JPWO2019168058A1 - 新規光架橋性アルギン酸誘導体 - Google Patents

新規光架橋性アルギン酸誘導体 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2019168058A1
JPWO2019168058A1 JP2020503590A JP2020503590A JPWO2019168058A1 JP WO2019168058 A1 JPWO2019168058 A1 JP WO2019168058A1 JP 2020503590 A JP2020503590 A JP 2020503590A JP 2020503590 A JP2020503590 A JP 2020503590A JP WO2019168058 A1 JPWO2019168058 A1 JP WO2019168058A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
groups
alkyl
formula
alginic acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2020503590A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2019168058A5 (ja
JP7346380B2 (ja
Inventor
古迫 正司
正司 古迫
佐藤 勉
勉 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mochida Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Mochida Pharmaceutical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mochida Pharmaceutical Co Ltd filed Critical Mochida Pharmaceutical Co Ltd
Publication of JPWO2019168058A1 publication Critical patent/JPWO2019168058A1/ja
Publication of JPWO2019168058A5 publication Critical patent/JPWO2019168058A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7346380B2 publication Critical patent/JP7346380B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08BPOLYSACCHARIDES; DERIVATIVES THEREOF
    • C08B37/00Preparation of polysaccharides not provided for in groups C08B1/00 - C08B35/00; Derivatives thereof
    • C08B37/006Heteroglycans, i.e. polysaccharides having more than one sugar residue in the main chain in either alternating or less regular sequence; Gellans; Succinoglycans; Arabinogalactans; Tragacanth or gum tragacanth or traganth from Astragalus; Gum Karaya from Sterculia urens; Gum Ghatti from Anogeissus latifolia; Derivatives thereof
    • C08B37/0084Guluromannuronans, e.g. alginic acid, i.e. D-mannuronic acid and D-guluronic acid units linked with alternating alpha- and beta-1,4-glycosidic bonds; Derivatives thereof, e.g. alginates

Abstract

本発明により、アルギン酸類のカルボキシル基の一部に、下記一般式(I)で表される光架橋基を有する、アルギン酸誘導体、及び当該アルギン酸を用いて製造される、光架橋アルギン酸構造体が提供される。これにより、新たなアルギン酸誘導体が提供される。【化214】

Description

本発明は、新規なアルギン酸誘導体、新規光架橋アルギン酸、それらの製造方法などに関する。
アルギン酸は、レッソニア、マクロシスティス、ラミナリア、アスコフィラム、ダービリア、カジカ、アラメ、コンブ等の天然の褐藻類の細胞壁から抽出される高分子酸性多糖分子であり、β−D−マンヌロン酸(M成分)とそのC‐5エピマーであるα−L−グルロン酸(G成分)の2種類のウロン酸が1−4結合した直鎖状のヘテロポリマーである。具体的に、その化学構造は、マンヌロン酸のホモポリマーブロック(MM)、グルロン酸のホモポリマーブロック(GG)、及びマンヌロン酸とグルロン酸がランダムに配列したブロック(MG)が任意の順列及び割合で複雑に結合したブロック共重合体である。アルギン酸は、医療、バイオテクノロジー、化粧品、繊維、製紙、食品、等の分野において幅広く利用されている。
アルギン酸の1価塩のアルギン酸アルカリ金属塩類(例えば、アルギン酸ナトリウム、等)は水溶性であるが、2価塩のアルギン酸アルカリ土類金属塩類(例えば、アルギン酸カルシウム、等)は、金属イオンにより架橋されゲル化(不溶化)する性質を有しており、その性質を利用して各種用途に適したものに改変又は成形する試みが行われている(特許文献1〜3)。
多糖類(例えば、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、アルギン酸等)の各種材料への改変又は成形の可能性及びその物性(例えば、強度、膨潤性、等)の改良を探るべく、例えば、共有結合により架橋した架橋多糖に関する研究等が、これ迄に種々行われている。
架橋多糖を得る方法として、光架橋性を有する桂皮酸誘導体をヒアルロン酸、アルギン酸などを含む多糖類に導入した多糖類誘導体が知られている(特許文献4〜6)。
特開2010−209130号公報 特開2007−99902号公報 国際公開第2004/099259号 特開平9−87236号公報 国際公開第2002/060971号 国際公開第2005/026214号
前記の状況において、新規なアルギン酸誘導体又は新規光架橋アルギン酸の入手が求められていた。また、それらの製造方法も求められていた。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、アルギン酸の任意の1つ以上のカルボキシル基に、式(I)で表わされる光反応性基が導入されたアルギン酸誘導体を用いて、光架橋アルギン酸構造体の1つであるビーズ(色素含有ビーズ)を成形したところ、当該ビーズが高い安定性有すること、又従来のゲルと比較して目的に応じた透過率を有するゲルに調整できること等を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
ここでは、以下の態様に示されるアルギン酸の任意の1つ以上のカルボキシル基に、式(I)で表わされる光反応性基が導入されたアルギン酸誘導体、当該アルギン酸誘導体に光照射をして環化反応を行うことで得られる新規な光架橋アルギン酸、及び前記アルギン酸誘導体を2価金属イオン含有の溶液中に滴下して得られるゲルに光照射することにより得られる光架橋アルギン酸構造体、並びに、前記アルギン酸誘導体、光架橋アルギン酸、及び光架橋アルギン酸構造体の製造方法が提供される。
すなわち、例示的な態様は、以下の〔1〕〜〔24〕の通りであり得る。
〔1〕アルギン酸の任意の1つ以上のカルボキシル基に、下記式(I):
[式(I)中、Ar、p、−X−、−A−の定義は、後述する第1の態様中の定義と同じである]で表される、光反応性基が導入されたアルギン酸誘導体。
〔2〕式(I)で表わされる光反応性基の導入率が、0.5%〜30%である、前記〔1〕に記載のアルギン酸誘導体。
〔3〕アルギン酸誘導体のゲルろ過クロマトグラフィー法により測定した重量平均分子量が、10万Da〜300万Daである、前記〔1〕に記載のアルギン酸誘導体。
〔4〕前記〔1〕に記載のアルギン酸誘導体に光照射することにより得られる、光架橋アルギン酸。
〔5−1〕前記〔1〕のアルギン酸誘導体(式(I)においてp=1の場合)に光照射を行うことにより形成される化学架橋が、下記式(II−L−1)又は式(II−L−2):
[式(II−L−1)又は式(II−L−2)中、両端の−CONH−及び−NHCO−は、アルギン酸の任意のカルボキシル基を介したアミド結合を表わし;−A−、−X−、及びArは、後述する第5−1の態様中の定義と同じである]から選ばれる構造である、前記〔4〕に記載の光架橋アルギン酸。
〔5−2〕前記〔1〕のアルギン酸誘導体(式(I)においてp=2の場合)に光照射を行うことにより形成される化学架橋が、下記式(II−L−3):
[式(II−L−3)中、両端の−CONH−及び−NHCO−は、アルギン酸の任意のカルボキシル基を介したアミド結合を表わし;−A−、−X−、及びArは、後述する第5−2の態様中の定義と同じである]の構造である、前記〔4〕に記載の光架橋アルギン酸。
〔6〕照射する光が、紫外線又はLED光から選ばれる光である、前記〔4〕、〔5−1〕及び〔5−2〕のいずれか1項に記載の光架橋アルギン酸。
〔7〕前記〔1〕に記載のアルギン酸誘導体の溶液を、2価金属イオンを含む溶液中に滴下することで得られるゲルに光照射することにより得られる、架橋として2価金属イオンにより部分的に形成されるイオン架橋及び光照射により形成される化学架橋を含む、光架橋アルギン酸構造体。
〔8−1〕前記〔1〕のアルギン酸誘導体(式(I)においてp=1の場合)に光照射を行うことにより形成される化学架橋が、下記式(II−L−1)又は式(II−L−2):
[式(II−L−1)又は式(II−L−2)中、両端の−CONH−及び−NHCO−は、アルギン酸の任意のカルボキシル基を介したアミド結合を表わし;−A−、−X−、及びArは、後述する第8−1の態様中の定義と同じである]から選ばれる構造である、前記〔7〕に記載の光架橋アルギン酸構造体。
〔8−2〕前記〔1〕のアルギン酸誘導体(式(I)においてp=2の場合)に光照射を行うことにより形成される化学架橋が、下記式(II−L−3):
[式(II−L−3)中、両端の−CONH−及び−NHCO−は、アルギン酸の任意のカルボキシル基を介したアミド結合を表わし;−A−、−X−、及びArは、後述する第8−2の態様中の定義と同じである]の構造である、前記〔7〕に記載の光架橋アルギン酸構造体。
〔9〕照射する光が、紫外線又はLED光から選ばれる光である、前記〔7〕、〔8−1〕及び〔8−2〕のいずれか1項に記載の光架橋アルギン酸構造体。
〔10〕ビーズ又は略球形のゲルである、前記〔7〕〜〔9〕のいずれか1項に記載の光架橋アルギン酸構造体。
〔11〕前記〔7〕〜〔9〕のいずれか1項に記載の光架橋アルギン酸構造体を含む医療用材料。
〔12〕ビーズ又は略球形のゲルである、前記〔11〕に記載の医療用材料。
〔13〕前記〔1〕に記載のアルギン酸誘導体に光照射を行うことを含む、前記〔4〕に記載の光架橋アルギン酸を製造する方法。
〔14−1〕前記〔1〕のアルギン酸誘導体(式(I)においてp=1の場合)に光照射を行うことにより形成される化学架橋が、下記式(II−L−1)又は式(II−L−2):
[式(II−L−1)又は式(II−L−2)中、両端の−CONH−及び−NHCO−は、アルギン酸の任意のカルボキシル基を介したアミド結合を表わし;−A−、−X−、及びArは、後述する第14−1の態様中の定義と同じである]から選ばれる構造である、前記〔13〕に記載の光架橋アルギン酸を製造する方法。
〔14−2〕前記〔1〕のアルギン酸誘導体(式(I)においてp=2の場合)に光照射を行うことにより形成される化学架橋が、下記式(II−L−3):
[式(II−L−3)中、両端の−CONH−及び−NHCO−は、アルギン酸の任意のカルボキシル基を介したアミド結合を表わし;−A−、−X−、及びArは、後述する第14−2の態様中の定義と同じである]の構造である、前記〔13〕に記載の光架橋アルギン酸を製造する方法。
〔15〕照射する光が、紫外線又はLED光から選ばれる光である、前記〔13〕、〔14−1〕及び〔14−2〕のいずれか1項に記載の光架橋アルギン酸を製造する方法。
〔16〕前記〔1〕に記載のアルギン酸誘導体の溶液を、2価金属イオンを含む溶液中に滴下することで得られるゲルに光照射して光架橋アルギン酸構造体を得ることを含み、光架橋アルギン酸構造体が、架橋として2価金属イオンにより部分的に形成されるイオン架橋及び光照射により形成される化学架橋を含む、光架橋アルギン酸構造体を製造する方法。
〔17−1〕前記〔1〕のアルギン酸誘導体(式(I)においてp=1の場合)に光照射を行うことにより形成される化学架橋が、下記式(II−L−1)又は式(II−L−2):
[式(II−L−1)又は式(II−L−2)中、両端の−CONH−及び−NHCO−は、アルギン酸の任意のカルボキシル基を介したアミド結合を表わし;−A−、−X−、及びArは、後述する第17−1の態様中の定義と同じである]から選ばれる構造である、前記〔16〕に記載の光架橋アルギン酸構造体を製造する方法。
〔17−2〕前記〔1〕のアルギン酸誘導体(式(I)においてp=2の場合)に光照射を行うことにより形成される化学架橋が、下記式(II−L−3):
[式(II−L−3)中、両端の−CONH−及び−NHCO−は、アルギン酸の任意のカルボキシル基を介したアミド結合を表わし;−A−、−X−、及びArは、後述する第17−2の態様中の定義と同じである]の構造である、前記〔16〕に記載の光架橋アルギン酸構造体を製造する方法。
〔18〕照射する光が、紫外線又はLED光から選ばれる光である、前記〔16〕、〔17−1〕及び〔17−2〕のいずれか1項に記載の光架橋アルギン酸構造体を製造する方法。
〔19〕前記〔1〕に記載のアルギン酸誘導体を、2価金属イオンにより部分的にイオン架橋して特定の構造体を形成した後に、当該構造体に光照射により化学架橋することにより光架橋アルギン酸構造体を得ることを含む、光架橋アルギン酸構造体を製造する方法。
〔20〕照射する光が、紫外線又はLED光から選ばれる光である、前記〔19〕に記載の光架橋アルギン酸構造体を製造する方法。
〔21〕前記〔1〕に記載のアルギン酸誘導体を、2価金属イオン及び光照射により架橋して得られる、内容物の保持性を有する光架橋アルギン酸構造体。
〔22〕生体適合性がある、前記〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載のアルギン酸誘導体、前記〔4〕〜〔6〕のいずれか1項に記載の光架橋アルギン酸、及び前記〔7〕〜〔10〕のいずれか1項に記載の光架橋アルギン酸構造体。
〔23〕下記式(AM−1):
[式(AM−1)中、Ar、−X−、−A−の定義は、後述する第23の態様中の定義と同じである]で表される化合物、又は製薬学的に許容されるその塩、又はそれらの溶媒和物。
〔24〕下記式(AM−2):
[式(AM−1)中、Ar、−X−、−A−の定義は、後述する第24の態様中の定義と同じである]で表される化合物、又は製薬学的に許容されるその塩、又はそれらの溶媒和物。
本発明は、例えば化学架橋形成に使用することができる新規なアルギン酸誘導体、当該誘導体を製造する為の中間体(アミノ化合物)などを提供する。
好ましくは、アルギン酸誘導体は、生体に無い反応基を導入したもので、未反応の基が残っていても、細胞等の生体成分との架橋反応が進行する恐れがない生体生物にとって、安全性が期待されるものである。また、好ましくは、架橋反応は、光反応により完結するため、安全で容易に使用することができる。
いくつかの態様の光架橋アルギン酸は、光反応(光環化反応)にて化学架橋されたものである。化学架橋と例えばカルシウムイオンを利用した2価金属イオンを利用した架橋とを組み合わせて用いることができ、反応条件を調整することにより、好ましくはその安定性が非架橋アルギン酸又は非化学架橋アルギン酸(例えば、カルシウムイオン架橋された架橋アルギン酸)と比較して改善したものである。
また、好ましくは、架橋体のゲル物性を調整することができ、物質透過性を調整することもできる。
本発明は、少なくともこれらの効果の1つ以上を有するものである。
光架橋アルギン酸構造体(EX1−b、EX2−b、(対照)A−2を用いて作成)のゲル安定性の評価を示す図である。 光架橋アルギン酸構造体(EX1−a1、EX2−a1、(対照)A−2を用いて作成)のゲル漏出率の評価を示す図である。(A)50%漏出時の時間(hr)、(B)80%漏出時の時間(hr)。 光架橋アルギン酸構造体(EX6−bを用いて作成)のゲル安定性の評価を示す図である。 光架橋アルギン酸構造体(EX9−a、EX12−aを用いて作成)のゲル安定性の評価を示す図である。 光架橋アルギン酸構造体(EX10−aを用いて作成)のゲル安定性の評価を示す図である。 光架橋アルギン酸構造体(EX13−a1、EX14−a1、EX17−a1を用いて作成)のゲル安定性の評価を示す図である。 光架橋アルギン酸構造体(EX15−a1、EX18−a1を用いて作成)のゲル安定性の評価を示す図である。 光架橋アルギン酸構造体(EX9−a、EX12−a1、EX13−a1、EX14−a1、EX17−a1、EX15−a1、EX18−a1を用いて作成)をEDTA処理した後のゲル安定性の評価を示す図である。 光架橋アルギン酸構造体(EX9−a、EX10−a、EX12−a1、EX13−a1、EX14−a1、EX17−a1、EX15−a1、EX18−a1を用いて作成)のゲル漏出率の評価を示す図である(3時間経過後)。 光架橋アルギン酸構造体(EX9−a、EX10−a、EX12−a1、EX13−a1、EX14−a1、EX17−a1、EX15−a1、EX18−a1を用いて作成)のゲル漏出率の評価を示す図である(24時間経過後)。
[具体的な態様]
より具体的には、以下の態様[1]〜[24]が含まれ得る。
[1]第1の態様は、次の通りである。アルギン酸の任意の1つ以上のカルボキシル基に、下記式(I)[式中、波線右外側は含まない]:
[式(I)中、
Arは、C6−10アリール基、又は複素環基(前記C6〜10アリール基、又は複素環基は、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1〜6アルキル基、ハロゲン化C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、及び−NR基(−NR基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり)から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良く、前記C6〜10アリール基又は複素環基に、C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基が又は2つのC1〜6アルコキシ基が隣接して置換する場合、当該C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基の各基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、又は、当該2つのC1〜6アルコキシ基の各アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、環状エーテルを形成しても良く、又は、前記C6〜10アリール基又は複素環基に、C1〜6アルコキシ基及び−NHR基(−NHR基におけるRは、C2〜7アルカノイル基又はC1〜6アルキルスルホニル基である)が隣接して置換している場合、当該C1〜6アルコキシ基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子と当該−NHR基の水素原子が1つ除かれた窒素原子が結合することにより、3−N−(C2〜7アルカノイル)オキサゾリジン環、3−N−(C1〜6アルキルスルホニル)オキサゾリジン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)モルホリン環、4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)モルホリン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)−1,4−オキサゼパン環、又は4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)−1,4−オキサゼパン環を形成しても良い)を表わし;
pは、1、又は2の整数を表わし;
−X−は、−O−、−NH−、又は−N(C1−6アルキル)−を表わし;
−A−は、式(AL−1)〜(AL−4)[各式中、両端の波線外側は含まない]:
(式(AL−1)〜(AL−4)中、nは、1〜18の整数を表わし;mは、1〜9の整数を表わし;jは、0〜9の整数を表わし;
式(AL−1)〜(AL−4)中のメチレン基(−CH−)の水素原子は、ハロゲン原子、水酸基、C1〜6アルキル基、ヒドロキシC1〜6アルキル基、チオールC1〜6アルキル基、C1〜6アルキルチオC1〜6アルキル基、カルボキシC1〜6アルキル基、−NR基、(RN)−C1〜6アルキル基、(RN)C(=O)−C1〜6アルキル基(前記−NR基、(RN)−C1〜6アルキル基、又は(RN)C(=O)−C1〜6アルキル基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり)、グアニジノC1〜6アルキル基、C7〜16アラルキル基、ヒドロキシC6〜10アリールC1〜6アルキル基、又はヘテロアリールC1〜6アルキル基から選択される基で複数個(例えば、1〜10個、又は1〜5個)置き換えられても良く;式(AL−1)又は(AL−2)中のメチレン基(−CH−)の2つの水素原子がC1〜6アルキル基に置き換えられる場合、当該各C1〜6アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することによりC3〜8シクロアルキル環を形成しても良く;式(AL−3)又は式(AL−4)中の−NH−基は、隣接する炭素原子に置換する前記置換基と共に、非芳香族複素環を形成しても良い)]で表される光反応性基が導入された、アルギン酸誘導体。
以下に、前記態様[1]における式(I)中の各基について具体的に説明する。化合物に関する説明において、例えば「C1〜6」とは、構成炭素原子数が1から6であることを示し、特に断らない限り、直鎖、分枝鎖又は環状の基の総炭素原子数を表わす。鎖状の基と環状の基を含む基については「鎖と環の総炭素原子数」を意味する。
尚、特に断りのない限り、態様[1]の下位の態様における各基についても、態様[1]中の各基の定義と同じものとする。
本明細書中、特に断りのない限り、「C6〜10アリール基」としては、例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、インダニル、インデニル、又は1,2,3,4−テトラヒドロナフチル、等の基が挙げられる。
本明細書中、特に断りのない限り、「複素環基」としては、例えば、「ヘテロアリール基」および「非芳香族複素環基」等が挙げられる。
本明細書中、特に断りのない限り、「ヘテロアリール基」とは、窒素原子、硫黄原子、及び酸素原子からなる群から選ばれるヘテロ原子を1〜5個、好ましくは1〜3個含有する、単環式、多環式又は縮合環式(但し、多環式又は縮合環式の場合には部分的に水素化されていてもよい)の5〜14員、好ましくは5〜8員、より好ましくは5〜7員のヘテロアリール環を意味する。
本明細書中、特に断りのない限り、前記「ヘテロアリール基」としては、例えば、「単環式ヘテロアリール基」、「縮環式ヘテロアリール基」、「部分的に水素化された縮環式ヘテロアリール基」等が挙げられる。
本明細書中、特に断りのない限り、前記「単環式ヘテロアリール基」としては、前記したヘテロアリール環の単環式のものであって、環員数が5〜8、さらには5〜6のものが好ましい(「5〜6員ヘテロアリール基」)。
本明細書中、特に断りのない限り、「5〜6員ヘテロアリール基」とは、窒素原子、硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1〜4個含有する5〜6員ヘテロアリール環であり、「5〜6員ヘテロアリール基」とは、特に断りのない限り、当該ヘテロアリール環から任意の水素原子を除いてできる1価の基を意味する。
本明細書中、特に断りのない限り、前記「5〜6員ヘテロアリール基」としては、例えば、ピロリル、フリル、チエニル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、フラザニル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、1,2,3−トリアジニル、1,2,4−トリアジニル、1,3,5−トリアジニル、2H−1,2,3−チアジアジニル、4H−1,2,4−チアジアジニル、6H−1,3,4−チアジアジニル、ピリダジン−3(2H)−オン、ピリミジン−2(1H)−オン、ピラジン−2(1H)−オン、又はピリジン−2(1H)−オン等の基が挙げられる。
本明細書中、特に断りのない限り、「5員ヘテロアリール基」とは、窒素原子、硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1〜4個含有する5員ヘテロアリール環であり、「5員ヘテロアリール基」とは、特に断りのない限り、当該ヘテロアリール環から任意の水素原子を除いてできる1価の基を意味し、例えば、ピロリル、フリル、チエニル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、フラザニル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、又はテトラゾリル等の基が挙げられる。
本明細書中、特に断りのない限り、「6員ヘテロアリール基」とは、窒素原子、硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1〜4個含有する6員ヘテロアリール環であり、「6員ヘテロアリール基」とは、特に断りのない限り、当該ヘテロアリール環から任意の水素原子を除いてできる1価の基を意味し、例えば、ピリジル(ピリジニル)、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、1,2,3−トリアジニル、1,2,4−トリアジニル、1,3,5−トリアジニル、2H−1,2,3−チアジアジニル、4H−1,2,4−チアジアジニル、6H−1,3,4−チアジアジニル、ピリダジン−3(2H)−オン、ピリミジン−2(1H)−オン、ピラジン−2(1H)−オン、又はピリジン−2(1H)−オン等の基が挙げられる。
本明細書中、特に断りのない限り、「5〜6員ヘテロアリールC1〜6アルキル基」における、前記「5〜6員ヘテロアリール基」が前記「C1〜6アルキル基」に置換した基を意味し、例えば、ピロリルメチル、フリルメチル、チエニルメチル、イミダゾリルメチル、ピラゾリルメチル、オキサゾリルメチル、イソキサゾリルメチル、チアゾリルメチル、イソチアゾリルメチル、1,2,3−トリアゾリルメチル、1,2,4−トリアゾリルメチル、1,2,3−オキサジアゾリルメチル、1,2,4−オキサジアゾリルメチル、1,3,4−オキサジアゾリルメチル、フラザニルメチル、1,2,3−チアジアゾリルメチル、1,2,4−チアジアゾリルメチル、1,3,4−チアジアゾリルメチル、テトラゾリルメチル、ピリジルメチル、ピリダジニルメチル、ピリミジニルメチル、ピラジニルメチル、1,2,3−トリアジニルメチル、1,2,4−トリアジニルメチル、1,3,5−トリアジニルメチル、2H−1,2,3−チアジアジニルメチル、4H−1,2,4−チアジアジニルメチル、又は6H−1,3,4−チアジアジニルメチル等の基が挙げられる。
「部分的に水素化された縮環式ヘテロアリール基」とは、「複素環基」と「アリール基」、もしくは、「複素環基」と「ヘテロアリール基」が縮合して形成された縮合環において、部分的に水素化された縮合環から、任意の水素原子を除いてできる1価の基を意味する。当該任意の水素原子は、縮合環内における「複素環基」、「アリール基」および「ヘテロアリール基」の何れの環部の水素原子、あるいは水素化された環部の水素原子のどちらが除かれても良く、例えば、キノリンが部分的に水素化されたテトラヒドロキノリルであれば、5,6,7,8−テトラヒドロキノリルあるいは1,2,3,4−テトラヒドロキノリル等が挙げられる。これらの基は、任意の水素原子を除く位置により、例えば、5,6,7,8−テトラヒドロキノリルであれば、−2−イル、−3−イル、−4−イル、−5−イル、−6−イル、−7−イル、−8−イルなどが例示され、1,2,3,4−テトラヒドロキノリルであれば、例えば、−1−イル、−2−イル、−3−イル、−4−イル、−5−イル、−6−イル、−7−イル、−8−イルなどが例示される。
「部分的に水素化された縮環式ヘテロアリール基」としては、環員数8〜12のものが好ましく、即ち、「部分的に水素化された8〜12員縮環式ヘテロアリール基」としては、例えば、インドリニル、2,3−ジヒドロベンゾフラニル、4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾフラニル、2,3−ジヒドロベンゾ[d]オキサゾリル、2,3−ジヒドロベンゾ[d]チアゾリル、4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[d]オキサゾリル、4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[d]チアゾリル、4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾリル、ベンゾ[d][1,3]ジオキソニル、2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシニル、2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]オキサチイニル、3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジニル、3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]チアジニル、1,2,3,4−テトラヒドロキノキサリニル、3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピン、2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキソシニル、N−アセチル−2,3−ジヒドロベンゾ[d]オキサゾリル、N−アセチル−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジニル、N−アセチル−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピニル、N−アセチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサゾシニル、N−メタンスルホニル−2,3−ジヒドロベンゾ[d]オキサゾリル、N−メタンスルホニル−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジニル、N−メタンスルホニル−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピニル、N−メタンスルホニル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサゾシニル、等が挙げられる。
本明細書中、特に断りのない限り、「非芳香族複素環基」とは、「3〜14員の飽和もしくは不飽和の非芳香族複素環基」を意味する。
本明細書中、特に断りのない限り、「3〜14員の飽和もしくは不飽和の非芳香族複素環基」とは、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選ばれるヘテロ原子を1〜4個含有する3〜14員の飽和もしくは不飽和の複素環から、任意の水素原子を除いてできる1価の基を意味する。
本明細書中、特に断りのない限り、「非芳香族複素環基」としては、例えば、アジリジニル、アゼチジニル、オキシラニル、チイラニル、オキセタニル、チエタニル、ピロリジニル、テトラヒドロフリル、ジヒドロフリル、チオラニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、ピペリジニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル(2−テトラヒドロ−2H−ピラニル、3−テトラヒドロ−2H−ピラニル、4−テトラヒドロ−2H−ピラニル(4−テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル基))、テトラヒドロチオピラニル、ピペラジニル、ジオキサニル、オキサゾリジニル、イソキサゾリニル、1,3−オキサゾリジニル、イソキサゾリジニル、チアゾリニル、イソチアゾリニル、1,3−チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、オキサジアゾリニル、1,3,4−オキサジアゾリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、キヌクリジニル、アゼパニル、ジアゼピニル、又はオキセパニル等の基が挙げられる。
本明細書中、特に断りのない限り、「ハロゲン原子」としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子、等が挙げられる。
本明細書中、特に断りのない限り、「ハロゲン化C1〜6アルキル基」等における「ハロゲン化」とは、置換基として数個の、好ましくは1〜5個の前記「ハロゲン原子」を有することを意味する。
本明細書中、特に断りのない限り、「C1〜6アルキル基」としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、又はヘキシル、等の基が挙げられる。
本明細書中、特に断りのない限り、「ハロゲン化C1〜6アルキル基」とは、前記「C1〜6アルキル」が数個の、好ましくは1〜5個のハロゲン原子で任意に置換されている基を意味し、例えば、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、1,1,2,2−テトラフルオロエチル、又はペンタフルオロエチル、等の基が挙げられる。
本明細書中、特に断りのない限り、「C1〜6アルコキシ基」とは、前記「C1〜6アルキル」が酸素原子に結合したアルコキシを表し、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、又はヘキシルオキシ、等の基が挙げられる。
本明細書中、特に断りのない限り、「−NR基」とは、「アミノ基」の窒素原子上の二つの水素原子が−R −Rで置換された基を意味する。
本明細書中、特に断りのない限り、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり、例えば、アミノ、N−メチルアミノ、N,N−ジメチルアミノ、N−アセチルアミノ、N−メタンスルホニルアミノ、又は、N−アセチル−N−メチルアミノ、等の基が挙げられる。
本明細書中、特に断りのない限り、「−NR基」とは、「アミノ基」の窒素原子上の二つの水素原子が−R −Rで置換された基を意味する。
本明細書中、特に断りのない限り、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり、例えば、アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、N,N−ジメチルアミノ、N−アセチルアミノ、N−メタンスルホニルアミノ、又は、N−アセチル−N−メチルアミノ、等の基が挙げられる。
本明細書中、特に断りのない限り、「C2〜7アルカノイル基」とは、前記「C1〜6アルキル基」にカルボニル基が結合した、「C1〜6アルキルカルボニル基」を意味し、例えば、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、イソバレリル、ピバロイル、ヘキサノイル、ヘプタノイル、シクロプロピルカルボニル、シクロブチルカルボニル、シクロペンチルカルボニル、シクロヘキシルカルボニル、シクロプロピルメチルカルボニル、又は2−メチルシクロプロピルカルボニル等の基が挙げられる。
本明細書中、特に断りのない限り、「C1〜6アルキルスルホニル基」とは、「スルホニル基:−SO2−」に前記「C1〜6アルキル基」が置換した基を意味し、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、又はイソプロピルスルホニル等の基が挙げられる。
本明細書中、特に断りのない限り、「環状エーテル」とは、環状の炭化水素(例えば、単環式又は多環式の飽和炭化水素環基のうち炭素数が3〜8の環状炭化水素(C3〜8シクロアルキル環)である、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロペンタン、シクロオクタン等)の炭素が酸素で置換された構造を持つエーテルを意味し、例えば、エポキシド、オキセタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキセパン、1,4−ジオキセパン、1,4−ジオキソカン、又は1,5−ジオキソカン等の環状エーテルが挙げられる。
本明細書中、特に断りのない限り、「3−N−(C2〜7アルカノイル)オキサゾリジン環」とは、オキサゾリジン環のNH基の水素原子が前記「C2〜7アルカノイル基」に置換された環を意味し、例えば、3−N−アセチル−オキサゾリジン環、3−N−エチルカルボニル−オキサゾリジン環、等の環がが挙げられる。
本明細書中、特に断りのない限り、「4−N−(C2〜7アルカノイル)モルホリン環」とは、モルホリン環のNH基の水素原子が前記「C2〜7アルカノイル基」に置換された環を意味し、例えば、4−N−アセチル−モルホリン環、4−N−エチルカルボニル−モルホリン環、等の環がが挙げられる。
本明細書中、特に断りのない限り、「4−N−(C2〜7アルカノイル)−1,4−オキサゼパン環」とは、1,4−オキサゼパン環のNH基の水素原子が前記「C2〜7アルカノイル基」に置換された環を意味し、例えば、4−N−アセチル−1,4−オキサゼパン環、4−N−エチルカルボニル−1,4−オキサゼパン環、等の環がが挙げられる。
本明細書中、特に断りのない限り、「3−N−(C1〜6アルキルスルホニル)オキサゾリジン環」とは、オキサゾリジン環のNH基の水素原子が前記「C1〜6アルキルスルホニル基」に置換された環を意味し、が置換した基を意味し、例えば、3−N−メタンスルホニル−オキサゾリジン環、3−N−エチルスルホニル−オキサゾリジン環、等の環がが挙げられる。
本明細書中、特に断りのない限り、「4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)モルホリン環」とは、モルホリン環のNH基の水素原子が前記「C1〜6アルキルスルホニル基」に置換された環を意味し、例えば、4−N−メタンスルホニル−モルホリン環、4−N−エチルスルホニル−モルホリン環、等の環がが挙げられる。
本明細書中、特に断りのない限り、「4−N−(C2〜7アルカノイル)−1,4−オキサゼパン環」とは、1,4−オキサゼパン環のNH基の水素原子が前記「C1〜6アルキルスルホニル基」に置換された環を意味し、例えば、4−N−メタンスルホニル−1,4−オキサゼパン環、4−N−エチルスルホニル−1,4−オキサゼパン環、等の環がが挙げられる。
本明細書中、特に断りのない限り、「ヒドロキシC1〜6アルキル基」とは、前記「C1〜6アルキル」の任意の水素原子が、好ましくは1〜5個の水酸基で任意に置換されている基を意味し、例えば、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、又は2,2−ジメチル−2−ヒドロキシエチル(=2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)、等の基が挙げられる。
本明細書中、特に断りのない限り、「チオールC1〜6アルキル基」とは、前記「C1〜6アルキル」が数個の、好ましくは1〜5個のチオール基(−SH基)で任意に置換されている基を意味し、例えば、チオールメチル、2−チオールエチル、又は3−チオールプロピル、等の基が挙げられる。
本明細書中、特に断りのない限り、「C1〜6アルキルチオC1〜6アルキル基」とは、前記「チオールC1〜6アルキル基」の、チオール基(−SH基)の水素原子を、「C1〜6アルキル基」で置換されている基を意味し、例えば、メチルチオメチル、メチルチオエチル、エチルチオメチル、又はエチルチオエチル、等の基が挙げられる。
本明細書中、特に断りのない限り、「カルボキシC1〜6アルキル基」とは、前記「C1〜6アルキル」の任意の水素原子が、好ましくは1〜5個のカルボキシ基で任意に置換されている基を意味し、例えば、カルボキシメチル、カルボキシエチル、等の基が挙げられる。
本明細書中、特に断りのない限り、「NR−C1〜6アルキル基」とは、前記「C1〜6アルキル」の任意の水素原子が「−NR基」(本明細書中では、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基である。)で任意に置換されている基を意味し、例えば、アミノメチル、アミノエチル、アミノプロピル、アミノブチル、N−メチルアミノメチル、N−アセチルアミノメチル、又はN−メタンスルホニルアミノメチル等の基が挙げられる。
本明細書中、特に断りのない限り、「(RN)C(=O)−C1〜6アルキル基」とは、前記「C1〜6アルキル」の任意の水素原子が「(RN)C(=O)−基」(本明細書中では、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基である。)で任意に置換されている基を意味し、例えば、アミノカルボニルメチル、アミノカルボニルエチル、N−メチルアミノカルボニルメチル、N−アセチルアミノカルボニルエチル、又はN−メタンスルホニルアミノカルボニルエチル、等の基が挙げられる。
本明細書中、特に断りのない限り、「グアニジノC1〜6アルキル基」とは、「C1〜6アルキル基」の任意の水素原子が「グアジニノ基(−NH−C(=NH)−NH)」に置換した基を意味し、例えば、グアニジノメチル、グアニジノエチル、又はグアニジノプロピル等の基が挙げられる。
本明細書中、特に断りのない限り、「C7〜16アラルキル基」とは、前記「C1〜6アルキル基」の任意の水素原子が、前記「C6〜10アリール基」で置換した基を意味し、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ジフェニルメチル基、トリチル基、ビフェニルメチル基、ナフチルメチル基、インダニルメチル基、又は1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イルメチル基、等の基が挙げられる。
本明細書中、特に断りのない限り、「ヒドロキシC6〜10アリールC1〜6アルキル基」とは、前記「C7〜16アラルキル基」の「C6〜10アリール基」の水素原子が数個の、好ましくは1〜5個の水酸基で任意に置換されている基を意味し、例えば、2−ヒドロキシベンジル基、3−ヒドロキシベンジル基、又は4−ヒドロキシベンジル基、等の基が挙げられる。
本明細書中、特に断りのない限り、「ヘテロアリールC1〜6アルキル基」とは、前記「ヘテロアリール基」の任意の水素原子が、前記「C1〜6アルキル基」で置換した基を意味し、例えば、2−ピリジルメチル基、4−イミダゾイルメチル基、又は3−インドリルメチル基、等の基が挙げられる。
本明細書中、特に断りのない限り、「非芳香族複素環」とは、「3〜14員の飽和もしくは不飽和の非芳香族複素環」を意味する。
本明細書中、特に断りのない限り、「3〜14員の飽和もしくは不飽和の非芳香族複素環」とは、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選ばれるヘテロ原子を1〜4個含有する3〜14員の飽和もしくは不飽和の複素環を意味する。
本明細書中、特に断りのない限り、「非芳香族複素環」としては、例えば、アジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピラゾリジン、オキサゾリジン、チアゾリジンイソオキサゾリジン、イソチアゾリジン、イミダゾリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、チオモルホリン、オキサゼパン、ジアゼパン、チアゼパン、オキサゾカン、ジアゾカン、チアゾカン、又はオキサジン、等の環が挙げられる。
本明細書中、特に断りのない限り、「C3〜8シクロアルキル環」とは、炭素数が3〜8の環状の飽和炭化水素環(単環式又は多環式を含む)を意味し、例えば、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロペンタン、又はシクロオクタン、等環が挙げられる。
[1−1]前記態様[1]のアルギン酸誘導体において、Arは、好ましくは、C6〜10アリール基、又はヘテロアリール基(前記C6〜10アリール基、又はヘテロアリール基は、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1〜6アルキル基、ハロゲン化C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、及び−NR基(−NR基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり)から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良く、前記C6〜10アリール基又はヘテロアリール基に、C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基が又は2つのC1〜6アルコキシ基が隣接して置換する場合、当該C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基の各基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、又は、当該2つのC1〜6アルコキシ基の各アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、環状エーテルを形成しても良く、又は、前記C6〜10アリール基又はヘテロアリール基に、C1〜6アルコキシ基及び−NHR基(−NHR基におけるRは、C2〜7アルカノイル基又はC1〜6アルキルスルホニル基である)が隣接して置換している場合、当該C1〜6アルコキシ基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子と当該−NHR基の水素原子が1つ除かれた窒素原子が結合することにより、3−N−(C2〜7アルカノイル)オキサゾリジン環、3−N−(C1〜6アルキルスルホニル)オキサゾリジン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)モルホリン環、4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)モルホリン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)−1,4−オキサゼパン環、又は4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)−1,4−オキサゼパン環を形成しても良い)であり;
より好ましくは、Arは、C6〜10アリール基、又は5〜6員ヘテロアリール基(前記C6〜10アリール基、又は5〜6員ヘテロアリール基は、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1〜6アルキル基、ハロゲン化C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、及び−NR基(−NR基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり)から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良く、前記C6〜10アリール基又は5〜6員ヘテロアリール基に、C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基が又は2つのC1〜6アルコキシ基が隣接して置換する場合、当該C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基の各基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、又は、当該2つのC1〜6アルコキシ基の各アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、環状エーテルを形成しても良く、又は、前記C6〜10アリール基又は5〜6員ヘテロアリール基に、C1〜6アルコキシ基及び−NHR基(−NHR基におけるRは、C2〜7アルカノイル基又はC1〜6アルキルスルホニル基である)が隣接して置換している場合、当該C1〜6アルコキシ基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子と当該−NHR基の水素原子が1つ除かれた窒素原子が結合することにより、3−N−(C2〜7アルカノイル)オキサゾリジン環、3−N−(C1〜6アルキルスルホニル)オキサゾリジン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)モルホリン環、4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)モルホリン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)−1,4−オキサゼパン環、又は4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)−1,4−オキサゼパン環を形成しても良い)であり;
更に好ましくは、Arは、フェニル基、又はピリジル基(前記フェニル基、又はピリジル基は、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1〜6アルキル基、ハロゲン化C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、及び−NR基(−NR基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり)から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良く、前記フェニル基又はピリジル基に、C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基が又は2つのC1〜6アルコキシ基が隣接して置換する場合、当該C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基の各基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、又は、当該2つのC1〜6アルコキシ基の各アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、環状エーテルを形成しても良く、又は、前記フェニル基又はピリジル基に、C1〜6アルコキシ基及び−NHR基(−NHR基におけるRは、C2〜7アルカノイル基又はC1〜6アルキルスルホニル基である)が隣接して置換している場合、当該C1〜6アルコキシ基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子と当該−NHR基の水素原子が1つ除かれた窒素原子が結合することにより、3−N−(C2〜7アルカノイル)オキサゾリジン環、3−N−(C1〜6アルキルスルホニル)オキサゾリジン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)モルホリン環、4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)モルホリン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)−1,4−オキサゼパン環、又は4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)−1,4−オキサゼパン環を形成しても良い)であり;
Arは、特に好ましくは、フェニル基、又は2−ピリジル基(前記フェニル基、又は2−ピリジル基は、シアノ基、フッ素原子、トリフルオロメチル基、及びメトキシ基から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良く、フェニル基又は2−ピリジル基上に、2つのメトキシ基が隣接して置換している場合には、2つのメトキシ基の各基のメチル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより1,4−ジオキサン環を形成しても良い)であり;
Arは、例えば、フェニル基、4−フルオロフェニル基、4−(トリフルオロメチル)フェニル基、4−メトキシフェニル基、4−シアノフェニル基、2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシニル基、又は2−ピリジル基、等である。
[1−1−1]前記態様[1−1]のアルギン酸誘導体において、Arは、特に好ましくは、フェニル基、2−ピリジル基、又は5−ピリジル基(前記フェニル基、2−ピリジル基、又は5−ピリジル基は、シアノ基、フッ素原子、トリフルオロメチル基、メトキシ基、及びN−アセチルアミノ基から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良く、フェニル基、2−ピリジル基、又は5−ピリジル基上に、2つのメトキシ基が隣接して置換している場合には、2つのメトキシ基の各基のメチル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより1,4−ジオキサン環を形成しても良い)であり;
Arは、例えば、フェニル基、4−フルオロフェニル基、4−(トリフルオロメチル)フェニル基、4−メトキシフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル基、4−(N−アセチルアミノ)フェニル基、4−シアノフェニル基、2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシニル基、2−ピリジル基、又は2−メトキシ−5−ピリジル基、等である。
[1−1−2]前記態様[1−1]のアルギン酸誘導体において、Arは、特に好ましくは、フェニル基、2−ピリジル基、又は5−ピリジル基(前記フェニル基、2−ピリジル基、又は5−ピリジル基は、シアノ基、メトキシ基、及びN−アセチルアミノ基から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良く、フェニル基、2−ピリジル基、又は5−ピリジル基上に、2つのメトキシ基が隣接して置換している場合には、2つのメトキシ基の各基のメチル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより1,4−ジオキサン環を形成しても良い)であり;
Arは、例えば、フェニル基、4−メトキシフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル基、4−シアノフェニル基、4−(N−アセチルアミノ)フェニル基、2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシニル基、2−ピリジル基、又は2−メトキシ−5−ピリジル基、等である。
[1−1a]前記態様[1]のアルギン酸誘導体において、Arは、好ましくは、C6〜10アリール基、又はヘテロアリール基(前記C6〜10アリール基、又はヘテロアリール基は、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1〜6アルキル基、ハロゲン化C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、及び−NR基(−NR基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、又はC1〜6アルキル基から選択される基であり)から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良い)であり;
より好ましくは、Arは、C6〜10アリール基、又は5〜6員ヘテロアリール基(前記C6〜10アリール基、又は5〜6員ヘテロアリール基は、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1〜6アルキル基、ハロゲン化C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、及び−NR基(−NR基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、又はC1〜6アルキル基から選択される基であり)から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良い)であり;
更に好ましくは、Arは、フェニル基(前記フェニル基は、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1〜6アルキル基、ハロゲン化C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、及び−NR基(−NR基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、又はC1〜6アルキル基から選択される基であり)から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良い)であり;
Arは、特に好ましくは、フェニル基(前記フェニル基は、フッ素原子、及びトリフルオロメチル基から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良い)であり;
Arは、例えば、フェニル基、4−フルオロフェニル基、又は4−(トリフルオロメチル)フェニル基、等である。
[1−1b]前記態様[1]のアルギン酸誘導体において、Arは、好ましくは、C6〜10アリール基、又はヘテロアリール基(前記C6〜10アリール基、又はヘテロアリール基は、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1〜6アルキル基、ハロゲン化C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、及び−NR基(−NR基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり)から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良く、前記C6〜10アリール基又はヘテロアリール基に、C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基が又は2つのC1〜6アルコキシ基が隣接して置換する場合、当該C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基の各基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、又は、当該2つのC1〜6アルコキシ基の各アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、環状エーテルを形成しても良く、又は、前記C6〜10アリール基又はヘテロアリール基に、C1〜6アルコキシ基及び−NHR基(−NHR基におけるRは、C2〜7アルカノイル基又はC1〜6アルキルスルホニル基である)が隣接して置換している場合、当該C1〜6アルコキシ基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子と当該−NHR基の水素原子が1つ除かれた窒素原子が結合することにより、3−N−(C2〜7アルカノイル)オキサゾリジン環、3−N−(C1〜6アルキルスルホニル)オキサゾリジン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)モルホリン環、4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)モルホリン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)−1,4−オキサゼパン環、又は4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)−1,4−オキサゼパン環を形成しても良い)であり;
より好ましくは、Arは、C6〜10アリール基、又は5〜6員ヘテロアリール基(前記C6〜10アリール基、又は5〜6員ヘテロアリール基は、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1〜6アルキル基、ハロゲン化C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、及び−NR基(−NR基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり)から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良く、前記C6〜10アリール基又は5〜6員ヘテロアリール基に、C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基が又は2つのC1〜6アルコキシ基が隣接して置換する場合、当該C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基の各基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、又は、当該2つのC1〜6アルコキシ基の各アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、環状エーテルを形成しても良く、又は、前記C6〜10アリール基又は5〜6員ヘテロアリール基に、C1〜6アルコキシ基及び−NHR基(−NHR基におけるRは、C2〜7アルカノイル基又はC1〜6アルキルスルホニル基である)が隣接して置換している場合、当該C1〜6アルコキシ基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子と当該−NHR基の水素原子が1つ除かれた窒素原子が結合することにより、3−N−(C2〜7アルカノイル)オキサゾリジン環、3−N−(C1〜6アルキルスルホニル)オキサゾリジン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)モルホリン環、4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)モルホリン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)−1,4−オキサゼパン環、又は4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)−1,4−オキサゼパン環を形成しても良い)であり;
更に好ましくは、Arは、フェニル基、又はピリジル基(前記フェニル基、又はピリジル基は、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1〜6アルキル基、ハロゲン化C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、及び−NR基(−NR基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり)から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良く、前記フェニル基又はピリジル基に、C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基が又は2つのC1〜6アルコキシ基が隣接して置換する場合、当該C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基の各基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、又は、当該2つのC1〜6アルコキシ基の各アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、環状エーテルを形成しても良く、又は、前記フェニル基又はピリジル基に、C1〜6アルコキシ基及び−NHR基(−NHR基におけるRは、C2〜7アルカノイル基又はC1〜6アルキルスルホニル基である)が隣接して置換している場合、当該C1〜6アルコキシ基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子と当該−NHR基の水素原子が1つ除かれた窒素原子が結合することにより、3−N−(C2〜7アルカノイル)オキサゾリジン環、3−N−(C1〜6アルキルスルホニル)オキサゾリジン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)モルホリン環、4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)モルホリン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)−1,4−オキサゼパン環、又は4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)−1,4−オキサゼパン環を形成しても良い)であり;
Arは、特に好ましくは、フェニル基、又は2−ピリジル基(前記フェニル基、又は2−ピリジル基は、シアノ基、及びメトキシ基から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良く、フェニル基又は2−ピリジル基上に、2つのメトキシ基が隣接して置換している場合には、2つのメトキシ基の各基のメチル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより1,4−ジオキサン環を形成しても良い)であり;
Arは、例えば、フェニル基、4−メトキシフェニル基、4−シアノフェニル基、2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシニル基、又は2−ピリジル基、等である。
[1−1c]前記態様[1−1b]のアルギン酸誘導体において、Arは、特に好ましくは、フェニル基、又は5−ピリジル基(前記フェニル基、又は5−ピリジル基は、シアノ基、メトキシ基、及びN−アセチルアミノ基から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良く、フェニル基、又は5−ピリジル基上に、2つのメトキシ基が隣接して置換している場合には、2つのメトキシ基の各基のメチル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより1,4−ジオキサン環を形成しても良い)であり;
Arは、例えば、4−シアノフェニル基、4−メトキシフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル基、4−(N−アセチルアミノ)フェニル基、2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシニル基、又は2−メトキシ−5−ピリジル基、等である。
[1−2]前記態様[1]のアルギン酸誘導体において、−X−は、好ましくは、−O−、又は−NH−である。
[1−2a]前記態様[1]のアルギン酸誘導体において、−X−は、好ましくは、−O−である。
[1−3]前記態様[1]のアルギン酸誘導体において、−A−は、好ましくは、式(AL−1)又は(AL−2)[各式中、両端の波線外側は含まない]:
(式(AL−1)中のnは、1〜10の整数であり;式(AL−2)中のmは、1〜7の整数であり;式(AL−1)又は(AL−2)中のメチレン基(−CH−)の水素原子は、ハロゲン原子、水酸基、C1〜6アルキル基、ヒドロキシC1〜6アルキル基、チオールC1〜6アルキル基、C1〜6アルキルチオC1〜6アルキル基、カルボキシC1〜6アルキル基、−NR基、(RN)−C1〜6アルキル基、(RN)C(=O)−C1〜6アルキル基(前記−NR基、(RN)−C1〜6アルキル基、又は(RN)C(=O)−C1〜6アルキル基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり)、グアニジノC1〜6アルキル基、C7〜16アラルキル基、ヒドロキシC6〜10アリールC1〜6アルキル基、又はヘテロアリールC1〜6アルキル基から選択される基で複数個(例えば、1〜10個、又は1〜5個)置き換えられても良く;式(AL−1)又は(AL−2)中のメチレン基(−CH−)の2つの水素原子がC1〜6アルキル基に置き換えられた場合、当該各C1〜6アルキル基の各アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することによりC3〜8シクロアルキル環を形成しても良い)であり;
−A−は、より好ましくは、式(AL−1)又は(AL−2)[各式中、両端の波線外側は含まない]:
(式(AL−1)中のnは、1〜8の整数であり;式(AL−2)中のmは、1〜5の整数であり;式(AL−1)又は(AL−2)中のメチレン基(−CH−)の水素原子は、ハロゲン原子、水酸基、C1〜6アルキル基、ヒドロキシC1〜6アルキル基、−NR基(−NR基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり)、C7〜16アラルキル基、又はヘテロアリールC1〜6アルキル基から選択される基で複数個(例えば、1〜10個、又は1〜5個)置き換えられても良く;式(AL−1)又は(AL−2)中のメチレン基(−CH−)の2つの水素原子がC1〜6アルキル基に置き換えられる場合、当該各C1〜6アルキル基の各アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することによりC3〜8シクロアルキル環を形成しても良い)であり;
−A−は、更に好ましくは、式(AL−1)又は(AL−2)[各式中、両端の波線外側は含まない]:
(式(AL−1)中のnは、2〜6の整数であり;式(AL−2)中のmは、1〜3の整数であり)であり;
−A−は、特に好ましくは、式(AL−1−1)、(AL−2−1)又は(AL−2−2)[各式中、両端の波線外側は含まない]:
である。
[1−3a]前記態様[1−3]のアルギン酸誘導体において、−A−は、特に好ましくは、式(AL−1−1)、又は(AL−2−1)[各式中、両端の波線外側は含まない]:
である。
[1−3b]前記態様[1−3]のアルギン酸誘導体において、−A−は、特に好ましくは、式(AL−2−1)、又は(AL−2−2)[各式中、両端の波線外側は含まない]:
である。
[1−3−1]前記態様[1]のアルギン酸誘導体において、−A−である式(AL−1)〜(AL−4)中の、n、m、及びjとして、nは、好ましくは1〜10の整数であり、より好ましくは1〜8の整数であり、さらに好ましくは2〜6の整数であり、特に好ましくは3であり;mは、好ましくは1〜7の整数であり、より好ましくは1〜5の整数であり、さらに好ましくは1〜3の整数であり、特に好ましくは1または2であり;jは、好ましくは0〜8の整数であり、より好ましくは1〜6の整数であり、さらに好ましくは2〜4の整数である。
[1−3−2]前記態様[1]のアルギン酸誘導体において、−A−に含まれる、式(AL−3)又は式(AL−4)の、好ましい態様としては、下記式(AL−3−1)又は式(AL−4−1)[各式中、両端の波線外側は含まない]:
(式(AL−3−1)又は式(AL−4−1)中、nは、1〜18の整数を表わし;mは、1〜9の整数を表わし;jは、0〜9の整数を表わし;−R1および−Rは、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、メチル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、チオールメチル基、メチルチオエチル基、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基、アミノカルボニルメチル基、アミノカルボニルエチル基、アミノブチル基、グアニジノプロピル基、ベンジル基、4−ヒドロキシベンジル基、3−インドリルメチル基、又は4−イミダゾイルメチル基から選択される基であり;Rが置換する炭素原子と当該炭素原子が結合する窒素原子とにより、ピロリジン環を形成してもよい)である。
[1−3−2−1]前記態様[1−3−2]の式(AL−3−1)又は式(AL−4−1)中の、n、m、及びjとして、nは、好ましくは1〜10の整数であり、より好ましくは1〜8の整数であり、さらに好ましくは2〜6の整数であり、特に好ましくは3であり;mは、好ましくは1〜7の整数であり、より好ましくは1〜5の整数であり、さらに好ましくは1〜3の整数であり、特に好ましくは1または2であり;jは、好ましくは0〜8の整数であり、より好ましくは1〜6の整数であり、さらに好ましくは2〜4の整数である。
[1−4−1]前記態様[1]のアルギン酸誘導体において、Ar、p、−X−、−A−の組み合わせとしては、好ましくは、
Arは、C6〜10アリール基、又はヘテロアリール基(前記C6〜10アリール基、又はヘテロアリール基は、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1〜6アルキル基、ハロゲン化C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、及び−NR基(−NR基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり)から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良く、前記C6〜10アリール基又はヘテロアリール基に、C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基が又は2つのC1〜6アルコキシ基が隣接して置換する場合、当該C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基の各基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、又は、当該2つのC1〜6アルコキシ基の各アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、環状エーテルを形成しても良く、又は、前記C6〜10アリール基又はヘテロアリール基に、C1〜6アルコキシ基及び−NHR基(−NHR基におけるRは、C2〜7アルカノイル基又はC1〜6アルキルスルホニル基である)が隣接して置換している場合、当該C1〜6アルコキシ基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子と当該−NHR基の水素原子が1つ除かれた窒素原子が結合することにより、3−N−(C2〜7アルカノイル)オキサゾリジン環、3−N−(C1〜6アルキルスルホニル)オキサゾリジン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)モルホリン環、4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)モルホリン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)−1,4−オキサゼパン環、又は4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)−1,4−オキサゼパン環を形成しても良い)であり;
pは、1、又は2の整数であり;
−X−は、−O−、又は−NH−であり;
−A−は、前記態様[1−3]中の式(AL−1)又は(AL−2)[各式中、両端の波線外側は含まない](式(AL−1)中のnは、1〜10の整数であり;式(AL−2)中のmは、1〜7の整数であり;
式(AL−1)又は(AL−2)中のメチレン基(−CH−)の水素原子は、ハロゲン原子、水酸基、C1〜6アルキル基、ヒドロキシC1〜6アルキル基、チオールC1〜6アルキル基、C1〜6アルキルチオC1〜6アルキル基、カルボキシC1〜6アルキル基、−NR基、(RN)−C1〜6アルキル基、(RN)C(=O)−C1〜6アルキル基(前記−NR基、(RN)−C1〜6アルキル基、又は(RN)C(=O)−C1〜6アルキル基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり)、グアニジノC1〜6アルキル基、C7〜16アラルキル基、ヒドロキシC6〜10アリールC1〜6アルキル基、又はヘテロアリールC1〜6アルキル基から選択される基で複数個(例えば、1〜10個、又は1〜5個)置き換えられても良く;式(AL−1)又は(AL−2)中のメチレン基(−CH−)の2つの水素原子がC1〜6アルキル基に置き換えられた場合、当該各C1〜6アルキル基の各アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することによりC3〜8シクロアルキル環を形成しても良い)である。
[1−4−1a]前記態様[1]のアルギン酸誘導体において、Ar、p、−X−、−A−の組み合わせとしては、好ましくは、Arは、C6〜10アリール基、又はヘテロアリール基(前記C6〜10アリール基、又はヘテロアリール基は、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1〜6アルキル基、ハロゲン化C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、及び−NR基(−NR基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、又はC1〜6アルキル基から選択される基であり)から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良い)であり;
pは、1の整数であり;
−X−は、−O−、又は−NH−であり;
−A−は、前記態様[1−3]中の式(AL−1)又は(AL−2)[各式中、両端の波線外側は含まない](式(AL−1)中のnは、1〜10の整数であり;式(AL−2)中のmは、1〜7の整数であり;
式(AL−1)又は(AL−2)中のメチレン基(−CH−)の水素原子は、ハロゲン原子、水酸基、C1〜6アルキル基、ヒドロキシC1〜6アルキル基、チオールC1〜6アルキル基、C1〜6アルキルチオC1〜6アルキル基、カルボキシC1〜6アルキル基、−NR基、(RN)−C1〜6アルキル基、(RN)C(=O)−C1〜6アルキル基(前記−NR基、(RN)−C1〜6アルキル基、又は(RN)C(=O)−C1〜6アルキル基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり)、グアニジノC1〜6アルキル基、C7〜16アラルキル基、ヒドロキシC6〜10アリールC1〜6アルキル基、又はヘテロアリールC1〜6アルキル基から選択される基で複数個(例えば、1〜10個、又は1〜5個)置き換えられても良く;式(AL−1)又は(AL−2)中のメチレン基(−CH−)の2つの水素原子がC1〜6アルキル基に置き換えられた場合、当該各C1〜6アルキル基の各アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することによりC3〜8シクロアルキル環を形成しても良い)である。
[1−4−1b]前記態様[1]のアルギン酸誘導体において、Ar、p、−X−、−A−の組み合わせとしては、好ましくは、Arは、C6〜10アリール基、又はヘテロアリール基(前記C6〜10アリール基、又はヘテロアリール基は、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1〜6アルキル基、ハロゲン化C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、及び−NR基(−NR基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり)から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良く、前記C6〜10アリール基又はヘテロアリール基に、C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基が又は2つのC1〜6アルコキシ基が隣接して置換する場合、当該C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基の各基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、又は、当該2つのC1〜6アルコキシ基の各アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、環状エーテルを形成しても良く、又は、前記C6〜10アリール基又はヘテロアリール基に、C1〜6アルコキシ基及び−NHR基(−NHR基におけるRは、C2〜7アルカノイル基又はC1〜6アルキルスルホニル基である)が隣接して置換している場合、当該C1〜6アルコキシ基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子と当該−NHR基の水素原子が1つ除かれた窒素原子が結合することにより、3−N−(C2〜7アルカノイル)オキサゾリジン環、3−N−(C1〜6アルキルスルホニル)オキサゾリジン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)モルホリン環、4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)モルホリン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)−1,4−オキサゼパン環、又は4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)−1,4−オキサゼパン環を形成しても良い)であり;
pは、1、又は2の整数であり;
−X−は、−O−であり;
−A−は、前記態様[1−3]中の式(AL−1)又は(AL−2)[各式中、両端の波線外側は含まない](式(AL−1)中のnは、1〜10の整数であり;式(AL−2)中のmは、1〜7の整数であり;
式(AL−1)又は(AL−2)中のメチレン基(−CH−)の水素原子は、ハロゲン原子、水酸基、C1〜6アルキル基、ヒドロキシC1〜6アルキル基、チオールC1〜6アルキル基、C1〜6アルキルチオC1〜6アルキル基、カルボキシC1〜6アルキル基、−NR基、(RN)−C1〜6アルキル基、(RN)C(=O)−C1〜6アルキル基(前記−NR基、(RN)−C1〜6アルキル基、又は(RN)C(=O)−C1〜6アルキル基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり)、グアニジノC1〜6アルキル基、C7〜16アラルキル基、ヒドロキシC6〜10アリールC1〜6アルキル基、又はヘテロアリールC1〜6アルキル基から選択される基で複数個(例えば、1〜10個、又は1〜5個)置き換えられても良く;式(AL−1)又は(AL−2)中のメチレン基(−CH−)の2つの水素原子がC1〜6アルキル基に置き換えられた場合、当該各C1〜6アルキル基の各アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することによりC3〜8シクロアルキル環を形成しても良い)である。
[1−4−1c]前記態様[1]のアルギン酸誘導体において、Ar、p、−X−、−A−の組み合わせとしては、好ましくは、Arは、C6〜10アリール基、又はヘテロアリール基(前記C6〜10アリール基、又はヘテロアリール基は、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1〜6アルキル基、ハロゲン化C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、及び−NR基(−NR基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり)から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良く、前記C6〜10アリール基又はヘテロアリール基に、C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基が又は2つのC1〜6アルコキシ基が隣接して置換する場合、当該C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基の各基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、又は、当該2つのC1〜6アルコキシ基の各アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、環状エーテルを形成しても良く、又は、前記C6〜10アリール基又はヘテロアリール基に、C1〜6アルコキシ基及び−NHR基(−NHR基におけるRは、C2〜7アルカノイル基又はC1〜6アルキルスルホニル基である)が隣接して置換している場合、当該C1〜6アルコキシ基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子と当該−NHR基の水素原子が1つ除かれた窒素原子が結合することにより、3−N−(C2〜7アルカノイル)オキサゾリジン環、3−N−(C1〜6アルキルスルホニル)オキサゾリジン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)モルホリン環、4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)モルホリン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)−1,4−オキサゼパン環、又は4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)−1,4−オキサゼパン環を形成しても良い)であり;
pは、1、又は2の整数であり;
−X−は、−O−又は−NH−であり;
−A−は、前記態様[1−3]中の式(AL−1)又は(AL−2)[各式中、両端の波線外側は含まない](式(AL−1)中のnは、1〜10の整数であり;式(AL−2)中のmは、1〜7の整数であり;
式(AL−1)又は(AL−2)中のメチレン基(−CH−)の水素原子は、ハロゲン原子、水酸基、C1〜6アルキル基、ヒドロキシC1〜6アルキル基、チオールC1〜6アルキル基、C1〜6アルキルチオC1〜6アルキル基、カルボキシC1〜6アルキル基、−NR基、(RN)−C1〜6アルキル基、(RN)C(=O)−C1〜6アルキル基(前記−NR基、(RN)−C1〜6アルキル基、又は(RN)C(=O)−C1〜6アルキル基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり)、グアニジノC1〜6アルキル基、C7〜16アラルキル基、ヒドロキシC6〜10アリールC1〜6アルキル基、又はヘテロアリールC1〜6アルキル基から選択される基で複数個(例えば、1〜10個、又は1〜5個)置き換えられても良く;式(AL−1)又は(AL−2)中のメチレン基(−CH−)の2つの水素原子がC1〜6アルキル基に置き換えられた場合、当該各C1〜6アルキル基の各アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することによりC3〜8シクロアルキル環を形成しても良い)である。
[1−4−2]前記態様[1]のアルギン酸誘導体において、Ar、p、−X−、−A−の組み合わせとしては、より好ましくは、
Arは、C6〜10アリール基、又は5〜6員ヘテロアリール基(前記C6〜10アリール基、又は5〜6員ヘテロアリール基は、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1〜6アルキル基、ハロゲン化C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、及び−NR基(−NR基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり)から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良く、前記C6〜10アリール基又は5〜6員ヘテロアリール基に、C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基が又は2つのC1〜6アルコキシ基が隣接して置換する場合、当該C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基の各基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、又は、当該2つのC1〜6アルコキシ基の各アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、環状エーテルを形成しても良く、又は、前記C6〜10アリール基又は5〜6員ヘテロアリール基に、C1〜6アルコキシ基及び−NHR基(−NHR基におけるRは、C2〜7アルカノイル基又はC1〜6アルキルスルホニル基である)が隣接して置換している場合、当該C1〜6アルコキシ基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子と当該−NHR基の水素原子が1つ除かれた窒素原子が結合することにより、3−N−(C2〜7アルカノイル)オキサゾリジン環、3−N−(C1〜6アルキルスルホニル)オキサゾリジン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)モルホリン環、4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)モルホリン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)−1,4−オキサゼパン環、又は4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)−1,4−オキサゼパン環を形成しても良い)であり;
pは、1又は2の整数であり;
−X−は、−O−、又は−NH−であり;
−A−は、前記態様[1−3]中の式(AL−1)又は(AL−2)[各式中、両端の波線外側は含まない](式(AL−1)中のnは、1〜8の整数であり;式(AL−2)中のmは、1〜5の整数であり;
式(AL−1)又は(AL−2)中のメチレン基(−CH−)の水素原子は、ハロゲン原子、水酸基、C1〜6アルキル基、ヒドロキシC1〜6アルキル基、−NR基(−NR基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり)、C7〜16アラルキル基、又はヘテロアリールC1〜6アルキル基から選択される基で複数個(例えば、1〜10個、又は1〜5個)置き換えられても良く;式(AL−1)又は(AL−2)中のメチレン基(−CH−)の2つの水素原子がC1〜6アルキル基に置き換えられる場合、当該各C1〜6アルキル基の各アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することによりC3〜8シクロアルキル環を形成しても良い)である。
[1−4−2a]前記態様[1]のアルギン酸誘導体において、Ar、p、−X−、−A−の組み合わせとしては、より好ましくは、
Arは、C6〜10アリール基、又は5〜6員ヘテロアリール基(前記C6〜10アリール基、又は5〜6員ヘテロアリール基は、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1〜6アルキル基、ハロゲン化C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、及び−NR基(−NR基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、又はC1〜6アルキル基から選択される基であり)から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良い)であり;
pは、1の整数であり;
−X−は、−O−、又は−NH−であり;
−A−は、前記態様[1−3]中の式(AL−1)又は(AL−2)[各式中、両端の波線外側は含まない](式(AL−1)中のnは、1〜8の整数であり;式(AL−2)中のmは、1〜5の整数であり;
式(AL−1)又は(AL−2)中のメチレン基(−CH−)の水素原子は、ハロゲン原子、水酸基、C1〜6アルキル基、ヒドロキシC1〜6アルキル基、−NR基(−NR基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり)、C7〜16アラルキル基、又はヘテロアリールC1〜6アルキル基から選択される基で複数個(例えば、1〜10個、又は1〜5個)置き換えられても良く;式(AL−1)又は(AL−2)中のメチレン基(−CH−)の2つの水素原子がC1〜6アルキル基に置き換えられる場合、当該各C1〜6アルキル基の各アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することによりC3〜8シクロアルキル環を形成しても良い)である。
[1−4−2b]前記態様[1]のアルギン酸誘導体において、Ar、p、−X−、−A−の組み合わせとしては、より好ましくは、
Arは、C6〜10アリール基、又は5〜6員ヘテロアリール基(前記C6〜10アリール基、又は5〜6員ヘテロアリール基は、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1〜6アルキル基、ハロゲン化C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、及び−NR基(−NR基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり)から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良く、前記C6〜10アリール基又は5〜6員ヘテロアリール基に、C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基が又は2つのC1〜6アルコキシ基が隣接して置換する場合、当該C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基の各基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、又は、当該2つのC1〜6アルコキシ基の各アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、環状エーテルを形成しても良く、又は、前記C6〜10アリール基又は5〜6員ヘテロアリール基に、C1〜6アルコキシ基及び−NHR基(−NHR基におけるRは、C2〜7アルカノイル基又はC1〜6アルキルスルホニル基である)が隣接して置換している場合、当該C1〜6アルコキシ基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子と当該−NHR基の水素原子が1つ除かれた窒素原子が結合することにより、3−N−(C2〜7アルカノイル)オキサゾリジン環、3−N−(C1〜6アルキルスルホニル)オキサゾリジン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)モルホリン環、4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)モルホリン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)−1,4−オキサゼパン環、又は4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)−1,4−オキサゼパン環を形成しても良い)であり;
pは、1又は2の整数であり;
−X−は、−O−であり;
−A−は、前記態様[1−3]中の式(AL−1)又は(AL−2)[各式中、両端の波線外側は含まない](式(AL−1)中のnは、1〜8の整数であり;式(AL−2)中のmは、1〜5の整数であり;
式(AL−1)又は(AL−2)中のメチレン基(−CH−)の水素原子は、ハロゲン原子、水酸基、C1〜6アルキル基、ヒドロキシC1〜6アルキル基、−NR基(−NR基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり)、C7〜16アラルキル基、又はヘテロアリールC1〜6アルキル基から選択される基で複数個(例えば、1〜10個、又は1〜5個)置き換えられても良く;式(AL−1)又は(AL−2)中のメチレン基(−CH−)の2つの水素原子がC1〜6アルキル基に置き換えられる場合、当該各C1〜6アルキル基の各アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することによりC3〜8シクロアルキル環を形成しても良い)である。
[1−4−2c]前記態様[1]のアルギン酸誘導体において、Ar、p、−X−、−A−の組み合わせとしては、より好ましくは、
Arは、C6〜10アリール基、又は5〜6員ヘテロアリール基(前記C6〜10アリール基、又は5〜6員ヘテロアリール基は、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1〜6アルキル基、ハロゲン化C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、及び−NR基(−NR基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり)から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良く、前記C6〜10アリール基又は5〜6員ヘテロアリール基に、C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基が又は2つのC1〜6アルコキシ基が隣接して置換する場合、当該C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基の各基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、又は、当該2つのC1〜6アルコキシ基の各アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、環状エーテルを形成しても良く、又は、前記C6〜10アリール基又は5〜6員ヘテロアリール基に、C1〜6アルコキシ基及び−NHR基(−NHR基におけるRは、C2〜7アルカノイル基又はC1〜6アルキルスルホニル基である)が隣接して置換している場合、当該C1〜6アルコキシ基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子と当該−NHR基の水素原子が1つ除かれた窒素原子が結合することにより、3−N−(C2〜7アルカノイル)オキサゾリジン環、3−N−(C1〜6アルキルスルホニル)オキサゾリジン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)モルホリン環、4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)モルホリン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)−1,4−オキサゼパン環、又は4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)−1,4−オキサゼパン環を形成しても良い)であり;
pは、1又は2の整数であり;
−X−は、−O−又は−NH−であり;
−A−は、前記態様[1−3]中の式(AL−1)又は(AL−2)[各式中、両端の波線外側は含まない](式(AL−1)中のnは、1〜8の整数であり;式(AL−2)中のmは、1〜5の整数であり;
式(AL−1)又は(AL−2)中のメチレン基(−CH−)の水素原子は、ハロゲン原子、水酸基、C1〜6アルキル基、ヒドロキシC1〜6アルキル基、−NR基(−NR基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり)、C7〜16アラルキル基、又はヘテロアリールC1〜6アルキル基から選択される基で複数個(例えば、1〜10個、又は1〜5個)置き換えられても良く;式(AL−1)又は(AL−2)中のメチレン基(−CH−)の2つの水素原子がC1〜6アルキル基に置き換えられる場合、当該各C1〜6アルキル基の各アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することによりC3〜8シクロアルキル環を形成しても良い)である。
[1−4−3]前記態様[1]のアルギン酸誘導体において、Ar、p、−X−、−A−の組み合わせとしては、更に好ましくは、
Arは、フェニル基、又はピリジル基(前記フェニル基、又はピリジル基は、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1〜6アルキル基、ハロゲン化C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、及び−NR基(−NR基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり)から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良く、前記フェニル基又はピリジル基に、C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基が又は2つのC1〜6アルコキシ基が隣接して置換する場合、当該C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基の各基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、又は、当該2つのC1〜6アルコキシ基の各アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、環状エーテルを形成しても良く、又は、前記フェニル基又はピリジル基に、C1〜6アルコキシ基及び−NHR基(−NNHR基におけるRは、C2〜7アルカノイル基又はC1〜6アルキルスルホニル基である)が隣接して置換している場合、当該C1〜6アルコキシ基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子と当該−NHR基の水素原子が1つ除かれた窒素原子が結合することにより、3−N−(C2〜7アルカノイル)オキサゾリジン環、3−N−(C1〜6アルキルスルホニル)オキサゾリジン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)モルホリン環、4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)モルホリン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)−1,4−オキサゼパン環、又は4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)−1,4−オキサゼパン環を形成しても良い)であり;
pは、1又は2の整数であり;
−X−は、−O−、又は−NH−であり:
−A−は、前記態様[1−3]中の式(AL−1)又は(AL−2)[各式中、両端の波線外側は含まない](式(AL−1)中のnは、2〜6の整数であり;式(AL−2)中のmは、1〜3の整数である)である。
[1−4−3a]前記態様[1]のアルギン酸誘導体において、Ar、p、−X−、−A−の組み合わせとしては、更に好ましくは、
Arは、フェニル基(前記フェニル基は、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1〜6アルキル基、ハロゲン化C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、及び−NR基(−NR基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、又はC1〜6アルキル基から選択される基であり)から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良い)であり;
pは、1の整数であり;
−X−は、−O−、又は−NH−であり:
−A−は、前記態様[1−3]中の式(AL−1)又は(AL−2)[各式中、両端の波線外側は含まない](式(AL−1)中のnは、2〜6の整数であり;式(AL−2)中のmは、1〜3の整数である)である。
[1−4−3b]前記態様[1]のアルギン酸誘導体において、Ar、p、−X−、−A−の組み合わせとしては、更に好ましくは、
Arは、フェニル基、又はピリジル基(前記フェニル基、又はピリジル基は、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1〜6アルキル基、ハロゲン化C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、及び−NR基(−NR基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり)から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良く、前記フェニル基又はピリジル基に、C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基が又は2つのC1〜6アルコキシ基が隣接して置換する場合、当該C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基の各基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、又は、当該2つのC1〜6アルコキシ基の各アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、環状エーテルを形成しても良く、又は、前記フェニル基又はピリジル基に、C1〜6アルコキシ基及び−NHR基(−NHR基におけるRは、C2〜7アルカノイル基又はC1〜6アルキルスルホニル基である)が隣接して置換している場合、当該C1〜6アルコキシ基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子と当該−NHR基の水素原子が1つ除かれた窒素原子が結合することにより、3−N−(C2〜7アルカノイル)オキサゾリジン環、3−N−(C1〜6アルキルスルホニル)オキサゾリジン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)モルホリン環、4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)モルホリン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)−1,4−オキサゼパン環、又は4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)−1,4−オキサゼパン環を形成しても良い)であり;
pは、1又は2の整数であり;
−X−は、−O−であり:
−A−は、前記態様[1−3]中の式(AL−1)又は(AL−2)[各式中、両端の波線外側は含まない](式(AL−1)中のnは、2〜6の整数であり;式(AL−2)中のmは、1〜3の整数である)である。
[1−4−3c]前記態様[1]のアルギン酸誘導体において、Ar、p、−X−、−A−の組み合わせとしては、更に好ましくは、
Arは、フェニル基、又はピリジル基(前記フェニル基、又はピリジル基は、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1〜6アルキル基、ハロゲン化C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、及び−NR基(−NR基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり)から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良く、前記フェニル基又はピリジル基に、C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基が又は2つのC1〜6アルコキシ基が隣接して置換する場合、当該C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基の各基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、又は、当該2つのC1〜6アルコキシ基の各アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、環状エーテルを形成しても良く、又は、前記フェニル基又はピリジル基に、C1〜6アルコキシ基及び−NHR基(−NHR基におけるRは、C2〜7アルカノイル基又はC1〜6アルキルスルホニル基である)が隣接して置換している場合、当該C1〜6アルコキシ基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子と当該−NHR基の水素原子が1つ除かれた窒素原子が結合することにより、3−N−(C2〜7アルカノイル)オキサゾリジン環、3−N−(C1〜6アルキルスルホニル)オキサゾリジン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)モルホリン環、4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)モルホリン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)−1,4−オキサゼパン環、又は4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)−1,4−オキサゼパン環を形成しても良い)であり;
pは、1又は2の整数であり;
−X−は、−O−又は−NH−であり:
−A−は、前記態様[1−3]中の式(AL−1)又は(AL−2)[各式中、両端の波線外側は含まない](式(AL−1)中のnは、2〜6の整数であり;式(AL−2)中のmは、1〜3の整数である)である。
[1−4−4]前記態様[1]のアルギン酸誘導体において、Ar、p、−X−、−A−の組み合わせとしては、特に好ましくは、
Arは、フェニル基、又は2−ピリジル基(前記フェニル基、又は2−ピリジル基は、シアノ基、フッ素原子、トリフルオロメチル基、及びメトキシ基から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良く、フェニル基又は2−ピリジル基上に、2つのメトキシ基が隣接して置換している場合には、2つのメトキシ基の各基のメチル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより1,4−ジオキサン環を形成しても良い)であり;
Ar、p、−X−、−A−の組み合わせとしては、例えば、Arは、フェニル基、4−フルオロフェニル基、4−(トリフルオロメチル)フェニル基、4−メトキシフェニル基、4−シアノフェニル基、2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシニル基、又は2−ピリジル基であり;
pは、1又は2の整数であり;
−X−は、−O−、又は−NH−であり:
−A−は、前記態様[1−3]中の式(AL−1−1)、(AL−2−1)又は(AL−2−2)[各式中、両端の波線外側は含まない]であり;
例えば、Ar、p、−X−、−A−の組み合わせは、下記部分構造式[各式中、波線右側は含まない]:
に示される通りである。
[1−4−4−1]前記態様[1]のアルギン酸誘導体において、Ar、p、−X−、−A−の組み合わせとしては、特に好ましくは、
Arは、フェニル基、2−ピリジル基、又は5−ピリジル基(前記フェニル基、2−ピリジル基、又は5−ピリジル基は、シアノ基、フッ素原子、トリフルオロメチル基、メトキシ基、及びN−アセチルアミノ基から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良く、フェニル基、2−ピリジル基、又は5−ピリジル基上に、2つのメトキシ基が隣接して置換している場合には、2つのメトキシ基の各基のメチル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより1,4−ジオキサン環を形成しても良い)であり;
Ar、p、−X−、−A−の組み合わせとしては、例えば、Arは、フェニル基、4−フルオロフェニル基、4−(トリフルオロメチル)フェニル基、4−メトキシフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル基、4−(N−アセチルアミノ)フェニル基、4−シアノフェニル基、2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシニル基、2−ピリジル基、又は2−メトキシ−5−ピリジル基であり;
pは、1又は2の整数であり;
−X−は、−O−、又は−NH−であり:
−A−は、前記態様[1−3]中の式(AL−1−1)、(AL−2−1)又は(AL−2−2)[各式中、両端の波線外側は含まない]であり;
例えば、Ar、p、−X−、−A−の組み合わせは、下記部分構造式[各式中、波線右側は含まない]:
に示される通りである。
[1−4−4−2]前記態様[1]のアルギン酸誘導体において、Ar、p、−X−、−A−の組み合わせとしては、特に好ましくは、
Arは、フェニル基、2−ピリジル基、又は5−ピリジル基(前記フェニル基、2−ピリジル基、又は5−ピリジル基は、シアノ基、メトキシ基、及びN−アセチルアミノ基から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良く、フェニル基、2−ピリジル基、又は5−ピリジル基上に、2つのメトキシ基が隣接して置換している場合には、2つのメトキシ基の各基のメチル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより1,4−ジオキサン環を形成しても良い)であり;
Ar、p、−X−、−A−の組み合わせとしては、例えば、Arは、フェニル基、4−メトキシフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル基、4−(N−アセチルアミノ)フェニル基、4−シアノフェニル基、2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシニル基、2−ピリジル基、又は2−メトキシ−5−ピリジル基であり;
pは、1又は2の整数であり;
−X−は、−O−、又は−NH−であり:
−A−は、前記態様[1−3]中の式(AL−1−1)、(AL−2−1)又は(AL−2−2)[各式中、両端の波線外側は含まない]であり;
例えば、Ar、p、−X−、−A−の組み合わせは、下記部分構造式[各式中、波線右側は含まない]:
に示される通りである。
[1−4−4a]前記態様[1]のアルギン酸誘導体において、Ar、p、−X−、−A−の組み合わせとしては、特に好ましくは、Arは、フェニル基(前記フェニル基は、フッ素原子、及びトリフルオロメチル基から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良い)であり;
Ar、p、−X−、−A−の組み合わせとしては、Arは、例えば、フェニル基、4−フルオロフェニル基、又は4−(トリフルオロメチル)フェニル基であり;
pは、1の整数であり;
−X−は、−O−、又は−NH−であり:
−A−は、前記態様[1−3]中の式(AL−1−1)、(AL−2−1)又は(AL−2−2)[各式中、両端の波線外側は含まない]であり;
例えば、Ar、p、−X−、−A−の組み合わせは、下記部分構造式[各式中、波線右側は含まない]:
に示される通りである。
[1−4−4b]前記態様[1]のアルギン酸誘導体において、Ar、p、−X−、−A−の組み合わせとしては、特に好ましくは、
Arは、フェニル基、又は2−ピリジル基(前記フェニル基、又は2−ピリジル基は、シアノ基、及びメトキシ基から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良く、フェニル基又は2−ピリジル基上に、2つのメトキシ基が隣接して置換している場合には、2つのメトキシ基の各基のメチル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより1,4−ジオキサン環を形成しても良い)であり;
Ar、p、−X−、−A−の組み合わせとしては、例えば、Arは、例えば、フェニル基、4−メトキシフェニル基、4−シアノフェニル基、2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシニル基、又は2−ピリジル基であり;
pは、1又は2の整数であり;
−X−は、−O−であり:
−A−は、前記態様[1−3]中の式(AL−1−1)、又は(AL−2−1)[各式中、両端の波線外側は含まない]であり;
例えば、Ar、p、−X−、−A−の組み合わせは、下記部分構造式[各式中、波線右側は含まない]:
に示される通りである。
[1−4−4c]前記態様[1]のアルギン酸誘導体において、Ar、p、−X−、−A−の組み合わせとしては、特に好ましくは、Arは、フェニル基、又は5−ピリジル基(前記フェニル基、又は5−ピリジル基は、シアノ基、メトキシ基、及びN−アセチルアミノ基から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良く、フェニル基、又は2−ピリジル基上に、2つのメトキシ基が隣接して置換している場合には、2つのメトキシ基の各基のメチル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより1,4−ジオキサン環を形成しても良い)であり;
Ar、p、−X−、−A−の組み合わせとしては、例えば、 Arは、4−シアノフェニル基、4−メトキシフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル基、4−(N−アセチルアミノ)フェニル基、2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシニル基、又は2−メトキシ−5−ピリジル基であり;
pは、1又は2の整数であり;
−X−は、−O−又は−NH−であり:
−A−は、前記態様[1−3]中の式(AL−2−1)、又は(AL−2−2)[各式中、両端の波線外側は含まない]であり;
例えば、Ar、p、−X−、−A−の組み合わせは、下記部分構造式[各式中、波線右側は含まない]:
に示される通りである。
[1−4−5]前記態様[1]のアルギン酸誘導体において、最も好ましくは、下記部分構造式[各式中、波線右側は含まない]:
に示される通りである。
[1a]第1aの態様は、前記態様[1]の好ましい態様であり、具体的には、アルギン酸の任意の1つ以上のカルボキシル基に、下記式(I):
[式(I)中、
Arは、C6〜10アリール基、又は複素環基(前記C6〜10アリール基、又は複素環基は、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1〜6アルキル基、ハロゲン化C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、及び−NR基(−NR基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり(但し、−NH、−NH(C1〜6アルキル基)、及び−N(C1〜6アルキル基)は除く))から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良く、前記C6〜10アリール基又は複素環基に、C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基が又は2つのC1〜6アルコキシ基が隣接して置換する場合、当該C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基の各基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、又は、当該2つのC1〜6アルコキシ基の各アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、環状エーテルを形成しても良く、又は、前記C6〜10アリール基又は複素環基に、C1〜6アルコキシ基及び−NHR基(−NHR基におけるRは、C2〜7アルカノイル基又はC1〜6アルキルスルホニル基である)が隣接して置換している場合、当該C1〜6アルコキシ基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子と当該−NHR基の水素原子が1つ除かれた窒素原子が結合することにより、3−N−(C2〜7アルカノイル)オキサゾリジン環、3−N−(C1〜6アルキルスルホニル)オキサゾリジン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)モルホリン環、4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)モルホリン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)−1,4−オキサゼパン環、又は4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)−1,4−オキサゼパン環を形成しても良い)を表わし;
pは、1、又は2の整数を表わし;
−X−は、−O−、−NH−、又は−N(C1−6アルキル)−を表わし;
−A−は、式(AL−1)〜(AL−4)[各式中、両端の波線外側は含まない]:
(式(AL−1)〜(AL−4)中、nは、1〜18の整数を表わし;mは、1〜9の整数を表わし;jは、0〜9の整数を表わし;
式(AL−1)〜(AL−4)中のメチレン基(−CH−)の水素原子は、ハロゲン原子、水酸基、C1〜6アルキル基、ヒドロキシC1〜6アルキル基、チオールC1〜6アルキル基、C1〜6アルキルチオC1〜6アルキル基、カルボキシC1〜6アルキル基、−NR基、(RN)−C1〜6アルキル基、(RN)C(=O)−C1〜6アルキル基(前記−NR基、(RN)−C1〜6アルキル基、又は(RN)C(=O)−C1〜6アルキル基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり)、グアニジノC1〜6アルキル基、C7〜16アラルキル基、ヒドロキシC6〜10アリールC1〜6アルキル基、又はヘテロアリールC1〜6アルキル基から選択される基で複数個(例えば、1〜10個、又は1〜5個)置き換えられても良く;式(AL−1)〜(AL−4)中のメチレン基(−CH−)の2つの水素原子がC1〜6アルキル基に置き換えられた場合、当該各C1〜6アルキル基の各アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することによりC3〜8シクロアルキル環を形成しても良く;式(AL−3)又は式(AL−4)中の−NH−基は、隣接する炭素原子に置換する前記置換基と共に、非芳香族複素環を形成しても良い)](但し、式(I)において、Ar=フェニル基、p=1、−A−=式(AL−1)、かつn=3の場合、当該Arのフェニル基では前記Ar環上の水素原子と置換しても良い置換基群から任意に選ばれる1〜3個の基が前記フェニル基上の水素原子と置換する)で表される光反応性基が導入された、アルギン酸誘導体である。
[1a−1]前記態様[1a]のアルギン酸誘導体において、好ましくは、Arは、C6〜10アリール基、又はヘテロアリール基(前記C6〜10アリール基、又はヘテロアリール基は、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1〜6アルキル基、ハロゲン化C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、及び−NR基(−NR基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり(但し、−NH、−NH(C1〜6アルキル基)、及び−N(C1〜6アルキル基)は除く))から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良く、前記C6〜10アリール基又はヘテロアリール基に、C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基が又は2つのC1〜6アルコキシ基が隣接して置換する場合、当該C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基の各基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、又は、当該2つのC1〜6アルコキシ基の各アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、環状エーテルを形成しても良く、又は、前記C6〜10アリール基又はヘテロアリール基に、C1〜6アルコキシ基及び−NHR基(−NHR基におけるRは、C2〜7アルカノイル基又はC1〜6アルキルスルホニル基である)が隣接して置換している場合、当該C1〜6アルコキシ基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子と当該−NHR基の水素原子が1つ除かれた窒素原子が結合することにより、3−N−(C2〜7アルカノイル)オキサゾリジン環、3−N−(C1〜6アルキルスルホニル)オキサゾリジン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)モルホリン環、4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)モルホリン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)−1,4−オキサゼパン環、又は4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)−1,4−オキサゼパン環を形成しても良い)(但し、式(I)において、Ar=フェニル基、p=1、−A−=式(AL−1)、かつn=3の場合、当該Arのフェニル基では前記Ar環上の水素原子と置換しても良い置換基群から任意に選ばれる1〜3個の基が前記フェニル基上の水素原子と置換する)であり;
より好ましくは、Arは、C6〜10アリール基、又は5〜6員ヘテロアリール基(前記C6〜10アリール基、又は5〜6員ヘテロアリール基は、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1〜6アルキル基、ハロゲン化C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、及び−NR基(−NR基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり(但し、−NH、−NH(C1〜6アルキル基)、及び−N(C1〜6アルキル基)は除く))から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良く;
前記C6〜10アリール基又は5〜6員ヘテロアリール基に、C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基が又は2つのC1〜6アルコキシ基が隣接して置換する場合、当該C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基の各基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、又は、当該2つのC1〜6アルコキシ基の各アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、環状エーテルを形成しても良く;
又は、前記C6〜10アリール基又は5〜6員ヘテロアリール基に、C1〜6アルコキシ基及び−NHR基(−NHR基におけるRは、C2〜7アルカノイル基又はC1〜6アルキルスルホニル基である)が隣接して置換している場合、当該C1〜6アルコキシ基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子と当該−NHR基の水素原子が1つ除かれた窒素原子が結合することにより、3−N−(C2〜7アルカノイル)オキサゾリジン環、3−N−(C1〜6アルキルスルホニル)オキサゾリジン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)モルホリン環、4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)モルホリン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)−1,4−オキサゼパン環、又は4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)−1,4−オキサゼパン環を形成しても良い)(但し、式(I)において、Ar=フェニル基、p=1、−A−=式(AL−1)、かつn=3の場合、当該Arのフェニル基では前記Ar環上の水素原子と置換しても良い置換基群から任意に選ばれる1〜3個の基が前記フェニル基上の水素原子と置換する)であり;
更に好ましくは、Arは、フェニル基、又はピリジル基(前記フェニル基、又はピリジル基は、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1〜6アルキル基、ハロゲン化C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、及び−NR基(−NR基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり(但し、−NH、−NH(C1〜6アルキル基)、及び−N(C1〜6アルキル基)は除く))から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良く、前記フェニル基又はピリジル基に、C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基が又は2つのC1〜6アルコキシ基が隣接して置換する場合、当該C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基の各基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、又は、当該2つのC1〜6アルコキシ基の各アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、環状エーテルを形成しても良く、又は、前記フェニル基又はピリジル基に、C1〜6アルコキシ基及び−NHR基(−NHR基におけるRは、C2〜7アルカノイル基又はC1〜6アルキルスルホニル基である)が隣接して置換している場合、当該C1〜6アルコキシ基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子と当該−NHR基の水素原子が1つ除かれた窒素原子が結合することにより、3−N−(C2〜7アルカノイル)オキサゾリジン環、3−N−(C1〜6アルキルスルホニル)オキサゾリジン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)モルホリン環、4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)モルホリン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)−1,4−オキサゼパン環、又は4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)−1,4−オキサゼパン環を形成しても良い)(但し、式(I)において、Ar=フェニル基、p=1、−A−=式(AL−1)、かつn=3の場合、当該Arのフェニル基では前記フェニル基上の水素原子と置換しても良い置換基群から任意に選ばれる1〜3個の基が前記フェニル基上の水素原子と置換する)であり;
特に好ましくは、Arは、フェニル基、又は2−ピリジル基(前記フェニル基、又は2−ピリジル基は、シアノ基、フッ素原子、トリフルオロメチル基、及びメトキシ基から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良く、フェニル基又は2−ピリジル基上に、2つのメトキシ基が隣接して置換している場合には、2つのメトキシ基の各基のメチル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより1,4−ジオキサン環を形成しても良い)(但し、式(I)において、Ar=フェニル基、p=1、−A−=式(AL−1)、かつn=3の場合、当該Arのフェニル基では前記フェニル基上の水素原子と置換しても良い置換基群から任意に選ばれる1〜3個の基が前記フェニル基上の水素原子と置換する)であり;Arは、例えば、フェニル基、4−フルオロフェニル基、4−(トリフルオロメチル)フェニル基、4−メトキシフェニル基、4−シアノフェニル基、2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシニル基、又は2−ピリジル基、等である。
[1a−1−1]前記態様[1a−1]のアルギン酸誘導体において、Arは、特に好ましくは、フェニル基、2−ピリジル基、又は5−ピリジル基(前記フェニル基、2−ピリジル基、又は5−ピリジル基は、シアノ基、フッ素原子、トリフルオロメチル基、メトキシ基、及びN−アセチルアミノ基から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良く、フェニル基、2−ピリジル基、又は5−ピリジル基上に、2つのメトキシ基が隣接して置換している場合には、2つのメトキシ基の各基のメチル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより1,4−ジオキサン環を形成しても良い)(但し、式(I)において、Ar=フェニル基、p=1、−A−=式(AL−1)、かつn=3の場合、当該Arのフェニル基では前記フェニル基上の水素原子と置換しても良い置換基群から任意に選ばれる1〜3個の基が前記フェニル基上の水素原子と置換する)であり;
Arは、例えば、フェニル基、4−フルオロフェニル基、4−(トリフルオロメチル)フェニル基、4−メトキシフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル基、4−(N−アセチルアミノ)フェニル基、4−シアノフェニル基、2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシニル基、2−ピリジル基、又は2−メトキシ−5−ピリジル基、等である。
[1a−1−2]前記態様[1a−1]のアルギン酸誘導体において、Arは、特に好ましくは、フェニル基、2−ピリジル基、又は5−ピリジル基(前記フェニル基、2−ピリジル基、又は5−ピリジル基は、シアノ基、メトキシ基、及びN−アセチルアミノ基から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良く、フェニル基、2−ピリジル基、又は5−ピリジル基上に、2つのメトキシ基が隣接して置換している場合には、2つのメトキシ基の各基のメチル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより1,4−ジオキサン環を形成しても良い)(但し、式(I)において、Ar=フェニル基、p=1、−A−=式(AL−1)、かつn=3の場合、当該Arのフェニル基では前記フェニル基上の水素原子と置換しても良い置換基群から任意に選ばれる1〜3個の基が前記フェニル基上の水素原子と置換する)であり;
Arは、例えば、フェニル基、4−メトキシフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル基、4−シアノフェニル基、4−(N−アセチルアミノ)フェニル基、2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシニル基、2−ピリジル基、又は2−メトキシ−5−ピリジル基、等である。
[1a−1a]前記態様[1a]のアルギン酸誘導体において、好ましくは、Arは、C6〜10アリール基、又はヘテロアリール基(前記C6〜10アリール基、又はヘテロアリール基は、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1〜6アルキル基、ハロゲン化C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、及び−NR基(−NR基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、又はC1〜6アルキル基から選択される基であり)から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良い(但し、−NH、−NH(C1〜6アルキル基)、及び−N(C1〜6アルキル基)は除く))(但し、式(I)において、Ar=フェニル基、p=1、−A−=式(AL−1)、かつn=3の場合、当該Arのフェニル基では前記Ar環上の水素原子と置換しても良い置換基群から任意に選ばれる1〜3個の基が前記フェニル基上の水素原子と置換する)であり;
より好ましくは、Arは、C6〜10アリール基、又は5〜6員ヘテロアリール基(前記C6〜10アリール基、又は5〜6員ヘテロアリール基は、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1〜6アルキル基、ハロゲン化C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、及び−NR基(−NR基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、又はC1〜6アルキル基から選択される基であり(但し、−NH、−NH(C1〜6アルキル基)、及び−N(C1〜6アルキル基)は除く))から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良い)(但し、式(I)において、Ar=フェニル基、p=1、−A−=式(AL−1)、かつn=3の場合、当該Arのフェニル基では前記Ar環上の水素原子と置換しても良い置換基群から任意に選ばれる1〜3個の基が前記フェニル基上の水素原子と置換する)であり;
更に好ましくは、Arは、フェニル基(前記フェニル基は、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1〜6アルキル基、ハロゲン化C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、及び−NR基(−NR基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、又はC1〜6アルキル基から選択される基であり(但し、−NH、−NH(C1〜6アルキル基)、及び−N(C1〜6アルキル基)は除く))から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良い)(但し、式(I)において、Ar=フェニル基、p=1、−A−=式(AL−1)、かつn=3の場合、当該Arのフェニル基では前記フェニル基上の水素原子と置換しても良い置換基群から任意に選ばれる1〜3個の基が前記フェニル基上の水素原子と置換する)であり;
特に好ましくは、Arは、フェニル基(前記フェニル基は、フッ素原子、及びトリフルオロメチル基から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良い)(但し、式(I)において、Ar=フェニル基、p=1、−A−=式(AL−1)、かつn=3の場合、当該Arのフェニル基では前記フェニル基上の水素原子と置換しても良い置換基群から任意に選ばれる1〜3個の基が前記フェニル基上の水素原子と置換する)であり;Arは、例えば、4−フルオロフェニル基、又は4−(トリフルオロメチル)フェニル基、等である。
[1a−1b]前記態様[1a]のアルギン酸誘導体において、好ましくは、Arは、C6〜10アリール基、又はヘテロアリール基(前記C6〜10アリール基、又はヘテロアリール基は、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1〜6アルキル基、ハロゲン化C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、及び−NR基(−NR基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり(但し、−NH、−NH(C1〜6アルキル基)、及び−N(C1〜6アルキル基)は除く))から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良く、前記C6〜10アリール基又はヘテロアリール基に、C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基が又は2つのC1〜6アルコキシ基が隣接して置換する場合、当該C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基の各基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、又は、当該2つのC1〜6アルコキシ基の各アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、環状エーテルを形成しても良く、又は、前記C6〜10アリール基又はヘテロアリール基に、C1〜6アルコキシ基及び−NHR基(−NHR基におけるRは、C2〜7アルカノイル基又はC1〜6アルキルスルホニル基である)が隣接して置換している場合、当該C1〜6アルコキシ基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子と当該−NHR基の水素原子が1つ除かれた窒素原子が結合することにより、3−N−(C2〜7アルカノイル)オキサゾリジン環、3−N−(C1〜6アルキルスルホニル)オキサゾリジン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)モルホリン環、4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)モルホリン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)−1,4−オキサゼパン環、又は4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)−1,4−オキサゼパン環を形成しても良い)(但し、式(I)において、Ar=フェニル基、p=1、−A−=式(AL−1)、かつn=3の場合、当該Arのフェニル基では前記Ar環上の水素原子と置換しても良い置換基群から任意に選ばれる1〜3個の基が前記フェニル基上の水素原子と置換する)であり;
より好ましくは、Arは、C6〜10アリール基、又は5〜6員ヘテロアリール基(前記C6〜10アリール基、又は5〜6員ヘテロアリール基は、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1〜6アルキル基、ハロゲン化C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、及び−NR基(−NR基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり(但し、−NH、−NH(C1〜6アルキル基)、及び−N(C1〜6アルキル基)は除く))から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良く、前記C6〜10アリール基又は5〜6員ヘテロアリール基に、C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基が又は2つのC1〜6アルコキシ基が隣接して置換する場合、当該C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基の各基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、又は、当該2つのC1〜6アルコキシ基の各アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、環状エーテルを形成しても良く、又は、前記C6〜10アリール基又は5〜6員ヘテロアリール基に、C1〜6アルコキシ基及び−NHR基(−NHR基におけるRは、C2〜7アルカノイル基又はC1〜6アルキルスルホニル基である)が隣接して置換している場合、当該C1〜6アルコキシ基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子と当該−NHR基の水素原子が1つ除かれた窒素原子が結合することにより、3−N−(C2〜7アルカノイル)オキサゾリジン環、3−N−(C1〜6アルキルスルホニル)オキサゾリジン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)モルホリン環、4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)モルホリン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)−1,4−オキサゼパン環、又は4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)−1,4−オキサゼパン環を形成しても良い)(但し、−NH、−NH(C1〜6アルキル基)、及び−N(C1〜6アルキル基)は除く))から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良く(但し、式(I)において、Ar=フェニル基、p=1、−A−=式(AL−1)、かつn=3の場合、当該Arのフェニル基では前記Ar環上の水素原子と置換しても良い置換基群から任意に選ばれる1〜3個の基が前記フェニル基上の水素原子と置換する)であり;
更に好ましくは、Arは、フェニル基、又はピリジル基(前記フェニル基、又はピリジル基は、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1〜6アルキル基、ハロゲン化C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、及び−NR基(−NR基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり(但し、−NH、−NH(C1〜6アルキル基)、及び−N(C1〜6アルキル基)は除く))から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良く、前記フェニル基又はピリジル基に、C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基が又は2つのC1〜6アルコキシ基が隣接して置換する場合、当該C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基の各基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、又は、当該2つのC1〜6アルコキシ基の各アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、環状エーテルを形成しても良く、又は、前記フェニル基又はピリジル基に、C1〜6アルコキシ基及び−NHR基(−NHR基におけるRは、C2〜7アルカノイル基又はC1〜6アルキルスルホニル基である)が隣接して置換している場合、当該C1〜6アルコキシ基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子と当該−NHR基の水素原子が1つ除かれた窒素原子が結合することにより、3−N−(C2〜7アルカノイル)オキサゾリジン環、3−N−(C1〜6アルキルスルホニル)オキサゾリジン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)モルホリン環、4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)モルホリン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)−1,4−オキサゼパン環、又は4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)−1,4−オキサゼパン環を形成しても良い)(但し、式(I)において、Ar=フェニル基、p=1、−A−=式(AL−1)、かつn=3の場合、当該Arのフェニル基では前記フェニル基上の水素原子と置換しても良い置換基群から任意に選ばれる1〜3個の基が前記フェニル基上の水素原子と置換する)であり;
特に好ましくは、Arは、フェニル基、又は2−ピリジル基(前記フェニル基、又は2−ピリジル基は、シアノ基、及びメトキシ基から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良く、フェニル基又は2−ピリジル基上に、2つのメトキシ基が隣接して置換している場合には、2つのメトキシ基の各基のメチル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより1,4−ジオキサン環を形成しても良い)(但し、式(I)において、Ar=フェニル基、p=1、−A−=式(AL−1)、かつn=3の場合、当該Arのフェニル基では前記フェニル基上の水素原子と置換しても良い置換基群から任意に選ばれる1〜3個の基が前記フェニル基上の水素原子と置換する)であり;Arは、例えば、フェニル基、4−メトキシフェニル基、4−シアノフェニル基、2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシニル基、又は2−ピリジル基、等である。
[1a−1c]前記態様[1a−1b]のアルギン酸誘導体において、Arは、特に好ましくは、フェニル基、又は5−ピリジル基(前記フェニル基、又は5−ピリジル基は、シアノ基、メトキシ基、及びN−アセチルアミノ基から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良く、フェニル基、又は5−ピリジル基上に、2つのメトキシ基が隣接して置換している場合には、2つのメトキシ基の各基のメチル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより1,4−ジオキサン環を形成しても良い)(但し、式(I)において、Ar=フェニル基、p=1、−A−=式(AL−1)、かつn=3の場合、当該Arのフェニル基では前記フェニル基上の水素原子と置換しても良い置換基群から任意に選ばれる1〜3個の基が前記フェニル基上の水素原子と置換する)であり;
Arは、例えば、4−シアノフェニル基、4−メトキシフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル基、4−(N−アセチルアミノ)フェニル基、2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシニル基、又は2−メトキシ−5−ピリジル基、等である。
[1a−2]前記態様[1a]のアルギン酸誘導体において、−X−は、好ましくは、−O−、又は−NH−である。
[1a−2a]前記態様[1a]のアルギン酸誘導体において、−X−は、好ましくは、−O−である。
[1a−3]前記態様[1a]のアルギン酸誘導体において、−A−の、好ましい、より好ましい、更に好ましい、及び特に好ましい基は、前記態様[1−3]の定義と同じである。
[1a−3a]前記態様[1a−3]のアルギン酸誘導体において、−A−は、特に好ましくは、式(AL−1−1)、又は(AL−2−1)[各式中、両端の波線外側は含まない]である。
[1a−3b]前記態様[1a−3]のアルギン酸誘導体において、−A−は、特に好ましくは、式(AL−2−1)、又は(AL−2−2)[各式中、両端の波線外側は含まない]である。
[1a−3−1]前記態様[1a]のアルギン酸誘導体において、−A−である式(AL−1)〜(AL−4)中の、n、m、及びjの、好ましい、より好ましい、更に好ましい、及び特に好ましい数値範囲は、前記態様[1−3−1]の定義と同じである。
[1a−3−2]前記態様[1a]のアルギン酸誘導体において、−A−に含まれる、式(AL−3)又は式(AL−4)の、好ましい態様は、前記態様[1−3−2]の定義と同じである。
[1a−3−2−1]前記態様[1a−3−2]の式(AL−3−1)又は式(AL−4−1)中の、n、m、及びjの、好ましい、より好ましい、更に好ましい、及び特に好ましい数値範囲は、前記態様[1−3−2−1]の定義と同じである。
[1a−4−1]前記態様[1a]のアルギン酸誘導体において、Ar、p、−X−、−A−の組み合わせとしては、好ましくは、
Arは、C6〜10アリール基、又はヘテロアリール基(前記C6〜10アリール基、又はヘテロアリール基は、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1〜6アルキル基、ハロゲン化C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、及び−NR基(−NR基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり(但し、−NH、−NH(C1〜6アルキル基)、及び−N(C1〜6アルキル基)は除く))から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良く、前記C6〜10アリール基又はヘテロアリール基に、C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基が又は2つのC1〜6アルコキシ基が隣接して置換する場合、当該C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基の各基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、又は、当該2つのC1〜6アルコキシ基の各アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、環状エーテルを形成しても良く、又は、前記C6〜10アリール基又はヘテロアリール基に、C1〜6アルコキシ基及び−NHR基(−NHR基におけるRは、C2〜7アルカノイル基又はC1〜6アルキルスルホニル基である)が隣接して置換している場合、当該C1〜6アルコキシ基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子と当該−NHR基の水素原子が1つ除かれた窒素原子が結合することにより、3−N−(C2〜7アルカノイル)オキサゾリジン環、3−N−(C1〜6アルキルスルホニル)オキサゾリジン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)モルホリン環、4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)モルホリン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)−1,4−オキサゼパン環、又は4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)−1,4−オキサゼパン環を形成しても良い)であり;
pは、1、又は2の整数であり;
−X−は、−O−、又は−NH−であり;
−A−は、前記態様[1a−3]中の式(AL−1)又は(AL−2)[各式中、両端の波線外側は含まない](式(AL−1)中のnは、1〜10の整数であり;式(AL−2)中のmは、1〜7の整数であり)であり;
式(AL−1)又は(AL−2)中のメチレン基(−CH−)の水素原子は、ハロゲン原子、水酸基、C1〜6アルキル基、ヒドロキシC1〜6アルキル基、チオールC1〜6アルキル基、C1〜6アルキルチオC1〜6アルキル基、カルボキシC1〜6アルキル基、−NR基、(RN)−C1〜6アルキル基、(RN)C(=O)−C1〜6アルキル基(前記−NR基、(RN)−C1〜6アルキル基、又は(RN)C(=O)−C1〜6アルキル基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり)、グアニジノC1〜6アルキル基、C7〜16アラルキル基、ヒドロキシC6〜10アリールC1〜6アルキル基、又はヘテロアリールC1〜6アルキル基から選択される基で複数個(例えば、1〜10個、又は1〜5個)置き換えられても良く;式(AL−1)又は(AL−2)中のメチレン基(−CH−)の2つの水素原子がC1〜6アルキル基に置き換えられた場合、当該各C1〜6アルキル基の各アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することによりC3〜8シクロアルキル環を形成しても良い)(但し、式(I)において、Ar=フェニル基、p=1、−A−=式(AL−1)、かつn=3の場合、当該Arのフェニル基では前記Ar環上の水素原子と置換しても良い置換基群から任意に選ばれる1〜3個の基が前記フェニル基上の水素原子と置換する)である。
[1a−4−1a]前記態様[1a]のアルギン酸誘導体において、Ar、p、−X−、−A−の組み合わせとしては、好ましくは、Arは、C6〜10アリール基、又はヘテロアリール基(前記C6〜10アリール基、又はヘテロアリール基は、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1〜6アルキル基、ハロゲン化C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、及び−NR基(−NR基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、又はC1〜6アルキル基から選択される基であり(但し、−NH、−NH(C1〜6アルキル基)、及び−N(C1〜6アルキル基)は除く))から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良い)であり;
pは、1の整数であり;
−X−は、−O−、又は−NH−であり;
−A−は、前記態様[1a−3]中の式(AL−1)又は(AL−2)[各式中、両端の波線外側は含まない](式(AL−1)中のnは、1〜10の整数であり;式(AL−2)中のmは、1〜7の整数であり;
式(AL−1)又は(AL−2)中のメチレン基(−CH−)の水素原子は、ハロゲン原子、水酸基、C1〜6アルキル基、ヒドロキシC1〜6アルキル基、チオールC1〜6アルキル基、C1〜6アルキルチオC1〜6アルキル基、カルボキシC1〜6アルキル基、−NR基、(RN)−C1〜6アルキル基、(RN)C(=O)−C1〜6アルキル基(前記−NR基、(RN)−C1〜6アルキル基、又は(RN)C(=O)−C1〜6アルキル基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり)、グアニジノC1〜6アルキル基、C7〜16アラルキル基、ヒドロキシC6〜10アリールC1〜6アルキル基、又はヘテロアリールC1〜6アルキル基から選択される基で複数個(例えば、1〜10個、又は1〜5個)置き換えられても良く;式(AL−1)又は(AL−2)中のメチレン基(−CH−)の2つの水素原子がC1〜6アルキル基に置き換えられた場合、当該各C1〜6アルキル基の各アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することによりC3〜8シクロアルキル環を形成しても良い)(但し、式(I)において、Ar=フェニル基、p=1、−A−=式(AL−1)、かつn=3の場合、当該Arのフェニル基では前記Ar環上の水素原子と置換しても良い置換基群から任意に選ばれる1〜3個の基が前記フェニル基上の水素原子と置換する)である。
[1a−4−1b]前記態様[1a]のアルギン酸誘導体において、Ar、p、−X−、−A−の組み合わせとしては、好ましくは、Arは、C6〜10アリール基、又はヘテロアリール基(前記C6〜10アリール基、又はヘテロアリール基は、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1〜6アルキル基、ハロゲン化C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、及び−NR基(−NR基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり(但し、−NH、−NH(C1〜6アルキル基)、及び−N(C1〜6アルキル基)は除く))から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良く、前記C6〜10アリール基又はヘテロアリール基に、C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基が又は2つのC1〜6アルコキシ基が隣接して置換する場合、当該C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基の各基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、又は、当該2つのC1〜6アルコキシ基の各アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、環状エーテルを形成しても良く、又は、前記C6〜10アリール基又はヘテロアリール基に、C1〜6アルコキシ基及び−NHR基(−NHR基におけるRは、C2〜7アルカノイル基又はC1〜6アルキルスルホニル基である)が隣接して置換している場合、当該C1〜6アルコキシ基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子と当該−NHR基の水素原子が1つ除かれた窒素原子が結合することにより、3−N−(C2〜7アルカノイル)オキサゾリジン環、3−N−(C1〜6アルキルスルホニル)オキサゾリジン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)モルホリン環、4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)モルホリン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)−1,4−オキサゼパン環、又は4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)−1,4−オキサゼパン環を形成しても良い)であり;
pは、1、又は2の整数であり;
−X−は、−O−であり;
−A−は、前記態様[1a−3]中の式(AL−1)又は(AL−2)[各式中、両端の波線外側は含まない](式(AL−1)中のnは、1〜10の整数であり;式(AL−2)中のmは、1〜7の整数であり;
式(AL−1)又は(AL−2)中のメチレン基(−CH−)の水素原子は、ハロゲン原子、水酸基、C1〜6アルキル基、ヒドロキシC1〜6アルキル基、チオールC1〜6アルキル基、C1〜6アルキルチオC1〜6アルキル基、カルボキシC1〜6アルキル基、−NR基、(RN)−C1〜6アルキル基、(RN)C(=O)−C1〜6アルキル基(前記−NR基、(RN)−C1〜6アルキル基、又は(RN)C(=O)−C1〜6アルキル基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり)、グアニジノC1〜6アルキル基、C7〜16アラルキル基、ヒドロキシC6〜10アリールC1〜6アルキル基、又はヘテロアリールC1〜6アルキル基から選択される基で複数個(例えば、1〜10個、又は1〜5個)置き換えられても良く;式(AL−1)又は(AL−2)中のメチレン基(−CH−)の2つの水素原子がC1〜6アルキル基に置き換えられた場合、当該各C1〜6アルキル基の各アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することによりC3〜8シクロアルキル環を形成しても良い)(但し、式(I)において、Ar=フェニル基、p=1、−A−=式(AL−1)、かつn=3の場合、当該Arのフェニル基では前記Ar環上の水素原子と置換しても良い置換基群から任意に選ばれる1〜3個の基が前記フェニル基上の水素原子と置換する)である。
[1a−4−1c]前記態様[1a]のアルギン酸誘導体において、Ar、p、−X−、−A−の組み合わせとしては、好ましくは、Arは、C6〜10アリール基、又はヘテロアリール基(前記C6〜10アリール基、又はヘテロアリール基は、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1〜6アルキル基、ハロゲン化C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、及び−NR基(−NR基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり(但し、−NH、−NH(C1〜6アルキル基)、及び−N(C1〜6アルキル基)は除く))から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良く、前記C6〜10アリール基又はヘテロアリール基に、C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基が又は2つのC1〜6アルコキシ基が隣接して置換する場合、当該C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基の各基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、又は、当該2つのC1〜6アルコキシ基の各アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、環状エーテルを形成しても良く、又は、前記C6〜10アリール基又はヘテロアリール基に、C1〜6アルコキシ基及び−NHR基(−NHR基におけるRは、C2〜7アルカノイル基又はC1〜6アルキルスルホニル基である)が隣接して置換している場合、当該C1〜6アルコキシ基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子と当該−NHR基の水素原子が1つ除かれた窒素原子が結合することにより、3−N−(C2〜7アルカノイル)オキサゾリジン環、3−N−(C1〜6アルキルスルホニル)オキサゾリジン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)モルホリン環、4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)モルホリン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)−1,4−オキサゼパン環、又は4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)−1,4−オキサゼパン環を形成しても良い)であり;
pは、1、又は2の整数であり;
−X−は、−O−又は−NH−であり;
−A−は、前記態様[1a−3]中の式(AL−1)又は(AL−2)[各式中、両端の波線外側は含まない](式(AL−1)中のnは、1〜10の整数であり;式(AL−2)中のmは、1〜7の整数であり;
式(AL−1)又は(AL−2)中のメチレン基(−CH−)の水素原子は、ハロゲン原子、水酸基、C1〜6アルキル基、ヒドロキシC1〜6アルキル基、チオールC1〜6アルキル基、C1〜6アルキルチオC1〜6アルキル基、カルボキシC1〜6アルキル基、−NR基、(RN)−C1〜6アルキル基、(RN)C(=O)−C1〜6アルキル基(前記−NR基、(RN)−C1〜6アルキル基、又は(RN)C(=O)−C1〜6アルキル基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり)、グアニジノC1〜6アルキル基、C7〜16アラルキル基、ヒドロキシC6〜10アリールC1〜6アルキル基、又はヘテロアリールC1〜6アルキル基から選択される基で複数個(例えば、1〜10個、又は1〜5個)置き換えられても良く;式(AL−1)又は(AL−2)中のメチレン基(−CH−)の2つの水素原子がC1〜6アルキル基に置き換えられた場合、当該各C1〜6アルキル基の各アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することによりC3〜8シクロアルキル環を形成しても良い)(但し、式(I)において、Ar=フェニル基、p=1、−A−=式(AL−1)、かつn=3の場合、当該Arのフェニル基では前記Ar環上の水素原子と置換しても良い置換基群から任意に選ばれる1〜3個の基が前記フェニル基上の水素原子と置換する)である。
[1a−4−2]前記態様[1a]のアルギン酸誘導体において、Ar、p、−X−、−A−の組み合わせとしては、より好ましくは、
Arは、C6〜10アリール基、又は5〜6員ヘテロアリール基(前記C6〜10アリール基、又は5〜6員ヘテロアリール基は、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1〜6アルキル基、ハロゲン化C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、及び−NR基(−NR基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり(但し、−NH、−NH(C1〜6アルキル基)、及び−N(C1〜6アルキル基)は除く))から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良く、前記C6〜10アリール基又は5〜6員ヘテロアリール基に、C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基が又は2つのC1〜6アルコキシ基が隣接して置換する場合、当該C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基の各基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、又は、当該2つのC1〜6アルコキシ基の各アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、環状エーテルを形成しても良く、又は、前記C6〜10アリール基又は5〜6員ヘテロアリール基に、C1〜6アルコキシ基及び−NHR基(−NHR基におけるRは、C2〜7アルカノイル基又はC1〜6アルキルスルホニル基である)が隣接して置換している場合、当該C1〜6アルコキシ基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子と当該−NHR基の水素原子が1つ除かれた窒素原子が結合することにより、3−N−(C2〜7アルカノイル)オキサゾリジン環、3−N−(C1〜6アルキルスルホニル)オキサゾリジン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)モルホリン環、4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)モルホリン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)−1,4−オキサゼパン環、又は4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)−1,4−オキサゼパン環を形成しても良い)であり;
pは、1又は2の整数であり;
−X−は、−O−、又は−NH−であり;
−A−は、前記態様[1a−3]中の式(AL−1)又は(AL−2)[各式中、両端の波線外側は含まない](式(AL−1)中のnは、1〜8の整数であり;式(AL−2)中のmは、1〜5の整数であり)であり;
式(AL−1)又は(AL−2)中のメチレン基(−CH−)の水素原子は、ハロゲン原子、水酸基、C1〜6アルキル基、ヒドロキシC1〜6アルキル基、−NR基(−NR基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり)、C7〜16アラルキル基、又はヘテロアリールC1〜6アルキル基から選択される基で複数個(例えば、1〜10個、又は1〜5個)置き換えられても良く;式(AL−1)又は(AL−2)中のメチレン基(−CH−)の2つの水素原子がC1〜6アルキル基に置き換えられる場合、当該各C1〜6アルキル基の各アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することによりC3〜8シクロアルキル環を形成しても良い)(但し、式(I)において、Ar=フェニル基、p=1、−A−=式(AL−1)、かつn=3の場合、当該Arのフェニル基では前記Ar環上の水素原子と置換しても良い置換基群から任意に選ばれる1〜3個の基が前記フェニル基上の水素原子と置換する)である。
[1a−4−2a]前記態様[1a]のアルギン酸誘導体において、Ar、p、−X−、−A−の組み合わせとしては、より好ましくは、
Arは、C6〜10アリール基、又は5〜6員ヘテロアリール基(前記C6〜10アリール基、又は5〜6員ヘテロアリール基は、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1〜6アルキル基、ハロゲン化C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、及び−NR基(−NR基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、又はC1〜6アルキル基から選択される基であり(但し、−NH、−NH(C1〜6アルキル基)、及び−N(C1〜6アルキル基)は除く))から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良い)であり;
pは、1の整数であり;
−X−は、−O−、又は−NH−であり;
−A−は、前記態様[1a−3]中の式(AL−1)又は(AL−2)[各式中、両端の波線外側は含まない](式(AL−1)中のnは、1〜8の整数であり;式(AL−2)中のmは、1〜5の整数であり;
式(AL−1)又は(AL−2)中のメチレン基(−CH−)の水素原子は、ハロゲン原子、水酸基、C1〜6アルキル基、ヒドロキシC1〜6アルキル基、−NR基(−NR基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり)、C7〜16アラルキル基、又はヘテロアリールC1〜6アルキル基から選択される基で複数個(例えば、1〜10個、又は1〜5個)置き換えられても良く;式(AL−1)又は(AL−2)中のメチレン基(−CH−)の2つの水素原子がC1〜6アルキル基に置き換えられる場合、当該各C1〜6アルキル基の各アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することによりC3〜8シクロアルキル環を形成しても良い)(但し、式(I)において、Ar=フェニル基、p=1、−A−=式(AL−1)、かつn=3の場合、当該Arのフェニル基では前記Ar環上の水素原子と置換しても良い置換基群から任意に選ばれる1〜3個の基が前記フェニル基上の水素原子と置換する)である。
[1a−4−2b]前記態様[1a]のアルギン酸誘導体において、Ar、p、−X−、−A−の組み合わせとしては、より好ましくは、
Arは、C6〜10アリール基、又は5〜6員ヘテロアリール基(前記C6〜10アリール基、又は5〜6員ヘテロアリール基は、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1〜6アルキル基、ハロゲン化C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、及び−NR基(−NR基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり(但し、−NH、−NH(C1〜6アルキル基)、及び−N(C1〜6アルキル基)は除く))から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良く、前記C6〜10アリール基又は5〜6員ヘテロアリール基に、C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基が又は2つのC1〜6アルコキシ基が隣接して置換する場合、当該C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基の各基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、又は、当該2つのC1〜6アルコキシ基の各アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、環状エーテルを形成しても良く、又は、前記C6〜10アリール基又は5〜6員ヘテロアリール基に、C1〜6アルコキシ基及び−NHR基(−NHR基におけるRは、C2〜7アルカノイル基又はC1〜6アルキルスルホニル基である)が隣接して置換している場合、当該C1〜6アルコキシ基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子と当該−NHR基の水素原子が1つ除かれた窒素原子が結合することにより、3−N−(C2〜7アルカノイル)オキサゾリジン環、3−N−(C1〜6アルキルスルホニル)オキサゾリジン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)モルホリン環、4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)モルホリン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)−1,4−オキサゼパン環、又は4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)−1,4−オキサゼパン環を形成しても良い)であり;
pは、1又は2の整数であり;
−X−は、−O−であり;
−A−は、前記態様[1a−3]中の式(AL−1)又は(AL−2)[各式中、両端の波線外側は含まない](式(AL−1)中のnは、1〜8の整数であり;式(AL−2)中のmは、1〜5の整数であり;
式(AL−1)又は(AL−2)中のメチレン基(−CH−)の水素原子は、ハロゲン原子、水酸基、C1〜6アルキル基、ヒドロキシC1〜6アルキル基、−NR基(−NR基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり)、C7〜16アラルキル基、又はヘテロアリールC1〜6アルキル基から選択される基で複数個(例えば、1〜10個、又は1〜5個)置き換えられても良く;式(AL−1)又は(AL−2)中のメチレン基(−CH−)の2つの水素原子がC1〜6アルキル基に置き換えられる場合、当該各C1〜6アルキル基の各アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することによりC3〜8シクロアルキル環を形成しても良い)(但し、式(I)において、Ar=フェニル基、p=1、−A−=式(AL−1)、かつn=3の場合、当該Arのフェニル基では前記Ar環上の水素原子と置換しても良い置換基群から任意に選ばれる1〜3個の基が前記フェニル基上の水素原子と置換する)である。
[1a−4−2c]前記態様[1a]のアルギン酸誘導体において、Ar、p、−X−、−A−の組み合わせとしては、より好ましくは、
Arは、C6〜10アリール基、又は5〜6員ヘテロアリール基(前記C6〜10アリール基、又は5〜6員ヘテロアリール基は、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1〜6アルキル基、ハロゲン化C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、及び−NR基(−NR基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり(但し、−NH、−NH(C1〜6アルキル基)、及び−N(C1〜6アルキル基)は除く))から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良く、前記C6〜10アリール基又は5〜6員ヘテロアリール基に、C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基が又は2つのC1〜6アルコキシ基が隣接して置換する場合、当該C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基の各基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、又は、当該2つのC1〜6アルコキシ基の各アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、環状エーテルを形成しても良く、又は、前記C6〜10アリール基又は5〜6員ヘテロアリール基に、C1〜6アルコキシ基及び−NHR基(−NHR基におけるRは、C2〜7アルカノイル基又はC1〜6アルキルスルホニル基である)が隣接して置換している場合、当該C1〜6アルコキシ基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子と当該−NHR基の水素原子が1つ除かれた窒素原子が結合することにより、3−N−(C2〜7アルカノイル)オキサゾリジン環、3−N−(C1〜6アルキルスルホニル)オキサゾリジン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)モルホリン環、4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)モルホリン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)−1,4−オキサゼパン環、又は4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)−1,4−オキサゼパン環を形成しても良い)であり;
pは、1又は2の整数であり;
−X−は、−O−又は−NH−であり;
−A−は、前記態様[1a−3]中の式(AL−1)又は(AL−2)[各式中、両端の波線外側は含まない](式(AL−1)中のnは、1〜8の整数であり;式(AL−2)中のmは、1〜5の整数であり;
式(AL−1)又は(AL−2)中のメチレン基(−CH−)の水素原子は、ハロゲン原子、水酸基、C1〜6アルキル基、ヒドロキシC1〜6アルキル基、−NR基(−NR基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり)、C7〜16アラルキル基、又はヘテロアリールC1〜6アルキル基から選択される基で複数個(例えば、1〜10個、又は1〜5個)置き換えられても良く;式(AL−1)又は(AL−2)中のメチレン基(−CH−)の2つの水素原子がC1〜6アルキル基に置き換えられる場合、当該各C1〜6アルキル基の各アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することによりC3〜8シクロアルキル環を形成しても良い)(但し、式(I)において、Ar=フェニル基、p=1、−A−=式(AL−1)、かつn=3の場合、当該Arのフェニル基では前記Ar環上の水素原子と置換しても良い置換基群から任意に選ばれる1〜3個の基が前記フェニル基上の水素原子と置換する)である。
[1a−4−3]前記態様[1a]のアルギン酸誘導体において、Ar、p、−X−、−A−の組み合わせとしては、更に好ましくは、
Arは、フェニル基、又はピリジル基(前記フェニル基、又はピリジル基は、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1〜6アルキル基、ハロゲン化C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、及び−NR基(−NR基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり(但し、−NH、−NH(C1〜6アルキル基)、及び−N(C1〜6アルキル基)は除く))から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良く、前記フェニル基又はピリジル基に、C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基が又は2つのC1〜6アルコキシ基が隣接して置換する場合、当該C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基の各基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、又は、当該2つのC1〜6アルコキシ基の各アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、環状エーテルを形成しても良く、又は、前記フェニル基又はピリジル基に、C1〜6アルコキシ基及び−NHR基(−NHR基におけるRは、C2〜7アルカノイル基又はC1〜6アルキルスルホニル基である)が隣接して置換している場合、当該C1〜6アルコキシ基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子と当該−NHR基の水素原子が1つ除かれた窒素原子が結合することにより、3−N−(C2〜7アルカノイル)オキサゾリジン環、3−N−(C1〜6アルキルスルホニル)オキサゾリジン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)モルホリン環、4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)モルホリン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)−1,4−オキサゼパン環、又は4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)−1,4−オキサゼパン環を形成しても良い)であり;
pは、1又は2の整数であり;
−X−は、−O−、又は−NH−であり:
−A−は、前記態様[1a−3]中の式(AL−1)又は(AL−2)[各式中、両端の波線外側は含まない](式(AL−1)中のnは、2〜6の整数であり;式(AL−2)中のmは、1〜3の整数である)(但し、式(I)において、Ar=フェニル基、p=1、−A−=式(AL−1)、かつn=3の場合、当該Arのフェニル基では前記フェニル基上の水素原子と置換しても良い置換基群から任意に選ばれる1〜3個の基が前記フェニル基上の水素原子と置換する)である。
[1a−4−3a]前記態様[1a]のアルギン酸誘導体において、Ar、p、−X−、−A−の組み合わせとしては、更に好ましくは、Arは、フェニル基(前記フェニル基は、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1〜6アルキル基、ハロゲン化C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、及び−NR基(−NR基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、又はC1〜6アルキル基から選択される基であり(但し、−NH、−NH(C1〜6アルキル基)、及び−N(C1〜6アルキル基)は除く))から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良い)であり;
pは、1の整数であり;
−X−は、−O−、又は−NH−であり:
−A−は、前記態様[1a−3]中の式(AL−1)又は(AL−2)[各式中、両端の波線外側は含まない](式(AL−1)中のnは、2〜6の整数であり;式(AL−2)中のmは、1〜3の整数である)(但し、式(I)において、Ar=フェニル基、p=1、−A−=式(AL−1)、かつn=3の場合、当該Arのフェニル基では前記フェニル基上の水素原子と置換しても良い置換基群から任意に選ばれる1〜3個の基が前記フェニル基上の水素原子と置換する)である。
[1a−4−3b]前記態様[1a]のアルギン酸誘導体において、Ar、p、−X−、−A−の組み合わせとしては、更に好ましくは、
Arは、フェニル基、又はピリジル基(前記フェニル基、又はピリジル基は、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1〜6アルキル基、ハロゲン化C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、及び−NR基(−NR基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり(但し、−NH、−NH(C1〜6アルキル基)、及び−N(C1〜6アルキル基)は除く))から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良く、前記フェニル基又はピリジル基に、C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基が又は2つのC1〜6アルコキシ基が隣接して置換する場合、当該C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基の各基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、又は、当該2つのC1〜6アルコキシ基の各アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、環状エーテルを形成しても良く、又は、前記フェニル基又はピリジル基に、C1〜6アルコキシ基及び−NHR基(−NHR基におけるRは、C2〜7アルカノイル基又はC1〜6アルキルスルホニル基である)が隣接して置換している場合、当該C1〜6アルコキシ基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子と当該−NHR基の水素原子が1つ除かれた窒素原子が結合することにより、3−N−(C2〜7アルカノイル)オキサゾリジン環、3−N−(C1〜6アルキルスルホニル)オキサゾリジン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)モルホリン環、4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)モルホリン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)−1,4−オキサゼパン環、又は4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)−1,4−オキサゼパン環を形成しても良い)であり;
pは、1又は2の整数であり;
−X−は、−O−であり:
−A−は、前記態様[1a−3]中の式(AL−1)又は(AL−2)[各式中、両端の波線外側は含まない](式(AL−1)中のnは、2〜6の整数であり;式(AL−2)中のmは、1〜3の整数である)(但し、式(I)において、Ar=フェニル基、p=1、−A−=式(AL−1)、かつn=3の場合、当該Arのフェニル基では前記フェニル基上の水素原子と置換しても良い置換基群から任意に選ばれる1〜3個の基が前記フェニル基上の水素原子と置換する)である。
[1a−4−3c]前記態様[1a]のアルギン酸誘導体において、Ar、p、−X−、−A−の組み合わせとしては、更に好ましくは、
Arは、フェニル基、又はピリジル基(前記フェニル基、又はピリジル基は、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1〜6アルキル基、ハロゲン化C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、及び−NR基(−NR基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり(但し、−NH、−NH(C1〜6アルキル基)、及び−N(C1〜6アルキル基)は除く))から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良く、前記フェニル基又はピリジル基に、C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基が又は2つのC1〜6アルコキシ基が隣接して置換する場合、当該C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基の各基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、又は、当該2つのC1〜6アルコキシ基の各アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、環状エーテルを形成しても良く、又は、前記フェニル基又はピリジル基に、C1〜6アルコキシ基及び−NHR基(−NHR基におけるRは、C2〜7アルカノイル基又はC1〜6アルキルスルホニル基である)が隣接して置換している場合、当該C1〜6アルコキシ基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子と当該−NHR基の水素原子が1つ除かれた窒素原子が結合することにより、3−N−(C2〜7アルカノイル)オキサゾリジン環、3−N−(C1〜6アルキルスルホニル)オキサゾリジン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)モルホリン環、4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)モルホリン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)−1,4−オキサゼパン環、又は4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)−1,4−オキサゼパン環を形成しても良い)であり;
pは、1又は2の整数であり;
−X−は、−O−又は−NH−であり:
−A−は、前記態様[1a−3]中の式(AL−1)又は(AL−2)[各式中、両端の波線外側は含まない](式(AL−1)中のnは、2〜6の整数であり;式(AL−2)中のmは、1〜3の整数である)(但し、式(I)において、Ar=フェニル基、p=1、−A−=式(AL−1)、かつn=3の場合、当該Arのフェニル基では前記フェニル基上の水素原子と置換しても良い置換基群から任意に選ばれる1〜3個の基が前記フェニル基上の水素原子と置換する)である。
[1a−4−4]前記態様[1a]のアルギン酸誘導体において、Ar、p、−X−、−A−の組み合わせとしては、特に好ましくは、
Arは、フェニル基、又は2−ピリジル基(前記フェニル基、又は2−ピリジル基は、シアノ基、フッ素原子、トリフルオロメチル基、及びメトキシ基から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良く、フェニル基又は2−ピリジル基上に、2つのメトキシ基が隣接して置換している場合には、2つのメトキシ基の各基のメチル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより1,4−ジオキサン環を形成しても良い)(但し、式(I)において、Ar=フェニル基、p=1、−A−=式(AL−1)、かつn=3の場合、当該Arのフェニル基では前記フェニル基上の水素原子と置換しても良い置換基群から任意に選ばれる1〜3個の基が前記フェニル基上の水素原子と置換する)であり;
Ar、p、−X−、−A−の組み合わせとしては、例えば、
Arは、フェニル基、4−フルオロフェニル基、4−(トリフルオロメチル)フェニル基、4−メトキシフェニル基、4−シアノフェニル基、2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシニル基、又は2−ピリジル基であり;
pは、1又は2の整数であり;
−X−は、−O−、又は−NH−であり:
−A−は、前記態様[1a−3]中の式(AL−1−1)、(AL−2−1)又は(AL−2−2)[各式中、両端の波線外側は含まない]であり;
例えば、Ar、p、−X−、−A−の組み合わせは、下記部分構造式[各式中、波線右側は含まない]:
に示される通りである。
[1a−4−4−1]前記態様[1a]のアルギン酸誘導体において、Ar、p、−X−、−A−の組み合わせとしては、特に好ましくは、
Arは、フェニル基、2−ピリジル基、又は5−ピリジル基(前記フェニル基、2−ピリジル基、又は5−ピリジル基は、シアノ基、フッ素原子、トリフルオロメチル基、メトキシ基、及びN−アセチルアミノ基から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良く、フェニル基、2−ピリジル基、又は5−ピリジル基上に、2つのメトキシ基が隣接して置換している場合には、2つのメトキシ基の各基のメチル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより1,4−ジオキサン環を形成しても良い)(但し、式(I)において、Ar=フェニル基、p=1、−A−=式(AL−1)、かつn=3の場合、当該Arのフェニル基では前記フェニル基上の水素原子と置換しても良い置換基群から任意に選ばれる1〜3個の基が前記フェニル基上の水素原子と置換する)であり;
Ar、p、−X−、−A−の組み合わせとしては、例えば、Arは、フェニル基、4−フルオロフェニル基、4−(トリフルオロメチル)フェニル基、4−メトキシフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル基、4−(N−アセチルアミノ)フェニル基、4−シアノフェニル基、2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシニル基、2−ピリジル基、又は2−メトキシ−5−ピリジル基であり;
pは、1又は2の整数であり;
−X−は、−O−、又は−NH−であり:
−A−は、前記態様[1a−3]中の式(AL−1−1)、(AL−2−1)又は(AL−2−2)[各式中、両端の波線外側は含まない]であり;
例えば、Ar、p、−X−、−A−の組み合わせは、下記部分構造式[各式中、波線右側は含まない]:
に示される通りである。
[1a−4−4−2]前記態様[1a]のアルギン酸誘導体において、Ar、p、−X−、−A−の組み合わせとしては、特に好ましくは、
Arは、フェニル基、2−ピリジル基、又は5−ピリジル基(前記フェニル基、2−ピリジル基、又は5−ピリジル基は、シアノ基、メトキシ基、及びN−アセチルアミノ基から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良く、フェニル基、2−ピリジル基、又は5−ピリジル基上に、2つのメトキシ基が隣接して置換している場合には、2つのメトキシ基の各基のメチル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより1,4−ジオキサン環を形成しても良い)(但し、式(I)において、Ar=フェニル基、p=1、−A−=式(AL−1)、かつn=3の場合、当該Arのフェニル基では前記フェニル基上の水素原子と置換しても良い置換基群から任意に選ばれる1〜3個の基が前記フェニル基上の水素原子と置換する)であり;
Ar、p、−X−、−A−の組み合わせとしては、例えば、Arは、フェニル基、4−メトキシフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル基、4−(N−アセチルアミノ)フェニル基、4−シアノフェニル基、2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシニル基、2−ピリジル基、又は2−メトキシ−5−ピリジル基であり;
pは、1又は2の整数であり;
−X−は、−O−、又は−NH−であり:
−A−は、前記態様[1a−3]中の式(AL−1−1)、(AL−2−1)又は(AL−2−2)[各式中、両端の波線外側は含まない]であり;
例えば、Ar、p、−X−、−A−の組み合わせは、下記部分構造式[各式中、波線右側は含まない]:
に示される通りである。
[1a−4−4a]前記態様[1a]のアルギン酸誘導体において、Ar、p、−X−、−A−の組み合わせとしては、特に好ましくは、Arは、フェニル基(前記フェニル基は、フッ素原子、及びトリフルオロメチル基から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良い)(但し、式(I)において、Ar=フェニル基、p=1、−A−=式(AL−1)、かつn=3の場合、当該Arのフェニル基では前記フェニル基上の水素原子と置換しても良い置換基群から任意に選ばれる1〜3個の基が前記フェニル基上の水素原子と置換する)であり;
Ar、p、−X−、−A−の組み合わせとしては、Arは、例えば、フェニル基、4−フルオロフェニル基、又は4−(トリフルオロメチル)フェニル基であり;
pは、1の整数であり;
−X−は、−O−、又は−NH−であり:
−A−は、前記態様[1−3]中の式(AL−1−1)、(AL−2−1)又は(AL−2−2)[各式中、両端の波線外側は含まない]であり;
例えば、Ar、p、−X−、−A−の組み合わせは、下記部分構造式[各式中、波線右側は含まない]:
に示される通りである。
[1a−4−4b]前記態様[1a]のアルギン酸誘導体において、Ar、p、−X−、−A−の組み合わせとしては、特に好ましくは、
Arは、フェニル基、又は2−ピリジル基(前記フェニル基、又は2−ピリジル基は、シアノ基、及びメトキシ基から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良く、フェニル基又は2−ピリジル基上に、2つのメトキシ基が隣接して置換している場合には、2つのメトキシ基の各基のメチル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより1,4−ジオキサン環を形成しても良い)(但し、式(I)において、Ar=フェニル基、p=1、−A−=式(AL−1)、かつn=3の場合、当該Arのフェニル基では前記フェニル基上の水素原子と置換しても良い置換基群から任意に選ばれる1〜3個の基が前記フェニル基上の水素原子と置換する)であり;
Ar、p、−X−、−A−の組み合わせとしては、例えば、Arは、例えば、フェニル基、4−メトキシフェニル基、4−シアノフェニル基、2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシニル基、又は2−ピリジル基であり;
pは、1又は2の整数であり;
−X−は、−O−であり:
−A−は、前記態様[1−3]中の式(AL−1−1)、又は(AL−2−1)[各式中、両端の波線外側は含まない]であり;
例えば、Ar、p、−X−、−A−の組み合わせは、下記部分構造式[各式中、波線右側は含まない]:
に示される通りである。
[1a−4−4c]前記態様[1a]のアルギン酸誘導体において、Ar、p、−X−、−A−の組み合わせとしては、特に好ましくは、Arは、フェニル基、又は5−ピリジル基(前記フェニル基、又は5−ピリジル基は、シアノ基、メトキシ基、及びN−アセチルアミノ基から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良く、フェニル基、又は5−ピリジル基上に、2つのメトキシ基が隣接して置換している場合には、2つのメトキシ基の各基のメチル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより1,4−ジオキサン環を形成しても良い)(但し、式(I)において、Ar=フェニル基、p=1、−A−=式(AL−1)、かつn=3の場合、当該Arのフェニル基では前記フェニル基上の水素原子と置換しても良い置換基群から任意に選ばれる1〜3個の基が前記フェニル基上の水素原子と置換する)であり;
Ar、p、−X−、−A−の組み合わせとしては、例えば、 Arは、4−シアノフェニル基、4−メトキシフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル基、4−(N−アセチルアミノ)フェニル基、2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシニル基、又は2−メトキシ−5−ピリジル基であり;
pは、1又は2の整数であり;
−X−は、−O−又は−NH−であり:
−A−は、前記態様[1a−3]中の式(AL−2−1)、又は(AL−2−2)[各式中、両端の波線外側は含まない]であり;
例えば、Ar、p、−X−、−A−の組み合わせは、下記部分構造式[各式中、波線右側は含まない]:
に示される通りである。
[1a−4−5]前記態様[1a]のアルギン酸誘導体において、最も好ましくは、下記部分構造式[各式中、波線右側は含まない]:
に示される通りである。
[1b]第1bの態様は、前記態様[1]の好ましい態様であり、具体的には、アルギン酸の任意の1つ以上のカルボキシル基に、下記式(I):
[式(I)中、
Arは、C6〜10アリール基(前記C6〜10アリール基は、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1〜6アルキル基、ハロゲン化C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、及び−NR基(−NR基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり(但し、−NH、−NH(C1〜6アルキル基)、及び−N(C1〜6アルキル基)は除く))から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良く、前記C6〜10アリール基に、C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基が又は2つのC1〜6アルコキシ基が隣接して置換する場合、当該C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基の各基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、又は、当該2つのC1〜6アルコキシ基の各アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、環状エーテルを形成しても良く、又は、前記C6〜10アリール基に、C1〜6アルコキシ基及び−NHR基(−NHR基におけるRは、C2〜7アルカノイル基又はC1〜6アルキルスルホニル基である)が隣接して置換している場合、当該C1〜6アルコキシ基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子と当該−NHR基の水素原子が1つ除かれた窒素原子が結合することにより、3−N−(C2〜7アルカノイル)オキサゾリジン環、3−N−(C1〜6アルキルスルホニル)オキサゾリジン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)モルホリン環、4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)モルホリン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)−1,4−オキサゼパン環、又は4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)−1,4−オキサゼパン環を形成しても良い)を表わし;
pは、1、又は2の整数を表わし;
−X−は、−O−を表わし;
−A−は、式(AL−1)〜(AL−4)[各式中、両端の波線外側は含まない]:
(式(AL−1)〜(AL−4)中、nは、1〜18の整数を表わし;mは、1〜9の整数を表わし;jは、0〜9の整数を表わし;
式(AL−1)〜(AL−4)中のメチレン基(−CH−)の水素原子は、ハロゲン原子、水酸基、C1〜6アルキル基、ヒドロキシC1〜6アルキル基、チオールC1〜6アルキル基、C1〜6アルキルチオC1〜6アルキル基、カルボキシC1〜6アルキル基、−NR基、(RN)−C1〜6アルキル基、(RN)C(=O)−C1〜6アルキル基(前記−NR基、(RN)−C1〜6アルキル基、又は(RN)C(=O)−C1〜6アルキル基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり)、グアニジノC1〜6アルキル基、C7〜16アラルキル基、ヒドロキシC6〜10アリールC1〜6アルキル基、又はヘテロアリールC1〜6アルキル基から選択される基で複数個(例えば、1〜10個、又は1〜5個)置き換えられても良く;式(AL−1)〜(AL−4)中のメチレン基(−CH−)の2つの水素原子がC1〜6アルキル基に置き換えられた場合、当該各C1〜6アルキル基の各アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することによりC3〜8シクロアルキル環を形成しても良く;式(AL−3)又は式(AL−4)中の−NH−基は、隣接する炭素原子に置換する前記置換基と共に、非芳香族複素環を形成しても良い)](但し、式(I)において、Ar=フェニル基、p=1、−A−=式(AL−1)、かつn=3の場合、当該Arのフェニル基では前記Ar環上の水素原子と置換しても良い置換基群から任意に選ばれる1〜3個の基が前記フェニル基上の水素原子と置換する)で表される光反応性基が導入された、アルギン酸誘導体である。
[1b−1]前記態様[1b]のアルギン酸誘導体において、好ましくは、Arは、フェニル基(前記フェニル基は、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1〜6アルキル基、ハロゲン化C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、及び−NR基(−NR基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり(但し、−NH、−NH(C1〜6アルキル基)、及び−N(C1〜6アルキル基)は除く))から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良く、前記フェニル基に、C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基が又は2つのC1〜6アルコキシ基が隣接して置換する場合、当該C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基の各基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、又は、当該2つのC1〜6アルコキシ基の各アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、環状エーテルを形成しても良く、又は、前記フェニル基に、C1〜6アルコキシ基及び−NHR基(−NHR基におけるRは、C2〜7アルカノイル基又はC1〜6アルキルスルホニル基である)が隣接して置換している場合、当該C1〜6アルコキシ基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子と当該−NHR基の水素原子が1つ除かれた窒素原子が結合することにより、3−N−(C2〜7アルカノイル)オキサゾリジン環、3−N−(C1〜6アルキルスルホニル)オキサゾリジン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)モルホリン環、4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)モルホリン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)−1,4−オキサゼパン環、又は4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)−1,4−オキサゼパン環を形成しても良い)(但し、式(I)において、Ar=フェニル基、p=1、−A−=式(AL−1)、かつn=3の場合、当該Arのフェニル基では前記フェニル基上の水素原子と置換しても良い置換基群から任意に選ばれる1〜3個の基が前記フェニル基上の水素原子と置換する)であり;
より好ましくは、Arは、フェニル基(前記フェニル基は、シアノ基、フッ素原子、トリフルオロメチル基、及びメトキシ基から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良く、フェニル基上に、2つのメトキシ基が隣接して置換している場合には、2つのメトキシ基の各基のメチル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより1,4−ジオキサン環を形成しても良い)(但し、式(I)において、Ar=フェニル基、p=1、−A−=式(AL−1)、かつn=3の場合、当該Arのフェニル基では前記フェニル基上の水素原子と置換しても良い置換基群から任意に選ばれる1〜3個の基が前記フェニル基上の水素原子と置換する)であり;Arは、例えば、フェニル基、4−フルオロフェニル基、4−(トリフルオロメチル)フェニル基、4−メトキシフェニル基、4−シアノフェニル基、又は2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシニル基、等である。
[1b−1−1]前記態様[1b−1]のアルギン酸誘導体において、Arは、より好ましくは、フェニル基(前記フェニル基は、シアノ基、フッ素原子、トリフルオロメチル基、メトキシ基、及びN−アセチルアミノ基から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良く、フェニル基上に、2つのメトキシ基が隣接して置換している場合には、2つのメトキシ基の各基のメチル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより1,4−ジオキサン環を形成しても良い)(但し、式(I)において、Ar=フェニル基、p=1、−A−=式(AL−1)、かつn=3の場合、当該Arのフェニル基では前記フェニル基上の水素原子と置換しても良い置換基群から任意に選ばれる1〜3個の基が前記フェニル基上の水素原子と置換する)であり;
Arは、例えば、フェニル基、4−フルオロフェニル基、4−(トリフルオロメチル)フェニル基、4−メトキシフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル基、4−(N−アセチルアミノ)フェニル基、4−シアノフェニル基、又は2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシニル基、等である。
[1b−1−2]前記態様[1b−1]のアルギン酸誘導体において、Arは、より好ましくは、フェニル基(前記フェニル基は、シアノ基、メトキシ基、及びN−アセチルアミノ基から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良く、フェニル基上に、2つのメトキシ基が隣接して置換している場合には、2つのメトキシ基の各基のメチル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより1,4−ジオキサン環を形成しても良い)(但し、式(I)において、Ar=フェニル基、p=1、−A−=式(AL−1)、かつn=3の場合、当該Arのフェニル基では前記フェニル基上の水素原子と置換しても良い置換基群から任意に選ばれる1〜3個の基が前記フェニル基上の水素原子と置換する)であり;
Arは、例えば、フェニル基、4−メトキシフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル基、4−シアノフェニル基、4−(N−アセチルアミノ)フェニル基、又は、2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシニル基、等である。
[1b−1a]前記態様[1b]のアルギン酸誘導体において、好ましくは、Arは、C6〜10アリール基(前記C6〜10アリール基は、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1〜6アルキル基、ハロゲン化C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、及び−NR基(−NR基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、又はC1〜6アルキル基から選択される基であり(但し、−NH、−NH(C1〜6アルキル基)、及び−N(C1〜6アルキル基)は除く))から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良い)(但し、式(I)において、Ar=フェニル基、p=1、−A−=式(AL−1)、かつn=3の場合、当該Arのフェニル基では前記Ar環上の水素原子と置換しても良い置換基群から任意に選ばれる1〜3個の基が前記フェニル基上の水素原子と置換する)であり;
より好ましくは、Arは、フェニル基(前記フェニル基は、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1〜6アルキル基、ハロゲン化C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、及び−NR基(−NR基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、又はC1〜6アルキル基から選択される基であり(但し、−NH、−NH(C1〜6アルキル基)、及び−N(C1〜6アルキル基)は除く))から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良い)(但し、式(I)において、Ar=フェニル基、p=1、−A−=式(AL−1)、かつn=3の場合、当該Arのフェニル基では前記フェニル基上の水素原子と置換しても良い置換基群から任意に選ばれる1〜3個の基が前記フェニル基上の水素原子と置換する)であり;
更に好ましくは、Arは、フェニル基(前記フェニル基は、フッ素原子、及びトリフルオロメチル基から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良い)(但し、式(I)において、Ar=フェニル基、p=1、−A−=式(AL−1)、かつn=3の場合、当該Arのフェニル基では前記フェニル基上の水素原子と置換しても良い置換基群から任意に選ばれる1〜3個の基が前記フェニル基上の水素原子と置換する)であり;Arは、例えば、4−フルオロフェニル基、又は4−(トリフルオロメチル)フェニル基、等である。
[1b−1b]前記態様[1b]のアルギン酸誘導体において、好ましくは、Arは、C6〜10アリール基(前記C6〜10アリール基は、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1〜6アルキル基、ハロゲン化C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、及び−NR基(−NR基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり(但し、−NH、−NH(C1〜6アルキル基)、及び−N(C1〜6アルキル基)は除く))から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良く、前記C6〜10アリール基に、C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基が又は2つのC1〜6アルコキシ基が隣接して置換する場合、当該C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基の各基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、又は、当該2つのC1〜6アルコキシ基の各アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、環状エーテルを形成しても良く、又は、前記C6〜10アリール基に、C1〜6アルコキシ基及び−NHR基(−NHR基におけるRは、C2〜7アルカノイル基又はC1〜6アルキルスルホニル基である)が隣接して置換している場合、当該C1〜6アルコキシ基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子と当該−NHR基の水素原子が1つ除かれた窒素原子が結合することにより、3−N−(C2〜7アルカノイル)オキサゾリジン環、3−N−(C1〜6アルキルスルホニル)オキサゾリジン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)モルホリン環、4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)モルホリン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)−1,4−オキサゼパン環、又は4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)−1,4−オキサゼパン環を形成しても良い)(但し、式(I)において、Ar=フェニル基、p=1、−A−=式(AL−1)、かつn=3の場合、当該Arのフェニル基では前記Ar環上の水素原子と置換しても良い置換基群から任意に選ばれる1〜3個の基が前記フェニル基上の水素原子と置換する)であり;
より好ましくは、Arは、フェニル基(前記フェニル基は、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1〜6アルキル基、ハロゲン化C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、及び−NR基(−NR基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり(但し、−NH、−NH(C1〜6アルキル基)、及び−N(C1〜6アルキル基)は除く))から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良く、前記フェニル基に、C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基が又は2つのC1〜6アルコキシ基が隣接して置換する場合、当該C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基の各基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、又は、当該2つのC1〜6アルコキシ基の各アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、環状エーテルを形成しても良く、又は、前記フェニル基に、C1〜6アルコキシ基及び−NHR基(−NHR基におけるRは、C2〜7アルカノイル基又はC1〜6アルキルスルホニル基である)が隣接して置換している場合、当該C1〜6アルコキシ基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子と当該−NHR基の水素原子が1つ除かれた窒素原子が結合することにより、3−N−(C2〜7アルカノイル)オキサゾリジン環、3−N−(C1〜6アルキルスルホニル)オキサゾリジン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)モルホリン環、4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)モルホリン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)−1,4−オキサゼパン環、又は4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)−1,4−オキサゼパン環を形成しても良い)(但し、式(I)において、Ar=フェニル基、p=1、−A−=式(AL−1)、かつn=3の場合、当該Arのフェニル基では前記フェニル基上の水素原子と置換しても良い置換基群から任意に選ばれる1〜3個の基が前記フェニル基上の水素原子と置換する)であり;
更に好ましくは、Arは、フェニル基(前記フェニル基は、シアノ基、及びメトキシ基から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良く、フェニル基上に、2つのメトキシ基が隣接して置換している場合には、2つのメトキシ基の各基のメチル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより1,4−ジオキサン環を形成しても良い)(但し、式(I)において、Ar=フェニル基、p=1、−A−=式(AL−1)、かつn=3の場合、当該Arのフェニル基では前記フェニル基上の水素原子と置換しても良い置換基群から任意に選ばれる1〜3個の基が前記フェニル基上の水素原子と置換する)であり;Arは、例えば、フェニル基、4−メトキシフェニル基、4−シアノフェニル基、又は2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシニル基、等である。
[1b−1c]前記態様[1b−1b]のアルギン酸誘導体において、Arは、更に好ましくは、フェニル基(前記フェニル基は、シアノ基、メトキシ基、及びN−アセチルアミノ基から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良く、フェニル基上に、2つのメトキシ基が隣接して置換している場合には、2つのメトキシ基の各基のメチル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより1,4−ジオキサン環を形成しても良い)(但し、式(I)において、Ar=フェニル基、p=1、−A−=式(AL−1)、かつn=3の場合、当該Arのフェニル基では前記フェニル基上の水素原子と置換しても良い置換基群から任意に選ばれる1〜3個の基が前記フェニル基上の水素原子と置換する)であり;
Arは、例えば、4−シアノフェニル基、4−メトキシフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル基、4−(N−アセチルアミノ)フェニル基、又は2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシニル基、等である。
[1b−2]前記態様[1b]のアルギン酸誘導体において、−A−の、好ましい、より好ましい、更に好ましい、及び特に好ましい基は、前記態様[1−3]の定義と同じである。
[1b−2a]前記態様[1b−2]のアルギン酸誘導体において、−A−は、特に好ましくは、式(AL−1−1)、又は(AL−2−1)[各式中、両端の波線外側は含まない]である。
[1b−2−1]前記態様[1b]のアルギン酸誘導体において、−A−である式(AL−1)〜(AL−4)中の、n、m、及びjの、好ましい、より好ましい、更に好ましい、及び特に好ましい数値範囲は、前記態様[1−3−1]の定義と同じである。
[1b−2−2]前記態様[1b]のアルギン酸誘導体において、−A−に含まれる、式(AL−3)又は式(AL−4)の、好ましい態様は、前記態様[1−3−2]の定義と同じである。
[1b−2−2−1]前記態様[1b−2−2]の式(AL−3−1)又は式(AL−4−1)中の、n、m、及びjの、好ましい、より好ましい、更に好ましい、及び特に好ましい数値範囲は、前記態様[1−3−2−1]の定義と同じである。

[1b−3−1]前記態様[1b]のアルギン酸誘導体において、Ar、p、−A−の組み合わせとしては、好ましくは、
Arは、C6〜10アリール基(前記C6〜10アリール基は、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1〜6アルキル基、ハロゲン化C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、及び−NR基(−NR基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり(但し、−NH、−NH(C1〜6アルキル基)、及び−N(C1〜6アルキル基)は除く))から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良く、前記C6〜10アリール基に、C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基が又は2つのC1〜6アルコキシ基が隣接して置換する場合、当該C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基の各基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、又は、当該2つのC1〜6アルコキシ基の各アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、環状エーテルを形成しても良く、又は、前記C6〜10アリール基に、C1〜6アルコキシ基及び−NHR基(−NHR基におけるRは、C2〜7アルカノイル基又はC1〜6アルキルスルホニル基である)が隣接して置換している場合、当該C1〜6アルコキシ基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子と当該−NHR基の水素原子が1つ除かれた窒素原子が結合することにより、3−N−(C2〜7アルカノイル)オキサゾリジン環、3−N−(C1〜6アルキルスルホニル)オキサゾリジン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)モルホリン環、4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)モルホリン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)−1,4−オキサゼパン環、又は4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)−1,4−オキサゼパン環を形成しても良い)であり;
pは、1、又は2の整数であり;
−X−は、−O−であり;
−A−は、前記態様[1b−2]中の式(AL−1)又は(AL−2)[各式中、両端の波線外側は含まない](式(AL−1)中のnは、1〜10の整数であり;式(AL−2)中のmは、1〜7の整数であり)であり;
式(AL−1)又は(AL−2)中のメチレン基(−CH−)の水素原子は、ハロゲン原子、水酸基、C1〜6アルキル基、ヒドロキシC1〜6アルキル基、チオールC1〜6アルキル基、C1〜6アルキルチオC1〜6アルキル基、カルボキシC1〜6アルキル基、−NR基、(RN)−C1〜6アルキル基、(RN)C(=O)−C1〜6アルキル基(前記−NR基、(RN)−C1〜6アルキル基、又は(RN)C(=O)−C1〜6アルキル基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり)、グアニジノC1〜6アルキル基、C7〜16アラルキル基、ヒドロキシC6〜10アリールC1〜6アルキル基、又はヘテロアリールC1〜6アルキル基から選択される基で複数個(例えば、1〜10個、又は1〜5個)置き換えられても良く;式(AL−1)又は(AL−2)中のメチレン基(−CH−)の2つの水素原子がC1〜6アルキル基に置き換えられた場合、当該各C1〜6アルキル基の各アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することによりC3〜8シクロアルキル環を形成しても良い)(但し、式(I)において、Ar=フェニル基、p=1、−A−=式(AL−1)、かつn=3の場合、当該Arのフェニル基では前記Ar環上の水素原子と置換しても良い置換基群から任意に選ばれる1〜3個の基が前記フェニル基上の水素原子と置換する)である。
[1b−3−1a]前記態様[1b]のアルギン酸誘導体において、Ar、p、−A−の組み合わせとしては、好ましくは、Arは、C6〜10アリール基(前記C6〜10アリール基は、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1〜6アルキル基、ハロゲン化C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、及び−NR基(−NR基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、又はC1〜6アルキル基から選択される基であり(但し、−NH、−NH(C1〜6アルキル基)、及び−N(C1〜6アルキル基)は除く))から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良い)であり;
pは、1の整数であり;
−X−は、−O−であり;
−A−は、前記態様[1b−2]中の式(AL−1)又は(AL−2)[各式中、両端の波線外側は含まない](式(AL−1)中のnは、1〜10の整数であり;式(AL−2)中のmは、1〜7の整数であり;
式(AL−1)又は(AL−2)中のメチレン基(−CH−)の水素原子は、ハロゲン原子、水酸基、C1〜6アルキル基、ヒドロキシC1〜6アルキル基、チオールC1〜6アルキル基、C1〜6アルキルチオC1〜6アルキル基、カルボキシC1〜6アルキル基、−NR基、(RN)−C1〜6アルキル基、(RN)C(=O)−C1〜6アルキル基(前記−NR基、(RN)−C1〜6アルキル基、又は(RN)C(=O)−C1〜6アルキル基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり)、グアニジノC1〜6アルキル基、C7〜16アラルキル基、ヒドロキシC6〜10アリールC1〜6アルキル基、又はヘテロアリールC1〜6アルキル基から選択される基で複数個(例えば、1〜10個、又は1〜5個)置き換えられても良く;式(AL−1)又は(AL−2)中のメチレン基(−CH−)の2つの水素原子がC1〜6アルキル基に置き換えられた場合、当該各C1〜6アルキル基の各アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することによりC3〜8シクロアルキル環を形成しても良い)(但し、式(I)において、Ar=フェニル基、p=1、−A−=式(AL−1)、かつn=3の場合、当該Arのフェニル基では前記Ar環上の水素原子と置換しても良い置換基群から任意に選ばれる1〜3個の基が前記フェニル基上の水素原子と置換する)である。
[1b−3−1b]前記態様[1b]のアルギン酸誘導体において、Ar、p、−A−の組み合わせとしては、好ましくは、Arは、C6〜10アリール基(前記C6〜10アリール基は、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1〜6アルキル基、ハロゲン化C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、及び−NR基(−NR基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり(但し、−NH、−NH(C1〜6アルキル基)、及び−N(C1〜6アルキル基)は除く))から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良く、前記C6〜10アリール基、C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基が又は2つのC1〜6アルコキシ基が隣接して置換する場合、当該C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基の各基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、又は、当該2つのC1〜6アルコキシ基の各アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、環状エーテルを形成しても良く、又は、前記C6〜10アリール基に、C1〜6アルコキシ基及び−NHR基(−NHR基におけるRは、C2〜7アルカノイル基又はC1〜6アルキルスルホニル基である)が隣接して置換している場合、当該C1〜6アルコキシ基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子と当該−NHR基の水素原子が1つ除かれた窒素原子が結合することにより、3−N−(C2〜7アルカノイル)オキサゾリジン環、3−N−(C1〜6アルキルスルホニル)オキサゾリジン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)モルホリン環、4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)モルホリン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)−1,4−オキサゼパン環、又は4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)−1,4−オキサゼパン環を形成しても良い)であり;
pは、1、又は2の整数であり;
−X−は、−O−であり;
−A−は、前記態様[1b−2]中の式(AL−1)又は(AL−2)[各式中、両端の波線外側は含まない](式(AL−1)中のnは、1〜10の整数であり;式(AL−2)中のmは、1〜7の整数であり;
式(AL−1)又は(AL−2)中のメチレン基(−CH−)の水素原子は、ハロゲン原子、水酸基、C1〜6アルキル基、ヒドロキシC1〜6アルキル基、チオールC1〜6アルキル基、C1〜6アルキルチオC1〜6アルキル基、カルボキシC1〜6アルキル基、−NR基、(RN)−C1〜6アルキル基、(RN)C(=O)−C1〜6アルキル基(前記−NR基、(RN)−C1〜6アルキル基、又は(RN)C(=O)−C1〜6アルキル基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり)、グアニジノC1〜6アルキル基、C7〜16アラルキル基、ヒドロキシC6〜10アリールC1〜6アルキル基、又はヘテロアリールC1〜6アルキル基から選択される基で複数個(例えば、1〜10個、又は1〜5個)置き換えられても良く;式(AL−1)又は(AL−2)中のメチレン基(−CH−)の2つの水素原子がC1〜6アルキル基に置き換えられた場合、当該各C1〜6アルキル基の各アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することによりC3〜8シクロアルキル環を形成しても良い)(但し、式(I)において、Ar=フェニル基、p=1、−A−=式(AL−1)、かつn=3の場合、当該Arのフェニル基では前記Ar環上の水素原子と置換しても良い置換基群から任意に選ばれる1〜3個の基が前記フェニル基上の水素原子と置換する)である。
[1b−3−1c]前記態様[1b]のアルギン酸誘導体において、Ar、p、−A−の組み合わせとしては、好ましくは、Arは、C6〜10アリール基(前記C6〜10アリール基は、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1〜6アルキル基、ハロゲン化C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、及び−NR基(−NR基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり(但し、−NH、−NH(C1〜6アルキル基)、及び−N(C1〜6アルキル基)は除く))から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良く、前記C6〜10アリール基に、C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基が又は2つのC1〜6アルコキシ基が隣接して置換する場合、当該C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基の各基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、又は、当該2つのC1〜6アルコキシ基の各アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、環状エーテルを形成しても良く、又は、前記C6〜10アリール基に、C1〜6アルコキシ基及び−NHR基(−NHR基におけるRは、C2〜7アルカノイル基又はC1〜6アルキルスルホニル基である)が隣接して置換している場合、当該C1〜6アルコキシ基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子と当該−NHR基の水素原子が1つ除かれた窒素原子が結合することにより、3−N−(C2〜7アルカノイル)オキサゾリジン環、3−N−(C1〜6アルキルスルホニル)オキサゾリジン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)モルホリン環、4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)モルホリン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)−1,4−オキサゼパン環、又は4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)−1,4−オキサゼパン環を形成しても良い)であり;
pは、1、又は2の整数であり;
−X−は、−O−であり;
−A−は、前記態様[1b−2]中の式(AL−1)又は(AL−2)[各式中、両端の波線外側は含まない](式(AL−1)中のnは、1〜10の整数であり;式(AL−2)中のmは、1〜7の整数であり;
式(AL−1)又は(AL−2)中のメチレン基(−CH−)の水素原子は、ハロゲン原子、水酸基、C1〜6アルキル基、ヒドロキシC1〜6アルキル基、チオールC1〜6アルキル基、C1〜6アルキルチオC1〜6アルキル基、カルボキシC1〜6アルキル基、−NR基、(RN)−C1〜6アルキル基、(RN)C(=O)−C1〜6アルキル基(前記−NR基、(RN)−C1〜6アルキル基、又は(RN)C(=O)−C1〜6アルキル基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり)、グアニジノC1〜6アルキル基、C7〜16アラルキル基、ヒドロキシC6〜10アリールC1〜6アルキル基、又はヘテロアリールC1〜6アルキル基から選択される基で複数個(例えば、1〜10個、又は1〜5個)置き換えられても良く;式(AL−1)又は(AL−2)中のメチレン基(−CH−)の2つの水素原子がC1〜6アルキル基に置き換えられた場合、当該各C1〜6アルキル基の各アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することによりC3〜8シクロアルキル環を形成しても良い)(但し、式(I)において、Ar=フェニル基、p=1、−A−=式(AL−1)、かつn=3の場合、当該Arのフェニル基では前記Ar環上の水素原子と置換しても良い置換基群から任意に選ばれる1〜3個の基が前記フェニル基上の水素原子と置換する)である。
[1b−3−2]前記態様[1b]のアルギン酸誘導体において、Ar、p、−X−、−A−の組み合わせとしては、より好ましくは、
Arは、フェニル基(前記フェニル基は、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1〜6アルキル基、ハロゲン化C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、及び−NR基(−NR基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり(但し、−NH、−NH(C1〜6アルキル基)、及び−N(C1〜6アルキル基)は除く))から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良く、前記フェニル基に、C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基が又は2つのC1〜6アルコキシ基が隣接して置換する場合、当該C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基の各基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、又は、当該2つのC1〜6アルコキシ基の各アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、環状エーテルを形成しても良く、又は、前記フェニル基に、C1〜6アルコキシ基及び−NHR基(−NHR基におけるRは、C2〜7アルカノイル基又はC1〜6アルキルスルホニル基である)が隣接して置換している場合、当該C1〜6アルコキシ基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子と当該−NHR基の水素原子が1つ除かれた窒素原子が結合することにより、3−N−(C2〜7アルカノイル)オキサゾリジン環、3−N−(C1〜6アルキルスルホニル)オキサゾリジン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)モルホリン環、4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)モルホリン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)−1,4−オキサゼパン環、又は4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)−1,4−オキサゼパン環を形成しても良い)であり;
pは、1又は2の整数であり;
−X−は、−O−であり:
−A−は、前記態様[1b−2]中の式(AL−1)又は(AL−2)[各式中、両端の波線外側は含まない](式(AL−1)中のnは、2〜6の整数であり;式(AL−2)中のmは、1〜3の整数である)(但し、式(I)において、Ar=フェニル基、p=1、−A−=式(AL−1)、かつn=3の場合、当該Arのフェニル基では前記フェニル基上の水素原子と置換しても良い置換基群から任意に選ばれる1〜3個の基が前記フェニル基上の水素原子と置換する)である。
[1b−3−2a]前記態様[1b]のアルギン酸誘導体において、Ar、p、−X−、−A−の組み合わせとしては、より好ましくは、Arは、フェニル基(前記フェニル基は、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1〜6アルキル基、ハロゲン化C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、及び−NR基(−NR基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、又はC1〜6アルキル基から選択される基であり(但し、−NH、−NH(C1〜6アルキル基)、及び−N(C1〜6アルキル基)は除く))から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良い)であり;
pは、1の整数であり;
−X−は、−O−であり:
−A−は、前記態様[1b−2]中の式(AL−1)又は(AL−2)[各式中、両端の波線外側は含まない](式(AL−1)中のnは、2〜6の整数であり;式(AL−2)中のmは、1〜3の整数である)(但し、式(I)において、Ar=フェニル基、p=1、−A−=式(AL−1)、かつn=3の場合、当該Arのフェニル基では前記フェニル基上の水素原子と置換しても良い置換基群から任意に選ばれる1〜3個の基が前記フェニル基上の水素原子と置換する)である。
[1b−3−2b]前記態様[1b]のアルギン酸誘導体において、Ar、p、−X−、−A−の組み合わせとしては、より好ましくは、
Arは、フェニル基(前記フェニル基は、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1〜6アルキル基、ハロゲン化C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、及び−NR基(−NR基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり(但し、−NH、−NH(C1〜6アルキル基)、及び−N(C1〜6アルキル基)は除く))から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良く、前記フェニル基に、C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基が又は2つのC1〜6アルコキシ基が隣接して置換する場合、当該C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基の各基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、又は、当該2つのC1〜6アルコキシ基の各アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、環状エーテルを形成しても良く、又は、前記フェニル基に、C1〜6アルコキシ基及び−NHR基(−NHR基におけるRは、C2〜7アルカノイル基又はC1〜6アルキルスルホニル基である)が隣接して置換している場合、当該C1〜6アルコキシ基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子と当該−NHR基の水素原子が1つ除かれた窒素原子が結合することにより、3−N−(C2〜7アルカノイル)オキサゾリジン環、3−N−(C1〜6アルキルスルホニル)オキサゾリジン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)モルホリン環、4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)モルホリン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)−1,4−オキサゼパン環、又は4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)−1,4−オキサゼパン環を形成しても良い)であり;
pは、1又は2の整数であり;
−X−は、−O−であり:
−A−は、前記態様[1b−2]中の式(AL−1)又は(AL−2)[各式中、両端の波線外側は含まない](式(AL−1)中のnは、2〜6の整数であり;式(AL−2)中のmは、1〜3の整数である)(但し、式(I)において、Ar=フェニル基、p=1、−A−=式(AL−1)、かつn=3の場合、当該Arのフェニル基では前記フェニル基上の水素原子と置換しても良い置換基群から任意に選ばれる1〜3個の基が前記フェニル基上の水素原子と置換する)である。
[1b−3−2c]前記態様[1b]のアルギン酸誘導体において、Ar、p、−X−、−A−の組み合わせとしては、より好ましくは、、
Arは、フェニル基(前記フェニル基は、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1〜6アルキル基、ハロゲン化C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、及び−NR基(−NR基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり(但し、−NH、−NH(C1〜6アルキル基)、及び−N(C1〜6アルキル基)は除く))から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良く、前記フェニル基に、C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基が又は2つのC1〜6アルコキシ基が隣接して置換する場合、当該C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基の各基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、又は、当該2つのC1〜6アルコキシ基の各アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、環状エーテルを形成しても良く、又は、前記フェニル基に、C1〜6アルコキシ基及び−NHR基(−NHR基におけるRは、C2〜7アルカノイル基又はC1〜6アルキルスルホニル基である)が隣接して置換している場合、当該C1〜6アルコキシ基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子と当該−NHR基の水素原子が1つ除かれた窒素原子が結合することにより、3−N−(C2〜7アルカノイル)オキサゾリジン環、3−N−(C1〜6アルキルスルホニル)オキサゾリジン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)モルホリン環、4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)モルホリン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)−1,4−オキサゼパン環、又は4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)−1,4−オキサゼパン環を形成しても良い)であり;
pは、1又は2の整数であり;
−X−は、−O−であり:
−A−は、前記態様[1a−3]中の式(AL−1)又は(AL−2)[各式中、両端の波線外側は含まない](式(AL−1)中のnは、2〜6の整数であり;式(AL−2)中のmは、1〜3の整数である)(但し、式(I)において、Ar=フェニル基、p=1、−A−=式(AL−1)、かつn=3の場合、当該Arのフェニル基では前記フェニル基上の水素原子と置換しても良い置換基群から任意に選ばれる1〜3個の基が前記フェニル基上の水素原子と置換する)である。
[1b−3−3]前記態様[1b]のアルギン酸誘導体において、Ar、p、−X−、−A−の組み合わせとしては、更に好ましくは、
Arは、フェニル基(前記フェニル基は、シアノ基、フッ素原子、トリフルオロメチル基、及びメトキシ基から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良く、フェニル基上に、2つのメトキシ基が隣接して置換している場合には、2つのメトキシ基の各基のメチル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより1,4−ジオキサン環を形成しても良い)(但し、式(I)において、Ar=フェニル基、p=1、−A−=式(AL−1)、かつn=3の場合、当該Arのフェニル基では前記フェニル基上の水素原子と置換しても良い置換基群から任意に選ばれる1〜3個の基が前記フェニル基上の水素原子と置換する)であり;
Ar、p、−X−、−A−の組み合わせとしては、例えば、
Arは、フェニル基、4−フルオロフェニル基、4−(トリフルオロメチル)フェニル基、4−メトキシフェニル基、4−シアノフェニル基、又は2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシニル基であり;
pは、1又は2の整数であり;
−X−は、−O−であり:
−A−は、前記態様[1b−2]中の式(AL−1−1)、又は(AL−2−1)[各式中、両端の波線外側は含まない]であり;
例えば、Ar、p、−X−、−A−の組み合わせは、下記部分構造式[各式中、波線右側は含まない]:
に示される通りである。

[1b−3−3−1]前記態様[1b]のアルギン酸誘導体において、Ar、p、−X−、−A−の組み合わせとしては、更に好ましくは、
Arは、フェニル基(前記フェニル基は、シアノ基、フッ素原子、トリフルオロメチル基、メトキシ基、及びN−アセチルアミノ基から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良く、フェニル基上に、2つのメトキシ基が隣接して置換している場合には、2つのメトキシ基の各基のメチル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより1,4−ジオキサン環を形成しても良い)(但し、式(I)において、Ar=フェニル基、p=1、−A−=式(AL−1)、かつn=3の場合、当該Arのフェニル基では前記フェニル基上の水素原子と置換しても良い置換基群から任意に選ばれる1〜3個の基が前記フェニル基上の水素原子と置換する)であり;
Ar、p、−X−、−A−の組み合わせとしては、例えば、Arは、フェニル基、4−フルオロフェニル基、4−(トリフルオロメチル)フェニル基、4−メトキシフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル基、5−(N−アセチルアミノ)フェニル基、4−シアノフェニル基、又は2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシニル基であり;
pは、1又は2の整数であり;
−X−は、−O−であり:
−A−は、前記態様[1b−2]中の式(AL−1−1)、又は(AL−2−1)[各式中、両端の波線外側は含まない]であり;
例えば、Ar、p、−X−、−A−の組み合わせは、下記部分構造式[各式中、波線右側は含まない]:
に示される通りである。

[1b−3−3−2]前記態様[1b]のアルギン酸誘導体において、Ar、p、−X−、−A−の組み合わせとしては、更に好ましくは、
Arは、フェニル基(前記フェニル基は、シアノ基、メトキシ基、及びN−アセチルアミノ基から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良く、フェニル基上に、2つのメトキシ基が隣接して置換している場合には、2つのメトキシ基の各基のメチル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより1,4−ジオキサン環を形成しても良い)(但し、式(I)において、Ar=フェニル基、p=1、−A−=式(AL−1)、かつn=3の場合、当該Arのフェニル基では前記フェニル基上の水素原子と置換しても良い置換基群から任意に選ばれる1〜3個の基が前記フェニル基上の水素原子と置換する)であり;
Ar、p、−X−、−A−の組み合わせとしては、例えば、Arは、フェニル基、4−メトキシフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル基、4−(N−アセチルアミノ)フェニル基、4−シアノフェニル基、又は2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシニル基、2−ピリジル基であり;
pは、1又は2の整数であり;
−X−は、−O−であり:
−A−は、前記態様[1b−2]中の式(AL−1−1)、又は(AL−2−1)[各式中、両端の波線外側は含まない]であり;
例えば、Ar、p、−X−、−A−の組み合わせは、下記部分構造式[各式中、波線右側は含まない]:
に示される通りである。
[1b−3−3a]前記態様[1b]のアルギン酸誘導体において、Ar、p、−X−、−A−の組み合わせとしては、更に好ましくは、Arは、フェニル基(前記フェニル基は、フッ素原子、及びトリフルオロメチル基から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良い)(但し、式(I)において、Ar=フェニル基、p=1、−A−=式(AL−1)、かつn=3の場合、当該Arのフェニル基では前記フェニル基上の水素原子と置換しても良い置換基群から任意に選ばれる1〜3個の基が前記フェニル基上の水素原子と置換する)であり;
Ar、p、−X−、−A−の組み合わせとしては、Arは、例えば、フェニル基、4−フルオロフェニル基、又は4−(トリフルオロメチル)フェニル基であり;
pは、1の整数であり;
−X−は、−O−であり:
−A−は、前記態様[1b−2]中の式(AL−1−1)、又は(AL−2−1)[各式中、両端の波線外側は含まない]であり;
例えば、Ar、p、−X−、−A−の組み合わせは、下記部分構造式[各式中、波線右側は含まない]:
に示される通りである。
[1b−3−3b]前記態様[1b]のアルギン酸誘導体において、Ar、p、−X−、−A−の組み合わせとしては、更に好ましくは、
Arは、フェニル基(前記フェニル基は、シアノ基、及びメトキシ基から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良く、フェニル基上に、2つのメトキシ基が隣接して置換している場合には、2つのメトキシ基の各基のメチル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより1,4−ジオキサン環を形成しても良い)(但し、式(I)において、Ar=フェニル基、p=1、−A−=式(AL−1)、かつn=3の場合、当該Arのフェニル基では前記フェニル基上の水素原子と置換しても良い置換基群から任意に選ばれる1〜3個の基が前記フェニル基上の水素原子と置換する)であり;
Ar、p、−X−、−A−の組み合わせとしては、例えば、Arは、例えば、フェニル基、4−メトキシフェニル基、4−シアノフェニル基、又は2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシニル基であり;
pは、1又は2の整数であり;
−X−は、−O−であり:
−A−は、前記態様[1b−2]中の式(AL−1−1)、又は(AL−2−1)[各式中、両端の波線外側は含まない]であり;
例えば、Ar、p、−X−、−A−の組み合わせは、下記部分構造式[各式中、波線右側は含まない]:
に示される通りである。
[1b−3−3c]前記態様[1b]のアルギン酸誘導体において、Ar、p、−X−、−A−の組み合わせとしては、更に好ましくは、Arは、フェニル基(前記フェニル基は、シアノ基、メトキシ基、及びN−アセチルアミノ基から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良く、フェニル基上に、2つのメトキシ基が隣接して置換している場合には、2つのメトキシ基の各基のメチル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより1,4−ジオキサン環を形成しても良い)(但し、式(I)において、Ar=フェニル基、p=1、−A−=式(AL−1)、かつn=3の場合、当該Arのフェニル基では前記フェニル基上の水素原子と置換しても良い置換基群から任意に選ばれる1〜3個の基が前記フェニル基上の水素原子と置換する)であり;
Ar、p、−X−、−A−の組み合わせとしては、例えば、 Arは、4−シアノフェニル基、4−メトキシフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル基、4−(N−アセチルアミノ)フェニル基、又は2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシニル基であり;
pは、1又は2の整数であり;
−X−は、−O−であり:
−A−は、前記態様[1b−2]中の式(AL−2−1)[各式中、両端の波線外側は含まない]であり;
例えば、Ar、p、−X−、−A−の組み合わせは、下記部分構造式[各式中、波線右側は含まない]:
に示される通りである。
[1b−3−4]前記態様[1b]のアルギン酸誘導体において、特に好ましくは、下記部分構造式[各式中、波線右側は含まない]:
に示される通りである。
前記態様[1]、[1a]又は[1b]の好ましい態様、更にはAr、p、−X−、及び−A−の定義を適宜組み合わせることにより、前記態様[1]のアルギン酸誘導体の好ましい態様を任意に形成し得る。
[2]第2の態様は、次の通りである。式(I)で表わされる光反応性基の導入率が、0.5%〜30%である、前記態様[1]、[1a]又は[1b]に記載のアルギン酸誘導体。
[3]第3の態様は、次の通りである。アルギン酸誘導体のゲルろ過クロマトグラフィー法により測定した重量平均分子量が、10万Da〜300万Daである、前記態様[1]、[1a]又は[1b]に記載のアルギン酸誘導体。
[4]第4の態様は、次の通りである。前記態様[1]、[1a]又は[1b]に記載のアルギン酸誘導体に光照射することにより得られる、光架橋アルギン酸。
[4−1]第4−1の態様は、前記態様[4]の好ましい態様であり、具体的には、前記態様[1−4−1]、[1−4−1a]、[1−4−1b]、[1−4−1c]、[1a−4−1]、[1a−4−1a]、[1a−4−1b]、又は[1a−4−1c]に記載のアルギン酸誘導体に光照射することにより得られる光架橋アルギン酸であり;
より好ましくは、前記態様[1−4−2]、[1−4−2a]、[1−4−2b]、[1−4−2c]、[1a−4−2]、[1a−4−2a]、[1a−4−2b]、又は[1a−4−2c]に記載のアルギン酸誘導体に光照射することにより得られる光架橋アルギン酸であり;
更に好ましくは前記態様[1−4−3]、[1−4−3a]、[1−4−3b]、[1−4−3c]、[1a−4−3]、[1a−4−3a]、[1a−4−3b]、又は[1a−4−3c]に記載のアルギン酸誘導体に光照射することにより得られる光架橋アルギン酸であり;
特に好ましくは、前記態様[1−4−4a]又は[1a−4−4a]に記載のアルギン酸誘導体に光照射することにより得られる光架橋アルギン酸であり;
例えば、下記式[各式中、波線右側は含まない]:
から選ばれる光反応性基が導入されたアルギン酸誘導体に光照射することにより得られる、光架橋アルギン酸であり;
又は、特に好ましくは、前記態様[1−4−4b]、又は[1a−4−4b]に記載のアルギン酸誘導体に光照射することにより得られる光架橋アルギン酸であり;
例えば、下記式[各式中、波線右側は含まない]:
から選ばれる光反応性基が導入されたアルギン酸誘導体に光照射することにより得られる、光架橋アルギン酸であり;
又は、特に好ましくは、前記態様[1−4−4c]、又は[1a−4−4c]に記載のアルギン酸誘導体に光照射することにより得られる光架橋アルギン酸であり;
例えば、下記式[各式中、波線右側は含まない]:
から選ばれる光反応性基が導入されたアルギン酸誘導体に光照射することにより得られる、光架橋アルギン酸であり;
又は、特に好ましくは、前記態様[1−4−4]、又は[1a−4−4]に記載のアルギン酸誘導体に光照射することにより得られる光架橋アルギン酸であり;
例えば、下記式[各式中、波線右側は含まない]:
から選ばれる光反応性基が導入されたアルギン酸誘導体に光照射することにより得られる、光架橋アルギン酸であり;
又は、特に好ましくは、前記態様[1−4−4−1]、又は[1a−4−4−1]に記載のアルギン酸誘導体に光照射することにより得られる光架橋アルギン酸であり;
例えば、下記式[各式中、波線右側は含まない]:
から選ばれる光反応性基が導入されたアルギン酸誘導体に光照射することにより得られる、光架橋アルギン酸であり;
又は、特に好ましくは、前記態様[1−4−4−2]、又は[1a−4−4−2]に記載のアルギン酸誘導体に光照射することにより得られる光架橋アルギン酸であり;
例えば、下記式[各式中、波線右側は含まない]:
から選ばれる光反応性基が導入されたアルギン酸誘導体に光照射することにより得られる、光架橋アルギン酸であり;
最も好ましくは、下記式[各式中、波線右側は含まない]:
から選ばれる光反応性基が導入されたアルギン酸誘導体に光照射することにより得られる、光架橋アルギン酸である。
[4−2]第4−2の態様は、前記態様[4]の好ましい態様であり、具体的には、前記態様[1b−3−1]、[1b−3−1a]、[1b−3−1b]、又は[1b−3−1c]に記載のアルギン酸誘導体に光照射することにより得られる光架橋アルギン酸であり;
より好ましくは、前記態様[1b−3−2]、[1b−3−2a]、[1b−3−2b]、又は[1b−3−2c]に記載のアルギン酸誘導体に光照射することにより得られる光架橋アルギン酸であり;
更に好ましくは、前記態様[1b−3−3a]に記載のアルギン酸誘導体に光照射することにより得られる光架橋アルギン酸であり、
例えば、下記式[各式中、波線右側は含まない]:
から選ばれる光反応性基が導入されたアルギン酸誘導体に光照射することにより得られる、光架橋アルギン酸であり;
又は、更に好ましくは、前記態様[1b−3−3b]に記載のアルギン酸誘導体に光照射することにより得られる光架橋アルギン酸であり、
例えば、下記式[各式中、波線右側は含まない]:
から選ばれる光反応性基が導入されたアルギン酸誘導体に光照射することにより得られる、光架橋アルギン酸であり;
又は、更に好ましくは、前記態様[1b−3−3c]に記載のアルギン酸誘導体に光照射することにより得られる光架橋アルギン酸であり、
例えば、下記式[各式中、波線右側は含まない]:
から選ばれる光反応性基が導入されたアルギン酸誘導体に光照射することにより得られる、光架橋アルギン酸であり;
又は、更に好ましくは、前記態様[1b−3−3]に記載のアルギン酸誘導体に光照射することにより得られる光架橋アルギン酸であり、
例えば、下記式[各式中、波線右側は含まない]:
から選ばれる光反応性基が導入されたアルギン酸誘導体に光照射することにより得られる、光架橋アルギン酸であり;
又は、更に好ましくは、前記態様[1b−3−3−1]に記載のアルギン酸誘導体に光照射することにより得られる光架橋アルギン酸であり、
例えば、下記式[各式中、波線右側は含まない]:
から選ばれる光反応性基が導入されたアルギン酸誘導体に光照射することにより得られる、光架橋アルギン酸であり;
又は、更に好ましくは、前記態様[1b−3−3−2]に記載のアルギン酸誘導体に光照射することにより得られる光架橋アルギン酸であり、
例えば、下記式[各式中、波線右側は含まない]:
から選ばれる光反応性基が導入されたアルギン酸誘導体に光照射することにより得られる、光架橋アルギン酸であり;
特に好ましくは、下記式[各式中、波線右側は含まない]:
から選ばれる光反応性基が導入されたアルギン酸誘導体に光照射することにより得られる、光架橋アルギン酸である。
[5−1]第5−1の態様は、次の通りである。前記態様[1]、[1a]又は[1b]のアルギン酸誘導体(式(I)においてp=1の場合)に光照射を行うことにより形成される化学架橋が、下記式(II−L−1)又は式(II−L−2):
[式(II−L−1)又は式(II−L−2)中、両端の−CONH−及び−NHCO−は、アルギン酸の任意のカルボキシル基を介したアミド結合を表わし;−A−、−X−、及びArは、前記態様[1]、[1a]又は[1b]中の定義と同じである]から選ばれる構造である、前記[4]に記載の光架橋アルギン酸。
[5−2]第5−2の態様は、次の通りである。前記態様[1]、[1a]又は[1b]のアルギン酸誘導体(式(I)においてp=2の場合)に光照射を行うことにより形成される化学架橋が、下記式(II−L−3):
[式(II−L−3)中、両端の−CONH−及び−NHCO−は、アルギン酸の任意のカルボキシル基を介したアミド結合を表わし;−A−、−X−、及びArは、前記態様[1]、[1a]又は[1b]中の定義と同じである]の構造である、前記[4]に記載の光架橋アルギン酸。
[6]第6の態様は、次の通りである。照射する光が、紫外線又はLED光から選ばれる光である、前記態様[4]、[5−1]及び[5−2]のいずれか1項に記載の光架橋アルギン酸。
[7]第7の態様は、次の通りである。前記態様[1]、[1a]又は[1b]に記載のアルギン酸誘導体の溶液を、2価金属イオンを含む溶液中に滴下することで得られるゲルに光照射することにより得られる、架橋として2価金属イオンにより部分的に形成されるイオン架橋及び光照射により形成される化学架橋を含む、光架橋アルギン酸構造体。
[7−1]第7−1の態様は、前記態様[7]の好ましい態様であり、具体的には、前記態様[1−4−1]、[1−4−1a]、[1−4−1b]、[1−4−1c]、[1a−4−1]、[1a−4−1a]、[1a−4−1b]、又は[1a−4−1c]に記載のアルギン酸誘導体の溶液を、2価金属イオンを含む溶液中に滴下することで得られるゲルに光照射することにより得られる、架橋として2価金属イオンにより部分的に形成されるイオン架橋及び光照射により形成される化学架橋を含む、光架橋アルギン酸構造体であり;
より好ましくは、前記態様[1−4−2]、[1−4−2a]、[1−4−2b]、[1−4−2c]、[1a−4−2]、[1a−4−2a]、[1a−4−2b]、又は[1a−4−2c]に記載のアルギン酸誘導体の溶液を、2価金属イオンを含む溶液中に滴下することで得られるゲルに光照射することにより得られる、架橋として2価金属イオンにより部分的に形成されるイオン架橋及び光照射により形成される化学架橋を含む、光架橋アルギン酸構造体であり;
更に好ましくは、前記態様[1−4−3]、[1−4−3a]、[1−4−3b]、[1−4−3c]、[1a−4−3]、[1a−4−3a]、[1a−4−3b]、又は[1a−4−3c]に記載のアルギン酸誘導体の溶液を、2価金属イオンを含む溶液中に滴下することで得られるゲルに光照射することにより得られる、架橋として2価金属イオンにより部分的に形成されるイオン架橋及び光照射により形成される化学架橋を含む、光架橋アルギン酸構造体であり;

特に好ましくは、前記態様[1−4−4a]又は[1a−4−4a]に記載のアルギン酸誘導体の溶液を、2価金属イオンを含む溶液中に滴下することで得られるゲルに光照射することにより得られる、架橋として2価金属イオンにより部分的に形成されるイオン架橋及び光照射により形成される化学架橋を含む、光架橋アルギン酸構造体であり;
例えば、下記式[各式中、波線右側は含まない]:
から選ばれる光反応性基が導入されたアルギン酸誘導体の溶液を、2価金属イオンを含む溶液中に滴下することで得られるゲルに光照射することにより得られる、架橋として2価金属イオンにより部分的に形成されるイオン架橋及び光照射により形成される化学架橋を含む、光架橋アルギン酸構造体であり;

又は、特に好ましくは、前記態様[1−4−4b]、又は[1a−4−4b]に記載のアルギン酸誘導体の溶液を、2価金属イオンを含む溶液中に滴下することで得られるゲルに光照射することにより得られる、架橋として2価金属イオンにより部分的に形成されるイオン架橋及び光照射により形成される化学架橋を含む、光架橋アルギン酸構造体であり;
例えば、下記式[各式中、波線右側は含まない]:
から選ばれる光反応性基が導入されたアルギン酸誘導体の溶液を、2価金属イオンを含む溶液中に滴下することで得られるゲルに光照射することにより得られる、架橋として2価金属イオンにより部分的に形成されるイオン架橋及び光照射により形成される化学架橋を含む、光架橋アルギン酸構造体であり;
又は、特に好ましくは、前記態様[1−4−4c]、又は[1a−4−4c]に記載のアルギン酸誘導体の溶液を、2価金属イオンを含む溶液中に滴下することで得られるゲルに光照射することにより得られる、架橋として2価金属イオンにより部分的に形成されるイオン架橋及び光照射により形成される化学架橋を含む、光架橋アルギン酸構造体であり;
例えば、下記式[各式中、波線右側は含まない]:
から選ばれる光反応性基が導入されたアルギン酸誘導体の溶液を、2価金属イオンを含む溶液中に滴下することで得られるゲルに光照射することにより得られる、架橋として2価金属イオンにより部分的に形成されるイオン架橋及び光照射により形成される化学架橋を含む、光架橋アルギン酸構造体であり;
又は、特に好ましくは、前記態様[1−4−4]、又は[1a−4−4]に記載のアルギン酸誘導体の溶液を、2価金属イオンを含む溶液中に滴下することで得られるゲルに光照射することにより得られる、架橋として2価金属イオンにより部分的に形成されるイオン架橋及び光照射により形成される化学架橋を含む、光架橋アルギン酸構造体であり;
例えば、下記式[各式中、波線右側は含まない]:
から選ばれる光反応性基が導入されたアルギン酸誘導体の溶液を、2価金属イオンを含む溶液中に滴下することで得られるゲルに光照射することにより得られる、架橋として2価金属イオンにより部分的に形成されるイオン架橋及び光照射により形成される化学架橋を含む、光架橋アルギン酸構造体であり;
又は、特に好ましくは、前記態様[1−4−4−1]、又は[1a−4−4−1]に記載のアルギン酸誘導体の溶液を、2価金属イオンを含む溶液中に滴下することで得られるゲルに光照射することにより得られる、架橋として2価金属イオンにより部分的に形成されるイオン架橋及び光照射により形成される化学架橋を含む、光架橋アルギン酸構造体であり;
例えば、下記式[各式中、波線右側は含まない]:
から選ばれる光反応性基が導入されたアルギン酸誘導体の溶液を、2価金属イオンを含む溶液中に滴下することで得られるゲルに光照射することにより得られる、架橋として2価金属イオンにより部分的に形成されるイオン架橋及び光照射により形成される化学架橋を含む、光架橋アルギン酸構造体であり;
又は、特に好ましくは、前記態様[1−4−4−2]、又は[1a−4−4−2]に記載のアルギン酸誘導体の溶液を、2価金属イオンを含む溶液中に滴下することで得られるゲルに光照射することにより得られる、架橋として2価金属イオンにより部分的に形成されるイオン架橋及び光照射により形成される化学架橋を含む、光架橋アルギン酸構造体であり;
例えば、下記式[各式中、波線右側は含まない]:
から選ばれる光反応性基が導入されたアルギン酸誘導体の溶液を、2価金属イオンを含む溶液中に滴下することで得られるゲルに光照射することにより得られる、架橋として2価金属イオンにより部分的に形成されるイオン架橋及び光照射により形成される化学架橋を含む、光架橋アルギン酸構造体であり;
最も好ましくは、下記式[各式中、波線右側は含まない]:
から選ばれる光反応性基が導入されたアルギン酸誘導体の溶液を、2価金属イオンを含む溶液中に滴下することで得られるゲルに光照射することにより得られる、架橋として2価金属イオンにより部分的に形成されるイオン架橋及び光照射により形成される化学架橋を含む、光架橋アルギン酸構造体である。
[7−2]第7−2の態様は、前記態様[7]の好ましい態様であり、具体的には、前記態様[1b−3−1]、[1b−3−1a]、[1b−3−1b]、又は[1b−3−1c]に記載のアルギン酸誘導体の溶液を、2価金属イオンを含む溶液中に滴下することで得られるゲルに光照射することにより得られる、架橋として2価金属イオンにより部分的に形成されるイオン架橋及び光照射により形成される化学架橋を含む、光架橋アルギン酸構造体であり;
より好ましくは、前記態様[1b−3−2]、[1b−3−2a]、[1b−3−2b]、又は[1b−3−2c]に記載のアルギン酸誘導体の溶液を、2価金属イオンを含む溶液中に滴下することで得られるゲルに光照射することにより得られる、架橋として2価金属イオンにより部分的に形成されるイオン架橋及び光照射により形成される化学架橋を含む、光架橋アルギン酸構造体であり;
更に好ましくは、前記態様[1b−3−3a]に記載のアルギン酸誘導体の溶液を、2価金属イオンを含む溶液中に滴下することで得られるゲルに光照射することにより得られる、架橋として2価金属イオンにより部分的に形成されるイオン架橋及び光照射により形成される化学架橋を含む、光架橋アルギン酸構造体であり;
例えば、下記式[各式中、波線右側は含まない]:
から選ばれる光反応性基が導入されたアルギン酸誘導体の溶液を、2価金属イオンを含む溶液中に滴下することで得られるゲルに光照射することにより得られる、架橋として2価金属イオンにより部分的に形成されるイオン架橋及び光照射により形成される化学架橋を含む、光架橋アルギン酸構造体であり;

又は、更に好ましくは、前記態様[1b−3−3b]に記載のアルギン酸誘導体の溶液を、2価金属イオンを含む溶液中に滴下することで得られるゲルに光照射することにより得られる、架橋として2価金属イオンにより部分的に形成されるイオン架橋及び光照射により形成される化学架橋を含む、光架橋アルギン酸構造体であり;
例えば、下記式[各式中、波線右側は含まない]:
から選ばれる光反応性基が導入されたアルギン酸誘導体の溶液を、2価金属イオンを含む溶液中に滴下することで得られるゲルに光照射することにより得られる、架橋として2価金属イオンにより部分的に形成されるイオン架橋及び光照射により形成される化学架橋を含む、光架橋アルギン酸構造体であり;

又は、更に好ましくは、前記態様[1b−3−3c]に記載のアルギン酸誘導体の溶液を、2価金属イオンを含む溶液中に滴下することで得られるゲルに光照射することにより得られる、架橋として2価金属イオンにより部分的に形成されるイオン架橋及び光照射により形成される化学架橋を含む、光架橋アルギン酸構造体であり;
例えば、下記式[各式中、波線右側は含まない]:
から選ばれる光反応性基が導入されたアルギン酸誘導体の溶液を、2価金属イオンを含む溶液中に滴下することで得られるゲルに光照射することにより得られる、架橋として2価金属イオンにより部分的に形成されるイオン架橋及び光照射により形成される化学架橋を含む、光架橋アルギン酸構造体であり;

又は、更に好ましくは、前記態様[1b−3−3]に記載のアルギン酸誘導体の溶液を、2価金属イオンを含む溶液中に滴下することで得られるゲルに光照射することにより得られる、架橋として2価金属イオンにより部分的に形成されるイオン架橋及び光照射により形成される化学架橋を含む、光架橋アルギン酸構造体であり;
例えば、下記式[各式中、波線右側は含まない]:
から選ばれる光反応性基が導入されたアルギン酸誘導体の溶液を、2価金属イオンを含む溶液中に滴下することで得られるゲルに光照射することにより得られる、架橋として2価金属イオンにより部分的に形成されるイオン架橋及び光照射により形成される化学架橋を含む、光架橋アルギン酸構造体であり;

又は、更に好ましくは、前記態様[1b−3−3−1]に記載のアルギン酸誘導体の溶液を、2価金属イオンを含む溶液中に滴下することで得られるゲルに光照射することにより得られる、架橋として2価金属イオンにより部分的に形成されるイオン架橋及び光照射により形成される化学架橋を含む、光架橋アルギン酸構造体であり;
例えば、下記式[各式中、波線右側は含まない]:
から選ばれる光反応性基が導入されたアルギン酸誘導体の溶液を、2価金属イオンを含む溶液中に滴下することで得られるゲルに光照射することにより得られる、架橋として2価金属イオンにより部分的に形成されるイオン架橋及び光照射により形成される化学架橋を含む、光架橋アルギン酸構造体であり;

又は、更に好ましくは、前記態様[1b−3−3−2]に記載のアルギン酸誘導体の溶液を、2価金属イオンを含む溶液中に滴下することで得られるゲルに光照射することにより得られる、架橋として2価金属イオンにより部分的に形成されるイオン架橋及び光照射により形成される化学架橋を含む、光架橋アルギン酸構造体であり;
例えば、下記式[各式中、波線右側は含まない]:
から選ばれる光反応性基が導入されたアルギン酸誘導体の溶液を、2価金属イオンを含む溶液中に滴下することで得られるゲルに光照射することにより得られる、架橋として2価金属イオンにより部分的に形成されるイオン架橋及び光照射により形成される化学架橋を含む、光架橋アルギン酸構造体であり;

特に好ましくは、下記式[各式中、波線右側は含まない]:
から選ばれる光反応性基が導入されたアルギン酸誘導体の溶液を、2価金属イオンを含む溶液中に滴下することで得られるゲルに光照射することにより得られる、架橋として2価金属イオンにより部分的に形成されるイオン架橋及び光照射により形成される化学架橋を含む、光架橋アルギン酸構造体である。
[8−1]第8−1の態様は、次の通りである。前記態様[1]、[1a]又は[1b]のアルギン酸誘導体(式(I)においてp=1の場合)に光照射を行うことにより形成される化学架橋が、下記式(II−L−1)又は式(II−L−2):
[式(II−L−1)又は式(II−L−2)中、両端の−CONH−及び−NHCO−は、アルギン酸の任意のカルボキシル基を介したアミド結合を表わし;−A−、−X−、及びArは、前記態様[1]、[1a]又は[1b]中の定義と同じである]から選ばれる構造である、前記[7]に記載の光架橋アルギン酸構造体。
[8−2]第8−2の態様は、次の通りである。前記態様[1]、[1a]又は[1b]のアルギン酸誘導体(式(I)においてp=2の場合)に光照射を行うことにより形成される化学架橋が、下記式(II−L−3):
[式(II−L−3)中、両端の−CONH−及び−NHCO−は、アルギン酸の任意のカルボキシル基を介したアミド結合を表わし;−A−、−X−、及びArは、前記態様[1]、[1a]又は[1b]中の定義と同じである]の構造である、前記[7]に記載の光架橋アルギン酸構造体。
[9]第9の態様は、次の通りである。照射する光が、紫外線又はLED光から選ばれる光である、前記態様[7]、[8−1]及び[8−2]に記載の光架橋アルギン酸構造体。
[10]第10の態様は、次の通りである。ビーズ又は略球形のゲルである、前記態様[7]〜[9]のいずれか1項に記載の光架橋アルギン酸構造体。
[11]第11の態様は、次の通りである。前記態様[7]〜[10]のいずれか1項に記載の光架橋アルギン酸構造体を含む医療用材料。
[12]第12の態様は、次の通りである。ビーズ又は略球形のゲルである、前記態様[11]に記載の医療用材料。
[13]第13の態様は、次の通りである。前記態様[1]、[1a]又は[1b]に記載のアルギン酸誘導体に光照射を行うことを含む、前記態様[4]に記載の光架橋アルギン酸を製造する方法。
[13−1]第13−1の態様は、前記態様[13]に記載の光架橋アルギン酸を製造する方法の好ましい態様であり、具体的には、前記[1−4−1]、[1−4−1a]、[1−4−1b]、[1−4−1c]、[1a−4−1]、[1a−4−1a]、[1a−4−1b]、又は[1a−4−1c]に記載のアルギン酸誘導体に光照射を行うことを含む、光架橋アルギン酸を製造する方法であり;
より好ましくは、前記態様[1−4−2]、[1−4−2a]、[1−4−2b]、[1−4−2c]、[1a−4−2]、[1a−4−2a]、[1a−4−2b]、又は[1a−4−2c]に記載のアルギン酸誘導体に光照射を行うことを含む、光架橋アルギン酸を製造する方法であり;
更に好ましくは、前記態様[1−4−3]、[1−4−3a]、[1−4−3b]、[1−4−3c]、[1a−4−3]、[1a−4−3a]、[1a−4−3b]、又は[1a−4−3c]に記載のアルギン酸誘導体に光照射を行うことを含む、光架橋アルギン酸を製造する方法であり;
特に好ましくは、前記態様[1−4−4a]又は[1a−4−4a]に記載のアルギン酸誘導体に光照射を行うことを含む、光架橋アルギン酸を製造する方法であり、
例えば、下記式[各式中、波線右側は含まない]:
から選ばれる光反応性基が導入されたアルギン酸誘導体に光照射することを含む、光架橋アルギン酸を製造する方法であり;
又は、特に好ましくは、前記態様[1−4−4b]、又は[1a−4−4b]に記載のアルギン酸誘導体に光照射を行うことを含む、光架橋アルギン酸を製造する方法であり、
例えば、下記式[各式中、波線右側は含まない]:
から選ばれる光反応性基が導入されたアルギン酸誘導体に光照射することを含む、光架橋アルギン酸を製造する方法であり;
又は、特に好ましくは、前記態様[1−4−4c]、又は[1a−4−4c]に記載のアルギン酸誘導体に光照射を行うことを含む、光架橋アルギン酸を製造する方法であり、
例えば、下記式[各式中、波線右側は含まない]:
から選ばれる光反応性基が導入されたアルギン酸誘導体に光照射することを含む、光架橋アルギン酸を製造する方法であり;
又は、特に好ましくは、前記態様[1−4−4]、又は[1a−4−4]に記載のアルギン酸誘導体に光照射を行うことを含む、光架橋アルギン酸を製造する方法であり、
例えば、下記式[各式中、波線右側は含まない]:
から選ばれる光反応性基が導入されたアルギン酸誘導体に光照射することを含む、光架橋アルギン酸を製造する方法であり;
又は、特に好ましくは、前記態様[1−4−4−1]、又は[1a−4−4−1]に記載のアルギン酸誘導体に光照射を行うことを含む、光架橋アルギン酸を製造する方法であり、
例えば、下記式[各式中、波線右側は含まない]:
から選ばれる光反応性基が導入されたアルギン酸誘導体に光照射することを含む、光架橋アルギン酸を製造する方法であり;
又は、特に好ましくは、前記態様[1−4−4−2]、又は[1a−4−4−2]に記載のアルギン酸誘導体に光照射を行うことを含む、光架橋アルギン酸を製造する方法であり、
例えば、下記式[各式中、波線右側は含まない]:
から選ばれる光反応性基が導入されたアルギン酸誘導体に光照射することを含む、光架橋アルギン酸を製造する方法であり;
最も好ましくは、下記式[各式中、波線右側は含まない]:
から選ばれる光反応性基が導入されたアルギン酸誘導体に光照射することを含む、光架橋アルギン酸を製造する方法である。
[13−2]第13−2の態様は、前記態様[13]に記載の光架橋アルギン酸を製造する方法の好ましい態様であり、具体的には、前記[1b−3−1]、[1b−3−1a]、[1b−3−1b]、又は[1b−3−1c]に記載のアルギン酸誘導体に光照射を行うことを含む、光架橋アルギン酸を製造する方法であり;
より好ましくは、前記態様[1b−3−2]、[1b−3−2a]、[1b−3−2b]、又は[1b−3−2c]に記載のアルギン酸誘導体に光照射を行うことを含む、光架橋アルギン酸を製造する方法であり;
更に好ましくは、前記態様[1b−3−3a]に記載のアルギン酸誘導体に光照射を行うことを含む、光架橋アルギン酸を製造する方法であり、
例えば、下記式[各式中、波線右側は含まない]:
から選ばれる光反応性基が導入されたアルギン酸誘導体に光照射することを含む、光架橋アルギン酸を製造する方法であり;
又は、更に好ましくは、前記態様[1b−3−3b]に記載のアルギン酸誘導体に光照射を行うことを含む、光架橋アルギン酸を製造する方法であり、
例えば、下記式[各式中、波線右側は含まない]:
から選ばれる光反応性基が導入されたアルギン酸誘導体に光照射することを含む、光架橋アルギン酸を製造する方法であり;
又は、更に好ましくは、前記態様[1b−3−3c]に記載のアルギン酸誘導体に光照射を行うことを含む、光架橋アルギン酸を製造する方法であり、
例えば、下記式[各式中、波線右側は含まない]:
から選ばれる光反応性基が導入されたアルギン酸誘導体に光照射することを含む、光架橋アルギン酸を製造する方法であり;
又は、更に好ましくは、前記態様[1b−3−3]に記載のアルギン酸誘導体に光照射を行うことを含む、光架橋アルギン酸を製造する方法であり、
例えば、下記式[各式中、波線右側は含まない]:
から選ばれる光反応性基が導入されたアルギン酸誘導体に光照射することを含む、光架橋アルギン酸を製造する方法であり;
又は、更に好ましくは、前記態様[1b−3−3−1]に記載のアルギン酸誘導体に光照射を行うことを含む、光架橋アルギン酸を製造する方法であり、
例えば、下記式[各式中、波線右側は含まない]:
から選ばれる光反応性基が導入されたアルギン酸誘導体に光照射することを含む、光架橋アルギン酸を製造する方法であり;
又は、更に好ましくは、前記態様[1b−3−3−2]に記載のアルギン酸誘導体に光照射を行うことを含む、光架橋アルギン酸を製造する方法であり、
例えば、下記式[各式中、波線右側は含まない]:
から選ばれる光反応性基が導入されたアルギン酸誘導体に光照射することを含む、光架橋アルギン酸を製造する方法であり;
特に好ましくは、下記式[各式中、波線右側は含まない]:
から選ばれる光反応性基が導入されたアルギン酸誘導体に光照射することを含む、光架橋アルギン酸を製造する方法である。
[14−1]第14−1の態様は、次の通りである。前記態様[1]、[1a]又は[1b]のアルギン酸誘導体(式(I)においてp=1の場合)に光照射を行うことにより形成される化学架橋が、下記式(II−L−1)又は式(II−L−2):
[式(II−L−1)又は式(II−L−2)中、両端の−CONH−及び−NHCO−は、アルギン酸の任意のカルボキシル基を介したアミド結合を表わし;−A−、−X−、及びArは、前記態様[1]、[1a]又は[1b]中の定義と同じである]から選ばれる構造である、前記[13]に記載の光架橋アルギン酸を製造する方法。
[14−2]第14−2の態様は、次の通りである。前記態様[1]、[1a]又は[1b]のアルギン酸誘導体(式(I)においてp=2の場合)に光照射を行うことにより形成される化学架橋が、下記式(II−L−3):
[式(II−L−3)中、両端の−CONH−及び−NHCO−は、アルギン酸の任意のカルボキシル基を介したアミド結合を表わし;−A−、−X−、及びArは、前記態様[1]、[1a]又は[1b]中の定義と同じである]の構造である、前記[13]に記載の光架橋アルギン酸を製造する方法。
[15]第15の態様は、次の通りである。照射する光が、紫外線又はLED光から選ばれる光である、前記態様[13]、[14−1]及び[14−2]のいずれか1項に記載の光架橋アルギン酸を製造する方法。
[16]第16の態様は、次の通りである。前記態様[1]、[1a]又は[1b]に記載のアルギン酸誘導体の溶液を、2価金属イオンを含む溶液中に滴下することで得られるゲルに光照射して光架橋アルギン酸構造体を得ることを含み、光架橋アルギン酸構造体が、架橋として2価金属イオンにより部分的に形成されるイオン架橋及び光照射により形成される化学架橋を含む、前記態様[7]に記載の光架橋アルギン酸構造体を製造する方法。

[16−1]第16−1の態様は、前記態様[16]に記載の光架橋アルギン酸構造体を製造する方法の好ましい態様であり、具体的には、前記態様[1−4−1]、[1−4−1a]、[1−4−1b]、[1−4−1c]、[1a−4−1]、[1a−4−1a]、[1a−4−1b]、又は[1a−4−1c]に記載のアルギン酸誘導体の溶液を、2価金属イオンを含む溶液中に滴下することで得られるゲルに光照射して光架橋アルギン酸構造体を得ることを含み、光架橋アルギン酸構造体が、架橋として2価金属イオンにより部分的に形成されるイオン架橋及び光照射により形成される化学架橋を含む、光架橋アルギン酸構造体を製造する方法であり;
より好ましくは、前記態様[1−4−2]、[1−4−2a]、[1−4−2b]、[1−4−2c]、[1a−4−2]、[1a−4−2a]、[1a−4−2b]、又は[1a−4−2c]に記載のアルギン酸誘導体の溶液を、2価金属イオンを含む溶液中に滴下することで得られるゲルに光照射して光架橋アルギン酸構造体を得ることを含み、光架橋アルギン酸構造体が、架橋として2価金属イオンにより部分的に形成されるイオン架橋及び光照射により形成される化学架橋を含む、光架橋アルギン酸構造体を製造する方法であり;
更に好ましくは、前記態様[1−4−3]、[1−4−3a]、[1−4−3b]、[1−4−3c]、[1a−4−3]、[1a−4−3a]、[1a−4−3b]、又は[1a−4−3c]に記載のアルギン酸誘導体の溶液を、2価金属イオンを含む溶液中に滴下することで得られるゲルに光照射して光架橋アルギン酸構造体を得ることを含み、光架橋アルギン酸構造体が、架橋として2価金属イオンにより部分的に形成されるイオン架橋及び光照射により形成される化学架橋を含む、光架橋アルギン酸構造体を製造する方法であり;
特に好ましくは、前記態様[1−4−4a]又は[1a−4−4a]に記載のアルギン酸誘導体の溶液を、2価金属イオンを含む溶液中に滴下することで得られるゲルに光照射して光架橋アルギン酸構造体を得ることを含み、光架橋アルギン酸構造体が、架橋として2価金属イオンにより部分的に形成されるイオン架橋及び光照射により形成される化学架橋を含む、光架橋アルギン酸構造体を製造する方法であり、
例えば、下記式[各式中、波線右側は含まない]:
から選ばれる光反応性基が導入されたアルギン酸誘導体の溶液を、2価金属イオンを含む溶液中に滴下することで得られるゲルに光照射して光架橋アルギン酸構造体を得ることを含み、光架橋アルギン酸構造体が、架橋として2価金属イオンにより部分的に形成されるイオン架橋及び光照射により形成される化学架橋を含む、光架橋アルギン酸構造体を製造する方法であり;
又は、特に好ましくは、前記態様[1−4−4b]、又は[1a−4−4b]に記載のアルギン酸誘導体の溶液を、2価金属イオンを含む溶液中に滴下することで得られるゲルに光照射して光架橋アルギン酸構造体を得ることを含み、光架橋アルギン酸構造体が、架橋として2価金属イオンにより部分的に形成されるイオン架橋及び光照射により形成される化学架橋を含む、光架橋アルギン酸構造体を製造する方法であり、
例えば、下記式[各式中、波線右側は含まない]:
から選ばれる光反応性基が導入されたアルギン酸誘導体の溶液を、2価金属イオンを含む溶液中に滴下することで得られるゲルに光照射して光架橋アルギン酸構造体を得ることを含み、光架橋アルギン酸構造体が、架橋として2価金属イオンにより部分的に形成されるイオン架橋及び光照射により形成される化学架橋を含む、光架橋アルギン酸構造体を製造する方法であり;
又は、特に好ましくは、前記態様[1−4−4c]、又は[1a−4−4c]に記載のアルギン酸誘導体の溶液を、2価金属イオンを含む溶液中に滴下することで得られるゲルに光照射して光架橋アルギン酸構造体を得ることを含み、光架橋アルギン酸構造体が、架橋として2価金属イオンにより部分的に形成されるイオン架橋及び光照射により形成される化学架橋を含む、光架橋アルギン酸構造体を製造する方法であり、
例えば、下記式[各式中、波線右側は含まない]:
から選ばれる光反応性基が導入されたアルギン酸誘導体の溶液を、2価金属イオンを含む溶液中に滴下することで得られるゲルに光照射して光架橋アルギン酸構造体を得ることを含み、光架橋アルギン酸構造体が、架橋として2価金属イオンにより部分的に形成されるイオン架橋及び光照射により形成される化学架橋を含む、光架橋アルギン酸構造体を製造する方法であり;
又は、特に好ましくは、前記態様[1−4−4]、又は[1a−4−4]に記載のアルギン酸誘導体の溶液を、2価金属イオンを含む溶液中に滴下することで得られるゲルに光照射して光架橋アルギン酸構造体を得ることを含み、光架橋アルギン酸構造体が、架橋として2価金属イオンにより部分的に形成されるイオン架橋及び光照射により形成される化学架橋を含む、光架橋アルギン酸構造体を製造する方法であり、
例えば、下記式[各式中、波線右側は含まない]:
から選ばれる光反応性基が導入されたアルギン酸誘導体の溶液を、2価金属イオンを含む溶液中に滴下することで得られるゲルに光照射して光架橋アルギン酸構造体を得ることを含み、光架橋アルギン酸構造体が、架橋として2価金属イオンにより部分的に形成されるイオン架橋及び光照射により形成される化学架橋を含む、光架橋アルギン酸構造体を製造する方法であり;
又は、特に好ましくは、前記態様[1−4−4−1]、又は[1a−4−4−1]に記載のアルギン酸誘導体の溶液を、2価金属イオンを含む溶液中に滴下することで得られるゲルに光照射して光架橋アルギン酸構造体を得ることを含み、光架橋アルギン酸構造体が、架橋として2価金属イオンにより部分的に形成されるイオン架橋及び光照射により形成される化学架橋を含む、光架橋アルギン酸構造体を製造する方法であり、
例えば、下記式[各式中、波線右側は含まない]:
から選ばれる光反応性基が導入されたアルギン酸誘導体の溶液を、2価金属イオンを含む溶液中に滴下することで得られるゲルに光照射して光架橋アルギン酸構造体を得ることを含み、光架橋アルギン酸構造体が、架橋として2価金属イオンにより部分的に形成されるイオン架橋及び光照射により形成される化学架橋を含む、光架橋アルギン酸構造体を製造する方法であり;
又は、特に好ましくは、前記態様[1−4−4−2]、又は[1a−4−4−2]に記載のアルギン酸誘導体の溶液を、2価金属イオンを含む溶液中に滴下することで得られるゲルに光照射して光架橋アルギン酸構造体を得ることを含み、光架橋アルギン酸構造体が、架橋として2価金属イオンにより部分的に形成されるイオン架橋及び光照射により形成される化学架橋を含む、光架橋アルギン酸構造体を製造する方法であり、
例えば、下記式[各式中、波線右側は含まない]:
から選ばれる光反応性基が導入されたアルギン酸誘導体の溶液を、2価金属イオンを含む溶液中に滴下することで得られるゲルに光照射して光架橋アルギン酸構造体を得ることを含み、光架橋アルギン酸構造体が、架橋として2価金属イオンにより部分的に形成されるイオン架橋及び光照射により形成される化学架橋を含む、光架橋アルギン酸構造体を製造する方法であり;
最も好ましくは、下記式[各式中、波線右側は含まない]:
から選ばれる光反応性基が導入されたアルギン酸誘導体の溶液を、2価金属イオンを含む溶液中に滴下することで得られるゲルに光照射して光架橋アルギン酸構造体を得ることを含み、光架橋アルギン酸構造体が、架橋として2価金属イオンにより部分的に形成されるイオン架橋及び光照射により形成される化学架橋を含む、光架橋アルギン酸構造体を製造する方法である。
[16−2]第16−2の態様は、前記態様[16]に記載の光架橋アルギン酸構造体を製造する方法の好ましい態様であり、具体的には、前記態様[1b−3−1]、[1b−3−1a]、[1b−3−1b]、又は[1b−3−1c]に記載のアルギン酸誘導体の溶液を、2価金属イオンを含む溶液中に滴下することで得られるゲルに光照射して光架橋アルギン酸構造体を得ることを含み、光架橋アルギン酸構造体が、架橋として2価金属イオンにより部分的に形成されるイオン架橋及び光照射により形成される化学架橋を含む、光架橋アルギン酸構造体を製造する方法であり;
より好ましくは、前記態様[1b−3−2]、[1b−3−2a]、[1b−3−2b]、又は[1b−3−2c]に記載のアルギン酸誘導体の溶液を、2価金属イオンを含む溶液中に滴下することで得られるゲルに光照射して光架橋アルギン酸構造体を得ることを含み、光架橋アルギン酸構造体が、架橋として2価金属イオンにより部分的に形成されるイオン架橋及び光照射により形成される化学架橋を含む、光架橋アルギン酸構造体を製造する方法であり;
更に好ましくは、前記態様[1b−3−3a]に記載のアルギン酸誘導体の溶液を、2価金属イオンを含む溶液中に滴下することで得られるゲルに光照射して光架橋アルギン酸構造体を得ることを含み、光架橋アルギン酸構造体が、架橋として2価金属イオンにより部分的に形成されるイオン架橋及び光照射により形成される化学架橋を含む、光架橋アルギン酸構造体を製造する方法であり、
例えば、下記式[各式中、波線右側は含まない]:
から選ばれる光反応性基が導入されたアルギン酸誘導体の溶液を、2価金属イオンを含む溶液中に滴下することで得られるゲルに光照射して光架橋アルギン酸構造体を得ることを含み、光架橋アルギン酸構造体が、架橋として2価金属イオンにより部分的に形成されるイオン架橋及び光照射により形成される化学架橋を含む、光架橋アルギン酸構造体を製造する方法であり;
又は、更に好ましくは、前記態様[1b−3−3b]に記載のアルギン酸誘導体の溶液を、2価金属イオンを含む溶液中に滴下することで得られるゲルに光照射して光架橋アルギン酸構造体を得ることを含み、光架橋アルギン酸構造体が、架橋として2価金属イオンにより部分的に形成されるイオン架橋及び光照射により形成される化学架橋を含む、光架橋アルギン酸構造体を製造する方法であり、
例えば、下記式[各式中、波線右側は含まない]:
から選ばれる光反応性基が導入されたアルギン酸誘導体の溶液を、2価金属イオンを含む溶液中に滴下することで得られるゲルに光照射して光架橋アルギン酸構造体を得ることを含み、光架橋アルギン酸構造体が、架橋として2価金属イオンにより部分的に形成されるイオン架橋及び光照射により形成される化学架橋を含む、光架橋アルギン酸構造体を製造する方法であり;
又は、更に好ましくは、前記態様[1b−3−3c]に記載のアルギン酸誘導体の溶液を、2価金属イオンを含む溶液中に滴下することで得られるゲルに光照射して光架橋アルギン酸構造体を得ることを含み、光架橋アルギン酸構造体が、架橋として2価金属イオンにより部分的に形成されるイオン架橋及び光照射により形成される化学架橋を含む、光架橋アルギン酸構造体を製造する方法であり、
例えば、下記式[各式中、波線右側は含まない]:
から選ばれる光反応性基が導入されたアルギン酸誘導体の溶液を、2価金属イオンを含む溶液中に滴下することで得られるゲルに光照射して光架橋アルギン酸構造体を得ることを含み、光架橋アルギン酸構造体が、架橋として2価金属イオンにより部分的に形成されるイオン架橋及び光照射により形成される化学架橋を含む、光架橋アルギン酸構造体を製造する方法であり;
又は、更に好ましくは、前記態様[1b−3−3]に記載のアルギン酸誘導体の溶液を、2価金属イオンを含む溶液中に滴下することで得られるゲルに光照射して光架橋アルギン酸構造体を得ることを含み、光架橋アルギン酸構造体が、架橋として2価金属イオンにより部分的に形成されるイオン架橋及び光照射により形成される化学架橋を含む、光架橋アルギン酸構造体を製造する方法であり、
例えば、下記式[各式中、波線右側は含まない]:
から選ばれる光反応性基が導入されたアルギン酸誘導体の溶液を、2価金属イオンを含む溶液中に滴下することで得られるゲルに光照射して光架橋アルギン酸構造体を得ることを含み、光架橋アルギン酸構造体が、架橋として2価金属イオンにより部分的に形成されるイオン架橋及び光照射により形成される化学架橋を含む、光架橋アルギン酸構造体を製造する方法であり;
又は、更に好ましくは、前記態様[1b−3−3−1]に記載のアルギン酸誘導体の溶液を、2価金属イオンを含む溶液中に滴下することで得られるゲルに光照射して光架橋アルギン酸構造体を得ることを含み、光架橋アルギン酸構造体が、架橋として2価金属イオンにより部分的に形成されるイオン架橋及び光照射により形成される化学架橋を含む、光架橋アルギン酸構造体を製造する方法であり、
例えば、下記式[各式中、波線右側は含まない]:
から選ばれる光反応性基が導入されたアルギン酸誘導体の溶液を、2価金属イオンを含む溶液中に滴下することで得られるゲルに光照射して光架橋アルギン酸構造体を得ることを含み、光架橋アルギン酸構造体が、架橋として2価金属イオンにより部分的に形成されるイオン架橋及び光照射により形成される化学架橋を含む、光架橋アルギン酸構造体を製造する方法であり;
又は、更に好ましくは、前記態様[1b−3−3−2]に記載のアルギン酸誘導体の溶液を、2価金属イオンを含む溶液中に滴下することで得られるゲルに光照射して光架橋アルギン酸構造体を得ることを含み、光架橋アルギン酸構造体が、架橋として2価金属イオンにより部分的に形成されるイオン架橋及び光照射により形成される化学架橋を含む、光架橋アルギン酸構造体を製造する方法であり、
例えば、下記式[各式中、波線右側は含まない]:
から選ばれる光反応性基が導入されたアルギン酸誘導体の溶液を、2価金属イオンを含む溶液中に滴下することで得られるゲルに光照射して光架橋アルギン酸構造体を得ることを含み、光架橋アルギン酸構造体が、架橋として2価金属イオンにより部分的に形成されるイオン架橋及び光照射により形成される化学架橋を含む、光架橋アルギン酸構造体を製造する方法であり;
特に好ましくは、下記式[各式中、波線右側は含まない]:
から選ばれる光反応性基が導入されたアルギン酸誘導体の溶液を、2価金属イオンを含む溶液中に滴下することで得られるゲルに光照射して光架橋アルギン酸構造体を得ることを含み、光架橋アルギン酸構造体が、架橋として2価金属イオンにより部分的に形成されるイオン架橋及び光照射により形成される化学架橋を含む、光架橋アルギン酸構造体を製造する方法である。
[17−1]第17−1の態様は、次の通りである。前記態様[1]、[1a]又は[1b]のアルギン酸誘導体(式(I)においてp=1の場合)に光照射を行うことにより形成される化学架橋が、下記式(II−L−1)又は式(II−L−2):
[式(II−L−1)又は式(II−L−2)中、両端の−CONH−及び−NHCO−は、アルギン酸の任意のカルボキシル基を介したアミド結合を表わし;−A−、−X−、及びArは、前記態様[1]、[1a]又は[1b]中の定義と同じである]から選ばれる構造である、前記[16]に記載の光架橋アルギン酸構造体を製造する方法。
[17−2]第17−2の態様は、次の通りである。前記態様[1]、[1a]又は[1b]のアルギン酸誘導体(式(I)においてp=2の場合)に光照射を行うことにより形成される化学架橋が、下記式(II−L−3):
[式(II−L−3)中、両端の−CONH−及び−NHCO−は、アルギン酸の任意のカルボキシル基を介したアミド結合を表わし;−A−、−X−、及びArは、前記態様[1]、[1a]又は[1b]中の定義と同じである]の構造である、前記[16]に記載の光架橋アルギン酸構造体を製造する方法。
[18]第18の態様は、次の通りである。照射する光が、紫外線又はLED光から選ばれる光である、前記態様[16]、[17−1]及び[17−2]のいずれか1項に記載の光架橋アルギン酸構造体を製造する方法。
[19]第19の態様は、前記態様[1]、[1a]又は[1b]に記載のアルギン酸誘導体を、2価金属イオンにより部分的にイオン架橋して特定の構造体を形成した後に、当該構造体に光照射により化学架橋することにより光架橋アルギン酸構造体を得ることを含む、光架橋アルギン酸構造体を製造する方法。
[20]第20の態様は、次の通りである。照射する光が、紫外線又はLED光から選ばれる光である、前記態様[19]に記載の光架橋アルギン酸構造体を製造する方法。
[21]第21の態様は、次の通りである。前記態様[1]、[1a]又は[1b]に記載のアルギン酸誘導体を、2価金属イオン及び光照射により架橋して得られる、内容物の保持性を有する光架橋アルギン酸構造体。
[22]第22の態様は、次の通りである。生体適合性がある、前記態様[1]〜[3]のいずれか1項に記載のアルギン酸誘導体、前記態様[4]〜[6]のいずれか1項に記載の光架橋アルギン酸、及び前記態様[7]〜[10]のいずれか1項に記載の光架橋アルギン酸構造体。
[23]第23の態様は、次の通りである。下記式(AM−1):
[式(AM−1)中、
Arは、C6〜10アリール基、又は複素環基(前記C6〜10アリール基、又は複素環基は、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1〜6アルキル基、ハロゲン化C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、及び−NR基(−NR基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり)から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良く、前記C6〜10アリール基又は複素環基に、C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基が又は2つのC1〜6アルコキシ基が隣接して置換する場合、当該C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基の各基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、又は、当該2つのC1〜6アルコキシ基の各アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、環状エーテルを形成しても良く、又は、前記C6〜10アリール基又は複素環基に、C1〜6アルコキシ基及び−NHR基(−NHR基におけるRは、C2〜7アルカノイル基又はC1〜6アルキルスルホニル基である)が隣接して置換している場合、当該C1〜6アルコキシ基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子と当該−NHR基の水素原子が1つ除かれた窒素原子が結合することにより、3−N−(C2〜7アルカノイル)オキサゾリジン環、3−N−(C1〜6アルキルスルホニル)オキサゾリジン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)モルホリン環、4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)モルホリン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)−1,4−オキサゼパン環、又は4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)−1,4−オキサゼパン環を形成しても良い)を表わし;
−X−は、−O−、−NH−、又は−N(C1−6アルキル)−を表わし;
−A−は、式(AL−1)〜(AL−4)(但し、−X−が、−NH−、又は−N(C1−6アルキル)の場合、式(AL−1)は除く);
)[各式中、両端の波線外側は含まない
]:
(式(AL−1)〜(AL−4)中、nは、1〜18の整数を表わし;mは、1〜9の整数を表わし;jは、0〜9の整数を表わし;
式(AL−1)〜(AL−4)中のメチレン基(−CH−)の水素原子は、ハロゲン原子、水酸基、C1〜6アルキル基、ヒドロキシC1〜6アルキル基、チオールC1〜6アルキル基、C1〜6アルキルチオC1〜6アルキル基、カルボキシC1〜6アルキル基、−NR基、(RN)−C1〜6アルキル基、(RN)C(=O)−C1〜6アルキル基(前記−NR基、(RN)−C1〜6アルキル基、又は(RN)C(=O)−C1〜6アルキル基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり)、グアニジノC1〜6アルキル基、C7〜16アラルキル基、ヒドロキシC6〜10アリールC1〜6アルキル基、又はヘテロアリールC1〜6アルキル基から選択される基で複数個(例えば、1〜10個、又は1〜5個)置き換えられても良く;式(AL−1)〜(AL−4)中のメチレン基(−CH−)の2つの水素原子がC1〜6アルキル基に置き換えられた場合、当該各C1〜6アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することによりC3〜8シクロアルキル環を形成しても良く;式(AL−3)又は式(AL−4)中の−NH−基は、隣接する炭素原子に置換する前記置換基と共に、非芳香族複素環を形成しても良い](但し、2−(2−アミノエトキシ)エチル(E)−3−(4−メトキシフェニル)アクリレート、2−(2−アミノエトキシ)エチルシンナメート、(E)−N−(2−(2−アミノエトキシ)エチル)−3−(4−プロポキシフェニル)アクリルアミド、(E)−N−(2−(2−アミノエトキシ)エチル)−3−(3−メトキシフェニル)アクリルアミド、(E)−N−(2−(2−アミノエトキシ)エチル)−3−(3,4−ジメトキシフェニル)アクリルアミド、(E)−N−(2−(2−アミノエトキシ)エチル)−3−(4−エトキシフェニル)アクリルアミド、(E)−N−(2−(2−アミノエトキシ)エチル)−3−(4−ニトロフェニル)アクリルアミド、(E)−N−(2−(2−アミノエトキシ)エチル)−3−(4−イソプロピルフェニル)アクリルアミド、(E)−N−(2−(2−アミノエトキシ)エチル)−3−(4−フルオロフェニル)アクリルアミド、(E)−N−(2−(2−アミノエトキシ)エチル)−3−(2,5−ジメトキシフェニル)アクリルアミド、(E)−N−(2−(2−アミノエトキシ)エチル)−3−(2−プロポキシフェニル)アクリルアミド、(E)−N−(2−(2−アミノエトキシ)エチル)−3−(4−クロロフェニル)アクリルアミド、(E)−N−(2−(2−アミノエトキシ)エチル)−3−(3−イソプロポキシフェニル)アクリルアミド、N−(2−(2−アミノエトキシ)エチル)シンナミド、(E)−N−(2−(2−アミノエトキシ)エチル)−3−(p−トリル)アクリルアミド、(E)−N−(2−(2−(2−アミノエトキシ)エトキシ)エチル)−3−(4−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、(E)−N−(2−(2−アミノエトキシ)エチル)−3−(フラン−2−イル)アクリルアミド、1,3−ジアミノプロパン−2−イルシンナメート、5−アミノペンチル(E)−3−(4−メトキシフェニル)アクリレート、3−アミノプロピル(E)−3−(4−メトキシフェニル)アクリレート、ジアミノメチルシンナメート、6−アミノヘキシルシンナメート、4−アミノブチルシンナメート、5−アミノペンチルシンナメート、8−アミノオクチルシンナメート、12−アミノドデシルシンナメート、3−アミノプロピルシンナメート、2−アミノエチルシンナメート、1,2−ジアミノエチルシンナメート、2−アミノエチル(E)−3−(ピリジン−4−イル)アクリレート、2−アミノエチル(E)−3−(チオフェン−2−イル)アクリレート、及び2−アミノエチル(E)−3−(フラン−2−イル)アクリレートは除く)で表される化合物、又は製薬学的に許容されるその塩、又はそれらの溶媒和物。
[23−1]第23−1の態様は、前記態様[23]の式(AM−1)の化合物の好ましい態様であり、具体的には、Arは、C6〜10アリール基、又はヘテロアリール基(前記C6〜10アリール基、又はヘテロアリール基は、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1〜6アルキル基、ハロゲン化C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、及び−NR基(−NR基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり)から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良く、前記C6〜10アリール基又はヘテロアリール基に、C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基が又は2つのC1〜6アルコキシ基が隣接して置換する場合、当該C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基の各基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、又は、当該2つのC1〜6アルコキシ基の各アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、環状エーテルを形成しても良く、又は、前記C6〜10アリール基又はヘテロアリール基に、C1〜6アルコキシ基及び−NHR基(−NHR基におけるRは、C2〜7アルカノイル基又はC1〜6アルキルスルホニル基である)が隣接して置換している場合、当該C1〜6アルコキシ基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子と当該−NHR基の水素原子が1つ除かれた窒素原子が結合することにより、3−N−(C2〜7アルカノイル)オキサゾリジン環、3−N−(C1〜6アルキルスルホニル)オキサゾリジン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)モルホリン環、4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)モルホリン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)−1,4−オキサゼパン環、又は4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)−1,4−オキサゼパン環を形成しても良い)であり;
−X−は、−O−、又は−NH−であり;
−A−は、前記態様[23]中の式(AL−1)又は(AL−2)(但し、−X−が、−NH−、又は−N(C1−6アルキル)の場合、式(AL−1)は除く)[各式中、両端の波線外側は含まない](式(AL−1)中のnは、1〜10の整数であり;式(AL−2)中のmは、1〜7の整数であり;
式(AL−1)又は(AL−2)中のメチレン基(−CH−)の水素原子は、ハロゲン原子、水酸基、C1〜6アルキル基、ヒドロキシC1〜6アルキル基、チオールC1〜6アルキル基、C1〜6アルキルチオC1〜6アルキル基、カルボキシC1〜6アルキル基、−NR基、(RN)−C1〜6アルキル基、(RN)C(=O)−C1〜6アルキル基(前記−NR基、(RN)−C1〜6アルキル基、又は(RN)C(=O)−C1〜6アルキル基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり)、グアニジノC1〜6アルキル基、C7〜16アラルキル基、ヒドロキシC6〜10アリールC1〜6アルキル基、又はヘテロアリールC1〜6アルキル基から選択される基で複数個(例えば、1〜10個、又は1〜5個)置き換えられても良く)(但し、2−(2−アミノエトキシ)エチル(E)−3−(4−メトキシフェニル)アクリレート、2−(2−アミノエトキシ)エチルシンナメート、(E)−N−(2−(2−アミノエトキシ)エチル)−3−(4−プロポキシフェニル)アクリルアミド、(E)−N−(2−(2−アミノエトキシ)エチル)−3−(3−メトキシフェニル)アクリルアミド、(E)−N−(2−(2−アミノエトキシ)エチル)−3−(3,4−ジメトキシフェニル)アクリルアミド、(E)−N−(2−(2−アミノエトキシ)エチル)−3−(4−エトキシフェニル)アクリルアミド、(E)−N−(2−(2−アミノエトキシ)エチル)−3−(4−ニトロフェニル)アクリルアミド、(E)−N−(2−(2−アミノエトキシ)エチル)−3−(4−イソプロピルフェニル)アクリルアミド、(E)−N−(2−(2−アミノエトキシ)エチル)−3−(4−フルオロフェニル)アクリルアミド、(E)−N−(2−(2−アミノエトキシ)エチル)−3−(2,5−ジメトキシフェニル)アクリルアミド、(E)−N−(2−(2−アミノエトキシ)エチル)−3−(2−プロポキシフェニル)アクリルアミド、(E)−N−(2−(2−アミノエトキシ)エチル)−3−(4−クロロフェニル)アクリルアミド、(E)−N−(2−(2−アミノエトキシ)エチル)−3−(3−イソプロポキシフェニル)アクリルアミド、N−(2−(2−アミノエトキシ)エチル)シンナミド、(E)−N−(2−(2−アミノエトキシ)エチル)−3−(p−トリル)アクリルアミド、(E)−N−(2−(2−(2−アミノエトキシ)エトキシ)エチル)−3−(4−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、(E)−N−(2−(2−アミノエトキシ)エチル)−3−(フラン−2−イル)アクリルアミド、1,3−ジアミノプロパン−2−イルシンナメート、5−アミノペンチル(E)−3−(4−メトキシフェニル)アクリレート、3−アミノプロピル(E)−3−(4−メトキシフェニル)アクリレート、ジアミノメチルシンナメート、6−アミノヘキシルシンナメート、4−アミノブチルシンナメート、5−アミノペンチルシンナメート、8−アミノオクチルシンナメート、3−アミノプロピルシンナメート、2−アミノエチルシンナメート、1,2−ジアミノエチルシンナメート、2−アミノエチル(E)−3−(ピリジン−4−イル)アクリレート、2−アミノエチル(E)−3−(チオフェン−2−イル)アクリレート、及び2−アミノエチル(E)−3−(フラン−2−イル)アクリレートは除く)である化合物、又は製薬学的に許容されるその塩、又はそれらの溶媒和物である。
[23−2]第23−2の態様は、前記態様[23]の式(AM−1)の化合物のより好ましい態様であり、具体的には、Arは、C6〜10アリール基、又は5〜6員ヘテロアリール基(前記C6〜10アリール基、又は5〜6員ヘテロアリール基は、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1〜6アルキル基、ハロゲン化C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、及び−NR基(−NR基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり)から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良く、前記C6〜10アリール基又は5〜6員ヘテロアリール基に、C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基が又は2つのC1〜6アルコキシ基が隣接して置換する場合、当該C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基の各基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、又は、当該2つのC1〜6アルコキシ基の各アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、環状エーテルを形成しても良く、又は、前記C6〜10アリール基又は5〜6員ヘテロアリール基に、C1〜6アルコキシ基及び−NHR基(−NHR基におけるRは、C2〜7アルカノイル基又はC1〜6アルキルスルホニル基である)が隣接して置換している場合、当該C1〜6アルコキシ基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子と当該−NHR基の水素原子が1つ除かれた窒素原子が結合することにより、3−N−(C2〜7アルカノイル)オキサゾリジン環、3−N−(C1〜6アルキルスルホニル)オキサゾリジン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)モルホリン環、4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)モルホリン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)−1,4−オキサゼパン環、又は4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)−1,4−オキサゼパン環を形成しても良い)であり;
−X−は、−O−、又は−NH−であり;
−A−は、前記態様[23]中の式(AL−1)又は(AL−2)(但し、−X−が、−NH−、又は−N(C1−6アルキル)の場合、式(AL−1)は除く)[各式中、両端の波線外側は含まない](式(AL−1)中のnは、1〜8の整数であり;式(AL−2)中のmは、1〜5の整数であり;
式(AL−1)又は(AL−2)中のメチレン基(−CH−)の水素原子は、ハロゲン原子、水酸基、C1〜6アルキル基、ヒドロキシC1〜6アルキル基、−NR基(−NR基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり)、C7〜16アラルキル基、又はヘテロアリールC1〜6アルキル基から選択される基で複数個(例えば、1〜10個、又は1〜5個)置き換えられても良く)(但し、2−(2−アミノエトキシ)エチル(E)−3−(4−メトキシフェニル)アクリレート、2−(2−アミノエトキシ)エチルシンナメート、(E)−N−(2−(2−アミノエトキシ)エチル)−3−(4−プロポキシフェニル)アクリルアミド、(E)−N−(2−(2−アミノエトキシ)エチル)−3−(3−メトキシフェニル)アクリルアミド、(E)−N−(2−(2−アミノエトキシ)エチル)−3−(3,4−ジメトキシフェニル)アクリルアミド、(E)−N−(2−(2−アミノエトキシ)エチル)−3−(4−エトキシフェニル)アクリルアミド、(E)−N−(2−(2−アミノエトキシ)エチル)−3−(4−ニトロフェニル)アクリルアミド、(E)−N−(2−(2−アミノエトキシ)エチル)−3−(4−イソプロピルフェニル)アクリルアミド、(E)−N−(2−(2−アミノエトキシ)エチル)−3−(4−フルオロフェニル)アクリルアミド、(E)−N−(2−(2−アミノエトキシ)エチル)−3−(2,5−ジメトキシフェニル)アクリルアミド、(E)−N−(2−(2−アミノエトキシ)エチル)−3−(2−プロポキシフェニル)アクリルアミド、(E)−N−(2−(2−アミノエトキシ)エチル)−3−(4−クロロフェニル)アクリルアミド、(E)−N−(2−(2−アミノエトキシ)エチル)−3−(3−イソプロポキシフェニル)アクリルアミド、N−(2−(2−アミノエトキシ)エチル)シンナミド、(E)−N−(2−(2−アミノエトキシ)エチル)−3−(p−トリル)アクリルアミド、(E)−N−(2−(2−(2−アミノエトキシ)エトキシ)エチル)−3−(4−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、(E)−N−(2−(2−アミノエトキシ)エチル)−3−(フラン−2−イル)アクリルアミド、1,3−ジアミノプロパン−2−イルシンナメート、5−アミノペンチル(E)−3−(4−メトキシフェニル)アクリレート、3−アミノプロピル(E)−3−(4−メトキシフェニル)アクリレート、ジアミノメチルシンナメート、6−アミノヘキシルシンナメート、4−アミノブチルシンナメート、5−アミノペンチルシンナメート、8−アミノオクチルシンナメート、3−アミノプロピルシンナメート、2−アミノエチルシンナメート、1,2−ジアミノエチルシンナメート、2−アミノエチル(E)−3−(ピリジン−4−イル)アクリレート、2−アミノエチル(E)−3−(チオフェン−2−イル)アクリレート、及び2−アミノエチル(E)−3−(フラン−2−イル)アクリレートは除く)である化合物、又は製薬学的に許容されるその塩、又はそれらの溶媒和物である。
[23−3]第23−3の態様は、前記態様[23]の式(AM−1)の化合物の更に好ましい態様であり、具体的には、Arは、フェニル基、又はピリジル基(前記フェニル基、又はピリジル基は、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1〜6アルキル基、ハロゲン化C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、及び−NR基(−NR基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり)から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良く、前記フェニル基又はピリジル基に、C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基が又は2つのC1〜6アルコキシ基が隣接して置換する場合、当該C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基の各基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、又は、当該2つのC1〜6アルコキシ基の各アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、環状エーテルを形成しても良く、又は、前記フェニル基又はピリジル基に、C1〜6アルコキシ基及び−NHR基(−NHR基におけるRは、C2〜7アルカノイル基又はC1〜6アルキルスルホニル基である)が隣接して置換している場合、当該C1〜6アルコキシ基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子と当該−NHR基の水素原子が1つ除かれた窒素原子が結合することにより、3−N−(C2〜7アルカノイル)オキサゾリジン環、3−N−(C1〜6アルキルスルホニル)オキサゾリジン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)モルホリン環、4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)モルホリン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)−1,4−オキサゼパン環、又は4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)−1,4−オキサゼパン環を形成しても良い)であり;
−X−は、−O−、又は−NH−であり:
−A−は、前記態様[23]中の式(AL−1)又は(AL−2)(但し、−X−が、−NH−、又は−N(C1−6アルキル)の場合、式(AL−1)は除く)[各式中、両端の波線外側は含まない](式(AL−1)中のnは、2〜6の整数であり;式(AL−2)中のmは、1〜3の整数である)(但し、2−(2−アミノエトキシ)エチル(E)−3−(4−メトキシフェニル)アクリレート、2−(2−アミノエトキシ)エチルシンナメート、(E)−N−(2−(2−アミノエトキシ)エチル)−3−(4−プロポキシフェニル)アクリルアミド、(E)−N−(2−(2−アミノエトキシ)エチル)−3−(3−メトキシフェニル)アクリルアミド、(E)−N−(2−(2−アミノエトキシ)エチル)−3−(3,4−ジメトキシフェニル)アクリルアミド、(E)−N−(2−(2−アミノエトキシ)エチル)−3−(4−エトキシフェニル)アクリルアミド、(E)−N−(2−(2−アミノエトキシ)エチル)−3−(4−ニトロフェニル)アクリルアミド、(E)−N−(2−(2−アミノエトキシ)エチル)−3−(4−イソプロピルフェニル)アクリルアミド、(E)−N−(2−(2−アミノエトキシ)エチル)−3−(4−フルオロフェニル)アクリルアミド、(E)−N−(2−(2−アミノエトキシ)エチル)−3−(2,5−ジメトキシフェニル)アクリルアミド、(E)−N−(2−(2−アミノエトキシ)エチル)−3−(2−プロポキシフェニル)アクリルアミド、(E)−N−(2−(2−アミノエトキシ)エチル)−3−(4−クロロフェニル)アクリルアミド、(E)−N−(2−(2−アミノエトキシ)エチル)−3−(3−イソプロポキシフェニル)アクリルアミド、N−(2−(2−アミノエトキシ)エチル)シンナミド、(E)−N−(2−(2−アミノエトキシ)エチル)−3−(p−トリル)アクリルアミド、(E)−N−(2−(2−(2−アミノエトキシ)エトキシ)エチル)−3−(4−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、1,3−ジアミノプロパン−2−イルシンナメート、5−アミノペンチル(E)−3−(4−メトキシフェニル)アクリレート、3−アミノプロピル(E)−3−(4−メトキシフェニル)アクリレート、6−アミノヘキシルシンナメート、4−アミノブチルシンナメート、5−アミノペンチルシンナメート、3−アミノプロピルシンナメート、2−アミノエチルシンナメート、1,2−ジアミノエチルシンナメート、及び2−アミノエチル(E)−3−(ピリジン−4−イル)アクリレートは除く)ある化合物、又は製薬学的に許容されるその塩、又はそれらの溶媒和物である。
[23−4]第23−4の態様は、前記態様[23]の式(AM−1)の化合物の特に好ましい態様であり、具体的には、Arは、フェニル基、又は2−ピリジル基(前記フェニル基、又は2−ピリジル基は、シアノ基、フッ素原子、トリフルオロメチル基、及びメトキシ基から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良く、フェニル基又は2−ピリジル基上に、2つのメトキシ基が隣接して置換している場合には、2つのメトキシ基の各基のメチル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより1,4−ジオキサン環を形成しても良い)であり;
例えば、Arは、フェニル基、4−フルオロフェニル基、4−(トリフルオロメチル)フェニル基、4−メトキシフェニル基、4−シアノフェニル基、2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシニル基、又は2−ピリジル基であり;
−X−は、−O−、又は−NH−であり:
−A−は、前記態様[1−3]中の式(AL−1−1)、(AL−2−1)又は(AL−2−2)[各式中、両端の波線外側は含まない](但し、2−(2−アミノエトキシ)エチル(E)−3−(4−メトキシフェニル)アクリレート、2−(2−アミノエトキシ)エチルシンナメート、(E)−N−(2−(2−アミノエトキシ)エチル)−3−(3−メトキシフェニル)アクリルアミド、(E)−N−(2−(2−アミノエトキシ)エチル)−3−(3,4−ジメトキシフェニル)アクリルアミド、(E)−N−(2−(2−アミノエトキシ)エチル)−3−(4−フルオロフェニル)アクリルアミド、(E)−N−(2−(2−アミノエトキシ)エチル)−3−(2,5−ジメトキシフェニル)アクリルアミド、N−(2−(2−アミノエトキシ)エチル)シンナミド、3−アミノプロピル(E)−3−(4−メトキシフェニル)アクリレート、及び3−アミノプロピルシンナメートは除く)である化合物、又は製薬学的に許容されるその塩、又はそれらの溶媒和物であり;
例えば、下記式:
の化合物、又は製薬学的に許容されるその塩、又はそれらの溶媒和物である。
[24]第24の態様は、次の通りである。下記式(AM−2):
[式(AM−2)中、Arは、C6〜10アリール基、又は複素環基(前記C6〜10アリール基、又は複素環基は、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1〜6アルキル基、ハロゲン化C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、及び−NR基(−NR基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり)から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良く、前記C6〜10アリール基又は複素環基に、C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基が又は2つのC1〜6アルコキシ基が隣接して置換する場合、当該C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基の各基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、又は、当該2つのC1〜6アルコキシ基の各アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、環状エーテルを形成しても良く、又は、前記C6〜10アリール基又は複素環基に、C1〜6アルコキシ基及び−NHR基(−NHR基におけるRは、C2〜7アルカノイル基又はC1〜6アルキルスルホニル基である)が隣接して置換している場合、当該C1〜6アルコキシ基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子と当該−NHR基の水素原子が1つ除かれた窒素原子が結合することにより、3−N−(C2〜7アルカノイル)オキサゾリジン環、3−N−(C1〜6アルキルスルホニル)オキサゾリジン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)モルホリン環、4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)モルホリン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)−1,4−オキサゼパン環、又は4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)−1,4−オキサゼパン環を形成しても良い)(但し、−X−が、−NH−であり、かつAが式(AL−1)(n=1〜6)の場合、前記Arの複素環基からベンゾ[d][1,3]ジオキソリル基を除き、又前記ArのC6〜10アリール基又は複素環基に、C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基が又は2つのC1〜6アルコキシ基が隣接して置換する場合、当該C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基の各基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、又は、当該2つのC1〜6アルコキシ基の各アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより形成される環状エーテルより、1,3−ジオキソラン環を除く))を表わし;
−X−は、−O−、−NH−、又は−N(C1−6アルキル)−を表わし;
−A−は、式(AL−1)〜(AL−4)[各式中、両端の波線外側は含まない]:
(式(AL−1)〜(AL−4)中、nは、1〜18の整数を表わし;mは、1〜9の整数を表わし;jは、0〜9の整数を表わし;
式(AL−1)〜(AL−4)中のメチレン基(−CH−)の水素原子は、ハロゲン原子、水酸基、C1〜6アルキル基、ヒドロキシC1〜6アルキル基、チオールC1〜6アルキル基、C1〜6アルキルチオC1〜6アルキル基、カルボキシC1〜6アルキル基、−NR基、(RN)−C1〜6アルキル基、(RN)C(=O)−C1〜6アルキル基(前記−NR基、(RN)−C1〜6アルキル基、又は(RN)C(=O)−C1〜6アルキル基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり)、グアニジノC1〜6アルキル基、C7〜16アラルキル基、ヒドロキシC6〜10アリールC1〜6アルキル基、又はヘテロアリールC1〜6アルキル基から選択される基で複数個(例えば、1〜10個、又は1〜5個)置き換えられても良く;式(AL−1)〜(AL−4)中のメチレン基(−CH−)の2つの水素原子がC1〜6アルキル基に置き換えられた場合、当該各C1〜6アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することによりC3〜8シクロアルキル環を形成しても良く);式(AL−3)又は式(AL−4)中の−NH−基は、隣接する炭素原子に置換する前記置換基と共に、非芳香族複素環を形成しても良い)]で表される化合物、又は製薬学的に許容されるその塩、又はそれらの溶媒和物。
[24−1]第24−1の態様は、前記態様[24]の式(AM−2)の化合物の好ましい態様であり、具体的には、Arは、C6〜10アリール基、又はヘテロアリール基(前記C6〜10アリール基、又はヘテロアリール基は、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1〜6アルキル基、ハロゲン化C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、及び−NR基(−NR基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり)から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良く、前記C6〜10アリール基又はヘテロアリール基に、C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基が又は2つのC1〜6アルコキシ基が隣接して置換する場合、当該C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基の各基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、又は、当該2つのC1〜6アルコキシ基の各アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、環状エーテルを形成しても良く、又は、前記C6〜10アリール基又はヘテロアリール基に、C1〜6アルコキシ基及び−NHR基(−NHR基におけるRは、C2〜7アルカノイル基又はC1〜6アルキルスルホニル基である)が隣接して置換している場合、当該C1〜6アルコキシ基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子と当該−NHR基の水素原子が1つ除かれた窒素原子が結合することにより、3−N−(C2〜7アルカノイル)オキサゾリジン環、3−N−(C1〜6アルキルスルホニル)オキサゾリジン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)モルホリン環、4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)モルホリン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)−1,4−オキサゼパン環、又は4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)−1,4−オキサゼパン環を形成しても良い)(但し、−X−が、−NH−であり、かつAが式(AL−1)(n=1〜6)の場合、前記ArのC6〜10アリール基又はヘテロアリール基に、C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基が又は2つのC1〜6アルコキシ基が隣接して置換する場合、当該C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基の各基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、又は、当該2つのC1〜6アルコキシ基の各アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより形成される環状エーテルより、1,3−ジオキソラン環を除く)であり;
−X−は、−O−、又は−NH−であり;
−A−は、前記態様[23]中の式(AL−1)又は(AL−2)[各式中、両端の波線外側は含まない](式(AL−1)中のnは、1〜10の整数であり;式(AL−2)中のmは、1〜7の整数であり;
式(AL−1)又は(AL−2)中のメチレン基(−CH−)の水素原子は、ハロゲン原子、水酸基、C1〜6アルキル基、ヒドロキシC1〜6アルキル基、チオールC1〜6アルキル基、C1〜6アルキルチオC1〜6アルキル基、カルボキシC1〜6アルキル基、−NR基、(RN)−C1〜6アルキル基、(RN)C(=O)−C1〜6アルキル基(前記−NR基、(RN)−C1〜6アルキル基、又は(RN)C(=O)−C1〜6アルキル基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり)、グアニジノC1〜6アルキル基、C7〜16アラルキル基、ヒドロキシC6〜10アリールC1〜6アルキル基、又はヘテロアリールC1〜6アルキル基から選択される基で複数個(例えば、1〜10個、又は1〜5個)置き換えられても良く;式(AL−1)又は(AL−2)中のメチレン基(−CH−)の2つの水素原子がC1〜6アルキル基に置き換えられる場合、当該各C1〜6アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することによりC3〜8シクロアルキル環を形成しても良い)である化合物、又は製薬学的に許容されるその塩、又はそれらの溶媒和物である。
[24−2]第24−2の態様は、前記態様[24]の式(AM−2)の化合物のより好ましい態様であり、具体的には、Arは、C6〜10アリール基、又は5〜6員ヘテロアリール基(前記C6〜10アリール基、又は5〜6員ヘテロアリール基は、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1〜6アルキル基、ハロゲン化C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、及び−NR基(−NR基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり)から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良く、前記C6〜10アリール基又は5〜6員ヘテロアリール基に、C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基が又は2つのC1〜6アルコキシ基が隣接して置換する場合、当該C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基の各基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、又は、当該2つのC1〜6アルコキシ基の各アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、環状エーテルを形成しても良く、又は、前記C6〜10アリール基又は5〜6員ヘテロアリール基に、C1〜6アルコキシ基及び−NHR基(−NHR基におけるRは、C2〜7アルカノイル基又はC1〜6アルキルスルホニル基である)が隣接して置換している場合、当該C1〜6アルコキシ基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子と当該−NHR基の水素原子が1つ除かれた窒素原子が結合することにより、3−N−(C2〜7アルカノイル)オキサゾリジン環、3−N−(C1〜6アルキルスルホニル)オキサゾリジン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)モルホリン環、4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)モルホリン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)−1,4−オキサゼパン環、又は4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)−1,4−オキサゼパン環を形成しても良い)(但し、−X−が、−NH−であり、かつAが式(AL−1)(n=1〜6)の場合、前記ArのC6〜10アリール基又は5〜6員ヘテロアリール基に、C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基が又は2つのC1〜6アルコキシ基が隣接して置換する場合、当該C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基の各基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、又は、当該2つのC1〜6アルコキシ基の各アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより形成される環状エーテルより、1,3−ジオキソラン環を除く)であり;
−X−は、−O−、又は−NH−であり;
−A−は、前記態様[24]中の式(AL−1)又は(AL−2)[各式中、両端の波線外側は含まない](式(AL−1)中のnは、1〜8の整数であり;式(AL−2)中のmは、1〜5の整数である)であり;
式(AL−1)又は(AL−2)中のメチレン基(−CH−)の水素原子は、ハロゲン原子、水酸基、C1〜6アルキル基、ヒドロキシC1〜6アルキル基、−NR基(−NR基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり)、C7〜16アラルキル基、又はヘテロアリールC1〜6アルキル基から選択される基で複数個(例えば、1〜10個、又は1〜5個)置き換えられても良く;式(AL−1)又は(AL−2)中のメチレン基(−CH−)の2つの水素原子がC1〜6アルキル基に置き換えられる場合、当該各C1〜6アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することによりC3〜8シクロアルキル環を形成しても良い)である化合物、又は製薬学的に許容されるその塩、又はそれらの溶媒和物である。
[24−3]第24−3の態様は、前記態様[24]の式(AM−2)の化合物の更に好ましい態様であり、具体的には、Arは、フェニル基、又はピリジル基(前記フェニル基、又はピリジル基は、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1〜6アルキル基、ハロゲン化C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、及び−NR基(−NR基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり)から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良く、前記フェニル基又はピリジル基に、C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基が又は2つのC1〜6アルコキシ基が隣接して置換する場合、当該C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基の各基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、又は、当該2つのC1〜6アルコキシ基の各アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、環状エーテルを形成しても良く、又は、前記フェニル基又はピリジル基に、C1〜6アルコキシ基及び−NHR基(−NHR基におけるRは、C2〜7アルカノイル基又はC1〜6アルキルスルホニル基である)が隣接して置換している場合、当該C1〜6アルコキシ基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子と当該−NHR基の水素原子が1つ除かれた窒素原子が結合することにより、3−N−(C2〜7アルカノイル)オキサゾリジン環、3−N−(C1〜6アルキルスルホニル)オキサゾリジン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)モルホリン環、4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)モルホリン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)−1,4−オキサゼパン環、又は4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)−1,4−オキサゼパン環を形成しても良い)(但し、−X−が、−NH−であり、かつAが式(AL−1)(n=2〜6)の場合、前記Arのフェニル基又はピリジル基に、C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基が又は2つのC1〜6アルコキシ基が隣接して置換する場合、当該C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基の各基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、又は、当該2つのC1〜6アルコキシ基の各アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより形成される環状エーテルより、1,3−ジオキソラン環を除く)であり;
−X−は、−O−、又は−NH−であり:
−A−は、前記態様[24]中の式(AL−1)又は(AL−2)[各式中、両端の波線外側は含まない](式(AL−1)中のnは、2〜6の整数であり;式(AL−2)中のmは、1〜3の整数であり)である化合物、又は製薬学的に許容されるその塩、又はそれらの溶媒和物である。
[24−4]第24−4の態様は、前記態様[24]の式(AM−2)の化合物の特に好ましい態様であり、具体的には、Arは、フェニル基(前記フェニル基の環上の水素原子が1〜3個のメトキシ基と置換しても良い)であり;
例えば、Arは、フェニル基、又は4−メトキシフェニル基であり;
−X−は、−O−であり:
−A−は、前記態様[1−3]中の式(AL−1−1)[式中、両端の波線外側は含まない]である化合物、又は製薬学的に許容されるその塩、又はそれらの溶媒和物であり;
例えば、下記式:
の化合物、又は製薬学的に許容されるその塩、又はそれらの溶媒和物である。
以下、各態様について詳細に説明する。
1.アルギン酸
本明細書中、アルギン酸と記載する場合、アルギン酸、アルギン酸エステル、及びそれらの塩(例えば、アルギン酸ナトリウム)からなる群から選択される少なくとも1種のアルギン酸(「アルギン酸類」という場合がある)を意味する。用いられるアルギン酸は、天然由来でも合成物であってもよいが、天然由来であるのが好ましい。好ましく用いられるアルギン酸類は、レッソニア、マクロシスティス、ラミナリア、アスコフィラム、ダービリア、カジカ、アラメ、コンブなどの褐藻類から抽出される生体内吸収性の多糖類であって、D−マンヌロン酸(M)とL−グルロン酸(G)という2種類のウロン酸が直鎖状に重合したポリマーである。より具体的には、D−マンヌロン酸のホモポリマー画分(MM画分)、L−グルロン酸のホモポリマー画分(GG画分)、およびD−マンヌロン酸とL−グルロン酸がランダムに配列した画分(M/G画分)が任意に結合したブロック共重合体である。
本明細書中、アルギン酸は、アルギン酸を(ALG)として、アルギン酸の任意のカルボキシル基の1つを−COOHとして、(ALG)−COOHと表記する場合がある。
いくつかの態様では、アルギン酸は、アルギン酸ナトリウムである。アルギン酸ナトリウムは、市販品のアルギン酸ナトリウムを用いることができる。ここで、後述の実施例では、アルギン酸ナトリウムは、下表に記載したA−1、A−2及びA−3のアルギン酸ナトリウム(発売元 持田製薬株式会社)を用いている。各アルギン酸ナトリウムの1w/w%の水溶液の粘度、重量平均分子量及びM/G比を表1に示す。
前記アルギン酸ナトリウムA−1、A−2、A−3、B−1、B−2、及びB−3の各物性値は、下記の各種方法により測定した。測定方法は、当該方法に限定されるものではないが、測定方法により各物性値が上記のものと異なる場合がある。
[アルギン酸ナトリウムの粘度測定]
日本薬局方(第16版)の粘度測定法に従い、回転粘度計法(コーンプレート型回転粘度計)を用いて測定した。具体的な測定条件は以下のとおりである。試料溶液の調製は、MilliQ水を用いて行った。測定機器は、コーンプレート型回転粘度計(粘度粘弾性測定装置レオストレスRS600(Thermo Haake GmbH)センサー:35/1)を用いた。回転数は、1w/w%アルギン酸ナトリウム溶液測定時は1rpmとした。読み取り時間は、2分間測定し、開始1分から2分までの平均値とした。3回の測定の平均値を測定値とした。測定温度は20℃とした。
[アルギン酸ナトリウムの重量平均分子量測定]
(1)ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)と、(2)GPC−MALSの2種類の測定法で測定した。測定条件は以下のとおりである。
[前処理方法]
試料に溶離液を加え溶解後、0.45μmメンブランフィルターろ過したものを測定溶液とした。
(1)ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定
[測定条件(相対分子量分布測定)]
カラム:TSKgel GMPW−XL×2+G2500PW−XL(7.8mm I.D.×300mm×3本)
溶離液:200mM硝酸ナトリウム水溶液
流量:1.0mL/min
濃度:0.05%
検出器:RI検出器
カラム温度:40℃
注入量:200μL
分子量標準:標準プルラン、グルコース
(2)GPC−MALS測定
[屈折率増分(dn/dc)測定(測定条件)]
示差屈折率計:Optilab T−rEX
測定波長:658nm
測定温度:40℃
溶媒:200mM硝酸ナトリウム水溶液
試料濃度:0.5〜2.5mg/mL(5濃度)
[測定条件(絶対分子量分布測定)]
カラム:TSKgel GMPW−XL×2+G2500PW−XL(7.8mm I.D.×300mm×3本)
溶離液:200mM硝酸ナトリウム水溶液
流量:1.0mL/min
濃度:0.05%
検出器:RI検出器、光散乱検出器(MALS)
カラム温度:40℃
注入量:200μL
本明細書中、アルギン酸、アルギン酸誘導体、架橋アルギン酸、及び架橋アルギン酸の分子量において、単位としてDa(ダルトン)を付記する場合がある。
アルギン酸類のD−マンヌロン酸とL−グルロン酸の構成比(M/G比)は、主に海藻等の由来となる生物の種類によって異なり、また、その生物の生育場所や季節による影響を受け、M/G比が約0.2の高G型からM/G比が約5の高M型まで高範囲にわたる。アルギン酸類のゲル化能力および生成したゲルの性質は、M/G比によって影響を受け、一般的に、G比率が高い場合にはゲル強度が高くなることが知られている。M/G比は、その他にも、ゲルの硬さ、もろさ、吸水性、柔軟性などにも影響を与える。用いるアルギン酸類および/またはその塩のM/G比は、通常、0.2〜4.0であり、より好ましくは、0.4〜3.0、さらに好ましくは0.5〜3.0である。
本明細書中、「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値および最大値として含む範囲を示す。
本明細書中、用いられる「アルギン酸エステル」、「アルギン酸塩」とは、特に限定されないが、架橋剤と反応させるため、架橋反応を阻害する官能基を有していないことが必要である。アルギン酸エステルとしては、好ましくは、アルギン酸プロピレングリコール、等が挙げられる。
本明細書中、アルギン酸塩としては、例えば、アルギン酸の1価の塩、アルギン酸の2価の塩が挙げられる。アルギン酸の1価の塩としては、好ましくは、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸アンモニウム、等が挙げられ、より好ましくは、アルギン酸ナトリウムまたはアルギン酸カリウムであり、特に好ましくは、アルギン酸ナトリウムである。アルギン酸の2価の塩としては、好ましくは、アルギン酸カルシウム、アルギン酸マグネシウム、アルギン酸バリウム、アルギン酸ストロンチウム、等が挙げられる。
アルギン酸は、高分子多糖類であり、分子量を正確に定めることは困難であるが、一般的に重量平均分子量で1000〜1000万、好ましくは1万〜800万、より好ましくは2万〜300万の範囲である。天然物由来の高分子物質の分子量測定では、測定方法により値に違いが生じうることが知られている。
例えば、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)又はゲルろ過クロマトグラフィー(これらを合わせてサイズ排除クロマトグラフィーともいう)により測定した重量平均分子量は、好ましくは10万以上、より好ましくは50万以上であり、また好ましくは、500万以下、より好ましくは300万以下である。その好ましい範囲は、10万〜500万であり、より好ましくは15万〜300万である。
また、例えば、GPC−MALS法によれば、絶対重量平均分子量を測定することができる。GPC−MALS法により測定した重量平均分子量(絶対分子量)は、好ましくは1万以上、より好ましくは5万以上、さらに好ましくは6万以上であり、また好ましくは、100万以下、より好ましくは80万以下、さらに好ましくは70万以下、とりわけ好ましくは50万以下である。その好ましい範囲は、1万〜100万であり、より好ましくは5万〜80万であり、さらに好ましくは6万〜70万、とりわけ好ましくは6万〜50万である。
通常、高分子多糖類の分子量を上記のような手法で算出する場合、10%〜20%の測定誤差を生じうる。例えば、40万であれば32万〜48万、50万であれば40万〜60万、100万であれば80万〜120万程度の範囲で値の変動が生じうる。
アルギン酸類の分子量の測定は、常法に従い測定することができる。
分子量測定にゲルろ過クロマトグラフィーを用いる場合の代表的な条件は、後述の本明細書の実施例に記載のとおりである。カラムは、例えば、Superose6 Increase10/300 GLカラム(GEヘルスケアサイエンス社)を用いることができ、展開溶媒として、例えば、0.15mol/L NaClを含む10mmol/Lリン酸緩衝液(pH7.4)を使用することができ、分子量標準としてブルーデキストラン、チログロブリン、フェリチン、アルドラーゼ、コンアルブミン、オブアルブミン、リボヌクレアーゼAおよびアプロチニンを用いることができる。
本明細書中で用いられるアルギン酸の粘度は、特に限定されないが、1w/w%のアルギン酸類の水溶液として粘度を測定した場合、好ましくは、10mPa・s〜1000mPa・s、より好ましくは、50mPa・s〜800mPa・sである。
アルギン酸の水溶液の粘度の測定は、常法に従い測定することができる。例えば、回転粘度計法の、共軸二重円筒形回転粘度計、単一円筒形回転粘度計(ブルックフィールド型粘度計)、円すい−平板形回転粘度計(コーンプレート型粘度計)等を用いて測定することができる。好ましくは、日本薬局方(第16版)の粘度測定法に従うことが望ましい。より好ましくは、コーンプレート型粘度計を用いる。
アルギン酸類は、褐藻類から抽出された当初は、分子量が大きく、粘度が高めだが、熱による乾燥、精製などの過程で、分子量が小さくなり、粘度は低めとなる。製造工程の温度等の条件管理、原料とする褐藻類の選択、製造工程における分子量の分画などの手法により分子量の異なるアルギン酸類を製造することができる。さらに、異なる分子量あるいは粘度を持つ別ロットのアルギン酸類と混合することにより、目的とする分子量を有するアルギン酸類とすることも可能である。
本明細書中で用いられるアルギン酸は、いくつかの態様においては、低エンドトキシン処理されていないアルギン酸あり、又は別のいくつかの態様においては、低エンドトキシン処理されたアルギン酸である。低エンドトキシンとは、実質的に炎症、または発熱を惹起しない程度にまでエンドトキシンレベルが低いことをいう。より好ましくは、低エンドトキシン処理されたアルギン酸類であることが望ましい。
低エンドトキシン処理は、公知の方法またはそれに準じる方法によって行うことができる。例えば、ヒアルロン酸ナトリウムを精製する、菅らの方法(例えば、特開平9−324001号公報など参照)、β1,3−グルカンを精製する、吉田らの方法(例えば、特開平8−269102号公報など参照)、アルギネート、ゲランガム等の生体高分子塩を精製する、ウィリアムらの方法(例えば、特表2002−530440号公報など参照)、ポリサッカライドを精製する、ジェームスらの方法(例えば、国際公開第93/13136号パンフレットなど参照)、ルイスらの方法(例えば、米国特許第5589591号明細書など参照)、アルギネートを精製する、ハーマンフランクらの方法(例えば、Appl Microbiol Biotechnol(1994)40:638−643など参照)等またはこれらに準じる方法によって実施することができる。低エンドトキシン処理は、それらに限らず、洗浄、フィルター(エンドトキシン除去フィルターや帯電したフィルターなど)によるろ過、限外ろ過、カラム(エンドトキシン吸着アフィニティーカラム、ゲルろ過カラム、イオン交換樹脂によるカラムなど)を用いた精製、疎水性物質、樹脂または活性炭などへの吸着、有機溶媒処理(有機溶媒による抽出、有機溶剤添加による析出・沈降など)、界面活性剤処理(例えば、特開2005−036036号公報など参照)など公知の方法によって、あるいはこれらを適宜組合せて実施することができる。これらの処理の工程に、遠心分離など公知の方法を適宜組み合わせてもよい。アルギン酸の種類に合わせて適宜選択するのが望ましい。
エンドトキシンレベルは、公知の方法で確認することができ、例えば、リムルス試薬(LAL)による方法、エンドスペシー(登録商標)ES−24Sセット(生化学工業株式会社)を用いる方法などによって測定することができる。
用いられるエンドトキシンの処理方法は特に限定されないが、その結果として、アルギン酸類のエンドトキシン含有量が、リムルス試薬(LAL)によるエンドトキシン測定を行った場合に、500エンドトキシン単位(EU)/g以下であることが好ましく、さらに好ましくは、100EU/g以下、とりわけ好ましくは、50EU/g以下、特に好ましくは、30EU/g以下である。低エンドトキシン処理されたアルギン酸ナトリウムは、例えば、Sea Matrix(登録商標)(持田製薬株式会社)、PRONOVATM UP LVG(FMCBioPolymer)など市販品により入手可能である。
2.アルギン酸誘導体
ここでは、アルギン酸誘導体が提供される。アルギン酸誘導体は、アルギン酸のカルボキシル基の一部が下記式(I)[式中、波線右側は含まない]:
[Ar、p、−X−、−A−の定義は、前述の通りであり、例えば第1の態様中の定義と同じである]で表される光反応性基で置換されたもの、すなわち、アルギン酸のカルボキシル基の一部に光反応性基を有するものである。光反応性基(「光架橋基」という場合がある)は、光反応において環化が進行する部分(光反応性部分)を含む。光反応性部分は、光照射によって二量化反応(環化反応)または重合反応を生じる部分であればよく、具体例としては、桂皮酸部分、置換桂皮酸部分、フェニルペンタ−2,4−ジエノイック酸部分、置換フェニルペンタ−2,4−ジエノイック酸部分、又は、ヘテロ環置換アクリル酸部分などが挙げられる。なお、式(I)中のアルケン部位は、一形態としてトランス体として記載しているが、光照射によって二量化反応(環化反応)または重合反応が進行する結合様式であれば良く、p=1の場合、トランス体でもシス体でも良く、p=2場合、トランス体及びシス体を組み合わせた結合様式でも良く、前記を満たすものは式(I)に含まれるものとする。
これら光反応性部分の中でも、二量化反応によりシクロブタン環を形成可能なビニレン基を有する部分が好ましく、例えば、桂皮酸部分、置換桂皮酸部分、フェニルペンタ−2,4−ジエノイック酸部分、置換フェニルペンタ−2,4−ジエノイック酸部分、およびヘテロ環置換アクリル酸部分が好ましい。
また、光反応性基は、光反応性部分とアルギン酸の両方に結合して両者を一定の距離に保つためのスペーサーが結合していてもよい。桂皮酸部分、置換桂皮酸部分、フェニルペンタ−2,4−ジエノイック酸部分、置換フェニルペンタ−2,4−ジエノイック酸部分、ヘテロ環置換アクリル酸部分などの光反応性部分にスペーサーが結合した誘導体が、光反応性基(光架橋基)としては最も好ましい。
いくつかの態様では、以下のアルギン酸誘導体が提供される。
アルギン酸の任意の1つ以上のカルボキシル基に、下記式(I)[式中、波線右側は含まない]:
[Ar、p、−X−、−A−の定義は、前述の通りであり、例えば第1の態様中の定義と同じである]で表される光反応性基が導入された、アルギン酸誘導体。
ここで、「光反応性基が導入された」とは、アルギン酸の任意の1つ以上のカルボキシル基が、光反応性基におけるリンカーの末端アミノ基とアミド結合を形成することにより、アルギン酸の任意の1つ以上のカルボキシル基と光反応性基がリンカーを介して結合することを意味する。
2.1 光反応性部分およびリンカー
ここで、光反応性基である前記式(I)中、部分構造式(I−S)[式中、波線右側は含まない]:
を「光反応性部分」という場合があり、また、下記式−A−[式中、波線外側は含まない]:
を「リンカー」という場合がある。
光反応性部分において、Arは、C6−10アリール基、又は複素環基(前記C6〜10アリール基、又は複素環基は、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1〜6アルキル基、ハロゲン化C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、及び−NR基(−NR基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり)から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良く、前記C6〜10アリール基又は複素環基に、C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基が又は2つのC1〜6アルコキシ基が隣接して置換する場合、当該C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基の各基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、又は、当該2つのC1〜6アルコキシ基の各アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、環状エーテルを形成しても良く、又は、前記C6〜10アリール基又は複素環基に、C1〜6アルコキシ基及び−NHR基(−NHR基におけるRは、C2〜7アルカノイル基又はC1〜6アルキルスルホニル基である)が隣接して置換している場合、当該C1〜6アルコキシ基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子と当該−NHR基の水素原子が1つ除かれた窒素原子が結合することにより、3−N−(C2〜7アルカノイル)オキサゾリジン環、3−N−(C1〜6アルキルスルホニル)オキサゾリジン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)モルホリン環、4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)モルホリン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)−1,4−オキサゼパン環、又は4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)−1,4−オキサゼパン環を形成しても良い)である。
別の態様では、Arは、C6〜10アリール基、又は複素環基(前記C6〜10アリール基、又は複素環基は、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1〜6アルキル基、ハロゲン化C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、及び−NR基(−NR基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり(但し、−NH、−NH(C1〜6アルキル基)、及び−N(C1〜6アルキル基)は除く))から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良く、前記C6〜10アリール基又は複素環基に、C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基が又は2つのC1〜6アルコキシ基が隣接して置換する場合、当該C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基の各基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、又は、当該2つのC1〜6アルコキシ基の各アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、環状エーテルを形成しても良く、又は、前記C6〜10アリール基又は複素環基に、C1〜6アルコキシ基及び−NHR基(−NHR基におけるRは、C2〜7アルカノイル基又はC1〜6アルキルスルホニル基である)が隣接して置換している場合、当該C1〜6アルコキシ基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子と当該−NHR基の水素原子が1つ除かれた窒素原子が結合することにより、3−N−(C2〜7アルカノイル)オキサゾリジン環、3−N−(C1〜6アルキルスルホニル)オキサゾリジン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)モルホリン環、4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)モルホリン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)−1,4−オキサゼパン環、又は4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)−1,4−オキサゼパン環を形成しても良い)(但し、式(I)において、Ar=フェニル基、p=1、−A−=式(AL−1)、かつn=3の場合、当該Arのフェニル基では前記フェニル基上の水素原子と置換しても良い置換基群から任意に選ばれる1〜3個の基が前記フェニル基上の水素原子と置換する))である。
別の態様では、Arは、C6〜10アリール基(前記C6〜10アリール基は、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1〜6アルキル基、ハロゲン化C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、及び−NR基(−NR基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり(但し、−NH、−NH(C1〜6アルキル基)、及び−N(C1〜6アルキル基)は除く))から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良く、前記C6〜10アリール基に、C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基が又は2つのC1〜6アルコキシ基が隣接して置換する場合、当該C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基の各基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、又は、当該2つのC1〜6アルコキシ基の各アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、環状エーテルを形成しても良く、又は、前記C6〜10アリール基に、C1〜6アルコキシ基及び−NHR基(−NHR基におけるRは、C2〜7アルカノイル基又はC1〜6アルキルスルホニル基である)が隣接して置換している場合、当該C1〜6アルコキシ基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子と当該−NHR基の水素原子が1つ除かれた窒素原子が結合することにより、3−N−(C2〜7アルカノイル)オキサゾリジン環、3−N−(C1〜6アルキルスルホニル)オキサゾリジン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)モルホリン環、4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)モルホリン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)−1,4−オキサゼパン環、又は4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)−1,4−オキサゼパン環を形成しても良い)(但し、式(I)において、Ar=フェニル基、p=1、−A−=式(AL−1)、かつn=3の場合、当該Arのフェニル基では前記フェニル基上の水素原子と置換しても良い置換基群から任意に選ばれる1〜3個の基が前記フェニル基上の水素原子と置換する))である。
前記のリンカー(−A−)は、光反応性部分の光反応を阻害しない限り、任意の直鎖状基の使用が可能である。具体的には、下記式(AL−1)〜(AL−4)[各式中、両端の波線外側は含まない]:
(式(AL−1)〜(AL−4)中、nは、1〜18の整数を表わし;mは、1〜9の整数を表わし;jは、0〜9の整数を表わし;
式(AL−1)〜(AL−4)中のメチレン基(−CH−)の水素原子は、ハロゲン原子、水酸基、C1〜6アルキル基、ヒドロキシC1〜6アルキル基、チオールC1〜6アルキル基、C1〜6アルキルチオC1〜6アルキル基、カルボキシC1〜6アルキル基、−NR基、(RN)−C1〜6アルキル基、(RN)C(=O)−C1〜6アルキル基(前記−NR基、(RN)−C1〜6アルキル基、又は(RN)C(=O)−C1〜6アルキル基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり)、グアニジノC1〜6アルキル基、C7〜16アラルキル基、ヒドロキシC6〜10アリールC1〜6アルキル基、又はヘテロアリールC1〜6アルキル基等の基から選択される基で複数個(例えば、1〜10個、又は1〜5個)置き換えられても良く;式(AL−1)〜(AL−4)中のメチレン基(−CH−)の2つの水素原子がC1〜6アルキル基に置き換えられた場合、当該各C1〜6アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することによりC3〜8シクロアルキル環を形成しても良く;式(AL−3)又は式(AL−4)中の−NH−基は、隣接する炭素原子に置換する前記置換基と共に、非芳香族複素環を形成しても良い)である。
いくつかの態様において、光反応性基(光架橋基部分)は、光(例えば、波長が180〜650nm付近)を吸収し、二量化(例えば、トルキシル酸誘導体に二量化)する光二量化性を有する。
また、リンカーを導入することで、光反応性基(光架橋基)の導入率が低い場合でも光架橋反応が進行する。光架橋反応により、アルギン酸誘導体は、光架橋基を介して三次元の網目構造を形成する。好ましいアルギン酸誘導体は、光架橋後の安定性が改善したものとなる。
本明細書における、式(I)で表わされる光反応性基が導入された新規なアルギン酸誘導体は、光反応性基をアルギン酸類のカルボキシル基の一部と置換することによりアルギン酸類に導入され、例えば、下記式の方法(詳細は、後述の一般的製造方法を参照)により製造することが可能である。
本明細書の、式(I)で表わされる光反応性基が導入された新規なアルギン酸誘導体の重量平均分子量は、10万Da〜300万Daであり、好ましくは30万Da〜250万Daであり、より好ましくは50万Da〜200万Daである。当該アルギン酸誘導体の分子量は、前述のアルギン酸類と同様の方法により求めることができる。
本明細書中、式(I)で表わされる光反応性基は、アルギン酸構成単位の全てのカルボキシル基に結合している必要はない。
本明細書中、アルギン酸誘導体における式(I)で表わされる光反応性基の導入率は、好ましくは0.5%〜30%であり、より好ましくは0.5%〜20%であり、更に好ましくは1.0%〜15%である。
式(I)で表わされる光反応性基の導入率は、アルギン酸類の繰り返し単位であるウロン酸単糖単位のうち、式(I)で表わされる光反応性基が導入されたウロン酸単糖単位の数を百分率で表した値である。本明細書中、特に断らない限り、アルギン酸誘導体における式(I)で表わされる光反応性基の導入率に用いられる%は、mol%を意味する。式(I)で表わされる光反応性基の導入率は、後述の実施例に記載の方法により求めることができる。
3.アルギン酸誘導体の合成方法
アルギン酸誘導体は、光反応基部分におけるリンカーの末端アミノ基とアルギン酸類のカルボキシル基を縮合反応させることにより得られる。
3.1 光反応性基部分の合成
[製造方法A]式(AM−1)で表わされるアミン誘導体、又はその塩の製造方法
<工程1>
式(SM−1)で表されるアルデヒド(式(SM−1)のアルデヒドは、市販化合物、又は市販化合物から文献公知の製造方法により製造できる化合物である)を用い、文献公知の方法、例えば、『実験化学講座 第5版 13、有機化合物の合成I、炭化水素、アルケンの合成、118−139頁、2004年、丸善』、等に記載された方法に準じて、ウィッティヒ試薬(例えば、エトキシカルボニルメチルトリフェニルホスホニウムクロリド、エトキシカルボニルメチルトリフェニルホスホニウムブロミド、トリフェニルホスホラニリデンエチルアセテート、ビス−2,2,2−トリフルオロエトキシホスフィニルアセテート、ジオルトトリルホスホノエチルアセテート、ジメチルホスホノエチルアセテート、ジエチルホスホノエチルアセテート、又は1−トリメチルシリルエチルアセテート、等)又はホーナー・エモンズ試薬を、水素化ナトリウム、ブチルリチウム、ピペラジン、モルホリン、トリエチルアミン、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、ソジウムビス(トリメチルシリル)アミド、ポタシウムビス(トリメチルシリル)アミド、又はホスファゼンベース−P4−tert−ブチル等の塩基存在下、メタノール、エタノールなどのアルコール系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミドなどの極性溶媒、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、又はこれらの混合溶媒等から選択される溶媒中、−78℃から溶媒が還流する温度で反応を行うことで、式(IM−A−1)[式中Rは、C1〜6アルキル基を表わす]で表わされる化合物を製造することができる。
<工程2>
[製造方法A]<工程1>で得られる、式(IM−A−1)の化合物を用いて、水及び、水と混和する溶媒(例えば、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、N,N− ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の溶媒)の混合溶媒中、無機塩基、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、又は水酸化カリウム、等を加えて、0℃から溶媒が還流する温度で加水分解することで、式(IM−A−2)の化合物を製造することができる。
尚、別法として、[製造方法A]<工程1>にて、ウィッティヒ試薬又はホーナー・エモンズ試薬の代わりに、マロン酸、メルドラム酸等の活性メチレン化合物を用いて、式(SM−1)で表されるアルデヒドと、ピリジン等の塩基性溶媒中、ピペリジン等の塩基を添加し、室温から溶媒が還流する温度で反応を行うことで、式(IM−A−2)の化合物を製造することができる。
<工程3>
[製造方法A]<工程2>または上記別法で得られる、式(IM−A−1)の化合物及び式(RG−A−1)(式(RG−A−1)の化合物は、市販化合物、又は市販化合物から文献公知の製造方法により製造できる化合物である。Pは、アミノ基の保護基であり、例えば、グリーン(Greene)らの『プロテクティブ・グループス・イン・オルガニック・シンセシス(Protective Groups in Organic Synthesis) 第4版、2007年、ジョン ウィリー アンド サンズ(John Wiley & Sons)』の成書に記載された、保護基を適宜選択することが可能である)を用いて、文献公知の方法、例えば、『実験化学講座 第5版 16、有機化合物の合成IV、カルボン酸および誘導体、エステル類、35−70頁、酸アミドおよび酸イミド、118−154頁、アミノ酸・ペプチド、258−283頁、2007年、丸善』、等に記載された方法に準じて1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(WSC・HCl)、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェイト(BOP試薬)、ビス(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)ホスフィニッククロリド(BOP−Cl)、2−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリニウムヘキサフルオロホスフェイト(CIP)、4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(DMT−MM)等の縮合剤の存在下、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、トルエン、ベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド等の極性溶媒、メタノール、エタノール、2−プロパノール等のアルコール系溶媒等から選択される溶媒中、トリエチルアミン、ピリジン等の塩基の存在下または非存在下、0℃から溶媒が還流する温度で反応させることにより、式(IM−A−3)の化合物を製造することができる。
また、式(IM−A−2)で表されるカルボン酸を、文献公知の方法、例えば、『実験化学講座 第5版 16、カルボン酸および誘導体、酸ハロゲン化物、酸無水物、99−118頁、2007年、丸善』、等に記載された方法に準じて、酸ハロゲン化物や酸無水物に変換し、式(RG−A−1)を用いて、トリエチルアミン、ピリジン等の塩基の存在下、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、トルエン、ベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド等の極性溶媒等から選択される溶媒中、0℃から溶媒が還流する温度で反応させることにより、式(IM−A−3)の化合物を同様に製造することができる。
あるいは、式(IM−A−2)で表わされるカルボン酸を用いて、文献公知の方法、例えば、『実験化学講座 第5版 16、カルボン酸および誘導体、エステル類、41頁、2007年、丸善』、等に記載された方法に準じて、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等の無機塩基、又はトリエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)等の有機塩基存在下、式(RG−A−2a)で表わされるハロゲン化化合物又は、式(RG−A−2b)で表わされるスルホキシ化合物(Rは、メチル基、エチル基、p−トシル基、トリフルオロメチル基、等の基から選択される)を、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等の極性溶媒等から選択される溶媒中、0℃から溶媒が還流する温度で反応させることにより、式(IM−A−3)の化合物を製造することができる。
<工程4>
[製造方法A]<工程3>で得られる、式(IM−A−3)を用いて、文献公知の方法、例えば、『グリーン(Greene)らの『プロテクティブ・グループス・イン・オルガニック・シンセシス(Protective Groups in Organic Synthesis) 第4版、2007年、ジョン ウィリー アンド サンズ(John Wiley & Sons)』の成書に記載の方法により、保護基の種類により適宜脱保護法を選択して反応を行うことで、式(AM−1)で表わされる化合物、又は式(AM−1)の塩として製造することができる。
式(AM−1)の塩としては、製薬学的に許容し得る塩であれば特に限定されないが、例えば、塩酸塩、フッ化水素酸塩、臭化水素酸塩、トリフルオロ酢酸塩、等の塩が挙げられる。
[製造方法B]式(AM−2)で表わされるアミン誘導体、又はその塩の製造方法
<工程1>
式(SM−2)及び式(RG−B−1)[式(SM−2))及び式(RG−B−1)の化合物は、市販化合物、又は市販化合物から文献公知の製造方法により製造できる化合物である]を用いて、文献公知の方法、例えば 『Organic Reactions,27,1982年、(Hoboken, NJ, United States)』に記載された方法に準じて、酢酸パラジウム(II)(Pd(OAc))等のパラジウム触媒、トリス(o−トリル)ホスフィン等のホスフィン系試薬、及びトリエチルアミン等の有機塩基存在下、トルエン、キシレン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、1,2−ジメトキシエタン、アセトニトリル(アセトニトリル/水)、1,4−ジオキサン(1,4−ジオキサン/水)、テトラヒドロフラン(テトラヒドロフラン/水)等の溶媒もしくはこれらの混合溶媒から選択される溶媒を用いて、0℃から溶媒が還流する温度で反応を行うことで、式(IM−B−1)で表される化合物を製造することができる。
<工程2>
[製造方法B]<工程1>で得られる式(IM−B−1)を用いて、前記[製造方法A]<工程3>に準じる反応を行うことで、式(IM−B−2)の化合物を製造することができる。
<工程3>
[製造方法B]<工程2>で得られる式(IM−B−2)を用いて、前記[製造方法A]<工程4>に準じる反応を行うことで、式(AM−2)で表わされる化合物、又は式(AM−2)の塩として製造することができる。
式(AM−2)の塩としては、製薬学的に許容し得る塩であれば特に限定されないが、例えば、塩酸塩、フッ化水素酸塩、臭化水素酸塩、トリフルオロ酢酸塩、等の塩が挙げられる。
<工程4>
式(SM−1)及び4−ホスホノクロトン酸トリアルキル(当該化合物は、市販化合物、又は市販化合物から文献公知の製造方法により製造できる:例えば、4-ホスホノクロトン酸トリエチル、等がある)を用いて、文献公知の方法、例えば 『Journal of American Chemical Society、127(43)、15028−15029頁、2005年』等に記載された方法に準じて反応を行うことで、式(IM−B−3)で表わされる化合物を製造することができる。
<工程5>
[製造方法B]<工程4>で得られる式(IM−B−3)を用いて、[製造方法A]<工程2>に準じる反応を行うことで、式(IM−B−1)で表わされる化合物を製造することができる。
本明細書中、式(AM−1)又は式(AM−2)で表わされるアミン化合物(各々の式の下位の式も含む)は、製薬学的に許容される塩(例えば、酸付加塩)を形成する場合がある。かかる塩としては、製薬学的に許容し得る塩であれば特に限定されないが、例えば、無機酸との塩、有機酸との塩、酸性アミノ酸との塩などが挙げられる。無機酸との塩の好適な例としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、よう化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸等との塩が挙げられる。有機酸との塩の好適な例としては、例えば、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、エナント酸、カプリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、乳酸、ソルビン酸、マンデル酸等の脂肪族モノカルボン酸等との塩、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、酒石酸等の脂肪族ジカルボン酸との塩、クエン酸等の脂肪族トリカルボン酸との塩、安息香酸、サリチル酸等の芳香族モノカルボン酸との塩、フタル酸等の芳香族ジカルボン酸の塩、桂皮酸、グリコール酸、ピルビン酸、オキシル酸、サリチル酸、N−アセチルシステイン等の有機カルボン酸との塩、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機スルホン酸との塩、アスパラギン酸、グルタミン酸等の酸性アミノ酸類との酸付加塩が挙げられる。酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸などとの塩が挙げられる。このうち、薬学的に許容し得る塩が好ましい。
前記塩は、常法に従い、例えば、本発明の化合物と適量の酸もしくは塩基を含む溶液を混合することにより目的の塩を形成させた後に分別濾取するか、もしくは該混合溶媒を留去することにより得ることができる。塩に関する総説として、Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties, Selection, and Use、Stahl&Wermuth (Wiley−VCH、2002)が出版されており、本書に詳細な記載がなされている。
本明細書中、式(AM−1)又は式(AM−2)で表わされるアミン化合物(各々の式の下位の式も含む)又はその塩は、水、エタノール、グリセロール等の溶媒と溶媒和物を形成し得る。
3.3 アルギン酸誘導体の合成
0.5重量%〜1重量%のアルギン酸水溶液と式(AM−1)、式(AM−2)又はそれらの塩を、文献公知の方法、例えば、『実験化学講座 第5版 16、有機化合物の合成IV、カルボン酸および誘導体、酸アミドおよび酸イミド、118−154頁、アミノ酸・ペプチド、258−283頁、2007年、丸善』、等に記載された方法に準じて1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(WSC・HCl)、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェイト(BOP試薬)、ビス(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)ホスフィニッククロリド(BOP−Cl)、2−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリニウムヘキサフルオロホスフェイト(CIP)、4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(DMT−MM)等の縮合剤の存在下、水、1、4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド等の極性溶媒、又はそれらの混合溶媒中(但し、混合溶媒は、アルギン酸が析出しない程度の混合溶媒である)、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム等の無機塩基又はトリエチルアミン、ピリジン等の有機塩基の存在下又は非存在下、0℃から50℃の温度で反応させることにより、式(I)で表わされる光反応性基が導入されたアルギン酸誘導体を製造することができる。
この時、光架橋基の導入率は、次のようにして調整することができる。反応に用いる縮合剤の等量の増減、反応温度の上下、反応時間の長短、アルギン酸の濃度の変化、あるいは、光架橋基導入試薬の溶解度を上げるための水と混じる有機溶媒の添加等、縮合剤と導入する光架橋性アミンの性質等により、各条件の適宜選択と組み合わせによって調節することができる。
4.架橋アルギン酸
架橋アルギン酸は、(i)2価の金属イオン結合を介したものと、(ii)化学結合を介したものと、又は(iii)2価の金属イオン結合及び化学結合の両方を介したものがある。何れの架橋アルギン酸は、ゲル状から半固体、場合によってはスポンジ様の形態を形成する特性を有している。
2価の金属イオン結合を介した架橋アルギン酸は、超高速にて反応が進行し、可逆的であるのに対して、化学結合を介した架橋アルギン酸は、比較的温和な条件でゆっくり反応が進行し、非可逆的である。架橋アルギン酸の物性は、例えば、使用する2価金属イオンが含まれる水溶液(例えば、塩化カルシウム水溶液)の濃度、若しくは、アルギン酸に導入された反応性基の導入率を変化させる等の方法で、調整が可能である。
前記の架橋反応を利用することで、種々のアルギン酸構造体を作成することが可能となる。例えば、イオン架橋反応により、アルギン酸溶液から瞬時に特定の構造体を作ることができ、当該構造体の構造強化(例えば、長期安定性の獲得、等)の為に、化学結合による架橋反応を利用すること可能である。又、例えば、2価の金属イオン結合及び化学結合の両方を介した架橋アルギン酸構造体において、イオン架橋により取り込まれた2価金属イオンは可逆的に放出されて、化学結合による架橋のみが残った構造体を作ることも可能である。
4.1 光架橋アルギン酸
光架橋アルギン酸は、前記式(I)で表わされる光反応性基が導入されたアルギン酸誘導体に光照射をして光環化反応を行うことにより得ることができるものである。光架橋アルギン酸構造体は、アルギン酸誘導体が光架橋基(光反応により形成されるシクロブタン環による架橋)を介して三次元の網目構造を形成する。好ましいアルギン酸誘導体は、架橋後の架橋アルギン酸の安定性が改善したものである。
照射する光は、光反応性基(光架橋基)に作用し、例えば重合、二量化などの反応(好ましくは光二量化反応(光環化反応))を起こさせる限り特に限定はされない。照射する光には、例えば、紫外線、LED光(LED=Light Emitting Diode:発光ダイオード)、可視光、赤外線、電子線、等を用いることができる。これらの照射光の内、好ましくは、可視光、LED光、又は紫外線であり、より好ましくは、紫外線である。使用する光源の光波長は、好ましくは、180〜650nmの範囲であり、より好ましくは、300〜410nmの範囲である。
いくつかの態様では、光架橋反応を起こすための具体的な光量および波長は、次の通りである。すなわち、HLR100T−2(セン特殊光源株式会社製)の照度は、170 mW/cm(光源から50 mmの距離)、主な波長は、365nm、であり、照射時間は、10分である。光源から100mmの距離での照射で、露光量は、25 J/cmである。
いくつかの態様では、光架橋アルギン酸は、式(I)で表わされる光反応性基の光反応部分(アルケン部部分)が光環化反応により二量化し、例えば、下記式(II−L−1)〜(II−L−3):
[式(II−L−1)〜(II−L−3)中、両端の−CONH−及び−NHCO−は、アルギン酸の任意のカルボキシル基を介したアミド結合を表わし;−A−、−X−、及びArは、前記態様[1]、[1a]又は[1b]中の定義と同じである]で表わされるシクロブタン環(トルキシル酸誘導体)が形成された化学架橋を有している。
光架橋アルギン酸は、アルギン酸の構成単位の全てのカルボキシル基が上記の架橋を有している必要はない。架橋アルギン酸における、上記式で表わされる架橋の導入率(架橋率とも言う)は、例えば、0.1〜80%、0.3〜60%、0.5〜30%、または1.0〜10%の範囲である。
光架橋アルギン酸を得るためのアルギン酸誘導体の濃度は、例えば、1〜500mg/mL、または5〜100mg/mLの範囲である。
光架橋反応を行う温度は、通常、室温(約0℃から約35℃)である。
架橋アルギン酸(ヒドロゲル)を形成させる為の反応時間は、例えば、数秒〜24時間、数秒〜12時間、数秒〜30分間、又は、数秒〜10分間である。
光架橋反応に用いる反応溶媒又は反応溶液は、特に限定はされないが、例えば、水道水、純水(例えば、蒸留水、イオン交換水、RO水、RO−EDI水、等)、超純水、細胞培養用培地、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)、及び生理食塩水等が挙げられ、好ましくは超純水である。
いくつかの態様の光架橋アルギン酸は、架橋として光反応により形成されるシクロブタン環(トルキシル酸誘導体)による化学架橋、及び2価金属イオン(例えば、カルシウムイオン)により部分的に形成されるイオン架橋を含む、架橋アルギン酸であっても良い。
4.2 光架橋アルギン酸構造体の調製
光架橋アルギン酸構造体は、前記式(I)で表わされる光反応性基が導入されたアルギン酸誘導体に光照射をして架橋反応を施すことを含む方法により得ることができる。例えば、以下の方法によって調製することが可能だが、これらに限定されるものでない。
より具体的には、例えば、前記式(I)で表わされる光反応性基が導入されたアルギン酸誘導体の溶液を、2価金属イオンを含む溶液中に滴下することで、イオン架橋(2価金属イオンにより部分的に形成される架橋)が形成された特定の構造体を得る。続いて、当該構造体に光照射をして光架橋(化学架橋:シクロブタン環(トルキシル酸誘導体))を施すことにより、特定の構造体である、光架橋アルギン酸構造体を得ることができる。
光架橋アルギン酸構造体は、光反応性基(光架橋基)を有するアルギン酸誘導体に光照射することを含む方法により得ることができる。照射する光は、光架橋基に作用し、例えば重合、二量化などの反応(好ましくは光二量化反応)を起こさせる限り特に限定はされない。照射する光は、光反応性基(光架橋基)に作用し、例えば重合、二量化などの反応(好ましくは光二量化反応(光環化反応))を起こさせる限り特に限定はされない。照射する光には、例えば、紫外線、LED光(LED=Light Emitting Diode:発光ダイオード)、可視光、赤外線、電子線、等を用いることができる。これらの照射光の内、好ましくは、可視光、LED光、又は紫外線であり、より好ましくは、紫外線である。使用する光源の光波長は、好ましくは、180〜650nmの範囲であり、より好ましくは、300〜410nmの範囲である。
いくつかの態様では、光架橋反応を起こすための具体的な光量および波長は、次の通りである。すなわち、HLR100T−2(セン特殊光源株式会社製)の照度は、170 mW/cm(光源から50 mmの距離)、主な波長は、365 nm、であり、照射時間は、10分である。光源から100 mmの距離での照射で、露光量は、25 J/cmである。
前記方法にて用いる2価金属イオンとしては、特に限定されないが、例えば、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、バリウムイオン、ストロンチウムイオン、亜鉛イオン等が挙げられ、好ましくはカルシウムイオンである。
前記方法にて用いるカルシウムイオンを含む溶液としては、特に限定されないが、例えば、塩化カルシウム水溶液、炭酸カルシウム水溶液、グルコン酸カルシウム水溶液、等の水溶液が挙げられ、好ましくは塩化カルシウム水溶液である。
前記方法にて用いるカルシウムイオンを含む溶液のカルシウムイオン濃度は、特に限定されないが、例えば、1mM〜1Mが挙げられ、好ましくは、5mM〜500mMであり、より好ましくは、10mM〜300mMである。
前記方法にて用いる溶媒または溶液も特に限定されないが、例えば、水道水、純水(例えば、蒸留水、イオン交換水、RO水、RO−EDI水、等)、超純水、細胞培養用培地、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)、及び生理食塩水等が挙げられ、好ましくは超純水である。
特定の光架橋アルギン酸構造体としては、例えば、繊維状構造体、ファイバー、ビーズ、ゲル、略球形のゲル、等が挙げられる。好ましい架橋アルギン酸構造体は、安定性が改善したものである。又、架橋アルギン酸構造体は、その内部に内容物を保持する能力(内容物保持性)を有していてもよい。
アルギン酸ゲルの物性は、硬さ、弾性、反発力、断裂力、破断時応力、等の物性値により調節することが可能である。
5. アルギン酸誘導体、光架橋アルギン酸誘導体の生体適合性
本明細書において、アルギン酸誘導体、又は光架橋アルギン酸構造体は、生体適合性を有する。本明細書において、生体適合性とは、生体用材料(ここでは、式(I)で表わされる光反応性基が導入されたアルギン酸誘導体、及び当該アルギン酸誘導体を用いて製造された光架橋アルギン酸構造体のことを言う)と生体間の相互作用、前記生体用材料に隣接する組織の局所的反応、又は全身的反応等の反応を引き起こさない性質を、生体適合性(biocompatibility)を有するという。
本明細書において、アルギン酸誘導体、又は光架橋アルギン酸構造体の生体適合性に関しては、後述する生体適合性に関する実施例にて確認する。
6.光架橋アルギン酸構造体の安定性
光架橋アルギン酸構造体の安定性は、例えば、ゲル安定性を測定すること、透過性はゲル透過率を測定することなどで確認することができる。
[ゲル安定性の測定法]
容器に入れた光架橋アルギン酸構造体ゲルにリン酸緩衝生理食塩水(PBS)を添加し、PBS中に漏出したアルギン酸の濃度(μg/mL)を測定する。測定したアルギン酸濃度を、架橋アルギン酸構造体ゲルを分解することで得た全アルギン酸濃度で除した値を百分率で示した値を、崩壊率とする。ゲル安定性は、具体的には、後述の実施例に記載の方法により求めることができる。
本明細書中、光架橋アルギン酸構造体のゲル崩壊率は、好ましくは0%〜90%であり、より好ましくは0%〜70%であり、更に好ましくは0%〜50%である。架橋アルギン酸構造体の安定性は、水溶液中に漏出するアルギン酸の濃度が低いほど、すなわちゲル崩壊率が低いほど、安定性が高いことを意味する。
[ゲル透過率の測定法]
フルオレセインイソチオシアナート−デキストランを内包した光架橋アルギン酸構造体ゲルを作製し、容器に入れた前記ゲルに生理食塩水を添加し、生理食塩水中に漏出したデキストラン濃度を測定する。測定したデキストランの濃度を、フルオレセインイソチオシアネート−デキストラン内包の光架橋アルギン酸構造体ゲルを分解することで得た全デキストラン濃度で除した値を百分率で示した値がゲル透過率である。ゲル透過率は、具体的には、後述の実施例に記載の方法により求めることができる。
光架橋アルギン酸の生理食塩水添加24時間後のゲル透過率は、例えば、分子量200万のデキストランを内包した場合、好ましくは0%〜90%であり、より好ましくは0%〜70%であり、更に好ましくは0%〜50%である。又、分子量15万のデキストランを内包した場合、例えば、当該光架橋アルギン酸構造体ゲルの使用目的がたんぱく質や抗体の放出・産生であるならば、好ましくは1%〜100%であり、より好ましくは10%〜100%であり、更に好ましくは30%〜100%である。又、使用目的が免疫隔壁であるならば、好ましくは0%〜90%であり、より好ましくは0%〜70%であり、更に好ましくは0%〜50%である。
光架橋アルギン酸構造体の透過性は、透過率が低いほど、内容物やゲル外物質の透過性が低いことを意味し、透過率が高いほど、内容物やゲル外物質の透過性が高いことを意味する。
ゲルの透過率は、使用するアルギン酸の分子量、濃度、アルギン酸に導入する架橋基の種類や導入率、ゲル化に用いる2価金属イオンの種類や濃度、またはこれらの組み合わせによって調整することが可能である。
[内容物が内包した架橋アルギン酸構造体ゲルの調製方法]
例えば、内容物としてフルオレセインイソチオシアナート−デキストランを内包した架橋アルギン酸構造体ゲルは以下の方法にて調製できる。
(1)式(I)で表わされる光反応性基が導入されたアルギン酸誘導体の溶液とフルオレセインイソチオシアナート−デキストラン溶液を混和する。
(2)(1)で得られた混合溶液を、カルシウムイオンを含む溶液中に滴下し得られたゲルに、光照射を行うことで、イオン架橋及び光架橋(化学架橋)が形成されたフルオレセインイソチオシアナート−デキストラン内包の光架橋アルギン酸構造体ゲルが得られる。
7.アルギン酸誘導体、光架橋アルギン酸構造体の用途
アルギン酸誘導体は、食品、医療、化粧品、繊維、製紙などの幅広い分野で、従来のアルギン酸の代わりに用いることができる。アルギン酸誘導体または光架橋アルギン酸構造体の好ましい用途としては、具体的には、創傷被覆材、術後癒着防止材、薬剤徐放用基材、細胞培養用基材、細胞移植用基材等の医療用材料が挙げられる。
医療用材料として用いる場合の光架橋アルギン酸構造体の形状として、繊維状、ファイバー、ビーズ、ゲル、略球形のゲル等が挙げられ、ビーズ、ゲルまたは略球形のゲルとすることが好ましく、略球形のゲルとすることがより好ましい。
なお、本明細書に記載した全ての文献及び刊行物は、その目的にかかわらず参照によりその全体を本明細書に組み込むものとする。
また、本発明の目的、特徴、利点、及びそのアイデアは、本明細書の記載により、当業者には明らかであり、本明細書の記載から、当業者であれば、容易に本発明を実施できる。発明を実施するための最良の形態及び具体的な実施例などは、本発明の好ましい実施態様を示すものであり、例示又は説明のために示されているのであって、本発明をそれらに限定するものではない。本明細書で開示されている本発明の意図ならびに範囲内で、本明細書の記載に基づき、様々に修飾ができることは、当業者にとって明らかである。
核磁気共鳴スペクトル(NMR)の測定には、JEOL JNM−ECX400 FT−NMR(日本電子)を用いた。
H−NMRデータ中、NMRシグナルのパターンで、sはシングレット、dはダブレット、tはトリプレット、qはカルテット、mはマルチプレット、brはブロード、Jはカップリング定数、Hzはヘルツ、CDClは重クロロホルム、DMSO−dは重ジメチルスルホキシド、DOは重水を意味する。H−NMRデータ中、水酸基(OH)、アミノ基(NH)、カルボキシル基(COOH)のプロトン等、ブロードバンドであるため確認ができないシグナルについては、データに記載していない。
実施例中の「導入率」は、カルバゾール法を用いた測定により、「mol%」で記載した。一部、DO中でH−NMR測定し、光架橋基とアルギン酸のプロトン積分値の比から、「mol%(NMR積分比)」で記載した。
実施例中の「室温」は、通常約0℃から約35℃の温度を示す ものとする。
実施例において、反応性基又は相補的な反応性基が導入される前のアルギン酸ナトリウムは、前記表1に記される物性値を示すアルギン酸ナトリウムを用いた。
表2−1及び表2−2には、(実施例1)〜(実施例19)で得られた、光反応性基が導入されたアルギン酸誘導体(EX1−a1、EX1−b、EX1−c、EX1−a2、EX1−d1、EX1−d2、EX2−a1、EX2−b、EX2−c、EX2−a2、EX3−a、EX4−a、EX5−a、EX6−a、EX6−b、EX7−a、EX8−a、EX9−a、EX10−a、EX11−a、EX12−a、EX13−a1、EX14−a1、EX15−a1、EX16−a1、EX17−a1、EX18−a1、及びEX19−a1)の、物性値(具体的には、光反応性基導入率(mol%)、分子量、及び重量平均分子量(万Da))を示す。
(実施例1)(E)−3−(4−フルオロフェニル)アクリル酸-3-アミノプロピル基導入アルギン酸(EX1−a1、EX1−b、EX1−c、EX1−a2、EX1−d1、EX1−d2)の合成
<工程1>(E)−3−(4−フルオロフェニル)アクリル酸エチルの合成
4−フルオロベンズアルデヒド(市販品:CAS No.459−57−4:2.0 g)のテトラヒドロフラン(20 mL)溶液に、ホスホノ酢酸トリエチル(3.6 mL)を加え、氷水冷攪拌下、水素化ナトリウム(0.6 g、70%)を少しづつ加え、同温で40分攪拌した。水素化ナトリウム(0.1 g、70%)を追加し、同温で、さらに20分攪拌した。反応液に水(20 mL)と酢酸エチル(20 mL)を加え、分液した。得られた有機層を、水(5 mL)と飽和食塩水(5 mL)で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。得られた油状物を減圧乾燥し、標記粗化合物(3.4 g)を無色油状物として得た。
NMRデータ(CDCl)(δ:ppm): 7.64(1H、d、J = 16 Hz)、7.53−7.48(2H、m)、7.07(2H、tt、J = 9、 2 Hz)、6.36(1H、d、J = 16 Hz)、4.26(2H、q、J = 7 Hz)、1.34(3H、t、J = 7 Hz)
<工程2>(E)−3−(4−フルオロフェニル)アクリル酸の合成
(実施例1)<工程1>で得られた化合物(3.1 g)をエタノール(15.7 mL)に溶解させた。氷水冷下、1規定−水酸化ナトリウム水溶液(17.7 mL)を加え、50度で1.5時間攪拌した。氷水冷下、2規定−塩酸でpHを2とした。析出した沈殿をろ取し、水で洗浄後、減圧乾燥して、標記化合物(2.6 g)を白色固体として得た。
NMRデータ(DMSO−d)(δ:ppm): 12.41(1H、brs)、7.80−7.72(2H、m)、7.59(1H、d、J = 16 Hz)、7.25(2H、tt、J = 9、 2 Hz)、6.50(1H、d、J = 16 Hz)
<工程3>(E)−3−(4−フルオロフェニル)アクリル酸 3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)プロピルの合成
(実施例1)<工程2>で得られた化合物(500 mg)とtert−ブチル(3−ヒドロキシプロピル)カルバメート(市販品:CAS No.58885−58−8:527 mg)をN−メチルピロリドン(5.0 mL)に溶解させた。ジイソプロピルエチルアミン(1.26 mL)と1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1、2、3−トリアゾロ[4、5−b]ピリジニウム 3−オキシド ヘキサフルオロホスファート(1.37 g)を加え、室温で21時間攪拌した。反応液に水(20 mL)とメチルtert−ブチルエーテル(30 mL)を加えて分液した。有機層を飽和重曹水(10 mL)、水(10 mL、2回)、飽和食塩水(10 mL)で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘプタン〜50%酢酸エチル/ヘプタン)で精製後、ヘプタンでトリチュレートした。得られた固体をろ取し、ヘプタンで洗浄後、減圧乾燥して、標記化合物(511 mg)を白色固体として得た。
NMRデータ(CDCl)(δ:ppm): 7.65(1H、d、J = 16 Hz)、7.54−7.48(2H、m)、7.08(2H、tt、J = 9、 2 Hz)、6.36(1H、d、16 Hz)、4.74(1H、brs)、4.27(2H、t、J = 4 Hz)、3.25(2H、q、J = 6 Hz)、1.93−1.86(2H、m)、1.44(9H、s)
<工程4>(E)−3−(4−フルオロフェニル)アクリル酸−3−アミノプロピル 塩酸塩の合成
(実施例1)<工程3>で得られた化合物(300 mg)に、氷水冷下、4規定−塩化水素/ジオキサン(2.1 mL)を加えた。反応液を室温で1時間攪拌し、ジイソプロピルエーテル(6.3 mL)を加えて1時間攪拌した。析出した固体をろ取し、ジイソプロピルエーテルで洗浄した後、減圧乾燥することにより標記化合物(223 mg)を白色固体として得た。
NMRデータ(DMSO−d)(δ:ppm): 7.90(3H、brs)、7.84−7.78(2H、m)、7.68(1H、d、J = 16 Hz)、7.30−7.24(2H、m)、6.63(1H、d、J = 16 Hz)、4.21(2H、t、J = 6 Hz)、2.91(2H、t、J = 8 Hz)、1.99−1.91(2H、m)
<工程5−1>(E)−3−(4−フルオロフェニル)アクリル酸−3−アミノプロピル基導入アルギン酸(EX1−a1)の合成
1重量%に調整したアルギン酸ナトリウム(持田製薬株式会社製:A−2)水溶液(15 mL)に、氷水冷下、(実施例1)<工程4>で得られた化合物(39.3 mg)、4−(4、6−ジメトキシ−1、3、5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(69.8 mg)、1モル濃度−重曹水(189 μL)を加え、室温で3時間攪拌した。塩化ナトリウム(150 mg)を加えた後、エタノール(30 mL)を加え、30分間室温で攪拌した。得られた沈殿をろ取し、エタノールで洗浄後、減圧乾燥して、標記化合物(159 mg)を白色固体として得た。
<工程5−2>(E)−3−(4−フルオロフェニル)アクリル酸−3−アミノプロピル基導入アルギン酸(EX1−b)の合成
1重量%に調整したアルギン酸ナトリウム(持田製薬株式会社製:A−1)水溶液(15 mL)と(実施例1)<工程4>で得られた化合物(39.3 mg)を用い、(実施例1)<工程5−1>と同様の操作を行い、標記化合物(135 mg)を白色固体として得た。
<工程5−3>(E)−3−(4−フルオロフェニル)アクリル酸−3−アミノプロピル基導入アルギン酸(EX1−c)の合成
0.5重量%に調整したアルギン酸ナトリウム(持田製薬株式会社製:A−3)水溶液(30 mL)と(実施例1)<工程4>で得られた化合物(39.3 mg)を用い、(実施例1)<工程5−1>と同様の操作を行い、標記化合物(154 mg)を白色固体として得た。
<工程5−4>(E)−3−(4−フルオロフェニル)アクリル酸−3−アミノプロピル基導入アルギン酸(EX1−a2)の合成
1重量%に調整したアルギン酸ナトリウム(持田製薬株式会社製:A−2)水溶液(10 mL)と(実施例1)<工程4>で得られた化合物(65.5 mg))、4−(4、6−ジメトキシ−1、3、5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(104.7 mg)、1モル濃度−重曹水(277 μL)を用い、(実施例1)<工程5−1>と同様の操作を行い、標記化合物(112 mg)を白色固体として得た。
<工程5−5>(E)−3−(4−フルオロフェニル)アクリル酸−3−アミノプロピル基導入アルギン酸(EX1−d1)の合成
1重量%に調整したアルギン酸ナトリウム(持田製薬株式会社製:B−2)水溶液(30 mL)と(実施例1)<工程4>で得られた化合物(78.6 mg)、4−(4、6−ジメトキシ−1、3、5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(251 mg)、1モル濃度−重曹水(378 μL)を用い、30℃で3時間反応させ、(実施例1)<工程5−1>と同様の操作を行い、標記化合物(312 mg)を白色固体として得た。
<工程5−6>(E)−3−(4−フルオロフェニル)アクリル酸−3−アミノプロピル基導入アルギン酸(EX1−d2)の合成
1重量%に調整したアルギン酸ナトリウム(持田製薬株式会社製:B−2)水溶液(40 mL)と(実施例1)<工程4>で得られた化合物(26.2 mg)、4−(4、6−ジメトキシ−1、3、5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(83.7 mg)、1モル濃度−重曹水(151 μL)を用い、30℃で3時間反応させ、(実施例1)<工程5−1>と同様の操作を行い、標記化合物(372 mg)を白色固体として得た。
(実施例2)(E)−3−フェニルアクリル酸−3−アミノプロピル基導入アルギン酸(EX2−a1、EX2−b、EX2−c、EX2−a2)の合成
<工程1>(E)−3−フェニルアクリル酸−3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)プロピルの合成
桂皮酸クロリド(市販品:CAS No.17082−09−6:1.0 g)のクロロホルム(2.6 mL)溶液を、氷水冷下、tert−ブチル(3−ヒドロキシプロピル)カルバメート(1.2 g)、トリエチルアミン(0.9 mL)、N、N−ジメチル−4−アミノピリジン(220 mg)のクロロホルム(2.6 mL)溶液に滴下し、室温で2.8時間攪拌した。反応液に酢酸エチル(40 mL)を加え、分液した。有機層を1N−クエン酸(20 mL)、半飽和重曹水(20 mL、2回)、水(10 mL)、飽和食塩水(10 mL)で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘプタン〜30%酢酸エチル/ヘプタン)で精製後、ヘプタンでトリチュレートした。得られた固体をろ取し、ヘプタンで洗浄後、減圧乾燥して、標記化合物(1.3 g)を白色固体として得た。
NMRデータ(CDCl)(δ:ppm): 7.69(1H、d、J = 16 Hz)、7.55−7.50(2H、m)、7.41−7.37(3H、m)、6.43(1H、d、J = 16 Hz)、4.75(1H、brs)、4.28(2H、t、J = 6 Hz)、3.25(2H、q、J = 6Hz)、1.94−1.86(2H、m)、1.45(9H、s)
<工程2>(E)−3−フェニルアクリル酸−3−アミノプロピル 塩酸塩の合成
(実施例2)<工程1>で得られた化合物(1.2 g)を用い、(実施例1)<工程
4>と同様の操作を行い、標記化合物(0.9 g)を白色固体として得た。
NMRデータ(DMSO−d)(δ:ppm): 8.02(3H、brs)、7.75−7.71(2H、m)、7.68(1H、d、J = 16 Hz)、7.46−7.41(3H、m)、6.66(1H、d、J = 16 Hz)、4.22(2H、t、J = 6 Hz)、2.91(2H、t、J = 7 Hz)、2.01−1.92(2H、m)
<工程3−1>(E)−3−フェニルアクリル酸−3−アミノプロピル基導入アルギン酸(EX2−a1)の合成
1重量%に調整したアルギン酸ナトリウム(持田製薬株式会社製:A−2)水溶液(54.5 mL)と(実施例2)<工程2>で得られた化合物(122 mg)を用い、(実施例1)<工程5−1>と同様の操作を行い、標記化合物(590 mg)を白色固体として得た。
<工程3−2>(E)−3−フェニルアクリル酸−3−アミノプロピル基導入アルギン酸(EX2−b)の合成
1重量%に調整したアルギン酸ナトリウム(持田製薬株式会社製:A−1)水溶液(15 mL)と(実施例2)<工程2>で得られた化合物(36.6 mg)を用い、(実施例1)<工程5−1>と同様の操作を行い、標記化合物(161 mg)を白色固体として得た。
<工程3−3>(E)−3−フェニルアクリル酸−アミノプロピル基導入アルギン酸(EX2−c)の合成
0.5重量%に調整したアルギン酸ナトリウム(持田製薬株式会社製:A−3)水溶液(20 mL)と(実施例2)<工程2>で得られた化合物(24.4 mg)を用い、(実施例1)<工程5−1>と同様の操作を行い、標記化合物(104 mg)を白色固体として得た。
<工程3−4>(E)−3−フェニルアクリル酸−3−アミノプロピル基導入アルギン酸(EX2−a2)の合成
1重量%に調整したアルギン酸ナトリウム(持田製薬株式会社製:A−2)水溶液(10 mL)と(実施例2)<工程2>で得られた化合物(61.0 mg))、4−(4、6−ジメトキシ−1、3、5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(104.7 mg)、1モル濃度−重曹水(277 μL)を用い、(実施例1)<工程5−1>と同様の操作を行い、標記化合物(111 mg)を白色固体として得た。
(実施例3)(E)−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)アクリル酸−3−アミノプロピル基導入アルギン酸(EX3a)の合成
<工程1>(E)−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)アクリル酸−3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)プロピルの合成
4−(トリフルオロメチル)桂皮酸(市販品:CAS No.16642−92−5:
500 mg)とtert−ブチル(3−ヒドロキシプロピル)カルバメート(405 mg)の塩化メチレン(5.0 mL)溶液に、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物(372 mg)、N、N−ジメチル−4−アミノピリジン(28 mg)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩(488 mg)加え、室温で16時間攪拌した。反応液にN−メチルピロリドン(3 mL)を加え、50℃で6時間攪拌した。酢酸エチル(20 mL)、水(10mL)を加え、分液した。有機層を水(5 mL、3回)、飽和食塩水(5 mL)で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘプタン〜30%酢酸エチル/ヘプタン)で精製後、ヘプタンでトリチュレートした。得られた固体をろ取し、ヘプタンで洗浄後、減圧乾燥して、標記化合物(263 mg)を白色固体として得た。
NMRデータ(CDCl)(δ:ppm): 7.69(1H、d、J = 16 Hz)、7.65(2H、d、J = 9 Hz)、7.62(2H、d、J = 9 Hz)、6.51(1H、d、J = 16 Hz)、4.73(1H、brs)、4.29(2H、t、J = 6 Hz)、3.26(2H、q、J = 7Hz)、1.95−1.87(2H、m)、1.45(9H、s)
<工程2>(E)−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)アクリル酸−3−アミノプロピル塩酸塩の合成
(実施例3)<工程1>で得られた化合物(200 mg)を用い、(実施例1)<工
程4>と同様の操作を行い標記化合物(148 mg)を白色固体として得た。
NMRデータ(DMSO−d)(δ:ppm): 7.96(2H、d、J = 8 Hz)、7.89(3H、brs)、7.79(2H、d、J = 8 Hz)、7.76(1H、d、J = 16 Hz)、6.82(1H、d、J = 16 Hz)、4.24(2H、t、J = 6 Hz)、2.92(2H、t、J = 7 Hz)、2.01−1.93(2H、m)
<工程3>
(E)−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)アクリル酸−3−アミノプロピル基導入アルギン酸(EX3−a)の合成
1重量%に調整したアルギン酸ナトリウム(持田製薬株式会社製:A−2)水溶液(10.9 mL)と(実施例3)<工程2>で得られた化合物(31.2 mg)を用い、(実施例1)<工程5−1>と同様の操作を行い、標記化合物(109 mg)を白色固体として得た。
(実施例4)(E)−2−(2−(2−桂皮酸アミドエトキシ)エトキシ)エチルアミノ基導入アルギン酸(EX4a)の合成
<工程1>tert−ブチル(2−(2−(2−アミノエトキシ)エトキシ)エチル)カルバメートの合成
二炭酸ジtert−ブチル(3.0 g)の塩化メチレン(37.5 mL)溶液を、氷水冷下、1、2−ビス(2−アミノエトキシ)エタン (市販品:CAS No.929−59−9:5.1 g) 、トリエチルアミン(11.5 mL)のジクロロエタン(30 mL)の溶液に4.8時間かけて滴下後、室温で18.5時間攪拌した。反応溶媒を減圧留去し、塩化メチレン(30 mL)でトリチュレートした。不溶物をろ去し、塩化メチレン(30 mL、20 mL)で洗浄した。ろ液を、水(10 mL)、飽和食塩水(10 mL)で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた油状物を減圧乾燥して、標記粗化合物(2.7 g)を無色液体として得た。
NMRデータ(CDCl)(δ:ppm): 5.15(1H、brs)、3.63−3.61(4H、m)、3.55(2H、t、J = 5 Hz)、3.52(2H、t、J = 5 Hz)、3.32(2H、q、J = 5 Hz)、2.88(2H、t、J = 5 Hz)、1.45(9H、s)
<工程2>tert−ブチル(2−(2−(2−桂皮酸アミドエトキシ)エトキシ)エチル)カルバメートの合成
桂皮酸クロリド(0.24 g)の塩化メチレン(1.0 mL)溶液を、氷水冷下、(実施例4)<工程1>で得られた化合物(0.35 g)、トリエチルアミン(0.22 mL)、N、N−ジメチル−4−アミノピリジン(20 mg)の塩化メチレン(1.4 mL)溶液に滴下し、室温で1時間攪拌した。反応液に酢酸エチル(15 mL)、水(5 mL)を加えて分液した。有機層を飽和重曹水(5 mL)、水(5 mL)、飽和食塩水(2 mL)で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘプタン〜酢酸エチル)で精製後、減圧乾燥して、標記化合物(0.42 g)を無色液体として得た。
NMRデータ(CDCl)(δ:ppm): 7.63(1H、d、J = 16 Hz)、7.54−7.47(2H、m)、7.39−7.30(3H、m)、6.43(1H、d、J = 16 Hz)、6.28(1H、brs)、5.02(1H、brs)、3.70−3.55(10H、m)、3.38−3.26(2H、q、J = 5 Hz)、1.44(9H、s)
<工程3>N−(2−(2−(2−アミノエトキシ)エトキシ)エチル)桂皮酸アミド 塩酸塩の合成
(実施例4)<工程2>で得られた化合物(0.42 g)を用い、(実施例1)<工
程4>と同様の操作を行い標記化合物(0.4 g)を無色液体として得た。
NMRデータ(DO)(δ:ppm): 7.59−7.53(2H、m)、7.46(1H、d、J = 16 Hz)、7.42−7.36(3H、m)、6.57(1H、d、J = 16 Hz)、3.71−3.62(8H、m)、3.46(2H、t、J = 5 Hz)、3.13(2H、t、J = 5 Hz)
<工程4>(E)−2−(2−(2−桂皮酸アミドエトキシ)エトキシ)エチルアミノ基導入アルギン酸(EX4−a)の合成
1重量%に調整したアルギン酸ナトリウム(持田製薬株式会社製:A−2)水溶液(10.9 mL)と(実施例4)<工程3>で得られた化合物(46 mg)を用い、(実施例1)<工程5−1>と同様の操作を行い、標記化合物(81 mg)を白色固体として得た。
(実施例5)(E)−3−フェニルアクリル酸−2−(2−アミノエトキシ)エチル基導入アルギン酸(EX5−a)の合成
<工程1>(E)−3−フェニルアクリル酸−2−(2−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ)エトキシ)エチルの合成
桂皮酸クロリド(0.50 g)とtert−ブチル(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル)カルバメート(市販品:CAS No.139115−91−6:0.62 g)を用い、(実施例2)<工程1>と同様の操作を行い、標記化合物(0.77 g)を無色液体として得た。
NMRデータ(CDCl)(δ:ppm): 7.71(1H、d、J = 16 Hz)、7.55−7.51(2H、m)、7.41−7.38(3H、m)、6.48(1H、d、J = 16 Hz)、4.92(1H、brs)、4.36(2H、t、J = 5 Hz)、3.74(2H、t、J = 5Hz)、3.58(2H、t、J = 5Hz)、3.34(2H、q、J = 5 Hz)、1.43(9H、s)
<工程2>(E)−3−フェニルアクリル酸 2−(2−アミノエトキシ)エチル 塩酸塩の合成
(実施例5)<工程1>で得られた化合物(0.77 g)を用い、(実施例1)<工
程4>と同様の操作を行い、標記化合物(0.56 g)を白色粉末として得た。
NMRデータ(DMSO−d)(δ:ppm): 7.94(3H、brs)、7.75−7.71(2H、m)、7.68(1H、d、J = 16 Hz)、7.46−7.42(3H、m)、6.66(1H、d、J = 16 Hz)、4.32−4.29(2H、m)、3.75−3.71(2H、m)、3.66(2H、t、J = 5 Hz)、2.98(2H、t、J = 5 Hz)
<工程3>(E)−3−フェニルアクリル酸−2−(2−アミノエトキシ)エチル基導入アルギン酸(EX5−a)の合成
1重量%に調整したアルギン酸ナトリウム(持田製薬株式会社製:A−2)水溶液(15 mL)と(実施例5)<工程2>で得られた化合物(41 mg)を用い、(実施例1)<工程5−1>と同様の操作を行い、標記化合物(138 mg)を白色固体として得た。
(実施例6)(E)−3−(4−メトキシフェニル)アクリル酸−3−アミノプロピル基導入アルギン酸(EX6a,EX6b)の合成
<工程1>(E)−3−(4−メトキシフェニル)アクリル酸の合成
(E)−3−(4−メトキシフェニル)アクリル酸 エチルエステル(市販品:CAS No.24393−56−4:3.0 g)のエタノール(15 mL)溶液に、1規定−水酸化ナトリウム水溶液(16 mL)を加え、60℃で1.3時間、及び室温で15.5時間攪拌した。反応液に水(15 mL)を加えた後、pH=1に調整した。得られた固体をろ取し、水(10mL、3回)で洗浄後、50℃で減圧乾燥して、標記化合物(2.5 g)を白色固体として得た。
NMRデータ(CDCl)(δ:ppm): 7.73(1H、d、J = 16 Hz)、7.50(2H、d、J = 9 Hz)、6.92(2H、d、J = 9 Hz)、6.32(1H、d、J = 16 Hz)、3.85(3H、s)
<工程2>(E)−3−(4−メトキシフェニル)アクリル酸−3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)プロピルの合成
(実施例6)<工程1>で得られた化合物(0.20 g)、tert−ブチル(3−ブロモプロピル)カルバメート(0.27 g)、炭酸カリウム(0.16 g)、ヨウ化カリウム(20 mg)にN−メチルピロリドン(2.0 mL)を加え、40℃で1時間、70℃で4.5時間、100℃で2,5時間攪拌後、tert−ブチル(3−ブロモプロピル)カルバメート(0.16 g)、炭酸カリウム(96 mg)、ヨウ化カリウム(20 mg)を追加し、100℃で2時間撹拌した。反応液に、酢酸エチル(20 mL)、水(10mL)を加え、分液した。有機層を水(5 mL、3回)、飽和食塩水(5 mL)で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘプタン〜50%酢酸エチル/ヘプタン)で精製して、標記化合物(0.31 g)を無色油状物として得た。
NMRデータ(CDCl)(δ:ppm): 7.64(1H、d、J = 16 Hz)、7.47(2H、d、J = 9 Hz)、6.90(2H、d、J = 9 Hz)、6.30(1H、d、J = 16 Hz)、4.75(1H、brs)、4.26(2H、t、J = 6 Hz)、3.84(3H、s)、3.24(2H、q、J = 7 Hz)、1.92−1.86(2H、m)、1.45(9H、s)
<工程3>(E)−3−(4−メトキシフェニル)アクリル酸−3−アミノプロピル 塩酸塩の合成
(実施例6)<工程2>で得られた化合物(0.31 g)を用い、(実施例1)<工程4>と同様の操作を行い、標記化合物(0.23 g)を薄いベージュ固体として得た。
NMRデータ(DMSO−d)(δ:ppm): 7.84(3H、brs)、7.67(2H、d、J = 9 Hz)、7.62(1H、d、J = 16 Hz)、6.98(2H、d、J = 9 Hz)、6.49(1H、d、J = 16 Hz)、4.20(2H、t、J = 6 Hz)、3,80(3H、s)、2.91(2H、t、J = 8 Hz)、1.98−1.91(2H、m)
<工程4−1>(E)−3−(4−メトキシフェニル)アクリル酸−3−アミノプロピル基導入アルギン酸(EX6−a)の合成
1重量%に調整したアルギン酸ナトリウム(持田製薬株式会社製:A−2)水溶液(20 mL)と(実施例6)<工程3>で得られた化合物(54.8 mg)、4−(4、6−ジメトキシ−1、3、5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(83.7 mg)、1モル濃度−重曹水(252 μL)を用い、30℃で3時間反応させ、(実施例1)<工程5−1>と同様の操作を行い、標記化合物(191 mg)を白色固体として得た。
<工程4−2>(E)−3−(4−メトキシフェニル)アクリル酸−3−アミノプロピル基導入アルギン酸(EX6−b)の合成
1重量%に調整したアルギン酸ナトリウム(持田製薬株式会社製:B−2)水溶液(40 mL)と(実施例6)<工程3>で得られた化合物(27.4 mg)、4−(4、6−ジメトキシ−1、3、5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(83.7 mg)、1モル濃度−重曹水(151 μL)を用い、30℃で3時間反応させ、(実施例1)<工程5−1>と同様の操作を行い、標記化合物(375 mg)を白色固体として得た。
(実施例7)(E)−3−(4−シアノフェニル)アクリル酸−3−アミノプロピル基導入アルギン酸(EX7−a)の合成
<工程1>(E)−3−(4−シアノフェニル)アクリル酸の合成
4−ホルミルベンゾニトリル(市販品:CAS No.105−07−7:2.50 g)、マロン酸(3.97 g)にピリジン(25。0 mL)を加え、45℃で10分間撹拌し、溶解させた。反応液にピペリジン(0.38 mL)を加え、100℃で0.5時間、及び125℃で4.5時間攪拌した。氷水冷下、反応液を6規定−塩酸でpH=1に調整した。得られた固体をろ取し、水(10mL、3回)で洗浄後、50℃で減圧乾燥して、標記化合物(3.02 g)を白色固体として得た。
NMRデータ(DMSO−d)(δ:ppm): 12.64(1H、brs)、7.90(2H、d、J = 9 Hz)、7.87(2H、d、J = 9 Hz)、7.64(1H、d、J = 16 Hz)、6.70(1H、d、J = 16 Hz)、
<工程2>(E)−3−(4−シアノフェニル)アクリル酸−3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)プロピルの合成
(実施例7)<工程1>で得られた化合物(0.20 g)、tert−ブチル(3−ブロモプロピル)カルバメート(0.41 g)、炭酸カリウム(0.24 g)、ヨウ化カリウム(40 mg)にN−メチルピロリドン(2.0 mL)を加え、80℃で1時間攪拌した。反応液に、酢酸エチル(20 mL)、水(10mL)を加え、分液した。有機層を水(5 mL、3回)、飽和食塩水(5 mL)で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘプタン〜60%酢酸エチル/ヘプタン)で精製して、標記化合物(0.36 g)を白色固体として得た。
NMRデータ(CDCl)(δ:ppm): 7.68(2H、d、J = 9 Hz)、7.66(1H、d、J = 16 Hz)、7.60(2H、d、J = 9 Hz)、6.51(1H、d、J = 16 Hz)、4.69(1H、brs)、4.29(2H、t、J = 6 Hz)、3.25(2H、q、J = 7Hz)、1.94−1.87(2H、m)、1.44(9H、s)
<工程3>(E)−3−(4−シアノフェニル)アクリル酸−3−アミノプロピル 塩酸塩の合成
(実施例7)<工程2>で得られた化合物(0.36 g)を用い、(実施例1)<工程4>と同様の操作を行い、標記化合物(0.27 g)を白色固体として得た。
NMRデータ(DMSO−d)(δ:ppm): 7.94(2H、d、J = 9 Hz)、7.90(2H、d、J = 9 Hz)、7.83(3H、brs)、7.74(1H、d、J = 16 Hz)、6.84(1H、d、J = 16 Hz)、4.24(2H、t、J = 6 Hz)、2.91(2H、t、J = 7 Hz)、1.99−1.92(2H、m)
<工程4>(E)−3−(4−シアノフェニル)アクリル酸−3−アミノプロピル基導入アルギン酸(EX7−a)の合成
1重量%に調整したアルギン酸ナトリウム(持田製薬株式会社製:A−2)水溶液(20 mL)と(実施例7)<工程3>で得られた化合物(53.8 mg)、4−(4、6−ジメトキシ−1、3、5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(83.7 mg)、1モル濃度−重曹水(252 μL)を用い、30℃で3時間反応させ、(実施例1)<工程5−1>と同様の操作を行い、標記化合物(191 mg)を白色固体として得た。
(実施例8)(E)−3−(ピリジン−2−イル)アクリル酸−3−アミノプロピル基導入アルギン酸の合成
<工程1>(E)−3−(ピリジン−2−イル)アクリル酸の合成
マロン酸(4.86 g)にピリジン(5.0 mL)、ピペリジン(0.17mL),ピコリンアルデヒド(市販品:CAS No.1121−60−4:4.46 mL)を加え、100℃で2時間攪拌した。反応液に、tertブチルメチルエーテル(30mL)と水(30 mL)を加え、室温で30分間撹拌した。得られた固体をろ取し、tertブチルメチルエーテル(5 mL、2回)、水(5 mL、2回)で洗浄後、50℃で減圧乾燥して、標記化合物(1.35 g)を灰色固体として得た。
NMRデータ(DMSO−d)(δ:ppm): 12.49(1H、brs)、8.63(1H、dd、J = 5、1 Hz)、7.85(1H、dt、J = 8、2 Hz)、7.73−7.58(1H、m)、7.58(1H、d、16 Hz)、7.39(1H、ddd、J = 8、5、1 Hz)、6.82(1H、d、J = 16 Hz)
<工程2>(E)−3−(ピリジン−2−イル)アクリル酸−3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)プロピルの合成
(実施例8)<工程1>で得られた化合物(0.20 g)、tert−ブチル(3−ブロモプロピル)カルバメート(0.48 g)、炭酸カリウム(0.28 g)、ヨウ化カリウム(40 mg)にN−メチルピロリドン(2.0 mL)を加え、80℃で30分間攪拌した。反応液に、酢酸エチル(20 mL)、水(10mL)を加え、分液した。有機層を水(5 mL、3回)、飽和食塩水(5 mL)で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘプタン〜60%酢酸エチル/ヘプタン)で精製して、標記化合物(0.40 g)を無色油状物として得た。
NMRデータ(CDCl)(δ:ppm): 8.64(1H、dd、J = 5、1 Hz)、7.71(1H、dt、J = 8、2 Hz)、7.68(1H、d、J = 16 Hz)、7.43−7.40(1H、m)、7.28−7.25(1H、m)、6.92(1H、d、J = 16 Hz)、4.73(1H、brs)、4.29(2H、t、J = 6 Hz)、3.24(2H、q、J = 6 Hz)、1.93−1.87(2H、m)、1.44(9H、s)
<工程3>(E)−3−(ピリジン−2−イル)アクリル酸−3−アミノプロピル 二塩酸塩の合成
(実施例8)<工程2>で得られた化合物(0.40 g)を用い、(実施例1)<工程4>と同様の操作を行い、標記化合物(0.34 g)を淡緑色固体として得た。
NMRデータ(DMSO−d)(δ:ppm): 8.67(1H、dt、J = 5、1 Hz)、7.95(1H、dt、J = 8、2 Hz)、7.94(3H、brs)、7.85−7.82(1H、m)、7.71(1H、d、J = 16 Hz)、7.49(1H、ddd、J = 8、5、1)、6.97(1H、d、J = 16 Hz)、4.24(2H、t、J = 6 Hz)、2.97−2.87(2H、m)、2.01−1.94(2H、m)
<工程4>(E)−3−(ピリジン−2−イル)アクリル酸−3−アミノプロピル基導入アルギン酸(EX8−a)の合成
1重量%に調整したアルギン酸ナトリウム(持田製薬株式会社製:A−2)水溶液(20 mL)と(実施例7)<工程3>で得られた化合物(56.3 mg)、4−(4、6−ジメトキシ−1、3、5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(83.7 mg)、1モル濃度−重曹水(453 μL)を用い、30℃で3時間反応させ、(実施例1)<工程5−1>と同様の操作を行い、標記化合物(189 mg)を白色固体として得た。
(実施例9)(E)−3−(2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−6−イル)アクリル酸−3−アミノプロピル基導入アルギン酸(EX9−a)の合成
<工程1>(E)−3−(2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−6−イル)アクリル酸−3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)プロピルの合成
(E)−3−(2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−6−イル)アクリル酸(市販品:CAS No.151539−59−2:0.30 g)、tert−ブチル(3−ブロモプロピル)カルバメート(市販品:CAS No.83948−53−2:0.52 g)、炭酸カリウム(0.30 g)、ヨウ化カリウム(50 mg)にN−メチルピロリドン(3.0 mL)を加え、80℃で30分間攪拌した。反応液に、酢酸エチル(25 mL)、水(12 mL)を加え、分液した。有機層を水(5 mL、3回)、飽和食塩水(5 mL)で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘプタン〜50%酢酸エチル/ヘプタン)で精製して、標記化合物(0.52 g)を淡黄色ガム状物として得た。
NMRデータ(CDCl)(δ:ppm): 7.56(1H、d、J = 16 Hz)、7.06−7.01(2H、m)、6.86(1H、d、J = 8 Hz)、6.27(1H、d、J = 16 Hz)、4.77(1H、brs)、4.30−4.24(6H、m)、3.24(2H、q、J = 7 Hz)、1.92−1.85(2H、m)、1.44(9H、s)
<工程2>(E)−3−(2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−6−イル)アクリル酸−3−アミノプロピル 塩酸塩の合成
(実施例9)<工程1>で得られた化合物(0.52 g)を用い、(実施例1)<工程4>と同様の操作を行い、標記化合物(0.38 g)を白色固体として得た。
NMRデータ(DMSO−d)(δ:ppm): 7.89(3H、brs)、7.56(1H、d、J = 16 Hz)、7.27(1H、d、J = 2 Hz)、7.21(1H、dd、J = 8、2 Hz)、6,89(1H、d、J = 8 Hz)、6.48(1H、d、J = 16 Hz)、4.29−4.24(2H、m)、4.19(2H、t、J = 6 Hz)、2.90(2H、t、J = 7 Hz)、1.98−1.91(2H、m)
<工程3>(E)−3−(2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−6−イル)アクリル酸−3−アミノプロピル基導入アルギン酸(EX9−a)の合成
1重量%に調整したアルギン酸ナトリウム(持田製薬株式会社製:A−2)水溶液(40 mL)と(実施例9)<工程2>で得られた化合物(30.2 mg)、4−(4、6−ジメトキシ−1、3、5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(112 mg)、1モル濃度−重曹水(151 μL)を用い、30℃で3時間反応させ、(実施例1)<工程5−1>と同様の操作を行い、標記化合物(395 mg)を白色固体として得た。
(実施例10)(E)−3−(4−メトキシフェニル)アクリル酸−2−(2−アミノエトキシ)エチル基導入アルギン酸(EX10−a)の合成
<工程1>(E)−3−(4−メトキシフェニル)アクリル酸−2−(2−(tert−ブトキシカルボニル)アミノエトキシ)エチルの合成
(実施例6)<工程1>で得られた化合物(0.30 g)に、塩化チオニル(250 μL)、N,N-ジメチルホルムアミド(1.3 μL)を加え、80℃で30分間撹拌した。得られた溶液を減圧濃縮し、塩化メチレン(1 mL)で2回共沸した。得られた固体を、塩化メチレン(1.5 mL)に溶解し、氷水冷下で、tert−ブチル(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル)カルバメート(市販品:CAS No.139115−91−6:0.41 g)、トリエチルアミン(0.7 mL)、N,N−ジメチルアミノピリジン(40 mg)の塩化メチレン(1.5 mL)溶液に加えた。室温で1.5時間撹拌した後、酢酸エチル(20 mL)、水(10 mL)を加え、分液した。有機層を半飽和重層水(10 mL)、水(5 mL)、飽和食塩水(5 mL)で、順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘプタン〜30%酢酸エチル/ヘプタン)で精製して、標記化合物(0.54 g)を無色油状物として得た。
NMRデータ(CDCl)(δ:ppm): 7.67(1H、d、J = 16 Hz)、7.48(2H、d、J = 9 Hz)、6.90(2H、d、J = 9 Hz)、6.35(1H、d、J = 16 Hz)、4.93(1H、brs)、4.37−4.33(2H、m)、3.84(3H、s)、3.73(2H、t、J = 5 Hz)、3.57(2H、t、J = 5 Hz)、3.34(2H、q、J = 5 Hz)、1.44(9H、s)
<工程2>(E)−3−(4−メトキシフェニル)アクリル酸−2−(2−アミノエトキシ)エチル塩酸塩の合成
(実施例10)<工程1>で得られた化合物(0.54 g)を用い、(実施例1)<工程4>と同様の操作を行い、標記化合物(0.42 g)を白色固体として得た。
NMRデータ(DMSO−d)(δ:ppm): 7.86(3H、brs)、7.68(2H、d、J = 9 Hz)、7.62(1H、d、J = 16 Hz)、6.98(2H、d、J = 9 Hz)、6.50(1H、d、J = 16 Hz)、4.31−4.26(2H、m)、3.80(3H、s)、3,72(2H、t、J = 5 Hz)、3.64(2H、t、J = 5 Hz)、2.98(2H、t、J = 5 Hz)
<工程3>(E)−3−(4−メトキシフェニル)アクリル酸−2−(2−アミノエトキシ)エチル基導入アルギン酸(EX10−a)の合成
1重量%に調整したアルギン酸ナトリウム(持田製薬株式会社製:A−2)水溶液(40 mL)と(実施例10)<工程2>で得られた化合物(31 mg)、4−(4、6−ジメトキシ−1、3、5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(112 mg)、1モル濃度−重曹水(151 μL)を用い、30℃で3時間反応させ、(実施例1)<工程5−1>と同様の操作を行い、標記化合物(393 mg)を白色固体として得た。
(実施例11)(2E,4E)−5−フェニルペンタ−2,4−ジエン酸−3−アミノプロピル基導入アルギン酸(EX11−a)の合成
<工程1>(2E,4E)−5−フェニルペンタ−2,4−ジエン酸−3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)プロピルの合成
(2E,4E)−5−フェニルペンタ−2,4−ジエン酸(市販品:CAS No.28010−12−0:0.20 g)、tert−ブチル(3−ブロモプロピル)カルバメート(0.41 g)、炭酸カリウム(0.24 g)、ヨウ化カリウム(40 mg)にN−メチルピロリドン(2.0 mL)を加え、80℃で1時間攪拌した。反応液に、tertブチルメチルエーテル(25 mL)、水(10 mL)を加え、分液した。有機層を水(10 mL、3回)、飽和食塩水(5 mL)で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘプタン〜50%酢酸エチル/ヘプタン)で精製して、標記化合物(0.34 g)を白色固体として得た。
NMRデータ(CDCl)(δ:ppm): 7.48−7.41(3H、m)、7.38−7.29(3H、m)、6.95−6.82(2H、m)、5.98(1H、d、J = 15 Hz)、4.74(1H、brs)、4.24(2H、t、J = 6 Hz)、3.23(2H、q、J = 6 Hz)、1.91−1.84(2H、m)、1.45(9H、s)
<工程2>(2E,4E)−5−フェニルペンタ−2,4−ジエン酸−3−アミノプロピル 塩酸塩の合成
(実施例11)<工程1>で得られた化合物(0.34 g)を用い、(実施例1)<工程4>と同様の操作を行い、標記化合物(0.25 g)を白色固体として得た。
NMRデータ(DMSO−d)(δ:ppm): 7.90(3H、brs)、7.56(2H、dd、J = 9、1 Hz)、7.47−7.32(4H、m)、7.18−7.08(2H、m)、6.11(1H、d、J = 15 Hz)、4.18(2H、t、J = 6 Hz)、2.89(2H、t、J = 7 Hz)、1.97−1.90(2H、m)
<工程3>(2E,4E)−5−フェニルペンタ−2,4−ジエン酸−3−アミノプロピル基導入アルギン酸(EX11−a)の合成
1重量%に調整したアルギン酸ナトリウム(持田製薬株式会社製:A−2)水溶液(20 mL)と(実施例11)<工程2>で得られた化合物(40.5 mg)、4−(4、6−ジメトキシ−1、3、5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(112 mg)、1モル濃度−重曹水(202 μL)、エタノール(2.0 mL)を用い、30℃で3時間反応させ、(実施例1)<工程5−1>と同様の操作を行い、標記化合物(210 mg)を白色固体として得た。
(実施例12)(2E,4E)−5−(4−メトキシフェニル)ペンタ−2,4−ジエン酸−3−アミノプロピル基導入アルギン酸(EX12−a)の合成
<工程1>(2E,4E)−5−(4−メトキシフェニル)ペンタ−2,4−ジエン酸の合成
4−メトキシベンズアルデヒド(市販品:CAS No.123−11−5)と4-ホスホノクロトン酸トリエチル(市販品:CAS No.42516−28−9)から、文献(Journal of American Chemical Society、127(43)、15028−15029、2005等)に記載の方法に従い合成した (2E,4E)−5−(4−メトキシフェニル)ペンタ−2,4−ジエン酸 エチルエステル(295 mg)のエタノール(1.5 mL)溶液に、氷水冷下で1規定−水酸化ナトリウム水溶液(1.4 mL)を加え、室温で1時間、50℃で1.5時間攪拌した。更に、1規定−水酸化ナトリウム水溶液(0.4 mL)を加え、50℃で3時間攪拌した。反応液を、2規定−塩酸でpH=1に調整し、酢酸エチル(20 mL)、水(5 mL)を加え、分液した。有機層を、水(5 mL)、飽和食塩水(5 mL)で順次洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた固体を減圧乾燥して、標記化合物(256 mg)を淡黄色固体として得た。
NMRデータ(CDCl)(δ:ppm): 7.51(1H、dd、J = 15、11 Hz)、7.43(2H、d、J = 9 Hz)、6.92−6.87(3H、m)、6.82−6.74(1H、m)、5.94(1H、d、J = 15 Hz)、3.84(3H、s)
<工程2>(2E,4E)−5−フェニルペンタ−2,4−ジエン酸−3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)プロピルの合成
(実施例12)<工程1>で得られた化合物(256 mg)、tert−ブチル(3−ブロモプロピル)カルバメート(448 mg)、炭酸カリウム(260 mg)、ヨウ化カリウム(42 mg)にN−メチルピロリドン(2.6 mL)を加え、80℃で2.5時間攪拌した。反応液に、酢酸エチル(25 mL)、水(12 mL)を加え、分液した。有機層を水(5 mL、3回)、飽和食塩水(5 mL)で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘプタン〜40%酢酸エチル/ヘプタン)で精製して、標記化合物(402 mg)を白色固体として得た。
NMRデータ(CDCl)(δ:ppm): 7.47−7.38(3H、m)、6.91−6.84(3H、m)、6.74(1H、dd、J = 15、11 Hz)、5.93(1H、d、J = 15 Hz)、4.76(1H、brs)、4.23(2H、t、J = 6 Hz)、3,83(3H、s)、3.23(2H、q、J = 6 Hz)、1.90−1.84(2H、m)、1.45(9H、s)
<工程3>(2E,4E)−5−フェニルペンタ−2,4−ジエン酸−3−アミノプロピル 塩酸塩の合成
(実施例12)<工程2>で得られた化合物(0.40 g)を用い、(実施例1)<工程4>と同様の操作を行い、標記化合物(0.32 g)を白色固体として得た。
NMRデータ(DMSO−d)(δ:ppm): 7.85(3H、brs)、7.52(2H、d、J = 9 Hz)、7.41(1H、dd、J = 15、10 Hz)、7.08−6.95(4H、m)、6.03(1H、d、J = 15 Hz)、4.17(2H、t、J = 6 Hz)、3.78(3H、s)、2.89(2H、t、J = 7 Hz)、1.96−1.89(2H、m)
<工程4>(2E,4E)−5−フェニルペンタ−2,4−ジエン酸−3−アミノプロピル基導入アルギン酸(EX12−a)の合成
1重量%に調整したアルギン酸ナトリウム(持田製薬株式会社製:A−2)水溶液(40 mL)と(実施例12)<工程3>で得られた化合物(30.0 mg)、4−(4、6−ジメトキシ−1、3、5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(112 mg)、1モル濃度−重曹水(151 μL)を用い、30℃で4時間反応させ、(実施例1)<工程5−1>と同様の操作を行い、標記化合物(381 mg)を白色固体として得た。
(実施例13)(E)−3−(4−シアノフェニル)アクリル酸−2−(2−アミノエトキシ)エチル基導入アルギン酸(EX13−a1)の合成
<工程1>(E)−3−(4−シアノフェニル)アクリル酸−2−(2−(tert−ブトキシカルボニル)アミノエトキシ)エチルの合成
(実施例7)<工程1>で得られた化合物(0.40 g)に、塩化チオニル(0.3
4 mL)、N,N-ジメチルホルムアミド(1.8 μL)を加え、80℃で40分間
撹拌した。得られた溶液を減圧濃縮し、塩化メチレン(1 mL)で2回共沸した。得られた固体に、塩化メチレン(2 mL)を加え、氷水冷下で、tert−ブチル(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル)カルバメート(0.57 g)、トリエチルアミン(0.97 mL)、N,N−ジメチルアミノピリジン(0.06 g)の塩化メチレン(2 mL)溶液に加えた。室温で30分間撹拌した後、酢酸エチル(20 mL)、水(10 mL)を加え、分液した。有機層を半飽和重層水(10 mL)、水(5 mL)、飽和食塩水(5 mL)で、順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(16%酢酸エチル/ヘプタン〜酢酸エチル)で精製して、標記化合物(0.78 g)を白色アモルファスとして得た。
NMRデータ(CDCl)(δ:ppm): 7.71−7.66(3H、m)、 7.61(2H、d、J = 8 Hz)、6.56(1H、d、J = 16 Hz)、4.89(1H、brs), 4.38(2H、t、J = 5 Hz)、 3.74(2H、t、J = 5 Hz)、3.57(2H、t、J = 5 Hz)、3.34(2H、dd、J = 10、5 Hz)、1.43 (9H、s)
<工程2>(E)−3−(4−シアノフェニル)アクリル酸−2−(2−アミノエトキシ)エチル塩酸塩の合成
(実施例13)<工程1>で得られた化合物(0.78 g)を、1,4−ジオキサ
ン(2.35 mL)に溶解させ、水冷下、4規定−塩化水素/ジオキサン(5.48
mL)をゆっくり加えた。反応液を室温で1時間30分攪拌し、ジイソプロピルエーテル
(50 mL)を加えた。析出した固体をろ取し、ジイソプロピルエーテルで洗浄した
後、減圧乾燥することにより標記化合物(0.56 g)を白色固体として得た。
NMRデータ(DMSO−d)(δ:ppm): 7.96−7.89(7H、m)、7.73(1H、d、J = 16 Hz)、6.85(1H、d、J = 16 Hz)、4.34−4.31(2H、m)、3.74−3.71(2H、 m)、3.65 (2H、t、J = 5 Hz)、3.00−2.96(2H、m)
<工程3>(E)−3−(4−シアノフェニル)アクリル酸−2−(2−アミノエトキシ)エチル基導入アルギン酸(Ex13−a1)の合成
1重量%に調整したアルギン酸ナトリウム(持田製薬株式会社製:A−2)水溶液(40 mL)と(実施例13)<工程2>で得られた化合物(27 mg)、4−(4、6−ジメトキシ−1、3、5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(122 mg)、1モル濃度−重曹水(137 μL)を用い、30℃で3時間反応させ、(実施例1)<工程5−1>と同様の操作を行い、標記化合物(384 mg)を白色固体として得た。
(実施例14)(E)−3−(2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−6−イル)アクリル酸−2−(2−アミノエトキシ)エチル基導入アルギン酸(EX14−a1)の合成
<工程1>(E)−3−(2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−6−イル)アクリル酸−2−(2−(tert−ブトキシカルボニル)アミノエトキシ)エチルの合成
(E)−3−(2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−6−イル)アクリル酸(市販品:CAS No.151539−59−2:0.30 g)に、塩化チオニル(0.21 mL)、N,N-ジメチルホルムアミド(1.1 μL)を加え、80℃で1時間撹拌した。得られた溶液を減圧濃縮し、塩化メチレン(1 mL)で2回共沸した。得られた固体に、塩化メチレン(1.5 mL)を加え、氷水冷下で、tert−ブチル(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル)カルバメート(0.3 g)、トリエチルアミン(0.61 mL)、N,N−ジメチルアミノピリジン(0.04 g)の塩化メチレン(1.5 mL)溶液に加えた。室温で1時間撹拌した後、酢酸エチル(20 mL)、水(10 mL)を加え、分液した。有機層を半飽和重層水(10 mL)、水(5 mL)、飽和食塩水(5 mL)で、順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(8%酢酸エチル/ヘプタン〜68%酢酸エチル/ヘプタン)で精製して、標記化合物(0.51 g)を無色油状物として得た。
NMRデータ(CDCl)(δ:ppm): 7.59(1H、d、J = 16 Hz)、7.06−6.99(2H、m)、6.85(1H、d、J = 8 Hz)、6.32(1H、d、J = 16 Hz)、4.91(1H、brs)、4.34(2H、t、J = 5 Hz)、4.28(4H、dd、J = 8、5 Hz)、3.72(2H、t、J = 5 Hz)、3.57(2H、t、J = 5 Hz)、3.36−3.29(2H、m)、1.44(9H、s)
<工程2>(E)−3−(2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−6−イル)アクリル酸−2−(2−アミノエトキシ)エチル塩酸塩の合成
(実施例14)<工程1>で得られた化合物(0.51 g)を、1,4−ジオキサン(1.52 mL)に溶解させ、水冷下、4規定−塩化水素/ジオキサン(3.56 mL)をゆっくり加えた。反応液を室温で1時間30分攪拌し、ジイソプロピルエーテル(50 mL)を加え、ガム状化合物を生じさせた。溶液を減圧下で濃縮した後、生じた固体に対し、ジイソプロピルエーテル(30 mL)を加え、トリチュレートした。固体をろ取し、ジイソプロピルエーテルで洗浄した後、減圧乾燥することにより標記化合物(0.4 g)を淡いピンク色のアモルファスとして得た。
NMRデータ(DMSO−d)(δ:ppm): 7.87(3H、brs)、7.55(1H、d、J = 16 Hz)、7.28(1H、d、J = 2 Hz)、7.21(1H、dd、J = 8、2 Hz)、6.89(1H、d、J = 8 Hz)、6.48(1H、d、J = 16 Hz)、4.29−4.24(6H、m)、3.73−3.70(2H、m)、3.66−3.61(2H、m)、3,02−2.94(2H、m)
<工程3>(E)−3−(2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−6−イル)アクリル酸−2−(2−アミノエトキシ)エチル基導入アルギン酸(Ex14−a1)の合成
1重量%に調整したアルギン酸ナトリウム(持田製薬株式会社製:A−2)水溶液(40 mL)と(実施例14)<工程2>で得られた化合物(30 mg)、4−(4、6−ジメトキシ−1、3、5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(122 mg)、1モル濃度−重曹水(137 μL)を用い、30℃で3時間反応させ、(実施例1)<工程5−1>と同様の操作を行い、標記化合物(386 mg)を白色固体として得た。
(実施例15)(E)−3−(3、4−ジメトキシフェニル)アクリル酸−2−(2−アミノエトキシ)エチル基導入アルギン酸(EX15−a1)の合成
<工程1>(E)−3−(3,4−ジメトキシフェニル)アクリル酸の合成
3,4−ジメトキシベンズアルデヒド(市販品:CAS No.120−14−9:3.00 g)、マロン酸(3.76 g)にピリジン(30.0 mL)を加え、45℃で10分間撹拌し、溶解させた。反応液にピペリジン(0.31 mL)を加え、100℃で0.5時間、及び125℃で2.5時間攪拌した。溶媒のピリジンを、容量が半分になるまで減圧留去した。氷水冷下、反応液を6規定−塩酸でpH=2に調整した。得られた固体をろ取し、水(10mL、3回)で洗浄後、40℃で減圧乾燥して、標記化合物(3.34 g)を白色固体として得た。
NMRデータ(DMSO−d)(δ:ppm): 12.18(1H、brs)、7.51(2H、d、J = 16 Hz)、7.30(1H、d、J = 2 Hz)、7.20(1H、dd、J = 9、2 Hz)、6.97(1H、d、J = 9 Hz)、 6.43(1H、d、J = 16 Hz)、3.80(3H、s)、3.78(3H、s)
<工程2>(E)−3−(3,4−ジメトキシフェニル)アクリル酸−2−(2−(tert−ブトキシカルボニル)アミノエトキシ)エチルの合成
(実施例15)<工程1>で得られた化合物(0.30 g)に、塩化チオニル(210 μL)、N,N-ジメチルホルムアミド(1.1 μL)を加え、80℃で30分間撹拌した。得られた溶液を減圧濃縮し、塩化メチレン(1 mL)で2回共沸した。得られた酸クロリドを、塩化メチレン(1.5 mL)に溶解し、氷水冷下で、tert−ブチル(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル)カルバメート(0.35 g)、トリエチルアミン(0.6 mL)、N,N−ジメチルアミノピリジン(35 mg)の塩化メチレン(1.5 mL)溶液に加えた。室温で1.5時間撹拌した後、酢酸エチル(20 mL)、水(10 mL)を加え、分液した。有機層を半飽和重層水(10 mL)、水(5 mL)、飽和食塩水(5 mL)で、順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(20%酢酸エチル/ヘプタン〜50%酢酸エチル/ヘプタン)で精製して、標記化合物(0.53 g)を無色油状物として得た。
NMRデータ(CDCl)(δ:ppm): 7.66(1H、d、J = 16 Hz)、7.11(1H、dd、J = 8、2 Hz)、7.07―7.05(1H、m)、6,86(1H、d、J = 8Hz)、6.36(1H、d、J = 16 Hz)、4.92(1H、brs)、4.35(2H、t、J = 5 Hz)、3.92(6H、s)、3.73(2H、t、J = 5 Hz)、3.58(2H、t、J = 5 Hz)、3.34(2H、q、J = 5 Hz)、1.44(9H、s)
<工程3>(E)−3−(3,4−ジメトキシフェニル)アクリル酸−2−(2−アミノエトキシ)エチル塩酸塩の合成
(実施例15)<工程2>で得られた化合物(0.53 g)を用い、(実施例1)<
工程4>と同様の操作を行い、標記化合物(0.39 g)を白色固体として得た。
NMRデータ(DMSO−d)(δ:ppm): 7.95(3H、brs)、7.60(1H、d、J = 16 Hz)、7.36(1H、d、J = 2 Hz)、7.25(1H、dd、J = 8、2 Hz)、6.98(1H、d、J = 8 Hz)、6.58(1H、d、J = 16 Hz)、4.29(2H、dd、J = 5、4 Hz)、3.81(3H、s)、3.79(3H、s)、3,72(2H、dd、J = 5、4 Hz)、3.65(2H、t、J = 6 Hz)、3.02−2.94(2H、m)
<工程4>(E)−3−(3,4−ジメトキシフェニル)アクリル酸−2−(2−アミノエトキシ)エチル基導入アルギン酸(Ex15−a1)の合成
1重量%に調整したアルギン酸ナトリウム(持田製薬株式会社製:A−2)水溶液(40 mL)と(実施例15)<工程3>で得られた化合物(34 mg)のエタノール(4 mL)溶液、4−(4、6−ジメトキシ−1、3、5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(112 mg)、1モル濃度−重曹水(151 μL)を用い、30℃で3時間反応させ、(実施例1)<工程5−1>と同様の操作を行い、標記化合物(392 mg)を白色固体として得た。
(実施例16)(E)−3−(2−メトキシピリジン−5−イル)アクリル酸−2−(2−アミノエトキシ)エチル基導入アルギン酸(EX16−a1)の合成
<工程1>(E)−3−(2−メトキシピリジン−5−イル)アクリル酸の合成
5−ホルミル−2−メトキシピリジン(市販品:CAS No.65873−72−5:2.00 g)、マロン酸(3.04 g)にピリジン(20.0 mL)を加え、45℃で10分間撹拌し、溶解させた。反応液にピペリジン(0.29 mL)を加え、100℃で0.5時間、及び125℃で2時間攪拌した。溶媒のピリジンを、容量が半分になるまで減圧留去した。氷水冷下、反応液を6規定−塩酸でpH=2に調整した。さらに、飽和重層水でpH=4に調整した。得られた固体をろ取し、水(10mL、5回)で洗浄後、50℃で減圧乾燥して、標記化合物(2.50 g)を白色固体として得た。
NMRデータ(DMSO−d)(δ:ppm): 12.34(1H、brs)、8.43(1H、d、J = 2 Hz)、8.11(1H、dd、J = 9、2 Hz)、7.57(1H、d、J = 16 Hz)、6.86(1H、d、J = 9 Hz)、6.50(1H、d、J = 16 Hz)、3.88(3H、s)
<工程2>(E)−3−(2−メトキシピリジン−5−イル)アクリル酸−2−(2−アミノエトキシ)エチル塩酸塩の合成
(実施例16)<工程1>で得られた化合物(0.40 g)及び塩化メチレン(4 mL)の懸濁液に対し、氷冷下、塩化オキサリル(0.59 mL)、N,N-ジメチルホルムアミド(1.7 μL)を加え、室温で1時間30分間撹拌した。得られた溶液を減圧下濃縮し、塩化メチレン(2 mL)に懸濁させ、氷水冷下で、tert−ブチル(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル)カルバメート(0.46 g)、N−エチルジイソプロピルアミン(1.17 mL)の塩化メチレン(2 mL)溶液に加えた。室温で30分撹拌した後、酢酸エチル(20 mL)、水(10 mL)を加え、分液した。有機層を半飽和重層水(10 mL)、水(5 mL)、飽和食塩水(5 mL)で、順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(8%酢酸エチル/ヘプタン〜68%酢酸エチル/ヘプタン:1回、16%酢酸エチル/ヘプタン〜100%酢酸エチル:2回)で精製して、標記化合物を含む画分(0.15 g)を得た。
標記化合物を含む画分(0.15 g)を用い、(実施例13)<工程2>と同様の
操作を行い、標記化合物(0.14 g)を白色固体として得た。
NMRデータ(DMSO−d)(δ:ppm): 8.49(1H、d、J = 2 Hz)、8.16(1H、dd、J = 9、2 Hz)、7.96(3H、br s)、7.66(1H、d、J = 16 Hz)、6.88(1H、d、J = 9 Hz)、6.64(1H、d、J = 16 Hz)、4.31−4.28(2H、m)、3.89(3H、s)、3.73−3.71(2H、m)、3.65(2H、t、J = 5 Hz)、3.01−2.94(2H、m)
<工程3>(E)−3−(3、4−ジメトキシフェニル)アクリル酸−2−(2−アミノエトキシ)エチル基導入アルギン酸(Ex16−a1)の合成
1重量%に調整したアルギン酸ナトリウム(持田製薬株式会社製:A−2)水溶液(40 mL)と(実施例16)<工程2>で得られた化合物(28 mg)、4−(4、6−ジメトキシ−1、3、5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(122 mg)、1モル濃度−重曹水(137 μL)を用い、30℃で3時間反応させ、(実施例1)<工程5−1>と同様の操作を行い、標記化合物(375 mg)を白色固体として得た。
(実施例17)(E)−3−(4−アセチルアミノフェニル)アクリル酸−2−(2−アミノエトキシ)エチル基導入アルギン酸(EX17−a1)の合成
<工程1>(E)−3−(4−アセチルアミノフェニル)アクリル酸の合成
4−アセチルアミノベンズアルデヒド(市販品:CAS No.122−85−0:2.00 g)、マロン酸(2.55 g)にピリジン(20.0 mL)を加え、45℃で10分間撹拌し、溶解させた。反応液にピペリジン(0.24 mL)を加え、100℃で0.5時間、及び125℃で2時間攪拌した。溶媒のピリジンを、容量が半分になるまで減圧留去した。氷水冷下、反応液を6規定−塩酸でpH=1に調整した。得られた固体をろ取し、水(10mL、5回)で洗浄後、50℃で減圧乾燥して、標記化合物(2.37 g)を白色固体として得た。
NMRデータ(DMSO−d)(δ:ppm): 12.26(1H、brs)、10.13(1H、s)、7.61(4H、s)、7.51(2H、d、J = 16 Hz)、6.40(1H、d、J = 16 Hz)、2.06(3H、s)
<工程2>(E)−3−(4−アセチルアミノフェニル)アクリル酸−2−(2−(tert−ブトキシカルボニル)アミノエトキシ)エチルの合成
(実施例17)<工程1>で得られた化合物(0.40 g)に、塩化チオニル(0.28 mL)、N,N-ジメチルホルムアミド(1.5 μL)を加え、80℃で40分間撹拌した。得られた溶液を減圧濃縮し、塩化メチレン(1 mL)で2回共沸した。得られた固体を、塩化メチレン(2 mL)に溶解し、氷水冷下で、tert−ブチル(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル)カルバメート(0.48 g)、トリエチルアミン(0.82 mL)、N,N−ジメチルアミノピリジン(0.05 g)の塩化メチレン(2 mL)溶液に加えた。室温で30分撹拌した後、酢酸エチル(20 mL)、水(10 mL)を加え、分液した。有機層を半飽和重層水(10 mL)、水(5 mL)、飽和食塩水(5 mL)で、順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(25%酢酸エチル/ヘプタン〜酢酸エチル)で2回精製して、標記化合物(0.63 g)を茶色ガム状
化合物として得た。
NMRデータ(CDCl)(δ:ppm): 7.66(1H、d、J = 16 Hz)、7.54(2H、d、J = 9 Hz)、7.49(2H、d、J = 9 Hz)、7.21(1H、brs)、6.41(1H、d、J = 16 Hz)、4.92(1H、brs)、4.35(2H、t、J = 5 Hz)、3.73(2H、t、J = 5 Hz)、3.59−3.54(2H、m)、3.38−3.30(2H、m)、2.20(3H、s)、1.43(9H、s)
<工程3>(E)−3−(4−アセチルアミノフェニル)アクリル酸−2−(2−アミノエトキシ)エチル塩酸塩の合成
(実施例17)<工程2>で得られた化合物(0.63 g)を用い、(実施例13)<工程2>と同様の操作を行い、標記化合物(0.47 g)を淡黄色固体として得た。
NMRデータ(DMSO−d)(δ:ppm): 10.27(1H、s)、7.98(3H、brs)、7.66(4H、s)、7.60(1H、d、J = 16 Hz)、6.53(1H、d、J = 16 Hz)、4.29(2H、t、J = 5 Hz)、3.72(2H、t、J = 5 Hz)、3.65(2H、t、J = 5 Hz)、3.00−2.94(2H、m)、2.07(3H、s)
<工程4>(E)−3−(4−アセチルアミノフェニル)アクリル酸−2−(2−アミノエトキシ)エチル基導入アルギン酸(Ex17−a1)の合成
1重量%に調整したアルギン酸ナトリウム(持田製薬株式会社製、AL100)水溶液(40 mL)と(実施例17)<工程3>で得られた化合物(30 mg)、4−(4、6−ジメトキシ−1、3、5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(122 mg)、1モル濃度−重曹水(137 μL)を用い、30℃で3時間反応させ、(実施例1)<工程5−1>と同様の操作を行い、標記化合物(382 mg)を淡黄色固体として得た。
(実施例18)(2E,4E)−5−フェニルペンタ−2,4−ジエン酸−2−(2−アミノエトキシ)エチル基導入アルギン酸(EX18−a1)の合成
<工程1>(2E,4E)−5−フェニルペンタ−2,4−ジエン酸−2−(2−(tert−ブトキシカルボニル)アミノエトキシ)エチルの合成
(実施例12)<工程1>で得られた化合物(0.30 g)に、塩化チオニル(0.21 mL)、N,N-ジメチルホルムアミド(1.1 μL)を加え、80℃で30分間撹拌した。得られた溶液を減圧濃縮し、塩化メチレン(1 mL)で2回共沸した。得られた固体を、塩化メチレン(1.5 mL)に溶解し、氷水冷下で、tert−ブチル(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル)カルバメート(0.3 g)、トリエチルアミン(0.61 mL)、N,N−ジメチルアミノピリジン(0.04 g)の塩化メチレン(1.5 mL)溶液に加えた。室温で4時間撹拌した後、酢酸エチル(20 mL)、水(10 mL)を加え、分液した。有機層を半飽和重層水(10 mL)、水(5 mL)、飽和食塩水(5 mL)で、順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(12%酢酸エチル/ヘプタン〜100%酢酸エチル)で精製して、標記化合物(0.44 g)を茶色油状物として得た。
NMRデータ(CDCl)(δ:ppm): 7.49−7.36(3H、m)、6.92−6.85(3H、m)、6.74(1H、dd、J = 15、11 Hz)、5.97(1H、d、J = 15 Hz)、4.92(1H、br s)、4.32(2H、t、J = 5 Hz)、3.83(3H、s)、3.71(2H、t、J = 5 Hz)、3.56(2H、t、J = 5 Hz)、3.33(2H、q、J = 5 Hz)、1.45(9H、s)
<工程2>(2E,4E)−5−フェニルペンタ−2,4−ジエン酸−2−(2−アミノエトキシ)エチル塩酸塩の合成
(実施例18)<工程1>で得られた化合物(0.44 g)を用い、(実施例13)<工程2>と同様の操作を行い、標記化合物(0.343 g)を淡黄色固体として得た。
NMRデータ(DMSO−d)(δ:ppm): 7.79(3H、br s)、7.51(2H、d、J = 9 Hz)、7.41(1H、dd、J = 15、10 Hz)、7.08−6.95(4H、m)、6.03(1H、d、J = 15 Hz)、4.25(2H、t、J = 5 Hz)、3.78(3H、s)、3.70(2H、t、J = 5 Hz)、3.63(2H、t、J = 5 Hz)、3.01−2.98(2H、br m)
<工程3>(2E,4E)−5−フェニルペンタ−2,4−ジエン酸−2−(2−アミノエトキシ)エチル基導入アルギン酸(Ex18−a1)の合成
1重量%に調整したアルギン酸ナトリウム(持田製薬株式会社製:A−2)水溶液(40 mL)と(実施例18)<工程2>で得られた化合物(30 mg)、4−(4、6−ジメトキシ−1、3、5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(122 mg)、1モル濃度−重曹水(137 μL)を用い、30℃で3時間反応させ、(実施例1)<工程5−1>と同様の操作を行い、標記化合物(386 mg)を淡黄色固体として得た。
(実施例19)(E)−3−(2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−6−イル)アクリル酸アミド−2−(2−(2−アミノエトキシ)エトキシ)エチル基導入アルギン酸(EX19−a1)の合成
<工程1>(E)−3−(2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−6−イル)アクリル酸アミド−2−(2−(tert−ブトキシカルボニル)アミノエトキシ)エチルの合成
(E)−3−(2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−6−イル)アクリル酸(市販品:CAS No.151539−59−2:0.20 g)、(実施例4)<工程1>の化合物(0.27 g)をエタノール(4 mL)に溶解し、4−(4、6−ジメトキシ−1、3、5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(0.56 g)を加え、室温で23時間攪拌した。反応液に、酢酸エチル(30 mL)、水(8 mL)を加え、分液した。有機層を水(10 mL)、飽和食塩水(5 mL)で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(20%酢酸エチル/ヘプタン〜酢酸エチル)で精製して、標記化合物(0.39 g)を無色ガム状物として得た。
NMRデータ(CDCl)(δ:ppm): 7.51(1H、d、J = 16 Hz)、7.03−6.98(2H、m)、6.84(1H、d、J = 8 Hz)、6.26(1H、d、J = 16 Hz)、6.16(1H、brs)、5.00(1H、brs)、4.29−4.24(4H、m)、3.68−3.54(10H、m)、3.37−3.28(2H、m)、1.44(9H、s)
<工程2>(E)−3−(2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−6−イル)アクリル酸アミド−2−(2−(2−アミノエトキシ)エトキシ)エチル 塩酸塩の合成
(実施例19)<工程1>で得られた化合物(0.39 g)を用い、(実施例1)<工程4>と同様の操作を行い、標記化合物(0.25 g)を淡黄色ガム状物として得た。
NMRデータ(DMSO−d)(δ:ppm):8.16(1H、t、J = 6Hz)、7.97(3H、brs)、7.29(1H、d、J = 16 Hz)、7.07−7.02(2H、m)、6,88(1H、d、J = 8 Hz)、6.53(1H、d、J = 16 Hz)、4.28−4.23(4H、m)、3.63−3.54(6H、m)、3.48(2H、t、J = 6Hz)、3.33(2H、q、J = 6 Hz)、2.99−2.91(2H、m)
<工程3>(E)−3−(2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−6−イル)アクリル酸アミド−2−(2−(2−アミノエトキシ)エトキシ)エチル基導入アルギン酸(EX19−a1)の合成
1重量%に調整したアルギン酸ナトリウム(持田製薬株式会社製:A−2)水溶液(40 mL)と(実施例19)<工程2>で得られた化合物(38 mg)、4−(4、6−ジメトキシ−1、3、5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(112 mg)、1モル濃度−重曹水(151 μL)を用い、30℃で3時間反応させ、(実施例1)<工程5−1>と同様の操作を行い、標記化合物(384 mg)を白色固体として得た。
[光反応性基の導入率測定]
光反応性基(光架橋基)の導入率は、アルギン酸の繰り返し単位であるウロン酸単糖単位あたりに導入された光架橋基の数を百分率で表した値を意味する。導入率の算出に必要なアルギン酸の量は、検量線を利用したカルバゾール硫酸法により測定し、光架橋基の量は、検量線を利用した吸光度測定法により測定する。
本実施例においては、反応性基又は相補的な反応性基導入率(mol%)は、H−NMRの積分比による計算した。又、導入率の算出に必要なアルギン酸の量は、検量線を利用したカルバゾール硫酸法により測定し、反応性基又は相補的な反応性基の量は、検量線を利用した吸光度測定法により測定することもできる。
[分子量の測定]
実施例で得られた光反応性基が導入されたアルギン酸誘導体の固体を0.15 mol/LのNaClを含む10mmol/Lリン酸緩衝液(pH7.4)に溶解し0.2%溶液を調製し、孔径0.2μmのセルロースアセテート製ろ過フィルター(DISMIC−25cs、ADVANTEC社)を通し不溶物を除いた後、この200μLをSuperose6 Increase10/300 GLカラム(GEヘルスケアサイエンス社)に供した。ゲルろ過は、クロマトグラフ装置としてAKTA Explorer 10Sを、展開溶媒として0.15 mol/ALaClを含む10mmol/Lリン酸緩衝液(pH7.4)を使用し、室温で流速0.6mL/mimの条件で実施した。サンプルの溶出プロファイルは、280 nmの吸収をモニターし作製した。得られたクロマトグラムは、Unicorn5.31ソフトウエア(GEヘルスケアサイエンス社)にて解析し、ピーク範囲を決定した。
又別法として、実施例で得られた光反応性基が導入されたアルギン酸誘導体の固体を0.15 mol/LのNaClを含む10mmol/Lリン酸緩衝液(pH7.4)に溶解し0.1%溶液を調製し、孔径0.22μmのポリエーテルスルフォン製ろ過フィルター(Minisart High Flow Filter、Sartorius社)を通し不溶物を除いた後、ゲルろ過用サンプルとした。各サンプルのスペクトルを分光光度計DU−800(Beckman−Coulter社)により測定し、各化合物のゲルろ過における測定波長を決定した。特異的な吸収波長を持たない化合物に関しては、示差屈折計を用いた。ゲルろ過用サンプルの200μLをSuperose6 Increase10/300 GLカラム(GEヘルスケアサイエンス社)に供した。ゲルろ過は、クロマトグラフ装置としてAKTA Explorer 10Sを、展開溶媒として0.15 mol/L NaClを含む10mmol/Lリン酸緩衝液(pH7.4)を使用し、室温で流速0.8mL/mimの条件で実施した。サンプルの溶出プロファイルは、各化合物で決定した波長の吸収をモニターし作製した。得られたクロマトグラムは、Unicorn5.31ソフトウエア(GEヘルスケアサイエンス社)にて解析し、ピーク範囲を決定した。
又別法として、実施例で得られた光反応性基が導入されたアルギン酸誘導体の固体を0.15 mol/LのNaClを含む10mmol/Lリン酸緩衝液(pH7.4)に溶解し0.1%溶液を調製し、孔径0.2μmのセルロースアセテート製ろ過フィルター(DISMIC−25cs、ADVANTEC社)を通し不溶物を除いた後、ゲルろ過用サンプルとした。各サンプルのスペクトルを分光光度計DU−800(Beckman−Coulter社)により測定し、各化合物のゲルろ過における測定波長を決定した。特異的な吸収波長を持たない化合物に関しては、示差屈折計を用いた。ゲルろ過用サンプルの200μLをSuperose6 Increase10/300 GLカラム(GEヘルスケアサイエンス社)に供した。ゲルろ過は、クロマトグラフ装置としてAKTA Explorer 10Sを、展開溶媒として0.15 mol/L NaClを含む10mmol/Lリン酸緩衝液(pH7.4)を使用し、室温で流速0.8mL/mimの条件で実施した。サンプルの溶出プロファイルは、各化合物で決定した波長の吸収をモニターし作製した。得られたクロマトグラムは、Unicorn5.31ソフトウエア(GEヘルスケアサイエンス社)にて解析し、ピーク範囲を決定した。
光反応性基が導入されたアルギン酸の分子量は、ブルーデキストラン(分子量200万Da、 SIGMA社)、チログロブリン(分子量66.9万Da、GEヘルスケアサイエンス社)フェリチン(分子量44万Da、GEヘルスケアサイエンス社)アルドラーゼ(分子量15.8万Da、GEヘルスケアサイエンス社)、コンアルブミン(分子量7.5万Da、GEヘルスケアサイエンス社)、オブアルブミン(分子量4.4万Da、GEヘルスケアサイエンス社)、リボヌクレアーゼA(分子量1.37万Da、GEヘルスケアサイエンス社)及びアプロチニン(分子量6500Da、GEヘルスケアサイエンス社)を標準品として用い、光反応性基(光架橋基)が導入されたアルギン酸と同じ条件でゲルろ過を行い、各成分の溶出液量をUnicornソフトウエアにて決定した。この各成分の溶出液量を横軸に、分子量の対数値を縦軸にそれぞれプロットし、直線回帰し、検量線を作成した。検量線は、ブルーデキストランからフェリチンまで、フェリチンからアプロチニンまでの2種類を作成した。
この検量線を用いて、先に得られたクロマトグラムの溶出時間iにおける分子量(Mi)を計算した。次いで、溶出時間iにおける吸光度を読み取りHiとした。これらのデータから重量平均分子量(Mw)を以下の式から求めた。
[ゲル安定性の測定]
(ゲル安定性の測定(1))
(実施例1)<工程5−2>で得られたアルギン酸誘導体(EX1−b)、(実施例2)<工程3−2>で得られたアルギン酸誘導体(EX2−b)、及びアルギン酸(A−2;対照)を、濃度が1%となるよう水に溶かしてアルギン酸水溶液を得た。この水溶液を18ゲージの注射針を装着した注射筒に入れ、この注射筒を流速1mL/分に設定したシリンジポンプに設置し、濃度が300mmol/Lの塩化カルシウム溶液に30秒間滴下し、5分間撹拌して光反応性基導入アルギン酸ゲルを得た。このゲルを10mLのリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で1度洗浄した後、UV硬化装置(セン特殊光源株式会社、HLR100T−2)を用いて水中で10分間光照射を行い、光架橋アルギン酸構造体ゲルを得た。容器に入れた前記ゲルに19.5mLのPBSを添加し、37℃で振盪して、経時的に水溶液を回収し、回収した量と同量のPBSを補充した。試験終了後、試験溶液にアルギン酸リアーゼ(ニッポンジーン、319−08261)を2μL添加し、37℃で1時間振盪させてゲルを全て崩壊させ、水溶液を回収した。回収した水溶液中のアルギン酸濃度をカルバゾール硫酸法により測定し、各時点の水溶液中アルギン酸濃度を既に回収したアルギン酸濃度で補正した値を、全時点のアルギン酸濃度および試験終了後のアルギン酸濃度から算出した全アルギン酸濃度で除した値を百分率で表した値を崩壊率とし、ゲル安定性の指標とした。
結果を図1に示した。
対照として用いたアルギン酸(A−2)から作成した光架橋アルギン酸構造体ゲルが4時間でほぼ溶解したのに対し、本実施例の光架橋アルギン酸誘導体はいずれも安定性が向上した。また、アルギン酸誘導体(EX2−b)から作成した光架橋アルギン酸構造体ゲルに比し、アルギン酸誘導体(EX1−b)から作成した光架橋アルギン酸構造体ゲルで、安定性がより向上した。
(ゲル安定性の測定(2))
(実施例6)<工程4−2>で得られたアルギン酸誘導体(EX6−b)を、濃度が1%となるよう水に溶かしてアルギン酸水溶液を得た。この水溶液を18ゲージの注射針を装着した注射筒に入れ、この注射筒を流速1 mL/分に設定したシリンジポンプに設置し、濃度が30 mmol/Lの塩化カルシウム溶液に30秒間滴下し、5分間撹拌して光反応性基導入アルギン酸ゲルを得た。このゲルを10 mLのリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で1度洗浄した後、UV硬化装置(セン特殊光源株式会社、HLR100T−2)を用いて水中で3、10、60分間光照射を行い、光架橋アルギン酸ゲルを得た。このゲルに20 mLのPBSを添加し、37℃で振盪して、1、2、4、8、24、48、72、144時間後に水溶液を回収し、回収した量と同量のPBSを補充した。試験終了後、試験溶液にアルギン酸リアーゼ(Creative enzymes、NATE−1563)を10 μL添加し、37℃で終夜振盪させてゲルを全て崩壊させ、水溶液を回収した。回収した水溶液中のアルギン酸濃度をカルバゾール硫酸法により測定し、各時点の水溶液中アルギン酸濃度を既に回収したアルギン酸濃度で補正した値を、全時点のアルギン酸濃度および試験終了後のアルギン酸濃度から算出した全アルギン酸濃度で除した値を百分率で表した値を崩壊率とし、ゲル安定性の指標とした。
結果を図3に示した。
対照として用いたアルギン酸誘導体(EX6−b)から作成したカルシウム架橋アルギン酸構造体ゲル(光照射時間0分)が1時間で98.7%溶解したのに対し、アルギン酸誘導体(EX6−b)から作成した各光架橋アルギン酸ゲル(光照射時間:3分、10分、及び30分)は安定性が向上した。
(ゲル安定性の測定(3))
(実施例9)で得られたアルギン酸誘導体(EX9−a)、及び(実施例12)で得られたアルギン酸誘導体(EX12−a)を、濃度が1%となるよう水に溶かしてアルギン酸水溶液を得た。この水溶液を18ゲージの注射針を装着した注射筒に入れ、この注射筒を流速1 mL/分に設定したシリンジポンプに設置し、濃度が30 mmol/Lの塩化カルシウム溶液に30秒間滴下し、5分間撹拌して光架橋基導入アルギン酸ゲルを得た。このゲルを10 mLのリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で1度洗浄した後、UV硬化装置(セン特殊光源株式会社、HLR100T−2)を用いてPBS中で10分間光照射を行い、光架橋アルギン酸ゲルを得た。このゲルに20 mLのPBSを添加し、37℃で振盪して、1.5、6、24、96時間後に水溶液を回収し、回収した量と同量のPBSを補充した。試験終了後、試験溶液にアルギン酸リアーゼ(ニッポンジーン、319−08261)を5 μL添加し、37℃で3時間振盪させてゲルを全て崩壊させ、水溶液を回収した。回収した水溶液中のアルギン酸濃度をカルバゾール硫酸法により測定し、各時点の水溶液中アルギン酸濃度を既に回収したアルギン酸濃度で補正した値を、全時点のアルギン酸濃度および試験終了後のアルギン酸濃度から算出した全アルギン酸濃度で除した値を百分率で表した値を崩壊率とし、ゲル安定性の指標とした。
結果を図4に示した。
本実施例の光架橋アルギン酸ゲルはいずれも安定性が高い(96時間で、EX9−a由来の光架橋アルギン酸ゲルが約12%、EX12−a由来の光架橋アルギン酸ゲルが約11%の崩壊率)ことが確認できた。
(ゲル安定性の測定(4))
(実施例10)で得られたアルギン酸誘導体(EX10−a)を、濃度が1%となるよう水に溶かしてアルギン酸水溶液を得た。この水溶液を18ゲージの注射針を装着した注射筒に入れ、この注射筒を流速1 mL/分に設定したシリンジポンプに設置し、濃度が30 mmol/Lの塩化カルシウム溶液に30秒間滴下し、5分間撹拌して光反応性基導入アルギン酸ゲルを得た。このゲルを10 mLのリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で1度洗浄した後、UV硬化装置(セン特殊光源株式会社、HLR100T−2)を用いて水中で10分間光照射を行い、光架橋アルギン酸ゲルを得た。このゲルに20 mLのPBSを添加し、37℃で振盪して、1.5、6、24、96時間後に水溶液を回収し、回収した量と同量のPBSを補充した。試験終了後、試験溶液にアルギン酸リアーゼ(ニッポンジーン、319−08261)を5 μL添加し、37℃で終夜振盪させてゲルを全て崩壊させ、水溶液を回収した。回収した水溶液中のアルギン酸濃度をカルバゾール硫酸法により測定し、各時点の水溶液中アルギン酸濃度を既に回収したアルギン酸濃度で補正した値を、全時点のアルギン酸濃度および試験終了後のアルギン酸濃度から算出した全アルギン酸濃度で除した値を百分率で表した値を崩壊率とし、ゲル安定性の指標とした。
結果を図5に示した。
本実施例の光架橋アルギンゲルは、安定性が高い(96時間で約16%の崩壊率)ことが確認できた。
(ゲル安定性の測定(5))
(実施例13)で得られたアルギン酸誘導体(EX13−a1)、(実施例14)で得られたアルギン酸誘導体(EX14−a1)、及び(実施例17)で得られたアルギン酸誘導体(EX17−a1)を、濃度が1%となるよう水に溶かしてアルギン酸水溶液を得た。この水溶液を18ゲージの注射針を装着した注射筒に入れ、この注射筒を流速1 mL/分に設定したシリンジポンプに設置し、濃度が30 mmol/Lの塩化カルシウム溶液に30秒間滴下し、5分間撹拌して光反応性基導入アルギン酸ゲルを得た。このゲルを10 mLのリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で1度洗浄した後、UV硬化装置(セン特殊光源株式会社、HLR100T−2)を用いて水中で10分間光照射を行い、光架橋アルギン酸ゲルを得た。このゲルに19.5 mLのPBSを添加し、37℃で振盪して、1.5、6、24、96時間後に水溶液を回収し、回収した量と同量のPBSを補充した。試験終了後、試験溶液にアルギン酸リアーゼ(ニッポンジーン、319−08261)を10 μL添加し、37℃で終夜振盪させてゲルを全て崩壊させ、水溶液を回収した。回収した水溶液中のアルギン酸濃度をカルバゾール硫酸法により測定し、各時点の水溶液中アルギン酸濃度を既に回収したアルギン酸濃度で補正した値を、全時点のアルギン酸濃度および試験終了後のアルギン酸濃度から算出した全アルギン酸濃度で除した値を百分率で表した値を崩壊率とし、ゲル安定性の指標とした。
結果を図6に示した。
本実施例の光架橋アルギン酸ゲルは、いずれも安定性(96時間で、EX13−a1由来の光架橋アルギン酸ゲルが約38%、EX14−a1由来の光架橋アルギン酸ゲルが約37%の崩壊率、EX17−a1由来の光架橋アルギン酸ゲルが約43%の崩壊率)があることが確認できた。
(ゲル安定性の測定(6))
(実施例1)で得られたアルギン酸誘導体(EX15−a1)、及び(実施例18)で得られたアルギン酸誘導体(EX18−a1)を、濃度が1%となるよう水に溶かしてアルギン酸水溶液を得た。この水溶液を18ゲージの注射針を装着した注射筒に入れ、この注射筒を流速1 mL/分に設定したシリンジポンプに設置し、濃度が30 mmol/Lの塩化カルシウム溶液に30秒間滴下し、5分間撹拌して光反応性基導入アルギン酸ゲルを得た。このゲルを10 mLのリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で1度洗浄した後、UV硬化装置(セン特殊光源株式会社、HLR100T−2)を用いて水中で10分間光照射を行い、光架橋アルギン酸ゲルを得た。このゲルに19.5 mLのPBSを添加し、37℃で振盪して、1.5、6、24、96時間後に水溶液を回収し、回収した量と同量のPBSを補充した。試験終了後、試験溶液にアルギン酸リアーゼ(ニッポンジーン、319−08261)を10 μL添加し、37℃で終夜振盪させてゲルを全て崩壊させ、水溶液を回収した。回収した水溶液中のアルギン酸濃度をカルバゾール硫酸法により測定し、各時点の水溶液中アルギン酸濃度を既に回収したアルギン酸濃度で補正した値を、全時点のアルギン酸濃度および試験終了後のアルギン酸濃度から算出した全アルギン酸濃度で除した値を百分率で表した値を崩壊率とし、ゲル安定性の指標とした。
結果を図7に示した。
本実施例の光架橋アルギン酸ゲルは、いずれも安定性が高い(96時間で、EX15−a1由来の光架橋アルギン酸ゲルが約24%、EX18−a1由来の光架橋アルギン酸ゲルが約5%の崩壊率)ことが確認できた。
(ゲル安定性の測定(7))
(実施例9)で得られたアルギン酸誘導体(EX9−a)、(実施例12)で得られたアルギン酸誘導体(EX12−a1)、(実施例13)で得られたアルギン酸誘導体(EX13−a1)、(実施例14)で得られたアルギン酸誘導体(EX14−a1)、(実施例15)で得られたアルギン酸誘導体(EX15−a1)、(実施例17)で得られたアルギン酸誘導体(EX17−a1)、及び(実施例18)で得られたアルギン酸誘導体(EX18−a1)を、濃度が1%となるよう水に溶かしてアルギン酸水溶液を得た。この水溶液を18ゲージの注射針を装着した注射筒に入れ、この注射筒を流速1 mL/分に設定したシリンジポンプに設置し、濃度が30 mmol/Lの塩化カルシウム溶液に30秒間滴下し、5分間撹拌して光反応性基導入アルギン酸ゲルを得た。このゲルを10 mLの生理食塩水で1度洗浄した後、UV硬化装置(セン特殊光源株式会社、HLR100T−2)を用いて水中で10分間光照射を行い、光架橋アルギン酸ゲルを得た。このゲルに19.5 mLの5 mMエチレンジアミン四酢酸二カリウム塩二水和物(EDTA・2K)/生理食塩水溶液を添加し、37℃で振盪して24時間後に水溶液を回収し、回収した量と同量の5 mMエチレンジアミン四酢酸二カリウム塩二水和物(EDTA・2K)/生理食塩水溶液を補充した。試験終了後、試験溶液にアルギン酸リアーゼ(ニッポンジーン、319−08261)を10あるいは20 μL添加し、37℃で3時間以上振盪させてゲルを全て崩壊させ、水溶液を回収した。回収した水溶液中のアルギン酸濃度をカルバゾール硫酸法により測定し、各時点の水溶液中アルギン酸濃度を既に回収したアルギン酸濃度で補正した値を、全時点のアルギン酸濃度および試験終了後のアルギン酸濃度から算出した全アルギン酸濃度で除した値を百分率で表した値を崩壊率とし、ゲル安定性の指標とした。
結果を図8に示した。
本実施例のEDTA処理を行ってカルシウム架橋を除いた光架橋アルギンゲルは、いずれも安定性が高い(24時間で、Ex9−a由来の光架橋アルギン酸ゲルが約17%、Ex12−a1由来の光架橋アルギン酸ゲルが約18%、Ex13−a1由来の光架橋アルギン酸ゲルが約34%、Ex14−a1由来の光架橋アルギン酸ゲルが約28%、Ex17−a1由来の光架橋アルギン酸ゲルが約31%、Ex15−a1由来の光架橋アルギン酸ゲルが約18%、Ex18−a1由来の光架橋アルギン酸ゲルが約12%)があることが確認できた。
[ゲル漏出率の測定]
(ゲル漏出率の測定(1))
(実施例1)<工程5−1>で得られたアルギン酸誘導体(EX1−a1)、(実施例2)<工程3−1>で得られたアルギン酸誘導体(EX2−a1)、及びアルギン酸(A−2;対照)を、濃度が1%となるよう水に溶かしてアルギン酸水溶液を得た。この光架橋基導入アルギン酸水溶液に、10mg/mLの濃度に調製したブルーデキストラン(Amersham bioscience、分子量200万)水溶液を等量混和し、5mg/mLブルーデキストラン含有0.5%光架橋基導入アルギン酸水溶液を調製した。この水溶液を18ゲージの注射針を装着した注射筒に入れ、この注射筒を流速1mL/分に設定したシリンジポンプに設置し、濃度が100mmol/Lの塩化カルシウム溶液に30秒間滴下し、5分間撹拌してブルーデキストラン内包光架橋基導入アルギン酸ゲルを得た。このゲルを10mLのPBSで1度洗浄した後、UV硬化装置(セン特殊光源株式会社、HLR100T−2)を用いて水中で10分間光照射を行い、ブルーデキストラン内包の光架橋アルギン酸構造体ゲルを得た。容器に入れたこのゲルに2mLのPBSを添加し、37℃で振盪して、経時的に上清の水溶液を回収し、吸光度測定後に試験溶液中に戻した。回収した水溶液中のブルーデキストラン濃度を、検量線を用いた吸光度測定法(610 nm)により測定した。漏出率は、ブルーデキストラン含有光架橋基導入アルギン酸水溶液0.5mLをPBS2mLに添加した際のブルーデキストラン濃度を100%として、各時点の水溶液中ブルーデキストラン濃度を除した値を百分率で表した。
結果を図2(A)(B)に示した。
(A)対照として用いたアルギン酸(A−2)で作成したアルギン酸構造体ゲルが5時間弱で50%漏出したのに対し、アルギン酸誘導体(EX2−a1)で作成したアルギン酸構造体ゲルでは約7時間と、延長傾向が認められ、アルギン酸誘導体(EX1−a1)で作成したアルギン酸構造体ゲルでは12時間弱と、漏出時間の有意な延長が認められた(Tukey−Kramer検定(*p<0.05、##p<0.01)にて確認)。
(B)80%漏出を指標とした評価でも同様の結果となった。すなわち、対照として用いたアルギン酸(A−2)で作成したアルギン酸構造体ゲルの80%漏出時間が約7時間であったのに対し、アルギン酸誘導体(EX2−a1)で作成したアルギン酸構造体ゲルでは約11時間と、延長傾向が認められ、アルギン酸誘導体(EX1−a1)で作成したアルギン酸構造体ゲルでは約18時間と、漏出時間の有意な延長が認められた(Tukey−Kramer検定(*p<0.05、##p<0.01)にて確認)。
[ゲル透過性の測定]
(実施例9)で得られたアルギン酸誘導体(EX9−a)、(実施例10)で得られたアルギン酸誘導体(EX10−a)(実施例12)で得られたアルギン酸誘導体(EX12−a1)、(実施例13)で得られたアルギン酸誘導体(EX13−a1)、(実施例14)で得られたアルギン酸誘導体(EX14−a1)、(実施例15)で得られたアルギン酸誘導体(EX15−a1)、(実施例17)で得られたアルギン酸誘導体(EX17−a1)、及び(実施例18)で得られたアルギン酸誘導体(EX18−a1)を、濃度が2%となるよう水に溶かしてアルギン酸水溶液を得た。このアルギン酸水溶液に1/5容量の1 mg/mLに調製した分子量15万のフルオレセインイソチオシアナート−デキストラン(シグマアルドリッチ、FD150S)、及び4/5容量の水を加え、0.1 mg/mLフルオレセインイソチオシアナート−デキストラン含有1.0%アルギン酸水溶液を得た。
0.1 mg/mLフルオレセインイソチオシアナート−デキストラン含有1.0%アルギン酸水溶液を18ゲージの注射針を装着した注射筒に入れ、この注射筒を流速1 mL/分に設定したシリンジポンプに設置し、濃度が30 mmol/Lの塩化カルシウム溶液に30秒間滴下し、約5分間撹拌してアルギン酸ゲルを得た。このゲルを10 mLの生理食塩水で1度洗浄し、フルオレセインイソチオシアナート−デキストラン内包光反応性基導入アルギン酸ゲルを得た。このゲルを10 mLの生理食塩水で1度洗浄した後、UV硬化装置(セン特殊光源株式会社、HLR100T−2)を用いて水中で10分間光照射を行い、フルオレセインイソチオシアナート−デキストラン内包光架橋アルギン酸ゲルを得た。
得られたゲルに19.5 mLの生理食塩水を添加し、37℃で振盪して、経時的に水溶液を回収した。試験終了後、試験溶液にアルギン酸リアーゼ(ニッポンジーン、319−08261)を10‐20 μL添加し、37℃で3時間以上振盪させてゲルを全て崩壊させ、水溶液を回収した。回収した水溶液中のデキストラン濃度を蛍光定量法(励起光:485nm、蛍光:535nm)により測定し、各時点のデキストラン濃度を試験終了後のデキストラン濃度で除した値を百分率で表した値を透過率とした。
結果を図9及び図10に示した。
本実施例の光架橋アルギン酸ゲルは、測定開始3時間後で約40%の透過率を有しており、測定開始24時間後で約60%の透過性を有しており、透過性に優れたものである。
[生体適合性評価]
下記の方法にて、生体適合性の評価を実施する。尚、本明細書における生体適合性の評価方法は、一例を示すものであり、本方法になんら限定されるものではない。
(実施例1)<工程5−1>と同様の方法で製造した導入率(NMR積分比)=4.1 mol%のアルギン酸誘導体(EX1−a3)、(実施例9)<工程3>で得られたアルギン酸誘導体(EX9−a)、(実施例10)<工程3>で得られたアルギン酸誘導体(EX10−a)、(実施例12)<工程4>で得られたアルギン酸誘導体(EX12−a)及びアルギン酸(A−2;対照)を、それぞれ濃度が1.0 w/w%となるよう水に溶かして得られたアルギン酸水溶液に、11倍濃度の生理食塩水を1/10容量添加し、濃度が0.9 w/w%のアルギン酸生理食塩水溶液(1a3)、(9a)、(10a)、(12a)及び(REF)を得た。
前記各アルギン酸生理食塩水溶液にCHO細胞を、5.0×10 cells/mLになるように混和し、細胞溶液を得て、次に、各細胞溶液を18ゲージの注射針を装着した注射筒に入れ、この注射筒を流速1 mL/分に設定したシリンジポンプに設置し、濃度が30 mmol/Lの塩化カルシウム溶液に滴下し、5分間撹拌した後、10 mLのリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で置換し、UV硬化装置(セン特殊光源株式会社、HLR100T−2)を用いてPBS中で10分間光照射を行い、下記表○の組成である培地で1度洗浄し、CHO細胞内包アルギン酸ゲル(ゲルCHO−1a3)、(ゲルCHO−9a)、(ゲルCHO−10a)、(ゲルCHO−12a)、及び(ゲルCHO−REF)を得た。
前記各CHO細胞内包アルギン酸ゲルを6ウェルプレート(FALCON、 Cat#351146)に播種し、下記表3の組成である培地を5 mL/ウェルで添加し、ゲルを含浸させ、37℃、5%COインキュベータ内で培養を行い、光反応性基が導入されたアルギン酸誘導体、及び光架橋アルギン酸構造体(ビーズ)に生体適合性が有ることを確認する。

Claims (28)

  1. アルギン酸の任意の1つ以上のカルボキシル基に、下記式(I)[式中、波線右外側は含まない]:
    [式(I)中、
    Arは、C6−10アリール基、又は複素環基(前記C6〜10アリール基、又は複素環基は、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1〜6アルキル基、ハロゲン化C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、及び−NR基(−NR基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり)から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良く、前記C6〜10アリール基又は複素環基に、C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基が又は2つのC1〜6アルコキシ基が隣接して置換する場合、当該C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基の各基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、又は、当該2つのC1〜6アルコキシ基の各アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、環状エーテルを形成しても良く、又は、前記C6〜10アリール基又は複素環基に、C1〜6アルコキシ基及び−NHR基(−NHR基におけるRは、C2〜7アルカノイル基又はC1〜6アルキルスルホニル基である)が隣接して置換している場合、当該C1〜6アルコキシ基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子と当該−NHR基の水素原子が1つ除かれた窒素原子が結合することにより、3−N−(C2〜7アルカノイル)オキサゾリジン環、3−N−(C1〜6アルキルスルホニル)オキサゾリジン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)モルホリン環、4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)モルホリン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)−1,4−オキサゼパン環、又は4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)−1,4−オキサゼパン環を形成しても良い)を表わし;
    pは、1、又は2の整数を表わし;
    −X−は、−O−、−NH−、又は−N(C1−6アルキル)−を表わし;
    −A−は、式(AL−1)〜(AL−4)[各式中、両端の波線外側は含まない]:
    (式(AL−1)〜(AL−4)中、nは、1〜18の整数を表わし;mは、1〜9の整数を表わし;jは、0〜9の整数を表わし;
    式(AL−1)〜(AL−4)中のメチレン基(−CH−)の水素原子は、ハロゲン原子、水酸基、C1〜6アルキル基、ヒドロキシC1〜6アルキル基、チオールC1〜6アルキル基、C1〜6アルキルチオC1〜6アルキル基、カルボキシC1〜6アルキル基、−NR基、(RN)−C1〜6アルキル基、(RN)C(=O)−C1〜6アルキル基(前記−NR基、(RN)−C1〜6アルキル基、又は(RN)C(=O)−C1〜6アルキル基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり)、グアニジノC1〜6アルキル基、C7〜16アラルキル基、ヒドロキシC6〜10アリールC1〜6アルキル基、又はヘテロアリールC1〜6アルキル基から選択される基で複数個(例えば、1〜10個、又は1〜5個)置き換えられても良く;式(AL−1)〜(AL−4)中のメチレン基(−CH−)の2つの水素原子がC1〜6アルキル基に置き換えられた場合、当該アルキル基が互いに結合してC3〜8シクロアルキル環を形成しても良く;式(AL−3)又は式(AL−4)中の−NH−基は、隣接する炭素原子に結合する前記置換基と共に、非芳香族複素環を形成しても良い)]で表される光反応性基が導入された、アルギン酸誘導体。
  2. 式(I)で表わされる光反応性基の導入率が、0.5%〜30%である、請求項1に記載のアルギン酸誘導体。
  3. アルギン酸誘導体のゲルろ過クロマトグラフィー法により測定した重量平均分子量が、10万Da〜300万Daである、請求項1に記載のアルギン酸誘導体。
  4. 請求項1に記載のアルギン酸誘導体に光照射することにより得られる、光架橋アルギン酸。
  5. 請求項1のアルギン酸誘導体(式(I)においてp=1の場合)に光照射を行うことにより形成される化学架橋が、下記式(II−L−1)又は式(II−L−2):
    [式(II−L−1)又は式(II−L−2)中、両端の−CONH−及び−NHCO−は、アルギン酸の任意のカルボキシル基を介したアミド結合を表わし;−A−、−X−、及びArは、前記請求項1中の定義と同じである]から選ばれる構造である、請求項4に記載の光架橋アルギン酸。
  6. 請求項1のアルギン酸誘導体(式(I)においてp=2の場合)に光照射を行うことにより形成される化学架橋が、下記式(II−L−3):
    [式(II−L−3)中、両端の−CONH−及び−NHCO−は、アルギン酸の任意のカルボキシル基を介したアミド結合を表わし;−A−、−X−、及びArは、前記請求項1中の定義と同じである]から選ばれる構造である、請求項4に記載の光架橋アルギン酸。
  7. 照射する光が、紫外線又はLED光から選ばれる光である、請求項4〜請求項6のいずれか1項に記載の光架橋アルギン酸。
  8. 請求項1に記載のアルギン酸誘導体の溶液を、2価金属イオンを含む溶液中に滴下することで得られるゲルに光照射することにより得られる、架橋として2価金属イオンにより部分的に形成されるイオン架橋及び光照射により形成される化学架橋を含む、光架橋アルギン酸構造体。
  9. 請求項1のアルギン酸誘導体(式(I)においてp=1の場合)に光照射を行うことにより形成される化学架橋が、下記式(II−L−1)又は式(II−L−2):
    [式(II−L−1)又は式(II−L−2)中、両端の−CONH−及び−NHCO−は、アルギン酸の任意のカルボキシル基を介したアミド結合を表わし;−A−、−X−、及びArは、前記請求項1中の定義と同じである]から選ばれる構造である、請求項8に記載の光架橋アルギン酸構造体。
  10. 請求項1のアルギン酸誘導体(式(I)においてp=2の場合)に光照射を行うことにより形成される化学架橋が、下記式(II−L−3):
    [式(II−L−3)中、両端の−CONH−及び−NHCO−は、アルギン酸の任意のカルボキシル基を介したアミド結合を表わし;−A−、−X−、及びArは、前記請求項1中の定義と同じである]から選ばれる構造である、請求項8に記載の光架橋アルギン酸構造体。
  11. 照射する光が、紫外線又はLED光から選ばれる光である、請求項8〜請求項10のいずれか1項に記載の光架橋アルギン酸構造体。
  12. ビーズ又は略球形のゲルである、請求項8〜請求項11のいずれか1項に記載の光架橋アルギン酸構造体。
  13. 請求項8〜請求項11のいずれか1項に記載の光架橋アルギン酸構造体を含む医療用材料。
  14. ビーズ又は略球形のゲルである、請求項13に記載の医療用材料。
  15. 請求項1に記載のアルギン酸誘導体に光照射を行うことを含む、請求項4に記載の光架橋アルギン酸を製造する方法。
  16. 請求項1のアルギン酸誘導体(式(I)においてp=1の場合)に光照射を行うことにより形成される化学架橋が、下記式(II−L−1)又は式(II−L−2):
    [式(II−L−1)又は式(II−L−2)中、両端の−CONH−及び−NHCO−は、アルギン酸の任意のカルボキシル基を介したアミド結合を表わし;−A−、−X−、及びArは、前記請求項1中の定義と同じである]から選ばれる構造である、請求項15に記載の光架橋アルギン酸を製造する方法。
  17. 請求項1のアルギン酸誘導体(式(I)においてp=2の場合)に光照射を行うことにより形成される化学架橋が、下記式(II−L−3):
    [式(II−L−3)中、両端の−CONH−及び−NHCO−は、アルギン酸の任意のカルボキシル基を介したアミド結合を表わし;−A−、−X−、及びArは、前記請求項1中の定義と同じである]から選ばれる構造である、請求項15に光架橋アルギン酸を製造する方法。
  18. 照射する光が、紫外線又はLED光から選ばれる光である、請求項15〜請求項17のいずれか1項に記載の光架橋アルギン酸を製造する方法。
  19. 請求項1に記載のアルギン酸誘導体の溶液を、2価金属イオンを含む溶液中に滴下することで得られるゲルに光照射して光架橋アルギン酸構造体を得ることを含み、光架橋アルギン酸構造体が、架橋として2価金属イオンにより部分的に形成されるイオン架橋及び光照射により形成される化学架橋を含む、光架橋アルギン酸構造体を製造する方法。
  20. 請求項1のアルギン酸誘導体(式(I)においてp=1の場合)に光照射を行うことにより形成される化学架橋が、下記式(II−L−1)又は式(II−L−2):
    [式(II−L−1)又は式(II−L−2)中、両端の−CONH−及び−NHCO−は、アルギン酸の任意のカルボキシル基を介したアミド結合を表わし;−A−、−X−、及びArは、前記請求項1中の定義と同じである]から選ばれる構造である、請求項19に記載の光架橋アルギン酸構造体を製造する方法。
  21. 請求項1のアルギン酸誘導体(式(I)においてp=2の場合)に光照射を行うことにより形成される化学架橋が、下記式(II−L−3):
    [式(II−L−3)中、両端の−CONH−及び−NHCO−は、アルギン酸の任意のカルボキシル基を介したアミド結合を表わし;−A−、−X−、及びArは、前記請求項1中の定義と同じである]から選ばれる構造である、請求項19に光架橋アルギン酸構造体を製造する方法。
  22. 照射する光が、紫外線又はLED光から選ばれる光である、請求項19〜請求項21のいずれか1項に記載の光架橋アルギン酸構造体を製造する方法。
  23. 請求項1に記載のアルギン酸誘導体を、2価金属イオンにより部分的にイオン架橋して特定の構造体を形成した後に、当該構造体に光照射により化学架橋することにより光架橋アルギン酸構造体を得ることを含む、光架橋アルギン酸構造体を製造する方法。
  24. 照射する光が、紫外線又はLED光から選ばれる光である、請求項23に記載の光架橋アルギン酸構造体を製造する方法。
  25. 請求項1に記載のアルギン酸誘導体を、2価金属イオン及び光照射により架橋して得られる、内容物の保持性を有する光架橋アルギン酸構造体。
  26. 生体適合性がある、請求項1〜3のいずれか1項に記載のアルギン酸誘導体、請求項4〜7のいずれか1項に記載の光架橋アルギン酸、及び請求項8〜12のいずれか1項に記載の光架橋アルギン酸構造体。
  27. 下記式(AM−1):
    [式(AM−1)中、Arは、C6〜10アリール基、又は複素環基(前記C6〜10アリール基、又は複素環基は、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1〜6アルキル基、ハロゲン化C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、及び−NR基(−NR基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり)から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良く、前記C6〜10アリール基又は複素環基に、C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基が又は2つのC1〜6アルコキシ基が隣接して置換する場合、当該C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基の各基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、又は、当該2つのC1〜6アルコキシ基の各アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、環状エーテルを形成しても良く、又は、前記C6〜10アリール基又は複素環基に、C1〜6アルコキシ基及び−NHR基(−NHR基におけるRは、C2〜7アルカノイル基又はC1〜6アルキルスルホニル基である)が隣接して置換している場合、当該C1〜6アルコキシ基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子と当該−NHR基の水素原子が1つ除かれた窒素原子が結合することにより、3−N−(C2〜7アルカノイル)オキサゾリジン環、3−N−(C1〜6アルキルスルホニル)オキサゾリジン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)モルホリン環、4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)モルホリン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)−1,4−オキサゼパン環、又は4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)−1,4−オキサゼパン環を形成しても良い)を表わし;
    −X−は、−O−、−NH−、又は−N(C1−6アルキル)−を表わし;
    −A−は、式(AL−1)〜(AL−4)(但し、−X−が、−NH−、又は−N(C1−6アルキル)の場合、式(AL−1)は除く)[各式中、両端の波線外側は含まない]:
    (式(AL−1)〜(AL−4)中、nは、1〜18の整数を表わし;mは、1〜9の整数を表わし;jは、0〜9の整数を表わし;
    式(AL−1)〜(AL−4)中のメチレン基(−CH−)の水素原子は、ハロゲン原子、水酸基、C1〜6アルキル基、ヒドロキシC1〜6アルキル基、チオールC1〜6アルキル基、C1〜6アルキルチオC1〜6アルキル基、カルボキシC1〜6アルキル基、−NR基、(RN)−C1〜6アルキル基、(RN)C(=O)−C1〜6アルキル基(前記−NR基、(RN)−C1〜6アルキル基、又は(RN)C(=O)−C1〜6アルキル基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり)、グアニジノC1〜6アルキル基、C7〜16アラルキル基、ヒドロキシC6〜10アリールC1〜6アルキル基、又はヘテロアリールC1〜6アルキル基から選択される基で複数個(例えば、1〜10個、又は1〜5個)置き換えられても良く;式(AL−1)〜(AL−4)中のメチレン基(−CH−)の2つの水素原子がC1〜6アルキル基に置き換えられた場合、当該アルキル基が互いに結合して、C3〜8シクロアルキル環を形成してもよく;式(AL−3)又は式(AL−4)中の−NH−基は、隣接する炭素原子に結合する前記置換基と共に、非芳香族複素環を形成してもよい)](但し、2−(2−アミノエトキシ)エチル(E)−3−(4−メトキシフェニル)アクリレート、2−(2−アミノエトキシ)エチルシンナメート、(E)−N−(2−(2−アミノエトキシ)エチル)−3−(4−プロポキシフェニル)アクリルアミド、(E)−N−(2−(2−アミノエトキシ)エチル)−3−(3−メトキシフェニル)アクリルアミド、(E)−N−(2−(2−アミノエトキシ)エチル)−3−(3,4−ジメトキシフェニル)アクリルアミド、(E)−N−(2−(2−アミノエトキシ)エチル)−3−(4−エトキシフェニル)アクリルアミド、(E)−N−(2−(2−アミノエトキシ)エチル)−3−(4−ニトロフェニル)アクリルアミド、(E)−N−(2−(2−アミノエトキシ)エチル)−3−(4−イソプロピルフェニル)アクリルアミド、(E)−N−(2−(2−アミノエトキシ)エチル)−3−(4−フルオロフェニル)アクリルアミド、(E)−N−(2−(2−アミノエトキシ)エチル)−3−(2,5−ジメトキシフェニル)アクリルアミド、(E)−N−(2−(2−アミノエトキシ)エチル)−3−(2−プロポキシフェニル)アクリルアミド、(E)−N−(2−(2−アミノエトキシ)エチル)−3−(4−クロロフェニル)アクリルアミド、(E)−N−(2−(2−アミノエトキシ)エチル)−3−(3−イソプロポキシフェニル)アクリルアミド、N−(2−(2−アミノエトキシ)エチル)シンナミド、(E)−N−(2−(2−アミノエトキシ)エチル)−3−(p−トリル)アクリルアミド、(E)−N−(2−(2−(2−アミノエトキシ)エトキシ)エチル)−3−(4−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、(E)−N−(2−(2−アミノエトキシ)エチル)−3−(フラン−2−イル)アクリルアミド、1,3−ジアミノプロパン−2−イルシンナメート、5−アミノペンチル(E)−3−(4−メトキシフェニル)アクリレート、3−アミノプロピル(E)−3−(4−メトキシフェニル)アクリレート、ジアミノメチルシンナメート、6−アミノヘキシルシンナメート、4−アミノブチルシンナメート、5−アミノペンチルシンナメート、8−アミノオクチルシンナメート、12−アミノドデシルシンナメート、3−アミノプロピルシンナメート、2−アミノエチルシンナメート、1,2−ジアミノエチルシンナメート、2−アミノエチル(E)−3−(ピリジン−4−イル)アクリレート、2−アミノエチル(E)−3−(チオフェン−2−イル)アクリレート、及び2−アミノエチル(E)−3−(フラン−2−イル)アクリレートは除く)で表される化合物、又は製薬学的に許容されるその塩、又はそれらの溶媒和物。
  28. 下記式(AM−2):
    [式(AM−2)中、Arは、C6〜10アリール基、又は複素環基(前記C6〜10アリール基、又は複素環基は、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、C1〜6アルキル基、ハロゲン化C1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、及び−NR基(−NR基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり)から任意に選ばれる1〜3個の基が環上の水素原子と置換しても良く、前記C6〜10アリール基又は複素環基に、C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基が又は2つのC1〜6アルコキシ基が隣接して置換する場合、当該C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基の各基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、又は、当該2つのC1〜6アルコキシ基の各アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、環状エーテルを形成しても良く、又は、前記C6〜10アリール基又は複素環基に、C1〜6アルコキシ基及び−NHR基(−NHR基におけるRは、C2〜7アルカノイル基又はC1〜6アルキルスルホニル基である)が隣接して置換している場合、当該C1〜6アルコキシ基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子と当該−NHR基の水素原子が1つ除かれた窒素原子が結合することにより、3−N−(C2〜7アルカノイル)オキサゾリジン環、3−N−(C1〜6アルキルスルホニル)オキサゾリジン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)モルホリン環、4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)モルホリン環、4−N−(C2〜7アルカノイル)−1,4−オキサゼパン環、又は4−N−(C1〜6アルキルスルホニル)−1,4−オキサゼパン環を形成しても良い)(但し、−X−が、−NH−の場合、Aから式(AL−1)のn=1〜6を除き、Arの複素環基からベンゾ[d][1,3]ジオキソリル基を除き、又前記C6〜10アリール基又は複素環基に、C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基が又は2つのC1〜6アルコキシ基が隣接して置換する場合、当該C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基の各基のアルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより、又は、当該2つのC1〜6アルコキシ基の各アルキル基から任意の水素原子が1つ除かれた炭素原子間で結合することにより形成される環状エーテルより、1,3−ジオキソラン環を除く)を表わし;
    −X−は、−O−、−NH−、又は−N(C1−6アルキル)−を表わし;
    −A−は、式(AL−1)〜(AL−4)[各式中、両端の波線外側は含まない]:
    (式(AL−1)〜(AL−4)中、nは、1〜18の整数を表わし;mは、1〜9の整数を表わし;jは、0〜9の整数を表わし;
    式(AL−1)〜(AL−4)中のメチレン基(−CH−)の水素原子は、ハロゲン原子、水酸基、C1〜6アルキル基、ヒドロキシC1〜6アルキル基、チオールC1〜6アルキル基、C1〜6アルキルチオC1〜6アルキル基、カルボキシC1〜6アルキル基、−NR基、(RN)−C1〜6アルキル基、(RN)C(=O)−C1〜6アルキル基(前記−NR基、(RN)−C1〜6アルキル基、又は(RN)C(=O)−C1〜6アルキル基における、R及びRは、各々独立して、水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜7アルカノイル基、又はC1〜6アルキルスルホニル基から選択される基であり)、グアニジノC1〜6アルキル基、C7〜16アラルキル基、ヒドロキシC6〜10アリールC1〜6アルキル基、又はヘテロアリールC1〜6アルキル基から選択される基で複数個(例えば、1〜10個、又は1〜5個)置き換えられても良く;式(AL−1)〜(AL−4)中のメチレン基(−CH−)の2つの水素原子がC1〜6アルキル基に置き換えられた場合、当該アルキル基が互いに結合して、C3〜8シクロアルキル環を形成してもよく;式(AL−3)又は式(AL−4)中の−NH−基は、隣接する炭素原子に結合する前記置換基と共に、非芳香族複素環を形成してもよい)]で表される化合物、又は製薬学的に許容されるその塩、又はそれらの溶媒和物。
JP2020503590A 2018-02-28 2019-02-27 新規光架橋性アルギン酸誘導体 Active JP7346380B2 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018035943 2018-02-28
JP2018035943 2018-02-28
JP2018205325 2018-10-31
JP2018205325 2018-10-31
PCT/JP2019/007655 WO2019168058A1 (ja) 2018-02-28 2019-02-27 新規光架橋性アルギン酸誘導体

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JPWO2019168058A1 true JPWO2019168058A1 (ja) 2021-02-12
JPWO2019168058A5 JPWO2019168058A5 (ja) 2022-02-21
JP7346380B2 JP7346380B2 (ja) 2023-09-19

Family

ID=67806253

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020503590A Active JP7346380B2 (ja) 2018-02-28 2019-02-27 新規光架橋性アルギン酸誘導体

Country Status (6)

Country Link
US (1) US11472891B2 (ja)
EP (1) EP3760647A4 (ja)
JP (1) JP7346380B2 (ja)
CN (1) CN111918881B (ja)
CA (1) CA3092253A1 (ja)
WO (1) WO2019168058A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2022145419A1 (ja) 2020-12-28 2022-07-07

Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08143604A (ja) * 1994-11-17 1996-06-04 Seikagaku Kogyo Co Ltd 光架橋性ヒアルロン酸誘導体とその架橋体およびそれらの製造方法
JPH0987236A (ja) * 1995-09-20 1997-03-31 Seikagaku Kogyo Co Ltd 桂皮酸誘導体
JPH11512778A (ja) * 1995-11-15 1999-11-02 生化学工業株式会社 光架橋ヒアルロン酸ゲルおよびその製造法
WO2002060971A1 (en) * 2001-01-31 2002-08-08 Seikagaku Corporation Crosslinked polysaccharide sponge
WO2004081054A1 (ja) * 2003-03-11 2004-09-23 Seikagaku Corporation 光架橋多糖組成物およびその製造方法
WO2005107827A1 (ja) * 2004-05-07 2005-11-17 Seikagaku Corporation 髄核充填剤
JP2006042758A (ja) * 2004-07-02 2006-02-16 Seikagaku Kogyo Co Ltd 胚性幹細胞の培養用基材及びその用途
JP2006111867A (ja) * 2004-09-15 2006-04-27 Seikagaku Kogyo Co Ltd 光反応性多糖、その光架橋多糖生成物及び医用材料
WO2007004675A1 (ja) * 2005-07-06 2007-01-11 Seikagaku Corporation 薬剤導入光架橋ヒアルロン酸誘導体ゲル
JP2011102405A (ja) * 2003-09-12 2011-05-26 Seikagaku Kogyo Co Ltd 多糖擬スポンジ
CN103936710A (zh) * 2013-01-18 2014-07-23 内蒙古大学 N-取代的胡椒基戊二烯酰胺衍生物及其制备方法和应用
CN105348250A (zh) * 2015-10-20 2016-02-24 吐尔孙拜克·叶尔达 一种药用化合物胡椒酸己二胺及其制备工艺

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5589591A (en) 1986-07-03 1996-12-31 Advanced Magnetics, Inc. Endotoxin-free polysaccharides
WO1993013136A1 (en) 1991-12-20 1993-07-08 Howmedica Inc. Ultra-pure polysaccharide materials for medical use
CA2162957C (en) 1994-11-17 2011-08-02 Michinori Waki Cinnamic acid derivative
US6025444A (en) 1994-11-17 2000-02-15 Seikagaku Kogyo Kabushiki Kaisha (Seikagaku Corporation) Cinnamic acid derivative
JPH08269102A (ja) 1995-03-30 1996-10-15 Shiseido Co Ltd エンドトキシンフリーのβ1,3−グルカン及びその製造法並びに医療用ゲル素材
JPH09324001A (ja) 1996-04-02 1997-12-16 Kyowa Hakko Kogyo Co Ltd ヒアルロン酸ナトリウムの精製法
WO2000029449A1 (en) 1998-11-13 2000-05-25 Cp Kelco U.S. Inc. Biopolymer salts with low endotoxin levels, biopolymer compositions thereof and methods of making the same
WO2004099259A1 (ja) 2003-05-09 2004-11-18 Toho Chemical Industry Co., Ltd. カチオン変性アルギン酸誘導体及び該物質を含む化粧料組成物
JP2005036036A (ja) 2003-07-16 2005-02-10 Tanabe Seiyaku Co Ltd エンドトキシン除去方法
AU2005283282B2 (en) 2004-09-15 2011-05-19 Seikagaku Corporation Photoreactive polysaccharide, photocrosslinked polysaccharide products, the method of making them and medical materials therefrom
JP4545073B2 (ja) * 2004-09-17 2010-09-15 三菱重工業株式会社 ガスバリア膜及び容器
JP2007099902A (ja) 2005-10-04 2007-04-19 Kaneka Corp アルギン酸誘導体、ポリアクリル酸誘導体およびそれらの製造方法
JP2010209130A (ja) 2009-03-06 2010-09-24 Teijin Ltd アルギン酸誘導体およびその製造方法
CN103923224B (zh) 2014-04-15 2016-03-02 武汉大学 一种光照-镁离子双交联海藻酸盐水凝胶及其制备方法

Patent Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08143604A (ja) * 1994-11-17 1996-06-04 Seikagaku Kogyo Co Ltd 光架橋性ヒアルロン酸誘導体とその架橋体およびそれらの製造方法
JPH0987236A (ja) * 1995-09-20 1997-03-31 Seikagaku Kogyo Co Ltd 桂皮酸誘導体
JPH11512778A (ja) * 1995-11-15 1999-11-02 生化学工業株式会社 光架橋ヒアルロン酸ゲルおよびその製造法
WO2002060971A1 (en) * 2001-01-31 2002-08-08 Seikagaku Corporation Crosslinked polysaccharide sponge
WO2004081054A1 (ja) * 2003-03-11 2004-09-23 Seikagaku Corporation 光架橋多糖組成物およびその製造方法
JP2011102405A (ja) * 2003-09-12 2011-05-26 Seikagaku Kogyo Co Ltd 多糖擬スポンジ
WO2005107827A1 (ja) * 2004-05-07 2005-11-17 Seikagaku Corporation 髄核充填剤
JP2006042758A (ja) * 2004-07-02 2006-02-16 Seikagaku Kogyo Co Ltd 胚性幹細胞の培養用基材及びその用途
JP2006111867A (ja) * 2004-09-15 2006-04-27 Seikagaku Kogyo Co Ltd 光反応性多糖、その光架橋多糖生成物及び医用材料
WO2007004675A1 (ja) * 2005-07-06 2007-01-11 Seikagaku Corporation 薬剤導入光架橋ヒアルロン酸誘導体ゲル
CN103936710A (zh) * 2013-01-18 2014-07-23 内蒙古大学 N-取代的胡椒基戊二烯酰胺衍生物及其制备方法和应用
CN105348250A (zh) * 2015-10-20 2016-02-24 吐尔孙拜克·叶尔达 一种药用化合物胡椒酸己二胺及其制备工艺

Non-Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
SHIMADA CHIYAKO, ET AL.: "Quantitative structure-cytotoxicity relationship of piperic acid amides", ANTICANCER RESEARCH, vol. Vol.34(9), JPN6019013326, 2014, pages 4877 - 4884, XP055634081, ISSN: 0005027586 *
TAKAO KOICHI, ET AL.: "Synthesis and biological evaluation of piperic acid amides as free radical scavengers and α-glucosi", CHEMICAL & PHARMACEUTICAL BULLETIN, vol. Vol.63(5), JPN6019013323, 2015, pages 326 - 333, ISSN: 0005027585 *

Also Published As

Publication number Publication date
CN111918881A (zh) 2020-11-10
CN111918881B (zh) 2022-08-12
US11472891B2 (en) 2022-10-18
CA3092253A1 (en) 2019-09-06
WO2019168058A1 (ja) 2019-09-06
US20210380727A1 (en) 2021-12-09
EP3760647A1 (en) 2021-01-06
EP3760647A4 (en) 2021-12-01
JP7346380B2 (ja) 2023-09-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Teng et al. Recent development of alginate-based materials and their versatile functions in biomedicine, flexible electronics, and environmental uses
CN109776451B (zh) 光交联水凝胶材料的制备、原料、产品及应用
EP1303542B1 (fr) Preparation d'acide hyaluronique reticule et de son hydrogel, les produits obtenus et leurs utilisations.
AU2010252816B2 (en) Injectable hydrogel for the long-term supplementation of glycerol in the skin
JP6815561B2 (ja) 新規な架橋アルギン酸
WO2021125255A1 (ja) 新規な架橋アルギン酸
WO2007004675A1 (ja) 薬剤導入光架橋ヒアルロン酸誘導体ゲル
JP2004507588A (ja) ヒアルロン酸の新規架橋誘導体
WO2020262642A1 (ja) 化学架橋アルギン酸を用いた移植用デバイス
JP4813179B2 (ja) 光架橋多糖組成物およびその製造方法
WO2014190849A1 (zh) 阿霉素前药及其制备方法和可注射的组合物
CN110023341A (zh) 使糖胺聚糖交联的方法
JP7346380B2 (ja) 新規光架橋性アルギン酸誘導体
CN106519072A (zh) 可注射型玻尿酸/聚乙二醇水凝胶及其制备方法和应用
WO2021125279A1 (ja) 化学架橋アルギン酸ゲルファイバ
WO2022145419A1 (ja) 化学架橋アルギン酸を用いた多層構造体
CN115244087B (zh) 用于3d打印的生物墨水、有关缀合物和由光反应性连接基组成的中间体的制备方法
WO2021060336A1 (ja) 新規な架橋アルギン酸構造体
Umeyor et al. Hydrogels and Nanogels-Applications in Medicine: Applications in Medicine
Matsukuma et al. Novel photo-reactive acrylamide-based copolymers instantly gave the sensitive stimuli-responsive hydrogels

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220210

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220210

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230404

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230524

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230829

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230906

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7346380

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150