JPWO2019171659A1 - 接合構造及び接合方法 - Google Patents
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Abstract
第1の部材10及び第2の部材20が同種系の金属材で構成され、第3の部材30が、第1の部材10及び第2の部材20に対して溶接が困難な異種材料で構成されている。第1の部材10及び第2の部材20は、第3の部材30を挟んだ状態で、第1の突起部11に対応する領域が貫通孔31を介して互いに溶接される。第1の部材10及び第3の部材30と、第2の部材20及び第3の部材30とは、それぞれの重ね合わせ部分の外周部が溶接される。
Description
本発明は、接合構造及び接合方法に関するものである。
従来より、互いに溶接可能な同種系の金属材からなる第1の材料及び第2の材料の間に、第1の材料及び第2の材料に対して溶接が困難な第3の材料を挟み込んだ状態で、第1の材料と第2の材料とを溶接することで、異種材としての第3の材料を圧縮固定するようにした接合構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、異種材を同種系の金属材の間に挟み込むようにした接合構造では、異種材と同種系の金属材との重ね合わせ方向の隙間を通って、外部から水分が侵入するおそれがある。そして、侵入した水分によって、異種材と同種系の金属材とが重なり合う部分で電食が発生してしまい、接合強度が低下するおそれがある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、同種系の金属材と異種材とが重なり合う部分で電食が発生するのを抑えることにある。
本開示の態様は、金属材で構成された第1の部材と、該第1の部材に対して溶接可能な同種系の金属材で構成された第2の部材と、該第1の部材及び該第2の部材に対して溶接が困難な材料で構成された第3の部材とが互いに接合された接合構造を対象とし、次のような解決手段を講じた。
すなわち、第1の態様は、前記第1の部材及び前記第2の部材の少なくとも一方には、突起部が設けられ、
前記第3の部材には、前記突起部が挿入される貫通部が形成され、
前記第1の部材及び前記第2の部材は、前記第3の部材を挟んだ状態で、前記突起部に対応する領域が前記貫通部を介して互いに溶接され、
前記第1の部材及び前記第3の部材の重ね合わせ部分の外周部と、前記第2の部材及び該第3の部材の重ね合わせ部分の外周部とは、それぞれ溶接されていることを特徴とするものである。
前記第3の部材には、前記突起部が挿入される貫通部が形成され、
前記第1の部材及び前記第2の部材は、前記第3の部材を挟んだ状態で、前記突起部に対応する領域が前記貫通部を介して互いに溶接され、
前記第1の部材及び前記第3の部材の重ね合わせ部分の外周部と、前記第2の部材及び該第3の部材の重ね合わせ部分の外周部とは、それぞれ溶接されていることを特徴とするものである。
第1の態様では、第1の部材及び第2の部材が同種系の金属材で構成され、第3の部材が、第1の部材及び第2の部材に対して溶接が困難な異種材料で構成されている。第1の部材及び第2の部材は、第3の部材を挟んだ状態で、突起部に対応する領域が貫通部を介して互いに溶接される。第1の部材及び第3の部材と、第2の部材及び第3の部材とは、それぞれの重ね合わせ部分の外周部が溶接される。
これにより、同種系の金属材である第1の部材及び第2の部材と、異種材料である第3の部材とが重なり合う部分で電食が発生するのを抑えることができる。
具体的に、第1の部材と第3の部材とが重なり合う部分の外周部と、第2の部材と第3の部材とが重なり合う部分の外周部とをそれぞれ溶接することで、第1の部材、第2の部材、及び第3の部材の重ね合わせ方向の隙間が塞がれた密閉型の接合構造としている。
このような構成とすれば、第1の部材、第2の部材、及び第3の部材の重ね合わせ部分に、外部から水分が侵入するのを抑えることができる。これにより、第1の部材、第2の部材、及び第3の部材の重ね合わせ部分で電食が発生するのを抑え、接合強度を確保することができる。
第2の態様は、第1の態様において、
前記第1の部材及び前記第2の部材の前記突起部に対応する領域と、該第1の部材及び前記第3の部材の重ね合わせ部分の外周部と、該第2の部材及び該第3の部材の重ね合わせ部分の外周部とは、それぞれレーザ溶接されていることを特徴とするものである。
前記第1の部材及び前記第2の部材の前記突起部に対応する領域と、該第1の部材及び前記第3の部材の重ね合わせ部分の外周部と、該第2の部材及び該第3の部材の重ね合わせ部分の外周部とは、それぞれレーザ溶接されていることを特徴とするものである。
第2の態様は、第1の部材、第2の部材、及び第3の部材の接合を、レーザ溶接によって行うようにしている。
第3の態様は、第2の態様において、
前記第1の部材、前記第2の部材、及び前記第3の部材のうち、レーザ吸収率の高い材料側からレーザ光が照射されることでレーザ溶接されていることを特徴とするものである。
前記第1の部材、前記第2の部材、及び前記第3の部材のうち、レーザ吸収率の高い材料側からレーザ光が照射されることでレーザ溶接されていることを特徴とするものである。
第3の態様では、第1の部材、第2の部材、及び第3の部材のうち、レーザ吸収率の高い材料側からレーザ光を照射するようにしている。例えば、第1の部材及び第2の部材が軟鋼材、第3の部材がアルミ材で構成されている場合には、軟鋼材の方がアルミ材よりもレーザ光の反射率が低い、つまり、軟鋼材の方がアルミ材よりもレーザ吸収率が高いので、第1の部材及び第2の部材の側からレーザ光を照射して溶接を行うようにする。これにより、レーザ光のエネルギーを効率良く吸収して、第1の部材、第2の部材、及び第3の部材を十分に溶融させることができる。
第4の態様は、第1の態様において、
前記第1の部材及び前記第2の部材の前記突起部に対応する領域は、レーザ溶接され、
前記第1の部材及び前記第3の部材の重ね合わせ部分の外周部と、前記第2の部材及び該第3の部材の重ね合わせ部分の外周部とは、それぞれ溶加材によって溶接されていることを特徴とするものである。
前記第1の部材及び前記第2の部材の前記突起部に対応する領域は、レーザ溶接され、
前記第1の部材及び前記第3の部材の重ね合わせ部分の外周部と、前記第2の部材及び該第3の部材の重ね合わせ部分の外周部とは、それぞれ溶加材によって溶接されていることを特徴とするものである。
第4の態様では、第1の部材及び第2の部材の接合をレーザ溶接によって行い、第1の部材及び第3の部材の外周部の接合と、第2の部材及び第3の部材の外周部の接合とを、溶加材を用いた溶接、例えば、アーク溶接やレーザフィラー溶接によって行うようにしている。
第5の態様は、金属材で構成された第1の部材と、該第1の部材に対して溶接可能な同種系の金属材で構成された第2の部材と、該第1の部材及び該第2の部材に対して溶接が困難な材料で構成された第3の部材とを互いに接合するための接合方法を対象とし、
前記第1の部材及び前記第2の部材の少なくとも一方には、突起部が設けられ、
前記第3の部材には、前記突起部が挿入される貫通部が形成されており、
前記第3の部材の前記貫通部に前記突起部を挿入させ、前記第1の部材と前記第2の部材との間に該第3の部材を挟む工程と、
前記突起部に対応する領域にレーザ光を照射し、前記貫通部を介して該第1の部材と該第2の部材とを互いに溶接する工程と、
前記第1の部材及び前記第3の部材の重ね合わせ部分の外周部と、前記第2の部材及び該第3の部材の重ね合わせ部分の外周部とを、それぞれ溶接する工程とを備えたことを特徴とするものである。
前記第1の部材及び前記第2の部材の少なくとも一方には、突起部が設けられ、
前記第3の部材には、前記突起部が挿入される貫通部が形成されており、
前記第3の部材の前記貫通部に前記突起部を挿入させ、前記第1の部材と前記第2の部材との間に該第3の部材を挟む工程と、
前記突起部に対応する領域にレーザ光を照射し、前記貫通部を介して該第1の部材と該第2の部材とを互いに溶接する工程と、
前記第1の部材及び前記第3の部材の重ね合わせ部分の外周部と、前記第2の部材及び該第3の部材の重ね合わせ部分の外周部とを、それぞれ溶接する工程とを備えたことを特徴とするものである。
第5の態様では、第1の部材及び第2の部材が同種系の金属材で構成され、第3の部材が、第1の部材及び第2の部材に対して溶接が困難な異種材料で構成されている。そして、第1の部材及び第2の部材は、第3の部材を挟んだ状態で、突起部に対応する領域を、貫通部を介して互いに溶接する。また、第1の部材及び第3の部材と、第2の部材及び第3の部材とは、それぞれ重ね合わせ部分の外周部を溶接する。
これにより、同種系の金属材である第1の部材及び第2の部材と、異種材料である第3の部材とが重なり合う部分で電食が発生するのを抑えることができる。
本開示の態様によれば、同種系の金属材と異種材とが重なり合う部分で電食が発生するのを抑えることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
《実施形態1》
図1〜図3に示すように、本実施形態の接合構造では、接合に際して、第1の部材10と第2の部材20との間に、第3の部材30を挟み込んだ状態で配置するようにしている。
図1〜図3に示すように、本実施形態の接合構造では、接合に際して、第1の部材10と第2の部材20との間に、第3の部材30を挟み込んだ状態で配置するようにしている。
第1の部材10は、金属材で構成された円盤状の部材であり、その中央部には、第2の部材20側にテーパー状に押し出されたエンボス形状の第1の突起部11が設けられている。
第2の部材20は、第1の部材10に対して溶接可能な同種系の金属材で構成された板状の部材であり、第1の部材10側にテーパー状に押し出されたエンボス形状の第2の突起部21が設けられている。
第3の部材30は、第1の部材10及び第2の部材20に対して溶接が困難な材料で構成された板状の部材であり、貫通部としての貫通孔31が形成されている。なお、貫通部を貫通孔31としているが、貫通溝であっても良い。接合に際して、異種材である第3の部材30は、同種系の金属材である第1の部材10及び第2の部材20の間に挟み込まれて配置されている。
ここで、第1の突起部11と第2の突起部21とは、第3の部材30の貫通孔31に挿入され、互いに対向するように配置されている。このように、第3の部材30の貫通孔31に、第1の突起部11及び第2の突起部21が挿入されるので、貫通孔31には、貫通孔31に対する第1の部材10及び第2の部材20の相対的な位置ズレを抑制する効果がある。また、第1の突起部11には、レーザ照射位置の目印及びビード形成位置の妥当性が目視で確認できる利点がある。
ここで、同種系の金属材とは、互いに溶接可能な金属であり、同じ材質同士だけではなく、鉄系金属材同士、非鉄系金属材同士などの溶接接合性が良い金属材のことである。言い換えると、同種系の金属材とは、溶接の相性が良い同種系の材料のことである。
具体的には、溶接時における第1の部材10と第2の部材20における組み合わせとしては、以下のものが挙げられる。例えば、鉄系金属材の組合せとしては、軟鋼と軟鋼、ステンレスとステンレス、軟鋼とハイテン(高張力鋼)、ハイテンとハイテン等がある。また、非鉄系金属材としては、アルミとアルミ、アルミとアルミ合金、アルミ合金とアルミ合金等がある。
また、異種材としての第3の部材30は、同種系の金属材としての第1の部材10及び第2の部材20とは、異なる材質の材料であり、第1の部材10及び第2の部材20に対して溶接が困難な材質である。
例えば、同種系の金属材としての第1の部材10及び第2の部材20を鉄系金属材にした場合、異種材としての第3の部材30は、レーザ光の吸収率が低くレーザ接合が難しい銅材やアルミ材等の非鉄系金属材である。また、例えばCFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics,炭素繊維強化プラスチック)、PET(PolyEthlen Terephthalate,ポリエチレンテレフタレート)等といった樹脂材も金属材に対する異種材として挙げられる。
ここで、図2に示すように、第1の部材10及び第2の部材20を溶接する前には、第1の突起部11と第2の突起部21とが、第3の部材30の貫通孔31に挿入されるとともに、板厚方向に所定の隙間を存して対向して配置されている。
図4及び図5に示すように、第1の部材10及び第2の部材20の接合を、レーザ溶接によって行うようにしている。具体的に、レーザ溶接は、第1の部材10の板厚方向の上側から、レーザ光Lの照射可能な領域(接合可能範囲)である、第1の突起部11に対応する領域に向けて、レーザ光Lを円状に照射することで行われる。
そして、レーザ光Lを第1の突起部11に円状に照射してレーザ溶接を行うと、溶接時に溶接部40が形成される。この際に、第1の部材10及び第2の部材20の溶接部40の溶融金属が凝固収縮するため、第1の突起部11と第2の突起部21との隙間が縮小する。
このように、レーザ光Lが照射される第1の突起部11に対応する領域において、溶接前の隙間が存在する状態で板厚方向からレーザ光Lを照射し、同種系の金属材としての第1の部材10及び第2の部材20が互いに溶融結合して凝固収縮され、その間に挟まれる異種材としての第3の部材30が圧縮固定される。
ところで、異種材である第3の部材30を、同種系の金属材である第1の部材10及び第2の部材の間に挟み込むようにした接合構造では、第1の部材10、第2の部材20、及び第3の部材30が重なり合う部分に水分が侵入して電食が発生してしまうおそれがある。
そこで、本実施形態では、第1の部材10及び第3の部材30の重ね合わせ部分の外周部と、第2の部材20及び第3の部材30の重ね合わせ部分の外周部とを、それぞれ溶接するようにしている。
具体的に、図4及び図5に示すように、第1の部材10の板厚方向の上側から、第1の部材10及び第3の部材30の重ね合わせ部分の外周部に沿って、レーザ光Lを円状に照射する。これにより、第1の部材10及び第3の部材30が溶融して溶接部40が形成され、第1の部材10及び第3の部材30の重ね合わせ方向の隙間が塞がれた密閉型の接合構造とすることができる。
なお、図4に示す例では、第1の部材10及び第3の部材30の重ね合わせ部分の外周部のみをレーザ溶接しているが、例えば、レーザ光Lを第2の部材30に到達するように照射することで、第1の部材10、第2の部材20、及び第3の部材30を溶融させて互いに接合してもよい。
また、第2の部材20及び第3の部材30の重ね合わせ部分の外周部については、レーザ吸収率の高い材料側からレーザ光Lを照射することで、レーザ溶接を行うようにしている。
例えば、第2の部材20が軟鋼材で構成され、第3の部材30がアルミ材で構成されている場合には、軟鋼材の方がアルミ材よりもレーザ光Lの反射率が低い、つまり、軟鋼材の方がアルミ材よりもレーザ吸収率が高いので、第2の部材20の板厚方向の下側から、第1の部材10及び第3の部材30の重ね合わせ部分の外周部に沿って、レーザ光Lを四角形状に照射することでレーザ溶接を行う。これにより、レーザ光Lのエネルギーを効率良く吸収して、第2の部材20及び第3の部材30を十分に溶融させることができる。
そして、第2の部材20及び第3の部材30の重ね合わせ部分の外周部が溶融して溶接部40が形成され、第2の部材20及び第3の部材30の重ね合わせ方向の隙間が塞がれた密閉型の接合構造とすることができる。
なお、第2の部材20と第3の部材30とは、溶接接合性の相性が悪い組み合わせであるが、気密性が確保されていればよいので、この部分の接合強度については、それほど要求されない。
そのため、レーザ光Lが照射される側とは反対側にある第3の部材30の重ね合わせ面からの溶け込み深さdは、第3の部材30の板厚tに対して20%以上の深さであれば良い。これにより、レーザ光Lが第3の部材30を貫通しないようにしつつ、気密性を確保することができる。なお、第1の部材10及び第3の部材30の溶け込み深さについても同様である。
このような構成とすれば、第1の部材10、第2の部材20、及び第3の部材30の重ね合わせ部分に、外部から水分が侵入するのを抑えることができる。これにより、第1の部材10、第2の部材20、及び第3の部材30の重ね合わせ部分で電食が発生するのを抑え、接合強度を確保することができる。
《実施形態2》
図6は、本実施形態2に係る溶接後の接合構造を説明するための断面図である。以下、前記実施形態1と同じ部分については同じ符号を付し、相違点についてのみ説明する。
図6は、本実施形態2に係る溶接後の接合構造を説明するための断面図である。以下、前記実施形態1と同じ部分については同じ符号を付し、相違点についてのみ説明する。
図6及び図7に示すように、第1の突起部11及び第2の突起部21に対応する領域に、板厚方向の上側からレーザ光Lを円状に照射することで、溶接部40が形成される。これにより、第1の部材10及び第2の部材20がレーザ溶接される。
第1の部材10及び第3の部材30の重ね合わせ部分の外周部は、溶加材によって溶接されている。具体的に、第1の部材10及び第3の部材30の重ね合わせ部分の外周コーナー部に沿って、アーク溶接又はレーザフィラー溶接を行う。なお、第1の部材10が軟鋼材であり、第3の部材30がアルミ材である場合には、軟鋼材とアルミ材とを溶接可能な異種材専用の溶加材を用いる必要がある。
これにより、溶加材が溶融結合した溶接部45によって、第1の部材10及び第3の部材30の重ね合わせ方向の隙間が塞がれた密閉型の接合構造とすることができる。
また、第2の部材20及び第3の部材30の重ね合わせ部分の外周部についても同様に、溶加材によって溶接されている。具体的に、第2の部材20及び第3の部材30の重ね合わせ部分の外周コーナー部に沿って、アーク溶接又はレーザフィラー溶接を行う。これにより、溶加材が溶融結合した溶接部45によって、第2の部材20及び第3の部材30の重ね合わせ方向の隙間が塞がれた密閉型の接合構造とすることができる。
このような構成とすれば、第1の部材10、第2の部材20、及び第3の部材30の重ね合わせ部分に、外部から水分が侵入するのを抑えることができる。これにより、第1の部材10、第2の部材20、及び第3の部材30の重ね合わせ部分で電食が発生するのを抑え、接合強度を確保することができる。
《その他の実施形態》
前記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
前記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
本実施形態では、第1の突起部11及び第2の突起部21の形状を同じとしたが、必ずしも同じでなくても良い。また、第1の部材10及び第2の部材20の両側に突起部を設けたが、何れか一方に突起部を設けてもよい。また、レーザ照射方向に関して、第1の部材10側からレーザ光Lを照射しているが、第2の部材20側から照射しても良い。
また、本実施形態では、第1の部材10と第2の部材20の材質は、同種系の金属材であり、例えば、それぞれ軟鋼材を用いた場合について説明したが、互いに溶接が可能であり接合強度が得られる同種系の金属材としての材質であれば材質が異なっていても良い。
また、本実施形態2では、第1の部材10及び第3の部材30の重ね合わせ部分の外周部と、第2の部材20及び第3の部材30の重ね合わせ部分の外周部とを、溶加材を用いたアーク溶接やレーザフィラー溶接を行うようにしたが、この形態に限定するものではない。
例えば、図8に示すように、第1の部材10及び第3の部材30の重ね合わせ部分の外周コーナー部に沿って、レーザ光Lを斜め方向からスピン軌道で旋回移動させながら照射することで、外周コーナー部を溶融させて第1の部材10と第3の部材30とを溶接してもよい。なお、第2の部材20及び第3の部材30の重ね合わせ部分の外周コーナー部についても同様に行えばよい。
以上説明したように、本発明は、同種系の金属材と異種材とが重なり合う部分で電食が発生するのを抑えることができるという実用性の高い効果が得られることから、きわめて有用で産業上の利用可能性は高い。
10 第1の部材
11 第1の突起部
20 第2の部材
21 第2の突起部
30 第3の部材
31 貫通孔(貫通部)
L レーザ光
11 第1の突起部
20 第2の部材
21 第2の突起部
30 第3の部材
31 貫通孔(貫通部)
L レーザ光
Claims (5)
- 金属材で構成された第1の部材と、該第1の部材に対して溶接可能な同種系の金属材で構成された第2の部材と、該第1の部材及び該第2の部材に対して溶接が困難な材料で構成された第3の部材とが互いに接合された接合構造であって、
前記第1の部材及び前記第2の部材の少なくとも一方には、突起部が設けられ、
前記第3の部材には、前記突起部が挿入される貫通部が形成され、
前記第1の部材及び前記第2の部材は、前記第3の部材を挟んだ状態で、前記突起部に対応する領域が前記貫通部を介して互いに溶接され、
前記第1の部材及び前記第3の部材の重ね合わせ部分の外周部と、前記第2の部材及び該第3の部材の重ね合わせ部分の外周部とは、それぞれ溶接されていることを特徴とする接合構造。 - 請求項1において、
前記第1の部材及び前記第2の部材の前記突起部に対応する領域と、該第1の部材及び前記第3の部材の重ね合わせ部分の外周部と、該第2の部材及び該第3の部材の重ね合わせ部分の外周部とは、それぞれレーザ溶接されていることを特徴とする接合構造。 - 請求項2において、
前記第1の部材、前記第2の部材、及び前記第3の部材のうち、レーザ吸収率の高い材料側からレーザ光が照射されることでレーザ溶接されていることを特徴とする接合構造。 - 請求項1において、
前記第1の部材及び前記第2の部材の前記突起部に対応する領域は、レーザ溶接され、
前記第1の部材及び前記第3の部材の重ね合わせ部分の外周部と、前記第2の部材及び該第3の部材の重ね合わせ部分の外周部とは、それぞれ溶加材によって溶接されていることを特徴とする接合構造。 - 金属材で構成された第1の部材と、該第1の部材に対して溶接可能な同種系の金属材で構成された第2の部材と、該第1の部材及び該第2の部材に対して溶接が困難な材料で構成された第3の部材とを互いに接合するための接合方法であって、
前記第1の部材及び前記第2の部材の少なくとも一方には、突起部が設けられ、
前記第3の部材には、前記突起部が挿入される貫通部が形成されており、
前記第3の部材の前記貫通部に前記突起部を挿入させ、前記第1の部材と前記第2の部材との間に該第3の部材を挟む工程と、
前記突起部に対応する領域にレーザ光を照射し、前記貫通部を介して該第1の部材と該第2の部材とを互いに溶接する工程と、
前記第1の部材及び前記第3の部材の重ね合わせ部分の外周部と、前記第2の部材及び該第3の部材の重ね合わせ部分の外周部とを、それぞれ溶接する工程とを備えたことを特徴とする接合方法。
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