1)〜式(1−6)におけるRP2が2つ以上ある場合、すなわち(RP2(nは1以上の自然数)となるとき、複数のRP2は互いに結合して環を形成していてもよい。また、RP2は主鎖に結合して環を形成していてもよい。また、式(1−1)〜式(1−6)の主鎖および置換基RP2には本発明の効果を奏する範囲で置換基Tが置換していてもよい。
P2としては下記式(T2)であることが好ましい。RP2の式量は、80以上1000以下が好ましく、100以上800以下がより好ましく、150以上600以下がさらに好ましい。
−(Ln6−(P)n7 (T2)
は上記の連結基LまたはLmであり、なかでもアルキレン基、アリーレン基、(オリゴ)アルキレンオキシ基、カルボニル基、酸素原子、アルカン構造の基、アルケン構造の基、アリール構造の基、これらの組合せに係る連結基が好ましい。n6は0〜6の整数である。Pは重合性基Psである。n7は1〜6の整数であり、1または2が好ましい。なお、n7が3以上のときは、末端のLが4価以上の連結基になってすべてのPが置換していてもよいが、2つ以上のLにPが置換していてもよい。
特定のポリマーが式(1)で表される構成単位を含む場合、他の構成単位としては、式(1−1)で表される構成単位が好ましい。式(2)〜式(6)についても、同様に、それぞれ、式(1−2)〜式(1−6)で表される構成単位を含むことが好ましい。
特定のポリマーは、さらに重合性基のない構成単位(「さらに他の構成単位」ということがある)を含むことも好ましい。さらに他の構成単位は、上記他の構成単位で規定した式(1−1)〜(1−6)の骨格を有することが好ましい。ただし、置換基RP2は重合性基のない置換基RP3となる。さらに他の構成単位である式(1−1)、(1−2)、(1−4)、(1−6)におけるRP2は2つ以上が環構造基に置換していてもよい。なお、さらに他の構成単位にはその主鎖の部分およびRP3に本発明の効果を奏する範囲で置換基Tが置換していてもよい。
P3は下記式(T3)であることが好ましい。RP3の式量は、80以上1000以下が好ましく、100以上800以下がより好ましく、150以上600 以下がさらに好ましい。
−(Ln8−(Tn9 (T3)
は上記の連結基LまたはLmであり、なかでもアルキレン基、アリーレン基、(オリゴ)アルキレンオキシ基、カルボニル基、酸素原子、アルカン構造の基、アルケン構造の基、アリール構造の基、これらの組合せに係る連結基が好ましい。Tは上記置換基Tであり、例えばアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アシル基などが挙げられる。n9は1〜6の整数であり、1または2が好ましい。n9が3以上のときは、末端のLが4価以上の連結基になってすべてのTが置換していてもよいが、2つ以上のLにTが置換していてもよい。
式T2,T3において、L、L、P、Tは本発明の効果を奏する範囲で上記置換基Tを有していてもよい。例えば、アルカン構造の基、アルケン構造の基、アリール構造の基等はさらにハロゲン原子(フッ素原子が好ましい)で置換されていてもよい。
特定のポリマーにおいて、式(1)〜式(6)のいずれかで表される構成単位は、ポリマーのすべてを構成していても(構成比率100モル%のホモポリマー)、その他の構成単位やさらにその他の構成単位との共重合体となっていてもよい。
特定のポリマーにおいて、脱離成分を脱離可能な基を有する構成単位(例えば、式(1)〜式(6)で表される構成単位)/その他の構成単位(重合性基を有する構成単位)/さらにその他の構成単位の構成比率は、モル比基準で、10〜100/0〜80/0〜50が好ましく、30〜100/0〜70/0〜30がより好ましく、50〜100/0〜50/0〜10が一層好ましく、50〜90/10〜50/0〜10であってもよい。
特定のポリマーにおいて、脱離成分を脱離可能な基を有する構成単位、その他の構成単位(重合性基を有する構成単位)、さらにその他の構成単位を、それぞれ、1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合は、合計が上記割合となることが好ましい。
また、本発明では、脱離成分を脱離可能な基を有する構成単位および重合性基を有する構成単位以外のさらにその他の構成単位を実質的に含まない構成とすることも好ましい。実質的に含まないとは、例えば、全構成単位の5質量%以下であることをいい、3質量%以下であることが好ましく、1質量%以下であることがさらに好ましい。
特定のポリマーの重量平均分子量は、4,000以上が好ましく、5,000以上がより好ましく、7,000以上がさらに好ましく、10,000以上がより一層好ましい。上限としては、2,000,000以下が好ましく、1,500,000以下がより好ましく、1,000,000以下がさらに好ましい。重量平均分子量の測定方法は、下記の実施例で示した方法によるものとする。
インプリント用下層膜形成組成物中における、特定のポリマーの含有率は、0.1質量%以上であることが好ましく、0.5質量%以上であることがより好ましく、1.0質量%以上であることがさらに好ましく、1.5質量%以上であることがより一層好ましい。上限としては、10質量%以下であることが好ましく、7質量%以下であることがより好ましく、5質量%以下であることがさらに好ましく、4質量%以下であることがより一層好ましく、3質量%以下であることがさらに一層好ましい。この量を上記下限値以上とすることで、ポリマーを配合したことによる効果を好適に発揮させることができ、また、均一な薄膜を調製しやすくなる。一方上記上限値以下とすることにより、溶剤を用いた効果が好適に発揮され、広い面積に均一な膜を形成しやすくなる。
また、インプリント用下層膜形成組成物中の不揮発性成分(組成物中の溶剤を除いた固形分を意味する)に対する、特定のポリマーの含有率は、90質量%以上であることが好ましく、95質量%以上であることがより好ましく、99質量%以上であることがさらに好ましい。上限値としては、100質量%である。この量を上記下限値以上とすることで、ポリマーを配合したことによる効果を好適に発揮させることができ、また、均一な薄膜を調製しやすくなる。一方上記上限値以下とすることにより、溶剤を用いた効果が好適に発揮され、広い面積に均一な膜を形成しやすくなる。
特定のポリマーは、1種のみ用いてもよいし、2種以上用いてもよい。2種以上用いる場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
上記のポリマーにおいて脱離成分をなす置換基RP1は主鎖に常法により導入することができる。
<<脱離反応促進剤またはその前駆体>>
脱離反応促進剤は、系内で特定のポリマーと共存することにより、所定のきっかけにより特定のポリマーにはたらきかけ、特定のポリマーから脱離成分を脱離させる反応を促す化合物である。脱離反応促進剤は、酸性官能基または、塩基性官能基を有する化合物である。脱離反応促進剤は、組成物中ではその前駆体として存在することが好ましい。前駆体としては例えば熱や光などの外部からのエネルギーの付与により反応し、脱離反応促進剤化合物に変換される化合物が挙げられる。具体例には、熱酸発生剤、光酸発生剤、熱塩基発生剤、光塩基発生剤などが挙げられ、熱酸発生剤、光酸発生剤、が好ましく、熱酸発生剤がより好ましい。
脱離反応促進剤としては、酸性官能基を有する場合、脱離促進剤のpKaは、2以下が好ましく、1以下がより好ましく、0以下がさらに好ましい。下限値としては、特に定めるものではないが、例えば−10以上であってもよい。塩基性官能基を有する場合、その共役酸のpKaは、5以上が好ましく、7以上がより好ましく、8以上がさらに好ましい。上限値としては、特に定めるものではないが、例えば、15以下であってもよい。
本発明では、脱離反応促進剤またはその前駆体の具体例としては、特開2014−047329号公報の段落0012、0017、0026〜0037に記載の酸増殖剤、段落0038〜0040に記載の光酸発生剤、段落0041に記載の熱酸発生剤、特開2012−237776号公報の段落0029〜0066に記載の光塩基増殖剤、段落0073〜0087に記載の光塩基発生剤、段落0087〜0090に記載の熱塩基発生剤、特許第5687442号公報の段落0012〜0015、0023〜0029に記載の光酸発生剤、国際公開第2009/123122号の段落0033〜0075に記載の塩基発生剤、特開2011−236416号公報の段落0038〜0069に記載の塩基発生剤を用いることができ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
脱離反応促進剤またはその前駆体の含有量は、不揮発性成分の0.1質量%以上であることが好ましく、1.0質量%以上であることがより好ましく、2.0質量%以上であることがさらに好ましい。上限としては、10.0質量%以下であることが実際的であり、5.0質量%以下であってもよい。
脱離反応促進剤またはその前駆体は、1種のみ用いてもよいし、2種以上用いてもよい。2種以上用いる場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<<アルキレングリコール化合物>>
インプリント用下層膜形成組成物は、アルキレングリコール化合物を含んでいてもよい。アルキレングリコール化合物は、アルキレングリコール構成単位を3〜1000個有していることが好ましく、4〜500個有していることがより好ましく、5〜100個有していることがさらに好ましく、5〜50個有していることが一層好ましい。アルキレングリコール化合物の重量平均分子量(Mw)は150〜10000が好ましく、200〜5000がより好ましく、300〜3000がさらに好ましく、300〜1000が一層好ましい。
アルキレングリコール化合物は、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、これらのモノまたはジメチルエーテル、モノまたはジオクチルエーテル、モノまたはジノニルエーテル、モノまたはジデシルエーテル、モノステアリン酸エステル、モノオレイン酸エステル、モノアジピン酸エステル、モノコハク酸エステルが例示され、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールが好ましい。
アルキレングリコール化合物の23℃における表面張力は、38.0mN/m以上であることが好ましく、40.0mN/m以上であることがより好ましい。表面張力の上限は特に定めるものではないが、例えば48.0mN/m以下である。このような化合物を配合することにより、下層膜の直上に設けるインプリント用硬化性組成物の濡れ性をより向上させることができる。
アルキレングリコール化合物は、含有する場合、不揮発性成分の40質量%以下であり、30質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましく、1〜15質量%であることがさらに好ましい。
アルキレングリコール化合物は、1種のみ用いてもよいし、2種以上用いてもよい。2種以上用いる場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<<重合開始剤>>
不揮発性成分として、重合開始剤を含んでいてもよい。重合開始剤としては熱重合開始剤や光重合開始剤等が挙げられるが、インプリント用硬化性組成物との架橋反応性を向上させる観点から光重合開始剤が好ましい。光重合開始剤としては、ラジカル重合開始剤、カチオン重合開始剤が好ましく、ラジカル重合開始剤がより好ましい。また、本発明において、光重合開始剤は複数種を併用してもよい。
光重合開始剤としては、公知の化合物を任意に使用できる。例えば、ハロゲン化炭化水素誘導体(例えば、トリアジン骨格を含む化合物、オキサジアゾール骨格を含む化合物、トリハロメチル基を含む化合物など)、アシルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール、オキシム誘導体等のオキシム化合物、有機過酸化物、チオ化合物、ケトン化合物、芳香族オニウム塩、ケトオキシムエーテル、アミノアセトフェノン化合物、ヒドロキシアセトフェノン、アゾ系化合物、アジド化合物、メタロセン化合物、有機ホウ素化合物、鉄アレーン錯体などが挙げられる。これらの中でもオキシム化合物が好ましい。これらの詳細については、特開2016−027357号公報の段落0165〜0182の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。
アシルホスフィン化合物としては、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイドなどが挙げられる。また、市販品であるIRGACURE−819やIRGACURE1173、IRGACURE−TPO(商品名:いずれもBASF製)を用いることができる。
上記インプリント用下層膜形成組成物に用いられる光重合開始剤の含有量は、配合する場合、不揮発性成分中、例えば、0.01〜15質量%であり、好ましくは0.1〜12質量%であり、さらに好ましくは0.2〜7質量%である。2種以上の光重合開始剤を用いる場合は、その合計量が上記範囲となる。
<<重合禁止剤>>
不揮発性成分として、重合禁止剤を含んでいてもよい。本実施形態に係る重合禁止剤(B)は、硬化性主剤(A)で発生したラジカルが成長反応を起こす前に、そのラジカルをトラップする能力をもつ化合物である。これにより、重合禁止剤(B)は、硬化性主剤(A)の重合を阻害するように作用する。
重合禁止剤(B)は、ヒドロキノン類、カテコール類、フェノチアジン、フェノキサジンのいずれかでありうる。重合禁止剤(B)の具体例としては、4−メトキシフェノール、4−メトキシ−1−ナフトール、4−tert−ブチルカテコール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、2−tert−ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2,4,6−トリ−tert−ブチルフェノール、ヒドロキノン、tert−ブチルヒドロキノンなどのフェノール系化合物を挙げることができる。重合禁止剤(B)の具体例としては、ナフトキノン、ベンゾキノンなどのキノン系化合物を挙げることもできる。重合禁止剤(B)の具体例としては、フェノチアジン、フェノキサジン、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどのアミン系化合物を挙げることもできる。重合禁止剤(B)の具体例としては、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシルなどのN−オキシル系化合物を挙げることもできる。ここで挙げた化合物は例示に過ぎず、重合禁止剤(B)は、他の化合物であってもよい。
重合禁止剤の含有量は、固形成分の0.0001質量%以上10.0質量%以下であることが好ましく、0.001質量%以上1.0質量%以下であることがより好ましく、0.005質量%以上0.1質量%以下であることがさらに好ましい。重合禁止剤は、1種のみ用いてもよいし、2種以上用いてもよい。2種以上用いる場合、それらの合計量が上記範囲となることが好ましい。
<<その他の成分>>
インプリント用下層膜形成組成物に配合される不揮発性成分としては、上記化合物の他に、熱重合開始剤、酸化防止剤、レベリング剤、増粘剤、界面活性剤等を1種または2種以上含んでいてもよい。
熱重合開始剤等については、特開2013−036027号公報、特開2014−090133号公報、特開2013−189537号公報に記載の各成分を用いることができる。含有量等についても、上記公報の記載を参酌できる。
また、本発明では、インプリント用下層膜形成組成物が実質的に界面活性剤を含まない構成とすることもできる。実質的に含まないとは、インプリント用下層膜形成組成物中の不揮発性成分の0.1質量%以下であることをいう。
<<下層膜用溶剤>>
インプリント用下層膜形成組成物は溶剤を含む。溶剤は例えば、23℃で液体であって沸点が250℃以下の化合物(下層膜用溶剤)を70.0質量%以上の割合で含むことが好ましい。通常、不揮発性成分が最終的に下層膜を形成する。インプリント用下層膜形成組成物は、下層膜用溶剤を80.0質量%以上含むことが好ましく、90.0質量%以上であることがより好ましく、93.0質量%以上であることがより好ましく、94.0質量%以上であることがさらに好ましく、95.0質量%以上、98.0質量%以上、99.0質量%以上であってもよい。
溶剤は、インプリント用下層膜形成組成物に、1種のみ含まれていてもよいし、2種以上含まれていてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
下層膜用溶剤の沸点は、230℃以下であることが好ましく、200℃以下であることがより好ましく、180℃以下であることがさらに好ましく、160℃以下であることが一層好ましく、130℃以下であることがより一層好ましい。下限値は23℃であるが、60℃以上であることが実際的である。沸点を上記の範囲とすることにより、下層膜から溶剤を容易に除去でき好ましい。
下層膜用溶剤は、有機溶剤が好ましい。溶剤は、好ましくはエステル基、カルボニル基、ヒドロキシル基およびエーテル基のいずれか1つ以上を含む溶剤である。なかでも、非プロトン性極性溶剤を用いることが好ましい。
具体例としては、アルコキシアルコール、プロピレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレート、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、乳酸エステル、酢酸エステル、アルコキシプロピオン酸エステル、鎖状ケトン、環状ケトン、ラクトン、およびアルキレンカーボネートが選択される。
アルコキシアルコールとしては、メトキシエタノール、エトキシエタノール、メトキシプロパノール(例えば、1−メトキシ−2−プロパノール)、エトキシプロパノール(例えば、1−エトキシ−2−プロパノール)、プロポキシプロパノール(例えば、1−プロポキシ−2−プロパノール)、メトキシブタノール(例えば、1−メトキシ−2−ブタノール、1−メトキシ−3−ブタノール)、エトキシブタノール(例えば、1−エトキシ−2−ブタノール、1−エトキシ−3−ブタノール)、メチルペンタノール(例えば、4−メチル−2−ペンタノール)などが挙げられる。
プロピレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレートとしては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、および、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートからなる群より選択される少なくとも1つが好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートであることが特に好ましい。
また、プロピレングリコールモノアルキルエーテルとしては、プロピレングリコールモノメチルエーテルまたはプロピレングリコールモノエチルエーテルが好ましい。
乳酸エステルとしては、乳酸エチル、乳酸ブチル、または乳酸プロピルが好ましい。
酢酸エステルとしては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸プロピル、酢酸イソアミル、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸ブチル、蟻酸プロピル、または酢酸3−メトキシブチルが好ましい。
アルコキシプロピオン酸エステルとしては、3−メトキシプロピオン酸メチル(MMP)、または、3−エトキシプロピオン酸エチル(EEP)が好ましい。
鎖状ケトンとしては、1−オクタノン、2−オクタノン、1−ノナノン、2−ノナノン、アセトン、4−ヘプタノン、1−ヘキサノン、2−ヘキサノン、ジイソブチルケトン、フェニルアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン、アセトニルアセトン、イオノン、ジアセトニルアルコール、アセチルカービノール、アセトフェノン、メチルナフチルケトンまたはメチルアミルケトンが好ましい。
環状ケトンとしては、メチルシクロヘキサノン、イソホロンまたはシクロヘキサノンが好ましい。
ラクトンとしては、γ−ブチロラクトンが好ましい。
アルキレンカーボネートとしては、プロピレンカーボネートが好ましい。
上記成分の他、炭素数が7以上(7〜14が好ましく、7〜12がより好ましく、7〜10がさらに好ましい)、かつ、ヘテロ原子数が2以下のエステル系溶剤を用いることが好ましい。
炭素数が7以上かつヘテロ原子数が2以下のエステル系溶剤の好ましい例としては、酢酸アミル、酢酸2−メチルブチル、酢酸1-メチルブチル、酢酸ヘキシル、プロピオン酸ペンチル、プロピオン酸ヘキシル、プロピオン酸ブチル、イソ酪酸イソブチル、プロピオン酸ヘプチル、ブタン酸ブチルなどが挙げられ、酢酸イソアミルを用いることが特に好ましい。
また、引火点(以下、fpともいう)が30℃以上である溶剤を用いることも好ましい。このような成分としては、プロピレングリコールモノメチルエーテル(fp:47℃)、乳酸エチル(fp:53℃)、3−エトキシプロピオン酸エチル(fp:49℃)、メチルアミルケトン(fp:42℃)、シクロヘキサノン(fp:30℃)、酢酸ペンチル(fp:45℃)、2−ヒドロキシイソ酪酸メチル(fp:45℃)、γ−ブチロラクトン(fp:101℃)またはプロピレンカーボネート(fp:132℃)が好ましい。これらのうち、プロピレングリコールモノエチルエーテル、乳酸エチル、酢酸ペンチルまたはシクロヘキサノンがさらに好ましく、プロピレングリコールモノエチルエーテルまたは乳酸エチルが特に好ましい。
下層膜用溶剤として中でも好ましい溶剤としては、水、1−メトキシ−2−プロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、エトキシエチルプロピオネート、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、乳酸エチルおよび4−メチル−2−ペンタノールからなる群から選択される少なくとも1種であり、1−メトキシ−2−プロパノール、PGMEA、酢酸ブチルからなる群から選択される少なくとも1種がさらに好ましい。
インプリント用下層膜形成組成物の収容容器としては従来公知の収容容器を用いることができる。また、収容容器としては、原材料や組成物中への不純物混入を抑制することを目的に、容器内壁を6種6層の樹脂で構成された多層ボトルや、6種の樹脂を7層構造にしたボトルを使用することも好ましい。このような容器としては例えば特開2015−123351号公報に記載の容器が挙げられる。
<インプリント用硬化性組成物>
<<重合性化合物>>
インプリント用硬化性組成物は、重合性化合物を含むことが好ましく、芳香環を有する重合性化合物を含むことが好ましい。重合性化合物は、単官能重合性化合物であってもよいし、多官能重合性化合物であってよい。また、単官能重合性化合物と多官能重合性化合物の両方を含むことが好ましい。
<<<単官能重合性化合物>>>
インプリント用硬化性組成物に用いる単官能重合性化合物の分子量は、50以上が好ましく、100以上がより好ましく、150以上がさらに好ましい。分子量は、また、1,000以下が好ましく、800以下がより好ましく、300以下がさらに好ましく、270以下が一層好ましい。分子量を上記下限値以上とすることで、揮発性を抑制できる傾向がある。分子量を上記上限値以下とすることで、粘度を低減できる傾向がある。
インプリント用硬化性組成物に用いる単官能重合性化合物の沸点は、85℃以上であることが好ましく、110℃以上がより好ましく、130℃以上がさらに好ましい。沸点を上記下限値以上とすることで、揮発性を抑制することができる。沸点の上限値については、特に定めるものでは無いが、例えば、沸点を350℃以下とすることができる。
インプリント用硬化性組成物に用いる単官能重合性化合物が有する重合性基の種類は特に定めるものでは無いが、エチレン性不飽和基、エポキシ基等が例示され、エチレン性不飽和基が好ましい。エチレン性不飽和基としては、(メタ)アクリロイル基が好ましく、アクリロイル基がより好ましい。
インプリント用硬化性組成物に用いる単官能重合性化合物を構成する原子の種類は特に定めるものでは無いが、炭素原子、酸素原子、水素原子およびハロゲン原子から選択される原子のみで構成されることが好ましく、炭素原子、酸素原子および水素原子から選択される原子のみで構成されることがより好ましい。
インプリント用硬化性組成物に用いる単官能重合性化合物の好ましい第一の実施形態は、炭素数4以上の直鎖または分岐の炭化水素鎖を有する化合物である。
本発明における炭化水素鎖とは、アルキル鎖、アルケニル鎖、アルキニル鎖を表し、アルキル鎖、アルケニル鎖が好ましく、アルキル鎖がより好ましい。
本発明において、アルキル鎖とは、アルキル基およびアルキレン基を表す。同様に、アルケニル鎖とは、アルケニル基およびアルケニレン基を表し、アルキニル鎖とはアルキニル基およびアルキニレン基を表す。これらの中でも、直鎖または分岐のアルキル基、アルケニル基がより好ましく、直鎖または分岐のアルキル基がさらに好ましく、直鎖のアルキル基が一層好ましい。
上記直鎖または分岐の炭化水素鎖(好ましくは、アルキル基)は、炭素数4以上であり、炭素数6以上が好ましく、炭素数8以上がより好ましく、炭素数10以上がさらに好ましく、炭素数12以上が一層好ましい。炭素数の上限値については、特に定めるものではないが、例えば、炭素数25以下とすることができる。
上記直鎖または分岐の炭化水素鎖は、エーテル基(−O−)を含んでいてもよいが、エーテル基を含んでいない方が離型性向上の観点から好ましい。
このような炭化水素鎖を有する単官能重合性化合物を用いることで、比較的少ない添加量で、硬化物(パターン)の弾性率を低減し、離型性が向上する。また、直鎖または分岐のアルキル基を有する単官能重合性化合物を用いると、モールドと硬化物(パターン)の界面エネルギーを低減して、さらに離型性を向上することができる。
インプリント用硬化性組成物に用いる単官能重合性化合物が有する好ましい炭化水素基として、(1)〜(3)を挙げることができる。
(1)炭素数8以上の直鎖アルキル基
(2)炭素数10以上の分岐アルキル基
(3)炭素数1以上の直鎖または分岐のアルキル基が置換した脂環、芳香族環または芳香族複素環
(1)炭素数8以上の直鎖アルキル基
炭素数8以上の直鎖アルキル基は、炭素数10以上のものがより好ましく、炭素数11以上がさらに好ましく、炭素数12以上が一層好ましい。また、炭素数20以下が好ましく、炭素数18以下がより好ましく、炭素数16以下がさらに好ましく、炭素数14以下が一層好ましい。
(2)炭素数10以上の分岐アルキル基
上記炭素数10以上の分岐アルキル基は、炭素数10〜20のものが好ましく、炭素数10〜16がより好ましく、炭素数10〜14がさらに好ましく、炭素数10〜12が一層好ましい。
(3)炭素数1以上の直鎖または分岐のアルキル基が置換した脂環、芳香族環または芳香族複素環
炭素数1以上の直鎖または分岐のアルキル基は、直鎖のアルキル基がより好ましい。アルキル基の炭素数は、14以下が好ましく、12以下がより好ましく、10以下がさらに好ましい。
脂環、芳香族環または芳香族複素環の環は、単環であっても縮環であってもよいが、単環であることが好ましい。縮環である場合は、環の数は、2つまたは3つが好ましい。環は、3〜8員環が好ましく、5員環または6員環がより好ましく、6員環がさらに好ましい。環の具体例としては、後述する環Czの例が挙げられる。
インプリント用硬化性組成物に用いる単官能重合性化合物は、炭素数4以上の直鎖または分岐の炭化水素鎖と重合性基が、直接にまたは連結基を介して結合している化合物が好ましく、上記(1)〜(3)の基のいずれか1つと、重合性基が直接に結合している化合物がより好ましい。連結基としては、−O−、−C(=O)−、−CH−またはこれらの組み合わせが例示される。本発明で用いる単官能重合性化合物としては、(1)炭素数8以上の直鎖アルキル基と、(メタ)アクリロイルオキシ基とが直接結合している、直鎖アルキル(メタ)アクリレートが、特に好ましい。
単官能重合性化合物は下記式(I−1)で表される化合物が好ましい。
12は、アルキル基(炭素数1〜36が好ましく、1〜30がより好ましく、1〜24がさらに好ましい)、脂環(炭素数3〜24が好ましく、3〜12がより好ましく、3〜6がさらに好ましい)、芳香族環(炭素数6〜22が好ましく、6〜18がより好ましく、6〜10がさらに好ましい)および芳香族複素環(炭素数2〜12が好ましく、2〜6がより好ましく、2〜5がさらに好ましい)から選ばれる少なくとも1種、またはそれらの組合せによる基を表す。R11は水素原子またはメチル基を表す。L11は単結合または上記連結基Lを表し、アルキレン基またはアルケニレン基が好ましい。R12とL11は連結基Lを介してまたは介さずに結合して環を形成していてもよい。R12、L11は上記置換基Tを有していてもよい。置換基Tは複数が結合して環を形成してもよく、R12と結合して、またはL11と結合して環を形成してもよい。置換基Tが複数あるとき互いに同じでも異なっていてもよい。R12における脂環、芳香族環または芳香族複素環の好ましい範囲は、後述する環Czと同様である。
第一の実施形態の単官能重合性化合物としては、下記第1群および第2群を例示することができる。しかしながら、本発明がこれらに限定されるものでは無いことは言うまでもない。また、第1群の方が第2群よりもより好ましい。
第1群
第2群
インプリント用硬化性組成物に用いる単官能重合性化合物の好ましい第二の実施形態は、環状構造を有する化合物である。環状構造としては、3〜8員環の単環または縮合環が好ましい。上記縮合環を構成する環の数は、2つまたは3つが好ましい。環状構造は、5員環または6員環がより好ましく、6員環がさらに好ましい。また、単環がより好ましい。
重合性化合物一分子中の環状構造の数は、1つであっても、2つ以上であってもよいが、1つまたは2つが好ましく、1つがより好ましい。尚、縮合環の場合は、縮合環を1つの環状構造として考える。
第二の実施形態の単官能重合性化合物としては、下記化合物を例示することができる。しかしながら、本発明がこれらに限定されるものでは無いことは言うまでもない。また、上記第一の実施形態で述べた化合物のうち、環状構造を有する化合物も本実施形態の好ましい化合物として例示される。
本発明では、本発明の趣旨を逸脱しない限り、上記単官能重合性化合物以外の単官能重合性化合物を用いてもよく、特開2014−170949号公報に記載の重合性化合物のうちの単官能重合性化合物が例示され、これらの内容は本明細書に含まれる。
インプリント用硬化性組成物に用いる単官能重合性化合物の全重合性化合物に対する含有量は、含有する場合、6質量%以上が好ましく、8質量%以上がより好ましく、10質量%以上がさらに好ましく、12質量%以上が一層好ましい。また、上記含有量は、60質量%以下がより好ましく、55質量%以下であってもよい。
本発明では単官能重合性化合物を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<<<多官能重合性化合物>>>
インプリント用硬化性組成物に用いる多官能重合性化合物は、特に定めるものではないが、脂環、芳香族環および芳香族複素環の少なくとも1種を含むことが好ましく、芳香族環および芳香族複素環の少なくとも1種を含むことがより好ましい。脂環、芳香族環および芳香族複素環の少なくとも1種を含む化合物を、以下の説明において、環含有多官能重合性化合物ということがある。
インプリント用硬化性組成物に用いる環含有多官能重合性化合物の分子量は、1,000以下であることが好ましく、800以下であることがより好ましく、500以下がさらに好ましく、350以下が一層好ましい。分子量の上限値を1,000以下とすることで、粘度を低減できる傾向がある。分子量の下限値については、特に定めるものでは無いが、例えば、200以上とすることができる。
インプリント用硬化性組成物に用いる環含有多官能重合性化合物が有する重合性基の数は、2以上であり、2〜7が好ましく、2〜4がより好ましく、2または3がさらに好ましく、2が一層好ましい。
インプリント用硬化性組成物に用いる環含有多官能重合性化合物が有する重合性基の種類は特に定めるものでは無いが、エチレン性不飽和基、エポキシ基等が例示され、エチレン性不飽和基が好ましい。エチレン性不飽和基としては、(メタ)アクリロイル基がより好ましく、アクリロイル基がさらに好ましい。1つの分子中に2種以上の重合性基を含んでいてもよいし、同じ種類の重合性基を2つ以上含んでいてもよい。
インプリント用硬化性組成物に用いる環含有多官能重合性化合物を構成する原子の種類は特に定めるものでは無いが、炭素原子、酸素原子、水素原子およびハロゲン原子から選択される原子のみで構成されることが好ましく、炭素原子、酸素原子および水素原子から選択される原子のみで構成されることがより好ましい。
インプリント用硬化性組成物に用いる環含有多官能重合性化合物に含まれる環は、単環であっても縮環であってもよいが、単環であることが好ましい。縮環である場合は、環の数は、2つまたは3つが好ましい。環は、3〜8員環が好ましく、5員環または6員環がより好ましく、6員環がさらに好ましい。また、環は、脂環であっても、芳香族環または芳香族複素環であってもよいが、芳香族環または芳香族複素環であることが好ましく、芳香族環であることがさらに好ましい。環の具体例としては、環Czの例が挙げられる。
インプリント用硬化性組成物に用いる環含有多官能重合性化合物における環の数は、1つであっても、2つ以上であってもよいが、1つまたは2つが好ましく、1つがより好ましい。尚、縮合環の場合は、縮合環を1つとして考える。
インプリント用硬化性組成物に用いる環含有多官能重合性化合物の構造は、(重合性基)−(単結合または2価の連結基)−(環を有する2価の基)−(単結合または2価の連結基)−(重合性基)で表されることが好ましい。ここで、連結基としては、アルキレン基がより好ましく、炭素数1〜3のアルキレン基がさらに好ましい。
インプリント用硬化性組成物に用いる環含有多官能重合性化合物は、下記式(I−2)で表されることが好ましい。
Qは、脂環(炭素数3〜24が好ましく、3〜12がより好ましく、3〜6がさらに好ましい)、芳香族環(炭素数6〜22が好ましく、6〜18がより好ましく、6〜10がさらに好ましい)および芳香族複素環(炭素数2〜12が好ましく、2〜6がより好ましく、2〜5がさらに好ましい)から選ばれる少なくとも1種を有する1+q価の基を表す。R21およびR22はそれぞれ独立に水素原子またはメチル基を表す。L21およびL22はそれぞれ独立に単結合または上記連結基Lを表す。QとL21またはL22は連結基Lを介してまたは介さずに結合して環を形成していてもよい。Q、L21およびL22は上記置換基Tを有していてもよい。置換基Tは複数が結合して環を形成してもよく、Qと結合して、またはL21またはL22と結合して環を形成してもよい。置換基Tが複数あるとき互いに同じでも異なっていてもよい。Qにおける脂環、芳香族環または芳香族複素環の好ましい範囲は、後述する環Czが挙げられる。qは1〜5の整数であり、1〜3の整数が好ましく、1または2がより好ましく、1がさらに好ましい。
Qは、複数の脂環、複数の芳香族環、複数の芳香族複素環、脂環と芳香族環、脂環と芳香族複素環、芳香族環と芳香族複素環が連結した構造を有していてもよい。芳香族環が連結した構造としては、上記式Ar1〜Ar5の構造が挙げられる。
インプリント用硬化性組成物に用いる多官能重合性化合物としては、下記第1群および第2群を例示することができる。しかし、本発明がこれらに限定されるものでは無いことは言うまでもない。第1群の方がより好ましい。
第1群
第2群
インプリント用硬化性組成物は、上記環含有多官能重合性化合物以外の他の多官能重合性化合物を含んでいてもよい。他の多官能重合性化合物としては、下記式(I−3)で表される化合物が好ましい。
30は、直鎖もしくは分岐のアルカン構造の基(炭素数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3がさらに好ましい)、直鎖もしくは分岐のアルケン構造の基(炭素数2〜12が好ましく、2〜6がより好ましく、2〜3がさらに好ましい)、直鎖もしくは分岐のアルキン構造の基(炭素数2〜12が好ましく、2〜6がより好ましく、2〜3がさらに好ましい)から選ばれる少なくとも1種を有する1+r価の基を表す。R25およびR26はそれぞれ独立に水素原子またはメチル基を表す。L25およびL26はそれぞれ独立に単結合または上記連結基Lを表す。L30とL25またはL26とは連結基Lを介してまたは介さずに結合して環を形成していてもよい。L25、L26およびL30は上記置換基Tを有していてもよい。置換基Tは複数が結合して環を形成してもよく、他の連結基と結合して環を形成してもよい。置換基Tが複数あるとき互いに同じでも異なっていてもよい。rは1〜4の整数であり、1〜3の整数が好ましく、1または2がより好ましく、1がさらに好ましい。なお、L30にはヘテロ連結基(O、S、NR)が介在していてもよい。ヘテロ連結基が介在する数は、L30の炭素数1〜6個に1つの割合であることが好ましい。
インプリント用硬化性組成物に用いる他の多官能重合性化合物としては、特開2014−170949号公報に記載の重合性化合物のうち、環を有さない多官能重合性化合物が例示され、これらの内容は本明細書に含まれる。より具体的には、例えば、下記化合物が例示される。
環Czとしては、以下の芳香族環、芳香族複素環および脂環が例示される。
芳香族環を含む化合物に含まれる芳香族環としては、炭素数6〜22のものが好ましく、6〜18がより好ましく、6〜10がさらに好ましい。芳香族環の具体例としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、フェナレン環、フルオレン環、アセナフチレン環、ビフェニレン環、インデン環、インダン環、トリフェニレン環、ピレン環、クリセン環、ペリレン環、テトラヒドロナフタレン環などが挙げられる。なかでも、ベンゼン環またはナフタレン環が好ましく、ベンゼン環がより好ましい。芳香族環は複数が連結した構造を取っていてもよく、例えば、ビフェニル環、ビスフェニル環が挙げられる。
芳香族複素環としては、炭素数1〜12のものが好ましく、1〜6がより好ましく、1〜5がさらに好ましい。その具体例としては、チオフェン環、フラン環、ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、イソインドール環、インドール環、インダゾール環、プリン環、キノリジン環、イソキノリン環、キノリン環、フタラジン環、ナフチリジン環、キノキサリン環、キナゾリン環、シンノリン環、カルバゾール環、アクリジン環、フェナジン環、フェノチアジン環、フェノキサジン環などが挙げられる。
脂環としては炭素数3〜22のものが好ましく、4〜18がより好ましく、6〜10がさらに好ましい。その具体例としては、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロブテン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘキセン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環、ジシクロペンタジエン環、テトラヒドロジシクロペンタジエン環、オクタヒドロナフタレン環、デカヒドロナフタレン環、ヘキサヒドロインダン環、ボルナン環、ノルボルナン環、ノルボルネン環、イソボルナン環、トリシクロデカン環、テトラシクロドデカン環、アダマンタン環などが挙げられる。
多官能重合性化合物は、インプリント用硬化性組成物中の全重合性化合物に対して、30質量%以上含有することが好ましく、45質量%以上がより好ましく、50質量%以上がさらに好ましく、55質量%以上が一層好ましく、60質量%以上であってもよく、さらに70質量%以上であってもよい。また、上限値は、95質量%未満であることが好ましく、90質量%以下であることがさらに好ましく、85質量%以下とすることもできる。
インプリント用硬化性組成物は、多官能重合性化合物を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
本発明で用いるインプリント用硬化性組成物は、組成物の85質量%以上が重合性化合物であることが好ましく、90質量%以上が重合性化合物であることがより好ましく、93質量%以上が重合性化合物であることがさらに好ましい。
インプリント用硬化性組成物のハンセン溶解度パラメータ(HSP)ベクトルの:
(i)分散項成分(d成分)は、14.0〜20.0であることが好ましく、15.0〜19.0であることがより好ましく、16.0〜18.5であることがさらに好ましい;
(ii)極性項成分(p成分)は、3.5〜8.0であることが好ましく、3.8〜6.0であることがより好ましく、4.0〜5.0であることがさらに好ましい;
(iii)水素結合項成分(h成分)は、4.0〜8.0であることが好ましく、4.7〜7.0であることがより好ましく、5.2〜6.5であることがさらに好ましい。
上記インプリント用硬化性組成物の、HSPベクトルの分散項成分、極性項成分、水素結合項成分は、それぞれ、後述する実施例に記載の方法で設定される。
<<他の成分>>
インプリント用硬化性組成物は、重合性化合物以外の添加剤を含有してもよい。他の添加剤として、重合開始剤、界面活性剤、増感剤、離型剤、酸化防止剤、重合禁止剤等を含んでいてもよい。
本発明で用いることができるインプリント用硬化性組成物の具体例としては、特開2013−036027号公報、特開2014−090133号公報、特開2013−189537号公報に記載の組成物が例示され、これらの内容は本明細書に組み込まれる。また、インプリント用硬化性組成物の調製、膜(パターン形成層)の形成方法についても、上記公報の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
<<物性値等>>
インプリント用硬化性組成物の粘度は、20.0mPa・s以下であることが好ましく、15.0mPa・s以下であることがより好ましく、11.0mPa・s以下であってもよく、さらには9.0mPa・s以下であってもよい。上記粘度の下限値としては、特に限定されるものでは無いが、例えば、4.0mPa・以上、さらには5.0mPa・s以上とすることができる。
インプリント用硬化性組成物の表面張力(γResist)は29.0mN/m以上であることが好ましく、30.0mN/m以上であることがより好ましく、31.0mN/m以上であることがさらに好ましい。表面張力の高いインプリント用硬化性組成物を用いることで毛細管力が上昇し、モールドパターンへのインプリント用硬化性組成物の高速な充填が可能となる。上記表面張力の上限値としては、特に限定されるものではないが、下層膜との関係およびインクジェット適性を付与するという観点では、42.0mN/m以下であることが好ましく、40.0mN/m以下であることがより好ましく、38.0mN/m以下であってもよい。
インプリント用硬化性組成物の大西パラメータは、5.0以下であることが好ましく、4.0以下であることがより好ましく、3.7以下であることがさらに好ましい。インプリント用硬化性組成物の大西パラメータの下限値は、特に定めるものではないが、例えば、1.0以上、さらには、2.0以上であってもよい。
大西パラメータはインプリント用硬化性組成物の重合性化合物について、それぞれ、全構成成分の炭素原子、水素原子および酸素原子の数を下記式に代入して求めることができる。
大西パラメータ=炭素原子、水素原子および酸素原子の数の和/(炭素原子の数−酸素原子の数)
インプリント用硬化性組成物に含まれる重合性化合物のハンセン溶解度パラメータ(HSP)ベクトルの:
(i)分散項成分(d成分)は、14.0〜20.0であることが好ましく、15.0〜19.0であることがより好ましく、16.0〜18.5であることがさらに好ましい;
(ii)極性項成分(p成分)は、3.5〜8.0であることが好ましく、3.8〜6.0であることがより好ましく、4.0〜5.0であることがさらに好ましい;
(iii)水素結合項成分(h成分)は、4.0〜8.0であることが好ましく、4.7〜7.0であることがより好ましく、5.2〜6.5であることがさらに好ましい。
HSPベクトルの分散項成分、極性項成分、水素結合項成分は、それぞれ、後述する実施例に記載の方法で設定される。HSPベクトルの算出にあたって該当成分が複数ある場合には、少なくとも1種が上記の範囲を満たすことが好ましく、最多量成分が上記の範囲を満たすことがより好ましい。
本発明では、インプリント用硬化性組成物における溶剤の含有量は、インプリント用硬化性組成物の5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましく、1質量%以下であることがさらに好ましい。
インプリント用硬化性組成物は、ポリマー(好ましくは、重量平均分子量が1,000を超える、より好ましくは重量平均分子量が2,000を超える、さらに好ましくは重量平均分子量が10,000以上のポリマー)を実質的に含有しない態様とすることもできる。ポリマーを実質的に含有しないとは、例えば、ポリマーの含有量がインプリント用硬化性組成物の0.01質量%以下であることをいい、0.005質量%以下が好ましく、全く含有しないことがより好ましい。
本発明で用いるインプリント用硬化性組成物の収容容器としては従来公知の収容容器を用いることができる。また、収容容器としては、原材料や組成物中への不純物混入を抑制することを目的に、容器内壁を6種6層の樹脂で構成された多層ボトルや、6種の樹脂を7層構造にしたボトルを使用することも好ましい。このような容器としては例えば特開2015−123351号公報に記載の容器が挙げられる。
<キット>
本発明は、インプリント用下層膜形成組成物と重合性化合物を含むインプリント用硬化性組成物とを含むキットを開示する。
本発明のキットは、脱離成分(式(r1)または(r2)で表される化合物あるいは式(r1−1)で表される化合物)のハンセン溶解度パラメータとインプリント用硬化性組成物のハンセン溶解度パラメータとに基づき下記数式(H1)で算出されるΔHSP値が5以下であることが好ましく、7.0以下であることがより好ましく、5.0以下であることがさらに好ましく、4.0以下であることが一層好ましい。下限値としては、0であってもよいが、0.1以上であることが実際的である。
ΔHSP=(4.0×ΔD+ΔP+ΔH0.5 (H1)
ΔDは、インプリント用硬化性組成物のハンセン溶解度パラメータベクトルの分散項成分と、脱離成分のハンセン溶解度パラメータベクトルの分散項成分の差である。
ΔPは、インプリント用硬化性組成物のハンセン溶解度パラメータベクトルの極性項成分と、脱離成分のハンセン溶解度パラメータベクトルの極性項成分の差である。
ΔHは、インプリント用硬化性組成物のハンセン溶解度パラメータベクトルの水素結合項成分と、脱離成分のハンセン溶解度パラメータベクトルの水素結合項成分の差である。
<積層体およびその製造方法>
本発明のキットの好ましい実施形態として、このキットから形成される積層体が挙げられる。本実施形態の積層体は、上記インプリント用下層膜形成組成物から形成された下層膜と、上記インプリント用硬化性組成物から形成され、上記下層膜の表面に位置するインプリント層とを有することが好ましい。その製造方法は特に限定されないが、上記のキットを用いて、インプリント用下層膜形成組成物から形成された下層膜の表面に、インプリント用硬化性組成物を適用することを含む製造方法が挙げられる。このとき、インプリント用硬化性組成物は、インクジェット法(IJ法)により、上記下層膜の表面に適用することが好ましい。さらに、積層体の製造方法は、上記インプリント用下層膜形成組成物を基板上に層状に適用する工程を含み、上記層状に適用したインプリント用下層膜形成組成物を80〜250℃(好ましくは150〜250℃)(工程温度)で加熱(ベーク)することを含むことが好ましい。
<硬化物パターンおよびその製造方法>
本発明の好ましい実施形態にかかる硬化物パターンの製造方法は、上記のキットを用いて硬化物パターンを製造する方法であって、基板上に、インプリント用下層膜形成組成物を適用して下層膜を形成する下層膜形成工程と、上記下層膜の表面に、インプリント用硬化性組成物を適用する適用工程と、上記インプリント用硬化性組成物と、パターン形状を転写するためのパターンを有するモールドとを接触させるモールド接触工程と、上記インプリント用硬化性組成物に光を照射して硬化物を形成する光照射工程と、上記硬化物と上記モールドとを引き離す離型工程と、を有する。
以下、硬化物パターンを形成する方法(硬化物パターンの製造方法)について、図1に従って説明する。本発明の構成が図面により限定されるものではないことは言うまでもない。
<<下層膜形成工程>>
下層膜形成工程では、図1(1)および(2)に示す様に、基板1上に、下層膜2を形成する。下層膜は、インプリント用下層膜形成組成物を基板上に層状に適用して形成することが好ましい。
基板上へのインプリント用下層膜形成組成物の適用方法としては、特に定めるものではなく、一般によく知られた適用方法を採用できる。具体的には、適用方法としては、例えば、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、エクストルージョンコート法、スピンコート法、スリットスキャン法、あるいはインクジェット法が例示され、スピンコート法が好ましい。
また、基板上にインプリント用下層膜形成組成物を層状に適用した後、好ましくは、熱によって溶剤を揮発(乾燥)させて、薄膜である下層膜を形成する。
下層膜2の厚さは、2nm以上であることが好ましく、3nm以上であることがより好ましく、4nm以上であることがさらに好ましく、5nm以上であってもよく、7nm以上であってもよい。また、下層膜の厚さは、40nm以下であることが好ましく、30nm以下であることがより好ましく、20nm以下であることがさらに好ましく、15nm以下であってもよく、さらには10nm以下であってもよい。膜厚を上記下限値以上とすることにより、インプリント用硬化性組成物の下層膜上での拡張性(濡れ性)が向上し、インプリント後の均一な残膜形成が可能となる。膜厚を上記上限値以下とすることにより、インプリント後の残膜が薄くなり、膜厚ムラが発生しにくくなり、残膜均一性が向上する傾向にある。
基板の材質としては、特に定めるものでは無く、特開2010−109092号公報(対応US出願の公開番号は、米国特許出願公開第2011/0183127号明細書)の段落0103の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。本発明では、シリコン基板、ガラス基板、石英基板、サファイア基板、シリコンカーバイド(炭化ケイ素)基板、窒化ガリウム基板、アルミニウム基板、アモルファス酸化アルミニウム基板、多結晶酸化アルミニウム基板、ならびに、GaAsP、GaP、AlGaAs、InGaN、GaN、AlGaN、ZnSe、AlGa、InP、または、ZnOから構成される基板が挙げられる。なお、ガラス基板の具体的な材料例としては、アルミノシリケートガラス、アルミノホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラスが挙げられる。本発明では、シリコン基板が好ましい。
<<適用工程>>
適用工程では、例えば、図1(3)に示すように、上記下層膜2の表面に、インプリント用硬化性組成物3を適用する。
インプリント用硬化性組成物の適用方法としては、特に定めるものでは無く、特開2010−109092号公報(対応US出願の公開番号は、米国特許出願公開第2011/0199592号明細書)の段落0102の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。上記インプリント用硬化性組成物は、インクジェット法により、上記下層膜の表面に適用することが好ましい。また、インプリント用硬化性組成物を、多重塗布により塗布してもよい。インクジェット法などにより下層膜の表面に液滴を配置する方法において、液滴の量は1〜20pL程度が好ましく、液滴間隔をあけて下層膜表面に配置することが好ましい。液滴間隔としては、10〜1000μmの間隔が好ましい。液滴間隔は、インクジェット法の場合は、インクジェットのノズルの配置間隔とする。
さらに、下層膜2と、下層膜上に適用した膜状のインプリント用硬化性組成物3の体積比は、1:1〜500であることが好ましく、1:10〜300であることがより好ましく、1:50〜200であることがさらに好ましい。
また、本発明の好ましい実施形態に係る積層体の製造方法は、本発明のキットを用いて製造する方法であって、上記インプリント用下層膜形成組成物から形成された下層膜の表面に、インプリント用硬化性組成物を適用することを含む。さらに、本発明の好ましい実施形態に係る積層体の製造方法は、上記インプリント用下層膜形成組成物を基板上に層状に適用する工程を含み、上記層状に適用したインプリント用下層膜形成組成物を80〜250℃(好ましくは、150℃以上、また、250℃以下)で、加熱(ベーク)することを含むことが好ましい。加熱時間は、30秒〜5分とすることができる。
<<モールド接触工程>>
モールド接触工程では、例えば、図1(4)に示すように、上記インプリント用硬化性組成物3とパターン形状を転写するためのパターンを有するモールド4とを接触させる。このような工程を経ることにより、所望の硬化物パターン(インプリントパターン)が得られる。
具体的には、膜状のインプリント用硬化性組成物に所望のパターンを転写するために、膜状のインプリント用硬化性組成物3の表面にモールド4を押接する。
モールドは、光透過性のモールドであってもよいし、光非透過性のモールドであってもよい。光透過性のモールドを用いる場合は、モールド側からインプリント用硬化性組成物3に光を照射することが好ましい。一方、光非透過性のモールドを用いる場合は、基板として、光透過性基板を用い、基板側から光を照射することが好ましい。本発明では、光透過性モールドを用い、モールド側から光を照射することがより好ましい。
本発明で用いることのできるモールドは、転写されるべきパターンを有するモールドである。上記モールドが有するパターンは、例えば、フォトリソグラフィや電子線描画法等によって、所望する加工精度に応じて形成できるが、本発明では、モールドパターン製造方法は特に制限されない。また、本発明の好ましい実施形態に係る硬化物パターン製造方法によって形成したパターンをモールドとして用いることもできる。
本発明において用いられる光透過性モールドを構成する材料は、特に限定されないが、ガラス、石英、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート樹脂などの光透過性樹脂、透明金属蒸着膜、ポリジメチルシロキサンなどの柔軟膜、光硬化膜、金属膜等が例示され、石英が好ましい。
本発明において光透過性の基板を用いた場合に使われる非光透過型モールド材としては、特に限定されないが、所定の強度を有するものであればよい。具体的には、セラミック材料、蒸着膜、磁性膜、反射膜、Ni、Cu、Cr、Feなどの金属基板、SiC、シリコン、窒化シリコン、ポリシリコン、酸化シリコン、アモルファスシリコンなどの基板などが例示され、特に制約されない。
上記硬化物パターンの製造方法では、インプリント用硬化性組成物を用いてインプリントリソグラフィを行うに際し、モールド圧力を10気圧以下とするのが好ましい。モールド圧力を10気圧以下とすることにより、モールドや基板が変形しにくくパターン精度が向上する傾向にある。また、加圧が低いため装置を縮小できる傾向にある点からも好ましい。モールド圧力は、モールド凸部にあたるインプリント用硬化性組成物の残膜が少なくなる一方で、モールド転写の均一性が確保できる範囲から選択することが好ましい。
また、インプリント用硬化性組成物とモールドとの接触を、ヘリウムガスまたは凝縮性ガス、あるいはヘリウムガスと凝縮性ガスの両方を含む雰囲気下で行うことも好ましい。
<<光照射工程>>
光照射工程では、上記インプリント用硬化性組成物に光を照射して硬化物を形成する。光照射工程における光照射の照射量は、硬化に必要な最小限の照射量よりも十分大きければよい。硬化に必要な照射量は、インプリント用硬化性組成物の不飽和結合の消費量などを調べて適宜決定される。
照射する光の種類は特に定めるものではないが、紫外光が例示される。
また、本発明に適用されるインプリントリソグラフィにおいては、光照射の際の基板温度は、通常、室温とするが、反応性を高めるために加熱をしながら光照射してもよい。光照射の前段階として、真空状態にしておくと、気泡混入防止、酸素混入による反応性低下の抑制、モールドとインプリント用硬化性組成物との密着性向上に効果があるため、真空状態で光照射してもよい。また、上記硬化物パターン製造方法中、光照射時における好ましい真空度は、10-1Paから常圧の範囲である。
露光に際しては、露光照度を1〜500mW/cmの範囲にすることが好ましく、10〜400mW/cmの範囲にすることがより好ましい。露光の時間は特に限定されないが、0.01〜10秒であることが好ましく、0.5〜1秒であることがより好ましい。露光量は、5〜1000mJ/cmの範囲にすることが好ましく、10〜500mJ/cmの範囲にすることがより好ましい。
上記硬化物パターン製造方法においては、光照射により膜状のインプリント用硬化性組成物(パターン形成層)を硬化させた後、必要に応じて、硬化させたパターンに熱を加えてさらに硬化させる工程を含んでいてもよい。光照射後にインプリント用硬化性組成物を加熱硬化させるための温度としては、150〜280℃が好ましく、200〜250℃がより好ましい。また、熱を付与する時間としては、5〜60分間が好ましく、15〜45分間がさらに好ましい。
<<離型工程>>
離型工程では、上記硬化物と上記モールドとを引き離す(図1(5))。得られた硬化物パターンは後述する通り各種用途に利用できる。
すなわち、本発明では、上記下層膜の表面に、さらに、インプリント用硬化性組成物から形成される硬化物パターンを有する、積層体が開示される。また、本発明で用いるインプリント用硬化性組成物からなるパターン形成層の膜厚は、使用する用途によって異なるが、0.01μm〜30μm程度である。
さらに、後述するとおり、エッチング等を行うこともできる。
<硬化物パターンとその応用>
上述のように上記硬化物パターンの製造方法によって形成された硬化物パターンは、液晶表示装置(LCD)などに用いられる永久膜や、半導体素子製造用のエッチングレジスト(リソグラフィ用マスク)として使用することができる。
特に、本発明では、本発明の好ましい実施形態に係る硬化物パターンの製造方法により硬化物パターンを得る工程を含む、回路基板の製造方法を開示する。さらに、本発明の好ましい実施形態に係る回路基板の製造方法では、上記硬化物パターンの製造方法により得られた硬化物パターンをマスクとして基板にエッチングまたはイオン注入を行う工程と、電子部材を形成する工程と、を有していてもよい。上記回路基板は、半導体素子であることが好ましい。さらに、本発明では、上記回路基板の製造方法により回路基板を得る工程と、上記回路基板と上記回路基板を制御する制御機構とを接続する工程と、を有する電子機器の製造方法を開示する。
また、上記硬化物パターン製造方法によって形成されたパターンを利用して液晶表示装置のガラス基板にグリッドパターンを形成し、反射や吸収が少なく、大画面サイズ(例えば55インチ、60インチ超)の偏光板を安価に製造することが可能である。例えば、特開2015−132825号公報や国際公開第2011/132649号に記載の偏光板が製造できる。なお、1インチは25.4mmである。
本発明で形成された硬化物パターンは、図1(6)(7)に示す通り、エッチングレジスト(リソグラフィ用マスク)としても有用である。硬化物パターンをエッチングレジストとして利用する場合には、まず、基板として例えばSiO等の薄膜が形成されたシリコン基板(シリコンウェハ等)等を用い、基板上に上記硬化物パターン製造方法によって、例えば、ナノまたはミクロンオーダーの微細な硬化物パターンを形成する。本発明では特にナノオーダーの微細パターンを形成でき、さらにはサイズが50nm以下、特には30nm以下のパターンも形成できる点で有益である。上記硬化物パターン製造方法で形成する硬化物パターンのサイズの下限値については特に定めるものでは無いが、例えば、1nm以上とすることができる。
基板上に、硬化物パターンの製造方法により硬化物パターンを得る工程と、得られた上記硬化物パターンを用いて上記基板にエッチングを行う工程と、を有する、インプリント用モールドの製造方法も好ましい実施形態として挙げられる。
ウェットエッチングの場合にはフッ化水素等、ドライエッチングの場合にはCF等のエッチングガスを用いてエッチングすることにより、基板上に所望の硬化物パターンを形成することができる。硬化物パターンは、特にドライエッチングに対するエッチング耐性が良好である。すなわち、上記硬化物パターン製造方法によって形成されたパターンは、リソグラフィ用マスクとして好ましく用いられる。
図2は、下層膜の表面にインプリント用硬化性組成物をインクジェット法により塗布した場合の、インプリント用硬化性組成物の濡れ広がりの状態を模式的に示す平面図である。インプリント用硬化性組成物がインクジェット(IJ)法により適用される場合、例えば、同図に示すように、下層膜21の表面にインプリント用硬化性組成物22の液滴を等間隔に滴下する(図2(a))。そこに、モールドを接触させると、上記液滴が下層膜21上で広がり、膜状のインプリント用硬化性組成物22a、22b、22cとなっていく(図2(b)、(c)、(d))。しかし、インプリント用硬化性組成物が均一に広がらないで、例えば、図2(c)で濡れ広がりが止まってしまうと、下層膜21上にはインプリント用硬化性組成物22bの状態の完全に広がっていない膜が形成される。つまり、膜厚が薄いあるいは膜のない領域23が生じてしまう場合がある。このようになると、モールドのパターンにインプリント用硬化性組成物が十分に充填されない部分が生じ、インプリント層にパターンのない部分ができてしまう。例えば、このような一部において欠損あるいは厚みの不十分な部分のあるインプリント層のパターンをマスクにしてエッチングを実施した場合、膜厚の薄い領域ないし膜のない領域23とそれ以外の領域22bとでエッチングのムラが発生し、インプリント領域全面にわたって均一に所望のパターン形状をエッチングし転写することが困難となる。
これに対し、本発明のインプリント用下層膜形成組成物によれば、これにより形成される下層膜とインプリント用硬化性組成物との界面張力が改善され濡れ性が向上している。そのため、より確実に図2(d)の状態の隅々にまで広がったインプリント用硬化性組成物22cとなる。その結果、全体にわたってインプリント用硬化性組成物がモールドに的確かつ十分に充填され、形成されたインプリント層において厚さにムラのない良好なパターニングを達成することができる。また、充填性の向上により高速のインプリントが可能となりスループットの改善にもつなげることができる。
なお、上記の説明では、インクジェット法によりインプリント用硬化性組成物を下層膜上に適用する例を挙げて本発明の好ましい実施形態にかかる作用機序について説明したが、これにより本発明が限定して解釈されるものではない。例えば、スクリーン塗布やスピンコートなどにおいても、良好な濡れ性と優れた充填性は加工上および製品品質上の利点につながり、発明の効果を好適に発揮し得るものである。
本発明で形成されたパターンは、具体的には、磁気ディスク等の記録媒体、固体撮像素子等の受光素子、LED(light emitting diode)や有機EL(有機エレクトロルミネッセンス)等の発光素子、液晶表示装置(LCD)等の光デバイス、回折格子、レリーフホログラム、光導波路、光学フィルタ、マイクロレンズアレイ等の光学部品、薄膜トランジスタ、有機トランジスタ、カラーフィルタ、反射防止膜、偏光板、偏光素子、光学フィルム、柱材等のフラットパネルディスプレイ用部材、ナノバイオデバイス、免疫分析チップ、デオキシリボ核酸(DNA)分離チップ、マイクロリアクター、フォトニック液晶、ブロックコポリマーの自己組織化を用いた微細パターン形成(directed self−assembly、DSA)のためのガイドパターン等の作製に好ましく用いることができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
<ポリマーG−1の合成例>
2フローしている三口フラスコにメタノール(MeOH)(300g)、5−Bromoisophthalic Acid(東京化成工業(株)製、10g)、濃硫酸(1mL)を加え、90℃に加温し4時間熟成を行った。その後、減圧濃縮した。分液ロートに濃縮物と酢酸エチル(500g)、3%炭酸水素ナトリウム水溶液(300g)を加え、撹拌した。有機層を濃縮し、目的の化合物(中間体G−1A)を合成した。
2フローしている三口フラスコにテトラヒドロフラン(THF)(300g)、G−1A(10g)を加え、0℃に冷却し、LiAlH(富士フイルム和光純薬(株)製、3g)を少しずつ加え、2時間熟成を行った。その後、水(3g)、15%水酸化ナトリウム水溶液(3g)、水(9g)を加え、1時間熟成した。その後、濾過を行いろ液を濃縮することで目的の化合物(中間体G−1B)を合成した。
2フローしている三口フラスコにDMF(300g)、イミダゾール(8g)、G−1B(10g)を加え、0℃に冷却し、tert−Butyldimethylchlorosilane(東京化成工業(株)製、18g)を少しずつ加え、2時間熟成を行った。その後、減圧濃縮した。分液ロートに濃縮物と酢酸エチル(500g)、3%炭酸水素ナトリウム水溶液(300g)を加え、撹拌した。有機層を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィで精製し目的の化合物(中間体G−1C)を合成した。
2フローしている三口フラスコにMg(1g)、G−1C(10g)、THF(100g)を加え、0℃に冷却し1時間熟成を行った。その後、アセトン(2g)を少しずつ加え、2時間熟成を行った。その後、減圧濃縮した。分液ロートに濃縮物と酢酸エチル(500g)、3%炭酸水素ナトリウム水溶液(300g)を加え、撹拌した。有機層を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィで精製し目的の化合物(中間体G−1D)を合成した。
2フローしている三口フラスコにG−1D(10g)、シクロヘキサン(100g)を加え、0℃に冷却し、20%ブチルリチウムシクロヘキサン溶液(東京化成工業(株)製、12mL)を滴下し1時間熟成を行った。その後、メタクリル酸クロリド(東京化成工業(株)製、3g)を滴下し1時間熟成を行った。その後、THF(100g)、1M HCl水溶液を加え、5時間熟成を行った。その後、酢酸エチル(1000g)、3%炭酸水素ナトリウム水溶液(300g)を加え、撹拌した。有機層を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィで精製し目的の化合物(中間体G−1E)を合成した。
2フローしている三口フラスコにPGMEA(30g)を加え、60℃に加温した。2−Hydroxyethyl Methacrylate(東京化成工業(株)製、13g、100mmol)とG−1E(26g、100.0mmol)と光ラジカル重合開始剤(富士フイルム和光純薬(株)製、V−65、1.0g、4.0mmol)をPGMEA(70g)に溶解し、得られた混合物を上記フラスコの内温が65℃を超えない温度で2時間かけて滴下し、さらに90℃で4時間熟成を行った。その後、25℃まで冷却した。別の三口フラスコにジイソプロピルエーテル(435.5g)とヘキサン(186.6g)を加え0℃に冷却し撹拌した。これに上記フラスコ中の反応液を、5℃を超えない温度で30分間かけて滴下し、1時間撹拌した。その後、1時間静止し、減圧濾過をした。得られた粉末を減圧乾燥することで目的の化合物(中間体G−1F)を合成した。)
2フローしている三口フラスコにPGMEA(45.38g)、中間体G−1F(19.7g、100.0mmol)トリエチルアミン(東京化成工業(株)製、15g、150.0mmol)を加え、0℃に冷却した。PGMEA(45.38g)とAcryloyl Choride(14g、150.0mmol)を混合し、上記フラスコの内温が10℃を超えない温度で2時間かけて滴下し、さらに20℃で4時間熟成を行った。その後、0℃まで冷却した。別の三口フラスコにジイソプロピルエーテル(435.5g)とヘキサン(186.6g)を加え0℃に冷却し撹拌した。これに上記フラスコ中の反応液を、5℃を超えない温度で30分間かけて滴下し、1時間撹拌した。その後、1時間静止し、減圧濾過をした。得られた粉末を水洗し、減圧乾燥することで目的の化合物(G−1)を合成した。
他のポリマーは、上記合成例にならって合成した。
<下層膜形成組成物の調製>
下表1〜4に示した通り各成分を配合し、孔径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルタと孔径0.003μmのUPEフィルタ(超高分子量ポリエチレン)にて二段階ろ過を実施し、実施例および比較例に示すインプリント用下層膜形成組成物を調製した。表1〜4には組み合わせて用いたインプリント用硬化性組成物の番号を併せて表記している。
<80℃でベークしたときの脱離成分の確認方法>
シリコンウェハ(直径8インチ)上に、インプリント用下層膜形成組成物をスピンコートした。その後、80℃、3分間、空気雰囲気下のベーク条件でホットプレートを用いて加熱し、ウェハ上に下層膜を形成した。得られた下層膜の厚さは約10nmであった。得られた下層膜をテトラヒドロフラン(THF)に30分間浸漬し、得られたTHF溶液をLC/MSを用いて分析した。
このようにして、式(r1)または(r2)あるいは、式(r1−1)で表され、分子量が210以上の化合物の検出が確認されたか否かを確認した。
後述するポリマーの下に点線で囲んだ化合物が脱離した化合物である。ポリマーH−1〜H−3については、分子量210以上の化合物の脱離は認められなかった。ポリマーH−3については、式(r1)または(r2)で表される化合物あるいは式(r1−1)で表される化合物の脱離が認められなかった。
<インプリント用硬化性組成物の調製>
表5に示す各化合物を混合し、さらに重合禁止剤として4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシルフリーラジカル(東京化成製)を表に示す化合物のうち、重合性化合物の合計量に対して200質量ppm(0.02質量%)となるように加えて調製し、インプリント用硬化性組成物を得た。これを孔径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルタと孔径0.003μmのUPE(超高分子量ポリエチレン)フィルタにて二段階ろ過した。
<表面張力>
表面張力の測定は、協和界面科学(株)製、表面張力計 SURFACETENSIOMETER CBVP−A3を用い、ガラスプレートを用いて23℃で行った。単位は、mN/mで示す。1水準につき2つの試料を作製し、それぞれ3回測定し、合計6回の算術平均値を評価値として採用した。
<ハンセン溶解度パラメータ間距離(ΔHSP)の算出>
ハンセン溶解度パラメータはHSP計算ソフトHSPiPにて計算した。
各化合物の構造式をSMILES形式にて上記ソフトに入力することで、ハンセン溶解度パラメータの各成分(d成分、p成分を、h成分)を算出した。算出したハンセン溶解度パラメータについて、必要により、成分間のハンセン溶解度パラメータ間距離(ΔHSP:ΔD、ΔP、ΔH)を算出した。
ΔHSP=(4.0×ΔD+ΔP+ΔH0.5 (H1)
ハンセン溶解度パラメータは各算出対象成分において複数の化合物がある場合には(例えば、脱離成分が2種以上ある場合等)、該当する化合物のうち最多量成分(質量基準)の値を採用した。尚、最多量成分が2種以上ある場合には、(混合比による平均値)とする。
表1〜4に、式(H1)で算出した脱離成分と硬化性組成物とのハンセン溶解度パラメータの距離(ΔHSP)を示した。
<分子量の測定方法>
ポリマーの重量平均分子量(Mw)は、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC測定)に従い、ポリスチレン換算値として定義した。装置はHLC−8220(東ソー(株)製)を用い、カラムとしてガードカラムHZ−L、TSKgel Super HZM−M、TSKgel Super HZ4000、TSKgel Super HZ3000およびTSKgel Super HZ2000(東ソー(株)製)を用いた。溶離液は、THF(テトラヒドロフラン)を用いた。検出は、UV線(紫外線)の波長254nm検出器を使用した。
<密着性>
シリコンウェハ(直径8インチ)上に、インプリント用下層膜形成組成物をスピンコートした。その後、150℃、3分間、空気雰囲気下のベーク条件でホットプレートを用いて加熱し、ウェハ上に下層膜を形成した。得られた下層膜の厚さは約10nmであった。
下層膜の表面に、23℃に温度調整したインプリント用硬化性組成物を、富士フイルムダイマティックス社製インクジェットプリンターDMP−2831を用いて、ノズルあたり1pLの液滴量で吐出して、上記下層膜上に液滴が約100μm間隔の正方配列となるように塗布した。
その上から石英モールド(矩形ライン/スペースパターン(1/1)、線幅40nm、溝深さ100nm、ラインエッジラフネス3.5nm)をインプリント用硬化性組成物層と接するように載せ、石英ウェハ側から高圧水銀ランプを用い300mJ/cm2の条件で露光した。露光後、石英ウェハを離し、そのときの剥離力を測定した。
この剥離力が密着力F(単位:N)に相当する。剥離力は特開2011−206977号公報の段落番号0102〜0107に記載の比較例に記載の剥離力の測定方法に準じて測定を行った。すなわち、上記公報の図5の剥離ステップ1〜6および16〜18に従って行った。
A:F≧45N
B:45N>F≧30N
C:30N>F≧20N
D:20N>F
<濡れ性の評価>
シリコンウェハ(直径8インチ)上に、インプリント用下層膜形成組成物をスピンコートした。その後、150℃、3分間、空気雰囲気下のベーク条件でホットプレートを用いて加熱し、密着層上に下層膜を形成した。得られた下層膜の厚さは約10nmであった。
下層膜の表面に、23℃に温度調整したインプリント用硬化性組成物を、富士フイルムダイマティックス社製インクジェットプリンターDMP−2831を用いて、ノズルあたり1pLの液滴量で吐出して、上記下層膜上に液滴が約100μm間隔の正方配列となるように塗布した。
塗布後3秒後の液滴形状を撮影し、液滴直径を測定した。1水準につき2つの試料を用い、それぞれ3回測定した。合計6回の算術平均値を評価値として採用した。結果を表1〜4に示した。
A:IJ液滴の平均直径>500μm
B:400μm<IJ液滴の平均直径≦500μm
C:320μm<IJ液滴の平均直径≦400μm
D:IJ液滴の平均直径≦320μm
ポリマー
破線は脱離後の脱離成分を記載している(以下同様である)
Molecular Weightは分子量を意味する。
脱離反応促進剤またはその前駆体
T−1、T−4、T−5、T−6およびT−7は光酸発生剤である。T−2は熱塩基発生剤である。T−3は熱酸発生剤である。
光重合開始剤
上記結果から明らかなとおり、本発明のインプリント用下層膜形成組成物は、特定の脱離成分を脱離するポリマーを含有しており、インプリント用硬化性組成物と組み合わせて用いたときに、優れた濡れ性と良好な密着性を示すことが分かった(実施例1〜21)。一方、脱離成分が脱離しないか、脱離成分が脱離したとしても特定の化学構造をとらないものでは、濡れ性あるいは濡れ性に劣ることが分かった(比較例1〜3)。
各実施例で作製したインプリント用硬化性組成物の膜に対して、幅500nmのパターンを施した石英製のモールドを接触させた。その後、モールド側から紫外線を照射して膜を硬化した。次いで、モールドを引き離し、モールドのパターンが転写された硬化物のパターンを得た。この結果、いずれの硬化物においても良好なパターンが形成できたことを確認した。
1 基板
2 下層膜
3 インプリント用硬化性組成物
4 モールド
21 下層膜
22 インプリント用硬化性組成物
23 膜のない領域

Claims (27)

  1. ポリマーと溶剤とを含むインプリント用下層膜形成組成物であって、前記インプリント用下層膜形成組成物を膜状にし、80℃でベークした場合、前記ポリマーから下記式(r1)または(r2)で表され、かつ、分子量が210以上である化合物が脱離する、インプリント用下層膜形成組成物;
    式中、Rr1、Rr2、Rr4、Rr5、およびRr6はそれぞれ独立に水素原子または1価の置換基であり、Rr1およびRr2の少なくとも一方は置換基であり、Rr4、Rr5、およびRr6の少なくとも1つは置換基であり、Rr3は2価の置換基である。
  2. 前記式(r1)または(r2)で表される化合物が式(r1−1)で表される、請求項1に記載のインプリント用下層膜形成組成物;
    式中、Rr1およびRr2はそれぞれ独立に水素原子または1価の置換基であり、Rr1およびRr2の少なくとも一方は置換基である。
  3. 前記ポリマーが下記式(R−1)〜(R−4)のいずれかで表される基を含む、請求項1また2に記載のインプリント用下層膜形成組成物;
    式中、R〜Rはそれぞれ独立に1価の置換基であり、R〜R12はそれぞれ独立に水素原子または1価の置換基であり、Xはポリマーの主鎖への結合位置を表す。
  4. 前記式(R−1)〜(R−4)のいずれかで表される置換基を含むポリマーから、式中のC−O結合が分解して、前記式(r1)または(r2)で表され、かつ、分子量210以上の化合物が脱離する、請求項3に記載のインプリント用下層膜形成組成物。
  5. 前記ポリマーが重合性基を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のインプリント用下層膜形成組成物。
  6. 前記重合性基が(メタ)アクリロイル基を含む、請求項5に記載のインプリント用下層膜形成組成物。
  7. 前記ポリマーが芳香環を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載のインプリント用下層膜形成組成物。
  8. 前記ポリマーが下記式(1)〜式(6)のいずれかで表される構成単位の少なくとも1種を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載のインプリント用下層膜形成組成物;
    式中、RP4は水素原子またはメチル基である;RP1は、式(r1)または(r2)で表される化合物を脱離可能な基を表す。
  9. 前記式(r1)または(r2)で表される化合物が芳香環を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載のインプリント用下層膜形成組成物。
  10. 前記式(r1)または(r2)で表される化合物が重合性基を含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載のインプリント用下層膜形成組成物。
  11. 前記重合性基が(メタ)アクリロイル基を含む、請求項10に記載のインプリント用下層膜形成組成物。
  12. 前記式(r1)のRr1およびRr2の少なくとも1つ、および、式(r2)のRr4〜Rr6の少なくとも1つが重合性基を含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載のインプリント用下層膜形成組成物。
  13. 前記式(r1)または(r2)で表される化合物の分子量が1000以下である、請求項1〜12のいずれか1項に記載のインプリント用下層膜形成組成物。
  14. さらに、脱離反応促進剤またはその前駆体を含む、請求項1〜13のいずれか1項に記載のインプリント用下層膜形成組成物。
  15. さらに、光重合開始剤を含む、請求項1〜14のいずれか1項に記載のインプリント用下層膜形成組成物。
  16. 前記式(r1)または(r2)で表される化合物の表面張力が35〜55mN/mである、請求項1〜15のいずれか1項に記載のインプリント用下層膜形成組成物。
  17. 溶剤を95.0質量%以上の割合で含む、請求項1〜16のいずれか1項に記載のインプリント用下層膜形成組成物。
  18. 請求項1〜17のいずれか1項に記載のインプリント用下層膜形成組成物と組み合わせて用いる、重合性化合物を含むインプリント用硬化性組成物。
  19. 請求項1〜17のいずれか1項に記載のインプリント用下層膜形成組成物と、重合性化合物を含むインプリント用硬化性組成物とを含むキット。
  20. 前記式(r1)または(r2)で表される化合物のハンセン溶解度パラメータと前記インプリント用硬化性組成物のハンセン溶解度パラメータとに基づき下記数式(H1)で算出されるΔHSP値が5以下である、請求項19に記載のキット;
    ΔHSP=(4.0×ΔD+ΔP+ΔH0.5 (H1)
    上記ΔDは、インプリント用硬化性組成物のハンセン溶解度パラメータベクトルの分散項成分と、式(r1)または(r2)で表される化合物のハンセン溶解度パラメータベクトルの分散項成分の差であり、上記ΔPは、インプリント用硬化性組成物のハンセン溶解度パラメータベクトルの極性項成分と、式(r1)または(r2)で表される化合物のハンセン溶解度パラメータベクトルの極性項成分の差であり、上記ΔHは、インプリント用硬化性組成物のハンセン溶解度パラメータベクトルの水素結合項成分と、式(r1)または(r2)で表される化合物のハンセン溶解度パラメータベクトルの水素結合項成分の差である。
  21. 請求項1〜17のいずれか1項に記載の下層膜形成組成物から形成された下層膜。
  22. 請求項19または20に記載のキットから形成される積層体であって、
    前記インプリント用下層膜形成組成物から形成された下層膜と、前記インプリント用硬化性組成物から形成され、前記下層膜の表面に位置するインプリント層とを有する、積層体。
  23. 請求項19または20に記載のキットを用いて積層体を製造する方法であって、前記インプリント用下層膜形成組成物から形成された下層膜の表面に、インプリント用硬化性組成物を適用することを含む、積層体の製造方法。
  24. 前記インプリント用硬化性組成物は、インクジェット法により、前記下層膜の表面に適用する、請求項23に記載の積層体の製造方法。
  25. さらに、前記インプリント用下層膜形成組成物を基板上に層状に適用する工程を含み、前記層状に適用したインプリント用下層膜形成組成物を80〜250℃で、加熱することを含む、請求項23または24に記載の積層体の製造方法。
  26. 請求項19または20に記載のキットを用いて硬化物パターンを製造する方法であって、基板上に、インプリント用下層膜形成組成物を適用して下層膜を形成する下層膜形成工程と、前記下層膜の表面に、インプリント用硬化性組成物を適用する適用工程と、前記インプリント用硬化性組成物と、パターン形状を転写するためのパターンを有するモールドとを接触させるモールド接触工程と、前記インプリント用硬化性組成物に光を照射して硬化物を形成する光照射工程と、前記硬化物と前記モールドとを引き離す離型工程と、を有する硬化物パターンの製造方法。
  27. 請求項26に記載の製造方法により硬化物パターンを得る工程を含む、回路基板の製造方法。
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